説明

エレクトロスラグ再溶解法による高純度鋼の溶製方法

【課題】極低硫化、極低燐化を同時になし得る高純度鋼の溶製方法を提案する。
【解決手段】連続鋳造法または造塊法により製造した鋼を、エレクトロスラグ再溶解法による再溶解によって高純度鋼に溶製する方法において、前記エレクトロスラグ再溶解時に添加するフラックスおよび溶融時スラグの組成を、
CaO :20〜60mass%、 Al:10〜40mass%、
CaF:20〜60mass%、 T.Fe(酸化鉄):1〜10mass%、
CaO/Al:1.0〜6.0、
に調整する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エレクトロスラグ再溶解法を適用して高純度鋼を溶製する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
高純度鋼は、炭素、珪素、マンガン、燐、硫黄などの不純物元素の含有量が少なく、電気部品、電子部品の素材である特殊合金用素材の鉄源として広く利用されている。
【0003】
その中でも、鉄鉱石を出発原料とする高炉─溶銑予備処理―1次、2次製鋼精錬─連続鋳造(造塊)プロセスを経て製造される高純度鉄は、鉄塩水溶液での電気分解法で製造されたものに比べて純度は低いものの安価かつ多量に製造できる。
【0004】
鉄鉱石を利用して高純度鉄を製造する従来技術として、例えば、特許文献1には、脱酸工程の終了時に、CaOを44〜62重量%、Alを27〜46重量%、SiOを2〜20重量%の範囲内となるCaO─Al─SiOの3元素系のフラックスを溶鋼上に添加し、且つ、脱炭工程移行時には、該フラックス中の(T.Fe+MnO)を3%重量以下に保持したまま溶製を完了するようにした方法が開示されている。
【0005】
また、特許文献2には、製銑、製鋼工程を経た溶鉄中に、鉄鉱石、酸化カルシウム、または多くの溶剤を加えたフラックスを添加し、ガス攪拌により1550〜1680℃の温度に保持し、その後仕上げ精錬する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平9−235611号公報
【特許文献1】特開平6−147567号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上記の特許文献1、特許文献2に開示された方法は、いずれも、炭素、硫黄、マンガンに関してはある程度の低減効果が認められるものの、脱硫については還元精錬を行う必要がある一方、脱燐は酸化精錬を行う必要があるため、とくに燐については、0.002mass%程度までの低減に留まっており、極低硫化と極低燐化を両立させることは困難であった。
【0008】
そこで本発明の目的は、余計な工程を付加することなしに極低硫化、極低燐化を同時に実現することができる高純度鋼の溶製方法を提案するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
従来技術が抱えている上述した問題を克服し、上記目的を達成するために開発した本発明は、連続鋳造法または造塊法により製造した鋼を、エレクトロスラグ再溶解法による再溶解によって高純度鋼に溶製する方法において、前記エレクトロスラグ再溶解時に添加するフラックスおよび溶融時スラグの組成を、
CaO :20〜60mass%、 Al:10〜40mass%、
CaF:20〜60mass%、
T.Fe:1〜10mass%、
CaO/Al:1.0〜6.0、
に調整することを特徴とするエレクトロスラグ再溶解法による高純度鋼の溶製方法である。
【0010】
上記の構成からなる高純度高の溶製方法においては、
1)前記連続鋳造または造塊法により製造した鋼が、高炉から出銑された溶銑について、脱珪、脱マンガン、脱燐および脱硫のいずれか1以上の溶銑予備処理を行い、次いで、転炉において脱炭、脱燐精錬を行い、さらに、真空脱ガス処理を施して極低炭素鋼となるまで脱炭処理した鋼であること、
2)前記エレクトロスラグ再溶解法による再溶解によって得られた鋼は、
P:0.0010mass%以下、 S:0.0010mass%以下、
であること、
