説明

エンジンブレーキ運転における内燃機関を運転するための方法および装置

以下のステップ:すなわち、
内燃機関10の開始回転数の超過を含む予め規定された開始条件が満たされた場合に、内燃機関10の出力調整部材18;28;30に対する制御信号の監視を開始し、開始後、
内燃機関10の出力調整部材18;28;30に対する制御信号を閾値と比較し、制御信号が閾値を上回った場合に欠陥反応をトリガして、エンジンブレーキ運転における内燃機関10を運転するための方法が提案される。この方法は、開始回転数を、制御信号の形成へのアイドリング運転調整部50の介入の関数として変化させることによって特徴付けられている。さらに、このような方法を制御する制御装置20が提案される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
背景技術
本発明は、以下のステップ:すなわち、内燃機関の開始回転数の超過を含む予め規定された開始条件が満たされた場合に、内燃機関の出力調整部材に対する制御信号の監視を開始し、開始後、内燃機関の出力調整部材に対する制御信号を閾値と比較し、制御信号が閾値を上回った場合に欠陥反応をトリガして、エンジンブレーキ運転における内燃機関を運転するための方法に関する。
【0002】
さらに、本発明は、前記方法を制御するための制御装置に関する。
【0003】
このような方法、このような制御装置およびこのような使用法は、本出願人のドイツ連邦共和国特許出願公開第3301742号明細書に基づき公知である。
【0004】
内燃機関のエンジンブレーキ運転は、以下、内燃機関がトルクを提供せず、むしろ、自体外的な影響によって駆動される運転と解釈される。エンジンブレーキ運転は、たとえば、運転者がトルクを要求しない場合の自動車の減速時または下り坂走行時に生ぜしめられる。エンジンブレーキ運転への移行は、たとえば運転者意思発信器、たとえばアクセルペダル発信器によって検出することができる。
【0005】
出力調整部材として、空気調量する調整部材、たとえばスロットルバルブまたは可変の弁制御部だけでなく、燃料調量する調整部材、一般的には噴射システムも考慮される。欠陥反応として、たとえば出力調整部材の最終段が作動され得ない。
【0006】
上記したドイツ連邦共和国特許出願公開第3301742号明細書は、ディーゼル機関に用いられる電子ディーゼルコントロール(EDC)システムに関する。本発明も同じくEDCシステムに関するものの、これに限定されていない。本発明は、むしろ、Eガス(電子的に制御されるスロットルバルブ)を備えたオット機関または出力調整部材として働く可変の弁制御部で使用されてもよい。
【0007】
以下、制御信号が考慮される限り、この概念は、噴射時間を開放制御するパルス幅だけでなく、空気調量する出力調整部材の制御信号も含んでいる。
【0008】
ディーゼル機関では、形成されるトルクが燃料噴射量によって顕著に規定される。このことは、エンジンブレーキ運転中に直接噴射を伴うオット機関にも類似して当てはまる。燃料調量における欠陥は、この事例では、望ましくないトルク形成を生ぜしめ得る。特にエンジンブレーキ運転では、望ましくない形式で形成された機関トルクが安全臨界的であり得る。なぜならば、不十分な機関制動作用または望ましくない加速すら生ぜしめられ得るからである。
【0009】
これに相俟って、噴射弁の制御期間を監視することが自体知られている。この場合、アクセルペダルから足を離すことによるエンジンブレーキ運転への移行時には、アイドリング運転調整器の最大の介入回転数を上回って、許容できないほど高い制御期間による噴射がまだ生ぜしめられるかどうかが監視される。
【0010】
欠陥事例、すなわち、望ましくない噴射時には、欠陥反応が導入される。このためには、制御信号期間が固定の閾値と比較される。この閾値の値は欠陥認識の感度を規定する。閾値が小さい場合には、純粋な欠陥を認める感度が大きい。しかし、高い感度は、アイドリング運転調整部の正規のトルク要求が欠陥と評価される危険も生ぜしめる。
【0011】
エンジンブレーキ運転監視に対する開始がそれ未満では行われない機関回転数、すなわち、開始回転数は内燃機関固有にかなり高く位置しいていて、一般的には、アイドリング運転調整部の上限回転数に相当している。この上限回転数の一般的な値は約2500min−1である。監視の質に対して、発生時にトルクの望ましくない提供が車両を、開始回転数が達成されるまで、目下伝動装置においてアクティブな変速比で加速させることが結果的に生ぜしめられる。
