説明

エンドペプチダーゼ阻害剤としてのシクロペンチル置換グルタルアミド化合物

本発明は、心臓血管障害を処置するためのNEP阻害剤に関する。好適なNEP阻害剤は、式(I)
【化1】


(式中、Rは、C−Cアルキル、C−CアルコキシC−CアルキルまたはC−CアルコキシC−CアルコキシC−Cアルキルであり;Rは、水素またはC−Cアルキルであり;Lは、−CH−X−CH−および−CH−CH−X−より選択される三5原子結合であり、当該結合の右側はRに結合しており、そしてXは、酸素、硫黄またはメチレンであり;Rは、フェニルまたは芳香族ヘテロシクリルであり、そのどちらも、C−Cアルキル、ハロ、ハロC−Cアルキル、C−Cアルコキシ、ハロC−Cアルコキシ、C−Cアルキルチオ、ハロC−Cアルキルチオおよびニトリルより選択される1個またはそれを超える基で独立して置換されていてよく;そしてRおよびRは、両方とも水素であるか、またはRおよびRの一方は水素であり、もう一方は、患者の体内において水素で置き換えられる生体不安定性エステル形成性基である)を有する化合物である。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、一連のシクロペンチル置換グルタルアミド誘導体およびそれらの組成物および使用に関する。それら誘導体は、中性エンドペプチダーゼ(NEP)の強力且つ選択的な阻害剤であり、多数の疾患および状態、特に心臓血管障害、特に、高血圧症を処置するのに用いることができる。
【0002】
WO91/08195号は、NEPに対して阻害活性を有する一連の3−スチリルβ−アラニン置換グルタルアミド誘導体を開示している。
第一の側面によると、本発明は、式(I)
【0003】
【化1】

【0004】
(式中、Rは、C−Cアルキル、C−CアルコキシC−CアルキルまたはC−CアルコキシC−CアルコキシC−Cアルキルであり;
は、水素またはC−Cアルキルであり;
Lは、−CH−X−CH−および−CH−CH−X−より選択される三原子結合であり、ここにおいて、その結合の右側はRに結合しており、そしてXは、酸素、硫黄またはメチレンであり;
は、フェニルまたは芳香族ヘテロシクリルであり、そのどちらも、C−Cアルキル、ハロ、ハロC−Cアルキル、C−Cアルコキシ、ハロC−Cアルコキシ、C−Cアルキルチオ、ハロC−Cアルキルチオおよびニトリルより選択される1個またはそれを超える基で独立して置換されていてよく;そして
およびRは、両方とも水素であるか、またはRおよびRの一方は水素であり、もう一方は、患者の体内において水素で置き換えられる生体不安定性エステル形成性基である)
の化合物、その薬学的に許容しうる塩または溶媒和化合物を提供する。
【0005】
特に断らない限り、いずれのアルキル基も、直鎖または分岐状であってよく、1〜6個、好ましくは、1〜4個の炭素原子を有する。
特に断らない限り、いずれのカルボシクリル基も、3〜8個の環原子を含有し、飽和であっても、不飽和であっても、または芳香族であってもよい。好適な飽和カルボシクリル基は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルまたはシクロヘキシルである。好適な不飽和カルボシクリル基は、3個までの二重結合を含有する。好適な芳香族カルボシクリル基は、フェニルである。炭素環式という用語も、同様に解釈されるべきである。更に、カルボシクリルという用語は、縮合したカルボシクリル基の組合せ、例えば、ナフチル、フェナントリル、インダニルおよびインデニルを包含する。
【0006】
特に断らない限り、いずれのヘテロシクリル基も、その4個までが窒素、酸素および硫黄などのヘテロ原子であってよい5〜7個の環原子を含有し、そして、飽和であっても、不飽和であっても、または芳香族であってもよい。ヘテロシクリル基の例は、フリル、チエニル、ピロリル、ピロリニル、ピロリジニル、イミダゾリル、ジオキソラニル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、ピラゾリル、ピラゾリニル(pyrazoiinyl)、ピラゾリジニル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、チアジアゾリル、ピラニル、ピリジル、ピペリジニル、ジオキサニル、モルホリノ、ジチアニル、チオモルホリノ、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピペラジニル、スルホラニル、テトラゾリル、トリアジニル、アゼピニル、オキサゼピニル、チアゼピニル、ジアゼピニルおよびチアゾリニルである。更に、ヘテロシクリルという用語は、縮合したヘテロシクリル基、例えば、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、イミダゾピリジニル、ベンゾオキサジニル、ベンゾチアジニル、オキサゾロピリジニル、ベンゾフラニル、キノリニル、キナゾリニル、キノキサリニル、ジヒドロキナゾリニル、ベンゾチアゾリル、フタルイミド、ベンゾフラニル、ベンゾジアゼピニル、インドリルおよびイソインドリルを包含する。複素環式という用語も、同様に解釈されるべきである。
【0007】
ハロは、フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨードを意味する。
特に断らない限り、ハロアルキル基、ハロアルコキシ基またはハロアルキルチオ基はいずれも、1個またはそれを超えるハロ原子を含有し、それらハロ原子は、同じであってよいしまたは異なっていてよい。
【0008】
好ましくは、Rは、C−CアルキルまたはC−CアルコキシC−Cアルキルである。より好ましくは、Rは、プロピルまたはメトキシエチルである。
好ましくは、Rは水素である。
【0009】
好ましくは、Lは、−CH−O−CH−、−CH−CH−O−およびCH−CH−CH−より選択される三原子結合であり、その結合の右側はRに結合している。より好ましくは、Lは、−CH−CH−O−またはCH−CH−CH−である。
【0010】
好ましくは、Rはフェニルであり、それは、C−Cアルキル、ハロ、ハロC−Cアルキル、C−Cアルコキシ、ハロC−Cアルコキシ、C−Cアルキルチオ、ハロC−Cアルキルチオおよびニトリルより選択される1個またはそれを超える基で独立して置換されていてよい。より好ましくは、Rは、C−Cアルキル、ハロ、ハロC−Cアルキル、C−CアルコキシおよびハロC−Cアルコキシより選択される1個またはそれを超える基で独立して置換されていてよいフェニルである。なお一層好ましくは、Rは、4−フルオロフェニル、4−クロロフェニル、4−メトキシフェニルまたは4−メチルフェニルである。
【0011】
生体不安定性(biolabile)エステル形成性基という用語は、当該技術分野において、体内で容易に開裂して、対応するRおよびRが両方とも水素である式(I)の二酸を遊離することができるエステルを与える基を意味するものとして充分に理解されている。多数のこのようなエステル基は、例えば、ペニシリンの分野において、またはエナラプリルおよびキナプリル(quinapril)のようなACE阻害剤高血圧患者の場合に周知である。このような生体不安定性エステル形成性基を含有する式(I)の化合物は、経口投与に適した化合物を提供する場合に、特に好都合である。いずれか具体的なエステル形成性基の適切性は、慣用的な動物研究または in vitro 酵素加水分解研究によって評価することができる。最適作用のためには、そのエステルは、吸収の後でだけ加水分解されるべきである。したがって、そのエステルは、吸収前の消化酵素による加水分解に耐性であるべきであるが、例えば、肝または血漿の酵素によって容易に加水分解されるべきである。このようにして、活性な二酸は、経口吸収後に血流中に放出される。
【0012】
好適な生体不安定性エステル形成性基は、C−Cアルキル、カルボシクリルまたはヘテロシクリルであり、これらは各々置換されていてもよい。
より好適な生体不安定性エステル形成性基は、
(i)C−Cアルキルであって、ヒドロキシ、オキソ、ハロ、ハロC−Cアルキル、C−Cアルコキシ、ハロC−Cアルコキシ、C−Cアルキルチオ、ハロC−Cアルキルチオ、ニトリル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、カルボシクリルオキシ、ヘテロシクリルオキシ、C−Cアルキルカルボニルオキシ、カルボシクリルカルボニルオキシ、ヘテロシクリルカルボニルオキシ、アルキルカルボニルアミノおよびアルキルアミノカルボニルで場合により置換されていてよいもの(いずれのカルボシクリル基またはヘテロシクリル基も、C−Cアルキル、ハロ、ハロC−Cアルキル、C−Cアルコキシ、ハロC−Cアルコキシ、C−Cアルキルチオ、ハロC−Cアルキルチオまたはニトリルで場合により置換されていてよい);または
(ii)カルボシクリルまたはヘテロシクリルであって、C−Cアルキル、ハロ、ハロC−Cアルキル、C−Cアルコキシ、ハロC−Cアルコキシ、C−Cアルキルチオ、ハロC−Cアルキルチオまたはニトリルで場合により置換されていてよいものである。(i)および(ii)の定義中、いずれかの炭素環式基が、好ましくはフェニルであり、いずれかの複素環式基が芳香族である。
【0013】
なお一層好適な生体不安定性エステル形成性基は、次のリスト:
エチル、プロピル、ブチル、イソブチル、シクロペンチル、ベンジル、1−(2,2−ジエチルブチリルオキシ)エチル、2−エチルプロピオニルオキシメチル、1−(2−エチルプロピオニルオキシ)エチル、1−(2,4−ジメチルベンゾイルオキシ)エチル、1−ベンゾイルオキシ)ベンジル、1−(ベンゾイルオキシ)エチル、2−メチル−1−プロピオニルオキシプロピル、2,4,6−トリメチルベンゾイルオキシメチル、1−(2,4,6−トリメチルベンジルオキシ)エチル、ピバロイルオキシメチル、フェネチル、フェンプロピル、2,2,2−トリフルオロエチル(trifluororethyl)、1−ナフチル、2−ナフチル、2,4−ジメチルフェニル、4−t−ブチルフェニル、5−(4−メチル−1,3−ジオキサリニル−2−オニル)メチル、N,N−ジエチルアミノカルボニルメチルおよび5−インダニル
より選択される。
【0014】
好ましくは、RおよびRは、両方とも水素である。
好適な化合物は、式(Ia)
【0015】
【化2】

【0016】
(式中、R、R、R、R、RおよびLは、第一の側面に定義の通りである)
を有する。
式(Ia)の好適な化合物は、
が、C−CアルキルまたはC−CアルコキシC−Cアルキルであり;
が水素であり;
Lが、−CH−O−CH−、−CH−CH−O−およびCH−CH−CH−より選択される三原子結合であり、その結合の右側はRに結合しており;
がフェニルであり、それはC−Cアルキル、ハロ、ハロC−Cアルキル、C−Cアルコキシ、ハロC−Cアルコキシ、C−Cアルキルチオ、ハロC−Cアルキルチオおよびニトリルより選択される1個またはそれを超える基で独立して置換されていてよく;そして
およびRが、両方とも水素であるか、またはRおよびRの一方が水素であり、もう一方が、患者の体内において水素で置き換えられる生体不安定性エステル形成性基であるものである。
【0017】
式(Ia)のより好適な化合物は、
が、C−CアルキルまたはC−CアルコキシC−Cアルキルであり;
が水素であり;
Lが、−CH−CH−O−およびCH−CH−CH−であり、その結合の右側はRに結合しており;
がフェニルであり、それは、C−Cアルキル、ハロ、ハロC−Cアルキル、C−CアルコキシおよびハロC−Cアルコキシより選択される1個またはそれを超える基で独立して置換されていてよく;そして
およびRが、両方とも水素であるか、またはRおよびRの一方が水素であり、もう一方が、患者の体内において水素で置き換えられる生体不安定性エステル形成性基であるものである。
【0018】
式(Ia)のなお一層好適な化合物は、
が、C−CアルキルまたはC−CアルコキシC−Cアルキルであり;
が水素であり;
Lが、−CH−CH−O−またはCH−CH−CH−であり、その結合の右側はRに結合しており;
がフェニルであり、それは、C−Cアルキル、ハロ、ハロC−Cアルキル、C−CアルコキシおよびハロC−Cアルコキシより選択される1個またはそれを超える基で独立して置換されていてよく;そして
およびRが、両方とも水素であるものである。
【0019】
式(Ia)のなお一層好適な化合物は、
が、プロピルまたはメトキシエチルであり;
が水素であり;
Lが、−CH−CH−O−またはCH−CH−CH−であり、その結合の右側はRに結合しており;
が、4−フルオロフェニル、4−クロロフェニル、4−メトキシフェニルまたは4−メチルフェニルであり;そして
およびRが、両方とも水素であるか、またはRおよびRの一方が水素であり、もう一方が、患者の体内において水素で置き換えられる生体不安定性エステル形成性基であるものである。
【0020】
式(Ia)のなお一層好適な化合物は、
が、プロピルまたはメトキシエチルであり;
が水素であり;
Lが、−CH−CH−O−またはCH−CH−CH−であり、その結合の右側はRに結合しており;
が、4−フルオロフェニル、4−クロロフェニル、4−メトキシフェニルまたは4−メチルフェニルであり;そして
およびRが、両方とも水素であるか、またはRおよびRの一方が水素であり、もう一方が:
(i)C−Cアルキルであって、ヒドロキシ、オキソ、ハロ、ハロC−Cアルキル、C−Cアルコキシ、ハロC−Cアルコキシ、C−Cアルキルチオ、ハロC−Cアルキルチオ、ニトリル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、カルボシクリルオキシ、ヘテロシクリルオキシ、アルキルカルボニルオキシ、カルボシクリルカルボニルオキシ、ヘテロシクリルカルボニルオキシ、アルキルカルボニルアミノおよびアルキルアミノカルボニルで場合により置換されていてよいもの(いずれのカルボシクリル基またはヘテロシクリル基も、C−Cアルキル、ハロ、ハロC−Cアルキル、C−Cアルコキシ、ハロC−Cアルコキシ、C−Cアルキルチオ、ハロC−Cアルキルチオまたはニトリルで場合により置換されていてよい);または
(ii)カルボシクリルまたはヘテロシクリルであって、C−Cアルキル、ハロ、ハロC−Cアルキル、C−Cアルコキシ、ハロC−Cアルコキシ、C−Cアルキルチオ、ハロC−Cアルキルチオまたはニトリルで場合により置換されていてよいもの
より選択される、患者の体内において水素で置き換えられる生体不安定性エステル形成性基であるものである。
【0021】
式(Ia)の最も好適な化合物は、
が、プロピルまたはメトキシエチルであり;
が水素であり;
Lが、−CH−CH−O−またはCH−CH−CH−であり、その結合の右側はRに結合しており;
が、4−フルオロフェニル、4−クロロフェニル、4−メトキシフェニルまたは4−メチルフェニルであり;そして
およびRが、両方とも水素であるものである。
【0022】
式(Ia)の特に好適な化合物は、
(2S)−2−[(1−{[((1R)−2−カルボキシ−1−{[(4−クロロベンジル)オキシ]メチル}エチル)アミノ]カルボニル}シクロペンチル)メチル]−4−メトキシブタン酸(実施例16);
(3S)−3−[({1−[(2R)−2−カルボキシペンチル]シクロペンチル}カルボニル)アミノ]−5−(4−クロロフェノキシ)ペンタン酸(実施例41);
エチル (3S)−3−[({1−[(2S)−2−カルボキシ−4−メトキシブチル]シクロペンチル}カルボニル)アミノ]−5−(4−クロロフェノキシ)ペンタノエート(実施例47);
(3S)−3−[({1−[(2S)−2−カルボキシ−4−メトキシブチル]シクロペンチル}カルボニル)アミノ]−5−(4−クロロフェノキシ)ペンタン酸(実施例48);
(2S)−2−({1−[({(1S)−3−ブトキシ−1−[2−(4−クロロフェノキシ)エチル]−3−オキソプロピル}アミノ)カルボニル]シクロペンチル}メチル)−4−メトキシブタン酸(実施例49);
(3S)−3−[({1−[(2S)−2−カルボキシ−4−メトキシブチル]シクロペンチル}カルボニル)アミノ]−6−(4−クロロフェニル)ヘキサン酸(実施例53);
エチル (3S)−3−[({1−[(2S)−2−カルボキシ−4−メトキシブチル]シクロペンチル}カルボニル)アミノ]−6−(4−クロロフェニル)ヘキサノエート(実施例52);および
(3S)−3−[({1−[(2S)−2−カルボキシ−4−メトキシブチル]シクロペンチル}カルボニル)アミノ]−6−(4−メトキシフェニル)ヘキサン酸(実施例54)
より選択される。
【0023】
疑いを回避するために、特に断らない限り、置換されたという用語は、一つまたはそれを超える決められた基で置換されていることを意味する。基が、多数の代わりの基より選択されてよい場合、それら選択される基は、同じであってよいしまたは異なっていてよい。
【0024】
疑いを回避するために、独立してという用語は、2個以上の置換基が、多数の可能な置換基より選択される場合、それら置換基は、同じであってよいしまたは異なっていてよいということを意味する。
【0025】
塩基性中心を含有する本発明の化合物の薬学的にまたは獣医学的に許容しうる塩は、例えば、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸およびリン酸などの無機酸、カルボン酸、または有機スルホン酸を用いて形成される無毒性酸付加塩である。例には、HCl塩、HBr塩、HI塩、硫酸塩または重硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩またはリン酸水素塩、酢酸塩、安息香酸塩、コハク酸塩、糖酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、乳酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、グルコン酸塩、カムシレート塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩およびパモ酸塩が含まれる。本発明の化合物は、塩基を用いて、薬学的にまたは獣医学的に許容しうる金属塩、具体的には、無毒性のアルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩を提供することもできる。例には、ナトリウム塩、カリウム塩、アルミニウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、亜鉛塩およびジエタノールアミン塩が含まれる。適する医薬塩に関する概説については、Berge et al, J.Pharm, Sci., 66, 1-19, 1977; P L Gould, International Journal of Pharmaceutics, 33 (1986), 201-217; および Bighley et al, Encyclopedia of Pharmaceutical Technology, Marcel Dekker Inc, New York 1996, Volume 13, page 453-497 を参照されたい。
【0026】
本発明の化合物の薬学的に許容しうる溶媒和化合物には、それらの水和物が含まれる。
本発明および本発明の種々の塩の範囲内に更に含まれるのは、それらの多形である。
以下、本発明のいずれかの側面に定義される(化学的方法における中間体化合物を除く)化合物、それらの薬学的に許容しうる塩、それらの溶媒和化合物または多形を、「本発明の化合物」と称する。
【0027】
本発明の化合物は、一つまたはそれを超えるキラル中心を有することがありうるので、多数の立体異性体で存在しうる。全ての立体異性体およびそれらの混合物は、本発明の範囲内に含まれる。ラセミ化合物は、分離用HPLCおよびキラル固定相を含むカラムを用いて分離するか、または当業者に知られている方法を利用して分割して、個々の鏡像異性体を生じることができる。更に、キラル中間体化合物を分割して用いて、本発明のキラル化合物を製造することができる。
【0028】
本発明の化合物は、一つまたはそれを超える互変異性体で存在しうる。全ての互変異性体およびそれらの混合物は、本発明の範囲内に含まれる。例えば、2−ヒドロキシピリジニルへのクレームは、その互変異性体α−ピリドニルも包含すると考えられる。
【0029】
本発明は、更に、本発明の化合物の適する同位体変種を全て包含する。本発明の化合物の同位体変種とは、少なくとも一つの原子が、同じ原子番号を有するが、天然に通常見出される原子質量とは異なった原子質量を有する原子で置き換えられているものとして定義される。本発明の化合物中に包含されうる同位体の例には、それぞれ、H、H、13C、14C、15N、17O、18O、31P、32P、35S、18Fおよび36Clのような、水素、炭素、窒素、酸素、リン、硫黄、フッ素および塩素の同位体が含まれる。本発明の若干の同位体変種、例えば、Hまたは14Cなどの放射性同位体が包含されているものは、薬物および/または基質の組織分布研究において有用である。トリチウム化された、すなわち、Hおよび炭素−14、すなわち、14Cの同位体は、それらの製造の容易さおよび検出能について、特に好適である。更に、重水素、すなわち、Hなどの同位体での置換は、一層大きい代謝的安定性によって生じる一定の治療的利点、例えば、増加した in vivo 半減期または減少した投薬要件を与えることがあり、したがって、ある状況において好適でありうる。本発明の化合物の同位体変種は、概して、典型的な方法または以下の実施例および製造例に記載の製造例のような慣用法によって、適する試薬の適切な同位体変種を用いて製造することができる。
【0030】
本発明の化合物は、NEP(特に、EC.3.4.24.11)を阻害することにより、生物活性ペプチドの生物学的作用を増強することができ、したがって、本発明の化合物について、多数の疾患および状態を処置または予防する理由が説明される。
【0031】
Shepperson et al は、NEP阻害剤カンドキサトリラト(candoxatrilat)が、高血圧症ラットの収縮期血圧を低下させるということを示した[Clin.Sci (Lond), Vol 80(3):265-9 を参照されたい]。Kosoglou et al は、NEP阻害剤SCH34826が、本態性高血圧症の24人の黒人患者の臨床研究において、仰臥位血圧を有意に低下させたことを示した[Circulation, Supplement III, Vol 82, No.4, page 554, 2201]。Stergiou et al は、ACE阻害剤リジノプリル(lisinopril)に加えられた場合のカンドキサトリル(candoxatril)(カンドキサトリラトの経口用プロドラッグ)が、37人の高血圧症患者に関する臨床研究において、仰臥位および立位双方の血圧の顕著な低下を引き起こしたことを示した[J.Hypertens, Vol 12, No. 11, page 1310-1311]。したがって、本発明の化合物は、心臓血管疾患および状態、特に、高血圧症、肺高血圧症、末梢血管疾患、心不全、アンギナ、腎機能不全、急性腎不全、周期性浮腫、メニエール病、高アルドステロン症(原発性および二次性)および高カルシウム尿症を処置または予防する。高血圧症という用語は、本態性高血圧症、肺高血圧症、二次性高血圧症、隔離収縮期高血圧症、糖尿病に関連した高血圧症、アテローム性動脈硬化症に関連した高血圧症および腎血管性高血圧症のような、正常値より上の(supranormal)血圧を特徴とする全ての疾患を包含し、そして更に、高血圧が既知の危険因子である状態へと広げられる。したがって、「高血圧症の処置」という用語は、高血圧症による合併症、並びに、うっ血性心不全、アンギナ、発作、緑内障、腎不全を含めた腎機能障害、肥満症および代謝性疾患(代謝症候群を含めた)を含めた他の関連共存症の処置または予防を包含する。代謝性疾患には、具体的には、糖尿病および耐糖能減損が含まれ、それには、糖尿病性網膜症および糖尿病性ニューロパシーなどのその合併症が含まれる。
【0032】
本発明の化合物は、高血圧症を処置または予防する場合に特に有効である。
Wayman et al[WO02/079143号]は、NEP阻害剤が、女性性的興奮障害(female sexual arousal disorder, FSAD)のウサギモデルにおいて、膣および陰核の血流を増加させるということを示した。したがって、本発明の化合物は、女性性機能不全、特に、FSADを処置または予防する。
【0033】
Wayman et al(WO02/03995号)は、NEP阻害剤が、麻酔されたイヌの陰茎勃起モデルにおいて、神経刺激された勃起を増強するということを示した。したがって、本発明の化合物は、男性勃起機能不全(MED)を処置または予防する。
【0034】
本発明の化合物は、NEPを阻害するそれらの能力の結果として、月経障害、早産、子癇前症、子宮内膜症および生殖障害(特に、男性および女性の不妊症、多嚢胞性卵巣症候群、着床不全)を処置または予防する。
【0035】
更に、本発明の化合物は、喘息、炎症、白血病、疼痛、癲癇、情動障害、痴呆および老人性錯乱、敗血症性ショック、肥満症および胃腸障害(特に、下痢および過敏性腸症候群)を処置または予防する;創傷治癒(特に、糖尿病性および静脈性潰瘍、および床ずれ)を促進する;胃酸分泌をモジュレートする;および高レニン血症、嚢胞性線維症、再狭窄、糖尿病性合併症およびアテローム性動脈硬化症を処置する。
【0036】
本明細書中で用いられる「処置する」、「処置すること」および「処置」という用語は、待期的処置、治癒的処置および予防的処置を包含する。
本発明の化合物は、既知の方法で様々に製造することができる。次の反応スキームおよび以下において、特に断らない限り、R〜R、LおよびXは、第一の側面に定義の通りである。これら方法は、本発明の更に別の側面を形成する。
【0037】
本明細書中、一般式は、ローマ数字I、II、III、IV等で示される。これら一般式のサブセットは、Ia、Ib、Ic等〜IVa、IVb、IVc等として定義される。
式(Ib)の化合物、すなわち、RおよびRが水素であり、Lが−CHOCH−である一般式(I)の化合物は、反応スキーム1にしたがって、Pが、C−Cアルキルまたはベンジル、好ましくは、エチルまたはt−ブチルのような適するカルボキシル保護基である一般式(II)の化合物を脱保護することによって製造することができる。
スキーム1
【0038】
【化3】

