説明

エンジン・ブロックの耐久性試験

本発明の目的は、エンジン・ブロックの耐久性試験の代替方法を提供することである。エンジン・ブロックは円筒空洞を有し、これらの円筒空洞は中間壁によって互いから分離されており、各中間壁はボルト穴を有する。上記方法は、供試体がボルト穴を有するように、供試体をエンジン・ブロックの中間壁領域から取り外す段階を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンジン・ブロックを用いた耐久性試験に使用される供試体を作製する方法、エンジン・ブロックを用いた耐久性試験に使用される試験組立体を作製する方法、エンジン・ブロックを用いた耐久性試験を実施する方法、及び耐久性試験を実施する方法によって得られた荷重/寿命曲線に関するエンジン・ブロックに関するものである。
【背景技術】
【0002】
エンジンのエンジン・ブロック壁の耐久性を試験及び比較するために、複数の解決策が出ている。1つの例は、エンジン・ブロックにいわゆるハイドロ・パルス試験の原理を使用することである。これは、油圧油を用いてシリンダに圧力をかけることによって実現される。高圧油圧油は、最高約15Hzの振動数でシリンダに圧入される。ハイドロ・パルス試験の原理は、エンジン・ブロック壁に脈動する外力を加えるためにダミー内部要素を使用することである。この脈動外力は、運転状態にあるエンジン・ブロック構造体にかかる最も重要な力をシミュレートする。破壊まで或いは所定の脈動サイクル数まで、複数の試験が、種々の荷重における脈動疲労に対して施される。試験結果は圧力/寿命の図にプロットされる。例えばウェーラー線図といったよく知られた数学的手法を用いることにより、曲線を試験結果に一致させる。それにより、圧力/寿命曲線が、一定振幅下における試験材料又は構成要素の疲労挙動を説明する。しかし、ハイドロ・パルス試験法にはいくつかの問題がある。必要とされる非常に高い油圧が、漏洩の場合に、装置へ相当な損傷を与える危険性が大きい。また、現在必要とされている高い油圧を得ることは困難であり、製品エンジンの燃焼時のシリンダ圧力が大きくなる傾向が続くならば、このことは将来において更に困難になる。試験の最大振動数は比較的小さい。この方法は非常に時間がかかり、信頼性の高い圧力/寿命曲線の作成に必要となる7つのブロックの一連の試験を実施するのに約4週間かかる。
【0003】
特開平11−316174号(JP11316174、特許文献1)にエンジン・ブロック軸受部の試験方法及び試験装置が示されている。エンジン・ブロック軸受部の耐久性試験は、試験すべき軸受部に配置されたシャフトを支持するための支持部材を加振プレートによって固定することにより実施される。たとえ、この方法が上記の高油圧の問題を解決するとしても、この方法にはいくつかの欠点がある。
【0004】
ハイドロ・パルス試験の場合、特開平11−316174号の方法では、2つのボルト穴の周りの領域に同時に応力がかかる。これは、これらのうちの1つが破壊された場合、もう一方が耐久性の評価に役に立たないことを意味する。ブロックごとに最大で3つの試験結果のみしか得られない。信頼性の高い荷重/寿命曲線を作成する場合に一般的である一連の約20個の試験結果には、7個のエンジン・ブロックが必要となる。その結果として、ハイドロ・パルス試験の場合、特開平11−316174号に記載されるケースでは、エンジン・ブロックの使用量が非常に大きくなるという問題がある。エンジン・ブロックは非常に高価であり、製造するのに高いエネルギー消費を必要とすることから、エンジン・ブロックの使用量が大きいことにより、この試験方法ではかなりの費用がかかることになる。
【特許文献1】特開平11−316174号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、本発明の目的は、エンジン・ブロックの耐久性試験の代替方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、この目的は、エンジン・ブロックを用いた耐久性試験に使用される供試体を作製するための方法によって実現される。エンジン・ブロックは円筒空洞を有し、これらの円筒空洞は中間壁によって互いに分離されており、各中間壁はボルト穴を有する。この方法は、供試体がボルト穴を有するように、供試体をエンジン・ブロックの中間壁領域から取り外す段階を含む。
【0007】
また、本発明によれば、この目的は、本発明による供試体を作製する方法によって作製された供試体を使用することにより、エンジン・ブロックを用いた耐久性試験に使用される試験組立体を作製する方法によって実現される。この方法は、試験組立体を組み立てるためにダミー組立体を供試体のボルト穴に係合させる段階を含む。
