説明

エレクトロルミネセントディスプレイの制御

マルチセグメントELディスプレイ(1)と共に使用するコントローラ(2)を提供する。制御信号C1〜C5は、複数のハーフH−ブリッジH1〜H5を制御し、ハーフH−ブリッジはそれぞれグランド(10)および高電圧DC電源(9)に接続されるので、各ハーフH−ブリッジはAC電圧を提供する。このハーフH−ブリッジの1つがコモン出力Vコモンを提供し、残りのH−ブリッジがディスプレイの各セグメントに対して駆動電圧V1〜V4を提供する。各周期内において、コントローラ(2)は、駆動出力V1〜V4をコモン出力Vコモンと同相または逆相のいずれかにする。これによって、人間の眼に知覚できるよりずっと速い速度で各セグメントが選択的にオンオフされる。セグメントの輝度は、各セグメントが点灯する時間の比率を変えることにより制御される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エレクトロルミネセント(以降EL)ディスプレイに関し、特にELディスプレイの輝度の制御および輝度制御可能なELディスプレイに関する。
【背景技術】
【0002】
ELディスプレイは、選択的に点灯可能な情報表示領域を有する。このようなディスプレイは、競合技術に対して大型化が可能でフレキシブルであり比較的安価であるという利点を有する。
【0003】
1950年代にはELランプが知られていたが、寿命が短く、フレキシブルEL素子が開発されたのは1980年代に入ってからであった。しかしながら、このランプは液晶ディスプレイ用バックライトとして使用されたものであり、実用的なELディスプレイが入手可能となったのはごく最近のことである。
【0004】
ELディスプレイは、通常硫化亜鉛粉等がドープされたの蛍光体材料の層を2つの電極間に含む。少なくとも1つの電極は、通常インジウム錫酸化物(ITO)等の透明材料からなり、ポリエステルまたはポリエチレンテレフタレート(PET)膜等の透明基板上に設けられる。ディスプレイは、スクリーン印刷等により基板上に電極層および蛍光体層を堆積することにより形成され、不透明電極は例えば銀が充填された導電性インクで形成される。EL素子の例は、WO 00/72638およびWO 99/55121に記載される。
【0005】
上述の一般的なELディスプレイは、ランプの電極間に適当な周波数の交流電圧を加えて蛍光体を励起することにより点灯する。一般に、ELディスプレイで使用される蛍光体は、数百ボルトの電圧を必要とする。典型的には、このようなELディスプレイの静電容量は、100pF〜1μFの範囲である。
【0006】
小さな電流しか必要とされないので、このような比較的大きい駆動電圧は、公知の「フライバックコンバータ」等の回路によって低電圧DC電源から容易に発生させることができる。
【0007】
この回路は、直列に配置されたインダクタと発振スイッチとを含む。この発振スイッチと並列に、ダイオードとコンデンサとが直列に配置される。このスイッチは、開状態と閉状態との間で変動する。閉状態において、DC電源からインダクタとスイッチとに電流が流れる。スイッチが開くと、電流路が遮断されるが、インダクタに伴う磁界によって電流は流れ続ける。したがって、インダクタによりダイオードを通って電流が流れ、コンデンサを充電する。スイッチが閉じている間、ダイオードによりコンデンサの放電が阻止される。したがって、コンデンサは、DC電源電圧より高い電圧まで充電可能であり、この電圧での電流がコンデンサから得られる。
【0008】
フライバックコンバータから負荷に交流電流を供給するために、コンデンサと並列にH−ブリッジを設けてもよい。H−ブリッジは、一般的に2本の並列なリムを備え、各リムは、第2のスイッチと直列に接続された第1のスイッチを有する。第1および第2スイッチの間の各リム上にはノードがあり、リムのそれぞれのノード間に負荷を接続する。電流は、一方のリムの第1のスイッチともう一方のリムの第2のスイッチを介して負荷を通って一方向に流れ、残りの2つのスイッチを介して他方向に流れる。H−ブリッジのスイッチは、電流が負荷を通ってまず一方向に、次に他方向に流れるように動作する。
【0009】
