説明

エレベータのガイドレール給油装置

【課題】ガイドレールへの給油量を自動的に可変できるエレベータのガイドレール給油装置を得ることを目的とする。
【解決手段】エレベータの駆動綱車に巻き掛けられたロープの走行に連動して移動するかご12に設けられ、かご12の移動を案内するガイドレール14Aに油を供給するエレベータのガイドレール給油装置であって、油が貯蔵される油槽31と、油槽31内からガイドレール14Aに至るように延在し、一部がガイドレール14Aに当接して、油槽31内の油をガイドレール14Aに導く灯芯35と、油槽31からガイドレール14Aに至る灯芯の一部を加圧して、灯芯35からガイドレール14Aに供給される油量を調整する油量調整装置40とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、かごやつり合いおもりをガイドするガイドレールに給油するエレベータのガイドレール給油装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のエレベータのガイドレール給油装置は、潤滑油が貯蔵される油槽部、及びガイドレールに対応する位置に配置される給油部を有するケース、及び毛糸の毛細管現象により給油部まで吸い上げられ、給油部の上部に乗せた含侵性のフェルト等の繊維質よりなる給油部材を備えている。
【0003】
給油部材は、ガイドレールのガイド面を挟持して当接するように、乗りかご等の昇降体に設置され、昇降体の移動に伴って、昇降体の走行を案内するガイドレールに油が塗布される(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−282943号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来のエレベータのガイドレール給油装置では、給油部材のガイドレールへの当て方を変えなければ、昇降体の移動に伴って、給油部材からガイドレールへ供給される油量は、常に一定となる。
【0006】
例えば、夏季より冬季の方が、ガイドレールへの給油量を多くする必要があることが知られている。
従来のエレベータのガイドレール給油装置では、給油部材のガイドレールへの当て具合等を調節しない場合、例えば、季節によっては、給油部材からガイドレールに供給される給油量は、適切な範囲から外れてしまう場合がある。このため、保守者は、季節が変わる毎に、給油部材とガイドレールの間の当たり具合を調整するという面倒な作業を実施する必要がある。
【0007】
この発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、ガイドレールへの給油量を自動的に可変できるエレベータのガイドレール給油装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明に係るエレベータのガイドレール給油装置は、エレベータの駆動綱車に巻き掛けられたロープの走行に連動して移動する昇降体に設けられて、昇降体の移動を案内するガイドレールに油を供給するためのものであり、油が貯蔵される油槽と、油槽内からガイドレールに至るように延在し、一部がガイドレールに当接して、油槽内の油をガイドレールに導く灯芯と、油槽からガイドレールに至る灯芯の一部を加圧して、灯芯からガイドレールに供給される油量を調整する油量調整装置とを備えている。
【発明の効果】
【0009】
この発明に係るエレベータのガイドレール給油装置によれば、油槽から灯芯を介してガイドレールに供給される油量を、油量調整装置が自動的に変更することができる。例えば、季節毎に、ガイドレールへの給油量を設定する必要がある場合、保守者が、季節が変わる度に現場に出向き、灯芯とガイドレールの間の当たり具合を調整して、ガイドレールへの給油量を調整する作業を削減できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】この発明の一実施の形態に係るエレベータのガイドレール給油装置を有するエレベータの模式図である。
【図2】図1のII−II矢視断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、この発明を実施するための最良の形態について、図面を参照して説明する。
【0012】
図1はこの発明の一実施の形態に係るガイドレール給油装置を有するエレベータの模式図、図2は図1のII−II矢視断面図である。
【0013】
