説明

エレクトロルミネセントデバイスのための正孔輸送材料としてのフェナントロアゾール化合物

本発明は、輸送/注入および/または電子遮断層の構成要素として式(I)の化合物を含むエレクトロルミネセントデバイスに関する。式(I)の化合物は、単独で、またはドーパントと組み合わせて機能して、効率性、駆動電圧および/またはエレクトロルミネセントデバイスの寿命の向上をもたらすことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、正孔輸送/注入および/または電子遮断層の構成要素として、式
【化1】

の化合物を含むエレクトロルミネセントデバイスに関する。式(I)の化合物は、単独で、またはドーパントと組み合わせて機能して、効率性、駆動電圧および/またはエレクトロルミネセントデバイスの寿命の向上をもたらすことができる。
【0002】
JP9013025は、式
【化2】

[式中、
Xは、C2〜C5アルキル等であり、
1〜R8は、互いに独立して、それぞれH、ハロゲンまたはC1〜C6アルキル等である]によって表されるエレクトロルミネセント素子キノキサリン誘導体に関する。
【0003】
JP11251063には、有機EL素子の構成要素材料として使用される、

【化3】

によって表されるトリフェニレン化合物が開示されている。式中、R1〜R12は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、置換もしくは非置換アミノ基、ニトロ基、シアノ基、置換もしくは非置換アルキル基、置換もしくは非置換アルケニル基、置換もしくは非置換シクロアルキル基、置換もしくは非置換アルコキシ基、置換もしくは非置換芳香族炭化水素基、置換もしくは非置換芳香族複素環式基、置換もしくは非置換アラルキル基、置換もしくは非置換アリールオキシ基、置換もしくは非置換アルコキシカルボニル基またはカルボキシル基を表す。R1〜R12は、それらから2つの環を形成することができる。
【0004】
JP2006143845は、式
【化4】

[式中、
1、Z2は、芳香族炭化水素環、芳香族複素環式環であり、
1〜R3は、H、置換基であり、
n1=0〜3であり、
n2、n3=0〜4であり、
L1=結合基、単一結合である]の化合物に関する。
【0005】
JP2134644は、感光性層にフェナジン化合物を有する電子写真感光体に関する。フェナジン化合物は、式
【化5】

[式中、
1〜R4は、H原子、(置換)アルキル基、アラルキル基、アリール基または複素環式基であり、R1およびR2並びにR3およびR4は、それぞれN原子と一緒に5〜7員環を形成することができ、
各R5〜R7は、H原子、(置換)アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子またはニトロ基である]によって表される。
【0006】
US20060289882は、電子抽出層が、以下の構造式
【化6】

[式中、
Rは、水素、炭素数が1〜10のアルキル基、炭素数が1〜10のアルキルオキシ基、炭素数が1〜10のジアルキルアミン、F、Cl、Br、IまたはCNを表す]によって表されるヘキサアザトリフェニレン誘導体で形成され得る有機エレクトロルミネセントデバイスに関する。
【0007】
US20070029927には、以下の一般式
【化7】

[式中、
Ar1〜Ar4は、それぞれ独立して、6〜30個の環炭素原子を有する置換もしくは非置換アリール基または5〜30個の環炭素原子を有する置換もしくは非置換ヘテロアリール基を表し、
1およびL2は、それぞれ独立して、単一結合、6〜30個の環炭素原子を有する置換もしくは非置換アリーレン基または5〜30個の環炭素原子を有する置換もしくは非置換ヘテロアリーレンを表し、
しかし、L1およびL2の両方が単一結合であるときは、Ar1およびAr3の両方が、それぞれ置換もしくは非置換フェニル基を表し、さらに、Ar2およびAr4の両方が、それぞれ置換もしくは非置換ビフェニル基または置換もしくは非置換フェニル基を表す場合が除外され、
Rは置換基であり、Rが2つ以上存在するときは、それらは互いに結合して、環を形成することができ、
nは、0〜8の整数を表す]によって表される芳香族アミン誘導体、および有機エレクトロルミネセントデバイスにおけるそれらの使用が開示されている。
【0008】
JP2134644は、式
【化8】

[式中、
1〜R4は、H原子、(置換)アルキル基、アラルキル基、アリール基または複素環式基であり、R1およびR2並びにR3およびR4は、それぞれN原子と一緒に5〜7員環を形成することができ、
5〜R7の各々は、H原子、(置換)アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子またはニトロ基である]のフェナジン化合物に関する。フェナジン化合物は、電子写真感光体の感光層に組み込まれる。
【0009】
JP2000323278は、式
【化9】

[式中、
1は、それぞれ同一であっても異なっていてもよく、水素、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基等から選択され、
1は、結合単位であり、置換もしくは非置換芳香族環、複素環、飽和脂肪鎖等から選択され、
1は、単一結合もしくは単一結合のいずれかの組合せ、アルキル鎖、アルキレン鎖、エーテル鎖等から選択され、
Arは、置換もしくは非置換芳香族環、複素環等から選択され、
zは、自然数を表す]のイミダゾール構造を有する有機蛍光体を含む発光体に関する。有機蛍光体は、好ましくは、ホスト材料にドープされたゲスト材料を有する発光材料である。
【0010】
JP2001023777には、式
【化10】

[式中、
1〜R9は、結合、水素、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリールエーテル基、アリールチオエーテル基、アリール基、複素環式基、ハロゲン、シアノ基、アルデヒド基、カルボニル基、エステル基、カルバモイル基、アミノ基、ニトロ基、シリル基、シロキシアニル基、および隣接置換基の間に形成された環構造を表し、
1は、酸素、硫黄、窒素または飽和炭化水素を表す]の化合物が記載されている。フェナントロアゾール骨格を有する化合物は、正孔輸送層、電子輸送層およびルミネセント層の材料におけるホスト材料またはドーパント材料として好適である。R1〜R9のいずれかがアリール置換アミノ基である化合物は開示されていない。
【0011】
JP2001118683は、ルミネセント材料が、少なくともゲスト材料およびホスト材料で構成され、ホスト材料の発光スペクトルのピークが、300nmより大きく、460nmより小さいルミネセント素子に関する。以下のフェナントロアゾール化合物
【化11】

が明確に開示されている。
【0012】
JP2002050473には、発光物質が正極と負極の間に存在し、電気エネルギーによって発光し、素子が、光反応によって形成された少なくとも1種類の生成物を含む素子が記載されている。以下のフェナントロアゾール化合物
【化12】

が明確に開示されている。
【0013】
JP2003059670には、少なくとも正極、発光層、電子伝達体層および負極がその順に積層され、電子伝達体層が発光層の電離ポテンシャルより0.1eV以上大きい電離ポテンシャルを有し、主として発光層および電子伝達体層を構成する材料が、昇華能力を有する有機化合物で構成され、さらに主として電子伝達体層を構成する有機化合物が400以上の分子量および90℃以上のガラス転移温度を有する構造を有する発光素子が記載されている。以下のフェナントロアゾール化合物
【化13】

が明確に開示されている。
【0014】
JP2002367786には、少なくとも正極、発光層、正孔輸送層、電子輸送層および負極の順次積層構造を有する発光素子であって、発光層と電子輸送層との関係が(lp(ETL)−lp(EML))>(Ea(ETL)−Ea(EML))である発光素子が記載されている。発光層および電子輸送層を含む主材料は、昇華性の有機化合物で構成され、電子輸送層を含む主材料は、分子質量が400を下回らない有機化合物である[Ea:電子親和性(eV)、lp:電離ポテンシャル(eV)、EML:発光層、およびETL:電子輸送層]。以下のフェナントロアゾール化合物
【化14】

が明確に開示されている。
【0015】
WO08/031743には、式
【化15】

の化合物を、特にリン光化合物のためのホストとして含むエレクトロルミネセントデバイスが記載されている。それらのホストは、リン光材料として機能して、エレクトロルミネセントデバイスの効率性、安定性、製造性またはスペクトル特性の向上をもたらすことができる。
【0016】
これらの開発にもかかわらず、特に、効率性、駆動電圧および/または寿命の向上をもたらす電子遮断層および/または場合によりドープ正孔輸送/注入層のための材料として、エレクトロルミネセントデバイスの効率性、安定性、製造性またはスペクトル特性の向上をもたらす正孔輸送材料のための材料を含むELデバイスの必要性が已然として存在する。
【0017】
したがって、本発明は、陽極、正孔輸送/注入層、場合により電子遮断層、発光層、場合により正孔もしくは励起子遮断層、電子輸送層および陰極を含むエレクトロルミネセント(EL)デバイスであって、正孔輸送/注入層および/または電子遮断層が、式
【化16】

[式中、
1およびR4は、互いに独立して、水素、C1〜C18アルキル、Eによって置換され、かつ/あるいはDによって中断されたC1〜C18アルキル、C1〜C18ペルフルオロアルキル、C2〜C18アルケニル、C2〜C18アルキニル、C1〜C18アルコキシ、Eによって置換され、かつ/あるいはDによって中断されたC1〜C18アルコキシ、CNまたは−CO−R28であり、
2、R3、R5およびR6は、互いに独立して、H、C1〜C18アルキル、Eによって置換され、かつ/あるいはDによって中断されたC1〜C18アルキル、C1〜C18ペルフルオロアルキル、C6〜C24アリール、Gによって置換されたC6〜C24アリール、C2〜C20ヘテロアリール、Gによって置換されたC2〜C20ヘテロアリール、C2〜C18アルケニル、C2〜C18アルキニル、C1〜C18アルコキシ、Eによって置換され、かつ/あるいはDによって中断されたC1〜C18アルコキシ、C7〜C25アラルキル、CNまたは−CO−R28であり、
8は、C1〜C18アルキル、Eによって置換され、かつ/あるいはDによって中断されたC1〜C18アルキル、C1〜C18ペルフルオロアルキル、C6〜C24アリール、Gによって置換されたC6〜C24アリール、C2〜C20ヘテロアリール、またはGによって置換されたC2〜C20ヘテロアリールであり、
9は、H、C1〜C18アルキル、Eによって置換され、かつ/あるいはDによって中断されたC1〜C18アルキル、C1〜C18ペルフルオロアルキル、C6〜C24アリール、Gによって置換されたC6〜C24アリール、C2〜C20ヘテロアリール、またはGによって置換されたC2〜C20ヘテロアリールであり、
互いに隣接する2つの置換基R2およびR3および/またはR5およびR6は、一緒になって基
【化17】

を形成し、
105、R106、R107、R108、R106’およびR108’は、互いに独立して、H、C1〜C18アルキル、Eによって置換され、かつ/あるいはDによって中断されたC1〜C18アルキル、C1〜C18アルコキシ、またはEによって置換され、かつ/あるいはDによって中断されたC1〜C18アルコキシであり、
1、A2、A1’およびA2’は、互いに独立して、式
【化18】

