エラストマーと不織ウェブとの間の結合が改善された、不織布−エラストマー積層体
1つの実施形態において、本発明は、押出し結合した積層体(202)、および押出し結合された積層体(202)を製造するためのプロセスに関する。この積層体は、積層体(202)の少なくとも大部分にわたって実質的に連続的な少なくとも1つの不織ウェブ層(214、218)に直接結合した、エラストマーフィルム(206)を備える。積層体(202)は、少なくとも一方向に延伸可能であり、そしてエラストマーフィルム(206)は、ビニルアレーン含有ブロックコポリマーを含有し、そしてエラストマーフィルム(206)は、実質的に、粘着量の粘着剤を含まない。1つの実施形態において、エラストマーフィルムの全ビニルアレーン含有量は、約30%以下である。押出し結合された積層体(202)は、例えば、おむつタブにおいて有用である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1つの不織ウェブ層に結合したエラストマーフィルムを備える、押出し結合された積層体に関する。このような積層体は、少なくとも1つの不織ウェブ層に直接押し出されたエラストマーフィルムを有し得る。
【背景技術】
【0002】
不織積層体のための弾性フィルムは、従来の押出し成形を介して、ブロックコポリマーのような材料を使用して製造されている。このようなブロックコポリマーは、比較的低い費用で、良好な弾性特性を提供する。しかし、これらの材料の加工は、エラストマーフィルムがこの不織層に直接押し出される場合に、複雑になり得る。ブロックコポリマーの性質に起因して、2つの主要な問題(乏しい融解強度を生じる乏しいレオロジー;および不織層への乏しい結合)が起こり得る。これらの問題は、先行技術において、接着層を追加すること、および/またはエラストマーフィルムが形成されるエラストマーに粘着剤を添加することによって、取り組まれてきた。
【0003】
良好なレオロジー、およびエラストマーフィルムと不織層との間に接着層を提供する必要も、このエラストマーに粘着剤も添加する必要もなく、不織層へのエラストマーフィルムの良好な結合を有するような積層体を提供することは、有利である。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0004】
(要旨)
1つの実施形態において、本発明は、積層体の少なくとも大部分にわたって実質的に連続的に、少なくとも1つの不織ウェブ層に直接結合した、エラストマーフィルムを備える押出し結合された積層体に関し、
この積層体は、少なくとも一方向に延伸可能であり、そして
このエラストマーフィルムは、ビニルアレーン含有ブロックコポリマーを含有し、そしてこのエラストマーフィルムは、粘着量の粘着剤を実質的に含まない。1つの実施形態において、このブロックコポリマーは、SBSおよび/またはSEBSを含有する。1つの実施形態において、このエラストマーフィルムは、さらに、ポリスチレン、ポリ−(α−メチル)スチレン、エチレン−酢酸ビニルコポリマー、エチレン−メチル(メタ)アクリレートコポリマー、エチレン−エチル(メタ)アクリレートコポリマー、エチレン−(メタ)アクリル酸コポリマーのうちの1種以上を含有する、添加剤をさらに含有する。1つの実施形態において、このエラストマーフィルムは、プロセスオイルをさらに含有する。
【0005】
1つの実施形態において、このエラストマーフィルムの全ビニルアレーン含有量は、約30%以下である。
【0006】
別の実施形態において、本発明は、おむつ包みに関し、これは:
押出し結合された積層体であって、第一の部部分および第二の部分を含み、そして少なくとも一方向に延伸可能である、押出し結合された積層体;ならびに
少なくとも1つのウェブであって、この第一の部分および第二の部分のうちの一方から基材への取り付けを提供する、ウェブ、
を備え、
この押出し結合された積層体は、この積層体の少なくとも大部分にわたって実質的に連続的に、少なくとも1つの不織ウェブ層に直接結合した、エラストマーフィルムを備え、そして
このエラストマーフィルムは、ビニルアレーン含有ブロックコポリマーを含有し、そしてこのエラストマーフィルムは、粘着量の粘着剤を実質的に含まない。
【0007】
別の実施形態において、本発明は、少なくとも一方向に延伸可能な、押出し結合された積層体を製造するためのプロセスに関し、この方法は:
押出し成形されたエラストマーフィルムを、少なくとも1つの不織ウェブに直接押出し結合させることによって、積層体を形成する工程、
を包含し、
このエラストマーフィルムは、この積層体の少なくとも大部分にわたって実質的に連続的に、この不織ウェブに直接結合しており、そして
このエラストマーフィルムは、ビニルアレーン含有ブロックコポリマーを含有し、そしてこのエラストマーフィルムは、粘着量の粘着剤を実質的に含まない。1つの実施形態において、このエラストマーフィルムは、SBSおよび/またはSEBSを含有する混合物から押出し成形される。1つの実施形態において、このプロセスは、この混合物に、添加剤を添加する工程をさらに含有し、この添加剤は、ポリスチレン、ポリ−(α−メチル)スチレン、エチレン−酢酸ビニルコポリマー、エチレン−メチル(メタ)アクリレートコポリマー、エチレン−エチル(メタ)アクリレートコポリマー、エチレン−(メタ)アクリル酸コポリマーのうちの1つ以上を含有する。1つの実施形態において、押出し成形されたエラストマーフィルムを少なくとも1つの不織ウェブに直接押出し結合することによって積層体を形成する工程は、1工程で実施される。1つの実施形態において、このエラストマーフィルムは、プロセスオイルをさらに含有する。
【0008】
1つの実施形態において、このエラストマーフィルムの全ビニルアレーン含有量は、約30%以下である。
【0009】
1つの実施形態において、本発明は、良好なレオロジー、およびエラストマーフィルムと不織層との間に接着層を提供する必要も、このエラストマーに粘着剤を添加する必要もなしに、エラストマーフィルムの不織層への良好な結合を有する、積層体を提供する。1つの実施形態において、本発明は、高い破壊時の伸びを有し、そして破壊前に剥離しない積層体を提供する。
【0010】
説明を単純に明瞭にするために、図に示される要素は、必ずしも、同一縮尺で描かれていないことが理解されるべきである。例えば、これらの要素のうちのいくつかの寸法は、明瞭にするために、互いに対して誇張され得る。さらに、適切であるとみなされる場合には、参照番号は、対応する要素を示すために、複数の図にわたって繰り返されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
(詳細な説明)
以下に記載されるプロセス工程および構造は、押出し結合された積層体製品のための完全なプロセスフローを形成するわけではないかもしれないことが、理解されるべきである。本発明は、エラストマー、不織材料および積層体の、当該分野において現在使用されている製造技術と組み合わせて実施され得、そして共通して実施されるプロセス工程の程度のみが、本発明の理解のために必要である場合に、包含される。
【0012】
1つの実施形態において、本発明は、積層体の少なくとも大部分にわたって実質的に連続的に、少なくとも1つの不織ウェブに直接結合した、エラストマーフィルムを備える押出し結合された積層体に関し、この積層体は、少なくとも一方向に延伸可能であり、そしてこのエラストマーフィルムは、ビニルアレーン含有ブロックコポリマーを含有し、そしてこのエラストマーフィルムは、粘着量の粘着剤を実質的に含まない。1つの実施形態において、このエラストマーフィルムの全ビニルアレーン含有量は、約30%以下である。
【0013】
本明細書中で使用される場合、用語「粘着剤」とは、組成物に粘着を付与するために有用な、当該分野において公知の組成物または材料(例えば、接着剤)のいずれかを意味する。ASTM D−1878−61Tは、粘着を「別の表面と接着すると即座に、測定可能な強度の結合を形成することを可能にする、材料の特性」と定義する。粘着剤としては、例えば、ロジン酸誘導体、テルペン(例えば、α−ピレンまたはβ−ピレン)ベースの粘着剤、石油ベースの粘着剤(例えば、C−5樹脂またはC−9樹脂)、および他の粘着剤(例えば、t−ブチルフェノール樹脂)が挙げられる。
【0014】
本明細書中で使用される場合、用語「粘着量の粘着剤を実質的に含まない」とは、このように記載される組成物が、充分な量で存在する場合にこの組成物において粘着剤として作用する材料を含まないことを意味する。当該分野において公知であるように、粘着剤が組成物に添加されると、この粘着剤がこの組成物において粘着剤として作用する場合には、この組成物に粘性を提供するために、充分な量の粘着剤が添加されなければならない。このような量が、「粘着量」である。従って、1つの実施形態において、粘着剤の粘着量は、この粘着剤が添加される組成物の約5重量%より大きく、そしてこのような組成物が、粘着量の粘着剤を実質的に含まないとは、この組成物の約5重量%未満が粘着剤であることを意味する。別の実施形態において、粘着量は、約2重量%より大きく、そしてこのような組成物が、粘着量の粘着剤を実質的に含まないためには、この組成物の約2重量%未満が、粘着剤である。別の実施形態において、関連する量の粘着剤は、1重量%である。なお別の実施形態において、関連する量の粘着剤は、約10重量%である。従って、本発明の1つの実施形態によれば、エラストマーフィルムは、関連する量未満の粘着剤が存在し、そして充分な量で存在すれば粘着剤として働くあらゆる物質が、この組成物に粘着を提供または付与するには不十分な量で存在する場合、粘着量の粘着剤を実質的に含まない。
【0015】
本明細書中で使用される場合、用語「弾性」、「弾性化」および「弾性」とは、変形を起こしている力の除去後に元の大きさおよび形状あるいはその近くを回復する傾向をもたらす、材料または複合材料の特性を意味する。
【0016】
本明細書中で使用される場合、用語「エラストマー」とは、その弛緩長さの少なくとも50%伸び得、そして付与される力を解放すると、その伸びの少なくとも40%を回復する、材料または複合材料をいう。1つの実施形態において、エラストマー材料またはエラストマー複合材料は、その弛緩長さの少なくとも100%、1つの実施形態においては、少なくとも300%伸び得、そして付与される力を解放すると、その伸びの少なくとも50%を回復し得る。1つの実施形態において、エラストマー材料またはエラストマー複合材料は、その弛緩長さの少なくとも100%、1つの実施形態においては、少なくとも300%伸び得、そして付与される力を解放すると、その伸びの少なくとも25%を回復し得る。
【0017】
本明細書中で使用される場合、用語「層」とは、単数形で使用される場合、1つの要素または複数の要素(例えば、1つの層を形成している2つ以上の同時押出し成形されたフィルム)の二重の意味を有し得る。
【0018】
本明細書中で使用される場合、用語「伸長可能」および「延伸可能」とは、材料が、破壊されることなく、少なくとも一方向に、その初期の(未伸長)長さの少なくとも50%〜少なくとも150%、1つの実施形態においては、その初期の長さの少なくとも100%〜少なくとも200%、そして別の実施形態においては、その初期の長さの少なくとも150%〜少なくとも250%伸長し得ることを意味する。用語「伸長可能」および「延伸可能」は、弾性材料と、伸長するが上で弾性材料について定義された程度には収縮しない材料と、伸長するが十分には収縮しない材料とを含む。
【0019】
図面の図1を参照すると、本発明の1つの実施形態に従って、少なくとも1つの不織ウェブ層に直接結合したエラストマーフィルムを備える、押出し結合された積層体102を形成するためのプロセスを実施するための装置100が概略的に図示されている。図1に示されるように、押出し装置104が、エラストマー押出し成形品106を押出し、この押出し成形品は、2つのカレンダローラ110と112との間に形成された隙間(nip)に供給される。1つの実施形態において、押出し装置104は、1層の押出し成型品を押出し、そして他の実施形態において、押出し装置104は、以下により完全に記載されるように、複数層の押出し成型品を押し出すかまたは同時押出しするように適合される。1つの実施形態において、一方のカレンダローラ110または112は、例えばステンレス鋼から作製される、ほぼ平滑なカレンダロールであり得、そして他方のカレンダローラは、例えばゴムから作製される、平滑なローラであり得る。1つの実施形態において、これらのローラのうちの一方または両方が、冷却され得る。他の実施形態において、この装置内の他のローラが、冷却される。
【0020】
1つの実施形態において、エラストマー押出し成形品106は、連続的なシートの形態で押し出され、このシートは、実質的に均一な厚さを有する。別の実施形態において、このエラストマー押出し成形品は、連続的なシートの形態で押し出され、このシートは、不均一な厚さの領域を有し、例えば、この連続的なシートのうちの比較的薄い部分によって分離された、比較的厚い部分によって形成される筋または線を有する。1つの実施形態において、このエラストマー押出し成形品は、ストランドまたはリボンの形態で押し出され、これらのストランドまたはリボンは、互いに不連続である。
【0021】
1つの実施形態において、第一の不織ウェブ114が、供給ロール116から隙間108に提供され、そして第二の不織ウェブ118が、第二の供給ロール120から隙間108に供給される。
【0022】
1つの実施形態において、1つのみの不織ウェブが、隙間108に供給される。この実施形態において、積層体の片側は、露出したエラストマーフィルムを備える。このような実施形態において、露出したエラストマー押出し成形品は、ゴムローラにではなく金属ローラに曝露され得る。
【0023】
1つの実施形態において、エラストマー押出し成形品106、第一の不織ウェブ114および第二の不織ウェブ118は、一緒に隙間108に供給され、これによって、押出し結合された積層体102を形成し、この積層体は、巻き取りロール112に巻き取られ得る。1つの実施形態において、巻き取りロール112およびあそびロール124によって、張力が不織ウェブ114、118に提供される。以下に記載されるように、いくつかの実施形態において、エラストマー層106は、複数の層を備えても、1層であってもよい。エラストマー層106が複数の層を備える実施形態において、このような各実施形態において、エラストマーフィルムは、不織層に直接適用される。
【0024】
隙間108におけるローラ110と112との間の圧力は、約0.25バールから約5バールの範囲であり、そして別の実施形態においては、約1バールから約3バールであり、そして別の実施形態においては、約0.5バールから約1バールである。一般に、より低い圧力が、より高い圧力より好ましいが、但し、付与される圧力は、エラストマー押出し成形品とそれが結合される不織ウェブとの間の良好な結合を得るために十分であるべきである。1つの実施形態において、この圧力は、積層のために使用される特定の設備に依存する。いくつかの設備は、固有に、他の設備が必要とするより高い圧力を付与される必要がある。本発明者らは、高すぎる圧力が、エラストマー材料を不織層に積層するために付与される場合、このエラストマー材料がこのウェブ内に深く包埋され、そして得られる積層体が、繊維強化された複合材料のように働く(弾性であるよりむしろもろい)ことを見出した。このような積層体が、本明細書中に記載されるような応力試験/ひずみ試験を受けると、低い破壊時の伸びおよび高い応力値が得られる。1つの実施形態において、適切な圧力が付与されると、良好な結合が得られるが、層は、実質的に不連続なままである。
【0025】
隙間108におけるローラ110と112との間のギャップは、約0ミクロン〜約1000ミクロンの範囲であり、別の実施形態においては、約0ミクロン〜約700ミクロンであり、そして別の実施形態においては、約500ミクロンまでである。
【0026】
従って、1つの実施形態において、本発明は、少なくとも一方向に延伸可能な、押出し結合された積層体を提供するためのプロセスに関し、このプロセスは、少なくとも1つの不織ウェブに直接エラストマーフィルムを押出し結合させることによって、積層体を形成する工程を包含し、このエラストマーフィルムは、この積層体の少なくとも大部分にわたって実質的に連続的に、この不織ウェブに直接結合され、そしてこのエラストマーフィルムは、ビニルアレーン含有ブロックコポリマーを含有し、このエラストマーフィルムは、粘着量の粘着剤を実質的に含まない。上記のように、1つの実施形態において、このエラストマーフィルムの全ビニルアレーン含有量は、約30%以下である。1つの実施形態において、形成する工程は、1工程で実施される。記載されたように、1つの実施形態において、1つのみの不織ウェブが使用され、そして別の実施形態においては、1対の不織ウェブが使用される。図1に示される装置は、このプロセスを実施するために適切である。
