説明

エレベータ装置

【課題】かご内の乗客の閉じ込めが発生した場合には、かご操作盤の全ての操作釦を連絡装置作動用釦として割り当てるエレベータ装置を得ることを目的とする。
【解決手段】行き先階釦11a〜11d、戸開釦11e、戸閉釦11f、及び連絡装置作動用釦11gを含む複数の操作釦11を有するかご操作盤10、及び連絡装置作動用釦11gが押されることで外部との間で連絡可能となる外部連絡手段が配設されたかご5と、押された操作釦11に応じてかご5の運転制御を行うエレベータ制御盤31と、エンコーダ26、重量センサ27、及びタイマ35を有し、かご5の運転状態の情報を検出する運転状態検出手段と、を備えるエレベータ装置1において、エレベータ制御盤31は、運転状態の情報に基づいてかご内の乗客の閉じ込め発生の有無を判断し、かご5内の乗客の閉じ込めが発生したと判断すると、操作釦11の全てを連絡装置作動用釦として割り当てる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、エレベータ制御盤がかご内の乗客の閉じ込めが発生したと判断したときに、かご操作盤の操作釦の用途を変更するエレベータ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のエレベータの通報装置は、管制運転装置と、外部連絡装置で構成されるエレベータにおいて、管制運転装置に管制運転が指令され、管制完了状態になると、かご操作盤(かご内運転盤)の開釦は有効にしたまま、開釦以外の釦が押されたときには、外部連絡装置を動作させ、管理人と連絡がとれるようにしていた(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
管制運転は、例えば、エレベータに備えられた地震検知器が地震を検知した場合に、管制運転装置に管制運転指令が送信されて開始される。そして、管制運転が開始されると、かごを自動的に最寄り階まで運転した後停止させ、かご内の乗客が降りた後、ドアを閉じ、管制完了状態で待機するという一連の動作が行われる。
【0004】
【特許文献1】実開平7−31762号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来のエレベータの管制運転は、かごの昇降運転が正常に継続されているエレベータに対して行われるものである。例えば、かごの昇降運転が不能になったエレベータに対しては自動的にかごを最寄り階に停止させることができず、管制完了状態にならない。従って、従来のエレベータの通報装置は、開釦以外の釦が押されたときに外部連絡装置を動作させる制御を行わない。このとき、昇降不能になったかご内に閉じ込められた乗客がパニックに陥って外部連絡装置接続用の釦を探しあてられなかったり、外部連絡装置接続用の釦の存在自体を認知していなかったりして、とりあえずかご操作盤のいずれかの釦を押してみても、それが外部連絡装置接続用の釦でなければ外部連絡装置を動作させることができない。よって、外部との連絡がとれない乗客は不安感にかられるという問題があった。
【0006】
この発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、かご内の乗客の閉じ込めが発生した場合には、かご操作盤の全ての操作釦を連絡装置作動用釦として割り当てるエレベータ装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明によるエレベータ装置は、行き先階釦、戸開釦、戸閉釦、及び連絡装置作動用釦を含む複数の操作釦を有するかご操作盤、及び上記連絡装置作動用釦が押されることで外部との間で連絡可能となる外部連絡手段が配設されたかごと、押された複数の上記操作釦に応じて上記かごの運転制御を行うエレベータ制御盤と、上記かごの運転状態の情報を検出する運転状態検出手段と、を備え、エレベータ制御盤は、運転状態の情報に基づいてかご内の乗客の閉じ込め発生の有無を判断し、かご内の乗客の閉じ込めが発生したと判断すると、操作釦の全てを連絡装置作動用釦として割り当てている。
【発明の効果】
【0008】
この発明によれば、かご内の乗客の閉じ込めが発生されたときの乗客の不安感を取り去ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、この発明を実施するための最良の形態について、図面を参照して説明する。
図1はこの発明に係るエレベータ装置の模式図、図2はこの発明に係るエレベータ装置のかご操作盤の正面図、図3はこの発明に係るエレベータ装置のシステム構成図である。
【0010】
まず、エレベータ装置1の主要構成について説明する。
