説明

エレクトレット加工装置及びエレクトレット加工方法

【課題】本発明の目的は、液滴と非導電性材との界面の帯電作用における効率(帯電効率)を向上させ、非導電性材を高性能にエレクトレット加工することができるエレクトレット加工装置及びエレクトレット加工方法を提供することにある。
【解決手段】本発明は、液滴を非導電性材に衝突させて、前記非導電性材を帯電させるエレクトレット加工装置であって、非導電性材22に液滴24を噴射する液滴噴射器10と、液滴噴射器10と非導電性材22との間に配置される荷電電極12と、を有し、荷電電極12は、液滴噴射器10から噴射された液滴24が通過させるとともに、液滴24を帯電させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エレクトレット加工装置及びエレクトレット加工方法の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
非導電性材を長期間帯電させた状態に維持させる方法として、コロナ放電を利用したエレクトレット加工方法が知られている。これは、コロナ放電による電界作用によって、非導電性材の双極子にモーメントを発生させ、分極帯電させてエレクトレット加工する方法、コロナ放電によって発生した正あるいは負イオンを非導電性材に注入してエレクトレット加工する方法、又はコロナ放電を間欠的に発生させてエレクトレット加工する方法等である。これらのうち、コロナ放電を間欠的に発生させてエレクトレット加工する方法は、放電空間の電荷密度を低減させ、絶縁破壊の限界値を上げることができる。その結果、高電界環境下でエレクトレット加工を行うことができる。
【0003】
しかし、コロナ放電を利用したエレクトレット加工方法は、高い電界作用を利用した方法であるが、非導電性材の表面又は内部を均一に荷電することが困難である。また、絶縁破壊にまで進展しないまま高電圧が印加され続けて高電界となると、非導電性材の表面では蓄積電荷による反発電界作用によって、微視的な沿面放電が発生し、このエネルギによって蓄積した電荷が漏洩したり、内部にわたって均一に荷電され難いという問題がある。
【0004】
このような問題を解決する方法として、例えば、特許文献1には、水の噴流又は水滴流を非導電性材に十分な圧力で衝突させてエレクトレット加工する方法が提案されている。
【0005】
また、例えば、特許文献2には、溶融押出しされた非導電性繊維を極性液体の液滴から成る霧状領域に通過させた後に捕集することによって、帯電した非導電性材を得るエレクトレット加工方法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特表平9−501604号公報
【特許文献2】国際公開第2003/060218号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記特許文献1,2のような、水を利用したエレクトレット加工における帯電機構については、未だにその現象が詳細に解明されていない。しかし、少なからず、水の液滴が衝突、摩擦、分裂する過程における帯電現象は、液滴と非導電性材との接触面となる界面のイオン吸着性等による帯電作用に依存するものと考えられている。
【0008】
本発明の目的は、液滴と非導電性材との界面の帯電作用における効率(帯電効率)を向上させ、非導電性材を高性能にエレクトレット加工することができるエレクトレット加工装置及びエレクトレット加工方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
液滴を非導電性材に衝突させて、前記非導電性材を帯電させるエレクトレット加工装置であって、前記非導電性材に液滴を噴射する液滴噴射器と、前記液滴噴射器と前記非導電性材との間に配置される荷電電極と、を有し、前記荷電電極は、前記液滴噴射器から噴射された液滴を通過させるとともに、前記液滴を帯電させる。
【0010】
また、前記エレクトレット加工装置において、前記非導電性材を介して前記荷電電極と対向させて配置される接地電極を有し、前記荷電電極と前記接地電極との間で電界空間を形成することが好ましい。
【0011】
また、本発明は、液滴を非導電性材に衝突させて、前記非導電性材を帯電させるエレクトレット加工装置であって、前記非導電性材に液滴を噴射する液滴噴射器と、前記非導電性材を介して、前記液滴噴射器から噴射される液滴の噴射方向に平行に対向配置される荷電電極と接地電極とを有し、前記荷電電極と前記接地電極との間で電界空間を形成する。
【0012】
また、前記エレクトレット加工装置において、前記荷電電極に電圧を印加する電圧印加手段を有し、前記電圧印加手段は、前記液滴噴射器から噴射される液滴の帯電電位と同極性の電圧を前記荷電電極に印加することが好ましい。
【0013】
また、前記エレクトレット加工装置において、前記電圧印加手段は、前記液滴噴射器から平均粒径10μm以下の水の液滴を噴射する場合、マイナスの電圧を前記荷電電極に印加することが好ましい。
【0014】
