説明

エンドキャップ

【課題】使用者がレール部材の端部に接触することを防止できるとともに、レール部材の中空部内の埃や塵を容易に取り除くことができるエンドキャップを提供する。
【解決手段】本発明に係るエンドキャップ10は、レール部材の端部に設置され使用される。レール部材は、上面に長さ方向に沿って開口する開口部を有し、中空であり、物の固定に利用されるものである。エンドキャップ10には、該エンドキャップ10の上面10aから一端側に向かって傾斜しており、最も低い部分11aの高さhがレール部材の底壁の高さとほぼ同じであり、レール部材の底壁上面に隣接して配置される斜面11と、該斜面11の両側に配置される側壁12とが設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、上面に長さ方向に沿って開口する開口部を有し、中空であり、物の固定に利用されるレール部材の端部に設置されるエンドキャップに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、上面に長さ方向に沿って開口する開口部を有し、中空であり、物の固定に利用されるレール部材が知られている。例えば、下記特許文献1に開示されたレール部材は、車椅子を固定するために利用されており、下記特許文献2に開示されたレール部材は、貨物を固定するために利用されている。
【0003】
この種のレール部材は、一般にフロアに固定されて用いられるが、端部が露出しているため、使用者が端部に接触した場合に怪我をすることがあった。この問題を解決するため、端部にエンドキャップを設けることが考えられる。しかしながら、エンドキャップで端部を被覆してしまうと、レール部材の開口部から中空部内に入り込んだ埃や塵を除去し難くなるという問題が生じる。
【特許文献1】特開2001−212179号公報
【特許文献2】特開2002−211307号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、使用者がレール部材の端部に接触することを防止できるとともに、レール部材の中空部内の埃や塵を容易に取り除くことができるエンドキャップを提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記課題を解決するため、以下のエンドキャップを提供する。
1.上面に長さ方向に沿って開口する開口部を有し、中空であり、物の固定に利用されるレール部材の端部に設置されるエンドキャップであって、
該エンドキャップの上面から一端側に向かって傾斜しており、最も低い部分の高さが前記レール部材の底壁の高さとほぼ同じであり、前記レール部材の底壁上面に隣接して配置される斜面と、該斜面の両側に配置される側壁とを具備することを特徴とするエンドキャップ。
2.前記斜面の幅が前記レール部材の底壁上面の幅とほぼ同じであることを特徴とする前記1に記載のエンドキャップ。
【発明の効果】
【0006】
本発明に係るエンドキャップによれば、レール部材の端部に設置されるため、使用者がレール部材の端部に接触することを防止できる。また、エンドキャップの上面から一端側に向かって傾斜しており、最も低い部分の高さがレール部材の底壁の高さとほぼ同じであり、レール部材の底壁上面に隣接して配置される斜面と、該斜面の両側に配置される側壁とを具備するため、中空部内の埃や塵を容易に取り除くことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明の実施の形態を図面に示した実施例に従って説明する。
【実施例】
【0008】
図1は本発明の一実施例に係るエンドキャップを示す平面図、図2は図1のA−A部断面図である。これらの図に示したように、本実施例に係るエンドキャップ10は、斜面11及び側壁12を有して構成される。
【0009】
斜面11は、エンドキャップ10の上面10aから一端側に向かって傾斜しており、斜面11の最も低い部分11aの高さh(図2参照)は、レール部材20の底壁23の高さh(図4参照)とほぼ同じになるように設定されている(図5参照)。また、斜面11の幅w(図3参照)は、レール部材20の底壁上面23aの幅w(図4参照)とほぼ同じになるように設定されている。
【0010】
側壁12は、斜面11の両側に配置されており、両側壁12,12の高さは、エンドキャップ10の上面10aと同じ高さに設定されている。
【0011】
上記のように構成されるエンドキャップ10は、図3に示したように、レール部材20の端部20aに設置される。ここで、レール部材20は、上面に長手方向に沿って開口する開口部21を有し、その内部は中空であり、開口部21と中空部22は互いに連通している(図4参照)。レール部材20は、フロア30に固定され、物を固定するために利用されるものであり、公知のものを使用できる(上記特許文献1及び2参照)。
【0012】
エンドキャップ10がレール部材20の端部20aに設置されることにより、使用者がレール部材20の端部20aに接触することを防止できる。エンドキャップ10の外形は、例えば、図1及び図2に示したように、エッジに丸みを付けるなど、使用者がエンドキャップ10に接触しても怪我を負わないように考慮される。
【0013】
レール部材20の中空部22内に溜まった埃や塵は、例えば、ブラシの毛先をレール部材20の開口部21から中空部22内に挿入した後、開口部21に沿ってレール部材20の端部20aの方向に移動させることにより、レール部材20の端部20aに移動する。このとき、エンドキャップ10には、エンドキャップ10の上面10aから一端側に向かって傾斜しており、最も低い部分11aの高さhがレール部材20の底壁23の高さhとほぼ同じであり、レール部材20の底壁上面23aに隣接して配置される斜面11が設けられているため、埃や塵がレール部材20の端部20aに留まることなく、レール部材20の端部20aの開口した部分から出て、エンドキャップ10の斜面11上を移動して、外部に掃き出されることになる。
【0014】
この際、エンドキャップ10の斜面11とレール部材20の底壁上面23aとの間に段差があると、その段差がある部分に埃や塵が溜まり易いが、本実施例によれば、図5に示したように、段差がないので、埃や塵が溜まり難いという利点がある。また、エンドキャップ10には、斜面11の両側に配置される側壁12が設けられているため、該側壁12が斜面11上を移動する埃や塵のガイドとして機能し、レール部材20の端部20aの開口した部分から出た埃や塵の飛散を防止することができる。さらに、エンドキャップ10の斜面11の幅wとレール部材20の底壁上面23aの幅wが異なる場合には、エンドキャップ10の斜面11とレール部材20の底壁上面23aとの境界部分に埃や塵が溜まり易いが、本実施例によれば、エンドキャップ10の斜面11の幅wがレール部材20の底壁上面23aの幅wとほぼ同じであるため、エンドキャップ10の斜面11とレール部材20の底壁上面23aとの境界部分に埃や塵が溜まり難いという利点がある。したがって、本実施例に係るエンドキャップ10によれば、レール部材20の中空部22内に入り込んだ埃や塵を容易に取り出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施例に係るエンドキャップを示す平面図である。
【図2】図1のA−A部断面図である。
【図3】エンドキャップの使用状態を示す平面図である。
【図4】図3のB−B部断面図である。
【図5】エンドキャップの使用状態を示す断面図である。
【符号の説明】
【0016】
10 エンドキャップ
11 斜面
12 側壁
20 レール部材
21 開口部
22 中空部
23 底壁
30 フロア

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面に長さ方向に沿って開口する開口部を有し、中空であり、物の固定に利用されるレール部材の端部に設置されるエンドキャップであって、
該エンドキャップの上面から一端側に向かって傾斜しており、最も低い部分の高さが前記レール部材の底壁の高さとほぼ同じであり、前記レール部材の底壁上面に隣接して配置される斜面と、該斜面の両側に配置される側壁とを具備することを特徴とするエンドキャップ。
【請求項2】
前記斜面の幅が前記レール部材の底壁上面の幅とほぼ同じであることを特徴とする請求項1に記載のエンドキャップ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−12590(P2009−12590A)
【公開日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−176014(P2007−176014)
【出願日】平成19年7月4日(2007.7.4)
【出願人】(594016768)アンクラジャパン株式会社 (17)
【Fターム(参考)】