複数のELセグメントを設けてディスプレイを形成する場合には、点灯すべきセグメント間で選択的に切り替える定電圧の単一高電圧レールを備えることにより、各セグメントを制御する。これは、1つのハーフH−ブリッジトランジスタ構造を用いて通常前面のコモン電極を制御し、多数のハーフH−ブリッジを用いて複数のセグメントをそれぞれ制御することによって達成される。コモン電極は、数十Hzから数キロHzの領域の周波数で切り替えられる。点灯する必要のないセグメントは、有効電圧とならないようにコモン電極と同じ信号で駆動する。点灯する必要のあるセグメントは、高電圧レールの2倍のピークツーピーク値を持つ交流電圧となるようにコモン電極と同じ周波数であって逆相の信号で駆動する。このように駆動信号の位相を制御することにより、どのセグメントを点灯するかについて簡単に制御可能となる。
【0010】
このような駆動方法の結果、全ての点灯されたセグメントが表面上同じ輝度に見えることになることがわかるであろう。全てのセグメントの輝度は、高電圧レールの電圧を変えるおよび/または切換周波数を変えることにより制御可能である。各セグメントの輝度は、周波数が上がるにつれて増加する。
【特許文献1】WO 00/72638
【特許文献2】WO 99/55121
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、全てのセグメントが同じ電圧及び周波数で駆動されるため、セグメント間で互いに輝度を変えることはできない。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明によれば、ELディスプレイと共に使用するディスプレイコントローラが提供され、コントローラは、ディスプレイの点灯セグメントに印加する信号の相対的位相が変化するよう構成されており、これにより各セグメントの輝度が可変となる。
【発明の効果】
【0013】
従来の装置において、点灯中の素子は全周期駆動される。一方、本発明のコントローラは、各セグメントを所望の輝度とするために、信号の位相を変えることによって、発振器の全周期の内で各セグメントを選択的にオンにしたりオフにしたりすることができる。例えば、最大輝度は、セグメントを全周期オンにすることにより得られ、例えば、最大輝度の2分の1の輝度は、その時間の半分だけセグメントをオンにすることによって得られる。これは、粉末ELディスプレイからの光学的エミッションが約数十マイクロ秒という速い応答時間を有するという、殆ど認識されていない事実を利用したものである。この速さは人間の眼の応答よりはるかに速い。したがって、目に見えるフリッカを伴うことなく、制御された瞬時の間セグメントを点灯させることによって、輝度を正確に制御することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明は、対応する方法にも関し、別の側面から見ると、本発明は、ディスプレイの点灯セグメントに印加する駆動およびコモン信号の相対的位相を変化させる工程を含むELディスプレイの制御方法を提供し、これによって各セグメントの輝度を変えることができる。
【0015】
上述のように、ELディスプレイのセグメントをオンにするには、コモン電極に加える信号とは逆相の信号をそのセグメントに印加する。オフにするには、同相の信号を印加する。したがって、本発明のコントローラは、コモン電極と同相または逆相のいずれかの信号を素子に印加し、逆相の信号の比率によってセグメントの輝度が決まるように構成されることが好ましい。
【0016】
一般的に、コントローラは、周期に基づいて信号の位相を制御する。例えば、最大輝度で点灯すべきセグメントへの信号は、交流駆動の全周期にわたってコモンセグメントに対して逆相とし(オン信号)、その他に関しては同相(オフ信号)とする。最大輝度の2分の1の輝度で点灯する必要があるセグメントは、周期の半分の間は逆相の信号で駆動し、もう半分の間は同相で駆動する。最大輝度の16分の1の輝度で点灯する必要があるセグメントは、16分の1の周期毎に逆相の信号を印加し、残りの時間は同相とする。少なくとも16段階の輝度を提供するようこのような装置を使用することが好ましいが、目立つフリッカを生じることなく32以上の線形ステップを有する独立輝度制御を、ディスプレイの各セグメントに関して行うことが可能である。
【0017】