図1において、エレベータ1は、昇降路2の上部に設けられる機械室3と、駆動綱車5、及び駆動綱車5に回転トルクを付与する電動機6を有し、機械室3に設けられる巻上機4と、機械室3に設けられるそらせ車7と、駆動綱車5及びそらせ車7に巻きかけられて、一端側及び他端側が昇降路2内に垂下されたロープ10と、ロープ10の一端に連結される第1昇降体としてのかご12と、昇降路2のピット8から天井近傍に至るように鉛直方向に延設され、かご12をガイドする一対のガイドレール14Aとを備えている。
【0014】
また、エレベータ1は、ロープ10の他端に連結される第2昇降体としてのつり合いおもり17と、昇降路2のピット8から天井近傍に至るように鉛直方向に延設され、つり合いおもり17をガイドする一対のガイドレール14Bと、機械室3に設けられるエレベータ制御盤20と、かご12及びつり合いおもり17のそれぞれに設けられて、ガイドレール14A,14Bのそれぞれに給油するエレベータのガイドレール給油装置30とを備えている。
【0015】
ガイドレール14A,14Bのそれぞれは、所定幅で上下方向に延在する板状のレール基部15、及びレール基部15の長手方向全域に亘って幅方向中央に突設されるレール凸部16を有する断面T字状の長尺体に形成されている。
【0016】
各ガイドレール給油装置30は、ガイドレール14A,14Bのそれぞれに対し、レール凸部16の幅方向の両側に設けられている。
【0017】
次いで、各ガイドレール給油装置30について説明する。
かご12をガイドする一方のガイドレール14Aを構成するレール凸部16の幅方向の一側に設けられたガイドレール給油装置30について説明する。
【0018】
図2において、ガイドレール給油装置30は、油が貯蔵される油槽31を有するケース32と、油槽31内からガイドレール14Aに至るように延在し、一部がガイドレール14Aのレール凸部16の一方の側面に当接して、油槽31内の油をガイドレール14Aに導く灯芯35と、油槽31からガイドレール14Aに至る灯芯35の一部を加圧して、灯芯35からガイドレール14Aに供給される油量を調整する油量調整装置40と、灯芯35が加圧される力を検出する圧力センサ80と、ガイドレール14Aに当接する灯芯35の部位が、ガイドレール14A側に押し付けられる方向に灯芯35を付勢する付勢装置60とを備えている。
【0019】
灯芯35は、吸油性を有する線状の部材を束ねて構成される。例えば、灯芯35は、フェルトを用いて作製可能である。
【0020】
油量調整装置40は、ケース32の一部を構成し、油槽31に一体に形成されるブロック状の受け部41と、受け部41に遊嵌状態に挿通されるプランジャ本体43、及びプランジャ本体43の外周部に突設され、受け部41との間に配置した灯芯35を加圧する加圧部44を有するプランジャ42と、受け部41から離れたり受け部41に近接したりする方向にプランジャ42を移動させる磁力を発生可能に設けられる磁力発生手段70と、磁力発生手段70の磁力を調整可能に構成され、受け部41に対して灯芯35を加圧する加圧部44の力を制御する制御手段45とを備えている。
【0021】
また、受け部41を貫通する挿通穴41aが、ケース32の高さ方向に一致する方向に形成されている。挿通穴41aの内形は、プランジャ本体43の外形に対して僅かに大きく形成されている。これにより、プランジャ本体43を挿通穴41aに挿入したときには、プランジャ本体43の長手方向に直交する方向のプランジャ42の動きが略規制される。
【0022】
付勢装置60は、かご12に固定され、レール凸部16の幅方向に一致する方向にケース32をスライド可能に支持する支持手段61、支持手段61とケース32との間に縮設され、ケース32をレール凸部16の側面に向けて付勢するばね67とを備えている。
【0023】
支持手段61は、互いに離間して対向して配置される第1固定部62及び第2固定部63と、第1固定部62及び第2固定部63の間を連結する矩形平板形状のスライド支持部64と、ケース32の底部外壁に突出して設けられる嵌合凸部65とを備えている。
ここで、スライド支持部64は、その長手方向を、第1固定部62及び第2固定部63が相対する方向に一致させて配置されている。スライド支持部64の一面には、スライド支持部64の長手方向に延在するガイド溝64aが所定の長さに形成されている。
【0024】
また、第1固定部62の近傍に位置するスライド支持部64の部位には、貫通穴64bが設けられている。貫通穴64bの大きさは、挿通穴41aに対して余裕を持って大きく形成されている。
【0025】
また、第1固定部62は、スライド支持部64の一面側に延出するストッパ62aと、スライド支持部64の他面側に延出する第1取付部62bとを備えている。