の基であり、あるいはA1およびA1’、および/またはA2およびA2’は、それらが結合された窒素原子と一緒になって、複素環式芳香族環、または
【化19】

などの環系を形成し、
m’は、0、1または2であり、
mは、各出現において同一であっても異なっていてもよく、0、1、2または3、特に0、1または2、特に0または1であり、
41は、各出現において同一であっても異なっていてもよく、Cl、F、CN、N(R452、C1〜C25アルキル基、C4〜C18シクロアルキル基、互いに隣接しない1個以上の炭素原子を−NR45−、−O−、−S−もしくはC(=O)−O−で置き換えることが可能であり、かつ/あるいは1個以上の水素原子をFで置き換えることができるC1〜C25アルコキシ基、C6〜C24アリール基、あるいは1個以上の炭素原子をO、SもしくはNで置き換えることができ、かつ/あるいは1つ以上の非芳香族基R41によって置換され得るC6〜C24アリールオキシ基であり、あるいは2つ以上の基R41が環系を形成し、
45は、H、C1〜C25アルキル基、互いに隣接しない1個以上の炭素原子を−NR45’’−、−O−、−S−、−C(=O)−O−もしくは−O−C(=O)−O−で置き換えることが可能であり、かつ/あるいは1個以上の水素原子をFで置き換えることができるC4〜C18シクロアルキル基、C6〜C24アリール基、あるいは1個以上の炭素原子をO、SもしくはNで置き換えることができ、かつ/あるいは1つ以上の非芳香族基R41によって置換され得るC6〜C24アリールオキシ基であり、
45’’は、H、C1〜C25アルキル基またはC4〜C18シクロアルキル基であり、
65’は、H、C1〜C25アルキル基、互いに隣接しない1個以上の炭素原子を−O−もしくは−S−によって置き換えることが可能であり、かつ/あるいは1個以上の水素原子をFで置き換えることができるC4〜C18シクロアルキル基、C6〜C24アリール基、あるいは1個以上の炭素原子をO、SもしくはNで置き換えることができ、かつ/あるいはGによって置換され得るC6〜C24アリールオキシ基であり、
116、R117およびR117’は、互いに独立して、H、ハロゲン、−CN、C1〜C18アルキル、Eによって置換され、かつ/あるいはDによって中断されたC1〜C18アルキル、C6〜C24アリール、Gによって置換されたC6〜C24アリール、C2〜C20ヘテロアリール、Gによって置換されたC2〜C20ヘテロアリール、C2〜C18アルケニル、C2〜C18アルキニル、C1〜C18アルコキシ、Eによって置換され、かつ/あるいはDによって中断されたC1〜C18アルコキシ、C7〜C25アラルキル、−C(=O)−R127’、−C(=O)OR127’または−C(=O)NR127126であり、あるいは互いに隣接する置換基R116、R117およびR117’は、環を形成することができ、
119およびR120は、互いに独立して、C1〜C18アルキル、Eによって置換され、かつ/あるいはDによって中断されたC1〜C18アルキル、C6〜C24アリール、Gによって置換されたC6〜C24アリール、C2〜C20ヘテロアリール、Gによって置換されたC2〜C20ヘテロアリール、C2〜C18アルケニル、C2〜C18アルキニル、C1〜C18アルコキシ、Eによって置換され、かつ/あるいはDによって中断されたC1〜C18アルコキシまたはC7〜C25アラルキルであり、あるいは
119およびR120は、一緒になって式=CR121122の基を形成し、
121およびR122は、互いに独立して、H、C1〜C18アルキル、Eによって置換され、かつ/あるいはDによって中断されたC1〜C18アルキル、C6〜C24アリール、Gによって置換されたC6〜C24アリール、C2〜C20ヘテロアリール、またはGによって置換されたC2〜C20ヘテロアリールであり、あるいは
119およびR120は、一緒になって、C1〜C18アルキル、Eによって置換され、かつ/あるいはDによって中断されたC1〜C18アルキル、C6〜C24アリール、Gによって置換されたC6〜C24アリール、C2〜C20ヘテロアリール、Gによって置換されたC2〜C20ヘテロアリール、C2〜C18アルケニル、C2〜C18アルキニル、C1〜C18アルコキシ、Eによって置換され、かつ/あるいはDによって中断されたC1〜C18アルコキシ、C7〜C25アラルキルまたは−C(=O)−R127’によって場合により置換され得る5または6員環を形成し、
126、R127およびR127’は、互いに独立して、C6〜C18アリール、C1〜C18アルキルもしくはC1〜C18アルコキシによって置換されたC6〜C18アリール、C1〜C18アルキル、または−O−によって中断されたC1〜C18アルキルであり、
Dは、−CO−、−COO−、−S−、−SO−、−SO2−、−O−、−NR25−、−SiR3031−、−POR32−、−CR23=CR24−または−C≡C−であり、
Eは、−OR29、−SR29、−NR2526、−COR28、−COOR27、−CONR2526、−CNまたはハロゲンであり、
Gは、E、C1〜C18アルキル、Dによって中断されたC1〜C18アルキル、C1〜C18ペルフルオロアルキル、C1〜C18アルコキシ、またはEによって置換され、かつ/あるいはDによって中断されたC1〜C18アルコキシであり、
23およびR24は、互いに独立して、C6〜C18アリール、C1〜C18アルキルもしくはC1〜C18アルコキシによって置換されたC6〜C18アリール、C1〜C18アルキル、または−O−によって中断されたC1〜C18アルキルであり、
25およびR26は、互いに独立して、C6〜C18アリール、C1〜C18アルキルもしくはC1〜C18アルコキシによって置換されたC6〜C18アリール、C1〜C18アルキル、または−O−によって中断されたC1〜C18アルキルであり、あるいは
25およびR26は、一緒になって、5もしくは6員環を形成し、
27およびR28は、互いに独立して、C6〜C18アリール、C1〜C18アルキルもしくはC1〜C18アルコキシによって置換されたC6〜C18アリール、C1〜C18アルキル、または−O−によって中断されたC1〜C18アルキルであり、
29は、C6〜C18アリール、C1〜C18アルキルもしくはC1〜C18アルコキシによって置換されたC6〜C18アリール、C1〜C18アルキル、または−O−によって中断されたC1〜C18アルキルであり、
30およびR31は、互いに独立して、C1〜C18アルキル、C6〜C18アリール、またはC1〜C18アルキルによって置換されたC6〜C18アリールであり、
32は、C1〜C18アルキル、C6〜C18アリール、またはC1〜C18アルキルによって置換されたC6〜C18アリールである]の化合物を含むことを特徴とするエレクトロルミネセント(EL)デバイスを提供する。
【0018】
式Iの化合物は、単独で、または他の材料と組み合わせて、有機発光ダイオード(OLED)におけるエレクトロルミネセントデバイスの正孔輸送層のための材料(構成要素)として使用される。式Iの化合物は、単独で、またはドーパントと組み合わせて機能して、エレクトロルミネセントデバイスの効率性、駆動電圧および/または寿命の向上をもたらすことができる。
【0019】
代替的に、式Iの化合物を電子遮断層のための材料として使用することができる。式Iの化合物は、単独で機能して、エレクトロルミネセントデバイスの効率性、駆動電圧および/または寿命の向上をもたらすことができる。
【0020】
本明細書で使用されている「正孔輸送/注入層」という用語は、発光層と陽極の間に、好ましくは陽極に隣接して配置され、主として正孔を注入/輸送する層を言及する。
【0021】
好ましくは、R116およびR117は、互いに独立して、H、メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル、2−メチルブチル、n−ペンチル、イソペンチル、n−ヘキシル、2−エチルヘキシルもしくはn−ヘプチルなどのC1〜C12アルキル、−CH2OCH3、−CH2OCH2CH3、−CH2OCH2CH2OCH3もしくは−CH2OCH2CH2OCH2CH3などの、Eによって置換され、かつ/あるいはDによって中断されたC1〜C12アルキル、フェニル、ナフチルもしくはビフェニリルなどのC6〜C14アリール、シクロヘキシルなどのC5〜C12シクロアルキル、−C64OCH3、−C64OCH2CH3、−C63(OCH32もしくは−C63(OCH2CH32、−C64CH3、−C63(CH32、−C62(CH33もしくは−C64tBuなどの、Gによって置換されたC6〜C14アリールである。
【0022】
好ましくは、R119およびR120は、互いに独立して、メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、n−ブチル、sec−ブチル、ヘキシル、オクチルもしくは2−エチル−ヘキシルなどのC1〜C12アルキル、−CH2(OCH2CH2wOCH3(w=1、2、3もしくは4)などの、Eによって置換され、かつ/あるいはDによって中断されたC1〜C12アルキル、フェニル、ナフチルもしくはビフェニリルなどのC6〜C14アリール、−C64OCH3、−C64OCH2CH3、−C63(OCH32、−C63(OCH2CH32、−C64CH3、−C63(CH32、−C62(CH33もしくは−C64tBuなどの、Gによって置換されたC6〜C14アリールであり、あるいはR119およびR120は、一緒になって、C1〜C8アルキルによって場合により置換され得る4〜8員環、特に、シクロヘキシルまたはシクロペンチルなどの5または6員環を形成する。
【0023】
Dは、好ましくは、−CO−、−COO−、−S−、−SO−、−SO2−、−O−、−NR25−であり、R25は、メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、n−ブチル、イソブチルもしくはsec−ブチルなどのC1〜C12アルキル、またはフェニル、トリル、ナフチルもしくはビフェニリルなどのC6〜C14アリールである。
【0024】
Eは、好ましくは、−OR29、−SR29、−NR2525、−COR28、−COOR27、−CONR2525または−CNであり、R25、R27、R28およびR29は、互いに独立して、メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、ヘキシル、オクチルもしくは2−エチル−ヘキシルなどのC1〜C12アルキル、または場合により置換され得るフェニル、トリル、ナフチルもしくはビフェニリルなどのC6〜C14アリールである。
【0025】
Gは、Eと同じ傾向を有し、あるいはC1〜C18アルキル、特に、メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、ヘキシル、オクチルもしくは2−エチル−ヘキシルなどのC1〜C12アルキル、または例えば−CF3などのC1〜C18ペルフルオロアルキルである。
【0026】
1およびR4は、水素であり、R2、R3、R5およびR6が互いに独立してH、C1〜C18アルキル、Dによって中断されたC1〜C18アルキル、C1〜C18ペルフルオロアルキル、C1〜C18アルコキシ、Dによって中断されたC1〜C18アルコキシ、またはC7〜C25アラルキルであり、
8は、C1〜C18アルキル、Dによって中断されたC1〜C18アルキル、C1〜C18ペルフルオロアルキル、C1〜C18アルキル、C1〜C18ペルフルオロアルキルによって場合により置換されていてもよいC6〜C18アリール、C1〜C18アルコキシ、またはDによって中断されたC1〜C18アルコキシであり、
9は、H、C1〜C18アルキル、Dによって中断されたC1〜C18アルキル、C1〜C18ペルフルオロアルキル、C1〜C18アルキル、C1〜C18ペルフルオロアルキルによって場合により置換されていてもよいC6〜C18アリール、C1〜C18アルコキシ、またはDによって中断されたC1〜C18アルコキシであり、
Dは、−CO−、−COO−、−S−、−SO−、−SO2−、−O−、−NR25−、CR23=CR24−または−C≡C−であり、
23およびR24は、互いに独立してHであり、
25は、C6〜C18アリール、C1〜C8アルキルもしくはC1〜C8アルコキシによって置換されたC6〜C18アリール、C1〜C8アルキル、または−O−によって中断されたC1〜C8アルキルである式Iの化合物がさらにより好適である。
【0027】
8は、より好ましくは、C1〜C18アルキルによって場合により置換されていてもよいC6〜C18アリール、C1〜C18ペルフルオロアルキルまたはC1〜C18アルコキシである。
9は、より好ましくは、C1〜C18アルキルもしくはC1〜C18ペルフルオロアルキルによって場合により置換されていてもよいC6〜C18アリール、C1〜C18アルコキシ、またはDによって中断されたC1〜C18アルコキシである。
Dは、−S−、−O−または−NR25−であり、
25は、C6〜C18アリール、C1〜C18アルキルもしくはC1〜C18アルコキシによってによって置換されたC6〜C18アリール、C1〜C18アルキル、または−O−によって中断されたC1〜C18アルキルである。
【0028】
本発明の好適な実施形態において、R1、R2、R3、R4、R5およびR6は水素である。
【0029】
【化20】