【0012】
この背景を前にして、本発明の課題は、欠陥のあるトルク提供と、欠陥のないトルク提供との識別の質における損失なしに、内燃機関の監視される運転範囲の拡張によって監視の質の向上を可能にする方法を提供することである。
【0013】
この課題は、冒頭で述べた方法だけでなく制御装置において、開始回転数を、制御信号の形成へのアイドリング運転調整部の介入の関数として変化させるかまたは制御装置が、開始回転数を、制御信号の形成へのアイドリング運転調整部の介入の関数として変化させるようになっていることによって解決される。
【0014】
発明の利点
この手段によって、前記課題は完全に解決される。本発明は、アイドリング運転調整部から生ぜしめられるトルクを監視の開始に一緒に含めている。アイドリング運転調整部が、運転者意思と合致しないトルク増加に対するベースを供給すると、監視が、上側の回転数を上回って初めて開始される。アイドリング運転調整部がトルクを要求せず、かつ/または形成しない事例では、監視がより低い開始回転数ですでに開始される。時間的に平均して、より長い期間にわたって、監視がアクティブである期間が増加させられる。これに基づき、全体的に向上させられた監視質が生ぜしめられる。
【0015】
特にトルクが、不足のまたは小さなアイドリング運転調整器介入で望ましくない形式で形成される事例では、このことが、より早期に認識され、より早期に反応させられ得る。結果として、車両が、ちょうど入れられているギヤ段でアイドリング運転調整部の最高回転数にまで加速する前にすでに介入され得る。これによって、望ましくない加速を十分に回避することができる。
【0016】
これに対して、機関制御の部分機能が不完全にトルクの形成を要求すると同時にアイドリング運転調整部が、許容された形式でトルクを要求する場合には、この欠陥はネガティブな結果を有しておらず、したがって、監視が上側の開始回転数を上回って初めて許容されていることが欠点とならない。
【0017】
開始回転数を少なくとも2つの値から選択すると有利である。
【0018】
この実施態様は簡単に実現することができ、すでに監視質に対する著しい向上を結果的に生ぜしめる。
【0019】
さらに、少なくとも2つの可能な値の最も高い値が、アイドリング運転調整部の介入と無関係であると有利である。
【0020】
この実施態様は、たとえばアイドリング運転調整部の欠陥も自体検出することができ、これによって、アイドリング運転調整部の不完全に大きな介入が監視の開始を妨害し得ないという利点を有している。
【0021】
少なくとも2つの可能な値の最も低い値未満で開始が許容されていなくても有利である。
【0022】
この実施態様は、アイドリング運転調整部の介入が小さな回転数で頻繁に行われ、大きなトルク要求を付随し、これによって、低い回転数、たとえば約1500min−1未満での監視の開始が有利に思われないことを考慮している。
【0023】
さらに、開始回転数に対する正確に2つの値が可能であり、アイドリング運転調整部の介入が、予め規定された閾値を上回らない場合に、2つの値の低い方の値を選択すると有利である。
【0024】
この実施態様も同じく極めて簡単に実現することができ、すでに監視質に対する著しい向上を結果的に生ぜしめる。
【0025】
有利な実施態様は、開始回転数に対する少なくとも3つの値が可能であり、アイドリング運転調整部の介入が、それぞれ低い方の値の1つに個別に割り当てられた閾値を下回った場合に、少なくとも2つの低い方の値の1つを選択することを提案している。
【0026】
開始回転数を、アイドリング運転調整部の介入によってアドレス指定される特性線に対する介入によって選択しても有利である。
【0027】
この実施態様は、監視質のさらなる向上を開始回転数とアイドリング運転調整部の介入との関係の多段階のまたはなだらかな変化によって可能にする。
【0028】
さらに、アイドリング運転調整部の介入を、該アイドリング運転調整部の調整回路で調整量の形成前にまたは形成後に検出すると有利である。
【0029】
アイドリング運転調整部が閉ループで作業することに目を向けてみると、信号に基づくアイドリング運転調整部の介入はループの種々異なる点で評価することができる。したがって、調整量自体または調整偏差を使用することができる。さらに、介入がモーメントベースで規定されるかまたは量ベースで規定されるかは大した問題ではない。なぜならば、両量が機関効率を介して互いに結合されているからである。制御装置での算出は、一般的に物理的な関係に応じてトルク単位(運転者意思モーメント、トルク制限、・・・)または量単位もしくは制御信号単位(スモーク制限、量補償調整)で行われる。結合は機関効率特性マップを介して行われる。したがって、本出願でトルクに対して開示された考慮は、量(燃料量、空気量)に対する相応の考慮と等価である。