大抵の輝度レベルに関して、セグメントを所定の輝度レベルとするようなオンおよびオフ信号の異なるパターンが、数多く存在することがわかるであろう。例えば、5段階システム(4段階の輝度レベルに加えてオフ)において、2分の1の輝度は、オン−オフ−オン−オフまたはオン−オン−オフ−オフにより達成可能である。輝度レベルを多くすべき場合には、このようなパターンの起こり得る数が増加する。
【0018】
ディスプレイを高周波で駆動し輝度レベルの数を中程度とする場合には、どのパターンを選択するかは特に重要ではないかもしれない。しかしながら、オン信号を時間内で均等に分散させるのではなく固まりとしてもよい場合には、ディスプレイのフリッカが増す傾向となることがわかっている。したがって、各輝度レベルのパターンに関して駆動信号の固まりを最小化するようにコントローラを構成するのが好ましい。オン信号間の隙間は、低周波数駆動信号成分と実質的に同等であり、したがって本装置によればディスプレイの最小駆動周波数が効果的に増加する。
【0019】
オン信号間のインターバルを完全に均一にすることは不可能であることがわかるであろう。たとえば、オフに16段階を加えたシステムの場合、最大輝度の3/16にするには、各繰り返しパターン内でオン信号を、4単位のインターバルを2つと、5単位のインターバル1つとで分割する必要がある。したがって、この例のように、パターンを繰り返す周期の数に合った最低のレベルに固まりを減らすことが好ましい。しかしながら、多くの場合固まりの最小化の程度が低いものでも十分に有効である。
【0020】
使用するパターンをリアルタイムで計算してもよいが、簡単なディスプレイ素子に対して過度の計算能力を要求することになるであろうから、与えられた各輝度レベルに関して固まりを最小化するオン駆動信号のパターンを示す参照テーブルを、コントローラがさらに備えるのが好ましい。
【0021】
コントローラは、参照テーブルと接続した周期状態カウンタをさらに備えてもよく、参照テーブルはセグメントデータを含むメモリ(例、RAM)にさらに接続される。
【0022】
コントローラが電極に可変周波数の駆動信号を提供するものとみなされていることがわかるであろう。したがって、別の側面から見ると、本発明は、ELディスプレイ用のコントローラであって、互いに異なる周波数で個々のディスプレイセグメントを選択的に駆動する手段を備えており、これによって各セグメントが異なる輝度レベルで点灯されるようなコントローラを提供する。このような発明は、好ましくは、第1の周波数の信号を提供する単一周波数発生器と、この第1の周波数から異なる周波数を合成してセグメントを駆動する手段とによって達成される。
【0023】
コモン電極と同相または逆相のいずれかの信号を用いて本発明を上手く実施できるが、別の位相関係を用いて達成してもよい。例えば、各セグメントへの駆動信号を、コモン電極より高い周波数で制御してもよい。例えば、各セグメントをコモン電極の2倍の周波数で制御すれば、コモン電極の周期の第1四半期の間は同相であり、次の四半期は位相がずれ、次は同相、そして最終四半期は位相がずれた駆動信号により、2分の1の輝度の信号が得られる。
【0024】
あるいは、コントローラによりセグメントに印加する駆動電圧信号の波形および周期をコモン電極に印加される信号と常に同じにして、ただしこれら2つの波形を可変角度分だけ相対的に位相をずらしたものとする。前に述べたように、最大輝度は、常に逆相の信号により得られるが、2分の1の輝度は、駆動電圧の位相を90度だけシフトさせて得てもよい。これにより、駆動電圧のタイミングを変える複雑さが加わるものの、連続的に可変な輝度レベルが得られることがわかるだろう。
【0025】
本発明は、単一の素子のみを有するまたは同一の輝度を有する多数の素子を備える単純なディスプレイまたはバックライトに応用可能であるが、マルチセグメントのディスプレイと使用するコントローラに適用された際に本発明の利点が最も効果的にわかるであろう。したがって、対応する複数のセグメントを制御するための複数の信号の位相を別々に制御するようコントローラを構成するのが好ましい。このように、本発明のこのような好ましい形態によれば、単一の発振器だけを用いて、複数セグメントディスプレイ内の個々のセグメントが異なる輝度を有することが可能となる。
【0026】
