説明

エリートイベントA2704−12、ならびに生物サンプル中の該イベントを同定するための方法およびキット

【課題】生物サンプル中のエリートイベントA2704−12を同定するための方法の提供
【解決手段】一つがA2704−12の5’または3’の隣接領域を認識し、他が外来DNA内の配列を認識するような少なくとも二つのプライマーとのポリメラーゼ連鎖反応を用いて、好ましくは100〜500bpの間のDNAフラグメントを得る、生物サンプル中に存在する核酸配列を増幅することを含む方法に関する。プライマーは、A2704−12の5’隣接領域内、またはA2704−12の3’の隣接領域内の配列と、外来DNA内の配列をそれぞれ認識することができる。5’隣接領域を認識するプライマーは、特定ののヌクレオチド配列を含み、外来DNA内の配列を認識するプライマーは、他の特定のヌクレオチド配列を含むことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生物サンプル内で、特異的形質転換イベントA2704−12に加え、遺伝子組換えダイズ植物体、植物素材、および該イベントを含有する種子、の存在を同定するための方法およびキットに関する。本発明のダイズ植物体は、交雑(weed pressure)非存在下で非形質転換ダイズ系と同等の農業生産力、遺伝的安定性および各種遺伝的背景に対する適合性と除草剤耐性表現型とを兼ね備える。
【0002】
背景技術
植物におけるトランスジーンの表現型発現は、遺伝子自体の構造と植物ゲノム内のその配置の両方によって判定される。それと同時に、ゲノム内のさまざまな配置にある(外来DNA内の)トランスジーンの存在が、植物の表現型全体にさまざまな方法で影響を与える。遺伝子操作によって、植物の商業的に興味深い形質を農業生産もしくは工業生産へ導入するのに成功するには、各種ファクターが関与してくるので長期にわたるプロセスをたどらねばならない。遺伝子操作による形質転換植物の実際の形質転換と再生は、圃場試験における広範囲な遺伝学的特性、育種および評価など、一連の選択ステップのはじめのステップにすぎず、最終段階にいたるまで、エリートイベントを選択することはできない。
【0003】
Novel Food/Feed、GMOおよび非GMO製品の分離、独自仕様の素材の同定に関する検討内容を考慮すると、エリートイベントの明確な同定がますます重要になってきている。理想的には、該同定法は、実験室の設備を大々的に整える必要のない、迅速で単純な方法でなくてはならない。さらに、この方法により、専門家の解釈がなくてもエリートイベントを明確に判定できるいっぽうで、必要に応じて専門家の精査に耐えうる成果も生み出さねばならない。
【0004】
A2704−12を、フォスフィノスリシンに対する耐性をコードする合成pat遺伝子を有するプラスミドによるダイズの形質転換によって、除草剤のLiberty(登録商標)に対し耐性のあるダイズ(Glycine max L.)を開発する際に、エリートイベントとして選択し、Liberty Link(登録商標)ダイズとして市販することができる。生物サンプル中のエリートイベントA2704−12を同定するための迅速で簡単な方法で使用するためのツールについて、本明細書に記載する。
【0005】
発明の要約
本発明は、生物サンプル中のエリートイベントA2704−12を同定するための方法であって、A2704−12の5’および/または3’の隣接配列を特異的に認識するプライマーまたはプローブに基づいた方法に関する。
【0006】
さらに具体的には、本発明は、一つがA2704−12の5’または3’の隣接領域を認識し、他が外来DNA内の配列を認識するような少なくとも二つのプライマーとのポリメラーゼ連鎖反応を用いて、好ましくは100〜500bpの間のDNAフラグメントを得る、生物サンプル中に存在する核酸配列を増幅することを含む方法に関する。プライマーは、A2704−12(配列番号1、位置1〜位置209)の5’隣接領域内またはA2704−12(配列番号2、位置569〜位置1000の相補体)の3’の隣接領域内の配列と、外来DNA(配列番号1、位置210〜720、または配列番号2、位置1〜568の相補体)内の配列をそれぞれ認識することができる。5’隣接領域を認識するプライマーは、配列番号4のヌクレオチド配列を含み、外来DNA内の配列を認識するプライマーは、本明細書記載の配列番号8のヌクレオチド配列を含むことができる。
【0007】
さらに詳細には、本発明は、生物サンプル中のエリートイベントA2704−12を特定するための方法であって、約185bpのDNAフラグメントを得るため、配列番号4および配列番号8のヌクレオチド配列をそれぞれ有する二つのプライマーとのポリメラーゼ連鎖反応を用いて、生物サンプル内に存在する核酸配列を増幅することを含む方法に関する。
【0008】
本発明はさらに、生物サンプル中のA2704−12の特異的同定法の開発に使用可能な、本明細書記載のA2704−12の特異的隣接配列に関する。とりわけ、本発明は、本明細書にさらに記載している特異的プライマーおよびプローブの開発に使用可能なA2704−12の5’および/または3’隣接領域に関する。本発明はさらに、該特異的プライマーまたはプローブの使用に基づいた、生物サンプル中のA2704−12の存在の同定法に関する。プライマーは、配列番号1、ヌクレオチド1〜ヌクレオチド209のヌクレオチド配列または配列番号2、ヌクレオチド569〜ヌクレオチド1000のヌクレオチド配列の相補体から選択された17〜約200の連続的ヌクレオチドのヌクレオチド配列を、配列番号1、ヌクレオチド210〜ヌクレオチド720のヌクレオチド配列の相補体、または配列番号2、ヌクレオチド1〜ヌクレオチド569のヌクレオチド配列から選択された17〜約200の連続的ヌクレオチドのヌクレオチドからなるプライマーと組み合わせてなりうる。プライマーは、極端の3’末端に配置されたこれらのヌクレオチド配列も含み、さらに無関係の配列または記載しているヌクレオチド配列由来の配列、ミスマッチを含むことができる。
【0009】
本発明はさらに、生物サンプル中のエリートイベントA2704−12を同定するためのキットであって、A2704−12の5’または3’隣接領域を特異的に認識する少なくとも一つのプライマーまたはプローブを含むキットに関する。
【0010】
本発明のキットは、A2704−12の5’または3’隣接領域を特異的に認識するプライマーに加えて、PCR同定プロトコルで使用するための、A2704−12の外来DNA内の配列を特異的に認識する第二のプライマーも含みうる。好ましくは、本発明のキットは、二つの特異的プライマーを含んでおり、そのうちの一つがA2704−12の5’隣接領域内の配列を認識し、他が外来DNA内の配列を認識する。特に、5’隣接領域を認識するプライマーは、配列番号4のヌクレオチド配列を含んでいてもよく、トランスジーンを認識するプライマーは配列番号8のヌクレオチド配列または本明細書記載の他の任意のプライマーを含んでいてもよい。
【0011】
本発明はさらに、生物サンプル中のエリートイベントA2704−12を同定するためのキットであって、本明細書記載のA2704−12PCR同定プロトコルで使用するための配列番号4および配列番号8のヌクレオチド配列を有するプローブを含む前記キットに関する。
【0012】
本発明は、生物サンプル中のエリートイベントA2704−12を同定するためのキットであって、A2704−12の特異的領域との80〜100%の配列同一性を有する配列に一致する(か、もしくは相補的な)配列を有する特異的プローブを含むキットにも関する。好ましくは、プローブの配列はA2704−12の5’または3’隣接領域の部分を含む特異的領域に対応する。最も好ましくは、該特異的プローブが配列番号1のヌクレオチド160〜260の配列または配列番号2のヌクレオチド520〜620の配列に対する80〜100%の配列同一性を有する配列を有する(か、もしくは相補的である)。
【0013】
本発明に包含される方法とキットは、以下のような各種目的に使用できるがこれらに限定されない。すなわち、植物、植物素材、または植物素材を含むか植物素材に由来する(未加工または加工済みの)食料品もしくは飼料製品などの製品におけるA2704−12の存在の有無の同定である。さらに本発明の方法とキットは、トランスジーン素材と非トランスジーン素材とを分別することを目的としたトランスジーン植物素材の同定に使用することができる。さらにまたはその代わりに、本発明の方法とキットは、A2704−12を含む植物素材の品質(すなわち、純粋な素材の割合)を判定するのに使用することができる。
【0014】
本発明はさらに、A2704−12の5’および/または3’隣接領域に加えて、A2704−12の5’および/または3’隣接配列から産生された特異的プライマーおよびプローブにも関する。
【0015】
本発明は、エリートイベントA2704−12を含むダイズ植物体、その部分、細胞、種子および子孫植物にも関する。該植物、その部分、種子および子孫植物は本明細書記載の方法を使用して同定することができる。
【0016】
詳細な説明
植物ゲノム内への組換えDNA分子の組込みは、通常、細胞もしくは組織の形質転換の結果(または、別の遺伝子操作の結果)として発生する。特定の部位の組込みは、「無作為」の組込みによるか、または既定の配置による(標的とする組込みのプロセスを使用する場合)。
【0017】
組換えDNAまたは「形質転換DNA」による植物細胞または組織の形質転換の結果として植物ゲノムに導入された、該形質転換DNAを起源とするDNAを、本明細書では以後一つ以上の「トランスジーン」を含む「外来DNA」と表す。本発明に関する「植物DNA」は、形質転換された植物を起源とするDNAを表す。植物DNAは、通常、対応する野生型植物内の同じ遺伝子座に存在することが見出されるであろう。外来DNAは、植物ゲノム内の組換えDNA分子の組込み部位における配置と構成によって特徴付けることができる。植物ゲノム内の組換えDNAが挿入された部位は、「挿入部位」または「標的部位」とも表される。組換えDNAの植物ゲノムへの挿入は、「標的部位欠失」として表される、植物DNAの欠失に関連付けられる。本明細書で使用されている「隣接領域」または「隣接配列」という用語は、すぐ上流で外来DNAと隣接しているか、またはすぐ下流で外来DNAと隣接して配置されている、植物ゲノムの少なくとも20bp、好ましくは少なくとも50bp、5000bpまでの配列を表す。外来DNAの無作為組込みをもたらす形質転換手順の結果、隣接領域の異なる形質転換細胞が得られるが、隣接領域は各形質転換細胞ごとに特徴があり、固有である。組換えDNAを従来の交配を通じて植物に導入しても、植物ゲノム内のその挿入部位またはその隣接領域は概して変化しない。本明細書で使用されているような、「挿入領域」は、植物ゲノム内の外来DNAの上流および/または下流隣接領域を含む配列によって包含される、少なくとも40bp、好ましくは少なくとも100bp、10000bpまでの領域に一致する領域を表す。種の中での突然変異によるわずかな相違を考慮して、同種の植物に交配すると、形質転換によって獲得する植物内の外来DNAの上流および下流の隣接領域を含む配列と、少なくとも85%、好ましくは90%、さらに好ましくは95%、もっとも好ましくは100%の配列同一性が挿入領域により保持される。
