説明

エンジンキー操作装置

【課題】構成および制御の簡素化を図れ、誤動作時の対処の容易化を図る上で有利なエンジンキー操作装置を提供する。
【解決手段】作業機械2の操作パネル2Aには、作業機械2のエンジンの始動操作を行うための操作部材4が設けられている。エンジン操作装置10は、ホルダー12、空気圧式ロータリーアクチュエータ14、空圧源16、第1の切り換え弁18、第2の切り換え弁20を含んで構成されている。空気圧式ロータリーアクチュエータ14は、エアの給排により操作部材4を把持するホルダー12を回転駆動する。空圧源16は第1、第2の切り換え弁18、20を介して空気圧式ロータリーアクチュエータ14およびホルダー12にエアを供給する。第1の制御部24は、第1の通信部22から供給される制御信号に基づいて空圧源16と第1、第2の切り換え弁18、20の動作を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブルドーザーやバックホウなどの作業機械(各種の重機や各種の建設機械などを広く含む)のエンジンキー操作装置に関する。
【背景技術】
【0002】
作業機械を遠隔操作するシステムが提案されている(特許文献1参照)。
このようなシステムでは、作業機械の操縦レバーを遠隔操作するだけでなく、エンジンを始動するための遠隔操作が必要となるため、セルモータの制御回路に遠隔操作用の遠隔操作用回路を別途付加し、この遠隔操作用回路を遠隔制御によって動作させ、セルモータを動かしてエンジン始動を行うようにしている。
しかしながら、このような遠隔操作用回路を設けるためには、セルモータの制御回路の改造が必要となることから手間と時間を要する問題がある。
【特許文献1】特開平7−87004
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
そこで、セルモータの回転を行わせる被操作部材(エンジンキー)を回転操作するための専用のモータを作業機械に設け、このモータを遠隔制御によって回転させることが考えられる。
しかしながら、モータを用いた場合には、被操作部材やこの被操作部材に連結されたスイッチ機構に対して過大な負荷を与えないように被操作部材に加わるトルクや被操作部材の回転量を正確に制御する必要がある。
そのため、モータのトルクを検出するトルクセンサやモータの回転量を検出する位置センサを付加しなければならず、構成や制御が複雑化しコスト的にも不利となることが懸念される。
また、モータ、トルクセンサ、位置センサが電気信号によって動作するものであることから、誤動作発生時にそれら各部を遠隔操作で制御して対処することが容易ではないことが懸念される。
本発明はこのような事情に鑑みなされたものであり、その目的は、構成および制御の簡素化を図れ、誤動作時の対処の容易化を図る上で有利なエンジンキー操作装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上述の目的を達成するため、本発明のエンジンキー操作装置は、作業機械のエンジンを始動する際に回転操作される操作部材を把持するホルダーと、エアの給排により前記ホルダーを回転駆動する空気圧式ロータリーアクチュエータと、前記ホルダーおよび前記空気圧式ロータリーアクチュエータの動作を制御する作業機械側制御部とを含んで構成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、操作部材を把持するホルダーと、エアの給排によりホルダーを回転駆動する空気圧式ロータリーアクチュエータと、作業機械側制御部といった簡素な構成によって操作部材を操作することができるため、構成や制御の簡素化を図れコストダウンを図る上で有利となる。
また、空気圧式ロータリーアクチュエータに対するエアの供給を停止させることで操作部材に対して過大な負荷がかかることを防止できるので、誤動作発生時の対処の容易化を図る上で有利となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
次に本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は本実施の形態のエンジン操作装置10が作業機械2に取り付けられた状態を示す説明図、図2は図1のAA線断面図、図3(A)、(B)、(C)は操作部材4の動作説明図である。
【0007】
図1に示すように、エンジン操作装置10は、遠隔操作が可能に構成された作業機械2に取り付けられて用いられる。なお、作業機械2を遠隔操作する構成は従来公知のさまざまな遠隔操作システムが採用可能である。
