説明

エンコーダ付駆動伝達用ベルト及びその製造方法

【課題】簡単な構成でありながら、駆動伝達用ベルトとしての適性を備え、且つベルトの伸びを含む回転検出情報を精度良く発信することができるエンコーダ付駆動伝達用ベルトとその製造方法を提供する。
【解決手段】駆動伝達用ベルトのベルト層構造体1の一部に、長手方向に沿った帯状の磁性ゴム層5を含み、該磁性ゴム層5の表面は、ベルト層構造体1の表面に露出すると共に、ベルト層構造体1の長手方向に沿ってN極及びS極が交互且つ等間隔に配列する多極着磁面5aとされていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンドレスの駆動伝達用ベルトに関し、更に詳しくは、自動車用エンジンのオルタネータ、ウォーターポンプ或いはエアコン等の補機への駆動伝達用ベルト、その他の産業機械等における駆動伝達ベルトであって、ベルトの伸びを含む回転検出が可能なエンコーダ付駆動伝達用ベルトおよびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車用エンジンにおいては、オルタネータ、ウォーターポンプ或いはエアコン等の所謂補機に駆動伝達する為に、エンジンのクランクプーリからこれら補機側プーリにエンドレスの駆動伝達用ベルトが巻掛けられ、このベルトを介して補機に対する駆動伝達がなされる。これら補機からの負荷は、自動車の走行性及び燃費に影響を及ぼすことになる為、エンジンのトルク制御の最適設計を行う上で、補機による負荷の検出が重要となる。このような負荷は、補機の駆動時における一次的なベルトの伸びとなって表れる。また、長時間の駆動によってベルトに疲労が蓄積される結果ベルトが伸び、補機に対する正常な駆動伝達がなされなくなるばかりか、疲労が蓄積される結果ベルトが伸びてしまうこともある。
【0003】
このような観点から、特許文献1では、オルタネータ等の自動車補機に駆動伝達する駆動伝達用ベルトの張力を一定に保つ為のオートテンショナーに、ホール素子及び磁石部材からなるセンサを設け、オートテンショナーのアクチュエータの回転角度を検出することにより、ベルトの状態(伸び状態)が正常か異常かを判断するようにしている。また、特許文献2及び特許文献3には、補機に対する駆動伝達ベルトではないが、エンジンのクランク軸からカム軸に駆動伝達するタイミングチェーンやタイミングベルトの伸び等によるクランク角とカム角の位相差を検出することにより、吸気弁及び排気弁の正常な開閉制御を行うことが開示されている。
【0004】
更に、特許文献4及び特許文献5には、コンベアベルトにゴム磁石を埋設し、或いはコンベアベルトの表面にシート状のゴム磁石を貼付け、コンベアベルトに接近して設置された磁気センサによってゴム磁石の移動に伴う磁気変化を検出し、これによってコンベアベルトの伸びを検出することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−144960号公報
【特許文献2】特開2001−164980号公報
【特許文献3】特開2002−309994号公報
【特許文献4】特開2005−106761号公報
【特許文献5】特開2006−44853号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、特許文献1に開示された先行技術は、補機駆動用ベルトの伸びを直接検出するものではないから、補機による負荷がかかった時にその都度生じる一時的なベルトの伸びからエンジンのトルク制御の最適化につなげることは望めるものではない。また、特許文献2及び特許文献3に開示された先行技術は、いずれも、タイミングチェーン或いはタイミングベルトの伸びに基づくクランク角とカム角の位相差を検出するものであるが、これら検出角の検出対象媒体(信号発信媒体)が何であるかの記載はない。ましてや、補機による負荷を考慮してエンジンのトルク制御を図ることを意図するものではない。
【0007】
更に、特許文献4及び5に開示された先行技術は、コンベアベルトの伸び検出を、コンベアベルトに埋設又は貼付けられたゴム磁石の磁気変化を検出することにより直接行うものであるが、ベルトの回転速度が早く、また、多くのプーリによる屈曲を伴うような過酷な環境下で駆動される駆動伝達用ベルトに、即、適用し得る保証があるとは言えなかった。更に、ゴム磁石をコンベアベルト内に埋設或いはシート状ゴム磁石をコンベアベルトの表面に貼付けるとあるが、どのように埋設或いは貼付けるのかの記載はない。しかも、複数のゴム磁石を埋設或いは貼付ける際に、これらゴム磁石同士の正確な間隔設定が非常に困難であることも予想され、従って、これを高速回転する駆動伝達用ベルトに適用した場合、ベルトの伸び検出精度の信頼性が得られない懸念があった。
