エレベータ用センサの性能検査装置
【課題】 エレベータの出入口で紐状の異物や乗客などがドアに挟み込まれたことを検出する装置などに使用されるセンサを効率的に検査する装置の提供。
【解決手段】 センサ11を取り付けるセンサ取付治具40と、センサ11から所定距離離れた位置に配置され前記センサ11から出射した光ビームBを反射する反射板112と、取付治具40と反射板112との間に、移動可能に配置された紐140と、センサ11が紐140を検出したか否かを知らせるブザー132を備えたものである。これにより、効率的にセンサ11の検査を行うことができる。
【解決手段】 センサ11を取り付けるセンサ取付治具40と、センサ11から所定距離離れた位置に配置され前記センサ11から出射した光ビームBを反射する反射板112と、取付治具40と反射板112との間に、移動可能に配置された紐140と、センサ11が紐140を検出したか否かを知らせるブザー132を備えたものである。これにより、効率的にセンサ11の検査を行うことができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エレベータの出入口で紐状の異物や乗客などがドアに挟み込まれたことを検出する装置などに使用されるセンサの検査装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ドアの先端部にセンサが設置された従来のエレベータドアの例を図により説明する。図10及び図11は、センターオープンタイプのかごドアの正面図であり、図10はドア全開、図11はドア全閉の状態を示している。
図において、1は出入口の上方に設けられたフレーム102に固定されたレールである。2,3は出入口を開閉する左右一対のかごドアで、それぞれドアハンガー21,31によってレール1に吊り下げられるとともに、下端部に配置されたドアガイドシュー22,32が敷居82の溝に摺動可能に嵌まり込み、水平方向に往復移動する構成になっている。100はフレーム102に設置された制御ユニットで、両かごドア2,3の開閉動作を制御するものである。
【0003】
左側のかごドア2には、閉方向端面2aから右側のかごドア3側へ所定距離だけ離れた鉛直線上の上端位置に、鉛直下方へ向けて投光/受光ユニット(センサ)4が配置されており、前記鉛直線上の下端位置は、鉛直上方へ向けて第1反射部材5が配置されている。
投光/受光ユニット4は、レーザ光のビーム(光ビーム)Bを出射する投光器と入射してくる光ビームBを検出する受光器とを一体に備えたものである。
【0004】
尚、投光/受光ユニット4の投光器としては、例えば赤色半導体レーザを採用し、これによって直径2〜4mmのスポットを形成する。投光/受光ユニット4の受光器は、入射光ビームによる受光量が所定の閾値を下回ったときは、異物検出信号を出力する。
【0005】
右側のかごドア3の上端部には図11に示すように、両かごドア2,3が閉じた状態で投光/受光ユニット4を収容する収容空間が形成されており、この収容空間の底部には鉛直上方へ向けて第2反射部材6が配置されている。
この第2反射部材6は、右側のかごドア3の閉方向端面と同じ位置から収容空間の奥方(右側)へ延びる所定長さの反射面を有しており、収容空間に侵入した投光/受光ユニット4からの光ビームBを鉛直上方へ反射する。
70はかごドア3の下端に設けられたブラシからなる清掃具であり、図11に示すように、両かごドア2,3が全閉位置まで閉じる過程で、左側のかごドア2の第1反射部材5の表面を清掃するものである。
【0006】
これにより、ドア2,3の閉動作時に出入口に紐などの異物があった場合、光ビームBが異物によって遮られると、投光/受光ユニット4の受光部がこれを検出して異物検出信号を出力し、かごドア2,3を反転戸開させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】国際公開第10/024215号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
前記投光/受光ユニットは、紐のような細い物体を検出するのが主な目的であるため、高い検出精度が要求される。しかしながら投光/受光ユニットには、その性能において個体差によるばらつきがあり、光量や光ビームのスポット形状が一定ではない。
そのため、投光/受光ユニットを設置する前に、その性能を検査しておく必要があるが、効率的な検査を行う装置がないという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、光ビームを出射する投光器と入射した光ビームを検出する受光器とを備えたセンサを取り付ける取付治具と、前記センサと所定距離離れた位置に配置され、前記出射した光ビームを反射する反射板と、前記取付治具と前記反射板との間に移動可能に配置された被検出体と、前記センサが前記被検出体を検出したか否かを知らせる装置とを備えたエレベータ用センサの性能検査装置である。
これにより、センサの性能検査を効率的に行うことができる。
【0010】
また本発明は、前記取付治具は前記センサから出射する光ビームの角度を調整可能な構成であり、更に前記取付治具は前記センサを縦又は横方向に設置可能な構成としたものである。
これによりセンサの位置や角度の調整が容易に行える。
更にまた、前記被検出体は一方は前記反射板近くの上方に取り付けられ、他方には錘が取り付けられた索条体であり、振子運動をする構成としたものである。
これにより、センサと反射板との間で、誰が測定しても被検出体を所定の速度で移動させることができる。
【0011】
