説明

エラストマー基体のための塗料

ゴム変性エポキシ樹脂、エポキシ反応性希釈剤、及びエポキシ硬化剤を含有するエラストマー用塗料が提供される。該エポキシ樹脂はカルボキシル末端ブタジエンアクリロニトリルゴムで変性されており、該塗料は、ウェザーストリップのようなエラストマー基体と共に共押出可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願とのクロスリファレンス
本願は、その開示を出典明示によりここに援用する「押出可能な基体のための共押出可能な塗料」と題された2008年3月26日出願の米国仮特許出願第61/039446号について米国特許法第119条第e項の優先権を主張する。
【0002】
発明の分野
本発明は押出弾性材料のための低摩擦塗料に関する。より詳細には、本発明は、自動車用ウェザーストリップ、フロントガラスワイパー、ドアシール等のようなEPDM又はTPV枠材(プロファイル)のための塗料に関する。本発明はまた基体の押出中に基体への被覆組成物を塗布する方法にも関する。
【背景技術】
【0003】
ウェザーストリップ及びウェザーストリップ塗料は当該分野において一般に知られている。ウェザーストリップはしばしばEPDM又は他の弾性基質を含み、ドア、ウィンドウ、トランク、ボンネット及び他の自動車用閉止部の回りにシールを施すために用いられる。ウェザーストリップは、該ウェザーストリップに対して面が摺動することを可能にする滑りをもたらし、場合によっては極端な温度条件で性能を向上させるための耐熱性及び氷除去をもたらす低摩擦塗料でしばしば被覆される。典型的には、ウレタン系材料が、その固有の柔軟性耐摩耗性、及び耐候性のためにエラストマー塗料塗布用に用いられている。
【0004】
ウェザーストリップは、通常、ウェザーストリップを押出成形し、エラストマー部分を冷却し、ついでスプレー噴霧し、塗料を硬化させることによって形成される。この方法は効果的な場合があるが、しばしば幾つかの別個の工程を必要とする労働及び時間集約型であり、過剰噴霧によって塗料を有意に喪失してしまう結果となる。
【0005】
従って、基体と共に共押出でき、一般的な方法による塗布にもまた利用できるウェザーストリップ塗料を提供することが望まれる。かかる塗料は、高耐摩耗性、高耐候性、良好な氷除去特性及び低ノイズを提供するものでなければならない。該塗料は熱可塑性オレフィン化合物(TPO)、熱可塑性加硫物化合物(TPV)及びエチレン・プロピレン・ジエン三元重合体(EPDM)への塗布が可能でなければならない。
【発明の概要】
【0006】
本発明の第一の態様では、ゴム変性エポキシ樹脂、エポキシ反応性希釈剤、及びエポキシ硬化剤を含有するエラストマー用塗料が提供される。本発明の好ましい実施態様では、エポキシ樹脂はカルボキシル末端ブタジエンアクリロニトリルゴムで変性される。本発明の最も好ましい実施態様では、エポキシ樹脂はビスフェノールAを含む。本発明の更に好ましい実施態様では、塗料は、カルボン酸末端ブタジエンゴム変性エポキシ化ネオペンチルグリコールを更に含む。
【0007】
本発明の一実施態様では、ゴム変性エポキシ樹脂が、処方物の全重量に基づいて30から90重量パーセントの量で存在する。本発明の他の実施態様では、ゴム変性エポキシ樹脂が、処方物の全重量に基づいて40重量パーセントを越えた量で存在する。
本発明の更に別の実施態様では、塗料は固形物100パーセントであり、溶媒を含まず、イソシアネート類、フェノール及びフェノキシ化合物を含まない。
本発明の更なる実施態様では、塗料は硬化促進剤を更に含む。本発明の好ましい実施態様では、硬化促進剤は メチレンジフェニルビス(ジメチルウレア)を含む。
【0008】