したがって、別の側面から見ると、本発明は、マルチセグメントELディスプレイと共に使用するコントローラを提供するものであり、このコントローラはセグメントに対する交流電圧コモン出力と複数の交流電圧駆動出力とを提供しており、このコントローラによって各周期の内で駆動出力がコモン出力と同相か逆相かのいずれかとなり各セグメントの輝度が制御可能となる。
【0027】
マルチセグメントの用途によっては、比較的広い範囲を最高輝度以下で点灯する場合がある。そのような状況では、(例えば)1周期おきにより大きな負荷となるので電源への負荷がかなり不均一となる場合がある。したがって、同時に点灯すべき異なるセグメントは、互いに実質的に位相のずれた駆動信号パターンを用いて駆動することが好ましい。このようにすれば、電源のデューティサイクルがより均一となる。
【0028】
様々な実施形態が可能であるが、コントローラは、複数のスイッチに対して制御信号を提供するコントロール部を備え、それぞれのスイッチが各セグメントに対する駆動信号を制御するのが好ましい。例えば、制御信号は、複数のハーフH−ブリッジを制御してもよく、このハーフH−ブリッジはグランドおよび高電圧DC電源(例、50〜250V)に接続されており、これによりハーフH−ブリッジによってAC駆動電圧が提供される(ここで言う「グランド」は、必ずしもアース電位を意味するものではなく、コモン端子、0Vレールなどを指す)。典型的には、前記ハーフH−ブリッジの1つがコモン信号を提供し、残りのH−ブリッジが駆動信号を提供する。
【0029】
コントローラは、各セグメントが独立して可変の輝度レベルで駆動可能なようにディスプレイの各セグメントがコントローラのコモン出力および駆動出力の1つに接続されるように、ELディスプレイと組み合わせるのが好ましい。
【0030】
したがって、別の側面から見れば、本発明は、上述のようなコントローラと組み合わせたELディスプレイを提供する。
【0031】
以下図面を参照しながら、本発明の実施態様の幾つかを単に例示的にのみ示す。
【0032】
図1は、4−セグメントディスプレイ1に必要な出力ドライバの組み合わせを含むコントローラを示す。制御部2は、制御信号C1〜C4およびCコモンを伝達する導線によって5つのハーフH−ブリッジH1〜H5に接続される。各ハーフH−ブリッジは、MOSFETトランジスタである一対のスイッチ3a、3bとインバータ4とを備える。これらのトランジスタは、制御信号C1〜C4によって制御され、一対のスイッチのうち1つが開状態の時には他方が閉じるよう構成される。
【0033】
各ハーフH−ブリッジH1〜H4の中央部は、ディスプレイ1のセグメント6の1つの駆動電極5に導線7を介して接続される。ハーフH−ブリッジH5の中央部は、コモン電極8に接続される。コモン電極は、透明導電性材料からなり、公知の方法で各セグメントと接続される。
【0034】
さらに、これらのハーフH−ブリッジは、高電圧源9およびグランド10に接続される。
【0035】
制御信号C1〜C4およびCコモンは、ディスプレイ駆動信号(V1〜4およびVコモン)が低レベル制御信号である0Vから高レベル制御信号である高電圧(典型的には50V〜250Vの領域)まで揺動するように、各ハーフHブリッジH1〜H5の状態を制御する。
【0036】
図2は、制御信号パターンの集合(C(0)〜C(3/3))を示しており、各セグメントに対して最大輝度の0、1/3、2/3および3/3の輝度レベルを生成するために印加される。各パターンがCコモン信号の3つの周期にならった繰り返しであることに気付くであろう。各制御信号C1〜C4は、対応する所望の輝度レベルを提供するように制御部2によってこれらのパターンのうちの1つに選択的に設定される。C(0)がCコモンと常に同相の信号を提供していることに気付くであろう。この結果、このセグメントはオフとなる。これに対して、C(3/3)は、Cコモンと常に逆相であり、故にこのセグメントは最大輝度で点灯される。C(1/3)は、3回の周期毎に1度Cコモンと逆相であり、3分の1の輝度が得られ、C(2/3)は、3回の周期毎に2度Cコモンと逆相であり、3分の2の輝度が得られる。
【0037】