作業機械2の車室内には各種操作レバーや操作スイッチが設けられた操作パネル2Aが設けられており、操作パネル2Aには、作業機械2のエンジンの始動操作を行うための操作部材4が設けられている。
本実施の形態では、図3に示すように、操作部材4は、操作パネル2Aと直交する軸線周りに回転操作可能に設けられており、ヒート位置(HEAT)、オフ位置(OFF)、ACC位置(ACC)、オン位置(ON)、スタート位置(START)との間で回転操作されるように構成されている。
エンジンを始動する際には、図3(A)に示すように、オフ位置からスタート位置に回転させ、エンジンが始動したならば、図3(B)に示すように、操作部材4をオン位置とする。多くの場合、操作部材4はスタート位置に回転させた際にばねの付勢力によりオン位置に戻される。
言い換えると、操作部材4は、エンジンの駆動を停止させるオフ位置と、セルモータに電源を供給して回転させるスタート位置と、スタート位置のオフ位置寄りの箇所に設けられセルモータへの電源の供給を停止しエンジンの駆動を継続させるオン位置との間で回転操作されるように構成されている。
本実施の形態では、エンジン操作装置10により、操作部材4が、エンジンを始動する際には、図3(A)に示すように、オフ位置からスタート位置に回転され、エンジンを切る際には、図3(C)に示すように、オン位置からオフ位置に回転される。
【0008】
図1に示すように、エンジン操作装置10は、ホルダー12、空気圧式ロータリーアクチュエータ14、空圧源16、第1の切り換え弁18、第2の切り換え弁20、第1の通信部22、第1の制御部24、第2の通信部40、第2の制御部42などを含んで構成されている。
ホルダー12は、操作部材4を把持するものである。
本実施の形態では、ホルダー12は、図1、図2に示すように、空気圧式ホルダーで構成され、フレーム26と、チューブ体28とを有している。
フレーム26は、剛性を有し操作部材4の周囲で環状に延在している。
フレーム26の外周面には、周方向に90度の間隔をおいて3つの取り付け用のねじ孔26Aが形成されている。
チューブ体28は、フレーム26の内周面に沿って環状に延在しエアが供給されることにより膨張して操作部材4を把持しエアが排出されることにより操作部材4の把持を解除するように構成されている。
チューブ体28にはエアを供給するためのエア供給管28Aが連通して設けられ、エア供給管28Aはフレーム26の外周面の外方に突設されている。
なお、このような空気圧式ホルダーは市販品を用いることができる。また、操作部材4を把持するホルダー12は、空気圧式ホルダーに限定されるものではなく、ホルダーとして従来公知のさまざまな把持構造が採用可能である。
【0009】
空気圧式ロータリーアクチュエータ14は、エアの給排によりホルダー12を回転駆動するものである。
空気圧式ロータリーアクチュエータ14は、本体30と、回転部32とを含んで構成されている。
本体30は、図示しないエア室と、前記エア室に設けられ前記エア室にエアが給排されることで移動する図示しないピストンとを有している。
回転部32は、本体30に回転可能に設けられ、ホルダー12に連結され前記ピストンに連動して回転する。言い換えると、回転部32は、前記エア室に対するエアの給排によって回転駆動される。
前記エア室は、前記ピストンによってA室とB室とに分離されており、A室に連通された給排気管30Aと、B室に連通された給排気管30Bとが本体30の外方に突設されている。
本実施の形態では、一方の給排気管30Aを介してA室にエアが供給されることで回転部32が第1の位置PAに回転され、他方の給排気管30Bを介してB室にエアが供給されることで回転部32が第2の位置PBまで回転され、2つの給排気管30A、30Bが大気開放されることで回転部32が自由に回転可能な状態となるように構成されている。
回転部32には、ホルダー12のフレーム26を覆う取り付け板34が設けられている。
本実施の形態では、取り付け板34は、円板状の上板34Aと、上板34Aの周囲から起立された円筒状の側壁34Bとを有している。
上板34Aは回転部32に一体的に取着されている。
側壁34Bがフレーム26の3つのねじ孔26Aに臨む箇所には、それぞれねじ挿通孔34Cが貫通形成されている。
そして、各ねじ挿通孔34Cに挿通されたねじNがねじ孔26Aに螺合されることで取り付け板34がフレーム26に取り付けられ、ホルダー12は取り付け板34を介して回転部32に一体的に固定されることになり、ホルダー12は回転部32と一体的に回転駆動されることになる。
