説明

エレベータの制御装置

【課題】本発明は、各階において乗客が乗籠から降りるまたは乗籠に乗り込む際に、開ボタンや閉ボタンを極力操作せずに済むエレベータを提供する。
【解決手段】エレベータシステム1は、乗籠2と籠ドア装置21と乗場ドア装置31と登録ボタン22と制御装置41と開ボタン23と閉ボタン24と記憶部42と調整装置43とを備える。制御装置41は、乗籠2が行先階3に着床した場合に籠ドア装置21を標準開放時間TNだけ開放する。記憶部42は、開ボタン23および閉ボタン24の少なくとも一方が押圧されたことを含む操作情報と操作情報を得たときに乗籠2が着床していた行先階3と特定する位置情報とを関連付けて保存する。調整装置43は、乗籠2が行先階3に着床して籠ドア装置21が開放する場合に行先階3の過去の位置情報および操作情報を基に標準開放時間TNを変更させる調整時間TCを設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乗籠の利用状況に応じて、ドア装置の開放時間を調整するエレベータの制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
エレベータのドア装置の開放時間は、乗籠の中の操作盤に設けられた戸開ボタンと戸閉ボタンを乗客が操作することによって、その都度、調整することができる。また、開延長ボタンが別途設けられたエレベータがある。開延長ボタンは、一度押されただけで、ドア装置を長時間開いた状態に維持するように構成されている。
【0003】
乗客が多く満員に近い状態の場合、乗籠内の乗客が降りるのに時間が掛かる。これを考慮して乗籠の荷重状態に応じて乗籠から乗客が降りるごとにその階における戸開時間を加算することが特許文献1に記載されている。特許文献1のエレベータは、ドア装置に光学検知器を備えており、客がドア装置を通過したことを検出する。そして、ドア装置の開放時間は、乗籠の荷重が軽い場合に一人毎に半秒程度の開放時間を加算し、乗籠の荷重が重い場合、一人毎に1秒半程度の開放時間を加算する。具体的には、乗籠の荷重が定格容量の80%を超えたとき、開放時間の加算を0.5秒から0.9秒にする。逆に、客が次々に降りて乗籠の荷重が定格容量の80%未満になると、ドア装置の開放時間の加算を0.5秒に戻す。
【0004】
また、乗籠内の乗客が全員降りてしまい利用客が居なくなった場合に、ドア装置の閉鎖開始を早めることが特許文献2に記載されている。特許文献2のエレベータは、乗籠の床下にリミットスイッチを設けており、このリミットスイッチによって荷重を検出していない場合に、ドア装置の閉鎖を促進させる。
【0005】
さらに、利用者が乗り込むときにドア装置の開放時間が延長された時間を基に、その直後の行先登録階のドア装置の開放時間を同様に延長するよう設定されるドア制御装置が特許文献3に記載されている。特許文献3のエレベータにおいて、乗り込むときにドア装置の開放時間の延長がされ、かつ、その直後に行先階登録がされなかった場合、開放時間を延長させた階から乗り込んだ乗客にとって希望する行先階が既に登録されていたものとし、すでに登録されている階でのドア装置の開放時間を延長する。このとき、開放時間を延長した乗客が希望しない階でドア装置の開放時間が延長された場合、閉ボタンによって延長を中断する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特公昭35−15118号公報
【特許文献2】実開昭57-191777号公報
【特許文献3】特開2005−119823号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1の場合、乗客がドア装置を横切ることを検出し、1人通過する毎にドア装置の開放時間を加算する。このとき、乗籠の定格容量に対する荷重を基に、1人あたりの加算量を変化させている。しかしながら、特許文献1では、光学検知器の光ビームが遮断されることによって人が通過したことを検知するので、乗り込んでいるのか降りているのか分からない。また、乗籠から降りる乗客が一様に連なって降りるとも限らないし、降りようとする乗客に逆らって乗り込もうとするものも居る。さらに、乗籠の奥の乗客が降りるために一端外に出る乗客も居る。したがって、特許文献1のエレベータであっても、開ボタンや閉ボタンを利用して、ドア装置の開放時間の調整を行わなければならない場合がある。
【0008】
特許文献2の場合、乗籠の乗客がすべて降りた場合にドア装置の開放時間が切り上げられて、ドア装置が閉じられる。したがって、特許文献1のように乗籠に乗客が乗っている間に、各階におけるドア装置の開放時間を適宜調整できるわけではない。
【0009】
さらに特許文献3の場合、乗籠に新たな乗客が乗り込む際のドア装置の開放時間を基に、その直後に登録された行先階でのドア装置の開放時間を同様に長くする。しかし、その行先階がすでに登録されていた場合は、既に登録されている階でのドア装置の開放時間が長くなるため、乗籠内の誰かが閉ボタンを操作して、ドア装置が閉じるのを促進させなければならない。
