説明

エレベータ用基準型板の自動位置決め装置及びその方法

【課題】エレベータ据付時の鉛直方向基準位置決め作業の人員の省略化とコストの削減を可能な限り図れるようにしたエレベータ用基準型板の自動位置決め装置を得る。
【解決手段】昇降路1の最上部に設置された型板サポート部材8と、型板サポート部材間に跨って設けられ、両端部にピアノ線垂下部が設けられた基準型板と、基準型板に設けられ、該基準型板の乗場側と直交方向及び乗場側と平行方向の平面的な動きを調整制御する基準型板の自動位置決め装置と、この自動位置決め装置を最下階の乗場より遠隔操作にてリモートコントロールすることが可能なリモコン装置13と、基準型板から垂下され、下端部に錘15が取り付けられたピアノ線14と、昇降路ピットに設けられ、ピアノ線の下端部の錘を浸して錘の振り子運動を抑える錘静止用水入り容器16とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、エレベータ据付時の鉛直方向基準位置決め作業の省力化とコスト削減を図れるようにしたエレベータ用基準型板の自動位置決め装置及びその方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のエレベータ据付時の鉛直方向基準位置決め方法のイメージを図4に示す。
図4に示すように、従来のエレベータ据付時の鉛直方向基準位置決め方法においては、次のような手順で行われる。先ず第1に、基準型板位置調整要員18が上部型板組立19を昇降路頂部3付近にて組み立てる。第2に、上部型板組立19からピアノ線14を下ろし、ピアノ線14の下端部に錘15を吊り下げる。そして、第3に、最下階基準確認要員20が最下階基準の墨出しを行う。第4に、最上階5では基準型板19の位置調整を行い、最下階4では基準確認を行い、昇降路ピット2では錘15を静止させる。第5に、それぞれ中間階6のデータ取りを行う。そして、第6に、最上階5で基準型板19の位置調整を行い、最下階4で基準確認を行い、昇降路ピット2で錘15を静止させるという手順で作業が行われる。その際、第1の上部型板組立作業では1〜2名、第2のピアノ線下ろしと錘吊り下げ作業では1〜2名、第3の最下階基準墨出し作業では2名、第4の最上階の位置調整作業、最下階の基準確認作業及び昇降路ピットでの錘の静止作業では3名、第5の中間階データ取り作業では1〜2名、第6の最上階の位置調整作業、最下階の基準確認作業及び昇降路ピットでの錘の静止作業では3名の人員が必要となり、人的に余裕が無い場合は大きな問題となる。また、人員が多くなれば時間が余分にかかってしまうという問題がある。
【0003】
また、従来技術として、建造物に設けられたエレベータの昇降路内に垂直線を出す(芯出し)するためのピアノ線を昇降路の上方から垂らして張り、このピアノ線を基準にして本線レール及びカウンターレールを立設した後、かごとつり合い重りをロープで吊り下げるエレベータの設置方法において、昇降路に開口する最上階の出入口からその開口縁に取り付けたピアノ線吊下用位置決め治具を用いて出入口用ピアノ線を所望位置に垂らすようにし、また昇降路の最下部において本設のかご枠を組み立てて出入口用ピアノ線を基準にしてこれの位置決めをした後、この本設のかご枠を立体ゲージとしてこれに取り付けたレール立設用位置決め治具を用いて本線レール及びカウンターレールを所望位置に立設するエレベータの設置方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】特開2004−26429号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来のエレベータ据付時の鉛直方向基準位置決め方法では、第4と第6の最上階の位置調整作業、最下階の基準確認作業及び昇降路ピットでの錘の静止作業では、それぞれ3名の人員が必要となり、人的に余裕が無い場合は大きな問題となる。また、人員が多くなれば時間が余分にかかってしまうという問題がある。また、従来技術のエレベータの設置方法では、人員の省略化について考慮されたものではない。
【0006】
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、エレベータ据付時の鉛直方向基準位置決め作業の人員の省略化とコストの削減を可能な限り図れるようにしたエレベータ用基準型板の自動位置決め装置及びその方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明に係るエレベータ用基準型板の自動位置決め装置においては、昇降路の最上部に平面方向に所定間隔を置いて設置された型板サポート部材と、型板サポート部材間に跨って乗場側に沿って平行に設けられ、両端部にピアノ線垂下部が設けられた基準型板と、基準型板に設けられ、内蔵されたモーターにより該基準型板の乗場側と直交方向及び乗場側と平行方向の平面的な動きをそれぞれ調整制御する基準型板の自動位置決め装置と、基準型板の自動位置決め装置を最下階の乗場より遠隔操作にてリモートコントロールすることが可能なリモコン装置と、基準型板の両端部のピアノ線垂下部から垂下され、下端部に錘が取り付けられたピアノ線と、昇降路ピットに設けられ、ピアノ線の下端部に吊下げられた錘を浸して錘の振り子運動を抑える錘静止用水入り容器とを備えたものである。
