説明

エリスリトールの打錠

0.25m/gより大きい、好ましくは0.3m/gより大きい比表面積を有するエリスリトールを、α化デンプン、結晶セルロース、カルボキシメチルセルロース、マルトース、ソルビトール、マルチトール、キシリトール、イソマルト、およびそれらの混合物からなる群から選択されるものと共に造粒する。錠剤を調製し、相当する方法を記載する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、打錠に適切なエリスリトール含有組成物の調製に関する。
【背景技術】
【0002】
現在では無糖および/または低カロリー製品の使用に対して関心が向けられているため、医薬、菓子類または食物用途の錠剤は主としてキシリトール、マルチトール、ソルビトール、マンニトールおよびエリスリトール等の糖アルコールを用いて作られる。
【0003】
錠剤は薬剤または試薬を含有するだけでなく、ラクトースまたはリン酸塩等の増量剤、タルク、ステアリン酸またはパラフィン等の滑剤、およびカルボキシメチルセルロースまたはデンプン等の崩壊剤として作用する他の成分をも含有する。菓子用途では、錠剤は低濃度の香料および着色料を含む場合が多い。
【0004】
噴霧乾燥させたエリスリトールの直接打錠が欧州特許0497439号(特許文献1)中に記載される。錠剤は常に、結合剤としてマルトデキストリンを用いて調製される。
【0005】
欧州特許出願0528604号(特許文献2)は、共結晶化させたソルビトールおよびキシリトール、ならびにこれにより製造される錠剤を開示する。
【0006】
欧州特許0896528号(特許文献3)は、噴霧乾燥または流動層造粒によって得られた非吸湿性ポリオールを高濃度で含むポリオール組成物に関する。
【0007】
欧州特許0922464号(特許文献4)は、エリスリトールに基づく速崩壊性の圧縮成形材料を調製するための方法に関する。錠剤は直接圧縮成形によって得られる。こうして得られた速崩壊性の圧縮成形材料は、口腔または水中で優れた崩壊および溶解特性を示す。
【0008】
欧州特許0913148号(特許文献5)は、打錠用賦形剤としての使用に適切なエリスリトール含有組成物を調製するための方法に関する。適切な組成物は、エリスリトールとソルビトール等の第2のポリオールとの共結晶化によって調製している。エリスリトールはそのままで使用し、共結晶化する前にソルビトールと混合している。共結晶化後、生成物を粉砕して打錠している。この方法は造粒ステップを伴わない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】欧州特許EP0497439号
【特許文献2】欧州特許出願EP0528604号
【特許文献3】欧州特許0896528号
【特許文献4】欧州特許0922464号
【特許文献5】欧州特許0913148号
【特許文献6】国際特許第2009016133号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
比表面積を増加させたエリスリトールを錠剤中の賦形剤として使用することに対してさらなる関心が向けられている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、0.25m/gより大きい、好ましくは0.3m/gより大きい、より好ましくは0.4m/gより大きい比表面積を有するエリスリトール、ならびにα化デンプン、結晶セルロース、カルボキシメチルセルロース、マルトース、ソルビトール、マルチトール、キシリトール、イソマルト、およびそれらの混合物からなる群から選択される結合剤からなり、造粒されていることを特徴とする圧縮組成物に関する。
【0012】
本発明はまた、上記に記載された圧縮組成物を含むチュアブル錠にも関する。
【0013】
さらに本発明は、本発明の圧縮組成物を調製するための方法にも関し、以下のステップを含む:
a)0.25m/gより大きい、好ましくは0.3m/gより大きい、より好ましくは0.4m/gより大きい比表面積を有するエリスリトールを取得するステップ、
b)α化デンプン、結晶セルロース、カルボキシメチルセルロース、マルトース、ソルビトール、マルチトール、キシリトール、イソマルト、およびそれらの混合物からなる群から選択される結合剤を添加するステップ、
c)造粒するステップ、
d)任意に造粒生成物を湿式ふるいにかけるステップ、
e)造粒生成物を乾燥させるステップ、
f)任意に造粒生成物をふるいにかけるステップ。
【0014】
本発明はまた、本発明に従う錠剤を調製するための方法をも記載し、以下のステップを含む:
