エレベータのかご位置保持装置
【課題】本発明は、かご出入口や乗場出入口の下部のスペースを利用しつつ、巻上機ブレーキの制動力が低下した場合にもかごを乗場階の位置に保持することを目的とするものである。
【解決手段】乗場敷居4には、昇降路に臨むストッパ係合部4aが設けられている。ストッパアーム6は、乗場側へ突出してストッパ係合部4aに係合する係合位置と、かご1側へ後退された後退位置との間で回動変位可能になっている。かごドア2aの戸袋側端部には、かごドアカム8が固定されている。かご側コロ9は、戸開動作開始時及び戸閉動作終了時に、かごドアカム傾斜面8aに沿ってかごドア2aの厚さ方向へ変位される。伝達部材5は、かごドア2aの厚さ方向へのかご側コロ9の変位を回動に変換してストッパアーム6に伝達する。
【解決手段】乗場敷居4には、昇降路に臨むストッパ係合部4aが設けられている。ストッパアーム6は、乗場側へ突出してストッパ係合部4aに係合する係合位置と、かご1側へ後退された後退位置との間で回動変位可能になっている。かごドア2aの戸袋側端部には、かごドアカム8が固定されている。かご側コロ9は、戸開動作開始時及び戸閉動作終了時に、かごドアカム傾斜面8aに沿ってかごドア2aの厚さ方向へ変位される。伝達部材5は、かごドア2aの厚さ方向へのかご側コロ9の変位を回動に変換してストッパアーム6に伝達する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、乗場階に着床したかごの昇降を規制しかご位置を保持するエレベータのかご位置保持装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のエレベータの安全装置では、巻上機ブレーキが動作し、かごドアが開放されたにも拘わらず、かごの速度が所定値以上であると、ロープ把持装置により主索が把持され、かごの昇降が阻止される(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、従来のエレベータの敷居では、かごドアの戸開動作に連動して、塞ぎ板が乗場側に突出され、かご敷居と乗場敷居との間の隙間が塞ぎ板により塞がれる(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
【特許文献1】特開平9−221285号公報
【特許文献2】実開平5−32374号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に示されたような従来の安全装置では、主索の経路の途中にロープ把持装置を設置するためのスペースを確保する必要があり、既設のエレベータには適用できないことがあった。また、特許文献2に示されたような従来の敷居では、塞ぎ板がかご敷居と乗場敷居との間を単に塞ぐだけであり、かごの昇降は許容されたままである。このため、ブレーキライニングの摩耗等により巻上機ブレーキの制動力が低下すると、かごが静止状態を保持できなくなる。また、塞ぎ板を乗場側に係合させるとしても、塞ぎ板はかごドアの開閉動作に伴って徐々に変位されるため、乗場側に係合する前にかごが変位してしまう恐れがあった。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、かご出入口や乗場出入口の下部のスペースを利用しつつ、巻上機ブレーキの制動力が低下した場合にもかごを乗場階の位置に保持することができるエレベータのかご位置保持装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明に係るエレベータのかご位置保持装置は、乗場の下部に設けられ、昇降路に臨むストッパ係合部が設けられている係合部材、かごの下部に設けられ、かつ乗場側へ突出してストッパ係合部に係合する係合位置と、かご側へ後退された後退位置との間で変位可能になっており、ストッパ係合部に係合することによりかごの昇降を規制するストッパ、ストッパを後退位置側へ付勢する付勢手段、かごドアの戸袋側端部に設けられ、かごドアの厚さ方向に傾斜したかごドアカム傾斜面を有するかごドアカム、かごドアカムに係合し、かごドアの移動によりかごドアカム傾斜面に沿ってかごドアの厚さ方向へ変位されるかごドアカム係合部材、及びかごドアカム係合部材とストッパとの間に連結され、かごドアカム係合部材の変位をストッパに伝達する伝達部材を備え、かごドアの戸開動作開始時に、かごドアカム係合部材がかごドアカム傾斜面に沿って変位されることにより、ストッパが後退位置から係合位置に変位され、かごドアの戸閉動作終了時に、かごドアカム係合部材がかごドアカム傾斜面に沿って変位されることにより、ストッパが係合位置から後退位置に変位される。
【発明の効果】
【0008】