【0010】
このようにドア装置の開放時間を調整するために様々な工夫がされているが、開ボタンや閉ボタンを利用することが減らない。
【0011】
そこで、本発明は、各階において乗客が乗籠から降りるまたは乗籠に乗り込む際に、開ボタンや閉ボタンを極力操作せずに済むエレベータを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一実施形態のエレベータシステムは、乗籠が各階に着床して籠ドア装置を開放している時間を利用状況に応じて最適化する。そのために、エレベータシステムは、乗籠と、籠ドア装置と、乗場ドア装置と、登録ボタンと、制御装置と、開ボタンと、閉ボタンと、記憶部と、調整装置とを備える。乗籠は、昇降路内を移動する。籠ドア装置は、乗籠に装備される。乗場ドア装置は、各階に設けられ前記乗籠が着床した場合に前記籠ドア装置と連動する。登録ボタンは、乗籠の内部に設置され、行先階を登録するために押圧される。制御装置は、乗籠が行先階に着床した場合に籠ドア装置を標準開放時間だけ開放する。開ボタンは、押圧した状態で籠ドア装置を解錠した状態に維持するとともに放した後も第1の延長時間だけ籠ドア装置を開放した状態に維持するために操作される。閉ボタンは、籠ドア装置の開放時間の残り時間を切り上げて籠ドア装置を閉じさせるために籠ドア装置が開放されている間に押圧される。記憶部は、操作情報と位置情報とを関連付けて保存する。操作情報は、開ボタンおよび閉ボタンの少なくとも一方が押圧されたことを含む。位置情報は、操作情報を得たときに乗籠が着床していた行先階の位置である。調整装置は、調整時間を設定する。この調整時間は、乗籠が行先階に着床して籠ドア装置が開放する場合に行先階の過去の位置情報および操作情報を基に標準開放時間を変更させる時間である。この場合、調整装置は、超過時間から開放時間の残り時間を減算した値の平均値を調整時間とする。このとき超過時間は、着床した行先階で過去に開ボタンが操作され、標準開放時間を超えて籠ドア装置が開放された時間である。また、残り時間は、籠ドア装置を開放する前に予定される設定開放時間から、閉ボタンを操作されて予定よりも早く籠ドア装置が閉じられた場合に実際に開放された実開放時間を差し引いたときの時間である。
【0013】
エレベータシステムは、乗籠を呼ぶために各階に設置される乗場操作ボタンをさらに備えている。そして、行先階において乗籠から降りる乗客と乗籠に対して乗り込む乗客との両方が存在する場合もある。このような場合でも籠ドア装置の開放時間を最適化できるように、登録ボタンによって登録された行先階の乗場操作ボタンが押されている場合、調整装置は、行先階における標準開放時間を延長する第2の延長時間を加算する。
【0014】
乗場操作ボタンによって乗場呼び登録が行われて着床した乗籠が無人であっても、たくさんの乗客が乗り込むために開ボタンが操作されたり、少数の乗客が乗り込んでしまい閉ボタンが操作されたりする。このような場合でも、乗場呼び登録によって乗籠が着床した階を行先階として取り扱い、調整装置は、調整時間を設定する。
【0015】
また、籠ドア装置の開放時間をさらに最適化するために、エレベータシステムは、荷重計測器をさらに備える。この荷重計測器は、乗籠の床に設置され、乗籠内部の重量を検出する。そして調整装置は、乗籠の最大積載荷重に対する積載率に比例させて標準開放時間を変更する。この場合、調整装置は、乗籠の最大積載荷重の50%のときに標準開放時間で籠ドア装置を開放させるように設定する。標準開放時間の変化率は、無断階に変化するようにしてもよいし、段階的に変化するようにしてもよい。
【0016】
または、エレベータシステムは、乗籠が行先階に着床したときの時刻を決定する時計をさらに備える。そして、記憶部は、時刻とともに位置情報および操作情報を保存し、調整装置は、行先階に着床したときの時刻を基に調整時間を決定する。このとき、時刻のほかに、曜日を加えてもよい。調整装置が時刻を基に調整時間を決定する場合、その時刻を含む時間帯の過去の情報を記憶部から読み出して平均化した値を用いる。
【0017】
開ボタンおよび閉ボタンが行先階で必ず押圧されるということは、ドア装置の開放時間が十分に最適化されていないことである。そこで調整装置は、位置情報に対する操作情報の累積情報が予め設定された閾値を超えた場合に調整時間を標準開放時間に加算する。この場合の閾値は、行先階に一度着床している間に開ボタンを押圧される平均操作回数とするか、行先階に一度着床している間に開ボタンを押圧される平均操作時間とする。または、調整装置は、行先階で閉ボタンを操作された回数が設定回数を超えた場合に標準開放時間を延長する調整時間を初期化する。調整時間が標準開放時間を短縮するように設定されている場合は、その調整時間をさらに標準開放時間を短縮するように設定する。