の例は、
【化21】

および
【化22】

(m’=2)
である。
【0030】
好ましくは、A1、A2、A1’およびA2’は、互いに独立して、式
【化23】

の基である。より好ましくは、A1、A2、A1’およびA2’は、互いに独立して、式
【化24】

の基であり、A1およびA1’、および/またはA2およびA2’は、それらが結合された窒素原子と一緒になって、式
【化25】

[式中、
116、R117およびR117’は、互いに独立して、HまたはC1〜C18アルキルである]の基を形成する。A1、A2、A1’およびA2’の具体的な例は、
【化26】

である。好ましくは、A1はA2の意味を有し、A1’はA2’の意味を有する。
【0031】
好適な実施形態において、本発明は、式
【化27】

[式中、
1およびA1’は、互いに独立して、式
【化28】

の基であり、
116、R117およびR117’は、互いに独立して、HまたはC1〜C18アルキルであり、あるいはA1およびA1’は、それらが結合された窒素原子と一緒になって、式
【化29】

の基を形成し、
8は、式
【化30】

の基であり、
9は、式
【化31】

の基であり、
128、R129、R130およびR131は、互いに独立して、H、C1〜C18アルキル、C1〜C18アルコキシまたはC1〜C18ペルフルオロアルキルである]の化合物に関する。前記実施形態において、A1およびA1’は、好ましくは、互いに独立して、式
【化32】

の基であり、R9は、好ましくは、式
【化33】

の基である。
【0032】
別の好適な実施形態において、本発明は、式
【化34】

[式中、
1およびA1’は、互いに独立して、式
【化35】

の基であり、あるいは
1およびA1’は、それらが結合された窒素原子と一緒になって、式
【化36】

の基を形成し、
116、R117およびR117’は、互いに独立して、HまたはC1〜C18アルキルであり、
8は、式
【化37】

の基であり、
9は、式
【化38】

の基であり、
128、R129、R132およびR133は、互いに独立して、H、C1〜C18アルキル、C1〜C18アルコキシまたはC1〜C18ペルフルオロアルキルである]の化合物に関する。前記実施形態において、A1およびA1’は、好ましくは、互いに独立して、式
【化39】

の基であり、
9は、好ましくは、式
【化40】

の基である。
【0033】
特に好適な化合物の例は、請求項10に示される化合物A−1〜A−45である。ここで、例えば化合物A−1、A−5、A−7、A−11、A−31およびA−35などの式
【化41】

[式中、
1およびA1’は、互いに独立して、
【化42】

であり、R9は、
【化43】

である]の化合物は最も好適である。
【0034】
式Iの化合物を、例えば、式
【化44】

[式中、
10は、ブロモまたはヨード、好ましくはヨードなどのハロゲンを表す]の化合物と、式HNA11’または
【化45】

の化合物とを、水素化ナトリウム、炭酸カリウムまたは炭酸ナトリウムなどの塩基および銅(0)または銅(I)(銅、銅−青銅、ヨウ化臭化銅または臭化銅など)の存在下で、トルエン、ジメチルホルムアミドまたはジメチルスルホキシドなどの溶媒中にて反応させることを含む方法に従って製造することができる(m’、A1、A1’、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R8、R9、R41およびmは、以上に定義されている通りである)(WO08/031743)。触媒として銅を使用する、ウルマン縮合と呼ばれるこの反応は、Yamamoto&Kurata,Chem.and Industry,737−738(1981),J.Mater.Chem.14(2004)2516,H.B.Goodbrand et al.,J.Org.Chem.64(1999)670 and k.D.Belfield et al.,J.Org.Chem.65(2000)4475に記載されている。また、M.D.Charles et al.,Organic Lett.7(2005)3965,A.F.Littke et.al.,Angew.Chem.Int.Ed.41(2002)4176およびそれに引用されている文献に記載されているように、アリールハロゲン化合物とアミンとのカップリングにパラジウム触媒を使用することができる。
【0035】
式IIの化合物は、WO06/097419またはWO08/031743から既知であり、それらに記載されている方法に従って、または該方法と同様にして製造され得る。
【0036】
ハロゲンは、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素である。
【0037】
1〜C18アルキルは、典型的には直鎖状、または可能な場合は分枝状である。例は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、2−ペンチル、3−ペンチル、2,2−ジメチルプロピル、1,1,3,3−テトラメチルペンチル、n−ヘキシル、1−メチルヘキシル、1,1,3,3,5,5−ヘキサメチルヘキシル、n−ヘプチル、イソヘプチル、1,1,3,3−テトラメチルブチル、1−メチルヘプチル、3−メチルヘプチル、n−オクチル、1,1,3,3−テトラメチルブチルおよび2−エチルヘキシル、n−ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシルまたはオクタデシルである。C1〜C8アルキルは、典型的にはメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、2−ペンチル、3−ペンチル、2,2−ジメチル−プロピル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、1,1,3,3−テトラメチルブチルおよび2−エチルヘキシルである。C1〜C4アルキルは、典型的には、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチルである。
【0038】
1〜C18アルコキシ基は、直鎖または分枝状アルコキシ基、例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、アミルオキシ、イソアミルオキシもしくはtert−アミルオキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオキシ、イソオクチルオキシ、ノニルオキシ、デシルオキシ、ウンデシルオキシ、ドデシルオキシ、テトラデシルオキシ、ペンタデシルオキシ、ヘキサデシルオキシ、ヘプタデシルオキシおよびオクタデシルオキシである。C1〜C8アルコキシの例としては、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、sec−ブトキシ、イソブトキシ、tert−ブトキシ、n−ペンチルオキシ、2−ペンチルオキシ、3−ペンチルオキシ、2,2−ジメチルプロポキシ、n−ヘキシルオキシ、n−ヘプチルオキシ、n−オクチルオキシ、1,1,3,3−テトラメチルブトキシおよび2−エチルヘキシルオキシ、好ましくは、典型的にはメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、sec−ブトキシ、イソブトキシ、tert−ブトキシなどのC1〜C4アルコキシである。「アルキルチオ基」という用語は、エーテル結合の酸素原子が硫黄原子で置き換えられていることを除いて、アルコキシ基と同じ基を言及する。
【0039】
2〜C18アルケニル基は、直鎖または分枝状アルケニル基、例えば、ビニル、アリル、メタリル、イソプロペニル、2−ブテニル、3−ブテニル、イソブテニル、n−ペンタ−2,4−ジエニル、3−メチル−ブタ−2−エニル、n−オクタ−2−エニル、n−ドデカ−2−エニル、イソドデセニル、n−ドデカ−2−エニルまたはn−オクタデカ−4−エニルである。
【0040】
2〜C18アルキニルは、直鎖または分枝状であり、好ましくは、非置換であっても置換されていてもよいC2〜C8アルキニル、例えば、エチニル、1−プロピン−3−イル、1−ブチン−4−イル、1−ペンチン−5−イル、2−メチル−3−ブチン−2−イル、1,4−ペンタジイン−3−イル、1,3−ペンタジイン−5−イル、1−ヘキシン−6−イル、シス−3−メチル−2−ペンテン−4−イン−1−イル、トランス−3−メチル−2−ペンテン−4−イン−1−イル、1,3−ヘキサジイン−5−イル、1−オクチン−8−イル、1−ノニン−9−イル、1−デシン−10−イルまたは1−テトラコシン−24−イルである。
【0041】
1〜C18ペルフルオロアルキル、特にC1〜C4ペルフルオロアルキルは、分枝基または非分枝基、例えば、−CF3、−CF2CF3、−CF2CF2CF3、−CF(CF32、−(CF23CF3、および−C(CF33である。
【0042】
「シクロアルキル基」という用語は、典型的には、C4〜C18シクロアルキル、例えば、非置換であっても置換されていてもよいシクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロデシル、シクロウンデシル、シクロドデシル、好ましくはシクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルまたはシクロオクチルである。「シクロアルケニル基」という用語は、非置換であっても置換されていてもよい、1つ以上の二重結合を含む不飽和脂環式炭化水素基、例えば、シクロペンテニル、シクロペンタジエニルおよびシクロヘキセニル等を指す。シクロアルキル基、特にシクロヘキシル基は、C1〜C4−アルキル、ハロゲンおよびシアノで1〜3回置換され得るフェニルによって1または2回縮合され得る。当該縮合シクロヘキシル基は、
【化46】