この発明のエレベータのかご位置保持装置は、かごドアカムをかごドアの戸袋側端部に設け、このかごドアカムに係合するかごドアカム係合部材と伝達部材とによりストッパを変位させるようにしたので、巻上機ブレーキの制動力が低下した場合にも、戸開動作開始直後から戸閉動作終了直前までかごを乗場階の位置に保持しておくことができる。また、かご出入口や乗場出入口の下部のスペースを有効に利用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、この発明を実施するための最良の形態について、図面を参照して説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1によるエレベータのかご位置保持装置の全戸閉時の状態を示す平面図、図2は図1のかご位置保持装置の全戸開時の状態を示す平面図、図3は図1の要部を示す斜視図、図4は図3の戸開動作開始直後の状態を示す斜視図である。
【0010】
図において、かご1には、かご出入口1aが設けられている。かご出入口1aは、一対のかごドア2a,2bにより開閉される。かご出入口1aの下部(床部)には、かごドア2a,2bの開閉動作時にかごドア2a,2bの下端部を案内するかご敷居3が固定されている。
【0011】
乗場の下部(床部)には、係合部材としての乗場敷居4が固定されている。乗場敷居4には、昇降路に臨むストッパ係合部4aが設けられている。ストッパ係合部4aは、昇降路側が開口した溝又は凹部である。
【0012】
かご敷居3には、伝達部材5が支持されている。伝達部材5は、かご敷居3を貫通する垂直な軸部5aと、基端部が軸部5aの上端部に固定されているレバー部5bとを有している。また、伝達部材5は、軸部5aを中心として回動可能である。
【0013】
軸部5aの下端部には、ストッパ係合部4aに係合することによりかご1の昇降を規制するストッパとしてのストッパアーム6が設けられている。ストッパアーム6は、かご1の下部、即ちかご敷居3の下部に位置している。また、ストッパアーム6は、乗場側へ突出してストッパ係合部4aに係合する係合位置(図2、図4)と、かご1側へ後退された後退位置(図1、図3)との間で回動変位可能になっている。
【0014】
ストッパアーム6とかご1との間には、ストッパアーム6を後退位置側へ付勢する付勢手段としてのばね7が設けられている。かごドア2aの戸袋側端部には、かごドアカム8が固定されている。かごドアカム8は、かごドア2aの厚さ方向(図1の上下方向)に傾斜したかごドアカム傾斜面8aを有している。かごドアカム傾斜面8aは、かごドア2aの戸袋側端部よりも戸袋側に突出して設けられている。
【0015】
レバー部5bの先端部には、かごドアカム係合部材としてのかご側コロ9が取り付けられている。かご側コロ9は、かごドアカム8に係合し、かごドア2aの開閉動作に伴ってかごドアカム8上を転動される。また、かご側コロ9は、戸開動作開始時及び戸閉動作終了時に、かごドアカム傾斜面8aに沿ってかごドア2aの厚さ方向へ変位される。
【0016】
伝達部材5は、かご側コロ9とストッパアーム6との間に連結され、かごドア2aの厚さ方向へのかご側コロ9の変位を回動に変換してストッパアーム6に伝達する。
【0017】
次に、動作について説明する。かごドア2a,2bの戸開動作開始時には、かご側コロ9がかごドアカム傾斜面8aに沿って乗場側へ変位される。これにより、伝達部材5が図1の時計方向へ回動され、ストッパアーム6がばね7に抗して後退位置から係合位置に変位される。この後、かご側コロ9はかごドア2aの乗場側の面に沿って転動され、ストッパアーム6は図2の全戸開状態でも係合位置に保持される。図2の状態では、ストッパアーム6がストッパ係合部4aに挿入されているため、かご1の昇降が規制される。
【0018】
また、戸閉動作時には、かご側コロ9はかごドア2aの乗場側の面に沿って転動され、ストッパアーム6は係合位置に保持される。しかし、かごドア2a,2bの戸閉動作終了時(全戸閉直前)に、かご側コロ9がかごドアカム傾斜面8aの位置まで移動されると、ばね7のばね力により、かご側コロ9がかごドアカム傾斜面8aに沿ってかご1側へ変位され、伝達部材5が図2の反時計方向へ回動される。これとともに、ストッパアーム6が係合位置から後退位置に変位され、かご1の昇降が可能な状態となる。
【0019】
このようなかご位置保持装置では、かごドアカム8をかごドア2aの戸袋側端部に設け、このかごドアカム8に係合するかご側コロ9と伝達部材5とによりストッパアーム6を変位させるようにしたので、ブレーキライニングの摩耗等により巻上機ブレーキの制動力が低下した場合にも、戸開動作開始直後から戸閉動作終了直前までかご1を乗場階の位置に保持しておくことができる。即ち、戸開状態のままかご1が動くのをより確実に防止することができる。また、かご出入口1aや乗場出入口の下部のスペースを有効に利用することができ、既設のエレベータにも容易に適用することができる。
【0020】
さらに、かご1の走行中は、ばね7のばね力によりストッパアーム6が後退位置に保持されているので、ストッパアーム6が乗場敷居4に干渉することはない。
さらにまた、ワイヤ等の消耗部品を用いていないので、保守の手間がかからない。
【0021】
実施の形態2.
