説明

エマルションの製造方法

【課題】耐水性および耐候性に優れた塗膜を形成する水性被覆材用樹脂分散液を生産性良く製造する手法を提供する。
【解決手段】ラジカル重合性単量体混合物(a)とポリオルガノシロキサン共重合体を一括して反応容器に加え、pH9以上で乳化重合した後、ラジカル重合性単量体混合物(b)を滴下しながら乳化重合を行い、重合体を形成するエマルションを製造方法。また、該製造方法により得られたエマルションを含む水性被覆材であり、および水性被覆剤を塗装したその塗装物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エマルションの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、塗料分野においては、地球環境や塗装作業環境等への配慮から、有機溶剤を媒体とする溶剤系塗料から、水を媒体とする水性塗料への変換が図られている。特に樹脂成分が水に分散したエマルション型水性塗料は、乾燥性に優れ、不揮発成分の濃度を高くしても低粘度化が可能であるため、塗料のみならず、接着剤、粘着剤、紙処理剤および繊維処理剤等に幅広く使用されている。水性塗料の急速な用途拡大に伴い、性能だけではなく、製造時間が短く、重合安定性が良好な生産性の高い製造方法が求められている。
【0003】
たとえば特許文献1には、多層構造の重合体を水に分散したエマルションの製造において、1段目の重合を滴下重合ではなく、一括して重合で行うことにより、製造時間を短縮する製法が示されている。この製法により得られたエマルションを含む水性被覆材から得られた塗膜は優れた耐候性を示す。さらには多層構造であることから、例えば塗膜表面の硬度と塗膜の柔軟性など、相反する2つの性能を両立させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−269972号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に記載の製法は、重合中に多くの凝集物が発生し、重合発熱が安定しないなど、重合安定性に問題が生じる場合があった。
そこで、本発明の目的は、耐水性および耐候性に優れた塗膜を形成する水性被覆材用のエマルションを短い製造時間で、かつ安定に重合できる製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明はポリオルガノシロキサン共重合体とラジカル重合性単量体混合物(a)を反応容器に加え、pH9以上で一括して乳化重合した後、ラジカル重合性単量体混合物(b)を滴下しながら乳化重合を行い、重合体を形成するエマルションの製造方法に関するものである。
さらに前記製造方法により得られたエマルションを含む水性被覆材およびその塗装物に関するものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明の製造方法により、製造時間が短く、重合安定性が良好な生産性の高いエマルションを製造することができる。さらにこのエマルションを含む水性被覆材から得られる塗膜は耐水性および耐候性に優れた塗膜を形成することができる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明では、ポリオルガノシロキサン共重合体と重合に供される全ラジカル重合性単量体混合物の一部(ラジカル重合性単量体混合物(a))を一括して乳化重合を行った後(重合工程1)、
残りのラジカル重合性単量体混合物(ラジカル重合性単量体混合物(b))を滴下しながら乳化重合を行う(重合工程2)。
【0009】
重合工程1を行うことで、重合に供されるラジカル重合性単量体混合物の全量を滴下重合する方法に比べ、重合時間を短縮できるだけでなく、容易に高分子量化することもでき、耐水性および耐候性に優れた水性被覆材を製造することができる。
【0010】
[重合工程1]
本発明の重合工程1はポリオルガノシロキサン共重合体の存在下で乳化重合を行う。ポリオルガノシロキサン共重合体の存在下で、ラジカル重合性単量体混合物(a)の乳化重合を行うことで耐水性および耐候性に優れた水性被覆材を製造することができる。
さらにpH9以上の条件下で行うことが必要である。pH9以上で乳化重合を行うことにより、特に重合工程2において安定に重合できる。
【0011】
ポリオルガノシロキサン共重合体
本発明のポリオルガノシロキサン重合体は、例えば、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン等のジメチルジアルコキシシラン類や、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、テトラデカメチルシクロヘプタシロキサン、ジメチルサイクリックス(ジメチルシロキサン環状オリゴマー3〜7量体混合物)等のジメチルシロキサン環状オリゴマー類や、ジメチルジクロロシラン等を酸性またはアルカリ性条件下で重合して合成することができる。得られる樹脂の熱安定性等の性能やコストに優れる点から、ジメチルシロキサン環状オリゴマーを用いることが好ましい。
【0012】
