説明

エレベーターかご内照明装置およびエレベーターかご内照明方法

【課題】エレベーターが停止してから自動消灯するまでの時間を短くして省エネルギー効果を高めることができるエレベーターかご内照明装置を得る。
【解決手段】交流電源1からの交流電流を整流する全波ブリッジ整流回路21と、全波ブリッジ整流回路21の出力端子間に接続される電解コンデンサ23と、全波ブリッジ整流回路21から直流電流が供給されかご内を照明するLED3と、LED3に供給される直流電流が流れる回路を開閉するMOSFET41と、MOSFET41のオンオフを制御するドライバIC42と、エレベーターが所定の時間連続して停止していることを検出する自動消灯制御リレー51と備え、ドライバIC42は、自動消灯制御リレー51の検出結果に基づいてMOSFET41をオフにしてLED3への直流電流の供給を停止させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、エレベーターのかご内を照明するエレベーターかご内照明装置およびエレベーターかご内照明方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、交流電源から入力される交流電流を整流して直流電流を生成する整流装置と、整流装置の出力端子間に接続された平滑用の電解コンデンサと、整流装置により生成された直流電流が供給されることにより点灯するLEDと、LEDに供給される直流電流が流れる回路上に設けられ、その回路を開閉するMOSFET(Metal−Oxide‐Semiconductor Field−Effect Transistor)と、MOSFETのオンオフを制御する制御装置とを備えた照明装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4630930号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の照明装置をそのままエレベーターのかごに取り付ける場合には、交流電源と照明装置との間に、回路を開閉するコンタクタの接点を設け、さらに、エレベーターが所定の時間連続して停止している場合に、コンタクタの接点を開放して、かご内の照明を自動消灯させる。次に、かご内の照明が再び点灯するたびに、コンタクタの接点が閉成され、照明装置内の電解コンデンサに突入電流が流れる。その結果、電解コンデンサの劣化が早くなるので、エレベーターが停止してから照明を自動消灯するまでの時間を短くして省エネルギー効果を高めることができないという問題点があった。
【0005】
この発明は、エレベーターが停止してから自動消灯するまでの時間を短くして、かご内照明の点灯時間を短縮し、省エネルギー効果を高めることができるエレベーターかご内照明装置およびエレベーターかご内照明方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係るエレベーターかご内照明装置は、交流電源から入力される交流電流を整流する整流手段と、前記整流手段の出力端子間に接続される電解コンデンサと、前記整流手段により生成された直流電流が供給されることにより、エレベーターのかご内を照明するLEDと、前記LEDに供給される前記直流電流を導通遮断するスイッチング素子と、前記スイッチング素子のオンオフを制御する制御装置と、前記エレベーターが所定の時間連続して停止していることを検出する停止時間検出手段とを備え、前記制御装置は、前記停止時間検出手段の検出結果に基づいて、前記スイッチング素子をオフにして、前記LEDへの前記直流電流の供給を停止させる。
【0007】
この発明に係るエレベーターかご内照明方法は、交流電源から入力される交流電流を整流する整流工程と、前記整流工程により生成された直流電流を、電解コンデンサを用いて平滑化する平滑工程と、前記平滑工程により平滑化された前記直流電流を、エレベーターのかご内を照明するLEDに供給する直流電流供給工程と、前記エレベーターが所定の時間連続して停止していることを検出する停止時間検出工程と、前記停止時間検出工程の検出結果に基づいて、前記LEDに供給される前記直流電流を導通遮断するスイッチング素子をオフにすることにより、前記LEDへの前記直流電流の供給を停止させる直流電流供給停止工程とを備えている。
【発明の効果】
【0008】