次に、図5はこの発明の実施の形態2によるエレベータのかご位置保持装置の全戸閉時の状態を示す平面図、図6は図5のかご位置保持装置の全戸開時の状態を示す平面図、図7は図5の要部を示す斜視図、図8は図7の戸開動作開始直後の状態を示す斜視図である。
【0022】
この例では、伝達部材5、ストッパアーム6、かごドアカム8及びかご側コロ9が、かご出入口1aの幅方向中心を中心として左右対称に配置されている。
【0023】
乗場敷居4には、ストッパ係合部4bが設けられている。ストッパ係合部4bは、対向するかご出入口1aの全幅に渡って連続して設けられている。かご敷居3の下部には、ストッパ係合部4bに係合することによりかご1の昇降を規制する筐体状の可動敷居11が設けられている。2個のストッパアーム6は、可動敷居11内に収容されている。
【0024】
可動敷居11は、かご出入口1aの全幅に渡って設けられている。また、可動敷居11は、乗場側へ突出してストッパ係合部4bに係合する係合位置(図6、図8)と、かご1側へ後退された後退位置(図5、図7)との間で変位可能になっている。かご1の下部の可動敷居11の幅方向両側には、可動敷居11の変位を案内するガイド部12a,12bが設けられている。ガイド部12a,12bは、例えばガイドレール又はガイド溝である。
【0025】
可動敷居11とかご1との間には、可動敷居11を後退位置側へ付勢する付勢手段としての一対のばね13a,13bが設けられている。実施の形態2のストッパは、ストッパアーム6及び可動敷居11を有している。各ストッパアーム6の先端部には、可動敷居11の内壁面に接して転動するローラ6aが設けられている。他の構成は、実施の形態1と同様である。
【0026】
次に、動作について説明する。かごドア2a,2bの戸開動作開始時には、かご側コロ9がかごドアカム傾斜面8aに沿って乗場側へ変位される。これにより、伝達部材5が回動され、ストッパアーム6及び可動敷居11がばね13a,13bに抗して後退位置から係合位置に変位される。この後、かご側コロ9はかごドア2a,2bの乗場側の面に沿って転動され、ストッパアーム6及び可動敷居11は図6の全戸開状態でも係合位置に保持される。図6の状態では、可動敷居11がストッパ係合部4bに挿入されているため、かご1の昇降が規制される。
【0027】
また、戸閉動作時には、かご側コロ9はかごドア2a,2bの乗場側の面に沿って転動され、ストッパアーム6及び可動敷居11は係合位置に保持される。しかし、かごドア2a,2bの戸閉動作終了時(全戸閉直前)に、かご側コロ9がかごドアカム傾斜面8aの位置まで移動されると、ばね13a,13bのばね力により、かご側コロ9がかごドアカム傾斜面8aに沿ってかご1側へ変位され、伝達部材5が回動される。これとともに、ストッパアーム6及び可動敷居11が係合位置から後退位置に変位され、かご1の昇降が可能な状態となる。
【0028】
このようなかご位置保持装置では、可動敷居11が戸開動作開始直後から戸閉動作終了直前まで係合位置に保持されるので、かご1を乗場階の位置に保持しておくことができる。また、かご敷居3と乗場敷居4との間の隙間から昇降路内に物が落下したり、車椅子や台車の車輪が隙間に入り込んだりするのを防止することができる。
【0029】
実施の形態3.
次に、図9はこの発明の実施の形態3によるエレベータのかご位置保持装置の全戸閉時の状態を示す平面図、図10は図9のかご位置保持装置の全戸開時の状態を示す平面図である。図において、乗場出入口20は、一対の乗場ドア21a,21bにより開閉される(実施の形態1、2では省略した)。
【0030】
乗場敷居4の乗場出入口20の両側には、可動敷居11を係合位置にロックする第1及び第2のロック装置22a,22bが設けられている。乗場ドア21a,21bの戸袋側端部には、第1及び第2のロック装置22a,22bを操作する第1及び第2の乗場ドアカム装置23a,23bが設けられている。
【0031】
図11は図9の第2のロック装置22b及び第2の乗場ドアカム装置23bを昇降路側から見た斜視図であり、戸開動作中の状態を示している。また、第1のロック装置22a及び第1の乗場ドアカム装置23aは、第2のロック装置22b及び第2の乗場ドアカム装置23bと対称の構造を有しているので、ここでは説明を省略する。
【0032】
第2のロック装置22bは、可動敷居11を係合位置にロックするロック部材(フック)24と、乗場ドアカム装置23bに沿って転動される第1及び第2の乗場側コロ25,26と、乗場側コロ25,26の変位をロック部材24に伝達する伝達部材27とを有している。ロック部材24は、可動敷居11を係合位置にロックするロック位置と、可動敷居11のロックを解除する解除位置との間で回動変位可能になっている。
【0033】
第2の乗場ドアカム装置23bは、戸開動作開始時に第1の乗場側コロ25を乗場ドア21bの厚さ方向へ変位させる第1の乗場ドアカム28と、戸閉動作終了時に第2の乗場側コロ26を乗場ドア21bの厚さ方向へ変位させる第2の乗場ドアカム29とを有している。
【0034】
第1及び第2の乗場ドアカム装置23a,23bは、乗場ドア21bの開閉動作に伴って、ロック部材24をロック位置と解除位置との間で変位させる。即ち、第1の乗場ドアカム28は、戸開動作開始直後にロック部材24を解除位置からロック位置に回動変位させる。また、第2の乗場ドアカム29は、戸閉動作終了直前にロック部材24をロック位置から解除位置に回動変位させる。
【0035】
図12は図9のかご位置保持装置のかご側部品を示す斜視図であり、戸開開始直後の状態を示している。また、図13は図12のかごドア2a及びかごドアカム8の断面図である。可動敷居11の幅方向両端部近傍の下部には、ロック部材24が係合する一対のロック棒30が固定されている。
【0036】
かごドアカム8は、戸開動作開始直後にかご側コロ9を乗場側へ変位させるかごドアカム傾斜面8aと、かごドアカム傾斜面8aとは反対向きに傾斜した逆傾斜面8bと、かごドアカム傾斜面8aと逆傾斜面8bとの間に位置し、かごドア2a,2bの開閉方向に平行な最大突出面8cとを有している。他の構成は、実施の形態2と同様である。
【0037】
