説明

エンジンのオイル戻し装置

【課題】シリンダブロック内に形成されたオイル落とし通路からオイルパンへ落下するオイルの速度をより十分に低下させる。
【解決手段】オイル落とし通路20が、シリンダ軸線Sに対して直交する方向に互いにオフセットされた上側落とし通路20B(20A、20B)と下側落とし通路20Cとを含むように構成される。このオフセットされた位置に設定された連通部21でもって、上側落とし通路20Bと下側落とし通路20Cとが連通される。上側落とし通路20Bの底壁から上方へ伸びる堰部22が形成されて、上側落とし通路20の底部に落下されたオイルが堰部22を乗り越えた後に、連通部21を通して下側落とし通路20Cへと流れる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンジンのオイル戻し装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
往復動型のエンジンにおいては、シリンダヘッド内に配設される動弁機構の潤滑等のために、シリンダブロック下面に取付けられたオイルパン内のオイルを、オイルポンプによってシリンダヘッド内に供給するようにしている(強制潤滑)。そして、動弁機構等に供給されたオイルは、シリンダヘッド底壁に形成されたオイル回収孔から、シリンダブロック内に形成されたオイル落とし通路を介して、再びオイルパンへと回収されるようになっている。
【0003】
オイル落とし通路をオイルが落下する速度はかなり速いものとなるため、オイルがオイルパンに落下した際に周囲のエアを巻き込んで、オイルパン内のオイルに気泡(エア)を生じさせる原因となる。オイルパン内に貯溜されているオイルに含まれる気泡の割合が大きくなると、オイルポンプによるオイル供給量が低下することになって、多量のオイルを必要とする運転状態のときにオイル不足を招きかねないものとなる。
【0004】
特許文献1には、シリンダブロック内のオイル落とし通路を、互いにシリンダ軸線方向と直交する方向にオフセットされた上側落とし通路と下側落とし通路とを含むように形成して、このオフセット位置でもって上側落とし通路と下側落とし通路とを連通させたものが開示されている。この特許文献1に記載のものでは、上側落とし通路から落下するオイルは、オフセット位置でもって速度低下された後に、下側落とし通路へと流れることになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平8−135423号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載のように、シリンダブロック内に形成されるオイル落とし通路を、互いにオフセットされた上側落とし通路と下側落とし通路とを含むように形成しただけでは、最終的にオイルパンに落下するときのオイル落下速度を十分に低減することができず、さらなる対策が望まれるものである。
【0007】
本発明は以上のような事情を勘案してなされたもので、その目的は、シリンダブロック内に形成されたオイル落とし通路からオイルパンへ落下するオイルの速度をより十分に低下させることのできるようにしたエンジンのオイル戻し装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するため、本発明にあっては次のような第1の解決手法を採択してある。すなわち、特許請求の範囲における請求項1に記載のように、
シリンダヘッド内に供給されたオイルをシリンダブロック内を上下方向に連通するオイル落とし通路を介してオイルパンに戻すようにしたエンジンのオイル戻し装置において、
前記シリンダブロック内における前記オイル落とし通路が、シリンダ軸線に対して直交する方向にオフセットして配置されると共に、該オフセットされた位置に設定された連通部でもった互い連通された上側落とし通路と下側落とし通路とを含むように構成され、
前記上側落とし通路と下側落とし通路との境界部位に、該上側落とし通路の底壁から上方へ伸びる堰部が形成されて、該上側落とし通路の底部に落下されたオイルが該堰部を乗り越えた後に前記連通部を通して前記下側落とし通路へと流れるようにされている、
ようにしてある。
【0009】