a)本発明に従って調製される造粒生成物を取得するステップ、
b)滑剤とブレンドするステップ、
c)圧縮力5〜30kNで打錠するステップ。
【0015】
最後に、本発明は、食物、飼料、医薬的(pharma)および美容的用途における錠剤の使用に関する。
【0016】
本発明は、0.25m/gより大きい、好ましくは0.3m/gより大きい、より好ましくは0.4m/gより大きい比表面積を有するエリスリトール、ならびにα化デンプン、結晶セルロース、カルボキシメチルセルロース、マルトース、ソルビトール、マルチトール、キシリトール、イソマルト、およびそれらの混合物からなる群から選択される結合剤からなり、造粒されていることを特徴とする圧縮組成物に関する。
【0017】
エリスリトールは、化学的方法、好ましくは炭水化物の水素化以外の化学的方法、および/または微生物による方法もしくは発酵、好ましくは発酵によって得ることができるテトリイトール(tetriitol)である。比表面積が0.25m/gより大きいエリスリトールであればいずれも適切である。0.25m/gより大きい比表面積を有するエリスリトールの適切な供給源は、国際特許第2009/016133号(特許文献6)中に記載される通りに調製された微粉化エリスリトール、または強力粉砕化(turbomilled)エリスリトール等、または比表面積が0.25m/gより大きな微細エリスリトールであるが、これらに限定されない。
【0018】
比表面積はBET法によって測定される。
【0019】
驚くことに、結合剤が液体の場合であっても、続いて行う造粒に対して比表面積が好ましい影響を及ぼすということが見いだされた。比表面積が大きいほど造粒が良好に実行される。造粒は、第1の粉体粒子を顆粒と呼ばれるより大きなものに形成する方法である。造粒によって、粉体混合物の構成要素が分離するのを防止することができ、したがって粉体混合物の流動特性を改善し、粉体混合物の圧密特性を改善することができる。
【0020】
造粒方法は基本的な2種類、すなわち、過程において液体を使用する湿式法と、液体を使用しない乾式法とに分けることができる。湿式造粒は最も一般的に使用され、有効成分および賦形剤を乾燥させた第1の粉体粒子を造粒流体の存在下において低剪断もしくは高剪断ミキサーまたは流動層で撹拌しながら凝集化する(造粒する)ステップ、湿式ふるい(湿式ふるい分け)にかけて大きな塊を除去するステップ、造粒生成物を乾燥させるステップ、ならびに乾燥させた造粒生成物を粉砕しまたはふるいにかけて(ふるい分け)所望の粒度分布を有する造粒生成物を得るステップを含む多くのステップを伴う。得られた顆粒を、続いて打錠してもよい。
【0021】
さらに、エリスリトールは、欧州薬局方第6版によれば、100μm未満、好ましくは50μm未満、より好ましくは40μm未満の体積平均径を有する。α化デンプン(pregelatinised starch)、結晶セルロース(microcrystalline cellulose)、カルボキシメチルセルロース、マルトースまたはそれらの混合物等の結合剤は乾燥状態で添加するのに対して、ソルビトール等の結合剤は液体で添加する。マルチトール、イソマルト、キシリトール、またはそれらの混合物等の結合剤は、乾燥状態または液体で添加することができる。好ましい結合剤は、乾物濃度が少なくとも50%、好ましくは60%、より好ましくは少なくとも70%の液体ソルビトールである。
【0022】
エリスリトールと結合剤との比率は、乾燥重量で50%対50%、好ましくは70%対30%、上限90%対10%である。好ましくは、結合剤として液体ソルビトールを用い、エリスリトールとソルビトールとの比率は乾燥重量で50%対50%、好ましくは70%対30%、上限90%対10%である。
【0023】
組成物はさらに、相対湿度65%、25℃において水分吸収3%未満、好ましくは2.7%未満であることを特徴とする。
【0024】
さらに、本発明は、食物用途、飼料、医薬用途、化粧品、洗剤、肥料または農薬における使用にも関する。実際に、本発明の圧縮組成物は、食品、動物飼料、健康食品、食餌製品、動物用医薬品、入浴剤、農薬、肥料、植物用顆粒(plant granule)、植物種子または種子穀物、ならびに人間および/もしくは動物が摂取する任意の他の製品、または本発明の圧縮組成物の改善された特性の利益を受けることができる任意の他の製品において使用することができるが、これらに限定されない。本発明の圧縮組成物は、酵素もしくは微生物に基づく添加剤、タブレット洗剤、ビタミン、着香料、香料、酸、甘味料、または医薬品もしくは非医薬品用途で用いる多様な有効成分のための担体として使用することができる。最終的には、添加剤の混合物を使用することができる。