【0008】
本発明は、上記の実情に鑑みなされたもので、簡単な構成でありながら、駆動伝達用ベルトとしての適性を備え、且つベルトの伸びを含む回転検出情報を精度良く発信することができるエンコーダ付駆動伝達用ベルトとその製造方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第一の発明に係るエンコーダ付駆動伝達用ベルトは、駆動伝達用ベルトのベルト層構造体の一部に、長手方向に沿った帯状の磁性ゴム層を含み、該磁性ゴム層の表面は、ベルト層構造体の長手方向に沿ってN極及びS極が交互に配列する多極着磁面とされていることを特徴とする。
【0010】
本発明のエンコーダ付駆動伝達用ベルトにおいて、前記磁性ゴム層の表面が、前記ベルト層構造体の表面に露出しているものとすることができる。この場合、前記磁性ゴム層は、その表面が、ベルト層構造体を構成する一表面と同一面をなすよう形成されているものとすることができる。また、前記磁性ゴム層の形成態様としては、ベルト層構造体の全周に亘って一連的に形成されている場合、或いは、複数がベルト層構造体の全周に亘って間隔毎に形成されている場合があり、これらは目的用途に応じて適宜選択採用される。これらの場合、前記N極及びS極を、等間隔で配列しても良い。そして、前記磁性ゴム層は、ベルト層構造体に対してゴム系接着剤によって貼着一体とされているものとすることが望ましい。
【0011】
第二の発明に係るエンコーダ付駆動伝達用ベルトの製造方法は、駆動伝達用ベルトのベルト層構造体にその長手方向に沿って未硬化のゴム系接着剤を塗布し、事前に磁性粉末と未加硫ゴム材とを混練調整した磁性ゴム材料をこの接着剤塗付部に配置し、全体を上記未加硫ゴム材の加硫温度で加熱して表面がベルト層構造体の表面に露出する磁性ゴム層を定着形成し、爾後該磁性ゴム層の表面に、ベルト層構造体の長手方向に沿ってN極及びS極が交互且つ等間隔に配列する多極着磁面を着磁形成することを特徴とする。
【0012】
第三の発明に係る別のエンコーダ付駆動伝達用ベルトの製造方法は、駆動伝達用ベルトのベルト層構造体に、その長手方向に沿ってゴム系接着剤を塗布し、表面が長手方向に沿ってN極及びS極が交互且つ等間隔に配列する多極着磁面とされた帯状磁性ゴムシートを、上記接着剤塗付部に配置し貼着一体として磁性ゴム層を形成することを特徴とする。
【0013】
これらエンコーダ付駆動伝達用ベルトの製造方法において、前記接着剤の塗付を、前記ベルト層構造体の一部を剥離した部分に行い、この剥離部分に接着剤を介して前記磁性ゴム層を一体形成するようにしても良い。この場合の磁性ゴム層の一体形成は、該磁性ゴム層の表面が、ベルト層構造体を構成する一表面と同一面となるよう行うことができる。
【0014】
また、これらのエンコーダ付駆動伝達用ベルトの製造方法において、磁性ゴム層をベルト層構造体の全周に亘って一連的に形成し、或いは、前記磁性ゴム層の複数を、ベルト層構造体の全周に亘って間隔毎に形成ようにしても良い。
【発明の効果】
【0015】
第一の発明に係るエンコーダ付駆動伝達用ベルトによれば、駆動伝達用ベルトのベルト層構造体の一部を構成する帯状の磁性ゴム層は、ベルト層構造体の長手方向に沿っており、且つ該磁性ゴム層の表面は、ベルト層構造体の長手方向に沿ってN極及びS極が交互に配列する多極着磁面とされているから、本ベルトに磁気センサを近接配置させてベルトの回転に伴う磁気変化を検出するよう構成した場合、その規則的な磁気変化によってベルトの回転速度等の回転検出が可能となる。特に、N極及びS極を等間隔で配列した場合、規則的な磁気変化による回転速度等の回転検出精度がより向上する。
【0016】
また、磁性ゴム層は、ベルト層構造体の長手方向に沿っているから、ゴム特性によりベルトの伸縮に追随して伸縮する。従って、ベルトの伸縮に伴ってゴム層自体が伸縮した際にも、各N極及びS極の相互の等間隔な関係が維持され、上記のように磁気センサによってベルトの回転に伴う磁気変化を検出するよう構成した場合、磁性ゴム層からは規則的なパルス信号が発信される。そして、ベルトの伸び状態によって、このパルス信号の幅が異なるから、パルス幅をベルトの伸びのない場合のパルス幅と比較することにより、伸び率を簡易に判定することができる。これにより、被駆動伝達側によってベルトに負荷される最大荷重の算出も可能となり、これに基づき、ベルト幅の最適化や、駆動源側のトルク制御の最適化も可能となり、自動車の補機用ベルトに適用した場合には、燃費の向上にも寄与することになる。
【0017】