また、本発明は、液滴を非導電性材に衝突させて、前記非導電性材を帯電させるエレクトレット加工装置であって、前記非導電性材に液滴を噴射する液滴噴射器と、前記非導電性材が配置され、前記液滴噴射器に対向して配置される接地電極と、前記液滴噴射器と前記接地電極との間に設けられ、前記液滴噴射器から噴射された液滴の速度を増幅させる増速器と、を備える。
【0015】
また、前記エレクトレット加工装置において、前記接地電極を回動させる回動機構を備えることが好ましい。
【0016】
また、本発明は、液滴を非導電性材に衝突させて、前記非導電性材を帯電させるエレクトレット加工方法であって、前記非導電性材に向かって液滴を噴射する噴射工程と、前記液滴が前記非導電性材に衝突する前に、電圧印加された荷電電極によって前記液滴を帯電する帯電工程と、を有する。
【0017】
また、前記エレクトレット加工方法において、前記非導電性材を介して、前記荷電電極と対向する接地電極を配置し、前記荷電電極と前記接地電極との間で電界空間を形成する電界空間形成工程を有することが好ましい。
【0018】
また、前記エレクトレット加工方法において、前記帯電工程では、前記噴射工程により噴射された液滴の帯電極性と同極性の電圧を前記荷電電極に印加することが好ましい。
【0019】
また、前記エレクトレット加工方法において、前記噴射工程では、平均粒径10μm以下の水の液滴を噴射し、前記帯電工程では、前記荷電電極にマイナスの電圧を印加することが好ましい。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、液滴と非導電性材との界面の帯電作用における効率(帯電効率)を向上させ、非導電性材を高性能にエレクトレット加工することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本実施形態に係るエレクトレット加工装置の構成の一例を示す模式斜視図である。
【図2】本発明の他の実施形態に係るエレクトレット加工装置の構成の一例を示す模式図である。
【図3】本発明の他の実施形態に係るエレクトレット加工装置の構成の一例を示す模式斜視図である。
【図4】本発明の他の実施形態に係るエレクトレット加工装置の構成の一例を示す模式図である。
【図5】本発明の他の実施形態に係るエレクトレット加工装置の構成の一例を示す模式図である。
【図6】本発明の他の実施形態に係るエレクトレット加工装置の構成の一例を示す模式図である。
【図7】本発明の他の実施形態に係るエレクトレット加工装置の構成の一例を示す模式図である。
【図8】本発明の他の実施形態に係るエレクトレット加工装置の構成の一例を示す模式図である。
【図9】実施例1、比較例1,2の集塵捕集効率を測定するための測定装置の構成を示す模式図である。
【図10】実施例1、比較例1,2の集塵捕集効率を測定した結果を示す図である。
【図11】実施例2、比較例3,4の集塵捕集効率を測定した結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の実施の形態について以下説明する。
【0023】
図1は、本実施形態に係るエレクトレット加工装置の構成の一例を示す模式斜視図である。図1に示すように、エレクトレット加工装置1は、液滴噴射器10、荷電電極12、電圧電源14を有する。
【0024】
液滴噴射器10は、非導電性材に液滴を噴射することができる構成を有していれば特に制限されるものではないが、例えば、図1に示すように、液滴噴射ノズル16、水流ポンプ18、送水管20を備える。図1に示す液滴噴射器10は、稼働した水流ポンプ18から高圧の水流が送水管20を通って液滴噴射ノズル16に供給され、液滴噴射ノズル16から非導電性材22に向かって、液滴24を噴射するものである。液滴噴射器10は、例えば、液滴噴射ノズル16のノズル径を変えたり、水流ポンプ18の水圧を変えること等により、液滴噴射ノズル16から噴射される液滴24の粒径を変えることができるものであることが好ましい。水流ポンプ18から供給される水を液滴噴射ノズル16によって機械的に分裂させて、液滴として噴射することで、液滴噴射ノズル16から噴射された液滴24は帯電する。そして、帯電した液滴24の帯電極性は、液滴の粒径に支配されることが現象理論により明らかにされており、例えば、機械的に分裂した液滴の平均粒径が、10μm以下であれば、液滴の帯電極性は主にマイナスが支配的となり、液滴の帯電電位はマイナスの値を示す。本実施形態の液滴噴射器10は、10μm以下の液滴24を噴射することができるものであることが好ましい。これにより、帯電した液滴の極性を概ねマイナスにすることができる。なお、液滴噴射器10から噴射される液滴24の噴射量、噴射圧は、非導電性材22の大きさ、厚み、目付量等により適宜設定されればよい。液滴噴射器10と荷電電極12との距離は、液滴噴射器10から噴射される液滴24の噴射量、噴射圧、非導電性材22の大きさ、厚み、目付量等により適宜設定されればよい。
【0025】