図1において、エレベータ装置1は4階建ての建造物に設置され、昇降路2、昇降路2の上部に設置される機械室3、駆動綱車4aと電動機4bを有する巻上機4、昇降路2内に配置されたかご5、主ロープ6、そらせ車7、つり合いおもり8、外部連絡手段としてのインターホン9、かご操作盤10、エレベータ制御盤31、報知手段としてのスピーカ12、かご位置検出手段としてのエンコーダ26、及びかご内乗客検出手段としての重量センサ27を備えている。
【0011】
そして、巻上機4、エレベータ制御盤31、エンコーダ26、及びそらせ車7が、機械室3に設置されている。
電動機4bは、その回転トルクを、駆動綱車4aに伝達可能に配設されている。また、エンコーダ26が、駆動綱車4aの回転数を検出可能に配設されている。
また、主ロープ6が、駆動綱車4aに掛け渡され、その一端側が昇降路2内に垂下され、その他端側がそらせ車7に掛け渡されて昇降路2内に垂下されている。
また、かご5は、かご室5aとかご室5aを支えるかご枠5bとで構成される。そして、かご枠5bが主ロープ6の一端に固着されている。さらに、つり合いおもり8が主ロープ6の他端に固着されている。
【0012】
そして、電動機4bの回転駆動が以下に述べるエレベータ制御盤31により制御され、かご5は、電動機4bのトルクにより回転駆動される駆動綱車4aと主ロープ6との間に発生する摩擦力を利用して昇降路2内を昇降可能になっている。
【0013】
また、エレベータ制御盤31は、演算制御手段としてのCPU32、CPU32が演算制御を行う際のワーキングエリアに用いられるRAM33、エレベータ装置1全体を制御するためのプログラムが格納されたROM34、及びタイマ35などを有している。
【0014】
また、圧電素子などを用いた周知の重量センサ27が、かご室5a内の重量変動を検出可能にかご室5aの床下に設置されている。
そして、エンコーダ26、重量センサ27、及びタイマ35が、運転状態検出手段を構成している。
さらに、スピーカ12が、かご室5a内に配設されている。
【0015】
また、インターホン9は、かご室5a内の乗客とかご5の外部のエレベータ装置1の管理室(図示せず)に駐在する管理者など、かご5の外部の人との間で対話可能に設置されている。
また、かご操作盤10が、かご室5a内に配設されている。かご操作盤10は、図2に示されるように、行き先階釦11a〜11d、戸開釦11e、戸閉釦11f、及び連絡装置作動用釦11gを含む複数の操作釦11を有している。なお、図2では説明の便宜上、それぞれ操作釦としての行き先階釦11a〜11d、戸開釦11e、戸閉釦11f、及び連絡装置作動用釦11gをまとめて操作釦11と表記している。
行き先階釦11a〜11dは、かご室5aに乗り込んだエレベータ装置1の利用者が、所望のかご5の行き先階を選択するためのものであり、戸開釦11eは、図示しないかご戸及び乗場戸とからなる戸の開動作させるためのものであり、戸閉釦11fは、戸のヘイ動作をさせるものであり、連絡装置作動用釦11gは、押されることによってインターホン9を作動させ、かご室5a内の乗客とエレベータ装置1の管理者など、かご5の外部の人との対話を可能にさせるものである。
そして、エレベータ制御盤31は、押された操作釦11に応じて、かご5の昇降動作または戸の開閉動作などの制御を行っている。
【0016】
次いで、かご操作盤10の詳細構成について説明する。
図3において、かご操作盤10は、上述の操作釦11の他、電源(図示せず)の高圧側端子21及び低圧側端子22、トランスファ接点15a〜15f、モード切替用リレーコイル19a〜19f、トランジスタ23及び抵抗24を備えている。ここでは、低圧側端子22は接地されているものとする。
【0017】
そして、行き先階釦11a〜11d、戸開釦11e、戸閉釦11f及び連絡装置作動用釦11gのそれぞれが、高圧側端子21に接続された第1固定接点13a〜13gのそれぞれと第2固定接点14a〜14gのそれぞれとの間を導通または遮断させるスイッチとして働いている。なお、操作釦11が押されたときに、押された操作釦11に応じて第1固定接点13a〜13fと第2固定接点14a〜14fとの間いずれかが導通されるようになっている。また、連絡装置作動用リレーコイル20の一端側が第2固定接点14gに接続され、連絡装置作動用リレーコイル20の他端側が低圧側端子22に接続されている。
なお、連絡装置作動用リレーコイル20が励磁されると、前述のインターホン9が作動され、かご室5a内の乗客は、エレベータ装置1の管理室(図示せず)に駐在する管理者と対話することができるようになっている。
【0018】
