説明

エレベータ着床装置用隙間寸法点検装置およびエレベータ着床装置用隙間寸法点検方法

【課題】点検作業の効率化を図ることができるエレベータ着床装置用隙間寸法点検装置を得る。
【解決手段】かご1に設けられた磁気センサ21と昇降路に設けられた着床プレート22との隙間寸法を測定する隙間寸法点検装置3であって、かご1に設けられ、磁気センサ21に対向する着床プレート22の端面が含まれるように撮影するカメラ31と、カメラ31に撮影された画像における着床プレート22の端面の位置に基づいて、着床プレート22の幅方向についての磁気センサ21と着床プレート22との隙間寸法を測定し、カメラ31に撮影された画像における着床プレート22の端面の幅方向の大きさに基づいて、着床プレート22の奥行方向についての磁気センサ21と着床プレート22との隙間寸法を測定する隙間寸法測定装置321と、隙間寸法測定装置321の測定結果を記憶する記憶装置323とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、かごに設けられた磁気センサと昇降路に設けられた着床プレートとの隙間寸法を測定するエレベータ着床装置用隙間寸法点検装置およびエレベータ着床装置用隙間寸法点検方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、かごの上部に設けられた磁気センサと昇降路に設けられた着床プレートとを備えたエレベータ着床装置の磁気センサと着床プレートとの隙間寸法を測定するエレベータ着床装置用隙間寸法点検装置であって、磁気センサに設けられ、着床プレートの幅方向についての磁気センサと着床プレートとの隙間寸法を測定するための幅方向用目盛りと、磁気センサに設けられ、着床プレートの奥行方向についての磁気センサと着床プレートとの隙間寸法を測定するための奥行方向用目盛りとを備えたエレベータ着床装置用隙間寸法点検装置が知られている。点検作業者は、かごの上部に乗り、幅方向用目盛りおよび奥行方向用目盛りを用いて、着床プレートの幅方向および奥行方向についての磁気センサと着床プレートとの隙間寸法を測定する(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−109847号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、点検作業者がかごに乗り、幅方向用目盛りおよび奥行方向用目盛りを用いた点検作業者の目視によって、磁気センサと着床プレートとの隙間寸法を測定するので、かごを各階に停止させなければならず、点検作業の効率が悪いという問題点があった。
【0005】
この発明は、点検作業の効率化を図ることができるエレベータ着床装置用隙間寸法点検装置およびエレベータ着床装置用隙間寸法点検方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係るエレベータ着床装置用隙間寸法点検装置は、かごに設けられた磁気センサと前記磁気センサに対向するように昇降路に設けられた着床プレートとを備えたエレベータ着床装置の前記磁気センサと前記着床プレートとの隙間寸法を測定するエレベータ着床装置用隙間寸法点検装置であって、前記かごに設けられ、前記磁気センサに対向する前記着床プレートの端面が含まれるように撮影するカメラと、前記カメラにより撮影された画像における前記端面の位置に基づいて、前記着床プレートの幅方向についての前記磁気センサと前記着床プレートとの隙間寸法を測定し、前記画像における前記端面の前記幅方向の大きさに基づいて、前記着床プレートの奥行方向についての前記磁気センサと前記着床プレートとの隙間寸法を測定する隙間寸法測定装置と、前記隙間寸法測定装置の測定結果を記憶する記憶装置とを備えている。
【0007】
