説明

エラーを起こしやすいシステムにおいて帯域幅とQoSを管理するための移動局−中心方法

【課題】複数の層を有するマルチメディア情報のための無線送信システムを提供する。
【解決手段】報告されたチャネル条件、モバイルのロケーションおよび/または特定の層のために使用されたフォワードエラー訂正(FEC)に基づいてどの層を送信すべきかを選択することができる基地局(BTS)および移動局(MS)を含む。それぞれのFECレートおよび/または電力レベルは、利用可能な帯域幅および/またはBTSの受信およびデコーディング能力に依存して移動局により各層に対して動的に確立する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般にマルチメディア送信に関する。
【背景技術】
【0002】
ビデオおよびオーディオのようなマルチメディアは、ケーブル、インターネット、セルラーおよびブロードキャストを含む多数のパス上で送信することができる。例えば、衛星または地上放送局またはセルラーシステムは、マルチメディアを携帯電話のような移動コンピューティングデバイスに送信するために使用することができる。マルチメディアデータはMPEG−1、(DVDフォーマットに対しても使用される)MPEG−2、MPEG−4および他のブロックベースのコーデックのようなムービングピクチャーイクスパートグループ(MPEG)規格に従ってフォーマットすることができる。本質的に、個々のビデオフレームのために、これらのマルチメディア規格は、ジョイントフォトグラフィックイクスパートグループ(JPEG)圧縮を使用する。JPEGにおいて、単一フレームの画像は、典型的に小さなブロックのピクセル(通常8×8および/または16×16ピクセルブロック)に分割される。小さなピクセルのブロックは、離散コサイン変換(DCT)関数を用いて符号化され、ピクセルにより表される空間強度を、最も低い周波数から最も高い周波数に、ブロックで大雑把に配列された空間周波数値に変換する。次に、DCT値は量子化される。すなわち、情報は、例えば、すべての値を10で除算し、最も近い整数値に丸め込むことにより塊にグループ分けすることにより少なくされる。DCT関数は、より大きな数をブロックのコーナーの左上近くに置き、より小さな数を右下のコーナー近くに置くプログレッシブ重みづけを含むので、ランレングスコーディング(本質的に、すべてのゼロ値を記憶する代わりに、例えば、連続して現れるゼロ値の数のカウントを記憶する)によりさらなる圧縮を容易にする特別のジグザグの順序付けを適用することができる。所望であれば、結果として生じた数を用いて、ホフマンコーディングを用いて開発された表からシンボルを参照し、最も一般的な数のためのより短いシンボルを作ってもよい。この操作は、一般に「可変長コーディング」と呼ばれる。算術符号化を含めて他の可変長コーディングスキームも同様に使用することができる。映画は、単一の画像の空間次元に対して一時的な次元を加える。MPEGは、本質的にさらにビデオストリームを圧縮するために運動推定を使用する圧縮技術である。ウェーブレット、マッチングパースート(matching pursuits)等のような他の非ブロックベースの符号化スキームを使用することができる。マルチメディアの他の形式はオーディオ、グラフィックスなどを含んでいる。
【0003】
IPパケットのポイントツーポイントプロトコル(PPP)のようなインターネットプロトコル(IP)に基づく原理を用いて、MPEGデータを含むマルチメディアデータを通信することができる。PPPは、インターネットの有線部分上でIPパケットを通信するだけでなく、これらに限定されないが、符号分割多元接続(CDMA)技術、GSM(登録商標)、広帯域CDMA(WCDMAまたはUMTS)、OFDMおよび他の無線技術のような無線通信原理を採用するユーザーコンピューターに無線送信パス上のデータを通信するために使用することができる。
【0004】
典型的にマルチメディアデータは膨大である。このことは、残念ながら有限のリソースである、重要な送信経路帯域幅が使用されなければならないことを意味する。これは特に、例えば高分解能ビデオである、高忠実度のマルチメディアの場合である。すなわち、提供されるサービスの質(QoS)が高ければ高いほど、より多くの帯域幅を使用しなければならない。
【0005】
本発明によって認識されるように、いくつかのマルチメディアストリームは、1チャネルの中に一緒にためることができる。チャネルはビットレートに関して一定の全体的な帯域幅を有していても良い。すなわち、単位あたりのチャネルで送信することができるビットの数は、チャネルの「帯域幅」を超えることはできない。典型的に、チャネル内の各ストリームには、帯域幅の固定の一部分が与えられるであろう。従って、各マルチメディアストリームのためのビットレートは固定される。
【0006】