本発明の他の実施態様では、塗料はチキソソロープ剤(thixotrope)を更に含む。本発明の好ましい実施態様では、チキソトロープ剤はヒュームドシリカを含む。本発明の更に他の実施態様では、塗料はスリップ剤、好ましくはポリテトラフルオロエチレン粉末又は超高分子量ポリエチレン粉末を更に含む。
本発明の更に別の実施態様では、塗料は顔料、好ましくはカーボンブラックを更に含む。本発明の他の実施態様では、塗料は接着促進剤、好ましくはジニトロソベンゼンを更に含む。本発明の更に好ましい実施態様では、エポキシ硬化剤はジシアナミド硬化剤を含む。
【0009】
本発明の他の実施態様では、塗料は基体、好ましくは高密度(dense)EPDM又は別にスポンジEPDMに共押出され、好ましくは基体はウェザーストリップ材料である。本発明の二つの別の実施態様では、基体は熱可塑性オレフィン及び熱可塑性加硫物を含む。本発明の更なる実施態様では、基体は6インチ×6インチ×0.125インチ厚と測定される矩形のEPDM引張パッド(tensile pad)であり、硬化した場合、塗布されたパッドは、硬化塗料に可視できる亀裂がなく180度の角度で折り曲げることができる。
【0010】
本発明の更なる態様では、塗料は二剤塗料を含み、A側はゴム変性エポキシ樹脂、及びエポキシ反応性希釈剤を含み、B側はエポキシ硬化剤を含む。
本発明の更なる態様では、基体と塗料を含み、基体と塗料が共押出されてウェザーストリップが形成された自動車用ウェザーストリップが提供される。本発明の好ましい実施態様では、塗料は、塗料の全重量に基づいて少なくとも40重量パーセントの変性エポキシ材料を含む。本発明の更なる態様では、エラストマー基体、少なくとも15重量パーセントのゴムエポキシ樹脂、及びエポキシ硬化剤を含み、塗料が基体の少なくとも一部を覆う塗布物品が提供される。本発明の好ましい実施態様では、塗料は実質的にイソシアネートを含まず、及び/又は100パーセント固形物である。
【0011】
本発明の一実施態様では、基体が押出され、塗料が基体、好ましくはEPDM基体と共に共押出され、好ましくは基体はウェザーストリップを含む。本発明の更なる実施態様では、塗料はエポキシ硬化剤を更に含む。本発明の他の実施態様では、塗料は硬化促進剤を更に含む。
【0012】
当業者には理解されるように、本発明に係る塗料の多くの異なる実施態様がありうる。本発明の更なる用途、目的、利点、及び新規な特徴は以下の詳細な説明に記載され、次の記載の調査又は発明の実施によって当業者にはより明らかになるであろう。
而して、以下に続く詳細な説明がよりよく理解されうるように、また従来技術に対する本発明の寄与がよりよく理解されうるように、本発明のより重要な特徴をかなり広く説明した。明らかに、以下に記載され、添付の特許請求の範囲の主題事項を構成する本発明の更なる特徴がある。この点について、本発明の幾つかの実施態様を詳細に説明する前に、本発明が、次の説明に記載され又は図面に示された要素の詳細及び構築並びにその構成にその応用が限定されているものではないことは、理解されなければならない。本発明は他の実施態様が可能であり、様々な形で実行及び実施することができる。
【0013】
ここでの用語及び述語は説明のためのものであり、決して限定するものとみなしてはならないことがまた理解されなければならない。当業者ならば、この明細書が依拠する概念を理解し、それを、この開発の幾つかの目的を実施するための他の構造、方法及びシステムを決めるための基礎として直ぐに利用できることが分かるであろう。特許請求の範囲は、本発明の精神と範囲から逸脱しないかぎり、そのような均等の構成を含むと解されることは重要である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の一実施態様では、塗料は、ウェザーストリップのような弾性基体と共に共押出可能であり、それによって、エラストマーを被覆する更なる加工工程の必要性を排除する。
