説明

エンジン制御装置

【課題】制御量と実燃料量との関係を学習できると共に、アイドルストップ機能による燃費低減効果を軽減しないようにしたエンジン制御装置を得る。
【解決手段】コモンレール2の燃料圧と目標圧とに基づいて高圧燃料供給手段への制御量をフィードバック制御すると共に、アイドル運転のときに高圧燃料供給手段の劣化を学習し、エンジン1の自動停止及び自動始動を行う。その際、エンジンの自動停止による燃料噴射停止時に、エンジンの環境条件に基づいてアイドル運転に移行するか否かを判断し(S120)、移行したアイドル運転のときに、燃料圧と目標圧との差が小さい状態で設定時間経過し、かつ、制御量のうちの積分項の増加が大きいときには(S170:YES)、高圧燃料供給手段の劣化の学習を実行させ(S190)、積分項の増加が小さいときにはアイドルストップを実行させる(S180、S210)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンジンの自動停止及び自動始動を行うアイドルストップ機能を有するエンジン制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、特許文献1にあるように、エンジンの自動停止及び自動始動を行うアイドルストップ機能を有するエンジン制御装置が知られている。また、高圧に蓄圧された燃料を保持するコモンレールから燃料噴射弁に燃料を供給する蓄圧式燃料噴射装置を備えたディーゼルエンジンのエンジン制御装置では、高圧燃料供給手段からコモンレールに高圧燃料を供給すると共に、高圧燃料供給手段からの燃料量を変更して、コモンレールの燃料圧を制御している。
【0003】
その際、センサによりコモンレールの燃料圧を検出し、検出した燃料圧と目標圧とに基づいて、燃料圧と目標圧との差が小さくなるように、高圧燃料供給手段をフィードバック制御している。また、高圧燃料供給手段の応答性の劣化等を補正するために、フィードバック制御による制御量と高圧燃料供給手段からの実燃料量との関係を学習するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−185310号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
こうした従来のものでは、制御量と実燃料量との関係学習を、エンジンの運転状態が負荷により変化しないアイドル運転時に実施する必要がある。アイドルストップ機能により自動停止するとアイドル運転になることなく停止するので関係学習できない場合があり、自動停止する前にアイドル運転を行うようにして、関係学習を実施する必要がある。しかし、自動停止する前にアイドル運転を行うようにすると、アイドルストップ機能による燃費低減効果が軽減されてしまうという問題があった。
【0006】
本発明の課題は、制御量と実燃料量との関係を学習できると共に、アイドルストップ機能による燃費低減効果を軽減しないようにしたエンジン制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる課題を達成すべく、本発明は課題を解決するため次の手段を取った。即ち、高圧に蓄圧された燃料を保持し燃料噴射弁に供給するコモンレールと前記コモンレールに高圧燃料を供給する高圧燃料供給手段とを備え、前記コモンレールの燃料圧と目標圧とに基づいて前記高圧燃料供給手段への制御量をフィードバック制御すると共に、アイドル運転のときに前記高圧燃料供給手段の劣化を学習し、エンジンの自動停止及び自動始動を行うエンジン制御装置において、アイドル運転のときに、前記制御量のうちの積分項の増加が大きいときには前記高圧燃料供給手段の劣化の学習を実行させ、前記積分項の増加が小さいときにはアイドルストップを実行させる学習条件判断手段を備えたことを特徴とするエンジン制御装置がそれである。
【0008】
前記学習条件判断手段は、前記燃料圧と前記目標圧との差が小さい状態で設定時間経過し、かつ、前記制御量のうちの積分項の増加が大きいときには前記高圧燃料供給手段の劣化の学習を実行させ、前記積分項の増加が小さいときにはアイドルストップを実行させる構成でもよい。更に、前記エンジンの前記自動停止による燃料噴射停止時に、前記エンジンの環境条件に基づいてアイドル運転に移行するか否かを判断するアイドル移行判断手段を備え、前記学習条件判断手段は、前記アイドル移行判断手段により移行したアイドル運転のときに、前記制御量のうちの積分項の増加が大きいときには前記高圧燃料供給手段の劣化の学習を実行させ、前記積分項の増加が小さいときにはアイドルストップを実行させる構成としてもよい。