【0025】
本発明はまた、上記に記載された圧縮組成物を含むチュアブル錠にも関する。本明細書中において使用される用語「錠剤」は、任意の錠剤、特に任意の形態、形状および任意の物理的、化学的または知覚特性を有する錠剤、ならびに任意の投与経路、徴候および用途を意図する錠剤を含む。本発明に従って製造される錠剤はチュアブル錠である。本発明に従うチュアブル錠は、嚥下される前に咀嚼によって口の中で錠剤粒子が砕かれて有効成分、着香料または香料等が放出されるソフト錠剤である。チュアブル錠の投与形態はソフト丸剤、錠剤、ガム、より最近では「チューイースクエア(chewy square)」であることができる。錠剤の硬度および摩損度は、有効成分を含み望ましい咀嚼特性を有するチュアブル錠の特性として非常に重要である。
【0026】
上記錠剤は食物、飼料、化粧品、洗剤および/または医薬用途において使用することができる。チュアブル錠は口腔または水中において速崩壊性錠剤とは著しく(significant)異なり、またその作用目的も異なる。
【0027】
錠剤形成における滑剤として、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸、ショ糖脂肪酸エステル、および/またはタルク等を必要に応じて添加することができる。さらに、ラウリル硫酸ナトリウム、プロピレングリコール、ドデカンスルホン酸ナトリウム、オレイン酸スルホン酸ナトリウム、およびラウリン酸ナトリウム等の界面活性剤をステアリン酸塩およびタルク、ステアリルフマル酸ナトリウム、ショ糖脂肪酸エステル等と混合したものを必要に応じて添加することができる。
【0028】
こうして得られた錠剤は、欧州薬局方第6版によれば、圧縮力5〜30kNにおいて0.3〜0.7%、好ましくは0.3〜0.5%の摩損度(friability)を有する。好ましくはこれらの錠剤は、表面(surface)が少なくとも1cmで重量が350mg、表面が上限2cmで重量が1090mgである。
【0029】
これらの錠剤の引張強さは圧縮力の関数として表わすことができる。1.5〜3.10N/mm、さらには上限3.60N/mmの引張強さを圧縮力5〜30kNにおいて得ることができる。20kNにおける引張強さは、少なくとも2.5N/mm、好ましくは少なくとも2.8N/mm、より好ましくは少なくとも2.9N/mm、少なくとも3.0N/mm、少なくとも3.1N/mm、少なくとも3.2N/mm、最も好ましくは少なくとも3.5N/mmである。錠剤は、圧縮力15kNにおいて少なくとも110N、好ましくは少なくとも130N、より好ましくは少なくとも145Nの硬度を有する。好ましくは錠剤は、表面が少なくとも1cmで重量が350mg、表面が上限2cmで重量が1090mgである。
【0030】
本発明のチュアブル錠は、圧縮力5〜30kNにおいて0.3〜0.7%の摩損度を有し、1.5〜3.10N/mm、さらには上限3.60N/mmの引張強さを圧縮力5〜30kNにおいて得ることができる。
【0031】
さらに本発明は、本発明の圧縮組成物を調製するための方法にも関し、以下のステップを含む:
a)0.25m/gより大きい、好ましくは0.3m/gより大きい、より好ましくは0.4m/gより大きい比表面積を有するエリスリトールを取得するステップ、
b)α化デンプン、結晶セルロース、カルボキシメチルセルロース、マルトース、ソルビトール、マルチトール、キシリトール、イソマルト、およびそれらの混合物からなる群から選択される結合剤を添加するステップ、
c)造粒するステップ、
d)任意に造粒生成物を湿式ふるいにかけるステップ、
e)造粒生成物を乾燥させるステップ、
f)任意に造粒生成物をふるいにかけるステップ。
【0032】
方法において、好ましくはエリスリトールは、100μm未満、好ましくは50μm未満、より好ましくは40μm未満の体積平均径をさらに有する。粒のより粗い原料で開始した場合には、100μm未満、好ましくは50μm未満、より好ましくは40μm未満の体積平均径を得るために、粉砕ステップ、好ましくは強力粉砕ステップが方法に含まれる。こうして得られた生成物は0.25m/gより大きい、好ましくは0.3m/gより大きい、より好ましくは0.4m/gより大きい比表面積を有しており、また続いて行う造粒に対して好ましい影響を及ぼすこととなる。
