説明

エンクロージャの最適化された充填のための方法およびシステム

エンクロージャは開示される方法に従ってガスで充填される。内部、幅、高さ、厚さ、ならびに、前記内部に流体的に通じる流体充填ホールおよび流体出口ホールを有するエンクロージャが用意される。前記エンクロージャの充填は、前記流体充填ホール中に前記充填ガスの流れをある充填流量で向けることによって開始される。前記流体出口ホールを出て行くガスの酸素濃度が感知される。前記感知された酸素濃度がしきい値濃度に達したときに前記エンクロージャの充填は停止され、ここで、前記しきい値酸素濃度および/または前記充填流量は、前記幅、高さ、および/または厚さに基づいて決定支援ツールによって選択される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願のクロスレファレンスの表示]
この特許出願は、2009年2月2日に出願された米国仮出願番号61/149,210の優先権の利益を主張する。
【背景技術】
【0002】
多くの異なるタイプのエンクロージャがさまざまな目的のためにガスで満たされる。このようなエンクロージャの二つの例は、蛍光電極および絶縁ガラスユニット(IGU)を含む。IGUは、ガス(一般には空気、希ガスまたはそれの混合)に平行に配置された二つ以上の鏡板を有する窓構造である。エンクロージャをガスで満たすための望ましい条件は、ガス損失を制限するとともに、短い充填期間および最大ガス容量を確実にすることである。低ガス損失は遅い充填の流量によって得ることができるが、長い充填期間をもたらす。もちろん、充填期間は充填の流量を増すことで短くできる。しかしながら、流量を増すことはガス損失を増加させるであろう。したがって、ガス損失を制限し、しかし、それでも速い充填および最大ガス充填(意図されたガスの高濃度)を可能とする最適な充填の流量を決定するための方法が必要とされる。
【0003】
いくつかの従来のIGU充填機械は、意図されたガスのどれくらいがエンクロージャ内に入ったかを評価するために、熱センサを用いる。しかしながら、これらのタイプのセンサは、高ガス損失を導く比較的なゆっくりな動作である。他の従来の充填方法は、常磁性O2 センサの使用を提案する。しかしながら、このタイプのセンサはいくつかの不便がある。それは高価である。それはガスの流れを制限し、そして、したがって、充填されているIGUからサンプルを出すために真空ポンプを必要とする。それはまた比較的壊れやすく、そして、ぶつけられることに敏感である。最後に、常磁性O2 センサは比較的かさばることがあり、前記センサは充填された鏡板間(interpane)から遠くで(例えば、10フィート)動作することを要求する。ガスは、窓から専用のサンプリング・ライン(sampling line)を介してセンサに流れなければならないので、出口窓成分(outlet window composition)を感知することに遅延がある。この時間遅延はガス損失になる。したがって、IGU充填機械用に用いられる改良されたタイプのセンサの必要がある。
【0004】
従来の手動充填プロセスは、50%の平均最小ガス損失を伴う、30%から200%以上に及ぶガス損失を引き起こすことがある。さらなる問題は、これらのプロセスが、IGU(複数)の全てのサイズおよび形に対して、しばしば、同じ充填流量を用いることである。現在の手動充填プロセスの多くは、アルゴン等の安価な充填ガスに対して開発されているので、ガス損失問題はとても大変な問題にはなっていない。クリプトンおよび/またはキセノンを含むより高価なガスを伴い、充填のコストを下げるために、可能な限りガス損失を制限することがより重要となる。
【0005】
本特許文献は、エンクロージャをガスで充填することに関連するいくつかの方法およびシステムを含む。
【0006】
米国特許番号5,080,146(Arasteh)は、絶縁ガラスユニット(insulated glazing units)を充填するための方法を開示する。その方法は絶縁ガラスユニットが中に置かれた真空チェンバを利用する。絶縁ガラスユニットおよび真空チェンバは同時に排気される。前記ユニットはそれからクリプトン等の低コンダクタンスガスで再充填される間、同時に前記チェンバは空気で再充填される。しかしながら、自動化されたマルチ・ステッププロセスは時間を費やす。
【0007】
米国特許番号6,662,456B2(Almasy)は、これらのユニットの内部空間に低温の液体を分配することにより、絶縁ガラスユニットを空気以外のガスで充填し、それから気態に蒸発する方法が開示されている。
【0008】
米国特許番号5,676,736(Crozel)は、エンクロージャ中に充填ガス(例えば、希ガス混合)を導入するためのツーステッププロセスを開示する。始めに、エンクロージャは保持ガス(例えば、空気)を含む。第1のステップにおいては、エンクロージャから保持ガスがすっかり取り除かれるまで、保持ガスおよび充填ガスの両方から容易に引き出されるパージガス(例えば、ヘリウム)が、エンクロージャ中に導入される。第2のステップにおいては、エンクロージャから一部または全てのパージガスが取り除かれるまで、充填ガスがエンクロージャ中に注入される。第2のプロセスの期間中に失われた充填ガスはそれから再生利用されることができるので、製造コストを制限する。必要により、パージガスは保持ガスから分離されることができ、そして、同様に再生利用されることができる。提案された分離の方法は、浸透(メンブレン)、吸着、吸収および蒸留を含む。提案されたパージガスは、アルゴン、カーボン、二酸化物、ヘリウムおよび水素を含む。提案された充填ガスは、アルゴン、ネオン、クリプトンおよびキセノンを含む。
【0009】
従来のエンクロージャ(特にIGU(複数))をガスで充填するための方法およびシステムによりもたらされる不都合を考慮すると、これらの不都合を克服するまたは示さない改良された方法およびシステムの必要がある。
【発明の概要】
【0010】
以下のステップを含むエンクロージャ(enclosure)を充填ガスで充填する方法が開示される。内部(interior)、幅、高さ、厚さ、ならびに、前記内部に流体的に通じる流体充填ホールおよび流体出口ホール(fluid filing and exit holes)を有するエンクロージャが用意される。前記エンクロージャの充填は、前記充填ガスの流れをある充填流量で前記流体充填ホール中に向けて送ること(directing)によって開始される。前記流体出口ホールを出て行くガスの酸素濃度が感知される。前記感知された酸素濃度がしきい値濃度に達したときに、前記エンクロージャの充填は停止され、ここで、前記しきい値酸素濃度および/または前記充填流量は、幅、高さ、および/または厚さに基づいて決定支援ツール(Decision Support Tool)によって選択される。
【0011】
エンクロージャを充填ガスで充填するためのシステムもまた開示され、それは、前記エンクロージャの一端内に形成された流体充填ホール中に挿入されるように適合された充填ランス; 前記エンクロージャの他端内に形成された流体出口ホールに隣接して配置された酸素センサ;およびアルゴリズムで書かれた(written with)コントローラを含む。前記コントローラは、前記酸素センサによって感知された酸素濃度を受け取り、前記エンクロージャの高さ、幅および/または厚さが入力され、前記エンクロージャの充填の間中に前記充填ガスの流量および/またはしきい値酸素濃度を選択するように適合されている。前記選択は、前記コントローラに入力された、充填される前記エンクロージャの前記高さ、幅および/または厚さに基づく。前記選択は前記アルゴリズムによって実行される。前記コントローラは、記酸素センサによって感知された前記酸素濃度が、前記アルゴリズムによって選択されまたは予め決められ、かつ、オペレータによって前記コントローラに入力された、前記しきい値酸素濃度にいったん達したら、前記充填ランスによって前記エンクロージャの充填を停止するようにさらに適合されている。
【0012】
エンクロージャを充填ガスで充填するためのシステムもまた開示され、前記エンクロージャの一端内に形成された流体充填ホール中に挿入されるように適合された充填ランス、 前記エンクロージャの他端内に形成された流体出口ホールに隣接して配置された酸素センサ、およびコントローラを具備すること。前記コントローラは、前記酸素センサによって感知された前記エンクロージャ内の酸素濃度を受け取り、前記エンクロージャ内の所望の酸素のしきい値濃度が入力され、および、前記酸素センサによって感知された前記酸素濃度が、前記エンクロージャ内の前記所望の酸素のしきい値濃度にいったん達したら、前記充填ランスによって前記エンクロージャの充填を停止するように適合されている。前記センサは、前記流体出口ホールから5フィート以内(好ましくは、3フィート以内、より好ましくは、1フィート以内、そして、よりいっそう好ましくは3インチ以内)に置かれ、および/または、前記センサは、2秒以内(好ましくは1秒以内、そして、より好ましくは0.5秒以内)の応答時間T90を有し、ここで、T90は、前記センサが関心のある検体ガスに晒された瞬間と、前記センサが最終段階の安定な感知酸素濃度の90%である酸素濃度を感知した瞬間との間の時間の持続(duration)である。必要により、前記エンクロージャは、一列に整列されかつ互いに平行の少なくとも二つの正方形、三角形、半円または長方形のガラスペイン(glass panes)、および、前記ペインの周辺(periphery)の周囲(around)および前記ペインによって定義されるインタペインスペース(interpane space)上(over)に延びる封止構造(sealing structure)を具備する、絶縁ガラスユニット(insulated glass unit)であり、前記流体ホールおよび前記流体出口ホールは前記密封構造内に前記密封構造の反対側のコーナー(corners)に形成されていること。任意の絶縁ガラスユニットは、充填プロセスの期間に、前記ペインのボトム・エッジが水平に対して1−179°、好ましくは5−175°、より好ましくは15−165°、よりいっそう好ましくは30−150°、そして最も好ましくは約45°の角度になるように、向きが合わせられても構わない。必要により、センサは、一本の配管の出口または中に置かれ、そして、前記配管は、充填ガス回収デバイスに繋がれる。必要により、前記センサは、秒当たり5−15測定(これは0.066から0.2秒の応答時間に対応する)の酸素濃度測定レートを有する。必要により、流体出口ホールを逃げる充填ガスの全開流量(entire full flow)の流路内に置かれても構わなく、それだから、流体出口ホールを逃げる充填ガスの本流(main flow)から引き出される、断片的な(fractional)スリップストリーム(slipstream)またはバイパスを必要としない。
【0013】
開示される方法および/またはシステムは以下の態様の一つまたは複数を含んでも構わない:
− 前記しきい値酸素濃度は、予め決められており、かつ、前記充填流量は、前記幅、前記高さ、および/または前記厚さに基づいて前記決定支援ツールによって選択される。
【0014】
− 前記充填流量は、予め決められており、かつ、前記しきい値酸素濃度は、前記幅、前記高さ、および/または前記厚さに基づいて前記決定支援ツールによって選択される。
【0015】
− 前記充填流量および前記しきい値酸素濃度の両方は、前記幅、前記高さ、および/または前記厚さに基づいて前記決定支援ツールによって選択される。
【0016】
− 前記方法はさらに以下のステップを含む:
・記エンクロージャの内部で得られる前記充填ガスの最小濃度を予め決めること;および
・前記充填の間中に起こる前記ガスの最大パーセント損失を予め決めること、ここで、前記決定支援ツールによって選択される前記充填流量およびしきい値酸素濃度は、さらに前記予め決めた最小濃度および前記予め決めた最大パーセント損失に基づく
− 前記方法はさらに以下のステップを含む:
・前記エンクロージャの内部で得られる前記充填ガスの最小濃度を予め決めること、ここで、前記決定支援ツールによって選択される前記充填流量またはしきい値酸素濃度は、さらに前記予め決めた最小充填ガス濃度に基づく。
【0017】
− 前記方法はさらに以下のステップを含む:
・前記充填の間中に起こる前記充填ガスの最大パーセント損失を予め決めること、ここで、前記決定支援ツールによって選択される前記充填流量またはしきい値酸素濃度は、さらに前記予め決めた最大パーセント損失に基づく。
【0018】
− 前記方法はさらに以下のステップを含む:
・前記充填の前記開始と停止との間の時間間隔によって定義される最大充填持続(maximum filling duration)を予め決めること、ここで、前記決定支援ツールによって選択される前記充填流量またはしきい値酸素濃度は、さらに前記予め決めた最大充填持続に基づく。
【0019】
− 前記決定支援ツールは、前記幅、前記高さ、前記および/または前記厚さに基づいて前記充填ガスの前記流量を選択する。
【0020】
− 前記エンクロージャは、一列に整列されかつ互いに平行の少なくとも二つの正方形、三角形、半円または長方形のガラスペイン(glass panes)、および、前記ペインの周辺(periphery)の周囲(around)および前記ペインによって定義されるインタペインスペース(interpane space)上(over)に延びる封止構造(sealing structure)を具備する絶縁ガラスユニット(insulated glass unit)であり、前記流体ホールおよび前記流体出口ホールは前記密封構造内に前記密封構造の反対側のコーナー(corners)に形成されていること。
【0021】
− 前記エンクロージャの前記充填の間中に前記エンクロージャのボトム・エッジ(bottom edge)は水平に対して角度αを形成し、前記角度αは1°から179°の範囲内にあり、前記流体出口ホールは前記流体充填ホールよりも垂直的に高いこと。
【0022】
− αは、5°から175°の範囲内にある。
【0023】
− 前記酸素濃度は、光学ベースの(optically-based)酸素センサによって検知される。
【0024】
− 前記センサの応答時間は1秒未満である
− 前記センサは、前記流体出口ホールの内部または前記流体出口ホールに隣接して配置される。
【0025】