【0008】
また、本発明によれば、この目的は本発明による試験組立体を作製する方法によって作製された試験組立体を使用して、エンジン・ブロックを用いた耐久性試験を実施する方法によって実現される。この方法は、試験組立体に脈動疲労試験を施す段階を含む。
【0009】
また、本発明によれば、この目的は、本発明による試験方法によって得られた荷重/寿命曲線に関するエンジン・ブロックによって実現される。
【0010】
本発明によれば、ダミー構成要素、試験要素などを破壊されていないエンジン・ブロックに直接加える代わりに、耐久性試験を行うための供試体がエンジン・ブロックから分離されることにより、エンジン・ブロックの耐久性試験の代替の方法が提供される。
【0011】
本発明の効果は、エンジン・ブロックの各ボルト穴領域が最終の荷重/寿命曲線に寄与することから、各ボルト穴領域に作業者の選択により個別に荷重を課することができることである。
本発明の別の効果は、本発明が、生産から切り離されるエンジン・ブロックの減少により、低コストの試験を提供することである。
本発明の別の効果は、脈動振動数を増大でき、より短いリードタイムにより試験能力が向上することである。
本発明の別の効果は、この試験方法が、より複雑でない荷重状況を局所的に実現し、更に、重要な領域ではより正確な応力制御を実現することである。
本発明の別の効果は、本発明が、鋳造パラメータ並びに他のパラメータの効率的な調査を実施できる可能性をもたらすことである。
【実施例】
【0012】
耐久性試験を行うためにダミー構成要素、試験要素などを破壊されていないエンジン・ブロックに直接加える代わりに、本発明による耐久性試験を行うために、供試体がエンジン・ブロックから分離される。完全に製造されたエンジン・ブロックが供試体を作るために使用できる。図1に、上方から見たエンジン・ブロック100の図式的概観を示す。エンジン・ブロック100は、例えば直列型ブロック又はVブロックなどの種々のタイプであってよい。この例では、エンジン・ブロック100は、6つの円筒空洞105を有する直列型エンジン・ブロックであり、6つの円筒空洞105は中間壁により互いに分離されている。エンジン・ブロック100はボルト穴110を有する。ボルト穴110は、主軸受キャップのボルト穴、又はしばしば内側がねじ込み式である、シリンダ・ヘッドのボルト穴などの他のタイプのボルト穴であってもよい。ボルト穴110は、主軸受キャップのボルトなどのボルトを受けることを意図しており、この場合、主軸受キャップのボルトはクランク・シャフトを定位置に維持する。エンジン・ブロック100の設計は、試験条件下で亀裂が中間壁内のボルト穴110のねじやま或いは底部円弧に通常現れるようになっている。したがって、供試体は、供試体がボルト穴110を有するように分離される。一般に、およびこの例では、各中間壁に主軸受キャップ用のボルト穴110が2つある。したがって、中間壁を有する領域115がエンジン・ブロック100から分離される。これは、切断機を用いてのこ引きすることにより実施される。この場合、中間壁を有する分離された領域115は2つのボルト穴110を有する。6つのシリンダを用いたこの例では、中間壁を有する5つの領域115が、図1の点線の長方形115で示したように分離できる。
【0013】
図2に、分離すべき中間壁115を含んだ、図1に示した線A−Aに沿ったブロック・エンジン100の断面図を示す。1つのボルト穴110を有する供試体120が、中間壁115内の一領域から分離される。これは、切断機を用いてのこ引きすることによって実施される。上述したように、また図2からも参照できるように、中間壁115は2つのボルト穴110を有する。したがって、分離された1つの中間壁115から2つの供試体が分離でき、各供試体120は、1つのボルト穴110を有する一領域から分離される。6つのシリンダ及び分離された5つの中間壁115を用いたこの例では、10個の供試体が1つの同じエンジン・ブロック100から分離できる。
【0014】