特に
【化47】

[式中、
51、R52、R53、R54、R55およびR56は、互いに独立して、C1〜C8−アルキル、C1〜C8−アルコキシ、ハロゲンおよびシアノ、特に水素である]である。
【0043】
アリールは、通常、場合により置換され得るC6〜C24アリール(C6〜C18アリール)、例えば、非置換であっても置換されていてもよいフェニル、4−メチルフェニル、4−メトキシフェニル、ナフチル、特に、1−ナフチルもしくは2−ナフチル、ビフェニリル、ターフェニリル、ピレニル、2−もしくは9−フルオレニル、フェナントリル、アントリル、テトラシル、ペンタシル、ヘキサシルまたはクアダフェニリルである。
【0044】
「アラルキル」基という用語は、典型的には、脂肪族炭化水素基および芳香族炭化水素基がともに非置換であっても置換されていてもよいC7〜C25アラルキル、例えば、ベンジル、2−ベンジル−2−プロピル、β−フェニル−エチル、α,α−ジメチルベンジル、ω−フェニル−ブチル、ω,ω−ジメチル−ω−フェニル−ブチル、ω−フェニル−ドデシル、ω−フェニル−オクタデシル、ω−フェニル−エイコシルもしくはω−フェニル−ドコシル、好ましくはC7〜C18アラルキル、例えば、ベンジル、2−ベンジル−2−プロピル、β−フェニル−エチル、α,α−ジメチルベンジル、ω−フェニル−ブチルまたはω,ω−ジメチル−ω−フェニル−ブチル、ω−フェニル−ドデシルまたはω−フェニル−オクタデシル、特に好ましくは、C7〜C12アラルキル、例えば、ベンジル、2−ベンジル−2−プロポキシ、β−フェニル−エチル、α,α−ジメチルベンジル、ω−フェニル−ブチルまたはω,ω−ジメチル−ω−フェニル−ブチルである。
【0045】
ヘテロアリールは、典型的にはC2〜C20ヘテロアリール、すなわち5〜7個の環原子を含む環、または窒素、酸素もしくは硫黄が存在し得るヘテロ原子であり、典型的には少なくとも6個の共役π電子を有する5〜30個の原子を含む不飽和複素環式基、例えば、非置換であっても置換されていてもよいチエニル、ベンゾ[b]チエニル、ジベンゾ[b,d]チエニル、チアントレニル、フリル、フルフリル、2H−ピラニル、ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、ジベンゾフラニル、フェノキシチエニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピリジル、ビピリジル、トリアジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、インドリジニル、イソインドリル、インドリル、インダゾリル、プリニル、キノリジニル、キノリル、イソキノリル、フタラジニル、ナフチリジニル、キノキサリニル、キナゾリニル、シノリニル、プテリジニル、カルバゾリル、カルボニリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾキサゾリル、フェナントリジニル、アクリジニル、ピリミジニル、フェナントロリニル、フェナジニル、イソチアゾリル、フェノチアジニル、イソキサゾリル、フラザニルまたはフェノキサジニルである。
【0046】
以上に挙げられている基のうち存在し得る置換基は、C1〜C8アルキル、ヒドロキシル基、メルカプト基、C1〜C8アルコキシ、C1〜C8アルキルチオ、ハロゲン、ハロ−C1〜C8アルキル、シアノ基、アルデヒド基、ケトン基、カルボキシル基、エステル基、カルバモイル基、アミノ基、ニトロ基またはシリル基である。以上に挙げられている基のうち好適な置換基は、C1〜C8アルキル、C1〜C8アルコキシ、C1〜C8アルキルチオおよびシアノ基である。
【0047】
置換基、例えばR41が1つの基に2回以上出現する場合は、それは出現毎に異なり得る。
【0048】
「Gによって置換された」という用語は、1つ以上、特に1〜3つの置換基Gが存在し得ることを意味する。
【0049】
上記のように、前記基は、Eによって置換され、かつ/あるいは望まれる場合はDによって中断されていてもよい。中断は、勿論、単一結合によって互いに結合された少なくとも2個の炭素原子を含む基の場合にのみ可能である。C6〜C24アリールは中断されない。中断アリールアルキルまたはアルキルアリールは、アルキル部分に単位Dを含む。1つ以上のEによって置換され、かつ/あるいは1つ以上の単位Dによって中断されたC1〜C18アルキルは、例えば、(CH2CH2O)1-9−Rx(RxはHまたはC1〜C10アルキルもしくはC2〜C10アルカノイル(例えばCO−CH(C25)C49)である)、CH2−CH(ORy’)−CH2−O−Ry(RyはC1〜C18アルキル、C5〜C12シクロアルキル、フェニル、C7〜C15フェニルアルキルであり、Ry’は、Ryと同じ定義を包含し、またはHである)、C1〜C18アルキレン−COO−Rz、例えば、CH2COORz、CH(CH3)COORz、C(CH32COORz(RzはH、C1〜C18アルキル、(CH2CH2O)1-9−Rxであり、Rxは、以上に示される定義を包含する)、CH2CH2−O−CO−CH=CH2、CH2CH(OH)CH2−O−CO−C(CH3)=CH2である。
【0050】
全般的なデバイス構造
小分子材料、オリゴマー材料、ポリマー材料またはそれらの組合せを使用して多くのOLEDデバイス構成に式Iの化合物を使用することができる。これらは、単一の陽極および陰極を含む非常に単純な構造から、ピクセルを形成する直交配列の陽極および陰極で構成された受動マトリックス表示装置、および各ピクセルが独立して例えば薄膜トランジスタ(TFT)により制御される能動マトリックス表示装置などのより複雑なデバイスを含む。
【0051】
本発明の有機発光デバイスは、陽極および陰極で構成された一対の電極と、一対の電極の間に配置された、少なくとも発光層および正孔輸送/注入層を含む有機化合物をそれぞれ含む層とを有する。
【0052】
第1の構造は、基板上に順に、陽極と、正孔郵送/注入層と、発光層と、電子輸送層と、陰極とを含む。この構造では、伝達体輸送機能と発光機能が互いに区別され、正孔および電子が再統合する領域が発光層に存在する。
【0053】
第2の構造は、正孔輸送/注入層が正孔注入層および正孔輸送層を含む点で上記第1の構造と異なる。この層は、正孔注入特性に対する改善効果を有し、駆動電圧を低減するのに効果的である。
【0054】
第3の構造は、正孔が陰極側に向かって浸透するのを防止するための層(正孔遮断層)が発光層と電子輸送層との間に設けられる点で上記第1の構造と異なる。この構造は、大きな電離ポテンシャル(すなわち深いHOMO)を有する化合物が正孔遮断層に使用される場合に発光効率の向上に効果的である。
【0055】
式Iの化合物を正孔輸送/注入層の構成要素として使用することができる。正孔輸送層の主要構成要素としての式Iの化合物は、陽極からの正孔の注入を促進し、注入された正孔を発光層に輸送するための優れた移動性を有することが好ましい。
【0056】
代替的に、式Iの化合物を電子遮断層の構成要素として使用することができる。
【0057】
特に小分子デバイスに有用な典型的な構造は、基板、陽極、正孔輸送/注入層、場合により電子遮断層、発光層、場合により正孔または励起子遮断層、電子輸送層、および陰極で構成される。特に小分子デバイスに有用な好適な構造は、基板、陽極、正孔輸送/注入層、電子遮断層、発光層、正孔遮断層、電子輸送層および陰極で構成される。
【0058】
以下にこれらの層を詳細に記載する。代替的に、基板を陰極に隣接して配置することができ、または基板は実際に陽極もしくは陰極を構成することができることに留意されたい。陽極と陰極の間の有機層を便宜的に有機EL素子と呼ぶことができる。また、有機層の総厚さは、望ましくは500nm未満である。
【0059】
リン光材料のためのホスト材料
式Iの化合物をリン光化合物のためのホストとして有機発光ダイオード(OLED)に使用することもできる。WO08/031743を参照されたい。好適には、OLEDデバイスの発光層は、発光層のためのホスト材料および1つ以上のゲスト材料を含む。発光ゲスト材料は、通常、ホスト材料の量より少ない量で存在し、典型的にはホストの15質量%、より典型的にはホストの0.1〜10質量%、一般にはホストの5〜10質量%の量で存在する。便宜上、本明細書ではリン光複合ゲスト材料をリン光材料と呼ぶことができる。放射層は、輸送特性と放射特性を兼ね備えた単一の材料を含むことができる。放射材料がドーパントであるか主構成成分であるかにかかわらず、放射層は、放射層の発光を調整するドーパントなどの他の材料を含むことができる。放射層は、一緒になって所望のスペクトルの光を発光することが可能な複数の放射材料を含むことができる。
【0060】
本発明に有用なホスト材料を単独で、または他のホスト材料と組み合わせて使用することができる。ホスト材料は、三重項励起子をホスト材料からリン光材料に効率的に輸送することができるように選択されるべきである。好適なホスト材料は、WO00/70655、WO01/39234、WO01/93642、WO02/074015、WO02/15645、US20020117662およびWO08/031743に記載されている。好適なホストは、特定のアリールアミン、トリアゾール、インドールおよびカルバゾール化合物を含む。ホストの例は、それらの誘導体を含む4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(α−NPD)、4,4’−N,N’−ジカルバゾール−ビフェニル(CBP)、2,2’−ジメチル−4,4’−N,N’−ジカルバゾール−ビフェニル、m−(N,N’−ジカルバゾール)ベンゼンおよびポリ(N−ビニルカルバゾール)である。
【0061】
望ましいホスト材料は、連続膜を形成することが可能である。発光層は、デバイスの膜形態、電気特性、発光効率および寿命を向上させるために1つ以上のホスト材料を含むことができる。発光層は、良好な正孔輸送特性を有する第1のホスト材料、および良好な電子輸送特性を有する第2のホスト材料を含むことができる。
【0062】
リン光材料
リン光材料を単独で、または場合によっては互いに組み合わせて同一の層または異なる層に使用することができる。リン光材料および関連材料の例は、WO00/57676、WO00/70655、WO01/41512、WO02/15645、US2003/0017361、WO01/93642、WO01/39234、US6,458,475、WO02/071813、US6,573,651、US2002/0197511、WO02/074015、US6,451.455、US2003/0072964、US2003/0068528、US6,413,656、6,515,298、6,451,415、6,097,147、US2003/0124381、US2003/0059646、US2003/0054198、EP1239526、EP1238981、EP1244155、US2002/0100906、US2003/0068526、US2003/0068535、JP2003073387、JP2003073388、US2003/0141809、US2003/0040627、JP2003059667、JP2003073665およびUS2002/0121638に記載されている。
【0063】
緑色発光fac−トリス(2−フェニルピリジナト−N,C2’)イリジウム(III)およびビス(2−フェニルピリジナト−N、C2’)イリジウム(III)(アセチルアセトネート)などのIrL3およびIrL2L’型のシクロメタル化Ir(III)錯体の発光波長を、シクロメタル化リガンドL上の適切な位置における電子供与または求引基の置換、またはシクロメタル化リガンドLに対する異なる複素環の選択によってシフトさせることができる。発光波長を補助リガンドL’の選択によってシフトさせることもできる。赤色発光体の例は、ビス(2−(2’−ベンゾチエニル)ピリジナト−N,C3)イリジウム(EI)(アセチルアセトネート)、イリジウム(III)ビス(2メチルジベンゾ[f,h]キノキサリン)(アセチルアセトネート)およびトリス(1−フェニルイソキノリナト−N,C)イリジウム(III)である。青色発光体の例は、ビス(2−(4,6−ジフルオロフェニル)−ピリジナト−N,C2’)イリジウム(III)(ピコリネート)である。
【0064】
リン光材料としてビス(2−(2’−ベンゾ[4,5−a]チエニル)ピリジナト−N,C3)イリジウム(アセチルアセトネート)[Btp2Ir(acac)]を使用する赤色電気リン光が報告された(Adachi,C.,Lamansky,S.,Baldo,M.A.,Kwong,R.C., Thompson,M.E.,and Forrest,S.R.,App.Phys.Lett.,78,1622 1624(2001))。
【0065】
他の重要なリン光材料としては、シス−ビス(2−フェニルピリジナト−N,C2’)プラチナ(II)、シス−ビス(2−(2’−チエニル)ピリジナト−N,C3’)プラチナ(II)、シス−ビス(2−(2’−チエニル)キナリナト−N,C5’)プラチナ(II)または(2−(4,6−ジフルオロフェニル)ピリジナト−NC2’)プラチナ(II)アセチルアセトネートなどのシクロメタル化Pt(II)錯体が挙げられる。2,3,7,8,12,13,17,18−オクタエチル−21H,23H−ポリフィンプラチナ(H)などのPt(II)ポルフィリン錯体も有用なリン光材料である。
【0066】
有用なリン光材料のさらに他の例としては、Th3+およびEu3+などの三価ランタニドの配位錯体が挙げられる(J.Kido et al,Appl.Phys.Lett.,65,2124(1994))。
【0067】
他の重要なリン光材料が、WO06/000544およびWO08/101842に記載されている。
【0068】
遮断層
好適なホストに加えて、リン光材料を使用するOLEDデバイスは、励起子または電子―正孔組換え中心を、ホストおよびリン光材料を含む発光層に閉じ込めるのに役立つか、あるいは電荷担体(電子または正孔)の数を減少させる少なくとも1つの励起子または正孔遮断層をしばしば必要とする。一実施形態において、当該遮断層は、電子輸送層と発光層との間に配置されることになる。この場合、遮断層の電離ポテンシャルは、ホストから電子輸送層への正孔移動のためのエネルギーバリヤが存在する電離ポテンシャルであり、電子親和性は、電子が電子輸送層から、ホストおよびリン光材料を含む発光層へより容易に移動する電子親和性であるべきである。遮断材料の三重項エネルギーがリン光材料のそれより大きいことさらに望ましいが、必須でない。好適な正孔遮断材料は、WO00/70655およびWO01/93642に記載されている。有用な材料の2つの例は、セシウムによってドープすることができるバソクプロイン(BCP)およびビス(2−メチル−8−キノリノラト)(4−フェニルフェノラト)アルミニウム(III)(BAlq)である。US20030068528に記載されているように、Balq以外の金属錯体も正孔および励起子を遮断することが知られている。US20030175553には、fac−tris(1−フェニルピラゾラト−N,C2)イリジウム(III)(Irppz)を電子/励起子遮断層に使用することが記載されている。代替的に、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(α−NPD)を電子/励起子遮断層に使用することができる。
【0069】
代替的に、式Iの化合物を電子遮断層のための材料として使用することができる。式Iの化合物は、単独で機能して、エレクトロルミネセントデバイスの効率性、駆動電圧および/または寿命の向上をもたらすことができる。
【0070】
基板
基板は、発光の意図する方向に応じて光透過性または不透明であり得る。光透過性は、基板を通じてEL発光を目視するのに望ましい。そのような場合は、透明ガラスまたはプラスチックが一般に使用される。基板は、多数の材料の層を含む複合構造であり得る。これは、典型的には、TFTがOLED層の下に設けられる能動マトリックス基板の場合である。基板は、少なくとも放射ピクセル化部分において、ガラスまたはポリマーなどの高度に透明な材料で構成されることが依然として必要である。EL発光が上部電極を通じて目視される用途では、下部支持体の透過性は重要でないため、光透過性、光吸収性または光反射性であり得る。この場合に使用される基板としては、ガラス、プラスチック、半導体材料、シリコン、セラミックおよび回路板材料が挙げられるが、それらに限定されない。ここでも、基板は、能動マトリックスTFT設計に見られるような多数の材料の層を含む複合構造であり得る。これらのデバイス構成に光透明性の上部電極を設けることが必要である。
【0071】
陽極
所望のエレクトロルミネセント発光(EL)が陽極を通じて目視される場合は、陽極は、当該発光に対して透明または実質的に透明であるべきである。本発明に使用される一般的な透明陽極材料は、インジウム錫酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)および錫酸化物であるが、アルミニウムまたはインジウムドープ酸化亜鉛、マグネシウムインジウム酸化物およびニッケルタングステン酸化物を含むが、それらに限定されない他の金属酸化物も機能することができる。これらの酸化物に加えて、窒化ガリウムなどの金属窒化物、セレン化亜鉛などの金属セレン化物、および硫化亜鉛などの金属硫化物を陽極として使用することができる。EL発光が陰極を通じてのみ目視される用途では、陽極の透過性は重要でなく、透明性、不透明性または反射性の導電性材料を使用することができる。この用途のための導体の例としては、金、イリジウム、モリブデン、パラジウムおよびプラチナが挙げられるが、それらに限定されない。所望の陽極材料は、一般に、蒸発、スパッタリング、化学蒸着または電気化学的手段などの任意の好適な手段によって堆積される。周知のフォトリソグラフィ法を使用して陽極をパターン化することができる。場合により、他の層を塗布する前に陽極を研磨して、ショーツを最小限に抑えるか、または反射性を向上させるように表面粗さを低減することができる。
【0072】
陰極
発光が陽極のみを通じて目視される場合は、本発明に使用される陰極をほぼ任意の導電性材料で構成することができる。所望の材料は、下部の有機層との良好な接触を確保し、低電圧での電子注入を促進し、良好な安定性を有するために良好な膜形成特性を有する。有用な陰極材料は、低仕事関数金属(<4.0eV)または金属合金をしばしば含む。US−A−4,885,221に記載されているように、1つの有用な陰極材料は、銀の割合が1〜20%であるMg:Ag合金で構成される。別の好適な種類の陰極材料は、導電性金属のより厚い層で被覆される有機層(例えば、電子輸送層(ETL))と接触する、陰極および薄い電子注入層(EIL)を含む二重層を含む。ここで、EILは、好ましくは、低仕事関数金属または金属塩を含み、その場合は、より厚い被覆層は、低仕事金属関数を有する必要がない。1つの当該陰極は、US−A−5,677,572に記載されているように、より厚いAlの層を伴う薄いLiFの層で構成される。アルカリ金属でドープされたETL材料、例えば、LiドープAlqは、有用なEILの別の例である。他の有用な陰極材料群としては、US−A−5,059,861、5,059,862および6,140,763に開示されているものが挙げられるが、それらに限定されない。
【0073】
発光が陰極を通じて目視される場合は、陰極は透明またはほぼ透明でなければならない。当該用途では、金属は薄くなければならず、または透明導電性酸化物もしくはこれらの材料の組合せを使用しなければならない。光透過性陰極は、US−A−4,885,211、5,247,190、JP3,234,963、米国特許第5,703,436号、同第5,608,287号、同第5,837,391号、同第5,677,572号、同第5,776,622号、同第5,776,623号、同第5,714,838号、同第5,969,474号、同第5,739,545号、同第5,981,306号、同第6,137,223号、同第6,140,763号、同第6,172,459号、EP1076368、US−A−6,278,236および6,284,3936に記載されている。陰極材料は、典型的には、蒸発、スパッタリングまたは化学蒸着などの任意の好適な方法によって堆積される。必要であれば、スルーマスク蒸着、US−A−5,276,380およびEP0732868に記載されている一体的シャドウマスク、レーザアブレーションおよび選択的化学蒸着を含むが、それらに限定されない多くの周知の方法によりパターン化を達成できる。
【0074】
正孔輸送/注入層(HTL)
正孔輸送/注入層は、単一層に限定されず、少なくとも1つの層が式Iの化合物で構成される2つ以上の層を積層することができる。正孔輸送/注入層が2つ以上の層(正孔注入層/正孔輸送層)からなる場合は、式Iの化合物は陽極の隣の層(正孔注入層)に含まれる。有機ELデバイスの正孔輸送/注入層は、少なくとも1つの式Iの化合物を含む。正孔輸送/注入層を式Iの単一化合物、または式Iの化合物の混合物、または式Iの化合物と他の化合物(所謂「ドーパント」)との混合物で形成することができる。正孔輸送/注入層は、好ましくは、式Iの化合物およびドーパントを含む単一層である。ドーパントは、式Iの化合物およびドーパントの質量に基づいて0.001〜20質量%、特に1〜20質量%の量で使用される。ドーパントの例は、例えば、K.Walzer,B.Maennig,M.Pfeiffer,and K.Leo,Chem.Rev.107(2007)1233−1271、EP1596445A1、WO2009/003455A1、DE100357044、WO2008/058525、WO2008/138580、US20080171228およびUS2008/0265216に記載されている。式Iの化合物と併用することができるドーパントの具体的な例は、酸化チタン(TiOx)、酸化バナジウム(VOx)、特にV25、酸化モリブデン(MoOx)、特にMoO3、酸化タングステン(WOx)、特にWO3、酸化ルテニウム(RuOx)、酸化クロム(CrOx)、酸化ジルコニウム(ZrOx)、酸化ハフニウム(HfOx)、酸化タンタル(TaOx)、酸化銀(AgOx)、酸化マンガン(MnOx)、三塩化鉄(FeCl3)、五塩化アンチモン(SbCl5)、WO2008/058525に記載されている金属フタロシアニン化合物、ジシアノ(フタロシアナト(−1)コバルト(III)、US2008/0265216に記載されているオキソカルボン、シュードオキソカルボンおよびラジアレン化合物、WO2008/138580に記載のジシアノ(フタロシアナト(−1)ルテニウム(III)、特にMO3,2−(6−ジシアノメチレン−1,3,4,5,7,8−ヘキサフルオロ−6H−ナフタレン−2−イリデン)−マロノニトリル、
【化48】