− 前記充填ガスは、アルゴン、アルゴンが濃縮された(Argon-enriched)空気、ネオン、ネオンが濃縮された(Neon-enriched)空気、クリプトン、クリプトン(Kyrypton-enriched)が濃縮された空気、キセノン、キセノン(Xenon-enriched)が濃縮された空気、およびそれらの混合物からなるグループから選ばれる。
【0026】
− 前記方法はさらに以下のステップを含む:
・高さおよび/または幅をコントローラに入力させること;
・前記コントローラを用いて前記充填流量を選択すること、ここで、前記決定支援ツールは前記コントローラに書き込まれたアルゴリズムである
− 前記方法は前記流体出口ホールに真空を適用するさらなるステップを含み、ここで、
・前記しきい値酸素濃度は、前記幅、前記高さ、および/または前記厚さに基づいて前記決定支援ツールによって選択される;
・前記充填流量は、前記真空の適用により生じる前記エンクロージャを通る前記充填ガスの流れの増加を補償する、オペレータによって選択される充填流量に基づいて予め決定される。
【0027】
− 前記システムは、前記充填ランスに流体的に通じる充填ガスのソース(source)をさらに含み、前記充填ガスは、アルゴン、アルゴンが濃縮された空気、ネオン、ネオンが濃縮された空気、クリプトン、クリプトンが濃縮された空気、キセノン、キセノンが濃縮された空気、およびそれらの混合物からなるグループから選ばれること。
【0028】
− 前記コントローラは、そのなかに充填パラメータがオペレータによって入力されるようにさらに適合され、前記充填パラメータは、前記エンクロージャ内に得られる充填ガスの最小濃度、充填の間中に起こる前記充填ガスの最大パーセント損失、前記エンクロージャを前記充填ガスで充填することの開始と停止との間の時間間隔によって定義される最大充填持続(maximum filling duration)、および前記充填ガスの組成(composition)からなるグループから選ばれること、ここで、前記流量はさらに前記充填パラメータに基づく。
【0029】
− 前記システムは、真空チューブ、および、前記チューブと真空連通する(in vacuum communication with)真空ポンプをさらに含み、前記センサは、少なくとも部分的に、前記真空チューブ内に配置されること、前記チューブは前記流体出口ホールと真空連通して置かれるように適合されること。
【図面の簡単な説明】
【0030】
本発明の本質および目的のさらなる理解のために、同様な要素には同じまたは類似の参照番号が与えられた添付図面とともに以下の詳細な説明に対して言及がなされるであろう、そして、ここで、
【図1】図1は好ましいタイプの充填されるエンクロージャの概略図である。
【図2】図2は、A−A面に沿った図1の部分断面図である。
【図3】図3は、B−B面に沿った図1の部分断面図である。
【図4】図4は、ガス損失へのセンサ応答時間の影響を示すグラフである。
【図5】図5は、45度で充填が行われる図1のエンクロージャの概略図である。
【図6】図6は、98%酸素含有量での充填持続(filling duration)およびガス損失への45度充填の影響を示すグラフである。
【図7】図7は、スモールサイズおよびミディアムサイズの正方形ユニットに対して最適なKr充填条件の選択を示すグラフである。
【図8】図8は、3/8”インタペイン(interpane)の最小95%クリプトン充填に対して適合された決定支援ツールを示すグラフである。
【図9】図9は、3/8”インタペインの最小97%クリプトン充填に対して適合された決定支援ツールを示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0031】
開示された方法およびシステムは、最適充填流量または最適しきい値酸素濃度でもってエンクロージャが充填されることを可能とする。望ましい充填は、ガス損失を制限し、および/または、短い充填持続を可能にし、および/または、充填の完了にて十分に高い充填ガス濃度を可能とするものである。低ガス損失は低流量の充填によって得ることができるが、長い充填持続になってしまう。他方では、充填持続は充填の流量を増すことで短くできるが、ガス損失が増えてしまう。ガス損失を制限でき、および/または、速い充填を可能にし、および/または、十分に高い充填ガス濃度を可能とするための最適な方法がそれ故にある。
【0032】
エンクロージャは、充填ガスを含むためのからの空間(hollow space)を取り囲むいかなるタイプのエンクロージャとすることができる。望ましくは、エンクロージャは多面体、つまり、平らな面とまっすぐな端を有する三次元形状である。より望ましくは、エンクロージャは、高さ、幅および厚さを有し、そして、三角柱(つまり、三角形の断面および一定の厚さを有すること)、直角柱(right rectangular prism)(つまり、箱型)、または、半円柱(semicircular prism)(つまり、半円形の断面および一定の厚さを有すること)である。直角柱は、一定の厚さ、および、長方形または正方形の断面を持っていても構わない。エンクロージャはその中にガスを導入するための充填ホールを有する。エンクロージャはその充填の間中にエンクロージャ内に含まれたガスを逃すことを可能とする出口も有する。充填および出口のホールが塞がれるかまたは覆われるとき、エンクロージャは相対的に気密になる。
【0033】
充填ガスはいかなるガスでも構わないが、その組成(composition)は最終的にはどのタイプのエンクロージャが充填されるかに依存する。開示された方法およびシステムは、特にクリプトン、アルゴン、キセノン、ネオン、クリプトンが濃縮された空気、アルゴンが濃縮された空気、キセノンが濃縮された空気、ネオンが濃縮された空気およびそれらの混合物などのように相対的に高価な充填ガスに適用できる。空気と、クリプトン、アルゴン、キセノンまたはネオンの一つ以上とを具備する充填ガスは望ましくは50%未満の空気を含む。
【0034】
図1−3に最良に示されるように、好ましいタイプのエンクロージャは、オプショナルフレーム(optional frame)50とともに、充填ガスで充填されたインタペインスペース(interpane space)60を取り囲む第1および第2の対向するペイン(panes)10,30およびスペーサ8,58を有する絶縁ガラスユニット(IG)2である。ペイン10,30は、単一枚のガラスまたはポリビニルブチラール(polyvinylbutyral)などのプラスチックの薄い層を挟んだ2枚のガラスなどの合わせガラスから成っていても構わない。ペイン10,30はスペーサ8を介して別のものから距離がおかれ、そして、IGU2の相対的な気密性は、スペーサ8,58の長い端とフレーム50との間のスペースを主密閉材(primary sealant)9,59で密閉し、そして、スペーサ8,58の短い端12,42とペイン10,30の内側の表面18,38との間のギャップを副密閉材(secondary sealant)7,57で密閉することにより、達成される。主密閉材9は、フレーム50にスペーサ8,58を強く粘着させることによりウインドウ構造に機械的剛性を提供し、そして、一般には、シリコーン、ポリウレタン、または、絶縁ガラスウインドウの分野で用いられる任意のその他の粘着して接着する材料である。副密閉材7,57は、一般には、充填ガスの浸透に抵抗するガスを通さない(gas-impermeable)材料である。絶縁ガラスユニットIG2はまた充填ランス(filling lance)1が挿入され得る流体充填ホール20および充填プロセスの間中にインタペインスペース60からのガスがIUG2から逃げる流体出口ホール(fluid exit hole)40を有する。
【0035】
必要により、IG2は、密閉されたインタペインスペース60を挟む各々が隣接のペアーの対向したペイン(panes)の3組または4組などのように、2つのペイン10,30よりも多く持っていても構わない。この場合、2つの隣接したペイン間の各インタペインスペース60は別々に充填ガスで充填される。また、インタペインスペース60から逃げてくるガスの除去を高めるために、流体出口ホール40に真空が適用されても構わない。
【0036】
好ましくは、IGU2は、ペイン10,30の低い端(lower edge)が、1−179°、好ましくは、5−175°、より好ましくは、15−165°、よりいっそう好ましくは30−150°の範囲の角度、そして最も好ましくは(水平に対して)約45°の角度を形成するように、向きが合わせられる(oriented)。
【0037】
以下のさらなる詳細にみられるように、このような方位(orientation)は、もしIGU2が充填プロセスの期間中なら、トップ(top)にトラップされたエアーヘッドスペース(air head space)の横の容量(lateral content)を制限する。これは充填プロセスの間中にIGU2のトップからの空気のより効率的なパージを可能とする。
【0038】
IGU2を充填ガスで充填するための最も簡単な実施形態
IGU2は以下のように充填ガスで充填されることが可能である。開示された方法およびシステムの最も簡単な形態において、オペレータは、コントローラと関連するヒューマン・マシン・インターフェース(HMI)に入れられるエンクロージャの寸法(高さまたは幅または厚さ)を入力する。コントローラは、決定支援ツール(Decision Support Tool)を具備するアルゴリズムで書かれている。または、アルゴリズムで書かれたコントローラはなくて、そして、決定支援ツールは(以下により詳細に説明されるように)校正カーブだけである。もし幅が用いられるならば、より正確な幅は、IGU2の右側上のスペーサ8の内部のエッジ28とIGU2の右側上のスペーサに対応する内部のエッジとの間の距離に対応する。しかしながら、ペイン10,30の最も左の端(left-most edge)とペイン10,30の最も右の端(right-most edge)との間の距離に対応する幅も用いられることができる。それどころか、フレーム50の最も左の端とフレーム50の最も右の端との間の距離に対応する幅ですら同様に用いられることができる。同様に、もし高さが用いられるならば、より正確な高さは、スペーサ58の内部のエッジ48とIGU2のトップ上のスペーサに対応する内部のエッジとの間の距離に対応する。しかしながら、ペイン10,30の最も上の端(top-most edge)とペイン10,30の最も下の端(bottom-most edge)との間の距離に対応する高さも用いられることができる。それどころか、フレーム50の最も上の端とフレーム50の最も下の端との間の距離に対応する高さですら同様に用いられることができる。前記厚さはペイン10,30間の距離に対応する。
【0039】
次に、充填ガスのソース(不図示)に接続された充填ランス1は流体充填ホール20中に挿入され、そして、流体出口ホール40は塞ぎがとられる(unplugged)または覆いがとられる(uncovered)のどちらかである。次に酸素アナライザ70が流体出口ホール40に隣接な位置に配置される。代わりに、アナライザ70は、一本の管の出口または中に配置されても構わなく、そして、管は、排気部(source of vacuum)および/またはインタペイン60を抜け出る充填ガスのいずれかを取り戻すためのデバイスに接続されているだろう。この代案オプションが選ばれたなら、アナライザ70は一般に流体出口ホール40から5フィート以内に置かれる。好ましくは、アナライザ70は流体出口ホール40から3フィート以内、より好ましくは、1フィート以内、そして、よりいっそう好ましくは3インチ以内に置かれる。または、アナライザ70は、流体出口ホール40の内部に、または、流体出口ホール40からインタペイン60以内の距離にすら置かれる。
【0040】
酸素アナライザ70は好ましくは比較的短い応答時間を持つものである。例えば、ロバストな酸素アナライザ70は、2秒以内、好ましくは0.5秒以内の応答時間T90を有する。当業者であれば、T90は、アナライザ70が関心のある検体ガス(analyte gas)に晒された瞬間と、アナライザ70が最終段階の安定な感知酸素濃度の90%である酸素濃度を感知した瞬間との間の時間の持続であることは認めるであろう。
【0041】
酸素アナライザ70の好ましいタイプは侵襲性(non-invasive)、光学のセンサである。このタイプの酸素アナライザ70は、専用の真空ラインを必要としないように、流体出口ホール40を出て行くガスの流量を制限しないという有利な点を提供する。比較的小さなサイズのこのような酸素アナライザ70は、流体出口ホール40の隣接または内部に置かれたり、または、インタペイン60内にでさえうまく置かれることを可能とする。酸素アナライザ70の特に好ましい一つのタイプは、侵襲性(non-invasive)であり、そして、その感知メカニズムが光学に基づいたものである。好ましくは、ルテニウムまたはプラチナ合成物の蛍光消光に基づくものである。光学に基づいた感知メカニズムを有する酸素アナライザ70の一つのタイプは、材料(ルテニウム合成物など)であって、自身に隣接の酸素濃度に関連した蛍光発光の程度を示す前記材料を照らすために光源を利用する。このような酸素アナライザ70を使って、蛍光を発する材料はインタペイン60内部のどこにでもさえ置かれても構わなく、そして、光源がペイン10,30の一つを介して材料を照らすように、光源はインタペイン60外部に置かれる。
【0042】
これらの特に好ましい酸素アナライザ70は他の利点を示す。それらは0.066から0.2秒の応答時間に対応する毎秒約5−15測定の優れた濃度測定レートを有する。それらは、流体出口ホール40を逃げる充填ガスの全開流量の流路内に置かれても構わなく、例えば、毎分20−20標準リットル(slpm)。したがって、それらは、流体出口ホール40を逃げる充填ガスの本流(main flow)から引き出される、断片的な(fractional)スリップストリーム(slipstream)またはバイパスを必要としない。それとは対照的に、従来の熱伝導タイプはそのような断片的なスリップストリームを必要とする。その他の点では、そのような従来の検出器は負担がかかり、そして、校正された性能の範囲内ではもはや動作しなくなるであろう。適切で、商業的に入手可能な酸素アナライザ70は以下のソースから取得され得る。
【0043】