【0039】
脱保護は、標準的な方法を用いて、"Protecting Groups in Organic Synthesis" by T.W.Greene and P.Wutz" に記載のように行うことができる。Pがt−ブチルである場合、好適な条件は、ジクロロメタン中で9〜40(容量)%トリフルオロ酢酸、室温で1〜72時間である。Pがアリルである場合、好適な条件は、テトラヒドロフラン中で、ピロリジン(4当量)、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0)(触媒量)、室温で2〜3時間である。Pがエチルである場合、好適な条件は、ジオキサン、メタノールまたはテトラヒドロフラン中で、1N水酸化ナトリウム、室温〜還流温度の温度で2〜18時間である。
【0040】
式(II)の化合物は、式(III)の化合物と、RCHY(Yはハロゲン原子、好ましくは、臭素またはヨウ素である)とを反応させることによって製造することができる。
スキーム2
【0041】
【化4】

【0042】
好適な条件には、(III)とRCHYとを、適するアルカリ金属塩基(例えば、水素化ナトリウム、炭酸カリウムまたは炭酸セシウム)の存在下、適する溶媒(例えば、テトラヒドロフランまたはN,N−ジメチルホルムアミド)中で、場合により、触媒(例えば、イミダゾールまたは4−ジメチルアミノピリジン)の存在下で反応させることが含まれる。特に好適な条件は、テトラヒドロフラン中で、水素化ナトリウム(6〜10当量)、イミダゾール(0.2当量)およびRCHY(1.1当量)、−15℃〜室温で2〜3時間である。
【0043】
式(III)の化合物は、式(IV)の化合物から、反応スキーム3にしたがって製造することができる。
スキーム3
【0044】
【化5】

【0045】
好適な反応条件は、式(IV)の化合物を、酸性条件(例えば、塩酸)または塩基性条件(例えば、水酸化ナトリウムまたは水酸化セシウム)下、触媒の存在下、適する溶媒(例えば、メタノールまたはジオキサン)中で、室温〜反応混合物の還流温度の温度で反応させることを含む。好適な条件は、1N水酸化ナトリウム:メタノール(容量で25:75)、室温で18時間である。
【0046】
式(IV)の化合物は、式(V)の化合物と、式(VI)の化合物とを、反応スキーム4にしたがって反応させることによって製造することができる。
スキーム4
【0047】
【化6】

【0048】
典型的な反応条件は、式(V)の化合物の酸塩化物を生じた後、式(VI)の化合物の添加を、場合により、過剰の第三級アミン(トリエチルアミン、Hunig's 塩基またはN−メチルモルホリンなど)の存在下、適する溶媒(ジクロロメタンまたはテトラヒドフランなど)中で室温で1〜24時間行うことを含む。
【0049】
別の反応条件は、式(V)の化合物、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(WSCDI)/1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(HOBT)/HOATおよび式(VI)の化合物と、過剰の第三級アミン(N−メチルモルホリン、トリエチルアミンまたは Hunig's 塩基など)とを、適する溶媒(例えば、テトラヒドフラン、ジクロロメタンまたは酢酸エチル)中で室温で4〜48時間反応させることを含む。
【0050】
更に別の反応条件は、式(V)の化合物、PYBOP(登録商標)/PyBrOP(登録商標)/Mukaiyama's 試薬および過剰の式(VI)の化合物と、過剰の第三級アミン(N−メチルモルホリン、トリエチルアミンまたは Hunig's 塩基)とを、適する溶媒(テトラヒドフラン、ジクロロメタンまたは酢酸エチルなど)中で室温で4〜24時間反応させることを含む。
【0051】
好適な反応条件は、式(VI)の化合物(1当量)、式(V)の化合物(1〜1.1当量)、WSCDI(1〜1.1当量)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(HOBT)(1〜1.1当量)およびN−メチルモルホリン(2当量)を、ジクロロメタン中で室温で約18時間反応させることを含む。
【0052】
式(V)の化合物は、公表された方法によって、またはこれら方法の簡単な修飾によって製造することができる。例えば、A.S.Cook et al., 欧州特許出願EP1258474A2号(Pfizer Ltd. et al.);S.Challenger et al., 国際特許出願WO02/79143号(Pfizer Ltd. et al.);C.G.Barber et al., 国際特許出願WO02/02513号(Pfizer Ltd. et al.);C.J.Cobley et al., Tetrahedron Letts. 42(42), 7481-7483 (2001);S.Challenger, 欧州特許出願0644176A1号(Pfizer Ltd.)を参照されたい。
【0053】
式(Ic)の化合物、すなわち、Rが水素であり、Rが水素ではなく、そしてLが−CHOCH−である一般式(I)の化合物は、式(II)の化合物から、反応スキーム5にしたがって製造することができる。
スキーム5
【0054】
【化7】

【0055】
式(VII)の化合物は、式(II)(Pは、t−ブチルのような、酸性条件下で除去可能な保護基である)の化合物と、P(Pは、ベンジルまたはアリルのような、酸に安定な保護基であり、そしてYは脱離基、典型的には、ハロゲン、好ましくは、臭素またはヨウ素である)と、過剰のアルカリ金属塩基(例えば、炭酸カリウムまたは炭酸セシウム)または第三級アミン塩基(例えば、トリエチルアミン)とを、適する溶媒(例えば、N,N−ジメチルホルムアミドまたはアセトニトリル)中で室温で反応させることによって製造することができる。好適な反応条件は、式(II)の化合物と、P(2.3当量)および炭酸カリウム(1〜3当量)とを、N,N−ジメチルホルムアミド中で18〜72時間反応させることを含む。
【0056】
式(VIII)の化合物は、式(VII)の化合物から製造することができる。Pがt−ブチルである場合、好適な条件は、ジクロロメタン中で9〜40(容量)%トリフルオロ酢酸、室温で1〜72時間である。
【0057】
式(IX)の化合物は、式(VIII)の化合物から、式(VII)の化合物の製造について記載された類似の方法を用いて、PをRで置き換えて製造することができる。
式(Ic)の化合物は、式(IX)の化合物から製造することができる。Pがベンジルである場合、好適な条件には、水素化が含まれる。Pがアリルである場合、好適な条件には、ピロリジン、テトラキストリルフェニルホスフィンパラジウム(0)(触媒量)、テトラヒドロフラン中、室温で2〜3時間、が含まれる。
【0058】
式(Id)の化合物、すなわち、Rが水素であり、Rが水素ではなく、そしてLが−CHOCH−である一般式(I)の化合物は、反応スキーム6にしたがって製造することができる。ここで、Pは、適するカルボキシル保護基、好ましくは、t−ブチルである。
スキーム6
【0059】
【化8】

【0060】
が、適するカルボニル保護基、好ましくは、t−ブチルである式(X)の化合物は、式(II)の化合物から、式(IX)の化合物の製造に類似の方式で製造することができる(スキーム5を参照されたい)。
【0061】
式(Id)の化合物は、式(X)の化合物から、スキーム1に類似の方式で製造することができる。例えば、Pがt−ブチルである場合、好適な反応条件は、トリフルオロ酢酸または塩酸を含む。
【0062】
或いは、式VIIの化合物は、反応スキーム7にしたがって製造することができる。
スキーム7
【0063】
【化9】

【0064】
式(XII)の化合物は、式(XI)の化合物を、スキーム2について記載された方法に類似の方式においてRCHHalで処理することによって製造することができる。ここで、Pは、tert−ブチルオキシカルボニル(Boc)またはベンジルオキシカルボニル(CBz)、好ましくは、Bocのような、適する窒素保護基である。次に、式(XII)の化合物中のアミン保護基Pを、"Protecting Groups in Organic Synthesis" by T.W.Greene and P.Wutz" に記載のように、標準的な方法を用いて選択的に除去することができる。PがBocである場合の好適な条件は、酢酸エチル、エタノールもしくはジクロロメタン中の塩酸、またはジクロロメタン中のトリフルオロ酢酸、室温で15分間〜3時間である。PがCBzである場合の好適な条件は、酢酸中の臭化水素酸、室温で約5時間である。次に、式(VII)の化合物を、式(XIII)の化合物と式(V)の化合物との反応により、スキーム4について記載された方法に類似の方式で得ることができる。
【0065】
式(Id)の化合物、すなわち、RおよびRが水素であり、Lが−CHCHO−である一般式(I)の化合物は、反応スキーム8にしたがって製造することができる。
スキーム8
【0066】
【化10】

【0067】
式(XV)の化合物は、式(V)の化合物と、式(XIV)の化合物とを、スキーム4について記載されたのに類似の条件を用いて反応させることにより製造することができる。ここで、PおよびPは、適するカルボキシル保護基、典型的には、C−Cアルキルまたはベンジル、好ましくは、エチルまたはt−ブチルであり、そしてPは、適するヒドロキシル保護基、典型的には、シリルである。式(XVI)の化合物は、"Protecting Groups in Organic Synthesis" by T.W.Greene and P.Wutz" に記載のように、標準的な方法を用いたアルコール保護基の除去によって製造することができる。Pが、t−ブチルジメチルシリルのようなシリル基である場合、好適な条件は、酢酸:テトラヒドロフラン:水(50:25:25)、室温で2時間である。式(XVII)の化合物は、(XVI)とROHとを、Synthesis 1 (1981) または Org.React. 42;335 (1992) に記載された Mitsunobu 条件を用いて反応させることによって製造することができる。好適な反応条件には、テトラヒドロフラン中、ジイソプロピルアザジカルボキシレート(DIAD)(1.3当量)、トリフェニルホスフィン(1.3当量)、ROH(1.3当量)、室温で18時間といった条件が含まれる。式(Id)の化合物は、(XVII)から2工程で、前のスキーム1に記載の脱保護法によって製造することができる。
【0068】
XがSである式(Id)の化合物は、(XVII)の製造について記載された Mitsunobu 条件下における(XVI)とRSHとの反応後、スキーム1の工程に記載のように、カルボキシル保護基の除去を行うことによって製造することができる。
【0069】
式(XIV)の化合物は、反応スキーム9にしたがい、Pが適するカルボキシル保護基、典型的には、C−Cアルキルまたはベンジル、好ましくは、エチルまたはt−ブチルであり、Pが適するヒドロキシル保護基、典型的には、シリルである式(XIX)の化合物と、適するキラルアミンとを、Davies et al. (Tet.Asymm. 1991; 2; 183) によって記載の方法にしたがって反応させることによって製造することができる。
スキーム9
【0070】
【化11】

【0071】
好適な条件には、テトラヒドロフラン中、n−ブチルリチウム(1.5当量)およびキラル助剤NH(ベンジル)(α−メチルベンジル)(1.6当量)、−78℃で約3時間という条件が含まれる。N−ベンジル保護基は、(XX)を、適するパラジウム触媒(木炭上のパラジウムまたは水酸化パラジウムなど)の存在下、適する溶媒(酢酸またはエタノールなど)中で反応させることによって除去することができる。好適な条件は、酢酸中、10%木炭上パラジウム、室温で72時間までである。
【0072】
式(Ie)の化合物、すなわち、Rが水素であり、Rが水素ではなく、そしてLが−CHCHO−である一般式(I)の化合物は、式(XVII)の化合物から、反応スキーム10にしたがって製造することができる。ここで、Pは、適するカルボキシル保護基、典型的には、C−Cアルキルまたはベンジル、好ましくは、t−ブチルである。
スキーム10
【0073】
【化12】

【0074】
式(XXI)の化合物は、式(XVII)の化合物からの保護基Pの除去により、スキーム5および6について記載されたものに類似の方法を用いて製造することができる。式(XXII)の化合物は、順次、式(XXI)の化合物と、RHalとの反応により、式(VII)の化合物の製造について記載された類似の方法を用いて製造することができる。式(Ie)の化合物は、式(XXII)の化合物から、スキーム6について記載のような脱保護方法によって製造することができる。
【0075】
式(If)の化合物、すなわち、Lが−CHCHCH−であり、そしてRおよびRが両方とも水素である一般式(I)の化合物は、反応スキーム11にしたがって製造することができる。ここで、PおよびPは、適するカルボキシル保護基、典型的には、C−Cアルキルまたはベンジル、好ましくは、t−ブチルである。Pは、適するアミノ保護基、好ましくは、ベンジルオキシカルボニルである。
スキーム11
【0076】
【化13】