、2,3,5,6−テトラフルオロ−7,7,8,8−テトラシアノキノジメタン(F4−TCNQ)、
【化49】

である。
【0075】
具体的には、特にMoO3を正孔輸送/注入層のドーパントとして、式Iの化合物およびドーパントの質量に基づいて1〜20質量%の量で使用することができる。代替的に、式Iの化合物と2,3,5,6−テトラフルオロ−7,7,8,8−テトラシアノキノジメタン(F4−TCNQ)をドーパントとして、式Iの化合物およびドーパントの質量に基づいて1〜20質量%の量で使用することができる。
【0076】
a)マトリックス材料の1つの供給源およびドーパントの1つの供給源を用いて真空下で混合蒸発する方法、b)マトリックス材料およびドーパントを順次堆積した後、熱処理によってドーパントを内部拡散する方法、c)ドーパントの溶液によってマトリックス材料層をドープした後、熱処理によって溶媒を蒸発させる方法並びにd)表面に塗布されたドーパントの層によってマトリックス材料層を表面ドープする方法の1つまたは組合せによって、本発明従って使用されるドーパントで式Iのそれぞれの化合物(マトリックス材料)をドープすることができる。
【0077】
正孔注入層に使用される代替的な材料としては、US−A−4,720,432に記載されているポルフィリン化合物、US−A−6,208,075に記載されているプラズマ蒸着フルオロカーボン、およびいくつかの芳香族アミン、例えばm−MTDATA(4,4’、4’’−トリス[(3−メチルフェニル)フェニルアミノ]トリフェニルアミン)が挙げられる。有機ELデバイスに有用であることが報告されている代替的な正孔注入材料がEP0891121およびEP1029909に記載されている。
【0078】
正孔輸送層のための代替的な物質としては、例えば、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:NPB)、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ジフェニル−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミン(略称TPD)、4,4’,4’’−トリス(N,N−ジフェニルアミノ)トリフェニルアミン(略称TDATA)、4,4’,4’’−トリス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ]トリフェニルアミン(略称MTDATA)および4,4’−ビス[N−(スピロー9,9’−ビフルオレン−2−イル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:BSPB)などの芳香族アミン化合物を使用することができる。
【0079】
蛍光発光材料および層(LEL)
リン光材料に加えて、蛍光材料を含む他の発光材料をOLEDデバイスに使用することができる。「蛍光」という用語は、任意の発光材料を記載するのに広く使用されているが、この場合は、一重項励起状態から発光する材料を指す。蛍光材料をリン光材料と同じ層、隣接相、隣接ピクセルまたは任意の組合せに使用することができる。リン光材料の性能に悪影響を与える材料を選択しないように注意しなければならない。リン光材料と同じ層または隣接層の材料の三重項励起状態エネルギーを、望ましくない消光を防止するように適切に設定しなければならないことを当業者なら理解するであろう。US−A−4,769,292および5,935,721により詳細に記載されているように、有機EL素子の発光層(LEL)は、この領域における電子−正孔対組換えの結果として電気発光がもたらされる発光性蛍光またはリン光材料を含む。発光層は、単一材料で構成され得るが、より一般的には、発光が主として発光材料から生じ、任意の色を有することができる1つ以上のゲスト発光材料でドープされたホスト材料からなる。発光層のホスト材料は、以下に定義される電子輸送材料、以上に定義されている正孔輸送材料、または正孔−電子組換えを支持する別の材料もしくは材料の組合せであり得る。蛍光発光材料は、典型的には、ホスト材料の0.01〜10質量%で含められる。小さな非ポリマー分子またはポリマー材料、例えばポリフルオレンおよびポリビニルアリーレン(例えばポリ(p−フェニレンビニレン)、PPV)であり得る。ポリマーの場合は、小分子発光材料をポリマーホストに分子分散させるか、または小構成成分を共重合することによって発光材料をホストポリマーに加えることができる。膜形成、電気特性、発光効率性、寿命または製造性を向上させるために、ホスト材料を混ぜ合わせることができる。ホストは、良好な正孔輸送特性を有する材料および良好な電子輸送特性を有する材料を含むことができる。
【0080】
有用であることが既知のホスト材料および発光材料としては、US−A−4,768,292、5,141,671、5,150,006、5,151,629、5,405,709、5,484,922、5,593,788、5,645,948、5,683,823、5,755,999、5,928,802、5,935,720、5,935,721および6,020,078に開示されているものが挙げられるが、それらに限定されない。
【0081】
8−ヒドロキシキノリンおよび類似の誘導体の金属錯体(式E)は、電気発光を支持することが可能な1つの種類の有用なホスト化合物を構成し、例えば緑色、黄色、橙色および赤色の500nm以上の波長の発光に特に好適である。
【0082】
【化50】