- ミネアポリス、MN、USAにあるモコン株式会社からのOpTechTM - 02プラチナ酸素アナライザ
- レーゲンスブルク、ドイツにあるプリシジョン センシング有限責任会社からの無侵襲酸素アナライザ
- ダニディン、FL、USAにある オーシャン オプティクス株式会社からのファイバオプティック酸素センサシステムズ
- ダブリン、アイルランドにあるガス センサ ソルーションズ株式会社からのSensiSpotTM 酸素センサ
- コーク、アイルランドにあるルクセル バイオサイエンシィズ株式会社からのレッドライト酸素センシングプローブ
- テキサス、USAにあるオクシィ−センス株式会社からのGEN III 5000 シリーズ
次に、オペレータは、コントローラを使用して充填ランス1でIGU2の充填を始める。コントローラは決定支援ツールによってなされた決定に従って自動的に充填を止める。決定支援ツールは、充填流量および/またはしきい値酸素濃度を選択する。決定支援ツールが充填流量を選択する簡単な実施形態において、充填ランスによる充填ガスでのエンクロージャの充填は、オペレータの介入なしで、選択された充填流量にて自動的に行われ得る。または、支援決定ツールによって選択された充填流量がHMIによって表示されても構わなく、そして、オペレータは手動で充填ランス(および、もしあるならば関連した装置)を表示された充填流量に合わせる。
【0044】
最後に、流体充填および出口ホール20,40は塞がれるかまたは覆われる。
【0045】
複雑な実施形態
より複雑な実施形態において、そして、望むのであるなら、決定支援ツールを具現化するアルゴリズムは必要によりオペレータによって以下の方法の一つまたは複数の置換(permutation)のいずれかに従って修正されても構わない。
【0046】
第1に、オペレータは特定のしきい値酸素濃度(そこで充填ガスでのIGU2の充填が停止される)を選択するためにHMIを利用し、そして、決定支援ツールは充填の間中に利用される最適化された充填流量を選択する。特定のしきい値酸素濃度の選択は重大ではない。しかしながら、酸素アナライザ70の検出限界精度の近くになるようには、選択されたしきい値酸素濃度は低くなるべきではない。また、選択されたしきい値酸素濃度はとても高く(つまり、空気に到達)なるべきではなく、というのはその時にはIGU2は充填の完了で充填ガスの十分に高い濃度を有さないからである。好ましくは、選択されたしきい値酸素濃度は5%以上かつ18%以下である。代わりに、コントローラはプリセレクタされたしきい値酸素濃度を既に有していても構わず、または、コントローラ上の(決定支援ツールを具現化している)アルゴリズムは最適化されたしきい値酸素濃度を決定するために適合されても構わない。
【0047】
第2に、オペレータはコントローラに入力される特定の充填流量を選択するためにHMIを利用しても構わなく、そして、決定支援ツールは最適化された酸素しきい値濃度(そこで充填ガスでのIGU2の充填が停止される)を選択する。特定の充填レートの選択もまた重大ではない。しかしながら、充填に途方もなく長い持続時間(duration time)がかかるようには、選択された充填レートは低くなるべきではない。また、安全リスクが引き起こされるようには、選択された充填レートは高くなるべきではない。代わりに、コントローラはプリセレクタされた充填流量を既に有していても構わず、または、コントローラ上の(決定支援ツールを具現化している)アルゴリズムは最適化された充填流量を決定するために適合されても構わない。
【0048】
特定のしきい値酸素濃度または流量設定が特にうまく働くとオペレータの経験が示すときに、これらの最初の二つの選択は望ましい。これらの複雑な実施形態は、コントローラのアルゴリズム(それは決定支援ツールを具現化する)が最適化されたしきい値酸素濃度および流量を選択し、そして、オペレータはどちらも選択する必要がない最も簡単な実施形態と対比され得る。
【0049】
第3に、オペレータは、一つまたは複数の充填パラメータ(それに基づいて充填レートおよび/または感知されたしきい値酸素濃がさらに最適化される)に対しての最小または最大値を選択するために、HMIを利用しても構わない。これらの充填パラメータは充填の完了時のインタペイン60内部の充填ガスの最小濃度、充填プロセスの間中に実現される充填ガスの最大パーセント損失、または、最大充填持続を含む。したがって、決定支援ツールは、未解決の(at issue)充填パラメータに対して最小値よりも上、または、未解決の(at issue)充填パラメータに対して選択された最大値よりも下の可能性のある結果に対応するしきい値酸素濃度または充填流量を選択する。代わりに、コントローラは、これらの予め定められた最小値または最大値の充填パラメータの一つを既に有していても構わず、そして、オペレータは充填パラメータを選択する必要がなく、または、決定支援ツールの校正カーブはその中に組み込まれた最小または最大値を既に有していても構わない。
【0050】
第4に、オペレータはまた最適化される(しきい値酸素濃度または充填流量以外の)充填パラメータを選択するためにHMIを利用しても構わない。これらの充填パラメータは充填の完了時のインタペイン60内部の充填ガスの濃度、充填プロセスの間に実現される充填ガスのパーセント損失、または、充填持続を含む。したがって、決定支援ツールは、充填の完了時のインタペイン60内部の充填ガスの予想された最大濃度、および/または、充填プロセスの間に実現された充填ガスの予想された最小パーセント、および/または、予想された最小充填持続に関連する可能性のある結果に対応するしきい値酸素濃度または充填流量を選択する。代わりに、コントローラは、これらの予め定められた充填パラメータの一つまたは複数または全てを既に有していても構わず、そして、オペレータは充填パラメータを選択する必要がなく、または、決定支援ツールの校正カーブはその中に追加の充填パラメータを既に有していても構わない。
【0051】
決定支援ツールの進展について以下に詳細に説明するが、明快の目的のために、最も簡単な実施形態において、選択肢3および4は決定支援ツール中に既に取り込まれていることに留意するべきである。
【0052】
最も簡単な実施形態またはより複雑な実施形態が選択されるかにかかわらず、それら全てが共通に有することは、コントローラに書き込まれた(決定支援ツールを具現化する)アルゴリズムは、充填されるエンクロージャの一つまたは複数の寸法に基づいて、しきい値酸素濃度および/または充填流量を選択する。すなわち、決定支援ツールを具備する校正カーブの場合、校正カーブはしきい値酸素濃度および/または充填流量を選択するために用いられ、そして、前記カーブは充填されるエンクロージャの一つまたは複数の寸法に基づく。
【0053】
次に、オペレータは充填ガスでのIGU2の充填を始める。アルゴリズムが決定支援ツールを具現化する実施形態に対して、測定された流体出口ホール40を出て行く充填ガスの酸素濃度がしきい値酸素濃度に達したときに、コントローラは自動的に充填を止める。しきい値酸素濃度は前もってコントローラに入力されていても構わなく、または、オペレータはHMIを介してコントローラにしきい値酸素濃度を入力し、または、しきい値酸素濃度は決定支援ツールによって選択されることは認められるべきである。校正カーブが決定支援ツールを具現化する実施形態に対して、充填が開始する前に、オペレータは前もって校正カーブを調べており、そして、以下のオプションの一つが行われていることに留意するべきである。
【0054】
A)オペレータは、充填が行われる充填レートに対応する校正カーブ上のしきい値酸素濃度(特定の充填流量が既に校正カーブ中に組み込まれているときには)を調べ、そこで校正カーブは充填されるエンクロージャの小さな(minor)寸法に基づく;または
B)オペレータは、充填が停止されるしきい値酸素濃度に対応する校正カーブ上のしきい値酸素濃度(特定の充填流量が既に校正カーブ中に組み込まれているときには)を調べ、そこで校正カーブは充填されるエンクロージャの小さな(minor)寸法に基づく。
【0055】
真空の実施形態
製造/工業の状況において、工場内の充填ライン内の一連のIGU2の充填に対しての全部の生産レート(production rate)が比較的大きな懸案であるなら、最適化されたおよび/または安全リスクが呈され得るレートを超えて充填レートを増加するのは望ましい可能性がある。
【0056】
流体出口ホール40は制限なので圧力増強はIGU2において起こり得る。3.5mmの直径の流体出口ホール40に対して20slpmなどのように、IGU2を通る充填ガスの流量が比較的低いとき、ホール40は最小の制限を呈する。充填ガスの流量が比較的高いとき、ホール40は大きな圧力低下を引き起こし、そして、したがって、IGU2内の圧力増強は流量および出口ホール40の直径に依存する。