上記解決手法によれば、上側落とし通路を落下するオイルは、一旦上側落とし通路の底部に衝突してその速度が大きく低下され、その後、堰部を乗り越えて下側落とし通路へと流れるので、この堰部を乗り越える段階では落下速度は大きく減衰される(落下速度はほぼ0にまで大きく低下される)ことになる。これにより、下側落とし通路からオイルパンへのオイル落下速度が十分に小さいものとなり、オイルパン内での気泡発生が十分に低減されることになる。
【0010】
上記解決手法を前提とした好ましい態様は、特許請求の範囲における請求項2以下に記載のとおりである。すなわち、
エンジンが、シリンダ軸線を鉛直方向に対して所定角度傾斜するようにスラント状態に配設され、
前記オイル落とし通路が、エンジンの下り傾斜側に位置され、
前記下側落とし通路が、前記上側落とし通路に対してシリンダ軸線側に位置するようにオフセットされている、
ようにしてある(請求項2対応)。この場合、オイルを、上側落とし通路と下側落とし通路との低い側の側面を極力伝わって落下するように流して、オイル落とし通路を落下する際の速度そのものを低下させる上で好ましいものとなる。また、堰部を乗り越えることなく直接上側落とし通路から下側落とし通路へとオイルが流れてしまう事態を極力防止して、堰部を利用したオイル落下速度の減衰効果をより十分に発揮させる上で好ましいものとなる。
【0011】
前記オイル落とし通路の全長の少なくとも半分よりも下側において、前記連通部が位置されている、ようにしてある(請求項3対応)。この場合、下側落とし通路の長さを極力短くして、下側落とし通路でのオイルの落下速度が大きくなってしまう事態を防止する上で好ましいものとなる。
【0012】
シリンダブロックが、アッパブロックとロアブロックとの分割構成とされ、
前記上側落とし通路の下部と前記下側落とし通路とがそれぞれ前記ロアブロックに形成されている、
ようにしてある(請求項4対応)。この場合、ロアブロックのみを従来と相違させるだけでよいので、実施の容易化の上で好ましいものとなる。
【0013】
前記上側落とし通路内に、有底筒状とされると共に底壁部から所定高さ位置の側面に開口部を有する堰部構成部材が挿入され、
前記堰部構成部材における前記開口部が前記連通部として構成されると共に、該堰部構成部材の側面のうち該開口部の下方部分が前記堰部として構成される、
ようにしてある(請求項5対応)。この場合、堰部構成部材を利用して、堰部を含む上側落とし通路と下側落とし通路との境界部位の構成を簡単に得ることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、オイル落とし通路からオイルパンへ落下されるオイルの落下速度を十分に低減して、オイルパン内のオイル中に含まれる気泡を十分に低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明が適用されたエンジンの一例を示す側面図。
【図2】図1のX2−X2線相当断面図。
【図3】シリンダヘッドを上方から見た要部平面図。
【図4】シリンダブロックを上方から見た要部平面図。
【図5】図2の要部拡大断面図。
【図6】図5に対応した断面図で、図1のA線およびD線部分での断面図。
【図7】シリンダブロックを下方から見た図。
【図8】図7のX8−X8線相当のバッフルプレートの断面図。
【図9】図7の矢印G方向から見たバッフルプレートの側面図。
【図10】本発明の第2の実施形態を示すもので、図5に対応した要部断面図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1は、往復動型の直列4気筒エンジンを示す。エンジンは、シリンダブロック1と、シリンダブロック1の上面に固定されたシリンダヘッド2と、シリンダヘッド2の上面に固定されたヘッドカバー3と、シリンダブロック1の下面に固定されたオイルパン4と、エンジンの前方を覆うフロントカバー5とを有する。そして、シリンダブロック1は、上方に位置するアッパブロック1Aとロアブロック1Bとの分割構成とされている。
【0017】