α化デンプン、結晶セルロース、カルボキシメチルセルロース、マルトースまたはそれらの混合物等の結合剤は乾燥状態で添加するのに対して、ソルビトール等の結合剤は液体で添加する。マルチトール、イソマルト、キシリトール、またはそれらの混合物等の結合剤は、乾燥状態または液体で添加することができる。好ましくは結合剤は液体ソルビトールであり、これを少なくとも50%、好ましくは少なくとも60%、より好ましくは少なくとも70%の乾物濃度で添加する。ブレンドの体積平均径および水分含有量に応じて生成物をふるいにかけるおよび/または乾燥させる。
本発明の方法のステップc)において形成された顆粒を任意に加圧し、所定サイズのふるいを通す。ふるいに通す際には、好ましくはふるい分け機を用いる。これと同時にまたはこの後で、生成物を乾燥させる。
顆粒を乾燥させるためには任意の種類の乾燥機を用いることができるが、好ましくは流体層をこの目的に用いる。十分に乾燥させた生成物を標準的な造粒機で造粒する。
【0033】
本発明はまた、本発明に従う錠剤を調製するための方法をも記載し、以下のステップを含む:
a)本発明に従って調製される造粒生成物を取得するステップ、
b)滑剤とブレンドするステップ、
c)圧縮力5〜30kNで打錠するステップ。
【0034】
造粒生成物(=圧縮組成物)を適切な滑剤、好ましくはステアリン酸マグネシウムとさらにブレンドし、打錠機で打錠する。
【0035】
最後に、本発明は、食物、飼料、医薬的および美容的用途における錠剤の使用に関する。
【0036】
錠剤は、食物(菓子類)用途で調製する場合には、一般的に(than in general)上限約99%(w/w)はエリスリトール含有圧縮組成物からなり、香料、着色料、着香料および滑剤を添加する。錠剤を医薬用途で調製する場合には、薬剤等の有効成分を添加し、必要に応じて増量剤、滑剤または崩壊剤を添加する。
以下に本発明を一連の非限定的な例の形態において例示する。
【発明を実施するための形態】
【0037】
顆粒および錠剤特性を評価するための方法
【0038】
顆粒は体積平均径(粒度分布)によって特徴づけられる。
以下の測定方法を使用した。
【0039】
粒度分布 粒度分布を、欧州薬局方第6版の試験方法2.9.31に従い、Sympatec GmbH(ドイツ)のレーザー回折式粒度分布測定装置Helos KF−Rodos T4.1を使用して決定した。粒子径をレーザー回折によって分析した。
【0040】
錠剤を硬度および摩損度によって特徴づけた。それぞれの圧縮力に対し、硬度について錠剤10個および摩損度について錠剤19個を分析し、平均値を計算した。以下の測定方法を使用した。
【0041】
硬度 硬度、すなわち直径方向の破壊強度を、欧州薬局方第6版の試験方法2.9.8、錠剤破壊強度に従い、従来の医薬用硬度計(型式Multicheck Vの硬度計、Erweka GmbH(ドイツ)より入手)を使用して決定した。粒子径の異なる錠剤における値を比較するために、破断強度を破壊面積に対して標準化した。標準化した値はN/mmで表わし、本明細書中において引張強さ(Ts)と称し、以下のように計算する。
Ts=2H/πTD
式中、Hは硬度、Tは厚み、Dは錠剤の直径である。それぞれの圧縮力に対し、錠剤10個を硬度(H)、厚み(T)および直径(D)について分析した。
【0042】
摩損度 摩損度の測定を、欧州薬局方第6版の試験方法2.9.7、非被覆錠剤の摩損度に従って決定した。
【0043】
例1A
粒の粗いエリスリトール製品(Cargill CPharmEridex16956)をBauermeister製ターボミルUTLで1mmのふるいを用いて粉砕し、体積平均径30μmの粉体が得られた。体積平均径をレーザー回折によって決定した。エリスリトールの比表面積は0.40m/gであった。
粉砕したエリスリトール粉末500gを、高剪断ミキサー(Pro−C−ept − Mi−Pro、チョッパー3000rpmおよびインペラ1200rpm)で60秒間にわたって乾燥状態でブレンドした。
液体ソルビトール(乾燥物質70%)79.17g(Cargill CPharmSorbidex NC16205)を9.5g/分で滴下した)。液体ソルビトールを添加した後、ブレンドの混合を60秒間にわたって継続した。
造粒した粉体を2mmのふるいを用いて手動で湿式ふるい分けにかけた。
湿式ふるい分けにかけた顆粒を、流体層(Aeromatic−Fielder GEA−Strea−1)で30分間にわたって温度70℃において乾燥させた。
乾燥させた顆粒を、造粒機(Erweka(FGS+AR400E)で0.500mmのふるいを用いて5〜10分間にわたって1分間当たり100回転でふるい分けにかけた。
次いで、乾式ふるい分けにかけた顆粒を、Pharmatech製装置を用いて28rpmにおいて3%ステアリン酸マグネシウムとブレンドした。
