説明

エレクトロルミネッセンス素子

【課題】浸み出し光拡散層を設けたエレクトロルミネッセンス素子における画素滲みを解消し、解像度が高く視認性に優れた、あるいは透明感が高くくっきり感のあるエレクトロルミネッセンス素子を提供する。
【解決手段】エレクトロルミネッセンス層、透明電極層、及び透明基板がこの順に配置し、透明電極層と透明基板との間に、特定条件の光拡散層を設けたエレクトロルミネッセンス素子であって、最表層として、反射防止フィルム、偏光フィルム、位相差フィルム及び色素フィルターよりなる群から選ばれる1種又は2種以上を含む画素滲み防止層を有するエレクトロルミネッセンス素子。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エレクトロルミネッセンス(EL)素子に係り、特にエレクトロルミネッセンス層からの光の取り出し効率が高く、かつ画素滲みが少なく、解像度が高く視認性に優れたエレクトロルミネッセンスディスプレイ素子、あるいは透明感が高く、透明感、くっきり感のあるエレクトロルミネッセンス面照明素子に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ELディスプレーに用いられるエレクトロルミネッセンス素子は、ボトムエミッションタイプにおいては、図5(a)に示すように、少なくとも透明基板5、透明電極層3、エレクトロルミネッセンス層2及び反射電極層1を有する。この透明電極層、反射電極層は目的と構成に応じてどちらが陰極であっても陽極であっても構わないが、通常のボトムエミッションタイプにおいては透明電極層が陽極、反射電極層が陰極に相当する。トップエミッションタイプにおいては、図5(c)に示すように、基板5、透明電極層3、エレクトロルミネッセンス層2及び反射電極層1、必要に応じて透光体層5Aを有する。
【0003】
このエレクトロルミネッセンス素子は、陽極である透明電極層3から注入された正孔に反射電極層1から注入された電子とがエレクトロルミネッセンス層2で再結合し、その再結合エネルギーによって発光中心が励起され、発光するという発光原理を有する。
【0004】
従来、このようなエレクトロルミネッセンス素子において、光の取り出し効率を改善したものとして、図6(a)に示す如く、透明基板5と透明電極層3との間に低屈折率材料からなるマトリックス中に光を散乱させる粒子を含有させた浸み出し光拡散層6を設けたエレクトロルミネッセンス素子が提案されている(特許文献1)。
【0005】
このように透明電極層3と透明基板5との間に、低屈折率材料からなるマトリックス中に光を散乱させる粒子を含有させた浸み出し光拡散層6を設けると、エレクトロルミネッセンス層2、透明電極層3と浸み出し光拡散層6との界面に入射した光の全反射量が低減される。
【0006】
この理由については次の通り考えられる。即ち、エレクトロルミネッセンス層2から透明電極層3を通って低屈折率材料からなるマトリックス中に光を散乱させる粒子を含有させた光拡散層6との界面に光が臨界角よりも大きな入射角で入射した場合、この光は該界面で全反射される。しかし、図6(b)に示すように、この全反射に際しては、光の一部が該界面よりも低屈折率層側(低屈折率材料からなる層側)に浸み出す如き現象が生じる(この浸み出し光は、エバネッセント波、あるいは近接場光と呼ぶことがある)。即ち、入射光の電界及び磁界が界面よりも低屈折率層側にまで存在することになる。
【0007】
この浸み出し現象を利用し、光の浸み出し距離(深さ)内に低屈折率材料からなるマトリックスと屈折率の異なる粒子を存在させることにより、低屈折率層側に浸み出した光の一部が該粒子によって散乱され、最早透明電極層内の全反射光に戻ることなく散乱後、直接、もしくは反射電極層の例えばアルミ反射膜で反射された後、低屈折率層中に拡散するようになる。このようにして、光を散乱させる粒子(以下「光散乱粒子」と称す場合がある。)を透明電極層に接する低屈折率層に含有させることにより、全反射の反射率が低下し、より多くの光が透明電極層から低屈折率層側に侵入するようになり、この結果として、エレクトロルミネッセンス素子の光取り出し効率が向上する。
【0008】
なお、特許文献1においては、図7に示す如く、反射電極層1、エレクトロルミネッセンス層2、透明電極層3、浸み出し光拡散層6a、低屈折率層4及び透明基板5の順で積層し、浸み出し光拡散層6aのマトリックスの屈折率が低屈折率層4の屈折率と同等であって、透明電極層3の屈折率より低い屈折率を有するものとした態様も提案されている。
【0009】
