説明

エレクトロルミネセンス素子

トリアジン化合物を含有する有機層を含むエレクトロルミネセンス素子を開示する。トリアジン化合物は、耐久性の青色発光有機エレクトロルミネセンス層に適切な成分である。エレクトロルミネセンス素子は、たとえば携帯電話、テレビ及びパーソナルコンピュータ画面のフルカラー表示パネルに使用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機エレクトルミネセンス(EL)素子、特に、耐久性の青色発光有機エレクトロルミネセンス層を含むEL素子に関する。有機エレクトロルミネセンス層は特定のトリアジン化合物を含む。
【0002】
本発明は、少なくとも一つの青色発光トリアジン化合物を含有する有機発光層を含むエレクトロルミネセンス素子に関する。
【0003】
US−B−6,352,791は、少なくとも2個の電極と、少なくとも一つの発光層及び少なくとも一つの電子導通層を含む発光層系とを含み、少なくとも一つの電子導通層が光を発さず、一つのトリアジン化合物、たとえば
【0004】
【化18】

【0005】
を含むものであるエレクトロルミネセンス構造に関する。
【0006】
US−B−6225467は、トリアジン化合物、たとえば4,6−トリス(4−ビフェニリル)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス[4−(4′−メチルビフェニリル)]−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス[4−(4′−tert−ブチルビフェニリル)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス[4−(3′,4′−ジメチルビフェニリル)]−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス[4−(4′−メトキシビフェニリル)]−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス[4−(3′−メトキシビフェニリル)]−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(4−ビフェニリル)−6−フェニル−1,3,5−トリアジン及び2,4−ビス(4−ビフェニリル)−6−m−トリル−1,3,5−トリアジンで構成される電子輸送成分を含有する有機エレクトロルミネセンス(EL)素子に関する。
【0007】
EP−A−1,202,608は、正孔輸送層を構成するホスト材料が式
【0008】
【化19】

【0009】
の化合物であるエレクトロルミネセンス構造に関する。
【0010】
EP−A−1,013,740は、とりわけ以下の化合物
【0011】
【化20】

【0012】
をEL材料として使用することができるエレクトロルミネセンス素子に関する。
【0013】
本発明の目的は、優れた発光特性及び耐久性を有する発光素子を提供することである。
【0014】
したがって、本発明は、陽極、陰極及びそれらの間に挟まれた一つ以上の有機化合物層を含むエレクトロルミネセンス素子であって、前記有機化合物層が、式
【0015】
【化21】

【0016】
(式中、
Wは、式
【0017】
【化22】

【0018】
の基であり、
X及びYは、互いに独立して、アリール基又はヘテロアリール基、特に式
【0019】
【化23】

【0020】
の基であり、
11、R11′、R12、R12′、R13、R13′、R15、R15′、R16、R16′、R17、R17′、R41、R41′、R42、R42′、R44、R44′、R45、R45′、R46、R46′、R47及びR47′は、互いに独立して、H、E、C6〜C18アリール、Gによって置換されているC6〜C18アリール、C1〜C18アルキル、Eによって置換及び/若しくはDによって中断されているC1〜C18アルキル、C7〜C18アラルキル又はGによって置換されているC7〜C18アラルキルであるか、あるいは
11′とR12、R12′とR13、R15′とR16、R16′とR17、R44′とR46及び/又はR45′とR47は、それぞれ、酸素原子、硫黄原子、>CR1819、>SiR1819又は
【0021】
【化24】

【0022】
から選択される二価の基L1であり、
18及びR19は、互いに独立して、C1〜C18アルキル、C1〜C18アルコキシ、C6〜C18アリール、C7〜C18アラルキルであり、
11とR11′、R12とR12′、R13とR13′、R13′とR14、R14とR15、R15とR15′、R16とR16′、R17′とR17、R41とR41′、R42とR42′、R42′とR43、R41′とR43、R44とR44′、R45とR45′、R46とR46′、R47とR47′、R46′とR48及び/又はR47′とR48は、それぞれ、二価の基
【0023】
【化25】

【0024】
であり、
30、R31、R32、R33、R49及びR50は、互いに独立して、H、C1〜C18アルキル、Eによって置換及び/又はDによって中断されているC1〜C18アルキル、E、C6〜C18アリール、Eによって置換されているC6〜C18アリールであり、
14は、H、C2〜C30ヘテロアリール、Gによって置換されているC2〜C30ヘテロアリール、C6〜C30アリール又はGによって置換されているC6〜C30アリール、C1〜C18アルキル又はEによって置換及び/若しくはDによって中断されているC1〜C18アルキル、特に
【0025】
【化26】

【0026】
であり、
21、R22、R23、R24、R25、R26及びR27は、互いに独立して、H、E、C1〜C18アルキル、Eによって置換及び/又はDによって中断されているC1〜C18アルキル、E、C7〜C18アラルキル、Gによって置換されているC7〜C18アラルキルであり、
43及びR48は、互いに独立して、H、E、C1〜C18アルキル、Eによって置換及び/若しくはDによって中断されているC1〜C18アルキル、C2〜C30ヘテロアリール、Gによって置換されているC2〜C30ヘテロアリール、C7〜C18アラルキル又はGによって置換されているC7〜C18アラルキルであり、
Dは、−CO−、−COO−、−OCOO−、−S−、−SO−、−SO2−、−O−、−NR5−、−SiR6162−、−POR5−、−CR63=CR64−又は−C≡C−であり、
Eは、−OR5、−SR5、−NR56、−COR8、−COOR7、−OCOOR7、−CONR56、−CN又はハロゲンであり、
Gは、E又はC1〜C18アルキルであり、
5及びR6は、互いに独立して、C6〜C18アリールか、C1〜C18アルキル又はC1〜C18アルコキシによって置換されているC6〜C18アリール、−O−によって中断されているC1〜C18アルキルであるか、あるいは
5とR6がいっしょになって五又は六員環、特に
【0027】
【化27】

