説明

エンジン排気処理装置および使用方法

【課題】 エンジンの排気流れに含まれる汚染物を減少させる。
【解決手段】 排気ガス処理装置およびそれの使用方法に上流の触媒と下流の触媒を含める。この上流の触媒に、排気ガス流れに入っている炭化水素の酸化で少なくとも効果を示す触媒金属を含め、好適にはパラジウム触媒成分を含め、そして酸素貯蔵成分、即ちセリウム、コバルト、鉄、マグネシウム、モリブデン、ニッケル、プラセオジム、タングステンおよびバナジウムの酸化物を実質的に含めないが、しかしながら、下流の触媒に酸素貯蔵成分を含める。この上流の触媒は好適には直動式触媒である。上記下流の触媒はアンダーフロア触媒または直動式触媒であってもよく、この場合には好適には追加的アンダーフロア触媒を存在させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は1994年12月6日付けで提出した米国特許出願連続番号08/350,297の一部継続出願である。
【0002】
発明の背景
本発明は、エンジンの排気ガスを処理してそこに含まれる汚染物を減少させる装置および方法に関する。より具体的には、本発明は、異なる2種類の触媒が入っていてそれらの1つが酸素貯蔵成分(oxygen storage component)を含まない「直動式触媒(close−coupled catalyst)」であってもよい装置に関する。
【背景技術】
【0003】
自動車の排気処理装置、例えば触媒コンバーターなどは、通常、車のアンダーフロア(underfloor)位置に取り付けられていた。しかしながら、エンジンの排気ガスが排気パイプを通ってアンダーフロア位置に到達するまでに上記ガスは上記エンジンの出口またはその付近の温度に比較して有意に冷えており、その結果として、排気ガスが触媒をそれのライトオフ(light−off)温度にまで加熱する時までに変換活性が低い期間が有意に存在する。従って、エンジン運転の冷機起動期間中、変換を受けていない排気ガスが有意な量で排出される。しかしながら、政府の排出基準が益々厳しくなっていることから、冷機起動中の排出量を低くする必要がある。特に、California Resource Board(CARB)は、車が非メタン炭化水素を1マイル当たり0.04グラム以上放出するのを禁止し、一酸化炭素を1マイル当たり1.7グラム以上放出するのを禁止しかつNOを1マイル当たり0.2グラム以上放出するのを禁止すると言った新しい極めて低い車排出基準を発表した。大部分の自動車では、U.S. Federal Test Procedure(「FTP」)(これはエンジン運転の冷機起動期間を包含し、冷機起動、暖機運転、加速、経済速度走行、減速および同様なエンジン運転モードを指定期間に渡って模擬することが要求される)の第一段階中に炭化水素の大部分(80%に及ぶ)が放出される。冷機起動中の炭化水素放出量を低くする目的で多様な技術が開発下にあり、それには、例えば非特許文献1に開示されている如き直動式触媒を用いることが含まれる。FTPサイクルの冷機起動中のHC放出量を低くするに直動式触媒、特にPd含有触媒が有効であると報告された。
【0004】
直動式触媒[また「プレキャト(precat)」および「ウォームアップ(warm−up)」触媒とも呼ばれる]の主な機能は、冷機起動中の炭化水素放出量を低くする機能である。冷機起動は、エンジンを周囲条件から起動させた直後の期間である。この冷機起動期間の長さは、周囲温度、エンジンの種類、エンジンのコントロールシステムおよびエンジンの運転に依存する。この冷機起動期間は、典型的に、エンジンを周囲温度で起動させた後の最初の2分間以内である。FTP Test 1975には、FTP運転サイクルの第一バッグ(即ち排気ガスサンプル)として冷機起動が特徴づけられていて、その期間はエンジンを周囲温度(これは一般に25℃であると見なされる)で起動させた後の最初の505秒間継続する。直動式触媒を含む排気装置では、排気システム触媒全体の少なくとも一部を伝統的な「アンダーフロア触媒」位置よりもエンジン近くに位置させている。具体的には、直動式触媒をエンジン区分室内、即ち排気用多岐管に隣接させてフードの下に位置させている。この直動式触媒で排気処理装置に含まれる触媒マス(mass)全体を構成させてもよいか、或はそれをアンダーフロア触媒と一緒に用いることも可能である。この設計のオプションはエンジンの構造、サイズおよび利用できる空間に依存する。この直動式触媒は、アンダーフロア触媒に比較してエンジンの近くに位置していること
から、排気ガスをアンダーフロア触媒がそれを受け取る温度より高い温度で受け取る。従って、この直動式触媒はアンダーフロア触媒よりも迅速にライトオフ温度を達成し、従って冷機起動期間を基準にして、より早い時期に排出量を下げる。他方、直動位置に位置する触媒が排気ガスを運転時に受け取る時の温度、即ち冷機起動期間後の温度は、アンダーフロア触媒が排気ガスを受け取る温度よりも高い。その結果として、直動式触媒には、非特許文献2に考察されているように、高い温度安定性を持たせるべきである。
【0005】
自動車の典型的なアンダーフロア触媒は、未燃焼炭化水素および一酸化炭素の酸化を触媒しかつ窒素酸化物から窒素への還元を触媒するスリーウエイ変換(three−way
conversion)触媒(「TWC」)である。良好な活性と長い寿命を示すTWC触媒では、典型的に、高い表面積を有する耐火性酸化物支持体、例えば高い表面積を有するアルミナ粒子上に分散している1種以上の白金族金属(例えば白金またはパラジウム、ロジウム、ルテニウムおよびイリジウムなど)を任意に1種以上の卑金属と一緒に含有する触媒材料を生じさせる。この触媒材料を適切な担体または基質、例えば耐火性セラミックで作られたモノリス型担体または金属製ハニカム構造物など、または耐火性粒子、例えば適切な耐火性材料で出来ている球または短い押出し加工断片などに担持させる。高い表面積を有するアルミナ支持体材料[また「ガンマ−アルミナ」(これは、通常、ガンマに加えて他のアルミナ相も含有するが)または「活性アルミナ」とも呼ばれる]は、典型的に、1グラム当たり60平方メートル(「m/g」)を超えるBET表面積を示し、しばしば約200m/gまたはそれ以上に及ぶBET表面積を示す。所定触媒に含める触媒成分の少なくともある程度であるが活性アルミナ以外の耐火性金属酸化物を支持体として用いることは公知である。このような使用では、例えばバルク(bulk)な酸化セリウム、酸化ジルコニウム、アルファ−アルミナおよび他の材料が知られる。このような他の材料の多くは活性アルミナに比べてかなり低いBET表面積を有すると言った欠点を持っているが、そのような欠点は、結果として生じる触媒の耐久性がより大きくなることで相殺される傾向がある。
【0006】
動いている車では排気ガスの温度が1000℃にまで到達する可能性があり、そのような高温になると、特に蒸気が存在している場合には相転移が起こることに伴って活性アルミナ(または他の)支持体材料が熱劣化を受けることで体積が収縮し、その収縮した支持体媒体内に触媒金属が吸蔵される結果として、触媒の露出表面領域が失われることに相当して触媒活性が低下する。酸化ジルコニウム、酸化チタン、アルカリ土類金属の酸化物、例えば酸化バリウム、酸化カルシウムまたは酸化ストロンチウムなど、または希土類金属の酸化物、例えば酸化セリウム、酸化ランタンなど、そして2種以上の希土類金属酸化物から成る混合物などの如き材料を用いてアルミナ支持体をそのような熱劣化に対して安定化させることは本技術分野で公知の手段である。例えばC.D.Keith他の特許文献1などを参照のこと。
【0007】
特許文献2には、高温耐性(high temperature resistant)TWC触媒の製造方法が開示されている。上記方法は、活性アルミナ、即ちガンマ−アルミナの粒子が入っている水スラリーを生じさせそしてそのアルミナに選択した金属(これにはセリウム、ジルコニウム、そして鉄およびニッケルの少なくとも1つ、白金、パラジウムおよびロジウムの少なくとも1つ、そして任意にネオジム、ランタンおよびプラセオジムの少なくとも1つが含まれる)の可溶塩を含浸させることを含む。この含浸させたアルミナに焼成を600℃で受けさせた後、それを水に分散させてスラリーを生じさせ、このスラリーをハニカム型担体に被覆して乾燥させることで、完成触媒を得ている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第4,171,288号
【特許文献2】米国特許第4,504,598号
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】Ball,D.J.,“Distribution of Warm−Up and Underfloor Catalyst Volumes”,SAE 922338
【非特許文献2】Bhasin,M.他“Novel Catalyst for Treating Exhaust Gases For Internal Combustion and Stationary Source Engines”,SAE 93054,1993
【発明の概要】
【0010】
発明の要約