この態様にあっても、透明電極層3と低屈折率層4との間に設けられた浸み出し光拡散層6aの界面では、図6の場合と同様にして粒子を含有する浸み出し光拡散層6aの光拡散作用により、透明電極層3から低屈折層4側に浸み出した光の全反射を低減させる。即ち、透明電極層3と浸み出し光拡散層6aとの界面で全反射が生じる場合、全反射時に粒子含有浸み出し光拡散層6aに浸み出した光が粒子含有浸み出し光拡散層6a中の粒子によって散乱され、粒子含有浸み出し光拡散層6a側に取り出される。これにより、透明電極層から直接、あるいは反射電極の例えばアルミ反射膜で反射された後、透明電極層3の浸み出し光拡散層6a側の界面で全反射せずに浸み出し光拡散層6aに進入する光量が増加する。
【0010】
この粒子含有浸み出し光拡散層6aのマトリックスと低屈折率層4とは屈折率が同等であるので、粒子含有浸み出し光拡散層6aと低屈折率層4との界面では全反射が生じにくい。この結果、透明電極層3から粒子含有浸み出し光拡散層6aに進入し、粒子含有浸み出し光拡散層6aと低屈折率層4との界面に達した光は、ほとんどがそのまま低屈折率層4に進入する。このようにして、エレクトロルミネッセンス素子からの光取り出し効率が向上する。
【0011】
このような浸み出し光拡散層あるいは透明電極層を導波路とする導波光を拡散させる層を設けたエレクトロルミネッセンス素子としては、特許文献1の他にも次のようなものが提案されている。
(1) 透明電極層の透明基板側の表面を光散乱性の凹凸面としたもの(特許文献2)。
(2) 透明電極層の透明基板側の表面に透明電極層と同等の屈折率を有する高屈折率層を設け、この高屈折率層の透明基板側の表面を光散乱性の凹凸面としたもの(特許文献2)。
(3) 透明電極層にエレクトロルミネッセンス層からの光を散乱させる粒子を含有させたもの(特許文献3)。
(4) 透明電極層と透明基板との間に、マトリックス中にエレクトロルミネッセンス層からの光を散乱させる粒子を分散させた粒子含有層を設けたもの(このマトリックスの屈折率は透明電極層の屈折率と同等である。)(特許文献3)。
(5) 透明電極層と透明基板との間に、エレクトロルミネッセンス層からの光を散乱させる粒子を含有する低屈折率層を設け、低屈折率層と透明電極層との間に、低屈折率層内の物質が透明電極層側へ拡散することを防止するバリア層を設けたもの(特許文献4)。
(6) 透明電極層と透明基板との間に、低屈折率層を設け、透明電極層と低屈折率層との間に、マトリックス中にエレクトロルミネッセンス層からの光を散乱させる粒子を分散させた粒子含有層を設け(このマトリックスの屈折率は低屈折率層の屈折率と同等である。)、粒子含有層と透明電極層との間に、粒子含有層内の物質が透明電極層側へ拡散することを防止するためのバリア層を設けたもの(特許文献4)。
【特許文献1】特開2004−296437号公報
【特許文献2】特開2004−296438号公報
【特許文献3】特開2004−303724号公報
【特許文献4】特開2004−319331号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、浸み出し光拡散層を設けた先願のエレクトロルミネッセンス素子、或いはダークスポットや輝度ムラを紛わせる拡散層を設けたエレクトロルミネッセンス素子、或いはマイクロレンズやグレーティング、フォトニクス結晶など可視光線を拡散、散乱、屈折させるサイズの凹凸形状を有する光学界面を設けたエレクトロルミネッセンス素子では、次の理由により、画素滲みの問題が起こる(以下、上記の例示した層をまとめて拡散層と記載する)。
【0013】
以下に、このような拡散層を設けた従来のエレクトロルミネッセンス素子の画素滲み発生メカニズムについて、図8を参照して説明する。
【0014】
図8(a)〜(c)は、ボトムエミッション型の有機EL素子を示す。有機EL素子では、EL発光層で発光した光が直接もしくは反射陰極で反射された後、視認側へ向かうが、この際、拡散層を設けた有機EL素子では、次のような光の散乱が起きる。
【0015】
(1)メカニズム1
図8(a)に示す如く、透明基板と空気との界面で全反射された光(図8(a)中A)は一度拡散層まで戻り、そこで一部の光線が拡散され、ある光線はそのまま眼に入ってくる角度で出射される。つまりEL層のある一箇所の位置(一画素:図8(a)中※1の位置)が発光したにもかかわらず2箇所以上(例えば図8(a)中※1と※2)の位置で発光したのと同じように視認される。
これが画素滲みの原因の一つである。
【0016】
(2)メカニズム2
図8(a)に示す如く、透明基板から空気へと出射する光線において部分反射された光(図8(a)中B)は一度拡散層まで戻り、そこで一部の光線が拡散され、ある光線はそのまま眼に入ってくる角度で出射される。つまりEL層のある一箇所の位置(一画素:図8(a)中※1の位置)が発光したにもかかわらず2箇所以上の位置(例えば、図8(a)中※1と※3)で発光したのと同じように視認される。