【0018】
イベントは、遺伝子工学の結果として、対象となる遺伝子の少なくとも一つのコピーを含むトランスジーンを担持する(人工)遺伝子座として定義される。イベントの代表的対立遺伝子の状態は、外来DNAが存在するか、しないかである。イベントはトランスジーンの発現によって、表現型の上で特徴付けられる。遺伝子レベルでは、イベントは、植物の遺伝子構造(the genetic makeup)の部分である。分子レベルでは、イベントは、トランスジーンの上流および/または下流の隣接配列、分子マーカーの配置、および/またはトランスジーンの分子構造より、(例えば、サザンブロット法によって決定された)制限酵素地図により特徴付けられる。通常、少なくとも一つの対象となる遺伝子を含む形質転換DNAによる植物の形質転換の結果、それぞれ特有の多数のイベントが産生される。
【0019】
本明細書で使用されているようなイベントは、同じ形質転換DNAによる形質転換によって、またはトランスジーンの発現と安定性および、トランスジーンを含む植物の最適な農学的に有用な形質とのその適合性に基づいて、該形質転換によって獲得される植物との戻し交配によって獲得されるイベントから選択されるイベントである。したがって、エリートイベントの選択基準は、下記のうちの一つもしくはそれ以上、好ましくは二つ以上、有利にはすべてである。
a)外来DNAの存在は、農業生産力や商業的価値に関連する特性など、他の所望の植物特性を損なわないこと、
b)イベントが、安定的に遺伝し、同一性制御に適したツールを開発できる、よく明確にされた分子構造によって特徴付けられること、
c)イベントを輸送する植物が、通常の農業で使用する際にさらされる環境条件の範囲で、商業的に容認しうるレベルで、イベントの異型接合(もしくは半接合)および同型接合の両条件下で、対象となる遺伝子が、正しく、適切で安定した空間的および時間的表現型発現を呈すること。
【0020】
外来DNAが、営利目的の、所望の遺伝的背景に容易に遺伝子移入可能な、植物ゲノム内の一つの位置と関連していることが好ましい。
【0021】
エリートイベントとしてのイベントの状態は、関連する各種遺伝子背景におけるエリートイベントの遺伝子移入、および例えば、上記a)、b)およびc)の選択基準のうち一つ、二つまたはすべてとの適合性を観察することによって確認される。
【0022】
したがって、「エリートイベント」は、上記基準に適合する、外来DNAを含む遺伝子座を表す。植物、植物素材もしくは種子などの子孫は、そのゲノム中に一つ以上のエリートイベントを含むことができる。
【0023】
エリートイベント、または該植物、エリートイベントを含む植物、もしくはエリートイベントを含む植物素材を有する製品を同定するために開発されたツールは、外来DNA、分子マーカーまたは外来DNAの隣接領域の配列を含む遺伝子領域の特異的制限酵素地図など、エリートイベントの特異的ゲノム特性に基づいている。
【0024】
外来DNAの隣接領域の一方もしくは両方を配列決定すると、分子生物学的技法によってサンプルの核酸(DNAまたはRNA)中のこの配列を特異的に認識するプライマーおよびプローブを開発できる。例えば、(植物、植物素材もしくは植物素材を含む製品のサンプルなどの)生物サンプルにおけるエリートイベントを同定するためのPCR法を開発できる。該PCRは、一つはエリートイベントの5’または3’隣接領域内の配列を認識し、他は外来DNA内の配列を認識する、少なくとも二つの特異的「プライマー」に基づいている。プライマーは、好ましくは最適化PCR条件下で、エリートイベントとエリートイベントの外来DNAの5’または3’隣接領域内の配列をそれぞれ「特異的に認識する」15〜35のヌクレオチド配列を有しており、特異的フラグメント(「組込みフラグメント」または識別アンプコン)が、エリートイベントを含む核酸サンプルから増幅される。つまり、植物ゲノムや外来DNA内の他の配列ではなく、標的とする組込みフラグメントだけを最適化PCR条件下で増幅する。
【0025】
本発明に好適なPCRプライマーは、下記であってもよい。
−3’末端に5’隣接配列(配列番号1、ヌクレオチド1〜ヌクレオチド209)から選択された少なくとも17の連続したヌクレオチド、好ましくは20の連続したヌクレオチドのヌクレオチド配列を含む、17nt〜約210ntの長さにわたるオリゴヌクレオチド(5隣接配列を認識するプライマー);または
−3’末端に3’隣接配列(配列番号2、ヌクレオチド569〜1000の相補体)から選択された少なくとも17の連続したヌクレオチド、好ましくは20の連続したヌクレオチドのヌクレオチド配列を含む、17nt〜約450ntの長さにわたるオリゴヌクレオチド(3’隣接配列を認識するプライマー);または
−3’末端に挿入DNA配列(配列番号1、ヌクレオチド210〜ヌクレオチド720の相補体)から選択された少なくとも17の連続したヌクレオチド、好ましくは20の連続したヌクレオチドのヌクレオチド配列を含む、17nt〜約510ntの長さにわたるオリゴヌクレオチド(外来DNAを認識するプライマー);または
−挿入DNA配列(配列番号2、ヌクレオチド1〜ヌクレオチド569)から選択された少なくとも17の連続したヌクレオチド、好ましくは20の連続したヌクレオチドのヌクレオチド配列を含む、17nt〜約570ntの長さにわたるオリゴヌクレオチド。
【0026】
プライマーは、当然のことながら上記の17の連続したヌクレオチドより長く、例えば、20、21、30、35、50、75、100、150、200ntの長さまたはそれ以上の長さになってもよい。プライマーは、隣接配列と外来DNA配列の上記ヌクレオチド配列から選択されたヌクレオチド配列だけで構成されていてもよい。ただし、5’末端(すなわち、3’に位置する17の連続したヌクレオチドの外部)におけるプライマーのヌクレオチド配列は、あまり重要ではない。したがって、プライマーの5’配列は、隣接配列または外来DNAから適宜選択されたヌクレオチド配列で構成されうるが、複数(例えば、1、2、5、10のミスマッチ)を含んでいてもよい。プライマーの5’配列は、例えば、制限酵素認識部位を表しているヌクレオチド配列など、隣接配列または外来DNAとは関係のないヌクレオチド配列だけで構成されていてもよい。ミスマッチを有するそのような関係のない配列または隣接DNA配列は、100のヌクレオチドを超えないことが好ましく、50または25をも超えないことがさらに好ましい。
【0027】
さらに、好適なプライマーは、(配列番号1中のヌクレオチド209〜210および配列番号2中のヌクレオチド568〜569に位置する)植物DNA由来の配列と外来DNA配列との間の結合領域に広がる3’末端におけるヌクレオチド配列を含むか、またはヌクレオチド配列で構成されていてもよいが、だたし上記3’末端に位置する17の連続したヌクレオチドが、外来DNAまたは配列番号1もしくは2中の植物由来配列に由来するとは限らない。
【0028】
したがって、本発明に好適なPCRプライマーは、下記であってもよい。
−3’末端に配列番号1、ヌクレオチド1〜ヌクレオチド215から選択された少なくとも17の連続したヌクレオチド、好ましくは20の連続したヌクレオチドのヌクレオチド配列を含む、17nt〜約210ntの長さにわたるオリゴヌクレオチド;または
−3’末端に配列番号2、ヌクレオチド554〜ヌクレオチド1000の相補体から選択された少なくとも17の連続したヌクレオチド、好ましくは20の連続したヌクレオチドのヌクレオチド配列を含む、17nt〜約450ntの長さにわたるオリゴヌクレオチド;または
−3’末端における配列番号1、ヌクレオチド195〜ヌクレオチド720の相補体から選択された少なくとも17の連続したヌクレオチド、好ましくは20の連続したヌクレオチドのヌクレオチド配列を含む、17nt〜約510ntの長さにわたるオリゴヌクレオチド;または
−配列番号2、ヌクレオチド1〜ヌクレオチド584から選択された少なくとも17の連続したヌクレオチド、好ましくは20の連続したヌクレオチドのヌクレオチド配列を含む、17nt〜約570ntの長さにわたるオリゴヌクレオチド。
【0029】
適正に選択されたPCRプライマー対は、相互に相補的な配列も含んでいてはならないことも、当業者には直ちに明らかとなるであろう。
【0030】
本発明の目的に関しては、「配列番号Xで表示されるヌクレオチド配列の相補体」は、Chargaffの規則(A⇔T;G⇔C)に従って相補的ヌクレオチドを介してヌクレオチドを置換し、5’から3’の方向、すなわち表示ヌクレオチド配列と反対方向に配列を読み取ることで、表示ヌクレオチド配列に由来しうるヌクレオチド配列である。
【0031】
好適なプライマーの例は、配列番号3、配列番号4、配列番号5(5’隣接配列を認識するプライマー)、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11(5’隣接配列を認識するプライマーとともに使用するための外来DNAを認識するプライマー)、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15(3’隣接配列を認識するプライマーとともに使用するための外来DNAを認識するプライマー)、配列番号16、配列番号17、配列番号18または配列番号19(3’隣接配列を認識するプライマー)のオリゴヌクレオチド配列である。
【0032】
好適なオリゴヌクレオチドプライマーのその他の例は、それぞれの3’末端に、以下の配列を含むか、該配列で構成される。
a.5’隣接配列を認識するプライマー
− 配列番号1、ヌクレオチド23〜ヌクレオチド42のヌクレオチド配列
− 配列番号1、ヌクレオチド68〜ヌクレオチド87のヌクレオチド配列
− 配列番号1、ヌクレオチド69〜ヌクレオチド87のヌクレオチド配列
− 配列番号1、ヌクレオチド69〜ヌクレオチド88のヌクレオチド配列
− 配列番号1、ヌクレオチド134〜ヌクレオチド153のヌクレオチド配列
− 配列番号1、ヌクレオチド22〜ヌクレオチド42のヌクレオチド配列
− 配列番号1、ヌクレオチド30〜ヌクレオチド49のヌクレオチド配列
− 配列番号1、ヌクレオチド67〜ヌクレオチド87のヌクレオチド配列
− 配列番号1、ヌクレオチド70〜ヌクレオチド87のヌクレオチド配列
− 配列番号1、ヌクレオチド70〜ヌクレオチド88のヌクレオチド配列
− 配列番号1、ヌクレオチド76〜ヌクレオチド95のヌクレオチド配列
− 配列番号1、ヌクレオチド78〜ヌクレオチド97のヌクレオチド配列
− 配列番号1、ヌクレオチド133〜ヌクレオチド152のヌクレオチド配列
− 配列番号1、ヌクレオチド21〜ヌクレオチド42のヌクレオチド配列
− 配列番号1、ヌクレオチド31〜ヌクレオチド49のヌクレオチド配列
− 配列番号1、ヌクレオチド34〜ヌクレオチド63のヌクレオチド配列
− 配列番号1、ヌクレオチド66〜ヌクレオチド87のヌクレオチド配列
− 配列番号1、ヌクレオチド68〜ヌクレオチド88のヌクレオチド配列
− 配列番号1、ヌクレオチド73〜ヌクレオチド92のヌクレオチド配列
− 配列番号1、ヌクレオチド75〜ヌクレオチド95のヌクレオチド配列
− 配列番号1、ヌクレオチド77〜ヌクレオチド97のヌクレオチド配列
− 配列番号1、ヌクレオチド77〜ヌクレオチド95のヌクレオチド配列