なお、液滴24の粒径を測定するに当たり、種々の測定装置を使用することができる。本実施形態においては位相ドップラー法(PDA、Phase Doppler Anemometer)に基づいて粒径測定を行っている。具体的には、Dantec Dynamics社の高濃度対応PDAシステムにより液滴24の粒径測定を行っている。
【0026】
本実施形態において、液滴噴射器10から噴射される液滴24、すなわち、エレクトレット加工のために非導電性材22に衝突させる液滴としては、液体フィルタ等により汚れを除去し、出来るだけ清浄にした水を使用することが好ましく、例えば、イオン交換水、蒸留水、逆浸透膜濾過水などの純水、超純水等が挙げられる。導電率の低い水を使用することによって、液滴の誘電率は大きくなるため、液滴噴射器10から噴射される液滴24の帯電量を増加させることができる。水の導電率としては、5μS/cm以下が好ましく、0.05μS/cm以下がより好ましい。
【0027】
また、上記水に水溶性有機溶剤を添加してもよい。水溶性有機溶剤を添加することにより、非導電性材22に対する液滴24の浸透性を向上させることが可能になる。水溶性有機溶剤としては、沸点が水の沸点より低いものが好ましい。すなわち、水溶性有機溶剤は、非導電性材22に対する液滴24の浸透性を向上するために添加するものであるため、一度非導電性材22に浸透させたら、なるべく早く気化、乾燥させることが好ましいからである。好ましくは、水との沸点差が10℃以上ある水溶性有機溶剤がよい。
【0028】
水溶性有機溶剤の種類は、非導電性材22に対する液滴24の浸透性を向上させることが出来るものであれば特に制限されるものではない。例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン類のケトン類、酢酸プロピル、酢酸ブチル等のエステル類、その他アルデヒド類、カルボン酸類等を挙げることができる。特に、アルコール類またはケトン類は好ましく、特にアセトン、イソプロピルアルコール、エタノールのうちの少なくとも1種を用いるのが好ましい。さらに好ましくは、イソプロピルアルコールを主成分とするものが好ましい。
【0029】
また、非導電性材22の材料構造によっては、液滴24を浸透させるのではなく、液滴24と非導電性材22との接触ならびに摩擦によって効果的に非導電性材22を帯電できる場合がある。この場合においては水溶性有機溶剤等を添加せずに、純度の高い純水を用いることが望ましい。
【0030】
図1に示すように、荷電電極12は、液滴噴射器10と非導電性材22との間に配置されている。荷電電極12の構造は、液滴噴射器10から噴射される液滴24を通過させることができる構造であれば特に制限されるものではなく、例えば、メッシュ状、網目状、格子状、ハニカム状のような構造等が挙げられる。荷電電極12に電圧を印加する電圧電源14は、印加する電圧を任意に調整することができるものである。荷電電極12に印加する電圧の範囲は、液滴の導電率、噴射量、噴射圧、液滴の粒径等により適宜設定されればよい。電圧印加された荷電電極12に液滴を通過させることにより、液滴噴射器10により帯電された液滴24は、さらに荷電電極12により再帯電されるため、液滴24の帯電量を増加させることができる。
【0031】
本実施形態に係るエレクトレット加工方法の一例について説明する。本実施形態に係るエレクトレット加工方法は、図1に示すエレクトレット加工装置1を用いて説明する。まず、水流ポンプ18を稼働させ、送水管20に水を流入させる。送水管20に流入した水は、液滴噴射ノズル16に供給され、機械的に分裂されて、液滴噴射ノズル16から非導電性材22に向かって噴射される(噴射工程)。液滴噴射ノズル16から噴射される液滴24は帯電している。液滴噴射ノズル16から10μm以下の平均粒径の液滴24を噴射させることにより、帯電した液滴24の極性を概ねマイナスにすることができる。これにより、液滴24は、その後の荷電電極12によって再帯電される際に、一様に同極性に帯電される。
【0032】
次に、電圧電源14から電圧が印加された荷電電極12に、液滴噴射器10から噴射された液滴24を通過させ、荷電電極12によって液滴24を(再)帯電させる(帯電工程)。これにより、液滴24の帯電量を増加させることができる。特に、帯電した液滴24の帯電電位と同極性の電圧を印加した荷電電極12に液滴24を通過させて、液滴24を再帯電させることが好ましい。例えば、液滴噴射器10から平均粒径10μm以下の水の液滴24を噴射させる場合、液滴24の極性はマイナスが支配的である(すなわち、液滴24の帯電電位はマイナスである)ため、マイナスの電圧を印加した荷電電極12に液滴24を通過させて、液滴24を再帯電させることが好ましい。また、液滴噴射器10から噴射された液滴24の極性が、何らかの作用により、プラスが支配的である(すなわち、液滴24の帯電電位がプラスである)場合、プラスの電圧を印加した荷電電極12に液滴24を通過させて、液滴24を再帯電させることが好ましい。これにより、効率的に液滴24の帯電量を増加させるとともに、液滴24を一様に同極性に再帯電させることができる。液滴24の帯電量が増加することにより、液滴24が非導電性材22に接触した際の帯電効率を向上させることができる。これは、液滴24と非導電性材22との界面における帯電作用を向上させるものと推考する。また、液滴24を一様に同極性に再帯電させることによって、荷電電極12を通過した液滴24が非導電性材22に到達するまでに互いに反発しあう効果を持つため、より多くの液滴24を非導電性材22に衝突させることができ、帯電効果を高めることができる。したがって非導電性材22を高性能にエレクトレット加工することができる。