これが画素滲みの原因の一つである。ただし、メカニズム1に比較すると、通常透明基板と空気との界面で反射する割合が小さいので、画素滲みに寄与する割合は小さい。
【0017】
(3)メカニズム3
図8(b)に示す如く、拡散層が反射陰極から画素サイズに対して十分に離れている場合は、拡散層で拡散された光の一部が直接、又はさらに反射陰極で反射された後出射され、眼に入ってくる(図8(b)中、B,C)。すなわち※1の一箇所の位置(画素)が発光したにも関わらず、複数の位置が発光(例えば、図8(b)の※1に加えて※2、※3)が発光したのと同じように見えるため滲んで視認される。これも画素滲みの原因となる。
【0018】
(4)メカニズム4
図8(c)に示す如く、拡散層の厚さが画素サイズに対して十分に厚い場合には、拡散層で拡散された光の一部が直接、または拡散層内で面方向へ伝播後、もしくはさらに反射陰極で反射された後出射され、眼に入ってくる(図8(c)中、B,C,D)。すなわち図8(c)の※1の一箇所の位置(画素)が発光したにも関わらず、複数の位置が発光(例えば、図8(c)の※1に加えて※2、※3、※4)が発光したのと同じように見えるため滲んで視認される。これも画素滲みの原因となる。
【0019】
従って、本発明は、光拡散層を設けたエレクトロルミネッセンス素子における画素滲みを解消し、解像度が高く視認性に優れた、あるいは透明感が高くくっきり感のあるエレクトロルミネッセンス素子を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明(請求項1)のエレクトロルミネッセンス素子は、エレクトロルミネッセンス層、透明電極層、及び透明基板がこの順に配置されてなるエレクトロルミネッセンス素子において、該透明電極層と透明基板との間に光拡散層を設けたエレクトロルミネッセンス素子であって、下記(1)〜(3)のいずれかの条件を満たし、かつ、最表層として、反射防止フィルム、偏光フィルム、位相差フィルム及び色素フィルターよりなる群から選ばれる1種又は2種以上を含む画素滲み防止層を有することを特徴とする。
(1)複数の光拡散層を有し、該複数の光拡散層のうち最も離れた面の間の距離が画素サイズ以下である。
(2)エレクトロルミネッセンス層の透明電極層と反対側の面に反射電極層を有し、該反射電極層から最も離れた光拡散層の面と反射電極層との間の距離が画素サイズ以下である。
(3)反射電極層がなく、1層の光拡散層が設けられており、該光拡散層の厚さが画素サイズ以下である。
【0021】
なお、本発明において、エレクトロルミネッセンス素子の「最表層」とは、透明基板に対して、高度な密着性をもって形成された層のうちの最表層を指し、通常、素子の保護のために用いられるハードコートフィルム、保護フィルム等の光の偏光や位相変調、可視波長の吸収、表面反射の制御等に関与しない、単なる保護カバーは排除される。
【0022】
従って、本発明のエレクトロルミネッセンス素子にあっては、最表層の画素滲み防止層上に更に保護カバーを設けることができる。
【0023】
また、本発明において、「反射電極層」とは、光の反射と電極としての機能を担う単一の層に限らず、反射層と電極としての導電層とが積層されたものであっても良い。
【0024】
請求項2のエレクトロルミネッセンス素子は、請求項1において、前記画素滲み防止層は、位相差フィルムと偏光フィルムとを有することを特徴とする。
【0025】
請求項3のエレクトロルミネッセンス素子は、請求項2において、偏光フィルムの視認側(出射側の面)に位相差フィルムが設けられていること、即ち、最表面(上述の如く、保護カバーを除く)に位相差フィルムが配置されていることを特徴とする。
【0026】
請求項4のエレクトロルミネッセンス素子は、請求項1ないし3のいずれか1項において、下記(1)〜(3)のいずれかの条件を満たすことを特徴とする。
(1)複数の光拡散層を有し、該複数の光拡散層のうち最も離れた面の間の距離が画素サイズの1/2以下である。
(2)エレクトロルミネッセンス層の透明電極層と反対側の面に反射電極層を有し、該反射電極層から最も離れた光拡散層の面と反射電極層との間の距離が画素サイズの1/2以下である。
(3)反射電極層がなく、1層の光拡散層が設けられており、該光拡散層の厚さが画素サイズの1/2以下である。
【0027】
請求項5のエレクトロルミネッセンス素子は、請求項4において、下記(1)〜(3)のいずれかの条件を満たすことを特徴とする。
(1)複数の光拡散層を有し、該複数の光拡散層のうち最も離れた面の間の距離が画素サイズの1/10以下である。
(2)エレクトロルミネッセンス層の透明電極層と反対側の面に反射電極層を有し、該反射電極層から最も離れた光拡散層の面と反射電極層との間の距離が画素サイズの1/10以下である。