図3に、供試体120の斜視図を示す。ボルト穴110が供試体120の第1の端部130に開口部を有するように、および、ボルト穴110が供試体120の内側を軸線方向に、供試体120の半分を超える長さだけ延在するように、供試体は分離される。ボルト穴110は図3では点線で示されている。供試体120は第2の端部132を有しており、供試体の第2の端部132は、軸線方向油圧式疲労試験リグ185(図7に示す)との係合に適するような形状である。試験中にボルト穴110から亀裂を発生させるために、供試体120の中間部125は曲げられる或いは円形断面に切断され、供試体120に設けられたボルト穴110が図3に示すように供試体120の円筒中間部125と同軸になるように、供試体120の円筒部が形成される。供試体120の長さは、例えば150〜300mmにでき、約180mmであることが好ましい。供試体の第2の端部132は、軸線方向油圧式疲労試験リグと係合する固定領域を形成する。この第2の端部132は長方形断面を有し、更に、その長さは、固定装置のタイプ、および引張り強さ、弾性係数などの静的材料特性の評価のための引張り用の供試体の製造を必要とする場合に応じて変化させてよい。供試体120の中間部125、すなわち供試体120の円形断面は、例えば28〜36mm、好ましくは32mmの直径を有することができ、長さは40〜100mm、好ましくは60mmにできる。
【0015】
本発明の試験方法ではダミー組立体135が使用されており、これを図4に示す。ダミーという用語は、本明細書において、試験だけのために作製及び使用される代替の構成要素として定義される。ダミー構成要素は、ブロック・エンジン100に対してその構成要素を実際の構成要素としてみなせるものである。例えばブロック・エンジン100に対してダミー構成要素を実際の主軸受キャップとしてみなせる。ダミー組立体135は、ダミー構成要素140及びボルト145を有する。ダミー構成要素140は、この例では、円筒形のダミー主軸受キャップである。ダミー構成要素140は、ダミー・シリンダ・ヘッドなどの別のタイプのダミー構成要素であってもよい。ダミー構成要素140は、第1の端部146及び第2の端部147を有する。ダミー構成要素140は、その第1の端部146に、ヘッド148、すなわち、ダミー構成要素140の他の部分よりも大きい直径を有する部分を有する。2つの異なる直径すなわちヘッド148とダミー構成要素140の他の部分との段差により、肩部150が形成される。肩部150は、引張り装置155(図6に示す)に引っ掛かることを意図する。ダミー構成要素140はまた、その軸線方向に通し穴160を有する。穴160は図4では点線で示されている。ボルト145は、主軸受ボルト、又はシリンダ・ヘッド・ボルトなどの別のタイプのボルトであってよく、その一方の端部にヘッド165を有し、他方の端部はねじ込み式である。ヘッド165の直径は、ダミー構成要素140の通し穴160よりも大きく、一方ボルト145の残りの部分の直径は、ダミー構成要素135の通し穴の直径よりも小さい。ボルト145は、ボルト145のヘッド165によって停止される位置まで穴160を通過する。組み立てられたダミー構成要素140及びボルト145は、図4に示したダミー組立体135を形成する。
【0016】
図5を参照すると、次いで、主軸受組立体135が、例えばボルト145をねじ込むことにより供試体120のボルト穴110と係合し、穴160から供試体120のねじ込み式のボルト穴110内に突出する。主軸受組立体135が、供試体120と係合して供試体166を形成する。ボルト145はボルト穴110に係合され、ダミー構成要素140の第2の端部147が、供試体120の第1の端部130の表面に向かって位置するようになる。係合がねじ込み式になされる場合、実際のプレテンション(pretension)をシミュレートするのに必要なトルクにより、典型的には50ニュートンメートル(Nm)での90度の角変位から200Nmでの90度の角変位で、ねじ込まれる。
【0017】
係合された主軸受組立体135及び供試体120は、次いで、図6に示すように特別な引張り装置155に挿入される。引張り装置155は、第1の端部167及び第2の端部168を有する。第1の端部167は、軸方向油圧式疲労試験リグとの係合に適するような形状である。引張り装置155は空洞170を有する。空洞170は、引張り装置155の第2の端部168内に開口部175を有し、開口部175は、ダミー構成要素140の最小直径よりも大きい直径を有し、ダミー構成要素140のヘッド148よりも小さくてよい。ダミー構成要素140は、引張り装置155の空洞170に挿入されることにより引張り装置155と係合し、空洞170の内側にヘッド148を有し、開口部175を通って延在し、ヘッド148が引張り装置155の開口部175を通過するには大きすぎる直径を有することからヘッド148の肩部150に引っ掛かる。開口部175は、ヘッド148よりも大きい直径を有することができる。この場合、特別に設計された2つの固定ワッシャ178が、ヘッド148が開口部175を通過するのを防止するために、開口部175の内側とヘッド148の肩部150との間で使用できる。係合された主軸受組立体135及び供試体120、すなわち供試体組立体166が、引張り装置155に挿入される。引張り装置155は、係合された主軸受組立体135及び供試体120が引張り装置155に挿入される前に或いはその後に、軸方向油圧式疲労試験リグ内に取り付けられることができる。しかし、係合された主軸受組立体135及び供試体120が引張り装置155に挿入される前に取り付けられる場合、係合の操作がより容易にできる。