【0033】
本発明に使用する非導電性材22は、導電性を有するものでなければ特に制限されるものではなく、例えば、非導電性の繊維材料から構成されるシート等である。具体的には、合成繊維或いは天然繊維の織物、編み物、不織布等の繊維シートを挙げることができる。
【0034】
非導電性材22は、体積抵抗率が1014・Ω・cm以上の素材を主体とするものを使用することが好ましい。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリ乳酸等のポリエステル、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリフェニレンサルファイト、フッ素系樹脂、およびこれらの混合物などを挙げることができる。
【0035】
本実施形態のエレクトレット加工装置には、液滴噴射器、荷電電極を複数備えるものであってもよく、その一例を以下に説明する。図2は、本発明の他の実施形態に係るエレクトレット加工装置の構成の一例を示す模式図である。図2に示すように、エレクトレット加工装置2は、非導電性材22に液滴を噴射する液滴噴射器10a,10b、液滴噴射器10a,10bと非導電性材22との間に配置される荷電電極12a,12b、電圧電源14a,14bを備えるものである。図2の液滴噴射器、荷電電極の機能、形状等は、図1に示すものと同様であるため、その説明を省略する。図2のエレクトレット加工装置2のように、非導電性材22の一方の面に向かって液滴24を噴射する液滴噴射器10a、液滴噴射器10aと非導電性材22の一方の面との間に配置される荷電電極12a、他方の面に向かって液滴を噴射する液滴噴射器10b、液滴噴射器10bと非導電性材22の他方の面との間に配置される荷電電極12bを備えることによって、非導電性材22の両面からエレクトレット加工を行うことができ、非導電性材22に液滴24が衝突した際の帯電効率をより向上させることができる。また、一方の荷電電極12aにプラスの電圧を印加し、他方の荷電電極12bにマイナスの電圧を印加することによって、プラスに帯電した液滴24を非導電性材22の一方の面に、マイナスに帯電した液滴24を非導電性材22の他方の面に衝突させ、非導電性材22の両面で異なる極性の電荷を帯電させたエレクトレット加工を行うこともできる。
【0036】
図3は、本発明の他の実施形態に係るエレクトレット加工装置の構成の一例を示す模式斜視図である。図3に示すように、エレクトレット加工装置3は、図1のエレクトレット加工装置1の構成に加え、接地電極26を備えるものである。図3に示すエレクトレット加工装置3において、図1に示すエレクトレット加工装置1と同様の構成については同一の符合を付している。図3に示す接地電極26は、非導電性材22を介して荷電電極12と対向するように配置されている。
【0037】
接地電極26は、電気的に接地されるとともに、この接地は、荷電電極12に電圧を印加する電圧電源14の接地と同じである。接地電極26の構造は、荷電電極12と同様に液滴24を通過させる構造であってもよいし、液滴24を通過させないプレートのような構造であってもよい。なお、非導電性材22は、接地電極26から離間して配置されていてもよく、接地電極26上に配置されるとより好ましい。荷電電極12と接地電極26との距離は、液滴噴射器10から噴射される液滴24の噴射量、噴射圧等により適宜設定されればよい。
【0038】
本実施形態における接地電極26は、荷電電極12との間で電界空間を形成するために設けられるものである。このような電界空間を形成することによって、荷電電極12を通過した液滴が非導電性材22に衝突するまでの間に再帯電させることができ、より効果的に液滴24の帯電量を増加させることができる。
【0039】
次に、本実施形態のエレクトレット加工方法について説明する。エレクトレット加工方法は、図3に示すエレクトレット加工装置3を用いて説明する。上記同様に、まず、液滴噴射器10から非導電性材22に向かって液滴24が噴射される(噴射工程)。液滴噴射器10から噴射される液滴24は帯電している。次に、電圧電源14から電圧が印加された荷電電極12に、液滴噴射器10から噴射された液滴24を通過させ、荷電電極12によって液滴24を(再)帯電させる(帯電工程)。これにより、液滴24の帯電量を増加させることができる。特に、帯電した液滴24の帯電電位と同極性の電圧を印加した荷電電極12に液滴24を通過させて、液滴24を再帯電させることが好ましい。例えば、液滴噴射器10から平均粒径10μm以下の液滴24を噴射させる場合、液滴24の極性はマイナスが支配的である(すなわち、液滴24の帯電電位はマイナスである)ため、マイナスの電圧を印可した荷電電極12に液滴24を通過させて、液滴24を再帯電させることが好ましい。これにより、より効率的に液滴の帯電量を増加させるとともに、液滴を一様に同極性に再帯電させることができる。