(3)反射電極層がなく、1層の光拡散層が設けられており、該光拡散層の厚さが画素サイズの1/10以下である。
【0028】
請求項6のエレクトロルミネッセンス素子は、請求項1ないし5のいずれか1項において、前記光拡散層が、透明電極を導波路として導波する光を拡散させる機能を有する層であることを特徴とする。
【0029】
請求項7のエレクトロルミネッセンス素子は、請求項6において、前記光拡散層が、透明電極を導波路として導波する光の中で特に透明電極からの浸み出し光を拡散させる機能を有する層であることを特徴とする。
【0030】
請求項8のエレクトロルミネッセンス素子は、請求項1ないし7のいずれか1項において、前記光拡散層が、低屈折率材料からなるマトリックス中に光を拡散させる粒子を含有させた層であることを特徴とする。
【0031】
請求項9のエレクトロルミネッセンス素子は、請求項8において、該光拡散層と前記透明基板との間に低屈折率層が設けられており、該光拡散層のマトリックスの屈折率は、該低屈折率層の屈折率と同等であって、前記透明電極層の屈折率より低い屈折率を有することを特徴とする。
【0032】
なお、以下において、
エレクトロルミネッセンス素子が、複数の光拡散層を有する場合の複数の光拡散層のうち最も離れた面の間の距離、
エレクトロルミネッセンス素子がエレクトロルミネッセンス層の透明電極層と反対側の面に反射電極層を有する場合の反射電極層から最も離れた光拡散層の面と反射電極層との間の距離、
或いは、
エレクトロルミネッセンス素子が反射電極層を有さず、1層の光拡散層が設けられている場合の光拡散層の厚さ
を、「光拡散距離」と称す場合がある。
【発明の効果】
【0033】
本発明よれば、特定の構成の画素滲み防止層を設けることにより、光拡散層を設けたエレクトロルミネッセンス素子における画素滲みを解消し、視認性に優れたエレクトロルミネッセンス素子を提供することができる。このため、このエレクトロルミネッセンス素子を用いて、画素間で滲みのない視認性に優れたディスプレーを実現することができる。また、エレクトロルミネッセンス照明用途においても発光際部分に滲みが無く、透明感、くっきり感のあるエレクトロルミネッセンス素子を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
以下に本発明のエレクトロルミネッセンス素子の実施の形態を詳細に説明する。
【0035】
[光拡散層]
本発明のエレクトロルミネッセンス素子は、光拡散層を設けたエレクトロルミネッセンス素子の最表層として、画素滲み防止層を設けたものであり、この光拡散層による前述の光拡散距離が前記(1)〜(3)の条件を満たすものであれば、当該エレクトロルミネッセンス素子に設けられている光拡散層の構成には特に制限はなく、前述の特許文献1〜4に記載されるような、粒子による光の拡散を利用した光拡散層や粗面による光の拡散を利用した光拡散層、その他、気泡を分散させ、気泡による拡散を利用した光拡散層や、プリズム面、半球状面など、光の取り出し率向上、ダークスポットの隠蔽、発光の見掛け均一化、視野角の制御等の目的で設けられた、光を拡散、散乱させる機能を持つ層の全てが含まれる。
【0036】
[光拡散距離]
本発明のエレクトロルミネッセンス素子は、上述のような光拡散層を有するエレクトロルミネッセンス素子であって、下記(1)〜(3)のいずれかの条件を満たすエレクトロルミネッセンス素子に適用される。
(1)複数の光拡散層を有し、該複数の光拡散層のうち最も離れた面の間の距離が画素サイズ以下、好ましくは1/2以下、より好ましくは1/10以下である。例えば図4(a)のように複数の光拡散層6A,6Bのうちの、光拡散層6Aの発光光線出射側の面と光拡散層6Bの発光光線入射側の面との距離Lに相当する。
(2)エレクトロルミネッセンス層の透明電極層と反対側の面に反射電極層を有し、該反射電極層から最も離れた光拡散層の面と反射電極層との間の距離が画素サイズ以下、好ましくは1/2以下、より好ましくは1/10以下である。この場合、光拡散距離とは、図4(b)のように光拡散層6Aの発光光線出射側の面と反射電極層1の発光光線入射側の面との距離Lに相当する。
(3)反射電極層がなく、1層の光拡散層が設けられており、該光拡散層の厚さが画素サイズ以下、好ましくは1/2以下、より好ましくは1/10以下である。この場合、光拡散距離とは、図4(c)のように光拡散層6の厚さLに相当する。
【0037】
光拡散距離が画像サイズより大きいエレクトロルミネッセンス素子では、後述の比較例の結果からも明らかなように本発明に係る画素滲み防止層による画素滲み防止効果を得ることはできない。
【0038】