この発明に係るエレベータ着床装置用隙間寸法点検方法は、かごに設けられた磁気センサと前記磁気センサに対向するように昇降路に設けられた着床プレートとを備えたエレベータ着床装置の前記磁気センサと前記着床プレートとの隙間寸法を測定するエレベータ着床装置用隙間寸法点検方法であって、前記かごに設けられたカメラにより、前記磁気センサに対向する前記着床プレートの端面が含まれるように撮影する撮影工程と、前記カメラにより撮影された画像における前記端面の位置に基づいて、前記着床プレートの幅方向についての前記磁気センサと前記着床プレートとの隙間寸法を測定し、前記画像における前記端面の前記幅方向の大きさに基づいて、前記着床プレートの奥行方向についての前記磁気センサと前記着床プレートとの隙間寸法を測定する隙間寸法測定工程と、前記隙間寸法測定工程の測定結果を記憶する記憶工程とを備えている。
【発明の効果】
【0008】
この発明に係るエレベータ着床装置用隙間寸法点検装置によれば、かごに設けられ、磁気センサに対向する着床プレートの端面が含まれるように撮影するカメラと、カメラにより撮影された画像における着床プレートの端面の位置に基づいて、着床プレートの幅方向についての磁気センサと着床プレートとの隙間寸法を測定し、カメラにより撮影された画像における着床プレートの端面の幅方向の大きさに基づいて、着床プレートの奥行方向についての磁気センサと着床プレートとの隙間寸法を測定する隙間寸法測定装置と、隙間寸法測定装置の測定結果を記憶する記憶装置とを備えているので、点検作業者の目視によることなく、磁気センサと着床プレートとの隙間寸法を測定することができる。その結果、点検作業の効率化を図ることができる。
【0009】
この発明に係るエレベータ着床装置用隙間寸法点検方法によれば、かごに設けられたカメラにより、磁気センサに対向する着床プレートの端面が含まれるように撮影する撮影工程と、カメラにより撮影された画像における着床プレートの端面の位置に基づいて、着床プレートの幅方向についての磁気センサと着床プレートとの隙間寸法を測定し、カメラにより撮影された画像における着床プレートの端面の幅方向の大きさに基づいて、着床プレートの奥行方向についての磁気センサと着床プレートとの隙間寸法を測定する隙間寸法測定工程と、隙間寸法測定工程の測定結果を記憶する記憶工程とを備えているので、点検作業者の目視によることなく、磁気センサと着床プレートとの隙間寸法を測定することができる。その結果、点検作業の効率化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】この発明の実施の形態1に係るエレベータを示す正面図である。
【図2】図1のエレベータを示す平面図である。
【図3】図2のエレベータ着床装置を示す平面図である。
【図4】図1の隙間寸法測定装置を示すブロック図である。
【図5】図3の着床プレートが基準位置にある状態でカメラにより撮影された画像を示す図である。
【図6】図5の着床プレートの位置が幅方向に変化した状態でカメラにより撮影された画像を示す図である。
【図7】図5の着床プレートの位置が奥行方向に変化した状態でカメラにより撮影された画像を示す図である。
【図8】図3の隙間寸法点検装置を用いてエレベータ着床装置を点検する工程を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係るエレベータを示す正面図、図2は図1のエレベータを示す平面図である。図において、昇降路には、かご1が昇降可能に設けられている。昇降路とかご1との間には、かご1を各階に着床させるためのエレベータ着床装置2が設けられている。
【0012】
エレベータ着床装置2は、かご1に対して固定された磁気センサ21と、昇降路に対して固定された着床プレート22とを有している。磁気センサ21は、基部211と、下降するかご1が着床するための一対の下降用磁気センサ部212と、上昇するかご1が着床するための一対の上昇用磁気センサ部213とを有している。下降用磁気センサ部212は、上昇用磁気センサ部213よりも上方に配置されている。着床プレート22は、着床プレート22が取り付けられる昇降路の壁に対して垂直な方向に延び、かつ、かご1が昇降する方向に延びて配置されている。また、着床プレート22は、かご1が着床する場合に基部211に対向するように配置されている。基部211に対向する着床プレート22の端面は、着床プレート22の他の表面部分と異なる色、例えば、赤色に着色されている。図では、1つの着床プレート22を示しているが、各階に対応するように、複数の着床プレート22が設けられている。