【0008】
また、基準型板の自動位置決め装置は、基準型板の両端部にそれぞれ設けられて基準型板の両端部の乗場側と直行方向の平面的な動きを独立して調整制御するX軸方向位置決め装置と、前記基準型板の中間部に設けられて基準型板の乗場側と平行方向の平面的な動きを調整制御するY軸方向位置決め装置とから構成したものである。
【0009】
また、この発明に係るエレベータ用基準型板の自動位置決め方法においては、昇降路の最上部に平面方向に所定間隔を置いて設置された型板サポート部材と、型板サポート部材間に跨って乗場側に沿って平行に設けられ、両端部にピアノ線垂下部が設けられた基準型板と、基準型板に設けられ、内蔵されたモーターにより該基準型板の乗場側と直交方向及び乗場側と平行方向の平面的な動きをそれぞれ調整制御する基準型板の自動位置決め装置と、基準型板の自動位置決め装置を最下階の乗場より遠隔操作にてリモートコントロールすることが可能なリモコン装置と、基準型板の両端部のピアノ線垂下部から垂下され、下端部に錘が取り付けられたピアノ線と、昇降路ピットに設けられ、ピアノ線の下端部に吊下げられた錘を浸して錘の振り子運動を抑える錘静止用水入り容器とを備えたものであって、基準型板に自動位置決め装置をセットし、セットされた基準型板を型板サポート部材に取り付けて自動位置決めの準備を行うステップと、基準型板の両端部のピアノ線垂下部からピアノ線を下ろし、ピアノ線の下端部に錘を吊下げるステップと、最下階基準の墨出しを行うステップと、最下階にてリモコン装置を使って遠隔操作しながら、自動位置決め装置を動かして基準基板の位置調整を行いながら最下階で基準確認を行うステップと、昇降路ピットで錘静止用水入り容器に錘を浸して、錘の振り子運動を抑えるステップとを備えたものである。
【0010】
また、昇降路の最上部に平面方向に所定間隔を置いて設置された型板サポート部材と、型板サポート部材間に跨って乗場側に沿って平行に設けられ、両端部にピアノ線垂下部が設けられた基準型板と、基準型板の両端部にそれぞれ設けられて基準型板の両端部の乗場側と直行方向の平面的な動きを独立して調整制御するX軸方向位置決め装置と、基準型板の中間部に設けられて基準型板の乗場側と平行方向の平面的な動きを調整制御するY軸方向位置決め装置と、X軸方向位置決め装置とY軸方向位置決め装置から構成された基準型板の自動位置決め装置を最下階の乗場より遠隔操作にてリモートコントロールすることが可能なリモコン装置と、基準型板の両端部のピアノ線垂下部から垂下され、下端部に錘が取り付けられたピアノ線と、昇降路ピットに設けられ、ピアノ線の下端部に吊下げられた錘を浸して錘の振り子運動を抑える錘静止用水入り容器とを備えたものであって、基準型板にX軸方向位置決め装置とY軸方向位置決め装置から構成された自動位置決め装置をセットし、セットされた基準型板を型板サポート部材に取り付けて自動位置決めの準備を行うステップと、基準型板の両端部のピアノ線垂下部からピアノ線を下ろし、ピアノ線の下端部に錘を吊下げるステップと、最下階基準の墨出しを行うステップと、最下階にてリモコン装置を使って遠隔操作しながら、X軸方向位置決め装置とY軸方向位置決め装置を動かして基準型板の位置調整を行いながら最下階で基準確認を行うステップと、昇降路ピットで錘静止用水入り容器に錘を浸して、錘の振り子運動を抑えるステップとを備えたものである。
【0011】
また、この発明に係るエレベータ用基準型板の自動位置決め装置及びその方法においては、錘静止用水入り容器は、内部に水又は洗剤を入れて錘を冠水又は浸すようにしたものである。
【発明の効果】
【0012】
この発明によれば、最下階において、基準型板調整確認要員がリモコン装置を使って遠隔操作しながら、基準型板の自動位置決め装置を動かして位置調整を行いながら最下階で基準確認を行う作業を1名で可能となり、従来より大幅に省力化される。これにより、エレベータ据付時の鉛直方向基準位置決め作業の人員の省略化とコストの削減を図れることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1におけるエレベータ用基準型板の自動位置決め装置及びその方法を示す全体構成図、図2はこの発明の実施の形態1におけるエレベータ用基準型板の自動位置決め方法に用いる自動位置決め装置の要部構成を示す部分平面図、図3はこの発明の実施の形態1におけるエレベータ用基準型板の自動位置決め方法を実施している様子を示す要部側面図である。
【0014】