なお、エレクトロルミネッセンス照明に用いる場合、この光拡散距離は発光際部のくっきり感や滲み、あるいは照明光の透明感の点で1mm以下、特に0.5mm以下であることが好ましい。光拡散距離は薄い程好ましいが、通常発光際部のくっきり感や滲み、照明光の透明感の点から10μm程度である。
【0039】
[画素滲み防止層]
本発明のエレクトロルミネッセンス素子は、上述のような構成のエレクトロルミネッセンス素子の最表層に反射防止フィルム、偏光フィルム、位相差フィルム及び色素フィルターよりなる群から選ばれる1種又は2種以上を含む画素滲み防止層、好ましくは、下記構成の画素滲み防止層を有する。
(i)偏光フィルムと位相差フィルムとからなる円偏光フィルム。特に、位相差フィルムが発光光線出射側に対して最表面となるように設ける。
(ii)反射防止フィルムを発光光線出射側に対して最表面となるように設ける。
(iii)偏光フィルムもしくは吸収フィルターを単独で発光光線出射側に対して最表面となるように設ける。
【0040】
以下に、各画素滲み防止層について、図面を参照してその画素滲み防止機構を説明する。
なお画素滲み防止層は、シースルーディスプレイのように光取り出し面(視認する面)が両側になる場合、片面の表面に設けるだけでも効果はあるが、両側の表面に設けることがより好ましい。
【0041】
(i)偏光フィルムと位相差フィルム(1/4波長フィルム)とからなる円偏光フィルム(偏光フィルムは、視認側、発光層側どちらに配置されても良いが。色滲み防止効果の点で発光層側にある方がより好ましい)を設けた場合の画素滲み防止機構を、図1を参照して説明する。
【0042】
円偏光フィルムを設けない場合の全反射(図1中、A)あるいは透過光の反射ロス光(図1中、B)の発生する界面は、円偏光フィルムを設けることによって、透明基板〜空気界面より偏光フィルム〜空気界面へ移動する。
【0043】
1/4波長フィルムはどちらから入射した光でも時計回りに偏光の向きを45度回す機能を持つ。従って偏光フィルムを1回通過した後に、1/4波長フィルムを2度通過すると偏光は90度回る。さらに反射陰極で反射あるいは拡散層で拡散された後、最初に通過した偏光子を再度通過する場合、90度回っているので、ほぼ全光量が遮断される。従って、図1の右側に示す通り、全反射光(図1中、C)及び反射ロス光(図1中、D)は、空気との界面での反射の際、偏光フィルム続いて位相差フィルムを通過し、さらに拡散層で拡散された後、視認側に戻ってくる際、さらに位相差フィルムを透過後、偏光フィルムに進入しこの際ほぼ全光量が吸収され、画素滲みが防止される。
【0044】
なお、偏光フィルムと位相差フィルムの積層順については、偏光フィルムが発光層側(出射側の面の反対側)にある方が好ましい。
その理由は、発光層側にあれば最初の空気界面との全反射もしくは透過光の部分反射の際に、偏光フィルム→位相差フィルム2回→偏光フィルムと透過するため、2度目の偏光フィルム透過の際にほぼ全量が吸収されるためである。この順番が逆になると、上記全反射もしくは部分反射後一度拡散層もしくは反射陰極まで戻ってから位相差フィルム、偏光フィルムと透過する際に吸収されるため、偏光フィルムによる吸収が不十分であったり、透明基板や発光層中で偏光状態が複屈折等により変化してしまう場合には、画素滲み防止効果が減少する。
【0045】
(ii)反射防止フィルム(ARフィルム)を設けた場合の画素滲み防止機構を、図2を参照して説明する。
【0046】
反射防止フィルムを設けない場合の全反射光(図2中、A)、透過光の部分反射光(反射ロス光。図2中、B)の発生する界面は、反射防止フィルムを設けることによって、透明基板〜空気よりARフィルム〜空気へ移動する。
【0047】
図2の右側に示す通り、基板内導波光(全反射光)は抑制できないが(効果が無い。図2中、C)、基板内部分反射光は抑制できる(図2中、D)。この結果、このロス光による画素滲みは防止できる。
【0048】
(iii)偏光フィルム、もしくは吸収フィルター(可視域で光線を吸収するもの)を設けた場合の画素滲み防止機構を、図3を参照して説明する。
【0049】
偏光フィルム又は吸収フィルターを設けない場合の全反射光(図3中、A)、透過光の部分反射光(反射ロス光。図3中、B)の発生する界面は、偏光フィルム又は吸収フィルターを設けることによって、基板〜空気より偏光フィルム〜空気へ移動する。
【0050】
図3の右側に示す通り、偏光フィルム、吸収フィルター共に可視光線をある割合で吸収するため、全反射光、反射ロス光共に3回以上偏光フィルム、吸収フィルター内を通過することで吸収される(図3中、C,D)。発光層からそのまま視認側に上がってくる光線は1回しか通過しないので吸収される割合が少ない。従って、その差の分画素滲みが少なくなる。
【実施例】
【0051】
以下、実施例及び比較例について説明する。
【0052】