3)前記連続鋳造または造塊法により製造した鋼の再溶解は、表面スケール厚が0.5mm以下の時に行うこと、
4)前記再溶解中に、2.0kg/ton以下のAlを添加すること、
さらに、
5)前記フラックスまたはスラグは、1.0〜15.0mass%のSiOを含有し、CaO/SiOが4.0以上になるものであること、
が課題解決のための具体的手段として好ましい。
【発明の効果】
【0011】
上記の構成からなる本発明によれば、前記エレクトロスラグ再溶解時に添加するフラックスおよび溶融時スラグの組成を、CaO
:20〜60mass%、 Al:10〜40mass%、
CaF:20〜60mass%、T.Fe(酸化鉄):1〜10mass%、CaO/Al:1.0〜6.0に調整して再溶解するようにしたため、P、Sの濃度をいずれも0.0010mass%以下に低減することができる。
【0012】
また、本発明にかかるエレクトロスラグ再溶解法による高純度鋼の溶製方法によれば、連続鋳造または造塊法により製造した鋼として、高炉から出銑された溶銑について、脱珪、脱マンガン、脱燐および脱硫のいずれか1以上の溶銑予備処理を行い、次いで、転炉において脱炭、脱燐精錬を行い、さらに、真空脱ガス処理を施して極低炭素鋼となるまで脱炭処理した鋼を用いることとしたため、余計な工程を付加することなしに、しかも、同時に極低硫化、極低燐化することが可能となり、高純度鋼を安価に大量に製造することができる。
【0013】
なお、本発明によれば、エレクトロスラグ再溶解法による再溶解のみによって、P濃度、Sの濃度が共に0.0010mass%以下の極低燐化、極低硫化が可能となる。
【0014】
また、本発明のエレクトロスラグ再溶解法による高純度鋼の溶製方法によれば、連続鋳造または造塊法により製造した鋼の再溶解を、表面スケール厚が0.5mm以下の時に行うようにしたため、スラグ中におけるT.Feの著しい増加を回避することができる。
【0015】
さらに、本発明に係るエレクトロスラグ再溶解法による高純度鋼の溶製方法よれば、再溶解中に2.0kg/ton以下のAlを添加することにより、スラグ中の酸化鉄を還元することができるため、該スラグ中のT.Feの著しい増加を防止し得る。
【0016】
また、本発明によれば、1.0〜15.0mass%のSiOを含むフラックスまたはスラグを用いてCaO/SiOを4.0以上とすることにより、スラグの電気抵抗を増加させることができ鋼塊(電極)の効率的な再溶解が可能となる。また、これにより、スラグの融点の低下し、電極の溶解速度を安定化することができる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明では、エレクトロスラグ再溶解法による再溶解に際して電極として使用する鋼としては、高炉から出銑された溶銑について、脱珪、脱マンガン、脱燐および脱硫のいずれか1以上の溶銑予備処理を行い、次いで、転炉において脱炭、脱燐精錬を行い、さらに、真空脱ガス処理を施して極低炭素鋼となるまで脱炭処理した鋼(C:≦0.0030mass%、Si:≦0.02mass%、Mn:≦0.04mass%、P:≦0.0030mass%、S:≦0.0030mass%、Al:≦0.030mass%、Cr:≦0.02mass%、Ni:≦0.02mass%、Cu:≦0.02mass%、Ti:≦0.002mass%、残部Feおよび不可避的不純物よりなるもの)を用いる。
【0018】
上記の鋼は、連続鋳造または造塊法により鋳片(鋼塊)とした後、電極に加工し、エレクトロスラグ再溶解法により再溶解することになるが、再溶解に際して添加するフラックス、溶融時スラグの組成は、適正範囲に調整する必要がある。
【0019】
本発明では、S濃度を0.0010mass%以下にするため、スラグ中のCaOの濃度を20mass%以上、かつ、CaO/Alを1.0以上にする。
【0020】
というのは、フラックス、スラグのCaOの濃度を20%以上、かつ、CaO/Alを1.0以上とすることにより、下記(1)(2)式の反応に示す如く、スラグ中のCaOによる脱硫が進行することとなり、鋼中のS濃度が0.0010mass%以下の極低硫濃度まで低下させることが可能となるからである。
【0021】