【0013】
かご1には、磁気センサ21と着床プレート22との隙間寸法を測定する隙間寸法点検装置(エレベータ着床装置用隙間寸法点検装置)3が設けられている。隙間寸法点検装置3は、定期的に磁気センサ21と着床プレート22との隙間寸法を測定するようになっている。隙間寸法点検装置3は、磁気センサ21に対して固定されたカメラ31と、かご1の上部に設けられた隙間寸法点検装置本体32とを備えている。カメラ31は、撮影される画像の中に基部211に対向する着床プレート22の端面が含まれるように配置されている。隙間寸法点検装置本体32には、カメラ31が撮影した画像が入力されるようになっている。なお、この実施の形態1では、カメラ31が磁気センサ21に固定される構成について説明するが、これに限らず、磁気センサ21と着床プレート22との隙間寸法が撮影することができる位置であれば、かご1の任意の位置にカメラ31を固定してもよい。
【0014】
図3は図2のエレベータ着床装置2を示す平面図である。一対の下降用磁気センサ部212は、基部211から着床プレート22が取り付けられている昇降路の壁に向かって延びている。一対の下降用磁気センサ部212は、下降用磁気センサ部212の間に着床プレート22が挿入されるように配置されている。図示していないが、一対の上昇用磁気センサ部213は、一対の下降用磁気センサ部212と同様に基部211に取り付けられている。したがって、下降用磁気センサ部212と着床プレート22との間の隙間寸法は、上昇用磁気センサ部213と着床プレート22との隙間寸法と同一である。
【0015】
着床プレート22と磁気センサ21との隙間寸法とは、着床プレート22の幅方向についての磁気センサ21と着床プレート22との隙間寸法Xと、着床プレート22の奥行方向についての磁気センサ21と着床プレート22との隙間寸法Yとを含んだ隙間寸法である。着床プレート22の奥行方向とは、着床プレート22が取り付けられた昇降路の壁に対して垂直な方向である。
【0016】
着床プレート22の幅方向についての磁気センサ21と着床プレート22との隙間寸法Xとは、下降用磁気センサ部212と着床プレート22との隙間寸法または上昇用磁気センサ部213と着床プレート22との隙間寸法である。下降用磁気センサ部212と着床プレート22との間の隙間寸法と、上昇用磁気センサ部213と着床プレート22との隙間寸法とは、同一であるので、この例では、着床プレート22の幅方向についての磁気センサ21と着床プレート22との隙間寸法の測定として、下降用磁気センサ部212と着床プレート22との隙間寸法の測定を説明する。
【0017】
着床プレート22の奥行方向についての磁気センサ21と着床プレート22との間の隙間寸法Yとは、基部211と着床プレート22との間の隙間寸法である。
【0018】
磁気センサ21および着床プレート22は、エレベータ着床装置2が設置されるときに、着床プレート22の幅方向についての磁気センサ21と着床プレート22との隙間寸法Xおよび着床プレート22の奥行方向についての磁気センサ21と着床プレート22との隙間寸法Yが所定の範囲内となるように配置される。エレベータ着床装置2が設置された後、ビルの伸縮や地震等によって、隙間寸法Xまたは隙間寸法Yが所定の範囲を超える場合があるので、隙間寸法Xおよび隙間寸法Yを定期的に点検する必要がある。
【0019】
図4は図1の隙間寸法点検装置3を示すブロック図である。図において、隙間寸法点検装置本体32は、カメラ31により撮影された画像に基づいて着床プレート22と磁気センサ21との隙間寸法を測定する隙間寸法測定装置321と、隙間寸法測定装置321の測定結果に基づいて、着床プレート22と磁気センサ21との隙間寸法が所定の範囲内であるか否かを判定する判定装置322と、隙間寸法測定装置321の測定結果および判定装置322の判定結果を記憶する記憶装置323と、判定装置322の判定結果に基づいて、情報センタ(外部)4に発報する発報装置324とを備えている。