次に、動作について説明する。かごドア2a,2bの戸開動作開始時には、かごドア2a,2bに連動して乗場ドア21a,21bも戸開動作を開始する。これに伴い、第1の乗場ドアカム28により第1の乗場側コロ25がかご1側へ変位され、ロック部材24が解除位置からロック位置に回動される。
【0038】
このとき、可動敷居11が係合位置に変位されており、ロック部材24はロック棒30に係合する。これにより、可動敷居11、即ちストッパは、係合位置にロックされる。ロック部材24がロック棒30に係合する動作は、かご側コロ9が最大突出面8c上に位置するときに行われる。
【0039】
この後、かご側コロ9が逆傾斜面8b上に移動されると、ばね13a,13bの復元力は可動敷居11及びロック棒30を介してロック部材24により支持される。このため、最大突出面8cよりも反戸袋側では、かご側コロ9はかごドアカム8から浮いた状態、即ち非接触な状態となる。従って、可動敷居11のロック後の戸開動作では、かご側コロ9からの負荷がかごドア2a,2bに加わらない。
【0040】
かごドア2a,2bの戸閉動作は、戸開動作と逆の順序となる。そして、戸閉動作終了直前には、第2の乗場ドアカム29により、第2の乗場側コロ26がかご1側へ変位され、伝達部材27が戸開時とは逆方向へ回動される。これにより、ロック部材24のロック棒30への係合が解除されて、ロック部材24が解除位置に回動変位される。このとき、第1の乗場側コロ25も第1の乗場ドアカム28に案内されて全戸閉時の位置に戻る。
【0041】
このようなかご位置保持装置では、コロ9,25,26及びカム8,28,29の位置を調整することにより、戸開動作を利用して可動敷居11をその突出と同時にロックするとともに、戸閉動作終了直前に可動敷居11のロックを解除することがでる。
また、かご側コロ9からかごドア2a,2bに負荷が加わるのを戸開動作開始時の戸閉動作終了時とのみにすることができ、かごドア2a,2bをスムーズに開閉することができる。
【0042】
なお、係合部材は、乗場敷居4に限定されるものではない。
また、かごドアカム係合部材は、かご側コロ9に限定されるものではなく、例えばかごドアカムに沿って摺動されるものでもよい。
さらに、実施の形態3では、可動敷居11に設けられたロック棒30にロック部材24が係合することにより可動敷居11を係合位置にロックされるが、実施の形態1のストッパアーム6にロック部材24を係合させてストッパアーム6を係合位置にロックするようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】この発明の実施の形態1によるエレベータのかご位置保持装置の全戸閉時の状態を示す平面図である。
【図2】図1のかご位置保持装置の全戸開時の状態を示す平面図である。
【図3】図1の要部を示す斜視図である。
【図4】図3の戸開動作開始直後の状態を示す斜視図である。
【図5】この発明の実施の形態2によるエレベータのかご位置保持装置の全戸閉時の状態を示す平面図である。
【図6】図5のかご位置保持装置の全戸開時の状態を示す平面図である。
【図7】図5の要部を示す斜視図である。
【図8】図7の戸開動作開始直後の状態を示す斜視図である。
【図9】この発明の実施の形態3によるエレベータのかご位置保持装置の全戸閉時の状態を示す平面図である。
【図10】図9のかご位置保持装置の全戸開時の状態を示す平面図である。
【図11】図9の第2のロック装置及び第2の乗場ドアカム装置を昇降路側から見た斜視図である。
【図12】図9のかご位置保持装置のかご側部品を示す斜視図である。
【図13】図12のかごドア及びかごドアカムの断面図である。
【符号の説明】
【0044】
1 かご、4 乗場敷居(係合部材)、4a,4b ストッパ係合部、5 伝達部材、6 ストッパアーム、7,13a,13b ばね(付勢手段)、8 かごドアカム、8a かごドアカム傾斜面、9 かご側コロ(かごドアカム係合部材)、11 可動敷居、24 ロック部材、28 第1の乗場ドアカム、29 第2の乗場ドアカム。
【技術分野】
【0001】
この発明は、乗場階に着床したかごの昇降を規制しかご位置を保持するエレベータのかご位置保持装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のエレベータの安全装置では、巻上機ブレーキが動作し、かごドアが開放されたにも拘わらず、かごの速度が所定値以上であると、ロープ把持装置により主索が把持され、かごの昇降が阻止される(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、従来のエレベータの敷居では、かごドアの戸開動作に連動して、塞ぎ板が乗場側に突出され、かご敷居と乗場敷居との間の隙間が塞ぎ板により塞がれる(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
【特許文献1】特開平9−221285号公報
【特許文献2】実開平5−32374号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に示されたような従来の安全装置では、主索の経路の途中にロープ把持装置を設置するためのスペースを確保する必要があり、既設のエレベータには適用できないことがあった。また、特許文献2に示されたような従来の敷居では、塞ぎ板がかご敷居と乗場敷居との間を単に塞ぐだけであり、かごの昇降は許容されたままである。このため、ブレーキライニングの摩耗等により巻上機ブレーキの制動力が低下すると、かごが静止状態を保持できなくなる。また、塞ぎ板を乗場側に係合させるとしても、塞ぎ板はかごドアの開閉動作に伴って徐々に変位されるため、乗場側に係合する前にかごが変位してしまう恐れがあった。