「基層」は、成功裏に受信され、復号され、ユーザーに提供されるなら、ユーザーに受け入れ可能なビデオ、オーディオ、または他のマルチメディアストリームのベースライン値を生じるであろうマルチメディアビットストリームの最も重要な部分として定義してもよいMPEGに関連した用語である。他方、「エンハンスメント層」は、基層と結合されると、基層単独の場合に比べて、ユーザーに提示されるときマルチメディアストリームの品質、分解能、周波数、信号対雑音比等を高めまたは改善するだろう。
【0007】
上記の議論を念頭において、電池式の移動装置へのマルチメディアの無線送信において、3つの目標、すなわち効率的な帯域幅の使用、移動装置電力消費、および最も高いQoSが互いに張り合うことが理解されるであろう。無線チャネルは有線チャネルよりも、さらに「損失が多い」(無線チャネルはより多くのロストデータを経験する)と考察するときにこれは特に真実である。いくつかのより高いレベルのQoSを保証するために、余分な帯域幅はロストデータの再送信のために必要となるかもしれない。代案はロストデータフレームを受け入れることであり、それゆえ、低減されたQoSを受け入れることである。これらの問題は、受信機が基地局からより一層受信するにつれ、そしてチャネルの利用頻度が高くなるにつれ、より厳しくなる。再送信の代わりとして、縮小されたQoSを経験する受信機内のソフトウェアアプリケーションは、高度なエラー修正スキームを実行することを試みることができる、しかし、これは、次には、RF受信機により長く、より複雑なデコーディングを要求することにより受信機のバッテリーを使い果たし、依然として受け入れられない低いQoSを生じるかもしれない。これらの問題を認識して、以下に記載される1つ以上のそれらの問題に対する解決がここに提供される。
【発明の概要】
【0008】
複数の層を有するマルチメディア情報のための無線送信システムは、チャネル条件に基づいてどの層を移動局に送信しまたは移動局から送信するかを選択し、および/またはモバイルロケーション、および/または移動局制約、および/またはユーザー優先度、および/またはコンテンツ優先度、および/または請求計画、および/または特定の層に使用されるフォワードエラー訂正(FEC)を選択する移動局を含む。また、MSは、実際のエラーレートおよび/または受信データの電力、および/またはフォワードエラー訂正(FEC)レートに基づいて、マルチメディアのあらかじめ選択された部分を受信する必要がある限りの場合にのみその無線通信を励起するかもしれない。
【0009】
好適な限定しない実施形態において、実際のエラーレートが、少なくとも特定の層のしきい値に等しいなら、MSは、移動局が使用することができるキャプチャー(capture)層にのみそれらの無線を励起するように、特定の層以外の層に関連する情報を含む期間中にのみその無線を励起する。MSは、受信され、復調され、および復号される十分なFECおよび/または電力を採用する層が受信のために存在する期間中にのみその無線を励起してもよい。
【0010】
他の観点において、少なくとも基層および少なくとも1つのエンハンスメント層により特徴づけられるマルチメディアデータの送信のための方法は、少なくとも1つの基地局(BTS)から、マルチメディアデータに関連する少なくとも1つの実際の動作パラメーターを表す情報を受信することを含む。また、この方法は、少なくとも1つの実際の動作パラメーターを表す情報に少なくとも一部分基づいて、マルチメディアデータの少なくとも1つの層のエラー訂正レートおよび/または電力レベルを移動局(MS)において動的に確立することを含む。
【0011】
さらに他の観点において、少なくともNの層を有するデジタルマルチメディアを少なくとも1つの基地局(BS)に無線で送信するための移動局(MS)は、層がBTSにより成功裏に受信され、復調され、復号されることが可能となるのに十分な、FECレート、電力レベル、チャネル条件、モバイルロケーション、移動局制約、ユーザー優先度、コンテンツ優先度、および請求計画(billing plans)の少なくとも1つに基づいて、N−1層またはそれより少ない層のみを送信するための手段を含む。
【0012】
他の観点において、少なくとも1つの基地局(BTS)から、少なくともNの層を有するデジタルマルチメディアを無線で受信するための移動局(MS)は、層がMSにより成功裏に受信され、復調され、および復号されることを可能にするのに十分な、FECレート、電力レベル、チャネル条件、モバイルロケーション、移動局制約、ユーザー優先度、コンテンツ優先度、および請求計画の少なくとも1つに基づいて、N−1層またはそれより少ない層のみを送信するようにBTSに命令するための手段をMS上に含む。MSからBTSに送信されるマルチメディアストリームの一部(例えば、見ることなしにテレビジョンプログラムのオーディオ部分だけを聞きたいユーザー)のみを有するように移動局ユーザーは選択してもよいことが理解されるべきである。