図において、1は昇降路、2は昇降路1のピット、3は昇降路1の頂部、4は乗場の最下階、5は乗場の最上階、6は最下階4と最上階5の間に設けられた複数階の乗場からなる中間階、7は昇降路1内の最上部に設けられた作業台、8は昇降路1の最上部の乗場壁とこれと対向する昇降路壁との間に平面方向に所定の間隔を置いて設置された一対の型板サポート部材、9はこの型板サポート部材8間に跨って乗場側に沿って平行に設けられたエレベータ乗場用基準型板で、両端部にはピアノ線垂下部10が設けられている。11はエレベータ乗場用基準型板9の両端部でかつ一対の型板サポート部材8の上部にそれぞれ設けられた基準型板9の自動位置決め装置の一つであるX軸方向位置決め装置で、内蔵されたモーターにより、基準型板9のX方向(乗場側と直交方向)の平面的な動きを調整制御する。12はエレベータ乗場用基準型板9の中央部でかつ一対の型板サポート部材8間に設けられた基準型板9の自動位置決め装置の一つであるY軸方向位置決め装置で、内蔵されたモーターにより、基準型板9のY方向(乗場側と平行方向)の平面的な動きを調整制御する。13は基準型板9の自動位置決め装置であるX軸方向位置決め装置11及びY軸方向位置決め装置12を最下階4の乗場より遠隔操作にてリモートコントロールできる有線又は無線のリモコン装置である。例えば、最下階4において基準基板調整確認要員14が有線又は無線のリモコン装置13に設けられたX軸操作釦及びY軸操作釦(いずれも図示せず)を操作することにより、基準型板9の位置調整作業(平面的なX軸及びY軸調整)を行って、それぞれの最適位置に来た時、リモコン13上に最適位置に来たことを知らせる表示ランプ(図示せず)を設けるようにしておく。14はエレベータ乗場用基準型板9の両端部のピアノ線垂下部10から垂下されたピアノ線、15はこのピアノ線14の下端部に取り付けられて吊り下げられた錘、16はピット2に設置された錘静止用水入り容器で、ピアノ線14の下端部に吊下げられた錘15が入れられる。この発明のエレベータ用基準型板の自動位置決め装置及びその方法では、最下階でのピアノ線位置決め所要時間が問題となる。位置決めにかかる時間は、型板を動かしたことによるピアノ線錘の振り子運動を静止させることにその殆どの時間が費やされており、従来の方法では平均で約5分30秒位かかっていた。この静止時間の短縮対策として、ピアノ線14の錘15を水入り容器16内に入れるようにする。そして、錘15は水入り容器16内の水に全て冠水させた状態では静止時間が約78秒となり、錘の振り子運動を抑える効果が最も良く現われる。また、水に錘15を150mm浸した状態では約89秒となり、錘の振り子運動を抑える効果がある。なお、水に錘15を100mm浸した状態では約144秒となり、錘の振り子運動を抑える効果は少なかった。
【0015】
この発明のエレベータ用基準型板の自動位置決め装置によれば、次のような手順で行われる。先ず第1に、自動位置決め装置であるX軸方向位置決め装置11及びY軸方向位置決め装置12を基準型板9にセットし、この基準型板9を型板サポート部材8に取り付けて自動位置決めの準備を行う。第2に、基準型板9の両端部のピアノ線垂下部10からピアノ線14を下ろし、ピアノ線14の下端部に錘15を吊り下げる。第3に、最下階基準確認要員が最下階基準の墨出しを行う。そして、第4に、最下階において、基準型板調整確認要員17がリモコン装置13を使って遠隔操作しながら、基準型板9の自動位置決め装置を動かして位置調整を行いながら最下階で基準確認を行う。また、昇降路ピット2では錘静止用水入り容器16内に錘15を入れて、水等の抵抗で錘15を静止させるので、錘静止作業の人員を省くことができる。第5に、それぞれ中間階のデータ取りを行う。そして、第6に、更に最下階において、基準型板調整確認要員17がリモコン装置13を使って遠隔操作しながら、基準型板9の自動位置決め装置を動かして位置調整を行いながら最下階で基準確認を行うという手順で作業が行われる。その際、第1の自動位置決め装置を基準型板9にセットし、この基準型板9を型板サポート部材8に取り付けて自動位置決めの準備を行う作業では1〜2名、第2のピアノ線下ろしと錘吊り下げ作業では1〜2名、第3の最下階基準墨出し作業では2名、第4の最下階において、基準型板調整確認要員17がリモコン装置13を使って遠隔操作しながら、基準型板9の自動位置決め装置を動かして位置調整を行いながら最下階で基準確認を行う作業は1名で可能となるので、従来の3名から大幅に省力化される。また、第5の中間階データ取り作業では1〜2名、そして第6の最下階において、基準型板調整確認要員17がリモコン装置13を使って遠隔操作しながら、基準型板9の自動位置決め装置を動かして位置調整を行いながら最下階で基準確認を行う作業は1名で可能となるので、従来の3名から大幅に省力化される。これにより、エレベータ据付時の鉛直方向基準位置決め作業の人員の省略化とコストの削減を図ることができる。
【0016】
実施の形態2.