また本発明は、前記反射板近辺における前記光ビームのスポットは、その面積が小さくなるように予め調整されているものである。これによりセンサの性能検査を効率的に行うことができる。
更に、前記スポットの面積を小さく調整する手段は、前記反射板近辺に設けた透光性を有するシートと、このシートに映った前記スポットを撮影する撮影装置と、前記撮影装置からの画像を表示する表示装置を前記取付治具の位置から見える位置に配置した構成を有しているものである。
これにより、スポットの面積を容易に小さく調整できるため、センサの性能検査を効率的に行うことができる。
【0012】
また 前記シートは前記反射板と併設され、前記光ビームの当る位置に、前記シート又は反射板のいずれかを選択的に配置可能な構成としたものである。
これにより、装置全体をコンパクトにまとめることができるため、センサの性能検査を効率的に行うことができる。
更に前記シートには、前記反射板に相当する位置に、マークが付されているものである。これによりスポットの面積を容易に特定できるため、センサの性能検査作業の効率を上げることができる。
【0013】
また本発明は、前記センサの位置に光ビームを出射する投光器を配置し、前記反射板の位置には受光器を配置したものである。
これにより、センサは投光/受光ユニットが一体になったタイプのみならず、投光器と受光器が分離されたタイプであっても、本発明を適用することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、センサの性能検査を効率的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施の形態による検査装置の全体構成を示す図である。
【図2】図1のセンサ取付治具の詳細説明図である。
【図3】図1の反射板近辺の詳細説明図である。
【図4】図1の検査装置をシート近辺の背面から見た図である。
【図5】シートの例を示す図である。
【図6】センサをセンサ取付治具に縦に取り付けた図である。
【図7】センサをセンサ取付治具に横に取り付けた図である。
【図8】反射板プレートを開いた状態を示す図である。
【図9】本実施の形態による検査結果を示す表である。
【図10】センターオープンタイプのかごドアの全開状態を示す正面図である。
【図11】センターオープンタイプのかごドアの全閉状態を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の実施の形態を図1〜図5により説明する。図1は検査装置の全体構成を示す図、図2はセンサ取付治具の詳細説明図、図3は反射板近辺の詳細説明図、図4は検査装置をシート近辺の背面から見た図、図5はシートの例を示す図である。
【0017】
図において、10は本実施の形態を構成する装置を載せる固定台。41は後述の反射板との距離が調整可能なように、固定台10に取り付けらた基台、42は図示省略した軸により基台41に枢着された下部調整台、43は一端が蝶番44によって下部調整台42に取り付けられた上部調整台、45は基台41に設けたタップ穴に螺合された調整ねじであり、回転することにより下部調整台42の手前側を図2の左方に押して、基台41に対して下部調整台42を水平面内で回転させるものである。
46は下部調整台42に固定され、基台41に設けた長穴47に挿入された軸であり。この軸46に沿って基台41と下部調整台42との間に圧縮ばね48が設けられ、この圧縮ばね48によって下部調整台42の手前側は図2の右方へ付勢されている。
【0018】
50は上部調整台43に設けたタップ穴に螺合された調整ねじであり、回転することにより下部調整台42を下方に押し、その反力で蝶番44を中心にして上部調整台43の手前側を上方へ移動させる。
51は上部調整台43と下部調整台42とに掛けられたゴムであり、上部調整台43の浮き上がりを防止するとともに調整ねじ50による上部調整台43と下部調整台42との間隔調整時における微調整を行いやすくするものである。
【0019】
60は上部調整台43に取り付けられた断面略L字形の固定具で、一片にはセンサ11(前記投光/受光ユニット4など)を取り付ける取付部61を有しており、図2に示すようにセンサ11を縦向けに取り付ける場合には取付部61が側方に来るように設置し、センサ11を横向けに取り付ける場合には取付部61が下方に来るように設置することにより、センサ11からの光ビームBの出射位置をほぼ一定にするようにしている。62は上部調整台43に固定されたプレートであり、固定具60の位置決め用である。
これらの基台41〜プレート62によってセンサ取付治具40を構成している。
【0020】
従って、調整ねじ45を調整することによって、センサ11の光ビームBの水平方向の出射角度を調整し、また、調整ねじ50を調整することによって、センサ11の光ビームBの上下方向の出射角度を調整する。
【0021】
111は光ビームBを反射する反射板112が設けられた反射板プレートであり、固定台10に設置した門形のフレーム113の縦柱114に、蝶番115によって回動自在に取り付けられている。116は他方の縦柱、117は上桟である。118はフレーム113の近くに立設されたスタンド、119はスタンド118に設けられたアームである。
【0022】
120は縦柱114,116に設けた透光性のシート、例えばトレーシングペーパーのようなシートであり、図5に示すように反射板112に相当する位置で交差するような縦横の直線120x,120yと光ビームBのスポットSの大きさをチェックする参考として、直径の異なる複数の円(例えば直径2mm〜5mmの円を1mm刻み)120cと2mm×2mmの多数の升目を持つ網状体120dとが描かれている。130はシート120の背面(センサ取付治具40の反対側)に設けたカメラであり、このカメラ130で撮影した映像はモニタ131に表示される。このモニタ131はセンサ取付治具40で調整作業を行う位置から確認できる位置に配置している。