【発明の効果】
【0018】
本発明のエレベータシステムによれば、調整装置が過去の位置情報と操作情報を基に籠ドア装置の標準開放時間を変更する調整時間を設定する。行先階においてドア装置を開放する場合、標準開放時間に調整時間を加えた時間だけ籠ドア装置が開放される。つまり、過去の利用状況からその行先階に対応した開放時間を個別に調整するので、エレベータシステムが利用されるにしたがって、徐々に開ボタンおよび閉ボタンを極力操作せずに済むようになる。
【0019】
超過時間から開放時間の残り時間を減算した値の平均値を調整時間として採用するエレベータシステムの場合、直前の結果による影響を小さく押さえることができる。また、行先階の乗場操作ボタンが押圧されていた場合に第2の延長時間を加算するエレベータシステムによれば、過去の利用状況によらない不足の場合でも開ボタンや閉ボタンを極力操作せずに円滑に乗客が乗籠から降りたり乗籠に乗り込んだりすることができる。
【0020】
乗籠に荷重計測器をさらに備え、調整装置が乗籠の最大積載荷重に対する積載率に比例させて標準開放時間を変更するエレベータシステムによれば、一過性の混雑が生じた場合でも過去の利用実績によらずに標準開放時間を延すことができる。また、平均的に多くの乗客が乗り降りする階でそのときだけ乗客が少なかった場合でも同様に過去の利用実績に寄らずに標準開放時間を短縮することができる。したがって、乗客が開ボタンや閉ボタンを押すわずらわしさを軽減することができる。
【0021】
さらに最大積載荷重の50%のときに籠ドア装置の開放時間が標準開放時間となるようにしたエレベータシステムによれば、最大積載荷重の50%よりも少ないときは開放時間が標準開放時間よりも短く、最大積載荷重の50%よりも多いときは開放時間が標準開放時間よりも長くなる。つまり、乗客が少ない場合は籠ドア装置を早く閉じ、乗客が多い場合は籠ドア装置を開放させた状態に長く維持する。したがって、乗客が開ボタンや閉ボタンを積極的に操作しなくても、籠ドア装置が頃合よく作動するようになる。最大積載荷重に対する積載率に比例させる代わりに、数段階に閾値を設けて段階的に標準開放時間を変えてもよい。例えば3段階に分けて、積載率が30%未満の場合はやや短めに、30〜70%の場合はそのままに、70%以上の場合はやや長めに標準開放時間を設定する。
【0022】
乗籠が行先階に着床した時刻を操作情報および位置情報とともに記憶するエレベータシステムによれば、毎日の運行においてさらに各階の混雑する時間帯と空いている時間帯とに絞って籠ドア装置の開放時間を最適な条件に設定することができる。また、曜日の情報や休日の情報も加えるとさらに籠ドア装置の開放時間を最適化できることが期待される。
【0023】
位置情報に対する操作情報の累積情報があらかじめ設定されている閾値を超えた場合に調整装置が調整時間を標準開放時間に加算するエレベータシステムによれば、その階における標準開放時間を最適な条件に変更することができる。このときの閾値として、一度の着床中に開ボタンが押圧される平均操作回数を採用する場合、籠ドア装置の開放時間を延長したいと感じている乗客がどの程度存在しているか分かりやすい。また、閾値として、一度の着床中に開ボタンが押圧されている平均操作時間を採用する場合、籠ドア装置の開放時間をどの程度延長したいと感じているのか分かりやすい。
【0024】
一度の着床中に閉ボタンを操作された回数が設定値を超えた場合に標準開放時間を延長する調整時間を初期化するエレベータシステムによれば、開放時間を延長する状況が一定時期だけ続いた後でも、その情報に影響されること無く直ぐに籠ドア装置の開放時間の設定を標準開放時間に戻すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の第1の実施形態のエレベータシステムを示す概略図。
【図2】図1に示したエレベータシステムの乗籠が行先階に着床し籠ドア装置が開放されたあと閉じられるまで開ボタンが押圧されない場合のフローチャート。
【図3】図2に示したフローチャートにおいて開ボタンが押圧された場合のフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明の一実施形態のエレベータシステム1は、図1から図3を参照して説明する。このエレベータシステム1は、乗籠2と籠ドア装置21と乗場ドア装置31と登録ボタン22と制御装置41と開ボタン23と閉ボタン24と記憶部42と調整装置43と時計44とを備える。エレベータシステム1は、乗籠2が同じ行先階3に着床する場合、籠ドア装置21の開放時間Tを調整するために乗籠2に設置される開ボタン23および閉ボタン24が乗客P1によって過去にどの程度操作されたかを示す操作情報とともにその行先階3を特定する位置情報を記憶部42に保存する。そして、記憶部42に保存されているこれらの情報を基に、エレベータシステム1は、この行先階3における開放時間Tを最適な状態になるように調整する。