【0057】
充填の間中のIGU2内の圧力増強を避ける方法は二つある: 1)出口ホール40に対して大きな直径の選択;および出口ホール40に真空を適用すること。したがって、IGU2が充填ガスで充填されるレートを増加するためには、別の実施形態においては、真空(“真空実施形態”)がIGU2の充填の期間に流体出口ホール40に適用され得る。如何なる真空源が用いられも構わないが、最も簡単な解答は真空ポンプを用いることである。
【0058】
真空実施形態は上記に論じたのと同じ方法で行われる。流体出口ホール40への真空の適用により生じるエンクロージャを通る充填ガスの現実の流量の増加を補償するために、充填ランス1に対しての流量セッティングが下方に調整される。当業者は、お決まりの手順(routine)、および、流体出口ホール40に適用される真空の程度と、充填ランス1で選択された流量と、IGU2を通る充填ガスの実際の流量との関係を確立するための簡単な実験を通じて、これを行い得る。より詳細には、当業者は、適用される真空の程度を変え、そして、適用された真空の程度により生じる実際の流量を(流量計を用いて)記録しても構わない。代わりに、真空のレベルと関連するポンプからの(電圧などの)信号と、実際の流量と関連する流量計からの信号とを具備するデータを収集するためにコントローラを利用しても構わない。次に、収集されたデータは、適用された真空の特定のレベルを補償するために、充填ランス1の選択された流量(または、充填ランス1に対してのアルゴリズム決定された流量または補正カーブ決定された流量)に補正ファクタを自動的に適用するためのHMIのアルゴリズム中に組み込まれることができる。
【0059】
決定支援ツール
決定支援ツールの開発について以下に説明する。
【0060】
決定支援ツールは、さまざまな充填パラメータの置換(permutation)に従う複数のテストエンクロージャの充填から集められたデータに基づく。それはコントローラに書き込まれたアルゴリズムとしての形、または、校正カーブとしての形を取っても構わない。事実上、充填プロセスは二つのパラメータで記述される:充填の流量およびエンクロージャから去っていくガス流の関心のあるガスの濃度(または逆に、酸素含有量)。エンクロージャを最適に充填するためには、したがって、流量としきい値酸素濃度との最適な一対を見つけることである。最適な流量またはしきい値酸素濃度は、充填されるエンクロージャのサイズが、体積(高さ、幅および厚さ)、断面積(高さおよび幅、高さおよび厚さ、または、幅および厚さ)、または、単一寸法(高さまたは幅または厚さ)に関して表現されようが、エンクロージャのサイズに依存する。
【0061】
テストエンクロージャは、充填されるエンクロージャと異なるサイズ(sizes)を有するが、テストエンクロージャは充填されるエンクロージャと同じ寸法(a same dimension (一般に厚さ))を有することは理解するべきである。IGU2の場合、寸法はインタペイン間隔(interpane spacing)Dとすることができる。
【0062】
理想的には、テストエンクロージャは充填されるエンクロージャと同じ断面形状を有する。三角柱の形状の充填されるエンクロージャの場合、テストエンクロージャは理想的には三角形の断面のコーナー(corners)で同じ角度を有する。それにもかかわらず、直角柱の形状の充填されるエンクロージャの場合、テストエンクロージャは充填されるエンクロージャとは異なる断面形状を有する。例えば、直角柱の形状の充填されるエンクロージャが長方形の断面を有するのに、テストエンクロージャは正方形の断面(つまり、幅と高さとの比が1:1)を有し、逆もまたは同様である。
【0063】
したがって、幅と高さが等しくない直角柱の形状のエンクロージャの最適な充填を決定する場合、理想的にはテストエンクロージャの各々の幅と高さとの比(直角柱の形状も有する)は、充填されるエンクロージャと同じあるべきである。しかしながら、簡単のためおよび近似として、正方形の断面を有する直角柱の形状のテストエンクロージャが決定支援ツールを開発するために用いることができる。したがって、それは、決定支援ツールに入力されるべき(幅または高さの一方)、充填されるエンクロージャの寸法の数を一つ減らす。最大ガス損失は正方形の断面を有するエンクロージャで起こるので、この選択(一つの寸法にまで減らす)は有意義である。言い換えれば、正方形の断面のエンクロージャは長方形の断面のエンクロージャよりもガス損失を制限するのが難しいので、正方形の断面のテストエンクロージャのために開発された決定支援ツールは、充填される如何なる種類の長方形の断面積のエンクロージャに対して使用できる。
【0064】
上記のように論じたように、少なくとも二つの異なるサイズの正方形の断面のテストエンクロージャが決定支援ツールを開発することに利用されるべきである。好ましくは、三つ以上のサイズの正方形の断面のエンクロージャが利用されるべきである。決定支援ツールを開発するために用いられる正方形の断面のエンクロージャのサイズ(最小から最大まで)は、決定支援ツールを用いる充填されるエンクロージャのサイズが正方形の断面のテストエンクロージャの最も小さなサイズと最も大きなサイズとの間に入るように選択されるべきである。言い換えれば、エンクロージャの表面積(幅×高さの乗積)は、最も小さいテストエンクロージャよりも大きく、かつ、最も大きいテストエンクロージャよりも小さくあるべきである。決定支援ツールを用いて多種多様のサイズのエンクロージャが充填されるときに、比較的大きな程度の最適化を持つためには、多種多様のサイズのテストエンクロージャを用いてそれを開発することが推奨される。
【0065】
テストエンクロージャの数およびサイズが決定された後、オペレータは、決定支援ツールに必要な(複数のテストエンクロージャの充填と関連する)データを収集することにおける制約として使用するための、一連の(酸素アナライザ70により感知される)しきい値O2 濃度を選択する。これらはテストエンクロージャを出て行くガスのO2 濃度に対応する。酸素アナライザが選択されたO2 しきい値濃度を感知したとき、充填ガスを伴うテストエンクロージャの充填は停止され、そして、充填の持続(duration of filing)、充填ガス損失、および、充填されたテストエンクロージャ内の充填ガスの濃度などのさまざまな充填パラメータが記録される。選択されたしきい値O2 レベルは空気中の酸素の濃度(約21%)に近すぎるべきではなく、その場合、如何なる実質的な充填が完了する前に、酸素アナライザはそのしきい値レベルを感知して、そして、充填を停止するからである。O2 しきい値はまた数パーセントなど小さすぎるべきでもなく、その場合、テストエンクロージャは過度に長い期間ずっと充填ガスで充填されることを続けるからである。とても小さいO2 しきい値はまた限定的利用であり、なぜなら、それが役立つ唯一の目的は充填の完了後に不必要に高純度の充填ガスでエンクロージャの充填を完成することであろうからである。選択されたしきい値レベルが高すぎるか(空気のそれに近すぎて、時期尚早に充填が断たれる)または低すぎる(長すぎる充填持続)のいずれかを決定するために、簡単かつ慣例の実験が行われても構わない。少なくとも二つのO2 しきい値濃度が選択されるべきではあるが、より多くの数のO2 しきい値濃度は、決定支援ツールによって成し遂げられる比較的より大きな程度の最適化に帰着する。
【0066】
次に、決定支援ツールに必要な(複数のテストエンクロージャの充填と関連する)データを収集することにおける制約として使用するための、一連の徐々に増加する充填流量が選択される。充填持続が過度に長くなるようには、最も低い充填流量は低すぎるべきではない。ガスが無駄になるのでとても高い充填レートになるべきでもない。低いまたは高い充填流量を適切に決定するために、再び、簡単かつ慣例の実験が行われても構わない。少なくとも二つの充填流量が選択されるべきではあるが、より多くの数の充填流量は、決定支援ツールによって成し遂げられる比較的より大きな程度の最適化に帰着する。
【0067】
次に、(初めは空気で充填された)テストエンクロージャは、酸素アナライザが第1の選択されたO2 しきい値レベルを感知するまで、第1の選択された充填流量で充填され、そして、充填持続(時間)、パーセントガス損失および最終的な充填ガス濃度が記録される。パーセントガス損失は多くの方法で計算することが可能であり、好ましくは以下の式に従う:
ガス損失は以下のように定義される:
【数1】