【0023】
140は上桟117に取り付けられたアーム121に一端が取り付けられて支点141を構成し、他端には錘142が取り付けられた紐であり、支点141を中心にして振子運動を行う。132は、センサ11が紐140を検出したときに鳴動するブザーである。
ここで、センサ11と反射板112との距離は、実際にセンサ11と反射板112が取り付けられる距離にしてある。例えば、エレベータのかごドア2に設置する場合は、図10,図11における、投光/受光ユニット4と第1反射部材5との距離である。
【0024】
次に本実施の形態による、センサ11の検査について説明する。
図6,図7はセンサ11をセンサ取付治具40に取り付けた図で、図6はセンサ11を縦に置いた図、図7はセンサ11を横に置いた図である。図8は反射板プレート111を開いた状態を示す図であり、122は反射板プレート111を保持する磁石である。
検査の方法は、まずセンサ11の光ビームBのスポット径を最小にしておき、次にセンサ11のX軸方向及びY軸方向の異物検出能力を検査し、能力別に分類するものである。
【0025】
まずセンサ11の光ビームBのスポット径を最小に調整する。
図6に示すように、固定具60の取付部61に取り付けられたセンサ11を縦に設置し、センサ11のケーブルをアンプに接続する(図示省略)。
次に、図8に示すように、、蝶番115を中心にして反射板プレート111を開き、シート120を露出させる。そして、前記のアンプ及びモニタ131のスイッチを入れる。
【0026】
そうするとセンサ11から光ビームBが出射し、シート120に当ってスポットSとして光る。シート120は透光性を有するため、シート120の背面からカメラ130がこれを撮影し、モニタ131に映される。
そこで、調整ねじ45,50によって基台41に対する上部及び下部調整台43,42の傾きを調整して、光ビームBの角度を調整し、前記スポットSが図5の120x,120yの交差位置へ来るように、スポットSの位置を調整する。
次にセンサ11に設けられている光軸調整ボリューム(図示省略)を調整し、スポット径が最小になる位置に光軸調整ボリュームを合わせる。
【0027】
次にセンサ11のX軸方向及びY軸方向の異物検出能力を検査し、能力別に分類する。
センサ11は図6の状態のままにしておき、反射板プレート111を閉じて図3に示す状態にし、光ビームBが反射板112に反射されていることを確認する。そして、前記の調整ねじ45,50で、光ビームBの角度を反射板112内で調整し、反射板112からのセンサ11の受光量が所定の範囲内に来るように、つまりセンサ11が正常に動作するように調整しておく。
【0028】
次に紐140に振子運動をさせる。図3において紐140を張った状態で錘142を指定の位置まで持ち上げて放す。このときの指定位置は、例えば紐140がアーム119の下面に接した位置とする。
そして紐140を3往復させる。これにより紐140は光ビームBを6回切ることになる。その結果、センサ11が6回とも紐140を検出したとき、即ちブザー132が6回とも鳴動したときは、X軸方向は正常に動作したと判定し、1回でもブザー132が鳴動しなかったときは、X軸方向は正常に動作しなかったと判定する。
【0029】
次に、図7に示すように、センサ11を横に設置し、前記と同様に、反射板112で反射されるスポットSの位置を調整し、反射板112からのセンサ11の受光量が所定の範囲内に来るように調整しておく。
そして前記と同様に紐140に振子運動をさせる。紐140を3往復、つまり紐140に光ビームBを6回切らせ、センサ11が6回とも紐140を検出したとき、即ちブザー132が6回とも鳴動したときは、Y軸方向は正常に動作したと判定し、1回でもブザー132が鳴動しなかったときは、Y軸方向は正常に動作しなかったと判定する。
検査終了後は、前記のアンプのスイッチを切り、センサ11を次の検査するセンサ11に交換して、検査を繰り返す。
【0030】
図9は前記の検査結果に基づきセンサ11を分類するための表である。図において、「X軸方向の動作確認」及び「Y軸方向の動作確認」は、前記の検査において、センサ11が正常に動作したときは「OK」,正常に動作しなかったときは「NG」となる。「ラベル」は、検査結果に基づいてセンサ11を4種に分類するもので、各結果に応じて3種のラベル貼付と、不良とに分類する。
【0031】
X軸及びY軸方向の動作がともに「OK」のセンサ11には、「合」のラベルを貼る。同様に、X軸方向の動作が「OK」で、Y軸方向の動作が「NG」の場合は「X合」、X軸方向の動作が「NG」で、Y軸方向の動作が「OK」の場合は「Y合」のラベルを貼る。また、X軸方向及びY軸方向の動作がともに「NG」の場合は不良品であるから使用しない。
【0032】
図9のように、センサ11を4つに分類する理由について説明する。既に説明したように、センサ11はその性能において個体差によるばらつきがあり光量や光ビームBのスポットSの形状が一定ではない。特にスポットSの形状は必ずしも円とは限らず楕円の場合もある。この場合紐140が楕円の長軸方向からスポットSに侵入してくる場合には、光ビームBの遮光面積が小さくなるため検出精度が低下する。逆に紐140が楕円の短軸方向からスポットSに侵入してくる場合には、光ビームBの遮光面積が大きくなるため検出精度が上がる。