さらにジメチルシロキサン環状オリゴマーと、加水分解性シリル基含有ラジカル重合性単量体からなるグラフト交叉剤を重合したポリオルガノシロキサン重合体を用いることがより好ましい。ポリオルガノシロキサン重合体とラジカル重合性単量体混合物(a)とがグラフト重合することによって、優れた塗膜の耐汚染性、耐候性、耐水性、耐凍害性を発現できるからである。
【0013】
ポリオルガノシロキサン重合体の質量平均分子量は、10,000以上であることが好ましく、50,000以上であることがより好ましい。ポリオルガノシロキサン重合体の質量平均分子量が10,000以上であれば、形成される塗膜に充分な耐久性が得られやすい。
【0014】
ポリオルガノシロキサン重合体はラジカル重合性単量体100質量部に対し、0.5〜25質量部であることが好ましい。0.5質量部未満であると、塗膜の耐侯性、耐水性、柔軟性が低下する傾向にある。より好ましくは1質量部以上である。また、使用量が25質量部を超えると、塗膜の柔軟性、耐候性、耐水性および耐汚染性が低下する傾向にある。より好ましくは、20質量部以下である。さらに好ましくは、2〜15質量部である。
【0015】
ラジカル重合性単量体混合物(a)
ラジカル重合性単量体混合物(a)としての使用可能な単量体として以下のものが挙げられる。
【0016】
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等の炭素原子数1〜18のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート類;シクロヘキシルメタクリレート等のシクロアルキル(メタ)アクリレート類;γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン等の加水分解性シリル基含有ラジカル重合性単量体;アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸等のラジカル重合性カルボン酸単量体;ヒドロキシポリエチレンオキシドモノ(メタ)アクリレート、ヒドロキシポリプロピレンオキシドモノ(メタ)アクリレート等の末端ヒドロキシ型ポリアルキレンオキシド基含有ラジカル重合性単量体;メトキシポリエチレンオキシドモノ(メタ)アクリレート等のアルキル基末端型ポリアルキレンオキシド基含有ラジカル重合性単量体;1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル(メタ)アクリレート、2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル(メタ)アクリレート等の光安定化作用を有する(メタ)アクリレート;2−[2´−ヒドロキシ−5´−(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニル]−2H−ベンゾトリアゾール等の紫外線吸収性成分を有する(メタ)アクリレート;2−アミノエチル(メタ)アクリレート等のアミノアルキル(メタ)アクリレート類;(メタ)アクリルアミド等のアミド基含有ラジカル重合性単量体;ジ(メタ)アクリル酸亜鉛等の金属含有ラジカル重合性単量体;(メタ)アクリロニトリル、ベンジル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート等のその他の(メタ)アクリル系単量体;スチレン、メチルスチレン等の芳香族ビニル系単量体;1,3−ブタジエン、イソプレン等の共役ジエン系単量体;酢酸ビニル、塩化ビニル、エチレン等のラジカル重合性単量体。
【0017】
また、ラジカル重合性単量体混合物(a)中にラジカル重合性基を2つ以上有する単量体を用いると、塗膜の耐候性、耐水性、耐ブロッキング性が向上するため好ましい。
ラジカル重合性基を2つ以上有する単量体としては具体的に以下のものを挙げることができる。エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−1,3−ジ(メタ)アクリロキシプロパン、2,2−ビス[4−(アクリロキシエトキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(メタクリロキシエトキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(アクリロキシ・ポリエトキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(メタクリロキシ・ポリエトキシ)フェニル]プロパン、2−ヒドロキシ−1−アクリロキシ−3−メタクリロキシプロパン、エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性水添ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性水添ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのジグリシジルエーテルにヒドロキシ(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを付加させたエポキシ(メタ)アクリレート、ポリオキシアルキレン化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート等のジオールと(メタ)アクリル酸のジエステル化合物;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の1分子当たり3個以上の水酸基を有する化合物と(メタ)アクリル酸のポリエステル化合物;アリル(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、トリアリル(イソ)シアヌレート、イソ(テレ)フタル酸ジアリル、イソシアヌル酸ジアリル、マレイン酸ジアリルトリス(2−アクリロイルオキシエチレン)イソシアヌレート、ε−カプロラクトン変性トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート。中でも、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、イソ(テレ)フタル酸ジアリル、イソシアヌル酸ジアリル、マレイン酸ジアリル等が好ましく、アリル基を3つ有するトリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレートの使用がより好ましい。
【0018】
さらにヒドロキシルアルキル(メタ)アクリレートを用いると、水性被覆材を製造する際の配合安定性や、塗膜の耐汚染性、耐候性、耐水性、および各種下地に対する密着性が向上するため好ましい。全単量体中(ラジカル重合性単量体混合物(a)およびラジカル重合性単量体混合物(b))に含まれるヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの割合は、0.1〜15質量%が好ましく、0.5〜12質量%がより好ましい。全単量体中に含まれるヒドロキシルアルキル(メタ)アクリレートの量が0.1質量%以上であれば効果が得られ、15質量%以下であれば塗膜の耐水性および耐候性の低下が抑制できる。
【0019】
さらに自己架橋性官能基含有ラジカル重合性単量体を用いると、塗膜の耐ブロッキング性、耐汚染性、耐候性、耐水性、および各種下地に対する密着性が向上するため好ましい。自己架橋性官能基含有ラジカル重合性単量体とは、得られた重合体中に残存する自己架橋性官能基が、室温で分散液として保管されている間は化学的に安定であり、塗装時の乾燥、加熱又はその他の外的要因によって側鎖の官能基同士で反応して側鎖間に化学結合が形成する単量体をいう。
【0020】
自己架橋性官能基含有ラジカル重合性単量体としては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート等のオキシラン基含有ラジカル重合性単量体、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド等のラジカル重合性アミドのアルキロール又はアルコキシアルキル化合物が挙げられる。これらは必要に応じて2種以上を選択して使用してもよい。
【0021】
自己架橋性官能基含有ラジカル重合性単量体は、全単量体中(ラジカル重合性単量体混合物(a)およびラジカル重合性単量体混合物(b))に0.2〜10質量%含むことが好ましく、0.5〜8質量%含むことがより好ましい。0.2質量%以上含むことによって効果が得られ、10質量%以下であれば、塗膜の耐水性および耐候性の低下を抑制できる。
【0022】
界面活性剤
界面活性剤はラジカル重合性単量体100質量部に対して、0.1〜10質量部含むことが好ましい。界面活性剤を0.1質量部以上とすることによって、重合安定性およびエマルションの貯蔵安定性が向上する。また、界面活性剤を10質量部以下とすることによって、塗膜の耐水性を損なうことなくエマルションを配合して水性被覆材とする際の配合安定性や、水性被覆材の経時的安定性等を維持することができる。より好ましい含有量は0.5〜8質量部である。
【0023】
使用可能な界面活性剤として、各種のアニオン性、カチオン性、又はノニオン性の界面活性剤、更には高分子乳化剤が挙げられる。また、界面活性剤成分中にラジカル重合性結合を持つ、反応性界面活性剤も使用できる。
また、耐候性向上の点から、リン酸エステル型反応性界面活性剤を併用して使用することが好ましい。好ましい使用量は全単量体100質量部に対して0.05〜5質量部である。この使用量が5質量部以下とすることによって塗膜の耐水性および耐候性の低下を抑制できる。より好ましくは0.1〜3重量部である。
【0024】
リン酸エステル型反応性界面活性剤は市販品として入手できる。その具体例としては、東邦化学工業(株)社製のサーフマーシリーズであるFP−80、FP−100、FP−120、FP−160、FP−200、FP−125、旭電化工業(株)社製のアデカリアソープシリーズのPP−70、PPE−710等が挙げられる。これらは必要に応じて1種以上を選択して使用できる。
【0025】
ラジカル重合開始剤