【0027】
図1に示すように、乗籠2は、昇降路11内部をガイドレールに沿って移動する。巻上機が昇降路11の上部に設置されている。メインロープ12は、巻上機の駆動シーブに掛けられ、一端に乗籠2が、他端に釣合錘が吊下げられている。籠ドア装置21は、乗籠2に装備されている。乗場ドア装置31は、各行先階3に設けられる。乗場ドア装置31は、乗籠2が着床した場合に籠ドア装置21と連結され、籠ドア装置21が作動するのにともなって動く。
【0028】
制御装置41と記憶部42と調整装置43と時計44とは、図1に示すようにこのエレベータシステム1の全体を制御する制御盤4の一部に設けられる。制御装置41は、乗籠2が行先階3に着床した場合、籠ドア装置21を標準開放時間TNだけ開放する。
【0029】
登録ボタン22と開ボタン23と閉ボタン24は乗籠2の内部に設置される。登録ボタン22は、行先階3を登録するために押圧される。開ボタン23は、押圧した状態で籠ドア装置21を開放した状態に維持する。開ボタン23は、放された後も第1の延長時間T1だけ、標準開放時間TNが経過しているか否かに係らず、籠ドア装置21を開放状態に維持する。閉ボタン24は、籠ドア装置21の開放時間Tの残り時間TRを切り上げて籠ドア装置21を閉じさせるために籠ドア装置21が開放されている間に押圧される。
【0030】
記憶部42は、操作情報とともにその位置情報を関連付けて保存している。ここで操作情報とは、開ボタン23および閉ボタン24の少なくとも一方が押圧されたことを示す情報、例えば、開ボタン23が押圧され続けた時間や回数を含む情報である。位置情報とは、開ボタン23や閉ボタン24が操作されたときに乗籠2が着床している行先階3を特定するものである。この実施形態では、さらに時計44を備えている。時計44は、乗籠2が行先階3に着床したときの時刻を特定するために設けられる。したがって、記憶部42は、乗籠2が着床した行先階3の位置情報と、着床した時刻と、その行先階3において開ボタン23および閉ボタン24が操作されたことを示す操作情報との3つを1組にして保存する。
【0031】
調整装置43は、籠ドア装置21の開放時間Tとして予め設定される標準開放時間TNを変更するための調整時間TCを設定する。調整時間TCは、乗籠2が行先階3に着床して籠ドア装置21が開放される場合に行先階3の過去の位置情報および操作情報を基に標準開放時間TNを変更させる時間である。具体的には、乗籠2がある行先階3に着床した場合、その行先階3の位置情報および時刻に関連付けられた操作情報として、過去数回分、または過去の同じ時刻帯、あるいは過去の同じ曜日の同じ時刻帯における、標準開放時間TNに対する超過時間TEや残り時間TRを記憶部42から読み出し、これらの平均値を基に、調整装置43はその行先階3における調整時間TCを決定する。ここで超過時間TEとは、着床した行先階3で過去に開ボタン23が操作され標準開放時間TNを超えて籠ドア装置21が開放された時間である。また残り時間TRとは、閉ボタンが操作されて開放時間Tが切り上げられた時から、閉ボタンが押されなければそのまま籠ドア装置21が開放され続ける予定だった時間である。
【0032】
このエレベータシステム1は、図1に示すように乗場操作ボタン32と荷重計測器25とをさらに備えている。乗場操作ボタン32は、行先階3となる各階の乗場に設置されている。乗場操作ボタン32は、乗籠2をその階に呼び出すために用意されている。乗場操作ボタン32は、乗籠2がその階に着床して籠ドア装置21とともに乗場ドア装置31が開放されている間に操作されると、乗籠2の移動方向と同じ向きの乗場操作ボタン32は、開ボタン23と同じ機能を発揮する。したがって、この場合の乗場操作ボタン32を操作した情報は、開ボタン23や閉ボタン24が操作されたことと同等の操作情報として記憶部42に保存し、調整時間を設定するときの要素として取り扱ってもよい。
【0033】
また、乗場操作ボタン32は、調整装置43にも接続されている。調整装置43は、乗場操作ボタン32の信号を基に乗籠2の登録ボタン22から登録された行先階3の乗場操作ボタン32から乗場呼び登録がされているか判断する。行先階3の乗場呼び登録がされている場合、調整装置43は、行先階3における籠ドア装置21の開放時間Tを延長するためにこの開放時間Tに第2の延長時間T2を加算する。
【0034】
荷重計測器25は、図1に示すように乗籠2の床に設置されている。この荷重計測器25は、登録ボタン22によって設定された行先階3に乗籠2が着床して籠ドア装置21が開放されるまでの間の安定した状態で、乗籠2の内部の重量を検出する。なお、行先階3で乗籠2内の乗客P1と乗場の乗客P2が移動し、籠ドア装置21が閉じられた後、次の行先階3へ向けて移動を開始するまでの安定した状態において乗籠2の内部の重量を検出してもよい。また、乗籠2の中の乗客P1は、乗籠2が移動開始直前や停止直後の止まっているときよりも、乗籠2が移動している間の方が身動きせずにじっとしていることが多い。そこで荷重計測器25は、乗籠2が加速や減速の無い一定速度で移動している間に乗籠2の内部の重量を検出してもよい。
