説明

エリスロマイシン誘導のクリンダマイシン耐性を検出する方法および装置

エリスロマイシン誘導のクリンダマイシン耐性を測定する方法および装置が提供される。装置は、好ましくはそれぞれが既知濃度のエリスロマイシン及び既知濃度のクリンダマイシンを有する1個又はそれ以上のウェルを含む試験パネルである。試料をウェルに接種しインキュベーションした後、試料がエリスロマイシン誘導のクリンダマイシン耐性を発現する微生物を含むかどうかを判定するために、増殖についてウェルを分析する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2007年4月2日に出願された米国特許仮出願第60/909663号の優先権を主張する。
【0002】
本発明は、エリスロマイシン誘導のクリンダマイシン耐性を測定するために有用な方法及び装置に関する。本発明の方法及び装置は、抗菌剤感受性試験及び微生物識別装置を組み合わせてもよい。
【背景技術】
【0003】
臨床微生物学並びに感染症の治療及び管理の分野は、ここ数十年にわたって劇的に進展している。しかし、致命的で消耗性の全身性及び局所的な微生物感染は、主要な医療問題として残されている。長期医療施設及び養護施設における乳児、高齢者、免疫抑制の患者では、特に、感染因子に起因する死亡率が依然として高い。さらに、多剤耐性微生物の出現が、入院患者に対する治療の課題を増やしている。薬剤耐性細菌によって引き起こされる病院内感染(院内感染)は、患者に、入院日数の増加、医原性死亡及び医療費増加などの著しい苦痛を与える。
【0004】
微生物感染の不適切な又は不適正な治療は、多くの院内感染を引き起こす細菌の多剤耐性株を発生させる主たる原因である。薬剤耐性、特に抗生物質耐性は、感染を治療するために使用する抗生物質が、不適正に選択されるか、感染因子を効果的に根絶しない方法で処方される場合に、又は不十分な患者の服薬遵守の結果として、しばしば起こる。更に、効果が無い又は不要な抗生物質が処方された場合、存在している如何なる感染菌も衰えないで増殖し続け、しばしば高価で積極的な治療を必要とする致命的な合併症を引き起こす。それ故、潜在的な感染因子の正確で迅速な診断は、患者治療の改善、医療費の低減化及び抗微生物効果の維持に重要である。
【0005】
ブドウ球菌属(Staphylococcus)細菌における誘導性クリンダマイシン耐性は、重要な臨床上の問題になっている。ブドウ球菌におけるマクロライド耐性は、erm(A)遺伝子又はerm(C)遺伝子によって誘導されるマクロライド・リンコサミド・ストレプトグラミンB(MLSB)耐性と呼ばれ、マクロライドとクリンダマイシンの両者の活性に影響を及ぼすリボソーム標的の変更による可能性がある。ブドウ球菌属(Staphylococcus)のある種の株は、クリンダマイシンに対して本質的に耐性を示すが、その他はエリスロマイシンによる誘導後にのみ耐性を示す。クリンダマイシンに対して本質的に耐性を示す菌株は、通常は標準感受性試験法によって検出できるが、幾つかの菌株に存在する誘導耐性(MLSBi)は、培養液又は寒天基盤の標準感受性検査法では日常的には検出されない。クリンダマイシンではなく、マクロライドだけに作用する排出ポンプをコードするmsr(A)遺伝子を含有しているマクロライド耐性株から、MLSBi株を識別することは重要である。
【0006】
臨床的に重要なブドウ球菌分離株の中からクリンダマイシン耐性を日常的に検出する目的には、2つの狙いがある。第1に、予備的な調査から、MLSBi株に感染した患者が、さまざまな種類の感染用のクリンダマイシンで治療された場合の臨床的失敗の可能性が示されている。しかし、すべてのマクロライド耐性ブドウ球菌をクリンダマイシン耐性と見なすことは、マクロライド排出機構だけを持つ分離株に感染した患者に対する安全で効果的な治療の可能性を否定することになる。MLSB耐性と比較して、マクロライド排出を示すブドウ球菌の臨床分離株の割合は、地理的位置又は患者群によって大きく変動する。それ故、誘導性クリンダマイシン耐性についての日常的検査の第2の利点は、マクロライド耐性であるにもかかわらずクリンダマイシンに対する感受性を保持するような菌株を明確に識別することである。このような理由で、かつては臨床検査標準委員会(NCCLS)として知られた臨床検査標準協会(CLSI)によって、ブドウ球菌分離株の誘導性クリンダマイシン耐性に対する日常的検査は推奨されている。
【0007】