本発明は、エンジンの排気流れに含まれる汚染物を減少させるエンジン排気処理装置に関する。この装置は上記排気の流路を限定しており、そしてこの装置は、耐火性金属酸化物である1番目の支持体上に分散している白金族金属成分を含んでいて炭化水素の酸化で有効な触媒作用を示す上流の触媒材料を含有する上流の触媒部材を含む。上記上流の触媒材料に実質的に酸素貯蔵成分を含めない。また、耐火性金属酸化物支持体上に分散している1種以上の触媒金属成分および酸素貯蔵成分を含んでいて少なくとも炭化水素の酸化で効果を示す下流の触媒材料を含む下流の触媒部材も存在させる。
【0011】
本発明の1つの面に従い、上記上流の触媒部材で1番目の直動式触媒部材を構成させてもよくそしてそれの白金族金属成分にパラジウム成分を含めてもよい。任意に、上記上流の触媒材料に実質的にロジウムを含めなくてもよい。しかしながら、上記下流の触媒材料に任意にロジウムを含めてもよい。
【0012】
上記下流の触媒部材でアンダーフロア触媒部材または2番目の直動式触媒部材を構成させてもよく、そしてそれにパラジウム成分と酸素貯蔵成分を含めてもよい。2番目の直動式触媒部材とアンダーフロア触媒部材の両方を存在させることも可能である。アンダーフロア触媒部材に好適にはスリーウエイ触媒材料を含める。
【0013】
本発明の1つの面に従い、上記1番目の直動式触媒部材と2番目の直動式触媒部材に異なる断面寸法を持たせてもよく、そしてそれらを個別の容器内に位置させてもよい。別法として、上記1番目の直動式触媒部材と2番目の直動式触媒部材に同様な断面寸法を持たせてもよく、そしてそれらを同じ容器内に位置させてもよい。
【0014】
本発明の別の面に従い、上記1番目の触媒部材と2番目の触媒部材の各々にパラジウムを含む触媒材料を含めてもよく、そして上記アンダーフロア触媒材料にロジウムを含む触媒材料を含めてもよい。
【0015】
任意に、上記上流の触媒材料に酸化ネオジムおよび酸化ランタンから成る群から選択される少なくとも1種の希土類金属酸化物を含めてもよい。
【0016】
本発明に従うエンジン排気処理装置に、(a)耐火性金属酸化物である1番目の支持体上に分散しているパラジウム触媒成分を含んでいて炭化水素の酸化で有効な触媒作用を示す1番目の触媒材料を含む1番目の直動式触媒部材、(b)少なくとも炭化水素の酸化で効果を示す2番目の触媒材料を含む2番目の直動式触媒部材、および(c)汚染物のスリーウエイ減少(three−way abatement)で効果を示す3番目の触媒材料を含むアンダーフロア触媒部材を含めてもよく、ここでは、上記1番目の触媒材料に実質的にロジウムおよび酸素貯蔵成分を含めない。下流に位置させる上記2番目の直動式触
媒部材およびアンダーフロア部材の少なくとも1つに酸素貯蔵成分を含めてもよい。上記1番目の触媒材料に酸化セリウムまたは酸化プラセオジム以外の希土類金属酸化物、アルカリ土類金属の酸化物および酸化ジルコニウムの少なくとも1つを含めてもよい。
【0017】
いろいろな態様において、上記1番目の直動式触媒部材に活性アルミナを約0.5から約3.5g/立方インチ、パラジウム成分をパラジウム金属として計算して少なくとも約50g/立方フィート、および少なくとも1種のアルカリ土類金属成分を酸化物として計算して約0.05から約0.5g/立方インチ含めてもよい。任意に、上記1番目の直動式触媒部材に酸化ストロンチウムを約0.05g/立方インチから約0.4g/立方インチ含めてもよく、上記支持体材料に組み込む酸化ジルコニウムの量を約0.5g/立方インチ以下にしそして酸化ランタンおよび酸化ネオジムから成る群から選択される少なくとも1種の希土類金属酸化物の量を約0.5g/立方インチ以下にしてもよい。
【0018】
上記1番目の直動式触媒部材に白金族金属成分を少なくとも60g/立方フィート、例えば約75から300g/立方フィート含めてもよく、そして上記白金族金属成分に主にパラジウム成分を含めてもよい。
【0019】
いろいろな態様において、上記1番目の直動式触媒部材に活性アルミナ支持体材料を約0.75から約2.0g/立方インチ含めてもよく、そして約0.05から約0.4g/立方インチの酸化ストロンチウム、約0.05から約0.2g/立方インチの酸化バリウム、約0.025から約0.3g/立方インチの酸化ランタン、約0.025から約0.3g/立方インチの酸化ネオジム、および約0.05から約0.5g/立方インチの酸化ジルコニウム、から成る群から選択される少なくとも1種の成分を含めてもよい。
【0020】
個々の態様において、本発明の排気処理装置に1番目の直動式触媒部材を含めてもよく、この部材におおよそパラジウムを300g/立方フィート、アルミナを1.23g/立方インチ、酸化ランタンを0.19g/立方インチ、酸化ジルコニウムを0.1g/立方インチ、酸化ストロンチウムを0.1g/立方インチおよび酸化ネオジムを0.16g/立方インチ含めてもよい。本装置に更に2番目の直動式触媒部材を含めてもよく、この部材におおよそパラジウムを110g/立方フィート、アルミナを1.4g/立方インチ、酸化セリウムを0.8g/立方インチ、酸化セリウム−酸化ジルコニウム複合体を0.5g/立方インチ、酸化ジルコニウムを0.24g/立方インチ、酸化ランタンを0.2g/立方インチ、酸化ネオジムを0.1g/立方インチ、酸化ストロンチウムを0.1g/立方インチ、酸化ニッケルを0.07g/立方インチおよび酸化バリウムを0.06g/立方インチ含めてもよい。また、アンダーフロア触媒を存在させることも可能であり、この触媒におおよそパラジウムを91.9g/立方フィート、ロジウムを6.56g/立方フィート、白金を6.56g/立方フィート、アルミナを1.5g/立方インチ、酸化セリウム−酸化ジルコニウム複合体を1.7g/立方インチ、酸化ネオジムを0.1g/立方インチ、酸化ストロンチウムを0.25g/立方インチ、酸化ジルコニウムを0.125g/立方インチおよび酸化ランタンを0.075g/立方インチ含めてもよい。
【0021】
本発明はまた排気ガス出口を有するエンジンから出る排気ガスを処理する方法にも関する。この方法は、上記エンジンの排気ガス出口から出る排気ガスをこの上で定義した如き排気ガス処理装置の中に通して流すことを含む。この方法は、下流に位置する少なくとも1つの触媒の所で排気ガス中の一酸化炭素の少なくとも10%を変化させることを含み得る。例として、本方法は、下流に位置する少なくとも1つの触媒の所で排気ガス中の一酸化炭素の少なくとも25%、または少なくとも30%、または少なくとも40%を変化させることを含む得る。
【0022】
本明細書および本請求の範囲で用いる如き用語「酸素貯蔵成分」は、酸素が比較的豊富
な期間中には排気流れから酸素を吸収しそして酸素が比較的不足している期間では酸素を気体流れに放出し得ると考えられる種類の被還元性の多価遷移金属酸化物を指す。そのような酸素貯蔵成分にはセリウム、コバルト、鉄、マグネシウム、モリブデン、ニッケル、プラセオジム、タングステンおよびバナジウムの酸化物が含まれる。本明細書および請求の範囲で用いる如き用語「酸素貯蔵成分」は、如何なる形態(酸化物を包含)の白金族金属にも酸化ネオジムにも酸化ランタンにも関係しない。
【0023】
本明細書および請求の範囲で用いる如き用語「直動式」は、それが触媒部材または触媒部材が入っている容器に関係する時、排気装置によって限定される流路の位置を指し、この位置の触媒に定常状態の中もしくは高負荷エンジン運転条件下の排気が最初に接触する時点の排気の温度は少なくとも約600℃である。直動式触媒の位置は典型的に自動車のエンジン区分室内であり、エンジンの排気出口に近い排気流路内に位置、例えば排気ガスの流路に沿って排気用多岐管出口から約12インチ以内に位置しており、その結果として、排気ガスはこれが上記触媒に接触する前に有意には冷えていない。任意に、直動式触媒を排気用多岐管の所またはそれの内側に位置させることも可能である。その結果として、この直動式触媒に入って来る排気の温度は一般に約600から1000℃、より一般的には約600から800℃である。任意に、直動式触媒を排気用多岐管それ自身内に位置させることも可能である。用語「アンダーフロア」は、これが触媒に関係する時、上流に位置する触媒の下流に位置する排気装置内に触媒が位置していることを意味し、この触媒は、定常状態のエンジン運転条件下で排気ガスを約600℃以下、一般に約200から600℃、より一般的には約300から550℃の温度で受け取る。アンダーフロア触媒の位置は典型的に車床板の下でエンジン区分室の外側であるが、必ずしもそのような位置にする必要はない。
【0024】
触媒部材または触媒材料に含める個々の成分の量(「充填量」)を本明細書および請求の範囲で言及する場合、これを1立方フィート当たりのグラム(「g/立方フィート」)または1立方インチ当たりのグラム(「g/立方インチ」)で表す。「担体部材」(これを本明細書および請求の範囲で用いる場合、これは、複数の気体流路が中を貫通して伸びていて触媒材料の被膜が付着している本体を意味する)の気体流路が与える空隙に順応させる目的で、そのような単位体積当たりの重量単位を用いる。典型的な担体部材を以下に記述する。平行な気体流路が中に複数作られている種類の担体を、以下では時として、「ハニカム型」担体と呼ぶ。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の1つの態様に従って排気ガス処理装置を含む1つの配置を示す図式図である。
【図2】本発明の1つの態様に従う排気ガス処理装置の図式図である。
【図3】本発明の別の態様に従う排気ガス処理装置の図式図であり、この装置は、異なる断面形態を有する直動式部材が入っている1番目および2番目の直動式触媒容器を含む。