【0035】
荷重計測器25で検出した乗籠2内の重量の測定値は、乗籠2内の混雑状況の指標として調整装置43に利用される。測定値が大きい、すなわち、乗籠2の最大積載荷重に対する積載率が大きいと、乗客P1が多く、乗籠2の中が混雑していることを意味する。反対に、測定値が小さい、すなわち、乗籠2の最大積載荷重に対する積載率が小さいと、乗客P1が少なく、乗籠2の中が空いていることを意味する。混雑している状態では、乗籠2の乗客P1が降りるのに時間が掛かる。
【0036】
そこで、本実施形態において調整装置43は、乗籠2の最大積載荷重に対する積載率に比例させて籠ドア装置21の標準開放時間TNを変更する。具体的には、積載率が最大積載荷重の50%であるときに標準開放時間TNで籠ドア装置21が開放されるように設定する。そして、積載率が50%よりも大きくなるに従って、標準開放時間TNが長くなるように設定し、積載率が50%よりも小さくなるに従って、標準開放時間TNが短くなるように設定する。積載率に比例するように標準開放時間TNを変化させる代わりに、数段階に閾値を設けて、標準開放時間TNを切り換えるように設定してもよい。例えば、積載率30%と70%との2か所に閾値を設定し、三段階に変化させる。積載率30%未満の場合、標準開放時間TNを短くし、積載率30〜70%の場合、標準開放時間TNとし、積載率70%以上の場合、標準開放時間TNを長くする。
【0037】
さらに、標準開放時間TNを定期的に更新するために、調整装置は、位置情報に対する操作情報の累積情報が予め設定されていた閾値を超えた場合に、調整時間を標準開放時間TNに加算し、それ以降、新たな標準開放時間TNを採用するようにしてもよい。このときの閾値として、行先階3に一度着床している間に開ボタン23が押圧される平均回数や、開ボタン23が押圧される平均操作時間を採用する。つまり、ある行先階3において毎回のように開ボタン23が操作されている場合、現状の標準開放時間TNに調整時間TCを開放時間Tとして設定してもなお短いのであることが分かる。したがって、現状の標準開放時間TNにこれまで付加されていた調整時間TCを加えて新たに標準開放時間TNとして採用し、その後の開ボタン23や閉ボタン24の操作による開放時間Tの変動は、新たな調整時間TCによって調整される。
【0038】
閾値として採用されるのは、開ボタン23による開放時間Tの延長のみによらない。閉ボタン24によって標準開放時間TNが頻繁に切り上げられる行先階3では、閾値を超えた場合に、平均的な残り時間TRに対応する調整時間TCが標準開放時間TNから減算された通常よりも短い標準開放時間TNがそれ以降採用されるようになる。
【0039】
また、ある行先階3で開ボタン23が操作されることが多く、その行先階3での標準開放時間TNを延長するように調整時間TCが設定されているとする。このような状況で、閉ボタン24が操作されることが増えた場合、閉ボタン24が操作された回数が設定回数を超えたときにこの調整時間TCを初期化するように設定されていてもよい。その行先階3における乗客P1,P2の利用状況が急に変わった場合にも、過去の操作情報に影響されること無く、速やかに新たな利用状況に応じた調整時間TCを設定することができる。
【0040】
以上のように構成されたエレベータシステム1は、乗籠2が行先階3に着床してから籠ドア装置21を図2および図3に示すフローチャートに沿って制御する。まず、籠ドア装置21が開放されている間に開ボタン23が押圧されなかった場合について図2を参照しながら説明し、後に、開ボタンが押圧された場合について図3を参照して説明する。
【0041】
乗籠2に乗客P1が乗り、登録ボタンで行先階3を登録すると、その行先階3へ乗籠2が移動する。行先階3において乗籠2が着床したか確認(S1)される。着床したことが確認されると、荷重計測器25によって、乗籠2内部の積載荷重が計測(S2)される。調整装置43は、検出された重量を基に予め制御装置41に設定されている標準開放時間TNをその積載率に応じて変更(S3)する。
【0042】
なお、乗籠2に荷重計測器25を備えていない場合、S2,S3の手順は省略される。また、乗籠2の積載重量を計測するタイミングは、乗籠2が行先階3へ着床した後ではなく、前の階で籠ドア装置21が閉じられた後で行先階3へ向けて出発する前までに計測されてもよい。
【0043】