従って、X軸方向の動作が「NG」であっても、Y軸方向では「OK」となる場合がある。そこでX軸方向又はY軸方向の一方向で「NG」であったとしても、別方向で「OK」であれば、その特性を活かして使用することにより、本装置に対する不適合品を減らすことができる。
【0033】
図9による分類の結果、「X合」のラベルを貼ったセンサ11は、図6のようにセンサ11を縦にしたときに紐140が左右方向に移動するような場合に使用することができる。
また、「Y合」のラベルを貼ったセンサ11は図7のようにセンサ11を横にしたときに紐140が左右方向に移動する、換言すればセンサ11を縦にしたときに紐140が上下方向に移動するような場合に使用することができる。
つまり被検出物である紐140がどのように移動するかによって、「X合」のセンサと「Y合」のセンサとを使い分ければよい。
また「合」のラベルを貼ったセンサ11はどの方向でも使用することができる。
【0034】
以上のように、本実施の形態によれば、センサ11の性能検査を効率的に行うことができ、センサ11の個体差によるばらつきがあっても、その特性を検査して使い分けることにより、センサ11の本装置に対する不適合品を減らすことができる。
また、本実施の形態は所定の位置から紐140を振子式に移動させることにより、紐140が光ビームBを切るときの速度を一定にすることができるため、誰が測定しても一定の精度で検査を行うことができる。
【0035】
前記の実施の形態においては、透光性のシート120としてトレーシングペーパーを使用しているが、これに限ることはなく透光性を有する材質のものであればよい。
また前記の実施の形態では、スポットSの位置を調整した後にスポットSの径を調整しているが、逆にスポットSの径を調整した後にスポットSの位置を調整してもよい。
更に、紐140を振子式に移動させる代わりに、所定の位置から自由落下させるようにしてもよい。
【0036】
また、前記の実施の形態では、センサ11の動作確認の前に、シート120にスポットSを映してスポットSの径を最小に調整しているが、予めスポットSの径が調整されておればこの行程は省略可能である。
更に紐140の測定回数は、X軸方向及びY軸方向にそれぞれ3往復づつとしているが、これに限ることはない。また紐140は必要に応じて太さを変え、透明や不透明のものやロープなどの索条体を使用することができる。
更にまた、前記の実施の形態では紐140の支点141は反射板112のほぼ直上に設けているが、必要に応じてセンサ11と反射板112との間の任意の位置に設置可能である。
【0037】
また、前記の実施の形態ではセンサ11をX軸方向,Y軸方向の2方向で検査したが、必要があれば更に細分化することも可能である。
尚、センサ11は光ビームBとしてレーザ光を出射する装置だけでなく、レーザ光以外のものを出射する光電管でもよい。また、センサ11は投光器と受光器を備えた装置に限ることはなく、センサ11の位置に投光器、反射板112の位置に受光器をそれぞれ置けば、投光器と受光器が分離されたタイプのものでも実施することができる。
【符号の説明】
【0038】
11 センサ
40 センサ取付治具
51 ゴム
111 反射板プレート
112 反射板
120 シート
130 カメラ
131 モニタ
132 ブザー
140 紐
142 錘
【技術分野】
【0001】
本発明は、エレベータの出入口で紐状の異物や乗客などがドアに挟み込まれたことを検出する装置などに使用されるセンサの検査装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ドアの先端部にセンサが設置された従来のエレベータドアの例を図により説明する。図10及び図11は、センターオープンタイプのかごドアの正面図であり、図10はドア全開、図11はドア全閉の状態を示している。
図において、1は出入口の上方に設けられたフレーム102に固定されたレールである。2,3は出入口を開閉する左右一対のかごドアで、それぞれドアハンガー21,31によってレール1に吊り下げられるとともに、下端部に配置されたドアガイドシュー22,32が敷居82の溝に摺動可能に嵌まり込み、水平方向に往復移動する構成になっている。100はフレーム102に設置された制御ユニットで、両かごドア2,3の開閉動作を制御するものである。
【0003】
左側のかごドア2には、閉方向端面2aから右側のかごドア3側へ所定距離だけ離れた鉛直線上の上端位置に、鉛直下方へ向けて投光/受光ユニット(センサ)4が配置されており、前記鉛直線上の下端位置は、鉛直上方へ向けて第1反射部材5が配置されている。
投光/受光ユニット4は、レーザ光のビーム(光ビーム)Bを出射する投光器と入射してくる光ビームBを検出する受光器とを一体に備えたものである。
【0004】
尚、投光/受光ユニット4の投光器としては、例えば赤色半導体レーザを採用し、これによって直径2〜4mmのスポットを形成する。投光/受光ユニット4の受光器は、入射光ビームによる受光量が所定の閾値を下回ったときは、異物検出信号を出力する。
【0005】
右側のかごドア3の上端部には図11に示すように、両かごドア2,3が閉じた状態で投光/受光ユニット4を収容する収容空間が形成されており、この収容空間の底部には鉛直上方へ向けて第2反射部材6が配置されている。
この第2反射部材6は、右側のかごドア3の閉方向端面と同じ位置から収容空間の奥方(右側)へ延びる所定長さの反射面を有しており、収容空間に侵入した投光/受光ユニット4からの光ビームBを鉛直上方へ反射する。