【図4】本発明の更に別の態様に従う装置で用いるに適した同様な断面形態を有する1番目および2番目の直動式触媒部材が入っている直動式触媒容器を示す図式図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明に一般的に従う排気処理装置は、炭化水素燃料で駆動する火花点火エンジンから出る排気ガスの流路内に位置する触媒部材を少なくとも2つ含む。各触媒部材は、排気ガスに含まれる有害な成分を無害な物質に変化させる時に効果を示す触媒材料を含む。1つの触媒部材を他の少なくとも1つの触媒部材の上流に位置させ、そして最も上流に位置させる触媒部材に、酸素貯蔵成分を実質的に含まない触媒材料を含める。
【0027】
本発明に従って酸素貯蔵成分を上流の触媒から排除することにより、上記上流の触媒内で起こるCOからCOへの変換速度が抑制されてそこをCOが通過して下流の触媒に到達し得るようにする。この上流、即ち1番目の触媒部材内で起こるCO酸化の度合を低下させると、結果として、この上流の触媒部材の作動温度がより低くなりかつ耐久性がより高くなる。これは、上流位置に行き渡っている高温状態がCOの酸化熱で更に高くなることで排気ガス成分の濃縮が起こりかつ結果として起こる発熱的な触媒活動によって温度が過剰に高くなることで上流の触媒部材が損傷を起こし得ることによるものである。通過して下流の触媒部材に到達したCOは、この下流の触媒部材(これは、排気ガスが排気システムのパイプの中を通って来ることで冷えている可能性がありかつ汚染物の量が減少している排気ガス流れを受け取る)の性能を向上させる。このような向上は、下流の触媒部材の所でCOが容易に酸化される結果として酸化熱が放出されることで下流の触媒部材がより迅速(COが上流で酸化された場合に比較して)にそれのライトオフ温度にまで上昇することによって生じる(と言うのは、上流で放出された熱のいくらかは下流の触媒部材に到達するまでに逸散してしまうからである)。加うるに、COは、下流の触媒部材が示す触媒作用でNOが還元を受ける場合の還元剤として働き得る。
【0028】
この上流の触媒部材は好適には1番目の直動式触媒部材である、即ちこれは排気ガスが遭遇する1番目の触媒部材であり、そしてこれはエンジンの排気出口に非常に近い所に位置しており、従ってこれは通常のアンダーフロア触媒部材がさらされる温度よりも高い温度の排気ガスにさらされる。この1番目の直動式触媒部材を連結する位置は、例えば、エンジン排気用多岐管出口から約1フィートの範囲内の排気流路内であってもよい。この上流に位置する1番目の直動式触媒部材に、高い運転温度で安定な「上流」、即ち1番目の触媒材料(これは少なくとも炭化水素の酸化で効果を示す)を含める。この上流の触媒材料は、また、運転温度の時には一酸化炭素の酸化で有効な触媒作用を示すばかりでなく窒素酸化物(「NO」)の還元でも有効な触媒作用を示すものであってもよいが、この1番目の直動式触媒部材にそのようなスリーウエイ変換能力を持たせることは必須でない。
【0029】
上流、即ち1番目の直動式触媒の触媒材料に白金族金属成分を含め、好適にはパラジウム成分、即ち元素状金属形態、酸化物形態、合金または化合物としてか或は触媒的に有効な他の何らかの形態のパラジウムを含めて、それを耐火性無機酸化物支持体材料、例えばアルミナ、シリカ、チタニアおよび/または酸化ジルコニウムなどの上に分散させる。本技術分野でよく知られているように、上記触媒材料を適切な担体に付着させる。
【0030】
上記上流、即ち1番目の直動式触媒材料に含める白金族金属成分に、パラジウム成分に加えて、白金、ルテニウムおよびイリジウムから成る群から選択される他の白金族金属を1つ以上含めてもよいが、パラジウム成分の量が他の白金族金属成分を一緒にした量よりも多くなるようにする(元素状金属を基準にして測定)。言い換えれば、上流に位置させる触媒材料に含める白金族金属成分を主にパラジウム成分で構成させてもよい。
【0031】
上流に位置させる触媒部材はそのような高温にさらされることから、この上流の触媒材料の白金族金属成分に任意に実質的にロジウムを含めないことも可能である。有利にはNOの還元を助長させる目的で下流の触媒材料に含めてもよいロジウムは、上流の触媒部材の高い温度環境下では有効でない可能性があり、その結果として、触媒活性を有意に失わせることなくそれをそこから省くことができる。また、ロジウムは極めて高価なことから、ロジウムを上流の触媒材料に添加しないと経済的な節約が得られる。
【0032】
この上流、即ち1番目の触媒材料に、好適には更に、少なくとも1種のアルカリ土類金属酸化物を含めかつ酸化ネオジムおよび酸化ランタンの少なくとも1つを含める。
【0033】
好適な態様では、上流、即ち1番目の直動式触媒材料にパラジウム成分(活性アルミナ
支持体材料上に分散している)、酸化ストロンチウム、酸化ネオジム、酸化ランタンおよび酸化ジルコニウムを含める。
【0034】
高温にさらされる触媒に酸化セリウムを含めると言った従来技術の教示とは対照的に、1番目の直動式触媒に含める触媒材料に、本発明の教示に従って、酸素貯蔵成分(これには酸化セリウムおよび酸化プラセオジムが含まれる)を実質的に含めない、即ちそれを含めるとしても痕跡量以下の量にする。酸化ランタンは酸素貯蔵成分であるとは見なされないが、市販グレードの酸化ランタンはしばしば酸化セリウムを混入物として少量含有する。1番目の触媒材料に酸化ランタンを添加することを通して導入される酸化セリウムの量は、上記触媒が有意な酸素貯蔵能力を持つことに寄与する量でないと予測する。そのような場合に酸化セリウムが触媒材料を構成する量は約5重量パーセント未満である。より典型的には、上記酸素貯蔵成分が触媒材料を構成する量は1重量パーセント未満、好適には0.5重量パーセント未満、最も好適には0.1重量パーセント未満である。この上で説明したように、1番目の直動式触媒に酸素貯蔵成分を実質的に含めないことによって、1番目の直動式触媒の寿命を長くしかつ下流の触媒が示す変換活性も同様に向上させることができる。更に、この上流の触媒材料にセリアを酸素貯蔵成分として含めていないことから、セリアとパラジウム(これは上流の好適な触媒成分である)の間の有害な相互作用(これは高温で助長され得る)が回避される。
【0035】
本装置には、上記上流、即ち1番目の直動式触媒部材の下流地点に、少なくとも炭化水素の酸化および一酸化炭素の酸化で効果を示す、好適にはスリーウエイ触媒と酸素貯蔵成分を含む触媒部材を少なくとも1つ含める。この下流の触媒材料にまた好適にはロジウムもNOの還元を助長するに充分な量で含める。この下流の触媒部材を配置する場所は、上記1番目の直動式触媒部材の下流の直動位置であってもよい。別法として、この下流の触媒部材をアンダーフロア位置に位置させることも可能である。上記上流の触媒部材の下流に触媒部材を2つ以上存在させることも可能であり、例えば下流、即ち2番目の直動式触媒部材とアンダーフロア触媒部材の両方を存在させてもよい。このような場合、上記2番目の直動式触媒部材は、搭載診断(「OBD II」)規制に関するCalifornia Air Resources Board(「CARB」)規制の目的で触媒性能の監視を行うのが容易な地点における汚染物の変換性能を高める働きをする。加うるに、この2番目の直動式触媒部材の働きによって排気ガス温度が上昇することでアンダーフロア触媒部材の性能が向上し、このように、アンダーフロア触媒部材がそれの作動温度を達成する速度が速くなる。
【0036】
下流の触媒部材(類)では本技術分野で公知の適切な如何なるスリーウエイ触媒材料も使用可能である。上記触媒材料に典型的には白金族金属成分(これには、例えば白金、パラジウム、ロジウム、ルテニウムおよびイリジウムから成る群から選択される1種以上の金属が含まれる)を含めて、それを耐火性支持体材料、例えば活性アルミナ、シリカ、チタニア、シリカ−アルミナ、アルミナ−シリケート類、アルミニウム−ジルコニウムの酸化物、アルミナ−クロミアおよびアルミナ−酸化セリウムの1つ以上の上に分散させる。
【0037】
下流の触媒組成物に好適には少なくとも1種のアルカリ土類金属酸化物成分、例えばマグネシウム、バリウム、カルシウムおよびストロンチウムなどの酸化物を含めて、それを上記支持体材料に支持体材料用安定剤として組み込む。バリウムおよびストロンチウムの酸化物が好適である。加うるに、下流の触媒材料に希土類金属成分、好適にはランタンおよびネオジム成分を含めることも可能であり、これらは炭化水素の酸化およびNOの還元を助長すると考えている。本発明の下流の触媒部材で用いるに有用なスリーウエイ触媒材料は、表題が「Layered Catalyst Composite」の米国連続番号08/265,076(これの開示は引用することによって本明細書に組み入れられる)に開示されている。簡単に再び述べると、出願連続番号08/265,076には、
担体部材を覆う触媒材料の層が2層存在する層状の触媒組成物が記述されている。その1番目、即ちボトム層は1番目の支持体材料、例えばアルミナなどの上に分散しているパラジウム成分と1番目の酸素貯蔵成分、例えばセリアおよび/またはプラセオジミアなどを上記パラジウム成分と密に接触した状態で含み、そして2番目、即ちトップ層はパラジウム成分を含む。上記1番目の層に入れる上記酸素貯蔵成分とパラジウムの間の密な接触を樹立する目的で、上記酸素貯蔵成分の可溶前駆体、例えば硝酸セリウムなどが入っている溶液を上記パラジウム成分含有支持体粒子に含浸させる。次に、この含浸させた支持体粒子を乾燥させて、それに焼成を受けさせることで、溶媒を除去しかつ上記前駆体を酸化物形態に変化させる。この2番目の層に酸素貯蔵成分を存在させてもよいが、それをそこに入っているパラジウム成分と密に接触させないで、それを存在させるとしてもむしろバルクな粒子形態で上記パラジウム含有支持体粒子と混合する。