【0028】
を形成し、
7は、C6〜C18アリールか、C1〜C18アルキル又はC1〜C18アルコキシによって置換されているC6〜C18アリール、−O−によって中断されているC1〜C18アルキルであり、
8は、C7〜C12アルキルアリールか、C1〜C18アルキル又は−O−によって中断されているC1〜C18アルキルであり、
61及びR62は、互いに独立して、C6〜C18アリールか、C1〜C18アルキル又はC1〜C18アルコキシによって置換されているC6〜C18アリール、−O−によって中断されているC1〜C18アルキルであり、
63及びR64は、互いに独立して、H、C6〜C18アリールか、C1〜C18アルキル又はC1〜C18アルコキシによって置換されているC6〜C18アリール、−O−によって中断されているC1〜C18アルキルである)
のトリアジン化合物を含むものであるエレクトロルミネセンス素子に関する。
【0029】
一般に、トリアジン化合物は、約520nm未満、特に約380nm〜約520nmの光を発する。
【0030】
トリアジン化合物は、約(0.12、0.05)〜約(0.16、0.10)のNTSC座標、好ましくは約(0.14、0.08)のNTSC座標を有する。
【0031】
トリアジン化合物は、約150℃を超える、好ましくは約200℃を超える、もっとも好ましくは約250℃を超える融点を有する。
【0032】
適切なTg、すなわちガラス転移温度を有する本発明の有機層を得るためには、本有機化合物が、約100℃を超える、たとえば約110℃を超える、たとえば約120℃を超える、たとえば約130℃を超えるガラス転移温度を有することが有利である。
【0033】
本発明のエレクトロルミネセンス素子は、他のやり方では、当該技術で公知であるように、たとえば、該当する開示を引用例として本明細書に取り込む米国特許第5,518,824号、第6,225,467号、第6,280,859号、第5,629,389号、第5,486,406号、第5,104,740号、第5,116,708号及び第6,057,048号に記載されているように設計される。
【0034】
たとえば、有機EL素子は、一つ以上の層、たとえば
基板、ベース電極、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層、トップ電極、コンタクト及び封入を含む。
【0035】
この構造は一般的な場合であり、さらなる層を有してもよいし、一つの層が複数の役割を実行するように層を省くことによって簡素化してもよい。たとえば、もっとも簡素な有機EL素子は、発光機能を含むすべての機能を実行する有機層を挟む2個の電極からなる。
【0036】
好ましいEL素子は、
(a)陽極、
(b)正孔注入層及び/又は正孔輸送層、
(c)発光層、
(d)場合によっては電子輸送層ならびに
(e)陰極
をこの順序で含む。
【0037】
特に、本有機化合物は、発光体として機能し、発光層に含まれるか、発光層を形成する。
【0038】
本発明の発光化合物は、固体状態で強い蛍光を示し、優れた電場印加発光特性を有する。さらには、本発明の発光化合物は、金属電極からの正孔の注入及び正孔の輸送に優れ、また、金属電極からの電子の注入及び電子の輸送に優れている。これらは、発光材料として効果的に使用され、他の正孔輸送材料、他の電子輸送材料又は他のドーパントと組み合わせて使用することもできる。
【0039】
本発明の有機化合物は均一な薄膜を形成する。したがって、発光層は、本有機化合物のみで形成することができる。
【0040】
あるいはまた、発光層は、必要に応じて、公知の発光材料、公知のドーパント、公知の正孔輸送材料又は公知の電子輸送材料を含むことができる。有機EL素子では、それを多層構造として形成することにより、消光によって生じる明度及び寿命の減少を防ぐことができる。発光材料、ドーパント、正孔注入材料及び電子注入材料は、必要に応じて組み合わせて使用することができる。さらには、ドーパントが、発光明度及び発光効率を改善することができ、赤又は青の発光を達成することができる。さらには、正孔輸送ゾーン、発光層及び電子輸送ゾーンそれぞれが、少なくとも二つの層からなる層構造を有することもできる。この場合、正孔輸送ゾーンでは、電極から正孔が注入される層が「正孔注入層」と呼ばれ、正孔注入層から正孔を受け、その正孔を発光層に輸送する層が「正孔輸送層」と呼ばれる。電子輸送ゾーンでは、電極から電子が注入される層が「電子注入層」と呼ばれ、電子注入層から電子を受け、その電子を発光層に輸送する層が「電子輸送層」と呼ばれる。これらの層は、材料のエネルギーレベル及び耐熱性ならびに有機層又は金属電極への付着のような要因に依存して選択され、使用される。
【0041】
本発明の有機化合物とともに発光層に使用することができる発光材料又はドーパントとしては、たとえば、アントラセン、ナフタレン、フェナントレン、ピレン、テトラセン、コロネン、クリセン、フルオレセイン、ペリレン、フタロペリレン、ナフタロペリレン、ペリノン、フタロペリノン、ナフタロペリノン、ジフェニルブタジエン、テトラフェニルブタジエン、クマリン、オキサジアゾール、アルダジン、ビスベンズオキサゾリン、ビススチリル、ピラジン、シクロペンタジエン、キノリン金属錯体、アミノキノリン金属錯体、ベンゾキノリン金属錯体、イミン、ジフェニルエチレン、ビニルアントラセン、ジアミノカルバゾール、ピラン、チオピラン、ポリメチン、メロシアニン、イミダゾールキレート化オキシノイド化合物、キナクリドン、ルブレン及び色素レーザ又は増白のための蛍光色素がある。
【0042】
発光層で使用することができる本発明のトリアジン化合物及び上記化合物は、発光層を形成するためにいかなる混合比で使用してもよい。すなわち、本発明の有機化合物は、上記化合物と本発明の有機化合物との組み合わせに依存して、発光層を形成するための主成分を提供してもよいし、別の主材料中のドーピング材料であってもよい。
【0043】
正孔注入材料は、正孔を輸送することができ、陽極から正孔を受けることができ、正孔を発光層又は発光材料に注入する優れた効果を有し、発光層で発生する励起子の電子注入ゾーン又は電子注入材料への移動を防ぎ、薄膜を形成する優れた能力を有する化合物から選択される。適当な正孔注入材料としては、たとえば、フタロシアニン誘導体、ナフタロシアニン誘導体、ポルフィリン誘導体、オキサゾール、オキサジアゾール、トリアゾール、イミダゾール、イミダゾロン、イミダゾールチオン、ピラゾリン、ピラゾロン、テトラヒドロイミダゾール、オキサゾール、オキサジアゾール、ヒドラゾン、アシルヒドラゾン、ポリアリールアルカン、スチルベン、ブタジエン、ベンジジンタイプトリフェニルアミン、スチリルアミンタイプトリフェニルアミン、ジアミンタイプトリフェニルアミン、これらの誘導体ならびにポリマー材料、たとえばポリビニルカルバゾール、ポリシラン及び導電性ポリマーがある。
【0044】
本発明の有機EL素子では、より効果的である正孔注入材料は、芳香族第三級アミン誘導体又はフタロシアニン誘導体である。特に限定されないが、第三級アミン誘導体の具体例は、トリフェニルアミン、トリトリルアミン、トリルジフェニルアミン、N,N′−ジフェニル−N,N′−(3−メチルフェニル)−1,1−ビフェニル−4,4′−ジアミン、N,N,N′,N′−テトラ(4−メチルフェニル)−1,1−フェニル−4,4′−ジアミン、N,N,N′,N′−テトラ(4−メチルフェニル)−1,1−ビフェニル−4,4′−ジアミン、N,N′−ジフェニル−N,N′−ジ(1−ナフチル)−1,1′−ビフェニル−4,4′−ジアミン、N,N′−ジ(メチルフェニル)−N,N′−ジ(4−n−ブチルフェニル)−フェナントレン−9,10−ジアミン、4,4′,4″−トリス(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ)トリフェニルアミン、1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)シクロヘキサン及びこれらの芳香族第三級アミン構造を有するオリゴマー又はポリマーを含む。
【0045】
特に限定されないが、フタロシアニン(Pc)誘導体の具体例は、フタロシアニン誘導体又はナフタロシアニン誘導体、たとえばH2Pc、CuPc、CoPc、NiPc、ZnPc、PdPc、FePc、MnPc、ClAlPc、ClGaPc、ClInPc、ClSnPc、Cl2SiPc、(HO)AlPc、(HO)GaPc、VOPc、TiOPc、MoOPc及びGaPc−O−GaPcを含む。
【0046】
正孔輸送層は、素子の駆動電圧を減らし、注入された電荷再結合のトリアジン発光層内への閉じ込めを改善することができる。この層を形成するためには、正孔注入層に関して記載した従来の適当な芳香族アミン正孔輸送材料を選択することができる。
【0047】
好ましいクラスの正孔輸送材料は、式
【0048】
【化28】