【0027】
1つの実施形態において、本発明の方法は、高速製造機械で、約100fpm〜500fpm(約0.5m/s〜約2.5m/s)で、実施される。この実施形態において、不織ウェブは、エラストマーフィルムまたは押出し成形品と押出し積層するために、1対のローラの間の隙間に導入される。このエラストマーフィルムは、この隙間に、その軟化点より高い温度で押し出され、不織ウェブに積層されたエラストマーフィルムを形成する。1つの実施形態において、この押出し成形品の温度は、この押出し成形品が隙間内で不織ウェブと接触する時点で、その軟化点より高い。上記のように、不織ウェブとエラストマーフィルムとの間の圧縮力は、不織ウェブの片面をエラストマーフィルムに結合させて積層体を形成するために制御される。この圧縮力は、上記のように、ローラの間の圧力を調整することによってか、または隙間ロールの間のギャップを設定することによって、制御され得る。
【0028】
図2は、本発明の実施形態に従う、押出し結合された積層体202を備える構築物200の概略断面図である。図2に図示されるように、押出し結合された積層体202は、第一の不織ウェブ層214と第二の不織ウェブ層218との間に挟まれたエラストマー層206を備える。図2に示されるように、これらの3つの層が、積層体202を形成する。以下に記載されるように、いくつかの実施形態において、エラストマー層206は、複数の層を備えても、1層であってもよい。エラストマー層206が複数の層を備える実施形態において、このような実施形態の各々において、エラストマーフィルムは、不織層に直接適用される。
【0029】
図3は、本発明の別の実施形態に従う、図2と類似であるがエラストマーフィルム306内に複数の層を備える、押出し結合された積層体302を備える構築物300の概略断面図である。図3に示されるように、この実施形態において、エラストマーフィルム306は、複数の層を備え、この実施形態においては、3つの層を備える。他の実施形態において、本発明のエラストマーフィルムが不織ウェブ層に直接結合される限り、さらなる層が備えられ得る。図3に図示される実施形態において、エラストマーフィルム306は、上エラストマーフィルム306Aおよび下エラストマーフィルム306Bを備え、これらの層の間に、中間層338が挟まれている。中間層338は、任意の材料を含み得るが、最も頻繁には、エラストマー材料を含み得る。中間層338のエラストマー材料は、エラストマー層としての使用について上に開示された材料のいずれかを含有し得るが、当該分野において公知であり、エラストマーフィルム306Aおよび306Bと適合性である、他の任意のエラストマー材料または伸長可能な材料もまた、含まれ得る。例示的な適切な材料は、以下に開示される。1つの実施形態において、エラストマーフィルム306の複数の層は、適切な押出し成形ダイから同時押出しされる。
【0030】
図4は、本発明の別の実施形態に従って、少なくとも1つの不織ウェブ層に直接結合したエラストマーフィルムを備える、押出し結合された積層体102を形成するための、図1に示される装置100と類似の、押出し結合された積層体を形成するためのプロセスを実施するための装置400を図示する。図4に図示される実施形態において、要素が、図1に図示される要素と同じである場合は、図1の参照番号に対応するが400、402などに修正された参照番号を有する。従って、図4の実施形態は、装置400が、積層体402を横断方向に伸長させるためのさらなる装置をさらに備えることを除いて、図1の実施形態と類似である。図4に図示される実施形態において、1対のローラ434、436が、積層体402を横断方向に伸長させることによってこの積層体を活性化させ、活性化された積層体438を形成するように、配置されている。ローラ434、436は、積層体402を、表面上の噛み合う起伏またははすばによって、横断方向に伸長させる。この横断方向で伸長させることによる活性化は、任意の工程である。例えば、エラストマーフィルムに積層させる際に不織材料が弾性である場合には、活性化は、必要ではない。
【0031】
図5は、図4に示される1対のローラ434、436の、図4の線5−5で見た断面図である。図5に示されるように、この実施形態において、ローラ434、436は、噛み合う起伏または歯を、ローラの表面に備え、積層体402がローラ434と436との間を通過する際に、これらの起伏または歯は、積層体402に横断方向の伸長を付与する。適切な横断方向伸長装置は、米国特許第5,865,926号に記載されており、その積層体の横断方向伸長に関する開示は、本明細書中に参考として援用される。
【0032】
従って、1つの実施形態において、積層体は、断面方向(CD)に伸長されて、CD伸長された積層体を形成する。
【0033】
横断方向伸長の1つの特定の実施形態が、図4および図5に図示されているが、当該分野において公知である任意のこのような伸長方法が、積層体が横断方向に伸長されることが望ましい適切な実施形態において、適用され得る。このような横断方向伸長方法は、公知であり、そして当業者によって適切に選択され得る。
【0034】
1つの実施形態において、この積層体は、約0.25ミルと約10ミルとの間(約6μm〜約250μm)のゲージまたは厚さを有するエラストマーフィルムを備える。いくつかの実施形態において、このフィルムの厚さは、約3ミル〜約8ミルの範囲(約76μm〜約203μm)であり、そして他の実施形態においては、このフィルムの厚さは、約4ミル〜約6ミルの範囲(約102μm〜約152μm)である。
【0035】
1つの実施形態において、不織ウェブは、1平方メートルあたり約5グラム(5g/m2)〜約75g/m2の重量を有し、そして1つの実施形態においては、約10g/m2〜約50g/m2、そして別の実施形態においては、約20g/m2〜約40g/m2、そして1つの実施形態においては、約30g/m2〜31g/m2の重量を有する。
【0036】
従って、この積層体は、エラストマーフィルムと不織材料層との積層された層の厚さの合計におよそ等しいか、またはこれより小さい全厚さを有し得る。重量は、加算されるはずであるが、厚さは、エラストマーフィルムと不織布とのいくらかの吸収および混合に起因して、加算よりわずかに少なくあり得る。
【0037】
この不織ウェブは、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、レーヨン、セルロース、ナイロン、およびこのような繊維のブレンドの繊維を含有し得る。多数の定義が、不織ウェブについて提唱されている。1つの実施形態において、不織ウェブは、梳かれたポリプロピレンであり、例えば、RKW AGから、商品名PROSOFTのもとで入手可能なもの(これは、例えば、31g/m2の重量で入手可能である)である。本明細書中で使用され得るような不織布の繊維は、通常、ステープルファイバーまたは連続フィラメントであり、そして一般に、熱結合されてウェブを形成している。本明細書中で使用される場合、「不織ウェブ」は、比較的平らであり、可撓性であり、そして多孔性であり、そしてステープルファイバーまたは連続フィラメントからなり、熱結合して不織ウェブを形成している、ほぼ平坦な構造体を規定するその一般的な意味で使用される。不織布の詳細な説明については、「Nonwoven Fabric Primer and Refenence Sampler」、E.A.Vaughn,Association of the Nonwoven Fabrics Industry,第3版(1992)を参照のこと。不織材料は、当該分野において公知であるように、梳かれても、紡糸結合されても、湿式で置かれても(wet laid)、乾式で置かれても(air laid)、溶融ブローされてもよい。
【0038】
1つの実施形態において、不織ウェブと称されるが、積層体の外側の「不織」層の一方または両方は、伸長可能または延伸可能な織布材料(例えば、弾性織布)を備え得る。別の実施形態において、不織ウェブは、弾性腐食材料を含有し得る。
【0039】
種々のエラストマー樹脂が、本発明において使用され得る。1つの実施形態において、エラストマー樹脂は、一般式A−−B−−A’またはA−−Bを有するビニルアレーン含有ブロックコポリマーであり、ここで、AおよびA’は、各々、熱可塑性ポリマーの末端ブロックであり、これは、ビニルアレーンが、例えばスチレンである場合に、ビニルアレーン部分(例えば、ポリ(ビニルアレーン)を含有し、そしてBは、エラストマーポリマーの中間ブロック(例えば、共役ジエンあるいは低級アルキレンポリマー(例えば、イソプレン、ブタジエンまたはエチレン−ブチレンもしくはエチレン−プロピレン))である。このブロックコポリマーは、トリブロックコポリマーまたはジブロックコポリマーであり得、あるいはより頻繁には、トリブロックコポリマーとジブロックコポリマーとの混合物である。A−−B−−A’型のブロックコポリマーは、AブロックとA’ブロックとについて、異なるかまたは同じ熱可塑性ブロックポリマーを有し得、そして本発明のブロックコポリマーは、線状ブロックコポリマー、分枝鎖ブロックコポリマー、および放射状ブロックコポリマーを包含することが意図される。この点に関して、放射状ブロックコポリマーは、(A−−B)m−Xと記載され得、ここで、Xは、多官能性原子または分子であり、そして各(A−−B)m−は、Aが末端ブロックになるように、Xに結合する。放射状ブロックコポリマーにおいて、Xは、有機または無機の多官能性原子または分子であり得、そしてmは、Xにもともと存在する官能基と同じ値を有する整数である。mは、通常、少なくとも3であり、そして頻繁には、4または5であるが、これらに限定されない。テトラブロックコポリマーA−−B−−A’−−B’(ここで、AとA’、およびBとB’は、それぞれ互いに同じであっても異なっていてもよい)もまた、本発明のエラストマーにおいて有用なブロックコポリマーの範囲内に含まれる。
【0040】
従って、本発明において、表現「ブロックコポリマー」、および特に、A−−B−−A’ブロックコポリマーおよびA−−Bブロックコポリマーは、上で議論されたようなゴムのようなブロックおよび熱可塑性ブロックを有する、(例えば、溶融ブローおよびシート形成によって)押出し成形され得る全てのブロックコポリマーを包含することが意図され、ブロックの数に関して限定されない。エラストマーフィルムは、任意の適切なポリ(ビニルアレーン)およびポリ(共役ジエン)またはポリ(オレフィン)から形成され得る。従って、エラストマーフィルムは、例えば、エラストマーの(ポリスチレン/ポリ(エチレン−ブチレン)/ポリスチレン)(SEBS)ブロックコポリマーおよび/または(ポリスチレン/ポリ(ブタジエン)/ポリスチレン(SBS)ブロックコポリマーから形成され得る。このようなエラストマーコポリマーの市販の例は、例えば、KRATON(登録商標)材料として公知のもの(例えば、Houston,Tex.KRATON Polymersから入手可能なKRATON G−1657)である。KRATON(登録商標)ブロックコポリマーは、様々な異なる式量および等級で入手可能である。適切なエラストマーコポリマーを含有する配合組成物は、Amal,SwedenのVTC Elastoteknikから入手可能な、DRYFLEX(登録商標)938115である。DRYFLEX(登録商標)938115は、SEBSと他のポリマーとの専売のブレンドである。
【0041】
記載されたように、使用され得るブロックコポリマーとしては、線形配置、放射状配置または星型配置を有し、そしてAブロックおよびBブロックが、ABブロックコポリマーまたはABAブロックコポリマーと一般的に称されるように形成されている、熱可塑性ブロックコポリマーが挙げられる。1つの実施形態において、Aブロックは、ビニルアレーン(主として、ポリスチレン)であり、これは、約4,000と約50,000との間、1つの実施形態においては、約7,000と約30,000との間の分子量を有する。他の適切なAブロックは、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、t−ブチルスチレンおよび他の環状アルキル化スチレン、ならびにこれらの混合物から形成され得る。1つの実施形態において、Aブロックの含有量は、ブロックコポリマーの約5%〜約30%、1つの実施形態においては、約10%と約25%との間である。ここで、本明細書全体および特許請求の範囲の他の箇所においても、範囲および比の数値限定は、組み合わせられ得る。従って、例えば、上記において、明白には言及されていないが、約5%〜約25%の範囲のAブロック含有量が、本開示に含まれる。
【0042】
1つの実施形態において、Bブロックは、共役ジエン(例えば、ブタジエンまたはイソプレン)から誘導され、約5,000〜約500,000、1つの実施形態においては、約50,000〜200,000の平均分子量を有する。1つの実施形態において、Bブロックは、ブロック共重合後に水素化される。
【0043】
1つの実施形態において、ABAトリブロックコポリマーおよびABジブロックコポリマーは、エラストマーフィルムのブロックコポリマーエラストマーの大部分を占め、ジブロックの百分率は、このブロックコポリマーの約95%未満、1つの実施形態においては、約85%未満、そして1つの実施形態においては、約75%未満である。他の従来のジエンエラストマーが少量使用され得るが、エラストマー特性に有意に影響を与えるほどではない。
【0044】
スチレンとイソプレンとのABA型コポリマーの具体的な例は、Kraton製のKRATON(登録商標)1107およびKRATON(登録商標)1117、ならびにFina Chemical Companyから入手可能な、30重量%のスチレン含有量を有する、スチレンブタジエンブロック合成ゴム(Finaprene 411)である。
【0045】
1つの実施形態において、エラストマーフィルムは、ブロックコポリマーのAブロック(例えば、ビニルアレーン)の含有量が約40%以下である、ブロックコポリマーを含有する。1つの実施形態において、Aブロックの含有量は、約38%以下であり、そして別の実施形態においては、Aブロックの含有量は、約30%以下である。1つの実施形態において、Aブロックの含有量は、約25%以下であり、そして別の実施形態において、Aブロックの含有量は、約20%以下である。
【0046】
当該分野において公知であるように、ブロックコポリマーとして有用なエチレン−プロピレン含有ブロックコポリマーおよびエチレン−ブチレン含有ブロックコポリマーは、ポリ(ビニルアレーン)末端ブロックを有する。末端ブロックは、スチレンおよび他のビニルアレーン(例えば、αメチルスチレン、ビニルトルエンなど)を含有し得る。1つの実施形態において、スチレンエチレン−プロピレンブロックコポリマー(SEPS)は、Kraton Polymersによって製造されるKRATON(登録商標) RP−9606であり、そして別の実施形態において、スチレンエチレン−ブチレンブロックコポリマー(SEBS)は、Kraton Polymersによって製造されるKRATON(登録商標) G−1657である。他のポリマーもまた使用され得、ここで、エチレン−プロピレン基およびエチレン−ブチレン基は、このブロックコポリマーの中間ブロックとして働く。1つの実施形態において、Bは、エラストマーの水素化オレフィン(例えば、エチレン−プロピレンまたはエチレン−ブタジエン)であり、約5,000〜約500,000、そして1つの実施形態においては、約50,000〜約200,000の平均分子量を有する。
【0047】
1つの実施形態において、エラストマーフィルムは、このフィルムの約65重量%以上のブロックコポリマーを含有する。別の実施形態において、エラストマーフィルムは、約70重量%以上、別の実施形態においては、約75重量%以上のブロックコポリマーを含有する。
【0048】
1つの実施形態において、エラストマー材料の全ビニルアレーン(例えば、ブロックコポリマーと任意の追加されたポリ(ビニルアレーン)との両方から得られる、スチレン、α−メチルスチレンなど)の含有量は、約30%未満である。1つの実施形態において、全ビニルアレーン含有量を約30%以下に維持することによって、ビニルアレーンの存在に起因する強度と延伸性との改善された組み合わせが提供され、一方で、エラストマー材料のブロックコポリマーにおける充分な量のゴム様の中間ブロックを有することから得られる、不織材料への良好な結合ならびに弾性および/または伸張性が提供されることが見出された。ビニルアレーンの含有量が高すぎる場合、以下に記載されるように、張力試験を、ASTM D882のような方法に従って、InstronTM Model 5500R一定速度の延伸張力機械を使用して実施すると、より高い弾性率(応力)が得られる。ビニルアレーンの含有量が低すぎる場合、この積層体は、十分には強くなく、そしてエラストマー材料を押出し成形することがより困難である。