【0040】
さらに、本実施形態では、荷電電極12と接地電極26との間に電界空間が形成されている(電界空間形成工程)ため、荷電電極12を通過した液滴24は、さらに非導電性材22に衝突するまで電界空間を通過する。これによって、さらに液滴24は再帯電、荷電電極12にマイナスの電圧が印加されていればマイナスに再帯電される。そのため、より効率的に液滴24の帯電量を増加させるとともに、液滴24を一様に同極性に再帯電させることができる。上記説明したように、液滴24の帯電量が増加することにより、液滴24が非導電性材22に接触した際の帯電効率を向上させることができる。また、液滴24を一様に同極性に再帯電させることによって、より多くの液滴24を非導電性材22に衝突させることができ、帯電効果を高めることができる。したがって非導電性材22を高性能にエレクトレット加工することができる。
【0041】
上記のように、荷電電極12と接地電極26との間に形成される電界空間を利用して、液滴24を再帯電させ、効率的に液滴の帯電量を増加させる場合には、上記のように液滴噴射器10により噴射される液滴24の噴射方向に対して垂直(略垂直も含む)となるように荷電電極12及び接地電極26を配置させなくてもよい。図4は、本発明の他の実施形態に係るエレクトレット加工装置の構成の一例を示す模式図である。図4に示すエレクトレット加工装置4において、図3に示すエレクトレット加工装置3と同様の構成については同一の符合を付している。図4に示すように、エレクトレット加工装置4は、液滴噴射器10から非導電性材22に向かって噴射される液滴24の噴射方向に対して平行(略平行も含む)となるように、荷電電極28及び接地電極26が対向配置されている。そして、荷電電極28と接地電極26との間に、非導電性材22が配置されている。このような構成によっても、液滴噴射器10から噴射された液滴24は、荷電電極28と接地電極26との間に形成される電界空間を通って非導電性材22に衝突する。そのため、液滴24は電界空間により再帯電され、液滴の帯電量を増加させることができる。その結果、液滴24が非導電性材22に接触した際の帯電効率を向上させることができる。また、上記と同様に、帯電した液滴24の帯電電位と同極性の電圧を荷電電極12に印加することによって、液滴を一様に同極性に再帯電させることもできる。
【0042】
本実施形態のエレクトレット加工装置4に用いられる荷電電極28は、液滴噴射器10から噴射される液滴24を通過させる必要がないため、メッシュ状等のような液滴24を通過させる構造であっても、プレート状のような液滴24を通過させない構造等であってもよい。
【0043】
図5は、本発明の他の実施形態に係るエレクトレット加工装置の構成の一例を示す模式図である。図5に示すようにエレクトレット加工装置5は、液滴噴射器11、荷電電極30、電圧電源14、ローラー型接地電極32、接地電極支持ガイド34を有するものである。図5に示すエレクトレット加工装置5において、図1に示すエレクトレット加工装置1と同様の構成については同一の符合を付している。
【0044】
液滴噴射器11の液滴噴射ノズル16a,16bは、液滴噴射ノズル16a,16bから噴射する液滴24が互いに衝突するように所定の傾斜角度が設けられている。上記構成によって、液滴噴射ノズル16a,16bから噴射した液滴24が衝突し、小さい粒径の液滴24を発生させることができる。
【0045】
ローラー型接地電極32は、接地電極支持ガイド34により支持され、且つ非導電性材22を搬送することができるように回転するものである。図5に示すように、ローラー型接地電極32は、円弧状に複数配列されているが必ずしもこれに制限されるものではなく、直線上の接地電極支持ガイド34上にローラー型接地電極32が直線状に複数配列されるものであってもよい。ローラー型接地電極32の幅は、非導電性材22の幅以上とすることが好ましい。荷電電極30の形状は、特に制限されるものではないが、円弧状に配置したローラー型接地電極32と同心円状で円弧形状であることが好ましい。また、荷電電極30は、液滴24を通過させることができるものであればよいが、例えば、線径20〜100μmで、目付が数mm角のメッシュを用いることが好ましい。上記構成のエレクトレット加工装置5によって、非導電性材22を連続的にエレクトレット加工することが可能となる。
【0046】