【0030】
さらに、内燃機関のエンジンブレーキ運転を制御するための制御装置の使用が有利である。この場合、制御信号は、燃料噴射弁に対する噴射パルス幅または空気調量する調整部材に対する調整信号である。
【0031】
さらなる利点は、明細書および添付した図面から得られる。
【0032】
当然ながら、前述しかつ以下でさらに詳しく説明したい特徴は、本発明の枠を逸脱することなしに、それぞれ記載した組合せだけでなく、別の組合せまたは単独でも使用可能である。
【0033】
実施例の説明
以下に、本発明の実施例を図面につき詳しく説明する。
【0034】
図1における符号10は、少なくとも1つの燃焼室12を備えた、著しく概略的に示した内燃機関の全体図を表している。燃焼室12の充填物は吸気弁14と排気弁16とを介して交換される。燃焼室12の空気充填物に対して、噴射弁18を介して燃料が調量される。この場合、調量の時点と、調量される量とは、制御装置20によって制御される。この場合、噴射弁18は出力調整部材として使用される。調量される量は、内燃機関10によって形成されるトルクをかなり顕著に規定する。出力調整部材の制御は、特に運転者意思に関連して行われる。この運転者意思はアクセルペダル22を介してアクセルペダル発信器24によって検出され、制御装置20に伝送される。
【0035】
このような出力制御はディーゼル機関に対して一般的である。調量される燃料の量に関する比較可能な出力制御は、成層化された燃焼室充填物で運転される、直接噴射を伴うオット機関でも行われる。噴射が燃焼を生ぜしめるディーゼル機関と異なり、オット機関では、燃焼室充填物の火花点火が、たとえば点火プラグによって行われる。均質燃焼運転、すなわち、燃焼室12内の均質な混合物分配で運転される、直接噴射を伴うオット機関では、所望のトルクの調整が、運転者意思に関連して燃焼室12の充填物の量に関して行われる。
【0036】
このことは、吸気管噴射を伴う内燃機関にも類似して当てはまる。この事例では、燃焼室充填物の量が、制御装置20により制御されるスロットルバルブアクチュエータ28によって操作されるスロットルバルブ26を介して調整され得る。この事例では、スロットルバルブアクチュエータ28を備えたスロットルバルブ26が出力調整部材として働く。択一的には、燃焼室の充填物の量が、同じく制御装置20によって制御される吸気弁アクチュエータ30による吸気弁14の可変の制御を介して行われてもよい。さらに、内燃機関10は回転数センサ機構32を有している。この回転数センサ機構32は、たとえば強磁性のマーキング部36を備えた発信器ホイール34と、誘導センサ38とから成っていてよい。
【0037】
監視に目を向けてみると、たとえば規定されたスロットルバルブ開き角が噴射弁18の制御期間に相当している。なぜならば、両量がその技術的な各周辺において、その都度顕著に内燃機関10のトルクを規定するからである。可変の弁制御時には、場合により、制御期間または弁ストロークが相応の基準である。
【0038】
図2には、本発明による方法の実施例および本発明による制御装置の実施例が機能ブロックの形で示してある。
【0039】
制御装置20は、機能に関して線40によって上側の第1のレベル42と下側の第2のレベル44とに分割される。この場合、この分割部は、制御装置20で実行される機関制御プログラムのプログラム構造部に相当している。制御装置20には、入力側で種々異なるセンサの信号、特にアクセルペダル発信器24および誘導センサ38の信号が供給される。第1のレベル42では、これらの信号から、少なくとも1つの出力調整部材18;28;30に対する制御信号が形成される。この出力調整部材18;28;30には、制御装置20が出力側で接続されている。第2のプログラムレベル44は第1のレベルを監視するために働く。両レベルは機能的に互いに連結されている。したがって、第2のレベル44は、レベル1で出力調整部材18;28;30に対する制御信号を成形するための一連の流れから、出力を規定する信号を獲得する。レベル2での制御信号の検査が安全臨界的な非妥当性を得ると、たとえば内燃機関10の安全臨界的なトルク上昇を阻止するかまたは減少させるために、レベル2がレベル1に介入し得る。