【0020】
隙間寸法測定装置321は、磁気センサ21に対する着床プレート22の位置が基準位置となる状態でカメラ31により撮影されたときの基部211に対向する着床プレート22の端面の画像である基準画像を記憶している。隙間寸法測定装置321は、記憶している基準画像と、カメラ31により撮影された画像とを比較することにより、着床プレート22と磁気センサ21との隙間寸法を測定する。
【0021】
判定装置322は、許容される着床プレート22と磁気センサ21との隙間寸法である所定の範囲の情報を記憶している。判定装置322は、隙間寸法測定装置321により測定された着床プレート22と磁気センサ21との隙間寸法と、記憶している所定の範囲の情報とを比較して、着床プレート22と磁気センサ21との隙間寸法が所定の範囲内であるか否かを判定する。
【0022】
記憶装置323は、かご1の昇降を制御するエレベータ制御盤5からかご1の位置情報を取得するようになっている。また、記憶装置323は、かご1の位置情報に対応させて、隙間寸法測定装置321の測定結果および判定装置322の判定結果を記憶する。
【0023】
発報装置324には、隙間寸法測定装置321の測定結果および判定装置322の判定結果が入力されるようになっている。発報装置324は、着床プレート22と磁気センサ21との隙間寸法が所定の範囲内ではないと判定装置322が判定する場合に、着床プレート22と磁気センサ21との隙間寸法が所定の範囲内ではない旨および隙間寸法測定装置321の測定結果を情報センタ4に対して発報する。
【0024】
次に、隙間寸法測定装置321による着床プレート22と磁気センサ21との隙間寸法の測定について説明する。図5は図3の着床プレート22が基準位置にある状態でカメラ31により撮影された画像を示す図、図6は図5の着床プレート22の位置が幅方向に変化した状態でカメラ31により撮影された画像を示す図、図7は図5の着床プレート22の位置が奥行方向に変化した状態でカメラ31により撮影された画像を示す図である。磁気センサ21に対する着床プレート22の位置が、着床プレート22の幅方向について変化すると、カメラ31により撮影された画像における着床プレート22の端面の位置が変化する。隙間寸法測定装置321は、カメラ31により撮影された画像における着床プレート22の端面の位置に基づいて、着床プレート22の幅方向についての着床プレート22と磁気センサ21との隙間寸法Xのずれ量を測定する。具体的には、隙間寸法測定装置321は、カメラ31により撮影された画像における着床プレート22の端面の幅方向中心部の位置と、基準画像における着床プレート22の端面の幅方向中心部の位置とを比較して、着床プレート22の幅方向についての着床プレート22と磁気センサ21との隙間寸法Xのずれ量を測定する。また、隙間寸法測定装置321は、測定した隙間寸法Xのずれ量と着床プレート22の基準位置とに基づいて、着床プレート22の幅方向についての着床プレート22と磁気センサ21との隙間寸法Xを算出する。許容される隙間寸法Xのずれ量は、例えば、数mm程度となっている。
【0025】
磁気センサ21に対する着床プレート22の位置が、着床プレート22の奥行方向について変化すると、カメラ31に撮影された画像における着床プレート22の端面の幅方向の大きさが変化する。隙間寸法測定装置321は、カメラ31により撮影された画像における着床プレート22の端面の幅方向の大きさに基づいて、着床プレート22の奥行方向についての着床プレート22と磁気センサ21との隙間寸法Yのずれ量を測定する。具体的には、隙間寸法測定装置321は、カメラ31により撮影された画像における着床プレート22の端面の幅方向寸法と、基準画像における着床プレート22の端面の幅方向寸法とを比較して、カメラ31により撮影された画像における着床プレート22の端面の幅方向寸法の変化量を測定する。カメラ31により撮影された画像における着床プレート22の端面の幅方向寸法の変化量と着床プレート22の奥行方向についての着床プレート22と磁気センサ21との隙間寸法Yのずれ量とは、一対一の関係であるので、隙間寸法測定装置321は、測定した幅方向寸法の変化量に基づいて、隙間寸法Yのずれ量を算出する。また、隙間寸法測定装置321は、算出した隙間寸法Yのずれ量と着床プレート22の基準位置とに基づいて、着床プレート22の奥行方向についての着床プレート22と磁気センサ21との隙間寸法Yを算出する。許容される隙間寸法Yのずれ量は、例えば、5mm〜10mm程度となっている。