ラジカル重合開始剤は、ラジカル重合に使用される公知のものが使用可能である。具体例としては、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩類;アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2−フェニルアゾ−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル等の油溶性アゾ化合物類や2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[2−(1−ヒドロキシエチル)]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[2−(1−ヒドロキシブチル)]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス[2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]およびその塩類、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]およびその塩類、2,2’−アゾビス[2−(3,4,5,6−テトラヒドロピリミジン−2−イル)プロパン]およびその塩類、2,2’−アゾビス{2−[1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリン−2−イル]プロパン}およびその塩類、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)およびその塩類、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピンアミジン)およびその塩類、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]およびその塩類等の水溶性アゾ化合物;過酸化ベンゾイル、クメンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソブチレート等の有機過酸化物類が挙げられる。これらは単独で又は2種類以上の混合物として使用できる。
【0026】
ラジカル重合開始剤の添加量は、通常、ラジカル重合性単量体100質量部に対して0.01〜10質量部であるが、高分子量化によって耐候性が向上することを考慮すると、0.01〜0.5質量部が好ましい。より好ましくは0.01〜0.15質量部であり、さらに好ましくは0.01〜0.1質量部である。
【0027】
重合温度
重合工程1の重合温度は、一括して乳化重合することによる発熱を考慮して、70℃以下で開始することが好ましい。60℃以下がより好ましく、さらに好ましくは55℃以下である。なお、重合開始剤の分解温度が前記重合温度より高い場合は重亜硫酸ナトリウム、硫酸第一鉄、アスコルビン酸塩等の還元剤をラジカル重合開始剤と組み合わせて用いることが好ましい。
【0028】
pHの条件
重合工程1では、pH9以上の条件下で一括して乳化重合を行う。なお、pH9以上の条件下で乳化重合を行うとは、還元剤または開始剤投入前の反応容器内に存在するラジカル重合性単量体混合物(a)を含む溶液のpHが9以上であることを意味する。さらにpH10以上で重合することがより好ましい。pHを9以上にすることで、重合安定性が向上し、重合中に発生する凝集物が減少し、重合発熱も安定させることができる。pHを9以上にするために添加する塩基性化合物は、具体的に以下のようなものが挙げられる。
アンモニア、トリメチルアミン、トリエチルアミン、プロピルアミン、ジブチルアミン、アミルアミン、1−アミノオクタン、2−ジメチルアミノエタノール、エチルアミノエタノール、2−ジエチルアミノエタノール、1−アミノ−2−プロパノール、2−アミノ−1−プロパノール、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、3−アミノ−1−プロパノール、1−ジメチルアミノ−2−プロパノール、3−ジメチルアミノ−1−プロパノール、2−プロピルアミノエタノール、エトキシプロピルアミン、アミノベンジルアルコール、モルホリン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム。中でも、揮発性の観点からアンモニアが好ましい。
【0029】
[重合工程2]
本発明の重合工程2は重合工程1の後、ラジカル重合性単量体混合物(b)を滴下しながら乳化重合を行う。
【0030】
ラジカル重合性単量体混合物(b)
ラジカル重合性単量体混合物(b)は、特に限定されるものではないが、ラジカル重合性単量体混合物(a)に例示した単量体を挙げることができる。さらにカルボニル基および/又はアルデヒド基含有ラジカル重合性単量体を用いることにより、より優れた塗料物性および塗膜物性を発現できるため好ましい。これらの単量体は必要に応じて2種以上を使用することができる。
【0031】
カルボニル基および/又はアルデヒド基含有ラジカル重合性単量体としては、例えば、アクロレイン、ジアセトンアクリルアミド、ホルミルスチロール、ビニルアルキルケトンが挙げられる。なかでも、炭素数4〜7個のビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソブチルケトン、(メタ)アクリルオキシアルキルプロパナールの他、(メタ)アクリルアミド、ピバリンアルデヒド、ジアセトン(メタ)アクリレート、アセトニルアクリレート、アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレートが好ましく、アクロレイン、ジアセトンアクリルアミド、ビニルメチルケトンがより好ましい。
【0032】