【0013】
その構造および動作の両方に関して、本発明の詳細は、類似の参照数字が類似の部分を参照する添付される図面を参照して最もよく理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は現在のアーキテクチャのブロック図である。
【図2】図2は例示的な限定しない送信システムのブロック図である。
【図3】図3は現在のロジックのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1に示される限定されない好適実施形態を最初に参照して、システム10は、少なくとも1つのプロセッサー14を有する少なくとも1つの移動局12と、デジタルマルチメディアストリームを送信し、プロセッサー18を有する少なくとも1つの基地局(BTS)16を含む。いくつかの実施において、BTS16は結合したBTSおよび基地局コントローラー(BSC)であってもよい。
【0016】
好適な限定しないBTS16は、無線手段を使用し、特に符号分割多元接続(CDMA)原理を使用する。所望であれば、ストリームは、複数の移動局12にブロードキャストまたはマルチキャストすることができ、またはポイントツーポイント無線送信原理を用いて送信することができ、またはユーザーの複数グループにマルチキャストすることができる。この原理は、GSM、TDMA、広域CDMA、OFDM、等のような無線通信の他の形態、並びにケーブルシステム、インターネット等を介してマルチメディアの送信に適用することが理解されるべきである。単数でここに使用されるように、「マルチメディアストリーム」は、単一のプログラム、例えば、添付テキスト、画像等を潜在的に備えた単一の音楽作品または単一のテレビジョンショーまたは映画を表す単一のストリームを意味する。
【0017】
1つの限定しない好適実施形態において、システムは符号分割多元接続(CDMA)システムであり、cdma2000、cdma2000 3x、またはcdma2000高データレート原理、または他のCDMA原理を使用する。1つの限定しない実施形態において、移動局12は、符号分割多元接続(CDMA)原理およびCDMA無線(OTA)通信エアーインターフェースを使用する、Kyocera, Samsung, または他の製造業者により製造された携帯電話である。しかしながら、本発明は、ラップトップコンピューター、無線ハンドセットまたは電話、データトランシーバー、ページングおよび位置決定受信機のような他の移動局に適用される。移動局12は、要望に応じて、(車、トラック、ボート、飛行機、列車を含む)乗り物に搭載されるように手持ち式またはポータブルであり得る。しかしながら、無線通信装置は一般に可動式であると見られるけれども、本発明は、いくつかの実施において「固定」ユニットに適用することができることが理解されるべきである。また、本発明は、音声および/またはデジタル化されたビデオ情報を含むデータ情報を転送するために使用され、無線リンクまたは有線リンクを用いて他の装置と通信してもよいデータモジュールまたはモデムに適用する。さらに、複数の通信チャネルを介して情報を転送するための所定のよく調整されたまたは関連した方法でモデムまたはモジュールを動作させるためにコマンドを使用してもよい。一例は、参照することによりここに組み込まれる本願の譲受人の同時係属米国特許出願シリアル番号(020726、020727)に記載されるように、異なる通信システムの異なる物理層を含む異なるチャネルを介して異なる層を転送することもあり得る。また、無線通信装置は、時々、ユーザー端末、移動局、移動ユニット、加入者ユニット、移動無線または無線電話、無線ユニット、または単位ワイヤレス通信装置、またはいくつかの通信システムにおいて、単に「ユーザー」および「モバイル」と呼ばれる。本発明は限定することなくGSM装置、時間分割多元接続(TDMA)システム、OFDM(802.11)等を含む無線装置の他のタイプに等しく適用されることが理解されるべきである。
【0018】
図2を参照すると、MS12またはBTS16により使用することができる送信システムを示している。入力ビット20は、階層状のマルチメディアストリームを表す情報を含む。各マルチメディアストリームは、最小のサービス品質(QoS)を提供する基層および高められたQoSを提供する1つ以上のエンハンスメント層を含んでいてもよい。また、層は、ビデオ、オーディオ、グラフィックス、テキスト等のような合成のマルチメディアプログラムのそれぞれの部分を含むことができる。
【0019】