この発明に係るエレベーターかご内照明装置によれば、交流電源から入力される交流電流を整流する整流手段と、整流手段の出力端子間に接続される電解コンデンサと、整流手段により生成された直流電流が供給されることにより、エレベーターのかご内を照明するLEDと、LEDに供給される直流電流を導通遮断するスイッチング素子と、スイッチング素子のオンオフを制御する制御装置と、エレベーターが所定の時間連続して停止していることを検出する停止時間検出手段とを備え、制御装置は、停止時間検出手段の検出結果に基づいて、スイッチング素子をオフにして、LEDへの直流電流の供給を停止させかご内照明を消灯するので、整流手段の出力端子間に接続される電解コンデンサは、LEDの状態が点灯状態であるか消灯状態であるかに関わり無く、電圧が印加された状態となる。これにより、LEDの状態が消灯状態から点灯状態に切り替わるときに、突入電流が電解コンデンサに流れることを防止することができ、電解コンデンサの劣化が抑制される。その結果、エレベーターが停止していることを停止時間検出手段が検出するための所定の時間を短縮することができ、エレベーターが停止してからエレベーターかご内照明が自動消灯するまでの時間を短くして、かご内照明の点灯時間を短縮し、省エネルギー効果を高めることができる。
【0009】
この発明に係るエレベーターかご内照明方法によれば、交流電源から入力される交流電流を整流する整流工程と、整流工程により生成された直流電流を、電解コンデンサを用いて平滑化する平滑工程と、平滑工程により平滑化された直流電流を、エレベーターのかご内を照明するLEDに供給する直流電流供給工程と、エレベーターが所定の時間連続して停止していることを検出する停止時間検出工程と、停止時間検出工程の検出結果に基づいて、LEDに供給される直流電流を導通遮断するスイッチング素子をオフにすることにより、LEDへの直流電流の供給を停止させる直流電流供給停止工程とを備えているので、直流電流を平滑化する電解コンデンサは、LEDの状態が点灯状態であるか消灯状態であるかに関わりなく、電圧が印加された状態となる。これにより、LEDの状態が消灯状態から点灯状態に切り替わるときに、突入電流が電解コンデンサに流れることを防止することができ、電解コンデンサの劣化が抑制される。その結果、エレベーターが停止していることを停止時間検出工程で検出するための所定の時間を短縮することができ、エレベーターが停止してからエレベーターかご内照明を自動消灯するまでの時間を短くして、かご内照明の点灯時間を短縮し、省エネルギー効果を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】この発明の実施の形態1に係るエレベーターかご内照明装置を示す構成図である。
【図2】図1のPWMスイッチング方式インバータ装置を示す構成図である。
【図3】この発明の実施の形態2に係るエレベーターかご内照明装置のPWMスイッチング方式インバータ装置を示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、この発明の各実施の形態を図に基づいて説明するが、各図において、同一または相当の部材、部位については、同一符号を付して説明する。
【0012】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係るエレベーターかご内照明装置を示す構成図である。図において、エレベーターかご内照明装置は、かご(図示せず)に設けられている。エレベーターかご内照明装置は、交流電源1と、交流電源1から入力される交流電流を整流する整流装置2と、整流装置2により生成された直流電流が供給されることにより、かご内を照明するLED(Light Emitting Diode)3と、整流装置2により生成された直流電流をLED3に供給するPWM(Pulse Width Modulation)スイッチング方式インバータ装置4と、エレベーターが所定の時間連続して停止している場合にLED3を消灯させる自動消灯装置5とを備えている。
【0013】
整流装置2は、交流電源1から入力される交流電流を整流する全波ブリッジ整流回路(整流手段)21と、交流電源1と全波ブリッジ整流回路21との間に直列に接続された抵抗器22と、全波ブリッジ整流回路21の出力端子間に接続された電解コンデンサ23とを有している。全波ブリッジ整流回路21は、4個のダイオードから構成されている。抵抗器22は、電解コンデンサ23に流れる突入電流を抑制する。また、抵抗器22は、電解コンデンサ23に充電される時間を調節する。これにより、LED3に供給される電力の力率を向上させることもできる。電解コンデンサ23は、全波ブリッジ整流回路21により整流された直流電流を平滑化する。
【0014】
LED3は、3個設けられている。各LED3は、直列に接続されている。なお、LED3の数は、3個に限らず、何個であってもよい。
【0015】