【0068】
ここで、
Qは充填の流量(slpm、つまり、毎分標準リットル)
tは充填持続(秒)
IGはいったん充填が停止した絶縁ガラス内のガス容積(体積当たり%)
IGはインタペイン体積(リットル)
言い換えれば、
Q×t/60は充填プロセスの間に用いられたガスの全体積を表し、そして、CIG×VIGはインタペイン内のガスの体積を表す。
【0069】
したがって、ガス損失は、インタペイン内に現れる充填ガスの体積に対してのインタペイン外部に放出される充填ガスの体積として定義される。
【0070】
充填ガスは次にテストエンクロージャから放出され、そして、酸素アナライザによって第2の選択されたO2 しきい値濃度が感知されるまでは、テストエンクロージャは第1の選択された充填流量で充填される。このプロセスは第3(もし二つよりも多くが選択されたなら)および他の選択されたO2 しきい値レベルを用いて繰り返される。上記の一連の充填は次に第2および第3(もし二つよりも多くが選択されたなら)および他の充填流量に対して繰り返される。だから、もし四つの充填流量および三つのO2 しきい値レベルが選択されたなら、各テストエンクロージャは充填ガスで12回充填される。
【0071】
いったデータが収集されたなら、決定支援ツールはデータをフィタリングすることで作成される。これはいくつかの異なる方法で行われ得る。
【0072】
データをフィタリングする第1の方法においては、残りのデータが全て特定のしきい値酸素濃度または特定の流量のいずれかと関連するように、しきい値酸素濃度または流量のいずれかの第1の人工的制約(artificial constraint)が各々テストエンクロージャと関連するデータに適用される。第1の人工的制約の後、(各テストエンクロージャに対する)残りのデートから、望ましくないいくつかのデータをフィルタする第2の人工的制約が適用される。次に第3の人工的制約が、第3の人工的制約の最も望ましい値に対応するテストエンクロージャ毎に一つのデータポイントを生む(yield)ように、(各テストエンクロージャに対する)第2のフィルタの後に残ったデータに適用される。もし、第1の人工的制約がしきい値酸素濃度であるなら、最後の(final)残っているデータポイントは流量に関する。もし第1の人工的制約が流量であるなら、最後の残っているデータポイントはしきい値酸素濃度に関する。第2または第3の人工的制約は、充填持続、充填ガス損失または最後の(final)充填ガス濃度にすることができる。第2および第3の人工的制約の各々に対して三つの異なる選択があるので、当業者は最適な充填流量はさまざまな方法で決定され得ることは認識できるであろう。
【0073】
a)オペレータはある一定時間以下の充填持続のみが望ましいと決定しも構わなく、そして、データは、望ましくないほどに高い充填持続と関連した全てのエンクロージャ充填を除くように、ふるいにかけられる。次にオペレータは充填ガスの損失が重要なパラメータであると決定し、そして、どの流量とO2 しきい値濃度とのデータ対が最も低い充填ガス損失を生むのかを確かめるために、残っているデータは再調査される。この体制(regime)から、次に(しきい値酸素濃度または流量のいずれかの)残っているデータポイントが各テストエンクロージャに対して選択される。
【0074】
b)オペレータはある一定時間以下の充填持続のみが望ましいと決定しも構わなく、そして、データは、望ましくないほどに高い充填持続と関連した全てのエンクロージャ充填を除くように、ふるいにかけられる。次にオペレータは保証している最後の(final)高純度の充填ガス濃度が重要なパラメータであると決定し、そして、どの流量とO2 しきい値濃度とのデータ対が最も高い最後の充填ガス濃度を生むのかを確かめるために、残っているデータは再調査される。この体制(regime)から、次に(しきい値酸素濃度または流量のいずれかの)残っているデータポイントが各テストエンクロージャに対して選択される。
【0075】
c)オペレータはある一定レベル以下の充填ガス損失のみが望ましいと決定しも構わなく、そして、データは、望ましくないほどに高い充填ガス損失と関連した全てのエンクロージャ充填を除くように、ふるいにかけられる。次にオペレータは充填持続が重要なパラメータであると決定し、そして、どの流量とO2 しきい値濃度とのデータ対が最も短い充填持続を生むのかを確かめるために、残っているデータは再調査される。この体制(regime)から、次に(しきい値酸素濃度または流量のいずれかの)残っているデータポイントが各テストエンクロージャに対して選択される。
【0076】
d)オペレータはある一定以下の充填ガス損失のみが望ましいと決定しも構わなく、そして、データは、望ましくないほどに高い充填持続と関連した全てのエンクロージャ充填を除くように、ふるいにかけられる。次にオペレータは保証している最後の高純度の充填ガス濃度が重要なパラメータであると決定し、そして、どの流量とO2 しきい値濃度とのデータ対が最も高い最後の充填ガス濃度を生むのかを確かめるために、残っているデータは再調査される。この体制(regime)から、次に(しきい値酸素濃度または流量のいずれかの)残っているデータポイントが各テストエンクロージャに対して選択される。
【0077】
e)オペレータはある一定以上の純度の最後の充填ガス濃度のみが望ましいと決定しも構わなく、そして、データは、望ましくないほどに低い最後の充填ガス濃度と関連した全てのエンクロージャ充填を除くように、ふるいにかけられる。次にオペレータは充填持続が重要なパラメータであると決定し、そして、どの流量とO2 しきい値濃度とのデータ対が最も短い充填持続を生むのかを確かめるために、残っているデータは再調査される。この体制(regime)から、次に(しきい値酸素濃度または流量のいずれかの)残っているデータポイントが各テストエンクロージャに対して選択される。
【0078】
f)オペレータはある一定以上の純度の最後の充填ガス濃度のみが望ましいと決定しも構わなく、そして、データは、望ましくないほどに低い最後の充填ガス濃度と関連した全てのエンクロージャ充填を除くように、ふるいにかけられる。次にオペレータは充填ガスの損失が重要なパラメータであると決定し、そして、どの流量とO2 しきい値濃度とのデータ対が最も短い充填ガス損失を生むのかを確かめるために、残っているデータは再調査される。この体制(regime)から、次に(しきい値酸素濃度または流量のいずれかの)残っているデータポイントが各テストエンクロージャに対して選択される。
【0079】
データをフィルタリングする第1の方法の説明を続けると、決定支援ツールを具現化するアルゴリズムの場合、アルゴリズムは方程式で書かれ、A)流量対テストエンクロージャ寸法(しきい値酸素濃度の第1の人工的制約の適用後ならびに第2および第3の人工的制約の適用後に残っている選択されたデータポイントに対応すること)のプロットにフィットされたライン;またはB)しきい値酸素濃度対テストエンクロージャ寸法(流量の第1の人工的制約の適用後ならびに第2および第3の人工的制約の適用後に残っている選択されたデータポイントに対応すること)のプロットにフィットされたラインのいずれかに対応する。したがって、
流量=ax+b
しきい値酸素濃度=cx+d
ここで、xは充填されるエンクロージャの寸法である。次にアルゴリズムは、方程式に従って、流量(第1の人工的制約がしきい値酸素濃度のとき)またはしきい値酸素濃度(第1の人工的制約が流量のとき)を選択し、そして、選択された流量または選択されたしきい値酸素濃度に従って充填が行われる。充填されるエンクロージャの寸法は、方程式を作成するために用いられるテストエンクロージャの寸法と同じにするべきである。言い換えれば、もしテストエンクロージャの幅を利用して方程式(流量対テストエンクロージャの寸法、および、しきい値酸素濃度対テストエンクロージャの寸法のグラフにプロットされたラインに対応)を作成するなら、上記方程式のxは充填されるエンクロージャの幅となる。しかしながら、正方形の断面のテストエンクロージャと長方形の断面の充填されるエンクロージャの場合、xは、充填されるエンクロージャの二つの寸法の乗積の平方根または充填されるエンクロージャの三つの寸法の乗積の立方根のいずれかがより望ましいことに留意すべきである。言い換えれば、xは、
・(充填されるエンクロージャの)幅×高さの平方根;
・(充填されるエンクロージャの)幅×厚さの平方根;
・(充填されるエンクロージャの)高さ×厚さの平方根;または
・(充填されるエンクロージャの)幅×高さ×厚さの平方根の立方根
のいずれかがより望ましい。
【0080】
校正カーブによって具現化された決定支援ツールの場合、校正カーブは、(しきい値酸素濃度が第1の人工的制約のとき)流量対テストエンクロージャの寸法、または、(流量が第1の人工的制約のとき)しきい値酸素濃度対テストエンクロージャの寸法でプロットされる。用語“校正カーブ”は、商業的に利用可能なソフトウエアまたは周知の統計的手法を用いて統計分析がラインまたはカーブのいずれかを生むようにデータポイントに適用されることができる点においてカーブおよびラインの両方にもちろん包括的である。したがって、校正カーブは、実際に紙上にプロットされても構わなく、または、校正カーブのプロットして手動で行われるものに対応するであろうデータの電子的由来(electronic derivation)でも構わない。充填プロセス中に、オペレータは充填されるエンクロージャの寸法に対応する前記カーブ上のしきい値酸素濃度の流量を調べても構わない。充填されるエンクロージャの寸法は、校正カーブを作成するために用いられるテストエンクロージャの寸法と同じであるべきである。言い換えれば、もし校正カーブがテストエンクロージャの幅を利用するなら、上記方程式のxは充填されるエンクロージャの幅となる。しかしながら、正方形の断面のテストエンクロージャと長方形の断面の充填されるエンクロージャの場合、xは、充填されるエンクロージャの二つの寸法の乗積の平方根または充填されるエンクロージャの三つの寸法の乗積の立方根のいずれかがより望ましいことに留意すべきである。言い換えれば、xは、
・(充填されるエンクロージャの)幅×高さの平方根;
・(充填されるエンクロージャの)幅×厚さの平方根;
・(充填されるエンクロージャの)高さ×厚さの平方根;または
・(充填されるエンクロージャの)幅×高さ×厚さの平方根の立方根
のいずれかがより望ましい。
【0081】
第2の、そして、データをフィタリングすることの好ましい方法において、第1および第2の人工的制約は、望ましくないものとしていくつかのデータをフィルタして取り除く(filter out)ように適用される。第1および第2の人工的制約は以下の充填パラメータのいずれの組の値を含む。