【0049】
(式中、R61及びR62は、水素原子又はC1〜C3アルキル基であり、R63〜R66は、水素、C1〜C6アルキル基、C1〜C6アルコキシ基、ハロゲン原子、ジアルキルアミノ基、C6〜C30アリール基などからなる群より独立して選択される置換基である)
の4,4′−ビス(9−カルバゾイル)−1,1′−ビフェニル化合物で構成される。4,4′−ビス(9−カルバゾイル)−1,1′−ビフェニル化合物の代表例は、4,4′−ビス(9−カルバゾイル)−1,1′−ビフェニル及び4,4′−ビス(3−メチル−9−カルバゾイル)−1,1′−ビフェニルなどを含む。電子輸送層は、本素子には必ずしも必要ではないが、場合によっては、EL素子の電子注入特性及び発光均一性を改善する主な目的のために使用されることが好ましい。この層に使用することができる電子輸送化合物の代表例は、開示内容をすべて引用例として本明細書に取り込む米国特許第4,539,507号、第5,151,629号及び第5,150,006号に開示されている8−ヒドロキシキノリンの金属キレート化合物を含む。
【0050】
特に限定されないが、金属錯体化合物の具体例は、リチウム8−ヒドロキシキノリネート、亜鉛ビス(8−ヒドロキシキノリネート)、銅ビス(8−ヒドロキシキノリネート)、マンガンビス(8−ヒドロキシキノリネート)、アルミニウムトリス(8−ヒドロキシキノリネート)、アルミニウムトリス(2−メチル−8−ヒドロキシキノリネート)、ガリウムトリス(8−ヒドロキシキノリネート)、ベリリウムビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリネート)、亜鉛ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリネート)、クロロガリウムビス(2−メチル−8−キノリネート)、ガリウムビス(2−メチル−8−キノリネート)(o−クレゾレート)、アルミニウムビス(2−メチル−8−キノリネート)(1−ナフトレート)、ガリウムビス(2−メチル−8−キノリネート)(2−ナフトレート)、ガリウムビス(2−メチル−8−キノリネート)フェノレート、亜鉛ビス(o−(2−ベンゾオキサゾリル)フェノレート)、亜鉛ビス(o−(2−ベンゾチアゾリル)フェノレート)及び亜鉛ビス(o−(2−ベンゾトリゾリル)フェノレート)を含む。窒素含有五員誘導体は、好ましくは、オキサゾール、チアゾール、チアジアゾール又はトリアゾール誘導体である。特に限定されないが、上記窒素含有五員誘導体の具体例は、2,5−ビス(1−フェニル)−1,3,4−オキサゾール、1,4−ビス(2−(4−メチル−5−フェニルオキサゾリル)ベンゼン、2,5−ビス(1−フェニル)−1,3,4−チアゾール、2,5−ビス(1−フェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−(4′−tert−ブチルフェニル)−5−(4″−ビフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ビス(1−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、1,4−ビス[2−(5−フェニルオキサジアゾリル)]ベンゼン、1,4−ビス[2−(5−フェニルオキサジアゾリル)−4−tert−ブチルベンゼン]、2−(4′−tert−ブチルフェニル)−5−(4″−ビフェニル)−1,3,4−チアジアゾール、2,5−ビス(1−ナフチル)−1,3,4−チアジアゾール、1,4−ビス[2−(5−フェニルチアゾリル)]ベンゼン、2−(4′−tert−ブチルフェニル)−5−(4″−ビフェニル)−1,3,4−トリアゾール、2,5−ビス(1−ナフチル)−1,3,4−トリアゾール及び1,4−ビス[2−(5−フェニルトリアゾリル)]ベンゼンを含む。もう一つのクラスの電子輸送材料は、オキサジアゾール金属キレート、たとえばビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)−5−フェニル−1,3,4−オキサジアゾラト]亜鉛、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)−5−フェニル−1,3,4−オキサジアゾラト]ベリリウム、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)−5−(1−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾラト]亜鉛、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)−5−(1−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾラト]ベリリウム、ビス[5−ビフェニル−2−(2−ヒドロキシフェニル)−1,3,4−オキサジアゾラト]亜鉛、ビス[5−ビフェニル−2−(2−ヒドロキシフェニル)−1,3,4−オキサジアゾラト]ベリリウム、ビス(2−ヒドロキシフェニル)−5−フェニル−1,3,4−オキサジアゾラト]リチウム、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)−5−p−トリル−1,3,4−オキサジアゾラト]亜鉛、ビス2−(2−ヒドロキシフェニル)−5−p−トリル−1,3,4−オキサジアゾラト]ベリリウム、ビス[5−(p−tert−ブチルフェニル)−2−(2−ヒドロキシフェニル)−1,3,4−オキサジアゾラト]亜鉛、ビス[5−(p−tert−ブチルフェニル)−2−(2−ヒドロキシフェニル)−1,3,4−オキサジアゾラト]ベリリウム、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)−5−(3−フルオロフェニル)−1,3,4−オキサジアゾラト]亜鉛、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)−5−(4−フルオロフェニル)−1,3,4−オキサジアゾラト]亜鉛、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)−5−(4−フルオロフェニル)−1,3,4−オキサジアゾラト]ベリリウム、ビス[5−(4−クロロフェニル)−2−(2−ヒドロキシフェニル)−1,3,4−オキサジアゾラト]亜鉛、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)−5−(4−メトキシフェニル)−1,3,4−オキサジアゾラト]亜鉛、ビス[2−(2−ヒドロキシ−4−メチルフェニル)−5−フェニル−1,3,4−オキサジアゾラト]亜鉛、ビス[2−α−(2−ヒドロキシナフチル)−5−フェニル−1,3,4−オキサジアゾラト]亜鉛、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)−5−p−ピリジル−1,3,4−オキサジアゾラト]亜鉛、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)−5−p−ピリジル−1,3,4−オキサジアゾラト]ベリリウム、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)−5−(2−チオフェニル)−1,3,4−オキサジアゾラト]亜鉛、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)−5−フェニル−1,3,4−チアジアゾラト]亜鉛、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)−5−フェニル−1,3,4−チアジアゾラト]ベリリウム、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)−5−(1−ナフチル)−1,3,4−チアジアゾラト]亜鉛及びビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)−5−(1−ナフチル)−1,3,4−チアジアゾラト]ベリリウムなどである。
【0051】
本発明の有機EL素子において、発光層は、本発明の発光性有機材料に加えて、他の発光材料、他のドーパント、他の正孔注入材料及び他の電子注入材料の少なくとも一つを含有することができる。温度、湿度及び周囲雰囲気に対する安定性に関して本発明の有機EL素子を改善するためには、素子の表面に保護層を形成してもよいし、素子を全体としてシリコーン油などで封止してもよい。
【0052】
有機EL素子の陽極に使用される導電性材料は、好適には、4eVを超える仕事関数を有する材料から選択される。導電性材料としては、炭素、アルミニウム、バナジウム、鉄、コバルト、ニッケル、タングステン、銀、金、白金、パラジウム、これらの合金、ITO基板又はNESA基板に使用される金属酸化物、たとえば酸化スズ及び酸化インジウムならびに有機導電性ポリマー、たとえばポリチオフェン及びポリピロールがある。
【0053】
陰極に使用される導電性材料は、好適には、4eV未満の仕事関数を有する材料から選択される。導電性材料としては、マグネシウム、カルシウム、スズ、鉛、チタン、イットリウム、リチウム、ルテニウム、マンガン、アルミニウム及びこれらの合金があるが、これらに限定されてはならない。合金の例は、マンガン/銀、マンガン/インジウム及びリチウム/アルミニウムを含むが、これらに限定されるものではない。陽極及び陰極それぞれは、必要に応じて二つ以上の層で形成された層構造を有してもよい。
【0054】
有機EL素子の効果的な発光のためには、電極の少なくとも一方が、望ましくは、素子の発光波長領域で十分に透明である。さらには、基板もまた望ましくは透明である。透明な電極は、所定の光透過率が確保されるよう、上記導電性材料から蒸着法又はスパッタリング法によって製造される。発光面側の電極は、たとえば、少なくとも10%の光透過率を有する。基板は、十分な機械的及び熱的強度ならびに透明度を有する限り、特に限定されない。たとえば、ガラス基板及び透明な樹脂の基板、たとえばポリエチレン基板、ポリエチレンテレフタレート基板、ポリエーテルスルホン基板及びポリプロピレン基板から選択される。
【0055】
本発明の有機EL素子では、各層は、乾式膜形成法、たとえば真空蒸着法、スパッタリング法、プラズマ法及びイオンめっき法ならびに湿式膜形成法、たとえばスピンコート法、浸漬法及び流し塗り法のいずれか一つによって形成することができる。各層の厚さは特に限定されないが、各層は、適切な厚さを有することを求められる。層厚さが大きすぎる場合、非効率的なことに、所定の発光を達成するために高い電圧が求められる。層厚さが小さすぎる場合、層はピンホールなどを有しやすくなり、電場が印加されたときに十分な発光明度を得ることが困難になる。各層の厚さは、たとえば、約5nm〜約10μm、たとえば約10nm〜約0.2μmの範囲である。
【0056】
湿式膜形成法では、所期の層を形成するための材料を適当な溶媒、たとえばエタノール、クロロホルム、テトラヒドロフラン及びジオキサンに溶解又は分散させ、その溶液又は分散液から薄膜を形成する。溶媒は、上記溶媒に限定されてはならない。膜形成性を改善し、いずれかの層におけるピンホールの発生を防ぐため、層を形成するための上記溶液又は分散液は、適切な樹脂及び適切な添加物を含有してもよい。使用することができる樹脂としては、絶縁樹脂、たとえばポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、ポリスルホン、ポリメチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート及びセルロース、これらのコポリマー、光伝導性樹脂、たとえばポリ−N−ビニルカルバゾール及びポリシランならびに導電性ポリマー、たとえばポリチオフェン及びポリピロールがある。上記添加物としては、酸化防止剤、紫外線吸収剤及び可塑剤がある。
【0057】
本発明の発光性有機材料が有機EL素子の発光層に使用される場合、有機EL素子は、有機EL素子特性、たとえば発光効率及び最大発光明度に関して改善されることができる。さらに、本発明の有機EL素子は、熱及び電流に対して顕著に安定であり、低い作動電圧で使用可能な発光明度を与える。従来素子の劣化問題を顕著に軽減することができる。
【0058】
本発明の有機EL素子は、壁掛けテレビのフラットパネル表示装置、フラット発光装置、コピー機又はプリンタの光源、液晶表示装置又はカウンタの光源、表示サインボード及び信号灯に応用することができるため、有意な工業的価値を有する。
【0059】
本発明の材料は、有機EL素子、電子写真光受容体、光電変換器、ソーラーセル、イメージセンサ、色素レーザなどの分野で使用することができる。
【0060】
式Iのトリアジン化合物は新規である。したがって、本発明のさらなる主題は、式
【0061】
【化29】