[式中、
Mは金属を表し、
vは1〜4の整数であり、
ZZは、独立して、出現毎に、少なくとも2つの縮合芳香族環を有する核を完成する原子を表す。]以上から、金属は一価、二価、三価または四価金属であり得る。金属は、例えば、リチウム、ナトリウムもしくはカリウムなどのアルカリ金属、マグネシウムもしくはカルシウムなどのアルカリ土類金属、アルミニウムもしくはガリウムなどの土類金属、または亜鉛もしくはジルコニウムなどの遷移金属であり得る。有用なキレート化金属であることが既知の任意の一価、二価、三価または四価金属を使用することができる。ZZは、その少なくとも1つがアゾールまたはアジン環である少なくとも2つの縮合芳香族環を含む複素環核を完成する。必要な場合は、脂肪族環および芳香族環の両方を含むさらなる環を2つの必要な環と縮合させることができる。機能を向上させずに分子塊を追加することを避けるために、環原子の数は、通常、18以下に維持される。
【0083】
有用なキレート化オキシノイド化合物の実例を以下に示す。
CO−1:アルミニウムトリスオキシン[アリアス、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(III)]
CO−2:マグネシウムビスオキシン[アリアス、ビス(8−キノリノラト)マグネシウム(II)]
CO−3:ビス[ベンゾ{f}−8−キノリノラト]亜鉛(II)
CO−4:ビス(2−メチル−8−キノリノラト)アルミニウム(III)−μ−オキソ−ビス(2−メチル−8−キノール−イノラト)アルミニウム(III)
CO−5:インジウムトリスオキシン[アリアス、トリス(8−キノリノラト)インジウム]
CO−6:アルミニウムトリス(5−メチルオキシン)[アリアス、トリス(5−メチル−8−キノリノラト)アルミニウム(III)]
CO−7:リチウムオキシン[アリアス、(8−キノリノラト)リチウム(I)]
CO−8:ガリウムオキシン[アリアス、トリス(8−キノリノラト)ガリウム(III)]
CO−9:ジルコニウムオキシン[アリアス、テトラ(8−キノリノラト)ジルコニウム(IV)]
有用な蛍光発光材料としては、アントラセン、テトラセン、キサンテン、ペリレン、ルブレン、クマリン、ロダミンおよびキナクリドン、ジシアノメチレンエピラン化合物、チオピラン化合物、ポリメチン化合物、ピリリウムおよびチアピリリウム化合物、フルオレン誘導体、ペリフランテン誘導体、インデノペリレン誘導体、ビス(アジニル)アミンホウ素化合物、ビス(アジニル)メタン化合物並びにカルボスチリル化合物が挙げられるが、それらに限定されない。有用な材料の実例としては、US7,090,930B2に記載されている化合物L1〜L52が挙げられるが、それらに限定されない。
【0084】
電子輸送層(ETL)
本発明の有機ELデバイスの電子輸送層を形成するのに使用するための好適な薄膜形成材料は、オキシン自体のキレート(一般的に8−キノリノールまたは8−ヒドロキシキノリンとも称する)を含む金属キレート化オキシノイド化合物である。当該化合物は、電子を注入および輸送するのに役立ち、高度な性能を発揮するとともに、薄膜の形で容易に作製される。考えられるオキシノイド化合物の例は、既に記載されている構造式(E)を満たすものである。
【0085】
他の電子輸送材料としては、US4,356,429に開示されている様々なブタジエン誘導体およびUS4,539,507に記載されている様々な複素環式蛍光増白剤が挙げられる。
【0086】
構造式(G)を満たすベンザゾールも有用な電子輸送材料である。トリアジンも有用な電子輸送材料であることは既知である。ドープを使用して、導電性を向上させることができる。Alq3は、固有の電子輸送層の例である。nドープ電子輸送層の例は、US6,337,102に記載されているように、1:1のモル比で、LiでドープされたBPhenである。
【0087】
有機層の堆積
以上に挙げられている有機材料は、有機材料の形に対して好適である任意の手段によって好適に堆積される。小分子の場合は、それらは、便宜的に熱蒸着を介して堆積されるが、膜形成を向上させるための任意の結合剤を用いて溶媒などによる他の手段によって堆積され得る。材料が可溶性であるか、またはオリゴマー/ポリマーの形である場合は、通常は、溶液処理、例えばスピン塗布、インクジェット印刷が好適である。デンドリマー置換基を使用して、溶液処理が施される小分子の能力を向上させることができる。シャドウマスク、一体的シャドウマスク(US5,294,870)、ドナーシートからの空間定画熱染料輸送(US5,688,551、5,851,709および6,066,357)並びにインクジェット法を使用してパターン化体積を達成することができる。
【0088】
封入
殆どのOLEDデバイスは、水分もしくは酸素またはその両方に敏感であるため、一般には、アルミナ、ボーキサイト、硫酸カルシウム、クレー、シリカゲル、ゼオライト、アルカリ金属酸化物、アルカリ土類金属酸化物、硫酸塩または金属ハロゲン化物および過塩素酸塩などの乾燥剤とともに窒素またはアルゴンなどの不活性雰囲気中に密封される。封入および乾燥のための方法としては、US6,226,890に記載されている方法が挙げられるが、それらに限定されない。加えて、SiOx、テフロンおよび無機/ポリマー交互層などのバリヤ層が封入の技術分野で既知である。
【0089】
本発明の実施形態に従って作製されたデバイスを、フラットパネルディスプレイ、コンピュータモニタ、テレビジョン、掲示板、屋内もしくは屋外照明および/またはシグナル伝達用電灯、完全透明ディスプレイ、フレキシブルディスプレイ、レーザプリンタ、携帯電話、携帯情報端末(PDA)、ラップトップコンピュータ、デジタルカメラ、カムコーダー、ビューファインダー、マイクロディスプレイ、車両、劇場もしくは競技場スクリーンまたは標識を含む多種多様な消費者製品に含めることができる。様々な制御装置を使用して、受動マトリックスおよび能動マトリックスを含む、本発明に従って作製されたデバイスを制御することができる。
【0090】
本発明の様々な特徴および態様を以下に続く実施例においてさらに説明する。これらの実施例は、本発明の範囲内でどのように作用するかを当業者に示すために提示されるが、それらは、本発明の範囲を限定するものとして機能するものでなく、当該範囲は、特許請求の範囲においてのみ定義される。以下の実施例および明細書の他の箇所並びに請求項の範囲において他に指定される場合を除いて、全ての部および百分率は質量部および質量百分率であり、温度は摂氏温度であり、圧力は大気圧またはその付近の圧力である。
【0091】
実施例
実施例1
【化51】

【0092】
a)500mlの氷酢酸中の30.0g(82.0ミリモル)の2,7−ジブロモ−フェナントレン−9,10−ジオン、14.1g(90.2ミリモル)の1−ナフタレンカルボキサルデヒド、15.3g(164ミリモル)のアニリンおよび19.0g(246ミリモル)の酢酸アンモニウムを窒素下で4時間還流させる。生成物を濾別し、氷酢酸、水、炭酸水素ナトリウム溶液および水で洗浄し、次いでトルエンおよびメチルエチルケトン中で煮沸する。
【0093】
【化52】

【0094】
b)3.66g(38.0ミリモル)tert−酪酸ナトリウムを200mLのトルエン中10.00g(17.3ミリモル)の実施例1aの生成物に添加する。反応混合物をアルゴンで脱気する。190mg(0.86ミリモル)の酢酸パラジウム(II)を添加する。反応混合物をアルゴンで脱気する。350mg(1.73ミリモル)のトリ−tert−ブチルホスフィンを添加する。40mlのトルエン中の7.96g(36.3ミリモル)のN−フェニル−1−ナフチルアミンの脱気溶液を添加する。反応混合物をアルゴン下で90℃にて15時間撹拌し、トルエンとともにシリカゲルで濾過する。溶媒を真空中で除去し、生成物をジエチルエーテルから結晶化させる。生成物は、158℃のガラス転移温度を有する。
【0095】

【0096】
実施例2
【化53】

【0097】
実施例1bと同様にして合成を実施する。生成物は、334℃の融点を有する。
【0098】

【0099】
実施例3
【化54】

【0100】
3a)150mlの氷酢酸中の10.0g(82.0ミリモル)の2,7−ジブロモ−フェナントレン−9,10−ジオン、3.91g(30.1ミリモル)のベンズアルデヒド、5.09g(54.6ミリモル)のアニリンおよび6.32g(82.0ミリモル)の酢酸アンモニウムを窒素下で23時間還流させる。生成物を濾別し、氷酢酸、水、炭酸水素ナトリウム溶液および水で洗浄し、次いでイソプロパノール中で煮沸し、トルエンとともにシリカゲルで濾過する。
【0101】
【化55】

【0102】
3b)2.73g(28.4ミリモル)tert−酪酸ナトリウムを50mLのトルエン中5.00g(9.46ミリモル)の実施例3aの生成物に添加する。反応混合物をアルゴンで脱気する。106mg(0.47ミリモル)の酢酸パラジウム(II)を添加する。反応混合物をアルゴンで脱気する。トルエン中の0.95ml(0.95ミリモル)のトリ−tert−ブチルホスフィンの1M溶液を添加する。5.60g(28.4ミリモル)のジ−p−トリル−アミンの脱気溶液を添加する。反応混合物をアルゴン下で100℃にて20時間撹拌する。反応混合物を60mlの1%シアン化ナトリウム溶液で洗浄する。有機溶媒を真空中で除去する。生成物をエタノールとともに煮沸し、ジクロロメタンに溶解させ、エタノールを添加する。ジクロロメタンを蒸留除去する。生成物を濾別する(融点:239℃)。
【0103】