【0082】
a)最大値以下のガス損失と最小値以上の最後の充填濃度;
b)最大値以下のガス損失と最大値以下の充填持続;
c)最小値以上の最後の充填濃度と最大値以下の充填持続
(各テストエンクロージャに対する)第1および第2の人工的制約の適用の後に残ったデータから、第3の人工的制約が、第3の人工的制約の最も望ましい値に対応するテストエンクロージャ毎に一つのデータポイントを生むように、適用される。したがって、もし、第3の人工的制約がガス損失であるなら、各テストエンクロージャに対して生まれるデータポイントは、第1および第2の人工的制約の適用後に残っているデータからの最も低いガス損失に対応するデータポイントである。同様に、もし、第3の人工的制約が最後の充填濃度であるなら、各テストエンクロージャに対して生まれるデータポイントは、第1および第2の人工的制約の適用後に残っているデータからの最も高い最後の充填濃度に対応するデータポイントである。最後に、もし、第3の人工的制約が最後の充填持続であるなら、各テストエンクロージャに対して生まれるデータポイントは、第1および第2の人工的制約の適用後に残っているデータからの最も短い最後の充填持続に対応するデータポイントである。
【0083】
データをフィルタリングする第2の方法の説明を続けると、当業者はデータをフィルタリングする第2の方法を実行する置換(permutation)が多くあることを確認できるであろう:
a)ある最大値以下の充填損失のみが望ましく、そして、(各テストエンクロージャに対しての)データは、望ましくないほどに高い充填損失と関連した全てのエンクロージャ充填を除くように、ふるいにかけられる。ある一定純度以上の最後の充填濃度のみが望ましく、そして、(各テストエンクロージャに対しての)データは、望ましくないほどに低い最後の充填濃度と関連した全てのエンクロージャ充填を除くように、ふるいにかけられる。充填持続が重要なパラメータであり、そして、どの流量とO2 しきい値濃度とのデータ対が最も短い充填持続を生むのかを確かめるために、(各テストエンクロージャに対して、そして、ガス損失および最後の充填濃度の第1および第2のデータ制約の適用後の)残っているデータは再調査される。次に各テストエンクロージャに対してデータポイントは選択される。または
b)ある最大値以下のガス損失のみが望ましく、そして、(各テストエンクロージャに対しての)データは、望ましくないほどに高いガス損失と関連した全てのエンクロージャ充填を除くように、ふるいにかけられる。ある一定時間以下の充填持続のみが望ましく、そして、(各テストエンクロージャに対しての)データは、望ましくないほどに高い充填持続と関連した全てのエンクロージャ充填を除くように、ふるいにかけられる。最後の充填濃度が重要なパラメータであり、そして、どの流量とO2 しきい値濃度とのデータ対が最も高い最後の充填濃度を生むのかを確かめるために、(各テストエンクロージャに対して、そして、ガス損失および充填持続の第1および第2のデータ制約の適用後の)残っているデータは再調査される。または次に各テストエンクロージャに対してデータポイントは選択される。または
c)ある一定以上の純度の最後の充填濃度のみが望ましく、そして、(各テストエンクロージャに対しての)データは、望ましくないほどに低い最後の充填濃度と関連した全てのエンクロージャ充填を除くように、ふるいにかけられる。ある最大値以下の充填持続のみが望ましく、そして、(各テストエンクロージャに対しての)データは、望ましくないほどに長い充填持続と関連した全てのエンクロージャ充填を除くように、ふるいにかけられる。ガス損失が重要なパラメータであり、そして、どの流量とO2 しきい値濃度とのデータ対が最も低いガス損失を生むのかを確かめるために、(各テストエンクロージャに対して、そして、最後の充填濃度および充填持続の第1および第2のデータ制約の適用後の)残っているデータは再調査される。または次に各テストエンクロージャに対してデータポイントは選択される。
【0084】
データをフィルタリングする第2の方法の説明を続けると、アルゴリズムは二つの方程式で書かれ、それらの各々は、流量対テストエンクロージャ寸法(選択されたデータポイントに対応すること)のプロットにフィットされたライン、または、しきい値酸素濃度対テストエンクロージャ寸法(選択されたデータポイントに対応すること)のプロットにフィットされたラインのいずれかに対応する。したがって、
流量=ax+b
しきい値酸素濃度=cx+d
ここで、xは充填されるエンクロージャの寸法である。充填されるエンクロージャの寸法は、方程式を作成するために用いられるテストエンクロージャの寸法と同じにするべきである。言い換えれば、もしテストエンクロージャの幅を利用して方程式(流量対テストエンクロージャの寸法、および、しきい値酸素レベル対テストエンクロージャの寸法のグラフにプロットされたラインに対応)を作成するなら、上記方程式のxは充填されるエンクロージャの幅となる。しかしながら、正方形の断面のテストエンクロージャと長方形の断面の充填されるエンクロージャの場合、xは、充填されるエンクロージャの二つの寸法の乗積の平方根または充填されるエンクロージャの三つの寸法の乗積の立方根のいずれかがより望ましいことに留意すべきである。言い換えれば、xは、
・(充填されるエンクロージャの)幅×高さの平方根;
・(充填されるエンクロージャの)幅×厚さの平方根;
・(充填されるエンクロージャの)高さ×厚さの平方根;または
・(充填されるエンクロージャの)幅×高さ×厚さの平方根の立方根
のいずれかがより望ましい。
【0085】
充填プロセスの間に、アルゴリズムは次に上記方程式から(充填プロセスが行われるところの)流量およびしきい値酸素濃度を選択する。
【0086】
開示された方法およびシステムは従来の方法およびシステムよりも上のいくつかの利点をもたらす。例1においてより詳細に述べられるように、遅く、かつ、遠くに離れたガスセンサ(つまり、出口ポートから遠く離れて置かれた)は数秒の遅延をもとらすことができる。充填の流量に依存して、この遅延は高価な数リットルの充填ガスの損失を導くことができる。他方、本発明は、とても短い遅延をもたらす、流体出口ホール40の近くまたは内部に置くことが可能か、または、インタペインスペース60内にさえも置くことが可能な、速く、かつ、小さな(non-bulky)センサを利用する。自身に隣接の酸素濃度に関連した蛍光発光の程度を示す材料を照らす光学センサの場合、蛍光を発する材料はインタペインスペース60内のどこでも置くことすら可能であり、そして、光源は、ペイン10,30の一つを通じて材料を照らすように、インタペインスペース60の外部に置かれる。
【0087】
多くの従来の充填方法は充填されるIGUのサイズに関係なく一つの流量を利用しているが、開示された方法およびシステムは、IGU2内のガス容積を最大化し、充填持続を最適化し、および/または、充填ガスの保有(retention)を最適化する(最適な方法で充填ガスの損失を少なくする)充填レートを決定することができる、決定支援ツールの使用を含む。したがって、開示された充填システムはIGU2の寸法に基づいて充填流量を適合させる。最後に、開示された方法およびシステムはまた用途が広く(versatile)、簡単で、費用効率が高く、そして、維持するのが容易であるという利点を有する。
【0088】
本発明の利点および/または態様は幾つの例においてより詳細に説明される。
【0089】
例1
例1は、ツーペイン(two-paned)IGUを充填するときにガス損失を制限することにおける出口ガスセンサ応答時間の重要性を説明する。
【0090】
条件
− 22”×36”×3/8”(つまり、55.9cm×91.4cm×9.5mm=>0.51m2 および4.9リットル)の長方形のインタペイン寸法
− Krでツーホール(two-holes)充填
− 充填(または排出)するためのホールを有する一つのコーナーがIGUの底(bottom)に配置され、同時に反対側の充填(または排出)するためのホールを有するコーナーがIGUの表面(top)に配置されるように、充填プロセスの期間に45度の方向に向きが合わせられた(oriented)絶縁ガラス
− 出口ガス流ポートには真空は適用されない
− 5.4slpmに設定された充填の流量
− 熱センサが体積当たり95%Kr(1%O2 と等価の条件)を感知したら充填プロセスはいったん止められる
− 非常に短い応答時間のセンサでモニタされた出口(eixt)でのO2 容量(content)(図4を見よ)
− 出口(outlet)から9”のところに置かれた非常に短い応答時間のセンサ
結果
− (1%O2 に等価の95%Krに設定された)出口で従来の熱センサを用いると、71.5秒後に充填プロセスは止められる。
【0091】
− 非常に短い応答時間のセンサは充填プロセスの終止を約64秒で感知し、これは熱センサに対して7.5秒の差を示す。
【0092】
− 非常に短い応答時間のセンサを用いると、充填持続は71.5から64秒へと、10.5%減少した。
【0093】
− さらに、この特定の場合、非常に短い応答時間のセンサの使用は、660mlのクリプトンを節約することを可能とする。
【0094】
例2
例2は、与えられた充填持続に対するインタペイン内のガス容積(gas content)に関しての、短応答時間センサと組み合わせた45°充填がもたらす改良対垂直充填(vertical filling)を説明する。45°充填配置(図5を見よ)は、充填ガスがユニット外部に放出を開始する前に、エアーヘッドスペースを最小にする。したがって、与えられた充填持続に対して、ガス容積は常に45°充填の場合のほうが従来の垂直充填がもたらすものよりも高くなる。
【0095】
条件
− 22”×36”×3/8”(つまり、55.9cm×91.4cm×9.5mm=>0.51m2 および4.9リットル)の長方形のインタペイン寸法
− 充填の流量=10slpm
− クリプトン充填
− ツーホール(two-holes)充填
− 出口ガス流ポートには真空は適用されない
− 出口(outlet)から9”のところに置かれた非常に短い応答時間のセンサ
− 二つの実験:(i)垂直のクリプトン充填および(ii)45°充填
− 充填プロセスは33秒で終えた。
【0096】
結果
− 一定の充填持続(例えば、33秒)および同じ充填の流量で、45°充填はインタペインのガス容積を増加させることを可能にさせ、同時にガス損失を減少させること
【表1】