【発明の効果】
【0009】
本発明のエンジン制御装置は、アイドル運転のときに、フィードバック制御の制御量のうちの積分項の増加が大きいときには高圧燃料供給手段の劣化の学習を実行させ、積分項の増加が小さいときにはアイドルストップを実行させるので、制御量と実燃料量との関係を学習できると共に、アイドルストップによる燃費低減効果を軽減することがないという効果を奏する。
【0010】
学習条件判断手段が、燃料圧と目標圧との差が小さい状態で設定時間経過し、かつ、制御量のうちの積分項の増加が大きいときには高圧燃料供給手段の劣化の学習を実行させ、積分項の増加が小さいときにはアイドルストップを実行させることにより、安定した運転状態で積分項の増加を判断でき、学習をするか、あるいは、アイドルストップを実行するかを適切に判断できる。更に、アイドル移行判断手段を備え、アイドル移行判断手段によりアイドル運転に移行するか否かを判断することにより、学習に適さない環境条件ではアイドルストップによる自動停止を行って、燃費を軽減できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施形態としてのエンジン制御装置を示す全体構成図である。
【図2】本実施形態の電子制御ユニットにおいて行われる学習制御処理の一例を示すフローチャートである。
【図3】本実施形態のアイドル移行条件、アイドル条件、学習条件の各成立を示すタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下本発明を実施するための形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は本発明の一実施形態としてのエンジン制御装置を示す全体構成図である。
図1に示すように、本実施形態のエンジン制御装置は、例えば、4気筒のディーゼルエンジン1に適用されており、エンジン1は高圧燃料を蓄えるコモンレール2と、燃料タンク3からフィードポンプ10により汲み上げた燃料を加圧してコモンレール2に供給する高圧燃料供給ポンプ4と、高圧配管17を介してコモンレール2より供給される高圧燃料をエンジン1の気筒内の燃焼室21に噴射する燃料噴射弁5と、燃料噴射弁5等を電子制御する電子制御ユニット6(以下ECU6と呼ぶ)とを備えている。
【0013】
コモンレール2は、ECU6により運転状態等に基づいて目標圧が設定され、高圧燃料供給ポンプ4から供給された高圧燃料を目標圧に蓄圧する。このコモンレール2には、蓄圧された燃料圧を検出してECU6に出力する燃料圧センサ7が取り付けられている。
【0014】
高圧燃料供給ポンプ4は、エンジン1に駆動されて図示しないピストンを往復動させ、フィードポンプ10より送り出された燃料を吸入し、加圧された燃料を吐出弁12を押し開いてコモンレール2に供給するように構成されている。
【0015】
高圧燃料供給ポンプ4には、圧力制御弁14が設けられており、圧力制御弁14は図示しないソレノイドを励磁することにより閉弁すると共に、燃料圧を閉弁方向に受けて閉弁状態を維持し、吸入時の負圧による作用力等により開弁する。
【0016】
本実施形態では、燃料を吸入した後、図示しないピストンが圧縮行程に移行しても直ちに圧力制御弁14を閉弁せずに、開弁を保持して余剰の燃料を排出し、送油量に応じた通電時期にソレノイドを励磁して閉弁し、供給時に送油量の調量を行なうプレストローク制御を行って、コモンレール2の燃料圧を制御している。尚、本実施形態では、高圧燃料供給ポンプ4と圧力制御弁14とにより高圧燃料供給手段を構成している。
【0017】
各センサ等はECU6に接続されており、ECU6は、周知のCPU62、ROM64、RAM66等を中心に論理演算回路として構成され、外部と入出力を行う入出力回路、ここでは入出力回路68をコモンバス70を介して相互に接続されている。
【0018】