そして、磁性ゴム層が、ベルト層構造体の表面に露出するように構成すれば、その表面が多極着磁面とされていることにより、上記の回転情報の発信が的確になされる。更に、磁性ゴム層はベルト層構造体に追随して伸縮するから、ベルトの回転速度が早く、また、多くのプーリによる屈曲を伴うような過酷な環境下で駆動される駆動伝達用ベルトとしての適性も損なわれることがない。
【0018】
上記磁性ゴム層を、その表面が、ベルト層構造体を構成する一表面と同一面をなすよう形成すれば、磁性ゴム層がプーリに接するような駆動伝達系のベルト掛け構造に適用した場合でも、磁性ゴム層が駆動伝達の円滑性を損なう原因となることがない。
また、磁性ゴム層が、ベルト層構造体に対してゴム系接着剤によって貼着一体とされているものとした場合、接着剤のゴム特性によりベルトの伸縮に対する磁性ゴム層の追随性がより向上し、精度の高い回転(伸び)検出情報が得られる。
【0019】
第二の発明に係るエンコーダ付駆動伝達用ベルトの製造方法によれば、磁性ゴム層の定着形成が、駆動伝達用ベルトのベルト層構造体に塗布された未硬化のゴム系接着剤の接着剤塗付部に、磁性粉末と未加硫ゴム材との混練磁性ゴム材料を配置し、全体を上記未加硫ゴム材の加硫温度で加熱することによりなされるから、未加硫ゴムの加硫硬化とゴム系接着剤の硬化とが並行してなされ、磁性ゴム層とベルト層構造体との一体化が極めて安定且つ強固になされる。また、磁性ゴム層の定着形成後に、該磁性ゴム層の表面にベルト層構造体の長手方向に沿ってN極及びS極が交互且つ等間隔に配列した多極着磁面を着磁形成するようにしているから、公知の着磁装置によって着磁を行うことができ、しかも、N極及びS極の交互且つ等間隔な配列状態を精度よく構成することができる。
【0020】
また、第三の発明に係る別のエンコーダ付駆動伝達用ベルトの製造方法によれば、長手方向に沿ってN極及びS極が交互且つ等間隔に配列した多極着磁面を形成した帯状磁性ゴムシートを事前に準備するようにしているから、公知の着磁装置によって帯状磁性ゴムシート自体におけるN極及びS極の交互且つ等間隔な配列状態を精度よく構成することができる。そして、帯状磁性ゴムシートをゴム系接着剤が塗布されたベルト層構造体の接着剤塗付部に配置し貼着一体とするだけであるから、帯状磁性ゴムシートの上記N極及びS極の配列状態をそのまま維持した状態で磁性ゴム層の形成がなされる。
【0021】
これらエンコーダ付駆動伝達用ベルトの製造方法において、前記接着剤の塗付を、前記ベルト層構造体の一部を剥離した部分に行い、この剥離部分に接着剤を介して前記磁性ゴム層を一体形成するようにすれば、磁性ゴム層のベルト層構造体に対する安定且つ強固な一体化がなされる。そして、該磁性ゴム層の表面を、ベルト層構造体を構成する一表面と同一面とすることも簡易になされる。
【0022】
上記第一の発明及び第二、第三の発明において、前記磁性ゴム層の形成態様として、ベルト層構造体の全周に亘って一連的に形成されているものとした場合、前記のパルス発信の規則性がベルトの全周に亘り得られるので精度の高い回転検出情報が得られる。また、複数がベルト層構造体の全周に亘って間隔毎に形成されているものとした場合、材料コストの低減化を図ることができると共に、ベルト自体の耐久性低下を少なくすることができ、加えて、各磁性ゴム層毎のパルス発信の規則性が得られるので、検出タイミングとの整合性を図ることによって上記と同様の精度の高い回転検出情報が得られる。
【0023】
本発明において、磁性ゴム層を構成するゴム材としては、NBR、H−NBR、ACM、AEM、FKM等から選ばれたいずれかのゴム材が望ましく採用される。また、磁性粉末としては、フェライト系、希土類系等の磁性粉末が採用される。これら磁性粉末は、磁性ゴム層中に70〜95重量%含有される。更に、ゴム系接着剤としては、天然ゴム系、塩素ゴム系、ブチルゴム系、ウレタン系、シリコーン系、ニトリルゴム系、スチレンブタジエンゴム系、エチレン酢酸ビニル系、アクリル系など、可撓性のあるゴム及び樹脂成分を含有する接着剤が望ましく採用される。また、これらにエポキシ樹脂、フェノール樹脂、アミド樹脂、ウレア樹脂、塩化ビニル樹脂、イミド樹脂、カップリング剤などをブレンドした接着剤でもよい。磁性ゴム層及び硬化したゴム系接着剤の伸び率は、ベルト層構造体の伸びとの追随性から、10%以上あることが望ましい。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明のエンコーダ付駆動伝達用ベルトの一実施形態を示す部分破断斜視図である。
【図2】同別実施形態の図1と同様図である。
【図3】(a)〜(g)は本エンコーダ付駆動伝達用ベルトの各種変形例の断面図である。