− 配列番号1、ヌクレオチド134〜ヌクレオチド152のヌクレオチド配列
− 配列番号1、ヌクレオチド154〜ヌクレオチド173のヌクレオチド配列
− 配列番号1、ヌクレオチド22〜ヌクレオチド43のヌクレオチド配列
− 配列番号1、ヌクレオチド33〜ヌクレオチド53のヌクレオチド配列
− 配列番号1、ヌクレオチド35〜ヌクレオチド53のヌクレオチド配列
− 配列番号1、ヌクレオチド67〜ヌクレオチド88のヌクレオチド配列
− 配列番号1、ヌクレオチド72〜ヌクレオチド92のヌクレオチド配列
− 配列番号1、ヌクレオチド74〜ヌクレオチド92のヌクレオチド配列
− 配列番号1、ヌクレオチド76〜ヌクレオチド97のヌクレオチド配列
− 配列番号1、ヌクレオチド78〜ヌクレオチド95のヌクレオチド配列
− 配列番号1、ヌクレオチド135〜ヌクレオチド152のヌクレオチド配列
− 配列番号1、ヌクレオチド154〜ヌクレオチド171のヌクレオチド配列
− 配列番号1、ヌクレオチド32〜ヌクレオチド53のヌクレオチド配列
− 配列番号1、ヌクレオチド36〜ヌクレオチド57のヌクレオチド配列
− 配列番号1、ヌクレオチド71〜ヌクレオチド92のヌクレオチド配列
− 配列番号1、ヌクレオチド74〜ヌクレオチド95のヌクレオチド配列
− 配列番号1、ヌクレオチド75〜ヌクレオチド92のヌクレオチド配列
− 配列番号1、ヌクレオチド32〜ヌクレオチド51のヌクレオチド配列
− 配列番号1、ヌクレオチド31〜ヌクレオチド51のヌクレオチド配列
− 配列番号1、ヌクレオチド33〜ヌクレオチド51のヌクレオチド配列
− 配列番号1、ヌクレオチド30〜ヌクレオチド51のヌクレオチド配列
− 配列番号1、ヌクレオチド34〜ヌクレオチド51のヌクレオチド配列
− 配列番号1、ヌクレオチド205〜ヌクレオチド226のヌクレオチド配列
【0033】
b.5’隣接配列を認識するプライマーとともに使用するための外来DNAを認識するプライマー
− 配列番号1、ヌクレオチド201〜ヌクレオチド220のヌクレオチド配列の相補体
− 配列番号1、ヌクレオチド220〜ヌクレオチド239のヌクレオチド配列の相補体
− 配列番号1、ヌクレオチド361〜ヌクレオチド380のヌクレオチド配列の相補体
− 配列番号1、ヌクレオチド366〜ヌクレオチド385のヌクレオチド配列の相補体
− 配列番号1、ヌクレオチド201〜ヌクレオチド219のヌクレオチド配列の相補体
− 配列番号1、ヌクレオチド220〜ヌクレオチド238のヌクレオチド配列の相補体
− 配列番号1、ヌクレオチド221〜ヌクレオチド239のヌクレオチド配列の相補体
− 配列番号1、ヌクレオチド358〜ヌクレオチド377のヌクレオチド配列の相補体
− 配列番号1、ヌクレオチド359〜ヌクレオチド378のヌクレオチド配列の相補体
− 配列番号1、ヌクレオチド361〜ヌクレオチド379のヌクレオチド配列の相補体
− 配列番号1、ヌクレオチド366〜ヌクレオチド384のヌクレオチド配列の相補体
− 配列番号1、ヌクレオチド368〜ヌクレオチド387のヌクレオチド配列の相補体
− 配列番号1、ヌクレオチド496〜ヌクレオチド515のヌクレオチド配列の相補体
− 配列番号1、ヌクレオチド656〜ヌクレオチド675のヌクレオチド配列の相補体
− 配列番号1、ヌクレオチド201〜ヌクレオチド218のヌクレオチド配列の相補体
− 配列番号1、ヌクレオチド220〜ヌクレオチド237のヌクレオチド配列の相補体
− 配列番号1、ヌクレオチド221〜ヌクレオチド238のヌクレオチド配列の相補体
− 配列番号1、ヌクレオチド220〜ヌクレオチド240のヌクレオチド配列の相補体
− 配列番号1、ヌクレオチド221〜ヌクレオチド240のヌクレオチド配列の相補体
− 配列番号1、ヌクレオチド251〜ヌクレオチド270のヌクレオチド配列の相補体
− 配列番号1、ヌクレオチド252〜ヌクレオチド271のヌクレオチド配列の相補体
− 配列番号1、ヌクレオチド253〜ヌクレオチド272のヌクレオチド配列の相補体
− 配列番号1、ヌクレオチド359〜ヌクレオチド377のヌクレオチド配列の相補体
− 配列番号1、ヌクレオチド361〜ヌクレオチド378のヌクレオチド配列の相補体
− 配列番号1、ヌクレオチド358〜ヌクレオチド378のヌクレオチド配列の相補体
− 配列番号1、ヌクレオチド359〜ヌクレオチド379のヌクレオチド配列の相補体
− 配列番号1、ヌクレオチド361〜ヌクレオチド382のヌクレオチド配列の相補体
− 配列番号1、ヌクレオチド366〜ヌクレオチド383のヌクレオチド配列の相補体
− 配列番号1、ヌクレオチド368〜ヌクレオチド386のヌクレオチド配列の相補体
− 配列番号1、ヌクレオチド366〜ヌクレオチド386のヌクレオチド配列の相補体
− 配列番号1、ヌクレオチド375〜ヌクレオチド393のヌクレオチド配列の相補体
− 配列番号1、ヌクレオチド375〜ヌクレオチド394のヌクレオチド配列の相補体
− 配列番号1、ヌクレオチド496〜ヌクレオチド514のヌクレオチド配列の相補体
− 配列番号1、ヌクレオチド498〜ヌクレオチド515のヌクレオチド配列の相補体
− 配列番号1、ヌクレオチド562〜ヌクレオチド581のヌクレオチド配列の相補体
− 配列番号1、ヌクレオチド608〜ヌクレオチド627のヌクレオチド配列の相補体
− 配列番号1、ヌクレオチド651〜ヌクレオチド670のヌクレオチド配列の相補体
− 配列番号1、ヌクレオチド655〜ヌクレオチド674のヌクレオチド配列の相補体
− 配列番号1、ヌクレオチド656〜ヌクレオチド674のヌクレオチド配列の相補体
− 配列番号1、ヌクレオチド656〜ヌクレオチド676のヌクレオチド配列の相補体
− 配列番号1、ヌクレオチド669〜ヌクレオチド678のヌクレオチド配列の相補体
− 配列番号1、ヌクレオチド252〜ヌクレオチド270のヌクレオチド配列の相補体
− 配列番号1、ヌクレオチド253〜ヌクレオチド271のヌクレオチド配列の相補体
− 配列番号1、ヌクレオチド251〜ヌクレオチド271のヌクレオチド配列の相補体
− 配列番号1、ヌクレオチド252〜ヌクレオチド272のヌクレオチド配列の相補体
− 配列番号1、ヌクレオチド267〜ヌクレオチド286のヌクレオチド配列の相補体
− 配列番号1、ヌクレオチド359〜ヌクレオチド376のヌクレオチド配列の相補体
− 配列番号1、ヌクレオチド358〜ヌクレオチド379のヌクレオチド配列の相補体
− 配列番号1、ヌクレオチド362〜ヌクレオチド379のヌクレオチド配列の相補体
− 配列番号1、ヌクレオチド359〜ヌクレオチド380のヌクレオチド配列の相補体
− 配列番号1、ヌクレオチド368〜ヌクレオチド385のヌクレオチド配列の相補体
− 配列番号1、ヌクレオチド368〜ヌクレオチド388のヌクレオチド配列の相補体
− 配列番号1、ヌクレオチド375〜ヌクレオチド392のヌクレオチド配列の相補体
− 配列番号1、ヌクレオチド376〜ヌクレオチド393のヌクレオチド配列の相補体
− 配列番号1、ヌクレオチド376〜ヌクレオチド394のヌクレオチド配列の相補体
− 配列番号1、ヌクレオチド376〜ヌクレオチド395のヌクレオチド配列の相補体
− 配列番号1、ヌクレオチド440〜ヌクレオチド459のヌクレオチド配列の相補体
− 配列番号1、ヌクレオチド442〜ヌクレオチド461のヌクレオチド配列の相補体
− 配列番号1、ヌクレオチド496〜ヌクレオチド513のヌクレオチド配列の相補体
− 配列番号1、ヌクレオチド556〜ヌクレオチド575のヌクレオチド配列の相補体
− 配列番号1、ヌクレオチド558〜ヌクレオチド577のヌクレオチド配列の相補体
− 配列番号1、ヌクレオチド561〜ヌクレオチド580のヌクレオチド配列の相補体
− 配列番号1、ヌクレオチド563〜ヌクレオチド582のヌクレオチド配列の相補体
− 配列番号1、ヌクレオチド562〜ヌクレオチド582のヌクレオチド配列の相補体
− 配列番号1、ヌクレオチド608〜ヌクレオチド628のヌクレオチド配列の相補体
− 配列番号1、ヌクレオチド637〜ヌクレオチド656のヌクレオチド配列の相補体
− 配列番号1、ヌクレオチド644〜ヌクレオチド663のヌクレオチド配列の相補体
− 配列番号1、ヌクレオチド651〜ヌクレオチド669のヌクレオチド配列の相補体
− 配列番号1、ヌクレオチド651〜ヌクレオチド671のヌクレオチド配列の相補体
− 配列番号1、ヌクレオチド656〜ヌクレオチド673のヌクレオチド配列の相補体
− 配列番号1、ヌクレオチド655〜ヌクレオチド675のヌクレオチド配列の相補体
− 配列番号1、ヌクレオチド659〜ヌクレオチド677のヌクレオチド配列の相補体
− 配列番号1、ヌクレオチド659〜ヌクレオチド679のヌクレオチド配列の相補体
− 配列番号1、ヌクレオチド201〜ヌクレオチド222のヌクレオチド配列の相補体
− 配列番号1、ヌクレオチド204〜ヌクレオチド225のヌクレオチド配列の相補体
− 配列番号1、ヌクレオチド223〜ヌクレオチド240のヌクレオチド配列の相補体
− 配列番号1、ヌクレオチド223〜ヌクレオチド241のヌクレオチド配列の相補体
− 配列番号1、ヌクレオチド220〜ヌクレオチド241のヌクレオチド配列の相補体
− 配列番号1、ヌクレオチド221〜ヌクレオチド241のヌクレオチド配列の相補体
− 配列番号1、ヌクレオチド253〜ヌクレオチド270のヌクレオチド配列の相補体
− 配列番号1、ヌクレオチド251〜ヌクレオチド272のヌクレオチド配列の相補体
− 配列番号1、ヌクレオチド252〜ヌクレオチド273のヌクレオチド配列の相補体
− 配列番号1、ヌクレオチド253〜ヌクレオチド274のヌクレオチド配列の相補体
− 配列番号1、ヌクレオチド268〜ヌクレオチド289のヌクレオチド配列の相補体
− 配列番号1、ヌクレオチド377〜ヌクレオチド394のヌクレオチド配列の相補体
− 配列番号1、ヌクレオチド375〜ヌクレオチド395のヌクレオチド配列の相補体
− 配列番号1、ヌクレオチド440〜ヌクレオチド458のヌクレオチド配列の相補体
− 配列番号1、ヌクレオチド442〜ヌクレオチド460のヌクレオチド配列の相補体
− 配列番号1、ヌクレオチド440〜ヌクレオチド460のヌクレオチド配列の相補体
− 配列番号1、ヌクレオチド442〜ヌクレオチド462のヌクレオチド配列の相補体
− 配列番号1、ヌクレオチド492〜ヌクレオチド513のヌクレオチド配列の相補体
− 配列番号1、ヌクレオチド503〜ヌクレオチド522のヌクレオチド配列の相補体
− 配列番号1、ヌクレオチド556〜ヌクレオチド574のヌクレオチド配列の相補体
− 配列番号1、ヌクレオチド556〜ヌクレオチド576のヌクレオチド配列の相補体
− 配列番号1、ヌクレオチド562〜ヌクレオチド579のヌクレオチド配列の相補体
− 配列番号1、ヌクレオチド563〜ヌクレオチド581のヌクレオチド配列の相補体
− 配列番号1、ヌクレオチド563〜ヌクレオチド583のヌクレオチド配列の相補体
− 配列番号1、ヌクレオチド562〜ヌクレオチド583のヌクレオチド配列の相補体
− 配列番号1、ヌクレオチド608〜ヌクレオチド625のヌクレオチド配列の相補体
− 配列番号1、ヌクレオチド608〜ヌクレオチド629のヌクレオチド配列の相補体