本発明の塗料は、先行技術の塗料と比較して多くの特徴と利点を有している。本発明の塗料は、高固形分塗料、好ましくは95%を越え、最も好ましくは100%固形物を含む。高固形物塗料は基体上への共押出を可能にし、溶媒系塗料に伴う放出を低減又は排除する。更に、共押出を介して塗布された高固形物の塗料は100%の伝達効率に近づき、それによって噴霧塗布された塗料に伴う無駄を低減又は排除する。
【0015】
本発明の好ましい一実施態様では、塗料組成物は本質的にイソシアネート類を含まず、より好ましくは、組成物はイソシアネートを含まない。イソシアネート類はエラストマー用塗料にしばしば使用されているが、健康及び環境問題を低減するためにイソシアネート類を含まない塗料組成物を構成することが好ましい。
【0016】
本発明の実施態様は、例えば自動車において使用されるウェザーストリップのための塗料を含む多くの応用において望ましい、低摩擦係数を有する塗料を提供する。例えば、ウィンドウガラスとドアフレーム間にシールを提供するために使用されるウェザーストリップは、典型的には、最小の抵抗でウィンドウガラスを上げ下げすることを可能にする低摩擦面を持つ塗料を有する。ウェザーストリップの塗料はまたウィンドウガラスの移動からの摩耗による劣化に対する耐性をもたらす。 低摩擦係数を有していることに加えて、ウェザーストリップ上の塗料はまた−40℃の温度でのシールを提供するために広い範囲の温度にわたって可撓性のままでなければならない。加えて、本発明の様々な実施態様の塗料は、耐かゆみ(itch)/きしみ性、改善された耐候性を含む他の望ましい特性を、塗布されたエラストマーウェザーストリップに付与する。
【0017】
本発明のある実施態様では、塗料はエラストマー基体に塗布される。該エラストマー基体は、限定されないが、TPE、EPDM又はその任意の組合せを含む熱可塑性又は熱硬化性材料を含む様々な材料を含みうる。しかしながら、本発明の好ましい実施態様では、塗料は押出可能な材料に塗布される。
本発明の好ましい実施態様では、塗料はエポキシ系EPDM塗料を含む。従来は、エポキシ型塗料はエラストマー塗料には脆すぎると考えられていた。しかしながら、本発明の塗料はゴム変性エポキシ樹脂の使用によりこの制限を解消する。本発明の好ましい実施態様では、エポキシ樹脂はカルボン酸末端ブタジエンゴム変性エポキシ樹脂を含む。
【0018】
CTBNゴム変性エポキシ樹脂は、上述のような一般的なエポキシ樹脂をカルボキシル基を有するCTBNゴムと反応させることによって製造される。カルボキシル基を有するCTBNゴムは様々な市販の製品を含む。本発明の一実施態様では、エポキシ樹脂及びCTBNゴムの反応比は、重量(エポキシ樹脂/CTBNゴム)で1/0.5から1/2.0の範囲にある。反応は通常は120℃から150℃の温度で3から8時間の間、実施される。
【0019】
エポキシ樹脂は、任意の一般的なエポキシ樹脂、例えばグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、直鎖状脂肪族エポキシド型エポキシ樹脂、脂環式エポキシド型エポキシ樹脂等々を含み、これらは単独で又はその二以上の組合せで使用される。本発明の好ましい実施態様では、エポキシ樹脂はビスフェノールA型エポキシ樹脂及びグリシジルエーテル型エポキシ樹脂を含む。
本発明の一実施態様では、ゴム変性エポキシ樹脂は、塗料組成物の重量に基づいて10から90重量パーセントの量で存在する。本発明の好ましい実施態様では、ゴム変性エポキシ樹脂は、塗料組成物の重量に基づいて30重量パーセントを越える量で存在する。
【0020】