【0018】
試験組立体166は、図7に示した軸方向油圧式疲労試験リグ185に取り付けられる。引張り装置155の第1の端部167により構成される試験組立体の一方の端部が、軸方向油圧式疲労試験リグ185の第1の取付装置190に取り付けられる。係合された主軸受組立体135及び供試体120が上述したように引張り装置155に挿入される前に、引張り装置155の第1の端部167が軸方向油圧式疲労試験リグに取り付けられると、処理が容易にできる。供試体120の第2の端部132で構成される試験組立体の他方の端部は、軸方向油圧式疲労試験リグ185の第2の取付装置190に取り付けられる。その後、供試体120は、R>0の、例えば0.01〜0.5、好ましくは0.1の脈動疲労荷重を受ける。ここで、Rは、最小荷重と最大荷重との比率であり、これらの間で荷重が変化、すなわち振動する。エンジン・ブロックのための耐久性試験を行うため、並びにエンジン・ブロックのための荷重/疲労曲線を作成するためには、種々の荷重における、例えば3〜35の試験、好ましくは20の試験の一連の試験が必要となる。寿命という用語は、本文書では、供試体を破壊するためのサイクル数として定義される。ねずみ鋳鉄で作られたエンジン・ブロックを使用した一例では、種々の荷重は、使用される最大荷重シリーズが50キロニュートン(kN)〜80kNから選択できる。使用される最小荷重は、選択されたR値によって決定される。脈動振動数は1Hzより大きくできる。試験時間はできるだけ短くなるように維持されることから、首尾よく試験された50ヘルツ(Hz)の振動数を使用することが好ましい。しかし、約100ヘルツまでの振動数が使用できる可能性がある。供試体120は、例えば5×10〜2×10サイクル、好ましくは2×10といった所定のサイクル数までサイクル数を上げてよく、その後時間切れとみなされる。すなわち、供試体120が破壊されることなく所定のサイクル数に達したときに試験が停止される。信頼性の高い試験シリーズでは、所定のサイクル数は、所定のサイクル数に達する前にほとんどの供試体が破壊されるように決定される。荷重レベル及び破壊までのサイクル数は、各供試体の試験結果として記録される。その後、試験結果は荷重/寿命曲線にプロットされる。荷重/寿命曲線は、最終的に、例えば異なる材料及び設計のブロックといった異なるエンジン・ブロックにおける耐久特性の比較に使用される。
【0019】
上述したように、供試体は、6つの円筒空洞を有する直列型エンジン・ブロックから取り出されることができる。これは、一連の20の試験が2つのエンジン・ブロックのみを必要とすることを意味し、これは、エンジン・ブロックの使用量が少ないことを意味する。50Hzの振動数及び2×10サイクルの所定のサイクル数を使用する一連の20の試験は約1週間しかかからず、これは短い時間である。これは、エンジン・ブロックの品質の決定がより速いことを意味する。
【0020】
このように、エンジン・ブロックは、本発明による試験方法によって得られた荷重/寿命曲線を有することができる。異なるエンジン・ブロック又は異なるタイプのエンジン・ブロックを、それぞれの異なる荷重/寿命曲線を作成するための異なる試験シリーズで試験することができる。
【0021】
次に、本発明による、エンジン・ブロック100を用いた耐久性試験に使用される供試体120を作製する方法を、図8を参照しながら簡単に説明する。この方法は以下の段階を含む。
801)供試体120は、供試体120がボルト穴110を有するように、エンジン・ブロックの中間壁115の一領域から分離される。
802)供試体120の第2の端部132が、軸方向油圧式疲労試験リグ185との係合に適合するような形状にされる。
803)供試体120の中間部125は曲げられる或いは円形断面に切断され、供試体120に設けられたボルト穴110が、供試体120の曲げられた或いは切断された円筒部と同軸にされる。
804)供試体120が、150〜300mm、好ましくは180mmの長さの形状にされる。
【0022】
次に、本発明による、エンジン・ブロック100を用いた耐久性試験に使用される試験組立体166を作製する方法を、図9を参照しながら簡単に説明する。この方法は、上記の方法段階801〜804による方法で作製された供試体120を使用し、更に、以下の段階を含む。
901)ダミー構成要素140及びボルト145が、ボルト145のヘッド165によってボルト145が停止される位置まで穴160を通してボルト145を通過させることにより組み立てられ、組み立てられたダミー構成要素140及びボルト145がダミー組立体135を形成する。