【0049】
1つの実施形態において、エラストマーフィルムは、ポリスチレン、ポリ−(α−メチル)スチレン、ポリ(ビニルトルエン)、ポリ(t−ブチルスチレン)、エチレン−酢酸ビニルコポリマー、エチレン−メチル(メタ)アクリレートコポリマー、エチレン−エチル(メタ)アクリレートコポリマー、エチレン−(メタ)アクリル酸コポリマーのうちの1種以上を含有する添加剤をさらに含有する。これは、架橋助剤としてブロックコポリマーに添加される。当業者によって理解されるように、このような添加剤は、粘着剤ではなく、そして粘着剤としては機能せず、そしてこれらの添加剤の添加は、エラストマーフィルムへの粘着剤の添加とはならない。
【0050】
1つの実施形態において、この添加剤は、加工助剤として働く。1つの実施形態において、この添加剤は、レオロジーと、少なくとも1つの不織ウェブへのエラストマーフィルムの接着とのうちの1つ以上を改善するために充分な量で存在する。
【0051】
本発明者らは、ブロックコポリマーと任意の添加されるビニルアレーンおよび/または他の加工助剤との両方における、ビニルアレーンの含有量、およびいくつかの実施形態においては、他の添加剤の含有量が、レオロジーと、不織ウェブへのエラストマーフィルムの接着との両方に影響を与え得ることを見出した。ビニルアレーンとしては、例えば、スチレンおよびα−メチルスチレンまたは他のα−アルキルスチレンなどが挙げられる。高レベルの例えばビニルアレーンを用いて生成された材料は、良好なレオロジーを有するが、いくつかの不織材料とは非適合性であることが見出された。低レベルの例えばビニルアレーンを有する材料は、不織材料への良好な接着を有するが、レオロジーが乏しく、低い融解強度またはうねりのような望ましくない性質を示すことが見出された。
【0052】
1つの実施形態において、添加剤は、ポリスチレンおよびポリ−α−メチルスチレンのうちの1つ以上のような、ポリ(ビニルアレーン)であり、エラストマーの約5重量%までの量であり、1つの実施形態においては、添加されるポリビニルアレーンの量は、エラストマーの約1重量%〜約4重量%であり、そして別の実施形態においては、約2重量%〜約3重量%である。
【0053】
1つの実施形態において、添加剤は、エチレン酢酸ビニルコポリマーを、エラストマーの約20重量%までの量で含有する。1つの実施形態において、エチレン酢酸ビニルコポリマーは、エラストマーの約5重量%〜約15重量%の範囲の量で存在する。1つの実施形態において、エチレン酢酸ビニルコポリマーは、エチレン酢酸ビニルコポリマーの約8重量%〜約28重量%の範囲、別の実施形態においては、約10重量%〜約20重量%の範囲の酢酸ビニル含有量を含む。
【0054】
1つの実施形態において、エラストマーフィルムは、エチレン酢酸ビニルコポリマーとポリ(ビニルアレーン)との両方を含有し、両方が、独立して、上記含有量範囲で存在する。
【0055】
1つの実施形態において、破壊するまで伸長される場合、この積層体は、破壊される前に剥離しない。この特徴は、以前に公知であった積層体と全く異なる。以前に公知であった積層体は、いくらか延伸されると(通常、約150%〜約250%の伸び)、破壊前にエラストマーフィルムが不織ウェブ層から剥離し、この剥離の後にエラストマーが破壊され、そしてこの剥離に続いて応力が低下する。本発明のいくつかの実施形態によれば、伸びる際に、破壊の前に実質的に剥離が起こらない。
【0056】
記載されたように、1つの実施形態において、本発明の積層体は、標準的な試験方法に従って試験される場合、破壊の前に剥離しない。従って、例えば、張力試験が、ASTM D882のような方法に従って、InstronTM Model 5500R一定速度の延伸張力機械を使用して実施されると、この積層体は、剥離せずに破壊点まで伸長する。この試験において、この積層体は、機械加工(押出し成形)の方向にか、または横断方向のいずれかで、活性化の前または後に、試験され得る。サンプルが、積層体から、35mm幅×76mm長さに切り出され、長い方向が、この積層体の横断方向である。このサンプルが、試験機械の顎に、最初の顎分離76mmで、設置される。これらの顎を、サンプルの破壊点に達するまで、51cm/分の速度で引き離す。100%伸びの時点および破壊時の負荷を記録する。100%負荷に達した後に、本発明による積層体のサンプルは、降伏点(内部応力が伸びとともに低下する点)を示さない。降伏点は、通常、不織層が局所的領域で破壊する場合に、そして/または不織層がエラストマーフィルム層から剥離する場合に起こる。
【0057】
本発明の1つの実施形態によれば、上記張力試験の間に観察された応力は、サンプルが破壊するまで増加し続け、破壊前に、剥離も応力の低下も存在しない。
【0058】
1つの実施形態において、積層体は、約250%以上、そして別の実施形態においては、約300%以上の破壊時の伸びを有する。1つの実施形態において、破壊時の伸びは、約250%以上であり、そして積層体は、破壊前に実質的に剥離しない。1つの実施形態において、破壊時の伸びは、300%以上であり、そして積層体は、破壊前に実質的に剥離しない。
【0059】
1つの実施形態において、積層体は、約100%以上の伸び、そして別の実施形態においては、約200%以上の伸び、そして別の実施形態においては、約250%以上の伸びを、繰り返して引張り強度を有意に損失することなく、伸長し得る。このような伸長後、1つの実施形態において、この積層体は、20%以下、そして別の実施形態においては、約10%以下、その元の長さよりも大きい回復を有する(すなわち、そのもとの長さの増加した百分率以内に戻る)。このことは、伸長後に弛緩される際に、伸長されたサンプルの長さが、(それぞれ)その元の長さより20%より大きく、または10%より大きくは大きくない長さまで戻ることを意味する。繰り返してとは、その材料が、少なくとも2回〜約5回以上伸長されることを意味する。
【0060】
1つの実施形態において、エラストマーフィルムは、本質的に1層からなる。すなわち、この実施形態において、エラストマーフィルムは、単層として押出し成形され、そしてこの積層体は、2つの不織ウェブ層の間に、これらの層に直接接着して、1層のみのエラストマーフィルムを備える。
【0061】
他の実施形態において、上記のように、エラストマーフィルムは、複数の層を備える。1つのこのような実施形態において、複数の層は、(上記のように)各不織ウェブ層に直接接着したエラストマーフィルムを備え、各エラストマー層と、それが結合する不織ウェブとの間には、他の材料の介在層が存在しない(例えば、図3に関して上に記載されたもの)。1つの実施形態において、複数の層は、少なくとも1つの内側層を備え、この内側層もまた、熱可塑性エラストマーであるが、上記ブロックコポリマーとは異なる材料から形成される。1つの実施形態において、少なくとも1つの内側層は、弾性ポリオレフィン(例えば、超低密度弾性ポリプロピレンまたはポリエチレン(例えば、「単一部位」またはメタロセン触媒法によって製造されるもの))を含有する。このようなポリマーは、Midland,Mich.のDow Chemical Companyから、ENGAGE(登録商標)の名称で市販されており、そしてLaiらに対する、発明の名称「Elastic Substantially Linear Olefin Polymers」の米国特許第5,278,272号および同第5,272,236号に記載されている。例えば、Yangらに対する米国特許第5,539,056号およびResconiらに対する米国特許第5,596,052号(その全体が本明細書中に参考として援用される)に記載されているような、特定のエラストマーポリプロピレン、ならびにMidland,Mich.のDow Chemical製のAFFINITYOR(登録商標) EG 8200およびHouston,Tex.のExxon製のEXACT(登録商標) 4049,4011および4041、ならびにこれらのブレンドもまた有用である。
【0062】
従って、本発明の実施形態に従って積層体を作製するプロセスの1つの実施形態において、このプロセスは、1層のエラストマーフィルムを、少なくとも1つの、そして1つの実施形態においては2つの、不織ウェブ層の間で、この不織ウェブ層に接触させて、押出し成形する工程を包含する。別の実施形態において、本発明の実施形態による多層積層体を作製するプロセスは、第一の外側層および第二の外側層ならびに少なくとも1つの内側層を有する、多層エラストマーフィルムを押出し成形する工程を包含し、これらの少なくとも第一の外側層および第二の外側層は、不織ウェブ層に直接結合したエラストマーフィルムである。
【0063】
1つの実施形態において、エラストマーフィルムは、ポリ−α−オレフィンの層を実質的に含まない。すなわち、この実施形態において、エラストマー層と不織ウェブ層との間に、ポリオレフィンの層が存在しない。
【0064】
1つの実施形態において、積層体は、この積層体の表面から外向きに延びる繊維を実質的に含まない。すなわち、1つの実施形態において、不織ウェブ層は、実質的にこのウェブの面内にある繊維を含み、そして別の実施形態において、このウェブは、繊維をこのウェブから外向きに延びさせないように処理または他に改変される。このような処理は、時々、当該分野において、不織ウェブと隣接層との間の接着を増加させるため、および/または繊維の高さ(loft)を増加させるために、使用されている。
【0065】
1つの実施形態において、本発明の積層体は、図6の実施形態に関して以下に記載されるように、おむつ包みにおいて使用され得る。
【0066】
従って、図6に関して以下に記載される1つの実施形態において、本発明は、おむつ包みにさらに関し、このおむつ包みは、第一の主要面と第二の主要面とを有して少なくとも一方向に延伸可能である、押出し結合された積層体;およびこれらの第一の主要面および第二の主要面のうちの少なくとも一方に適用された少なくとも1つの接着層を備え、この押出し結合された積層体は、この積層体の少なくとも大部分にわたって実質的に連続的に、少なくとも1つの不織ウェブ層に直接結合したエラストマーフィルムを備え、そしてこのエラストマーフィルムは、このエラストマーフィルムの全ビニルアレーン含有量が約30%以下であるビニルアレーン含有ブロックコポリマーを含有し、そしてこのエラストマーフィルムは、粘着量の粘着剤を実質的に含まない。おむつ包みにおいて有用な積層体は、上で完全に記載された積層体のいずれかであり得る。
【0067】
1つの実施形態において、エラストマー積層体は、Avery DennisonTM Y9757C Wave Cのようなおむつ包みシステムに組み込まれる。これは、Specialty Tape Division of Avery Dennison Corporationから入手可能な、予め組み合わせられた弾性おむつテープである。このシステムの例が、図6に示される。
【0068】
図6は、おむつ包みのような構築物600の概略斜視図であり、本発明の実施形態による積層体602を備える。図6に図示されるように、構築物600は、第一の不織ウェブ層と第二の不織ウェブ層との間に挟まれたエラストマー層を備える、押出し結合された積層体602を備える。積層体602によって形成される弾性ゾーンに加えて、構築物600は、不織ゾーン640、剥離テープ642、および接着剤またはフック要素644を備える。エラストマーフィルム層は、上に記載された要素のいずれか(例えば、単層または複数の層)を備え得る。1つの実施形態において、おむつ包みシステム600は、おむつ包みを使用の際に展開する際に使用するための、フィンガーリフトまたはグリップ646を備える。図6に示されるように、剥離テープ642は、接着剤層648を備え得、これによって、剥離テープ642は、基材(例えば、オムツまたは他のデバイス)に接着し得る。1つの実施形態において、不織ゾーン640は、基材に静電溶接されるか、または他の様式で結合される。同様に、剥離テープ642は、接着剤層648とは異なる手段によって、基材に結合され得る。図6に図示される実施形態において、このおむつ包みシステムは、2つの位置で、基材にしっかりと結合または接着される。図6に示されるように、不織ウェブ640は、積層体602の端部およびリリースライナー642に、当該分野において公知であるような任意の適切な選択された取り付けによって、適切に取り付けられ得る。積層体602の第二の端部は、当該分野において公知であるような任意の適切に選択された取り付けによって、フックまたは接着剤ゾーン644に同様に取り付けられ得る。
【0069】
フックまたは接着剤ゾーン644は、図6に図示される実施形態において、例えば、フックおよびループの閉鎖のための、フック要素を備える。他の実施形態において、ゾーン644は、以下に記載されるように、感圧性接着剤のような接着剤を備え得る。フック要素644は、種々のループ材料(例えば、ブラシ掛けされた織布、ロックループ布および不織ループ材料)に取り付けられる場合に、破壊剥離強度および高いせん断強度を提供する。
【0070】
接着剤層648またはゾーン644が接着剤を備える実施形態について、種々の感圧性接着剤が利用され得、ホットメルト接着剤、水ベースの接着剤、および溶媒ベースの接着剤が挙げられる。このような接着剤組成物は、例えば、「Adhesion and Bonding」、Encyclopedia of Polymer Science and Engineering,第1巻、476−546頁、Interscience Publishers,第2版、1985に記載されている。このような組成物は、一般に、接着性ポリマー(例えば、天然ゴム、再生ゴム、またはスチレン−ブタジエンゴム、スチレンブタジエンコポリマーまたはスチレンイソプレンブロックコポリマー、ポリイソブチレン、ポリ(ビニルエーテル)またはポリ(アクリル)エステルを、主成分として含有する。他の材料(例えば、樹脂粘着剤(例えば、ロジンエステル、油溶性フェノールまたはポリテルペンが挙げられる);酸化防止剤;可塑剤(例えば、鉱油または液体ポリイソブチレン);および充填剤(例えば、酸化亜鉛または水和アルミナ))が、感圧性接着剤組成物に含有され得る。適切な酸化防止剤は、Ciba Specialty Chemicals製のIRGANOX(登録商標) 1010である。
【0071】
本発明のエラストマーフィルムを備えるおむつ包みにおいて有用な感圧性接着剤は、ホットメルトのゴムベースの材料またはアクリルベースの材料であり得る。ホットメルト接着剤の例としては、スチレン−ブタジエン−スチレンブロックコポリマーおよびスチレン−イソプレン−スチレンブロックコポリマーが挙げられ、これらは、Korpmanに対する米国特許第4,080,348号に開示されるように炭化水素樹脂または樹脂エステルと組み合わせられ、コポリマーを粘性にし得る。ホットメルト感圧性接着剤を記載する他の特許としては、米国特許第3,676,202号、同第3,723,170号、および3,787,531号が挙げられる。
【0072】
有用なアクリル感圧性接着剤は、代表的に、連鎖停止剤の存在下でバルク重合によって作製されるコポリマーである。感圧性アクリル接着剤を形成する際に有用な例示的なモノマーとしては、アクリル酸およびメタクリル酸、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ブチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸イソオクチルなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0073】
有用な感圧性接着剤の特定の例としては、アクリルベースのエマルジョン(例えば、Fasson、Painesville、Ohioから入手可能なS−490接着剤;同様にFassonからS−2176接着剤の指定で入手可能なホットメルト粘着性Kratonベースの接着剤(スチレン−イソプレン−スチレンブロックコポリマー);および溶媒ベースのスチレン−ブタジエン接着剤が挙げられる。
【0074】
1つの実施形態において、積層体を作製するプロセスは、積層体を、第一の端部および第二の端部を有する1つ以上のセクションに切断する工程をさらに包含する。1つの実施形態において、横断方向に伸長させることによって活性化させる結果として、このセクションは、第一の端部から第二の端部へと伸長可能であり、そしてこの伸張性は、横断方向である。1つの実施形態において、これらのセクションは弾性である。1つの実施形態において、不織材料が弾性材料であり、その結果、横断方向に伸長させることによる活性化が必要ではないので、実施されない。すなわち、1つの実施形態において、横断方向での伸長は、この積層体を横断方向に伸長可能にするが、他の実施形態においては、伸長可能または弾性の不織材料が使用されるので、横断方向に伸長させることによる活性化の工程が存在しない。