上記実施の形態1では、エレベータ用基準型板の自動位置決め装置及びその方法は、最下階でのピアノ線位置決め所要時間が問題となり、位置決めにかかる時間は、型板を動かしたことによるピアノ線錘の振り子運動を静止させることにその殆どの時間が費やされるので、その静止時間短縮対策として、ピアノ線14の錘15を水入り容器16内に入れる場合について説明したが、この実施の形態2においては、水入り容器16内に水の代わりに石鹸水、中性洗剤等からなる洗剤を入れ、この洗剤中にピアノ線14の錘15を冠水させた場合について説明する。
【0017】
この実施の形態2の場合、錘15は水入り容器16内の洗剤(100%)に全て冠水させた状態では静止時間が約50秒となり、錘の振り子運動を抑える効果が最も良く現われるとともに、使用後の洗剤の後始末が容易であるという利点がある。また、洗剤に水を加えて洗剤0.16%とし、これに錘15を冠水させた状態では静止時間が約98〜106秒となるが、泡立たせる場合があるので、問題がある。
なお、水や洗剤の代わりに油を使用することも考えられるが、昇降路ピットでは使用後の油の後始末に困るので、使用することは難しい。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】この発明の実施の形態1におけるエレベータ用基準型板の自動位置決め装置及びその方法を示す全体構成図である。
【図2】この発明の実施の形態1におけるエレベータ用基準型板の自動位置決め方法に用いる自動位置決め装置の要部構成を示す部分平面図である。
【図3】この発明の実施の形態1におけるエレベータ用基準型板の自動位置決め方法を実施している様子を示す要部側面図である。
【図4】従来のエレベータ据付時の鉛直方向基準位置決め方法を示す全体構成図である。
【符号の説明】
【0019】
1 昇降路
2 ピット
3 頂部
4 最下階
5 最上階
6 中間階
7 作業台
8 型板サポート部材
9 基準型板
10 ピアノ線垂下部
11 X軸方向位置決め装置
12 Y軸方向位置決め装置
13 リモコン装置
14 ピアノ線
15 錘
16 錘静止用水入り容器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
昇降路の最上部に平面方向に所定間隔を置いて設置された型板サポート部材と、
前記型板サポート部材間に跨って乗場側に沿って平行に設けられ、両端部にピアノ線垂下部が設けられた基準型板と、
前記基準型板に設けられ、内蔵されたモーターにより該基準型板の乗場側と直交方向及び乗場側と平行方向の平面的な動きをそれぞれ調整制御する基準型板の自動位置決め装置と、
前記基準型板の自動位置決め装置を最下階の乗場より遠隔操作にてリモートコントロールすることが可能なリモコン装置と、
前記基準型板の両端部のピアノ線垂下部から垂下され、下端部に錘が取り付けられたピアノ線と、
昇降路ピットに設けられ、前記ピアノ線の下端部に吊下げられた前記錘を浸して錘の振り子運動を抑える錘静止用水入り容器と、
を備えたことを特徴とするエレベータ用基準型板の自動位置決め装置。
【請求項2】
基準型板の自動位置決め装置は、基準型板の両端部にそれぞれ設けられて基準型板の両端部の乗場側と直行方向の平面的な動きを独立して調整制御するX軸方向位置決め装置と、前記基準型板の中間部に設けられて基準型板の乗場側と平行方向の平面的な動きを調整制御するY軸方向位置決め装置とから構成したことを特徴とする請求項1記載のエレベータ用基準型板の自動位置決め装置。
【請求項3】
錘静止用水入り容器は、内部に水又は洗剤を入れて錘を冠水又は浸すようにしたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載のエレベータ用基準型板の自動位置決め装置。
【請求項4】