上述の実施態様は、4つのセグメントのそれぞれに対して4段階の輝度レベルを提供するだけの単純なものである。しかしながら、要望があれば、コントローラによって出力される制御信号C1〜C4の数と、H−ブリッジの数とをそれに応じて増やすことでより大きい数のセグメントを駆動可能であることがわかるであろう。輝度レベルの数は、各パターンがそれにならって繰り返すコモン電極信号Cコモンの周期の数を増やすことにより増やすことができる。M個の異なる輝度レベルを提供するには(「オフ」を1つのレベルとして含めて)、M−1周期のグループに対応する制御信号によって各繰り返しパターンを形成する。
【0038】
図3は、M個の可変輝度レベルを考慮したコントローラについて更なる実施態様を示す。Mが4であるとすれば、このコントローラは図1の実施態様で使用可能である。分かり易くする為に、対応する構成要素には同様の参照符号を用いる。
【0039】
この図において、スラッシュ記号「/」を付した接続部は、このような接続が複数並列に行われていることを示し、その数を記号の近くに示す。
【0040】
発振器14は、100〜2000Hzの制御信号Cコモンを供給し、この信号は、マルチセグメントディスプレイ1のコモン電極8に駆動信号Vコモンを生成するために、ハーフH−ブリッジH5に供給される。
【0041】
同じ信号が複数のXOR(排他的論理和)ゲート16のそれぞれの一方の入力にも供給される。XORゲート16はそれぞれ、ディスプレイの各セグメントに対応している。各XORゲートからの出力は、各ハーフH−ブリッジH1等に供給され(アレイ17の一部)、対応するセグメントの駆動電極に駆動信号V1等が供給される。
【0042】
XORゲートのもう一方の入力は、セグメントデータRAM11に接続される。このRAMは、周期参照テーブル13および周期状態カウンタ12と共に、どの時間にセグメントを点灯すべきかを判断し、これに応じてXORゲートへの入力が設定される。制御信号C1等は、XORゲートによってCコモン信号により反転される。
【0043】
どのセグメントを点灯すべきかの判断は次のようになされる。各セグメントに必要な輝度の2値表示がセグメントデータRAM11に格納されている。2値周期状態カウンタ12は、経過した表示周期の数を数えるのに使用する。このカウンタの出力は、参照テーブル13においてアドレスとして使用される。参照テーブルの各アドレスは、セグメントデータRAMのアドレスを保持している。参照テーブル内のRAMアドレスは、次のように構成される。
【0044】
a)各アドレスの発生回数は、それが示す2値ビットの値に比例する。
【0045】
b)各アドレスは繰り返し周期全体に分散して発生させ、不要な出力頻度を制御する。
【0046】
これらの条件は、所望の輝度を生成するために正しい数の周期間セグメントがオンとなるようにする一方でオン信号の固まりを最小にすることを意図したものである。
【0047】
一例として、16段階の可変輝度レベルを有する32セグメントディスプレイを製造するには、4×32ビットのRAMが必要である。このRAMは、4つのロケーションを有し、各ロケーションが32ビットのセグメントワードを保持する。この4つのロケーション(0、1、2および3)は、輝度(0、1、2および3)を示す4ビットに対応する。
【0048】
参照テーブルの効果によって、全15周期に対して、ロケーション0のセグメントワードが1度表示され、ロケーション1のワードが2度表示され、ロケーション2のワードが4度表示され、ロケーション3のワードが8度表示される。最大輝度に必要なセグメントは、4つのロケーションのそれぞれにおいて「1」を有する。したがって、15周期のうちの15において表示されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】図1は、本発明にかかるコントローラとディスプレイとの相互接続を示す概略図である。
【図2】図2は、コントローラによって生成される制御信号を示す位相図である。
【図3】図3は、本発明にかかるコントローラの概略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エレクトロルミネセントディスプレイと共に使用するディスプレイコントローラであって、
前記コントローラは、前記ディスプレイの点灯セグメントに印加する信号の相対的位相が変化するよう構成されており、これにより前記各セグメントの輝度が可変となる、ディスプレイコントローラ。
【請求項2】