ビット20はエンコーダー22に送られる。エンコーダー22は、技術的に知られている畳み込み符号化技術を用いてビット20内に冗長性を導入するフォワードエラー訂正(FEC)エンコーダーであり得る。これを行うために、BTSプロセッサー18の制御の下で、多数のビットをサポートするために帯域幅を増加することを要求することを犠牲にしてより大きなロバスト性のためのより大きな冗長性を本質的に発生するエラー訂正レートを確立してもよい。したがって、エンコーダー22により導入された冗長性は、送信電力の増加の必要性なしにいくつかの検出エラーを移動局12が訂正可能にする。
【0020】
エンコーダー22の出力は、一般に「コードシンボル」と呼ばれる。一般に、エンコーダー22に入力される単一メッセージデータビット20は、エンコーダー22から出力される1つ以上のコードシンボルに対応する。代わりの手法において、エンコーダー22は、上述した冗長性符号化の前に「ソースエンコーディング」機能を実行する。ソース符号化は、冗長性を導入する前におよびコードシンボルの発生前に、入力データビット20の効率的な表示のためにデータ圧縮を実行することを含む。
【0021】
変調インターリーバー24はエンコーダー22からコードシンボルを受信し、変調器26によって処理する前にコードシンボルを「インターリーブ」する。図示される例示システムにおいて、インターリーバー24は、ブロックインターリーバーまたは畳み込みインターリーバーであってよい。
【0022】
インターリーブされたコードシンボルは、変調器26に渡される。無線デジタル通信において、多数の異なるが関連する変調スキームを変調器26に使用することができる。例えば、バイナリ位相シフトキーイング(BPSK)、ディファレンシャル位相シフトキーイング(DPSK)、(OQPSKおよびn/4QPSKを含む)直交位相シフトキーイング(QPSK)、および直交振幅変調(QAM)は、変調インターリーバー24により発生されるコードシンボルを変調するために変調器26に使用することができるデジタル変調技術である。しかしながら、変調器26は特定のタイプの変調器に限定されず、無線通信において使用される多くのデジタル変調器のいずれかであり得る。また、本発明は有線システムに適用することができる。
【0023】
所望であれば、インターリーバー28からチャネルインターリーブされたシンボルは、シンボルパンクチャーエレメント30に渡してもよい。シンボルパンクチャーエレメント30は、電力制御情報のような制御情報を送信機と受信機との間の通信の適切な処理のためにデータ内に挿入することができる。メッセージシンボル内にパンクチャーされた制御シンボルは、参照することによりここに組み込まれる、譲受人の同時係属米国特許出願シリアル番号(030237)に開示されるようにメッセージシンボル内に時分割多重化することができる。
【0024】
さらに所望であれば、シンボルパンクチャーエレメント30により出力されるシンボルストリームは、デマルチプレクサー(DEMUX)32に送信することができる。DEMUX32は、入力シンボルストリームを多数の並列の出力シンボルストリームにデマルチプレクスするために使用することができる。図2に示される例示BTS16において、DEMUX32は、1対16デマルチプレクサーであってよい。
【0025】
特にBTSアプリケーションの場合、DEMUX32から、ストリームは、(例えばオーダー16のウオルシュ関数マトリクスを含むことができる)ウオルシュ関数変調器34に送られる。他の実施形態において、64または128のような他のオーダーのウオルシュ関数マトリクスを使用してもよい。例示システム10において、DEMUX32の並列出力は、単一のユーザーまたはマルチメディア層またはプログラム、または複数の異なるユーザー/ストリーム/層に対応することができることに留意する必要がある。いずれの場合においても、ウオルシュ変調は、DEMUX32から来る並列入力シンボルの各々に関して実行される。DEMUX32は、各入力シンボルを出力シンボルのそれぞれのシーケンスに変換するために使用される。この場合出力信号の各シーケンスは、出力信号のすべての他のシーケンスと直交している。
【0026】
図2に示すように、技術的に知られた原理に従って、擬似ランダム雑音(PN)拡散器36が信号を「拡散」するために設けられていてもよい。CDMA通信システムの一般的な原理、及び特に、通信チャネルを介した送信のためにスペクトル拡散信号の発生のための一般的な原理は、本発明の譲受人に譲渡された「衛星または地上リピーターを用いたスペクトル拡散多重アクセス通信システム」(Spread Spectrum Multiple Access Communication System Using Satellite or Terrestrial Repeaters)というタイトルの米国特許4,901,307に記載されている。その特許、すなわち米国特許第4,901,307は、参照することにより本願に完全に組み込まれる。