オイルパン4内にはオイルポンプ6が配設されて、このオイルポンプ6によってくみ上げられたオイルが、シリンダブロック1およびシリンダヘッド2の壁面内に形成されたオイル供給通路を介して、シリンダヘッド2内の動弁機構に供給される。シリンダヘッド2内の動弁機構に供給されたオイルは、その後、シリンダヘッド2の底部に形成された複数のオイル回収孔10A〜10D(図2、図3参照)へと流れて、後述するように、シリンダブロック1内のオイル落とし通路を介して、再びオイルパン4内へと落下、回収される。
【0018】
図2において、エンジンのシリンダ軸線が符合Sで示され、鉛直方向線が符合Gで示される。エンジンは、シリンダ軸線Sが、鉛直方向線Gに対して所定角度θ(例えば20度〜30度)傾斜されたスラスト状態でもって配設される。より具体的には、エンジンは、自動車のエンジンルーム内に横置きの姿勢で搭載されて、図中左方が自動車の前方方向であり、この前方方向にエンジンの吸気系が構成され、後方向にエンジンの排気系が構成される。つまり、エンジンの排気系側が、吸気系側よりも低くなるような傾斜設定とされている。
【0019】
シリンダヘッド2に形成されたオイル回収孔10A〜10Dは、シリンダヘッド2底壁部のうち、排気系に近い側(つまり低い位置となる側)において、気筒配列方向に間隔をあけて形成されている。このオイル回収孔10A〜10Dのうち、10Cのみが、互いに近接した2つの孔によって構成されている。そして、2つの孔からなるオイル回収孔10Cは、シリンダヘッド下面にまで2つの孔形式のままとされている。
【0020】
各オイル回収孔10A〜10Dは、それぞれシリンダブロック1内に形成されたオイル落とし通路に連通されており、その具体的構造について、オイル回収孔10C用のオイル落とし通路に着目して、図2〜図5を参照しつつ説明する。まず、図4に示すように、シリンダブロック1(アッパブロック1A)の上面には、オイル回収孔10Cに連通するオイル落とし通路20が形成されている。このオイル落とし通路20は、上下方向に伸びる1本とされているが、オイル落とし通路20の上面開口部周縁部は、やや大きい面積の受け入れ凹部20aとされている。これにより、2つの孔形式とされたオイル回収孔10Cは、受け入れ凹部20aで集合されて、1本のオイル落とし通路20へと流れることになる。
【0021】
シリンダブロック1内のオイル落とし通路20の下端は、オイルパン4内に臨むように開口されている(図2参照)。オイル落とし通路20のうち、アッパブロック1A内の部分は、シリンダ軸線S方向にほぼまっすぐ伸びる上側落とし通路20A(の上側部分)として形成されている。
【0022】
オイル落とし通路20は、ロアブロック1B部分では、互いにオフセットされた位置関係とされた上側落とし通路20B(の下側部分)と下側落とし通路20Cとを含むように構成されている。すなわち、上側落とし通路20Bは、アッパブロック1A内に形成された上側落とし通路20Aにまっすぐ連なっていて(図2参照)、互いに共同して上側落とし通路を構成する。これに対して、下側落とし通路20Bは、上側落とし通路20Bに対して、シリンダ軸線Sと直交する方向にオフセットするように形成されている。具体的には、シリンダ軸線Sと遠い側(低い側)に上側落とし通路20Bが位置され、シリンダ軸線Sに近い側(高い側)に下側落とし通路20Cが位置される。
【0023】
図5に詳細に示すように、ロアブロック1B内において、上側落とし通路20Bと下側落とし通路20Cとは、オフセットされた位置において、連通部21でもって互いに連通されている。また、上側落とし通路20の底壁部からは、連通部21へ向けて伸びる堰部22が形成されている。この堰部22の上縁部は、連通部21の下縁部を構成するものとなっている。換言すれば、上側落とし通路20Bは、堰部22よりも低い部分が、ある程度の容積を有する貯溜部23とされ、この貯溜部23の直上方は、ほぼ上側落とし通路20Bのほぼ全面積部分が臨むようになっている。なお、図5に示すようなオイル落とし通路構成を得るには、例えばロアブロック1Bを鋳造する際に合わせて堰部22や貯溜部23を形成するようにしてもよく、あるいはロアブロック1Bの鋳造後に、上方から上側落とし通路20Bをドリル加工する一方、下方から下側落とし通路20Cをドリル加工することにより行うことができる。
【0024】