制御装置41は、標準開放時間TNを、積載率に応じて変更が加わっている場合はその変更された標準開放時間TNを読み込み(S4)、続いて調整時間TCを読み込む(S5)。乗場操作ボタン32が操作されて乗場呼び登録が有るか判断(S6)し、乗場呼び登録がある場合、つまり、行先階3において待機している乗客P2がいる場合、乗籠2の乗客P1と乗場の乗客P2が移動するために十分な開放時間Tが必要であるので、籠ドア装置21の開放時間Tをさらに延長するために、調整時間TCとは別に、第2の延長時間T2を加算(S7)する。
【0044】
上記のS2からS7までにより籠ドア装置21の開放時間Tが、標準開放時間TNに調整時間TCおよび第2の延長時間T2を加算した時間に決定(S8)されると、制御装置41は、籠ドア装置21を開放(S9)させる。籠ドア装置21が開放されることによって、乗籠2が着床している行先階3の乗場ドア装置31も開放される。
【0045】
このエレベータシステム1は、籠ドア装置21および乗場ドア装置31が開放されている間、開ボタン23が押圧されるか調整装置43によって確認(S10)している。開ボタン23が乗籠2の乗客P1によって押圧された場合の動作は、図2中の「A」から続く図3によって説明する。開ボタン23が押圧されない場合、図2に示すように、開放時間Tが経過したか確認(S11)し、開放時間Tが経過した場合、制御装置41によって籠ドア装置21が閉鎖(S12)される。これに伴い乗場ドア装置31も閉鎖される。
【0046】
開放時間Tが経過していない場合、閉ボタン24が押圧されないか調整装置43によって確認(S13)される。閉ボタン24が押圧されていない場合は、再び開ボタン23が押圧されていないか(S10)、開放時間Tが経過していないか(S11)、閉ボタン24が押圧されないか(S13)確認し続ける。閉ボタン24が押圧された場合、調整装置43は、開放時間Tの残り時間TRを記録(S14)し、制御装置41は、籠ドア装置21を閉鎖(S12)させる。
【0047】
調整装置43は、その行先階3を特定する位置情報とともに、行先階3において開ボタン23が操作されなかったこと、閉ボタン24が操作されなかったこと、また閉ボタン24が操作された場合は残り時間TRを操作情報として記憶部42に保存(S15)する。調整時間TCを一日の時刻に応じて変化させるように構成されているエレベータシステム1の場合は、さらに時計44によって決定される時刻を位置情報および操作情報とともに記憶部42に保存(S16)し、一連の動作を終了する。
【0048】
制御装置41によって籠ドア装置21が開放(S9)された後、開ボタン23が押圧された場合である図2中の「A」からつながる動作について、図3を参照して説明する。
【0049】
開ボタン23が押圧された場合、図3に示すように、開ボタン23が操作された回数をカウント(S17)する。この操作回数は、定期的に調整時間TCを標準開放時間TNの補正値として加え、標準開放時間TNを更新する際の閾値として利用される。開ボタン23は、籠ドア装置21を開放状態に維持し続けたい乗客P1によってしばしば押し続けられる。そして開ボタン23は、押さえ続けている限り、籠ドア装置21は閉鎖されない。したがって、調整装置43は、開ボタン23が放されたか確認(S18)する。
【0050】
開放時間Tは、開ボタン23が押圧されたか否かによらず、籠ドア装置21が開放されると計測が開始されている。そこで、開ボタン23が放されていない場合、開放時間Tが経過したか確認(S19)する。開放時間Tが経過する前に開ボタン23が放された場合、その時点から第1の延長時間T1が開始(S20)される。開ボタン23が放された場合も、開放時間Tが経過したか確認(S21)される。開放時間Tが十分に長くまた、開ボタン23が開放時間Tの早い段階で押されてすぐ放されたような場合、開放時間T以内において、第1の延長時間T1が経過することもある。したがって、開放時間Tが経過していない場合、第1の延長時間T1が経過したか確認(S22)される。
【0051】
第1の延長時間T1が経過していない場合、開放時間Tおよび第1の延長時間T1が経過するまで、それぞれ確認し続ける。開放時間Tが経過する前に第1の延長時間T1が経過した場合、図3中の「B」から図2中の「B」へ移行し、開放時間Tが経過したか引き続き確認(S11)される。そして開ボタン23が押されない限り、先に説明したS11からS16までの手順を経て動作が完了する。また開ボタン23が押圧された(S10)場合は、図2中の「A」から図3中の「A」へ再び移行する。このとき開ボタン23が押されたことをカウント(S17)する。
【0052】
開ボタン23が放された後、第1の延長時間T1が経過する前に開放時間Tが経過してしまった場合、当初予定していた開放時間Tよりも長く籠ドア装置21が開放されることとなる。そこで、開放時間Tが経過した場合、開放時間Tを超えて籠ドア装置21が開放される超過時間TEを計測し始める(S23)。このとき、既に超過時間TEが計測中である場合、計測している超過時間TEが初期化されないように、先に超過時間TEが計測中であるか否か確認(S24)される。
【0053】