【0077】
式(XXIV)の化合物は、式(XXIII)の化合物から、Evans et al(J.Org.Chem. 1999; 64; 6411)または Talley(EP0561758号)によって記載の条件下で製造することができる。式(XXIII)の化合物は、Beeley et.al. によってWO9504033号に記載された方法に類似の方式で製造することができる。式(XXIV)の化合物の製造に好適な条件は、トルエン中、ジフェニルホスホリルアジド(1当量)、トリエチルアミン(1.2当量)、還流下において2〜3.5時間の後、ベンジルアルコール(3当量)の添加を室温〜還流温度の温度で約18時間行うことである。式(XXV)の化合物は、式(XXIV)の化合物から、式(XIII)の化合物の製造について記載されたものに類似の方法を用いた保護基Pの除去によって得ることができる(スキーム7を参照されたい)。式(XXVI)の化合物は、式(XXV)の化合物と、式(V)の化合物とを、スキーム4について記載されたものに類似の方法を用いてカップリングさせることによって製造することができる。スキーム1について記載されたものに類似の方法を用いた式(XXVI)の化合物からの保護基の除去は、式(If)の化合物を生じた。
【0078】
式(Ig)の化合物、すなわち、Lが−CHCHCH−であり、そしてRが水素であり、Rが水素ではない一般式(I)の化合物は、反応スキーム12にしたがって製造することができる。ここで、PおよびPは、適するカルボキシル保護基、典型的には、C−Cアルキルまたはベンジル、好ましくは、t−ブチルであり、Pは、適するアミノ保護基、好ましくは、CBzである。
スキーム12
【0079】
【化14】

【0080】
式(XXVII)の化合物は、式(XXIV)の化合物を脱保護することによって製造することかできる。Pがt−ブチルであり、Pがベンジルオキシカルボニルである場合、好適な条件は、酢酸中、臭化水素酸、室温で約5時間である。式(XXVIII)の化合物は、式(XXVII)の化合物と、ROHとを酸触媒下で反応させることによって得ることができる。式(XXIX)の化合物は、式(XXVIII)の化合物と、式(V)の化合物とを、スキーム4について記載されたものに類似の方法を用いてカップリングさせることによって製造することができる。スキーム6について記載されたものに類似の方法を用いた式(XXIX)の化合物からの保護基の除去は、式(Ig)の化合物を生じた。
【0081】
またはRが水素ではない式(I)の一定の化合物を、スキーム1について記載されたものに類似の標準的なエステル加水分解条件を用いて、RまたはRが水素である式(I)の化合物に変換することができるということは、当業者に理解されるであろう。
【0082】
更に、RまたはRが水素である式(I)の一定の化合物を、スキーム5に式(VII)の化合物の製造について記載されたものに類似の標準的なエステル化条件を用いて、RまたはRが水素ではない式(I)の化合物に変換することができるということは、当業者に理解されるであろう。
【0083】
或いは、RまたはRが水素ではない式(I)の一定の化合物を、標準的なエステル交換反応条件を用いて、別のR基またはR基を含む式(I)の化合物に変換することができるということは、当業者に理解されるであろう。
【0084】
式(I)の化合物の薬学的に許容しうる塩は、式(I)の化合物の溶液と、適宜、所望の酸または塩基の溶液を互いに混合することによって容易に製造することができる。その塩は、溶液から沈殿させ、濾過によって集めることができ、または溶媒の蒸発によって回収することもできる。
【0085】
所望の生成物を単離する手順は、文献手順およびこれに関する実施例および製造例を参照すれば、当業者に周知であろう。
本発明の化合物は、単独で投与することができるが、概して、予定の投与経路および標準的な医薬慣例に関して選択される適する医薬賦形剤、希釈剤または担体との混合物で投与されるであろう。
【0086】
例えば、本発明の化合物は、即時放出、遅延放出、修飾放出、徐放、パルス放出または制御放出用途のための、着香剤または着色剤を含有しうる錠剤、カプセル剤、多微粒子剤、ゲル剤、フィルム剤、小卵剤、エリキシル剤、溶液剤または懸濁剤の形態で、経口、口腔内または舌下に投与することができる。本発明の化合物は、急速分散性または急速溶解性剤形として、または高エネルギー分散の形態でまたはコーティングされた粒子形態として投与することもできる。本発明の化合物の適する製剤は、所望によりコーティングされた形態であっても、または未コーティングの形態であってもよい。
【0087】
このような固形医薬組成物、例えば、錠剤は、微結晶性セルロース、ラクトース、クエン酸ナトリウム、炭酸カルシウム、第二リン酸カルシウム、グリシンおよびデンプン(好ましくは、トウモロコシ、バレイショまたはタピオカデンプン)のような賦形剤;ナトリウムデンプングリコラート、クロスカルメロースナトリウムおよび一定の複合シリケートのような崩壊剤;およびポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、スクロース、ゼラチンおよびアラビアゴムのような造粒結合剤を含有してよい。更に、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、ベヘン酸グリセリルおよびタルクのような滑沢剤が含まれてよい。
【0088】
一般的な例
錠剤の製剤は、典型的には、約0.01mg〜500mgの活性化合物を含有しうるが、錠剤充填重量は、50mg〜1000mgであってよい。10mg錠剤の製剤例を、下に示す。
【0089】
【表1】

【0090】
それら錠剤は、標準法によって、例えば、直接圧縮法または湿式または乾式造粒法によって製造される。錠剤コアーは、適切なオーバーコートでコーティングされていてよい。
類似のタイプの固形組成物も、ゼラチンまたはHPMCカプセル剤中の充填剤として用いることもできる。これに関して好適な賦形剤には、ラクトース、デンプン、セルロース、乳糖または高分子量ポリエチレングリコールが含まれる。水性懸濁剤および/またはエリキシル剤について、本発明の化合物は、種々の甘味剤または着香剤、着色剤または染料と、乳化剤および/または懸濁化剤と、および水、エタノール、プロピレングリコールおよびグリセリン、並びにそれらの組合せなどの希釈剤と混合することができる。
【0091】
修飾放出およびパルス放出の剤形は、即時放出剤形について詳述されたものなどの賦形剤を、放出速度修飾剤として作用する追加の賦形剤と一緒に含有してよいが、これらは、そのデバイス上にコーティングされてよいしおよび/またはデバイス体内に含まれてよい。放出速度修飾剤には、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、エチルセルロース、酢酸セルロース、ポリエチレンオキシド、キサンタン(Xanthan)ガム、カルボマー(Carbomer)、アンモニオメタクリレートコポリマー、水素化ヒマシ油、カルナウバロウ、パラフィンロウ、セルロースアセテートフタレート、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メタクリル酸コポリマーおよびそれらの混合物が含まれるが、これだけに制限されるわけではない。修飾放出およびパルス放出の剤形は、一つまたは組合せの放出速度修飾用賦形剤を含有してよい。放出速度修飾用賦形剤は、その剤形中、すなわち、マトリックス中に、および/または剤形上、すなわち、表面またはコーティング上にも存在してよい。
【0092】
急速分散性または溶解性投与製剤(FDDF)は、次の成分、すなわち、アスパルテーム、アセスルファームカリウム、クエン酸、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、ジアスコルビン酸、アクリル酸エチル、エチルセルロース、ゼラチン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ステアリン酸マグネシウム、マンニトール、メタクリル酸メチル、ミント香味料、ポリエチレングリコール、ヒュームドシリカ、二酸化ケイ素、ナトリウムデンプングリコラート、ステアリルフマル酸ナトリウム、ソルビトール、キシリトールを含有してよい。本明細書においてFDDFを記載するのに用いられる分散性または溶解性という用語は、用いられる薬物物質の溶解度に依存する、すなわち、薬物物質が不溶性である場合、急速分散性剤形を製造することができ、そして薬物物質が可溶性である場合、急速溶解性剤形を製造することができる。
【0093】
本発明の化合物は、非経口で、例えば、海綿体内、静脈内、動脈内、腹腔内、鞘内、心室内、尿道内、胸骨内、頭蓋内、筋肉内または皮下に投与することもできるし、またはそれらは、注入または無針注射技術によって投与してよい。このような非経口投与のために、それらは、他の物質、例えば、血液と等張の溶液にするのに充分な塩類またはグルコースを含有してよい滅菌水溶液の形態で最も良く用いられる。それら水溶液は、必要ならば、適当に(好ましくは、3〜9のpHに)緩衝化されるべきである。滅菌条件下における適する非経口製剤の製造は、当業者に周知の標準的な製剤技術によって容易に達せられる。
【0094】
次の用量レベルおよび本明細書中の他の用量レベルは、約65〜70kgの体重範囲を有する平均的なヒト対象用である。当業者は、小児および年配者のような、体重がこの範囲外にある対象に必要な用量レベルを容易に決定することができるであろう。
【0095】
ヒト患者への経口および非経口投与について、本発明の化合物の1日用量レベルは、通常は、(単回または分割用量で)0.01mg/kg〜10mg/kgであろう。
したがって、本発明の化合物の錠剤またはカプセル剤は、1度に1回または2回またそれを超える投与用に、適宜1mg〜500mgの活性化合物を含有してよい。いずれにせよ、医師は、いずれか個々の患者に最も適するであろう実際用量を決定するであろうし、そしてそれは、特定の患者の年齢、体重および応答により異なるであろう。上の用量は、平均的な場合を代表するものである。当然ながら、より高いまたはより低い用量範囲が価値のある個々の状況がありうるが、それらは、本発明の範囲内である。
【0096】
本発明の化合物は、鼻腔内にまたは吸入によって投与することもでき、好都合には、加圧容器、ポンプ、スプレー、アトマイザーまたはネブライザーからの乾燥粉末吸入器またはエアゾルスプレー提示の形で、適する噴射剤、例えば、ジクロロジフルオロメタン;トリクロロフルオロメタン;ジクロロテトラフルオロエタン;1,1,1,2−テトラフルオロエタン(HFA134A[商標])または1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン(HFA227EA[商標])などのヒドロフルオロアルカン;二酸化炭素;または他の適するガスの使用を伴ってまたは伴うことなく送達される。加圧エアゾルの場合、その用量単位は、一定計量を送達するバルブを与えることによって決定することができる。加圧容器、ポンプ、スプレー、アトマイザーまたはネブライザーは、例えば、エタノールおよび噴射剤の混合物を溶媒として用いる活性化合物の溶液または懸濁液を含有することができる。それは、更に、滑沢剤、例えば、ソルビタントリオレアートを含有してよい。吸入器または吹入器で用いるためのカプセル剤およびカートリッジ(例えば、ゼラチンから製造される)は、本発明の化合物と、ラクトースまたはデンプンなどの適する粉末基剤との粉末配合物を含有するように製剤化することができる。
【0097】
エアゾルまたは乾燥粉末製剤は、好ましくは、各々の計量された用量または「一吹き」が、患者に送達するための1〜50mgの本発明の化合物を含有するように配置される。エアゾルでの全1日用量は、1〜50mgの範囲内であろうが、それは、単回用量で、またはより通常には、当日中の分割用量で投与されてよい。
【0098】
或いは、本発明の化合物は、坐剤または膣坐剤の形で投与することができるし、またはそれらは、ゲル剤、ヒドロゲル剤、ローション剤、溶液剤、クリーム剤、軟膏剤または散布剤の形で局所に適用されてよい。本発明の化合物は、例えば、皮膚パッチの使用によって、皮膚にまたは経皮で投与することもできる。それらは、肺、膣または直腸の経路によって投与することもできる。
【0099】
それらは、眼経路によって、特に、眼の障害を処置するために投与することもできる。眼科使用について、それら化合物は、等張のpH調整された滅菌生理食塩水中の超微粉懸濁液として、または好ましくは、等張のpH調整された滅菌生理食塩水中の溶液として、場合により、塩化ベンジルアルコニウムなどの保存剤と組み合わせて製剤化することができる。或いは、それらは、ワセリンなどの軟膏剤中で製剤化されてよい。
【0100】
皮膚への局所適用のために、本発明の化合物は、例えば、一つまたはそれを超える次のもの、すなわち、鉱油、流動パラフィン、白色ワセリン、プロピレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン化合物、乳化性ロウおよび水との混合物中に懸濁されたまたは溶解した活性化合物を含有する適する軟膏剤として製剤化することができる。或いは、それらは、例えば、一つまたはそれを超える次のもの、すなわち、鉱油、ソルビタンモノステアラート、ポリエチレングリコール、流動パラフィン、ポリソルベート60、セチルエステルロウ、セテアリールアルコール、2−オクチルドデカノール、ベンジルアルコールおよび水の混合物中に懸濁したまたは溶解した適するローション剤またはクリーム剤として製剤化することができる。
【0101】
本発明の化合物は、シクロデキストリンと組み合わせて用いることもできる。シクロデキストリンは、薬物分子と一緒に包接および非包接複合体を形成することが知られている。薬物−シクロデキストリン複合体の形成は、薬物分子の溶解度、溶解速度、バイオアベイラビリティーおよび/または安定性を修飾することがありうる。薬物−シクロデキストリン複合体は、概して、大部分の剤形および投与経路に有用である。薬物との直接的複合体形成に代わるものとして、シクロデキストリンは、補助添加剤として、例えば、担体、希釈剤または可溶化剤として用いることができる。α−、β−およびγ−シクロデキストリンが、最も一般的に用いられており、適する実施例は、WO−A−91/11172号、WO−A−94/02518号およびWO−A−98/55148号に記載されている。
【0102】
心臓血管障害、特に高血圧症を処置するために、本発明の化合物は、次のリスト:
(a)ロサルタン(losartan)、ヴァルサルタン(valsartan)、テルミサルタン(telmisartan)、カンデサルタン(candesartan)、イルベサルタン(irbesartan)、エプロサルタン(eprosartan)およびオルメサルタン(olmesartan)のようなアンギオテンシン受容体遮断薬(ARB);
(b)アムロジピンのようなカルシウムチャンネル遮断薬(CCB);
(c)アトルバスタチンのようなスタチン;
(d)シルデナフィル、タダラフィル(tadalafil)、ヴァルデナフィル(vardenafil)、5−[2−エトキシ−5−(4−エチルピペラジン−1−イルスルホニル)ピリジン−3−イル]−3−エチル−2−[2−メトキシエチル]−2,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン;5−(5−アセチル−2−ブトキシ−3−ピリジニル)−3−エチル−2−(1−エチル−3−アゼチジニル)−2,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン;およびWO00/27848号に開示されたピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−4−オン類、特に、N−[[3−(4,7−ジヒドロ−1−メチル−7−オキソ−3−プロピル−1H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−5−イル)−4−プロポキシフェニル(propxyphenyl)]スルホニル]−1−メチル2−ピロリジンプロパンアミド[DA−8159(WO00/27848号の実施例68)]のようなPDE5阻害剤;
(e)アテノロールまたはカルベディロールのようなβ遮断薬、;
(f)キナプリル(quinapril)、エナラプリルおよびリジノプリルのようなACE阻害剤;
(g)ドキサゾシンのようなα遮断薬;
(h)エプレレノン(eplerenone)またはスピロノラクトンのような選択的アルドステロン受容体アンタゴニスト(SARA);
(i)リルメニジン(rilmenidine)またはモノキシジン(monoxidine)のようなイミダゾリンIアゴニスト;および
(j)エンドセリン受容体アンタゴニストおよびエンドセリン変換酵素阻害剤
より選択される一つまたはそれを超える活性成分と組み合わせることができる。
【0103】
FSADを処置するために、本発明の化合物は、次のリスト:
(a)シルデナフィル、タダラフィル、ヴァルデナフィル、5−[2−エトキシ−5−(4−エチルピペラジン−1−イルスルホニル)ピリジン−3−イル]−3−エチル−2−[2−メトキシエチル]−2,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン;5−(5−アセチル−2−ブトキシ−3−ピリジニル)−3−エチル−2−(1−エチル−3−アゼチジニル)−2,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン;およびWO00/27848号に開示されたピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−4−オン類、特に、N−[[3−(4,7−ジヒドロ−1−メチル−7−オキソ−3−プロピル−1H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−5−イル)−4−プロポキシフェニル(propxyphenyl)]スルホニル]−1−メチル2−ピロリジンプロパンアミド[DA−8159(WO00/27848号の実施例68)]のようなPDE5阻害剤;
(b)ドーパミン作動性薬、好ましくは、アポモルフィン、またはプラミペキソール(pramipexole)およびロピリノール(ropirinol)(WO−00/23056号の請求の範囲に記載)、PNU95666(WO−00/40226号の請求の範囲に記載)のような選択的D、DまたはD/Dアゴニスト;
(c)メラノタン(melanotan)II;PT−14;PT−141;WO−99/64002号、WO−00/74679号、WO−99/55679号、WO−01/05401号、WO−00/58361号、WO−01/14879号、WO−01/13112号およびWO−99/54358号の請求の範囲に記載された化合物; Martin et al[European Journal of Pharmacology, 454 71-79 (2002)]によって開示されたもの、特に、(N−[(3R)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリニウム−3−イルカルボニル]−(1R)−1−(4−クロロベンジル)−2−[4−シクロヘキシル−4−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イルメチル)ピペリジン−1−イル]−2−オキソエチルアミン(THIQ)のような選択的MC4受容体アゴニスト;および選択的MC3受容体アゴニストのような、メラノコルチン(melanocortin)受容体アゴニスト;
(d)ラソフォキシフェン(lasofoxifene)およびラロキシフェンのような選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM);
(e)チボロン(tibolone);
(f)アンドロステロン、デヒドロアンドロステロン、テストステロン、アンドロスタンジオンおよび合成アンドロゲンのようなアンドロゲン;および
(g)エストラジオール、エストロン、エストリオール、および安息香酸エストロゲンのような合成エストロゲンのようなエストロゲン
より選択される一つまたはそれを超える活性成分と組み合わせることができる。
【0104】
MEDを処置するために、本発明の化合物は、次のリスト:
(a)シルデナフィル、タダラフィル、ヴァルデナフィル、5−[2−エトキシ−5−(4−エチルピペラジン−1−イルスルホニル)ピリジン−3−イル]−3−エチル−2−[2−メトキシエチル]−2,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン;5−(5−アセチル−2−ブトキシ−3−ピリジニル)−3−エチル−2−(1−エチル−3−アゼチジニル)−2,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン;およびWO00/27848号に開示されたピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−4−オン類、特に、N−[[3−(4,7−ジヒドロ−1−メチル−7−オキソ−3−プロピル−1H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−5−イル)−4−プロポキシフェニル(propxyphenyl)]スルホニル]−1−メチル2−ピロリジンプロパンアミド[DA−8159(WO00/27848号の実施例68)]のような、PDE5阻害剤;
(b)ドーパミン作動性薬、好ましくは、アポモルフィン、またはプラミペキソールおよびロピリノール(WO−00/23056号の請求の範囲に記載)、PNU95666(WO−00/40226号の請求の範囲に記載)のような選択的D、DまたはD/Dアゴニスト;および
(c)メラノタンII;PT−14;PT−141;WO−99/64002号、WO−00/74679号、WO−99/55679号、WO−01/05401号、WO−00/58361号、WO−01/14879号、WO−01/13112号およびWO−99/54358号の請求の範囲に記載された化合物; Martin et al[European Journal of Pharmacology, 454 71-79 (2002)]によって開示されたもの、特に、(N−[(3R)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリニウム−3−イルカルボニル]−(1R)−1−(4−クロロベンジル)−2−[4−シクロヘキシル−4−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イルメチル)ピペリジン−1−イル]−2−オキソエチルアミン(THIQ)のような選択的MC4受容体アゴニスト;および選択的MC3受容体アゴニストのような、メラノコルチン受容体アゴニスト
より選択される一つまたはそれを超える活性成分と組み合わせることができる。
【0105】
活性剤の組合せを投与する場合、それらは、同時に、別々にまたは逐次的に投与することができる。
本発明は、更に、次の側面を包含する。第一の側面について本明細書中の上に明記された好適な態様は、これら側面へと広げられる。
【0106】
本発明は、更に、次を包含するが、これに制限されるわけではない。
(i)本発明の化合物を、薬学的に許容しうる賦形剤、希釈剤または担体と一緒に含む医薬組成物。
(ii)薬剤として用いるための本発明の化合物。
(iii)中性エンドペプチダーゼの阻害によって有益な治療的応答を得ることができる状態を処置または予防するための薬剤としての本発明の化合物の使用。
【0107】
(iv)心臓血管疾患および状態、好ましくは、本態性高血圧症、肺高血圧症、二次性高血圧症、隔離収縮期高血圧症、糖尿病に関連した高血圧症、アテローム性動脈硬化症に関連した高血圧症、腎血管性高血圧症、うっ血性心不全、アンギナ、発作、緑内障、腎機能障害、腎不全、肥満症、代謝性疾患(代謝症候群を含めた)、糖尿病性網膜症および糖尿病性ニューロパシーなどのその合併症を含めた糖尿病および耐糖能減損を処置または予防するための薬剤としての本発明の化合物の使用。
【0108】
(v)哺乳動物の心臓血管疾患および状態(好ましくは、本態性高血圧症、肺高血圧症、二次性高血圧症、隔離収縮期高血圧症、糖尿病に関連した高血圧症、アテローム性動脈硬化症に関連した高血圧症、腎血管性高血圧症、うっ血性心不全、アンギナ、発作、緑内障、腎機能障害、腎不全、肥満症、代謝性疾患(代謝症候群を含めた)、糖尿病性網膜症および糖尿病性ニューロパシーなどのその合併症を含めた糖尿病および耐糖能減損)を処置または予防する方法であって、その哺乳動物を、有効量の本発明の化合物で処置することを含む方法。
【0109】
(vi)本発明の化合物を、薬学的に許容しうる賦形剤、希釈剤または担体と一緒に含む心臓血管疾患処置用医薬組成物。
(vii)心臓血管疾患および状態を処置または予防する場合に用いるための本発明の化合物。
(viii)心臓血管疾患および状態を処置または予防するための薬剤の製造における本発明の化合物の使用。
【0110】
本発明を、次の非限定的実施例によって詳しく説明するが、ここにおいて、次の略語および定義を用いる。
【0111】
ES エレクトロスプレーイオン化正走査
ES エレクトロスプレーイオン化負走査
HPLC 高速液体クロマトグラフィー
m/z 質量スペクトルピーク
MS 質量スペクトル
TS サーモスプレーイオン化正走査
【0112】
H核磁気共鳴(NMR)スペクトルは、全ての場合において、考えられる構造と一致した。特徴的な化学シフト(δ)は、主要ピークの表示に慣用的な略語、例えば、s,一重線;d,二重線;t,三重線;q,四重線;m,多重線;br,幅広を用いて、テトラメチルシランからのppmダウンフィールドで与えられている。次の略語を、一般溶媒に用いた。CDCl,ジュウテロクロロホルム;DMSO,ジメチルスルホキシド。psiという略語は、ポンド/平方インチを意味し、LRMSは、低分解能質量分析を意味する。薄層クロマトグラフィー(TLC)が用いられた場合、それは、シリカゲル60F254プレートを用いたシリカゲルTLCを意味し、Rは、TLCプレート上を化合物が移動した距離を、最前部の溶媒が移動した距離で割ったものである。融点は、Perkin Elmer DSC7を用いて、20℃/分の加熱速度で決定した。
【実施例】
【0113】
実施例1
(2R)−2−[(1−{[((1S)−2−カルボキシ−1−{[(3−フルオロベンジル)オキシ]メチル}エチル)アミノ]カルボニル}シクロペンチル)メチル]ペンタン酸
【0114】
【化15】