上側落とし通路20B中を落下するオイルは、一旦その底壁部(貯溜部23の底壁部)に衝突し、貯溜部23の液面の上昇に応じて、堰部22を乗り越えた後、連通部21よりて下側落とし通路20Cへと流れることになる。堰部22を乗り越えるときにオイルの落下速度は著しく減衰されているため、下側落とし通路20Cを出る直後のオイル落下速度は大きく低下された状態とされる(オイルパン4内での気泡発生低減)。
【0025】
シリンダ軸線Sをエンジンの鉛直方向線Gに対して傾斜設定されていることにより、オイル落とし通路20を落下しようとするオイルの多くは、シリンダ軸線Sとは遠い側の壁面を伝わるように落下されることになり、壁面に接触しないで落下する場合に比して、オイル落下速度をさらに低減させることができる。勿論、上記傾斜設定によって、上側落とし通路20Bから貯溜部23を経ることなく直接的に連通部21を通して下側落とし通路20Cへとオイルが流れてしまう事態を抑制する上でも好ましいものとなる。
【0026】
オイル回収孔10Bに対応したシリンダブロック1内のオイル落とし通路も、オイル回収孔10Cに対応した前述のオイル落とし通路20と同様に構成されている(オフセットされた上側落とし通路と下側落とし通路を有すると共に、連通部21,堰部22,貯溜部23を有するものとなっている)。これに対して、オイル回収孔10A、10Dに対応したシリンダブロック1内のオイル落とし通路は30、図6に示すように、上側落とし通路30A(上側落とし通路20Bに対応)と下側落とし通路30C(下側落とし通路20Cに対応)とを含むように構成されている。ただし、上側落とし通路30Bと下側落とし通路30Cとは、シリンダ軸線Sと直交する方向にオフセットされていると共に連通部21を有するが、堰部22や貯溜部23は有しないように設定されている。つまり、合計4つのオイル回収孔10A〜10Dに対応するシリンダブロック1内のオイル落とし通路のうち、中央の2つのオイル落とし通路は図5に示すように堰部22と貯溜部23とを有するが、各端部の2つのオイル落とし通路は堰部22および貯溜部23を有しないものとして設定されている。
【0027】
なお、オイル回収孔10A、10Dに対応したシリンダブロック1内のオイル落とし通路30についても、オイル落とし通路20の場合と同様に、堰部22や貯溜部23を有する構成とすることもできる。堰部22,貯溜部23を有するオイル落とし通路の数は、オイルパン4内での気泡発生状態を考慮して、適宜決定すればよい。
【0028】
オイルパン4内には、バッフルプレート40が配設されている。このバッフルプレート40は、気筒配列方向の中間部位に対応して、図示しないクランク軸の回転軌跡に沿うように下方に湾曲する面を有する形状とされている。バッフルプレート40は、ロアブロック1Bの下面に固定されて、オイル落とし通路20に対して下方から臨んでいる。これにより、オイル落とし通路20から落下されるオイルは、一旦バッフルプレート40に受け止められた後、オイルパン4内に回収されることになる。バッフルプレート40上に落下されたオイルを、極力オイルパン4の外周縁部へと導くため、例えば図8,図9に示すように、各オイル落とし通路20,20が臨む位置を部分的に低い凹部41として形成して、この凹部41の側面のうちバッフルプレート40の外周縁部方向の側面を低くあるいは開放(側面なし)させることにより、図8,図9中矢印で示すように、凹部41に落下したオイルが、バッフルプレート40の外周縁部からのみ落下するようにして、不用意にバッフルプレート40の湾曲した中央側へ溜まらないようにするのが好ましい。
【0029】
図10は、本発明の第2の実施形態を示すものである。本実施形態では、上側落とし通路20B内に、ロアブロック1Bとは別部材となる堰部構成部材50を挿入することによって、堰部22および貯溜部23を形成するようにしてある。すなわち、堰部構成部材50は、例えば合成樹脂によって有底筒状に形成されて、その底壁から所定高さ位置の側面に開口部51を形成してある。この開口部51の高さ位置は、連通部21の高さ位置とされて、開口部51が実質的に連通部21を構成することになる(開口部51が連通部21に連通)。そして、堰部構成部材50のうち開口部51の下方にある側壁部が、堰部22とされる。本実施形態によれば、堰部構成部材を、上側落とし通路20Bの上方から挿入するだけで、堰部22や貯溜部23を構成することができる。なお、堰部構成部50を上側落とし通路20Bの底壁に当接する深さまで挿入した状態が、組付完了状態となるようにするのが、組付作業の容易化の上で好ましいものとなる。