公衆衛生の専門家は、細菌株の中で耐性の拡大を遅らせるために、臨床医及び医師に対してより狭域スペクトルの抗生物質を処方するように促している。しかし、そうするためには、微生物の同一性及び抗生物質感受性が迅速に測定されなければならない。標準的な培養に基づく方法では、この情報を臨床医に提供するために数週間を要する。抗生物質の誤用は、ほとんどの場合、不適切な処方行為によるよりは、むしろ原因病原菌に関する不十分な情報の結果として起きている。従って、もし、感染因子及びその潜在的抵抗性を数日ではなく数時間で識別できる自動システムがあれば、臨床検査室にとって非常に有益となる。
【0008】
従って、患者分離株におけるエリスロマイシン誘導のクリンダマイシンに対する耐性を迅速且つ正確に測定するための装置及び方法は、感染症治療を改善し抗生物質耐性を減少させるために必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、患者分離株におけるエリスロマイシン誘導のクリンダマイシンに対する耐性を迅速且つ正確に測定するための自動化された装置及び方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の1つの態様では、エリスロマイシン誘導のクリンダマイシン耐性の測定に用いる装置は、増殖培地、既知量のエリスロマイシン及び既知量のクリンダマイシンを含む1個又はそれ以上のウェルを有するパネルを有する。
【0011】
本発明の別の態様では、エリスロマイシン誘導のクリンダマイシン耐性を測定するための方法が提供される。その方法には、増殖培地、既知量のエリスロマイシン及び既知量のクリンダマイシンを含む1つ又はそれ以上のウェルを有するパネルを準備すること;微生物の含有が疑われる試料を1つ又はそれ以上のウェルに接種すること;ウェル内の微生物の増殖に好適な条件でパネルをインキュベーションすること;微生物の増殖について、1つ又はそれ以上のウェルを分析すること;そして、ウェル内の微生物の増殖に基づいてエリスロマイシン誘導のクリンダマイシン耐性の有無を測定することが含まれる。
【0012】
本発明の他の特徴は、以下の説明に基づいて当業者には明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の1つの態様に従った、エリスロマイシン誘導のクリンダマイシン耐性の有無を測定する装置の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明は、患者分離株におけるエリスロマイシン誘導のクリンダマイシン耐性を測定するための方法及び装置を提供する。
【0015】
本発明の1つの態様によれば、エリスロマイシン誘導のクリンダマイシン耐性の測定に用いる装置は、概して図1に示される。この実施態様では、装置は、一般に複数の反応チャンバー(又はウェル14)を備えた平面12を有する試験パネル10の形で示される。ウェル14は、横に12個のウェルと縦に8個のウェルの合計96ウェルの配列の中に、長方形の形状の配置で示されるが、本発明のウェルパネルは、この形状に限定されると理解するべきではない。
【0016】
試験パネル10は、コントロール区分20、微生物識別(ID)区分30及び抗菌剤感受性試験(AST)区分40を含む複数の小区分に分けられる。当業者は、本発明を説明するのに必要のない他の小区分がパネルに含まれてもよいことを理解するであろう。コントロール区分20には、コントロールウェル22及び増殖ウェル24が含まれる。増殖ウェル24は、パネル内で特定の微生物が生育できるかどうかを測定するための増殖培地を含む。増殖ウェル24は、また、パネルが接種されたことを示す。増殖ウェル内での増殖がない場合、パネルは読み取られない。コントロールウェル22は接種を受けておらず、パネルが汚染される場合に限り増殖を示す。コントロールウェルに増殖がある場合、パネルは読み取られない。
【0017】
微生物識別区分30には複数のIDウェル32が含まれ、それぞれは増殖培地24、及びインディシア(indicia)34によって識別される単一の抗菌化合物を含む。それぞれのIDウェル32は接種され、そして試料中の微生物が各ウェル内の特定の抗菌性化合物に耐性ではない場合にのみ増殖を示す。これらの感受性検査結果の総計は、試料中の微生物を同定するためのアルゴリズムに使用できる。そのようなアルゴリズムは当業者には公知であり、議論する必要はない。当業者は、抗菌性化合物がこの区分に含まれる可能性があること、及び本明細書に開示されるそれらの化合物は、単に例示であることを認識するであろう。
【0018】