【0097】
インタペイン寸法=22”×36”×3/8”
充填の流量=10slpm
ガス損失は以下のように定義される:
【数2】

【0098】
ここで、
Qは充填の流量(slpm、つまり、毎分標準リットル)
tは充填持続(秒)
IGはいったん充填が停止した絶縁ガラス内のガス容積(体積当たり%)
IGはインタペイン体積(リットル)
言い換えれば、
Q×t/60は充填プロセスの間に用いられたガスの全体積を表し、そして、CIG×VIGはインタペイン内のガスの体積を表す。
【0099】
したがって、ガス損失は、インタペイン内に現れる充填ガスの体積に対してのインタペイン外部に放出される充填ガスの体積として定義される
例3
例3は、45°充填によって生じる与えられたガス容積に対しての充填持続およびガス損失に関しての改良対垂直充填を説明する。
【0100】
条件
− 22”×36”×3/8”(つまり、55.9cm×91.4cm×9.5mm=>0.51m2 および4.9リットル)の長方形のインタペイン寸法
− 充填の流量=10slpm
− クリプトン充填
− 出口(outlet)から9”のところに置かれた非常に短い応答時間の酸素センサ
− ツーホール(two-holes)充填
− 出口ガス流ポートには真空は適用されない
− 二つの配置が考えられた:垂直充填および45°充填
− 充填プロセスは33秒で終えた。
【0101】
垂直充填の配置に対して、二つの充填が実行された。一つは41秒で停止され、しかし他方は48秒で停止された。各充填に対して、平均インタペインガス容積が測定され、そして、それからガス損失が導出された。45°充填の配置に対して、三つの充填が実行され、そして、それぞれ、31、33および37秒で停止された。各充填に対して、平均インタペインガス容積が測定され、そして、それからガス損失が導出された。
【0102】
結果(図6を見よ)
− 結果は98%クリプトン充填で比較される。
【0103】
− 45度の充填配置は、垂直充填に比べて、充填持続を30%(45.2秒から31秒まで)減少させ、そして、ガス損失を85%(58%から8.4%まで)減少させた。
【0104】
例4
例4は、長い応答時間の熱センサと組み合わせた垂直充填および45°充填の両方の結果を比較することで、配向充填(oriented filling)の効果を最大にするには短い応答時間のセンサが必要であることを説明する。
【0105】
条件
− 22”×36”×3/8”(つまり、55.9cm×91.4cm×9.5mm=>0.51m2 および4.9リットル)の長方形のインタペイン寸法
− 充填の流量=5.5−5.6slpm
− クリプトン充填
− 出口(outlet)から9”のところに置かれた(クリプトンに対して校正された)熱センサ
− 二つの配置が考えられた:垂直充填および45°充填
− ツーホール(two-holes)充填プロセス
− 終了充填指針(ending filling criterion):出口ガス流で95%Kr
結果
− 二つの配置は同様の充填持続およびガス損失に導く。この場合、熱センサの応答時間は制限要因(limited factor)であり、ウインドウ配向によりもたらされる利益に打ち勝つ(表を見よ)。

【表2】

【0106】
例5
方法論および例:例5の決定支援ツールを進展するための正方形のIGUのサイズは、以下の通り:スモール(14”×14”×3/8”)、ミディアム(21”×21”×3/8”)、および、ラージ(32”×32”×3/8”)である。このサイズの選択はそれで196から1024平方インチの範囲にある面積(幅×高さ)を有するIGUを充填するためのモデルを用いるのに適切である。充填ランスODは3.5mmである。
【0107】
次に、光学センサにより感知された一連のしきい値O2 レベルが決定される:5%、10%、15%および18%、全て%/O2 v/v。
【0108】
次に、一連の徐々に増加する充填流量が選択される:2、4、6、8、10、12、14および16、全てslpm(splmは毎分当たり標準リットルまたは毎分当たりに対応する流量、0℃および1気圧での1リットルのガスに対応するガスの体積である)。
【0109】
次に、第1の正方形のIGUは、センサが第1の選択されたO2 しきい値レベルを感知するまで、第1の選択された充填流量で充填される。このプロセスは、センサが第2、第3、第4およびその他の選択されたO2 しきい値レベルを検知するまで、第1の選択された充填流量を用いて、別々に繰り返される。これらの一連の充填は次に第2、第3、第4およびその他の選択された充填流量に対して行われる。各充填において、充填持続、ガス損失およびインタペインガス濃度は測定され、そして、記録され、そして、表にされる(表3を見よ)。次に他の正方形のIGUの各々は選択されたO2 しきい値レベルおよび充填流量に従って先に述べたように充填される。データは表4−6に見出される。

【表3】

【表4】

【表5】

【0110】
当業者はしきい値酸素濃度と流量の置換(permutation)の各々が行われる必要はないことを認識できるであろう。より完璧、そして従って、ロバストな一組は、しきい値酸素濃度と流量の置換の各々を行うことによって生じる。正方形のIGUの各々の充填は理想的には各置換毎に行われるべきであるが、この例では実際には行われなかった。8slpmの充填流量に対してデータを記録する際に制限応答(limiting returns)の一点が観察されたので、最も小さな正方形のIGUは8slpmよりも高い充填流量では充填されなかったことを留意するべきである。小さな正方形のIGUの場合には10%のO2 しきい値レベルに対してデータを記録する際、そして、最も大きい正方形のIGUの場合には15%で、制限応答(limiting returns)の一点が観察されたので、ミディアムおよび最も大きい正方形のIGUはいくつかの低いO2 しきい値レベル(ミディアムの正方形のIGUの場合は5%、そして、最も大きい正方形のIGUの場合は5%および10%の両方)が感知されるまでは充填されなかったこともまた留意するべきである。
【0111】
最適な充填流量は、O2 しきい値レベルおよび一つの測定された充填変数(充填持続またはガス損失または最後のインタペインガス濃度)に人工的制約を適用することで、そして、次にもう一つの特性(充填持続またはガス損失または最後のインタペインガス濃度)に最適なレベルに対応する流量を選択することで、データからさまざまな異なる方法で決定することが可能である。
【0112】
例えば、O2 しきい値レベルは18%に制約することが可能である。これは、18%のO2 しきい値レベルで記録されたものに対応するデータのみが選択され、そして、異なるサイズに作成された(differently sized)IGUへのモデルの適用が、18%のO2 しきい値レベルがセンサによって感知されるまで、その異なるサイズに作成されたIGUを充填することにより行われることを意味する。次に、充填持続は、20秒以下の全ての充填持続に制約される。それから、18%のO2 しきい値レベルおよび20秒以下の充填持続に対応する残りのデータは、その制限された組のデータまたは最も高い最後のインタペインガス濃度(95.1%の濃度に対して6slpm)に対して、どの充填レートが最も低いガス損失をもたらすか(10%損失に対して4slpm)を決定するために再調査される。同じ人工的制約は他の正方形のIGU上にも課せられる。各サイズの正方形のIGUに対しての選択された最適な充填流量はそれから正方形のIGUの寸法(幅)に対してプロットされる。次に、プロットされたチャートは異なるサイズに作成されたIGUに対しての最適な充填流量を計算するために用いられ得る。20”の幅および40”の高さを有する充填されるIGUを例に取る。800平方インチの面積(高さ×幅)を有する正方形のIGUに対応する規格された寸法は28.28インチである。28.28インチの寸法に対応するチャート上にプロットされたライン上の充填流量は前記モデルによってもたらされる最適な充填流量である。
【0113】
先に述べたように、最適な充填流量はさまざまな方法で決定され得り、そして、本発明の実施は18%しきい値レベル、20秒以下の充填持続および最小ガス損失に対応するプロッティング・データ(plotting data)には限定されない。
【0114】
図7は、45°角度で行われたスモールサイズおよびミディアムサイズのIGUの正方形最適なKr充填条件を示す。特定のウインドウサイズに対しての、18%O2 含有量(13.9%Krに等価)では、最大クリプトン含有量(例えば、14”×14”×(3/8)”ウインドウに対して6slpm)を保証する最適な流量がある。
【0115】
例6
例6は、3/8"厚のインタペイの充填に対して特に仕立てられ、そして、最大ガス損失が15%を超えないことが保証された決定支援ツールの例を与える。決定支援ツールに対して用いられる制約は[出口O2容積しきい値]および[最大ガス充填]であった。決定支援ツールは実験データ(表4−6中の点線で囲まれたデータ)に基づく。特に、三つの正方形のユニット(スモールサイズ、ミディアムサイズ、ラージサイズ)の充填はある範囲内の流量および出口流酸素含有量(outlet stream oxygen content)にわたって調べられた。表7に見られるように、以下の条件は、15%以下のガス損失と一緒の各インタペインの密封の前に、少なくとも95%クリプトン充填を保証するために、表4−6から選択された。45°角度で行われた3/8"厚のインタペイの95%クリプトン充填に対しての決定支援ツールは図8に書かれている。