【0075】
図7は、本発明の実施形態に従って、おむつタブを作製するプロセスの概略図である。図7に概略的に図示されるように、積層体702は、必要に応じて、横断方向に伸長させることによって活性化され、横断方向に弾性を有する活性化積層体を形成する。あるいは、積層体738は、すでに弾性であり得、従って、このような伸長によって活性化される必要がない。なぜなら、これはすでに弾性であるからである。図7に示されるように、1つの実施形態において、弾性かつ/または活性化された積層体は、横断方向に弾性を有する。1つの実施形態において、弾性かつ/または活性化された積層体738は、比較的幅広のフィルムに形成され、これが巻き取られ得る。次いで、フィルムのロールまたは巻き取り前のフィルムは、機械加工方向に切断されて、複数のより細い積層フィルムまたはストリップ740を形成し得、これは、1つの実施形態において、図7に示されるように、横断方向に弾性を有する。その後、細い積層フィルムまたはストリップ740は、例えば、おむつタブを作製する際に使用するために当該分野において公知であるような、1つまたは2つの適切な基材742および/または744に取り付けられる。図7に示されるように、1つの実施形態において、積層体740は、2つの適切な基材742、744に取り付けられ、次いで、横断方向に切断されて、図7に示されるような弾性を有するオムツタブ750を形成する。
【0076】
図7に図示されるように、1つの実施形態において、積層体740は、第一の端部および第二の端部のうちの一方を介して、基材742および744に取り付けられる。1つの実施形態において、積層体を基材に取り付ける1つの端部は、取り付けを提供するウェブに取り付けられ、そして1つのこのような実施形態において、この取り付けを提供するウェブは、例えば、図6の実施形態に関して上で記載された不織布である。
【0077】
1つの実施形態において、この積層体は、上記のように、おむつ包みに取り付けられ、これによって、このおむつ包みの少なくとも1つの要素を形成する。1つの実施形態において、この積層体は、おむつ包みに組み込まれ、そしておむつである基材に取り付けられ、そして/または接着される。
【実施例】
【0078】
以下の非限定的な実施例は、本発明の実施形態の理解を補助するために提供されるのであり、限定のためではない。
【0079】
以下の8つの処方物は、本発明の実施形態の代表である。これらの8つの処方物の各々についての応力/ひずみグラフを、図8〜図15に示す。
【0080】
各実施例において、組み合わせた成分を、適切な押出し成型機に通して、成分混合物の軟化点より高い温度で押出し成形し、そして図1または図2に示されるように、不織材料の2つの層の間に積層する。以下に提示される実施例のすべてにおいて、記載される場合を除き、不織材料は、RKW AG Rheinsche Kunststoffwerke,Worms,Germany製の、商標PROSORFTの元で市販されている、31g/m2の梳かれたポリプロピレン不織ウェブである。この不織材料が本明細書中で使用されるが、これはほんの例示であり、そして本発明は、本明細書中に記載される以外にも、いずれの特定の不織材料にも限定されないことが留意されるべきである。例えば、異なる重量を有し、当該分野において公知である異なる材料から作製される不織材料が、使用され得る。以下において、示される量は、100あたりの部または重量%(wt%)である。
【0081】
(成分の配合)
処方物1〜7について、粉末形態で供給されるKRATON(登録商標) G1650を、最初に、粉砕機に添加して、あらゆる付随する粉末の塊を破壊し、それらの元の粒子にする。次いで、STYRON(登録商標) 695およびELVAX(登録商標) 460のペレットを、KRATON(登録商標) G1650材料にブレンドして、均一な混合物を形成し、そして最後に、プロセスオイルをこの混合物に添加する。このように得られる化合物を、少なくとも3時間条件付け(油浸漬)し、その後、各押出し成型機を用いてフィルムに加工する。
【0082】
(エラストマーフィルムの押出し成形)
1つの実施形態において、上記のように形成した化合物(例えば、処方物1〜7)または1つの実施形態においては、市販の供給源から得られた化合物(例えば、処方物8)を、その融点または軟化点より高い温度で、当該分野において公知の方法によって押出し成形することにより、フィルムに加工する。配合した処方物を、SBS材料および/またはSEBS材料を一般的に加工するために適切な、代表的な押出し成型機およびダイの設定を用いて、加工する。1つの実施形態において、一般目的のねじを備える一軸押出し成型機および比較的な外「ランド」を有するコートハンガー型の対称押出し成形ダイが使用され得る。1つの実施形態において、融解温度は、特定の化合物の融解粘度に依存して、380°F〜410°F(約193℃〜約210℃)の範囲である。1つの実施形態において、押出し成形器のヘッドの圧力を、150psiより高く維持する。
【0083】
【表1】
上記実施例において、KRATON(登録商標) G1650は、Kraton Polymersから入手可能な、100%トリブロックSEBSおよび30%スチレン材料である;STYRON(登録商標) 695は、Dow Chemical Co.から入手可能な、実質低に100%の含有量を有するポリスチレンである;ELVAX(登録商標) 460は、E.I.du Pont de Nemours and Co.,Inc.から入手可能な、エチレン−酢酸ビニルコポリマーである;そしてプロセスオイルは、Chevron−Texacoから入手可能なパラフィン油のPARALUX(登録商標) 6001Rである。DRYFLEX(登録商標) 938112は、VTC Elastoteknik ABから入手可能な、専売のSEBSベースの配合熱可塑性エラストマー製品である。
【0084】
処方物1〜8の各々を、上記2層の不織材料の間に押出し、そして各積層体は、約0.25mm〜約0.65mmの範囲の全体的な厚さを有する。処方物1〜8を、InstronTM Model 5500Rにおいて試験すると、図8〜図15に示されるような結果が得られる。図8〜図15のグラフの各々において、それぞれの処方物1〜8の各々について記載される標本(S1〜S3またはS1〜S4)は、以下の厚さ(mm)を有する:
【0085】
【表2】
図8〜図15のグラフに示されるように、張力試験の間、破壊前の伸びの関数としての力の低下も減少もない。このことは、エラストマーウェブに積層されたエラストマーフィルムと不織層との間の結合が良好であることを示す。結合が良好でない場合、伸びの間に、不織材料がエラストマーフィルムから剥離して破壊され、破壊前の伸びの関数としての力の低下が生じる。
【0086】
別の群の実施例において、不織層を、以下の表の「製品」欄に列挙される市販の材料で作製されたエラストマーウェブに積層した。DRYFLEX(登録商標)938112は、上記と同じである。THERMOLAST K(登録商標) HTD8758/04は、Kraiburg TPEから入手可能な、専売の配合SBSエラストマー材料である。KRATON(登録商標) G2832は、Kraton Polymersから入手可能な、専売の配合SEBSエラストマー材料である。応力/ひずみを、上記と同じ方法で試験すると、表に示される結果が、これらの積層体に対して得られる。
【0087】
【表3】
本発明の別の実施形態による、別のセットの実施例において、120g/m2の重量を有するエラストマーフィルム材料を、31g/m2の重量を有する1層の不織材料に積層し、押出し結合された積層体を形成した。応力/ひずみを、上記と同じ方法で試験すると、表に示される結果が、これらの積層体に対して得られる。
【0088】
【表4】
これらの実施例において使用される、DRYFLEX(登録商標) AD4、DRYFLEX(登録商標) AD5、およびDRYFLEX(登録商標) AD6は、VTC Elastoteknik AB製の専売の配合SBS処方物である。
【0089】
別のセットの実施例において、積層後に、各3積層(2層の不織材料がエラストマー層の両側に積層されている)を、上に記載されたプロセスによって調製し、そして不織材料に積層する。上記のように試験すると、以下の引張り強度および破壊時の伸びの値が得られる。
【0090】
【表5】
本発明を、その種々の実施形態に関して説明したが、それらの種々の改変が、本明細書を読むと当業者に明らかであることが、理解されるべきである。従って、本明細書中に開示される本発明は、特許請求の範囲に入る改変を網羅することが意図されることが、理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】図1は、本発明の実施形態に従う、押出し結合された積層体を形成するためのプロセスを実施するための装置の概略図である。
【図2】図2は、本発明の実施形態に従う、押出し結合された積層体の概略断面図である。
【図3】図3は、本発明の実施形態に従う、図2のものと類似であるがエラストマーフィルム内に複数の層を備える、押出し結合された積層体の概略断面図である。
【図4】図4は、本発明の別の実施形態に従う、図1と類似の、押出し結合された積層体を形成するためのプロセスを実施するための装置の概略図である。
【図5】図5は、図4の線5−5に沿った、図6に示される1対のローラの断面図である。
【図6】図6は、本発明の別の実施形態に従う、積層体を備えるおむつ包みのような構築物の概略斜視図である。
【図7】図7は、本発明の実施形態に従う、おむつタブを作製するプロセスの概略図である。
【図8】図8は、本発明の実施形態のサンプルについての応力/ひずみグラフである。
【図9】図9は、本発明の実施形態のサンプルについての応力/ひずみグラフである。
【図10】図10は、本発明の実施形態のサンプルについての応力/ひずみグラフである。
【図11】図11は、本発明の実施形態のサンプルについての応力/ひずみグラフである。
【図12】図12は、本発明の実施形態のサンプルについての応力/ひずみグラフである。
【図13】図13は、本発明の実施形態のサンプルについての応力/ひずみグラフである。
【図14】図14は、本発明の実施形態のサンプルについての応力/ひずみグラフである。
【図15】図15は、本発明の実施形態のサンプルについての応力/ひずみグラフである。
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1つの不織ウェブ層に結合したエラストマーフィルムを備える、押出し結合された積層体に関する。このような積層体は、少なくとも1つの不織ウェブ層に直接押し出されたエラストマーフィルムを有し得る。
【背景技術】
【0002】
不織積層体のための弾性フィルムは、従来の押出し成形を介して、ブロックコポリマーのような材料を使用して製造されている。このようなブロックコポリマーは、比較的低い費用で、良好な弾性特性を提供する。しかし、これらの材料の加工は、エラストマーフィルムがこの不織層に直接押し出される場合に、複雑になり得る。ブロックコポリマーの性質に起因して、2つの主要な問題(乏しい融解強度を生じる乏しいレオロジー;および不織層への乏しい結合)が起こり得る。これらの問題は、先行技術において、接着層を追加すること、および/またはエラストマーフィルムが形成されるエラストマーに粘着剤を添加することによって、取り組まれてきた。
【0003】
良好なレオロジー、およびエラストマーフィルムと不織層との間に接着層を提供する必要も、このエラストマーに粘着剤も添加する必要もなく、不織層へのエラストマーフィルムの良好な結合を有するような積層体を提供することは、有利である。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0004】
(要旨)
1つの実施形態において、本発明は、積層体の少なくとも大部分にわたって実質的に連続的に、少なくとも1つの不織ウェブ層に直接結合した、エラストマーフィルムを備える押出し結合された積層体に関し、
この積層体は、少なくとも一方向に延伸可能であり、そして
このエラストマーフィルムは、ビニルアレーン含有ブロックコポリマーを含有し、そしてこのエラストマーフィルムは、粘着量の粘着剤を実質的に含まない。1つの実施形態において、このブロックコポリマーは、SBSおよび/またはSEBSを含有する。1つの実施形態において、このエラストマーフィルムは、さらに、ポリスチレン、ポリ−(α−メチル)スチレン、エチレン−酢酸ビニルコポリマー、エチレン−メチル(メタ)アクリレートコポリマー、エチレン−エチル(メタ)アクリレートコポリマー、エチレン−(メタ)アクリル酸コポリマーのうちの1種以上を含有する、添加剤をさらに含有する。1つの実施形態において、このエラストマーフィルムは、プロセスオイルをさらに含有する。
【0005】
1つの実施形態において、このエラストマーフィルムの全ビニルアレーン含有量は、約30%以下である。
【0006】
別の実施形態において、本発明は、おむつ包みに関し、これは:
押出し結合された積層体であって、第一の部部分および第二の部分を含み、そして少なくとも一方向に延伸可能である、押出し結合された積層体;ならびに
少なくとも1つのウェブであって、この第一の部分および第二の部分のうちの一方から基材への取り付けを提供する、ウェブ、
を備え、
この押出し結合された積層体は、この積層体の少なくとも大部分にわたって実質的に連続的に、少なくとも1つの不織ウェブ層に直接結合した、エラストマーフィルムを備え、そして
このエラストマーフィルムは、ビニルアレーン含有ブロックコポリマーを含有し、そしてこのエラストマーフィルムは、粘着量の粘着剤を実質的に含まない。
【0007】
別の実施形態において、本発明は、少なくとも一方向に延伸可能な、押出し結合された積層体を製造するためのプロセスに関し、この方法は:
押出し成形されたエラストマーフィルムを、少なくとも1つの不織ウェブに直接押出し結合させることによって、積層体を形成する工程、
を包含し、
このエラストマーフィルムは、この積層体の少なくとも大部分にわたって実質的に連続的に、この不織ウェブに直接結合しており、そして
このエラストマーフィルムは、ビニルアレーン含有ブロックコポリマーを含有し、そしてこのエラストマーフィルムは、粘着量の粘着剤を実質的に含まない。1つの実施形態において、このエラストマーフィルムは、SBSおよび/またはSEBSを含有する混合物から押出し成形される。1つの実施形態において、このプロセスは、この混合物に、添加剤を添加する工程をさらに含有し、この添加剤は、ポリスチレン、ポリ−(α−メチル)スチレン、エチレン−酢酸ビニルコポリマー、エチレン−メチル(メタ)アクリレートコポリマー、エチレン−エチル(メタ)アクリレートコポリマー、エチレン−(メタ)アクリル酸コポリマーのうちの1つ以上を含有する。1つの実施形態において、押出し成形されたエラストマーフィルムを少なくとも1つの不織ウェブに直接押出し結合することによって積層体を形成する工程は、1工程で実施される。1つの実施形態において、このエラストマーフィルムは、プロセスオイルをさらに含有する。
【0008】
1つの実施形態において、このエラストマーフィルムの全ビニルアレーン含有量は、約30%以下である。
【0009】
1つの実施形態において、本発明は、良好なレオロジー、およびエラストマーフィルムと不織層との間に接着層を提供する必要も、このエラストマーに粘着剤を添加する必要もなしに、エラストマーフィルムの不織層への良好な結合を有する、積層体を提供する。1つの実施形態において、本発明は、高い破壊時の伸びを有し、そして破壊前に剥離しない積層体を提供する。
【0010】
説明を単純に明瞭にするために、図に示される要素は、必ずしも、同一縮尺で描かれていないことが理解されるべきである。例えば、これらの要素のうちのいくつかの寸法は、明瞭にするために、互いに対して誇張され得る。さらに、適切であるとみなされる場合には、参照番号は、対応する要素を示すために、複数の図にわたって繰り返されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
(詳細な説明)
以下に記載されるプロセス工程および構造は、押出し結合された積層体製品のための完全なプロセスフローを形成するわけではないかもしれないことが、理解されるべきである。本発明は、エラストマー、不織材料および積層体の、当該分野において現在使用されている製造技術と組み合わせて実施され得、そして共通して実施されるプロセス工程の程度のみが、本発明の理解のために必要である場合に、包含される。