カルボニル基および/又はアルデヒド基含有ラジカル重合性単量体は、全単量体中(ラジカル重合性単量体混合物(a)およびラジカル重合性単量体混合物(b))に0.2〜10質量%含むことが好ましく、0.5〜8質量%であることがより好ましい。
【0033】
さらに、カルボニル基および/又はアルデヒド基含有ラジカル重合性単量体を用いて重合して得られる重合体の分散液中に、分子中に少なくとも2個のヒドラジノ基を有する有機ヒドラジン化合物(以下、「ヒドラジン化合物」という。)を配合すると、塗膜の耐水性、耐候性が向上するため好ましい。この効果は、塗装後、乾燥する工程において、重合体中のカルボニル基と、配合されたヒドラジン化合物のヒドラジノ基との間で架橋反応が進行することによって発現するものと考えられる。
【0034】
ヒドラジン化合物としては、例えば、エチレン−1,2−ジヒドラジン、プロピレン−1,3−ジヒドラジン、ブチレン−1,4−ジヒドラジン、シュウ酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、マレイン酸ジヒドラジド、フマル酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、イタコン酸ジヒドラジド等の炭素数が2〜15のジカルボン酸のジヒドラジドや、1,3−ビス(ヒドラジノカルボエチル)−5−イソプロピルヒダントイン、1,3−ビス(ヒドラジノカルボエチル)−5−(2−メチルメルカプトエチル)ヒダントイン、1−ヒドラジノカルボエチル−3−ヒドラジノカルボイソプロピル−5−(2−メチルメルカプトエチル)ヒダントイン等のヒダントイン骨格を有する化合物が挙げられる。
【0035】
また、カルボニル基および/又はアルデヒド基含有ラジカル重合性単量体とヒドラジン化合物の比率は、ラジカル重合性単量体混合物(b)中に含まれるカルボニル基および/又はアルデヒド基含有ラジカル重合性単量体のモル数を(P)、重合体の分散液に配合されるヒドラジン化合物のヒドラジノ基のモル数を(Q)としたとき、比率(P)/(Q)を0.1〜10とすることが好ましく、0.8〜2とすることがより好ましい。(P)/(Q)が0.1以上であれば、未反応のヒドラジン化合物による塗膜の耐水性の低下を抑制しやすく、(P)/(Q)が10以下であれば、塗膜の架橋度が高くなり、塗膜の耐水性、耐候性が向上する。
【0036】
界面活性剤
重合工程2で使用する界面活性剤の種類および量は重合工程1で記載したものと同様のものを用いることができる。
【0037】
重合温度
重合工程2での重合温度は、50℃〜90℃の範囲で行うことが好ましく、さらに好ましくは60℃〜80℃である。
【0038】
本発明においてラジカル重合性単量体混合物(a)とラジカル重合性単量体混合物(b)
の質量比は、25/75〜80/20であることが好ましく、25/75〜60/40であることがより好ましい。ラジカル重合性単量体混合物(a)とラジカル重合性単量体混合物(b)の質量比を25/75以上とすると、重合時間を短縮できるだけでなく、耐水性および耐候性に優れた水性被覆材を製造することができる。また、80/20以下であれば、例えば塗膜表面の硬度と塗膜の柔軟性など、相反する2つの性能の両立が可能となる。
【0039】
[エマルション]
本製造方法により得られたエマルションは、重合後、塩基性化合物の添加により、分散液のpHを中性領域〜弱アルカリ性、すなわちpH6.5〜11.0程度に調整することが好ましい。これにより、得られたエマルションの安定性が向上する。使用できる塩基性化合物は重合工程1においてpH調整を行う場合に用いる塩基性化合物と同様のものを用いることができる。
【0040】
本製造方法により得られた重合体の粒子径は、粒子の安定性および塗膜性能のバランスを考慮すると30〜300nmであることが好ましい。より好ましくは50〜200nmであり、さらに好ましくは50nm〜130nmである。30nm以上の粒子径であれば、重合中に凝集物が生じにくく、少量の界面活性化剤であっても安定に重合することができ、塗膜の耐水性を維持することができる。また300nm以下では成膜性が向上することから、耐水性および耐候性に優れた塗膜が得られる。
【0041】
本製造方法により得られたエマルションを含む水性被覆材は、必要に応じてさらに各種顔料、消泡剤、顔料分散剤、レベリング剤、たれ防止剤、艶消し剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、耐熱性向上剤、スリップ剤、および防腐剤等を含有してもよい。また、他のエマルション樹脂、水溶性樹脂、粘性制御剤、メラミン類等の硬化剤と混合して使用してもよい。水性被覆材は、主成分である重合体、前記界面活性剤、および添加剤等で固形分を形成し、通常、固形分20〜80質量%の状態で使用される。
【0042】
各種基材の表面に水性被覆材を塗装する方法としては、例えば、噴霧コート法、ローラーコート法、バーコート法、エアナイフコート法、刷毛塗り法、ディッピング法およびフローコート法等の各種の塗装法を選択できる。水性被覆材は、室温乾燥もしくは50〜180℃で加熱乾燥を行うことによって塗膜を得ることができる。
【0043】