70はかごドア3の下端に設けられたブラシからなる清掃具であり、図11に示すように、両かごドア2,3が全閉位置まで閉じる過程で、左側のかごドア2の第1反射部材5の表面を清掃するものである。
【0006】
これにより、ドア2,3の閉動作時に出入口に紐などの異物があった場合、光ビームBが異物によって遮られると、投光/受光ユニット4の受光部がこれを検出して異物検出信号を出力し、かごドア2,3を反転戸開させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】国際公開第10/024215号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
前記投光/受光ユニットは、紐のような細い物体を検出するのが主な目的であるため、高い検出精度が要求される。しかしながら投光/受光ユニットには、その性能において個体差によるばらつきがあり、光量や光ビームのスポット形状が一定ではない。
そのため、投光/受光ユニットを設置する前に、その性能を検査しておく必要があるが、効率的な検査を行う装置がないという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、光ビームを出射する投光器と入射した光ビームを検出する受光器とを備えたセンサを取り付ける取付治具と、前記センサと所定距離離れた位置に配置され、前記出射した光ビームを反射する反射板と、前記取付治具と前記反射板との間に移動可能に配置された被検出体と、前記センサが前記被検出体を検出したか否かを知らせる装置とを備えたエレベータ用センサの性能検査装置である。
これにより、センサの性能検査を効率的に行うことができる。
【0010】
また本発明は、前記取付治具は前記センサから出射する光ビームの角度を調整可能な構成であり、更に前記取付治具は前記センサを縦又は横方向に設置可能な構成としたものである。
これによりセンサの位置や角度の調整が容易に行える。
更にまた、前記被検出体は一方は前記反射板近くの上方に取り付けられ、他方には錘が取り付けられた索条体であり、振子運動をする構成としたものである。
これにより、センサと反射板との間で、誰が測定しても被検出体を所定の速度で移動させることができる。
【0011】
また本発明は、前記反射板近辺における前記光ビームのスポットは、その面積が小さくなるように予め調整されているものである。これによりセンサの性能検査を効率的に行うことができる。
更に、前記スポットの面積を小さく調整する手段は、前記反射板近辺に設けた透光性を有するシートと、このシートに映った前記スポットを撮影する撮影装置と、前記撮影装置からの画像を表示する表示装置を前記取付治具の位置から見える位置に配置した構成を有しているものである。
これにより、スポットの面積を容易に小さく調整できるため、センサの性能検査を効率的に行うことができる。
【0012】
また 前記シートは前記反射板と併設され、前記光ビームの当る位置に、前記シート又は反射板のいずれかを選択的に配置可能な構成としたものである。
これにより、装置全体をコンパクトにまとめることができるため、センサの性能検査を効率的に行うことができる。
更に前記シートには、前記反射板に相当する位置に、マークが付されているものである。これによりスポットの面積を容易に特定できるため、センサの性能検査作業の効率を上げることができる。
【0013】
また本発明は、前記センサの位置に光ビームを出射する投光器を配置し、前記反射板の位置には受光器を配置したものである。
これにより、センサは投光/受光ユニットが一体になったタイプのみならず、投光器と受光器が分離されたタイプであっても、本発明を適用することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、センサの性能検査を効率的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施の形態による検査装置の全体構成を示す図である。
【図2】図1のセンサ取付治具の詳細説明図である。
【図3】図1の反射板近辺の詳細説明図である。
【図4】図1の検査装置をシート近辺の背面から見た図である。
【図5】シートの例を示す図である。
【図6】センサをセンサ取付治具に縦に取り付けた図である。
【図7】センサをセンサ取付治具に横に取り付けた図である。
【図8】反射板プレートを開いた状態を示す図である。
【図9】本実施の形態による検査結果を示す表である。
【図10】センターオープンタイプのかごドアの全開状態を示す正面図である。
【図11】センターオープンタイプのかごドアの全閉状態を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の実施の形態を図1〜図5により説明する。図1は検査装置の全体構成を示す図、図2はセンサ取付治具の詳細説明図、図3は反射板近辺の詳細説明図、図4は検査装置をシート近辺の背面から見た図、図5はシートの例を示す図である。
【0017】
図において、10は本実施の形態を構成する装置を載せる固定台。41は後述の反射板との距離が調整可能なように、固定台10に取り付けらた基台、42は図示省略した軸により基台41に枢着された下部調整台、43は一端が蝶番44によって下部調整台42に取り付けられた上部調整台、45は基台41に設けたタップ穴に螺合された調整ねじであり、回転することにより下部調整台42の手前側を図2の左方に押して、基台41に対して下部調整台42を水平面内で回転させるものである。
46は下部調整台42に固定され、基台41に設けた長穴47に挿入された軸であり。この軸46に沿って基台41と下部調整台42との間に圧縮ばね48が設けられ、この圧縮ばね48によって下部調整台42の手前側は図2の右方へ付勢されている。