CPU62は、燃料圧センサ7、パルサ16に形成された複数の歯を検出する電磁ピックアップを用いた回転センサ18、アクセルペダル19の踏込量に応じたアクセル開度を検出するアクセル開度センサ20、冷却水温度を検出する水温センサ22、燃料の温度を検出する燃料温度センサ24からの入力信号を入出力回路68を介して入力する。
【0019】
これらの信号及びROM64、RAM66内のデータや予め記憶された制御プログラムに基づいてCPU62は、回転センサ18により検出される回転数やアクセル開度センサ20により検出されるアクセル開度等の運転状態に基づいて燃料噴射弁5からの噴射量や噴射時期を算出する。また、回転数や噴射量に基づいて、コモンレール2の目標圧を算出し、噴射量とコモンレール2の目標圧とに基づいて、高圧燃料供給ポンプ4からコモンレール2に供給する送油量を算出する。
【0020】
送油量の算出の際には、フィードバック制御が行われ、燃料圧センサ7により検出されるコモンレール2の燃料圧と、目標圧との圧力偏差△Pを算出する。比例ゲインKp に圧力偏差△Pを乗算してフィードバック制御の補正量に用いられる比例項を算出する。次に、積分ゲインKi に燃料圧と目標圧との圧力偏差△Pの積分値を乗算して、積分項を算出する。続いて、指令送油量に比例項と積分項とを加算して圧力制御弁14に出力し、圧力制御弁14をフィードバック制御する。
【0021】
下記(1)式のように、補正量に微分ゲインKd に圧力偏差△Pの微分値を乗算した微分項を加味したPID制御によるフィードバック制御を行ってもよい。
補正量=Kp ×△P+Ki ×∫△P+Kd ×d/dt△P…(1)
経時変化等により、高圧燃料供給手段の応答性、特に、圧力制御弁14の応答性が劣化すると、通電時期にソレノイドを励磁しても閉弁するまでの応答性が劣化して送油量が低下し、それに伴って補正量のうち、積分項が劣化に応じて増加する。
【0022】
また、コモンレール2への送油量Qとそれによるコモンレール2内の圧力変化量△Pとの関係は下記(2)式により算出できる。ここで、VCRはコモンレール2の容積、Kはコモンレール2内の燃料の体積弾性係数である。
【0023】
Q=△P×VCR/K…(2)
予め送油量Qと圧力制御弁14への通電時期との関係が記憶されており、この関係に基づいて、送油量Qから圧力制御弁14への通電時期が算出される。
【0024】
更に、アイドルストップ機能(ISS)を備えており、アイドルストップ機能は運転時に自動停止条件が成立するとエンジン1の運転を自動的に停止させ、エンジン1が自動停止された後に自動始動条件が成立するとエンジン1を自動的に始動させる。例えば、エンジン1の冷却水温度が所定の範囲にあり、アクセルペダル19が踏まれていない状態にあり、バッテリの電圧が基準電圧以上であり、図示しないブレーキペダルが踏み込まれている状態であり、車両速度が所定速度以下である全ての条件がみたされたときに自動停止条件が成立している判断し、いずれか一つでも満たされないときには自動始動条件が成立すると判断する。
【0025】
次に、ECU6により実行される学習制御処理について図2に示すフローチャートに基づいて説明する。
まず、車両の走行中に、アイドルストップ機能の要求があったか否かを判断する(ステップ100。以下S100という。以下同様。)。例えば、車両の走行中に、アクセルペダル19が踏まれていない状態であることがアクセル開度センサ20により検出され、車両が減速状態になって(無負荷減速の状態)、アイドルストップ機能の要求があると判断すると(S100:YES)、アイドルストップ機能モードをスタートする(S110)。尚、アイドルストップ機能の要求がないときには(S100:NO)、待機する。
【0026】
アイドルストップ機能モードでは、燃料噴射弁5からの燃料噴射を停止する。そして、次に、この燃料噴射停止時に、アイドル移行条件が成立したか否かを環境条件やシステム条件に基づいて判断する(S120)。
【0027】
環境条件やシステム条件としての各条件を満たしているとき、例えば、本実施形態では、水温センサ22により検出される冷却水温度が予め設定された温度以上で、図示しないバッテリの電圧が予め設定された値以上で、燃料温度センサ24により検出される燃料温度が予め設定された温度以上で、図示しないスタータモータが駆動されていない状態で、かつ、故障診断システムにより学習禁止が設定されていない状態の全てが満たされたときに、アイドル移行条件が成立したと判断する。