【表6】

【0116】
決定支援ツールはそれからより大きな寸法22"×36"×(3/8)"のウインドウ上でテストされた。充填プロセスは、出口ポートでは真空は適用されない、ツーホール(two-hole)プロセス(離脱ガスを排出するための一つのボトム・ホール、一つのトップ・ホール)であった。表8はその結果を表す。
【表7】

【0117】
例7
例7は、(図5に示されるように)45°角度で行われ3/8"厚のインタペイの充填に対して特に仕立てられ、そして、インタペインを密封する前に、97%の最小クリプトン充填(図9を見よ)を保証する決定支援ツールの例を与える。この決定支援ツールは実験データ(表4−6中の実線で囲まれたデータ)に基づく。特に、三つの正方形のユニット(スモールサイズ、ミディアムサイズ、ラージサイズ)の充填はある範囲内の流量および出口流酸素含有量(outlet stream oxygen content)にわたって調べられた。以下の条件は、各インタペインの密封の前に、少なくとも97%クリプトン充填(体積当たり)を保証するために、各サイズ(表9を見よ)に対して選ばれた。
【表8】

【0118】
前の決定支援ツールはそれからより大きな寸法22"×36"×(3/8)"のウインドウ上でテストされた。充填プロセスは、出口ポートでは真空は適用されない、ツーホール(two-hole)プロセス(離脱ガスを排出するための一つのボトム・ホール、一つのトップ・ホール)であった。表10はその結果を表す。
【表9】

【0119】
本発明を実施するための好ましいプロセスおよび装置が説明されてきた。当業者には、本発明の精神および範囲を逸脱することなく、多くの変更および修正が、上記の実施形態に行われ得ることは、理解され、そして、容易に明白であるであろう。上記は例証に過ぎず、しかも、統合されたプロセスおよび装置のほかの実施形態は以下の請求項にて定義される発明の真正な範囲を逸脱することなく採用し得る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンクロージャを充填ガスで充填する方法であって、
内部、幅、高さ、厚さ、ならびに、前記内部に流体的に通じる流体充填ホールおよび流体出口ホールを有するエンクロージャを用意するステップ;
前記流体充填ホール中に前記充填ガスの流れをある充填流量で向けることによって、前記エンクロージャの充填を開始するステップ;および
感知された酸素濃度がしきい値濃度に達したときに、前記エンクロージャの充填を停止するステップを具備し、ここで、前記しきい値酸素濃度および/または前記充填流量は、前記幅、前記高さ、および/または前記厚さに基づいて決定支援ツールによって選択される方法。
【請求項2】
前記しきい値酸素濃度は、予め決められており、かつ、前記充填流量は、前記幅、前記高さ、および/または前記厚さに基づいて前記決定支援ツールによって選択される請求項1の方法。
【請求項3】
前記充填流量は、予め決められており、かつ、前記しきい値酸素濃度は、前記幅、前記高さ、および/または前記厚さに基づいて前記決定支援ツールによって選択される請求項1の方法。
【請求項4】
前記充填流量および前記しきい値酸素濃度は、前記幅、前記高さ、および/または前記厚さに基づいて前記決定支援ツールによって選択される請求項1の方法。
【請求項5】
前記エンクロージャの内部で得られる前記充填ガスの最小濃度を予め決めるステップ、
前記充填の間中に起こる前記ガスの最大パーセント損失を予め決めるステップをさらに具備し、ここで、前記決定支援ツールによって選択される前記充填流量および前記しきい値酸素濃度は、さらに前記予め決めた最小濃度および前記予め決めた最大パーセント損失に基づく請求項4の方法。
【請求項6】
前記エンクロージャの内部で得られる前記充填ガスの最小濃度を予め決めるステップをさらに具備し、ここで、前記決定支援ツールによって選択される前記充填流量または前記しきい値酸素濃度は、さらに前記予め決めた最小充填ガス濃度に基づく請求項1の方法。
【請求項7】
前記充填の間中に起こる前記充填ガスの最大パーセント損失を予め決めるステップをさらに具備し、ここで、前記決定支援ツールによって選択される前記充填流量または前記しきい値酸素濃度は、さらに前記予め決めた最大パーセント損失に基づく請求項1の方法。
【請求項8】
前記充填の前記開始と停止との間の時間間隔によって定義される最大充填持続を予め決めるステップをさらに具備し、ここで、前記決定支援ツールによって選択される前記充填流量または前記しきい値酸素濃度は、さらに前記予め決めた最大充填持続に基づく請求項1の方法。
【請求項9】
前記決定支援ツールは、前記幅、前記高さ、および/または前記厚さに基づいて、前記充填ガスの前記流量と、前記充填ガスの組成とを選択する請求項1の方法。
【請求項10】
前記エンクロージャは、一列に整列されかつ互いに平行の少なくとも二つの正方形、三角形、半円または長方形のガラスペイン(glass panes)と、前記ペイン(panes)の周辺の周囲および前記ペインによって定義されるインタペインスペース上に延びる封止構造とを具備する絶縁ガラスユニットであり、前記流体充填ホールおよび前記流体出口ホールは、前記密封構造の向かい合ったコーナー(corners)に隣接して前記密封構造内に形成されている請求項1の方法。
【請求項11】
前記エンクロージャの前記充填の間中に前記エンクロージャのボトム・エッジ(bottom edge)は水平に対して角度αを形成し、前記角度αは1°から179°の範囲内にあり、前記流体出口ホールは前記流体充填ホールよりも垂直的に高い請求項1の方法。
【請求項12】
前記角度αは、5°から175°の範囲内にある請求項11の方法。
【請求項13】
前記酸素濃度は、光学ベースの(optically-based)酸素センサによって検知される請求項1の方法。
【請求項14】
前記センサの応答時間は1秒未満である請求項13の方法。
【請求項15】
前記センサは、前記流体出口ホールの内部または前記流体出口ホールに隣接して配置される請求項13の方法。
【請求項16】
前記充填ガスは、アルゴン、アルゴンが濃縮された空気、ネオン、ネオンが濃縮された空気、クリプトン、クリプトンが濃縮された空気、キセノン、キセノンが濃縮された空気、およびそれらの混合物からなるグループから選ばれる請求項1の方法。
【請求項17】
前記高さおよび/または前記幅をコントローラに入力させるステップ、
前記コントローラを用いて前記充填流量を選択するステップをさらに具備し、ここで、前記決定支援ツールは前記コントローラに書き込まれたアルゴリズムである請求項1の方法。
【請求項18】
前記流体出口ホールに真空を適用するステップをさらに具備し、ここで、
前記しきい値酸素濃度は、前記幅、前記高さ、および/または前記厚さに基づいて前記決定支援ツールによって選択され;
前記充填流量は、前記真空の適用により生じた前記エンクロージャを通る前記充填ガスの流れの増加を補償する、オペレータによって選択される充填流量に基づいて予め決定される請求項1の方法。
【請求項19】
エンクロージャを充填ガスで充填するためのシステムであって、
前記エンクロージャの一端内に形成された流体充填ホール中に挿入されるように適合された充填ランス(filling lance);
前記エンクロージャの他端内に形成された流体出口ホールに隣接して配置された酸素センサ;および
アルゴリズムで書かれたコントローラ、前記コントローラは、
前記酸素センサによって感知された酸素濃度を受け取り、
前記エンクロージャの高さ、幅および/または厚さが入力され、
前記エンクロージャの充填の間中に前記充填ガスの流量および/またはしきい値酸素濃度を選択し、前記選択は、前記コントローラに入力された、充填される前記エンクロージャの前記高さ、前記幅および/または前記厚さに基づくこと、前記選択は前記アルゴリズムによって実行されること、および
前記酸素センサによって感知された前記酸素濃度が、前記アルゴリズムによって選択されまたは予め決められ、かつ、オペレータによって前記コントローラに入力された、前記しきい値酸素濃度にいったん達したら、前記充填ランスによって前記エンクロージャの充填を停止するように適合されていること
を具備するシステム。
【請求項20】
前記充填ランスに流体的に通じる充填ガスのソース(source)をさらに具備し、前記充填ガスは、アルゴン、アルゴンが濃縮された空気、ネオン、ネオンが濃縮された空気、クリプトン、クリプトンが濃縮された空気、キセノン、キセノンが濃縮された空気、およびそれらの混合物からなるグループから選ばれる請求項19のシステム。
【請求項21】
前記コントローラは、そのなかに充填パラメータがオペレータによって入力されるようにさらに適合され、前記充填パラメータは、前記エンクロージャ内で得られる充填ガスの最小濃度、充填の間中に起こる前記充填ガスの最大パーセント損失、前記エンクロージャを前記充填ガスで充填することの開始と停止との間の時間間隔によって定義される最大充填持続(maximum filling duration)、および、前記充填ガスの組成からなるグループから選ばれること、ここで、前記流量はさらに前記充填パラメータに基づく請求項19のシステム。
【請求項22】
真空チューブ、および、前記チューブと真空連通する真空ポンプをさらに具備し、前記センサは、少なくとも部分的に、前記真空チューブ内に配置されること、前記チューブは前記流体出口ホールと真空連通して置かれるように適合されることの請求項19のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2012−516977(P2012−516977A)
【公表日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−547045(P2011−547045)
【出願日】平成22年1月29日(2010.1.29)
【国際出願番号】PCT/IB2010/050418
【国際公開番号】WO2010/086831
【国際公開日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【出願人】(591036572)レール・リキード−ソシエテ・アノニム・プール・レテュード・エ・レクスプロワタシオン・デ・プロセデ・ジョルジュ・クロード (438)
【Fターム(参考)】