[S]+(CaO)=(CaS)+[O]‥‥‥(1)
[S]+(O2−)=(S2−)+[O]‥‥‥(2)
【0022】
ところで、上記のCaOについては、その濃度が高くなりすぎると、相対的にCaFの濃度が低下し、スラグの融点が上昇する。これによってスラグの溶融性が低下し、流動性が劣化することに伴い、鋼塊の鋳肌が悪くなる(凹凸状のリップルマークの発生)ことが懸念される。このため、本発明では、CaOの濃度を20〜60mass%の範囲とした。
【0023】
Alについては、スラグをジュール発熱させるのに必要な電気抵抗(ρ)を確保すると共に、スラグの融点の低下、電極の溶解速度等の安定化(操業の安定化)、脱硫反応を進行させるのに有用な元素であり、そのためには、その濃度を10mass%以上とする必要がある。
【0024】
一方、Alの濃度が40mass%を超えると、相対的にCaOの濃度が低下し、脱硫反応が低下すると共に、CaFの濃度の低下によりスラグの融点が高くなり、溶融性の低下により流動性が劣化するため鋼塊の鋳肌が悪くなるのが避けられない(凹凸状のリップルマークの発生)。
【0025】
このため、本発明においては、Alの濃度を10〜40mass%の範囲とした。
【0026】
CaFについては、スラグの融点の低下、溶融性、流動性向上のため(鋼塊の鋳肌が悪くなることによる凹凸状のリップルマークの発生防止)、その濃度を20mass%以上とする。
【0027】
しかし、その濃度が60mass%を超えると、相対的にCaOの濃度の低下により脱硫反応が阻害されると共に、Alの濃度の低下、CaOの濃度の低下により電気抵抗(ρ)が低下し、スラグの発熱量が不足して溶解速度等が不安定になる(安定した操業が難しくなる)。
【0028】
このため、本発明では、CaFの濃度を20〜60mass%の範囲とした。
【0029】
T.Fe(酸化鉄)は、鋼中の燐濃度を低下させる点において特に重要となる。T.Fe(酸化鉄)を1mass%以上含有させることにより下記(3)式に示すような脱燐反応が進行し、P濃度を0.0010mass%以下の極低燐濃度まで低下させることができると共に、スラグ中にCaOがあることにより酸化燐イオンがCaPとして安定化し、P濃度の上昇を抑制することが可能となる。
【0030】
2[P]+5[O]+3(O2-)=2(PO)‥‥‥(3)
【0031】
とくに、T.Fe(酸化鉄)の含有量を3mass%以上とすることにより、P濃度を0.0008mass%以下まで低下させることができる。
【0032】
その低減効果は、極低硫化する場合と同様に、CaO/Alを1.0〜6.0とした場合にとくに顕著となる。
【0033】
なお、本発明においては、CaO/Alを6.0以下としたが、その理由は、CaOの濃度が高くなるとスラグの溶融性の低下により流動性が劣化し、鋼塊の鋳肌が悪くなることが懸念される一方、Alの濃度が低くなりすぎると必要な電気抵抗(ρ)を確保することができなくなるからであり、このため本発明では、CaO/Alを6.0以下とした。
【0034】
また、T.Fe(酸化鉄)がスラグ中に1mass%以上存在することにより、下記(4)式に示す反応の如く、スラグからの気化脱硫が進行するため、スラグ中のS濃度が低下し、溶鋼からのスラグへの硫黄の移動が進む方向となり、極低硫化において有利となる。
【0035】
(S2−)+3/2O(g)=SO(g)+(O2−)‥‥‥(4)
【0036】
以上の点から、高炉─脱珪、脱マンガン、脱燐および脱硫のいずれか1以上の溶銑予備処理─転炉による脱炭、脱燐─真空脱ガス処理による極低炭素濃度化─鋳造(連続鋳造法、造塊法)により得られた、上記の組成からなる鋼につき、CaO:20〜60mass%、Al:10〜40mass%、:10〜40mass%、CaF:20〜60mass%、 T.Fe(酸化鉄):1〜10mass%、CaO/Al:1.0〜6.0の範囲に調整されたフラックス、スラグを使用してエレクトロスラグ再溶解法により再溶解することで、硫黄、燐の濃度が共に0.0010mass%以下になる極低硫、極低燐の高純度鋼を溶製することができる。
【0037】