本発明の一実施態様では、組成物はエポキシ反応性希釈剤を更に含む。該エポキシ反応性希釈剤は、重合性エポキシと反応性の少なくとも一つのオキシド環を有する一又は複数の化合物を含む。本発明の好ましい一実施態様では、反応性希釈剤はモノ-エポキシ官能性グリシジルエーテルを含む。本発明の一実施態様では、希釈剤は、塗料組成物の0から約25重量パーセント、好ましくは約10から約20重量パーセントの量で添加される。
本発明の更なる実施態様では、塗料組成物は硬化剤を更に含む。該硬化剤は、脂肪族アミン化合物、芳香族アミン化合物、ポリアミド化合物、酸無水物化合物、ジシアンジアミド、三フッ化ホウ素とアミン化合物の錯体、フェノール及びノボラック樹脂等を含む、エポキシ樹脂の硬化に使用される様々な既知の化合物から選択されうるエポキシ樹脂用の架橋剤を含む。硬化剤は単独で又は複数剤の組合せとして使用されうる。硬化剤は、全組成物の約2から約50重量パーセント、好ましくは約5から約35重量パーセントの量で存在する。
【0021】
本発明の更なる実施態様では、組成物はエポキシ硬化剤化合物とのエポキシ樹脂の反応を加速するために触媒又は硬化促進剤を更に含む。かかる触媒は当業者にはよく知られており、米国特許第5344856号に記載されているものを含む。本発明の好ましい実施態様では、硬化促進剤は、尿素、イミダゾール類、及び三ハロゲン化ホウ素を含み、尿素が最も好ましい。本発明の最も好ましい実施態様では、上記促進剤はメチレンジフェニルビスジメチルウレアを含む。
本発明の更なる実施態様では、硬化促進剤の量は、所望される反応性及び保存安定性に応じて変動しうる。本発明の最も好ましい実施態様では、硬化促進剤は、塗料組成物の重量に基づいて0から5重量パーセントの量で存在する。
【0022】
本発明の更なる実施態様では、ニトロソ化合物が接着促進剤として組成物に添加される。ニトロソ化合物は、非隣接環炭素原子に直接結合した少なくとも二つのニトロソ基を含むベンゼン類、ナフタレン類、アントラセン類、ビフェニル類等のような任意の芳香族炭化水素でありうる。より特定的には、かかるニトロソ化合物は、非隣接核炭素原子に直接結合した2から6のニトロソ基を有する、縮合芳香族核を含む1から3の芳香族核を有するポリ-C-ニトロソ芳香族化合物として記述される。芳香族核の核水素原子は、アルキル、アルコキシ、シクロアルキル、アリール、アラルキル、アルカリール、アリールアミン、アリールニトロソ、アミノ、ハロゲン、及び類似基によって置換されうる。芳香族核でのかかる置換基の存在は本発明のポリ-C-ニトロソ化合物の活性について殆ど影響はない。現在知られている限りでは、置換基の特性に制限はなく、かかる置換基は有機又は無機の性質でありうる。よって、「DNB」が引用される場合、これはポリ-C-ニトロソ又はジ-C-ニトロソ芳香族化合物、ベンゼン類、又はナフタレン類を集合的に指し、特段の記載がない限り、置換及び未置換双方のニトロソ化合物を含むものと理解される。
【0023】
好ましいポリ-C-ニトロソ材料は、ジ-ニトロソ芳香族化合物、特にジニトロソベンゼン類及びジニトロソナフタレン類、例えばメタ-又はパラ-ジニトロソベンゼン類及びメタ-又はパラ-ジニトロソナフタレン類である。特に好ましいポリ-C-ニトロソ化合物は、式(R)-Ar--(NO)によって特徴付けられ、ここで、Arはフェニレン及びナフタレンからなる群から選択され; Rは1から20の炭素原子を有するアルキル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、アルカリール、アリールアミン及びアルコキシ基、アミノ、又はハロゲンからなる群から選択される一価有機基であり、好ましくは1から8の炭素原子を有するアルキル基であり;mはゼロ、1、2、3、又は4である。好ましくは、mはゼロである。DNBは溶媒分散体としての添加により接着組成物中に導入される。ニトロソ化合物は適切な酸化/還元剤を用いて対応するオキシム又は対応するニトロ化合物によって置き換えることができる。