典型的な試験パネル10で示される抗菌剤感受性試験の区分40は、抗菌剤感受性試験(AST)のために、ウェル42、46及び50の、それぞれが6個のウェルを含む、3つの系列又はセットを含む。当業者は、本発明の他の実施態様が、より多い又はより少ないウェルの系列、及びそれぞれのセットにより多い又はより少ない個数のウェルを含んでもよいことを認識するであろう。第1セットのウェル42は、それぞれが増殖培地及び既知量のエリスロマイシンを含む。エリスロマイシンの既知量は、系列内の各ウェルで異なり、インディシア44(本明細書ではμg/mL単位で示される)によって表示される。好ましくは、ウェル42のそれぞれからはクリンダマイシンを除外する。第2セットのウェル46は、それぞれが増殖培地及び既知量のクリンダマイシンを含む。クリンダマイシンの既知量は、系列内の各ウェルで異なり、インディシア48(本明細書ではμg/mL単位で示される)によって表示される。好ましくは、ウェル46のそれぞれからはエリスロマイシンを除外する。第3セットのウェル50は、それぞれが増殖培地及び既知量のエリスロマイシン及び既知量のクリンダマイシンを含む。クリンダマイシンの既知量は、ウェル50の各ウェルについて異なり、インディシア52(本明細書ではμg/mL単位で示される)によって表示される。エリスロマイシンの既知量は、ウェル50の各ウェルについて一定であるか、又はウェル50の各ウェルについて異なってもよい。1つの実施態様では、エリスロマイシンの既知量は、それぞれのウェル50内のクリンダマイシンの既知量より少ない。
【0019】
当業者は、ウェル42、46及び50のそれぞれに使われてもよい種々の濃度を認識しているであろう。典型的には、ウェル42は、約0.25μg/mLから約16.0μg/mLの範囲の既知量のエリスロマイシンを含む。ウェル46は、典型的には、約0.25μg/mLから約16.0μg/mLの既知量のクリンダマイシンを含む。ウェル50は、典型的には、約0.25μg/mLから約16.0μg/mLのクリンダマイシン及び約0.1μg/mLから約8.0μg/mLのエリスロマイシンを含む。
【0020】
本発明の別の態様によれば、試験パネルは、好ましくは、エリスロマイシン誘導のクリンダマイシン耐性の測定方法に使用される。その方法は、微生物の含有が疑われる試料をパネル10に接種すること;ウェル42、46及び50内の微生物の増殖に好適な条件でパネルをインキュベーションすること;微生物の増殖について、ウェル42、46及び50を解析すること;そして、ウェル42、46及び50内の微生物の増殖に基づいてエリスロマイシン誘導のクリンダマイシン耐性の有無を測定することを含む。
【0021】
微生物が第1セットのウェル42内で増殖する場合、又はその最小阻止濃度が閾値よりも高く(即ち、MIC>4μg/mL)、ウェル42のセットのうちの十分な数で増殖が示された場合、微生物はエリスロマイシン耐性であると言われる。そのエリスロマイシン耐性分離株がクリンダマイシン単独の入ったウェル46内で増殖しない場合、又はそれらの殆どで増殖しなかった場合(即ち、MIC≦0.5μg/mL)、その微生物はクリンダマイシン感受性であると言われる。次に、微生物がウェル50内で増殖する場合、又はその最小阻止濃度が閾値よりも高く(即ち、MIC>2μg/mL)、十分な数のウェルで増殖が示された場合、その分離株はクリンダマイシンに対する誘導耐性を有すると報告される。分離株がエリスロマイシンとクリンダマイシンの組み合わせ(ウェル50)内で増殖しない場合、クリンダマイシンに感受性である、即ち、msrA遺伝子を含むとして報告される。閾値は、業界に周知の方法に従って設定することができる。
【0022】
なお、本発明の1つの実施態様では、微生物がエリスロマイシン耐性であってクリンダマイシン感受性であることが既に分っている場合、その微生物がエリスロマイシン誘導のクリンダマイシンに対する耐性を有するかどうかを決定するためには、第3系列のウェル50だけが必要である。
【0023】
本発明は、日常的なMIC試験を行うことの他にerm遺伝子又はmsr遺伝子についての試験を行わなければならないこと、又はエリスロマイシン及びクリンダマイシン・ディスクを用いたディスク拡散試験を行わなければならないことを排除する。
【0024】