− 配列番号1、ヌクレオチド644〜ヌクレオチド662のヌクレオチド配列の相補体
− 配列番号1、ヌクレオチド651〜ヌクレオチド668のヌクレオチド配列の相補体
− 配列番号1、ヌクレオチド651〜ヌクレオチド672のヌクレオチド配列の相補体
− 配列番号1、ヌクレオチド655〜ヌクレオチド676のヌクレオチド配列の相補体
− 配列番号1、ヌクレオチド655〜ヌクレオチド677のヌクレオチド配列の相補体
− 配列番号1、ヌクレオチド659〜ヌクレオチド680のヌクレオチド配列の相補体
− 配列番号1、ヌクレオチド657〜ヌクレオチド688のヌクレオチド配列の相補体
− 配列番号1、ヌクレオチド223〜ヌクレオチド242のヌクレオチド配列の相補体
− 配列番号1、ヌクレオチド267〜ヌクレオチド288のヌクレオチド配列の相補体
− 配列番号1、ヌクレオチド368〜ヌクレオチド389のヌクレオチド配列の相補体
− 配列番号1、ヌクレオチド375〜ヌクレオチド396のヌクレオチド配列の相補体
− 配列番号1、ヌクレオチド376〜ヌクレオチド397のヌクレオチド配列の相補体
− 配列番号1、ヌクレオチド440〜ヌクレオチド457のヌクレオチド配列の相補体
− 配列番号1、ヌクレオチド442〜ヌクレオチド459のヌクレオチド配列の相補体
− 配列番号1、ヌクレオチド442〜ヌクレオチド463のヌクレオチド配列の相補体
− 配列番号1、ヌクレオチド534〜ヌクレオチド553のヌクレオチド配列の相補体
− 配列番号1、ヌクレオチド558〜ヌクレオチド575のヌクレオチド配列の相補体
− 配列番号1、ヌクレオチド556〜ヌクレオチド577のヌクレオチド配列の相補体
− 配列番号1、ヌクレオチド563〜ヌクレオチド580のヌクレオチド配列の相補体
− 配列番号1、ヌクレオチド563〜ヌクレオチド584のヌクレオチド配列の相補体
− 配列番号1、ヌクレオチド644〜ヌクレオチド661のヌクレオチド配列の相補体
− 配列番号1、ヌクレオチド645〜ヌクレオチド662のヌクレオチド配列の相補体
− 配列番号1、ヌクレオチド644〜ヌクレオチド665のヌクレオチド配列の相補体
− 配列番号1、ヌクレオチド645〜ヌクレオチド666のヌクレオチド配列の相補体
− 配列番号1、ヌクレオチド325〜ヌクレオチド342のヌクレオチド配列の相補体
− 配列番号1、ヌクレオチド503〜ヌクレオチド520のヌクレオチド配列の相補体
− 配列番号1、ヌクレオチド534〜ヌクレオチド554のヌクレオチド配列の相補体
− 配列番号1、ヌクレオチド221〜ヌクレオチド242のヌクレオチド配列の相補体
− 配列番号1、ヌクレオチド505〜ヌクレオチド522のヌクレオチド配列の相補体
− 配列番号1、ヌクレオチド534〜ヌクレオチド551のヌクレオチド配列の相補体
− 配列番号1、ヌクレオチド534〜ヌクレオチド555のヌクレオチド配列の相補体
− 配列番号1、ヌクレオチド536〜ヌクレオチド557のヌクレオチド配列の相補体
− 配列番号1、ヌクレオチド551〜ヌクレオチド570のヌクレオチド配列の相補体
− 配列番号1、ヌクレオチド551〜ヌクレオチド571のヌクレオチド配列の相補体
− 配列番号1、ヌクレオチド551〜ヌクレオチド572のヌクレオチド配列の相補体
【0034】
c.3’隣接配列を認識するプライマーとともに使用するための外来DNA配列を認識するプライマー
− 配列番号2、ヌクレオチド955〜ヌクレオチド974のヌクレオチド配列の相補体
− 配列番号2、ヌクレオチド955〜ヌクレオチド973のヌクレオチド配列の相補体
− 配列番号2、ヌクレオチド955〜ヌクレオチド972のヌクレオチド配列の相補体
− 配列番号2、ヌクレオチド958〜ヌクレオチド975のヌクレオチド配列の相補体
− 配列番号2、ヌクレオチド958〜ヌクレオチド977のヌクレオチド配列の相補体
− 配列番号2、ヌクレオチド917〜ヌクレオチド934のヌクレオチド配列の相補体
− 配列番号2、ヌクレオチド947〜ヌクレオチド968のヌクレオチド配列の相補体
− 配列番号2、ヌクレオチド951〜ヌクレオチド968のヌクレオチド配列の相補体
− 配列番号2、ヌクレオチド951〜ヌクレオチド972のヌクレオチド配列の相補体
− 配列番号2、ヌクレオチド958〜ヌクレオチド976のヌクレオチド配列の相補体
− 配列番号2、ヌクレオチド955〜ヌクレオチド976のヌクレオチド配列の相補体
− 配列番号2、ヌクレオチド958〜ヌクレオチド979のヌクレオチド配列の相補体
【0035】
d.3’隣接配列を認識するプライマー
− 配列番号2、ヌクレオチド151〜ヌクレオチド170のヌクレオチド配列
− 配列番号2、ヌクレオチド152〜ヌクレオチド171のヌクレオチド配列
− 配列番号2、ヌクレオチド6〜ヌクレオチド25のヌクレオチド配列
− 配列番号2、ヌクレオチド148〜ヌクレオチド167のヌクレオチド配列
− 配列番号2、ヌクレオチド151〜ヌクレオチド171のヌクレオチド配列
− 配列番号2、ヌクレオチド152〜ヌクレオチド170のヌクレオチド配列
− 配列番号2、ヌクレオチド153〜ヌクレオチド171のヌクレオチド配列
− 配列番号2、ヌクレオチド5〜ヌクレオチド25のヌクレオチド配列
− 配列番号2、ヌクレオチド7〜ヌクレオチド25のヌクレオチド配列
− 配列番号2、ヌクレオチド67〜ヌクレオチド86のヌクレオチド配列
− 配列番号2、ヌクレオチド89〜ヌクレオチド108のヌクレオチド配列
− 配列番号2、ヌクレオチド134〜ヌクレオチド153のヌクレオチド配列
− 配列番号2、ヌクレオチド147〜ヌクレオチド167のヌクレオチド配列
− 配列番号2、ヌクレオチド150〜ヌクレオチド171のヌクレオチド配列
− 配列番号2、ヌクレオチド153〜ヌクレオチド170のヌクレオチド配列
− 配列番号2、ヌクレオチド154〜ヌクレオチド171のヌクレオチド配列
− 配列番号2、ヌクレオチド168〜ヌクレオチド187のヌクレオチド配列
− 配列番号2、ヌクレオチド169〜ヌクレオチド187のヌクレオチド配列
− 配列番号2、ヌクレオチド171〜ヌクレオチド190のヌクレオチド配列
− 配列番号2、ヌクレオチド197〜ヌクレオチド216のヌクレオチド配列
− 配列番号2、ヌクレオチド236〜ヌクレオチド255のヌクレオチド配列
− 配列番号2、ヌクレオチド280〜ヌクレオチド299のヌクレオチド配列
− 配列番号2、ヌクレオチド4〜ヌクレオチド25のヌクレオチド配列
− 配列番号2、ヌクレオチド8〜ヌクレオチド25のヌクレオチド配列
− 配列番号2、ヌクレオチド63〜ヌクレオチド82のヌクレオチド配列
− 配列番号2、ヌクレオチド66〜ヌクレオチド86のヌクレオチド配列
− 配列番号2、ヌクレオチド68〜ヌクレオチド87のヌクレオチド配列
− 配列番号2、ヌクレオチド90〜ヌクレオチド108のヌクレオチド配列
− 配列番号2、ヌクレオチド93〜ヌクレオチド112のヌクレオチド配列
− 配列番号2、ヌクレオチド94〜ヌクレオチド113のヌクレオチド配列
− 配列番号2、ヌクレオチド96〜ヌクレオチド115のヌクレオチド配列
− 配列番号2、ヌクレオチド101〜ヌクレオチド120のヌクレオチド配列
− 配列番号2、ヌクレオチド134〜ヌクレオチド154のヌクレオチド配列
− 配列番号2、ヌクレオチド146〜ヌクレオチド167のヌクレオチド配列
− 配列番号2、ヌクレオチド150〜ヌクレオチド167のヌクレオチド配列
− 配列番号2、ヌクレオチド170〜ヌクレオチド190のヌクレオチド配列
− 配列番号2、ヌクレオチド172〜ヌクレオチド190のヌクレオチド配列
− 配列番号2、ヌクレオチド186〜ヌクレオチド205のヌクレオチド配列
− 配列番号2、ヌクレオチド189〜ヌクレオチド208のヌクレオチド配列
− 配列番号2、ヌクレオチド190〜ヌクレオチド209のヌクレオチド配列
− 配列番号2、ヌクレオチド191〜ヌクレオチド210のヌクレオチド配列
− 配列番号2、ヌクレオチド195〜ヌクレオチド214のヌクレオチド配列
− 配列番号2、ヌクレオチド196〜ヌクレオチド216のヌクレオチド配列
− 配列番号2、ヌクレオチド196〜ヌクレオチド214のヌクレオチド配列
− 配列番号2、ヌクレオチド198〜ヌクレオチド216のヌクレオチド配列
− 配列番号2、ヌクレオチド199〜ヌクレオチド216のヌクレオチド配列
− 配列番号2、ヌクレオチド208〜ヌクレオチド227のヌクレオチド配列
− 配列番号2、ヌクレオチド234〜ヌクレオチド253のヌクレオチド配列
− 配列番号2、ヌクレオチド235〜ヌクレオチド255のヌクレオチド配列
− 配列番号2、ヌクレオチド279〜ヌクレオチド299のヌクレオチド配列
− 配列番号2、ヌクレオチド281〜ヌクレオチド299のヌクレオチド配列
− 配列番号2、ヌクレオチド285〜ヌクレオチド304のヌクレオチド配列
− 配列番号2、ヌクレオチド296〜ヌクレオチド315のヌクレオチド配列
− 配列番号2、ヌクレオチド396〜ヌクレオチド415のヌクレオチド配列
− 配列番号2、ヌクレオチド64〜ヌクレオチド82のヌクレオチド配列
− 配列番号2、ヌクレオチド65〜ヌクレオチド86のヌクレオチド配列
− 配列番号2、ヌクレオチド67〜ヌクレオチド87のヌクレオチド配列
− 配列番号2、ヌクレオチド75〜ヌクレオチド92のヌクレオチド配列
− 配列番号2、ヌクレオチド91〜ヌクレオチド108のヌクレオチド配列
− 配列番号2、ヌクレオチド92〜ヌクレオチド112のヌクレオチド配列
− 配列番号2、ヌクレオチド93〜ヌクレオチド113のヌクレオチド配列
− 配列番号2、ヌクレオチド94〜ヌクレオチド112のヌクレオチド配列
− 配列番号2、ヌクレオチド95〜ヌクレオチド115のヌクレオチド配列
− 配列番号2、ヌクレオチド95〜ヌクレオチド113のヌクレオチド配列
− 配列番号2、ヌクレオチド97〜ヌクレオチド115のヌクレオチド配列
− 配列番号2、ヌクレオチド100〜ヌクレオチド120のヌクレオチド配列
− 配列番号2、ヌクレオチド132〜ヌクレオチド153のヌクレオチド配列
− 配列番号2、ヌクレオチド133〜ヌクレオチド154のヌクレオチド配列
− 配列番号2、ヌクレオチド163〜ヌクレオチド182のヌクレオチド配列
− 配列番号2、ヌクレオチド165〜ヌクレオチド184のヌクレオチド配列
− 配列番号2、ヌクレオチド167〜ヌクレオチド187のヌクレオチド配列
− 配列番号2、ヌクレオチド169〜ヌクレオチド190のヌクレオチド配列
− 配列番号2、ヌクレオチド173〜ヌクレオチド190のヌクレオチド配列
− 配列番号2、ヌクレオチド187〜ヌクレオチド205のヌクレオチド配列
− 配列番号2、ヌクレオチド189〜ヌクレオチド209のヌクレオチド配列
− 配列番号2、ヌクレオチド190〜ヌクレオチド210のヌクレオチド配列
− 配列番号2、ヌクレオチド190〜ヌクレオチド208のヌクレオチド配列
− 配列番号2、ヌクレオチド191〜ヌクレオチド209のヌクレオチド配列
− 配列番号2、ヌクレオチド192〜ヌクレオチド210のヌクレオチド配列
− 配列番号2、ヌクレオチド194〜ヌクレオチド214のヌクレオチド配列
− 配列番号2、ヌクレオチド197〜ヌクレオチド214のヌクレオチド配列
− 配列番号2、ヌクレオチド233〜ヌクレオチド253のヌクレオチド配列