【0018】
50は上部調整台43に設けたタップ穴に螺合された調整ねじであり、回転することにより下部調整台42を下方に押し、その反力で蝶番44を中心にして上部調整台43の手前側を上方へ移動させる。
51は上部調整台43と下部調整台42とに掛けられたゴムであり、上部調整台43の浮き上がりを防止するとともに調整ねじ50による上部調整台43と下部調整台42との間隔調整時における微調整を行いやすくするものである。
【0019】
60は上部調整台43に取り付けられた断面略L字形の固定具で、一片にはセンサ11(前記投光/受光ユニット4など)を取り付ける取付部61を有しており、図2に示すようにセンサ11を縦向けに取り付ける場合には取付部61が側方に来るように設置し、センサ11を横向けに取り付ける場合には取付部61が下方に来るように設置することにより、センサ11からの光ビームBの出射位置をほぼ一定にするようにしている。62は上部調整台43に固定されたプレートであり、固定具60の位置決め用である。
これらの基台41〜プレート62によってセンサ取付治具40を構成している。
【0020】
従って、調整ねじ45を調整することによって、センサ11の光ビームBの水平方向の出射角度を調整し、また、調整ねじ50を調整することによって、センサ11の光ビームBの上下方向の出射角度を調整する。
【0021】
111は光ビームBを反射する反射板112が設けられた反射板プレートであり、固定台10に設置した門形のフレーム113の縦柱114に、蝶番115によって回動自在に取り付けられている。116は他方の縦柱、117は上桟である。118はフレーム113の近くに立設されたスタンド、119はスタンド118に設けられたアームである。
【0022】
120は縦柱114,116に設けた透光性のシート、例えばトレーシングペーパーのようなシートであり、図5に示すように反射板112に相当する位置で交差するような縦横の直線120x,120yと光ビームBのスポットSの大きさをチェックする参考として、直径の異なる複数の円(例えば直径2mm〜5mmの円を1mm刻み)120cと2mm×2mmの多数の升目を持つ網状体120dとが描かれている。130はシート120の背面(センサ取付治具40の反対側)に設けたカメラであり、このカメラ130で撮影した映像はモニタ131に表示される。このモニタ131はセンサ取付治具40で調整作業を行う位置から確認できる位置に配置している。
【0023】
140は上桟117に取り付けられたアーム121に一端が取り付けられて支点141を構成し、他端には錘142が取り付けられた紐であり、支点141を中心にして振子運動を行う。132は、センサ11が紐140を検出したときに鳴動するブザーである。
ここで、センサ11と反射板112との距離は、実際にセンサ11と反射板112が取り付けられる距離にしてある。例えば、エレベータのかごドア2に設置する場合は、図10,図11における、投光/受光ユニット4と第1反射部材5との距離である。
【0024】
次に本実施の形態による、センサ11の検査について説明する。
図6,図7はセンサ11をセンサ取付治具40に取り付けた図で、図6はセンサ11を縦に置いた図、図7はセンサ11を横に置いた図である。図8は反射板プレート111を開いた状態を示す図であり、122は反射板プレート111を保持する磁石である。
検査の方法は、まずセンサ11の光ビームBのスポット径を最小にしておき、次にセンサ11のX軸方向及びY軸方向の異物検出能力を検査し、能力別に分類するものである。
【0025】
まずセンサ11の光ビームBのスポット径を最小に調整する。
図6に示すように、固定具60の取付部61に取り付けられたセンサ11を縦に設置し、センサ11のケーブルをアンプに接続する(図示省略)。
次に、図8に示すように、、蝶番115を中心にして反射板プレート111を開き、シート120を露出させる。そして、前記のアンプ及びモニタ131のスイッチを入れる。
【0026】
そうするとセンサ11から光ビームBが出射し、シート120に当ってスポットSとして光る。シート120は透光性を有するため、シート120の背面からカメラ130がこれを撮影し、モニタ131に映される。
そこで、調整ねじ45,50によって基台41に対する上部及び下部調整台43,42の傾きを調整して、光ビームBの角度を調整し、前記スポットSが図5の120x,120yの交差位置へ来るように、スポットSの位置を調整する。
次にセンサ11に設けられている光軸調整ボリューム(図示省略)を調整し、スポット径が最小になる位置に光軸調整ボリュームを合わせる。
【0027】
次にセンサ11のX軸方向及びY軸方向の異物検出能力を検査し、能力別に分類する。
センサ11は図6の状態のままにしておき、反射板プレート111を閉じて図3に示す状態にし、光ビームBが反射板112に反射されていることを確認する。そして、前記の調整ねじ45,50で、光ビームBの角度を反射板112内で調整し、反射板112からのセンサ11の受光量が所定の範囲内に来るように、つまりセンサ11が正常に動作するように調整しておく。
【0028】
次に紐140に振子運動をさせる。図3において紐140を張った状態で錘142を指定の位置まで持ち上げて放す。このときの指定位置は、例えば紐140がアーム119の下面に接した位置とする。
そして紐140を3往復させる。これにより紐140は光ビームBを6回切ることになる。その結果、センサ11が6回とも紐140を検出したとき、即ちブザー132が6回とも鳴動したときは、X軸方向は正常に動作したと判定し、1回でもブザー132が鳴動しなかったときは、X軸方向は正常に動作しなかったと判定する。