開放時間Tの方が第1の延長時間T1よりも先に経過した場合、超過時間TEが計測され始めた(S23)後も第1の延長時間T1が経過したか確認(S25)される。そして、第1の延長時間T1が経過するまでの間に閉ボタン24が押圧されないか(S26)、開ボタン23が押圧されないか(S27)確認される。第1の延長時間T1が経過した場合、または、閉ボタン24が押圧された場合は、超過時間TEの計測を終了し、超過時間TEを記憶部42に記録(S28)する。そして、図3中の「C」から図2中の「C」に移行し、籠ドア装置21が閉鎖(S12)される。籠ドア装置21が閉鎖(S12)された後、位置情報、操作情報、時刻が記憶部42に保存される(S15,S16)ことは先に述べたとおりである。また、超過時間TEは、これら位置情報、操作情報および時刻と関連付けられて保存される。
【0054】
なお、図3中のS26において、閉ボタン24が押圧された場合、第1の延長時間T1を切り上げることになるので、第1の延長時間の残り時間がある。しかし、次回、この行先階に着床する際に調整時間TCに反映されるものは、開放時間Tに対する延長時間である超過時間TEであるので、第1の延長時間T1の残り時間は記録される必要が無い。
【0055】
超過時間TEが計測され始めた(S23)後、第1の延長時間T1が経過するまで、閉ボタン24および開ボタン23が押圧されるか確認(S26、S27)される間に、開ボタン23が押圧された場合、開ボタン23を操作した回数をカウント(S17)し、このS17以降の手順を繰り返す。
【0056】
S18において開ボタン23が押圧されたまま、S19において開放時間Tが経過した場合、超過時間TEが既に計測中ではないか確認(29)し、超過時間TEが計測されていない場合は計測を開始(S30)し、既に計測されていた場合は、引き続き開ボタン23が放されたか確認(S31)し続ける。そして、開ボタン23が放されたら、第1の延長時間T1を開始(S32)し、第1の延長時間T1が経過するまで、閉ボタン24および開ボタン23が押圧されないか確認(S26,S27)する。S27において開ボタン23が再び押圧された場合は、S17に戻って開ボタン23が操作された回数をカウントし、S18以降の手順を各判断の場合分けに従って繰り返す。
【0057】
以上のように図2および図3に示したフローチャートにしたがって籠ドア装置21が制御された後、次にこの同じ行先階3に乗籠2が着床したときには、既に記憶部42に複数保存されている情報の中から、行先階3を特定する位置情報に関連付けられた操作情報を基に調整時間TCが調整装置43によって設定される。操作情報として採用されるものは、過去にその行先階3に着床したときに取得された情報として、着床した時刻、開ボタン23が操作された回数、閉ボタン24が操作された回数、残り時間TR、超過時間TEがある。このとき、残り時間TRおよび超過時間TEは、平均化されるべき母数として十分な数、例えば過去20回分以上の記録、を基に平均値を求め、調整時間TCとして採用される。また、着床する時刻を調整時間TCに反映させる場合は、新たに着床する時刻を中心に、例えば1時間前から1時間後までの過去数日分の情報を記憶部42から抽出し、平均値を求めて調整時間TCとして採用する。このとき、曜日の情報も反映する場合は、同じ曜日の過去数週間分の情報から平均値を求めて調整時間TCに採用する。
【0058】
集合住宅のエレベータシステムやオフィスビルのエレベータシステムとしてこのエレベータシステム1が採用される場合、特に曜日や時間帯によって、混雑する時間帯と空いている時間帯とが明確に現れる。したがって、上述のように時刻や曜日の情報を含めて調整時間TCを設定することで、籠ドア装置21の開放時間Tとしてさらに最適な時間にできる。籠ドア装置21の開放時間Tが最適化されることによって、このエレベータシステム1を利用する乗客P1は、開ボタン23を押圧して籠ドア装置21を開放した状態に保持させたり、閉ボタン24を押圧して籠ドア装置21を閉じさせたりするわずらわしさが軽減される。
【0059】
このようにこのエレベータシステム1は、乗籠2の籠ドア装置21の開放時間Tを、利用者である乗客P1が開ボタン23や閉ボタン24を操作した過去の結果に基づいて、最適な開放時間となるように較正していく。したがって、このエレベータシステム1は、利用されるにしたがって籠ドア装置21の開放時間Tを調整される頻度から、どの曜日のどの時間帯にどの階でどの程度の乗客P1が利用するかを学習することによって、徐々に開ボタン23および閉ボタン24を利用する回数が減り、いずれは開ボタン23や閉ボタン24を押さずとも、円滑な乗籠2の運行ができるようになるであろう。
【0060】
このエレベータシステム1は、荷重測定器25によって計測される重量に基づく積載率に応じて標準開放時間TNを比例的に変化させている。このときの積載率は、混雑状況の指標としているのであるから、開ボタン24を操作したときの第1の延長時間T1、乗場呼び登録があった場合に加算される第2の延長時間T2も同様に、積載率に応じて比例的に変化させてもよい。