− 配列番号2、ヌクレオチド234〜ヌクレオチド255のヌクレオチド配列
− 配列番号2、ヌクレオチド235〜ヌクレオチド253のヌクレオチド配列
− 配列番号2、ヌクレオチド282〜ヌクレオチド299のヌクレオチド配列
− 配列番号2、ヌクレオチド295〜ヌクレオチド315のヌクレオチド配列
− 配列番号2、ヌクレオチド297〜ヌクレオチド315のヌクレオチド配列
− 配列番号2、ヌクレオチド397〜ヌクレオチド415のヌクレオチド配列
− 配列番号2、ヌクレオチド65〜ヌクレオチド82のヌクレオチド配列
− 配列番号2、ヌクレオチド66〜ヌクレオチド87のヌクレオチド配列
− 配列番号2、ヌクレオチド75〜ヌクレオチド96のヌクレオチド配列
− 配列番号2、ヌクレオチド91〜ヌクレオチド112のヌクレオチド配列
− 配列番号2、ヌクレオチド92〜ヌクレオチド112のヌクレオチド配列
− 配列番号2、ヌクレオチド94〜ヌクレオチド115のヌクレオチド配列
− 配列番号2、ヌクレオチド95〜ヌクレオチド112のヌクレオチド配列
− 配列番号2、ヌクレオチド98〜ヌクレオチド115のヌクレオチド配列
− 配列番号2、ヌクレオチド99〜ヌクレオチド120のヌクレオチド配列
− 配列番号2、ヌクレオチド162〜ヌクレオチド182のヌクレオチド配列
− 配列番号2、ヌクレオチド164〜ヌクレオチド182のヌクレオチド配列
− 配列番号2、ヌクレオチド164〜ヌクレオチド184のヌクレオチド配列
− 配列番号2、ヌクレオチド164〜ヌクレオチド184のヌクレオチド配列
− 配列番号2、ヌクレオチド184〜ヌクレオチド205のヌクレオチド配列
− 配列番号2、ヌクレオチド187〜ヌクレオチド208のヌクレオチド配列
− 配列番号2、ヌクレオチド188〜ヌクレオチド205のヌクレオチド配列
− 配列番号2、ヌクレオチド188〜ヌクレオチド209のヌクレオチド配列
− 配列番号2、ヌクレオチド189〜ヌクレオチド210のヌクレオチド配列
− 配列番号2、ヌクレオチド191〜ヌクレオチド208のヌクレオチド配列
− 配列番号2、ヌクレオチド192〜ヌクレオチド209のヌクレオチド配列
− 配列番号2、ヌクレオチド193〜ヌクレオチド214のヌクレオチド配列
− 配列番号2、ヌクレオチド205〜ヌクレオチド212のヌクレオチド配列
− 配列番号2、ヌクレオチド232〜ヌクレオチド253のヌクレオチド配列
− 配列番号2、ヌクレオチド236〜ヌクレオチド253のヌクレオチド配列
− 配列番号2、ヌクレオチド242〜ヌクレオチド261のヌクレオチド配列
− 配列番号2、ヌクレオチド278〜ヌクレオチド299のヌクレオチド配列
− 配列番号2、ヌクレオチド283〜ヌクレオチド304のヌクレオチド配列
− 配列番号2、ヌクレオチド287〜ヌクレオチド304のヌクレオチド配列
− 配列番号2、ヌクレオチド294〜ヌクレオチド315のヌクレオチド配列
− 配列番号2、ヌクレオチド298〜ヌクレオチド315のヌクレオチド配列
− 配列番号2、ヌクレオチド332〜ヌクレオチド349のヌクレオチド配列
− 配列番号2、ヌクレオチド398〜ヌクレオチド415のヌクレオチド配列
− 配列番号2、ヌクレオチド161〜ヌクレオチド182のヌクレオチド配列
− 配列番号2、ヌクレオチド163〜ヌクレオチド184のヌクレオチド配列
− 配列番号2、ヌクレオチド165〜ヌクレオチド182のヌクレオチド配列
− 配列番号2、ヌクレオチド166〜ヌクレオチド187のヌクレオチド配列
− 配列番号2、ヌクレオチド241〜ヌクレオチド261のヌクレオチド配列
− 配列番号2、ヌクレオチド243〜ヌクレオチド261のヌクレオチド配列
− 配列番号2、ヌクレオチド244〜ヌクレオチド261のヌクレオチド配列
− 配列番号2、ヌクレオチド240〜ヌクレオチド261のヌクレオチド配列
− 配列番号2、ヌクレオチド126〜ヌクレオチド145のヌクレオチド配列
− 配列番号2、ヌクレオチド208〜ヌクレオチド225のヌクレオチド配列
− 配列番号2、ヌクレオチド124〜ヌクレオチド145のヌクレオチド配列
− 配列番号2、ヌクレオチド75〜ヌクレオチド94のヌクレオチド配列
− 配列番号2、ヌクレオチド231〜ヌクレオチド250のヌクレオチド配列
− 配列番号2、ヌクレオチド243〜ヌクレオチド262のヌクレオチド配列
− 配列番号2、ヌクレオチド230〜ヌクレオチド250のヌクレオチド配列
− 配列番号2、ヌクレオチド232〜ヌクレオチド250のヌクレオチド配列
− 配列番号2、ヌクレオチド242〜ヌクレオチド262のヌクレオチド配列
− 配列番号2、ヌクレオチド244〜ヌクレオチド262のヌクレオチド配列
− 配列番号2、ヌクレオチド229〜ヌクレオチド250のヌクレオチド配列
− 配列番号2、ヌクレオチド241〜ヌクレオチド262のヌクレオチド配列
− 配列番号2、ヌクレオチド245〜ヌクレオチド262のヌクレオチド配列
− 配列番号2、ヌクレオチド287〜ヌクレオチド306のヌクレオチド配列
− 配列番号2、ヌクレオチド288〜ヌクレオチド306のヌクレオチド配列
− 配列番号2、ヌクレオチド230〜ヌクレオチド247のヌクレオチド配列
− 配列番号2、ヌクレオチド285〜ヌクレオチド306のヌクレオチド配列
− 配列番号2、ヌクレオチド289〜ヌクレオチド306のヌクレオチド配列
− 配列番号2、ヌクレオチド282〜ヌクレオチド303のヌクレオチド配列
− 配列番号2、ヌクレオチド288〜ヌクレオチド307のヌクレオチド配列
− 配列番号2、ヌクレオチド287〜ヌクレオチド307のヌクレオチド配列
− 配列番号2、ヌクレオチド289〜ヌクレオチド307のヌクレオチド配列
− 配列番号2、ヌクレオチド286〜ヌクレオチド307のヌクレオチド配列
− 配列番号2、ヌクレオチド290〜ヌクレオチド307のヌクレオチド配列
− 配列番号2、ヌクレオチド229〜ヌクレオチド248のヌクレオチド配列
− 配列番号2、ヌクレオチド230〜ヌクレオチド248のヌクレオチド配列
− 配列番号2、ヌクレオチド227〜ヌクレオチド248のヌクレオチド配列
− 配列番号2、ヌクレオチド231〜ヌクレオチド248のヌクレオチド配列
【0036】
本明細書で使用しているように、「位置Xから位置Yまでの配列番号Zのヌクレオチド配列」は、ヌクレオチドの両末端を含むヌクレオチド配列を示している。
【0037】
好ましくは、組込みフラグメントは、50〜500ヌクレオチド、もっとも好ましくは100〜350ヌクレオチドの長さを有する。特異的プライマーは、エリートイベントおよびエリートイベントの外来DNAのそれぞれ5’または3’の隣接領域中の配列に対して80〜100%一致する配列を有していてもよいが、ただしミスマッチは最適化PCR条件下、これらのプライマーでエリートイベントのさらなる特異的な同定を許容する。しかし、許容されるミスマッチの範囲は、実験的に容易に判断でき、当業者にとって公知である。
【0038】
以下の表は、選択したPCRプライマー対を用いて、期待されるDNAアンプリコン(または組込みフラグメント)のサイズを例示している。
【0039】
【表1】

【0040】
組込みフラグメントの検出は、例えばゲル解析後のサイズ推定を介するなど、さまざまな方法で行われる。組込みフラグメントは、直接配列決定してもよい。増幅DNAフラグメントを検出するための他の配列特異的方法も、当技術分野で公知である。
【0041】
プライマー配列とゲノム中のその相対的位置は、エリートイベントにとって固有であるため、組込みフラグメントの増幅は、エリートイベント(の核酸)を含む生物サンプルでのみ行われるであろう。未知のサンプルにおけるA2704−12の存在を同定するためにPCRを実施する場合は、対照は、イベントの植物種の「ハウスキーピング遺伝子」中のフラグメントを増幅できる、一組のプライマーを含むことが好ましい。ハウスキーピング遺伝子は、ほとんどの細胞型で発現し、すべての細胞に共通の基本的代謝活性に関与する遺伝子である。ハウスキーピング遺伝子から増幅されたフラグメントは、増幅された組込みフラグメントより大きいことが好ましい。解析の対象となるサンプルによっては、他の対照を含むこともできる。
【0042】
標準のPCRプロトコルについては、当技術分野における、"PCR Applications Manual" (Roche Molecular Boichemicals, 2nd Edition, 1999)などに記載されている。特異的プライマーの配列を含むPCRの最適条件が、各エリートイベントごとに「PCR同定プロトコル」に特定されている。しかし、PCR同定プロトコル中の多数のパラメータは特定の実験室の条件に合わせて調整する必要があり、類似した結果を得られるよう多少改変してもよいと理解される。例えば、DNAを調製するための別の方法では、例えば、使用するプライマーの量、ポリメラーゼおよびアニーリング条件の調整が必要である。同様に、他のプライマーを選択すると、PCR同定プロトコルの他の最適条件に決定するかもしれない。ただし、これらの調整は、当業者にとって明白であり、したがって、上記に引用したマニュアルのような最新のPCRアプリケーションマニュアルに詳細な記載がある。
【0043】
または、特異的プライマーを、生物サンプル内のA2704−12を同定するための「特異的プローブ」として使用可能な組込みフラグメントを増幅するのに用いることができる。核酸内の対応するフラグメントとのプローブのハイブリダイゼーションが可能な条件下で生物サンプルの核酸をプローブと接触させると、核酸/プローブハイブリッドが形成される。このハイブリッドの形成は、(例えば、核酸またはプローブの標識などで)検出可能であるので、このハイブリッドの形成は、A2704−12の存在を示すものである。当技術分野においては、(固相担体上または溶液内における)特異的プローブとのハイブリダイゼーションに基づいた該同定法についての記述がある。特異的プローブは、最適化条件下では、エリートイベントの5’または3’隣接領域にあり、好ましくはそこに隣接した外来DNAの部分も含む領域(以後「特異的領域」と表す)に特異的にハイブリダイズする配列であることが好ましい。好ましくは、特異的プローブは特異的領域のヌクレオチド配列に対して、少なくとも80%、好ましくは80〜85%、さらに好ましくは85〜90%、特に好ましくは90〜95%、もっとも好ましくは95〜100%一致し(または相補的で)、50〜500bp、好ましくは100〜350bpの配列を含む。好ましくは、特異的プローブは、エリートイベントの特異的領域に一致する(または相補的な)約15〜約100個の隣接ヌクレオチドの配列を含むであろう。
【0044】
本明細書で使用されている「キット」とは、本発明の方法を実施するための、特に生物サンプル中でエリートイベントA2704−12を同定するための試薬一式を表す。特に、本発明のキットの好ましい実施態様は、上記のように少なくとも一つまたは二つの特異的プライマーを含む。場合によっては、PCR同定プロトコル内で、キットにさらに、本明細書記載の他の任意の試薬を含むことができる。また、本発明のもう一つの実施態様によれば、キットは、生物サンプル内のA2704−12の存在を同定するため生物サンプルの核酸と特異的にハイブリダイズする、上記のような特異的プローブを含むことができる。場合によっては、キットにはさらに、特異的プローブを用いて、生物サンプル中のA2704−12を同定するための(ハイブリダイジング緩衝液、標識などであるが、限定されない)他の任意の試薬を含むことができる。