【0038】
本発明の下流の触媒材料に好適には酸素貯蔵成分、即ちセリウム、コバルト、鉄、マグネシウム、モリブデン、ニッケル、プラセオジム、タングステンおよびバナジウムの1つ以上の酸化物を含有させ、最も好適な酸素貯蔵成分は酸化セリウムおよび酸化プラセオジムである。この酸素貯蔵成分を存在させる量は、酸化物として乾燥を基に計算して、触媒材料の少なくとも5重量パーセント、好適には少なくとも10重量パーセント、より好適には少なくとも15重量パーセントである。この酸素貯蔵成分を支持体粒子または触媒材料の他の粒子状成分に組み込む時、以下に記述するように、本技術分野で公知の方法を用いて組み込みを行ってもよい。この上で述べたように、この酸素貯蔵成分は、酸素が豊富な期間中は酸素を吸収しそして酸素が不足している期間では酸素を放出することで、酸化変換性能の変動を小さくする。
【0039】
この上に挙げた成分に加えて、酸化ジルコニウムと少なくとも1種の希土類金属酸化物から「共生成」させたバルクな複合体を、下流の触媒材料に含有させることも可能である。支持体材料として任意に使用可能な上記材料は、例えば米国特許第4,624,940号および5,057,483号(これら両方とも引用することによって本明細書に組み入れられる)などに開示されている。上記特許には、上記複合体を共沈でか、共ゲル化でか、或は他の適切な如何なる技術で生じさせてもよいと教示されており、その結果として生じる生成物は、完成品に入っている酸化ジルコニウムマトリックスの実質的に全体に渡って分散している(希土類酸化物が中に分散していない酸化ジルコニウムマトリックスの実質的なコアが残ることがないように、単に酸化ジルコニウム粒子の表面のみでも表面層内のみでもない)希土類金属酸化物を含有する。1つの適切な技術がLuccini,E.,Mariani,S.,およびSbaizaro,Oの論評である“Preparation of Zirconia Cerium Carbonate in Water with Urea”,Int.J.of Materials and Products Technology,(1989)4巻No.2 167−175頁(これの開示は引用することによって本明細書に組み入れられる)に示されている。上記論評の169頁の所で始まる開示に示されているように、pHを調節する緩衝剤として硝酸アンモニウムを用いて、ZrO−10モルパーセントのCeOから成る最終生成物が生じるのを助長する比率で塩化ジルコニルと硝酸セリウムが入っている溶液(0.1モル規定)を蒸留水を用いた希釈で調製する。この溶液を絶えず撹拌しながら2時間沸騰させている間如何なる段階でもpHが6.5を越えないようにすることで完全な沈澱を達成した。共沈物を洗浄した後、スプレー乾燥または凍結乾燥で乾燥させて水を除去した後、それに焼成を約500℃の空気中で受けさせることで、共生成の希土類金属酸化物−ジルコニア支持体を生じさせることができる。特に好適な粒子は、酸化ジルコニウムを50重量パーセント以上、好適には酸化ジルコニウムを60から90重量パーセント含み、酸化セリウムを10から30重量パーセント含みかつ任意にイットリア、ランタナおよびネオジミアから成る群から選択される希土類金属酸化物(酸化セリウムでない)を約0.1から約10重量パーセント含む粒子である。
【0040】
上記下流の触媒の組成に他の通常添加剤を含めることも可能であり、例えば硫化物抑制剤(sulfide suppressants)、例えばニッケルまたは鉄成分などを含めることも可能である。酸化ニッケルを用いる場合には、その量を、1991年11月4日付けで提出した表題が“High Performance Thermally Stable Catalyst”の共通所有特許出願連続番号07/787,192(これは現在では1993年5月18日付けで発行された米国特許第5,212,142号であり、これは引用することによって本明細書に組み入れられる)に開示されているように、触媒材料の第一コートの約1から25重量パーセントにすると有効であり得る。そこに記述されていて請求されている如き触媒材料は、一般に、(a)安定化アルミナを含む第一支持体、(b)上記第一支持体上に触媒有効量で分散している第一白金触媒成分、(c)希土類金属の酸化物から本質的に成る第二支持体、および(d)上記第二支持体上に両方が触媒有効量で分散しているロジウム触媒成分およびパラジウム触媒成分を含み、上記ロジウムおよびパラジウム触媒成分は、触媒材料中のロジウムとパラジウムの重量比が金属として測定して約50:1から1:50になるような量で存在している。本発明で用いるアンダーフロア触媒部材に有利にロジウム成分を含めてもよく、このロジウム成分は、直動式触媒の温度がロジウムが不活性でNO還元活性を示さない温度の時、アンダーフロア位置に行き渡っている比較的低い温度でNO還元活性を与える能力を有する。
【0041】
FTP 1975に従う試験を行った時、上記上流、即ち1番目の直動式触媒内で酸化された一酸化炭素の量は、排気に最初(触媒処理を受けさせる前)に含まれていた一酸化炭素の90モルパーセント以下、好適には75モルパーセント以下、より好適には70モルパーセント以下、最も好適には60モルパーセント以下である。別の様式で述べると、FTP 1975試験に従う試験を行った時、一酸化炭素の初期含有量の少なくとも10モルパーセント、好適には少なくとも25モルパーセント、より好適には少なくとも30モルパーセント、最も好適には少なくとも40モルパーセントが上流の触媒内で酸化を受けないで上記上流の触媒を通過して下流の触媒に到達したことになる。
【0042】
触媒材料の調製では、任意の触媒成分、例えば白金族金属などの適切な化合物および/または錯体を利用して、バルクな支持体材料上への上記成分の分散を達成してもよい。本明細書で用いる如き用語「化合物」は、「白金族金属化合物」の場合のように、触媒の焼成または使用時に分解を起こすか或は他の様式で触媒活性形態(これは一般に金属酸化物である)に変化する如何なる化合物、錯体なども意味する。1種以上の触媒成分を含有する水溶性化合物もしくは水分散性化合物または錯体も、上記支持体材料への触媒化合物の含浸または付着で用いる液体が上記触媒金属の他の成分と不利に反応することなくかつ加熱しそして/または真空をかけた時に揮発または分解することで上記触媒から除去可能である限り使用可能である。ある場合には、液体(これは例えば結晶水などとして存在し得る)の除去が上記触媒の使用でそれが運転中に遭遇する高温にさらされるまで完了しない可能性もある。一般的には、経済性の観点および環境面の両方で、可溶化合物または錯体が入っている水溶液が好適である。適切な水溶性白金族金属化合物は、例えばクロロ白金酸、アミンで可溶化した水酸化白金、塩化ロジウム、硝酸ロジウム、塩化ロジウムヘキサミン、硝酸パラジウムまたは塩化パラジウムなどである。この化合物が入っている液体を、上記触媒に含めるバルクな支持体粒子が有する孔の中に含浸させ、そしてこの含浸させた材料を乾燥させ、そして好適にはそれに焼成を受けさせることで、上記白金族金属を支持体材料に結合させる。この焼成段階中、または少なくとも触媒の初期使用段階中に、上記化合物は触媒活性形態の白金族金属またはそれの化合物に変化する。他の成分を触媒材料に組み込む時にも同様なアプローチを取ることができる。例えば上記酸素貯蔵成分を水溶液の形態で白金族金属含有耐火性酸化物支持体に添加することも可能である。この目的で使用可能な分解し得る水溶性の酸素貯蔵成分の例には、これらに限定するものでないが、酢酸セリウム、酢酸プラセオジム、硝酸セリウム、硝酸プラセオジムなどが含まれる。
次に、この含浸させた材料を乾燥させた後、焼成を空気中で行うことにより、酸素貯蔵成分の酸化物を白金族金属と密に接触した状態で含有する1番目の層を生じさせる。
【0043】
上記酸素貯蔵成分はバルク形態で触媒材料に組み込み可能である。「バルク形態」は、米国特許第4,714,694号および4,727,052号(これらは両方とも引用することによって本明細書に組み入れられる)に記述されているように、酸化セリウムおよび/または酸化プラセオジムが支持体材料の粒子と混ざり合っている個々別々の粒子(これの直径は1から15ミクロンの如く小さくてもよいか或はそれよりも小さくてもよい)として存在することを意味する。上記特許には、酸化セリウムが固体またはバルク形態で存在するように酸化セリウムの粒子が活性アルミナの粒子と混ざり合っていてもよいことが説明されており、これは例えばセリウム化合物の溶液をアルミナ粒子に含浸させた後に焼成で酸化セリウムに変化させてそれをアルミナ粒子内に位置させるのとは対照的である。
【0044】