PWMスイッチング方式インバータ装置4は、LED3に供給される直流電流が流れる回路上に設けられLED3に供給される直流電流が流れる回路を開閉するMOSFET(Metal−Oxide−Semiconductor Field−Effect Transistor)(スイッチング素子)41と、MOSFET41のオンオフを制御するドライバIC(Integrated Circuit)(制御装置)42と、LED3に供給される直流電流が流れる回路が開いた場合に、LED3に流れている電流を還流し、MOSFET41に過電圧が印加されることを防ぐダイオード43と、LED3とMOSFET41との間に直列に接続されたインダクタ44と、MOSFET41とGNDとの間に直列に接続された抵抗器45とを有している。MOSFET41がオンオフを繰り返すことにより、LED3に流れる直流電流が制御される。MOSFET41がオンすると、整流装置2により生成された直流電流が、LED3、インダクタ44、MOSFET41および抵抗器45の順に流れる。次に、MOSFET41がオフすると、直流電流は、LED3、インダクタ44、ダイオード43を流れる。この直流電流は、時間の経過と共に減衰し、MOSFET41のオフ状態が継続すると、LED3に電流は流れなくなる。
【0016】
自動消灯装置5は、自動消灯制御リレー(停止時間検出手段)51を有している。自動消灯制御リレー51は、常開接点52と、タイマー(図示せず)とを有している。常開接点52は、一端部がGNDに接続され、他端部がドライバIC42に接続されている。エレベーターが停止中に、かご操作盤(図示せず)の呼び釦が操作されず、各階の乗場(図示せず)の呼び釦が操作されないと、自動消灯制御リレー51のタイマーがカウントを開始する。タイマーによるカウントの開始から所定の時間が経過すると自動消灯制御リレー51が動作し、常開接点52が閉成する。
【0017】
図2は図1のPWMスイッチング方式インバータ装置4を示す構成図である。図において、ドライバIC42は、MOSFET41にパルス状の制御信号を送ることによりMOSFET41のオンオフを制御する制御装置本体421と、整流装置2(図1)により生成された直流電流から所定の電圧を発生させるレギュレータ422と、一端部がレギュレータ422に接続された抵抗器423と、抵抗器423の他端部に接続され抵抗器423を介してレギュレータ422の電圧が入力され、かつ、抵抗器45のMOSFET41側の端部の電圧が入力されるコンパレータ424と、自動消灯制御リレー51から信号が入力される入力信号端子426とを有している。入力信号端子426は、常開接点52を介してGNDに接続されている。入力信号端子426は、ドライバIC42の中で、抵抗器423の他端部と、この抵抗器423の他端部に接続されたコンパレータ424の端子とに接続されている。常開接点52が閉成すると、入力信号端子426がGNDに短絡される。
【0018】
コンパレータ424は、レギュレータ422の電圧値と抵抗器45のMOSFET41側の端部の電圧値とを比較する。つまり、コンパレータ424は、レギュレータ422により発生する所定の電圧値と抵抗器45の端子間の電圧値とを比較する。コンパレータ424は、抵抗器45の端子間の電圧値がレギュレータ422により発生する所定の電圧値に達する場合に、制御装置本体421に対して、MOSFET41をオフにする信号を送る。抵抗器45の端子間の電圧値は、抵抗器45を流れる電流値、つまり、LED3に流れる電流値に対応して増減する。したがって、抵抗器45の端子間の電圧値がレギュレータ422により発生する所定の電圧値よりも大きくなることが防がれることにより、LED3に流れる電流値が所定値になるように制御される。
【0019】
エレベーターが所定の時間連続して停止していると、自動消灯制御リレー51が動作し、常開接点52が閉成する。常開接点52が閉成すると、ドライバIC42の入力信号端子426がGNDに短絡され、GNDの電圧がコンパレータ424に入力される。この場合、コンパレータ424および制御装置本体421は、抵抗器45の端子間電圧がゼロとなるように動作し、LED3に電流が流れなくなり、かご内照明が消灯する。
【0020】
次に、エレベーターかご内照明装置の自動消灯の動作について説明する。まず、図1に示すように、整流装置2は、交流電源1から入力される交流電流を整流して直流電流を生成する(整流工程)。整流工程により生成された直流電流は、電解コンデンサ23により平滑化される(平滑工程)。その後、エレベーターが起動していると、PWMスイッチング方式インバータ装置4は、整流工程により生成され、平滑工程で平滑化された直流電流をLED3に供給する(直流電流供給工程)。その結果、エレベーターかご内照明が点灯する。
【0021】