【0062】
(式中、
Wは、式
【0063】
【化30】

【0064】
の基であり、
X及びYは、互いに独立して、アリール基又はヘテロアリール基、特に式
【0065】
【化31】

【0066】
の基であり、
11、R11′、R12、R12′、R13、R13′、R15、R15′、R16、R16′、R17、R17′、R41、R41′、R42、R42′、R44、R44′、R45、R45′、R46、R46′、R47及びR47′は、互いに独立して、H、E、C6〜C18アリールか、Gによって置換されているC6〜C18アリール、C1〜C18アルキル、Eによって置換及び/若しくはDによって中断されているC1〜C18アルキル、C7〜C18アラルキル又はGによって置換されているC7〜C18アラルキルであるか、あるいは
11′とR12、R12′とR13、R15′とR16、R16′とR17、R44′とR46及び/又はR45′とR47は、それぞれ、酸素原子、硫黄原子、>CR1819、>SiR1819又は
【0067】
【化32】

【0068】
から選択される二価の基L1であり、
18及びR19は、互いに独立して、C1〜C18アルキル、C1〜C18アルコキシ、C6〜C18アリール、C7〜C18アラルキルであり、
11とR11′、R12とR12′、R13とR13′、R13′とR14、R14とR15、R15とR15′、R16とR16′、R17′とR17、R41とR41′、R42とR42′、R42′とR43、R41′とR43、R44とR44′、R45とR45′、R46とR46′、R47とR47′、R46′とR48及び/又はR47′とR48は、それぞれ、二価の基
【0069】
【化33】

【0070】
であり、
30、R31、R32、R33、R49及びR50は、互いに独立して、H、C1〜C18アルキル、Eによって置換及び/又はDによって中断されているC1〜C18アルキル、E、C6〜C18アリール、Eによって置換されているC6〜C18アリールであり、
14は、H、C2〜C30ヘテロアリール、Gによって置換されているC2〜C30ヘテロアリール、C6〜C30アリール又はGによって置換されているC6〜C30アリール、C1〜C18アルキル又はEによって置換及び/若しくはDによって中断されているC1〜C18アルキル、特に
【0071】
【化34】

【0072】
であり、
21、R22、R23、R24、R25、R26及びR27は、互いに独立して、H、E、C1〜C18アルキル、Eによって置換及び/又はDによって中断されているC1〜C18アルキル、E、C7〜C18アラルキル、Gによって置換されているC7〜C18アラルキルであり、
43及びR48は、互いに独立して、H、E、C1〜C18アルキル、Eによって置換及び/又はDによって中断されているC1〜C18アルキル、C2〜C30ヘテロアリール、Gによって置換されているC2〜C30ヘテロアリールか、C7〜C18アラルキル又はGによって置換されているC7〜C18アラルキルであり、
Dは、−CO−、−COO−、−OCOO−、−S−、−SO−、−SO2−、−O−、−NR5−、SiR6162−、−POR5−、−CR63=CR64−又は−C≡C−であり、
Eは、−OR5、−SR5、−NR56、−COR8、−COOR7、−OCOOR7、−CONR56、−CN又はハロゲンであり、
Gは、E又はC1〜C18アルキルであり、
5及びR6は、互いに独立して、C6〜C18アリールか、C1〜C18アルキル又はC1〜C18アルコキシによって置換されているC6〜C18アリール、−O−によって中断されているC1〜C18アルキルであるか、あるいは
5とR6がいっしょになって五又は六員環、特に
【0073】
【化35】

【0074】
を形成し、
7は、C6〜C18アリールか、C1〜C18アルキル又はC1〜C18アルコキシによって置換されているC6〜C18アリール、−O−によって中断されているC1〜C18アルキルであり、
8は、C7〜C12アルキルアリールか、C1〜C18アルキル又は−O−によって中断されているC1〜C18アルキルであり、
61及びR62は、互いに独立して、C6〜C18アリールか、C1〜C18アルキル又はC1〜C18アルコキシによって置換されているC6〜C18アリール、−O−によって中断されているC1〜C18アルキルであり、
63及びR64は、互いに独立して、H、C6〜C18アリールか、C1〜C18アルキル又はC1〜C18アルコキシによって置換されているC6〜C18アリール、−O−によって中断されているC1〜C18アルキルである)
のトリアジン化合物に関する。
【0075】
Wは、好ましくは、式
【0076】
【化36】

【0077】
(式中、
13、R13′、R15及びR15′はHであり、R20はH、特に
【0078】
【化37】

【0079】
であり、あるいは
13及びR15がHであり、R13′及びR15が、互いに独立して、H、C1〜C8アルキル又はC1〜C8アルコキシであり、R20がH、C1〜C8アルキル又はC1〜C8アルコキシであるか、あるいは
13、R13′及びR15がHであり、R13′及びR20
【0080】
【化38】

【0081】
であり、
20、R15及びR15′がHであり、R13及びR13′
【0082】
【化39】

【0083】
であり、
30、R31、R32及びR33は、H、C1〜C18アルキル又はC1〜C18アルコキシである)
の基であり、
X及びYは、先に定義したとおりである。
【0084】
本発明によると、少なくともW、好ましくはW及びY、もっとも好ましくはW、Y及びXは、式
【0085】
【化40】

【0086】
の基である。
【0087】
したがって、本発明の一つの好ましい実施態様では、トリアジン化合物は、W及びYが、互いに独立して、式
【0088】
【化41】