902)ダミー構成要素135が供試体120のボルト穴110と係合し、試験組立体166を形成する。
【0023】
次に、本発明による、エンジン・ブロック100を用いた耐久性試験を実施する方法を、図10を参照しながら簡単に説明する。この方法は、上記の方法の段階901〜902による方法で作製された試験組立体166を使用し、更に、以下の段階を含む。
1001)引張り装置155が軸方向油圧式疲労試験リグ185に取り付けられる。
1002)試験組立体166が引張り装置に係合される。
1003)試験組立体166が軸方向油圧式疲労試験リグ185に取り付けられる。
1004)試験組立体166に脈動疲労試験が施される。
【0024】
本発明は上述した好適な実施例に限定されない。種々の代替形態、修正形態及び均等物が使用されることができる。したがって、上記の実施例は、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲を限定すると解釈されるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明によって試験されるエンジン・ブロックの図式的概観。
【図2】図1の線A−Aにおける断面図。
【図3】本発明による方法で使用される供試体の斜視図。
【図4】本発明による方法で使用されるダミー組立体の斜視図。
【図5】本発明による方法で使用される試験組立体の斜視図。
【図6】本発明による方法で使用される、特別な引張り装置に挿入されるダミー組立体の斜視図。
【図7】本発明による方法で使用される、軸方向油圧式疲労試験リグの概観図。
【図8】本発明による供試体を作製する方法を示すフローチャート。
【図9】本発明による試験組立体を作製する方法を示すフローチャート。
【図10】本発明による耐久性試験を実施する方法を示すフローチャート。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジン・ブロック(100)を用いた耐久性試験に使用される供試体(120)を作製する方法において、前記エンジン・ブロック(100)が円筒空洞(105)を有し、該円筒空洞(105)が中間壁(115)によって互いに分離され、各中間壁(115)がボルト穴(110)を有し、
前記供試体を作製する方法は、前記供試体(120)が前記ボルト穴(110)を有するように、前記エンジン・ブロックの前記中間壁の一領域から前記供試体(120)を取り外す段階(801)を含む、供試体を作製する方法。
【請求項2】
前記供試体(120)が、第1の端部(130)及び第2の端部(132)を有し、
前記供試体(120)を、前記ボルト穴(110)が前記供試体(120)の前記第1の端部(130)に開口部を有するように、および前記ボルト穴(110)が前記供試体の内側を軸線方向に延在するように分離する、請求項1に記載された供試体を作製する方法。
【請求項3】
前記供試体(120)の第2の端部(132)を、軸線方向油圧式疲労試験リグ(185)との係合に適合した形状に形づくる段階(802)を更に含む、請求項1または請求項2に記載された供試体を作製する方法。
【請求項4】
前記供試体を作製する方法が、前記供試体(120)に設けられた前記ボルト穴(110)が前記供試体(120)の曲げられた或いは切断された円筒部(125)と同軸になるように、前記供試体(120)の中間部(125)を円形断面に曲げる或いは切断する段階(803)を更に含む、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載された供試体を作製する方法。
【請求項5】
前記供試体(120)の円形断面は、28〜36mm、好ましくは32mmの直径に曲げられる或いは切断される、請求項4に記載された供試体を作製する方法。
【請求項6】
前記供試体を作製する方法が、前記供試体(120)を150〜300mm、好ましくは180mmの長さに形づくる段階(804)を更に含む、請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載された供試体を作製する方法。
【請求項7】
請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載された供試体を作製する方法によって作製された供試体(120)を使用することにより、エンジン・ブロック(100)を用いた耐久性試験に使用される試験組立体(166)を作製する方法において、前記試験組立体(166)を形成するためにダミー組立体(135)を供試体(120)のボルト穴(110)と係合させる段階(902)を含む、試験組立体を作製する方法。