【0026】
次に、隙間寸法点検装置3の動作について説明する。図8は図3の隙間寸法点検装置3を用いてエレベータ着床装置2を点検する工程を示すフローチャートである。まず、かご1が移動を開始する(ステップS101)。かご1の移動は、昇降であっても下降であってもよい。その後、隙間寸法測定装置321は、エレベータ制御盤5から受けるかご1の位置情報に基づいて、かご1が階に到達したか否かを判定する(ステップS102)。ステップS102で、かご1が階に到達していないと隙間寸法測定装置321が判定すると、ステップS102が繰り返される。
【0027】
一方、ステップS102で、かご1が階に到達したと隙間寸法測定装置321が判定すると、カメラ31が着床プレート22を撮影し(撮影工程)、隙間寸法測定装置321は、カメラ31が撮影した画像に基づいて、着床プレート22の厚さ方向についての磁気センサ21と着床プレート22との隙間寸法Xを測定する(隙間寸法測定工程)(ステップS103)。その後、判定装置322は、隙間寸法測定装置321の測定結果に基づいて、着床プレート22の厚さ方向についての磁気センサ21と着床プレート22との隙間寸法Xが所定の範囲内であるか否かを判定する(判定工程)(ステップS104)。ステップS104で、隙間寸法Xが所定の範囲内であると判定装置322が判定すると、記憶装置323は、かご1の位置情報に対応させて隙間寸法測定装置321の測定結果および判定装置322の判定結果を記憶する(記憶工程)(ステップS105)。
【0028】
一方、ステップS104で、隙間寸法Xが所定の範囲内ではないと判定装置322が判定すると、発報装置324は情報センタ4に発報し(発報工程)(ステップS106)、その後、ステップS105に進む。
【0029】
ステップS105の後、隙間寸法測定装置321は、カメラ31が撮影した画像に基づいて、着床プレート22の奥行方向についての磁気センサ21と着床プレート22との隙間寸法Yを測定する(隙間寸法測定工程)(ステップS107)。その後、判定装置322は、隙間寸法測定装置321の測定結果に基づいて、着床プレート22の奥行方向についての磁気センサ21と着床プレート22との隙間寸法Yが所定の範囲内であるか否かを判定する(判定工程)(ステップS108)。ステップS108で、隙間寸法Yが所定の範囲内であると判定装置322が判定すると、記憶装置323は、かご1の位置情報に対応させて隙間寸法測定装置321の測定結果および判定装置322の判定結果を記憶する(記憶工程)(ステップS109)。
【0030】
一方、ステップS108で、隙間寸法Yが所定の範囲内ではないと判定装置322が判定すると、発報装置324は情報センタ4に発報し(発報工程)(ステップS110)、その後、ステップS109に進む。
【0031】
ステップS109の後、隙間寸法測定装置321は、かご1が全ての階に到達したか否かを判定する(ステップS111)。ステップS111で、かご1が到達した階が全ての階ではないと隙間寸法測定装置321が判定すると、ステップS102に戻る。
【0032】
一方、ステップS111で、かご1の全ての階に到達したと隙間寸法測定装置321が判定すると、かご1が停止し(ステップS112)、隙間寸法点検装置3を用いたエレベータ着床装置2の点検が終了する。その後、点検作業者は、記憶装置323から隙間寸法測定装置321の測定結果および判定装置322の判定結果を取得する。
【0033】