本発明の実施に使用するのに適したポリ-C-ニトロソ化合物の例示的な非限定的実施態様は、m-ジニトロソベンゼン、p-ジニトロソベンゼン、m-ジニトロソナフタレン、p-ジニトロソナフタレン、2,5-ジニトロソ-p- シメン、2-メチル-1,4-ジニトロソベンゼン、2-メチル-5-クロロ-1,4-ジニトロソベンゼン、2-フルオロ-1,4-ジニトロソベンゼン、2-メトキシ-1,3-ジニトロソベンゼン、5-クロロ-1,3-ジニトロソベンゼン、2-ベンジル-1,4-ジニトロベンゼン、及び2-シクロヘキシル-1,4-ジニトロソベンゼンを含む。接着剤に使用される芳香族ジニトロソ化合物の量は100部のハロゲン化ポリオレフィン当たり1から200重量部、好ましくは50から150部でありうる。ニトロソ化合物は典型的には芳香族又は塩素化芳香族溶媒中の20−45重量%分散体として提供される。
【0024】
本発明の更なる実施態様では、より速やかな硬化、スリップ性、粘度調整、及び付着増強をもたらすために他の成分を添加することができる。様々な添加剤、例えばフィラー、セラミック球、光沢調整剤、顔料、レオロジー改変剤、湿潤剤等々のような様々な添加剤を、水性分散塗料組成物及び/又はその硬化塗料に様々な性質を付与するために使用することができる。
【0025】
本発明の実施態様では、エポキシ官能性シリコーンが減摩剤として添加される。エポキシ官能性シリコーン、又はエポキシシリコーン、例えば米国特許第4279717号に記載されたものや他のものが商業的に利用できる。本発明の好ましい一実施態様では、エポキシ官能性シリコーンは塗料組成物中に組成物の全重量に基づいて0から約20重量パーセントの量で存在する。
【0026】
本発明の一実施態様では、一又は複数のポリオレフィン類、好ましくはポリエチレン類、例えば粉末化結晶性耐高温ポリエチレン類が組成物に付加される。これらの材料は、車両シールに適用される場合、ドライ及びウェット双方のノイズレベルを低下させるので、自動車用ウェザーストリップに使用される実施態様では特に望ましい。指摘のポリエチレンのようなポリオレフィン類の量は、一般に、組成物の全重量に基づいて0から約15、好ましくは約2から約10重量パーセントの範囲である。好ましいポリエチレンの重量平均分子量は一般に非常に高く、約2百万から約5百万の範囲であり、望ましくは約3百万から約4百万であり、よって超高分子量ポリエチレンとして分類されうる。ポリエチレン粉末のサイズは約20から約70ミクロンの平均粒径で変動しうる。
【0027】
フィラーを用いてコストを低下させ、しばしばCOF及びノイズを低下させる。望ましくは、フィラーは、様々なポリマー、例えばナイロン、ヒュームドシリカ、ポリテトラフルオロエチレン、ポリオレフィン類、及びシリコーンゴム粉末である。これらのフィラーは本発明の塗料の摩擦係数を低下させるのに役立つ。しかしながら、ノイズ低減に関しては、それらは一般にドライノイズ特性に関して改善された結果を示すのみである。
【0028】
他のクラスのフィラーには、一般に増量剤として利用されるセラミック球が含まれ、これらは当該分野で知られ、文献に記載されている。適切な球には、約1から約12ミクロンの平均径を有するセラミックビーズが含まれる。その量は、一般に100重量部の上記一又は複数のポリシロキサン類自体及び上記一又は複数のポリウレタン類自体当たり約10又は約20から約35又は約40重量部である。
様々な光沢調整剤を利用して硬化塗料の光沢を低下させることができる。例えば様々な合成ロウ被覆シリカのような適切な光沢調整剤が当該分野で知られ、文献に記載されている。
【0029】