【0012】
1つの実施形態において、本発明は、積層体の少なくとも大部分にわたって実質的に連続的に、少なくとも1つの不織ウェブに直接結合した、エラストマーフィルムを備える押出し結合された積層体に関し、この積層体は、少なくとも一方向に延伸可能であり、そしてこのエラストマーフィルムは、ビニルアレーン含有ブロックコポリマーを含有し、そしてこのエラストマーフィルムは、粘着量の粘着剤を実質的に含まない。1つの実施形態において、このエラストマーフィルムの全ビニルアレーン含有量は、約30%以下である。
【0013】
本明細書中で使用される場合、用語「粘着剤」とは、組成物に粘着を付与するために有用な、当該分野において公知の組成物または材料(例えば、接着剤)のいずれかを意味する。ASTM D−1878−61Tは、粘着を「別の表面と接着すると即座に、測定可能な強度の結合を形成することを可能にする、材料の特性」と定義する。粘着剤としては、例えば、ロジン酸誘導体、テルペン(例えば、α−ピレンまたはβ−ピレン)ベースの粘着剤、石油ベースの粘着剤(例えば、C−5樹脂またはC−9樹脂)、および他の粘着剤(例えば、t−ブチルフェノール樹脂)が挙げられる。
【0014】
本明細書中で使用される場合、用語「粘着量の粘着剤を実質的に含まない」とは、このように記載される組成物が、充分な量で存在する場合にこの組成物において粘着剤として作用する材料を含まないことを意味する。当該分野において公知であるように、粘着剤が組成物に添加されると、この粘着剤がこの組成物において粘着剤として作用する場合には、この組成物に粘性を提供するために、充分な量の粘着剤が添加されなければならない。このような量が、「粘着量」である。従って、1つの実施形態において、粘着剤の粘着量は、この粘着剤が添加される組成物の約5重量%より大きく、そしてこのような組成物が、粘着量の粘着剤を実質的に含まないとは、この組成物の約5重量%未満が粘着剤であることを意味する。別の実施形態において、粘着量は、約2重量%より大きく、そしてこのような組成物が、粘着量の粘着剤を実質的に含まないためには、この組成物の約2重量%未満が、粘着剤である。別の実施形態において、関連する量の粘着剤は、1重量%である。なお別の実施形態において、関連する量の粘着剤は、約10重量%である。従って、本発明の1つの実施形態によれば、エラストマーフィルムは、関連する量未満の粘着剤が存在し、そして充分な量で存在すれば粘着剤として働くあらゆる物質が、この組成物に粘着を提供または付与するには不十分な量で存在する場合、粘着量の粘着剤を実質的に含まない。
【0015】
本明細書中で使用される場合、用語「弾性」、「弾性化」および「弾性」とは、変形を起こしている力の除去後に元の大きさおよび形状あるいはその近くを回復する傾向をもたらす、材料または複合材料の特性を意味する。
【0016】
本明細書中で使用される場合、用語「エラストマー」とは、その弛緩長さの少なくとも50%伸び得、そして付与される力を解放すると、その伸びの少なくとも40%を回復する、材料または複合材料をいう。1つの実施形態において、エラストマー材料またはエラストマー複合材料は、その弛緩長さの少なくとも100%、1つの実施形態においては、少なくとも300%伸び得、そして付与される力を解放すると、その伸びの少なくとも50%を回復し得る。1つの実施形態において、エラストマー材料またはエラストマー複合材料は、その弛緩長さの少なくとも100%、1つの実施形態においては、少なくとも300%伸び得、そして付与される力を解放すると、その伸びの少なくとも25%を回復し得る。
【0017】
本明細書中で使用される場合、用語「層」とは、単数形で使用される場合、1つの要素または複数の要素(例えば、1つの層を形成している2つ以上の同時押出し成形されたフィルム)の二重の意味を有し得る。
【0018】
本明細書中で使用される場合、用語「伸長可能」および「延伸可能」とは、材料が、破壊されることなく、少なくとも一方向に、その初期の(未伸長)長さの少なくとも50%〜少なくとも150%、1つの実施形態においては、その初期の長さの少なくとも100%〜少なくとも200%、そして別の実施形態においては、その初期の長さの少なくとも150%〜少なくとも250%伸長し得ることを意味する。用語「伸長可能」および「延伸可能」は、弾性材料と、伸長するが上で弾性材料について定義された程度には収縮しない材料と、伸長するが十分には収縮しない材料とを含む。
【0019】
図面の図1を参照すると、本発明の1つの実施形態に従って、少なくとも1つの不織ウェブ層に直接結合したエラストマーフィルムを備える、押出し結合された積層体102を形成するためのプロセスを実施するための装置100が概略的に図示されている。図1に示されるように、押出し装置104が、エラストマー押出し成形品106を押出し、この押出し成形品は、2つのカレンダローラ110と112との間に形成された隙間(nip)に供給される。1つの実施形態において、押出し装置104は、1層の押出し成型品を押出し、そして他の実施形態において、押出し装置104は、以下により完全に記載されるように、複数層の押出し成型品を押し出すかまたは同時押出しするように適合される。1つの実施形態において、一方のカレンダローラ110または112は、例えばステンレス鋼から作製される、ほぼ平滑なカレンダロールであり得、そして他方のカレンダローラは、例えばゴムから作製される、平滑なローラであり得る。1つの実施形態において、これらのローラのうちの一方または両方が、冷却され得る。他の実施形態において、この装置内の他のローラが、冷却される。
【0020】
1つの実施形態において、エラストマー押出し成形品106は、連続的なシートの形態で押し出され、このシートは、実質的に均一な厚さを有する。別の実施形態において、このエラストマー押出し成形品は、連続的なシートの形態で押し出され、このシートは、不均一な厚さの領域を有し、例えば、この連続的なシートのうちの比較的薄い部分によって分離された、比較的厚い部分によって形成される筋または線を有する。1つの実施形態において、このエラストマー押出し成形品は、ストランドまたはリボンの形態で押し出され、これらのストランドまたはリボンは、互いに不連続である。
【0021】
1つの実施形態において、第一の不織ウェブ114が、供給ロール116から隙間108に提供され、そして第二の不織ウェブ118が、第二の供給ロール120から隙間108に供給される。
【0022】
1つの実施形態において、1つのみの不織ウェブが、隙間108に供給される。この実施形態において、積層体の片側は、露出したエラストマーフィルムを備える。このような実施形態において、露出したエラストマー押出し成形品は、ゴムローラにではなく金属ローラに曝露され得る。
【0023】
1つの実施形態において、エラストマー押出し成形品106、第一の不織ウェブ114および第二の不織ウェブ118は、一緒に隙間108に供給され、これによって、押出し結合された積層体102を形成し、この積層体は、巻き取りロール112に巻き取られ得る。1つの実施形態において、巻き取りロール112およびあそびロール124によって、張力が不織ウェブ114、118に提供される。以下に記載されるように、いくつかの実施形態において、エラストマー層106は、複数の層を備えても、1層であってもよい。エラストマー層106が複数の層を備える実施形態において、このような各実施形態において、エラストマーフィルムは、不織層に直接適用される。
【0024】
隙間108におけるローラ110と112との間の圧力は、約0.25バールから約5バールの範囲であり、そして別の実施形態においては、約1バールから約3バールであり、そして別の実施形態においては、約0.5バールから約1バールである。一般に、より低い圧力が、より高い圧力より好ましいが、但し、付与される圧力は、エラストマー押出し成形品とそれが結合される不織ウェブとの間の良好な結合を得るために十分であるべきである。1つの実施形態において、この圧力は、積層のために使用される特定の設備に依存する。いくつかの設備は、固有に、他の設備が必要とするより高い圧力を付与される必要がある。本発明者らは、高すぎる圧力が、エラストマー材料を不織層に積層するために付与される場合、このエラストマー材料がこのウェブ内に深く包埋され、そして得られる積層体が、繊維強化された複合材料のように働く(弾性であるよりむしろもろい)ことを見出した。このような積層体が、本明細書中に記載されるような応力試験/ひずみ試験を受けると、低い破壊時の伸びおよび高い応力値が得られる。1つの実施形態において、適切な圧力が付与されると、良好な結合が得られるが、層は、実質的に不連続なままである。
【0025】
隙間108におけるローラ110と112との間のギャップは、約0ミクロン〜約1000ミクロンの範囲であり、別の実施形態においては、約0ミクロン〜約700ミクロンであり、そして別の実施形態においては、約500ミクロンまでである。
【0026】
従って、1つの実施形態において、本発明は、少なくとも一方向に延伸可能な、押出し結合された積層体を提供するためのプロセスに関し、このプロセスは、少なくとも1つの不織ウェブに直接エラストマーフィルムを押出し結合させることによって、積層体を形成する工程を包含し、このエラストマーフィルムは、この積層体の少なくとも大部分にわたって実質的に連続的に、この不織ウェブに直接結合され、そしてこのエラストマーフィルムは、ビニルアレーン含有ブロックコポリマーを含有し、このエラストマーフィルムは、粘着量の粘着剤を実質的に含まない。上記のように、1つの実施形態において、このエラストマーフィルムの全ビニルアレーン含有量は、約30%以下である。1つの実施形態において、形成する工程は、1工程で実施される。記載されたように、1つの実施形態において、1つのみの不織ウェブが使用され、そして別の実施形態においては、1対の不織ウェブが使用される。図1に示される装置は、このプロセスを実施するために適切である。
【0027】
1つの実施形態において、本発明の方法は、高速製造機械で、約100fpm〜500fpm(約0.5m/s〜約2.5m/s)で、実施される。この実施形態において、不織ウェブは、エラストマーフィルムまたは押出し成形品と押出し積層するために、1対のローラの間の隙間に導入される。このエラストマーフィルムは、この隙間に、その軟化点より高い温度で押し出され、不織ウェブに積層されたエラストマーフィルムを形成する。1つの実施形態において、この押出し成形品の温度は、この押出し成形品が隙間内で不織ウェブと接触する時点で、その軟化点より高い。上記のように、不織ウェブとエラストマーフィルムとの間の圧縮力は、不織ウェブの片面をエラストマーフィルムに結合させて積層体を形成するために制御される。この圧縮力は、上記のように、ローラの間の圧力を調整することによってか、または隙間ロールの間のギャップを設定することによって、制御され得る。
【0028】
図2は、本発明の実施形態に従う、押出し結合された積層体202を備える構築物200の概略断面図である。図2に図示されるように、押出し結合された積層体202は、第一の不織ウェブ層214と第二の不織ウェブ層218との間に挟まれたエラストマー層206を備える。図2に示されるように、これらの3つの層が、積層体202を形成する。以下に記載されるように、いくつかの実施形態において、エラストマー層206は、複数の層を備えても、1層であってもよい。エラストマー層206が複数の層を備える実施形態において、このような実施形態の各々において、エラストマーフィルムは、不織層に直接適用される。
【0029】
図3は、本発明の別の実施形態に従う、図2と類似であるがエラストマーフィルム306内に複数の層を備える、押出し結合された積層体302を備える構築物300の概略断面図である。図3に示されるように、この実施形態において、エラストマーフィルム306は、複数の層を備え、この実施形態においては、3つの層を備える。他の実施形態において、本発明のエラストマーフィルムが不織ウェブ層に直接結合される限り、さらなる層が備えられ得る。図3に図示される実施形態において、エラストマーフィルム306は、上エラストマーフィルム306Aおよび下エラストマーフィルム306Bを備え、これらの層の間に、中間層338が挟まれている。中間層338は、任意の材料を含み得るが、最も頻繁には、エラストマー材料を含み得る。中間層338のエラストマー材料は、エラストマー層としての使用について上に開示された材料のいずれかを含有し得るが、当該分野において公知であり、エラストマーフィルム306Aおよび306Bと適合性である、他の任意のエラストマー材料または伸長可能な材料もまた、含まれ得る。例示的な適切な材料は、以下に開示される。1つの実施形態において、エラストマーフィルム306の複数の層は、適切な押出し成形ダイから同時押出しされる。
【0030】
図4は、本発明の別の実施形態に従って、少なくとも1つの不織ウェブ層に直接結合したエラストマーフィルムを備える、押出し結合された積層体102を形成するための、図1に示される装置100と類似の、押出し結合された積層体を形成するためのプロセスを実施するための装置400を図示する。図4に図示される実施形態において、要素が、図1に図示される要素と同じである場合は、図1の参照番号に対応するが400、402などに修正された参照番号を有する。従って、図4の実施形態は、装置400が、積層体402を横断方向に伸長させるためのさらなる装置をさらに備えることを除いて、図1の実施形態と類似である。図4に図示される実施形態において、1対のローラ434、436が、積層体402を横断方向に伸長させることによってこの積層体を活性化させ、活性化された積層体438を形成するように、配置されている。ローラ434、436は、積層体402を、表面上の噛み合う起伏またははすばによって、横断方向に伸長させる。この横断方向で伸長させることによる活性化は、任意の工程である。例えば、エラストマーフィルムに積層させる際に不織材料が弾性である場合には、活性化は、必要ではない。
【0031】
図5は、図4に示される1対のローラ434、436の、図4の線5−5で見た断面図である。図5に示されるように、この実施形態において、ローラ434、436は、噛み合う起伏または歯を、ローラの表面に備え、積層体402がローラ434と436との間を通過する際に、これらの起伏または歯は、積層体402に横断方向の伸長を付与する。適切な横断方向伸長装置は、米国特許第5,865,926号に記載されており、その積層体の横断方向伸長に関する開示は、本明細書中に参考として援用される。
【0032】
従って、1つの実施形態において、積層体は、断面方向(CD)に伸長されて、CD伸長された積層体を形成する。
【0033】
横断方向伸長の1つの特定の実施形態が、図4および図5に図示されているが、当該分野において公知である任意のこのような伸長方法が、積層体が横断方向に伸長されることが望ましい適切な実施形態において、適用され得る。このような横断方向伸長方法は、公知であり、そして当業者によって適切に選択され得る。
【0034】
1つの実施形態において、この積層体は、約0.25ミルと約10ミルとの間(約6μm〜約250μm)のゲージまたは厚さを有するエラストマーフィルムを備える。いくつかの実施形態において、このフィルムの厚さは、約3ミル〜約8ミルの範囲(約76μm〜約203μm)であり、そして他の実施形態においては、このフィルムの厚さは、約4ミル〜約6ミルの範囲(約102μm〜約152μm)である。
【0035】
1つの実施形態において、不織ウェブは、1平方メートルあたり約5グラム(5g/m2)〜約75g/m2の重量を有し、そして1つの実施形態においては、約10g/m2〜約50g/m2、そして別の実施形態においては、約20g/m2〜約40g/m2、そして1つの実施形態においては、約30g/m2〜31g/m2の重量を有する。
【0036】
従って、この積層体は、エラストマーフィルムと不織材料層との積層された層の厚さの合計におよそ等しいか、またはこれより小さい全厚さを有し得る。重量は、加算されるはずであるが、厚さは、エラストマーフィルムと不織布とのいくらかの吸収および混合に起因して、加算よりわずかに少なくあり得る。
【0037】