【0115】
トリフルオロ酢酸(2ml)を、ジクロロメタン(3ml)中の、製造例11より得られるエステル(80mg,0.16mmol)の溶液に加え、その反応を室温で90分間撹拌した。その溶液を減圧下で濃縮し、そしてトリフルオロ酢酸を、トルエン、酢酸エチルおよびジクロロメタンとの共沸によって除去して、標題化合物を44mgの無色油状物として与えた。
【0116】
【化16】

【0117】
実施例2〜4
一般式
【0118】
【化17】

【0119】
を有する次の実施例を、対応する tert−ブチルエステルから、実施例1に記載されたのと同様の手順にしたがって無色油状物として定量的に得た。
【0120】
【表2】

【0121】
実施例5
(2R)−2−[(1−{[((1R)−2−カルボキシ−1−{[(4−クロロベンジル)オキシ]メチル}エチル)アミノ]カルボニル}シクロペンチル)メチル]ペンタン酸
【0122】
【化18】

【0123】
トリフルオロ酢酸(1ml)を、ジクロロメタン(5ml)中の、製造例15より得られるエステル(125mg,0.25mmol)の溶液に加え、その反応を室温で18時間撹拌した。その溶液を減圧下で濃縮し、残留物をジクロロメタン(6x)と共沸させた。粗生成物を、シリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにより、ジクロロメタン:メタノール:酢酸(97:3:0.3)を溶離剤として用いて精製して、30mgの標題化合物を与えた。
【0124】
【化19】

【0125】
実施例6
(2R)−2−[(1−{[((1R)−2−カルボキシ−1−{[(4−フルオロベンジル)オキシ]メチル}エチル)アミノ]カルボニル}シクロペンチル)メチル]ペンタン酸
【0126】
【化20】

【0127】
イミダゾール(50mg,0.73mmol)および水素化ナトリウム(鉱油中60%分散液,1.24g,31mmol)を、テトラヒドロフラン(70ml)中の、製造例7より得られるアルコール(1.2g,3.1mmol)の冷却された(−15℃)溶液に加え、その混合物を45分間撹拌した。4−フルオロベンジルブロミドの溶液(650mg,3.4mmol)を加え、その反応を−15℃で更に2時間撹拌後、室温に暖めた。撹拌を更に3時間続けた後、フラスコを氷浴中で冷却した。その反応を、水の添加で急冷し、1N塩酸で希釈し、そして混合物を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機溶液を乾燥させ(MgSO)、減圧下で蒸発させた。その生成物を、シリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにより、ジクロロメタン:メタノール(98:2〜92:8)の溶離勾配を用いて精製した。この中間体を、トリフルオロ酢酸(2ml)およびジクロロメタン(4ml)中に溶解させ、その反応を室温で18時間撹拌した。その溶液を減圧下で濃縮し、残留物をジクロロメタン(3x)と共沸させた。粗生成物を、シリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにより、ジクロロメタン:メタノール:酢酸(96:4:0.4)を溶離剤として用いて精製して、100mgの標題化合物を与えた。
【0128】
【化21】

【0129】
実施例7
(2R)−2−[(1−{[((1R)−2−カルボキシ−1−{[(3−メトキシベンジル)オキシ]メチル}エチル)アミノ]カルボニル}シクロペンチル)メチル]ペンタン酸
【0130】
【化22】

【0131】
標題化合物を、製造例16より得られるエステルから、実施例5に記載の手順にしたがって、81%収率で得た。
【0132】
【化23】

【0133】
実施例8
(2R)−2−[(1−{[((1R)−2−カルボキシ−1−{[(4−シアノベンジル)オキシ]メチル}エチル)アミノ]カルボニル}シクロペンチル)メチル]ペンタン酸
【0134】
【化24】

【0135】
ジオキサン(6ml)中の、製造例52より得られるエステル(60mg,0.13mmol)および1M水酸化ナトリウム(2ml)の溶液を、室温で3時間撹拌した。その反応を減圧下で濃縮し、残留物を水(3ml)中に懸濁させ、そのpHを、2N塩酸を用いて1に調整し、そしてその溶液を酢酸エチル(3x3ml)で抽出した。合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO)、減圧下で蒸発させて、標題化合物を55mgの無色ガムとして与えた。
【0136】
【化25】

【0137】
実施例9
(2R)−2−[(1−{[((1R)−1−{[(5−メチル−2−ピリジニル)メトキシ]メチル}−3−オキシド−3−オキソプロピル)アミノ]カルボニル}シクロペンチル)メチル]ペンタン酸ナトリウム
【0138】
【化26】

【0139】
ジオキサン(0.6ml)中の、製造例53より得られるエステル(40mg,0.07mmol)および1N水酸化ナトリウム溶液(210μl,0.21mmol)の溶液を、室温で2時間撹拌した。その混合物を減圧下で蒸発させ、残留物をトルエンと共沸させて、40mgの標題化合物を与えた。
【0140】
【化27】

【0141】
実施例10
(2S)−2−[(1−{[((1S)−2−カルボキシ−1−{[(3−メトキシベンジル)オキシ]メチル}エチル)アミノ]カルボニル}シクロペンチル)メチル]−4−メトキシブタン酸
【0142】
【化28】

【0143】
トリフルオロ酢酸(1ml)を、ジクロロメタン(4ml)中の、製造例17より得られる tert−ブチルエステル(26mg,0.05mmol)の溶液に加え、その反応を室温で18時間撹拌した。その溶液を減圧下で濃縮し、そしてトリフルオロ酢酸を、トルエン、酢酸エチルおよびジクロロメタンとの共沸混合物によって除去して、標題化合物を17mgの無色油状物として与えた。
【0144】
【化29】

【0145】
実施例11〜15
一般式
【0146】
【化30】

【0147】
を有する次の実施例を、対応する tert−ブチルエステルから、実施例10に記載されたのと同様の手順にしたがって定量的に得た。
【0148】
【表3】

【0149】
実施例16
(2S)−2−[(1−{[((1R)−2−カルボキシ−1−{[(4−クロロベンジル)オキシ]メチル}エチル)アミノ]カルボニル}シクロペンチル)メチル]−4−メトキシブタン酸
【0150】
【化31】

【0151】
ジクロロメタン(5ml)中の、製造例23より得られるエステル(100mg,0.19mmol)およびトリフルオロ酢酸(1ml)の溶液を、室温で18時間撹拌した。その混合物を減圧下で濃縮し、トルエンと共沸させた。その残留物を、ジクロロメタンと水とに分配し、層を分離し、そして有機相を乾燥させ(MgSO)、減圧下で蒸発させて、標題化合物を73mgの無色油状物として与えた。
【0152】
【化32】

【0153】
実施例17
(2R)−2−({1−[({(1S)−1−[(ベンジルオキシ)メチル]−3−エトキシ−3−オキソプロピル}アミノ)カルボニル]シクロペンチル}メチル)ペンタン酸
【0154】
【化33】

【0155】
トリフルオロ酢酸(0.5ml)およびジクロロメタン(5ml)中の、製造例46より得られるエステル(110mg,0.22mmol)の溶液を、室温で72時間撹拌した。その反応を減圧下で濃縮し、そして残留物を、トルエンおよびジクロロメタンと共沸させて、95mgの標題化合物を与えた。
【0156】
【化34】

【0157】
実施例18
(2R)−2−[(1−{[((1S)−3−エトキシ−1−{[(3−メトキシベンジル)オキシ]メチル}−3−オキソプロピル)アミノ]カルボニル}シクロペンチル)メチル]ペンタン酸
【0158】
【化35】

【0159】
トリフルオロ酢酸(1ml)を、ジクロロメタン(5ml)中の、製造例24より得られるエステル(280mg,0.53mmol)の溶液に加え、その溶液を室温で4時間撹拌した。その反応を減圧下で濃縮し、そして残留物を酢酸エチルと共沸させた。粗生成物を、シリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにより、ジクロロメタン:メタノール(98:2)を用いて精製して、標題化合物を無色油状物として与えた。
【0160】
【化36】

【0161】
実施例19
(2R)−2−[(1−{[((1S)−1−{[(4−クロロベンジル)オキシ]メチル}−3−エトキシ−3−オキソプロピル)アミノ]カルボニル}シクロペンチル)メチル]ペンタン酸
【0162】
【化37】

【0163】
トリフルオロ酢酸(1.2ml)を、ジクロロメタン(10ml)中の、製造例25より得られるエステル(175mg,0.33mmol)の溶液に加え、その溶液を室温で18時間撹拌した。その混合物を減圧下で濃縮し、そして残留物を、トルエン(3x20ml)、酢酸エチル(20ml)およびジクロロメタン(20ml)と共沸させた。粗生成物を、シリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにより、ジクロロメタン:メタノール(98:2〜95:5)の溶離勾配を用いて精製して、標題化合物を無色油状物として生じた。
【0164】
【化38】

【0165】
実施例20〜24
一般式
【0166】
【化39】

【0167】
を有する次の実施例を、対応する tert−ブチルエステルから、実施例19に記載されたのと同様の手順にしたがって得た。
【0168】
【表4】

【0169】
実施例25
(2R)−2−[(1−{[((1R)−1−{[(4−クロロベンジル)オキシ]メチル}−3−エトキシ−3−オキソプロピル)アミノ]カルボニル}シクロペンチル)メチル]ペンタン酸
【0170】
【化40】

【0171】
ジクロロメタン(4ml)中の、製造例99より得られるエステル(98mg,0.18mmol)およびトリフルオロ酢酸(2ml)の溶液を、室温で18時間撹拌した。その混合物を減圧下で濃縮し、その残留物をジクロロメタンと共沸させて、73mgの標題化合物を与えた。
【0172】
【化41】

【0173】
実施例26
(2R)−2−{[1−({[(1S)−1−[(ベンジルオキシ)メチル]−3−(2−ブトキシエトキシ)−3−オキソプロピル]アミノ}カルボニル)シクロペンチル]メチル}ペンタン酸
【0174】
【化42】

【0175】
トリフルオロ酢酸(0.3ml)およびジクロロメタン(3ml)中の、製造例50より得られるエステル(100mg,0.17mmol)の溶液を、室温で18時間撹拌後、減圧下で蒸発させて、標題化合物を与えた。
【0176】
【化43】

【0177】
実施例27
(2R)−2−({1−[({((1S)−1−[(ベンジルオキシ)メチル]−3−オキソ−3−[2−オキソ−2−(1−ピペリジニル)エトキシ]プロピル}アミノ)カルボニル]シクロペンチル}メチル)ペンタン酸
【0178】
【化44】

【0179】
トリフルオロ酢酸(0.3ml)およびジクロロメタン(3ml)中の、製造例51より得られるエステル(100mg,0.16mmol)の溶液を、室温で18時間撹拌し、減圧下で濃縮した。残留物をトルエンと共沸させた後、粗生成物を、シリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにより、ジクロロメタン:メタノール(98:2〜95:5)を用いて精製して、30mgの標題化合物を与えた。
【0180】
【化45】

【0181】
実施例28
(2R)−2−{[1−({[(1R)−3−エトキシ−3−オキソ−1−(2−フェノキシエチル)プロピル]アミノ}カルボニル)シクロペンチル]メチル}ペンタン酸
【0182】
【化46】

【0183】
トリフルオロ酢酸(1ml)を、ジクロロメタン(5ml)中の、製造例67より得られるエステル(60mg,0.12mmol)の溶液に加え、その溶液を室温で18時間撹拌した。その混合物を減圧下で濃縮し、そして残留物を、ジクロロメタン中に溶解させ、水で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、減圧下で蒸発させて、40mgの標題化合物を与えた。
【0184】
【化47】

【0185】
実施例29〜30
次の一般式
【0186】
【化48】

【0187】
を有する化合物を、対応する tert−ブチルエステルから、実施例28に記載されたのと同様の手順にしたがって製造した。
【0188】
【表5】

【0189】
実施例31
(2R)−2−{[1−({[(1S)−2−(ベンジルオキシ)−1−(カルボキシメチル)エチル]アミノ}カルボニル)シクロペンチル]メチル}ペンタン酸
【0190】
【化49】

【0191】
水酸化ナトリウム溶液(1ml,1N)およびメタノール(5ml)中の、実施例17より得られるエチルエステル(70mg,0.16mmol)の溶液を、室温で18時間撹拌した。その反応を減圧下で濃縮して、メタノールを除去し、その残留物を、酢酸エチル(10ml)と塩酸(2N,10ml)とに分配した。相を分離し、水性層を酢酸エチル(4x10ml)で抽出し、合わせた有機溶液をブライン(10ml)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、減圧下で蒸発させて、50mgの標題化合物を与えた。
【0192】
【化50】