図6は、本発明の他の実施形態に係るエレクトレット加工装置の構成の一例を示す模式図である。エレクトレット加工装置60は、液滴噴射ノズル16、液滴噴射ノズル16からの液滴を受ける非導電性材38、非導電性材38を保持する保持面を備え、液滴噴射ノズル16に対向して設けられた接地電極26、液滴噴射ノズル16と接地電極26との間に設けられた増速器65、接地電極26を回動させる回動機構66、接地電極26の後方に配置された吸引器67、を備える。ここで、図6には液滴噴射ノズル16、増速器65、接地電極26、吸引器67の配置に沿った方向にx軸をとり、これに直行する軸としてy軸およびz軸を示している。図6では回動機構66はz軸を回転軸として接地電極26を回動させているが、y軸を回転軸として接地電極26を回動させるように構成しても良い。さらに、図6においては荷電電極12及び電圧電源14を省略しているが、これらの構成を備えていても良い。
【0047】
図6に示すエレクトレット加工装置60の構成のうち、増速器65、回動機構66、吸引器67の作用について説明する。
【0048】
増速器65は、液滴噴射ノズル16から噴射された液滴24の速度を増加させるとともに、液滴24の進行方向を調整する機能を有している。具体的な増速器65の例としては、例えば圧縮空気を利用して液滴24を加速させるとともに液滴24の進行方向を調整するトランスベクター(登録商標)等が挙げられる。液滴24が加速されることにより、液滴24が液滴噴射ノズル16から非導電性材38までに至るまでの時間(以下、液滴移動時間と呼ぶ)が短縮される。一般的に、液滴噴射ノズル16から噴射された液滴24は正あるいは負に帯電されるが、非導電性材38に至るまでに大気中の不純物を吸収しながら中和されていく。この中和した液滴24は非導電性材38のエレクトレット化には寄与しにくくなる。液滴24は液滴移動時間が長くなるほど中和されていくので、液滴24の速度を上げて液滴移動時間を短くすることで液滴24の中和を抑制することができる。また、液滴24の速度が上がると衝突速度も上がるため、液滴24が非導電性材38に衝突した際の摩擦による非導電性材38の帯電効果を高めることができる。また、液滴24が液滴放射ノズル16から拡散して非電導性材38から逸脱することが無い様に、増速器65は液滴24の進行方向を調整してより多くの液滴24を非導電性材38に向けることにより、非導電性材38のエレクトレット化が促進される。さらに、増速器65としてトランスベクターを使用した場合には、圧縮空気が非導電性材38を通過することによって非導電性材38に付着した液滴24を除去する効果も期待できる。
【0049】
次に、回動機構66について説明する。回動機構は図6で示すy軸またはz軸を回転軸として接地電極26を回動させる。この様子を図7に示す。図7においては接地電極26の図示を省略し、接地電極26に伴って回動する非導電性材38のみを示している。非導電性材38が回動することにより、回動していない場合と比較して非電導材38の広い範囲にわたって液滴が衝突する。この結果、非導電性材38の広範囲にわたってエレクトレット化が行われる。
【0050】
次に、吸引器67について説明する。吸引器67は、液滴噴射ノズル16側から見て接地電極26の後方に配置され、非電導性材38に付着した液滴24を吸引する。ここで、図6に示す実施形態においては、非導電性材38と吸引器67との間にある接地電極26は、吸引器67が非導電性材38の液滴24を吸引できるように網目状または櫛歯状等の間隙を有する形状となっている。吸引器67が非導電性材38に付着した液滴24を吸引して除去することにより、新鮮な帯電状態の液滴24を継続的に非導電性材38に衝突させることが可能になり、非導電性材38のエレクトレット化が促進される。
【0051】
図8は、本発明の他の実施形態に係るエレクトレット加工装置の構成の一例を示す模式図である。本実施形態におけるエレクトレット加工装置61は、ベルト状に延びた非導電性材68に対して、様々な角度から液滴24を衝突させることにより当該ベルト状非導電性材68をエレクトレット化する。ベルト状非導電性材68は搬送ローラ69によって図8の右側に搬送される。ベルト状非導電性材68から見て搬送ローラ69側には、接地電極26及び吸引器67のセットが複数組(図8では3組)設けられている。一方、ベルト状非導電性材68を挟んで搬送ローラ69と対向する側には、液滴噴射ノズル16と増速器65のセットが設けられている。さらに、液滴噴射ノズル16と増速器65のセット間には気体を噴射するエアブロワー70が設けられている。
【0052】
次に、図8に示すエレクトレット加工装置61におけるエレクトレット加工について説明する。液滴噴射ノズル16と増速器65からなる複数組のセットは、それぞれのセットが異なる角度から液滴24をベルト状非導電性材68に噴射する。これにより、ベルト状非導電性材68が繊維状物質の編物等の入り組んだ構造を有していても隅々まで液滴24を行き渡らせることができ、ベルト状非導電性材68のエレクトレット化が促進される。また、液滴噴射ノズル16と増速器65のセット間に配置されたエアブロワー70は上流の液滴噴射ノズル16によりベルト状非導電性材68上に付着した液滴24を除去するためのものであり、これによりベルト状非導電性材68を乾燥させてから下流でエレクトレット加工ができるようになっている。これにより、下流におけるエレクトレット加工においても新鮮な帯電状態の液滴24をベルト状非導電性材68に衝突させることができる。