また、トランスファ接点15a〜15gのそれぞれは、可動接点16a〜16f、第3固定接点17a〜17f及び第4固定接点18a〜18fを有している。そして、可動接点16a〜16fのそれぞれが、第2固定接点14a〜14fのそれぞれに接続され、第3固定接点17a〜17fは、連絡装置作動用リレーコイル20の一端側に接続され、第4固定接点18a〜18fのそれぞれがエレベータ制御盤31に接続されている。
【0019】
さらに、可動接点16a〜16fのそれぞれは、以下に述べるように配置されたモード切替用リレーコイル19a〜19fが励磁されたときに、図3の実線で示されるように第3固定接点17a〜17fのそれぞれに接続され、モード切替用リレーコイル19a〜19fが消勢されたときに、図3の点線で示されるように第4固定接点18a〜18fのそれぞれに接続されるようになっている。
【0020】
モード切替用リレーコイル19a〜19fは、高圧側端子21とトランジスタ23のコレクタCとの間に並列に接続されている。また、トランジスタ23のエミッタEは、低圧側端子22に接続されている。
【0021】
次いで、エレベータ装置1の各構成間の接続、及びそれらの機能について説明する。
図3において、トランジスタ23のベースBは、抵抗24を介して、エレベータ制御盤31に接続されている。エレベータ制御盤31のCPU32は、H(High)電圧またはL(接地)電圧のいずれかを任意に切り替えてベースBに印加することができるようになっている。
【0022】
そして、H電圧がベースBに印加された場合には、トランジスタ23のエミッタE−コレクタC間は導通してモード切替用リレーコイル19a〜19fが励磁され、前述したように、可動接点16a〜16fのそれぞれが、第3固定接点17a〜17fのそれぞれに接続される。また、ベースBに印加される電圧がL電圧に切り替えられると、トランジスタ23のエミッタE−コレクタC間の通電が遮断されてモード切替用リレーコイル19a〜19fは消勢され、前述したように、可動接点16a〜16fのそれぞれが、第4固定接点18a〜18fのそれぞれに接続される。
【0023】
エンコーダ26とエレベータ制御盤31とが電気的に接続されており、エンコーダ26が検出した駆動綱車4aの回転情報は、エレベータ制御盤31のRAM33に格納されてCPU32によって読み取られる。駆動綱車4aの回転数は、かご5の昇降移動距離に比例するので、エンコーダ26は、昇降路2内(かご5の移動方向)のかご5の高さ位置情報を検出しているのと同等である。そして、CPU32は、エンコーダ26からの受信信号を基に、かご5の昇降路2内の高さ位置を認知している。
【0024】
また、重量センサ27とエレベータ制御盤31とが電気的に接続されており、重量センサ27のかご室5aの重量変動情報が、エレベータ制御盤31のRAM33に格納されてCPU32によって読み取られる。かご室5a内の人の乗り降りによりかご室5a内の重量が変動されるので、重量センサ27は、かご室5a内の乗客の有無情報を検出可能である。そして、CPU32は、かご室5a内に人が居るか否かを、重量センサ27からの受信信号を基に判断している。
さらに、スピーカ12とエレベータ制御盤31とが電気的に接続されており、CPU33はスピーカ12に任意の報知をさせることができるようになっている。
また、CPU32はタイマ35による時間経過のカウントを任意に読み取り可能になっている。
【0025】
次いで、エレベータ装置1の全体動作について図3を参照しつつ説明する。
まず、かご5の昇降運転が正常に行われている場合について述べる。ここで、かご5の正常な昇降運転とは以下のものをいう。
エレベータ制御盤31のCPU32は、乗客によって行き先階釦11a〜11fのいずれかが押されると、電動機4bの駆動力により駆動綱車4aを回転させ、押された行き先階に向けてかご5を昇降させる。そして、CPU32は、目的の行き先階でかご5を着床させて乗客をかご室5aから乗降させたのち、次の行き先階に向けてかご5を昇降させる。この一連の動作が行える状態にある時をかご5の昇降運転が正常であるものとする。
【0026】
かご5の昇降運転が正常に行われている場合、CPU32はトランジスタ23のベースBへの印加電圧をL電圧としている。即ち、モード切替用リレーコイル19a〜19fは消勢されるので、トランスファ接点15a〜15fの可動接点16a〜16fのそれぞれは、図3の点線に示されるように、第4固定接点18a〜18fのそれぞれに接続されている。
【0027】