【0044】
例1B
粒の粗いエリスリトール製品(Cargill ZeroseTM16952)をBauermeister製ターボミルUTLで1mmのふるいを用いて粉砕し、体積平均径20μmの粉体が得られた。体積平均径をレーザー回折によって決定した。エリスリトールの比表面積は0.45m/gであった。
粉砕したエリスリトール粉末500gを、高剪断ミキサー(Pro−C−ept − Mi−Pro、チョッパー3000rpmおよびインペラ1200rpm)で60秒間にわたって乾燥状態でブレンドした。
液体ソルビトール(乾燥物質70%)79.17g(Cargill CPharmSorbidex NC16205)を9.5g/分で滴下した)。液体ソルビトールを添加した後、ブレンドの混合を60秒間にわたって継続した。
造粒した粉体を2mmのふるいを用いて手動で湿式ふるい分けにかけた。
湿式ふるい分けにかけた顆粒を、流体層(Aeromatic−Fielder GEA−Strea−1)で30分間にわたって温度70℃において乾燥させた。
乾燥させた顆粒を、造粒機(Erweka(FGS+AR400E)で0.500mmのふるいを用いて5〜10分間にわたって1分間当たり100回転でふるい分けにかけた。
次いで、乾式ふるい分けにかけた顆粒を、Pharmatech製装置を用いて28rpmにおいて3%ステアリン酸マグネシウムとブレンドした。
【0045】
例2A
次いで、例1Aで得られた造粒生成物を、打錠機(Korsch−PH100)により、5kN〜30kNで圧縮力を変動させて打錠した。
錠剤の表面は1cmであり、錠剤の直径は11.3mm、重量は350mgであった。
こうして得られた錠剤を以下のように分析した。
【0046】
【表1】

【0047】
【表2】

【0048】
【表3】

【0049】
例2B
次いで、例1Bで得られた造粒生成物を、打錠機(Korsch−PH100)により、5kN〜30kNで圧縮力を変動させて打錠した。
錠剤の表面は1cmであり、錠剤の直径は11.3mm、重量は350mgであった。
こうして得られた錠剤を以下のように分析した。
【0050】
【表4】

【0051】
【表5】

【0052】
【表6】

【0053】
例3A
粒の粗いエリスリトール製品(Cargill CPharmEridex16956)をBauermeister製ターボミルUTLで1mmのふるいを用いて粉砕し、体積平均径30μmの粉体が得られた。
粉砕したエリスリトール粉末250gをパラセタモール(微細)250gと高剪断ミキサー(Pro−C−ept − Mi−Pro、チョッパー3000rpmおよびインペラ1200rpm)で60秒間にわたって乾燥状態でブレンドした。
液体ソルビトール(乾燥物質70%)74.42g(Cargill CPharmSorbidex NC16205)を9.5g/分で滴下した)。液体ソルビトールを添加した後、ブレンドの混合を60秒間にわたって継続した。
造粒した粉体を2mmのふるいを用いて手動で湿式ふるい分けにかけた。
湿式ふるい分けにかけた顆粒を、流体層(Aeromatic−Fielder GEA−Strea−1)で30分間にわたって温度70℃において乾燥させた。
乾燥させた顆粒を、造粒機(Erweka(FGS+AR400E)で0.500mmのふるいを用いて5〜10分間にわたって1分間当たり100回転でふるい分けにかけた。
次いで、乾式ふるい分けにかけた顆粒を、Pharmatech製装置を用いて28rpmにおいて3%ステアリン酸マグネシウムとブレンドした。
【0054】
例3B
粒の粗いエリスリトール製品(Cargill ZeroseTM16952)をBauermeister製ターボミルUTLで1mmのふるいを用いて粉砕し、体積平均径20μmの粉体が得られた。
粉砕したエリスリトール粉末250gをパラセタモール(微細)250gと高剪断ミキサー(Pro−C−ept − Mi−Pro、チョッパー3000rpmおよびインペラ1200rpm)で60秒間にわたって乾燥状態でブレンドした。
液体ソルビトール(乾燥物質70%)74.42g(Cargill CPharmSorbidex NC16205)を9.5g/分で滴下した)。液体ソルビトールを添加した後、ブレンドの混合を60秒間にわたって継続した。
造粒した粉体を2mmのふるいを用いて手動で湿式ふるい分けにかけた。
湿式ふるい分けにかけた顆粒を、流体層(Aeromatic−Fielder GEA−Strea−1)で30分間にわたって温度70℃において乾燥させた。