試験パネルのウェルは、手動で又は自動システムの部分として読み取ることができる。典型的な自動アッセイシステムは、Dade Behring lnc、MicroScan(登録商標)Systems(West Sacramento, CA)から入手可能なWALKAWAY(登録商標)システムである。WALKAWAY(登録商標)システムは、マイクロタイターの識別及び抗菌剤感受性試験パネルを含む自動システムであり、光度測定又は蛍光読み取り器を使って生化学的結果を読み取り、そして病院メインフレーム情報システムに連結することができる結果を生み出す。WALKAWAY(登録商標)システム及びその構成要素の複数の実施態様は、米国特許第5,888,760号、同第5,645,800号、同第5,518,686号、同第4,676,951号、同第4,643,879号、同第4,681,741号及び同第4,448,534号並びに2004年10月15日出願の同時係属米国特許出願第10/967,062号に開示されている。しかし、本発明の方法は、同様に他のシステムに対しても容易に適応させることができると理解されるべきである。
【0025】
エリスロマイシン誘導のクリンダマイシン耐性のウェルは、MicroScan(登録商標)ASTパネルのような、標準の半自動抗菌剤感受性試験(AST)パネルに含められてもよく、そして、利用可能なエリスロマイシン及びクリンダマイシンに対する最小阻止濃度(MIC)値として、結果を同時に提供する。
【0026】
抗菌剤感受性試験は、培養液希釈感受性検査の変法であり縮小型である。本発明の1つの実施態様では、種々の抗菌剤は、臨床的に関心のある範囲を埋める濃度にオートクレーブ滅菌した蒸留水で連続希釈される。変法(改変)Mueller-Hinton培養液中の標準化した微生物懸濁液を接種した後、WALKAWAY(登録商標)System内で、35℃で3.5から24時間インキュベーションする。
【0027】
パネルの感受性区分は、適切な自動アッセイ装置(例えば、WALKAWAY(登録商標))の比色計を用い、1つ又はそれ以上の異なる光の波長、例えば、405、505及び620ナノメータ(nm)を用いて、30分から24時間の特定した時間に、分光光度法で読み取られる。しかし、本明細書に記載された時間及び波長は、解説のためのものであり限定するものではない。読み取り時間及び/又は数並びに使用される波長の種類は、測定の正確さ及び速さを高めるために容易に調整することができる。
【0028】
濁度が読み取られた後、生データはアッセイシステムに搭載されて処理される。それぞれの時点で、さらなるインキュベーションが必要か又は感受性検査の結果が報告できるかを判断するために、関連ソフトウェア(例えば、MicroScan(登録商標)Data Management
Systemソフトウェア(Dade Behring Inc., West Sacramento, CA))によって、生データに対して具体的な質問がなされる。例えば、6.5時間の読み取りにおいて、MICが測定できるか又はさらにインキュベーションが必要かを判断するために、4.5時間及び5.5時間の読み取りからのデータが使用される。
【0029】
本発明は、広範な実用及び活用が可能であることは、当業者によって容易に理解されるべきである。本明細書に記載されたもの以外の、本発明の多くの実施態様及び適応、並びに多くの変形、改変及び等価の配置は、本発明及び上述のその記述によって、本発明の要旨又は範囲を逸脱することなく、明白になり又は合理的に示唆されるであろう。
【0030】
従って、本発明は、本明細書において、具体的な実施態様に関連させて詳細に説明されたが、この開示は、単に本発明を説明し例示するためであり、単に本発明の完全で有効な開示を提供する目的のために為されると理解されるべきである。以上の開示は、本発明を限定すること、又はそうでなければいずれかのその様な別の実施態様、適応、変形、改変及び等価の配置を除外することを意図したり又はその様に解釈されべきものではなく、本発明は、本明細書に添付される特許請求の範囲及びその同等物によってのみ制限される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エリスロマイシン誘導のクリンダマイシン耐性の測定に用いる装置であって、増殖培地、既知量のエリスロマイシン、及び既知量のクリンダマイシンを含有する少なくとも1つの第1のウェルを有するパネルを含む装置。
【請求項2】
パネルが、増殖培地及び既知量のクリンダマイシンを含有する少なくとも1つの第2のウェルをさらに含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
少なくとも1つの第2のウェルが抗菌有効量のエリスロマイシンを除外する、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