この触媒材料を、本技術分野でよく知られている如く典型的には触媒粒子をスラリー状にしてウォッシュコートとして担体部材に塗布することができるように、粒子直径がミクロンの大きさの範囲、例えば10から20ミクロンの粒子形態で用いる。適切な如何なる担体部材も使用可能であり、例えば通路が開放されていて中を流体が流れるように担体の入り口または出口面から中を貫通して平行に伸びる微細な気体流路が複数備わっている種類のハニカム型担体などであってもよい。上記通路は典型的に流体の入り口から流体の出口に向かって本質的に真っすぐで、壁で限定されており、その壁の上に上記触媒材料を、気体が上記触媒材料に接触して上記通路の中を流れるように「ウォッシュコート」として被覆する。上記担体部材の流路は薄壁の通路であり、この通路は適切な如何なる断面形状およびサイズを有していてもよく、例えば台形、長方形、正方形、正弦形、六角形、楕円形または円形などであってもよい。そのような構造物はガスが流入する開口部(「セル」)を断面1平方インチ当たり約60から約700個(「cpsi」)またはそれ以上、より典型的には200から400cpsi含み得る。そのようなハニカム型担体は適切な如何なる耐火性材料で作られていてもよく、例えばそれはセラミック様材料、例えばコージライト、コージライト−アルファ−アルミナ、窒化ケイ素、ジルコニウムムライト、スポジュメン、アルミナ−シリカマグネシア、ケイ酸ジルコニウム、シリマナイト、ケイ酸マグネシウム、酸化ジルコニウム、ペタライト、アルファ−アルミナおよびアルミノ−シリケート類などで作られていてもよい。別法として、ハニカム型担体は耐火性金属、例えばステンレス鋼または鉄を基とする他の適切な耐食合金などで作られていてもよい。この被覆した担体を、本技術分野で知られているように、触媒部材を保護しかつ上記触媒部材を貫く気体流路の樹立が容易な形態の容器内に位置させる。
【0045】
この触媒材料をウォッシュコートとしてハニカム型担体に付着させる時、一般に、それに含めるいろいろな触媒成分の量をしばしば体積当たりのグラムを基準にして表し、例えば白金族金属成分の場合には1立方フィート当たりのグラム(g/立方フィート)で表し、そして触媒材料の場合には1立方インチ当たりのグラム(g/立方インチ)を基準にして表す、と言うのは、そのような尺度を用いると、いろいろなハニカム型担体基質にいろいろなセルサイズの気体流路が含まれていてもそれに順応させることができるからである。典型的な自動車排気ガス触媒コンバーターでは、上記触媒部材が触媒材料のウォッシュコートを担体上に一般に約0.5から約6g/立方インチ、好適には約1から約5g/立方インチ含むようにする。本発明で用いる典型的な下流の触媒材料は、白金とパラジウムとロジウムを1:14:1の比率で全白金族金属充填量が3.76g/立方フィートになるように含み得る。上流の触媒部材で用いるいろいろな成分の好適な量は下記である:パラジウム成分が少なくとも約50g/立方フィート、例えば約5から約400g/立方フィート、好適には75から400g/立方フィート、ロジウム、ルテニウムおよびイリジウム成分から成る群から選択される白金族金属成分が0から20g/立方フィート、そし
て白金成分が0から60g/立方フィート(これらは全部金属として計算)。炭化水素の望まれる酸化および一酸化炭素の抑制された酸化を達成するには、上記触媒材料に入れるパラジウムの量を他の白金族金属の量よりも多くすべきである。好適な支持体材料である活性アルミナを好適には0.5から約3.5g/立方インチの量で存在させて、その中に安定剤である酸化ジルコニウムを約0.5g/立方インチ以下、好適には0.05から0.2g/立方インチの量で組み込む。アルカリ土類金属成分の量を酸化物として計算して約0から0.6g/立方インチ、好適には約0.05から約0.5g/立方インチにする。希土類金属成分(ランタンおよびネオジムの酸化物が好適である)の量を酸化物として計算して好適には0.0から0.6g/立方インチ、より好適には0.05から0.5g/立方インチにする。担体部材に被覆する触媒材料の充填量を典型的に約0.5から約6g/立方インチにする。
【0046】
1番目の直動式触媒部材の体積、即ち触媒材料を担持するフロースルー担体が占める体積は、上記触媒部材が受け取る排気ガスを産出するエンジンシリンダー体積全体の約10から30パーセントであってもよい。一般的には、この1番目の直動式触媒部材の体積が上記装置に入れる触媒の体積全体の約1/20から約1/2を構成するようにする。例えば、上記装置に含める触媒部材が2つのみである、即ち1番目の直動式触媒部材と2番目の直動式触媒部材のみである場合には、1番目の直動式触媒部材の体積が2番目の直動式触媒部材の約1/5になるようにする。
【0047】
本発明に従う排気ガス処理装置に1番目および2番目の直動式触媒部材とアンダーフロア触媒部材を含める場合には、好適には、1番目の直動式触媒部材の体積が2番目の直動式触媒部材の約1/2になるようにしそして1番目の触媒部材と2番目の触媒部材の全体積とアンダーフロア触媒部材の体積の比率が好適には約1:1から1:3になるようにする。
【0048】
本発明の排気処理装置の特別な配置を図式的に示す図1を参照する。図1に、自動車(示していない)に含まれるエンジン区分室14(破線で示す)に入っているガソリンエンジン12(破線で示す)の排気処理装置10を示す。ガソリンエンジン12には、エンジンのシリンダーから出る排気ガスを集めてそのガスを共通多岐管出口18に向かわせるエンジン排気用多岐管16が備わっている。排気処理装置10に、多岐管16から短いパイプ22を通って来る排気ガスを受け取る入り口を有する上流の直動式触媒容器20を含める。容器20に触媒部材を少なくとも1つ、好適には2つ入れて、その中を通って排気ガスが流れるようにする。容器20をエンジン12の近くに位置させることから、そこに入れる如何なる触媒部材にも直動式触媒を含める。装置10に更に下流のアンダーフロア容器24を含めて、それを排気用パイプ26で上流の容器20に連結させる。アンダーフロア容器24に下流の触媒部材を入れて、この部材に、この上に記述した如き適切なスリーウエイ触媒材料を含める。パイプ22、容器20、パイプ26および容器24が一緒になって流路の一部を限定していて、その中を通って排気ガスが流れる。アンダーフロア容器24は典型的にパイプ28でマフラー30(破線で示す)に連結しており、このマフラーは本発明の目的で処理装置の一部であるとは見なさない。このマフラー30は、外界に向けて開いているテールパイプ出口42を有するテールパイプ32に連結している。
【0049】
図2に、本発明に従う簡潔な態様である排気ガス処理装置10aの図式図を示す。装置10aに上流の直動式容器20aを含め、この容器20aを下流のアンダーフロア容器24と組み合わせて用いて、それらをパイプ26で連結させる。この直動式容器20aに単一の直動式触媒部材120aを入れて、この部材に、実質的に酸素貯蔵成分を含まない上流の触媒材料を含有させる。アンダーフロア容器24に下流の触媒部材124を入れて、この部材に、酸素貯蔵成分を含むスリーウエイ触媒材料を含有させる。
【0050】
本発明のより好適な態様を図3に示す。この態様では、装置10bに2つの直動式容器20bと20cを含め、これらにそれぞれ1番目の直動式触媒部材120bと2番目の直動式触媒部材120cを入れる。直径および/または断面形態が異なる2つの直動式触媒部材を収容させる目的で2つの容器を用いる。例えば、1番目の直動式触媒部材120bに円形の断面形態を持たせる一方で、2番目の直動式触媒部材120cにレーストラック(racetrack)型の断面形態(即ち2つの丸い側面が2つの平行な側面で分離されている)を持たせる。多岐管を2つ有する中量用トラックの1つの多岐管から出る排気に連結させて用いるに有用な特別な態様では、触媒部材120bを直径が3インチで長さが3インチの円柱形にして350cpsiおよび300g/立方フィートのPdにし、触媒部材120cに長さが3.4インチx5.0インチx3.84インチの寸法を有する楕円形態を持たせてセル密度を350cpsiにしそしてPd充填量を100g/立方フィートにしてもよい。容器24に入れるアンダーフロア触媒部材に寸法が3.18インチx6.68インチx5インチのレーストラック形態を持たせてセル密度を350cpsiにしそしてPt:Pd:Rh比が1:14:1の白金族金属量を100g/立方フィートにしてもよい。排気ガス流れが触媒部材の中を通る時に起こる圧力低下の度合を低くする目的で、上記担体部材の構造を、通常の担体部材が有するセル壁よりも薄いセル壁を持つ構造にしてもよい。
【0051】
図4に代替態様を示し、この態様では、直動式容器20dに2つの隣接する触媒部材、即ち上流に位置する1番目の直動式触媒部材120dと下流に位置する2番目の直動式触媒部材120d’を入れる。1番目の直動式触媒部材120dに、酸素貯蔵成分を含まない直動式触媒材料を含有させる。2番目の直動式触媒部材120d’を触媒部材120dの下流に位置させて、それに好適には酸素貯蔵成分を含むスリーウエイ触媒材料を含有させる。1番目および2番目の直動式触媒部材120dおよび120d’を互いに直ぐ隣接させて位置させて、好適には相当する断面寸法を持たせる。従って、それらを便利には単一の容器内に位置させる。また、好適には、隣接する触媒部材に同じ断面の気体流路を同じ密度で持たせる。
【0052】
本発明の理解をより完全にする目的で以下に実施例を示す。本発明の原理および実施を説明する目的で挙げた具体的な技術、条件、材料、比率および報告するデータは例示であり、本発明の範囲の制限として解釈されるべきでない。
【実施例】
【0053】
実施例1