【請求項8】
軸線方向に通し穴(160)を有するダミー構成要素(140)と、一方の端部にヘッド(165)を有するボルト(145)とを使用し、
前記試験組立体を作製する方法が、前記ボルト(145)の前記ヘッド(165)によって前記ボルト(145)が停止される位置まで前記穴(160)を通して前記ボルト(145)を通過させることにより、前記ダミー構成要素(140)と前記ボルト(145)とを組み立て、組み立てられた前記ダミー構成要素(140)及び前記ボルト(145)が前記ダミー組立体(135)を形成する段階(901)を更に含む、請求項7に記載された試験組立体を作製する方法。
【請求項9】
前記ダミー組立体(135)を前記供試体(120)の前記ボルト穴(110)と係合させる段階(902)を、前記ダミー構成要素(140)の前記穴(160)から突出する前記ボルト(145)を前記供試体(120)の前記ボルト穴(110)に係合させることにより実施し、前記ダミー構成要素(140)の第2の端部(147)に、前記供試体(120)の第1の端部(130)の表面を支持させる、請求項7に記載された試験組立体を作製する方法。
【請求項10】
前記ボルト(145)を、50ニュートンメートル(Nm)での90度の角度変位から200Nmでの90度の角度変位までのトルクでねじ込むことにより、前記供試体(120)の前記ボルト穴(110)に係合させる、請求項9に記載された試験組立体を作製する方法。
【請求項11】
請求項7から請求項10までのいずれか1項に記載された試験組立体を作製する方法によって作製された試験組立体(166)を使用することにより、エンジン・ブロック(100)を用いた耐久性試験を実施する方法において、該耐久性試験を実施する方法が、前記試験組立体(166)に脈動疲労試験を施す段階(1004)を含む、耐久性試験を実施する方法。
【請求項12】
引張り装置(155)を使用し、前記耐久性試験を実施する方法が、前記引張り装置(155)を軸線方向油圧式疲労試験リグ(185)に取り付ける段階(1001)を更に含む、請求項11に記載された耐久性試験を実施する方法。
【請求項13】
前記試験組立体(166)を前記引張り装置(155)に係合させる段階(1002)を更に含む、請求項11または請求項12に記載された耐久性試験を実施する方法。
【請求項14】
前記試験組立体(166)を前記軸線方向油圧式疲労試験リグ(185)に取り付ける段階(1003)を更に含む、請求項11から請求項13までのいずれか1項に記載された耐久性試験を実施する方法。
【請求項15】
前記試験組立体(166)に脈動疲労試験を施す段階(1004)を、R>0の脈動疲労荷重によって実施する、請求項11から請求項14までのいずれか1項に記載された耐久性試験を実施する方法。
【請求項16】
前記試験組立体(166)に脈動疲労試験を施す段階(1004)が、1〜100Hzの脈動振動数で実施する、請求項11から請求項15までのいずれか1項に記載された耐久性試験を実施する方法。
【請求項17】
前記試験組立体(166)に脈動疲労試験を施す段階(1004)が、前記供試体(120)がまだ破壊されていない場合に所定のサイクル数の後に終了する、請求項11から請求項16までのいずれか1項に記載された耐久性試験を実施する方法。
【請求項18】
前記所定のサイクル数が、5×10〜2×10サイクル、好ましくは2×10サイクルである、請求項17に記載された耐久性試験を実施する方法。
【請求項19】
前記耐久性試験を実施する方法を、異なる荷重で一連の供試体に対して使用して、荷重レベル及び破壊までのサイクル数を荷重/寿命曲線にプロットする、請求項11から請求項18までのいずれか1項に記載された耐久性試験を実施する方法。
【請求項20】
請求項11から請求項19までのいずれか1項に記載された耐久性試験を実施する方法によって得られた荷重/寿命曲線に関するエンジン・ブロック。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2009−526225(P2009−526225A)
【公表日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−554198(P2008−554198)
【出願日】平成19年1月31日(2007.1.31)
【国際出願番号】PCT/SE2007/050047
【国際公開番号】WO2007/091962
【国際公開日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【出願人】(500190915)スカニア シーブイ アクチボラグ(パブル) (64)
【Fターム(参考)】