また、空気圧式ロータリーアクチュエータ14の本体30は、取り付けフレーム6を介して操作パネル2Aに固定されており、これにより、ホルダー12は、そのチューブ体28によって操作部材4が把持できるように、取り付けアングル6、空気圧式ロータリーアクチュエータ14、取り付け板34を介して操作パネル2Aに取り付けられることになる。
なお、このような空気圧式ロータリーアクチュエータ14は市販品を用いることができる。
【0010】
空圧源16は、圧縮空気を生成し、第1、第2の切り換え弁18、20を介して空気圧式ロータリーアクチュエータ14およびホルダー12にエアを供給するものである。
なお、空圧源16によるエアの供給圧力は、空気圧式ロータリーアクチュエータ14によって出力されるトルクが操作部材4を操作するために必要な所定トルクとなるように設定されている。本実施の形態では、操作部材4を操作するために必要なトルクが0.5[Nm]であり、空気圧式ロータリーアクチュエータ14に対する供給圧力を0.6[MPa]としたときに、前記所定トルクが出力される空気圧式ロータリーアクチュエータ14を用いた。
第1の切り換え弁18は、2つの管38A、38Bを介して空気圧式ロータリーアクチュエータ14の給排気管30A、28Bにそれぞれ接続されている。
第2の切り換え弁20は、管36を介してホルダー12のエア供給管28Aに接続されている。
第1、第2の切り換え弁18、20は、制御部20からの駆動信号に基づいて動作することにより、エア供給管28A、給排気管30A、28Bに対するエアの給排と、大気開放とを行うように構成されている。
本実施の形態では、第1、第2の切り換え弁18、20として電磁弁を用いているが、切り換え弁としては、従来公知のさまざまな切り換え弁が採用可能である。
【0011】
第1の制御部24と第1の通信部22は、空圧源16、電磁弁18、20と共に作業機械2側に設けられ、第2の通信部40と第2の制御部42は、作業機械2から離れた遠隔地に設けられる。
第1の制御部24は、第1の通信部22から供給される制御信号に基づいて空圧源16によるエアの給排を制御し、第1、第2の切り換え弁18、20の切り換え動作を制御するものである。
第1の通信部22は、第1の制御部24に制御信号を与えるものである。
第2の通信部40は、第1の通信部22と通信回線を介して接続され、通信回線を介して制御信号を与えるものである。通信回線は従来公知のさまざまな通信回線が採用可能であり、通信回線の形態は無線回線であっても有線回線であってもよい。
第2の制御部42は、第2の通信部40に制御信号を与えるものである。
本実施の形態では、ホルダー12および空気圧式ロータリーアクチュエータ14の動作を制御する作業機械側制御部44が、空圧源16と、第1の切り換え弁18と、第2の切り換え弁20と、第1の制御部24と、第1の通信部22とを含んで構成される。
また、機械制御部に対して通信回線を介して制御信号を供給することにより、作業機械側制御部を遠隔操作する遠隔制御部46が、第2の通信部40と、第2の制御部42とを含んで構成される。
【0012】
次にエンジンキー操作装置10の動作について図4のフローチャートを参照して説明する。
作業機械2はエンジンが停止した状態にあるものとする。
遠隔制御部46の第2の通信部40から第1の通信部22を介して第1の制御部24に対してエンジンを始動する旨の制御信号が供給されると、第1の制御部24は、第1の切り換え弁20を制御することにより空圧源16からのエアを空気圧式ロータリーアクチュエータ14のA室に供給する(ステップS10)。
これにより、回転部32が第1の位置PAに回転される(ステップS12)。
また、この時点ではホルダー12には空気が供給されておらず、ホルダー12による操作部材4の把持はなされていないので、操作部材4はオフ位置に位置したままである。
次に、第1の制御部24は、第1の切り換え弁18を制御することにより空気圧式ロータリーアクチュエータ14のA室に対するエアの供給状態を維持しつつ、第2の切り換え弁20を制御することにより空圧源16からのエアをホルダー12のチューブ体28に供給することでチューブ体28を膨張させ操作部材4を把持させる(ステップS14)。これ以降、ステップS32までホルダー12の操作部材4の把持状態は維持される。
次に、第1の制御部24は、第1の切り換え弁18を制御することにより空圧源16からのエアを空気圧式ロータリーアクチュエータ14のB室に供給する(ステップS16)。
これにより、回転部32が第2の位置PBに回転される(ステップS18)。