【0193】
実施例32
(2R)−2−[(1−{[((1S)−2−カルボキシ−1−{[(3−メトキシベンジル)オキシ]メチル}エチル)アミノ]カルボニル}シクロペンチル)メチル]ペンタン酸
【0194】
【化51】

【0195】
水酸化ナトリウム溶液(1ml,1N,1mmol)を、ジオキサン(3ml)中の、実施例18より得られるエチルエステル(50mg,0.11mmol)の溶液に加え、その反応を室温で2時間撹拌した。反応を減圧下で濃縮し、残留物を水中に溶解させ、2N塩酸を用いて酸性にし、酢酸エチル中に抽出した。合わせた有機抽出物を乾燥させ(MgSO)、減圧下で蒸発させて、30mgの標題化合物を与えた。
【0196】
【化52】

【0197】
実施例33〜40
次の一般的な構造
【0198】
【化53】

【0199】
を有する化合物を、対応するエチルエステルから、実施例32に記載されたのと同様の手順にしたがって製造した。
【0200】
【表6】

【0201】
実施例41
(3S)−3−[({1−[(2R)−2−カルボキシペンチル]シクロペンチル}カルボニル)アミノ]−5−(4−クロロフェノキシ)ペンタン酸
【0202】
【化54】

【0203】
ジオキサン(5ml)中の、製造例86より得られるエチルエステル(180mg,0.37mmol)および水酸化ナトリウム溶液(2N,2ml)の混合物を、50℃で5時間撹拌後、室温で更に18時間撹拌した。その混合物を減圧下で濃縮し、残留物を、2N塩酸を用いて酸性にし、酢酸エチル(2x20ml)で抽出した。合わせた有機溶液を乾燥させ(MgSO)、減圧下で濃縮し、そして残留物を、シリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにより、ジクロロメタン:メタノール:酢酸(95:5:0〜90:10:0〜90:10:1)の溶離勾配を用いて精製して、標題化合物を150mgの無色油状物として与えた。
【0204】
【化55】

【0205】
実施例42
(3S)−3−[({1−[(2R)−2−カルボキシペンチル]シクロペンチル}カルボニル)アミノ]−5−(4−フルオロフェノキシ)ペンタン酸
【0206】
【化56】

【0207】
水酸化ナトリウム溶液(3ml,2N)およびジオキサン(6ml)中の、製造例87より得られるエステル(130mg,0.28mmol)の混合物を、50℃で3時間撹拌した。その反応混合物を減圧下で濃縮し、残留物を、2N塩酸を用いて酸性にし、酢酸エチル(3x50ml)で抽出した。粗生成物を、シリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにより、メタノール:ジクロロメタン(5:95〜10:90)の溶離勾配を用いて精製して、標題化合物を58mgの無色油状物として与えた。
【0208】
【化57】

【0209】
実施例43〜45
一般式
【0210】
【化58】

【0211】
を有する次の実施例を、対応するエチルエステルから、実施例42に記載されたのと同様の手順にしたがって製造した。
【0212】
【表7】

【0213】
実施例46
(3R)−3−[({1−[(2S)−2−カルボキシ−4−メトキシブチル]シクロペンチル}カルボニル)アミノ]−5−(4−クロロフェノキシ)ペンタン酸
【0214】
【化59】

【0215】
トリフルオロ酢酸(1ml)およびジクロロメタン(4ml)中の、製造例80より得られるエステル(295mg,0.51mmol)の溶液を、室温で4時間撹拌した。その溶液を減圧下で濃縮後、トルエンと共沸させた。残留物を、飽和重炭酸ナトリウム溶液とジクロロメタンとに分配し、層を分離し、水性層をジクロロメタンで抽出した。その水溶液のpHを、塩酸(2N)を用いて1に調整した後、これをジクロロメタン(3x)で抽出した。これら合わせた有機抽出物を乾燥させ(MgSO)、減圧下で蒸発させて、標題化合物を134mgの無色固体として与えた。
【0216】
【化60】

【0217】
実施例47
エチル (3S)−3−[({1−[(2S)−2−カルボキシ−4−メトキシブチル]シクロペンチル}カルボニル)アミノ]−5−(4−クロロフェノキシ)ペンタノエート
【0218】
【化61】

【0219】
ジクロロメタン(5ml)中の、製造例81より得られるエステル(300mg,0.54mmol)およびトリフルオロ酢酸(5ml)の溶液を、室温で2時間撹拌した。その混合物を減圧下で濃縮し、残留物をトルエンと共沸させた。粗生成物を、逆相シリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにより、アセトニトリル:水:トリフルオロ酢酸(5:95:0.1〜95:5:0)の溶離勾配を用いて精製して、標題化合物を109mgの無色油状物として与えた。
【0220】
【化62】

【0221】
実施例48
(3S)−3−[({1−[(2S)−2−カルボキシ−4−メトキシブチル]シクロペンチル}カルボニル)アミノ]−5−(4−クロロフェノキシ)ペンタン酸
【0222】
【化63】

【0223】
ジオキサン(4ml)中の、実施例47より得られるエチルエステル(100mg,0.20mmol)および2N水酸化ナトリウム溶液(2ml)の溶液を、50℃で3時間撹拌後、減圧下で濃縮した。残留物を、2N塩酸(2ml)中に懸濁させ、酢酸エチル(3x20ml)で抽出し、そして合わせた有機溶液を乾燥させ(MgSO)、減圧下で蒸発させた。粗生成物を、シリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにより、酢酸エチル:メタノール:酢酸(90:10:0〜90:10:1)の溶離勾配を用いて精製して、標題化合物を50mgの無色油状物として与えた。
【0224】
【化64】

【0225】
実施例49
(2S)−2−({1−[({(1S)−3−ブトキシ−1−[2−(4−クロロフェノキシ)エチル]−3−オキソプロピル}アミノ)カルボニル]シクロペンチル}メチル)−4−メトキシブタン酸
【0226】
【化65】

【0227】
ジクロロメタン(5ml)中の、製造例92より得られるエステル(278mg,0.48mmol)およびトリフルオロ酢酸(3ml)の溶液を、室温で2時間撹拌した。その混合物を減圧下で濃縮し、残留物をトルエンと共沸させた。粗生成物を、シリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにより、酢酸エチル:ペンタン(30:70〜50:50)の溶離勾配を用いて精製して、標題化合物を229mgの無色油状物として与えた。
【0228】
【化66】

【0229】
実施例50
(3S)−3−[({1−[(2R)−2−(エトキシカルボニル)ペンチル]シクロペンチル}カルボニル)アミノ]−4−[(3−メトキシベンジル)オキシ]ブタン酸
【0230】
【化67】

【0231】
ピロリジン(39μl,0.46mmol)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(10mg)を、テトラヒドロフラン(2ml)中の、製造例35より得られるアリルエステル(60mg,0.116mmol)の溶液に加え、その反応を室温で2時間撹拌した。その混合物を、塩酸(1N)と酢酸エチルとに分配し、層を分離し、有機層を乾燥させ(MgSO)、減圧下で濃縮した。残留する橙色油状物を、シリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにより、ジクロロメタン:メタノール:酢酸(99:1:0〜97:3:0.3)の溶離勾配を用いて精製して、標題化合物を15mgの無色固体として与えた。
【0232】
【化68】

【0233】
実施例51
(3S)−4−[(4−クロロベンジル)オキシ]−3−[({1−[(2S)−2−(エトキシカルボニル)−4−メトキシブチル]シクロペンチル}カルボニル)アミノ]ブタン酸
【0234】
【化69】

【0235】
ピロリジン(53mg,0.74mmol)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(20mg)を、テトラヒドロフラン(4ml)中の、製造例36より得られるアリルエステル(100mg,0.186mmol)の溶液に加え、その反応を室温で3時間撹拌した。その混合物を、塩酸(1N,30ml)で希釈し、その水溶液をジクロロメタン(3x30ml)で抽出し、合わせた有機溶液を水(50ml)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、減圧下で濃縮した。残留する黄色油状物を、シリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにより、ジクロロメタン:メタノール(98:2〜92:8)の溶離勾配を用いて精製して、標題化合物を42mgの無色油状物として与えた。
【0236】
【化70】

【0237】
実施例52
エチル (3S)−3−[({1−[(2S)−2−カルボキシ−4−メトキシブチル]シクロペンチル}カルボニル)アミノ]−6−(4−クロロフェニル)ヘキサノエート
【0238】
【化71】

【0239】
ジクロロメタン(15ml)およびトリフルオロ酢酸(6ml)中の、製造例97より得られるジエステル(200mg,0.36mmol)の溶液を、室温で18時間撹拌した。その混合物を減圧下で濃縮し、そして残留物を、ジクロロメタン(75ml)と水(75ml)とに分配した。層を分離し、有機相を乾燥させ(MgSO)、減圧下で蒸発させて、標題化合物を180mgの無色油状物として与えた。
【0240】
【化72】

【0241】
実施例53
(3S)−3−[({1−[(2S)−2−カルボキシ−4−メトキシブチル]シクロペンチル}カルボニル)アミノ]−6−(4−クロロフェニル)ヘキサン酸
【0242】
【化73】

【0243】
ジオキサン(4ml)および1N水酸化ナトリウム(4ml)中の、実施例52より得られるエステル(60mg,0.12mmol)の溶液を、室温で5時間撹拌した。その混合物を減圧下で濃縮し、そして残留物を、水(20ml)と酢酸エチル(20ml)とに分配した。層を分離し、水性層を、塩酸を用いて酸性にしてpH1とした後、この溶液を酢酸エチル(2x20ml)で再抽出した。これら合わせた有機抽出物を乾燥させ(MgSO)、減圧下で蒸発させて、49mgの標題化合物を与えた。
【0244】
【化74】

【0245】
実施例54
(3S)−3−[({1−[(2S)−2−カルボキシ−4−メトキシブチル]シクロペンチル}カルボニル)アミノ]−6−(4−メトキシフェニル)ヘキサン酸
【0246】
【化75】

【0247】
トリフルオロ酢酸(0.5ml)およびジクロロメタン(2ml)中の、製造例98より得られるエステル(17mg,0.03mmol)の溶液を、室温で18時間撹拌した。その反応を減圧下で濃縮し、そして残留物を、ジクロロメタンと水とに分配し、層を分離した。有機相を乾燥させ(MgSO)、減圧下で蒸発させた。その生成物を、Fraction-Lynx(登録商標)逆相HPLCにより、Phenomenex Luna C18カラムおよび溶離剤としてのアセトニトリル:水:トリフルオロ酢酸(5:95:0.1〜95.25:4.75:0.005)を用いて精製して、標題化合物を生じた。
【0248】
【化76】

【0249】
製造例1
1−[(2S)−2−(tert−ブトキシカルボニル)−4−メトキシブチル]シクロペンタンカルボン酸
【0250】
【化77】

【0251】
ヘプタン(58.5L,全溶液重量44.0kg)中の1−[2−(tert−ブトキシカルボニル)−4−メトキシブチル]シクロペンタンカルボン酸(WO0202513号)(3.90kg,13.0mol)の溶液に、(1S,2S)−(+)−プソイドエフェドリン(2.13kg,12.9mol)を、窒素の雰囲気下において20℃で加えた。次に、その懸濁液を、70℃に、撹拌しながら透明溶液が得られるまで加熱した。次に、溶液を40℃に冷却し、そして基準の結晶化した標題化合物の試料(0.8g)を加えて、結晶化の種晶とした。その混合物の温度を40℃で2時間維持した後、そのスラリーを20℃に6時間にわたって冷却した。次に、生成物を濾過によって集め、ヘプタン(2x2.3L)で洗浄後、真空下において50℃で22時間乾燥させて、1−[(2S)−2−(tert−ブトキシカルボニル)−4−メトキシブチル]シクロペンタンカルボン酸 (1S,2S)−1−ヒドロキシ−N−メチル−1−フェニル−2−プロパナミニウム(3.20kg,6.87mol,H NMRによって測定したところ86:14のジアステレオ異性体塩混合物として53%収率)を生じた。次に、その生成物(3.20kg,6.87mol)を、ヘプタン(30L)中に懸濁させ、そして透明溶液が得られるまで、70℃に加熱した。次に、得られた溶液を58℃に冷却し、そして基準の結晶化した標題化合物の試料(1.0g)を加えて、結晶化の種晶とした。次に、その溶液を58℃で1時間保持した後、20℃に6時間にわたって冷却した。次に、そのスラリーを20℃で12時間造粒した。生成物を濾過によって集め、ヘプタン(2x2L)で洗浄した。真空オーブン中で50℃、22.5時間乾燥して、1−[(2S)−2−(tert−ブトキシカルボニル)−4−メトキシブチル]シクロペンタンカルボン酸 (1S,2S)−1−ヒドロキシ−N−メチル−1−フェニル−2−プロパナミニウムを白色結晶性固体(2.35kg,5.0mol,73%収率)として得た。m.p.(ヘプタン);95℃。
【0252】
【化78】

【0253】
その標題化合物は、次のように塩を破壊することによって得た。脱イオン水(1.26L)および酢酸イソプロピル(1.47L)中の1−[(2S)−2−(tert−ブトキシカルボニル)−4−メトキシブチル]シクロペンタンカルボン酸 (1S,2S)−1−ヒドロキシ−N−メチル−1−フェニル−2−プロパナミニウム(210g,0.45mol)の撹拌懸濁液に、水性塩酸(99.5mlの5M溶液,0.50mol)を、水性層のpHがpH2〜3になるまで加えた。次に、層を分離し、水性相を酢酸イソプロピル(630ml)で抽出した。次に、有機抽出物を一緒にし、飽和ブライン溶液(420ml)で洗浄した。次に、有機相を、大気圧での蒸留によって濃縮して(1.4Lの酢酸イソプロピルを除去して)、標題化合物を酢酸イソプロピル中の溶液とし、それを次の工程に直接的に用いた。アリコートを得ることができ、その溶媒を除去して、分析用試料を得た。
【0254】
【化79】

【0255】
GC(インジェクタープログラム:初期温度0℃,速度150℃/分,最終温度230℃;オーブンプログラム:初期温度100℃,速度10℃/分,最終温度230℃,最終時間20分;カラム,BP−21 25mx0.25mmIDx0.25umFT;検出FID)保持時間16.0分;HPLC(カラム;ChiralPak AD(25x0.46cm);移動相:ヘキサン/IPA/酢酸(98/2/0.1v/v/v);すすぎ洗浄用移動相:ヘキサン/IPA/DEA(80/20/.5v/v/v);流速:1.0ml/分;温度:周囲温度;注入容量:20μl;検出:ELSD)実行時間:20分の後、ヘキサン/IPA/DEA(80/20/.5v/v/v)で10分すすぎ洗浄後、ヘキサン/IPA/酢酸(98/2/0.1v/v/v)で10分すすぎ洗浄;保持時間:少ない方の鏡像異性体15.5分(3.3%)、主な鏡像異性体17.5分(96.7%)。
【0256】
製造例2
tert−ブチル (2R)−2−{[1−({[(3S)−5−オキソテトラヒドロ−3−フラニル]アミノ}カルボニル)シクロペンチル]メチル}ペンタノエート
【0257】
【化80】

【0258】
ジクロロメタン(200ml)中の3(S)−アミノ−γ−ブチロラクトン臭化水素酸塩(J.A.C.S; 1986; 108(16), 4943)(7g,38mmol)、1−[(2R)−2−(tert−ブチオキシカルボニルペンチル(butyoxycarbonyl-pentyl))]シクロペンタンカルボン酸(WO0202513号)(11.4g,40mmol)、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(7.7g,40mmol)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(5.4g,40mmol)および4−メチルモルホリン(22ml,200mmol)の混合物を、室温で18時間撹拌した。その混合物を、水、塩酸(2N)で洗浄後、乾燥させ(MgSO)、減圧下で濃縮した。粗生成物を、シリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにより、ジクロロメタン:メタノール(99:1〜98:2)の溶離勾配を用いて精製して、標題化合物を12.6gの無色油状物として与えた。
【0259】
【化81】

【0260】
製造例3
tert−ブチル (2R)−2−{[1−({[(3R)−5−オキソテトラヒドロ−3−フラニル]アミノ}カルボニル)シクロペンチル]メチル}ペンタノエート
【0261】
【化82】

【0262】
3(R)−アミノ−γ−ブチロラクトン臭化水素酸塩(US5252747号,化合物25)(6.2g,34mmol)を、ジクロロメタン(200ml)中の1−[(2R)−2−(tert−ブチオキシカルボニルペンチル)]シクロペンタンカルボン酸(WO0202513号,製造例2)(9.9g,34.8mmol)、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(8.65g,44.3mmol)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(6.22g,41.8mmol)および4−メチルモルホリン(14g,138mmol)の溶液に加え、その反応を室温で72時間撹拌した。その混合物を減圧下で濃縮し、そして残留物を、酢酸エチルとブラインとに分配した。有機相を乾燥させ(MgSO)、減圧下で濃縮した。粗生成物を、シリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにより、ジクロロメタン:メタノール(99:1〜90:10)の溶離勾配を用いて精製した。その生成物を、エーテル:ペンタン(20:80)の溶液で研和し、得られた沈殿を濾過し、乾燥させて、6.3gの標題化合物を与えた。
【0263】
【化83】

【0264】
製造例4
tert−ブチル (2S)−4−メトキシ−2−{[1−({[(3S)−5−オキソテトラヒドロ−3−フラニル]アミノ}カルボニル)シクロペンチル]メチル}ブタノエート
【0265】
【化84】

【0266】
標題化合物を、製造例1より得られる酸および3−(S)−アミノ−γ−ブチロラクトン臭化水素酸塩(J.A.C.S; 1986; 108(16), 4943)から、製造例2に記載されたのと同様の手順にしたがって、無色油状物として82%収率で得た。
【0267】
【化85】

【0268】
製造例5
tert−ブチル (2S)−4−メトキシ−2−{[1−({[(3R)−5−オキソテトラヒドロ−3−フラニル]アミノ}カルボニル)シクロペンチル]メチル}ブタノエート
【0269】
【化86】

【0270】
標題化合物を、3(R)−アミノ−γ−ブチロラクトン臭化水素酸塩(US5252747号,化合物25)および製造例1より得られる酸から、シリカゲル上のカラムクロマトグラフィーによって酢酸エチル:ペンタン(50:50〜75:25)の溶離勾配を用いて化合物を精製したことを除いて、製造例4に記載されたのと同様の手順にしたがって、無色油状物として得た。
【0271】
【化87】