【0053】
以下に、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はその要旨を変えない限り、以下の実施例に何ら制限されるものではない。
【実施例1】
【0054】
図3に示すエレクトレット加工装置3を用い、以下の条件で非導電性材をエレクトレット加工した。これを実施例とした。
液滴噴射器から荷電電極までの距離:10mm
荷電電極から接地電極までの距離:15mm
液滴噴射器:平均粒径10μm以下の液滴を噴射
印加電圧:荷電電極に−5kV印加
荷電電極:目付け間隔1.5mm、線径100μmのメッシュ電極(接地電極も同様)
非導電性材:体積抵抗率1016・Ω・cm、目付け量13g/m2
液滴:導電率1μS/cm以下の純水
【0055】
(比較例)
液滴噴射器から非導電性材に向かって液滴を噴射せず、荷電電極に−5kVの電圧を印加して、エレクトレット加工した非導電性材を比較例1とした。その他の条件は、実施例1と同様である。
【0056】
荷電電極を用いず、液滴噴射器から非導電性材に向かって液滴噴射して、エレクトレット加工した非導電性材を比較例2とした。
【0057】
<集塵捕集効率>
実施例1、比較例1,2の性能を評価するために、実施例、比較例1,2の集塵捕集効率を測定した。図9は、実施例1、比較例1,2の集塵捕集効率を測定するための測定装置の構成を示す模式図である。測定装置6のダクト36内に実施例1、比較例1又は比較例2のエレクトレット加工した非導電性材38を接地し、流量計40が通風速度30cm/秒を示すように流量調節バルブ42により調整を行い、ブロア44によってダスト箱46からダクト36へパーティクル(微粒子)を含む気体を送り込み、実施例1、比較例1又は比較例2のエレクトレット加工した非導電性材38によってパーティクルを捕集させた。このとき上流側サンプリング管48と下流側サンプリング管50とを通じてパーティクルをそれぞれパーティクルカウンタ52,54で測定した。そして、下式により、実施例1、比較例1又は比較例2のエレクトレット加工した非導電性材38の集塵捕集効率を求めた。
捕集効率(%)=(1−(下流でのパーティクル個数/上流でのパーティクル個数))
×100
【0058】
図10は、実施例1、比較例1,2の集塵捕集効率を測定した結果を示す図である。縦軸は、比較例1における集塵捕集効率を1とした場合の実施例1及び比較例2の集塵捕集効率の比を表している。
【0059】
図10から明らかなように、実施例1は、比較例1,2に対して高い集塵捕集効率を示した。実施例の作製に用いたエレクトレット加工装置は、平均粒径10μm以下の液滴を噴射して、液滴をマイナスに帯電させ、液滴の帯電電位と同じマイナスの電圧を印加した荷電電極に該液滴を通過させることによって、液滴を再帯電させることができるものである。そのため、帯電量が増加したより多くの液滴を非導電性材に衝突させることができる。さらに、実施例1の作製に用いたエレクトレット加工装置は、荷電電極と接地電極との間に電界空間を形成し、荷電電極を通過してから非導電性材に衝突するまでの間も液滴を再帯電させることができるものである。そのため、帯電量が増加したより多くの液滴を非導電性材に衝突させることができる。その結果、液滴が非導電性材に衝突する際の帯電効率を向上させることができ、非導電性材の帯電量を増加させることができる。
【実施例2】
【0060】
図6に示すエレクトレット加工装置60を用い、以下の条件で非導電性材をエレクトレット加工した。
液滴噴射器から接地電極までの距離:300mm
液滴噴射器:平均粒径10μm以下の液滴を噴射
接地電極:目付け間隔8mm、線径1mmのメッシュ電極
非導電性材:体積抵抗率1016・Ω・cm、目付け量13g/m2
液滴:導電率1μS/cm以下の純水
【0061】
増速器65を使用せずにエレクトレット加工した非導電性材を比較例3とした。その他の条件は、実施例2と同様である。
【0062】
増速器65を使用せず、さらに接地電極26を回動させずにエレクトレット加工した非導電性材を比較例4とした。その他の条件は、実施例2と同様である。
【0063】
図11は、実施例2、比較例3,4の集塵捕集効率を測定した結果を示す図である。縦軸は、比較例4における集塵捕集効率を1とした場合の実施例2及び比較例3の集塵捕集効率の比を表している。図6に示すエレクトレット加工装置60によるエレクトレット加工を行うことにより、非導電性材38に高い捕集能力が付与されたことが理解される。
【符号の説明】
【0064】