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、かご出入口や乗場出入口の下部のスペースを利用しつつ、巻上機ブレーキの制動力が低下した場合にもかごを乗場階の位置に保持することができるエレベータのかご位置保持装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明に係るエレベータのかご位置保持装置は、乗場の下部に設けられ、昇降路に臨むストッパ係合部が設けられている係合部材、かごの下部に設けられ、かつ乗場側へ突出してストッパ係合部に係合する係合位置と、かご側へ後退された後退位置との間で変位可能になっており、ストッパ係合部に係合することによりかごの昇降を規制するストッパ、ストッパを後退位置側へ付勢する付勢手段、かごドアの戸袋側端部に設けられ、かごドアの厚さ方向に傾斜したかごドアカム傾斜面を有するかごドアカム、かごドアカムに係合し、かごドアの移動によりかごドアカム傾斜面に沿ってかごドアの厚さ方向へ変位されるかごドアカム係合部材、及びかごドアカム係合部材とストッパとの間に連結され、かごドアカム係合部材の変位をストッパに伝達する伝達部材を備え、かごドアの戸開動作開始時に、かごドアカム係合部材がかごドアカム傾斜面に沿って変位されることにより、ストッパが後退位置から係合位置に変位され、かごドアの戸閉動作終了時に、かごドアカム係合部材がかごドアカム傾斜面に沿って変位されることにより、ストッパが係合位置から後退位置に変位される。
【発明の効果】
【0008】
この発明のエレベータのかご位置保持装置は、かごドアカムをかごドアの戸袋側端部に設け、このかごドアカムに係合するかごドアカム係合部材と伝達部材とによりストッパを変位させるようにしたので、巻上機ブレーキの制動力が低下した場合にも、戸開動作開始直後から戸閉動作終了直前までかごを乗場階の位置に保持しておくことができる。また、かご出入口や乗場出入口の下部のスペースを有効に利用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、この発明を実施するための最良の形態について、図面を参照して説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1によるエレベータのかご位置保持装置の全戸閉時の状態を示す平面図、図2は図1のかご位置保持装置の全戸開時の状態を示す平面図、図3は図1の要部を示す斜視図、図4は図3の戸開動作開始直後の状態を示す斜視図である。
【0010】
図において、かご1には、かご出入口1aが設けられている。かご出入口1aは、一対のかごドア2a,2bにより開閉される。かご出入口1aの下部(床部)には、かごドア2a,2bの開閉動作時にかごドア2a,2bの下端部を案内するかご敷居3が固定されている。
【0011】
乗場の下部(床部)には、係合部材としての乗場敷居4が固定されている。乗場敷居4には、昇降路に臨むストッパ係合部4aが設けられている。ストッパ係合部4aは、昇降路側が開口した溝又は凹部である。
【0012】
かご敷居3には、伝達部材5が支持されている。伝達部材5は、かご敷居3を貫通する垂直な軸部5aと、基端部が軸部5aの上端部に固定されているレバー部5bとを有している。また、伝達部材5は、軸部5aを中心として回動可能である。
【0013】
軸部5aの下端部には、ストッパ係合部4aに係合することによりかご1の昇降を規制するストッパとしてのストッパアーム6が設けられている。ストッパアーム6は、かご1の下部、即ちかご敷居3の下部に位置している。また、ストッパアーム6は、乗場側へ突出してストッパ係合部4aに係合する係合位置(図2、図4)と、かご1側へ後退された後退位置(図1、図3)との間で回動変位可能になっている。
【0014】
ストッパアーム6とかご1との間には、ストッパアーム6を後退位置側へ付勢する付勢手段としてのばね7が設けられている。かごドア2aの戸袋側端部には、かごドアカム8が固定されている。かごドアカム8は、かごドア2aの厚さ方向(図1の上下方向)に傾斜したかごドアカム傾斜面8aを有している。かごドアカム傾斜面8aは、かごドア2aの戸袋側端部よりも戸袋側に突出して設けられている。
【0015】
レバー部5bの先端部には、かごドアカム係合部材としてのかご側コロ9が取り付けられている。かご側コロ9は、かごドアカム8に係合し、かごドア2aの開閉動作に伴ってかごドアカム8上を転動される。また、かご側コロ9は、戸開動作開始時及び戸閉動作終了時に、かごドアカム傾斜面8aに沿ってかごドア2aの厚さ方向へ変位される。
【0016】
伝達部材5は、かご側コロ9とストッパアーム6との間に連結され、かごドア2aの厚さ方向へのかご側コロ9の変位を回動に変換してストッパアーム6に伝達する。
【0017】
次に、動作について説明する。かごドア2a,2bの戸開動作開始時には、かご側コロ9がかごドアカム傾斜面8aに沿って乗場側へ変位される。これにより、伝達部材5が図1の時計方向へ回動され、ストッパアーム6がばね7に抗して後退位置から係合位置に変位される。この後、かご側コロ9はかごドア2aの乗場側の面に沿って転動され、ストッパアーム6は図2の全戸開状態でも係合位置に保持される。図2の状態では、ストッパアーム6がストッパ係合部4aに挿入されているため、かご1の昇降が規制される。
【0018】
また、戸閉動作時には、かご側コロ9はかごドア2aの乗場側の面に沿って転動され、ストッパアーム6は係合位置に保持される。しかし、かごドア2a,2bの戸閉動作終了時(全戸閉直前)に、かご側コロ9がかごドアカム傾斜面8aの位置まで移動されると、ばね7のばね力により、かご側コロ9がかごドアカム傾斜面8aに沿ってかご1側へ変位され、伝達部材5が図2の反時計方向へ回動される。これとともに、ストッパアーム6が係合位置から後退位置に変位され、かご1の昇降が可能な状態となる。
【0019】
このようなかご位置保持装置では、かごドアカム8をかごドア2aの戸袋側端部に設け、このかごドアカム8に係合するかご側コロ9と伝達部材5とによりストッパアーム6を変位させるようにしたので、ブレーキライニングの摩耗等により巻上機ブレーキの制動力が低下した場合にも、戸開動作開始直後から戸閉動作終了直前までかご1を乗場階の位置に保持しておくことができる。即ち、戸開状態のままかご1が動くのをより確実に防止することができる。また、かご出入口1aや乗場出入口の下部のスペースを有効に利用することができ、既設のエレベータにも容易に適用することができる。
【0020】
さらに、かご1の走行中は、ばね7のばね力によりストッパアーム6が後退位置に保持されているので、ストッパアーム6が乗場敷居4に干渉することはない。
さらにまた、ワイヤ等の消耗部品を用いていないので、保守の手間がかからない。
【0021】
実施の形態2.