従って、かご操作盤10の行き先階釦11a〜11d、戸開釦11e及び戸閉釦11fのいずれかが押されると、エレベータ制御盤31では、押された操作釦11ごとに電圧を検知し、操作釦11のうち、いずれの釦が押されたかを認識する。そして、エレベータ制御盤31のCPU32は押された操作釦11に基づいてかご5の昇降動作及び戸の開閉動作の制御を行う。なお、連絡装置作動用釦11gが押されたときは、連絡装置作動用リレーコイル20が励磁されるので、前述のインターホン9が作動され、かご室5a内の乗客が管理室に駐在するエレベータ装置1の管理者と対話することができるようになっている。
【0028】
また、図示しないが、管理室にはアラーム音を発生可能な警告報知手段が配設されており、連絡装置作動用釦11gが押されたときには警告報知手段が自動的にアラーム音を発し、管理者にインターホン9が作動されたことを知らせるようになっている。
【0029】
次いで、かご室5a内に乗客を乗せたかご5の昇降運転が不能になった場合について述べる。CPU32は、所定の階床にかご5を昇降させる電動機4bの制御を行っているにも関わらず、かご5が所定の階床に到達せずに昇降路2内の所定の高さ位置に停止し、さらにタイマ35のタイムカウントが所定時間経過したときに、CPU32は、かご5の昇降運転が不能になったと判断する。
【0030】
そして、CPU32は、かご5の昇降運転が不能になったと判断すると、重量センサ27の受信信号を読み取って、かご室5a内に人が居るか否かを判断する。そして、CPU32は、かご室5a内に人が居ると判断した場合、かご室5a内(かご5内)の乗客の閉じ込めが発生したと判断するようになっている。
即ち、CPU32は、エンコーダ26で検出されたかご5の昇降路2内の高さ位置情報、タイマ35の時間経過のカウントの情報、及び重量センサ27で検出されたかご室5a内の重量変動の情報(かご室5a内の乗客の有無情報)からなるかご5の運転状態の情報に基づいて、かご室5a内の乗客の閉じ込め発生の有無を判断している。
【0031】
そして、CPU32は、かご室5a内の乗客の閉じ込めが発生したと判断すると、トランジスタ23のベースBへの印加電圧をL電圧からH電圧に切り替えてモード切替用リレーコイル19a〜19fを励磁させると同時に、スピーカ12に「かご操作盤のいずれかの釦押してください。管理者とインターホンで対話することができます。」などの内容を報知させる。
【0032】
モード切替用リレーコイル19a〜19fが励磁されると、可動接点16a〜16fのそれぞれは、第4固定接点18a〜18fのそれぞれから第3固定接点17f〜17gのそれぞれに接続が切り替わる。これにより、かご操作盤10のいずれの操作釦11が押された場合でも、連絡装置作動用リレーコイル20が通電して励磁される。即ち、操作釦11のいずれかが押されれば、インターホン9が作動し、かご室5a内の乗客が管理室に駐在するエレベータ装置1の管理者と対話することができる。
【0033】
この発明によれば、エレベータ制御盤31のCPU32が、エンコーダ26、重量センサ27、及びタイマ35からなる運転状態検出手段で検出されたかご5の運転状態の情報に基づいてかご室5a内の乗客の閉じ込め発生の有無を判断し、かご室5a内の乗客の閉じ込めが発生したと判断した場合に、かご操作盤10の全ての操作釦11を、インターホン9を作動させる連絡装置作動用釦として割り当てるようになっている。
従って、昇降不能になったかご5内に閉じ込められた乗客が、パニックに陥って連絡装置作動用釦11gを探しあてられなかったり、連絡装置作動用釦11gの存在自体を認知していなかったりした場合でも、とりあえずかご操作盤10の操作釦11のいずれかを押してみたときにインターホン9が作動され、乗客はエレベータ装置1の管理者と対話することができるようになる。よって、かご室5a内の乗客の閉じ込めが発生されたときの乗客の不安感を取り去ることができる。
【0034】
さらに、エレベータ制御盤31は、かご室5a内の乗客の閉じ込めが発生すると同時にかご操作盤10の操作釦11のいずれかを押せば、インターホン9により管理者と対話可能になることをスピーカ12に報知させるので、乗客の不安感をいち早く取り去ることが可能になる。
【0035】
なお、上記実施の形態では、エレベータ装置1は4階の建造物に設置されているものとして説明したが、エレベータ装置1は4階の建造物に設置されるものに限定されず、所定の階床を有する建造物に設置されたものに対して本発明の効果が得られる。
【0036】
また、報知手段としてのスピーカ12に、かご操作盤10の操作釦11のいずれかを押せば、インターホン9により管理者と対話可能になることをスピーカ12に報知させるものとして説明したが、報知手段はスピーカ12に限定されない。報知手段は、かご室5a内に配設されたディスプレイなどでもよい。この場合、かご操作盤10の操作釦11のいずれかを押せば、インターホン9により管理者と対話可能になることがディスプレイに視覚的に表示される。