【0104】
デバイス作製および応用実施例
デバイスを高真空(<10-6mbar)中で熱蒸着によって作製する。陽極は、ガラス基板上に既に堆積された約1200Åのインジウム錫酸化物(ITO)からなる。陰極は、1000ÅのAlからなる。全てのデバイスを製造直後に、封入せずに、グローブボックスの窒素雰囲気中(H2OおよびO2が1ppm未満)で試験する。使用する全ての材料は昇華質である。
【0105】
応用実施例1
有機積層体は、ITO表面から順に、10:1の蒸着率比で4F−TCNQと同時蒸着された正孔輸送層としての600Åの化合物A−11と、それに続く電子遮断層としての10Åの化合物A−11とからなる。放射層は、10%の赤色発光体でドープされたホストとしての200Åの化合物A−11と、イリジウム(III)ビス(2メチルジベンゾ[f,h]キノキサリン)(アセチルアセトネート)と、それに続く正孔遮断層としての100ÅのBAlq(ビス(2−メチル−8−キノリノラト)−4−(フェニル−フェノラト)アルミニウム−(III)および6%のCsでドープされたBPhen(4,7ジフェニル−1,10−フェナントロリン)で構成された600Åの電子輸送材料からなる。
【0106】
応用実施例2
化合物A−11の代わりに4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(α−NPD)をホストとして使用することを除いては応用実施例1と同じである。
【0107】
応用実施例3
化合物A−11の代わりに4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(α−NPD)を電子遮断層として使用することを除いては応用実施例2と同じである。
【0108】
応用実施例4
化合物A−11の代わりに、4F−TCNQ(10:1)でドープされた4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(α−NPD)を正孔輸送層として使用することを除いては応用実施例1と同じである。
【0109】
応用実施例5
化合物A−11の代わりに4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(α−NPD)をホストとして使用することを除いては応用実施例4と同じである。
【0110】
応用実施例6
化合物A−11の代わりに4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(α−NPD)を電子遮断層として使用することを除いては応用実施例4と同じである。
【0111】
比較応用例1
有機積層体は、ITO表面から順に、10:1の蒸着率比で4F−TCNQと同時蒸着された正孔輸送層としての600Åの4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(α−NPD)と、それに続く電子遮断層としての100Åのα−NPDとからなっていた。放射層は、10%の赤色発光体でドープされたホストとしての200Åのα−NPDと、イリジウム(III)ビス(2メチルジベンゾ[f,h]キノキサリン)(アセチルアセトネート)と、それに続く正孔遮断層としての100ÅのBAlq(ビス(2−メチル−8−キノリノラト)−4−(フェニル−フェノラト)アルミニウム−(III)および6%のCsでドープされたBPhen(4,7ジフェニル−1,10−フェナントロリン)で構成された600Åの電子輸送材料からなる。
【0112】
上記のように製造されたデバイスに対して測定した発光効率と開始電圧(@1000cd/m2)および最大輝度を以下の表に報告する。
【0113】
【表1】

【0114】
デバイス構造に応じて、本発明のデバイスは、より低い開始電圧を有し、同等の発光効率および最大輝度で比較応用例1のデバイスと比較して、優れた寿命を示すことができる。
【0115】
実施例4
【化56】

【0116】
a)80mlの氷酢酸中の5.0g(13.6ミリモル)の2,7−ジブロモ−フェナントレン−9,10−ジオン、2.35g(15.0ミリモル)の2−ナフタレンカルボキサルデヒド、2.54g(27.3ミリモル)のアニリンおよび3.16g(41.0ミリモル)の酢酸アンモニウムを窒素下で18時間還流させる。生成物を濾別し、氷酢酸、水、炭酸水素ナトリウム溶液および水で洗浄し、次いでジエチルエーテル中で煮沸する。
【0117】
【化57】

【0118】
b)1.75g(18.3ミリモル)tert−酪酸ナトリウムを100mLのトルエン中4.80g(17.3ミリモル)の実施例4aの生成物に添加する。3.82g(17.4ミリモル)のN−フェニル−1−ナフチルアミンを添加する。反応混合物をアルゴンで脱気する。93mg(0.42ミリモル)の酢酸パラジウム(II)を添加する。反応混合物をアルゴンで脱気する。170mg(83ミリモル)のトリ−tert−ブチルホスフィンを添加する。反応混合物をアルゴンで脱気する。反応混合物をアルゴン下で90℃にて21時間撹拌し、トルエンとともにシリカゲルで濾過する。溶媒を真空中で除去し、生成物をジエチルエーテル中で煮沸する。トルエン/シクロヘキサン(1/1)および次いでトルエン/シクロヘキサン(7/3)を用いたシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーにより化合物A−43を得る(収率:51%)を得る。
【0119】

【0120】
実施例5
【化58】

【0121】
実施例3aの生成物およびN−フェニル−1−ナフチルアミンから出発して実施例1bと同様にして化合物A−5を製造する。融点:290℃。
【0122】

【0123】
実施例6
【化59】

【0124】
実施例3aの生成物およびN、N−ジフェニルアミンから出発して実施例1bと同様にして化合物A−5を製造する。融点:277℃。
【0125】

【0126】
実施例6
【化60】

【0127】
実施例1aの生成物およびN−フェニル−2−ナフチルアミンから出発して実施例1bと同様にして化合物A−44を製造する。融点:268℃。
【0128】

【0129】
実施例7
【化61】

【0130】
実施例1aの生成物およびN,N−ビス(4−メチルフェニル)アミンから出発して実施例1bと同様にして化合物A−8を製造する。融点:286℃。
【0131】

【0132】
実施例8
【化62】

【0133】
実施例1aの生成物およびカルバゾールから出発して実施例1bと同様にして化合物A−45を製造する。この反応では溶媒としてキシレンを使用する。融点:286℃。
【0134】

【0135】
応用実施例7
有機積層体は、ITO表面から順に、10:1の蒸着率比で4F−TCNQと同時蒸着された正孔輸送層としての600Åの化合物NPDと、それに続く電子遮断層としての100Åの化合物A−44とからなる。放射層は、10%の赤色発光体でドープされたホストとしての200Åの4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(α−NPD)と、イリジウム(III)ビス(2メチルジベンゾ[f,h]キノキサリン)(アセチルアセトネート)と、それに続く正孔遮断層としての100ÅのBAlq(ビス(2−メチル−8−キノリノラト)−4−(フェニル−フェノラト)アルミニウム−(III)および6%のCsでドープされたBPhen(4,7ジフェニル−1,10−フェナントロリン)で構成された600Åの電子輸送材料からなる。
【0136】
比較応用例2
有機積層体は、ITO表面から順に、10:1の蒸着率比で4F−TCNQと同時蒸着された正孔輸送層としての600Åの4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(α−NPD)と、それに続く電子遮断層としての100Åの化合物α−NPDとからなっていた。放射層は、10%の赤色発光体でドープされたホストとしての200Åのα−NPDと、イリジウム(III)ビス(2メチルジベンゾ[f,h]キノキサリン)(アセチルアセトネート)と、それに続く正孔遮断層としての100ÅのBAlq(ビス(2−メチル−8−キノリノラト)−4−(フェニル−フェノラト)アルミニウム−(III)および6%のCsでドープされたBPhen(4,7ジフェニル−1,10−フェナントロリン)で構成された600Åの電子輸送材料からなる。
【0137】
応用実施例8
正孔輸送層として、10:1の蒸着率比で4F−TCNQと同時蒸着された4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(α−NPD)の代わりに、10:1の蒸着率比で4F−TCNQと同時蒸着された化合物A−44を使用することを除いては比較例1と同じ。
【0138】
応用実施例9
有機積層体は、ITO表面から順に、10:1の蒸着率比で4F−TCNQと同時蒸着された正孔輸送層としての600Åの化合物NPDと、それに続く電子遮断層としての100Åの化合物A−2とからなる。放射層は、10%の赤色発光体でドープされたホストとしての200Åの4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(α−NPD)と、イリジウム(III)ビス(2メチルジベンゾ[f,h]キノキサリン)(アセチルアセトネート)と、それに続く正孔遮断層としての100ÅのBAlq(ビス(2−メチル−8−キノリノラト)−4−(フェニル−フェノラト)アルミニウム−(III)および6%のCsでドープされたBPhen(4,7ジフェニル−1,10−フェナントロリン)で構成された600Åの電子輸送材料からなる。
【0139】
上記のように製造されたデバイスに対して測定した発光効率と開始電圧(@1000cd/m2)および最大輝度を以下の表に報告する。
【0140】
【表2】

【0141】
デバイス構造に応じて、本発明のデバイスは、より低い電圧を有するか、または同等の発光効率および最大輝度で比較応用例2のデバイスと比較して、優れた寿命を示すことができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
陽極、正孔輸送/注入層、場合により電子遮断層、発光層、場合により正孔もしくは励起子遮断層、電子輸送層および陰極を含むエレクトロルミネセント(EL)デバイスであって、正孔輸送/注入層および/または電子遮断層は、式
【化1】

[式中、
1およびR4は、互いに独立して、水素、C1〜C18アルキル、Eによって置換され、かつ/あるいはDによって中断されたC1〜C18アルキル、C1〜C18ペルフルオロアルキル、C2〜C18アルケニル、C2〜C18アルキニル、C1〜C18アルコキシ、Eによって置換され、かつ/あるいはDによって中断されたC1〜C18アルコキシ、CNまたは−CO−R28であり、
2、R3、R5およびR6は、互いに独立して、H、C1〜C18アルキル、Eによって置換され、かつ/あるいはDによって中断されたC1〜C18アルキル、C1〜C18ペルフルオロアルキル、C6〜C24アリール、Gによって置換されたC6〜C24アリール、C2〜C20ヘテロアリール、Gによって置換されたC2〜C20ヘテロアリール、C2〜C18アルケニル、C2〜C18アルキニル、C1〜C18アルコキシ、Eによって置換され、かつ/あるいはDによって中断されたC1〜C18アルコキシ、C7〜C25アラルキル、CNまたは−CO−R28であり、
8は、C1〜C18アルキル、Eによって置換され、かつ/あるいはDによって中断されたC1〜C18アルキル、C1〜C18ペルフルオロアルキル、C6〜C24アリール、Gによって置換されたC6〜C24アリール、C2〜C20ヘテロアリール、またはGによって置換されたC2〜C20ヘテロアリールであり、
9は、H、C1〜C18アルキル、Eによって置換され、かつ/あるいはDによって中断されたC1〜C18アルキル、C1〜C18ペルフルオロアルキル、C6〜C24アリール、Gによって置換されたC6〜C24アリール、C2〜C20ヘテロアリール、またはGによって置換されたC2〜C20ヘテロアリールであり、
互いに隣接する2つの置換基R2およびR3および/またはR5およびR6は、一緒になって基
【化2】

を形成し、
105、R106、R107、R108、R106’およびR108’は、互いに独立して、H、C1〜C18アルキル、Eによって置換され、かつ/あるいはDによって中断されたC1〜C18アルキル、C1〜C18アルコキシ、またはEによって置換され、かつ/あるいはDによって中断されたC1〜C18アルコキシであり、
1、A2、A1’およびA2’は、互いに独立して、式
【化3】