さらに、本発明の譲受人に譲渡された「CDMAセルラー電話システムにおける信号波形を発生するためのシステムおよび方法」(System and Method for Generating Signal Waveforms in a CDMA Cellular Telephone System)というタイトルの米国特許第5,103,459は、PN拡散、ウオルシュカバリングに関連した原理およびCDMAスペクトル拡散通信信号を発生するための技術を開示する。その特許、すなわち米国特許第5,103,459の開示もまた参照することにより本願に完全に組み込まれる。さらに、本発明は、データの時間多重化および「高データレート」通信システムに関連する種々の原理を利用する。そして、本発明は、本発明の譲受人に譲渡された、「高レートパケットデータ送信のための方法および装置」(Method and Apparatus for High Rate Packet Data Transmission)というタイトルの米国特許出願シリアル番号第08/963,386号に開示された「高データレート」通信システムに使用することができる。その特許出願における参照することにより本願に完全に組み込まれる。
【0027】
PN拡散器から、信号は有限インパルス応答(FIR)フィルター38に送信してもよい。FIRフィルター38は、通信チャネルを介して送信する前に信号をパルス整形するために使用されるFIRフィルターであってもよい。送信FIRフィルター38の出力は、アンテナ40を介して通信チャネルを介して受信機(複数の場合もありえる)に送信される。通信チャネルは、通常送信機から受信機に信号を送信するために使用される物理的媒体を指す。
【0028】
図3を参照すると、本願のロジックの例示の限定しない実施が示されている。このロジックは他の方法で描画できることが理解されるべきである。本質的に、ロジックは、プロセッサー14および18の一方または両方により実行され、チャネル条件、および/または移動局ロケーション、および/または特定の層に対して使用されるフォワードエラー訂正(FEC)、および/または移動局制約、ユーザーの好み、ユーザーの優先度、コンテンツ優先度、および請求計画に基づいて、マルチメディアストリームのどの層を送信または受信するかを選択する。また、マルチキャスティングアプリケーションにおいて、決定は、マルチキャストグループ中のユーザーの場所および数に基づくことができる。従って、移動局12受信機がマルチメディア信号の送信および受信の期間中にある時間は、参照することによりここに組み込まれる譲受人の同時係属出願シリアル番号第020293および030072に従って電力消費を低減するために及び帯域は消費を制御するために最小化することができる。BTS16は、参照することによりここに組み込まれる譲受人の米国同時係属出願シリアル番号020590および020591に従って、利用可能な帯域幅と現在のチャネル使用および優先度に依存して、移動局からの要求に応じて種々の層のために異なるEFCレートおよび/または異なる電力レベルを採用することができる。
【0029】
上述の一般的なロジックの記載を念頭において、図3のブロック42で始まり、マルチメディア層は、各層のパケットのストリームグループ内のどこが挿入されたかを識別する情報とともにBTS16により送信される。また、所望であれば、各層は、固有のそれぞれのFECレートおよび/または電力レベルで送信することができ、これらのレートはまた、送信されたストリーム内で識別することができる。
【0030】
また、MSは、どの層をMSが使用することができるかおよび/またはどの層が送信されるかを通知するためにBTSに信号で知らせることができる。接続がポイントツーポイント接続であるなら、BTSは要求されたFECレートで要求された層のみ(例えば、非常に低いFECレートでオーディオのみまたはテキストのみ)を送信することができる。MSがマルチキャストグループの一部ならば、BTSは、どのFECレートでどの層、例えば、基層のみを送るかを決定するためにすべてのMSからのデータを使用することができる。
【0031】
ブロック44において、ストリーム内の各層のどの部分が現れるかに関連する一時的な位置情報を用いて、MS12は、使用可能なデータを受信する必要があるかぎり、その無線通信のみを励起することができる。例えば、MS12は、エンハンスメント層はあまりに多くのエラーがあり使用できないことを発見するかもしれない。従ってMS12は、基層部分が送信される期間中は、その無線通信のみを励起するであろう。また、MSは、復調せずに、またはチャネル符号化せずに、または不必要な/望んでいない層をソースデコードせずに電力を節約する。あるいは、MS12は、MS12のアプリケーションの目的のために不十分である、またはその層を使用するために必要以上のデコーディングが必要となるようなFECレートおよび/または電力レベルを層が有することを決定するかもしれない。いずれの場合にも、データの信頼できるストリームを保証するために十分なFECレートでストリームの部分を求めることにより容易に復号し再構成することができるストリームの部分のみをサンプルする。