また、第2固定部63は、スライド支持部64の一面側に延出するばね支持部63aと、スライド支持部64の他面側に延出する第2取付部63bとを備えている。
【0026】
また、磁力発生手段70は、電磁コイル71と、電磁コイル71に電力を供給する電源回路72とを備えている。
【0027】
また、制御手段45は、演算処理手段としての図示しないCPU、電源回路72の制御プログラムが格納される図示しないROM、及びCPUの演算時にワーキングスペースに用いられるRAMなどを有している。
【0028】
次いで、ガイドレール給油装置30のかご12への取付構造について説明する。
支持手段61は、スライド支持部64の長手方向をレール凸部16の幅方向に一致させ、さらに、第1固定部62側をレール凸部16の一方の側面に向けるともに、スライド支持部64の一面を上方に向け、かご12の上部外壁に、第1取付部62b及び第2取付部63bを固定して設けられている。
【0029】
ケース32は、レール凸部16と油槽31との間に受け部41が配置されるように、嵌合凸部65をガイド溝64aに嵌め合わせて、スライド支持部64の一面上に設けられ、ガイド溝64aに沿った方向のみに移動可能になっている。そして、ケース32は、ストッパ62aに当接する位置に配置されている。なお、貫通穴64b及び挿通穴41aを上方から見た時に、貫通穴64bが、挿通穴41aを囲繞している。
【0030】
なお、ケース32のガイド溝64aの延在方向に一致する方向の長さは、スライド支持部64の長手方向の長さに比べて余裕を持って短い。
【0031】
また、灯芯35は、その一端と油槽31内に挿入された部位の間に位置する一部が、受け部41に載置されている。この時、灯芯35の受け部41への載置箇所は、貫通穴64bに対応する位置に配置される。そして、プランジャ本体43が、挿通穴41a及び貫通穴64bに上方から挿入されて、受け部41に挿通されている。そして、加圧部44が、灯芯35の上部に当てられている。
【0032】
また、ばね65が、第2固定部63のばね支持部63aとケース32との間に縮設されている。これにより、ケース32がレール凸部16の側面側に付勢され、ストッパ63aに当接した状態に維持される。即ち、付勢装置60により、レール凸部16に当接する灯芯35の部位がガイドレール14A側に押し付けられる方向に灯芯35は付勢される。即ち、レール凸部16に当接される灯芯35の部位には、安定した力が、レール凸部16を押圧する方向に加えられる。
【0033】
また、受け部41から突出するプランジャ本体43の部位を囲繞するように、電磁コイル71が、ケース32に一体に取り付けられている。
【0034】
また、圧力センサ80は、一般的なものを利用可能であるので、詳細には説明しないが、電磁コイル71が巻回される図示しないツバ部付きボビンのツバ部に、プランジャ本体43の先端に位置に対応させて固定されている。加圧部44が、灯芯35を押圧する力は、プランジャ42の高さ位置を変動させることで変動する。圧力センサ80は、プランジャ本体43の先端から受ける圧力を検出する検出部(図示せず)を有し、プランジャ本体43の先端位置の変化に応じた圧力を検出することが可能になっている。検出部で検出される圧力は、灯芯35を押圧する加圧部44の力に関連するものであり、検出部で検出される圧力から、受け部41との間に灯芯35を加圧する加圧部44の力を認識することが可能である。
【0035】
そして、電源回路72と制御手段45とが電気的に接続され、制御手段45は、電源回路72から電磁コイル71に供給される電力を制御可能になっている。電磁コイル71に流れる電流に応じて、プランジャ本体43の上下方向の位置を可変可能であり、制御手段45は、受け部41との間に灯芯35を加圧する加圧部44の力を制御可能になっている。
【0036】
なお、ここでは、電磁コイル71に流れる電流が大きい程、加圧部44が受け部41に押し付けられる方向にプランジャ42が付勢されるようになっている。
また、圧力センサ80と制御手段45とが接続され、制御手段45は、圧力センサ80の出力に基づいて、灯芯35を加圧する加圧部44の力を認識することが可能になっている。
以上のように、エレベータのガイドレール給油装置30が構成されている。
【0037】
他方のガイドレール14A、及び一方及び他方のガイドレール14Bに油を供給するガイドレール給油装置30も、同様に構成されている。
【0038】
次いで、ガイドレール給油装置30の動作について説明する。
かご12の移動に伴い、灯芯35は、レール凸部16に摺動しながら移動するので、灯芯35に含浸されている油が、レール凸部16に供給される。