その後、エレベーターが停止し、かご操作盤の呼び釦が操作されず、各階の乗場の呼び釦が操作されないと、自動消灯制御リレー51のタイマーがカウントを開始する。タイマーのカウントが開始されてから所定の時間が経過すると、自動消灯制御リレー51は、エレベーターが所定の時間連続して停止していることを検出し(停止時間検出工程)、自動消灯制御リレー51が動作して、常開接点52が閉成する。常開接点52が閉成すると、ドライバIC42の入力信号端子426がGNDに短絡され、GNDの電圧がコンパレータ424(図2)に入力される。その結果、コンパレータ424および制御装置本体421は、抵抗器45の端子間電圧がゼロとなるように動作し、LED3に電流が流れなくなり(直流電流供給停止工程)、エレベーターかご内照明が消灯する。
【0022】
その後、例えば、乗場の呼び釦が操作されると、自動消灯制御リレー51が消勢し、常開接点52が開放される。常開接点52が開放されると、ドライバIC42の入力信号端子426がGNDから切り離され、レギュレータ422の電圧が抵抗器423を通してコンパレータ424に入力される。これにより、コンパレータ424は、レギュレータ422の電圧と抵抗器45の電圧を比較して生成した出力信号を、制御装置本体421に送る。制御装置本体421は、コンパレータ424の出力信号を基にMOSFET41のオンオフ信号を生成し、MOSFET41に送る。これにより、MOSFET41がオンオフを繰り返し、LED3へ直流電流の供給が開始され(直流電流供給工程)、エレベーターかご内照明装置が点灯する。以上により、エレベーターかご内照明装置の自動消灯の動作が終了する。
【0023】
以上説明したように、この発明の実施の形態1に係るエレベーターかご内照明装置によれば、交流電源1から入力される交流電流を整流する全波ブリッジ整流回路21と、全波ブリッジ整流回路21の出力端子間に接続される電解コンデンサ23と、全波ブリッジ整流回路21により生成された直流電流が供給されることにより、エレベーターのかご内を照明するLED3と、LED3に供給される直流電流を導通遮断するMOSFET41と、MOSFET41のオンオフを制御するドライバIC42と、エレベーターが所定の時間連続して停止していることを検出する自動消灯制御リレー51とを備え、ドライバIC42は、自動消灯制御リレー51の検出結果に基づいて、抵抗器45の端子間電圧がゼロとなるように動作し、LED3への直流電流の供給を停止させるので、全波ブリッジ整流回路21の出力端子間に接続される電解コンデンサ23は、LED3の状態が点灯状態であるか消灯状態であるかに関わり無く、電圧が印加された状態となる。これにより、LED3の状態が消灯状態から点灯状態に切り替わるときに、突入電流が電解コンデンサ23に流れることを防止することができる。その結果、自動消灯制御リレー51が検出するための所定の時間を短縮し、自動消灯する回数を増やしても、電解コンデンサ23が劣化する虞がないので、エレベーターが停止していることを自動消灯制御リレー51が検出するための所定の時間を短縮することができ、エレベーターが停止してからエレベーターかご内照明が自動消灯するまでの時間を短くして点灯時間を短縮し、省エネルギー効果を高めることができる。
【0024】
また、この発明の実施の形態1に係るエレベーターかご内照明方法によれば、交流電源1から入力される交流電流を整流する整流工程と、整流工程により生成された直流電流を、電解コンデンサ23を用いて平滑化する平滑工程と、平滑工程により平滑化された直流電流を、エレベーターのかご内を照明するLED3に供給する直流電流供給工程と、エレベーターが所定の時間連続して停止していることを検出する停止時間検出工程と、停止時間検出工程の検出結果に基づいて、LED3に供給される直流電流を導通遮断するMOSFET41をオンオフにすることにより、直流電流がゼロとなるように動作する直流電流供給停止工程とを備えているので、直流電流を平滑化する電解コンデンサ23は、LED3の状態が点灯状態であるか消灯状態であるかに関わりなく、電圧が印加された状態となる。これにより、LED3の状態が消灯状態から点灯状態に切り替わるときに、突入電流が電解コンデンサ23に流れることを防止することができる。その結果、自動消灯制御リレー51が検出するための所定の時間を短縮し、自動消灯する回数を増やしても、電解コンデンサ23が劣化する虞がないので、エレベーターが停止してからエレベーターかご内照明が自動消灯するまでの時間を短くして点灯時間を短縮し、省エネルギー効果を高めることができる。
【0025】
なお、上記実施の形態1では、入力信号端子426がGNDに短絡されることにより、MOSFET41をオフにするドライバIC42の構成について説明したが、これに限らず、入力信号端子426にゼロ電圧が入力されることにより抵抗器45の端子間電圧がゼロとなるように動作するドライバIC42の構成であればよい。
【0026】
実施の形態2.