1〜5、60、61 エレクトレット加工装置、6 測定装置、10,10a,10b,11 液滴噴射器、12,12a,12b,28、30 荷電電極、14,14a,14b 電圧電源、16,16a,16b 液滴噴射ノズル、18 水流ポンプ、20 送水管、22,38 非導電性材、24 液滴、26 接地電極、32 ローラー型接地電極、34 接地電極支持ガイド、36 ダクト、40 流量計、42 流量調節バルブ、44 ブロア、46 ダスト箱、48 上流側サンプリング管、50 下流側サンプリング管、52,54 パーティクルカウンタ、65 増速器、66 回動機構、67 吸引器、68 ベルト状非導電性材、69 搬送ローラ、70 エアブロワー。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液滴を非導電性材に衝突させて、前記非導電性材を帯電させるエレクトレット加工装置であって、
前記非導電性材に液滴を噴射する液滴噴射器と、
前記液滴噴射器と前記非導電性材との間に配置される荷電電極と、を有し、
前記荷電電極は、前記液滴噴射器から噴射された液滴を通過させるとともに、前記液滴を帯電させることを特徴とするエレクトレット加工装置。
【請求項2】
請求項1記載のエレクトレット加工装置であって、前記非導電性材を介して前記荷電電極と対向させて配置される接地電極を有し、
前記荷電電極と前記接地電極との間で電界空間を形成することを特徴とするエレクトレット加工装置。
【請求項3】
液滴を非導電性材に衝突させて、前記非導電性材を帯電させるエレクトレット加工装置であって、
前記非導電性材に液滴を噴射する液滴噴射器と、
前記非導電性材を介して、前記液滴噴射器から噴射される液滴の噴射方向に平行に対向配置される荷電電極と接地電極とを有し、
前記荷電電極と前記接地電極との間で電界空間を形成することを特徴とするエレクトレット加工装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載のエレクトレット加工装置であって、前記荷電電極に電圧を印加する電圧印加手段を有し、
前記電圧印加手段は、前記液滴噴射器から噴射される液滴の帯電電位と同極性の電圧を前記荷電電極に印加することを特徴とするエレクトレット加工装置。
【請求項5】
請求項4記載のエレクトレット加工装置であって、前記電圧印加手段は、前記液滴噴射器から平均粒径10μm以下の水の液滴を噴射する場合、マイナスの電圧を前記荷電電極に印加することを特徴とするエレクトレット加工装置。
【請求項6】
液滴を非導電性材に衝突させて、前記非導電性材を帯電させるエレクトレット加工装置であって、
前記非導電性材に液滴を噴射する液滴噴射器と、
前記非導電性材が配置され、前記液滴噴射器に対向して配置される接地電極と、
前記液滴噴射器と前記接地電極との間に設けられ、前記液滴噴射器から噴射された液滴の速度を増幅させる増速器と、を備えたことを特徴とするエレクトレット加工装置。
【請求項7】
請求項6に記載のエレクトレット加工装置であって、
前記接地電極を回動させる回動機構を備えたことを特徴とするエレクトレット加工装置。
【請求項8】
液滴を非導電性材に衝突させて、前記非導電性材を帯電させるエレクトレット加工方法であって、
前記非導電性材に向かって液滴を噴射する噴射工程と、前記液滴が前記非導電性材に衝突する前に、電圧印加された荷電電極によって前記液滴を帯電する帯電工程と、を有することを特徴とするエレクトレット加工方法。
【請求項9】
請求項8記載のエレクトレット加工方法であって、前記非導電性材を介して、前記荷電電極と対向する接地電極を配置し、前記荷電電極と前記接地電極との間で電界空間を形成する電界空間形成工程を有することを特徴とするエレクトレット加工方法。
【請求項10】
請求項8又は9記載のエレクトレット加工方法であって、前記帯電工程では、前記噴射工程により噴射された液滴の帯電極性と同極性の電圧を前記荷電電極に印加することを特徴とするエレクトレット加工方法。
【請求項11】
請求項10記載のエレクトレット加工方法であって、前記噴射工程では、平均粒径10μm以下の水の液滴を噴射し、前記帯電工程では、前記荷電電極にマイナスの電圧を印加することを特徴とするエレクトレット加工方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図9】
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【図10】
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【図7】
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【図8】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−17703(P2010−17703A)
【公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−127575(P2009−127575)
【出願日】平成21年5月27日(2009.5.27)
【出願人】(000003609)株式会社豊田中央研究所 (4,200)
【出願人】(000241500)トヨタ紡織株式会社 (2,945)
【Fターム(参考)】