本製造方法により得られた水性被覆材は、セメントモルタル、スレート板、石膏ボード、押し出し成形板、発泡性コンクリート、金属、ガラス、磁器タイル、アスファルト、木材、防水ゴム材、プラスチック、および珪酸カルシウム基材等の各種素材の表面仕上げ被覆材として有用であり、特に建築物、土木構造物等の躯体保護用水性被覆材として有用である。
【実施例】
【0044】
以下、本発明を実施例により詳細に説明する。なお、以下の記載において「部」は質量基準である。重合安定性および水性被覆材の評価は下記方法に従って実施した。
【0045】
<評価用水性被覆材の作製>
得られたエマルションのMFTが10℃を超えるものは、造膜助剤としてジエチレングリコールモノブチルエーテル(以下「BDG」という)を添加しMFTを10℃以下にした。次いで、エマルション100gに対し、RHEOLATE350(RHEOX(株)製、増粘剤)を0.5g、サーフィノールDF−58(エア・プロダクツ(株)製、消泡剤)0.5gを加え、十分に攪拌し、フォードカップ#4で30秒程度になるように脱イオン水を加えて調整した。その後、100メッシュナイロン紗を用いて濾過を行い、評価用水性被覆材を得た。
【0046】
<評価方法>
【0047】
(1)pHの測定
重合開始前のpHは、反応容器から少量サンプリングし、室温まで冷却後、pH6.86の標準緩衝液(キシダ化学製中性リン酸塩pH標準液)およびpH4.01の標準緩衝液(キシダ化学製フタル塩pH標準液)により校正したpHメーター(堀場製作所製D−54)を用いて測定した。
【0048】
(2)重合安定性
得られたエマルションを目開き100メッシュナイロンに通し、残存した固形物を105℃で3時間乾燥させ、乾燥重量x(g)を測定した。下記式によりエマルションの凝集物発生率(質量%)を算出した。
凝集物発生率(質量%)=x(g)/(エマルションの仕込み重量(g)×エマルションの理論固形分率(質量%))×100
【0049】
(3)重合温度安定性
2Lの重合スケールにおいて、ラジカル重合性単量体混合物(b)を滴下する際に、重合温度の推移を1分間隔で測定し、その温度の振れ幅を重合温度安定性の指標とし、下記の基準に従って評価した。振れ幅が小さいほど重合発熱が安定しており、重合制御が容易であることを示す。
○:1℃未満。
△:1℃以上、2℃未満。
×:2℃以上。
【0050】
(4)耐水性
評価用水性被覆材をリン酸亜鉛処理鋼鈑(ボンデライト#100処理鋼鈑、板厚0.8mm、縦150mm×横70mm)にバーコーター#48にて塗装し、130℃で20分間強制乾燥した。次いで、室温まで放冷し評価用塗板とした。この評価用塗板を50℃の温水に100時間浸漬し、引き上げ直後および乾燥後の塗膜外観を目視にて観察し、下記の基準に従って評価した。
◎:塗装面の白化は少なく、乾燥後は完全なクリヤー塗膜となった。
○:多少塗装面の白化は認められるが、乾燥後は2〜3時間程度でほぼクリヤー塗膜となった。
△:多少塗装面の白化が認められ、乾燥24時間後でも少し濁っており、48時間後で辛うじて、クリヤー塗膜となった。
×:かなり塗装面が白化しており、乾燥後も白化したままで、最後までクリヤー塗膜にならなかった。
【0051】
(5)耐候性
耐水性評価に使用したものと同様の評価用塗板を用い、ダイプラ・メタルウエザーKU−R4−W型(ダイプラ・ウィンテス(株)製)にて耐候性試験を行った。このとき、試験サイクルは、照射4時間(噴霧5秒/15分)/結露4時間、UV強度:85mW/cm2、ブラックパネル温度:照射時63℃/結露時30℃、湿度:照射時50%RH/結露時96%RHの条件で、1200時間経過後の60°光沢度の保持率を耐候性の指標とし、下記の基準に従って評価した。
◎:90%以上。
○:80%以上、90%未満。
△:60%以上、80%未満。
×:60%未満、又は塗膜の剥離・クラックが生じたもの。
【0052】
<製造例1> ポリオルガノシロキサン重合体水分散液の調製
下記原料組成物をホモミキサーで予備混合し、圧力式ホモジナイザーを用いて200kg/cmの圧力で強制乳化して、原料プレエマルションを得た。
次いで、水(90部)およびドデシルベンゼンスルホン酸(10部)を、攪拌機、還流冷却管、温度制御装置および滴下ポンプを備えたフラスコに仕込み、攪拌下に、フラスコの内温を85℃に保ちながら、前記原料プレエマルションを4時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに1時間重合を進行させ、冷却して、下記水酸化ナトリウム水溶液を加えてポリオルガノシロキサン共重合体水分散液(SiEm)を調製した。固形分は18質量%であった。
原料組成物:
環状ジメチルシロキサンオリゴマーの3〜7量体混合物 98部
γ−メタクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン 2部
脱イオン水 310部
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 0.7部
水酸化ナトリウム水溶液:
水酸化ナトリウム 1.5部
脱イオン水 30部
【0053】
[実施例1]
攪拌機、還流冷却管、温度制御装置、および滴下ポンプを備えたフラスコに下記第1原料混合物を仕込み、フラスコの内温を40℃に昇温した後に、下記塩基性化合物を加え、pH測定後に下記還元剤水溶液を添加した。また、重合発熱によるピークトップ温度を確認後、フラスコの外温を75℃に保持した。