【図4】本エンコーダ付駆動伝達用ベルトをエンジンの補機用ベルトに適用し、当該ベルトの回転検出システムを構成した場合の概念図である。
【図5】同回転検出システムにおける回転検出パルス信号のタイムチャート図である。
【図6】本発明のエンコーダ付駆動伝達用ベルトの製造方法の一実施形態を示すフロー図である。
【図7】同製造方法における磁性ゴム層の定着形成工程の一例を示す概念図である。
【図8】同工程の別の例を示す同様図である。
【図9】本発明のエンコーダ付駆動伝達用ベルトの製造方法の別の実施形態を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下に本発明の最良の実施の形態について図面に基づいて説明する。図1は本発明のエンコーダ付駆動伝達用ベルトの一実施形態を示す部分破断斜視図、図2は同別実施形態の図1と同様図、図3(a)〜(g)は本エンコーダ付駆動伝達用ベルトの各種変形例の断面図、図4は本エンコーダ付駆動伝達用ベルトをエンジンの補機用ベルトに適用し、当該ベルトの回転検出システムを構成した場合の概念図、図5は同回転検出システムにおける回転検出パルス信号のタイムチャート図、図6は本発明のエンコーダ付駆動伝達用ベルトの製造方法の一実施形態を示すフロー図、図7は同製造方法における磁性ゴム層の定着形成工程の一例を示す概念図、図8は同工程の別の例を示す同様図、図9は本発明のエンコーダ付駆動伝達用ベルトの製造方法の別の実施形態を示すフロー図である。
【0026】
図1に示すエンコーダ付駆動伝達用ベルトAは、エンドレスの駆動伝達用ベルトのベルト層構造体1が、EPDM等からなるゴムの基材層2と、該基材層2内に長手方向に沿って埋設された樹脂繊維からなる糸条体による補強層3と、上帆布等からなる表層部4と、この表層部4側から補強層3付近に至り長手方向全周に亘って剥離形成された溝状部1aに埋設状態で貼着一体とされた帯状磁性ゴム層5とより構成されている。このエンドレスのエンコーダ付駆動伝達用ベルトAにおいては、基材層2の下面が内周部、表層部4が外周部とされ、後記する駆動伝達機構の各駆動伝達プーリに巻掛けられた際には、基材層2の下面がこれらプーリとの接触面とされる。基材層2の下面には長手方向に沿った複数のリブ状部2a…が形成されている。
【0027】
上記磁性ゴム層5は、その表面が、ベルト層構造体1の表層部4側の表面に露出すると共に、表層部4の表面と同一面をなすよう、上記溝状部1a内にベルト層構造体1の全周に亘って貼着一体に形成されている。この溝状部1a内での磁性ゴム層5の貼着一体化は、前記のようなゴム系接着剤によってなされる。磁性ゴム層5は、前述の通り磁性粉末とゴム材とを混練して帯状に形成されたもので、その表面は、ベルト層構造体1の長手方向に沿って複数のN極5aa…及びS極5ab…が交互且つ等間隔に配列する多極着磁面5aとされている。
【0028】
図2は、別の実施形態を示す。図示のエンコーダ付駆動伝達用ベルトBは、磁性ゴム層5が、複数の短尺帯状体からなる。これら複数の短尺帯状の磁性ゴム層5…が、ベルト層構造体1の表層部4から補強層3付近に至り長手方向全周に亘って間隔毎に剥離形成された複数の溝状部1aに埋設状態で貼着一体とされ、不連続の磁性ゴム層5を構成している。各短尺帯状の磁性ゴム層5の表面は、上記同様、ベルト層構造体1の長手方向に沿ってN極5aa…及びS極5ab…が交互且つ等間隔に配列する多極着磁面5aとされている。基材層2の下面には幅方向に沿った複数のリブ状部2b…が形成されている。図1の例において、長手方向に沿ったリブ状部2aに代え、図2の例と同様のリブ状部2bとしても良い。また、図2の例において、幅方向に沿ったリブ状部2bに代えて、図1の例と同様のリブ状部2aとしても良い。その他の構成は、図1のエンコーダ付駆動伝達用ベルトAと同様である。
【0029】
図3(a)〜(g)は、上記エンコーダ付駆動伝達用ベルトA,Bの変形例を示すものである。(a)のエンコーダ付駆動伝達用ベルトCは、磁性ゴム層5が溝状部1aに埋設状態で貼着一体とされ且つその表面(多極着磁面)5aがベルト層構造体1の表層部4側の表面に露出ている点は上記例と同様であるが、表層部4の表面と同一面をなさず、ベルト層構造体1の厚み内に凹んで位置するよう形成されている点で異なる。また、(b)のエンコーダ付駆動伝達用ベルトDは、磁性ゴム層5が溝状部1aに半埋設状態で貼着一体とされ、磁性ゴム層5の表面5aが、表層部4の表面と同一面をなさず、表層部4より突出するよう形成されている点で異なる。更に、(c)のエンコーダ付駆動伝達用ベルトEは、上記のような溝状部1aが存在せず、磁性ゴム層5が表層部4の表面に接着剤を介して貼着一体とされているものである。