【0029】
次に、図7に示すように、センサ11を横に設置し、前記と同様に、反射板112で反射されるスポットSの位置を調整し、反射板112からのセンサ11の受光量が所定の範囲内に来るように調整しておく。
そして前記と同様に紐140に振子運動をさせる。紐140を3往復、つまり紐140に光ビームBを6回切らせ、センサ11が6回とも紐140を検出したとき、即ちブザー132が6回とも鳴動したときは、Y軸方向は正常に動作したと判定し、1回でもブザー132が鳴動しなかったときは、Y軸方向は正常に動作しなかったと判定する。
検査終了後は、前記のアンプのスイッチを切り、センサ11を次の検査するセンサ11に交換して、検査を繰り返す。
【0030】
図9は前記の検査結果に基づきセンサ11を分類するための表である。図において、「X軸方向の動作確認」及び「Y軸方向の動作確認」は、前記の検査において、センサ11が正常に動作したときは「OK」,正常に動作しなかったときは「NG」となる。「ラベル」は、検査結果に基づいてセンサ11を4種に分類するもので、各結果に応じて3種のラベル貼付と、不良とに分類する。
【0031】
X軸及びY軸方向の動作がともに「OK」のセンサ11には、「合」のラベルを貼る。同様に、X軸方向の動作が「OK」で、Y軸方向の動作が「NG」の場合は「X合」、X軸方向の動作が「NG」で、Y軸方向の動作が「OK」の場合は「Y合」のラベルを貼る。また、X軸方向及びY軸方向の動作がともに「NG」の場合は不良品であるから使用しない。
【0032】
図9のように、センサ11を4つに分類する理由について説明する。既に説明したように、センサ11はその性能において個体差によるばらつきがあり光量や光ビームBのスポットSの形状が一定ではない。特にスポットSの形状は必ずしも円とは限らず楕円の場合もある。この場合紐140が楕円の長軸方向からスポットSに侵入してくる場合には、光ビームBの遮光面積が小さくなるため検出精度が低下する。逆に紐140が楕円の短軸方向からスポットSに侵入してくる場合には、光ビームBの遮光面積が大きくなるため検出精度が上がる。
従って、X軸方向の動作が「NG」であっても、Y軸方向では「OK」となる場合がある。そこでX軸方向又はY軸方向の一方向で「NG」であったとしても、別方向で「OK」であれば、その特性を活かして使用することにより、本装置に対する不適合品を減らすことができる。
【0033】
図9による分類の結果、「X合」のラベルを貼ったセンサ11は、図6のようにセンサ11を縦にしたときに紐140が左右方向に移動するような場合に使用することができる。
また、「Y合」のラベルを貼ったセンサ11は図7のようにセンサ11を横にしたときに紐140が左右方向に移動する、換言すればセンサ11を縦にしたときに紐140が上下方向に移動するような場合に使用することができる。
つまり被検出物である紐140がどのように移動するかによって、「X合」のセンサと「Y合」のセンサとを使い分ければよい。
また「合」のラベルを貼ったセンサ11はどの方向でも使用することができる。
【0034】
以上のように、本実施の形態によれば、センサ11の性能検査を効率的に行うことができ、センサ11の個体差によるばらつきがあっても、その特性を検査して使い分けることにより、センサ11の本装置に対する不適合品を減らすことができる。
また、本実施の形態は所定の位置から紐140を振子式に移動させることにより、紐140が光ビームBを切るときの速度を一定にすることができるため、誰が測定しても一定の精度で検査を行うことができる。
【0035】
前記の実施の形態においては、透光性のシート120としてトレーシングペーパーを使用しているが、これに限ることはなく透光性を有する材質のものであればよい。
また前記の実施の形態では、スポットSの位置を調整した後にスポットSの径を調整しているが、逆にスポットSの径を調整した後にスポットSの位置を調整してもよい。
更に、紐140を振子式に移動させる代わりに、所定の位置から自由落下させるようにしてもよい。
【0036】
また、前記の実施の形態では、センサ11の動作確認の前に、シート120にスポットSを映してスポットSの径を最小に調整しているが、予めスポットSの径が調整されておればこの行程は省略可能である。
更に紐140の測定回数は、X軸方向及びY軸方向にそれぞれ3往復づつとしているが、これに限ることはない。また紐140は必要に応じて太さを変え、透明や不透明のものやロープなどの索条体を使用することができる。
更にまた、前記の実施の形態では紐140の支点141は反射板112のほぼ直上に設けているが、必要に応じてセンサ11と反射板112との間の任意の位置に設置可能である。
【0037】
また、前記の実施の形態ではセンサ11をX軸方向,Y軸方向の2方向で検査したが、必要があれば更に細分化することも可能である。
尚、センサ11は光ビームBとしてレーザ光を出射する装置だけでなく、レーザ光以外のものを出射する光電管でもよい。また、センサ11は投光器と受光器を備えた装置に限ることはなく、センサ11の位置に投光器、反射板112の位置に受光器をそれぞれ置けば、投光器と受光器が分離されたタイプのものでも実施することができる。
【符号の説明】
【0038】
11 センサ
40 センサ取付治具
51 ゴム
111 反射板プレート
112 反射板
120 シート
130 カメラ
131 モニタ
132 ブザー
140 紐
142 錘