以上説明したように、この発明の実施の形態1に係る隙間寸法点検装置3によれば、磁気センサ21に対して固定され、磁気センサ21に対向する着床プレート22の端面が含まれるように撮影するカメラ31と、カメラ31により撮影された画像における着床プレート22の端面の位置に基づいて、着床プレート22の幅方向についての磁気センサ21と着床プレート22との隙間寸法を測定し、カメラ31により撮影された画像における着床プレート22の端面の幅方向の大きさに基づいて、着床プレート22の奥行方向についての磁気センサ21と着床プレート22との隙間寸法を測定する隙間寸法測定装置321と、隙間寸法測定装置321の測定結果を記憶する記憶装置323とを備えているので、点検作業者の目視によることなく、磁気センサ21と着床プレート22との隙間寸法を測定することができる。その結果、点検作業の効率化を図ることができる。
【0034】
また、着床プレート22は、各階に対応して設けられており、記憶装置323は、かご1の昇降を制御するエレベータ制御盤5からかご1の位置情報を取得し、取得した位置情報と対応させて隙間寸法測定装置321の測定結果を記憶するので、各階における磁気センサ21と着床プレート22との隙間寸法を測定することができる。
【0035】
また、隙間寸法点検装置3は、隙間寸法測定装置321の測定結果に基づいて、着床プレート22の幅方向についての磁気センサ21と着床プレート22との隙間寸法および着床プレート22の奥行方向についての磁気センサ21と着床プレート22との隙間寸法が所定の範囲内であるか否かを判定する判定装置322と、判定装置322の判定結果に基づいて、情報センタ4に発報する発報装置324とをさらに備えているので、磁気センサ21と着床プレート22との隙間寸法が所定の範囲内ではない場合に、その旨を情報センタ4に発報することにより、情報センタ4に待機する保守作業員に対して、磁気センサ21と着床プレート22との隙間寸法が所定の範囲内ではないことを知らせることができる。
【0036】
また、この発明の実施の形態1に係るエレベータ着床装置用隙間寸法点検方法によれば、磁気センサ21に対して固定されたカメラ31により、磁気センサ21に対向する着床プレート22の端面が含まれるように撮影する撮影工程と、カメラ31により撮影された画像における着床プレート22端面の位置に基づいて、着床プレート22の幅方向についての磁気センサ21と着床プレート22との隙間寸法を測定し、カメラ31により撮影された画像における着床プレート22端面の幅方向の大きさに基づいて、着床プレート22の奥行方向についての磁気センサ21と着床プレート22との隙間寸法を測定する隙間寸法測定工程と、隙間寸法測定工程の測定結果を記憶する記憶工程とを備えているので、点検作業者の目視によることなく、磁気センサ21と着床プレート22との隙間寸法を測定することができる。その結果、点検作業の効率化を図ることができる。
【0037】
なお、上記実施の形態1では、隙間寸法測定装置321が、着床プレート22の厚さ方向についての磁気センサ21と着床プレート22との隙間寸法Xを測定した後に、着床プレート22の奥行方向についての磁気センサ21と着床プレート22との隙間寸法Yを測定する構成について説明したが、隙間寸法測定装置321は、着床プレート22の奥行方向についての磁気センサ21と着床プレート22との隙間寸法Yを測定した後に、着床プレート22の厚さ方向についての磁気センサ21と着床プレート22との隙間寸法Xを測定する構成であってもよい。
【0038】
また、上記実施の形態1では、隙間寸法測定装置321が着床プレート22と磁気センサ21との隙間寸法を測定する構成について説明したが、着床プレート22が昇降路の壁に直交する方向に対して傾斜する場合には、カメラ31により撮影される画像には、着床プレート22の端面の他に着床プレート22の側面も含まれるので、隙間寸法測定装置321は、着床プレート22の側面をさらに検出する構成であってもよい。これにより、着床プレート22が昇降路の壁に直交する方向に対して傾斜することをさらに検出することができる。
【0039】
また、上記実施の形態1では、カメラ31と隙間寸法点検装置本体32とを備えた隙間寸法点検装置3の構成について説明したが、着床プレート22を照らす照明装置をさらに備えた隙間寸法点検装置3であってもよい。これにより、昇降路内が暗い場合であっても、カメラ31は、着床プレート22の端面を確実に撮影することができる。