【0030】
図3(d)のエンコーダ付駆動伝達用ベルトFは、磁性ゴム層5が基材層2の下面に接着剤を介して貼着一体とされているものである。また、(e)のエンコーダ付駆動伝達用ベルトGは、ベルト層構造体1が、その長手方向の所定範囲に亘る複数の内外貫設部1bを等間隔で備え、この貫設部1b内に磁性ゴム層5が接着剤を介して挿着一体とされている。磁性ゴム層5の表面は、表層部4の表面と同一面をなして露出し、上記と同様の多極着磁面5aとされている。磁性ゴム層5の下面は基材層2の下面と整合するよう同一形状に形成されているが、この面を平坦面として多極着磁面としてもよい。(f)のエンコーダ付駆動伝達用ベルトHは、(b)と(d)の例のエンコーダ付駆動伝達用ベルトD,Fを複合したもので、ベルト層構造体1の表裏両面に磁性ゴム層5を備えている点で特徴付けられる。(g)のエンコーダ付駆動伝達用ベルトIは、基材層2の側部に磁性ゴム層5が接着剤を介して貼着一体とされたもので、磁性ゴム層5の側部側に露出する面が多極着磁面5aとされている。
【0031】
図4は、上記エンコーダ付駆動伝達用ベルトを自動車エンジンの補機用ベルトに適用し、該ベルトの回転(伸び)検出システムを構成した例を示している。図示のように、エンジン6の一側部にクランクシャフト7aが突出し、このクランクシャフト7aにクランクプーリ7が固設されている。また、エンジン6の同側部には、被駆動伝達対象としての各補機に対応するエアコン用駆動伝達プーリ8、ウォーターポンプ用駆動伝達プーリ9及びオルタネータ用駆動伝達プーリ10と、テンションプーリ11が軸回転可能に支持されている。これらプーリ7,8,9,10,11に、エンコーダ付駆動伝達用ベルトAが図のように巻掛けられている。この例では、エンコーダ付駆動伝達用ベルトAの内側部、即ち、上記基材層2の下面が駆動伝達プーリ7,8,9,10に接し、外側部、即ち、表層部4の表面がテンションプーリ11に接するよう巻掛けられる。
【0032】
図4におけるエンコーダ付駆動伝達用ベルトAは、このように多くの屈曲部を伴った巻掛け状態で且つ高速で回転駆動されるから、大きな屈曲応力がかかる。その為、これらの過酷な条件に耐えるような耐久性が求められる。また、この例では、テンションプーリ11において他の駆動伝達用プーリ7,8,9,10とは異なる方向に屈曲されるから、屈曲部の内外で大きな伸び応力差が生じる。その為、磁性ゴム層5はこれらの伸びに追随し得るよう10%以上の伸び率を備えていることが必要であり、これにより、求められるこの種駆動伝達用ベルトの耐久性を維持することができる。
【0033】
そして、プーリ7とプーリ8との間のエンコーダ付駆動伝達用ベルトAの外側部に近接して第1の磁気センサ12が、プーリ8におけるエンコーダ付駆動伝達用ベルトAの外側部に近接して第2の磁気センサ13が夫々設置されて、エンコーダ付駆動伝達用ベルトAの回転検出システムが構成されている。磁気センサ12,13の設置位置は、図例に限らず、回転検出対象とする被駆動伝達側(補機)によって異なる。また、磁気センサ12,13を、エンコーダ付駆動伝達用ベルトのいずれの面に近接配置するかは、前記エンコーダ付駆動伝達用ベルトA〜Iのように、多極着磁面5aの形成部位に応じて定められる。更に、両磁気センサ12,13の間隔は、各補機が無負荷の場合における出力信号の位相差がゼロ或いは一定位相差となるよう設定されている。
【0034】
図5は、上記回転検出システムにおける回転検出パルス信号のタイムチャート図を示しており、S1は磁気センサ12による検出パルス信号を、S2は磁気センサ13による検出パルス信号を夫々示している。クランクプーリ7が図4に示す矢印a方向に回転すると、エンコーダ付駆動伝達用ベルトAが同方向に回転駆動され、この回転に伴い、前記多極着磁面5aにおけるN極5aa及びS極5abによる規則的な交互の磁気変化により、エアコンのクラッチ(不図示)がオンされる時刻tまでは、図のように位相差なしのパルス信号S1,S2が出力される。そして、時刻tでエアコンのクラッチがオンとされ、エアコン用駆動伝達プーリ8に負荷が掛かると、磁気センサ12,13間でエンコーダ付駆動伝達用ベルトAに伸び(歪み)が生じ、パルス信号S2はパルス信号S1に対してS1−S2分の位相のずれを生じる。この位相のずれは、磁気センサ12,13の位置におけるエンコーダ付駆動伝達用ベルトAの速度の位相差に等しく、従って、この速度の位相差から、エアコンによる負荷荷重を算出することができる。
【0035】