塗布された塗料がポリマー基体の色に一般に合致しうるように様々なピグメントを使用することがしばしば望ましい。ウェザーストリップシールはしばしば黒色であるので、様々な黒色顔料分散物を利用することができ、その大半は当該分野で知られ、文献に記載されている様々なカーボンブラックである。そのような顔料の量は、全組成物の約0.1から約5.0重量パーセントの範囲で変動しうる。
【0030】
本発明の実施態様の塗料は一般に一剤処方物として記載した。本発明の更なる実施態様では、塗料は、A側がエポキシ樹脂を含み、B側が硬化剤を含む二剤処方物としてパッケージされ、販売されうる。他の成分がエポキシ及び硬化剤と共に用いられる場合、それらは一般にA側に添加されるが、混合物が保存安定である限り、A側又はB側の何れかに含めることができる。
【0031】
本発明を特定の実施態様を参照して記載したが、これらの実施態様は本発明の原理を単に例示するものであることが認識されなければならない。当業者ならば、本発明の組成物、装置及び方法を他の方法及び実施態様として構成し実施しうる。従って、他の実施態様もまた添付の特許請求の範囲によって定まる本発明の範囲内に入るので、本明細書を発明を限定するものとして読んではならない。
【実施例】
【0032】
表1及び表2は、高密度EPDM基体への塗料に特によく適合した本発明の二つの実施態様の例示的処方物を提供する。


【0033】
二剤系からなる本発明の実施態様では、B側に対するA側の比は、特定の用途に応じて、約100:20のA側:B側から100:50のA側:B側の範囲で変動しうる。また、当業者には理解されるように、特定の用途の特定の必要性に合致させるために架橋剤をあつらえてもよい。
【0034】
表3は、スポンジEPDM基体への塗料に特によく適した本発明の実施態様の特定の例示的処方物、並びに代替の例示的実施態様に対する範囲を提供する。

【0035】
実施例1
処方物Aの成分を互いに混合し、押出条件をシミュレートするために200Fに加熱したEPDMパッドに塗布した。

ついで、塗布EPDMパッドについて標準的なウェザーストリップ試験を行った結果を次に示す。
【0036】

【0037】
実施例2
処方物Bの成分を互いに混合し、押出条件をシミュレートするために200Fに加熱したEPDMパッドに塗布した。

上記のもの100グラムに対して29.5グラムのポリアミド硬化剤を添加した。
ついで、塗布EPDMパッドについて標準的なウェザーストリップ試験を行った結果を次に示す。

【0038】
本発明を特定の実施態様を参照して記載したが、これらの実施態様は本発明の原理を単に例示するものであることが認識されなければならない。当業者ならば、本発明の組成物、装置及び方法を他の方法及び実施態様として構成し実施しうる。従って、他の実施態様もまた添付の特許請求の範囲によって定まる本発明の範囲内に入るので、本明細書を発明を限定するものとして読んではならない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゴム変性エポキシ樹脂;
エポキシ反応性希釈剤;及び
エポキシ硬化剤を含有する、エラストマー用塗料。
【請求項2】
エポキシ樹脂がカルボキシル末端ブタジエンアクリロニトリルゴムで変性されている請求項1に記載の塗料。
【請求項3】
エポキシ樹脂がビスフェノールAを含む請求項2に記載の塗料。
【請求項4】
カルボン酸末端ブタジエンゴム変性エポキシ化ネオペンチルグリコールを更に含む請求項3に記載の塗料。
【請求項5】
ゴム変性エポキシ樹脂が処方物の全重量に基づいて30から90重量パーセントの量で存在する請求項1に記載の塗料。
【請求項6】
ゴム変性エポキシ樹脂が処方物の全重量に基づいて40重量パーセントを越える量で存在する請求項1に記載の塗料。
【請求項7】
塗料が100%固形物である請求項1に記載の塗料。
【請求項8】
塗料が溶媒を含まない請求項1に記載の塗料。
【請求項9】