【0037】
また、かご室5a内の乗客の閉じ込め発生の有無は、エンコーダ26、重量センサ27、及びタイマ35からなる運転状態検出手段が検出した運転状態の情報を基にCPU32によって判断されるものとして説明したが、重量センサ27からの受信信号に基づいたかご室5a内の乗客の有無の判断は省略してもよい。この場合、かご室5a内の乗客の有無に関わらず、かご5が昇降不能になった場合にインターホン9が作動されるが、いずれにしても、かご室5a内に乗客が居る場合にはインターホン9が作動され、乗客の不安感を取り去るという効果が得られる。
【0038】
かご室5a内の乗客の閉じ込め発生の有無は、エンコーダ26、重量センサ27、及びタイマ35からなる運転状態検出手段が検出した運転状態の情報を基にCPU32によって判断されるものとして説明したが、かご室5a内の乗客の閉じ込め発生の有無は、エンコーダ26、重量センサ27、及びタイマ35からなる運転状態検出手段が検出した運転状態の情報を基にCPU32によって判断されるものに限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】この発明に係るエレベータ装置の模式図である。
【図2】この発明に係るエレベータ装置のかご操作盤の正面図である。
【図3】この発明に係るエレベータ装置のシステム構成図である。
【符号の説明】
【0040】
1 エレベータ装置、5 かご、10 かご操作盤、11 操作釦、11a〜11d 行き先階釦(操作釦)、11e 戸開釦(操作釦)、11f 戸閉釦(操作釦)、11g 連絡装置作動用釦(操作釦)、12 スピーカ(報知手段)、26 エンコーダ(かご位置検出手段、運転状態検出手段)、27 重量センサ(かご内乗客検出手段、運転状態検出手段)、31 エレベータ制御盤、35 タイマ(運転状態検出手段)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
行き先階釦、戸開釦、戸閉釦、及び連絡装置作動用釦を含む複数の操作釦を有するかご操作盤、及び上記連絡装置作動用釦が押されることで外部との間で連絡可能となる外部連絡手段が配設されたかごと、押された複数の上記操作釦に応じて上記かごの運転制御を行うエレベータ制御盤と、上記かごの運転状態の情報を検出する運転状態検出手段と、を備えるエレベータ装置において、
上記エレベータ制御盤は、上記運転状態の情報に基づいて上記かご内の乗客の閉じ込め発生の有無を判断し、該かご内の乗客の閉じ込めが発生したと判断すると、上記操作釦の全てを連絡装置作動用釦として割り当てることを特徴とするエレベータ装置。
【請求項2】
上記運転状態検出手段は、上記かごの移動方向の高さ位置情報を検出するかご位置検出手段と、時間経過をカウントするタイマと、を備え、
上記エレベータ制御盤は、上記かご位置検出手段から受信した信号、及び上記タイマの時間経過情報から、該かごが目的の行き先階の階床とは異なる位置で所定時間継続的に停止されたと認知したときに、上記かご内の乗客の閉じ込めが発生したと判断することを特徴とする請求項1記載のエレベータ装置。
【請求項3】
上記運転状態検出手段は、さらに上記かご内の乗客の有無情報を検出するかご内乗客検出手段を備え、
上記エレベータ制御盤は、上記かご内乗客検出手段から受信した信号から上記乗客が上記かご内にいると認知したときに上記かご内の乗客の閉じ込めが発生したと判断することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のエレベータ装置
【請求項4】
報知手段が上記かごに配設され、
上記エレベータ制御盤は、上記操作釦の全てを上記連絡装置作動用釦として割り当てると同時に、上記報知手段に上記操作釦の全てが上記連絡装置作動用釦として割り当てられたことを報知させることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のエレベータ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−7142(P2009−7142A)
【公開日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−172014(P2007−172014)
【出願日】平成19年6月29日(2007.6.29)
【出願人】(000236056)三菱電機ビルテクノサービス株式会社 (1,792)
【Fターム(参考)】