1グラム当たり約160平方メートル(160m/g)の表面積を有するガンマ−アルミナ粉末を738グラム用いて、これに、パラジウムが34.5グラム入っている硝酸パラジウム水溶液を含浸させた。このパラジウムを含有させたアルミナと酢酸ジルコニウム溶液(60.1グラムのZrOが生じるに充分な量)を脱イオン水と一緒にボールミルにかけることでスラリーを生じさせた。このスラリーに硝酸ランタン溶液(114グラムのLaが生じるに充分な量)、硝酸ネオジム溶液(95.9グラムのNdが生じるに充分な量)、酸化バリウム(54グラムのBaOが生じるに充分な量)および硝酸ストロンチウム結晶(SrOが60グラム生じるに充分な量)を加えることでウォッシュコートスラリーを生じさせた。このスラリーは固体を約48重量%含有していた。このウォッシュコートスラリーに、流路を断面1平方インチ当たり約400個(「cpsi」)含むコージライト製支持体を浸漬した。圧縮空気を用いて過剰分を上記支持体から吹き飛ばした。その結果として得た触媒部材に焼成を450℃で受けさせた後、それはパラジウムを100g/立方フィート、アルミナを1.23g/立方インチ、Laを0.19g/立方インチ、ZrOを0.1g/立方インチ、酸化ストロンチウムを0.1g/立方インチ、BaOを1.09g/立方インチおよびNdを0.16g/立方インチ含有しており、これを触媒部材Aと表示する。
【0054】
実施例2
(比較実施例)
実施例1に記述したのと同じ触媒成分充填量になるように触媒材料のウォッシュコート層を2層用いて触媒部材を調製した。この比較実施例では、ウォッシュコート層に、追加的に、共生成の酸化セリウム−酸化ジルコニウム複合体を0.4g/立方インチ、硝酸セリウムとしてスラリーに導入した酸化セリウムを0.3g/立方インチ、および水酸化セリウムとして導入した酸化セリウムを0.23g/立方インチ含有させた。完成した触媒部材を触媒部材Bと表示する。
【0055】
実施例3
(試験)
触媒部材AおよびBから直径が1.5インチで長さが3インチの寸法のサンプル試験シリンダーを取った。このシリンダーの軸を上記触媒部材に入っているハニカム通路の軸と平行にした。各コアを個別に空気中10%の蒸気で12時間950℃で老化させた。老化後、この触媒含有コアの評価を、模擬排気組成物(フィードガス)を用いた実験室反応槽を利用して、50,000VHSV(基質体積当たりの気体体積/時)下で行った。定常状態のガス組成はCOが0.33モル%でOが0.41モル%でCOが16モル%でHOが10モル%で炭化水素(HC)が540ppm(parts per million)でNOが1,540ppmで残りがNであった。摂動時の組成はCOが0.76モル%でOが0.67モル%でCOが15.80モル%でHOが10モル%でHCが528ppmでNOが1,500ppmでSOが45ppmで残りがNであった。反応槽の温度を周囲温度から徐々に500℃に上昇させながらHC/CO/NOの変換率を測定した。炭化水素濃度を炎イオン化検出器(FID)で測定し、一酸化炭素濃度を赤外分析装置で測定し、そしてNO濃度を化学発光分析装置で測定した。ライトオフ温度の結果を表Iに示す。ライトオフ温度は変換率が50%の時の温度である。
【0056】

表I
ライトオフ温度
触媒部材 HC CO NO
A 252℃ 228℃ 213℃
B(比較) 287 258 236

【0057】
表Iに要約した結果は、触媒部材AがCO、HCおよびNOに関して示すライトオフ温度は比較触媒部材Bのそれよりも低いことを示している。このことは、温度がより低い時には酸素貯蔵成分を含まない触媒材料の方が酸素貯蔵成分を含む触媒材料よりも有効であることを示しており、そのことから、冷機起動時の排気ガスの処理では、有利に、それを直動位置、好適には上流の直動位置に位置させる。
【0058】
実施例4
酸化バリウムを含めない以外は実施例1に記述したのと同様にして触媒材料のウォッシュコートを調製した。このウォッシュコートを、直径が3インチで長さが3インチで350cpsiのコージライト製ハニカム型担体に被覆し、その結果として得た触媒部材を触媒部材Cと表示した。触媒部材Bと同様な様式で比較触媒部材を調製して、触媒部材Dと表示した。触媒部材CおよびDを缶に入れて、4.6リットルエンジンの排気ガス流れを用いて85時間老化させた。触媒入り口のところのエンジン排気ガス最大温度は920℃であった。老化後の触媒部材をFederal Test Procedure(FTP)1975に従う1.9リットルの車で評価した。CO/HC/NO変換率の結果を表
IIに示す。
【0059】

表II
FTP 1975 − 車試験
変換効率
変換率(モル%)
触媒部材 CO HC NO
C 58.6% 89.1% 53.4%
D(比較) 69% 86.5% 47.2%

【0060】
表IIに要約した結果は、触媒部材Cを用いた時には比較触媒部材Dを用いた時に比べてHCおよびNOの変換率が高くそしてCOの変換率が低いことを示している。比較触媒部材Dを用いた時のCO変換率がより高いことは、CO変換率を高くすることが知られている酸化セリウムをウォッシュコートに入れたことによるものである。表IIのデータは、触媒部材Cでは酸素貯蔵成分である酸化セリウムを含めないことによってCOが直動式触媒を通過して下流の触媒に到達し得るようにその中で起こる変換反応が抑制されることを示している。上流の直動位置に行き渡っている高い温度条件はCOの酸化熱で更に高くなってしまうことから、この直動式触媒内で起こるCO酸化の度合を低くすると、結果として作動温度がより低くなることで耐久性がより高くなる。通過して下流の触媒、例えばアンダーフロア触媒に到達したCOは酸化され、それによって、この下流に位置する触媒がより温かい条件(そうでない場合、下流の位置は比較的冷えている)で作動することで排気ガス汚染物の量がより有効に少なくなり得る。比較触媒部材Dはアンダーフロア触媒として用いるに有用である。
【0061】
実施例5
A. 酸素貯蔵成分を含まない上流の直動式触媒材料の調製
1グラム当たり約160平方メートル(160m/g)の表面積を有するガンマ−アルミナ粉末を738グラム用いて、これに、パラジウムが103.5グラム入っている硝酸パラジウム水溶液を含浸させた。このパラジウムを含有させたアルミナと酢酸ジルコニウム溶液(60.1グラムのZrOが生じるに充分な量)を脱イオン水と一緒にボールミルにかけることでスラリーを生じさせた。このスラリーに硝酸ランタン溶液(114グラムのLaが生じるに充分な量)を加え、このスラリーに硝酸ネオジム溶液(95.9グラムのNdが生じるに充分な量)を加えた後、硝酸ストロンチウム結晶(SrOが60グラム生じるに充分な量)を加えた。その結果として生じたスラリーは固体を約48重量%含有していた。このウォッシュコートスラリーに、約400cpsi含んでいて26.7立方インチを占めるコージライト製担体を浸漬した後、圧縮空気を用いて過剰分を上記担体から吹き飛ばした。その結果として得た触媒含有(catalyzed)担体(これの形態は円柱形で寸法は直径が3.37インチで長さが3インチである)に焼成を450℃で受けさせた後、それの上には触媒材料が1.78g/立方インチ存在していて、パラジウムを300g/立方フィート、アルミナを1.23g/立方インチ、Laを0.19g/立方インチ、ZrOを0.1g/立方インチ、酸化ストロンチウムを0.1g/立方インチおよびNdを0.16g/立方インチ含有しており、これを触媒部材Eと表示した。
【0062】
B. 下流の直動式触媒材料の調製
1. 1番目の層
1グラム当たり160平方メートル(160m/g)の表面積を有するガンマ−アルミナ粉末を700グラムの量で用いて、これに、パラジウムが31.9グラム入っている
硝酸パラジウム水溶液を含浸させた。このパラジウムを含有させたアルミナ、硝酸で安定化させたCeOが300グラム入っているコロイド状の酸化セリウム分散液(直径が約100オングストロームのCeO粒子から調製)、硝酸セリウム結晶(500グラムのCeOが生じるに充分な量)、硝酸ランタン結晶(100グラムのLaが生じるに充分な量)、酢酸バリウム(60グラムのBaOが生じるに充分な量)、酢酸ジルコニウム溶液(140グラムのZrOが生じるに充分な量)および共生成の酸化セリウム−酸化ジルコニウム粉末(表面積が50m/gでCeO含有量が20重量パーセント)(500グラム)を酢酸と一緒にボールミルにかけることでスラリーを生じさせた。このスラリーを、更に、脱イオン水中で前以て製粉しておいたNiO粒子(70グラム)と一緒に混合することで、固体を約48重量%含有するウォッシュコート層用スラリーを生じさせた。このウォッシュコートスラリーに、流路を断面1平方インチ当たり約400個含むコージライト製担体を浸漬した後、圧縮空気を用いて過剰分を上記担体から吹き飛ばした。その結果として得た触媒含有担体に焼成を450℃で受けさせた後、それはパラジウムを55g/立方フィート、アルミナを0.7g/立方インチ、CeOを0.8g/立方インチ、Laを0.1g/立方インチ、ZrOを0.14g/立方インチ、BaOを0.06g/立方インチ、酸化セリウム−酸化ジルコニウム複合体を0.5g/立方インチおよびNiOを0.07g/立方インチ含有していた。
【0063】
2. 2番目の層