塗料がイソシアネートを含まない請求項1に記載の塗料。
【請求項10】
硬化促進剤を更に含む請求項1に記載の塗料。
【請求項11】
硬化促進剤がメチレンジフェニルビス(ジメチルウレア)を含む請求項10に記載の塗料。
【請求項12】
チキソトロープ剤を更に含む請求項1に記載の塗料。
【請求項13】
チキソトロープ剤がヒュームドシリカを含む請求項12に記載の塗料。
【請求項14】
スリップ剤を更に含む請求項1に記載の塗料。
【請求項15】
スリップ剤がポリテトラフルオロエチレン粉末又は超高分子量ポリエチレン粉末を含む請求項14に記載の塗料。
【請求項16】
顔料を更に含む請求項1に記載の塗料。
【請求項17】
顔料がカーボンブラックを含む請求項16に記載の塗料。
【請求項18】
接着促進剤を更に含む請求項1に記載の塗料。
【請求項19】
接着促進剤がジニトロソベンゼンを含む請求項18に記載の塗料。
【請求項20】
エポキシ硬化剤がジシアナミド硬化剤を含む請求項1に記載の塗料。
【請求項21】
塗料がフェノール及びフェノキシ化合物を含まない請求項1に記載の塗料。
【請求項22】
基体に共押出された請求項1に記載の塗料。
【請求項23】
基体が高密度EPDMを含む請求項22に記載の塗料。
【請求項24】
基体がスポンジEPDMを含む請求項22に記載の塗料。
【請求項25】
基体がウェザーストリップ材料である請求項22に記載の塗料。
【請求項26】
基体が熱可塑性オレフィンを含む請求項22に記載の塗料。
【請求項27】
基体が熱可塑性加硫物を含む請求項22に記載の塗料。
【請求項28】
基体が6インチ×6インチ×0.125インチ厚と測定される矩形のEPDM引張パッドであり、硬化した場合、塗布されたパッドは、硬化塗料に可視できる亀裂がなく180度の角度で折曲げが可能である請求項22に記載の塗料。
【請求項29】
A側がゴム変性エポキシ樹脂、及びエポキシ反応性希釈剤を含み、
B側がエポキシ硬化剤を含む、請求項1に記載の二剤塗料。
【請求項30】
基体と塗料を含む自動車用ウェザーストリップであって、基体と塗料が共押出されてウェザーストリップとされるウェザーストリップ。
【請求項31】
塗料が、塗料の全重量に基づいて少なくとも40重量パーセントの変性エポキシ材料を含む請求項29に記載のウェザーストリップ。
【請求項32】
エラストマー基体;
少なくとも15重量パーセントのゴムエポキシ樹脂;及び
エポキシ硬化剤を含み、
塗料が基体の少なくとも一部を覆う塗布物品。
【請求項33】
塗料が実質的にイソシアネートを含んでいない請求項32に記載の物品。
【請求項34】
塗料が100パーセント固形物である請求項32に記載の物品。
【請求項35】
基体が押出され、塗料が基体と共に共押出される、請求項32に記載の物品。
【請求項36】
基体がEPDMを含む請求項32に記載の物品。
【請求項37】
基体がウェザーストリップを含む請求項32に記載の物品。
【請求項38】
塗料がエポキシ硬化剤を含む請求項32に記載の物品。
【請求項39】
塗料が硬化促進剤を更に含む請求項32に記載の物品。

【公表番号】特表2011−519978(P2011−519978A)
【公表日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−502035(P2011−502035)
【出願日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【国際出願番号】PCT/US2009/038318
【国際公開番号】WO2009/120818
【国際公開日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【出願人】(505127617)ロード コーポレイション (15)
【Fターム(参考)】