このように、負荷荷重が算出されることにより、ベルトに対する最大荷重が算出され、これによりエンコーダ付駆動伝達用ベルトAのベルト幅の最適設計が可能となる。また、エンコーダ付駆動伝達用ベルトAに対する負荷をモニタリングすることにより、負荷が加わった際、エアコン用クラッチをオフしたり、エンジン点火時期を変化させるなど、エンジントルク制御の最適化も行うことができ、これにより燃費の向上も図ることができる。更に、ベルトの歪み量を記録し、この歪み量が閾値を超えれば警告を発するようにすれば、エンコーダ付駆動伝達用ベルトAの破断に至る前に運転者に知らせることができ、安全性の向上にもつながる。
【0036】
尚、図4及び図5では、他の補機にもクラッチを設けた場合、そのクラッチ(不図示)はオフ状態で、ウォーターポンプ用駆動伝達プーリ9及びオルタネータ用駆動伝達プーリ10は空回り状態である場合を示しているが、これらの補機のクラッチがオンとされた場合には、これらによる負荷が加わったことに伴うパルス信号S2が出力されることになる。また、ベルトの回転速度とクランク角速度との比較から上記と同様の負荷荷重の算出も行うことができる。
【0037】
図6は、本発明のエンコーダ付駆動伝達用ベルトの製造方法の一例をフロー図で示すものである。即ち、本製造方法は、以下の工程によって構成される。既成の駆動伝達用ベルトを準備し(工程ST1)、その表面を長手方向全周に亘って剥離して図1に示すような溝状部1aを形成する(工程ST2)。この溝状部1a内に未硬化のゴム系接着剤を塗布する(工程ST3)。一方、未加硫の前記ゴム材に磁性粉末を所定量混練して磁性ゴム材料の調製を行う(工程ST4)。この調製された磁性ゴム材料を接着剤が塗布された溝状部1a内に配置し(工程ST5)、例えば、後記する方法によって加熱・加圧し、ゴム材を一次加硫して成型し、磁性ゴム材料をその表面がベルト層構造体1の表層部4の表面と同一面をなすよう溝状部1a内に定着させる(工程ST6)。
【0038】
次いで、全体をオーブン(不図示)内に配置し、所定時間加熱して磁性ゴム材料のゴム材を2次加硫する(工程ST7)。この加熱加硫の際、ゴム系接着剤も硬化し、磁性ゴム層5が溝状部1a内に貼着一体化される。最後に、公知の着磁装置(不図示)によって磁性ゴム層5の表面を着磁し(工程ST8)、図1に示すような複数のN極5aa及びS極5abが交互且つ等間隔で配列する多極着磁面5aを備えたエンコーダ付駆動伝達用ベルトAを得る(工程ST9)。尚、工程ST7の2次加硫は、ゴム材の性状によっては不要とされる場合もある。
【0039】
図7及び図8は、上記工程ST3,ST5、ST6を実施する為の装置の例を概略的に示すものである。図7の例では、ローラ群12,13,14に、事前に溝状部1a(図1参照)が剥離形成されたエンドレスの駆動伝達用ベルト(ベルト層構造体)1が巻掛けられ、これらローラ群12,13,14の回転によって駆動伝達用ベルト1が矢印b方向に走行されるようになされている。また、ローラ12,14間において、駆動伝達用ベルト1を上下より挟むように加熱・加圧ローラ対15,16が配置されている。加熱・加圧ローラ対15,16の一方15は駆動ローラとされ、他方16は従動ローラとされ、駆動ローラ15は矢印c方向に駆動するようになされている。そして、この加熱・加圧ローラ対15,16のベルト走行方向bの上流側近傍には接着剤塗付装置17が設置されている。
【0040】
図7に示すような装置において、ローラ群12,13,14の回転によって駆動伝達用ベルト1を矢印b方向に走行させながら、接着剤塗付装置17によって接着剤を溝状部1aに塗布させると共に、加熱・加圧ローラ対15,16の対合部に事前に調製された磁性ゴム材料50を帯状にして連続的に導入する。導入された磁性ゴム材料50は、加熱・加圧ローラ対15,16の加熱・加圧作用を受けて溝状部1a内に磁性ゴム材料50を定着されてゆく。この定着が駆動伝達用ベルト1の全周に亘ってなされた時に装置を停止して、駆動伝達用ベルト1を取外して次の工程に移送させる。この加熱・加圧成型によって、磁性ゴム材料50は、そのゴム材が一次加硫され、表面がベルト層構造体1の表層部4の表面と同一面をなすよう溝状部1a内に連続的に定着される。
【0041】
図8の例では、上記加熱・加圧ローラ対15,16に代えて、上下昇降自在な加熱・加圧盤18,19が駆動伝達用ベルト1を上下から挟むように対向配置されている。また、ローラ群12,13,14は矢印b方向に間欠回転するようになされている。その他の構成は図7の例と同様である。
【0042】
