説明

エレベータかご内壁パネル

【課題】手摺つきのエレベータかごにおいて内部の有効スペースを広くする。
【解決手段】エレベータかご100の内壁パネル10であって、横方向に延び、化粧面から凹んだ窪み11と、窪み11の延びる方向に沿って窪み11の中に配置された手摺12と、手摺12と窪み11の上端または下端との間を接続する手摺子部材12aと、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エレベータかご内壁パネルの構造に関する。
【背景技術】
【0002】
エレベータかごは、鉄骨の骨組みに床、壁、天井等のパネルを取り付けて構成されている。エレベータかごの内部には、利用者のために手摺が設けられているが、かごの内部に手摺が突出していると手摺の突出している部分だけエレベータかご内部のスペースが狭くなってしまうことから、手摺を格納可能とすることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、手摺を回転式の周壁に取り付けて、この周壁を回転させることによって手摺を使用状態としたり、格納状態としたりすることが提案されている。この方法は、手摺の取り付けられている表面をエレベータかごの内面化粧パネルと同様の意匠とすることによって手摺を格納した状態でエレベータパネルの内壁面が同一の意匠となり、手摺格納の際の美観を向上させることができるものである(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−245138号公報
【特許文献2】特開平7−117955号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1、2に記載された従来技術では、手摺を使用する際には壁面から手摺が突出する状態となることから、その際に、エレベータかご内部のスペースが少なくなってしまうという状態は解消されていなかった。
【0005】
本発明は、手摺つきのエレベータかごにおいて内部の有効スペースを広くすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
エレベータかごの内壁パネルであって、横方向に延び、化粧面から凹んだ窪みと、前記窪みの延びる方向に沿って前記窪みの中に配置された手摺と、前記手摺と前記窪みの下端との間を接続する手摺子部材と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明は、手摺つきのエレベータかごにおいて内部の有効スペースを広くすることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施形態におけるエレベータかごの内壁パネルを用いたエレベータかごの内部を示す斜視図である。
【図2】本発明の他の実施形態におけるエレベータかごの内壁パネルの手摺部分の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1に示すように、エレベータかご100は、図示しない鉄骨で構成されたフレームと、フレームの上から取り付けられた床板13、エレベータかご100の側壁を構成する内壁パネル10と、天井パネル15とを含んでいる。内壁パネル10には横方向に延びる窪み11が設けられており、内壁パネル10の表面である化粧面10aから窪み11に向かってせり出している手摺12を含んでいる。窪み11は、内壁パネル10の一部をエレベータかご100の外側に向かって突出させた突出部21の中をくりぬくように構成されている。また、手摺12の側面は内壁パネル10の化粧面と同一面となっており、手摺12は、内壁パネル10の化粧面10aと同一面で、窪み11の下側から上側に向かって延びる板状の手摺子部材12aによって支持されている。窪み11の大きさは、利用者が手摺12を握った際に、手先がその中に入る様な大きさとなっている。また、窪み11の表面の意匠は内壁パネル10の化粧面10aと同様の意匠となっている。
【0010】
上記のように構成された手摺12を含むエレベータ100の内壁パネル10は、手摺12がエレベータかご100の室内側に突出していないことから、エレベータかご100の内部スペースを広く保つことができる。また、化粧面10aと手摺12の側面、手摺子部材12aの表面が同一面となっていることから外観上の見栄えもよくなっている。更に、特許文献1,2に記載されたように、外観を保つために手摺12を格納する必要がないことから、構造が簡便となる。また、本実施形態では、手摺12は内壁パネル10と一体に構成されていることから、エレベータのリニューアル工事の場合に手摺を追加する場合にも内壁パネル10を交換することで手摺12の追加も同時にできることから、リニューアル工事を簡便に行うことができる。
【0011】
図2は、本発明の他の実施形態のエレベータ100の内壁パネル10の断面を示す説明図である。図1を参照して説明した実施形態と同様の部分には同様の符号を付して説明は省略する。図2に示すように、本実施形態では、手摺子部材12aが窪み11の上側から下側に向かって延びるように構成されているものである。その他の点については、図1を参照して説明した実施形態と同様であり、本実施形態も図1を参照して説明した実施形態と同様の効果を奏する。
【0012】
また、図1、図2を参照して説明した実施形態では、手摺子部材12aは、窪み11の上端又は下端からその表面が化粧面10aと同一面の板状の部材として説明したが、手摺子部材12aは板状の部材である必要はなく、例えば、複数の棒状の部材で構成されていてもよい。
【符号の説明】
【0013】
10 内壁パネル、10a 化粧面、11 窪み、12 手摺、12a 手摺子部材、13 床板、15 天井、21 突出部、100 エレベータかご。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エレベータかごの内壁パネルであって、
横方向に延び、化粧面から凹んだ窪みと、
前記窪みの延びる方向に沿って前記窪みの中に配置された手摺と、
前記手摺と前記窪みの上端または下端との間を接続する手摺子部材と、
を備えることを特徴とするエレベータ内壁パネル。

【図1】
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【図2】
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