次に、図5はこの発明の実施の形態2によるエレベータのかご位置保持装置の全戸閉時の状態を示す平面図、図6は図5のかご位置保持装置の全戸開時の状態を示す平面図、図7は図5の要部を示す斜視図、図8は図7の戸開動作開始直後の状態を示す斜視図である。
【0022】
この例では、伝達部材5、ストッパアーム6、かごドアカム8及びかご側コロ9が、かご出入口1aの幅方向中心を中心として左右対称に配置されている。
【0023】
乗場敷居4には、ストッパ係合部4bが設けられている。ストッパ係合部4bは、対向するかご出入口1aの全幅に渡って連続して設けられている。かご敷居3の下部には、ストッパ係合部4bに係合することによりかご1の昇降を規制する筐体状の可動敷居11が設けられている。2個のストッパアーム6は、可動敷居11内に収容されている。
【0024】
可動敷居11は、かご出入口1aの全幅に渡って設けられている。また、可動敷居11は、乗場側へ突出してストッパ係合部4bに係合する係合位置(図6、図8)と、かご1側へ後退された後退位置(図5、図7)との間で変位可能になっている。かご1の下部の可動敷居11の幅方向両側には、可動敷居11の変位を案内するガイド部12a,12bが設けられている。ガイド部12a,12bは、例えばガイドレール又はガイド溝である。
【0025】
可動敷居11とかご1との間には、可動敷居11を後退位置側へ付勢する付勢手段としての一対のばね13a,13bが設けられている。実施の形態2のストッパは、ストッパアーム6及び可動敷居11を有している。各ストッパアーム6の先端部には、可動敷居11の内壁面に接して転動するローラ6aが設けられている。他の構成は、実施の形態1と同様である。
【0026】
次に、動作について説明する。かごドア2a,2bの戸開動作開始時には、かご側コロ9がかごドアカム傾斜面8aに沿って乗場側へ変位される。これにより、伝達部材5が回動され、ストッパアーム6及び可動敷居11がばね13a,13bに抗して後退位置から係合位置に変位される。この後、かご側コロ9はかごドア2a,2bの乗場側の面に沿って転動され、ストッパアーム6及び可動敷居11は図6の全戸開状態でも係合位置に保持される。図6の状態では、可動敷居11がストッパ係合部4bに挿入されているため、かご1の昇降が規制される。
【0027】
また、戸閉動作時には、かご側コロ9はかごドア2a,2bの乗場側の面に沿って転動され、ストッパアーム6及び可動敷居11は係合位置に保持される。しかし、かごドア2a,2bの戸閉動作終了時(全戸閉直前)に、かご側コロ9がかごドアカム傾斜面8aの位置まで移動されると、ばね13a,13bのばね力により、かご側コロ9がかごドアカム傾斜面8aに沿ってかご1側へ変位され、伝達部材5が回動される。これとともに、ストッパアーム6及び可動敷居11が係合位置から後退位置に変位され、かご1の昇降が可能な状態となる。
【0028】
このようなかご位置保持装置では、可動敷居11が戸開動作開始直後から戸閉動作終了直前まで係合位置に保持されるので、かご1を乗場階の位置に保持しておくことができる。また、かご敷居3と乗場敷居4との間の隙間から昇降路内に物が落下したり、車椅子や台車の車輪が隙間に入り込んだりするのを防止することができる。
【0029】
実施の形態3.