【0040】
レベル1では、まず、ブロック46で運転者意思(アクセルペダル発信器24)および内燃機関10の回転数(誘導センサ38)をベースとして、所望モーメントまたは所望量が算出される。この場合、所望量の概念は、内燃機関10の、出力を規定する作業媒体の量に該当している。この作業媒体は、噴射したい燃料量であってよい。この燃料量は燃料調量弁18を介して調量される。択一的または補足的には、この所望量が、空気または燃料/空気混合物による燃焼室12の充填物に該当していてもよい。燃焼室12の充填物は、スロットルバルブアクチュエータ28または吸気弁アクチュエータ30の適宜な制御によって調整される。所望モーメントと所望量とは機関効率を介して互いに結合されていて、したがって、択一的に使用可能である。このように形成された所望モーメント/所望量には、結合部48でアイドリング運転調整部50の介入が重畳される。このアイドリング運転調整部50は誘導センサ38の回転数信号をベースとして形成されている。結合は加法的または乗法的であってよい。通常事例で閉鎖された第1のスイッチ52を介して、ブロック48での結合の結果が、制御装置20での最終的な制御信号成形および最終段を表すブロック54に引き渡される。このブロック54の出力信号は、図1に示した、出力を規定する少なくとも1つの調整部材18,28および/または30を制御するために働く。
【0041】
制御装置20における第1のプログラムレベル42に基づく制御信号形成および制御信号成形のこの機能は、第2のプログラムレベル44によって検査される。このためには、レベル1のブロック48での結合の結果が、比較ブロック56において、許容可能なまたは妥当な値S_0と比較される。この値はブロック60から提供される。このためには、このブロック60に、たとえば同じくアクセルペダル発信器24および回転数センサ機構32の信号が供給されるので、これに基づき、ブロック60が、第1のレベルに基づくブロック46,48,50の機能のシミュレーション(模倣)と、オフセット量の加算とによって、最大限に許容可能な量信号またはトルク所望信号に対する値S_0を形成することができる。スイッチ58を介して供給された、第1のレベルで本来形成された信号が、最大限に許容可能な値S_0よりも大きいと、ブロック56が第1のレベルにおけるスイッチ52を開放する。その後、第1のレベルにおけるブロック54が、望ましくないトルク上昇またはトルクの望ましくない提供を阻止するために、等価値を出力調整部材18,28および/または30に送出する。択一的には、ブロック54を作動させないことも考慮され、これによって、制御信号が送出されない。この場合、第2のレベル44による第1のレベル42の監視の開始が、第2のスイッチ58の閉鎖によって行われる。
【0042】
以下に、この開始がどのようにして行われるのかを説明する。
【0043】
このためには、誘導センサ38の信号が比較ブロック72に供給される。この比較ブロック72には、平行して、より高い開始回転数の値n_2が供給される。このより高い開始回転数n_2は、たとえば上限回転数に相当していてよい。この上限回転数未満では、第1のレベル42におけるアイドリング運転調整部50がアクティブである。内燃機関の本来の回転数が、たとえば2300min−1であってよい回転数n_2よりも大きいと、アイドリング運転調整部50が通常の状況下で、トルクを上昇させる介入を第1のレベル42における結合部48に供給しない。したがって、出力調整部材18,28および/または30に対する制御信号の形成は、アイドリング運転調整部50の介入に重畳されていない。この介入は第1のレベル42における制御信号形成の監視を妨害する恐れがある。
【0044】
比較ブロック72は、この事例では、たとえば論理的な1を送出する。この1はOR結合部76を介して、すでに述べた論理的なAND結合部62の第2の入力部66に案内される。平行して、結合部62の第1の入力部64に比較ブロック68の信号が供給される。この比較ブロック68の信号は、運転者の所望トルクが、ブロック70によって提供される閾値S_1未満である場合には論理的に1である。この場合、運転者意思信号がアクセルペダル発信器24によって提供される。ブロック68は、たとえばアクセルペダル角度が0に等しい場合に論理的な1を送出する。同時に機関回転数がn_2よりも大きい場合には、ブロック62が第2のスイッチ58の閉鎖によって監視を開始する。