【0089】
の基であり、
Xが、式
【0090】
【化42】

【0091】
(式中、R11、R11′、R12、R12′、R13、R13′、R14、R15、R15′、R16、R16′、R17、R17′、R41、R41′、R42、R42′、R44、R44′、R45、R45′、R46、R46′、R47、R47′、R43及びR48は、先に定義したとおりであり、特にH、C1〜C8アルキル、C1〜C8アルコキシ又はフェニルである)
の基である式Iの化合物である。
【0092】
11、R11′、R12、R12′、R13、R13′、R15、R15′、R16、R16′、R17及びR17′、R41、R41′、R42、R42′、R44、R44′、R45、R45′、R46、R46′、R47及びR47′ならびにR14、R43及びR48は、好ましくは、互いに独立して、H、E又はC1〜C8アルキル、特にH、C1〜C4アルキル、C1〜C4アルコキシ又はフェニルであり、Eは、−OR5、−SR5、−NR56、−COR8、−COOR7、−CONR56、−CN、−OCOOR7又はハロゲンであり、R5及びR6は、互いに独立して、C6〜C12アリール又はC1〜C8アルキルであり、
7は、C7〜C12アルキルアリール又はC1〜C8アルキルであり、
8は、C6〜C12アリール又はC1〜C8アルキルであるか、あるいは
11とR11′、R12とR12′、R13とR13′、R13′とR14、R41とR41′、R41′とR43、R44とR44′、R46とR46′、R46′とR48及び/又はR47′とR48が、それぞれ、二価の基
【0093】
【化43】

【0094】
である。
【0095】
一つのより好ましい本発明の実施態様では、W、X及びYは、互いに独立して、式
【0096】
【化44】

【0097】
(式中、
11、R11′、R12、R12′、R13、R13′、R15、R15′、R16、R16′、R17及びR17′は、互いに独立して、H、C6〜C18アリール、Gによって置換されているC6〜C18アリール、E、C1〜C18アルキル、Eによって置換及び/又はDによって中断されているC1〜C18アルキル、C7〜C18アラルキル、Gによって置換されているC7〜C18アラルキルであり、D、E、G、R14、R18及びR19は、先に定義したとおりである)
の基であるか、あるいは
Wが式−W1−W2−W3の基であり、
Xが式−X1−X2−X3の基であり、
Yが式−Y1−Y2−Y3の基である(式中、W1、W2、X1、X2、Y1及びY2は、互いに独立して、式
【0098】
【化45】

【0099】
の基であり、W3、X3及びY3は、互いに独立して、式
【0100】
【化46】

【0101】
の基であり、R14は、先に定義したとおりである)。
【0102】
W、X及びYは、異なることもできるが、同じ意味を有することが好ましい。
【0103】
11、R11′、R12、R12′、R13、R13′、R15、R15′、R16、R16′、R17及びR17′、R41、R41′、R42、R42′、R44、R44′、R45、R45′、R46、R46′、R47及びR47′が、互いに独立して、H、E又はC1〜C8アルキルであり、
Eは、−OR5、−SR5、−NR56、−COR8、−COOR7、−CONR56、−CN、−OCOOR7又はハロゲンであり、
5及びR6は、互いに独立して、C6〜C12アリール又はC1〜C8アルキルであり、
7は、C7〜C12アルキルアリール又はC1〜C8アルキルであり、
8は、C6〜C12アリール又はC1〜C8アルキルである式Iのトリアジン化合物が好ましい。
【0104】
特に好ましいものは、W、X及びYが、互いに独立して、式
【0105】
【化47】

【0106】
(式中、R13、R13′、R15及びR15′はHであり、R20はH、特に
【0107】
【化48】

【0108】
であるか、あるいは
13及びR15がHであり、R13′及びR15′が、互いに独立して、H、C1〜C8アルキル又はC1〜C8アルコキシであり、R20がH、C1〜C8アルキル又はC1〜C8アルコキシであるか、あるいは
13、R15及びR15′がHであり、R13′及びR20
【0109】
【化49】

【0110】
であるか、あるいは
20、R15及びR15′がHであり、R13及びR13′
【0111】
【化50】

【0112】
であり、
30、R31、R32及びR33は、H、C1〜C8アルキル又はC1〜C8アルコキシである)
の基であるか、あるいは
W、X及びYが、互いに独立して、式
【0113】
【化51】

【0114】
(式中、R18及びR19は、互いに独立して、C1〜C8アルキルである)
の基である式Iのトリアジン化合物である。
【0115】
好ましいトリアジン化合物の具体例は以下である。
【0116】
【化52】




【0117】
本トリアジン化合物は、所望の波長範囲で高い固体状態蛍光を示し、公知の手法にしたがって、又は公知の手法と同様にして調製することができる。式
【0118】
【化53】

【0119】
の本発明トリアジン化合物は、たとえば、式
【0120】
【化54】

【0121】
(式中、R100は、ハロゲン、たとえばクロロ又はブロモ、好ましくはブロモ又は
【0122】
【化55】

【0123】
(式中、aは2又は3である)
の意味を有するEを表す)
の誘導体を、μ−ハロ(トリイソプロピルホスフィン)(η3−アリル)パラジウム(II)タイプのアリルパラジウム触媒(たとえばWO99/47474を参照)の存在下、ボロン酸誘導体
E−Ar
又は、R100がハロゲンではない場合、
Hal−Ar
(式中、Halは、ハロゲン、好ましくはブロモを表し、
Arは、置換されていることができるC12〜C30アリール、特に
【0124】
【化56】