【0028】
アイドル移行条件が成立していないと判断すると(S120:NO)、アイドルストップ機能モードを継続し(S130)、エンジン1を自動的に停止させる(S210)。
また、アイドル移行条件が成立したと判断すると(S120:YES)、環境条件やシステム条件が後述するS190のポンプ学習の実施に適した状態にあると判断して、アイドル移行モードを実行する(S150)。アイドル移行モードでは、エンジン1をアイドル運転するために、アイドル運転時の噴射量の燃料を燃料噴射弁5から噴射する。
【0029】
続いて、アイドル条件が成立しているか否かを運転条件に基づいて判断する(S160)。運転条件としての各条件を満たしているとき、例えば、本実施形態では、アクセル開度センサ20により検出されるアクセルペダル19が踏まれていない状態で、回転センサ18により検出されるエンジン1の回転数NEがアイドル回転数で、燃料圧センサ7により検出されるコモンレール2の燃料圧が予め設定された燃料圧以上で、燃料噴射量がアイドル運転時の噴射量で、車両がほぼ停止状態である状態の全てを満たしているときに、アイドル条件が成立していると判断する。
【0030】
アイドル条件が成立していないときには(S160:NO)、成立するまで待機し、アイドル条件が成立したと判断すると(S160:YES)、アイドル運転での負荷の変動のない安定したエンジン1の運転状態であると判断して、学習条件が成立した状態で予め設定された設定時間経過し、例えば5秒経過したか否かを判断する(S170)。
【0031】
燃料圧センサ7により検出されるコモンレール2の燃料圧と目標圧との差が小さく、前述したフィードバック制御での前回の制御量から積分項の変化が大きいときに、例えば、積分項の変化が予め設定された閾値よりも大きいときに、学習条件が成立したと判断する。高圧燃料供給手段の応答性が経時変化等により劣化すると、フィードバック制御での積分項が大きくなる。フィードバック制御の際、前回の制御量の積分項と、今回の制御量の積分項とを比較して、その差が大きいときに学習条件が成立したと判断する。
【0032】
学習条件が成立していないときには(S170:NO)、学習を実行することなく、アイドルストップ機能モードに移行し(S180)、燃料噴射を停止してエンジン1を自動的に停止させる(S210)。
【0033】
学習条件が成立しているときには(S170:YES)、高圧燃料供給手段の応答性が経時変化等により劣化が大きいと判断して、ポンプ学習を実施する(S190)。ポンプ学習では、高圧燃料供給手段の応答性の劣化を学習し、劣化量に応じて圧力制御弁14の図示しないソレノイドの通電時期を早める。アイドル運転時には負荷の変動等がなく、ほぼ一定の運転状態であり、コモンレール2の目標圧や送油量がほぼ一定の状態となる。
【0034】
アイドル運転時に高圧燃料供給ポンプ4からコモンレール2に高圧燃料が供給され、供給された実燃料量に応じてコモンレール2の燃料圧が上昇する。この燃料圧を燃料圧センサ7により検出する。応答性が劣化していなければ、制御量に応じた高圧燃料が供給されてコモンレール2の圧力が目標圧になる。応答性が劣化して、制御量に応じた高圧燃料が供給されないと、燃料圧センサ7により検出される燃料圧も低くなる。応答性が劣化しているときには劣化量に応じて圧力制御弁14の図示しないソレノイドの通電時期を早め、制御量と実燃料量との関係を学習する。
【0035】
次に、ポンプ学習が完了したか否かを判断し(S200)、完了していないときには(S200:NO)、S190以下の処理を繰り返し、完了したときには(S200:YES)、燃料噴射を停止してエンジン1を自動的に停止させる(S210)。そして、本制御処理を一旦終了する。尚、本実施形態では、S100〜S150の処理の実行がアイドル移行判断手段として働き、S160〜S200の処理の実行が学習条件判断手段として働く。
【0036】
前出した学習制御処理の実行により、図3に示すタイムチャートのように、無負荷減速の状態となり、アイドルストップ機能の要求があると(S100:YES)、アイドルストップ機能モードをスタートして(S110)、燃料噴射を停止する。これにより、早期に燃料噴射を停止して、燃費を改善できる。
【0037】