なお、以下の実施例及び比較例で用いた各フィルムの詳細は次の通りである。
ARフィルム;日本油脂社製「8201UV」を使用した。使用の際には剥離紙を剥がし粘着剤層を介して貼り付けた。
1/4波長フィルム(位相差フィルム);ポリカーボネートの延伸フィルム(厚さ200nm、位相差140±20nm)を使用した。使用の際には粘着剤層を介して貼り付けた。
偏光フィルム;ポリビニルアルコールフィルムにヨウ素をドープした後延伸しさらにトリアセチルセルロースフィルムで挟んだもの(厚さ200μ、コントラスト200、偏光透過率44%)を使用した。使用の際には、粘着剤層を介して貼りつけた。
【0053】
また、画素滲みは、デジタルカメラの撮像から目視により調べ、下記基準で評価した。
○:フィルムが無い場合に発生した画素滲みが消失した。
△:フィルムが無い場合に比べて画素滲みが少なくなった。
×:フィルムが無い場合に対して殆ど変化がない。
【0054】
各例において、屈折率測定は、原則0542に基づきソプラ社のエリプソメーターで実施したが、メソ(ナノ)ポーラス材料あるいは粒子分散材料のマトリクス部分の屈折率はエリプソメーターでは測定が難しい場合、米国メトリコン社のプリズムカプラー・モデル2010を用いて波長633nmのレーザーにより25℃で屈折率測定を実施した。
【0055】
膜厚については蒸着膜やスパッタ膜の膜厚は、検量線からの時間管理もしくは水晶発振式膜厚計により確認した。
【0056】
塗布膜の膜厚は、光干渉式膜厚計もしくは膜に傷をつけて段差測定することにより測定した。ガラス基板等の厚い基材についてはマイクロノギス等により測定した。
【0057】
また平均粒子径についてはFIB−SEM法により測定した。
【0058】
また、作成したエレクトロルミネッセンス素子を発光させる際は発光輝度300cd/mに統一して発光状態を比較し、画素サイズは0.4mm(400μm)角とした。
【0059】
[光拡散距離≦画素サイズの場合]
(実施例1〜4,比較例1,2)
旭硝子(株)製無アルカリガラスAN100よりなる厚さ0.7mm、75mm角のガラス基板の表面を0.1N硝酸に1時間程浸漬して脱脂処理した後、純水で洗浄し、60℃オーブン中で乾燥した。
【0060】
一方、三菱化学(株)製MS51(テトラメトキシシランのオリゴマー)30重量%、ブチルアルコール50重量%、脱塩水8重量%、及びメタノール12重量%の液に、酸触媒(アルミアセチルアセトナート)を少量加えた。この混合液を60℃で3時間攪拌し1週間放置して熟成した。
【0061】
これを上述のガラス基板上にスピンコーターで塗布し、15分乾燥後、メタノール中に5分浸漬、引き上げて5分乾燥後、150℃オーブン中で15分加熱して低屈折率層を形成した。得られた低屈折率層の厚さは300nmであった。ソプラ社のエリプソメーターでこの低屈折率層のマトリクス部分の屈折率を測定したところ、波長550nmにおいて1.36であった。また米国メトリコン社のプリズムカプラーモデル2010を用いて波長633nmのレーザーで屈折率を測定したところ、屈折率は1.33であった。
【0062】
次に、三菱化学(株)製MS51(テトラメトキシシランのオリゴマー)30重量%、ブチルアルコール50重量%、脱塩水8重量%、及びメタノール12重量%の液に、酸触媒(アルミアセチルアセトナート)を少量加え、さらにブチルアルコール中に平均粒径200nmのチタニア粒子(60%重量粒子径は150〜250nm)を出来上がった粒子含有浸み出し光拡散層中の重量百分率で15重量%となるように予め分散させた。この混合液を60℃で3時間攪拌し1週間放置して熟成した。粒子含有層中の重量百分率は前述の膜中の粒度分布を求めるのと同様の方法で実施した。マトリクスが多孔体である場合の密度はX線反射率を求めることまたは屈折率を求めることから実施した。
【0063】
この塗布液を上述のガラス基板上の低屈折率層の上にディップコーターで塗布、15分乾燥後メタノール中に5分浸漬、引き上げて5分乾燥後、150℃オーブン中で15分加熱して浸み出し光拡散層を得た。なおディップコート時には裏面に保護フィルムを貼り、塗布後に剥離して、片側にのみ塗膜が形成されるようにした。
【0064】
得られた散乱粒子含有浸み出し光拡散層は厚さが600nm、散乱粒子がほぼ3段分に重なった構造が観察された。
【0065】
ソプラ社のエリプソメーターで浸み出し光拡散層のマトリクス部分の屈折率を測定したところ、波長550nmにおいて1.40であった。また米国メトリコン社のプリズムカプラーモデル2010でも屈折率測定を実施したところ、波長633nmのレーザーで屈折率は1.38であった。
【0066】
この散乱粒子含有浸み出し光拡散層の表面粗さをケーエルエー・テンコール社製P−15型を使用して測定した。0.5μスキャンさせて測定したところRa=8nm、Rmax=120nmであった。