【0045】
本発明のキットは、食料品や飼料製品などの、植物素材または植物素材を含む素材もしくは植物素材由来の素材中のエリートイベントの検出に使用できるだけでなく、(例えば、種子のロットの純度などの)品質管理を目的として、その構成成分を特異的に調整することができる。
【0046】
本明細書で使用しているように、ヌクレオチド配列(DNAまたはRNA)に関する「配列の同一性」は、二つの配列の短いほうの配列中のヌクレオチドの数で除算した、同一ヌクレオチドを有する位置の数を表す。二つのヌクレオチド配列の配置は、20ヌクレオチドのウィンドウサイズ、4ヌクレオチドのワード長および4のギャップペナルティを用いた、Wilburおよび Lipmann アルゴリズム(Wilbur and Lipmann, 1983, Proc.Nat.Acad.Sci.USA 80:726)によって実施する。上記のような配列アラインメントなど、配列データのコンピュータ支援解析や解釈は、例えば、IntelligeneticsTM Suite (Intelligenetics Inc., CA)プログラムまたはGenetics Computer Group (GCG, University of Wisconsin Biotechnology Center)の配列解析ソフトウェアパッケージを用いると、首尾よく実施できる。
【0047】
配列が、少なくとも約75%、特には少なくとも約80%、より特には少なくとも約85%、さらにより特には約90%、とりわけ特に95%、さらにとりわけ特には100%の配列同一性を有する場合には、該配列を「本質的に類似している」として示す。RNA配列が本質的に類似しているかまたはDNA配列と一定の度合いの配列同一性を有していると言われる場合には、DNA配列中のチミジン(T)はRNA配列中のウラシル(U)に等しいとみなされることは明白である。
【0048】
本明細書で使用しているような「プライマー」という用語は、PCRなどの鋳型依存工程で新生核酸の合成を準備させることのできる任意の核酸を含む。通常、プライマーは、10〜30ヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドであるが、これより長い配列も採用可能である。プライマーは二重鎖形態で提供してもよいが、一重鎖形態が好ましい。プローブはプライマーとして使用できるが、標的DNAまたはRNAに結合するように設計されており、増幅工程では使用する必要がない。
【0049】
特異的プライマーを表すのに本明細書で使用しているような「認識する」という用語は、(PCR同定プロトコルの条件など)方法に規定されている条件下で、エリートイベント中の核酸配列に特異的プライマーが特異的にハイブリダイズするので、特異性は陽性対照と陰性対照の存在によって判定されるという事実を表す。
【0050】
特異的プローブを表すのに本明細書で使用しているような「ハイブリダイズする」という用語は、標準のストリンジェンシー条件下で、エリートイベントの核酸配列中の特異的領域にプローブが結合するという事実を表す。本明細書で使用されているような、標準のストリンジェンシー条件は、本明細書記載のハイブリダイゼーションの条件、またはSambrookらによって記述されているような(Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Second Edition, Cold Spring Harbour Laboratory Press, NY)、例えば、1)フィルター上に植物ゲノムDNAフラグメントを固定する工程、2)50%のホルムアルデヒド、5X SSPE、2X Denhard’t の試薬および0.1%のSDS中で、42℃で1〜2時間、または6X SSC、2X Denhard’t の試薬および0.1%のSDS中で、68℃で1〜2時間かけてフィルターをプレハイブリダイズする工程、3)標識を付けたハイブリダイゼーションプローブを添加する工程、4)16〜24時間インキュベーションする工程、5)1X SSC、0.1%SDS中で、室温で20分間フィルターを洗浄する工程、6)0.2X SSC、0.1%SDS中で、68℃でそれぞれ20分間フィルターを3回洗浄する工程、および7)増感スクリーンを使用して、−70℃でX線フィルムに24〜48時間フィルターをさらす工程、を含むことのできる従来のハイブリダイジング条件を表す。
【0051】
本明細書で使用しているように、生物サンプルは、植物、植物素材、植物素材を含む製品のサンプルである。「植物」という用語は、任意の成熟段階におけるダイズ(Glycine max)植物の組織に加えて、任意の種子、葉、茎、花、根、単細胞、配偶子、細胞培養物、組織培養物もしくはプロトプラストなど、該植物から採取したもしくは由来する細胞、組織もしくは器官を含むことを目的としているが、これらに限定されない。本明細書で使用しているように、「植物素材」は、植物から獲得もしくは由来する素材を表す。植物素材を含む製品は、直物素材を使用して生産され、植物素材によって汚染されている可能性のある食品、飼料またはその他の製品に関連する。本発明との関連において、該生物サンプルを、サンプル中の核酸の存在を示唆する、A2704−12に特異的な核酸の存在を調べるため試験するということが理解されよう。したがって、本明細書に引用されている、生物サンプル中のエリートイベントA2704−12を同定するための方法は、エリートイベントを含む核酸の植物サンプルにおける同定に関連する。
【0052】
本明細書で使用しているように、「含む」は、引用されている規定の特徴、整数、工程もしくは構成成分の存在を特定していると解釈するべきであるが、一つ以上の特徴、整数、工程もしくは構成成分、またはその群を除外するものではない。したがって、例えば、ヌクレオチドまたはアミノ酸の配列を含む核酸またはタンパクは、実際に引用されている核酸またはアミノ酸よりも多くのヌクレオチドまたはアミノ酸を含んでいてもよく、すなわちもっと大きな核酸またはタンパク内に組み込まれていてもよい。機能的または構造的に定義されたDNA配列を含むキメラ遺伝子は、別のDNA配列などを含んでいてもよい。
【0053】
本発明は、ダイズにおけるエリートイベントA2704−12の発生、本イベントを含む植物、これらの植物および植物細胞から獲得した子孫、またはこのイベントに由来する植物素材にも関する。エリートイベントA2704−12を含む植物を、実施例1に記載しているように獲得した。
【0054】
A2704−12を含むダイズ植物または植物素材は、実施例2にA2704−12に関して記載しているPCR同定プロトコルに従って同定することができる。要するに、生物サンプル中に存在するダイズのゲノムDNAを、配列番号4の配列を有するプライマーなどのA2704−12の5’または3’隣接配列中の配列を特異的に認識するプライマー、および、配列番号8の配列を有するプライマーなどの外来DNA中の配列を認識するプライマーを用いてPCRによって増幅する。内在性ダイズ配列の部分を増幅するDNAプライマーを、PCR増幅のための陽性対照として使用する。PCRの増幅時に、素材が期待サイズのフラグメントを産生したなら、その素材には、エリートイベントA2704−12を抱えるダイズ植物体由来の植物素材が含まれている。
【0055】
A2704−12を抱える植物は、本発明に関し、植物が除草剤Liberty(商標)に耐性のあることを含む、グルフォシネート耐性によって特徴付けられる。Liverty(商標)に対する耐性は、さまざまな方法で試験することができる。本明細書記載のリーフペイント法は、感受性植物を除草せずに、耐性植物と感受性植物との間を区別する必要がある場合に、もっとも有用である。または、耐性は、Liberty(商標)スプレイを塗布することによって試験可能である。最適な結果が得られるように、スプレイを塗布する処置は、葉期V3とV4との間に行わねばならない。耐性植物は、少なくとも200グラムの活性成分/ヘクタール(g.a.i./ha)、好ましくは400g.a.i./ha、さらに可能であるなら1600g.a.i./haまで(通常の圃場の割合の4倍)を有する植物にスプレイしても、植物が除草されないという事実によって特徴付けられる。28〜34oz Liberty(商標)の割合で散布による塗布を実施すべきである。界面活性剤による葉焼けを回避するため、植物の輪生中に直接スプレイを塗布しないように注意を払いながら、平たいファン型のノズルを用いて、1エーカー当たり20ガロンの容積の水で散布すると最適である。除草効果は、48時間内に現れ、5〜7日のうちに明らかに目で確認できるようになる。
【0056】
A2704−12を抱える植物は、PAT検定(De Block ら, 1987)によって判定されたようなフォスフィノスリシンアセチルトランスフェラーゼの細胞中に存在することによってさらに特徴付けられる。
【0057】
A2704−12を抱える植物は、雑草の圧力がない雑草の管理にLiberty(商標)を使用して、米国における市販の多種多様なダイズに比肩しうる農業生産性を有することによっても特徴付けられる。本明細書記載のダイズ植物ゲノムの挿入領域中の外来DNAの存在が、このイベントを含む植物に、特に興味深い表現型特性および分子特性を付与していることが観察された。さらに具体的には、これらの植物のゲノム中のこの特定領域における外来DNAの存在により、植物の所望の農業生産力のどの側面も著しく損なうことなく、対象となる遺伝子の安定した表現型の発現を呈示する植物が得られる。
【0058】
下記の実施例では、生物サンプル中のエリートイベントA2704−12を同定するためのツールの開発について明らかにする。
【0059】
他に特に記載しない限り、全てのDNA組換え技術は、Sambrookら(1989) Molecular Cloning; A Laboratory Manual, Second Edition, Cold Spring Harbour Laboratory Press, NYおよびAusubelら. (1994) Current Protocols in Molecular Biology, Current Protocols, USAの第1巻と2巻に記載しているような標準のプロトコルに従って実施する。植物分子を扱うための標準の材料と方法については、BIOS Scientific Publications Ltd (UK) およびBlackwell Scientific Publications, UK によって出版されたR.D.D. CroyによるPlant Molecular Biology Labfax (1993)に記載がある。
【0060】
説明と実施例では、下記の配列を引用する。
配列番号1: A2704−12の5’隣接領域を含むヌクレオチド配列
配列番号2: A2704−12の3’隣接領域を含むヌクレオチド配列
配列番号3: プライマーHCA148
配列番号4: プライマーDPA021
配列番号5: プライマーKVM176
配列番号6: プライマーKVM174
配列番号7: プライマーKVM177
配列番号8: プライマーDPA024