図8に示すような装置において、加熱・加圧盤18,19を上下に離間させた状態でローラ群12,13,14を回転させて、駆動伝達用ベルト1を矢印b方向に加熱・加圧盤18,19の作用幅分に相当する距離だけ走行させて停止させる。この走行の間、接着剤塗付装置17によって溝状部1aに接着剤を塗布すると共に磁性ゴム材料50を帯状にして溝状部1aに導入する。次いで、加熱・加圧盤18,19を接近させ、磁性ゴム材料50が導入された部分を上下より挟圧し且つ加熱する。これにより、導入された磁性ゴム材料50が溝状部1a内に定着される。その後も、加熱・加圧盤18,19の上下離間、ローラ群12,13,14の回転駆動、接着剤の塗布及び磁性ゴム材料50の導入動作を繰り返し、磁性ゴム材料50の定着が駆動伝達用ベルト1の全周に亘ってなされた時に、駆動伝達用ベルト1を取外して次の工程に移送させる。この加熱・加圧成型によって、磁性ゴム材料50は、そのゴム材が一次加硫され、表面がベルト層構造体1の表層部4の表面と同一面をなすよう溝状部1a内に連続的に定着される。
【0043】
図7及び図8に示す例は、図1に示すように全周に亘り磁性ゴム層5が一連的に形成されたエンコーダ付駆動伝達用ベルトAの製造はもとより、溝状部1aの形成態様、接着剤の塗布の仕方、磁性ゴム材料50の導入の仕方、更には、ローラ群12,13,14の回転駆動態様等の適宜設定によって、図2に示すように磁性ゴム層5が不連続に形成されたエンコーダ付駆動伝達用ベルトBの製造にも適用させることができる。また、図3に示す各種変形例のエンコーダ付駆動伝達用ベルトC〜Iの製造にも、上記態様乃至設定等を変えることにより適用させることができる。
【0044】
図9は、本発明のエンコーダ付駆動伝達用ベルトの製造方法の別の例をフロー図で示すものである。即ち、本製造方法は、以下の工程によって構成される。駆動伝達用ベルトを準備する工程ST10、その表面を長手方向全周に亘って剥離して溝状部1aを形成する工程ST20、及びこの溝状部1a内に未硬化のゴム系接着剤を塗布する工程ST30を、図6に示す工程ST1〜3と同様に実行する。一方、未加硫の前記ゴム材に磁性粉末を所定量混練した磁性ゴム材料を所定の長尺帯状に加硫成型して帯状磁性ゴムシートの調製を行う(工程ST40)。この帯状磁性ゴムシートを、公知の着磁装置(不図示)に導入し、その表面を着磁して複数のN極及びS極5が交互且つ等間隔で配列する多極着磁面を形成する(工程ST50)。
【0045】
次いで、多極着磁面が形成された帯状磁性ゴムシートを、多極着磁面が上側になるよう、接着剤が塗布された溝状部1a内に配置し(工程ST60)、全体を加熱・加圧して接着剤を硬化させる(工程ST70)。これにより、図1に示すような複数のN極5aa及びS極5abが交互且つ等間隔で配列する多極着磁面5aを備えたエンコーダ付駆動伝達用ベルトAを得る(工程ST80)。
尚、着磁工程ST50を加熱・加圧工程ST70の後にすることも可能であり、これらは製造効率を勘案して適宜選択採用される。
【0046】
図6及び図9で例示した製造方法は、既成の駆動伝達用ベルトに簡単な加工を加えるものであるから、簡易にエンコーダ付駆動伝達用ベルトを得ることができる。この場合、図1に示すように全周に亘り磁性ゴム層5が一連的に形成されたエンコーダ付駆動伝達用ベルトAを製造するものとしたが、溝状部1aを不連続のものとし、この不連続な溝状部1aに磁性ゴム層5を定着形成して図2に示すような磁性ゴム層5が不連続に形成されたエンコーダ付駆動伝達用ベルトBを製造するものとしても良い。また、溝状部1aの形成態様(有無も含む)や、その他の設定を適宜変更することにより、図3に示す各種変形例のエンコーダ付駆動伝達用ベルトC〜Iを製造するものとすることもできる。
更に、図6及び図9例示した製造方法は、既成の駆動伝達用ベルトを加工してエンコーダ付駆動伝達用ベルトとするものであるが、駆動伝達用ベルト自体の製造過程で、そのベルト層構造体に磁性ゴム層を含ませるようにしても良い。
【0047】
尚、前記実施形態では、磁性ゴム層5がベルト層構造体1の表面に露出している例について述べたが、磁気が検出できれば、ベルト層構造体1の厚み内に埋入されていても良い。また、多極着磁面5aにおけるN極5aa及びS極5abが、等間隔で配列されている例について述べたが、パルス幅が算出できる間隔であれば、特に等間隔にしなくても良い。本発明のエンコーダ付駆動伝達用ベルトの適用例として、自動車エンジンの補機に駆動伝達させる例を述べたが、これに限らず、他の産業機械の駆動伝達用ベルトにも適用することができる。また、被駆動伝達対象の数も例示のものに限定されず、適用対象によって異なることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0048】
1 ベルト層構造体
5 磁性ゴム層
5a 多極着磁面
5aa N極
5ab S極
50 磁性ゴム材料