の基であり、あるいはA1およびA1’、および/またはA2およびA2’は、それらが結合された窒素原子と一緒になって、複素環式芳香族環、または
【化4】

などの環系を形成し、
m’は、0、1または2であり、
mは、各出現において同一であっても異なっていてもよく、0、1、2または3、特に0、1または2、特に0または1であり、
41は、各出現において同一であっても異なっていてもよく、Cl、F、CN、N(R452、C1〜C25アルキル基、C4〜C18シクロアルキル基、互いに隣接しない1個以上の炭素原子を−NR45−、−O−、−S−もしくは−C(=O)−O−で置き換えることが可能であり、かつ/あるいは1個以上の水素原子をFで置き換えることができるC1〜C25アルコキシ基、C6〜C24アリール基、あるいは1個以上の炭素原子をO、SもしくはNで置き換えることができ、かつ/あるいは1つ以上の非芳香族基R41によって置換され得るC6〜C24アリールオキシ基であり、あるいは2つ以上の基R41が環系を形成し、
45は、H、C1〜C25アルキル基、互いに隣接しない1個以上の炭素原子を−NR45−、−O−、−S−、−C(=O)−O−もしくは−O−C(=O)−O−で置き換えることが可能であり、かつ/あるいは1個以上の水素原子をFで置き換えることができるC4〜C18シクロアルキル基、C6〜C24アリール基、あるいは1個以上の炭素原子をO、SもしくはNで置き換えることができ、かつ/あるいは1つ以上の非芳香族基R41によって置換され得るC6〜C24アリールオキシ基であり、
45’’は、H、C1〜C25アルキル基またはC4〜C18シクロアルキル基であり、
65’は、H、C1〜C25アルキル基、互いに隣接しない1個以上の炭素原子を−O−もしくは−S−によって置き換えることが可能であり、かつ/あるいは1個以上の水素原子をFで置き換えることができるC4〜C18シクロアルキル基、C6〜C24アリール基、あるいは1個以上の炭素原子をO、SもしくはNで置き換えることができ、かつ/あるいはGによって置換され得るC6〜C24アリールオキシ基であり、
116、R117およびR117’は、互いに独立して、H、ハロゲン、−CN、C1〜C18アルキル、Eによって置換され、かつ/あるいはDによって中断されたC1〜C18アルキル、C6〜C24アリール、Gによって置換されたC6〜C24アリール、C2〜C20ヘテロアリール、Gによって置換されたC2〜C20ヘテロアリール、C2〜C18アルケニル、C2〜C18アルキニル、C1〜C18アルコキシ、Eによって置換され、かつ/あるいはDによって中断されたC1〜C18アルコキシ、C7〜C25アラルキル、−C(=O)−R127’、 −C(=O)OR127’または−C(=O)NR127126であり、あるいは互いに隣接する置換基R116、R117およびR117’は、環を形成することができ、
119およびR120は、互いに独立して、C1〜C18アルキル、Eによって置換され、かつ/あるいはDによって中断されたC1〜C18アルキル、C6〜C24アリール、Gによって置換されたC6〜C24アリール、C2〜C20ヘテロアリール、Gによって置換されたC2〜C20ヘテロアリール、C2〜C18アルケニル、C2〜C18アルキニル、C1〜C18アルコキシ、Eによって置換され、かつ/あるいはDによって中断されたC1〜C18アルコキシまたはC7〜C25アラルキルであり、あるいは
119およびR120は、一緒になって式=CR121122の基を形成し、
121およびR122は、互いに独立して、H、C1〜C18アルキル、Eによって置換され、かつ/あるいはDによって中断されたC1〜C18アルキル、C6〜C24アリール、Gによって置換されたC6〜C24アリール、またはC2〜C20ヘテロアリール、またはGによって置換されたC2〜C20ヘテロアリールであり、あるいは
119およびR120は、一緒になって、C1〜C18アルキル、Eによって置換され、かつ/あるいはDによって中断されたC1〜C18アルキル、C6〜C24アリール、Gによって置換されたC6〜C24アリール、C2〜C20ヘテロアリール、Gによって置換されたC2〜C20ヘテロアリール、C2〜C18アルケニル、C2〜C18アルキニル、C1〜C18アルコキシ、Eによって置換され、かつ/あるいはDによって中断されたC1〜C18アルコキシ、C7〜C25アラルキル、または−C(=O)−R127’によって場合により置換され得る5もしくは6員環を形成し、
126、R127およびR127’は、互いに独立して、C6〜C18アリール、C1〜C18アルキルもしくはC1〜C18アルコキシによって置換されたC6〜C18アリール、C1〜C18アルキル、または−O−によって中断されたC1〜C18アルキルであり、
Dは、−CO−、−COO−、−S−、−SO−、−SO2−、−O−、−NR25−、−SiR3031、−POR32−、−CR23=CR24−または−C≡C−であり、
Eは、−OR29、−SR29、−NR2526、−COR28、−COOR27、−CONR2526、−CNまたはハロゲンであり、
Gは、E、C1〜C18アルキル、Dによって中断されたC1〜C18アルキル、C1〜C18ペルフルオロアルキル、C1〜C18アルコキシ、またはEによって置換され、かつ/あるいはDによって中断されたC1〜C18アルコキシであり、
23およびR24は、互いに独立して、C6〜C18アリール、C1〜C18アルキルもしくはC1〜C18アルコキシによって置換されたC6〜C18アリール、C1〜C18アルキル、または−O−によって中断されたC1〜C18アルキルであり、
25およびR26は、互いに独立して、C6〜C18アリール、C1〜C18アルキルもしくはC1〜C18アルコキシによって置換されたC6〜C18アリール、C1〜C18アルキル、または−O−によって中断されたC1〜C18アルキルであり、あるいは
25およびR26は、一緒になって、5もしくは6員環を形成し、
27およびR28は、互いに独立して、C6〜C18アリール、C1〜C18アルキルもしくはC1〜C18アルコキシによって置換されたC6〜C18アリール、C1〜C18アルキル、または−O−によって中断されたC1〜C18アルキルであり、
29は、C6〜C18アリール、C1〜C18アルキルもしくはC1〜C18アルコキシによって置換されたC6〜C18アリール、C1〜C18アルキル、または−O−によって中断されたC1〜C18アルキルであり、
30およびR31は、互いに独立して、C1〜C18アルキル、C6〜C18アリール、またはC1〜C18アルキルによって置換されたC6〜C18アリールであり、
32は、C1〜C18アルキル、C6〜C18アリール、またはC1〜C18アルキルによって置換されたC6〜C18アリールである]の化合物を含むことを特徴とするエレクトロルミネセント(EL)デバイス。
【請求項2】
1、R2、R3、R4、R5およびR6は水素である、請求項1に記載のELデバイス。
【請求項3】
1、A1’、A2およびA2’は、互いに独立して、式
【化5】

の基であり、あるいは
1およびA1’は、それらが結合された窒素原子と一緒になって、式
【化6】

の基を形成し、
116、R117およびR117’は、互いに独立して、HまたはC1〜C18アルキルである、請求項1または2に記載のELデバイス。
【請求項4】
8は、C1〜C18アルキル、Dによって中断されたC1〜C18アルキル、C1〜C18ペルフルオロアルキル、C1〜C18アルキル、C1〜C18ペルフルオロアルキルによって場合により置換されていてもよいC6〜C18アリール、C1〜C18アルコキシ、またはDによって中断されたC1〜C18アルコキシであり、
9は、H、C1〜C18アルキル、Dによって中断されたC1〜C18アルキル、C1〜C18ペルフルオロアルキル、C1〜C18アルキル、C1〜C18ペルフルオロアルキルによって場合により置換されていてもよいC6〜C18アリール、C1〜C18アルコキシ、またはDによって中断されたC1〜C18アルコキシであり、
Dは、−O−、−S−または−NR25−であり、
25は、C6〜C18アリール、C1〜C18アルキルもしくはC1〜C18アルコキシによって置換されたC6〜C18アリール、C1〜C8アルキル、または−Oによって中断されたC1〜C8アルキルである、請求項1〜3のいずれかに記載のELデバイス。
【請求項5】
式Iの化合物は、式
【化7】

[式中、
1およびA1’は、互いに独立して、式
【化8】

の基であり、
116、R117およびR117’は、互いに独立して、HまたはC1〜C18アルキルであり、あるいはA1およびA1’は、それらが結合された窒素原子と一緒になって、式
【化9】

の基を形成し、
8は、式
【化10】

の基であり、
9は、式
【化11】

の基であり、
128、R129、R130およびR131は、互いに独立して、H、C1〜C18アルキル、C1〜C18アルコキシまたはC1〜C18ペルフルオロアルキルである]の化合物である、請求項1〜4のいずれかに記載のELデバイス。
【請求項6】
式Iの化合物は、式
【化12】

[式中、
1およびA1’は、互いに独立して、式
【化13】

の基であり、あるいは
1およびA1’は、それらが結合された窒素原子と一緒になって、式
【化14】

の基を形成し、
116、R117およびR117’は、互いに独立して、HまたはC1〜C18アルキルであり、
8は、式
【化15】

の基であり、
9は、式
【化16】

の基であり、
128、R129、R130およびR131は、互いに独立して、H、C1〜C18アルキル、C1〜C18アルコキシまたはC1〜C18ペルフルオロアルキルである]の化合物である、請求項1〜4のいずれかに記載のELデバイス。
【請求項7】
式Iの化合物は、式
【化17】

[式中、
−NA11’は、
【化18】

である]の化合物である、請求項1〜6のいずれかに記載のELデバイス。
【表1−1】

【表1−2】

【表1−3】

【請求項8】
正孔輸送/注入層は、式Iの化合物およびドーパントを含み、ドーパントは、酸化チタン(TiOx)、酸化バナジウム(VOx)、酸化モリブデン(MoO3)、特にMoO3、酸化タングステン(WOx)、酸化ルテニウム(RuOx)、酸化クロム(CrOx)、酸化ジルコニウム(ZrOx)、酸化ハフニウム(HfOx)、酸化タンタル(TaOx)、酸化銀(AgOx)、酸化マンガン(MnOx)、三塩化鉄(FeCl3)、五塩化アンチモン(SbCl5)、金属フタロシアニン化合物、ジシアノ(フタロシアナト(−1)コバルト(III)、オキソ炭素、擬似オキソ炭素およびラジアレン化合物、ジシアノ(フタロシアナト(−1)ルテニウム(III)化合物、2−(6−ジシアノメチレン−1,3,4,5,7,8−ヘキサフルオロ−6H−ナフタレン−2−イリデン)−マロノニトリル、
【化19】

、2,3,5,6−テトラフルオロ−7,7,8,8−テトラシアノキノジメタン(F4−TCNQ)、
【化20】

から選択される、請求項1〜7のいずれかに記載のELデバイス。
【請求項9】
電子遮断層は、式Iの化合物を含む、請求項1〜8のいずれかに記載のELデバイス。
【請求項10】
エレクトロルミネセントデバイスの正孔輸送/注入および/または電子遮断層のための材料としての請求項1に記載の式Iの化合物の使用。
【請求項11】
請求項1に記載の式Iの化合物、および場合によりドーパントを含む、正孔輸送/注入層。
【請求項12】
請求項1に記載の式Iの化合物を含む、電子遮断層。

【公表番号】特表2012−530369(P2012−530369A)
【公表日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−515438(P2012−515438)
【出願日】平成22年6月11日(2010.6.11)
【国際出願番号】PCT/EP2010/058194
【国際公開番号】WO2010/145991
【国際公開日】平成22年12月23日(2010.12.23)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】