第1原料混合物:
SiEm 5部
(固形分0.9部)
ラジカル重合性単量体混合物(a)
メチルメタクリレート 25部
グリシジルメタクリレート 3部
2−ヒドロキシエチルメタクリレート 1部
トリアリルシアヌレート 1部
界面活性剤 ニューコール707SF(商品名、日本乳化剤(株)製、固形分
30質量%) 5部
(固形分1.5部)
脱イオン水 88部
開始剤 パーブチルH69(商品名、日本油脂(株)製) 0.02部

塩基性化合物:
28質量%アンモニア水溶液 0.01部

還元剤水溶液:
硫酸第一鉄 0.0002部
エチレンジアミン(EDTA) 0.0005部
アスコルビン酸ナトリウム 0.12部
脱イオン水 6部

次いで、還元剤水溶液を添加してから0.5時間後に、第2原料混合物(予め乳化分散させたプレエマルション液)と下記開始剤水溶液とを1.75時間かけて滴下した。この滴下中はフラスコの外温を75℃に保持し、滴下終了後は75℃で1.5時間保持した。

第2原料混合物:
ラジカル重合性単量体混合物(b)
メチルメタクリレート 23.4部
ノルマルブチルメタクリレート 23.4部
2−エチルヘキシルアクリレート 17.2部
2−ヒドロキシエチルメタクリレート 2部
ダイアセトンアクリルアミド 1.5部
アクリル酸 2.5部
界面活性剤 ニューコール707SF 2.5部
(固形分0.75部)
サーフマーFP−120(商品名、東邦化学工業(株)、
固形分100質量%) 0.5部
28質量%アンモニア水溶液 0.17部
脱イオン水 25部

開始剤水溶液:
開始剤 パーブチルH69 0.03部
脱イオン水 5部

その後、室温まで冷却し、28質量%アンモニア水(1.24部)を添加後、下記原料を順次添加して水性被覆材を得た。

アジピン酸ジヒドラジド水分散液:
アジピン酸ジヒドラジド 0.7部
脱イオン水 1.5部
【0054】
[実施例2〜4]
塩基性化合物の量を表1に示す通りに変更した以外は、実施例1と同様にして水性被覆材を得た。
【0055】
[実施例5]
攪拌機、還流冷却管、温度制御装置、および滴下ポンプを備えたフラスコに下記第1原料混合物を仕込み、フラスコの内温を52℃に昇温した後に、下記塩基性化合物を加え、pH測定後に下記開始剤水溶液および還元剤水溶液を添加した。また、重合発熱によるピークトップ温度を確認後、フラスコの内温を70℃に保持した。