【0125】
である)
と反応させることを含む方法にしたがって調製することができる。
【0126】
したがって、式
【0127】
【化57】

【0128】
の本発明の非対称置換トリアジン化合物は、たとえば、式
【0129】
【化58】

【0130】
の誘導体をボロン酸誘導体E−Ar(式中、Eは、先に定義したとおりである)と反応させることを含む方法にしたがって調製することができる。
【0131】
1〜C18アルキルは、分岐鎖状又は非分岐鎖状の基、たとえばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、2−エチルブチル、n−ペンチル、イソペンチル、1−メチルペンチル、1,3−ジメチルブチル、n−ヘキシル、1−メチルヘキシル、n−ヘプチル、イソヘプチル、1,1,3,3−テトラメチルブチル、1−メチルヘプチル、3−メチルヘプチル、n−オクチル、2−エチルヘキシル、1,1,3−トリメチルヘキシル、1,1,3,3−テトラメチルペンチル、ノニル、デシル、ウンデシル、1−メチルウンデシル、ドデシル、1,1,3,3,5,5−ヘキサメチルヘキシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル又はオクタデシルである。
【0132】
1〜C18アルコキシ基は、直鎖状又は分岐鎖状のアルコキシ基、たとえばメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、アミルオキシ、イソアミルオキシ又はtert−アミルオキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオキシ、イソオクチルオキシ、ノニルオキシ、デシルオキシ、ウンデシルオキシ、ドデシルオキシ、テトラデシルオキシ、ペンタデシルオキシ、ヘキサデシルオキシ、ヘプタデシルオキシ及びオクタデシルオキシである。
【0133】
2〜C18アルケニル基は、直鎖状又は分岐鎖状のアルケニル基、たとえばビニル、アリル、メタリル、イソプロペニル、2−ブテニル、3−ブテニル、イソブテニル、n−ペンタ−2,4−ジエニル、3−メチル−ブテ−2−エニル、n−オクテ−2−エニル、n−ドデセ−2−エニル、イソドデセニル、n−ドデセ−2−エニル又はn−オクタデセ−4−エニルである。
【0134】
2-24アルキニルは、直鎖状又は分岐鎖状であり、好ましくは、非置換であってもよいし置換されていてもよいC2-8アルキニル、たとえばエチニル、1−プロピン−3−イル、1−ブチン−4−イル、1−ペンチン−5−イル、2−メチル−3−ブチン−2−イル、1,4−ペンタジイン−3−イル、1,3−ペンタジイン−5−イル、1−ヘキシン−6−イル、シス−3−メチル−2−ペンテン−4−イン−1−イル、トランス−3−メチル−2−ペンテン−4−イン−1−イル、1,3−ヘキサジイン−5−イル、1−オクチン−8−イル、1−ノニン−9−イル、1−デシン−10−イル又は1−テトラコシン−24−イルである。
【0135】
4〜C18シクロアルキルは、好ましくはC5〜C12シクロアルキル、たとえばシクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロデシル、シクロドデシルである。シクロヘキシル及びシクロペンチルがもっとも好ましい。
【0136】
「アリール基」とは通常、非置換であってもよいし置換されていてもよいC6〜C30アリール、たとえばフェニル、インデニル、アズレニル、ナフチル、ビフェニル、テルフェニリルもしくはカドフェニリル、as−インダセニル、s−インダセニル、アセナフチレニル、フェナントリル、フルオランテニル、トリフェニレニル、クリセニル、ナフタセン、ピセニル、ペリレニル、ペンタフェニル、ヘキサセニル、ピレニル又はアントラセニル、好ましくはフェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、9−フェナントリル、2−もしくは9−フルオレニル、3−もしくは4−ビフェニルである。C6〜C18アリールの例は、非置換であってもよいし置換されていてもよいフェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、3−もしくは4−ビフェニル、9−フェナントリル、2−もしくは9−フルオレニルである。
【0137】
7〜C24アラルキル基は、好ましくは、置換されていてもよいC7〜C18アラルキル基、たとえばベンジル、2−ベンジル−2−プロピル、β−フェニル−エチル、α,α−ジメチルベンジル、ω−フェニル−ブチル、ω,ω−ジメチル−ω−フェニル−ブチル、ω−フェニル−ドデシル、ω−フェニル−オクタデシル、ω−フェニル−エイコシル又はω−フェニル−ドコシル、好ましくはC7〜C18アラルキル、たとえばベンジル、2−ベンジル−2−プロピル、β−フェニル−エチル、α,α−ジメチルベンジル、ω−フェニル−ブチル、ω,ω−ジメチル−ω−フェニル−ブチル、ω−フェニル−ドデシル又はω−フェニル−オクタデシル、特に好ましくは、脂肪族炭化水素及び芳香族炭化水素がいずれも非置換であってもよいし置換されていてもよいC7〜C12アラルキル、たとえばベンジル、2−ベンジル−2−プロピル、β−フェニル−エチル、α,α−ジメチルベンジル、ω−フェニル−ブチル又はω,ω−ジメチル−ω−フェニル−ブチルである。
【0138】
7〜C12アルキルアリールは、たとえば、1、2又は3個のC1〜C6アルキル基によって置換されているフェニル基、たとえば2−、3−もしくは4−メチルフェニル、2−、3−もしくは4−エチルフェニル、3−もしくは4−イソプロピルフェニル、3,4−ジメチルフェニル、3,5−ジメチルフェニル又は3,4,5−トリメチルフェニルである。
【0139】
「ヘテロアリール基」、特にC2〜C30ヘテロアリールとは、窒素、酸素又は硫黄が可能なヘテロ原子である環であり、通常、少なくとも6個の共役π電子を有する原子5〜18個の不飽和複素環式基、たとえば非置換であってもよいし置換されていてもよいチエニル、ベンゾ[b]チエニル、ジベンゾ[b,d]チエニル、チアントレニル、フリル、フルフリル、2H−ピラニル、ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、2H−クロメニル、キサンテニル、ジベンゾフラニル、フェノキシチエニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピリジル、ビピリジル、トリアジニル、ピリミジニル、ピラジニル、1H−ピロリジニル、イソインドリル、ピリダジニル、インドリジニル、イソインドリル、インドリル、3H−インドリル、フタラジニル、ナフチリジニル、キノキサリニル、キナゾリニル、シンノリニル、インダゾリル、プリニル、キノリジニル、キノリル、イソキノリル、フタラジニル、ナフチリジニル、キノキサリニル、キナゾリニル、シンノリニル、プテリジニル、カルバゾリル、4aH−カルバゾリル、カルボリニル、ベンゾトリアゾリル、ベンズオキサゾリル、フェナントリジニル、アクリジニル、ペリミジニル、フェナントロリニル、フェナジニル、イソチアゾリル、フェノチアジニル、イソキサゾリル、フラザニル又はフェノキサジニルである。
【0140】
ハロゲンは、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素である。
【0141】
5及びR6によって形成される五又は六員環の例は、窒素、酸素及び硫黄から選択される1個のさらなるヘテロ原子を有することができる炭素原子3〜5個のヘテロシクロアルカン又はヘテロシクロアルケン、たとえば
【0142】
【化59】

【0143】
(二環系、たとえば
【0144】
【化60】

【0145】
の一部であることもできる)
である。
【0146】
上述の基の可能な置換基は、C1〜C8アルキル、ヒドロキシル基、メルカプト基、C1〜C8アルコキシ、C1〜C8アルキルチオ、ハロゲン、ハロC1〜C8アルキル、シアノ基、アルデヒド基、ケトン基、カルボキシル基、エステル基、カルバモイル基、アミノ基、ニトロ基又はシリル基である。
【0147】
上記のように、前述の基は、Eによって置換及び/又は、望むならば、Dによって中断されていてもよい。中断は、当然、単結合によって互いに接続された少なくとも2個の炭素原子を含む基の場合にのみ可能である。C6〜C18アリールは中断されていない。中断されたアリールアルキル又はアルキルアリールは、アルキル部分に単位Dを含有する。1個以上のEによって置換及び/又は1個以上の単位Dによって中断されているC1〜C18アルキルは、たとえば、(CH2CH2O)n−Rx(nは、1〜9の範囲の数であり、Rxは、H又はC1〜C10アルキルもしくはC2〜C10アルカノイルである)(たとえばCO−CH(C25)C49)、CH2−CH(ORy′)−CH2−O−Ry(Ryは、C1〜C18アルキル、C5〜C12シクロアルキル、フェニル、C7〜C15フェニルアルキルであり、Ry′は、Ryと同じ定義を含むか、あるいはHである)、C1〜C8アルキレン−COO−Rz、たとえばCH2COORz、CH(CH3)COORz、C(CH32COORz(Rzは、H、C1〜C18アルキル、(CH2CH2O)1-9−Rxであり、Rxは、上記と同じ定義を含む)、CH2CH2−O−CO−CH=CH2、CH2CH(OH)CH2−O−CO−C(CH3)=CH2である。
【0148】
エレクトロルミネセンス素子は、たとえば携帯電話、テレビ及びパーソナルコンピュータ画面のフルカラー表示パネルに使用することができる。
【0149】
以下の実施例が本発明を例示する。実施例及び本出願全体を通じて、発光材料とは、本トリアジン化合物をいう。
【0150】
実施例1
【0151】
【化61】

【0152】
還流凝縮器、アルゴン導入口及び温度計を備えた25ml三つ口容器中、アルゴン下、2,4,6−トリス−(4−ブロモフェニル)−1,3,5−トリアジン[Hayami S., Inoue K., Chem. Letters, (1999), (7), 545-546にしたがって合成]0.5g及び4−ビフェニルボロン酸0.816gをトルエン10mlに加えた。次いで、水3.5ml中CsCO32.239gの溶液を加え、パラジウム(II)触媒[WO99/47474に記載]1%を加えた。次いで、混合物を加熱して3時間還流させた。生成物をろ過し、アセトンで洗浄した。次いで、生成物をジメチルホルムアミドから再結晶させた。微細な結晶をイソプロパノールで洗浄し、乾燥させた。高純度の生成物(A1)0.51gが得られた。融点:360℃
【0153】
【表1】

【0154】
実施例2
【0155】
【化62】

【0156】
テトラヒドロフラン(THF)90ml中p−ジブロモ−ベンゼン28.3g(0.120mol)の溶液を、窒素下、ジエチルエーテル10ml中マグネシウム3.21g(0.132mol)に滴下した。p−ジブロモ−ベンゼン溶液は、反応混合物が還流し続けるような方法で加えた。p−ジブロモ−ベンゼン溶液を加えたのち、反応混合物を1時間攪拌した。次いで、この溶液を、THF50ml中、塩化シアヌル5.53g(30mmol)の溶液に加えた。反応混合物を20℃で5時間攪拌したのち、水及び20%塩酸で加水分解した。水相をジクロロメタンで抽出した。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、シリカゲル上、ジクロロメタンでろ過した。溶媒を真空で除去した。トルエン中で再結晶させると、生成物2.1g(4.93mmol、収率16%)が得られた。
【0157】
実施例3
【0158】
【化63】