パート1で用いたのと同じ種類のアルミナ粉末を700グラムの量で用いて、これに、パラジウムが31.9グラム入っている硝酸パラジウム溶液を含浸させた。このパラジウムを含有させたアルミナ、硝酸ランタン結晶(100グラムのLaが生じるに充分な量)、硝酸ネオジム結晶(100グラムのNdが生じるに充分な量)、酢酸ジルコニウム結晶(100グラムのZrOが生じるに充分な量)および硝酸ストロンチウム結晶(100グラムのSrOが生じるに充分な量)を脱イオン水と一緒にボールミルにかけることで、固体を約30重量%含有するウォッシュコート層用スラリーを生じさせた。この2番目の層用スラリーに、この触媒のパート1に示した第一層の層を有する担体を浸漬した。圧縮空気を用いて過剰分を吹き飛ばし、乾燥させそして焼成を450℃で受けさせた後の担体は、追加的にウォッシュコートを1.13g/立方インチ吸着しており、このウォッシュコートはパラジウムを55g/立方フィート、アルミナを0.7g/立方インチ、Laを0.1g/立方インチ、Ndを0.1g/立方インチ、ZrOを0.1g/立方インチおよびSrOを0.1g/立方インチ含有していた。この最終の触媒含有担体はパラジウムを110g/立方フィート含有しており、これを触媒部材Fと表示した。
【0064】
C. アンダーフロア触媒材料の調製
1. 1番目の層
1グラム当たり160平方メートル(160m/g)の表面積を有するガンマ−アルミナ粉末を700グラムの量で用いて、これに、パラジウムが37.2グラム入っている硝酸パラジウム水溶液を含浸させた。1グラム当たり50平方メートルの表面積を有する酸化セリウム−酸化ジルコニウム複合体(CeOが20重量%)粉末を350グラムの量で用いて、これに、白金が0.81グラム入っている水酸化白金アミン水溶液を含浸させた。白金を全部で0.81グラム含浸させた。そのパラジウムを含有させたアルミナ、白金を含有させた酸化セリウム−酸化ジルコニウム複合体、硝酸ランタン結晶(52.5グラムのLaが生じるに充分な量)、硝酸ネオジム結晶(70グラムのNdが生じるに充分な量)、酢酸ジルコニウム溶液(35グラムのZrOが生じるに充分な量)および硝酸ストロンチウム結晶(175グラムのSrOが生じるに充分な量)を脱イオン水と一緒にボールミルにかけることで、固体を約45重量%含有するウォッシュコート層用スラリーを生じさせた。このウォッシュコートスラリーに、流路を断面1平方インチ当たり約400個含むコージライト製担体を浸漬した後、圧縮空気を用いて過剰分を上
記担体から吹き飛ばした。その結果として得た触媒含有担体(直径が4インチで長さが10インチの寸法を有する)に焼成を450℃で受けさせた後、それはパラジウムを91.88g/立方フィート、白金を2.0g/立方フィート、アルミナを1.0g/立方インチ、酸化セリウム−酸化ジルコニウム複合体を0.5g/立方インチ、Laを0.075g/立方インチ、Ndを0.1g/立方インチ、ZrOを0.05g/立方インチおよびSrOを0.25g/立方インチ含有していた。
【0065】
2. 2番目の層
パート1で用いたのと同じ種類の酸化セリウム−酸化ジルコニウム複合体粉末を600グラムの量で用いて、これに、ロジウムが入っている水酸化白金アミン水溶液を含浸させた。この白金とロジウムを含有させた酸化セリウム−酸化ジルコニウム複合体、パートAで用いたのと同じ種類のアルミナ粉末(250グラムの量)、酢酸ジルコニウム溶液(37.5グラムのZrOが生じるに充分な量)を脱イオン水と一緒にボールミルにかけることで、固体を約30重量%含有するウォッシュコート層用スラリーを生じさせた。この2番目の層用スラリーに、この触媒のパート1に示した第一層の層を有する担体を浸漬した。圧縮空気を用いて過剰分を吹き飛ばし、乾燥させそして焼成を450℃で受けさせた後の担体は、追加的にウォッシュコートを1.78/g/立方インチ吸着しており、このウォッシュコートは白金を4.56g/立方フィート、ロジウムを6.56g/立方フィート、アルミナを0.5g/立方インチ、酸化セリウム−酸化ジルコニウム複合体を1.2g/立方インチおよびZrOを0.075g/立方インチ含有していた。この最終の触媒含有担体は125.6立方インチを占め、パラジウムを91.875g/立方フィート、ロジウムを6.56g/立方フィートおよび白金を6.56g/立方フィート含有しており、これを触媒部材Gと表示した。
【0066】
実施例6
触媒部材EおよびGを排気ガスの温度が800℃のエンジン排気中で75時間老化させた。老化後、本発明に従って排気処理装置を組み立て、ここでは、触媒部材Eを1番目の直動位置に位置させ、触媒部材Fを2番目の直動位置に位置させそして触媒部材Gをアンダーフロア触媒位置に位置させた。従って、本発明のこの態様の排気処理装置には、実質的に酸素貯蔵成分を含まない1番目の直動式触媒E(触媒部材E)、および酸素貯蔵成分を含む下流のアンダーフロア部材Gを含めた。この装置を2.4リットルのエンジンが搭載されている車に連結して、この車にFederal Testing Procedure(FTP)1975を受けさせた。テールパイプから出る排出物を測定した結果、以下の表IIIに示すように、California Ultra Low Emission Vehicle(「ULEV」)基準を下回ることを確認した。
【0067】

表III

NMHC CO NO
g/マイル g/マイル g/マイル
ULEV
最大値 0.04 1.75 0.2
試験E+G 0.027 0.745 0.044
非メタン炭化水素

【0068】
表IIIのデータは、この記述した排気ガス処理装置(本発明に従う)は新しいCalifornia Air Resource Board ULEV排出要求を満足させることを示している。
【0069】
実施例7
実施例6の触媒部材E、FおよびGそれぞれと同じ様式で触媒部材H、IおよびJを調製した。触媒部材Hのサイズをそれが21立方インチを占める大きさにし、触媒部材Iのサイズをそれが55立方インチを占める大きさにし、そして触媒部材Jのサイズをそれが92立方インチを占める大きさにした。試験に先立って、触媒部材HおよびIではそれらを排気ガス流入温度が820℃のエンジン排気中で75時間老化させた。触媒部材Jではそれを排気ガス流入温度が800℃のエンジン排気中で5時間老化させた。排気処理装置に触媒部材HおよびIを直動式触媒として含めかつ触媒部材Jをアンダーフロア触媒として含めて、それを4.7リットルのエンジンが搭載されている車に取り付けて、Federal Test Procedure(FTP)1975に従う試験を受けさせた。変換率の結果を以下の表IVに示す。
【0070】

表IV

NMHC% CO% NO
98.3 97.1 96.2
非メタン炭化水素

【0071】
表IVのデータは、触媒部材H、IおよびJを含めた装置は老化後でも厳格なCARB基準を満足させる典型的な車排出量である2.0g/マイルの炭化水素、10g/マイルの一酸化炭素および3g/マイルのNOに充分な変換活性を示すことを表している。
【0072】
本発明を本発明の特別な態様を言及することで詳細に記述してきたが、本分野の技術者は前記を読んで理解した時点でこの記述した態様の数多くの変形を思い浮かべるのは明らかであり、そのような変形を添付請求の範囲の範囲内に含めることを意図する。
【0073】
以下に本発明の主な特徴と態様を列挙する。
【0074】
1. エンジンの排気流れに含まれる汚染物を減少させるエンジン排気処理装置であって、該排気の流路を限定しており、そして
(a)耐火性金属酸化物である1番目の支持体上に分散している白金族金属成分を含んでいて炭化水素の酸化で有効な触媒作用を示す上流の触媒材料を含む上流の触媒部材、および
(b)耐火性金属酸化物支持体上に分散している1種以上の触媒金属成分を含みかつ更に酸素貯蔵成分を含んでいて少なくとも炭化水素の酸化で効果を示す下流の触媒材料を含む下流の触媒部材、
を含んでいて該上流の触媒が実質的に酸素貯蔵成分を含まない装置。
【0075】
2. 該上流の触媒部材が1番目の直動式触媒部材を構成しそして該上流の触媒材料に含まれる白金族金属成分がパラジウム成分を含む上記1.記載の装置。
【0076】
3. 該下流の触媒材料がロジウム成分を含む上記2.記載の装置。
【0077】
4. 該上流の触媒材料が実質的にロジウムを含まない上記3.記載の装置。
【0078】
5. 該下流の触媒部材がアンダーフロア触媒部材を構成する上記2.記載の装置。
【0079】
6. 該下流の触媒部材が2番目の直動式触媒部材を構成しそして該下流の触媒材料がパラジウム成分および酸素貯蔵成分を含む上記1.または2.記載の装置。
【0080】
7. 更にアンダーフロア触媒部材を含んでいて上記アンダーフロア触媒部材がスリーウエイ触媒材料を含む上記6.記載の装置。
【0081】
8. 該1番目の直動式触媒部材と2番目の直動式触媒部材が異なる断面寸法を有していて個別の容器内に位置している上記7.記載の装置。
【0082】
9. 該1番目の直動式触媒部材と2番目の直動式触媒部材が同様な断面寸法を有していて同じ容器内に位置している上記7.記載の装置。
【0083】
10. 該1番目の触媒部材と2番目の触媒部材の各々がパラジウムを含む触媒材料を含みそして該アンダーフロア触媒部材のスリーウエイ触媒材料がロジウムを含む上記7.記載の装置。
【0084】
11. 該上流の触媒材料が酸化ネオジムおよび酸化ランタンから成る群から選択される少なくとも1種の希土類金属酸化物を含む上記1.または上記2.記載の装置。
【0085】
12. エンジンの排気流れに含まれる汚染物を減少させるエンジン排気処理装置であって、該排気の流路を限定しており、そして
(a)耐火性金属酸化物である1番目の支持体上に分散しているパラジウム触媒成分を含んでいて炭化水素の酸化で有効な触媒作用を示す1番目の触媒材料を含む1番目の直動式触媒部材、
(b)少なくとも炭化水素の酸化で効果を示す2番目の触媒材料を含む2番目の直動式触媒部材、および
(c)汚染物のスリーウエイ減少で効果を示す3番目の触媒材料を含むアンダーフロア触媒部材、
を含んでいて、