そして、アイドル移行条件が成立すると(S120:YES)、アイドル運転に移行して(S150)、アイドル運転時の噴射量の燃料を燃料噴射弁5から噴射する。尚、アイドル移行条件が成立しないときには(S120:NO)、アイドルストップ機能の実行を維持し、エンジン1の回転数NEが低下してエンジン1が自動的に停止する(S210)。
【0038】
アイドル運転に移行すると、エンジン1の回転数NEがアイドル回転数にまで徐々に低下し、アイドル回転数になると、アイドル回転数を維持する。そして、アイドル条件が成立し(S160:YES)、予め設定された時間、例えば、5秒が経過し、学習条件が成立すると(S170:YES)、引き続き、アイドル運転状態を維持し、その間にポンプ学習を実行する(S190)。ポンプ学習の実行を完了するまでには、10秒程度の時間を必要とする。
【0039】
一方、5秒経過して学習条件が成立しないときには(S170:NO)、アイドルストップ機能モードに移行して、燃料噴射を停止してエンジン1を自動的に停止させる(S210)。
【0040】
従って、フィードバック制御の積分項の変化が大きく、学習条件が成立したときに、ポンプ学習を実施するので、経時変化等による劣化があるときに、有効に応答性劣化の学習をすることができる。また、フィードバック制御の積分項の変化が小さいときには、経時変化等による劣化も小さいので、ポンプ学習を実施することなく、アイドルストップ機能の実行を行って、早期にエンジン1を自動的に停止させて、燃費の改善を図る。
【0041】
以上本発明はこの様な実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々なる態様で実施し得る。
【符号の説明】
【0042】
1…ディーゼルエンジン 2…コモンレール
3…燃料タンク 4…高圧燃料供給ポンプ
5…燃料噴射弁 6…電子制御ユニット
7…燃料圧センサ 10…フィードポンプ
12…吐出弁 14…圧力制御弁
18…回転センサ 20…アクセル開度センサ
22…水温センサ 24…燃料温度センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
高圧に蓄圧された燃料を保持し燃料噴射弁に供給するコモンレールと前記コモンレールに高圧燃料を供給する高圧燃料供給手段とを備え、
前記コモンレールの燃料圧と目標圧とに基づいて前記高圧燃料供給手段への制御量をフィードバック制御すると共に、アイドル運転のときに前記高圧燃料供給手段の劣化を学習し、エンジンの自動停止及び自動始動を行うエンジン制御装置において、
アイドル運転のときに、前記制御量のうちの積分項の増加が大きいときには前記高圧燃料供給手段の劣化の学習を実行させ、前記積分項の増加が小さいときにはアイドルストップを実行させる学習条件判断手段を備えたことを特徴とするエンジン制御装置。
【請求項2】
前記学習条件判断手段は、前記燃料圧と前記目標圧との差が小さい状態で設定時間経過し、かつ、前記制御量のうちの積分項の増加が大きいときには前記高圧燃料供給手段の劣化の学習を実行させ、前記積分項の増加が小さいときにはアイドルストップを実行させることを特徴とする請求項1に記載のエンジン制御装置。
【請求項3】
更に、前記エンジンの前記自動停止による燃料噴射停止時に、前記エンジンの環境条件に基づいてアイドル運転に移行するか否かを判断するアイドル移行判断手段を備え、前記学習条件判断手段は、前記アイドル移行判断手段により移行したアイドル運転のときに、前記制御量のうちの積分項の増加が大きいときには前記高圧燃料供給手段の劣化の学習を実行させ、前記積分項の増加が小さいときにはアイドルストップを実行させることを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載のエンジン制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−189066(P2012−189066A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−55754(P2011−55754)
【出願日】平成23年3月14日(2011.3.14)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】