【0159】
フェニルボロン酸1.72g(8.75mmol)を、アルゴン下、ジメトキシエタン(DME)50ml中1,3−ビス−(p−ブロモフェニル)−5−クロロ−トリアジン1.06g(2.5mmol)に加えた。この溶液に、水5ml中Cs2CO32.85g(8.75mmol)及びパラジウム(II)触媒[WO99/47474に記載]1%を加えた。反応混合物を18時間還流させたのち、水で希釈した。生成物をろ別し、20%塩酸で洗浄し、次いで水洗した。DMF中で再結晶させると、生成物1.1g(1.59mmol、収率64%)が得られた。
【0160】
適用例1
発光材料としての本化合物A1、2,5−ビス(1−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール及びポリカーボネート樹脂を5:3:2の重量比でテトラヒドロフランに溶解し、その溶液を、ITO電極を備えた清浄なガラス基板にスピンコートして厚さ100nmの発光層を形成した。その上に、10/1のマグネシウム/インジウム混合比を有するマグネシウム/インジウム合金から厚さ150nmの電極を形成して有機EL素子を得た。素子は、5Vの直流電圧で優れた明度及び効率の発光を示した。
【0161】
適用例2
本化合物A1を、ITO電極を備えた清浄なガラス基板に真空蒸着して厚さ100nmの発光層を形成した。その上に、10/1のマグネシウム/銀混合比を有するマグネシウム/銀合金から厚さ100nmの電極を形成して有機EL素子を得た。発光層は、10-6トルの真空下、室温の基板温度での蒸着によって形成した。素子は、5Vの直流電圧で優れた明度及び効率を有する発光を示した。
【0162】
適用例3
本化合物A1を塩化メチレンテトラヒドロフランに溶解し、その溶液を、ITO電極を備えた清浄なガラス基板にスピンコートして厚さ50nmの発光層を形成した。次いで、アルミニウムビス(2−メチル−8−キノリネート)(2−ナフトレート)を真空蒸着して厚さ10nmの電子輸送層を形成し、その上に、10/1のマグネシウム/アルミニウム混合比を有するマグネシウム/アルミニウム合金から厚さ100nmの電極を形成して有機EL素子を得た。発光層及び電子注入層は、10-6トルの真空下、室温の基板温度での蒸着によって形成した。素子は、5Vの直流電圧で優れた明度及び効率を有する発光を示した。
【0163】
適用例4
正孔輸送材料(H−1)〜(H−6)の一つを、ITO電極を備えた清浄なガラス基板に真空蒸着して厚さ30nmの正孔輸送層を形成した。次いで、本化合物A1を真空蒸着して厚さ30nmの発光層を形成した。さらに、電子輸送材料(E−1)〜(E−6)の一つを真空蒸着して厚さ30nmの電子輸送層を形成した。その上に、10/1のマグネシウム/銀混合比を有するマグネシウム/銀合金から厚さ150nmの電極を形成して有機EL素子を得た。各層は、106トルの真空下、室温の基板温度で形成した。これらの実施例で得られたすべての有機EL素子は高い明度及び効率を示した。
【0164】
【化64】


【0165】
適用例5
ITO電極を備えた清浄なガラス基板に、4,4′,4″−トリス(N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ)トリフェニルアミンを真空蒸着して厚さ25nmの正孔注入層を形成した。さらに、正孔輸送材料(H−1)を真空蒸着して厚さ5nmの正孔輸送層を形成した。次いで、発光材料としての化合物A1を真空蒸着して厚さ20nmの発光層を形成した。さらに、電子輸送材料(E−1)を真空蒸着して厚さ30nmの電子輸送層を形成した。次いで、その上に、10/1のマグネシウム/銀混合比を有するマグネシウム/銀合金から厚さ150nmの電極を形成して有機EL素子を得た。素子は、5Vの直流電圧で抜群の明度及び効率を有する発光を示した。
【0166】
適用例6
正孔輸送材料(H−5)を、ITO電極を備えた清浄なガラス基板に真空蒸着して厚さ20nmの正孔輸送層を形成した。次いで、発光材料としての化合物A1を真空蒸着して厚さ20nmの発光層を形成した。さらに、電子輸送材料(E−2)を真空蒸着して厚さ20nmの第一の電子輸送層を形成した。次いで、電子輸送材料(E−5)を真空蒸着して厚さ10nmの第二の電子輸送層を形成し、その上に、10/1のマグネシウム/銀混合比を有するマグネシウム/銀合金から厚さ150nmの電極を形成して有機EL素子を得た。素子は、5Vの直流電圧で優れた明度及び効率を有する発光を示した。
【0167】
適用例7
化合物A1及びドーパント化合物(D−1)〜(D−7)の一つを100:1の重量比で真空蒸着することによって形成した厚さ30nmの発光層を代用したことを除き、実施例4と同じ方法で有機EL素子を調製した。これらの実施例で得られたすべての有機EL素子は、高い明度特性を示し、所期の発光色を与えた。
【0168】
【化65】

【0169】
適用例8
ITO電極を備えた清浄なガラス基板に、N,N′−1−ナフチル−N,N′−ジフェニル−1,1′−ビフェニル−4,4′−ジアミン及び5,10−ジフェニルアントラセンを真空蒸着して正孔注入層を形成した。さらに、4,4′−ビス(9−カルバゾイル)−1,1′−ビフェニルを真空蒸着して正孔輸送層を形成した。次いで、発光材料としての化合物A1を真空蒸着して発光層を形成した。次いで、その上に、9/1のマグネシウム/銀混合比を有するマグネシウム/銀合金から電極を形成して有機EL素子を得た。素子は、5Vの直流電圧で抜群の明度及び効率を有する発光を示した。
【0170】
本発明の適用例で得られた有機EL素子は、優れた発光明度を示し、高い発光効率を達成した。上記実施例で得られた有機EL素子を3(mA/cm2)で連続的に発光させたとき、すべての有機EL素子は安定なままであった。本発明の発光材料は非常に高い蛍光量子効率を有するため、この発光材料を使用する有機EL素子は、低電流印加領域で高明度の発光を達成し、発光層がさらにドーピング材料を使用する場合、有機EL素子は、最大発光明度及び最大発光効率に関して改善された。さらに、異なる蛍光色を有するドーピング材料を本発明の発光材料に加えることにより、異なる発光色を有する発光素子が得られた。本発明の有機EL素子は、発光効率及び発光明度に関する改善ならびにより長い素子寿命を達成し、組み合わせて使用される発光材料、ドーパント、正孔輸送材料、電子輸送材料、増感剤、樹脂及び電極材料ならびに素子を製造する方法に対して制限を課さない。本発明の材料を発光材料として使用する有機EL素子は、高い明度を有する発光を、高い発光効率及び従来の素子に比べて長い寿命で達成する。本発明の発光材料及び本発明の有機EL素子によると、高い明度、高い発光効率及び長い寿命を有する有機EL素子を達成することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I
【化1】


(式中、
Wは、式
【化2】


の基であり、
X及びYは、互いに独立して、アリール基又はヘテロアリール基、特に式
【化3】


の基であり、
11、R11′、R12、R12′、R13、R13′、R15、R15′、R16、R16′、R17、R17′、R41、R41′、R42、R42′、R44、R44′、R45、R45′、R46、R46′、R47及びR47′は、互いに独立して、H、E、C6〜C18アリール、Gによって置換されているC6〜C18アリール、C1〜C18アルキル、Eによって置換及び/又はDによって中断されているC1〜C18アルキル、C7〜C18アラルキル又はGによって置換されているC7〜C18アラルキルであるか、あるいは
11′とR12、R12′とR13、R15′とR16、R16′とR17、R44′とR46及び/又はR45′とR47は、それぞれ、酸素原子、硫黄原子、>CR1819、>SiR1819又は
【化4】