なお、本発明においては、再溶解時においてスラグ中のT.Fe(酸化鉄)の著しい増加を防止するため、エレクトロスラグ再溶解を行うに当たり、再溶解前の鋼(電極)に対して、その表面スケールを取り除いておくのがよい。
【0038】
とくに鋼塊(電極)表面のスケール厚を0.5mm以下にすることにより、再溶解に際してスラグ中のT.Fe(酸化鉄)を10mass%以下にすることができる。
【0039】
また、再溶解に際しては、スラグ中の酸化鉄を還元すると共に、T.Fe(酸化鉄)の著しい増加を防止する観点から、Alを添加することができる。
【0040】
Alは、2.0kg/tを超えて添加された場合に、溶鋼プールの温度低下に起因した鋼塊の鋳肌の不良、スラグ中のAlの増加(Al濃度が40mass%を超える)、鋼塊中のAlの増加(Alの含有量が0.030mass%を超える)につながることが懸念される。そのため、その上限は、2.0kg/tとするのがよく、より好ましくは1.0kg/t以下とするのが好ましい。
【0041】
さらに、本発明においては、鋼塊の再溶解に際してスラグの電気抵抗を高めるため、また、スラグの融点を低下させてその流動性の改善(電極の溶解速度等の安定化)を図るために、上記のフラックス、スラグにSiOを含有させることができる。
【0042】
しかし、SiOを含有させることにより、CaO/SiOが4.0未満になると脱硫黄反応が低下することになるので、SiOを含有するに当たっては、1.0〜15.0の範囲で添加してCaO/SiOが4.0以上とすることが重要である。
【実施例】
【0043】
高炉から出銑した溶銑につき、溶銑予備処理により脱珪、脱燐、脱硫を行い、Si濃度を0.020〜0.040mass%、Mn濃度を0.05〜0.15mass%、P濃度を0.020〜0.040mass%、S濃度を0.0010〜0.0030mass%とした後、転炉において脱炭、脱燐を行い、C濃度を0.015〜0.045mass%、Si濃度を0.02mass%以下、Mn濃度を0.02〜0.04mass%、P濃度を0.0010〜0.0030mass%、S濃度を0.0015〜0.0030mass%とした溶鋼を200t溶製した。
【0044】
そして、得られた溶鋼を取鍋に出鋼した後、一部の溶鋼については、復燐、復硫防止のためにCaO含有フラックスを添加してから、RH式真空脱ガス処理により極低炭素濃度まで脱炭処理を行いC濃度を0.0015mass%以下、N濃度を0.0030mass%以下にした。
【0045】
そして、その後、上記溶鋼のうちの一部については、酸素濃度を0.0200mass%以下にまで低下させるべく、Alを0.030mass%以下の範囲で添加した。
【0046】
また、転炉から出鋼された溶鋼のうちの一部については、スラグの除滓、CaO含有フラックス、Alの添加、溶鋼加熱処理(LF)にて復燐防止、脱硫処理を行った後に、RH式真空脱ガス処理、および真空槽内への酸素供給処理により極低炭素濃度まで脱炭処理を行い、C濃度を0.0030mass%以下、S濃度を0.0030mass%以下、N濃度を0.0030mass%以下とし、そのうちの一部については、酸素濃度を0.0100mass%以下まで低下させるためにAlを0.030mass%以下の範囲で低下させた。
【0047】
次に、上記の工程を経て処理されたそれぞれの溶鋼を用い、連続鋳造法、造塊法により、表1―1、表1―2に示すような成分組成になるサイズ300×400mm(連続鋳造法)、直径450mm(造塊法)の鋼片(鋼塊)を製造した。
【0048】
表1―1

【0049】
表1―2

【0050】
次に、得られた鋼片(鋼塊)を、エレクトロスラグ再溶解用の電極(6ton溶解用)に加工(表面スケール厚を0.5mm以下にしたものを含む)した後、電圧60〜90V、電流10〜15Aの条件のもと、組成を種々変更した表1―1、表1―2の如きフラックス(再溶解前スラグ、再溶解後スラグ)を用いて再溶解処理を行い、直径610mmの鋼塊を製造した。
【0051】
なお、再溶解中、モールド内にはArガスを導入した。また、一部の鋼塊については、再溶解中にモールド内にAlを添加した。
【0052】