乾燥させた顆粒を、造粒機(Erweka(FGS+AR400E)で0.500mmのふるいを用いて5〜10分間にわたって1分間当たり100回転でふるい分けにかけた。
次いで、乾式ふるい分けにかけた顆粒を、Pharmatech製装置を用いて28rpmにおいて3%ステアリン酸マグネシウムとブレンドした。
【0055】
例4A
次いで、例3Aで得られた造粒生成物を打錠機(Korsch−PH100)により、10kN〜30kNで圧縮力を変動させて打錠し、圧縮力20kNにおいて引張強さ1.8N/mmを得た。
錠剤の表面は2cmであり、錠剤の直径は16mm、重量は1090mgであった。
【0056】
例4B
次いで、例3Bで得られた造粒生成物を打錠機(Korsch−PH100)により、10kN〜30kNで圧縮力を変動させて打錠し、圧縮力20kNにおいて引張強さ2.7N/mmを得た。
錠剤の表面は1cmであり、錠剤の直径は11.3mm、重量は350mgであった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
0.25m/gより大きい、好ましくは0.3m/gより大きい、より好ましくは0.4m/gより大きい比表面積を有するエリスリトール、ならびにα化デンプン、結晶セルロース、カルボキシメチルセルロース、マルトース、ソルビトール、マルチトール、キシリトール、イソマルト、およびそれらの混合物からなる群から選択される結合剤からなる圧縮組成物であって、造粒されていることを特徴とする圧縮組成物。
【請求項2】
エリスリトールが、100μm未満、好ましくは50μm未満、より好ましくは40μm未満の体積平均径を有することを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
エリスリトールおよびソルビトールが乾燥重量で50%対50%〜90%対10%の比率で存在することを特徴とする、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
相対湿度65%、25℃において水分吸収3%未満、好ましくは2.7%未満であることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一つに記載の組成物を含むチュアブル錠。
【請求項6】
圧縮力5〜30kNにおいて0.3〜0.7%、好ましくは0.3〜0.5%の摩損度を有することを特徴とする、請求項5に記載の錠剤。
【請求項7】
20kNにおいて、少なくとも2.5N/mm、好ましくは少なくとも2.8N/mm、より好ましくは少なくとも3.3N/mmの引張強さを有することを特徴とする、請求項6に記載の錠剤。
【請求項8】
請求項1から4のいずれか一つに記載の圧縮組成物を調製するための方法:
a)0.25m/gより大きい、好ましくは0.3m/gより大きい、より好ましくは0.4m/gより大きい比表面積を有するエリスリトールを取得するステップ、
b)α化デンプン、結晶セルロース、カルボキシメチルセルロース、マルトース、ソルビトール、マルチトール、キシリトール、イソマルト、およびそれらの混合物からなる群から選択される結合剤を添加するステップ、
c)造粒するステップ、
d)任意に造粒生成物を湿式ふるいにかけるステップ、
e)造粒生成物を乾燥させるステップ、
f)任意に造粒生成物をふるいにかけるステップ。
【請求項9】
請求項5から7のいずれか一つに記載の錠剤を調製するための方法:
a)請求項8に記載の方法で造粒生成物を取得するステップ、
b)滑剤とブレンドするステップ、
c)圧縮力5〜30kNで打錠するステップ。
【請求項10】
有効成分をステップa)および/またはb)で添加することを特徴とする、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
食物、飼料、医薬的および美容的用途における、請求項5から7のいずれか一つに記載のチュアブル錠の使用。

【公表番号】特表2012−501630(P2012−501630A)
【公表日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−525422(P2011−525422)
【出願日】平成21年7月28日(2009.7.28)
【国際出願番号】PCT/EP2009/005460
【国際公開番号】WO2010/025796
【国際公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【出願人】(397058666)カーギル インコーポレイテッド (60)
【Fターム(参考)】