この不織ウェブは、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、レーヨン、セルロース、ナイロン、およびこのような繊維のブレンドの繊維を含有し得る。多数の定義が、不織ウェブについて提唱されている。1つの実施形態において、不織ウェブは、梳かれたポリプロピレンであり、例えば、RKW AGから、商品名PROSOFTのもとで入手可能なもの(これは、例えば、31g/m2の重量で入手可能である)である。本明細書中で使用され得るような不織布の繊維は、通常、ステープルファイバーまたは連続フィラメントであり、そして一般に、熱結合されてウェブを形成している。本明細書中で使用される場合、「不織ウェブ」は、比較的平らであり、可撓性であり、そして多孔性であり、そしてステープルファイバーまたは連続フィラメントからなり、熱結合して不織ウェブを形成している、ほぼ平坦な構造体を規定するその一般的な意味で使用される。不織布の詳細な説明については、「Nonwoven Fabric Primer and Refenence Sampler」、E.A.Vaughn,Association of the Nonwoven Fabrics Industry,第3版(1992)を参照のこと。不織材料は、当該分野において公知であるように、梳かれても、紡糸結合されても、湿式で置かれても(wet laid)、乾式で置かれても(air laid)、溶融ブローされてもよい。
【0038】
1つの実施形態において、不織ウェブと称されるが、積層体の外側の「不織」層の一方または両方は、伸長可能または延伸可能な織布材料(例えば、弾性織布)を備え得る。別の実施形態において、不織ウェブは、弾性腐食材料を含有し得る。
【0039】
種々のエラストマー樹脂が、本発明において使用され得る。1つの実施形態において、エラストマー樹脂は、一般式A−−B−−A’またはA−−Bを有するビニルアレーン含有ブロックコポリマーであり、ここで、AおよびA’は、各々、熱可塑性ポリマーの末端ブロックであり、これは、ビニルアレーンが、例えばスチレンである場合に、ビニルアレーン部分(例えば、ポリ(ビニルアレーン)を含有し、そしてBは、エラストマーポリマーの中間ブロック(例えば、共役ジエンあるいは低級アルキレンポリマー(例えば、イソプレン、ブタジエンまたはエチレン−ブチレンもしくはエチレン−プロピレン))である。このブロックコポリマーは、トリブロックコポリマーまたはジブロックコポリマーであり得、あるいはより頻繁には、トリブロックコポリマーとジブロックコポリマーとの混合物である。A−−B−−A’型のブロックコポリマーは、AブロックとA’ブロックとについて、異なるかまたは同じ熱可塑性ブロックポリマーを有し得、そして本発明のブロックコポリマーは、線状ブロックコポリマー、分枝鎖ブロックコポリマー、および放射状ブロックコポリマーを包含することが意図される。この点に関して、放射状ブロックコポリマーは、(A−−B)m−Xと記載され得、ここで、Xは、多官能性原子または分子であり、そして各(A−−B)m−は、Aが末端ブロックになるように、Xに結合する。放射状ブロックコポリマーにおいて、Xは、有機または無機の多官能性原子または分子であり得、そしてmは、Xにもともと存在する官能基と同じ値を有する整数である。mは、通常、少なくとも3であり、そして頻繁には、4または5であるが、これらに限定されない。テトラブロックコポリマーA−−B−−A’−−B’(ここで、AとA’、およびBとB’は、それぞれ互いに同じであっても異なっていてもよい)もまた、本発明のエラストマーにおいて有用なブロックコポリマーの範囲内に含まれる。
【0040】
従って、本発明において、表現「ブロックコポリマー」、および特に、A−−B−−A’ブロックコポリマーおよびA−−Bブロックコポリマーは、上で議論されたようなゴムのようなブロックおよび熱可塑性ブロックを有する、(例えば、溶融ブローおよびシート形成によって)押出し成形され得る全てのブロックコポリマーを包含することが意図され、ブロックの数に関して限定されない。エラストマーフィルムは、任意の適切なポリ(ビニルアレーン)およびポリ(共役ジエン)またはポリ(オレフィン)から形成され得る。従って、エラストマーフィルムは、例えば、エラストマーの(ポリスチレン/ポリ(エチレン−ブチレン)/ポリスチレン)(SEBS)ブロックコポリマーおよび/または(ポリスチレン/ポリ(ブタジエン)/ポリスチレン(SBS)ブロックコポリマーから形成され得る。このようなエラストマーコポリマーの市販の例は、例えば、KRATON(登録商標)材料として公知のもの(例えば、Houston,Tex.KRATON Polymersから入手可能なKRATON G−1657)である。KRATON(登録商標)ブロックコポリマーは、様々な異なる式量および等級で入手可能である。適切なエラストマーコポリマーを含有する配合組成物は、Amal,SwedenのVTC Elastoteknikから入手可能な、DRYFLEX(登録商標)938115である。DRYFLEX(登録商標)938115は、SEBSと他のポリマーとの専売のブレンドである。
【0041】
記載されたように、使用され得るブロックコポリマーとしては、線形配置、放射状配置または星型配置を有し、そしてAブロックおよびBブロックが、ABブロックコポリマーまたはABAブロックコポリマーと一般的に称されるように形成されている、熱可塑性ブロックコポリマーが挙げられる。1つの実施形態において、Aブロックは、ビニルアレーン(主として、ポリスチレン)であり、これは、約4,000と約50,000との間、1つの実施形態においては、約7,000と約30,000との間の分子量を有する。他の適切なAブロックは、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、t−ブチルスチレンおよび他の環状アルキル化スチレン、ならびにこれらの混合物から形成され得る。1つの実施形態において、Aブロックの含有量は、ブロックコポリマーの約5%〜約30%、1つの実施形態においては、約10%と約25%との間である。ここで、本明細書全体および特許請求の範囲の他の箇所においても、範囲および比の数値限定は、組み合わせられ得る。従って、例えば、上記において、明白には言及されていないが、約5%〜約25%の範囲のAブロック含有量が、本開示に含まれる。
【0042】
1つの実施形態において、Bブロックは、共役ジエン(例えば、ブタジエンまたはイソプレン)から誘導され、約5,000〜約500,000、1つの実施形態においては、約50,000〜200,000の平均分子量を有する。1つの実施形態において、Bブロックは、ブロック共重合後に水素化される。
【0043】
1つの実施形態において、ABAトリブロックコポリマーおよびABジブロックコポリマーは、エラストマーフィルムのブロックコポリマーエラストマーの大部分を占め、ジブロックの百分率は、このブロックコポリマーの約95%未満、1つの実施形態においては、約85%未満、そして1つの実施形態においては、約75%未満である。他の従来のジエンエラストマーが少量使用され得るが、エラストマー特性に有意に影響を与えるほどではない。
【0044】
スチレンとイソプレンとのABA型コポリマーの具体的な例は、Kraton製のKRATON(登録商標)1107およびKRATON(登録商標)1117、ならびにFina Chemical Companyから入手可能な、30重量%のスチレン含有量を有する、スチレンブタジエンブロック合成ゴム(Finaprene 411)である。
【0045】
1つの実施形態において、エラストマーフィルムは、ブロックコポリマーのAブロック(例えば、ビニルアレーン)の含有量が約40%以下である、ブロックコポリマーを含有する。1つの実施形態において、Aブロックの含有量は、約38%以下であり、そして別の実施形態においては、Aブロックの含有量は、約30%以下である。1つの実施形態において、Aブロックの含有量は、約25%以下であり、そして別の実施形態において、Aブロックの含有量は、約20%以下である。
【0046】
当該分野において公知であるように、ブロックコポリマーとして有用なエチレン−プロピレン含有ブロックコポリマーおよびエチレン−ブチレン含有ブロックコポリマーは、ポリ(ビニルアレーン)末端ブロックを有する。末端ブロックは、スチレンおよび他のビニルアレーン(例えば、αメチルスチレン、ビニルトルエンなど)を含有し得る。1つの実施形態において、スチレンエチレン−プロピレンブロックコポリマー(SEPS)は、Kraton Polymersによって製造されるKRATON(登録商標) RP−9606であり、そして別の実施形態において、スチレンエチレン−ブチレンブロックコポリマー(SEBS)は、Kraton Polymersによって製造されるKRATON(登録商標) G−1657である。他のポリマーもまた使用され得、ここで、エチレン−プロピレン基およびエチレン−ブチレン基は、このブロックコポリマーの中間ブロックとして働く。1つの実施形態において、Bは、エラストマーの水素化オレフィン(例えば、エチレン−プロピレンまたはエチレン−ブタジエン)であり、約5,000〜約500,000、そして1つの実施形態においては、約50,000〜約200,000の平均分子量を有する。
【0047】
1つの実施形態において、エラストマーフィルムは、このフィルムの約65重量%以上のブロックコポリマーを含有する。別の実施形態において、エラストマーフィルムは、約70重量%以上、別の実施形態においては、約75重量%以上のブロックコポリマーを含有する。
【0048】
1つの実施形態において、エラストマー材料の全ビニルアレーン(例えば、ブロックコポリマーと任意の追加されたポリ(ビニルアレーン)との両方から得られる、スチレン、α−メチルスチレンなど)の含有量は、約30%未満である。1つの実施形態において、全ビニルアレーン含有量を約30%以下に維持することによって、ビニルアレーンの存在に起因する強度と延伸性との改善された組み合わせが提供され、一方で、エラストマー材料のブロックコポリマーにおける充分な量のゴム様の中間ブロックを有することから得られる、不織材料への良好な結合ならびに弾性および/または伸張性が提供されることが見出された。ビニルアレーンの含有量が高すぎる場合、以下に記載されるように、張力試験を、ASTM D882のような方法に従って、InstronTM Model 5500R一定速度の延伸張力機械を使用して実施すると、より高い弾性率(応力)が得られる。ビニルアレーンの含有量が低すぎる場合、この積層体は、十分には強くなく、そしてエラストマー材料を押出し成形することがより困難である。
【0049】
1つの実施形態において、エラストマーフィルムは、ポリスチレン、ポリ−(α−メチル)スチレン、ポリ(ビニルトルエン)、ポリ(t−ブチルスチレン)、エチレン−酢酸ビニルコポリマー、エチレン−メチル(メタ)アクリレートコポリマー、エチレン−エチル(メタ)アクリレートコポリマー、エチレン−(メタ)アクリル酸コポリマーのうちの1種以上を含有する添加剤をさらに含有する。これは、架橋助剤としてブロックコポリマーに添加される。当業者によって理解されるように、このような添加剤は、粘着剤ではなく、そして粘着剤としては機能せず、そしてこれらの添加剤の添加は、エラストマーフィルムへの粘着剤の添加とはならない。
【0050】
1つの実施形態において、この添加剤は、加工助剤として働く。1つの実施形態において、この添加剤は、レオロジーと、少なくとも1つの不織ウェブへのエラストマーフィルムの接着とのうちの1つ以上を改善するために充分な量で存在する。
【0051】
本発明者らは、ブロックコポリマーと任意の添加されるビニルアレーンおよび/または他の加工助剤との両方における、ビニルアレーンの含有量、およびいくつかの実施形態においては、他の添加剤の含有量が、レオロジーと、不織ウェブへのエラストマーフィルムの接着との両方に影響を与え得ることを見出した。ビニルアレーンとしては、例えば、スチレンおよびα−メチルスチレンまたは他のα−アルキルスチレンなどが挙げられる。高レベルの例えばビニルアレーンを用いて生成された材料は、良好なレオロジーを有するが、いくつかの不織材料とは非適合性であることが見出された。低レベルの例えばビニルアレーンを有する材料は、不織材料への良好な接着を有するが、レオロジーが乏しく、低い融解強度またはうねりのような望ましくない性質を示すことが見出された。
【0052】
1つの実施形態において、添加剤は、ポリスチレンおよびポリ−α−メチルスチレンのうちの1つ以上のような、ポリ(ビニルアレーン)であり、エラストマーの約5重量%までの量であり、1つの実施形態においては、添加されるポリビニルアレーンの量は、エラストマーの約1重量%〜約4重量%であり、そして別の実施形態においては、約2重量%〜約3重量%である。
【0053】
1つの実施形態において、添加剤は、エチレン酢酸ビニルコポリマーを、エラストマーの約20重量%までの量で含有する。1つの実施形態において、エチレン酢酸ビニルコポリマーは、エラストマーの約5重量%〜約15重量%の範囲の量で存在する。1つの実施形態において、エチレン酢酸ビニルコポリマーは、エチレン酢酸ビニルコポリマーの約8重量%〜約28重量%の範囲、別の実施形態においては、約10重量%〜約20重量%の範囲の酢酸ビニル含有量を含む。
【0054】
1つの実施形態において、エラストマーフィルムは、エチレン酢酸ビニルコポリマーとポリ(ビニルアレーン)との両方を含有し、両方が、独立して、上記含有量範囲で存在する。
【0055】
1つの実施形態において、破壊するまで伸長される場合、この積層体は、破壊される前に剥離しない。この特徴は、以前に公知であった積層体と全く異なる。以前に公知であった積層体は、いくらか延伸されると(通常、約150%〜約250%の伸び)、破壊前にエラストマーフィルムが不織ウェブ層から剥離し、この剥離の後にエラストマーが破壊され、そしてこの剥離に続いて応力が低下する。本発明のいくつかの実施形態によれば、伸びる際に、破壊の前に実質的に剥離が起こらない。
【0056】
記載されたように、1つの実施形態において、本発明の積層体は、標準的な試験方法に従って試験される場合、破壊の前に剥離しない。従って、例えば、張力試験が、ASTM D882のような方法に従って、InstronTM Model 5500R一定速度の延伸張力機械を使用して実施されると、この積層体は、剥離せずに破壊点まで伸長する。この試験において、この積層体は、機械加工(押出し成形)の方向にか、または横断方向のいずれかで、活性化の前または後に、試験され得る。サンプルが、積層体から、35mm幅×76mm長さに切り出され、長い方向が、この積層体の横断方向である。このサンプルが、試験機械の顎に、最初の顎分離76mmで、設置される。これらの顎を、サンプルの破壊点に達するまで、51cm/分の速度で引き離す。100%伸びの時点および破壊時の負荷を記録する。100%負荷に達した後に、本発明による積層体のサンプルは、降伏点(内部応力が伸びとともに低下する点)を示さない。降伏点は、通常、不織層が局所的領域で破壊する場合に、そして/または不織層がエラストマーフィルム層から剥離する場合に起こる。
【0057】
本発明の1つの実施形態によれば、上記張力試験の間に観察された応力は、サンプルが破壊するまで増加し続け、破壊前に、剥離も応力の低下も存在しない。
【0058】
1つの実施形態において、積層体は、約250%以上、そして別の実施形態においては、約300%以上の破壊時の伸びを有する。1つの実施形態において、破壊時の伸びは、約250%以上であり、そして積層体は、破壊前に実質的に剥離しない。1つの実施形態において、破壊時の伸びは、300%以上であり、そして積層体は、破壊前に実質的に剥離しない。
【0059】
1つの実施形態において、積層体は、約100%以上の伸び、そして別の実施形態においては、約200%以上の伸び、そして別の実施形態においては、約250%以上の伸びを、繰り返して引張り強度を有意に損失することなく、伸長し得る。このような伸長後、1つの実施形態において、この積層体は、20%以下、そして別の実施形態においては、約10%以下、その元の長さよりも大きい回復を有する(すなわち、そのもとの長さの増加した百分率以内に戻る)。このことは、伸長後に弛緩される際に、伸長されたサンプルの長さが、(それぞれ)その元の長さより20%より大きく、または10%より大きくは大きくない長さまで戻ることを意味する。繰り返してとは、その材料が、少なくとも2回〜約5回以上伸長されることを意味する。
【0060】
1つの実施形態において、エラストマーフィルムは、本質的に1層からなる。すなわち、この実施形態において、エラストマーフィルムは、単層として押出し成形され、そしてこの積層体は、2つの不織ウェブ層の間に、これらの層に直接接着して、1層のみのエラストマーフィルムを備える。
【0061】