【0040】
また、上記実施の形態1では、隙間寸法点検装置3が磁気センサ21と着床プレート22との隙間寸法を定期的に測定する構成について説明したが、隙間寸法点検装置3が磁気センサ21と着床プレート22との隙間寸法をエレベータの運転中に常に測定する構成であってもよい。
【符号の説明】
【0041】
1 かご、2 エレベータ着床装置、3 隙間寸法点検装置(エレベータ着床装置用隙間寸法点検装置)、4 情報センタ(外部)、5 エレベータ制御盤、21 磁気センサ、22 着床プレート、31 カメラ、32 隙間寸法点検装置本体、211 基部、212 下降用磁気センサ部、213 上昇用磁気センサ部、321 隙間寸法測定装置、322 判定装置、323 記憶装置、324 発報装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
かごに設けられた磁気センサと前記磁気センサに対向するように昇降路に設けられた着床プレートとを備えたエレベータ着床装置の前記磁気センサと前記着床プレートとの隙間寸法を測定するエレベータ着床装置用隙間寸法点検装置であって、
前記かごに設けられ、前記磁気センサに対向する前記着床プレートの端面が含まれるように撮影するカメラと、
前記カメラにより撮影された画像における前記端面の位置に基づいて、前記着床プレートの幅方向についての前記磁気センサと前記着床プレートとの隙間寸法を測定し、前記画像における前記端面の前記幅方向の大きさに基づいて、前記着床プレートの奥行方向についての前記磁気センサと前記着床プレートとの隙間寸法を測定する隙間寸法測定装置と、
前記隙間寸法測定装置の測定結果を記憶する記憶装置と
を備えたことを特徴とするエレベータ着床装置用隙間寸法点検装置。
【請求項2】
前記着床プレートは、各階に対応して設けられており、
前記記憶装置は、前記かごの昇降を制御するエレベータ制御盤から前記かごの位置情報を取得し、前記位置情報に対応させて前記測定結果を記憶することを特徴とする請求項1に記載のエレベータ着床装置用隙間寸法点検装置。
【請求項3】
前記測定結果に基づいて、前記着床プレートの幅方向についての前記磁気センサと前記着床プレートとの隙間寸法および前記着床プレートの奥行方向についての前記磁気センサと前記着床プレートとの隙間寸法が所定の範囲内であるか否かを判定する判定装置と、
前記判定装置の判定結果に基づいて、外部に発報する発報装置と
をさらに備えたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のエレベータ着床装置用隙間寸法点検装置。
【請求項4】
かごに設けられた磁気センサと前記磁気センサに対向するように昇降路に設けられた着床プレートとを備えたエレベータ着床装置の前記磁気センサと前記着床プレートとの隙間寸法を測定するエレベータ着床装置用隙間寸法点検方法であって、
前記かごに設けられたカメラにより、前記磁気センサに対向する前記着床プレートの端面が含まれるように撮影する撮影工程と、
前記カメラにより撮影された画像における前記端面の位置に基づいて、前記着床プレートの幅方向についての前記磁気センサと前記着床プレートとの隙間寸法を測定し、前記画像における前記端面の前記幅方向の大きさに基づいて、前記着床プレートの奥行方向についての前記磁気センサと前記着床プレートとの隙間寸法を測定する隙間寸法測定工程と、
前記隙間寸法測定工程の測定結果を記憶する記憶工程と
を備えたことを特徴とするエレベータ着床装置用隙間寸法点検方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−82542(P2013−82542A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−224100(P2011−224100)
【出願日】平成23年10月11日(2011.10.11)
【出願人】(000236056)三菱電機ビルテクノサービス株式会社 (1,792)
【Fターム(参考)】