【0039】
上述したように、例えば、夏季、春季と冬季、及び冬季の順に、かご12やつり合いおもり17の移動に伴って、灯芯35からガイドレール14A,14Bのレール凸部16へ供給される油量を多くする必要があることが知られている。即ち、夏季、春季と秋季、及び冬季で、ガイドレール14A,14Bへの最適な給油量が異なる。
【0040】
そこで、制御手段45は、圧力センサ80の出力に基づいて、電磁コイル71に流れる電流量を調整する。
制御手段45には、以下に説明する夏季圧力設定値範囲、標準圧力設定範囲、及び冬季圧力設定値範囲が、予め制御手段45を構成するROMに格納されたプログラムに設定されている。
【0041】
制御手段45は、圧力センサ80の出力値が、夏季には夏季圧力設定範囲内に、冬季には冬季圧力設定範囲内に入るように、電磁コイル71の電流値を調整して、プランジャ42を移動させ、灯芯35を受け部41に対して加圧する加圧部44の力を調整する。
【0042】
夏季圧力設定範囲とは、夏季におけるレール凸部16への最適な給油量の範囲の上限及び下限が、ガイドレール14A,14Bに供給されるように、灯芯35を加圧する加圧部44の力を調整したときに圧力センサ80で検出される上限値及び下限値の範囲により定義される。
【0043】
同様に、冬季圧力設定範囲とは、冬季におけるレール凸部16への最適な給油量の範囲の上限及び下限が、ガイドレール14A,14Bに供給されるように、灯芯35を加圧する加圧部44の力を調整したときに圧力センサ80で検出される上限値及び下限値の範囲により定義される。
【0044】
同様に、標準圧力設定範囲とは、春季及び秋季におけるレール凸部16への最適な給油量の範囲の上限及び下限が、ガイドレール14Aに供給されるように、灯芯35を加圧する加圧部44の加圧力を調整したときに圧力センサ80で検出される上限値及び下限値での範囲により定義される。
【0045】
なお、ここでは、各圧力設定範囲の上限及び下限の差は同じであり、各圧力設定範囲の上限値は、夏季が一番大きく、次いで標準、及び冬季の順に小さくなるように設定される。
【0046】
これにより、制御手段45は、電磁コイル71に流れる電流量が、夏季に一番大きく、次いで春季と秋季、及び冬季の順に小さくなるように電源回路72の制御を行うようになっている。このとき、制御手段45は、圧力センサ80の出力をリアルタイムで認識し、圧力センサ80が検出する圧力値が、現在の季節に対応する圧力設定範囲に入るように、電源回路72を介した電磁コイル71の電流制御を行う。即ち、ガイドレール14A,14Bへの季節毎の給油量は、冬季が一番多く、春及び秋、夏の順に少なくなるように自動的に制御される。
【0047】
この発明によれば、油が貯蔵される油槽31と、油槽31内からガイドレール14A,14Bに至るように延在し、一部がガイドレール14A,14Bに当接して、油槽31内の油をガイドレール14A,14Bに導く灯芯35と、油槽31からガイドレール14A,14Bに至る灯芯35の一部を加圧して、灯芯35からガイドレール14A,14Bに供給される油量を調整する油量調整装置40とを備えている。
【0048】
従って、油量調整装置40により、油槽31から灯芯35を介したガイドレール14A,14Bへの給油量を、例えば、季節毎に自動的に変更させることが可能になる。
即ち、季節毎に保守者が現場に出向いて、灯芯35とガイドレール14A,14Bの間の当たりを調節するなどして、ガイドレール14A,14Bへの給油量を調整する作業を削減できる。
【0049】
具体的には、油量調整装置40は、灯芯35の一部が接するように設けられる受け部41と、受け部41に挿通されるプランジャ本体43、及びプランジャ42の外周部に突設され、受け部41との間に灯芯35を加圧する加圧部44を有するプランジャ42と、受け部41と加圧部44との間の距離を可変させる方向に、プランジャ42を移動させる磁力を発生可能な磁力発生手段70と、受け部41に対して灯芯35を加圧する加圧部44の力を検出する圧力センサ80と、磁力発生手段70の磁力を調整可能に構成され、加圧部44が受け部41に対して灯芯35を加圧する力を、圧力センサ80の出力に基づいて制御する制御手段45とを備えている。
【0050】
制御手段45が、圧力センサ80の出力に基づいて、磁力発生手段70の磁力を制御して、プランジャ42が灯芯35を加圧する力を適切に調整することで、ガイドレール14A,14Bへの給油量を調整することが可能になり、油槽31から灯芯35を介したガイドレール14A,14Bへの給油量を、例えば、季節毎に自動的に変更することが可能になる。