【0067】
また散乱粒子含有浸み出し光拡散層の平行光線に対する透過ロス光(散乱ロス光)は、波長550nmで52%であった。測定にはヒューレッドパッカード社の分光光度計を用い、レファレンスとしては塗布膜を形成する前のガラス基板を用いた。
【0068】
この散乱粒子含有浸み出し光拡散層上にITO(インジウムティンオキサイド)を115nm厚で常温スパッタして透明電極層を形成し、さらにCuPC(銅フタロシアニン)層25nm、NPB(ナフチルペンチルベンジジン)層45nm、AlQ(アルミキノリン錯体、緑色発光色素)60nmを蒸着により形成し、最後に蒸着によりアルミニウムの反射電極層を80nm厚さに形成した。ITO層の屈折率を測定したところ2.04(550nm)であった。得られたエレクトロルミネッセンス素子は、ガラス基板/低屈折率層/浸み出し光拡散層/透明電極層(ITO)/エレクトロルミネッセンス層/反射電極層(Al)の積層体であり、光拡散距離は、855nmで画素サイズ400μmよりも小さい。
【0069】
このようにして得られたエレクトロルミネッセンス素子のガラス基板上に表1に示すフィルムを設けて、画素滲みを調べ結果を表1に示した。
【0070】
【表1】

【0071】
表1より、本発明によれば、浸み出し光拡散層を有するエレクトロルミネッセンス素子の画素滲みを軽減することができることが分かる。
【0072】
[光拡散距離>画素サイズの場合]
(比較例3〜8)
実施例1において、浸み出し光拡散層の塗布の際に裏面に保護フィルムを貼らずにディップ塗布を実施した以外は全く同様にしてエレクトロルミネッセンス素子を作製した。得られたエレクトロルミネッセンス素子は、浸み出し光拡散層/ガラス基板/低屈折率層/浸み出し光拡散層/透明電極層(ITO)/エレクトロルミネッセンス層/反射電極層(Al)の積層体である。このエレクトロルミネッセンス素子では、ガラス基板の両側に浸み出し光拡散層が形成されたため、光拡散距離、即ち、浸み出し光拡散層の距離は0.7mm以上であり、画素の大きさより大きいものとなった。
【0073】
得られたエレクトロルミネッセンス素子の浸み出し光拡散層上に、表2に示すフィルムを設けて画素滲みを調べ、結果を表2に示した。
【0074】
【表2】

【0075】
表2より、光拡散距離が画素サイズより大きい場合には、光拡散距離間での導波の割合が多く、本発明に係る画素滲みを設けても、画素滲み抑制効果が得られないことが分かる。
【0076】
(比較例9〜13)
実施例1において、浸み出し光拡散層を形成した後、0.5mm厚のガラス基板を張り合わせ、その上に透明電極層(ITO)とエレクトロルミネッセンス層と反射電極層(Al)を積層したこと以外は同様にしてエレクトロルミネッセンス素子を作製した。なお、ガラス基板の張り合わせにはUV硬化型接着剤を用いた。接着剤の厚さは5μmであった。このエレクトロルミネッセンス素子は、ガラス基板/浸み出し光拡散層/接着剤層/ガラス基板/透明電極層(ITO)/エレクトロルミネッセンス層/反射電極層(Al)の積層体であり、浸み出し光拡散層とアルミニウム反射電極との間隔は約0.5mm以上であり画素サイズよりも大きくなった。
【0077】
得られたエレクトロルミネッセンス素子のガラス基板上に、表3に示すフィルムを設けて画素滲みを調べ、結果を表3に示した。
【0078】
【表3】

【0079】
表3より、光拡散距離が画素サイズより大きい場合には、光拡散距離間での導波の割合が多く、本発明に係る画素滲みを設けても、画素滲み抑制効果が得られないことが分かる。
【産業上の利用可能性】
【0080】
本発明のエレクトロルミネッセンス素子は、ディスプレーや照明等に有効であるが、その画素滲み防止効果による視認性の向上の点から、特にディスプレーに有効である。
また、本発明のエレクトロルミネッセンス素子は、有機エレクトロルミネッセンス素子、無機エレクトロルミネッセンス素子のいずれであっても良いが、特に有機エレクトロルミネッセンス素子に好適である。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明において、最表層に偏光フィルム又は色素フィルターを設けた場合の画素滲み防止機構を説明する模式図である。
【図2】本発明において、最表層に反射防止フィルムを設けた場合の画素滲み防止機構を説明する模式図である。
【図3】本発明において、最表層に円偏光フィルムを設けた場合の画素滲み防止機構を説明する模式図である。
【図4】本発明に係る光拡散距離を示す模式図である。なお、図4において、図6と同一機能を奏する部材には同一符号を付してある。
【図5】従来例に係るエレクトロルミネッセンス素子の断面図である。