昇降路の最上部に平面方向に所定間隔を置いて設置された型板サポート部材と、前記型板サポート部材間に跨って乗場側に沿って平行に設けられ、両端部にピアノ線垂下部が設けられた基準型板と、前記基準型板に設けられ、内蔵されたモーターにより該基準型板の乗場側と直交方向及び乗場側と平行方向の平面的な動きをそれぞれ調整制御する基準型板の自動位置決め装置と、前記基準型板の自動位置決め装置を最下階の乗場より遠隔操作にてリモートコントロールすることが可能なリモコン装置と、前記基準型板の両端部のピアノ線垂下部から垂下され、下端部に錘が取り付けられたピアノ線と、昇降路ピットに設けられ、前記ピアノ線の下端部に吊下げられた前記錘を浸して錘の振り子運動を抑える錘静止用水入り容器とを備えたエレベータ用基準型板の自動位置決め方法であって、
前記基準型板に前記自動位置決め装置をセットし、セットされた前記基準型板を前記型板サポート部材に取り付けて自動位置決めの準備を行うステップと、前記基準型板の両端部のピアノ線垂下部からピアノ線を下ろし、ピアノ線の下端部に錘を吊下げるステップと、最下階基準の墨出しを行うステップと、最下階にてリモコン装置を使って遠隔操作しながら、前記自動位置決め装置を動かして前記基準基板の位置調整を行いながら最下階で基準確認を行うステップと、昇降路ピットで錘静止用水入り容器に前記錘を浸して、前記錘の振り子運動を抑えるステップとを備えたことを特徴とするエレベータ用基準型板の自動位置決め方法。
【請求項5】
昇降路の最上部に平面方向に所定間隔を置いて設置された型板サポート部材と、前記型板サポート部材間に跨って乗場側に沿って平行に設けられ、両端部にピアノ線垂下部が設けられた基準型板と、前記基準型板の両端部にそれぞれ設けられて基準型板の両端部の乗場側と直行方向の平面的な動きを独立して調整制御するX軸方向位置決め装置と、前記基準型板の中間部に設けられて基準型板の乗場側と平行方向の平面的な動きを調整制御するY軸方向位置決め装置と、前記X軸方向位置決め装置とY軸方向位置決め装置から構成された基準型板の自動位置決め装置を最下階の乗場より遠隔操作にてリモートコントロールすることが可能なリモコン装置と、前記基準型板の両端部のピアノ線垂下部から垂下され、下端部に錘が取り付けられたピアノ線と、昇降路ピットに設けられ、前記ピアノ線の下端部に吊下げられた前記錘を浸して錘の振り子運動を抑える錘静止用水入り容器とを備えたエレベータ用基準型板の自動位置決め方法であって、
前記基準型板に前記X軸方向位置決め装置とY軸方向位置決め装置から構成された自動位置決め装置をセットし、セットされた前記基準型板を前記型板サポート部材に取り付けて自動位置決めの準備を行うステップと、前記基準型板の両端部のピアノ線垂下部からピアノ線を下ろし、ピアノ線の下端部に錘を吊下げるステップと、最下階基準の墨出しを行うステップと、最下階にてリモコン装置を使って遠隔操作しながら、前記X軸方向位置決め装置とY軸方向位置決め装置を動かして前記基準型板の位置調整を行いながら最下階で基準確認を行うステップと、昇降路ピットで錘静止用水入り容器に前記錘を浸して、前記錘の振り子運動を抑えるステップとを備えたことを特徴とするエレベータ用基準型板の自動位置決め方法。
【請求項6】
錘静止用水入り容器は、内部に水又は洗剤を入れて錘を冠水又は浸すようにしたことを特徴とする請求項4又は請求項5記載のエレベータ用基準型板の自動位置決め方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−23801(P2009−23801A)
【公開日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−189685(P2007−189685)
【出願日】平成19年7月20日(2007.7.20)
【出願人】(000236056)三菱電機ビルテクノサービス株式会社 (1,792)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】