前記各セグメントに印加されるコモン信号と同相または逆相のいずれかの駆動信号を前記セグメントに対して印加するよう、前記コントローラが各周期毎に前記信号の位相を制御し、これにより前記逆相の信号の比率によって前記各セグメントの輝度が決定される、請求項1に記載のディスプレイコントローラ。
【請求項3】
前記各セグメントに印加される駆動信号が前記セグメントに印加されるコモン信号と常に同一の波形を有するが、前記駆動およびコモン信号の波形は、前記セグメントの輝度を決定するために可変角度分だけ選択的に相対的に位相がずれるようにコントローラが前記信号の位相を制御する、請求項1に記載のディスプレイコントローラ。
【請求項4】
少なくとも16段階の輝度レベルが提供される、請求項1、2または3に記載のディスプレイコントローラ。
【請求項5】
少なくとも32段階の輝度レベルが提供される、請求項1、2または3に記載のディスプレイコントローラ。
【請求項6】
マルチセグメントディスプレイの対応する複数のセグメントを制御する複数の信号の位相を別々に制御するよう構成された、先行する請求項のいずれかに記載のディスプレイコントローラ。
【請求項7】
前記コントローラが、各輝度レベルに関して「オン」駆動信号の固まりを最小化するオンおよびオフ信号のパターンを提供する、先行する請求項のいずれかに記載のディスプレイコントローラ。
【請求項8】
各与えられた輝度レベルに関して固まりを最小化する「オン」駆動信号のパターンを提供する参照テーブルを備える、請求項7に記載のディスプレイコントローラ。
【請求項9】
前記参照テーブルに接続された周期状態カウンタをさらに備え、前記参照テーブルはセグメントデータを有するメモリにさらに接続される、請求項8に記載のディスプレイコントローラ。
【請求項10】
前記セグメントが実質上互いに位相のずれた駆動信号パターンを用いて駆動されて複数の異なるセグメントを同時に点灯させるよう前記コントローラが構成される、先行する請求項のいずれかに記載のディスプレイコントローラ。
【請求項11】
マルチセグメントエレクトロルミネセントディスプレイと共に使用するコントローラであって、前記コントローラは、前記各セグメントに交流電圧コモン出力と複数の交流電圧駆動出力とを提供し、各周期内において、前記コントローラは、前記各セグメントの輝度が制御可能なように前記駆動出力を前記コモン出力と同相または逆相のいずれかにする、コントローラ。
【請求項12】
先行する請求項のいずれかに記載のコントローラであって、前記コントローラが、複数のスイッチに対して制御信号を提供する制御部を備え、前記スイッチはそれぞれ、一のセグメントに対する駆動電圧を制御する、コントローラ。
【請求項13】
前記制御信号は、複数のハーフH−ブリッジを制御し、前記ハーフH−ブリッジの端子はそれぞれ、グランドおよび高電圧DC電源に接続されており、これによって前記ハーフH−ブリッジがAC駆動電圧を提供する、請求項12に記載のコントローラ。
【請求項14】
前記ハーフH−ブリッジのうちの1つが、コモン信号を提供し、残りのH−ブリッジが駆動信号を提供する、請求項13に記載のコントローラ。
【請求項15】
先行する請求項のいずれかに記載のコントローラと組み合わせたエレクトロルミネセントディスプレイ。
【請求項16】
エレクトロルミネセントディスプレイの制御方法であって、前記ディスプレイの点灯セグメントに印加する駆動およびコモン信号の相対的な位相を変えて前記各セグメントの輝度を変化させる工程を備える、エレクトロルミネセントディスプレイの制御方法。
【請求項17】
請求項1〜15のいずれかに記載のコントローラの使用を含む、請求項16に記載のエレクトロルミネセントディスプレイの制御方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2007−527021(P2007−527021A)
【公表日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−518348(P2006−518348)
【出願日】平成16年7月7日(2004.7.7)
【国際出願番号】PCT/GB2004/002919
【国際公開番号】WO2005/006286
【国際公開日】平成17年1月20日(2005.1.20)
【出願人】(503183640)ペリコン リミテッド (16)
【Fターム(参考)】