したがって、操作部材4は図3(A)に示すようにオフ位置からスタート位置に回転され、これによりセルモータが回転されエンジンが始動される(ステップS20)。
次いで、第1の制御部24は、第1第2の切り換え弁18を制御することにより空気圧式ロータリーアクチュエータ14のA室およびB室の双方を大気開放しこれにより回転部32が回転自由な状態となる(ステップS22)。
したがって、図3(B)に示すように、操作部材4はばねの付勢力によりスタート位置からオン位置に回転し、これによりホルダー12および回転部32も操作部材4の回転に追従して回転する(ステップS24)。
これ以降、作業機械2の遠隔操作がなされることで作業機械2を用いた通常の作業がなされる(ステップS26)。
作業機械2による作業が終了し、遠隔制御部46の第2の通信部40から作業機械側制御部44の第1の通信部22を介して第1の制御部24にエンジンを切る旨の制御信号が供給されると、第1の制御部24は、第1の切り換え弁18を制御することにより空圧源16からのエアを空気圧式ロータリーアクチュエータ14のA室に供給する(ステップS28)。
これにより、回転部32が第1の位置PAに回転される(ステップS30)。
したがって、操作部材4は図3(C)に示すようにオン位置からオフ位置に回転され、これによりエンジンが停止される(ステップS32)。
次いで、第1の制御部24は、第2の切り換え弁20を制御することによりホルダー12のチューブ体28へのエアの供給を停止し大気開放すると、チューブ体28が収縮し操作部材4に対する把持が解除される(ステップS34)。
さらに、第1の制御部24は、第1の切り換え弁18を制御することにより空気圧式ロータリーアクチュエータ14のA室およびB室を大気開放しこれにより回転部32が回転自由な状態となり(ステップS36)、一連の動作が終了する。
【0013】
以上説明したように、本実施の形態によれば、ホルダー12を用いて操作部材4を操作するので、エンジンキー操作装置10を作業機械2に取り付けるにあたって作業機械2のセルモータの制御回路などの改造が不要であることは無論のこと、ホルダー12と、エアの給排によりホルダー12を回転駆動する空気圧式ロータリーアクチュエータ14といった簡素な構成で操作部材4を操作できるため、構成や制御の簡素化を図れコストダウンを図る上で有利となる。
特に、従来のようにモータを使用して操作部材4を回転させる場合には、モータのトルクを検出するトルクセンサやモータの回転量を検出する位置センサが必要となるのに対して、本実施の形態では、そのようなセンサが不要となるため、構成や制御の簡素化を図る上で有利となる。
また、本実施の形態によれば、エンジンキー操作装置10に誤動作が発生したとしても、第1の電磁弁18を大気に開放するか、あるいは空圧源16によるエア供給を停止させることによって空気圧式ロータリーアクチュエータ28から操作部材4に加わるトルクを即座に解除して操作部材4に対して過大な負荷がかかることを防止することができるので、誤動作発生時の対処の容易化を図る上で有利となる。
また、本実施の形態では、操作部材4を把持するホルダー12を空気圧式ホルダーで構成したので、操作部材4の外形形状に拘わらず操作部材4を確実に保持することができ、使い勝手の向上を図る上で有利となる。
また、本実施の形態では、ホルダー12を空気圧式ホルダーで構成したので、エンジンキー操作装置10に誤動作が発生したとしても、第2の電磁弁20を大気に開放するか、あるいは空圧源16によるエア供給を停止させることによって操作部材4に加わるトルクを即座に解除して操作部材4に対して過大な負荷がかかることを防止することができるので、誤動作発生時の対処の容易化を図る上でより一層有利となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本実施の形態のエンジン操作装置10が作業機械2に取り付けられた状態を示す説明図である。
【図2】図1のAA線断面図である。
【図3】(A)、(B)、(C)は操作部材4の動作説明図である。
【図4】エンジン操作装置10の動作フローチャートである。
【符号の説明】
【0015】
2……作業機械、4……操作部材、10……エンジンキー操作装置、12……ホルダー、14……空気圧式ロータリーアクチュエータ、44……作業機械側制御部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業機械のエンジンを始動する際に回転操作される操作部材を把持するホルダーと、