得られた鋼塊(再溶解後の鋼塊)のボトム部(下端から長さ方向10%の中央部分)、トップ部(上端から長さ方向10%の中央部分)における成分の分析結果を、電極スケール除去の有無、再溶解中Al添加汚速度原単位(kg/ton)、鋼塊鋳肌状態と共に表2―1、表2―2に併せて示す。
【0053】
表2―1

【0054】
表2―2

【0055】
表2―1、表2―2より明らかなように、本発明に従って製造された鋼(実施例No.1〜16)は、鋼中のS濃度は、0.0010mass%以下、P濃度は、0.0010mass%以下であった。
【0056】
これに対し、本発明で規定する組成を満足しないフラックス、溶解時スラグ(再溶解前スラグ、再溶解後スラグ)を用いて再溶解した鋼(比較例No.17〜26)では、必ずしも本発明で所期したほどの効果が達成されることがないことが確認された。
【0057】
しかも比較例の鋼の再溶解では、操業が不安定であって、鋼塊の鋳肌が悪くなることが認められた。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明によれば、エレクトロスラグ再溶解法を適用した鋼の再溶解において使用するフラックス、スラグの組成を適正範囲にすることで極低硫化、極低燐を同時に達成することが可能となった。
【0059】
本発明によれば、高炉─脱珪、脱マンガン、脱燐および脱硫のいずれか1以上の溶銑予備処理─転炉による脱炭、脱燐─真空脱ガス処理による極低炭素濃度化─鋳造(連続鋳造法、造塊法)によって得られた鋼をエレクトロスラグ再溶解法により再溶解するだけでP、Sが共に0.0010mass%以下になる高純度鋼を安価に大量に製造することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
連続鋳造法または造塊法により製造した鋼を、エレクトロスラグ再溶解法による再溶解によって高純度鋼に溶製する方法において、
前記エレクトロスラグ再溶解時に添加するフラックスおよび溶融時スラグの組成を、
CaO :20〜60mass%、 Al:10〜40mass%、
CaF:20〜60mass%、 T.Fe(酸化鉄):1〜10mass%、
CaO/Al:1.0〜6.0、
に調整することを特徴とするエレクトロスラグ再溶解法による高純度鋼の溶製方法。
【請求項2】
前記連続鋳造または造塊法により製造した鋼が、高炉から出銑された溶銑について、脱珪、脱マンガン、脱燐および脱硫のいずれか1以上の溶銑予備処理を行い、次いで、転炉における脱炭、脱燐精錬を経て、さらに、真空脱ガス処理を施して極低炭素鋼となるまで脱炭処理した鋼であることを特徴とする請求項1記載のエレクトロスラグ再溶解法による高純度鋼の溶製方法。
【請求項3】
前記エレクトロスラグ再溶解法による再溶解によって得られた鋼は、
P:0.0010mass%以下、 S:0.0010mass%以下、
であることを特徴とする請求項1または2記載のエレクトロ再溶解法による高純度鋼の溶製方法。
【請求項4】
前記連続鋳造または造塊法により製造した鋼の再溶解は、表面スケール厚が0.5mm以下の時に行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1に記載したエレクトロスラグ再溶解法による高純度鋼の溶製方法。
【請求項5】
前記再溶解中に、2.0kg/ton以下のAlを添加することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1に記載したエレクトロスラグ再溶解法による高純度鋼の溶製方法。
【請求項6】
前記フラックスまたはスラグは、1.0〜15.0mass%のSiOを含有し、CaO/SiOが4.0以上になるものであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1に記載したエレクトロスラグ再溶解法による高純度鋼の溶製方法。

【公開番号】特開2013−49908(P2013−49908A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−189018(P2011−189018)
【出願日】平成23年8月31日(2011.8.31)
【出願人】(000001258)JFEスチール株式会社 (8,589)
【Fターム(参考)】