配列番号9: プライマーMDB390
配列番号10: プライマーHCA023
配列番号11: プライマーDPA007
配列番号12: プライマーYTP007
配列番号13: プライマーMDB452
配列番号14: プライマーHCA014
配列番号15: プライマーMDB402
配列番号16: プライマーHCA074
配列番号17: プライマーSMO017
配列番号18: プライマーSMO027
配列番号19: プライマーSMO033
配列番号20: 対照フラグメントの増幅用プライマー1
配列番号21: 対照フラグメントの増幅用プライマー2
【図面の簡単な説明】
【0061】
下記の実施例は、本発明を本明細書記載の具体的な実施態様に限定するために意図したものではないが、参照により本明細書に援用される添付図と併せて理解されたい。
【図1】引用したヌクレオチド配列とプライマーとの間の関係を示す概略図。黒いバー:外来DNA、明るいバー:植物由来DNA、バーの下側の数字はヌクレオチドの位置を表し;(c)は、示されているヌクレオチド配列の相補体を表す。
【図2】A2704−12用に開発されたPCR同定プロトコル。ゲルの負荷配列、レーン1:トランスジェニックイベントA2704−12を含むダイズ植物由来のDNAサンプル、レーン2:エリートイベントA2704−12を含まないトランスジェニックダイズ植物由来のDNAサンプル、レーン3:野生型ダイズ植物由来の対照DNAサンプル、レーン4:鋳型対照なし、レーン5:分子量マーカー。
【0062】
実施例
エリートイベントA2704−12の隣接領域の同定
Cauliflower Mosaicウィルス由来の構成35Sプロモーターの制御下で、酵素フォスフィノスリシンアセチルトランスフェラーゼをコードするpat遺伝子のコード配列を含むベクターでダイズを形質転換することにより、除草剤耐性ダイズを開発した。
【0063】
除草剤耐性遺伝子の良好な発現と安定性および最適な農業生産性とのその適合性に基づいて、広範囲にわたる選択手順に従ってエリートイベントA2704−12を選択した。
【0064】
Liuら(1995, Plant J. 8(3):457-463)が記載している熱不斉インターレース(TAIL−)PCR法を用いて、A2704−12イベントにおける外来DNAを隣接する領域の配列を判定した。この方法は、特異的製品と非特異的製品の相対的増幅効率を熱により制御できるように、短いほうの任意の変質プライマーとともに、連続反応で3つの入れ子プライマーを使用する。外来DNAの境界までアニールするため、アニーリング条件に基づいて特異的プライマーを選択した。1%のアガロースゲル上で、少量(5μl)の未精製の2級および3級のPCR製品を解析した。3級のPCR製品は、前段階の増幅に使用し生成した後に、DyeDeoxy Terminatorサイクルキットを用いて、自動シーケンサー上で配列決定した。
【0065】
1.1.右(5’)隣接領域
TAIL−PCR法により獲得した5’隣接領域を含むとして同定されているフラグメントを完全に配列決定した(配列番号1)。ヌクレオチド1〜209の間の配列は、植物DNAに対応しており、ヌクレオチド210〜720の間の配列は、外来DNAに対応している。
【0066】
1.2.左(3’)隣接領域
TAIL−PCR法により獲得した3’隣接領域を含むとして同定されているフラグメントを完全に配列決定した(配列番号2)。ヌクレオチド1〜568の間の配列は、外来DNAに対応しており、ヌクレオチド569〜1000の間の配列は、植物DNAに対応している。
【0067】
2.ポリメラーゼ連鎖反応の同定プロトコルの開発
2.1.プライマー
エリートイベント中の配列を認識する特異的プライマーを開発した。特に、A2704−12の5’隣接領域中の配列を認識するプライマーを開発した。次に、プライマーが約183ヌクレオチドの配列に広がるように、外来DNAの配列中で第二のプライマーを選択した。下記のプライマーが、A2704−12DNA上でのPCR反応で特に明確で再現可能な結果を示すことを突き止めた。
【表2】

【0068】
内在性配列を標的とするプライマーを、PCR混合物内に含むことが好ましい。これらのプライマーは、未知のサンプルとDNAの陽性対照での内部対照としての役割を果たす。内在性プライマー対での肯定的結果から、PCR製品を生成するのに十分な品質で多量のDNAが、ゲノムDNAの調製液中に存在することが実証される。Glycine maxでハウスキーピング遺伝子を認識するため、内在性プライマーを選択した。
【表3】

【0069】
2.2.増幅フラグメント
PCR反応における期待増幅フラグメントは下記のとおりである。
プライマー対SOY01−SOY02 413bp(内在性対照)
プライマー対DPA021−DPA024 185bp(A2704−12エリートイベント)
【0070】
2.3.テンプレートDNA
Edwards ら. (Nucleic Acid Research, 19, p1349, 1991) に従って、葉に穴を開けて、テンプレートDNAを調製した。他の方法で調製したDNAの使用時には、各種量の鋳型を用いてテストを実施した。通常、50ngのゲノムテンプレートDNAから、最適な結果が得られる。
【0071】
2.4.割り当てた陽性と陰性対照
偽陽性または偽陰性の誤りを回避するため、PCR実施時に、下記の陽性対照と陰性対照を含む必要がある。
−マスター混合対照(DNA陰性対照)。これは、反応にDNAを付加しないPCRである。期待した結果、すなわちPCR産物が観察されなかったときには、PCR混合物は標的DNAによって汚染されていないことを示している。
−DNA陽性対照(トランスジーン配列を含むことが知られているゲノムDNAサンプル)。この陽性対照の増幅に成功したことにより、標的配列の増幅を可能にする条件下でPCRが実施されたことを示している。
−野生型DNA対照。これは、提供されたテンプレートDNAが非トランスジーン植物から調製されたゲノムDNAであるPCRである。期待した結果、すなわちトランスジーンPCR生成物の増幅は認められないが、内在性PCR生成物の増幅は認められること、が観察されたときには、ゲノムDNAサンプル中には検出可能なトランスジーンのバックグラウンド増幅が存在しないことを示している。
【0072】
2.5.PCR条件
最適な結果を、下記の条件下で得た。
−25μlの反応液のPCR混合物に、下記が含まれている。
2.5μlのテンプレートDNA
2.5μl 10X増幅緩衝液(Taqポリメラーゼとともに供給)
0.5μl 10mM dNTP
0.5μl DPA021(10pmols/μl)
0.5μl DPA024(10pmols/μl)
0.25μl SOY01(10pmols/μl)
0.25μl SOY 02(10pmols/μl)
0.1μl Taq DNA ポリメラーゼ(5ユニット/μl)
水 25μlまで
−最適な結果を得るため従った熱循環プロファイルは、下記のとおりである。
95℃で4分間
続いて、
95℃で1分間
57℃で1分間
72℃で2分間を
5サイクル
続いて、
92℃で30秒間
57℃で30秒間
72℃で1分間を
25サイクル
続いて
72℃で5分間
【0073】
2.6.アガロースゲル解析
PCRの結果を最適に可視化するためには、10〜20μlのPCRサンプルを、適切な分子量マーカー(例えば、100bpラダーPHARMACIA)を用いて1.5%のアガロースゲル(トリスホウ酸塩緩衝液)にアプライする必要があると判断した。
【0074】
2.7.結果の評価
1)DNA陽性対照が、期待PCR生成物(トランスジーンフラグメントと内在性フラグメント)を呈示しない場合、2)DNA陰性対照が、PCR増幅で陰性ではない(フラグメントなし)場合、および3)野生型DNA対照が、期待した結果(内在性フラグメントの増幅)を示さない場合は、一回のPCRの実施と単一のPCR混合物の範囲内でトランスジェニック植物のDNAサンプルから得られたデータは許容不可であると判断した。
【0075】
上記のようにA2704−12に関するPCR同定プロトコルに従うと、期待サイズのトランスジェニックPCR生成物と内在性PCR生成物の可視量を示すレーンは、ゲノムテンプレートDNAを調製した対応する植物が、A2704−12エリートイベントを継承していることを示している。可視量のトランスジェニックPCR生成物のいずれも示さないレーンと可視量の内在性PCR生成物を示すレーンによって、ゲノムテンプレートDNAを調製した、対応する植物が、エリートイベントを含まないことが示される。可視量の内在性PCR生成物とトランスジェニックPCR生成物を示さないレーンによって、ゲノムDNAの品質および/または量が、PCR生成物の生成を可能にしないことが示される。これらの植物は、スコアできない。ゲノムDNAの調製を繰り返し、適切な対照を用いて新たにPCRを実施する必要がある。
【0076】
2.8.A2704−12を同定するための識別PCRプロトコルの使用
未知のものをスクリーニングする前に、適切なすべての対照を用いて、試験を実施する必要がある。開発したプロトコルでは、研究所間で異なる構成要素(テンプレートDNAの調製、Taq DNAポリメラーゼ、プライマーの品質、dNTP、サーモサイクラーなど)に関して最適化を実施する必要があるであろう。
【0077】
内在性配列の増幅は、プロトコルで重要な役割を果たす。公知のトランスジェニックゲノムDNA鋳型内の内在性配列とトランスジェニック配列の両方の等モル量を増幅するPCRおよび熱循環条件を実現しなくてはならない。アガロースゲル電気泳動法で判断されるように同じ臭化エチジウム染色強度で、標的の内在性フラグメントが増幅されないとき、または標的とした配列が増幅されないときは、PCR条件の最適化が必要になろう。
【0078】
一部がA2704−12を含む、多くの植物から得られたGlycine max葉素材を、上記のプロトコルにしたがってテストした。エリートイベントA2704−12のサンプルとGlycine max 野生型のサンプルを、それぞれ陽性対照と陰性対照とした。
【0079】
図2は、多数のダイズ植物サンプルについてのA2704−12に関するエリートイベントPCR同定プロトコルで得た結果を示している(レーン1〜14)。レーン1内のサンプルは、185bpバンドを検出したのでエリートイベントを含んでいることが明らかとなり、レーン2、3および4内のサンプルは、A2704−12を含んでいないことが明らかとなった。レーン2は、別のダイズエリートイベントを含んでおり、レーン3は非トランスジェニックGlycine max対照を表し、レーン4は、陰性対照(水)のサンプルを表し、そしてレーン5は、分子量マーカー(100bp)を表している。
【0080】
3.A2704−12を含む素材を検出するためのプローブとしての、特異的組込みフラグメントの使用