【0032】
ブロック46に移動すると、フィードバックはまた、アクセスチャネル、ページングチャネル、オーバーヘッドチャネルまたは他のチャネルを介してBTS16からMS12に送信してもよい。フィードバックは、例えば、干渉、経験される実際のデータエラーレート、マルチパス干渉、電力レベル等により示してもよいチャネル条件のようなマルチメディアに関連する1つ以上の実際の動作パラメーターを表す。また、フィードバックは、受信データ内の実際のまたは所望のFECレートおよび/または電力、並びに移動局12の位置に関する情報を示すことができる。
【0033】
このフィードバックに基づいて、ブロック48において、MS12は、どのマルチメディア層をBTS12に返送すべきか、および/または各層のための最も適切なFECレートおよび/または電力を確かめることができる。具体的には、MS12は、BTS16により受信され、復調され、復号されるために十分なFECレート/電力レベルを採用する層を送信するだけで、その上帯域幅を節約することによりマルチメディアを送信するのに必要な時間量を低減することができる。従って、MS12は、送信のために利用してもよい層の部分集合のみをBTS16に選択的に返送してもよい。
【0034】
ブロック50に移動すると、MS12が送信している層のためのFECレートおよび/または電力レベルを変更するまたはそうでなければ動的に確立するためにMS12から受信したデータからのFECレート情報をBTS16が使用してもよい。ここに理解されるように、これはさらにMSの電力消費および帯域幅消費を縮小する。ロジックは、周期的にブロック42にループしてもよい。
【0035】
上述したように、層毎にFECレートを確立する代わりに、ここにおいて進歩した原理を用いて送信される各層のための電力を確立することができる。この発明は、結果的に、モバイル装置の電力を節約し、無線の(OTA)RF無線電力消費を縮小し、OTA受信機復調器電力を縮小し、OTS受信機でコード電力を縮小し、およびマルチメディアアプリケーションでコード節約を生じる。さらに、本発明は、ユーザーおよびマルチキャストグループへの帯域幅割当に対する制御を増加するとともに、システム帯域幅および/またはシステムスペクトラムの全体を節約する。
【0036】
ここに示され詳細に記載される特定のエラーを起こしやすいシステムにおいて帯域幅およびQoSを管理するための移動局中心の方法は、本発明の上述の目的を獲得することが完全にできるけれども、それは、本発明の現在好適な実施形態であり、従って本発明により熟考される主題を表しており、本発明の範囲は、技術に熟達した人々に明白になってもよい他の実施形態を完全に包含し、従って、本発明の範囲は、添付されたクレームによってのみ限定され、単数によるエレメントへの参照は、明白にそのように記載しない限り「1つ及び唯一」を意味することを意図するものではなく、むしろ「1つ以上」を意図している。当業者に知られまたは後に知られるようになる上述の好適実施形態の構成要素に対するすべての構造的および機能的均等物は、参照することによりここに明白に組み込まれこのクレームに含まれるように意図される。さらに、本発明が現在のクレームに含まれることを目的として、本発明により解決しようとするすべての問題に、装置および方法が対処する必要は無い。さらに、エレメント、コンポーネント、または方法ステップが明白にクレームに記載されていてもいなくても、現在開示されているエレメント、コンポーネントまたは方法ステップは、公共にささげられることを意図したものではない。エレメントが"means for"のフレーズを用いて明白に記載されない限り、ここにおけるクレーム構成要素は、35U.S.C.セクション112、第6パラグラフの下で解釈されるべきでない。方法クレームの場合に、構成要素は、「行為」の代わりに「ステップ」として記載される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記を具備する、複数の層を有するマルチメディア情報のための無線送信システム: 少なくとも下記の1つを請け負う少なくとも1つの移動局(MS):
チャネル条件、モバイルロケーション、移動局制約、ユーザー優先度、コンテンツ優先度、請求計画、および特定の層のために使用されるフォワードエラー訂正(FEC)の少なくとも1つに基づいて、移動局におよび/または移動局から送信するためにどの層を送信するかを選択する;および 受信データ内の実際のエラーレート、電力レベル、およびフォワードエラー訂正(FEC)レートの少なくとも1つに基づいて、マルチメディアのあらかじめ選択された部分を受信するのに必要である限りの場合にのみ前記MSに関連する無線通信を励起する。