【0272】
製造例6
(3S)−3−[({1−[(2R)−2−(tert−ブトキシカルボニル)ペンチル]シクロペンチル}カルボニル)アミノ]−4−ヒドロキシブタン酸
【0273】
【化88】

【0274】
水酸化ナトリウム溶液(60ml,1M,60mmol)を、メタノール(200ml)中の、製造例2より得られるラクトン(12.5g,34mmol)の溶液に加え、その溶液を室温で18時間撹拌した。その混合物を減圧下で濃縮し、残留物を水で希釈した。その水溶液を酢酸エチルで洗浄し、塩酸(2N)で酸性にし、この溶液を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機抽出物を乾燥させ(MgSO)、減圧下で蒸発させて、無色油状物を生じた。これをエーテルで研和し、固体を濾過し、乾燥させて、標題化合物を7.55gの白色固体として与えた。
【0275】
【化89】

【0276】
製造例7
(3R)−3−[({1−[(2R)−2−(tert−ブトキシカルボニル)ペンチル]シクロペンチル}カルボニル)アミノ]−4−ヒドロキシブタン酸
【0277】
【化90】

【0278】
標題化合物を、製造例3より得られるラクトンから、製造例6に記載されたのと同様の手順にしたがって得た。
【0279】
【化91】

【0280】
製造例8
(3S)−3−[({1−[(2S)−2−(tert−ブトキシカルボニル)−4−メトキシブチル]シクロペンチル}カルボニル)アミノ]−4−ヒドロキシブタン酸
【0281】
【化92】

【0282】
標題化合物を、製造例4より得られる化合物から、製造例6に記載されたのと同様の手順にしたがって得た。
【0283】
【化93】

【0284】
製造例9
(3S)−3−[({1−[(2R)−2−(tert−ブトキシカルボニル)−4−メトキシブチル]シクロペンチル}カルボニル)アミノ]−4−ヒドロキシブタン酸
【0285】
【化94】

【0286】
標題化合物を、製造例5より得られるラクトンから、製造例6に記載されたのと同様の手順にしたがって、無色油状物として64%収率で得た。
【0287】
【化95】

【0288】
製造例10
(3S)−3−[({1−[(2R)−2−(tert−ブトキシカルボニル)ペンチル]シクロペンチル}カルボニル)アミノ]−4−[(3−メトキシベンジル)オキシ]ブタン酸
【0289】
【化96】

【0290】
水素化ナトリウム(鉱油中60%分散液,935mg,24mmol)を、テトラヒドロフラン(20ml)中の、製造例6より得られるアルコール(1g,2.6mmol)の冷却された(−15℃)溶液に加え、その混合物を1時間撹拌した。3−メトキシベンジルブロミド(862mg,4.29mmol)およびイミダゾール(52mg,0.79mmol)を加え、その反応を−15℃で更に1時間撹拌後、室温に暖め、そして更に3時間撹拌した。その反応を、水の添加によって急冷し、テトラヒドロフランを真空中で除去し、そして残留物を1N塩酸で酸性にした。この水性混合物を酢酸エチル(3x)で洗浄し、合わせた有機溶液を乾燥させ(MgSO)、減圧下で蒸発させた。粗生成物を、シリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにより、ジクロロメタン:メタノール(99:1〜96:4)の溶離勾配を用いて精製して、標題化合物を透明油状物として与えた。
【0291】
【化97】

【0292】
製造例11〜14
一般式
【0293】
【化98】

【0294】
を有する次の製造例を、製造例6より得られるアルコールおよび対応するベンジルブロミドから、製造例10に記載されたのと同様の手順にしたがって製造した。
【0295】
【表8】

【0296】
製造例15
(3R)−3−[({1−[(2R)−2−(tert−ブトキシカルボニル)ペンチル]シクロペンチル}カルボニル)アミノ]−4−[(4−クロロベンジル)オキシ]ブタン酸
【0297】
【化99】

【0298】
標題化合物を、製造例7より得られるアルコールと、4−クロロベンジルブロミドから、製造例10に記載されたのと同様の手順にしたがって、13%収率で得た。
【0299】
【化100】

【0300】
製造例16
(3R)−3−[({1−[(2R)−2−(tert−ブトキシカルボニル)ペンチル]シクロペンチル}カルボニル)アミノ]−4−[(3−メトキシベンジル)オキシ]ブタン酸
【0301】
【化101】

【0302】
標題化合物を、製造例7より得られるアルコールと、3−メトキシベンジルブロミドから、製造例10に記載されたのと同様の手順にしたがって、10%収率で得た。
【0303】
【化102】

【0304】
製造例17
(3S)−3−[({1−[(2S)−2−(tert−ブトキシカルボニル)−4−メトキシブチル]シクロペンチル}カルボニル)アミノ]−4−[(3−メトキシベンジル)オキシ]ブタン酸
【0305】
【化103】

【0306】
イミダゾール(13mg,0.19mmol)および水素化ナトリウム(鉱油中60%分散液,400mg,10mmol)を、テトラヒドロフラン(20ml)中の、製造例8より得られるアルコール(400mg,1.0mmol)の冷却された(−15℃)溶液に加え、その混合物を45分間撹拌した。3−メトキシベンジルブロミドの溶液(221mg,1.1mmol)を加え、その反応を−15℃で更に2時間撹拌後、室温に暖めた。撹拌を更に3時間続けた後、そのフラスコを氷浴中で冷却した。その反応を、水の添加によって急冷し、1N塩酸で希釈し、そして混合物を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機溶液を乾燥させ(MgSO)、減圧下で蒸発させた。粗生成物を、シリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにより、ジクロロメタン:メタノール(98:2〜92:8)の溶離勾配を用いて精製して、標題化合物を66mgの無色油状物として与えた。
【0307】
【化104】

【0308】
製造例18〜22
一般式
【0309】
【化105】

【0310】
を有する次の製造例を、製造例8より得られるアルコールおよび対応するベンジルブロミドから、製造例17に記載されたのと同様の手順にしたがって製造した。
【0311】
【表9】

【0312】
製造例23
(3R)−3−[({1−[(2S)−2−(tert−ブトキシカルボニル)−4−メトキシブチル]シクロペンチル}カルボニル)アミノ]−4−[(4−クロロベンジル)オキシ]ブタン酸
【0313】
【化106】

【0314】
標題化合物を、製造例9より得られるアルコールと、4−クロロベンジルブロミドから、製造例17に記載の手順にしたがって、無色油状物として30%収率で得た。
【0315】
【化107】

【0316】
製造例24
tert−ブチル (2R)−2−[(1−{[((1S)−3−エトキシ−1−{[(3−メトキシベンジル)オキシ]メチル}−3−オキソプロピル)アミノ]カルボニル}シクロペンチル)メチル]ペンタノエート
【0317】
【化108】

【0318】
炭酸カリウム(61mg,0.45mmol)およびヨードエタン(40μl,0.49mmol)を、N,N−ジメチルホルムアミド(5ml)中の、製造10より得られる酸(275mg,0.45mmol)の溶液に加え、その反応を室温で18時間撹拌した。その混合物を、酢酸エチル(20ml)で希釈し、水(4x)およびブラインで洗浄後、乾燥させ(MgSO)、減圧下で濃縮した。残留物を、シリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにより、ジクロロメタン:メタノール(100:0〜99:1)の溶離勾配を用いて精製した。その残留物を、キシレン、酢酸エチルおよびジクロロメタンと共沸させて、標題化合物を250mgの無色油状物として与えた。
【0319】
【化109】

【0320】
製造例25
tert−ブチル (2R)−2−[(1−{[((1S)−1−{[(4−クロロベンジル)オキシ]メチル}−3−エトキシ−3−オキソプロピル)アミノ]カルボニル}シクロペンチル)メチル]ペンタノエート
【0321】
【化110】

【0322】
N,N−ジメチルホルムアミド(3ml)中の、製造13より得られる酸(190mg,0.37mmol)、ヨードエタン(13mg,0.84mmol)および炭酸カリウム(158.5mg,1.15mmol)の混合物を、室温で72時間撹拌した。その混合物を、水(100ml)中に注ぎ、酢酸エチル(3x100ml)で抽出した。合わせた有機抽出物を、ブライン(3x100ml)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、減圧下で蒸発させて、標題化合物を190mgの淡黄色油状物として与えた。
【0323】
【化111】

【0324】
製造例26
tert−ブチル (2R)−2−[(1−{[((1S)−3−(アリルオキシ)−1−{[(3−メトキシベンジル)オキシ]メチル}−3−オキソプロピル)アミノ]カルボニル}シクロペンチル)メチル]ペンタノエート
【0325】
【化112】

【0326】
炭酸カリウム(38mg,0.27mmol)およびアリルブロミド(27μl,0.28mmol)を、N,N−ジメチルホルムアミド(3ml)中の、製造10より得られる酸(140mg,0.28mmol)の溶液に加え、その反応を室温で18時間撹拌した。その混合物を、酢酸エチルと水とに分配し、層を分離し、そして有機相を水で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、減圧下で蒸発させて、標題化合物を120mgの無色油状物として与えた。
【0327】
【化113】

【0328】
製造例27
tert−ブチル (2S)−2−[(1−{[((1S)−1−{[(4−クロロベンジル)オキシ]メチル}−3−エトキシ−3−オキソプロピル)アミノ]カルボニル}シクロペンチル)メチル]−4−メトキシブタノエート
【0329】
【化114】

【0330】
N,N−ジメチルホルムアミド(2ml)中の、製造18より得られる酸(30mg,0.06mmol)、ヨードエタン(19mg,0.12mmol)および炭酸カリウム(24mg,0.17mmol)の混合物を、室温で18時間撹拌した。TLCは、出発物質が残っていることを示したので、追加のヨードエタン(19mg,0.12mmol)を加え、反応を室温で更に3時間撹拌した。その反応を、水(30ml)中に注ぎ、炭酸カリウム(50mg)を加え、この混合物を酢酸エチル(3x20ml)で抽出した。合わせた有機抽出物を、ブライン(20ml)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、減圧下で蒸発させて、標題化合物を31mgの淡黄色油状物として与えた。
【0331】
【化115】

【0332】
製造例28
tert−ブチル (2S)−2−[(1−{[((1S)−1−{[(3−クロロベンジル)オキシ]メチル}−3−エトキシ−3−オキソプロピル)アミノ]カルボニル}シクロペンチル)メチル]−4−メトキシブタノエート
【0333】
【化116】

【0334】
標題化合物を、製造例19より得られる酸と、ヨードエタンから、製造例27に記載の手順にしたがって、淡黄色油状物として得た。
【0335】
【化117】

【0336】
製造例29
tert−ブチル (2S)−2−[(1−{[((1S)−1−{[(2−クロロベンジル)オキシ]メチル}−3−エトキシ−3−オキソプロピル)アミノ]カルボニル}シクロペンチル)メチル]−4−メトキシブタノエート
【0337】
【化118】

【0338】
標題化合物を、製造例20より得られる酸と、ヨードエタンから、製造例27に記載の手順にしたがって、淡黄色油状物として得た。
【0339】
【化119】

【0340】
製造例30
tert−ブチル (2S)−2−[(1−{[((1S)−1−{[(3,4−ジフルオロベンジル)オキシ]メチル}−3−エトキシ−3−オキソプロピル)アミノ]カルボニル}シクロペンチル)メチル]−4−メトキシブタノエート
【0341】
【化120】

【0342】
N,N−ジメチルホルムアミド(2ml)中の、製造21より得られる酸(58mg,0.11mmol)、ヨードエタン(21mg,0.13mmol)および炭酸カリウム(36mg,0.26mmol)の混合物を、室温で18時間撹拌した。その混合物を、水で希釈し、酢酸エチル(3x)で抽出した。合わせた有機抽出物を、ブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO)、減圧下で蒸発させて、39mgの標題化合物を与えた。
【0343】
【化121】

【0344】
製造例31
tert−ブチル (2S)−2−[(1−{[((1S)−1−{[(2,4−ジフルオロベンジル)オキシ]メチル}−3−エトキシ−3−オキソプロピル)アミノ]カルボニル}シクロペンチル)メチル]−4−メトキシブタノエート
【0345】
【化122】

【0346】
N,N−ジメチルホルムアミド(2ml)中の、製造22より得られる酸(53mg,0.1mmol)、ヨードエタン(24mg,0.15mmol)および炭酸カリウム(28mg,0.2mmol)の混合物を、室温で18時間撹拌した。その反応を水で希釈し、ジクロロメタンで抽出した。合わせた有機溶液を乾燥させ(MgSO)、減圧下で濃縮した。残留物を、シリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにより、ジクロロメタン:メタノール(99:1〜97.5:2.5)を用いて精製して、標題化合物を42mgの無色油状物として与えた。
【0347】
【化123】

【0348】
製造例32
tert−ブチル (2S)−2−[(1−{[((1S)−3−(アリルオキシ)−1−{[(4−クロロベンジル)オキシ]メチル}−3−オキソプロピル)アミノ]カルボニル}シクロペンチル)メチル]−4−メトキシブタノエート
【0349】
【化124】

【0350】
標題化合物を、製造例18より得られる酸と、アリルブロミドから、製造例26に記載の手順にしたがって、淡黄色油状物として86%収率で得た。
【0351】
【化125】

【0352】
製造例33
(2R)−2−[(1−{[((1S)−3−(アリルオキシ)−1−{[(3−メトキシベンジル)オキシ]メチル}−3−オキソプロピル)アミノ]カルボニル}シクロペンチル)メチル]ペンタン酸
【0353】
【化126】

【0354】
トリフルオロ酢酸(1ml)を、ジクロロメタン(5ml)中の、製造例26より得られるエステル(120mg,0.20mmol)の溶液に加え、その反応を室温で3時間撹拌した。その混合物を減圧下で濃縮し、そして残留物を、ジクロロメタンおよび酢酸エチルと共沸させて、110mgの標題化合物を与えた。
【0355】
【化127】

【0356】
製造例34
(2S)−2−[(1−{[((1S)−3−(アリルオキシ)−1−{[(4−クロロベンジル)オキシ]メチル}−3−オキソプロピル)アミノ]カルボニル}シクロペンチル)メチル]−4−メトキシブタン酸
【0357】
【化128】

【0358】
標題化合物を、製造例32より得られるエステルから、製造例33に記載の手順にしたがって、橙色油状物として得た。
【0359】
【化129】

【0360】
製造例35
エチル (2R)−2−[(1−{[((1S)−3−(アリルオキシ)−1−{[(3−メトキシベンジル)オキシ]メチル}−3−オキソプロピル)アミノ]カルボニル}シクロペンチル)メチル]ペンタノエート
【0361】
【化130】

【0362】
標題化合物を、製造例33より得られる酸と、ヨードエタンから、製造例26に記載の手順にしたがって、淡黄色固体として得た。
【0363】
【化131】

【0364】
製造例36
エチル (2S)−2−[(1−{[((1S)−3−(アリルオキシ)−1−{[(4−クロロベンジル)オキシ]メチル}−3−オキソプロピル)アミノ]カルボニル}シクロペンチル)メチル]−4−メトキシブタノエート
【0365】
【化132】

【0366】
N,N−ジメチルホルムアミド(3ml)中の、製造34より得られる酸(280mg,0.55mmol)、ヨードエタン(200mg,1.29mmol)および炭酸カリウム(228mg,1.65mmol)の混合物を、室温で18時間撹拌した。その反応を、水(50ml)で希釈し、酢酸エチル(3x50ml)で抽出した。合わせた有機溶液を、ブライン(2x50ml)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、減圧下で蒸発させて、標題化合物を241mgの淡黄色油状物として与えた。
【0367】
【化133】

【0368】
製造例37
(3R)−3−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−4−ヒドロキシブタン酸ナトリウム
【0369】
【化134】

【0370】
テトラヒドロフラン(150ml)中のNα−(tert−ブチルオキシカルボニル)−D−アスパラギン酸無水物(J.Med.Chem. 1996; 3842)(19g,88mmol)の溶液を、テトラヒドロフラン(75ml)中の水素化ホウ素ナトリウム(3.4g,88mmol)の氷冷懸濁液に滴加し、添加を完了したら、その混合物を更に2時間撹拌した。酢酸(30ml)を滴加した後、混合物を減圧下で蒸発させた。残留物を、水(150ml)とエーテル(150ml)とに分配し、2N塩酸(20ml)を注意深く加えた。層を分離し、水性相を、エーテル(2x150ml)で更に抽出し、そして合わせた有機溶液を乾燥させ(MgSO)、減圧下で蒸発させた。その生成物を、2N水酸化ナトリウム(50ml)中に溶解させ、その溶液を1時間撹拌した。その混合物を、エーテル(2x50ml)で洗浄し、2N塩酸(50ml)で酸性にし、ジクロロメタン(4x100ml)で抽出した。合わせたジクロロメタン抽出物を乾燥させ(MgSO)、減圧下で蒸発させた。酸生成物(7.8g,35.6mmol)を、メタノール(100ml)中に溶解させ、水酸化ナトリウム(1.42g,35.6mmol)を加え、その反応を室温で1時間撹拌した。その混合物を減圧下で蒸発させ、残留物をトルエンと共沸させた後、ジイソプロピルエーテルで研和して、標題化合物を8.6gの白色固体として与えた。
【0371】
【化135】

【0372】
製造例38
エチル (3S)−4−(ベンジルオキシ)−3−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]ブタノエート
【0373】
【化136】

【0374】
水(22ml)中の炭酸セシウム(3.53g,10.9mmol)の溶液を、メタノール(70ml)および水(7ml)中の(3S)−4−(ベンジルオキシ)−3−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]ブタン酸(3.36g,10.9mmol)の氷冷溶液に加え、その反応を20分間撹拌した。その混合物を、減圧下で濃縮し、N,N−ジメチルホルムアミドおよびジクロロメタンと共沸させた。残留する油状物を、N,N−ジメチルホルムアミド(70ml)中に溶解させ、エチルヨージド(1.64g,10.9mmol)を加え、その反応を室温で18時間撹拌した。その混合物を、減圧下で濃縮し、酢酸エチル(300ml)中に懸濁させ、水(4x)、ブラインで洗浄後、乾燥させ(MgSO)、減圧下で蒸発させた。残留する油状物を、シリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにより、ヘキサン:酢酸エチル(85:15)を用いて精製して、標題化合物を2.86gの淡黄色油状物として与えた。
【0375】
【化137】