【0061】
さらに、籠ドア装置21に設けられる赤外線センサや、乗籠2の内部の監視カメラ映像などから、乗籠2に乗っている正確な人数を検出し、籠ドア装置21の開放時間Tを変動させる変数として採用してもよい。
【符号の説明】
【0062】
1…エレベータシステム、11…昇降路、2…乗籠、21…籠ドア装置、22…登録ボタン、23…開ボタン、24…閉ボタン、25…荷重計測器、3…行先階、31…乗場ドア装置、32…乗場操作ボタン、41…制御装置、42…記憶部、43…調整装置、44…時計、T…開放時間、TN…標準開放時間、T1…第1の延長時間、T2…第2の延長時間、TC…調整時間、TE…超過時間、TR…残り時間。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
昇降路内を移動する乗籠と、
前記乗籠に装備される籠ドア装置と、
各階に設けられ前記乗籠が着床した場合に前記籠ドア装置と連動する乗場ドア装置と、
前記乗籠の内部に設置され行先階を登録するために押圧される登録ボタンと、
前記乗籠が前記行先階に着床した場合に前記籠ドア装置を標準開放時間だけ開放する制御装置と、
押圧した状態で前記籠ドア装置を開放した状態に維持するとともに放した後も第1の延長時間だけ前記籠ドア装置を開放した状態に維持するために操作される開ボタンと、
前記籠ドア装置の開放時間の残り時間を切り上げて前記籠ドア装置を閉じさせるために前記籠ドア装置が開放されている間に押圧される閉ボタンと、
前記開ボタンおよび前記閉ボタンの少なくとも一方が押圧されたことを含む操作情報とともにこの操作情報を得たときに前記乗籠が着床していた行先階の位置情報を関連付けて保存する記憶部と、
前記乗籠が前記行先階に着床して前記籠ドア装置が開放される場合に前記行先階の過去の前記位置情報および前記操作情報を基に前記標準開放時間を変更させる調整時間を設定する調整装置と
を備えることを特徴とするエレベータシステム。
【請求項2】
前記調整装置は、着床した前記行先階で過去に前記開ボタンが操作され前記標準開放時間を超えて前記籠ドア装置が開放された超過時間から前記閉ボタンが操作され前記開放時間を切り上げた前記残り時間を減算した値の平均値を前記調整時間とする
ことを特徴とする請求項1に記載のエレベータシステム。
【請求項3】
前記乗籠を呼ぶために各階に設置される乗場操作ボタンをさらに備え、
前記登録ボタンによって登録された行先階の前記乗場操作ボタンが押されている場合、前記調整装置は、前記行先階における前記標準開放時間を延長する第2の延長時間を加算する
ことを特徴とする請求項1に記載のエレベータシステム。
【請求項4】
前記乗籠の床に設置されて前記乗籠内部の重量を検出する荷重計測器をさらに備え、
前記調整装置は、前記乗籠の最大積載荷重に対する積載率に比例させて前記標準開放時間を変更する
ことを特徴とする請求項1に記載のエレベータシステム。
【請求項5】
前記調整装置は、前記乗籠の最大積載荷重の50%のときに前記標準開放時間で前記籠ドア装置を開放させる
ことを特徴とする請求項4に記載のエレベータシステム。
【請求項6】
前記乗籠が前記行先階に着床したときの時刻を決定する時計をさらに備え、
前記記憶部は、前記時刻とともに前記位置情報および前記操作情報を保存し、
前記調整装置は、前記行先階に着床したときの前記時刻を基に前記調整時間を決定する
ことを特徴とする請求項1に記載のエレベータシステム。
【請求項7】
前記調整装置は、前記位置情報に対する前記操作情報の累積情報が予め設定された閾値を超えた場合に前記調整時間を前記標準開放時間に加算する
ことを特徴とする請求項1に記載のエレベータシステム。
【請求項8】
前記閾値は、前記行先階に一度着床している間に前記開ボタンを押圧される平均操作回数である
ことを特徴とする請求項7に記載のエレベータシステム。
【請求項9】
前記閾地は、前記行先階に一度着床している間に前記開ボタンを押圧される平均操作時間である
ことを特徴とする請求項7に記載のエレベータシステム。
【請求項10】
前記調整装置は、前記行先階で前記閉ボタンを操作された回数が設定回数を超えた場合に前記標準開放時間を延長する前記調整時間を初期化する
ことを特徴とする請求項1に記載のエレベータシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−195291(P2011−195291A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−64364(P2010−64364)
【出願日】平成22年3月19日(2010.3.19)
【出願人】(390025265)東芝エレベータ株式会社 (2,543)
【Fターム(参考)】