【0045】
固定の開始回転数n_2をベースとした開始のこのような制御はすでに知られている。本発明によれば、固定の開始回転数n_2に対して択一的または補足的に、第1のレベル42のブロック46,48,54での制御信号の形成へのアイドリング運転調整部50の介入の関数として可変である開始回転数が使用される。
【0046】
このために、図2に示した構成では、アイドリング運転調整部50の出力信号が、第1のレベル42における後続処理に対して平行に第2のレベル44にも引き渡される。この第2のレベル44では、アイドリング運転調整部50の出力信号が比較ブロック82に供給される。この比較ブロック82には、平行して、閾値S_2が供給される。このS_2は、アイドリング運転調整部50の介入に対する閾値に相当している。この閾値は、開始に対してまだ許容可能な値を、もはや許容することができない値から分離している。アイドリング運転調整部50の介入が、たとえば比較的小さい、すなわち、閾値S_2よりも小さい場合には、比較ブロック82が論理的な1を、後置されたAND結合部84に付与する。このAND結合部84には、平行して、比較ブロック78の出力信号が供給される。この比較ブロック78では、内燃機関10の回転数、すなわち、誘導センサ38の信号が、より低い開始回転数n_1と比較される。この値n_1は、たとえばアイドリング運転調整部50のパイロット制御の上限回転数、たとえば約1500min−1に相当していてよい。値n_1は図2においてブロック80によって提供される。この場合、このブロック80は、説明したように、固定値を送出する。択一的には、ブロック80が特性線を成していてよい。この特性線には、図2と異なり、アイドリング運転調整器50の介入が供給される。特性線は、この介入になだらかにまたは段状に関連した値n_1を送出する。この場合、結果的に、このより低い開始回転数n_1を上回ると同時にアイドリング運転調整部50の小さな介入でも、第1のレベル42での制御信号形成の監視が許容される。この介入では、比較ブロック84の制御信号がOR結合部76,62を介してスイッチ58を閉鎖する。
【0047】
図3には、公知先行技術またはここで説明した本発明による開始が可能となる回転数範囲を図示するための本発明の作用が示してある。この場合、値0は不能(ディスエーブル)に相当しており、値1は監視の開始(イネーブル)に相当している。図3に示した実線88は公知先行技術を表している。この公知先行技術によれば、監視は、比較的高い回転数n_2を上回って初めて開始された。破線90は、どのようにして本発明の枠内で開始がより低い回転数n_1ですでに可能であるのかを示している。前提条件は、詳しく上述したように、本発明によりいまや監視に接近可能なn_1とn_2との間の回転数範囲内でアイドリング運転調整部50の比較的小さな介入しか付与されないことである。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】作動部材、センサ機構および制御装置を備えた内燃機関を概略的に示す図である。
【図2】本発明による方法の実施例および本発明による制御装置の実施例を機能ブロックの形で示す図である。
【図3】監視がアクティブとなる回転数範囲を示す図である。
【符号の説明】
【0049】
10 内燃機関、 12 燃焼室、 14 吸気弁、 16 排気弁、 18 噴射弁、 20 制御装置、 22 アクセルペダル、 24 アクセルペダル発信器、 26 スロットルバルブ、 28 スロットルバルブアクチュエータ、 30 吸気弁アクチュエータ、 32 回転数センサ機構、 34 発信器ホイール、 36 マーキング部、 38 誘導センサ、 40 線、 42 第1のレベル、 44 第2のレベル、 46 ブロック、 48 結合部、 50 アイドリング運転調整部、 52 第1のスイッチ、 54 ブロック、 56 比較ブロック、 58 第2のスイッチ、 60 ブロック、 62 AND結合部、 64 第1の入力部、 66 第2の入力部、 68 比較ブロック、 70 ブロック、 72 比較ブロック、 76 OR結合部、 78 比較ブロック、 80 ブロック、 82 比較ブロック、 84 AND結合部、 88 実線、 90 破線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下のステップ:すなわち、