【0376】
製造例39
(3R)−3−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−4−[(4−シアノベンジル)オキシ]ブタン酸
【0377】
【化138】

【0378】
水素化ナトリウム(650mg,鉱油中60%,16.25mmol)、次にイミダゾール(34mg,0.49mmol)を、テトラヒドロフラン(20ml)中の、製造例37より得られる酸(600mg,2.49mmol)の冷却された(−15℃)懸濁液に滴加した後、その混合物を更に1時間撹拌した。4−シアノベンジルブロミド(540mg,2.74mmol)を加え、その混合物を−15℃で2時間撹拌後、室温に暖め、そして更に18時間撹拌した。その反応混合物を氷浴中で冷却し、水を注意深く加えた後、1M塩酸を加え、その混合物を酢酸エチル(3x100ml)で抽出した。合わせた有機抽出物をブライン(150ml)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、減圧下で蒸発させた。残留する油状物を、シリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにより、ジクロロメタン:メタノール(94:6)を溶離剤として用いて精製して、標題化合物を442mgの黄色油状物として与えた。
【0379】
【化139】

【0380】
製造例40
5−(ブロモメチル)−2−メチルピリジン臭化水素酸塩
ジクロロメタン(20ml)中の(6−メチルピリジン−3−イル)メタノール(J.Med.Chem. 43; 18; 2000; 3386)(492mg,4mmol)およびチオニルブロミド(4.16g,20mmol)の溶液を、室温で3時間撹拌した。その反応を減圧下で濃縮し、残留物をジクロロメタンと共沸させた。残留する赤色油状物を、エーテルで充分に研和して、標題化合物を1.39gの橙色粉末として与えた。
【0381】
【化140】

【0382】
製造例41
エチル (3R)−3−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−4−[(4−シアノベンジル)オキシ]ブタノエート
【0383】
【化141】

【0384】
N,N−ジメチルホルムアミド(5ml)中の、製造39より得られる酸(410mg,1.13mmol)、炭酸カリウム(468mg,3.40mmol)およびヨードエタン(529mg,3.40mmol)の混合物を、室温で6時間撹拌した。その混合物を減圧下で蒸発させ、残留物をブライン(100ml)中に懸濁させ、酢酸エチル(3x80ml)で抽出した。合わせた有機抽出物を、ブライン(150ml)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、減圧下で蒸発させて、標題化合物を385mgの黄色油状物として与えた。
【0385】
【化142】

【0386】
製造例42
(3R)−3−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−4−[(6−メチルピリジン−3−イル)メトキシ]ブタン酸
【0387】
【化143】

【0388】
水素化ナトリウム(800mg,鉱油中60%分散液,20mmol)およびイミダゾール(54mg,0.8mmol)を、テトラヒドロフラン(40ml)中の、製造例37より得られる酸(960mg,4mmol)の冷却された(−15℃)溶液に滴加し、その溶液を1時間撹拌した。テトラヒドロフラン(10ml)中の、製造例40より得られる臭化物(1.28g,4.8mmol)およびN−メチルモルホリン(535mg,5.3mmol)の懸濁液を、その温度を−15℃未満に維持するように加えた後、反応を更に2時間撹拌した。その反応を室温に暖め、更に18時間撹拌した。次に、その混合物を塩基性にしてpH11とし、酢酸エチルで洗浄し、注意深く酸性にしてpH5とし、酢酸エチルで抽出した。これら合わせた有機溶液をブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO)、減圧下で蒸発させた。粗生成物を、シリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにより、ジクロロメタン:メタノール(94:6)を溶離剤として用いて精製し、その生成物をエーテルで研和して、177mgの標題化合物を与えた。
【0389】
【化144】

【0390】
製造例43
エチル (3S)−3−アミノ−4−(ベンジルオキシ)ブタノエート 塩酸塩
【0391】
【化145】

【0392】
塩化水素を、酢酸エチル(40ml)中の、製造例38より得られる保護されたアミン(2.8g,8.3mmol)の氷冷溶液中に15分間吹き込んだ。その溶液を減圧下で蒸発させ、ジエチルエーテルと共沸させて、標題化合物を2.0gの油状物として与えた。
【0393】
【化146】

【0394】
製造例44
エチル (3R)−3−アミノ−4−(4−シアノベンジルオキシ)ブタノエート
【0395】
【化147】

【0396】
ジクロロメタン(8ml)中の、製造例41より得られる保護されたアミン(375mg,1mmol)およびトリフルオロ酢酸(2ml)の溶液を、室温で3時間撹拌した。その反応を減圧下で濃縮し、残留物をジクロロメタンと共沸させた。その生成物を、酢酸エチルと飽和重炭酸ナトリウム溶液とに分配し、層を分離し、そして有機相をブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO)、減圧下で蒸発させて、260mgの黄色油状物を生じた。その粗生成物を、シリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにより、ジクロロメタン:メタノール(97.5:2.5)を用いて精製して、標題化合物を180mgの無色油状物として与えた。
【0397】
【化148】

【0398】
製造例45
エチル (3R)−3−アミノ−4−[(6−メチルピリジン−3−イル)メトキシ]ブタノエート 二塩酸塩
【0399】
【化149】

【0400】
エタノール性塩化水素(6ml)中の、製造例42より得られる保護されたアミン(175mg,mmol)の溶液を、還流下において2時間加熱した。その溶液を減圧下で濃縮し、残留物をトルエンと共沸させ、真空中で乾燥させて、標題化合物を176mgの無色ガムとして生じた。
【0401】
【化150】

【0402】
製造例46
tert−ブチル (2R)−2−({1−[({(1S)−1−[(ベンジルオキシ)メチル]−3−エトキシ−3−オキソプロピル}アミノ)カルボニル]シクロペンチル}メチル)ペンタノエート
【0403】
【化151】

【0404】
ジクロロメタン(1ml)中の1−[(2R)−2−(tert−ブチオキシカルボニルペンチル)]シクロペンタンカルボン酸(WO0202513号,製造例2)(156mg,0.55mmol)の溶液を、ジクロロメタン(5ml)中の、製造例43より得られるアミン(150mg,0.55mmol)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(74mg,0.55mmol)、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(105mg,0.55mmol)およびN−メチルモルホリン(120μl,1.1mmol)の溶液に加え、その反応を室温で20時間撹拌した。その混合物を、ジクロロメタン(20ml)で希釈し、1N塩酸(10ml)で、次に水(10ml)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、減圧下で蒸発させた。粗生成物を、シリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにより、ジクロロメタン:メタノール(100:0〜95:5)を用いて精製して、110mgの標題化合物を与えた。
【0405】
【化152】

【0406】
製造例47
tert−ブチル (2R)−2−[(1−{[((1R)−1−{[(4−シアノベンジル)オキシ]メチル}−3−エトキシ−3−オキソプロピル)アミノ]カルボニル}シクロペンチル)メチル]ペンタノエート
【0407】
【化153】

【0408】
製造例44より得られるアミン(160mg,0.61mmol)を、ジクロロメタン(6ml)中の1−[(2R)−2−(tert−ブチオキシカルボニルペンチル)]シクロペンタンカルボン酸(WO0202513号,製造例2)(191mg,0.67mmol)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(108mg,0.80mmol)、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(141mg,0.74mmol)およびN−メチルモルホリン(169mg,1.7mmol)の溶液に加え、その反応を室温で18時間撹拌した。その反応を、酢酸エチルで希釈し、水(2x)で、次にブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO)、減圧下で蒸発させた。残留するガムを、シリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにより、ジクロロメタン:メタノール(100:0〜99:1)の溶離勾配を用いて精製して、標題化合物を240mgの粘稠油状物として与えた。
【0409】
【化154】

【0410】
製造例48
tert−ブチル (2R)−2−[(1−{[((1R)−3−エトキシ−1−{[(6−メチル−3−ピリジニル)メトキシ]メチル}−3−オキソプロピル)アミノ]カルボニル}シクロペンチル)メチル]ペンタノエート
【0411】
【化155】

【0412】
標題化合物を、1−[(2R)−2−(tert−ブチオキシカルボニルペンチル)]シクロペンタンカルボン酸(WO0202513号,製造例2)および製造例45より得られるアミンから、製造例47に記載の手順にしたがって、無色油状物として67%収率で得た。
【0413】
【化156】

【0414】
製造例49
(3S)−4−(ベンジルオキシ)−3−[({1−[(2R)−2−(tert−ブトキシカルボニル)ペンチル]シクロペンチル}カルボニル)アミノ]ブタン酸
【0415】
【化157】

【0416】
標題化合物を、製造例6より得られるアルコールと、ベンジルブロミドから、製造例10について記載の手順にしたがって製造した。
【0417】
【化158】

【0418】
製造例50
tert−ブチル (2R)−2−{[1−({[(1S)−1−[(ベンジルオキシ)メチル]−3−(2−ブトキシエトキシ)−3−オキソプロピル]アミノ}カルボニル)シクロペンチル]メチル}ペンタノエート
【0419】
【化159】

【0420】
4−ジメチルアミノピリジン(30mg)および1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(48mg,0.25mmol)を、ジクロロメタン(5ml)中の、製造例49より得られる酸(120mg,0.25mmol)および2−ブトキシエタノール(30mg,0.25mmol)の溶液に加え、その反応を室温で18時間撹拌した。その混合物を減圧下で蒸発させ、そして残留物を、シリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにより、ジクロロメタン:メタノール(100:0〜98:2)の溶離勾配を用いて精製して、100mgの標題化合物を与えた。
【0421】
【化160】

【0422】
製造例51
tert−ブチル (2R)−2−({1−[({(1S)−1−[(ベンジルオキシ)メチル]−3−オキソ−3−[2−オキソ−2−(1−ピペリジニル)エトキシ]プロピル}アミノ)カルボニル]シクロペンチル}メチル)ペンタノエート
【0423】
【化161】

【0424】
1−(ブロモアセチル)ピペリジン(EP580402号)(58mg,0.28mmol)を、N,N−ジメチルホルムアミド(3ml)中の、製造例49より得られる酸(120mg,0.25mmol)および炭酸カリウム(35mg,0.25mmol)の懸濁液に加え、その反応を室温で18時間撹拌した。その混合物を減圧下で濃縮し、そして残留物を、シリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにより、ジクロロメタン:メタノール(100:0〜98.5:1.5)の溶離勾配を用いて精製して、100mgの標題化合物を与えた。
【0425】
【化162】

【0426】
製造例52
(2R)−2−[(1−{[((1R)−1−{[(4−シアノベンジル)オキシ]メチル}−3−エトキシ−3−オキソプロピル)アミノ]カルボニル}シクロペンチル)メチル]ペンタン酸
【0427】
【化163】

【0428】
ジクロロメタン(8ml)中の、製造例47より得られるエステル(220mg,0.42mmol)およびトリフルオロ酢酸(2ml)の溶液を、室温で3時間撹拌した。その混合物を減圧下で濃縮し、そして残留物をジクロロメタンと共沸させた。その生成物を酢酸エチル中に懸濁させ、水およびブラインで洗浄後、乾燥させ(MgSO)、減圧下で蒸発させて、標題化合物を189mgの無色ガムとして与えた。
【0429】
【化164】

【0430】
製造例53
(2R)−2−[(1−{[((1R)−3−エトキシ−1−{[(6−メチル−3−ピリジニル)メトキシ]メチル}−3−オキソプロピル)アミノ]カルボニル}シクロペンチル)メチル]ペンタン酸
【0431】
【化165】

【0432】
ジクロロメタン(4ml)中の、製造例48より得られるエステル(94mg,0.18mmol)およびトリフルオロ酢酸(1ml)の溶液を、室温で18時間撹拌した。その混合物を減圧下で濃縮し、そして残留物をジクロロメタンと共沸させた。その生成物を水中に溶解させ、そのpHを6に調整し、そして混合物を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機抽出物を乾燥させ(MgSO)、減圧下で蒸発させた。粗生成物を、シリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにより、ジクロロメタン:メタノール(90:10)を溶離剤として用いて精製して、標題化合物を63mgの無色ガムとして与えた。
【0433】
HRMS:m/z(ES)463.2801[MH]C2538の理論値463.2803。
【0434】
製造例54
エチル 5−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}−2−ペンタノエート
【0435】
【化166】

【0436】
メチルスルホキシド(1.9ml,26.8mmol)を、ジクロロメタン(100ml)中のオキサリルクロリド(2.16ml,24.7mmol)の冷却された(−78℃)溶液に加え、そして10分後、ジクロロメタン(25ml)中の3−(tert−ブチルジメチルシラニルオキシ)プロパン−1−オール(3g,15.8mmol)の溶液を滴加した。添加を完了したら、その溶液を更に15分間撹拌した。トリエチルアミン(8ml,57.5mmol)を加えた後、ジクロロメタン(50ml)中の(エトキシカルボニルメチレン)トリフェニルホスホラン(10g,29.9mmol)の溶液を滴加し、その反応混合物を室温に暖めた。その混合物を水(4x)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、減圧下で濃縮した。残留物を、シリカゲル上に予め吸着させ、そしてカラムクロマトグラフィーにより、ジエチルエーテル:ペンタン(2.5:97.5)を溶離剤として用いて精製して、1.3gの標題化合物を与えた。
【0437】
【化167】

【0438】
製造例55
エチル (3R)−3−{ベンジル[(1R)−1−フェニルエチル]アミノ}−5−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}ペンタノエート
【0439】
【化168】

【0440】
n−ブチルリチウム(21.4ml,53.5mmol)を、テトラヒドロフラン(100ml)中の(R)−(+)−N−ベンジル−α−メチルベンジルアミン(12.0g,57.06mmol)の冷却された(−78℃)溶液に加え、その溶液を1時間撹拌した。テトラヒドロフラン(50ml)中の、製造例54より得られる化合物(9.2g,35.7mmol)の溶液を加え、その反応を−78℃で更に2時間撹拌した。飽和塩化アンモニウム溶液(40ml)を加えた後、その混合物を室温に暖めた。その混合物を減圧下で濃縮し、残留物をエーテルと水とに分配し、層を分離した。有機相を乾燥させ(MgSO)、減圧下で蒸発させた。残留する黄色油状物を、シリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにより、ジエチルエーテル:ペンタン(1.5:98.5)を溶離剤として用いて精製して、標題化合物を8.6gの淡黄色油状物として与えた。
【0441】
【化169】

【0442】
製造例56
エチル (3S)−3−{ベンジル[(1S)−1−フェニルエチル]アミノ}−5−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}ペンタノエート
【0443】
【化170】

【0444】
標題化合物を、(S)−(−)−N−ベンジル−α−メチルベンジルアミンおよび製造例54より得られる化合物から、製造例55に記載の手順にしたがって、無色油状物として56%収率で得た。
【0445】
【化171】

【0446】
製造例57
エチル (3R)−3−アミノ−5−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}ペンタノエート
【0447】
【化172】

【0448】
酢酸(100ml)中の、製造例55より得られる化合物(8.6g,18.34mmol)および10%木炭上パラジウム(2.5g)の混合物を、6atmおよび室温で72時間水素化した。その混合物を、Arbocel(登録商標)を介して濾過し、濾液を減圧下で蒸発させた。残留物を、シリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにより、ジクロロメタン:メタノール:0.88アンモニア(98:2:0.2〜95:5:0.5)の溶離勾配を用いて精製して、橙色油状物を生じた。その生成物を酢酸エチル中に溶解させ、その溶液を炭酸ナトリウム溶液で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、減圧下で蒸発させた。残留する油状物を、更に、シリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにより、ジクロロメタン:メタノール:0.88アンモニア(99:1:0.1〜97:3:0.3)の溶離勾配を用いて精製して、3gの標題化合物を与えた。
【0449】
【化173】

【0450】
製造例58
エチル (3S)−3−アミノ−5−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}ペンタノエート
【0451】
【化174】

【0452】
酢酸(150ml)中の、製造例56より得られる化合物(10.0g,21.3mmol)および10%木炭上パラジウム(2.9g)の混合物を、6atmおよび室温で42時間水素化した。その混合物を、Arbocel(登録商標)を介して濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。残留物を、酢酸エチルと飽和重炭酸ナトリウム水溶液とに分配し、層を分離した。水性相を、酢酸エチル(200ml)で更に抽出し、合わせた有機溶液を乾燥させ(MgSO)、減圧下で蒸発させた。粗生成物を、シリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにより、ジクロロメタン:メタノール:0.88アンモニア(95:5:0.5〜90:10:1)の溶離勾配を用いて精製して、標題化合物を4.27gの黄色油状物として与えた。
【0453】
【化175】

【0454】
製造例59
エチル (3R)−3−[({1−[(2R)−2−(tert−ブトキシカルボニル)ペンチル]シクロペンチル}カルボニル)アミノ]−5−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}ペンタノエート
【0455】
【化176】

【0456】
ジクロロメタン(30ml)中の、製造例57より得られるアミン(1.5g,5.45mmol)、1−[(2S)−2−(tert−ブチオキシカルボニルペンチル)]シクロペンタンカルボン酸(WO0202513号,製造例2)(1.7g,6.0mmol)、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(1.15g,6.00mmol)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(811mg,6.0mmol)およびN−メチルモルホリン(1.15ml,10.45mmol)の混合物を、室温で18時間撹拌した。その反応を水で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、減圧下で濃縮した。残留する黄色油状物を、シリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにより、ジクロロメタン:メタノール:0.88アンモニア(95.5:0.5:0.05)を溶離剤として用いて精製して、標題化合物を2.3gの無色油状物として与えた。
【0457】
【化177】

【0458】
製造例60
エチル (3S)−3−[({1−[(2R)−2−(tert−ブトキシカルボニル)ペンチル]シクロペンチル}カルボニル)アミノ]−5−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}ペンタノエート
【0459】
【化178】

【0460】
標題化合物を、1−[(2S)−2−(tert−ブチオキシカルボニルペンチル)]シクロペンタンカルボン酸(WO0202513号,製造例2)および製造例58より得られるアミンから、シリカゲル上のカラムクロマトグラフィーによってペンタン:酢酸エチル(90:10)を用いて化合物を精製し、そしてトルエン:酢酸エチル(94:4〜88:12)の溶離勾配を用いて再度カラムクロマトグラフィーを行ったことを除いて、製造例59に記載されたのと同様の手順にしたがって、無色油状物として56%収率で得た。
【0461】
【化179】