該1番目の触媒材料が実質的にロジウムおよび酸素貯蔵成分を含まなくて下流に位置する上記2番目の直動式触媒部材および該アンダーフロア部材の少なくとも1つが酸素貯蔵成分を含む装置。
【0086】
13. 該1番目の触媒材料が酸化セリウムまたは酸化プラセオジム以外の希土類金属酸化物、アルカリ土類金属の酸化物および酸化ジルコニウムの少なくとも1つを含む上記12.記載の装置。
【0087】
14. 該1番目の直動式触媒部材が活性アルミナを約0.5から約3.5g/立方インチ、パラジウム成分をパラジウム金属として計算して少なくとも約50g/立方フィート、および少なくとも1種のアルカリ土類金属成分を酸化物として計算して約0.05から約0.5g/立方インチ含む上記12.記載の装置。
【0088】
15. 該1番目の直動式触媒部材が酸化ストロンチウムを約0.05g/立方インチから約0.4g/立方インチ含み、
該支持体材料に組み込まれている酸化ジルコニウムの量が約0.5g/立方インチ以下であり、そして
酸化ランタンおよび酸化ネオジムから成る群から選択される少なくとも1種の希土類金属酸化物の量が約0.5g/立方インチ以下である、
上記14.記載の装置。
【0089】
16. 該1番目の直動式触媒部材が白金族金属成分を少なくとも60g/立方フィート含みそして該白金族金属成分が主にパラジウム成分を含む上記15.記載の装置。
【0090】
17. 該1番目の直動式触媒部材が該白金族金属成分を約75から約300g/立方フィート含む上記15.記載の装置。
【0091】
18. 該1番目の直動式触媒部材が活性アルミナ支持体材料を約0.75から約2.0g/立方インチ含み、そして
約0.05から約0.4g/立方インチの酸化ストロンチウム、
約0.05から約0.2g/立方インチの酸化バリウム、
約0.025から約0.3g/立方インチの酸化ランタン、
約0.025から約0.3g/立方インチの酸化ネオジム、および
約0.05から約0.5g/立方インチの酸化ジルコニウム、
から成る群から選択される少なくとも1種の成分を含む上記16.記載の装置。
【0092】
19. 該1番目の直動式触媒部材がおおよそパラジウムを300g/立方フィート、アルミナを1.23g/立方インチ、酸化ランタンを0.19g/立方インチ、酸化ジルコニウムを0.1g/立方インチ、酸化ストロンチウムを0.1g/立方インチおよび酸化ネオジムを0.16g/立方インチ含み、そして
該2番目の直動式触媒部材がおおよそパラジウムを110g/立方フィート、アルミナを1.4g/立方インチ、酸化セリウムを0.8g/立方インチ、酸化セリウム−酸化ジルコニウム複合体を0.5g/立方インチ、酸化ジルコニウムを0.24g/立方インチ、酸化ランタンを0.2g/立方インチ、酸化ネオジムを0.1g/立方インチ、酸化ストロンチウムを0.1g/立方インチ、酸化ニッケルを0.07g/立方インチおよび酸化バリウムを0.06g/立方インチ含み、そして
該アンダーフロア触媒がおおよそパラジウムを91.9g/立方フィート、ロジウムを6.56g/立方フィート、白金を6.56g/立方フィート、アルミナを1.5g/立方インチ、酸化セリウム−酸化ジルコニウム複合体を1.7g/立方インチ、酸化ネオジムを0.1g/立方インチ、酸化ストロンチウムを0.25g/立方インチ、酸化ジルコニウムを0.125g/立方インチおよび酸化ランタンを0.075g/立方インチ含む、
上記14.、15.または16.記載の装置。
【0093】
20. 排気ガス出口を有するエンジンの排気を処理する方法であって、該エンジンの排気ガス出口から出る排気ガスを耐火性無機酸化物支持体上に分散している白金族金属成分を含んでいて実質的に酸素貯蔵成分を含まなくて少なくとも炭化水素の酸化で効果を示す上流の触媒材料を含む上流の触媒に流しそして次に該排気ガスをその1番目の直動式触媒部材の下流に位置しておりそして少なくとも1種の酸素貯蔵成分を含んでいて少なくとも炭化水素の酸化で効果を示す下流の触媒材料を含む少なくとも1つの下流の触媒部材に流すことを含む方法。
【0094】
21. 該上流の触媒が直動式触媒であり、該少なくとも1つの下流の触媒上で該排気中の一酸化炭素の少なくとも10%を変化させることを含む上記20.記載の方法。
【0095】
22. 該少なくとも1つの下流の触媒上で該排気中の一酸化炭素の少なくとも25%を変化させることを含む上記21.記載の方法。
【0096】
23. 該少なくとも1つの下流の触媒上で該排気中の一酸化炭素の少なくとも30%を変化させることを含む上記21.記載の方法。
【0097】
24. 該少なくとも1つの下流の触媒上で該排気中の一酸化炭素の少なくとも40%を変化させることを含む上記21.記載の方法。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンの排気流れに含まれる汚染物を減少させるエンジン排気処理装置であって、該排気の流路を限定しており、そして
(a)耐火性金属酸化物である1番目の支持体上に分散しているパラジウム触媒成分を含んでいて炭化水素の酸化で有効な触媒作用を示す1番目の触媒材料を含む1番目の直動式触媒部材、
(b)少なくとも炭化水素の酸化で効果を示す2番目の触媒材料を含む2番目の直動式触媒部材、および
(c)汚染物のスリーウエイ減少で効果を示す3番目の触媒材料を含むアンダーフロア触媒部材、
を含んでいて、
該1番目の触媒材料が実質的にロジウムおよび酸素貯蔵成分を含まなくて下流に位置する上記2番目の直動式触媒部材および該アンダーフロア部材の少なくとも1つが酸素貯蔵成分を含む装置。
【請求項2】
該1番目の触媒材料が酸化セリウムまたは酸化プラセオジム以外の希土類金属酸化物、アルカリ土類金属の酸化物および酸化ジルコニウムの少なくとも1つを含む請求の範囲第1項記載の装置。
【請求項3】
該1番目の直動式触媒部材が活性アルミナを0.5から3.5g/立方インチ、パラジウム成分をパラジウム金属として計算して少なくとも50g/立方フィート、および少なくとも1種のアルカリ土類金属成分を酸化物として計算して0.05から0.5g/立方インチ含む請求の範囲第1項記載の装置。
【請求項4】
該1番目の直動式触媒部材が酸化ストロンチウム0.05g/立方インチから0.4g/立方インチ含み、
該支持体材料に組み込まれている酸化ジルコニウムの量が0.5g/立方インチ以下であり、そして
酸化ランタンおよび酸化ネオジムから成る群から選択される少なくとも1種の希土類金属酸化物の量が0.5g/立方インチ以下である、
請求の範囲第3項記載の装置。
【請求項5】
該1番目の直動式触媒部材が白金族金属成分を少なくとも60g/立方フィート含みそして該白金族金属成分が主にパラジウム成分を含む請求の範囲第4項記載の装置。
【請求項6】
該1番目の直動式触媒部材が該白金族金属成分を75から300g/立方フィート含む請求の範囲第4項記載の装置。
【請求項7】
該1番目の直動式触媒部材が活性アルミナ支持体材料を0.75から2.0g/立方インチ含み、そして
0.05から0.4g/立方インチの酸化ストロンチウム、
0.05から0.2g/立方インチの酸化バリウム、
0.025から0.3g/立方インチの酸化ランタン、
0.025から0.3g/立方インチの酸化ネオジム、および
0.05から0.5g/立方インチの酸化ジルコニウム、
から成る群から選択される少なくとも1種の成分を含む請求の範囲第5項記載の装置。
【請求項8】
該1番目の直動式触媒部材がパラジウムを300g/立方フィート、アルミナを1.23g/立方インチ、酸化ランタンを0.19g/立方インチ、酸化ジルコニウムを0.1
g/立方インチ、酸化ストロンチウムを0.1g/立方インチおよび酸化ネオジムを0.16g/立方インチ含み、そして
該2番目の直動式触媒部材がパラジウムを110g/立方フィート、アルミナを1.4g/立方インチ、酸化セリウムを0.8g/立方インチ、酸化セリウム−酸化ジルコニウム複合体を0.5g/立方インチ、酸化ジルコニウムを0.24g/立方インチ、酸化ランタンを0.2g/立方インチ、酸化ネオジムを0.1g/立方インチ、酸化ストロンチウムを0.1g/立方インチ、酸化ニッケルを0.07g/立方インチおよび酸化バリウムを0.06g/立方インチ含み、そして
該アンダーフロア触媒がパラジウムを91.9g/立方フィート、ロジウムを6.56g/立方フィート、白金を6.56g/立方フィート、アルミナを1.5g/立方インチ、酸化セリウム−酸化ジルコニウム複合体を1.7g/立方インチ、酸化ネオジムを0.1g/立方インチ、酸化ストロンチウムを0.25g/立方インチ、酸化ジルコニウムを0.125g/立方インチおよび酸化ランタンを0.075g/立方インチ含む、
請求の範囲第3、4または5項記載の装置。
【請求項9】
エンジンの排気ガス出口から請求項1−8に記載の装置に排気ガスを流すことを含んでなる、排気ガス出口を有するエンジンの排気を処理する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−101360(P2009−101360A)
【公開日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−23555(P2009−23555)
【出願日】平成21年2月4日(2009.2.4)
【分割の表示】特願平9−523605の分割
【原出願日】平成8年8月22日(1996.8.22)
【出願人】(308009565)バスフ・カタリスツ・エルエルシー (10)
【Fターム(参考)】