A〜I エンコーダ付駆動伝達用ベルト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動伝達用ベルトのベルト層構造体の一部に、長手方向に沿った帯状の磁性ゴム層を含み、該磁性ゴム層の表面は、ベルト層構造体の長手方向に沿ってN極及びS極が交互に配列する多極着磁面とされていることを特徴とするエンコーダ付駆動伝達用ベルト。
【請求項2】
請求項1に記載のエンコーダ付駆動伝達用ベルトにおいて、
前記磁性ゴム層の表面は、前記ベルト層構造体の表面に露出していることを特徴とするエンコーダ付駆動伝達用ベルト。
【請求項3】
請求項2に記載のエンコーダ付駆動伝達用ベルトにおいて、
前記磁性ゴム層は、その表面が、ベルト層構造体を構成する一表面と同一面をなすよう形成されていることを特徴とするエンコーダ付駆動伝達用ベルト。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のエンコーダ付駆動伝達用ベルトにおいて、
前記磁性ゴム層は、ベルト層構造体の全周に亘って一連的に形成されていることを特徴とするエンコーダ付駆動伝達用ベルト。
【請求項5】
請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のエンコーダ付駆動伝達用ベルトにおいて、
前記磁性ゴム層は、複数がベルト層構造体の全周に亘って間隔毎に形成されていることを特徴とするエンコーダ付駆動伝達用ベルト。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のエンコーダ付駆動伝達用ベルトにおいて、
前記N極及びS極は、等間隔で配列されていることを特徴とするエンコーダ付駆動伝達用ベルト。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載のエンコーダ付駆動伝達用ベルトにおいて、
前記磁性ゴム層は、ベルト層構造体に対してゴム系接着剤によって貼着一体とされていることを特徴とするエンコーダ付駆動伝達用ベルト。
【請求項8】
駆動伝達用ベルトのベルト層構造体に、その長手方向に沿って未硬化のゴム系接着剤を塗布し、事前に磁性粉末と未加硫ゴム材とを混練調整した磁性ゴム材料をこの接着剤塗付部に配置し、全体を上記未加硫ゴム材の加硫温度で加熱して表面がベルト層構造体の表面に露出する磁性ゴム層を定着形成し、爾後該磁性ゴム層の表面に、ベルト層構造体の長手方向に沿ってN極及びS極が交互且つ等間隔に配列する多極着磁面を着磁形成することを特徴とするエンコーダ付駆動伝達用ベルトの製造方法。
【請求項9】
駆動伝達用ベルトのベルト層構造体に、その長手方向に沿ってゴム系接着剤を塗布し、表面が長手方向に沿ってN極及びS極が交互且つ等間隔に配列された多極着磁面とされた帯状磁性ゴムシートを、上記接着剤塗付部に配置し貼着一体として磁性ゴム層を形成することを特徴とするエンコーダ付駆動伝達用ベルトの製造方法。
【請求項10】
請求項8又は請求項9に記載のエンコーダ付駆動伝達用ベルトの製造方法において、
前記接着剤の塗付を、前記ベルト層構造体の一部を剥離した部分に行い、この剥離部分に接着剤を介して前記磁性ゴム層を一体形成することを特徴とするエンコーダ付駆動伝達用ベルトの製造方法。
【請求項11】
請求項10に記載のエンコーダ付駆動伝達用ベルトの製造方法において、
前記磁性ゴム層の一体形成は、該磁性ゴム層の表面が、ベルト層構造体を構成する一表面と同一面となるようになされることを特徴とするエンコーダ付駆動伝達用ベルトの製造方法。
【請求項12】
請求項8乃至請求項11のいずれか1項に記載のエンコーダ付駆動伝達用ベルトの製造方法において、
前記磁性ゴム層を、ベルト層構造体の全周に亘って一連的に形成することを特徴とするエンコーダ付駆動伝達用ベルトの製造方法。
【請求項13】
請求項8乃至請求項11のいずれか1項に記載のエンコーダ付駆動伝達用ベルトの製造方法において、
前記磁性ゴム層の複数を、ベルト層構造体の全周に亘って間隔毎に形成することを特徴とするエンコーダ付駆動伝達用ベルトの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−164142(P2010−164142A)
【公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−7186(P2009−7186)
【出願日】平成21年1月16日(2009.1.16)
【出願人】(000225359)内山工業株式会社 (204)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】