から選択される二価の基L1であり、
18及びR19は、互いに独立して、C1〜C18アルキル、C1〜C18アルコキシ、C6〜C18アリール、C7〜C18アラルキルであり、
11とR11′、R12とR12′、R13とR13′、R13′とR14、R14とR15、R15とR15′、R16とR16′、R17′とR17、R41とR41′、R42とR42′、R42′とR43、R41′とR43、R44とR44′、R45とR45′、R46とR46′、R47とR47′、R46′とR48及び/又はR47′とR48は、それぞれ、二価の基
【化5】


であり、
30、R31、R32、R33、R49及びR50は、互いに独立して、H、C1〜C18アルキル、Eによって置換及び/又はDによって中断されているC1〜C18アルキル、E、C6〜C18アリール、Eによって置換されているC6〜C18アリールであり、
14は、H、C2〜C30ヘテロアリール、Gによって置換されているC2〜C30ヘテロアリール、C6〜C30アリール又はGによって置換されているC6〜C30アリール、C1〜C18アルキル又はEによって置換及び/若しくはDによって中断されているC1〜C18アルキル、特に
【化6】


であり、
21、R22、R23、R24、R25、R26及びR27は、互いに独立して、H、E、C1〜C18アルキル、Eによって置換及び/又はDによって中断されているC1〜C18アルキル、E、C7〜C18アラルキル、Gによって置換されているC7〜C18アラルキルであり、
43及びR48は、互いに独立して、H、E、C1〜C18アルキル、Eによって置換及び/若しくはDによって中断されているC1〜C18アルキル、C2〜C30ヘテロアリール、Gによって置換されているC2〜C30ヘテロアリール、C7〜C18アラルキル又はGによって置換されているC7〜C18アラルキルであり、
Dは、−CO−、−COO−、−OCOO−、−S−、−SO−、−SO2−、−O−、−NR5−、−SiR6162−、−POR5−、−CR63=CR64−又は−C≡C−であり、
Eは、−OR5、−SR5、−NR56、−COR8、−COOR7、−OCOOR7、−CONR56、−CN又はハロゲンであり、
Gは、E又はC1〜C18アルキルであり、
5及びR6は、互いに独立して、C6〜C18アリールか、C1〜C18アルキル又はC1〜C18アルコキシによって置換されているC6〜C18アリール、−O−によって中断されているC1〜C18アルキルであるか、あるいは
5とR6がいっしょになって五又は六員環、特に
【化7】


を形成し、
7は、C6〜C18アリールか、C1〜C18アルキル又はC1〜C18アルコキシによって置換されているC6〜C18アリール、−O−によって中断されているC1〜C18アルキルであり、
8は、C7〜C12アルキルアリールか、C1〜C18アルキル又は−O−によって中断されているC1〜C18アルキルであり、
61及びR62は、互いに独立して、C6〜C18アリールか、C1〜C18アルキル又はC1〜C18アルコキシによって置換されているC6〜C18アリール、−O−によって中断されているC1〜C18アルキルであり、
63及びR64は、互いに独立して、H、C6〜C18アリールか、C1〜C18アルキル又はC1〜C18アルコキシによって置換されているC6〜C18アリール、−O−によって中断されているC1〜C18アルキルである)
のトリアジン化合物。
【請求項2】
W、X及びYが、互いに独立して、式
【化8】


(式中、
11、R11′、R12、R12′、R13、R13′、R15、R15′、R16、R16′、R17及びR17′は、互いに独立して、H、C6〜C18アリール、Gによって置換されているC6〜C18アリール、E、C1〜C18アルキル、Eによって置換及び/若しくはDによって中断されているC1〜C18アルキル、C7〜C18アラルキル、Gによって置換されているC7〜C18アラルキルであり、
D、E、G、R14、R18及びR19は、請求項1で定義したとおりである)
の基であるか、あるいは
Wが式−W1−W2−W3の基であり、
Xが式−X1−X2−X3の基であり、
Yが式−Y1−Y2−Y3の基である(式中、W1、W2、X1、X2、Y1及びY2は、互いに独立して、式
【化9】


の基であり、W3、X3及びY3は、互いに独立して、式
【化10】


の基であり、R14は、先に定義したとおりである)、請求項1記載のトリアジン化合物。
【請求項3】
11、R11′、R12、R12′、R13、R13′、R15、R15′、R16、R16′、R17及びR17′、R41、R41′、R42、R42′、R44、R44′、R45、R45′、R46、R46′、R47及びR47′ならびにR14、R43及びR48が、互いに独立して、H、E又はC1〜C8アルキルであり、Eは、−OR5、−SR5、−NR56、−COR8、−COOR7、−CONR56、−CN、−OCOOR7又はハロゲンであり、R5及びR6は、互いに独立して、C6〜C12アリール又はC1〜C8アルキルであり、
7は、C7〜C12アルキルアリール又はC1〜C8アルキルであり、
8は、C6〜C12アリール又はC1〜C8アルキルである、請求項1又は2記載のトリアジン化合物。
【請求項4】
W、X及びYが、式
【化11】


(式中、
13、R13′、R15及びR15′はHであり、R20はH、特に
【化12】


であるか、あるいは
13及びR15がHであり、R13′及びR15′が、互いに独立して、H、C1〜C8アルキル又はC1〜C8アルコキシであり、R20がH、C1〜C8アルキル又はC1〜C8アルコキシであるか、あるいは
13、R15及びR15′がHであり、R13′及びR20
【化13】


であり、
20、R15及びR15′がHであり、R13及びR13′
【化14】


であり、
30、R31、R32及びR33は、H、C1〜C8アルキル又はC1〜C8アルコキシである)
の基である、請求項1〜3のいずれか記載のトリアジン化合物。
【請求項5】
W、X及びYが、互いに独立して、式
【化15】


(式中、R18及びR19は、互いに独立して、C1〜C8アルキルである)
の基である、請求項1〜3のいずれか記載のトリアジン化合物。
【請求項6】
W及びYが、互いに独立して、式
【化16】


の基であり、
Xが、式
【化17】


(式中、R11、R11′、R12、R12′、R13、R13′、R14、R15、R15′、R16、R16′、R17、R17′、R41、R41′、R42、R42′、R44、R44′、R45、R45′、R46、R46′、R47、R47′、R43及びR48は、請求項1で定義したとおりであり、特にH、C1〜C8アルキル、C1〜C8アルコキシ又はフェニルである)
の基である、請求項1記載のトリアジン化合物。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか記載の式Iのトリアジン化合物を含むエレクトロルミネセンス素子。
【請求項8】
(a)陽極、
(b)正孔注入層及び/又は正孔輸送層、
(c)発光層、
(d)場合によっては電子輸送層ならびに
(e)陰極
をこの順序で含む、請求項7記載のエレクトロルミネセンス素子。
【請求項9】
式Iのトリアジン化合物が前記発光層を形成する、請求項8記載のエレクトロルミネセンス素子。
【請求項10】
電子写真光受容体、光電変換器、ソーラーセル、イメージセンサ、色素レーザ及びエレクトロルミネセンス素子のための、請求項1〜6のいずれか記載の式Iのトリアジン化合物の使用。

【公表番号】特表2007−527361(P2007−527361A)
【公表日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−502033(P2006−502033)
【出願日】平成16年2月18日(2004.2.18)
【国際出願番号】PCT/EP2004/050146
【国際公開番号】WO2004/077885
【国際公開日】平成16年9月10日(2004.9.10)
【出願人】(396023948)チバ スペシャルティ ケミカルズ ホールディング インコーポレーテッド (530)
【氏名又は名称原語表記】Ciba Specialty Chemicals Holding Inc.
【Fターム(参考)】