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ビームを出射する投光器と入射した光ビームを検出する受光器とを備えたセンサを取り付ける取付治具と、
前記センサと所定距離離れた位置に配置され、前記出射した光ビームを反射する反射板と、
前記取付治具と前記反射板との間に、移動可能に配置された被検出体と、
前記センサが前記被検出体を検出したか否かを知らせる装置と
を備えたことを特徴とするエレベータ用センサの性能検査装置
【請求項2】
前記取付治具は、前記センサから出射する光ビームの角度を調整可能な構成であることを特徴とする請求項1に記載のエレベータ用センサの性能検査装置。
【請求項3】
前記取付治具は前記センサを縦又は横方向に設置可能な構成であることを特徴とする請求項1又は2に記載のエレベータ用センサの性能検査装置。
【請求項4】
前記被検出体は、一方は前記反射板近くの上方に取り付けられ、他方には錘が取り付けられた索条体であり、振子運動をする構成であることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のエレベータ用センサの性能検査装置。
【請求項5】
前記反射板近辺における前記光ビームのスポットは、その面積が小さくなるように予め調整されていることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載のエレベータ用センサの性能検査装置。
【請求項6】
前記スポットの面積を小さく調整する手段は、前記反射板近辺に設けた透光性を有するシートと、このシートに映った前記スポットを撮影する撮影装置と、前記撮影装置からの画像を表示する表示装置を前記取付治具の位置から見える位置に配置した構成を有していることを特徴とする請求項5に記載のエレベータ用センサの性能検査装置。
【請求項7】
前記シートは前記反射板と併設され、前記光ビームの当る位置に、前記シート又は反射板のいずれかを選択的に配置可能な構成であることを特徴とする請求項6に記載のエレベータ用センサの性能検査装置。
【請求項8】
前記シートには、前記反射板に相当する位置に、マークが付されていることを特徴とする請求項6又は7に記載のエレベータ用センサの性能検査装置。
【請求項9】
前記センサの位置には光ビームを出射する投光器を配置し、前記反射板の位置には受光器を配置したことを特徴とする請求項1乃至8の何れかに記載のエレベータ用センサの性能検査装置。
【請求項1】
光ビームを出射する投光器と入射した光ビームを検出する受光器とを備えたセンサを取り付ける取付治具と、
前記センサと所定距離離れた位置に配置され、前記出射した光ビームを反射する反射板と、
前記取付治具と前記反射板との間に、移動可能に配置された被検出体と、
前記センサが前記被検出体を検出したか否かを知らせる装置と
を備えたことを特徴とするエレベータ用センサの性能検査装置
【請求項2】
前記取付治具は、前記センサから出射する光ビームの角度を調整可能な構成であることを特徴とする請求項1に記載のエレベータ用センサの性能検査装置。
【請求項3】
前記取付治具は前記センサを縦又は横方向に設置可能な構成であることを特徴とする請求項1又は2に記載のエレベータ用センサの性能検査装置。
【請求項4】
前記被検出体は、一方は前記反射板近くの上方に取り付けられ、他方には錘が取り付けられた索条体であり、振子運動をする構成であることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のエレベータ用センサの性能検査装置。
【請求項5】
前記反射板近辺における前記光ビームのスポットは、その面積が小さくなるように予め調整されていることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載のエレベータ用センサの性能検査装置。
【請求項6】
前記スポットの面積を小さく調整する手段は、前記反射板近辺に設けた透光性を有するシートと、このシートに映った前記スポットを撮影する撮影装置と、前記撮影装置からの画像を表示する表示装置を前記取付治具の位置から見える位置に配置した構成を有していることを特徴とする請求項5に記載のエレベータ用センサの性能検査装置。
【請求項7】
前記シートは前記反射板と併設され、前記光ビームの当る位置に、前記シート又は反射板のいずれかを選択的に配置可能な構成であることを特徴とする請求項6に記載のエレベータ用センサの性能検査装置。
【請求項8】
前記シートには、前記反射板に相当する位置に、マークが付されていることを特徴とする請求項6又は7に記載のエレベータ用センサの性能検査装置。
【請求項9】
前記センサの位置には光ビームを出射する投光器を配置し、前記反射板の位置には受光器を配置したことを特徴とする請求項1乃至8の何れかに記載のエレベータ用センサの性能検査装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−53912(P2013−53912A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−191909(P2011−191909)
【出願日】平成23年9月2日(2011.9.2)
【出願人】(000112705)フジテック株式会社 (138)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月2日(2011.9.2)
【出願人】(000112705)フジテック株式会社 (138)
【Fターム(参考)】
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