【図6】光拡散層を設けたエレクトロルミネッセンス素子の断面図である。
【図7】光拡散層を設けたエレクトロルミネッセンス素子の断面図である。
【図8】光拡散層を設けた従来のエレクトロルミネッセンス素子の画素滲み発生のメカニズムを説明する模式図である。
【符号の説明】
【0082】
1 反射電極層(陰極)
2 エレクトロルミネッセンス層
3 透明電極層
4 低屈折率層
5 透明基板
6,6a 光拡散層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エレクトロルミネッセンス層、透明電極層、及び透明基板がこの順に配置されてなるエレクトロルミネッセンス素子において、該透明電極層と透明基板との間に光拡散層を設けたエレクトロルミネッセンス素子であって、
下記(1)〜(3)のいずれかの条件を満たし、
かつ、最表層として、反射防止フィルム、偏光フィルム、位相差フィルム及び色素フィルターよりなる群から選ばれる1種又は2種以上を含む画素滲み防止層を有することを特徴とするエレクトロルミネッセンス素子。
(1)複数の光拡散層を有し、該複数の光拡散層のうち最も離れた面の間の距離が画素サイズ以下である。
(2)エレクトロルミネッセンス層の透明電極層と反対側の面に反射電極層を有し、該反射電極層から最も離れた光拡散層の面と反射電極層との間の距離が画素サイズ以下である。
(3)反射電極層がなく、1層の光拡散層が設けられており、該光拡散層の厚さが画素サイズ以下である。
【請求項2】
請求項1において、前記画素滲み防止層は、位相差フィルムと偏光フィルムとを有することを特徴とするエレクトロルミネッセンス素子。
【請求項3】
請求項2において、偏光フィルムの出射側の面より上に位相差フィルムが設けられていることを特徴とするエレクトロルミネッセンス素子。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか1項において、下記(1)〜(3)のいずれかの条件を満たすことを特徴とするエレクトロルミネッセンス素子。
(1)複数の光拡散層を有し、該複数の光拡散層のうち最も離れた面の間の距離が画素サイズの1/2以下である。
(2)エレクトロルミネッセンス層の透明電極層と反対側の面に反射電極層を有し、該反射電極層から最も離れた光拡散層の面と反射電極層との間の距離が画素サイズの1/2以下である。
(3)反射電極層がなく、1層の光拡散層が設けられており、該光拡散層の厚さが画素サイズの1/2以下である。
【請求項5】
請求項4において、下記(1)〜(3)のいずれかの条件を満たすことを特徴とするエレクトロルミネッセンス素子。
(1)複数の光拡散層を有し、該複数の光拡散層のうち最も離れた面の間の距離が画素サイズの1/10以下である。
(2)エレクトロルミネッセンス層の透明電極層と反対側の面に反射電極層を有し、該反射電極層から最も離れた光拡散層の面と反射電極層との間の距離が画素サイズの1/10以下である。
(3)反射電極層がなく、1層の光拡散層が設けられており、該光拡散層の厚さが画素サイズの1/10以下である。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれか1項において、前記光拡散層が、透明電極を導波路として導波する光を拡散させる機能を有する層であることを特徴とするエレクトロルミネッセンス素子。
【請求項7】
請求項6において、前記光拡散層が、透明電極を導波路として導波する光の中で特に透明電極からの浸み出し光を拡散させる機能を有する層であることを特徴とするエレクトロルミネッセンス素子。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれか1項において、前記光拡散層が、低屈折率材料からなるマトリックス中に光を拡散させる粒子を含有させた層であることを特徴とするエレクトロルミネッセンス素子。
【請求項9】
請求項8において、該光拡散層と前記透明基板との間に低屈折率層が設けられており、該光拡散層のマトリックスの屈折率は、該低屈折率層の屈折率と同等であって、前記透明電極層の屈折率より低い屈折率を有することを特徴とするエレクトロルミネッセンス素子。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2006−244768(P2006−244768A)
【公開日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−56088(P2005−56088)
【出願日】平成17年3月1日(2005.3.1)
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【出願人】(000005968)三菱化学株式会社 (4,356)
【Fターム(参考)】