【請求項2】
実際のエラーレートが特定の層のためのしきい値に少なくとも等しいなら、移動局が使用することができる層を捕獲するためにのみ移動局が無線通信を励起し、それにより移動局のバッテリー寿命およびデコーディング処理電力を節約するように、特定の層以外の層に関係する情報を含む期間中にのみその無線通信をMSが励起する、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
受信され、復調されおよび復号される十分なFECを採用する層が受信のために存在する期間にのみその無線通信をMSが励起する、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
下記を具備する、少なくとも基層と少なくともエンハンスメント層により特徴づけられるマルチメディアデータの送信のための方法:
少なくとも1つの基地局(BTS)から前記マルチメディアデータに関連する少なくとも1つの実際の動作パラメーターを表す情報を受信する;および
少なくとも1つの実際の動作パラメーターを表す情報に少なくとも一部分基づいて前記マルチメディアデータの少なくとも1つの層のエラー訂正レートおよび電力レベルの少なくとも1つを、移動局(MS)において動的に確立する。
【請求項5】
前記実際の動作パラメーターはエラーレートである、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記実際の動作パラメーターは、チャネル条件および移動局ロケーションの少なくとも1つを表す、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記実際の動作パラメーターは、移動局制約、ユーザー優先度、コンテンツ優先度、請求計画、および特定の層のためのフォワードエラー訂正(FEC)の少なくとも1つを表す、請求項4に記載の方法。
【請求項8】
前記動的に確立する行為は、前記基層のためのベースフォワードエラー訂正レート、および前記エンハンスメント層のためのエンハンスメントフォワードエラー訂正レートを確立することを含み、前記ベースエラーレートおよびエンハンスメントエラーレートは、等しくなるように制約されない、請求項4に記載の方法。
【請求項9】
下記を具備する、少なくともNの層を有するデジタルマルチメディアデータを少なくとも1つの基地局(BTS)に無線で送信するための移動局(MS):
前記層を前記BTSにより成功裏に受信し、復調し、および復号可能にするために十分なFECレート、電力レベル、チャネル条件、移動局、移動局制約、ユーザー優先度、コンテンツ優先度、および請求計画の少なくとも1つに基づいて、N−1の層またはそれより少ない層のみを送信する手段。
【請求項10】
前記送信手段は、動的に動作する、請求項9に記載の移動局。
【請求項11】
すくなくとも1つのBTSから、前記マルチメディアデータに関連する少なくとも1つの実際の動作パラメーターを表す情報を受信する手段をさらに具備する、請求項9に記載の移動局。
【請求項12】
下記を具備する、少なくとも1つの基地局(BTS)から少なくともNの層を有するデジタルマルチメディアを無線で受信するための移動局(MS):
前記層を前記MSにより成功裏に受信し、復調し、復号可能にするために十分な、FECレート、電力レベル、チャネル条件、移動局、移動局制約、ユーザー優先度、コンテンツ優先度、および請求計画の少なくとも1つに基づいて、N−1の層またはそれより少ない層のみを送信するようにBTSに命令する前記MS上の手段。
【請求項13】
前記命令手段は動的に動作する、請求項12に記載の移動局。
【請求項14】
前記マルチメディアデータに関連する少なくとも1つの実際の動作パラメーターを表す情報を、少なくとも1つの基地局から、受信する手段をさらに具備する、請求項12に記載の移動局。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2013−66202(P2013−66202A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−245576(P2012−245576)
【出願日】平成24年11月7日(2012.11.7)
【分割の表示】特願2010−210811(P2010−210811)の分割
【原出願日】平成16年6月2日(2004.6.2)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.WCDMA
【出願人】(595020643)クゥアルコム・インコーポレイテッド (7,166)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
【Fターム(参考)】