図3はこの発明の実施の形態2に係るエレベーターかご内照明装置のPWMスイッチング方式インバータ装置4を示す構成図である。図において、ドライバIC42は、制御装置本体421とMOSFET41との間に直列に接続されたアンド回路425をさらに有している。自動消灯リレー51の常開接点52は、実施の形態1に係るエレベーターかご内照明装置と異なり、ドライバIC42の中で、アンド回路425の入力に接続されている。つまり、アンド回路425には、制御装置本体421からの制御信号と、自動消灯制御リレー51からの信号とが入力される。エレベーターが所定の時間連続して停止していると、自動消灯制御リレー51が動作し、常開接点52が閉成する。常開接点52が閉成すると、入力信号端子426がGNDに短絡される。これにより、GNDの電圧がアンド回路425に入力される。この場合、アンド回路425は、制御装置本体421から受ける制御信号に関係なく、制御装置本体421からMOSFET41への出力を遮断する。その他の構成は、実施の形態1と同様である。
【0027】
以上説明したように、この発明の実施の形態2に係るエレベーターかご内照明装置によれば、ドライバIC42は、自動消灯制御リレー51の検出結果に基づいて、MOSFET41をオフにしてLED3への直流電流の供給を停止させるので、全波ブリッジ整流回路21の出力端子間に接続される電解コンデンサ23は、LED3の状態が点灯状態であるか消灯状態であるかに関わり無く、電圧が印加された状態となる。これにより、LED3の状態が消灯状態から点灯状態に切り替わるときに、突入電流が電解コンデンサ23に流れることを防止することができる。その結果、自動消灯制御リレー51が検出するための所定の時間を短縮し、自動消灯する回数を増やしても、電解コンデンサ23が劣化する虞がないので、エレベーターが停止してからエレベーターかご内照明装置が自動消灯するまでの時間を短くして点灯時間を短縮し、省エネルギー効果を高めることができる。
【0028】
なお、上記実施の形態2では、入力信号端子426がGNDに短絡されることにより、MOSFET41への出力が遮断されて、MOSFET41がオフとなるドライバIC42の構成について説明したが、これに限らず、MOSFET41への出力を遮断するための信号が入力信号端子426に入力されることにより、MOSFET41への出力が遮断されて、MOSFET41がオフとなるドライバIC42の構成であればよい。
【0029】
また、各上記実施の形態では、かごに新規に取り付けられるエレベーターかご内照明装置について説明したが、かごに既設された蛍光灯照明装置をかご取り外して、蛍光灯照明装置が取り付けられていたかごの部分に取り付けられるエレベーターかご内照明装置であってもよい。
【符号の説明】
【0030】
1 交流電源、2 整流装置、3 LED、4 PWMスイッチング方式インバータ装置、5 自動消灯装置、21 全波ブリッジ整流回路(整流回路)、22 抵抗器、23 電解コンデンサ、41 MOSFET(スイッチング素子)、42 ドライバIC(制御装置)、43 ダイオード、44 インダクタ、45 抵抗器、51 自動消灯制御リレー(停止時間検出手段)、52 常開接点、421 制御装置本体、422 レギュレータ、423 抵抗器、424 コンパレータ、425 アンド回路、426 入力信号端子。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
交流電源から入力される交流電流を整流する整流手段と、
前記整流手段の出力端子間に接続される電解コンデンサと、
前記整流手段により生成された直流電流が供給されることにより、エレベーターのかご内を照明するLEDと、
前記LEDに供給される前記直流電流を導通遮断するスイッチング素子と、
前記スイッチング素子のオンオフを制御する制御装置と、
前記エレベーターが所定の時間連続して停止していることを検出する停止時間検出手段と
を備え、
前記制御装置は、前記停止時間検出手段の検出結果に基づいて、前記スイッチング素子をオフにして、前記LEDへの前記直流電流の供給を停止させることを特徴とするエレベーターかご内照明装置。
【請求項2】
前記制御装置は、前記スイッチング素子のオンオフを制御して、入力信号の大きさに応じて前記LEDに流れる電流を制御する入力信号端子を有し、
前記停止時間検出手段は、前記停止時間検出手段の検出結果に基づいて、前記入力信号端子に、前記ゼロ電圧を入力することを特徴とする請求項1に記載のエレベーターかご内照明装置。
【請求項3】
前記制御装置は、前記スイッチング素子への出力を遮断するための入力信号端子を有し、
前記停止時間検出手段は、前記停止時間検出手段の検出結果に基づいて、前記入力信号端子に、前記スイッチング素子への出力を遮断するための信号を入力し、
前記制御装置は、前記制御装置から前記スイッチング素子への出力を遮断することにより、前記スイッチング素子をオフすることを特徴とする請求項1に記載のエレベーターかご内照明装置。
【請求項4】
交流電源から入力される交流電流を整流する整流工程と、
前記整流工程により生成された直流電流を、電解コンデンサを用いて平滑化する平滑工程と、
前記平滑工程により平滑化された前記直流電流を、エレベーターのかご内を照明するLEDに供給する直流電流供給工程と、
前記エレベーターが所定の時間連続して停止していることを検出する停止時間検出工程と、
前記停止時間検出工程の検出結果に基づいて、前記LEDに供給される前記直流電流を導通遮断するスイッチング素子をオフにすることにより、前記LEDへの前記直流電流の供給を停止させる直流電流供給停止工程と
を備えたことを特徴とするエレベーターかご内照明方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−103830(P2013−103830A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−250681(P2011−250681)
【出願日】平成23年11月16日(2011.11.16)
【出願人】(000236056)三菱電機ビルテクノサービス株式会社 (1,792)
【Fターム(参考)】