A2704−12の特異的組込みフラグメントを、特異的プライマーDPA021(配列番号4)およびDPA024(配列番号8)を用いたPCR増幅によって、または化学合成によって獲得し、標識を付する。この組込みフラグメントを、生物サンプル中のA2704−12の検出に特異的プローブとして使用する。核酸を、標準の手順に従って、サンプルから抽出する。次に、ハイブリッドの形成を可能にするよう最適化されたハイブリダイゼーション条件下で特異的プローブとこの核酸を接触させる。そして、ハイブリッドの形成の検出は、サンプルにおけるA2704−12核酸の存在を示す。場合によっては、サンプル中の核酸を特異的プローブと接触させる前に特異的プライマーを用いて、増幅する。または、組込みフラグメントの代わりに特異的プローブと接触する前に、核酸に標識を付する。場合によっては、サンプルと接触させる前に、特異的プローブを固体担体(フィルター、ストリップまたはビーズなどであるが、それらに限定されない)に付着させる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生物サンプル中のエリートイベントA2704−12を同定するための方法であって、A2704−12の5’または3’の隣接領域を特異的に認識する特異的プライマーまたはプローブで、A2704−12の特異的領域を検出することを含む方法。
【請求項2】
請求項1記載の方法であって、
前記方法が、少なくとも二つのプライマーとのポリメラーゼ連鎖反応を利用して、前記生物サンプル中に存在する核酸から、100〜500bpの間のDNAフラグメントを増幅することを含み、
前記プライマーのうちの一つが、配列番号1、ヌクレオチド1〜ヌクレオチド209のヌクレオチド配列を有するA2704−12の5’隣接領域、または配列番号2、ヌクレオチド569〜ヌクレオチド1000の相補体のヌクレオチド配列を有するA2704−12の3’隣接領域を認識し、
前記プライマーの他のプライマーが、配列番号1、ヌクレオチド210〜ヌクレオチド720の相補体のヌクレオチド配列、または配列番号2、ヌクレオチド569〜ヌクレオチド1000のヌクレオチド配列を有する外来DNA中の配列を認識する、
方法。
【請求項3】
請求項2記載の方法であって、
5’隣接領域を認識する前記プライマーが、配列番号1、ヌクレオチド1〜ヌクレオチド209のヌクレオチド配列から選択された17〜200の連続的ヌクレオチドのヌクレオチド配列からなるか、またはA2704−12の3’隣接領域を認識する前記プライマーが、配列番号2、ヌクレオチド569〜ヌクレオチド1000の相補体のヌクレオチド配列から選択された17〜200の連続的ヌクレオチドのヌクレオチド配列からなり、かつ
外来DNA中の配列を認識する前記プライマーが、配列番号1、ヌクレオチド210〜ヌクレオチド720の相補体のヌクレオチド配列、または配列番号2、ヌクレオチド569〜ヌクレオチド1000のヌクレオチド配列から選択される17〜200の連続的ヌクレオチドで構成されている、
方法。
【請求項4】
請求項2記載の方法であって、
5’隣接領域を認識する前記プライマーが、配列番号1、ヌクレオチド1〜ヌクレオチド209のヌクレオチド配列から選択された少なくとも17の連続的ヌクレオチドのヌクレオチド配列を3’末端のその極端に含んでいるか、あるいはA2704−12の3’隣接領域を認識する前記プライマーが、配列番号2、ヌクレオチド569〜ヌクレオチド1000の相補体のヌクレオチド配列から選択された少なくとも17の連続的ヌクレオチドのヌクレオチド配列を3’末端のその極端に含んでおり、かつ
外来DNA中の配列を認識する前記プライマーが、配列番号1、ヌクレオチド210〜ヌクレオチド720の相補体のヌクレオチド配列、または配列番号2、ヌクレオチド569〜ヌクレオチド1000のヌクレオチド配列から選択された少なくとも17の連続的ヌクレオチドを3’末端のその極端に含んでいる、
方法。
【請求項5】
前記プライマーがそれぞれ配列番号4と配列番号8の配列を含んでいる、請求項4記載の方法。
【請求項6】
A2704−12同定プロトコルを使用して、約185bpのフラグメントを増幅することを含む、請求項5記載の方法。
【請求項7】
生物サンプル中のエリートイベントA2704−12を同定するためのキットであって、
配列番号1、ヌクレオチド1〜ヌクレオチド209のヌクレオチド配列を有する、A2704−12の5’隣接領域を認識する一つのプライマー、または配列番号2、ヌクレオチド569〜ヌクレオチド1000の相補体のヌクレオチド配列を有する、A2704−12の3’隣接領域を認識する一つのプライマー、および
配列番号1、ヌクレオチド210〜ヌクレオチド720の相補体のヌクレオチド配列、または配列番号2、ヌクレオチド569〜ヌクレオチド1000のヌクレオチド配列を有する前記外来DNA中の配列を認識する一つのプライマーを含む、
キット。
【請求項8】
請求項7記載のキットであって、
5’隣接領域を認識する前記プライマーが、配列番号1、ヌクレオチド1〜ヌクレオチド209のヌクレオチド配列から選択された17〜200の連続的ヌクレオチドのヌクレオチド配列からなるか、あるいはA2704−12の3’隣接領域を認識する前記プライマーが、配列番号2、ヌクレオチド569〜ヌクレオチド1000の相補体のヌクレオチド配列から選択された17〜200の連続的ヌクレオチドのヌクレオチド配列からなり、かつ
外来DNA中の配列を認識する前記プライマーが、配列番号1、ヌクレオチド210〜ヌクレオチド720の相補体のヌクレオチド配列、または配列番号2、ヌクレオチド569〜ヌクレオチド1000のヌクレオチド配列から選択された17〜200の連続的ヌクレオチドからなる、
キット。
【請求項9】
請求項7記載のキットにおいて、
5’隣接領域を認識する前記プライマーが、配列番号1、ヌクレオチド1〜ヌクレオチド209のヌクレオチド配列から選択された少なくとも17の連続的ヌクレオチドのヌクレオチド配列を3’末端のその極端に含んでいるか、あるいはA2704−12の3’隣接領域を認識する前記プライマーが、配列番号2、ヌクレオチド569〜ヌクレオチド1000の相補体のヌクレオチド配列から選択された少なくとも17の連続的ヌクレオチドのヌクレオチド配列を3’末端のその極端に含んでおり、かつ
外来DNA中の配列を認識する前記プライマーが、配列番号1、ヌクレオチド210〜ヌクレオチド720の相補体のヌクレオチド配列、または配列番号2、ヌクレオチド569〜ヌクレオチド1000のヌクレオチド配列から選択された少なくとも17の連続的ヌクレオチドを3’末端のその極端に含んでいる、
キット。
【請求項10】
配列番号4の配列からなるプライマーと、配列番号8の配列からなるプライマーとを含む、請求項7記載のキット。
【請求項11】
A2704−12の5’または3’隣接領域中の配列を最適化したPCR条件下で、特異的に認識する配列を有する、A2704−12 PCR同定プロトコルで使用するためのプライマーであって、
前記5’隣接領域が、配列番号1、ヌクレオチド1〜ヌクレオチド209のヌクレオチド配列を有し、かつ前記3’隣接領域が、配列番号2、ヌクレオチド569〜ヌクレオチド1000の相補体のヌクレオチド配列を有する、
プライマー。
【請求項12】
前記プライマーが、配列番号1、ヌクレオチド1〜ヌクレオチド209のヌクレオチド配列から選択された17〜200の連続的ヌクレオチドのヌクレオチド配列、または配列番号2、ヌクレオチド569〜ヌクレオチド1000の相補体のヌクレオチド配列から選択された17〜200の連続的ヌクレオチドのヌクレオチド配列からなる、請求項11記載のプライマー。
【請求項13】
前記プライマーが、配列番号1、ヌクレオチド1〜ヌクレオチド209のヌクレオチド配列から選択された少なくとも17の連続的ヌクレオチドのヌクレオチド配列、または配列番号2、ヌクレオチド569〜ヌクレオチド1000の相補体のヌクレオチド配列から選択された少なくとも17の連続的ヌクレオチドのヌクレオチド配列を3’末端のその極端に含んでいる、請求項11記載のプライマー。
【請求項14】
配列番号4の配列を3’末端のその極端に含むプライマー。
【請求項15】
配列番号8の配列を3’末端のその極端に含むプライマー。
【請求項16】
A2704−12に対し特異的なプローブを使用して、生物サンプルの核酸をハイブリダイズすることを含む、請求項1記載の方法。
【請求項17】
前記特異的プローブの配列が、A2704−12の5’隣接配列または3’隣接配列の部分、およびそれに隣接している外来DNAの配列を含む配列と、少なくとも80%の配列同一性を有する、請求項16の方法。
【請求項18】
前記特異的プローブの配列が、配列番号1、ヌクレオチド160〜260、または配列番号2、ヌクレオチド520〜620、または前記配列の相補体と、少なくとも80%の配列同一性を有する、請求項17記載の方法。
【請求項19】
生物サンプル中のエリートイベントA2704−12を同定するためのキットであって、A2704−12の特異的領域に特異的にハイブリダイズできる特異的プローブを含む、キット。
【請求項20】
A2704−12の5’隣接配列または3’隣接配列の部分、およびそれに隣接している外来DNAの配列を含む配列と、前記特異的プローブの配列が少なくとも80%の配列同一性を有する、請求項19記載のキット。
【請求項21】
前記特異的プローブの配列が、配列番号1、ヌクレオチド160〜260、または配列番号2、ヌクレオチド520〜620、または前記配列の相補体と少なくとも80%の配列同一性を有する、請求項20記載のキット。
【請求項22】
生物サンプル中のエリートイベントA2704−12を同定するための特異的プローブ。
【請求項23】
A2704−12の5’隣接配列または3’隣接配列の部分、およびそれに隣接している外来DNAの配列を含む配列、またはその相補体と、少なくとも80%の配列同一性を有する、請求項22記載のプローブ。
【請求項24】
配列番号1、ヌクレオチド160〜260、または配列番号2、ヌクレオチド520〜620、または前記配列の相補体と少なくとも80%の配列同一性を有する、請求項23記載のプローブ。
【請求項25】
配列が、配列番号1、ヌクレオチド160〜260、または配列番号2、ヌクレオチド520〜620、または前記配列の相補体に本質的に類似している、生物サンプル中のエリートイベントA2704−12を同定するための特異的プローブ。
【請求項26】
種子サンプルにおいて、A2704−12の5’または3’隣接領域を特異的に認識する特異的プライマーまたはプローブでA2704−12の特異的領域を検出することを含む、種子純度を確認する方法。
【請求項27】
種子ロットのサンプルにおいて、A2704−12の5’または3’隣接領域を特異的に認識する特異的プライマーまたはプローブでA2704−12の特異的領域を検出することを含む、A2704−12の存在を確認するため種子をスクリーニングする方法。
【請求項28】
ゲノム中にエリートイベントA2704−12を含む、ダイズ植物体、または細胞、部分、種子またはその子孫。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公開番号】特開2012−228261(P2012−228261A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−157610(P2012−157610)
【出願日】平成24年7月13日(2012.7.13)
【分割の表示】特願2008−504705(P2008−504705)の分割
【原出願日】平成18年4月4日(2006.4.4)
【出願人】(512135126)バイエル・クロップサイエンス・エヌ・ヴェー (5)
【氏名又は名称原語表記】BAYER CROPSCIENCE N.V.
【Fターム(参考)】