第1原料混合物:
SiEm 4部
(固形分0.72部)
ラジカル重合性単量体混合物(a)
メチルメタクリレート 40部
界面活性剤 アデカリアソープSR−1025(商品名、ADEKA(株)製、
固形分25質量%) 2.12部
(固形分0.53部)
脱イオン水 103部

塩基性化合物:
28質量%アンモニア水溶液 0.1部

開始剤水溶液:
過硫酸アンモニウム 0.075部
脱イオン水 1部

還元剤水溶液:
亜硫酸水素ナトリウム 0.025部
脱イオン水 1部

次いで、0.75時間後に、第2原料混合物(予め乳化分散させたプレエマルション液)を1.5時間かけて滴下した。この滴下中はフラスコの外温を70℃に保持し、滴下終了後は70℃で1.5時間保持した。

第2原料混合物:
ラジカル重合性単量体混合物(b)
メチルメタクリレート 28.8部
ノルマルブチルメタクリレート 5部
2−エチルヘキシルアクリレート 25.2部
アクリル酸 1部
界面活性剤 アデカリアソープSR−1025 1.88部
(固形分0.47部)
脱イオン水 20部

その後、室温まで冷却し、28質量%アンモニア水(0.74部)を添加して水性被覆材を得た。
【0056】
【表1】

表1中の略号は、以下の化合物を示す。また、表1の単位は全て質量部である。
MMA :メチルメタクリレート
GMA :グリシジルメタクリレート
2−HEMA :2−ヒドロキシエチルメタクリレート
TAC :トリアリルシアヌレート
n−BMA :ノルマルブチルメタクリレート
2−EHA :2―エチルヘキシルアクリレート
AA :アクリル酸
DAAm :ジアセトンアクリルアミド
ニューコール707SF:非反応性アニオン性界面活性剤(商品名、日本乳化剤(株)製)
アデカリアソープSR−1025:反応性アニオン性界面活性剤(商品名、ADEKA(株)製)
サーフマーFP−120:リン酸エステル型反応性界面活性剤(商品名、東邦化学工業(株)製)
28%NHaq:28質量%アンモニア水溶液
【0057】
[比較例1]
塩基性化合物の量を表1に示す通りに変更した以外は、実施例1と同様にして水性被覆材を得た。
【0058】
[比較例2]
塩基性化合物の量を表1に示す通りに変更した以外は、実施例5と同様にして水性被覆材を得た。
【0059】
各評価結果を表1に示す。
表1に示すように、本発明の実施例1〜5は、重合開始前に塩基性化合物を加え、pH9以上の条件下で乳化重合を開始しているため、優れた重合安定性を示した。且つ、実施例1〜5の水性被覆材を用いて得られた塗膜は、優れた耐水性および耐候性を示した。
【0060】
一方、比較例1および比較例2は重合開始前に塩基性化合物を加えず、pH9未満の条件下で乳化重合を開始しているため、優れた重合安定性を示さなかった。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明は耐水性および耐候性に優れた塗膜を形成するエマルションを生産性良く製造する方法である。そのため、建築物、土木構造物等の躯体保護を始めとする様々な被覆用途に用いることができ、工業上極めて有益である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリオルガノシロキサン共重合体とラジカル重合性単量体混合物(a)をpH9以上で一括して乳化重合した後、ラジカル重合性単量体混合物(b)を滴下しながら乳化重合を行い重合体を形成する、エマルションの製造方法。
【請求項2】
ラジカル重合性単量体混合物(a)とラジカル重合性単量体混合物(b)の質量比が25/75〜80/20である請求項1記載のエマルションの製造方法。
【請求項3】
請求項1〜2に記載の製法により得られたエマルションを含む水性被覆材。
【請求項4】
請求項3に記載の水性被覆剤を塗装した塗装物。

【公開番号】特開2011−219656(P2011−219656A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−91419(P2010−91419)
【出願日】平成22年4月12日(2010.4.12)
【出願人】(000006035)三菱レイヨン株式会社 (2,875)
【Fターム(参考)】