【0030】
以上実施形態について説明したが、本発明は、実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載された範囲において適宜の変更が可能であり、例えば次のような場合をも含むものである。シリンダブロック1は、アッパブロック1Aとロアブロック1Bとの分割構成とすることなく、上下方向において一体成形された構成であってもよい。上側落とし通路20A、20Bと下側落とし通路20Cとのオフセット位置(連通部21の位置)は、極力低い位置とするのが好ましが、シリンダブロック1の高さ(オイル落とし通路20の全長)の少なくとも半分以下の低い位置に設定するのが好ましい。勿論、本発明の目的は、明記されたものに限らず、実質的に好ましいあるいは利点として表現されたものを提供することをも暗黙的に含むものである。
【産業上の利用可能性】
【0031】
本発明は、例えば自動車用のエンジンに適用することができる。
【符号の説明】
【0032】
1:シリンダブロック
1A:アッパブロック
1B:ロアブロック
2:シリンダヘッド
4:オイルパン
6:オイルポンプ
10A〜10D:オイル回収孔
20:オイル落とし通路
20B:上側落とし通路
20C:下側落とし通路
21:連通部
22:堰部
23:貯溜部
5−:堰部構成部材
S:シリンダ軸線
G:鉛直方向線
θ:傾斜角度

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリンダヘッド内に供給されたオイルをシリンダブロック内を上下方向に連通するオイル落とし通路を介してオイルパンに戻すようにしたエンジンのオイル戻し装置において、
前記シリンダブロック内における前記オイル落とし通路が、シリンダ軸線に対して直交する方向にオフセットして配置されると共に、該オフセットされた位置に設定された連通部でもった互い連通された上側落とし通路と下側落とし通路とを含むように構成され、
前記上側落とし通路と下側落とし通路との境界部位に、該上側落とし通路の底壁から上方へ伸びる堰部が形成されて、該上側落とし通路の底部に落下されたオイルが該堰部を乗り越えた後に前記連通部を通して前記下側落とし通路へと流れるようにされている、
ことを特徴とするエンジンのオイル戻し装置。
【請求項2】
請求項1において、
エンジンが、シリンダ軸線を鉛直方向に対して所定角度傾斜するようにスラント状態に配設され、
前記オイル落とし通路が、エンジンの下り傾斜側に位置され、
前記下側落とし通路が、前記上側落とし通路に対してシリンダ軸線側に位置するようにオフセットされている、
ことを特徴とするエンジンのオイル戻し装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2において、
前記オイル落とし通路の全長の少なくとも半分よりも下側において、前記連通部が位置されている、ことを特徴とするエンジンのオイル戻し装置。
【請求項4】
請求項3において、
シリンダブロックが、アッパブロックとロアブロックとの分割構成とされ、
前記上側落とし通路の下部と前記下側落とし通路とがそれぞれ前記ロアブロックに形成されている、
ことを特徴とするエンジンのオイル戻し装置。
【請求項5】
請求項1ないし請求項4のいずれか1項において、
前記上側落とし通路内に、有底筒状とされると共に底壁部から所定高さ位置の側面に開口部を有する堰部構成部材が挿入され、
前記堰部構成部材における前記開口部が前記連通部として構成されると共に、該堰部構成部材の側面のうち該開口部の下方部分が前記堰部として構成される、
ことを特徴とするエンジンのオイル戻し装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−38430(P2011−38430A)
【公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−184741(P2009−184741)
【出願日】平成21年8月7日(2009.8.7)
【出願人】(000003137)マツダ株式会社 (6,115)
【Fターム(参考)】