次に、図9はこの発明の実施の形態3によるエレベータのかご位置保持装置の全戸閉時の状態を示す平面図、図10は図9のかご位置保持装置の全戸開時の状態を示す平面図である。図において、乗場出入口20は、一対の乗場ドア21a,21bにより開閉される(実施の形態1、2では省略した)。
【0030】
乗場敷居4の乗場出入口20の両側には、可動敷居11を係合位置にロックする第1及び第2のロック装置22a,22bが設けられている。乗場ドア21a,21bの戸袋側端部には、第1及び第2のロック装置22a,22bを操作する第1及び第2の乗場ドアカム装置23a,23bが設けられている。
【0031】
図11は図9の第2のロック装置22b及び第2の乗場ドアカム装置23bを昇降路側から見た斜視図であり、戸開動作中の状態を示している。また、第1のロック装置22a及び第1の乗場ドアカム装置23aは、第2のロック装置22b及び第2の乗場ドアカム装置23bと対称の構造を有しているので、ここでは説明を省略する。
【0032】
第2のロック装置22bは、可動敷居11を係合位置にロックするロック部材(フック)24と、乗場ドアカム装置23bに沿って転動される第1及び第2の乗場側コロ25,26と、乗場側コロ25,26の変位をロック部材24に伝達する伝達部材27とを有している。ロック部材24は、可動敷居11を係合位置にロックするロック位置と、可動敷居11のロックを解除する解除位置との間で回動変位可能になっている。
【0033】
第2の乗場ドアカム装置23bは、戸開動作開始時に第1の乗場側コロ25を乗場ドア21bの厚さ方向へ変位させる第1の乗場ドアカム28と、戸閉動作終了時に第2の乗場側コロ26を乗場ドア21bの厚さ方向へ変位させる第2の乗場ドアカム29とを有している。
【0034】
第1及び第2の乗場ドアカム装置23a,23bは、乗場ドア21bの開閉動作に伴って、ロック部材24をロック位置と解除位置との間で変位させる。即ち、第1の乗場ドアカム28は、戸開動作開始直後にロック部材24を解除位置からロック位置に回動変位させる。また、第2の乗場ドアカム29は、戸閉動作終了直前にロック部材24をロック位置から解除位置に回動変位させる。
【0035】
図12は図9のかご位置保持装置のかご側部品を示す斜視図であり、戸開開始直後の状態を示している。また、図13は図12のかごドア2a及びかごドアカム8の断面図である。可動敷居11の幅方向両端部近傍の下部には、ロック部材24が係合する一対のロック棒30が固定されている。
【0036】
かごドアカム8は、戸開動作開始直後にかご側コロ9を乗場側へ変位させるかごドアカム傾斜面8aと、かごドアカム傾斜面8aとは反対向きに傾斜した逆傾斜面8bと、かごドアカム傾斜面8aと逆傾斜面8bとの間に位置し、かごドア2a,2bの開閉方向に平行な最大突出面8cとを有している。他の構成は、実施の形態2と同様である。
【0037】
次に、動作について説明する。かごドア2a,2bの戸開動作開始時には、かごドア2a,2bに連動して乗場ドア21a,21bも戸開動作を開始する。これに伴い、第1の乗場ドアカム28により第1の乗場側コロ25がかご1側へ変位され、ロック部材24が解除位置からロック位置に回動される。
【0038】
このとき、可動敷居11が係合位置に変位されており、ロック部材24はロック棒30に係合する。これにより、可動敷居11、即ちストッパは、係合位置にロックされる。ロック部材24がロック棒30に係合する動作は、かご側コロ9が最大突出面8c上に位置するときに行われる。
【0039】
この後、かご側コロ9が逆傾斜面8b上に移動されると、ばね13a,13bの復元力は可動敷居11及びロック棒30を介してロック部材24により支持される。このため、最大突出面8cよりも反戸袋側では、かご側コロ9はかごドアカム8から浮いた状態、即ち非接触な状態となる。従って、可動敷居11のロック後の戸開動作では、かご側コロ9からの負荷がかごドア2a,2bに加わらない。
【0040】
かごドア2a,2bの戸閉動作は、戸開動作と逆の順序となる。そして、戸閉動作終了直前には、第2の乗場ドアカム29により、第2の乗場側コロ26がかご1側へ変位され、伝達部材27が戸開時とは逆方向へ回動される。これにより、ロック部材24のロック棒30への係合が解除されて、ロック部材24が解除位置に回動変位される。このとき、第1の乗場側コロ25も第1の乗場ドアカム28に案内されて全戸閉時の位置に戻る。
【0041】
このようなかご位置保持装置では、コロ9,25,26及びカム8,28,29の位置を調整することにより、戸開動作を利用して可動敷居11をその突出と同時にロックするとともに、戸閉動作終了直前に可動敷居11のロックを解除することがでる。
また、かご側コロ9からかごドア2a,2bに負荷が加わるのを戸開動作開始時の戸閉動作終了時とのみにすることができ、かごドア2a,2bをスムーズに開閉することができる。
【0042】
なお、係合部材は、乗場敷居4に限定されるものではない。
また、かごドアカム係合部材は、かご側コロ9に限定されるものではなく、例えばかごドアカムに沿って摺動されるものでもよい。
さらに、実施の形態3では、可動敷居11に設けられたロック棒30にロック部材24が係合することにより可動敷居11を係合位置にロックされるが、実施の形態1のストッパアーム6にロック部材24を係合させてストッパアーム6を係合位置にロックするようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】この発明の実施の形態1によるエレベータのかご位置保持装置の全戸閉時の状態を示す平面図である。
【図2】図1のかご位置保持装置の全戸開時の状態を示す平面図である。
【図3】図1の要部を示す斜視図である。
【図4】図3の戸開動作開始直後の状態を示す斜視図である。
【図5】この発明の実施の形態2によるエレベータのかご位置保持装置の全戸閉時の状態を示す平面図である。
【図6】図5のかご位置保持装置の全戸開時の状態を示す平面図である。
【図7】図5の要部を示す斜視図である。
【図8】図7の戸開動作開始直後の状態を示す斜視図である。
