説明

エレベーター乗りかごの監視装置

【課題】2方向出入ロエレベーターにおいて、かご内が満員などの状況で運転盤操作者が背面側ドアの乗降を確認できない状態でも、より少ない構成部品でテレビモニターが映す映像の出入口方向が直感的にわかり視認性のよい内監視装置を備えたエレベーター乗りかごの監視装置を提供することにある.
【解決手段】2方向出入ロエレベーターにおいて両方の出入口が映るように天井に設置するテレビカメラ6と正面側出入口の近傍に設置した運転盤3aの上部に正面側出入口が上に映るように取り付けられたテレビモニター4aと、前述の出入口と相反する方向に設けた背面側出入口の近傍に設置した運転盤3bの上部に前述のテレビモニター4aと上下を反対に取り付け背面側出入口が上に映るようにテレビモニター4bを取り付ける構成としたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2ケ所以上の出入口を有するエレベーターにおいてエレベーター利用者が乗降している出入口と相反する出入口の近傍に設置された操作盤を運転盤操作者が操作する際に、背面の状況を容易に確認でき、安全にエレベーターを利用することが可能なエレベーター乗りかごの監視装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、背面の状況を把握するため鏡を設置しているものが知られている。
【0003】
また、テレビカメラを使用した例として特開平8−157155号公報に記載されているように天井に取り付けたテレビカメラと出入口と反対の側板にテレビモニターを取り付けた構造となっていた。
【特許文献1】特開平8−157155号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、鏡を2方向出入ロエレベーターに適用した場合、出入口上部に小さい鏡しか取り付けられず、視認性に劣る。また、上記の発明によれば、テレビカメラが出入口に向いているため、テレビカメラの背面がテレビモニターに映らない。また、2方向出入ロエレベーターに適用した場合、2個のテレビカメラと各々のテレビカメラに接続したテレビモニターが必要である。
【0005】
本発明の目的は、2方向出入ロエレベレターにおいてより少ない構成部品で、かつテレビモニターが映す映像の出入口方向が直感的にわかり視認性のよい監視装置を備えたエレベーター乗りかごの監視装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記目的を達成するためにエレベーター運転盤操作者が背面出入口を確認できる監視装置を備えたエレベーター乗りかごにおいて、前記の確認手段は、2方向出入ロエレベーターの両方の出入口が映るように天井に設置するテレビカメラと正面側出入口の近傍に設置した運転盤の上部に正面側出入口が上に映るように取り付けられたテレビモニターと、前述の出入口と相反する方向に設けた背面側出入口の近傍に設置した運転盤の上部に前述のテレビモニターと上下を反対に取り付け背面側出入口が上に映るようにテレビモニターを取り付ける構成としたものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、かご内が混み合って運転盤操作者が振り返れない状況にあっても運転盤の上部に視線を移すだけで背面出入口の状況を確認することができ、効率よく扉の閉じ釦を操作することが可能になり、無駄な扉の開時間を短縮することで効率よくエレベーターの運行を行うことができる。また、同一の映像を映したテレビモニターを使用し一方をもう一方と逆さまに取り付けることで、映像を反転させるなどの機器を必要とせず、少ない構成部品で安価にエレベーター乗りかごの監視装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
図1は2方向出入ロエレベーターにおいて正面側テレビモニター4aと背面側テレビモニター4bと天井5に取り付けられたテレビカメラ6を備えたエレベーター乗りかごの側面断面図、図2は図1のテレビカメラで撮影した映像、図3は図1のA−A線に沿う断面図、図4は図3のテレビモニター4aの映像詳細図、図5は図1のB−B線に沿う断面図、図6は図5のテレビモニター4bの映像詳細図である。
【0009】
図1において、正面側ドア1aと正面側側板2aとその側板に取付けられた正面側運転盤3aとを備え、正面側上部でかつ視線の届く範囲に正面側テレビモニター4aを取り付け、また前述のドアと対向する側に設けられた背面側ドア1bと背面側側板2bとその側板に取付けられた背面側運転盤3bとを備え、その背面上部に、前述の正面側テレビモニターと同様に背面側テレビモニター4bを取り付けた。また、天井5に床面を正面になるようにかつ前述の2つの出入口が撮影可能なようにテレビカメラ6を取り付け、その撮影映像を配線7にてテレビモニター4a、4bの両方に同一映像を送信する。テレビカメラ6の撮影映像を図2に示す。図3において、正面側運転盤3aの直上部に設置されたテレビモニター4aは図4に示す様に正面側出入口1aが上に映るように設置し、また、図5において、テレビモニター4aと同一の映像を映しかつテレビモニター4aとは上下逆さまになる様に背面側テレビモニター4bを背面側運転盤3bの直上部に設置し、背面側テレビモニター4bには図6に示す様に背面側ドア1bが上に表示されるような構造とした。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】監視装置を設置したエレベーター乗りかごの側面断面図である。
【図2】テレビカメラ6の撮影映像を示す図である。
【図3】図1のA−A断面図である。
【図4】図3のテレビモニター4aの映像を示す図である。
【図5】図1のB−B断面図である。
【図6】図5のテレビモニター4bの映像を示す図である。
【符号の説明】
【0011】
1a 正面側ドア
1b 背面側ドア
2a 正面側側板
2b 背面側側板
3a 正面側運転盤
3b 背面側運転盤
4a 正面側テレビモニター
4b 背面側テレビモニター
5 天井
6 テレビカメラ
7 配線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方の出入口と相反する方向にもう一方の出入口を有するエレベーターで乗客の乗降状況を確認する監視手段を備えた2方向出入ロエレベーターにおいて、天井に取り付けられたテレビカメラと、正面側出入口の近傍に設置された操作盤の直上部に取り付けられたテレビモニターと、背面側出入口の近傍に取り付けられた運転盤の直上部に前述の正面側テレビモニターと取り付け方向のみを上下逆さまに設置したテレビモニターから成るエレベーター乗りかごの監視装置

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−137980(P2010−137980A)
【公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−318569(P2008−318569)
【出願日】平成20年12月15日(2008.12.15)
【出願人】(000232955)株式会社日立ビルシステム (895)
【Fターム(参考)】