油量調整装置40は、一般的で簡易な構成のプランジャ42及び磁力発生手段70により構成されているので、安価に構成することができる。
【0051】
また、ガイドレール14A,14Bに当接する灯芯35の部位が、ガイドレール14A,14B側に押し付けられる方向に灯芯35を付勢する付勢装置60を備えているので、灯芯35がガイドレール14A,14Bに安定して当接され、一層適切な量の油がガイドレール14A,14Bに供給される。
【0052】
なお、油量調整装置40は、プランジャ42と磁力発生手段70とにより構成されるものとして説明したが、このものに限定されない。例えば、油量調整装置40は、プランジャ42と、プランジャ本体43の長手方向への押し込み量を調整可能に、プランジャ42を押圧する押圧手段とにより構成してもよい。
【0053】
また、各ガイドレール給油装置30が、電源回路72及び制御手段45を有するものとして説明したが、電源回路72及び制御手段45は、複数の電磁コイル71の電流制御用として、共通に設けられていてもよい。
【0054】
また、圧力センサ80を設けるものとして説明したが、必ずしも圧力センサ80を設けるものに限定されない。例えば、各季節について、灯芯35に最適な加圧力をかけるための電磁コイル71の電流値を設定して制御手段45のROMに格納しておき、制御手段45が、現在の季節に対応する最適な電流値を選択して電磁コイル71に電流を流し、灯芯35に適した加圧力がかかるように制御するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0055】
1 エレベータ、5 駆動綱車、10 ロープ、12 かご(昇降体)、14A,14B ガイドレール、17 つり合いおもり(昇降体)、30 ガイドレール給油装置、35 灯芯、40 油量調整装置、41 受け部、42 プランジャ、43 プランジャ本体、44 加圧部、45 制御手段、60 付勢装置、70 磁力発生手段、80 圧力センサ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エレベータの駆動綱車に巻き掛けられたロープの走行に連動して移動する昇降体に設けられて、上記昇降体の移動を案内するガイドレールに油を供給するエレベータのガイドレール給油装置であって、
油が貯蔵される油槽と、
上記油槽内から上記ガイドレールに至るように延在し、一部が上記ガイドレールに当接して、上記油槽内の油を上記ガイドレールに導く灯芯と、
上記油槽から上記ガイドレールに至る上記灯芯の一部を加圧して、上記灯芯から上記ガイドレールに供給される油量を調整する油量調整装置と
を備えていることを特徴とするエレベータのガイドレール給油装置。
【請求項2】
上記油量調整装置は、上記灯芯の一部が接するように設けられる受け部と、
上記受け部に挿通されるプランジャ本体、及び上記プランジャの外周部に突設され、上記受け部との間に上記灯芯を加圧する加圧部を有するプランジャと、
上記受け部と上記加圧部との間の距離を可変させる方向に、上記プランジャを移動させる磁力を発生する磁力発生手段と、
上記磁力発生手段の磁力を調整可能に構成され、上記加圧部が上記受け部に対して上記灯芯を加圧する力を制御する制御手段と
を備えていることを特徴とする請求項1に記載のエレベータのガイドレール給油装置。
【請求項3】
上記受け部に対して上記灯芯を加圧する上記加圧部の力を検出する圧力センサを備え、
上制御手段は、上記圧力センサの出力に基づいて、上記受け部に対して上記灯芯を加圧する上記加圧部の力を制御することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のエレベータのガイドレール給油装置。
【請求項4】
上記ガイドレールに当接する上記灯芯の部位が上記ガイドレール側に押し付けられるように、上記灯芯を付勢する付勢装置を備えていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のエレベータのガイドレール給油装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−206835(P2012−206835A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−74362(P2011−74362)
【出願日】平成23年3月30日(2011.3.30)
【出願人】(000236056)三菱電機ビルテクノサービス株式会社 (1,792)
【Fターム(参考)】