内燃機関(10)の開始回転数の超過を含む予め規定された開始条件が満たされた場合に、内燃機関(10)の出力調整部材(18;28;30)に対する制御信号の監視を開始し、
開始後、内燃機関(10)の出力調整部材(18;28;30)に対する制御信号を閾値と比較し、
制御信号が閾値を上回った場合に欠陥反応をトリガして、エンジンブレーキ運転における内燃機関を運転するための方法において、
開始回転数を、制御信号の形成へのアイドリング運転調整部(50)の介入の関数として変化させることを特徴とする、エンジンブレーキ運転における内燃機関を運転するための方法。
【請求項2】
開始回転数を少なくとも2つの値から選択する、請求項1記載の方法。
【請求項3】
少なくとも2つの可能な値の最も高い値が、アイドリング運転調整部(50)の介入と無関係である、請求項2記載の方法。
【請求項4】
少なくとも2つの可能な値の最も低い値未満で開始が許容されていない、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
開始回転数に対する正確に2つの値が可能であり、アイドリング運転調整部(50)の介入が、予め規定された閾値を上回らない場合に、2つの値の低い方の値を選択する、請求項3または4記載の方法。
【請求項6】
開始回転数に対する少なくとも3つの値が可能であり、アイドリング運転調整部(50)の介入が、それぞれ低い方の値の1つに個別に割り当てられた閾値を下回った場合に、少なくとも2つの低い方の値の1つを選択する、請求項3または4記載の方法。
【請求項7】
開始回転数を、アイドリング運転調整部の介入によってアドレス指定される特性線に対する介入によって選択する、請求項1または2記載の方法。
【請求項8】
アイドリング運転調整部(50)の介入を、該アイドリング運転調整部(50)の調整回路で調整量の形成前にまたは形成後に検出する、請求項1から7までのいずれか1項記載の方法。
【請求項9】
エンジンブレーキ運転における内燃機関(10)を運転するための制御装置(20)であって、当該制御装置(20)が、内燃機関の開始回転数の超過を含む予め規定された開始条件が満たされた場合に、内燃機関(10)の出力調整部材(18;28;30)に対する制御信号の監視を開始するようになっていて、
開始後、内燃機関(10)の出力調整部材(18;28;30)に対する制御信号を閾値と比較するようになっていて、制御信号が閾値を上回った場合に欠陥反応をトリガするようになっている形式のものにおいて、
当該制御装置が、開始回転数を、制御信号の形成へのアイドリング運転調整部(50)の介入の関数として変化させるようになっていることを特徴とする、エンジンブレーキ運転における内燃機関を運転するための制御装置。
【請求項10】
当該制御装置が、請求項2から8までのいずれか1項記載の方法を制御するようになっている、請求項9記載の制御装置。
【請求項11】
内燃機関(10)のエンジンブレーキ運転を制御するための請求項9または10記載の制御装置の使用法において、制御信号が、燃料噴射弁(18)に対する噴射パルス幅または空気調量する調整部材(28;30)に対する調整信号であることを特徴とする、内燃機関のエンジンブレーキ運転を制御するための制御装置の使用法。

【図1】
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【図3】
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【図2】
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【公表番号】特表2007−526956(P2007−526956A)
【公表日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−505461(P2006−505461)
【出願日】平成16年3月11日(2004.3.11)
【国際出願番号】PCT/EP2004/050291
【国際公開番号】WO2004/092565
【国際公開日】平成16年10月28日(2004.10.28)
【出願人】(390023711)ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング (2,908)
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
【住所又は居所原語表記】Stuttgart, Germany
【Fターム(参考)】