他の実施形態において、上記のように、エラストマーフィルムは、複数の層を備える。1つのこのような実施形態において、複数の層は、(上記のように)各不織ウェブ層に直接接着したエラストマーフィルムを備え、各エラストマー層と、それが結合する不織ウェブとの間には、他の材料の介在層が存在しない(例えば、図3に関して上に記載されたもの)。1つの実施形態において、複数の層は、少なくとも1つの内側層を備え、この内側層もまた、熱可塑性エラストマーであるが、上記ブロックコポリマーとは異なる材料から形成される。1つの実施形態において、少なくとも1つの内側層は、弾性ポリオレフィン(例えば、超低密度弾性ポリプロピレンまたはポリエチレン(例えば、「単一部位」またはメタロセン触媒法によって製造されるもの))を含有する。このようなポリマーは、Midland,Mich.のDow Chemical Companyから、ENGAGE(登録商標)の名称で市販されており、そしてLaiらに対する、発明の名称「Elastic Substantially Linear Olefin Polymers」の米国特許第5,278,272号および同第5,272,236号に記載されている。例えば、Yangらに対する米国特許第5,539,056号およびResconiらに対する米国特許第5,596,052号(その全体が本明細書中に参考として援用される)に記載されているような、特定のエラストマーポリプロピレン、ならびにMidland,Mich.のDow Chemical製のAFFINITYOR(登録商標) EG 8200およびHouston,Tex.のExxon製のEXACT(登録商標) 4049,4011および4041、ならびにこれらのブレンドもまた有用である。
【0062】
従って、本発明の実施形態に従って積層体を作製するプロセスの1つの実施形態において、このプロセスは、1層のエラストマーフィルムを、少なくとも1つの、そして1つの実施形態においては2つの、不織ウェブ層の間で、この不織ウェブ層に接触させて、押出し成形する工程を包含する。別の実施形態において、本発明の実施形態による多層積層体を作製するプロセスは、第一の外側層および第二の外側層ならびに少なくとも1つの内側層を有する、多層エラストマーフィルムを押出し成形する工程を包含し、これらの少なくとも第一の外側層および第二の外側層は、不織ウェブ層に直接結合したエラストマーフィルムである。
【0063】
1つの実施形態において、エラストマーフィルムは、ポリ−α−オレフィンの層を実質的に含まない。すなわち、この実施形態において、エラストマー層と不織ウェブ層との間に、ポリオレフィンの層が存在しない。
【0064】
1つの実施形態において、積層体は、この積層体の表面から外向きに延びる繊維を実質的に含まない。すなわち、1つの実施形態において、不織ウェブ層は、実質的にこのウェブの面内にある繊維を含み、そして別の実施形態において、このウェブは、繊維をこのウェブから外向きに延びさせないように処理または他に改変される。このような処理は、時々、当該分野において、不織ウェブと隣接層との間の接着を増加させるため、および/または繊維の高さ(loft)を増加させるために、使用されている。
【0065】
1つの実施形態において、本発明の積層体は、図6の実施形態に関して以下に記載されるように、おむつ包みにおいて使用され得る。
【0066】
従って、図6に関して以下に記載される1つの実施形態において、本発明は、おむつ包みにさらに関し、このおむつ包みは、第一の主要面と第二の主要面とを有して少なくとも一方向に延伸可能である、押出し結合された積層体;およびこれらの第一の主要面および第二の主要面のうちの少なくとも一方に適用された少なくとも1つの接着層を備え、この押出し結合された積層体は、この積層体の少なくとも大部分にわたって実質的に連続的に、少なくとも1つの不織ウェブ層に直接結合したエラストマーフィルムを備え、そしてこのエラストマーフィルムは、このエラストマーフィルムの全ビニルアレーン含有量が約30%以下であるビニルアレーン含有ブロックコポリマーを含有し、そしてこのエラストマーフィルムは、粘着量の粘着剤を実質的に含まない。おむつ包みにおいて有用な積層体は、上で完全に記載された積層体のいずれかであり得る。
【0067】
1つの実施形態において、エラストマー積層体は、Avery DennisonTM Y9757C Wave Cのようなおむつ包みシステムに組み込まれる。これは、Specialty Tape Division of Avery Dennison Corporationから入手可能な、予め組み合わせられた弾性おむつテープである。このシステムの例が、図6に示される。
【0068】
図6は、おむつ包みのような構築物600の概略斜視図であり、本発明の実施形態による積層体602を備える。図6に図示されるように、構築物600は、第一の不織ウェブ層と第二の不織ウェブ層との間に挟まれたエラストマー層を備える、押出し結合された積層体602を備える。積層体602によって形成される弾性ゾーンに加えて、構築物600は、不織ゾーン640、剥離テープ642、および接着剤またはフック要素644を備える。エラストマーフィルム層は、上に記載された要素のいずれか(例えば、単層または複数の層)を備え得る。1つの実施形態において、おむつ包みシステム600は、おむつ包みを使用の際に展開する際に使用するための、フィンガーリフトまたはグリップ646を備える。図6に示されるように、剥離テープ642は、接着剤層648を備え得、これによって、剥離テープ642は、基材(例えば、オムツまたは他のデバイス)に接着し得る。1つの実施形態において、不織ゾーン640は、基材に静電溶接されるか、または他の様式で結合される。同様に、剥離テープ642は、接着剤層648とは異なる手段によって、基材に結合され得る。図6に図示される実施形態において、このおむつ包みシステムは、2つの位置で、基材にしっかりと結合または接着される。図6に示されるように、不織ウェブ640は、積層体602の端部およびリリースライナー642に、当該分野において公知であるような任意の適切な選択された取り付けによって、適切に取り付けられ得る。積層体602の第二の端部は、当該分野において公知であるような任意の適切に選択された取り付けによって、フックまたは接着剤ゾーン644に同様に取り付けられ得る。
【0069】
フックまたは接着剤ゾーン644は、図6に図示される実施形態において、例えば、フックおよびループの閉鎖のための、フック要素を備える。他の実施形態において、ゾーン644は、以下に記載されるように、感圧性接着剤のような接着剤を備え得る。フック要素644は、種々のループ材料(例えば、ブラシ掛けされた織布、ロックループ布および不織ループ材料)に取り付けられる場合に、破壊剥離強度および高いせん断強度を提供する。
【0070】
接着剤層648またはゾーン644が接着剤を備える実施形態について、種々の感圧性接着剤が利用され得、ホットメルト接着剤、水ベースの接着剤、および溶媒ベースの接着剤が挙げられる。このような接着剤組成物は、例えば、「Adhesion and Bonding」、Encyclopedia of Polymer Science and Engineering,第1巻、476−546頁、Interscience Publishers,第2版、1985に記載されている。このような組成物は、一般に、接着性ポリマー(例えば、天然ゴム、再生ゴム、またはスチレン−ブタジエンゴム、スチレンブタジエンコポリマーまたはスチレンイソプレンブロックコポリマー、ポリイソブチレン、ポリ(ビニルエーテル)またはポリ(アクリル)エステルを、主成分として含有する。他の材料(例えば、樹脂粘着剤(例えば、ロジンエステル、油溶性フェノールまたはポリテルペンが挙げられる);酸化防止剤;可塑剤(例えば、鉱油または液体ポリイソブチレン);および充填剤(例えば、酸化亜鉛または水和アルミナ))が、感圧性接着剤組成物に含有され得る。適切な酸化防止剤は、Ciba Specialty Chemicals製のIRGANOX(登録商標) 1010である。
【0071】
本発明のエラストマーフィルムを備えるおむつ包みにおいて有用な感圧性接着剤は、ホットメルトのゴムベースの材料またはアクリルベースの材料であり得る。ホットメルト接着剤の例としては、スチレン−ブタジエン−スチレンブロックコポリマーおよびスチレン−イソプレン−スチレンブロックコポリマーが挙げられ、これらは、Korpmanに対する米国特許第4,080,348号に開示されるように炭化水素樹脂または樹脂エステルと組み合わせられ、コポリマーを粘性にし得る。ホットメルト感圧性接着剤を記載する他の特許としては、米国特許第3,676,202号、同第3,723,170号、および3,787,531号が挙げられる。
【0072】
有用なアクリル感圧性接着剤は、代表的に、連鎖停止剤の存在下でバルク重合によって作製されるコポリマーである。感圧性アクリル接着剤を形成する際に有用な例示的なモノマーとしては、アクリル酸およびメタクリル酸、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ブチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸イソオクチルなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0073】
有用な感圧性接着剤の特定の例としては、アクリルベースのエマルジョン(例えば、Fasson、Painesville、Ohioから入手可能なS−490接着剤;同様にFassonからS−2176接着剤の指定で入手可能なホットメルト粘着性Kratonベースの接着剤(スチレン−イソプレン−スチレンブロックコポリマー);および溶媒ベースのスチレン−ブタジエン接着剤が挙げられる。
【0074】
1つの実施形態において、積層体を作製するプロセスは、積層体を、第一の端部および第二の端部を有する1つ以上のセクションに切断する工程をさらに包含する。1つの実施形態において、横断方向に伸長させることによって活性化させる結果として、このセクションは、第一の端部から第二の端部へと伸長可能であり、そしてこの伸張性は、横断方向である。1つの実施形態において、これらのセクションは弾性である。1つの実施形態において、不織材料が弾性材料であり、その結果、横断方向に伸長させることによる活性化が必要ではないので、実施されない。すなわち、1つの実施形態において、横断方向での伸長は、この積層体を横断方向に伸長可能にするが、他の実施形態においては、伸長可能または弾性の不織材料が使用されるので、横断方向に伸長させることによる活性化の工程が存在しない。
【0075】
図7は、本発明の実施形態に従って、おむつタブを作製するプロセスの概略図である。図7に概略的に図示されるように、積層体702は、必要に応じて、横断方向に伸長させることによって活性化され、横断方向に弾性を有する活性化積層体を形成する。あるいは、積層体738は、すでに弾性であり得、従って、このような伸長によって活性化される必要がない。なぜなら、これはすでに弾性であるからである。図7に示されるように、1つの実施形態において、弾性かつ/または活性化された積層体は、横断方向に弾性を有する。1つの実施形態において、弾性かつ/または活性化された積層体738は、比較的幅広のフィルムに形成され、これが巻き取られ得る。次いで、フィルムのロールまたは巻き取り前のフィルムは、機械加工方向に切断されて、複数のより細い積層フィルムまたはストリップ740を形成し得、これは、1つの実施形態において、図7に示されるように、横断方向に弾性を有する。その後、細い積層フィルムまたはストリップ740は、例えば、おむつタブを作製する際に使用するために当該分野において公知であるような、1つまたは2つの適切な基材742および/または744に取り付けられる。図7に示されるように、1つの実施形態において、積層体740は、2つの適切な基材742、744に取り付けられ、次いで、横断方向に切断されて、図7に示されるような弾性を有するオムツタブ750を形成する。
【0076】
図7に図示されるように、1つの実施形態において、積層体740は、第一の端部および第二の端部のうちの一方を介して、基材742および744に取り付けられる。1つの実施形態において、積層体を基材に取り付ける1つの端部は、取り付けを提供するウェブに取り付けられ、そして1つのこのような実施形態において、この取り付けを提供するウェブは、例えば、図6の実施形態に関して上で記載された不織布である。
【0077】
1つの実施形態において、この積層体は、上記のように、おむつ包みに取り付けられ、これによって、このおむつ包みの少なくとも1つの要素を形成する。1つの実施形態において、この積層体は、おむつ包みに組み込まれ、そしておむつである基材に取り付けられ、そして/または接着される。
【実施例】
【0078】
以下の非限定的な実施例は、本発明の実施形態の理解を補助するために提供されるのであり、限定のためではない。
【0079】
以下の8つの処方物は、本発明の実施形態の代表である。これらの8つの処方物の各々についての応力/ひずみグラフを、図8〜図15に示す。
【0080】
各実施例において、組み合わせた成分を、適切な押出し成型機に通して、成分混合物の軟化点より高い温度で押出し成形し、そして図1または図2に示されるように、不織材料の2つの層の間に積層する。以下に提示される実施例のすべてにおいて、記載される場合を除き、不織材料は、RKW AG Rheinsche Kunststoffwerke,Worms,Germany製の、商標PROSORFTの元で市販されている、31g/m2の梳かれたポリプロピレン不織ウェブである。この不織材料が本明細書中で使用されるが、これはほんの例示であり、そして本発明は、本明細書中に記載される以外にも、いずれの特定の不織材料にも限定されないことが留意されるべきである。例えば、異なる重量を有し、当該分野において公知である異なる材料から作製される不織材料が、使用され得る。以下において、示される量は、100あたりの部または重量%(wt%)である。
【0081】
(成分の配合)
処方物1〜7について、粉末形態で供給されるKRATON(登録商標) G1650を、最初に、粉砕機に添加して、あらゆる付随する粉末の塊を破壊し、それらの元の粒子にする。次いで、STYRON(登録商標) 695およびELVAX(登録商標) 460のペレットを、KRATON(登録商標) G1650材料にブレンドして、均一な混合物を形成し、そして最後に、プロセスオイルをこの混合物に添加する。このように得られる化合物を、少なくとも3時間条件付け(油浸漬)し、その後、各押出し成型機を用いてフィルムに加工する。
【0082】
(エラストマーフィルムの押出し成形)
1つの実施形態において、上記のように形成した化合物(例えば、処方物1〜7)または1つの実施形態においては、市販の供給源から得られた化合物(例えば、処方物8)を、その融点または軟化点より高い温度で、当該分野において公知の方法によって押出し成形することにより、フィルムに加工する。配合した処方物を、SBS材料および/またはSEBS材料を一般的に加工するために適切な、代表的な押出し成型機およびダイの設定を用いて、加工する。1つの実施形態において、一般目的のねじを備える一軸押出し成型機および比較的な外「ランド」を有するコートハンガー型の対称押出し成形ダイが使用され得る。1つの実施形態において、融解温度は、特定の化合物の融解粘度に依存して、380°F〜410°F(約193℃〜約210℃)の範囲である。1つの実施形態において、押出し成形器のヘッドの圧力を、150psiより高く維持する。
【0083】
【表1】
上記実施例において、KRATON(登録商標) G1650は、Kraton Polymersから入手可能な、100%トリブロックSEBSおよび30%スチレン材料である;STYRON(登録商標) 695は、Dow Chemical Co.から入手可能な、実質低に100%の含有量を有するポリスチレンである;ELVAX(登録商標) 460は、E.I.du Pont de Nemours and Co.,Inc.から入手可能な、エチレン−酢酸ビニルコポリマーである;そしてプロセスオイルは、Chevron−Texacoから入手可能なパラフィン油のPARALUX(登録商標) 6001Rである。DRYFLEX(登録商標) 938112は、VTC Elastoteknik ABから入手可能な、専売のSEBSベースの配合熱可塑性エラストマー製品である。
【0084】
処方物1〜8の各々を、上記2層の不織材料の間に押出し、そして各積層体は、約0.25mm〜約0.65mmの範囲の全体的な厚さを有する。処方物1〜8を、InstronTM Model 5500Rにおいて試験すると、図8〜図15に示されるような結果が得られる。図8〜図15のグラフの各々において、それぞれの処方物1〜8の各々について記載される標本(S1〜S3またはS1〜S4)は、以下の厚さ(mm)を有する:
【0085】
【表2】
図8〜図15のグラフに示されるように、張力試験の間、破壊前の伸びの関数としての力の低下も減少もない。このことは、エラストマーウェブに積層されたエラストマーフィルムと不織層との間の結合が良好であることを示す。結合が良好でない場合、伸びの間に、不織材料がエラストマーフィルムから剥離して破壊され、破壊前の伸びの関数としての力の低下が生じる。
【0086】