エアの給排により前記ホルダーを回転駆動する空気圧式ロータリーアクチュエータと、
前記ホルダーおよび前記空気圧式ロータリーアクチュエータの動作を制御する作業機械側制御部と、
を含んで構成されていることを特徴とするエンジンキー操作装置。
【請求項2】
前記操作部材は、エンジンの始動時に、エンジンの駆動を停止させるオフ位置から、セルモータに電源を供給して回転させるスタート位置に回転操作され、
前記空気圧式ロータリーアクチュエータは、エアの給排により前記ホルダーを介して前記操作部材を前記オフ位置から前記スタート位置に回転させる、
ことを特徴とする請求項1記載のエンジンキー操作装置。
【請求項3】
前記エアは空圧源から供給され、
前記空圧源と前記空気圧式ロータリーアクチュエータとの間に切り換え弁が設けられ、
前記エアの給排は前記切り換え弁を介して行われる、
ことを特徴とする請求項1記載のエンジンキー操作装置。
【請求項4】
前記ホルダーは空気圧式ホルダーで構成され、
前記空気圧式ホルダーは、
剛性を有し前記操作部材の周囲で環状に延在するフレームと、
前記フレームの内周面に沿って環状に延在しエアが供給されることにより膨張して前記操作部材を把持しエアが排出されることにより前記操作部材の把持を解除するチューブ体とを含んで構成されている、
ことを特徴とする請求項1記載のエンジンキー操作装置。
【請求項5】
前記エアは空圧源から供給され、
前記空圧源と前記空気圧式ホルダーとの間に切り換え弁が設けられ、
前記エアの前記空気圧式ホルダーへの給排は前記切り換え弁を介して行われる、
ことを特徴とする請求項4記載のエンジンキー操作装置。
【請求項6】
前記エアは空圧源から供給され、
前記空気圧式ロータリーアクチュエータは、エア室と、前記エア室に設けられ前記エア室にエアが給排されることで移動するピストンと、前記ホルダーに連結され前記ピストンに連動して回転する回転部とを有し、
前記空圧源と前記空気圧式ロータリーアクチュエータとの間に切り換え弁が設けられ、
前記エアの前記エア室への給排は前記切り換え弁を介して行われ、
前記切り換え弁は前記エア室を大気に開放する開放位置を有し、
前記操作部材は、エンジンの駆動を停止させるオフ位置と、セルモータに電源を供給して回転させるスタート位置と、前記スタート位置の前記オフ位置寄りの箇所に設けられセルモータへの電源の供給を停止し前記エンジンの駆動を継続させるオン位置との間で回転操作され、
前記操作部材は、前記スタート位置から前記オン位置に戻るようにばねにより付勢されており、
前記エンジンの始動時、前記操作部材は前記空気圧式ホルダーによりスタート位置に回転され、
前記エンジンが駆動されたのち、前記切り換え弁が前記開放位置とされ前記操作部材は前記ホルダーにより把持された状態で前記スタート位置から前記オン位置に前記ばねにより戻される、
ことを特徴とする請求項1記載のエンジンキー操作装置。
【請求項7】
前記作業機械側制御部を遠隔操作する遠隔制御部を備える、
ことを特徴とする請求項1記載のエンジンキー操作装置。
【請求項8】
前記ホルダーは空気圧式ホルダーで構成され、
前記作業機械側制御部は、
前記エアを供給する空圧源と、
前記空圧源と前記空気圧式ロータリーアクチュエータとの間に設けられた第1の切り換え弁と、
前記空圧源と前記空気圧式ホルダーとの間に設けられた第2の切り換え弁と、
前記空圧源によるエアの給排を制御して前記第1、第2の切り換え弁の切り換え動作を制御する第1の制御部と、
前記第1の制御部に制御信号を与える第1の通信部とを含んで構成されている、
ことを特徴とする請求項1記載のエンジンキー操作装置。
【請求項9】
前記作業機械側制御部を遠隔操作する遠隔制御部を備え、
前記遠隔制御部は、
通信回線を介して前記第1の通信部に前記制御信号を与える第2の通信部と、
前記第2の通信部に前記制御信号を与える第2の制御部とを含んで構成されている、
ことを特徴とする請求項8記載のエンジンキー操作装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−297800(P2008−297800A)
【公開日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−144972(P2007−144972)
【出願日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【出願人】(304021417)国立大学法人東京工業大学 (1,821)
【出願人】(302060926)株式会社フジタ (285)
【Fターム(参考)】