少なくとも1つの第1のウェル内のエリスロマイシンの既知量が、該少なくとも1つの第1のウェル内のクリンダマイシンの既知量よりも少ない、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
少なくとも1つの第1のウェルが複数の第1のウェルを含み、複数の第1のウェルのそれぞれが異なる既知量のクリンダマイシンを有する、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
少なくとも1つの第2のウェルが複数の第2のウェルを含み、複数の第2のウェルのそれぞれが異なる既知量のクリンダマイシンを有する、請求項2に記載の装置。
【請求項7】
増殖培地及び既知量のエリスロマイシンを含有する少なくとも1つの第3のウェルをさらに含む、請求項3に記載の装置。
【請求項8】
少なくとも1つの第3のウェルが抗菌有効量のクリンダマイシンを除外する、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
少なくとも1つの第3のウェルが複数の第3のウェルを含み、複数の第3のウェルのそれぞれが異なる既知量のエリスロマイシンを有する、請求項7に記載の装置。
【請求項10】
エリスロマイシン誘導のクリンダマイシン耐性を測定する方法であって:
増殖培地、既知量のエリスロマイシン及び既知量のクリンダマイシンを含む少なくとも1つのウェルを有するパネルを準備すること;
微生物の含有が疑われる試料を該少なくとも1つのウェルに接種すること;
ウェル内の微生物の増殖に好適な条件でパネルをインキュベーションすること;
微生物の増殖について、該少なくとも1つのウェルを分析すること;そして
該少なくとも1つのウェル内の微生物の増殖に基づいてエリスロマイシン誘導のクリンダマイシン耐性の有無を測定すること;
を含む方法。
【請求項11】
少なくとも1つのウェル内のエリスロマイシンの既知量が、該少なくとも1つのウェル内のクリンダマイシンの既知量よりも少ない、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
少なくとも1つの第1のウェルが複数のウェルを含み、複数のウェルのそれぞれが異なる既知量のクリンダマイシンを有する、請求項10に記載の装置。
【請求項13】
微生物がブドウ球菌属(Staphylococcus)の菌株である、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
エリスロマイシン誘導のクリンダマイシン耐性を測定する方法であって:
増殖培地、既知量のエリスロマイシン及び既知量のクリンダマイシンを含む少なくとも1つの第1のウェル、並びに増殖培地及び既知量のクリンダマイシンを含む少なくとも1つの第2のウェルを有するパネルを準備すること;
微生物の含有が疑われる試料を該少なくとも1つの第1のウェル及び該少なくとも1つの第2のウェルに接種すること;
ウェル内の微生物の増殖に好適な条件で該パネルをインキュベーションすること;
微生物の増殖について、該少なくとも1つの第1のウェル及び該少なくとも1つの第2のウェルを分析すること;そして
該少なくとも1つの第1のウェル及び該第2のウェル内の微生物の増殖に基づいてエリスロマイシン誘導のクリンダマイシン耐性の有無を測定すること;
を含む方法。
【請求項15】
少なくとも1つの第2のウェルが抗菌有効量のエリスロマイシンを除外する、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
少なくとも1つの第2のウェルが複数の第2のウェルを含み、複数の第2のウェルのそれぞれが異なる既知量のクリンダマイシンを有する、請求項14に記載の装置。

【図1】
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【公表番号】特表2010−523120(P2010−523120A)
【公表日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−502247(P2010−502247)
【出願日】平成20年4月1日(2008.4.1)
【国際出願番号】PCT/US2008/059050
【国際公開番号】WO2009/005861
【国際公開日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【出願人】(508147326)シーメンス・ヘルスケア・ダイアグノスティックス・インコーポレイテッド (23)
【Fターム(参考)】