【図9】この発明の実施の形態3によるエレベータのかご位置保持装置の全戸閉時の状態を示す平面図である。
【図10】図9のかご位置保持装置の全戸開時の状態を示す平面図である。
【図11】図9の第2のロック装置及び第2の乗場ドアカム装置を昇降路側から見た斜視図である。
【図12】図9のかご位置保持装置のかご側部品を示す斜視図である。
【図13】図12のかごドア及びかごドアカムの断面図である。
【符号の説明】
【0044】
1 かご、4 乗場敷居(係合部材)、4a,4b ストッパ係合部、5 伝達部材、6 ストッパアーム、7,13a,13b ばね(付勢手段)、8 かごドアカム、8a かごドアカム傾斜面、9 かご側コロ(かごドアカム係合部材)、11 可動敷居、24 ロック部材、28 第1の乗場ドアカム、29 第2の乗場ドアカム。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗場の下部に設けられ、昇降路に臨むストッパ係合部が設けられている係合部材、
かごの下部に設けられ、かつ乗場側へ突出して上記ストッパ係合部に係合する係合位置と、上記かご側へ後退された後退位置との間で変位可能になっており、上記ストッパ係合部に係合することにより上記かごの昇降を規制するストッパ、
上記ストッパを上記後退位置側へ付勢する付勢手段、
かごドアの戸袋側端部に設けられ、上記かごドアの厚さ方向に傾斜したかごドアカム傾斜面を有するかごドアカム、
上記かごドアカムに係合し、上記かごドアの移動により上記かごドアカム傾斜面に沿って上記かごドアの厚さ方向へ変位されるかごドアカム係合部材、及び
上記かごドアカム係合部材と上記ストッパとの間に連結され、上記かごドアカム係合部材の変位を上記ストッパに伝達する伝達部材
を備え、
上記かごドアの戸開動作開始時に、上記かごドアカム係合部材が上記かごドアカム傾斜面に沿って変位されることにより、上記ストッパが上記後退位置から上記係合位置に変位され、
上記かごドアの戸閉動作終了時に、上記かごドアカム係合部材が上記かごドアカム傾斜面に沿って変位されることにより、上記ストッパが上記係合位置から上記後退位置に変位されることを特徴とするエレベータのかご位置保持装置。
【請求項2】
上記ストッパは、かご敷居の下部にかご出入口の全幅に渡って設けられ上記ストッパ係合部に係合される可動敷居を有していることを特徴とする請求項1記載のエレベータのかご位置保持装置。
【請求項3】
上記乗場に設けられ、上記ストッパを上記係合位置にロックするロック位置と、上記ストッパのロックを解除する解除位置との間で変位可能なロック部材、及び
乗場ドアに設けられ、上記乗場ドアの開閉動作に伴って、上記ロック部材を上記ロック位置と上記解除位置との間で変位させる乗場ドアカム
をさらに備えていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のエレベータのかご位置保持装置。
【請求項1】
乗場の下部に設けられ、昇降路に臨むストッパ係合部が設けられている係合部材、
かごの下部に設けられ、かつ乗場側へ突出して上記ストッパ係合部に係合する係合位置と、上記かご側へ後退された後退位置との間で変位可能になっており、上記ストッパ係合部に係合することにより上記かごの昇降を規制するストッパ、
上記ストッパを上記後退位置側へ付勢する付勢手段、
かごドアの戸袋側端部に設けられ、上記かごドアの厚さ方向に傾斜したかごドアカム傾斜面を有するかごドアカム、
上記かごドアカムに係合し、上記かごドアの移動により上記かごドアカム傾斜面に沿って上記かごドアの厚さ方向へ変位されるかごドアカム係合部材、及び
上記かごドアカム係合部材と上記ストッパとの間に連結され、上記かごドアカム係合部材の変位を上記ストッパに伝達する伝達部材
を備え、
上記かごドアの戸開動作開始時に、上記かごドアカム係合部材が上記かごドアカム傾斜面に沿って変位されることにより、上記ストッパが上記後退位置から上記係合位置に変位され、
上記かごドアの戸閉動作終了時に、上記かごドアカム係合部材が上記かごドアカム傾斜面に沿って変位されることにより、上記ストッパが上記係合位置から上記後退位置に変位されることを特徴とするエレベータのかご位置保持装置。
【請求項2】
上記ストッパは、かご敷居の下部にかご出入口の全幅に渡って設けられ上記ストッパ係合部に係合される可動敷居を有していることを特徴とする請求項1記載のエレベータのかご位置保持装置。
【請求項3】
上記乗場に設けられ、上記ストッパを上記係合位置にロックするロック位置と、上記ストッパのロックを解除する解除位置との間で変位可能なロック部材、及び
乗場ドアに設けられ、上記乗場ドアの開閉動作に伴って、上記ロック部材を上記ロック位置と上記解除位置との間で変位させる乗場ドアカム
をさらに備えていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のエレベータのかご位置保持装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2009−203068(P2009−203068A)
【公開日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−50137(P2008−50137)
【出願日】平成20年2月29日(2008.2.29)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【出願人】(000236056)三菱電機ビルテクノサービス株式会社 (1,792)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年2月29日(2008.2.29)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【出願人】(000236056)三菱電機ビルテクノサービス株式会社 (1,792)
【Fターム(参考)】
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