別の群の実施例において、不織層を、以下の表の「製品」欄に列挙される市販の材料で作製されたエラストマーウェブに積層した。DRYFLEX(登録商標)938112は、上記と同じである。THERMOLAST K(登録商標) HTD8758/04は、Kraiburg TPEから入手可能な、専売の配合SBSエラストマー材料である。KRATON(登録商標) G2832は、Kraton Polymersから入手可能な、専売の配合SEBSエラストマー材料である。応力/ひずみを、上記と同じ方法で試験すると、表に示される結果が、これらの積層体に対して得られる。
【0087】
【表3】
本発明の別の実施形態による、別のセットの実施例において、120g/m2の重量を有するエラストマーフィルム材料を、31g/m2の重量を有する1層の不織材料に積層し、押出し結合された積層体を形成した。応力/ひずみを、上記と同じ方法で試験すると、表に示される結果が、これらの積層体に対して得られる。
【0088】
【表4】
これらの実施例において使用される、DRYFLEX(登録商標) AD4、DRYFLEX(登録商標) AD5、およびDRYFLEX(登録商標) AD6は、VTC Elastoteknik AB製の専売の配合SBS処方物である。
【0089】
別のセットの実施例において、積層後に、各3積層(2層の不織材料がエラストマー層の両側に積層されている)を、上に記載されたプロセスによって調製し、そして不織材料に積層する。上記のように試験すると、以下の引張り強度および破壊時の伸びの値が得られる。
【0090】
【表5】
本発明を、その種々の実施形態に関して説明したが、それらの種々の改変が、本明細書を読むと当業者に明らかであることが、理解されるべきである。従って、本明細書中に開示される本発明は、特許請求の範囲に入る改変を網羅することが意図されることが、理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】図1は、本発明の実施形態に従う、押出し結合された積層体を形成するためのプロセスを実施するための装置の概略図である。
【図2】図2は、本発明の実施形態に従う、押出し結合された積層体の概略断面図である。
【図3】図3は、本発明の実施形態に従う、図2のものと類似であるがエラストマーフィルム内に複数の層を備える、押出し結合された積層体の概略断面図である。
【図4】図4は、本発明の別の実施形態に従う、図1と類似の、押出し結合された積層体を形成するためのプロセスを実施するための装置の概略図である。
【図5】図5は、図4の線5−5に沿った、図6に示される1対のローラの断面図である。
【図6】図6は、本発明の別の実施形態に従う、積層体を備えるおむつ包みのような構築物の概略斜視図である。
【図7】図7は、本発明の実施形態に従う、おむつタブを作製するプロセスの概略図である。
【図8】図8は、本発明の実施形態のサンプルについての応力/ひずみグラフである。
【図9】図9は、本発明の実施形態のサンプルについての応力/ひずみグラフである。
【図10】図10は、本発明の実施形態のサンプルについての応力/ひずみグラフである。
【図11】図11は、本発明の実施形態のサンプルについての応力/ひずみグラフである。
【図12】図12は、本発明の実施形態のサンプルについての応力/ひずみグラフである。
【図13】図13は、本発明の実施形態のサンプルについての応力/ひずみグラフである。
【図14】図14は、本発明の実施形態のサンプルについての応力/ひずみグラフである。
【図15】図15は、本発明の実施形態のサンプルについての応力/ひずみグラフである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
積層体の少なくとも大部分にわたって実質的に連続的に、少なくとも1つの不織ウェブ層(114、214、314、414)に直接結合されたエラストマーフィルム(106、206、306)を備える、押出し結合された積層体(102、202、302、402、602、702)であって、
該積層体は、少なくとも一方向に延伸可能であり、約250%以上の破壊時の伸びを有し、そして破壊前に剥離せず、そして
該エラストマーフィルムは、SEBSブロックコポリマーを含有し、そして該エラストマーフィルムは、粘着量の粘着剤を実質的に含まない、
押出し結合された積層体。
【請求項2】
前記エラストマーフィルムの全ビニルアレーン含有量が、約30%以下である、請求項1に記載の押出し結合された積層体。
【請求項3】
前記エラストマーフィルムが、該フィルムの約65重量%以上のブロックコポリマーを含有する、請求項1に記載の押出し結合された積層体。
【請求項4】
前記エラストマーフィルムが、ポリスチレン、ポリ−(α−メチル)スチレン、エチレン−酢酸ビニルコポリマー、エチレン−メチル(メタ)アクリレートコポリマー、エチレン−エチル(メタ)アクリレートコポリマー、エチレン−(メタ)アクリル酸コポリマーのうちの1種以上を含有する添加剤をさらに含有する、請求項1に記載の押出し結合された積層体。
【請求項5】
前記添加剤が、前記エラストマーフィルムのレオロジーおよび前記少なくとも1つの不織ウェブに対する接着を改善するために充分な量で存在する、請求項4に記載の押出し結合された積層体。
【請求項6】
前記エラストマーフィルムが、ポリスチレンおよびポリ−(α−メチル)スチレンのうちの少なくとも一方を、該エラストマーの約5重量%までの量でさらに含有する、請求項1に記載の押出し結合された積層体。
【請求項7】
前記エラストマーフィルムが、該エラストマーの約20重量%までの量で、エチレン酢酸ビニルコポリマーをさらに含有する、請求項1に記載の押出し結合された積層体。
【請求項8】
前記少なくとも1つの不織ウェブが、2つの不織ウェブ(114、214、314、414、118、218、318、418)を備える、請求項1に記載の押出し結合された積層体。
【請求項9】
前記少なくとも1つの不織ウェブが、弾性である、請求項1に記載の押出し結合された積層体。
【請求項10】
請求項1に記載の押出し結合された積層体を備える、おむつ包み(600)。
【請求項11】
おむつ包み(600)であって、以下:
押出し結合された積層体(602)であって、第一の端部および第二の端部を有し、少なくとも一方向に延伸可能であり、250%以上の破壊時の伸びを有し、破壊の前に剥離しない、押出し結合された積層体(602);ならびに
少なくとも1つのウェブ(640)であって、該第一の端部および該第二の端部のうちの一方から基材への取り付けを提供する、少なくとも1つのウェブ(640)、
を備え、
該押し出し結合された積層体(602)が、該積層体の少なくとも大部分にわたって実質的に連続的に、少なくとも1つの不織ウェブ層(114、214、314、414)に直接結合した、エラストマーフィルム(106、206、306)を備え、そして
該エラストマーフィルムが、SEBSブロックコポリマーを含有し、そして該エラストマーフィルムが、粘着量の粘着剤を実質的に含まない、
おむつ包み。
【請求項12】
前記取り付けを提供するウェブが、不織ウェブである、請求項11に記載のおむつ包み。
【請求項13】
少なくとも一方向に延伸可能な、押出し結合された積層体を製造するためのプロセスであって、以下:
エラストマーフィルムを少なくとも1つの不織ウェブに直接押出し結合することによって、積層体を形成する工程、
を包含し、
該エラストマーフィルムが、該積層体の少なくとも大部分にわたって、実質的に連続的に、該不織ウェブに直接結合し、そして
該エラストマーフィルムが、SEBSブロックコポリマーを含有し、そして該エラストマーフィルムが、粘着量の粘着剤を実質的に含まず、そして
該積層体が、約250%以上の破壊時の伸びを有し、そして破壊の前に剥離しない、
プロセス。
【請求項14】
前記積層体を横断方向に伸長させることによって、前記積層体を活性化させる工程をさらに包含する、請求項13に記載のプロセス。
【請求項15】
前記伸長させる工程が、前記積層体を噛み合うローラの間でプレスすることによって実施される、請求項14に記載のプロセス。
【請求項16】
前記積層体を、第一の端部および第二の端部を有するセクションに切断する工程をさらに包含し、該セクションは、該第一の端部および該第二の端部から伸長可能であり、そしてその伸張性が、断面方向である、請求項14に記載のプロセス。
【請求項17】
前記積層体を、前記第一の端部および前記第二の端部のうちの一方を介して基材に取り付ける工程をさらに包含する、請求項16に記載のプロセス。
【請求項18】
前記積層体を前記基材に取り付ける一方の端部が、該取り付けを提供するウェブに取り付けられる、請求項17に記載のプロセス。
【請求項19】
前記取り付けを提供するウェブが、不織ウェブである、請求項18に記載のプロセス。
【請求項20】
前記積層体が、おむつ包みの少なくとも1つの要素に取り付けられる、請求項13に記載のプロセス。
【請求項21】
前記押出し結合する工程が、1層のエラストマーフィルムを押し出す工程を包含する、請求項13に記載のプロセス。
【請求項22】
前記押出し結合する工程が、多層エラストマーフィルムを押し出す工程を包含し、該多層エラストマーフィルムが、第一の外側層と、第二の外側層と、少なくとも1つの内側層を有し、少なくとも該第一の外側層および第二の外側層が、エラストマーフィルムである、請求項13に記載のプロセス。
【請求項23】
前記少なくとも1つの不織ウェブが、弾性である、請求項13に記載のプロセス。
【請求項1】
積層体の少なくとも大部分にわたって実質的に連続的に、少なくとも1つの不織ウェブ層(114、214、314、414)に直接結合されたエラストマーフィルム(106、206、306)を備える、押出し結合された積層体(102、202、302、402、602、702)であって、
該積層体は、少なくとも一方向に延伸可能であり、約250%以上の破壊時の伸びを有し、そして破壊前に剥離せず、そして
該エラストマーフィルムは、SEBSブロックコポリマーを含有し、そして該エラストマーフィルムは、粘着量の粘着剤を実質的に含まない、
押出し結合された積層体。
【請求項2】
前記エラストマーフィルムの全ビニルアレーン含有量が、約30%以下である、請求項1に記載の押出し結合された積層体。
【請求項3】
前記エラストマーフィルムが、該フィルムの約65重量%以上のブロックコポリマーを含有する、請求項1に記載の押出し結合された積層体。
【請求項4】
前記エラストマーフィルムが、ポリスチレン、ポリ−(α−メチル)スチレン、エチレン−酢酸ビニルコポリマー、エチレン−メチル(メタ)アクリレートコポリマー、エチレン−エチル(メタ)アクリレートコポリマー、エチレン−(メタ)アクリル酸コポリマーのうちの1種以上を含有する添加剤をさらに含有する、請求項1に記載の押出し結合された積層体。
【請求項5】
前記添加剤が、前記エラストマーフィルムのレオロジーおよび前記少なくとも1つの不織ウェブに対する接着を改善するために充分な量で存在する、請求項4に記載の押出し結合された積層体。
【請求項6】
前記エラストマーフィルムが、ポリスチレンおよびポリ−(α−メチル)スチレンのうちの少なくとも一方を、該エラストマーの約5重量%までの量でさらに含有する、請求項1に記載の押出し結合された積層体。
【請求項7】
前記エラストマーフィルムが、該エラストマーの約20重量%までの量で、エチレン酢酸ビニルコポリマーをさらに含有する、請求項1に記載の押出し結合された積層体。
【請求項8】
前記少なくとも1つの不織ウェブが、2つの不織ウェブ(114、214、314、414、118、218、318、418)を備える、請求項1に記載の押出し結合された積層体。
【請求項9】
前記少なくとも1つの不織ウェブが、弾性である、請求項1に記載の押出し結合された積層体。
【請求項10】
請求項1に記載の押出し結合された積層体を備える、おむつ包み(600)。
【請求項11】
おむつ包み(600)であって、以下:
押出し結合された積層体(602)であって、第一の端部および第二の端部を有し、少なくとも一方向に延伸可能であり、250%以上の破壊時の伸びを有し、破壊の前に剥離しない、押出し結合された積層体(602);ならびに
少なくとも1つのウェブ(640)であって、該第一の端部および該第二の端部のうちの一方から基材への取り付けを提供する、少なくとも1つのウェブ(640)、
を備え、
該押し出し結合された積層体(602)が、該積層体の少なくとも大部分にわたって実質的に連続的に、少なくとも1つの不織ウェブ層(114、214、314、414)に直接結合した、エラストマーフィルム(106、206、306)を備え、そして
該エラストマーフィルムが、SEBSブロックコポリマーを含有し、そして該エラストマーフィルムが、粘着量の粘着剤を実質的に含まない、
おむつ包み。
【請求項12】
前記取り付けを提供するウェブが、不織ウェブである、請求項11に記載のおむつ包み。
【請求項13】
少なくとも一方向に延伸可能な、押出し結合された積層体を製造するためのプロセスであって、以下:
エラストマーフィルムを少なくとも1つの不織ウェブに直接押出し結合することによって、積層体を形成する工程、
を包含し、
該エラストマーフィルムが、該積層体の少なくとも大部分にわたって、実質的に連続的に、該不織ウェブに直接結合し、そして
該エラストマーフィルムが、SEBSブロックコポリマーを含有し、そして該エラストマーフィルムが、粘着量の粘着剤を実質的に含まず、そして
該積層体が、約250%以上の破壊時の伸びを有し、そして破壊の前に剥離しない、
プロセス。
【請求項14】
前記積層体を横断方向に伸長させることによって、前記積層体を活性化させる工程をさらに包含する、請求項13に記載のプロセス。
【請求項15】
前記伸長させる工程が、前記積層体を噛み合うローラの間でプレスすることによって実施される、請求項14に記載のプロセス。
【請求項16】
前記積層体を、第一の端部および第二の端部を有するセクションに切断する工程をさらに包含し、該セクションは、該第一の端部および該第二の端部から伸長可能であり、そしてその伸張性が、断面方向である、請求項14に記載のプロセス。
【請求項17】
前記積層体を、前記第一の端部および前記第二の端部のうちの一方を介して基材に取り付ける工程をさらに包含する、請求項16に記載のプロセス。
【請求項18】
前記積層体を前記基材に取り付ける一方の端部が、該取り付けを提供するウェブに取り付けられる、請求項17に記載のプロセス。
【請求項19】
前記取り付けを提供するウェブが、不織ウェブである、請求項18に記載のプロセス。
【請求項20】
前記積層体が、おむつ包みの少なくとも1つの要素に取り付けられる、請求項13に記載のプロセス。
【請求項21】
前記押出し結合する工程が、1層のエラストマーフィルムを押し出す工程を包含する、請求項13に記載のプロセス。
【請求項22】
前記押出し結合する工程が、多層エラストマーフィルムを押し出す工程を包含し、該多層エラストマーフィルムが、第一の外側層と、第二の外側層と、少なくとも1つの内側層を有し、少なくとも該第一の外側層および第二の外側層が、エラストマーフィルムである、請求項13に記載のプロセス。
【請求項23】
前記少なくとも1つの不織ウェブが、弾性である、請求項13に記載のプロセス。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公表番号】特表2008−504985(P2008−504985A)
【公表日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−519323(P2007−519323)
【出願日】平成17年6月28日(2005.6.28)
【国際出願番号】PCT/US2005/022685
【国際公開番号】WO2006/004637
【国際公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【出願人】(594177391)エーブリー デニソン コーポレイション (26)
【氏名又は名称原語表記】Avery Dennison Corporation
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年6月28日(2005.6.28)
【国際出願番号】PCT/US2005/022685
【国際公開番号】WO2006/004637
【国際公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【出願人】(594177391)エーブリー デニソン コーポレイション (26)
【氏名又は名称原語表記】Avery Dennison Corporation
【Fターム(参考)】
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