【0462】
製造例61
tert−ブチル (3R)−3−[({1−[(2S)−2−(tert−ブトキシカルボニル)−4−メトキシブチル]シクロペンチル}カルボニル)アミノ]−5−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}ペンタノエート
【0463】
【化180】

【0464】
標題化合物を、(R)tert−ブチル−3−アミノ−5−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)ペンタノエート(J.Org.Chem. 57(7); 1992; 2120)および製造例1より得られる酸から、製造例59に記載の手順にしたがって、粘稠油状物として84%収率で得た。
【0465】
【化181】

【0466】
製造例62
エチル (3S)−3−[({1−[(2S)−2−(tert−ブトキシカルボニル)−4−メトキシブチル]シクロペンチル}カルボニル)アミノ]−5−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}ペンタノエート
【0467】
【化182】

【0468】
標題化合物を、製造例1より得られる酸と、製造例58より得られるアミンから、シリカゲル上のカラムクロマトグラフィーによってペンタン:酢酸エチル(90:10〜75:25)を用いて化合物を精製したことを除いて、製造例59に記載されたのと同様の手順にしたがって、無色油状物として87%収率で得た。
【0469】
【化183】

【0470】
製造例63
エチル (3R)−3−[({1−[(2R)−2−(tert−ブトキシカルボニル)ペンチル]シクロペンチル}カルボニル)アミノ]−5−ヒドロキシペンタンノエート
【0471】
【化184】

【0472】
水(5ml)およびテトラヒドロフラン(5ml)中の、製造例59より得られる保護されたアルコール(1g,1.85mmol)および酢酸(10ml)の混合物を、室温で2時間撹拌した。その反応を減圧下で濃縮し、残留物を酢酸エチル中に溶解させ、飽和炭酸ナトリウム溶液で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、減圧下で濃縮した。残留物を、シリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにより、ジクロロメタン:メタノール:0.88アンモニア(99:1:0.1)を用いて精製して、標題化合物を550mgの無色油状物として与えた。
LRMS:m/z(ES)450[MNa]。
【0473】
製造例64
エチル(3S)−3−[({1−[(2R)−2−(tert−ブトキシカルボニル)ペンチル]シクロペンチル}カルボニル)アミノ]−5−ヒドロキシペンタンノエート
【0474】
【化185】

【0475】
標題化合物を、製造例60より得られる化合物から、製造例63に記載されたのと同様の手順にしたがって、91%収率で得た。
【0476】
【化186】

【0477】
製造例65
tert−ブチル (3R)−3−[({1−[(2S)−2−(tert−ブトキシカルボニル)−4−メトキシブチル]シクロペンチル}カルボニル)アミノ]−5−ヒドロキシペンタノエート
【0478】
【化187】

【0479】
標題化合物を、製造例61より得られる化合物から、製造例63に記載されたのと同様の手順にしたがうが、クロマトグラフィーを伴うことなく、粘稠油状物として得た。
【0480】
【化188】

【0481】
製造例66
エチル (3S)−3−[({1−[(2S)−2−(tert−ブトキシカルボニル)−4−メトキシブチル]シクロペンチル}カルボニル)アミノ]−5−ヒドロキシペンタンノエート
【0482】
【化189】

【0483】
標題化合物を、製造例62より得られる化合物から、製造例63に記載されたのと同様の手順にしたがうが、クロマトグラフィーを伴うことなく、無色油状物として得た。
【0484】
【化190】

【0485】
製造例67
エチル (3R)−3−[({1−[(2R)−2−(tert−ブトキシカルボニル)ペンチル]シクロペンチル}カルボニル)アミノ]−5−フェノキシペンタンノエート
【0486】
【化191】

【0487】
アゾジカルボン酸ジイソプロピル(60μl,0.30mmol)を、テトラヒドロフラン(5ml)中のトリフェニルホスフィン(79mg,0.30mmol)、フェノール(28mg,0.30mmol)および製造例63より得られるアルコール(100mg,0.23mmol)の溶液に加え、その混合物を室温で18時間撹拌した。その混合物を減圧下で濃縮し、残留物をジクロロメタン中に溶解させ、飽和炭酸ナトリウム溶液で洗浄した。次に、有機溶液を乾燥させ(MgSO)、減圧下で濃縮した。残留物を、シリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにより、酢酸エチル:ペンタン(87.5:12.5〜80:20)の溶離勾配を用いて精製して、標題化合物を60mgの無色残留物として与えた。
【0488】
【化192】

【0489】
製造例68〜74
一般式
【0490】
【化193】

【0491】
を有する次の化合物を、製造例63より得られるアルコールおよび対応するアルコールから、製造例67に記載されたのと同様の手順にしたがって製造した。
【0492】
【表10】

【0493】
製造例75〜79
一般式
【0494】
【化194】

【0495】
を有する次の化合物を、製造例64より得られるアルコールおよび対応するアルコールから、製造例67に記載されたのと同様の手順にしたがって製造した。
【0496】
【表11】

【0497】
製造例80
tert−ブチル (3R)−3−[({1−[(2S)−2−(tert−ブトキシカルボニル)−4−メトキシブチル]シクロペンチル}カルボニル)アミノ]−5−(4−クロロフェノキシ)ペンタノエート
【0498】
【化195】

【0499】
標題化合物を、製造例65より得られるアルコールと、p−クロロフェノールから、製造例67に記載の手順にしたがって、油状物として得た。
【0500】
【化196】

【0501】
製造例81
エチル (3S)−3−[({1−[(2S)−2−(tert−ブトキシカルボニル)−4−メトキシブチル]シクロペンチル}カルボニル)アミノ]−5−(4−クロロフェノキシ)ペンタンノエート
【0502】
【化197】

【0503】
標題化合物を、製造例66より得られるアルコールと、p−クロロフェノールから、シリカゲル上のカラムクロマトグラフィーによってトルエン:メタノール(99:1〜98:2)の溶離勾配を用いて粗生成物を精製し、そしてエーテル:ペンタン(25:75〜80:20)の溶離勾配を用いて再度カラムクロマトグラフィーを行ったことを除いて、製造例67に記載の手順にしたがって、油状物として得た。
【0504】
【化198】

【0505】
製造例82
(2R)−2−({1−[({(1R)−1−[2−(3−クロロフェノキシ)エチル]−3−エトキシ−3−オキソプロピル}アミノ)カルボニル]シクロペンチル}メチル)ペンタン酸
【0506】
【化199】

【0507】
ジクロロメタン(2ml)中の、製造例69より得られるエステル(45mg,0.08mmol)およびトリフルオロ酢酸(0.5ml)の溶液を、室温で18時間撹拌した。その反応を減圧下で濃縮し、そして残留物をトルエンと共沸させて、40mgの標題化合物を与えた。
LRMS:m/z(ES)482[MH]
【0508】
製造例83〜85
一般式
【0509】
【化200】

【0510】
を有する次の化合物を、対応する tert−ブチルエステルから、製造例82に記載されたのと同様の手順にしたがって、無色油状物として製造した。
【0511】
【表12】

【0512】
製造例86
(2R)−2−({1−[({(1S)−1−[2−(4−クロロフェノキシ)エチル]−3−エトキシ−3−オキソプロピル}アミノ)カルボニル]シクロペンチル}メチル)ペンタン酸
【0513】
【化201】

【0514】
ジクロロメタン(4ml)およびトリフルオロ酢酸(2ml)中の、製造例81より得られるエステル(390mg,0.72mmol)の溶液を、室温で3時間撹拌した。その混合物を減圧下で濃縮し、そして残留物を、シリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにより、ジクロロメタン:メタノール(99:1〜95:5)の溶離勾配を用いて精製して、標題化合物を249mgの無色油状物として与えた。
【0515】
【化202】

【0516】
製造例87〜90
一般式
【0517】
【化203】

【0518】
を有する次の化合物を、対応するエステルから、製造例86に記載の手順にしたがって製造した。
【0519】
【表13】

【0520】
製造例91
(3S)−3−[({1−[(2S)−2−(tert−ブトキシカルボニル)−4−メトキシブチル]シクロペンチル}カルボニル)アミノ]−5−(4−クロロフェノキシ)ペンタン酸
【0521】
【化204】

【0522】
水酸化ナトリウム溶液(3ml,2N)を、テトラヒドロフラン(3ml)中の、製造例81より得られるエステル(500mg,0.90mmol)の溶液に加え、その反応を還流下で5時間撹拌した。冷却した混合物を、酢酸エチル(30ml)と2M塩酸(10ml)とに分配し、層を分離した。水性相を、追加の酢酸エチル(30ml)で抽出し、合わせた有機溶液をブライン(20ml)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、減圧下で蒸発させた。粗生成物を、シリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにより、ジクロロメタン:メタノール(96:4〜90:10)の溶離勾配を用いて精製して、標題化合物を298mgの無色油状物として与えた。
【0523】
【化205】

【0524】
製造例92
ブチル (3S)−3−[({1−[(2S)−2−(tert−ブトキシカルボニル)−4−メトキシブチル]シクロペンチル}カルボニル)アミノ]−5−(4−クロロフェノキシ)ペンタノエート
【0525】
【化206】

【0526】
N,N−ジメチルホルムアミド(2ml)中の、製造例91より得られる酸(280mg,0.53mmol)、炭酸カリウム(74mg,0.53mmol)およびn−ブチルヨージド(67μl,0.59mmol)の混合物を、室温で18時間撹拌した。その混合物を減圧下で濃縮し、そして残留物を、エーテル(50ml)と水(25ml)とに分配し、層を分離した。有機相を、2N水酸化ナトリウム(15ml)で、次にブライン(20ml)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、減圧下で蒸発させた。残留する橙色油状物を、最小容量のジクロロメタン中に溶解させ、そしてその溶液を、シリカゲルを介して、ジクロロメタン:メタノール溶液(25ml,97.5:2.5)で充分に洗浄しながら濾過し、濾液を減圧下で蒸発させて、標題化合物を289mgの無色油状物として与えた。
【0527】
【化207】

【0528】
製造例93
tert−ブチル (3S)−6−(4−クロロフェニル)−3−[(ベンジルオキシカルボニル)アミノ]ヘキサノエート
【0529】
【化208】

【0530】
トリエチルアミン(1.2ml,8.9mmol)、次にジフェニルホスホリルアジド(1.6ml,7.4mmol)を、トルエン(250ml)中の2−(4−クロロフェニルプロピル)コハク酸水素4−tert−ブチル(WO9504033号中間体2f)(2.4g,7.4mmol)の溶液に加え、その溶液を、室温で30分間、次に還流下で更に3時間撹拌した。混合物を50℃に冷却し、ベンジルアルコール(2.3ml,22.3mmol)を加え、反応を還流下で18時間加熱した。冷却した混合物を減圧下で濃縮し、残留物を酢酸エチル(125ml)中に溶解させた。この溶液を、飽和塩化アンモニウム溶液(100ml)、ブライン(100ml)および水(100ml)で洗浄後、乾燥させ(MgSO)、減圧下で濃縮した。その生成物を、シリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにより、酢酸エチル:ペンタン(6:94)を溶離剤として用いて精製して、標題化合物を1.59gの無色油状物として与えた。
【0531】
【化209】

【0532】
製造例94
(3S)−3−アミノ−6−(4−クロロフェニル)ヘキサン酸臭化水素酸塩
【0533】
【化210】

【0534】
酢酸中の臭化水素(30wt.%,50ml)を、酢酸(100ml)中の、製造例93より得られる保護されたアミノ酸(1.5g,34.7mmol)の溶液に加え、その反応を室温で5時間撹拌した。その混合物を減圧下で濃縮し、残留物をジクロロメタンと共沸させて、標題化合物を1.13gの橙色粉末として与えた。
【0535】
【化211】

【0536】
製造例95
tert−ブチル (3S)−3−アミノ−5−(4−メトキシフェニル)ヘキサノエート
【0537】
【化212】

【0538】
tert−ブチル (3S)−3−{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}−5−(4−メトキシフェニル)ヘキサノエートを、2−(4−メトキシフェニルプロピル)コハク酸水素4−tert−ブチル(WO9504033号中間体4)から、製造例93に記載の手順にしたがって、無色油状物として32%収率で製造した。この化合物(110mg,0.26mmol)、10%木炭上パラジウム(20mg)およびエタノール(10ml)の混合物を、室温で18時間水素化した。その反応を濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。残留物を、シリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにより、ジクロロメタン:メタノール:0.88アンモニア(98:2:0.2)を2回用いて精製して、標題化合物を与えた。
【0539】
【化213】

【0540】
製造例96
エチル (3S)−3−アミノ−6−(4−クロロフェニル)ヘキサンノエート 塩酸塩
【0541】
【化214】

【0542】
エタノール性塩化水素(45ml)を、エタノール(45ml)中の、製造例94より得られる酸(1.06g,3.29mmol)の溶液に加え、その反応を室温で6時間撹拌した。その混合物を減圧下で蒸発させて、標題化合物を1.1gの橙色油状物として与えた。
【0543】
【化215】

【0544】
製造例97
エチル (3S)−3−[({1−[(2S)−2−(tert−ブトキシカルボニル)−4−メトキシブチル]シクロペンチル}カルボニル)アミノ]−6−(4−クロロフェニル)ヘキサンノエート
【0545】
【化216】

【0546】
1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(486mg,3.60mmol)、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(690mg,3.60mmol)およびN−メチルモルホリン(1.32g,13.08mmol)を、ジクロロメタン(50ml)中の、製造例96より得られるアミン(1.0g,3.27mmol)および製造例1より得られる酸(980mg,3.27mmol)の溶液に加え、その反応を室温で18時間撹拌した。その反応を、ジクロロメタン(100ml)で希釈し、ブライン(2x100ml)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、減圧下で蒸発させた。残留するガムを、シリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにより、ペンタン:酢酸エチル(85:15)を用いて精製して、1.31gの標題化合物を生じた。
【0547】
【化217】

【0548】
製造例98
tert−ブチル (3S)−3−[({1−[(2S)−2−(tert−ブトキシカルボニル)−4−メトキシブチル]シクロペンチル}カルボニル)アミノ]−6−(4−メトキシフェニル)ヘキサノエート
【0549】
【化218】

【0550】
標題化合物を、製造例95より得られるアミンおよび製造例1より得られる酸から、製造例97に記載の手順にしたがって、67%収率で得た。
【0551】
【化219】

【0552】
製造例99
tert−ブチル(2R)−2−[(1−{[((1R)−1−{[(4−クロロベンジル)オキシ]メチル}−3−エトキシ−3−オキソプロピル)アミノ]カルボニル}シクロペンチル)メチル]ペンタノエート
【0553】
【化220】

【0554】
標題化合物を、製造例15より得られる酸と、エチルヨージドから、製造例24に記載の手順にしたがって、無色油状物として77%収率で製造した。
【0555】
【化221】

【0556】
生物学的検定
NEPおよびACEに対する本発明の化合物のIC50値を、公開特許出願EP1097719−A1号の段落[0368]〜[0376]に記載された方法を用いて決定した。下に示されるIC50値は、ヒト腎からのNEP(E.C.3.4.24.11)を用いて決定した。
【0557】
本発明の化合物は、NEPの強力な阻害剤であり且つACEに対して選択的である。
全ての二酸の実施例の標題化合物は、NEPに対して250nM未満のIC50を示した。
【0558】
実施例1〜5、7、10〜16、31〜42、44、46、48、53および54の標題化合物は、NEPに対する50nM未満またはそれに等しいIC50と、ACEに優先する300倍を超える選択性を示した。
【0559】
具体的には、実施例16の標題化合物は、8.2nMのNEPに対するIC50を示し;実施例41の標題化合物は、6.3nMのNEPに対するIC50を示し;実施例48の標題化合物は、2.4nMのNEPに対するIC50を示し;実施例53の標題化合物は、0.7nMのNEPに対するIC50を示し;そして実施例54の標題化合物は、4.7nMのNEPに対するIC50を示した。全てのこれら実施例の標題化合物は、ACEに対して300倍を超えて選択的であった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)
【化1】

(式中、Rは、C−Cアルキル、C−CアルコキシC−CアルキルまたはC−CアルコキシC−CアルコキシC−Cアルキルであり;
は、水素またはC−Cアルキルであり;
Lは、−CH−X−CH−および−CH−CH−X−より選択される三原子結合であり、ここにおいて、当該結合の右側はRに結合しており、そしてXは、酸素、硫黄またはメチレンであり;
は、フェニルまたは芳香族ヘテロシクリルであり、そのどちらも、C−Cアルキル、ハロ、ハロC−Cアルキル、C−Cアルコキシ、ハロC−Cアルコキシ、C−Cアルキルチオ、ハロC−Cアルキルチオおよびニトリルより選択される1個またはそれを超える基で独立して置換されていてよく;そして
およびRは両方とも水素であるか、またはRおよびRの一方が水素であり、もう一方は、患者の体内において水素で置き換えられる生体不安定性(biolabile)エステル形成性基である)
を有する化合物、またはその薬学的に許容しうる塩もしくは溶媒和化合物。
【請求項2】
が、C−CアルキルまたはC−CアルコキシC−Cアルキルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
が、プロピルまたはメトキシエチルである、請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
が水素である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項5】
Lが、−CH−O−CH−、−CH−CH−O−およびCH−CH−CH−より選択される三原子結合であり、当該結合の右側がRに結合している、請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項6】
Lが、−CH−CH−O−またはCH−CH−CH−である、請求項5に記載の化合物。
【請求項7】
が、C−Cアルキル、ハロ、ハロC−Cアルキル、C−Cアルコキシ、ハロC−Cアルコキシ、C−Cアルキルチオ、ハロC−Cアルキルチオおよびニトリルより選択される1個またはそれを超える基で独立して置換されていてよいフェニルである、請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項8】
が、C−Cアルキル、ハロ、ハロC−Cアルキル、C−CアルコキシおよびハロC−Cアルコキシより選択される1個またはそれを超える基で独立して置換されていてよいフェニルである、請求項7に記載の化合物。
【請求項9】
が、4−フルオロフェニル、4−クロロフェニル、4−メトキシフェニルまたは4−メチルフェニルである、請求項8に記載の化合物。
【請求項10】
生体不安定性エステル形成性基が、それらの各々が置換されていてよい、C−Cアルキル、カルボシクリルまたはヘテロシクリルである、請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項11】
生体不安定性エステル形成性基が、
(i)ヒドロキシ、オキソ、ハロ、ハロC−Cアルキル、C−Cアルコキシ、ハロC−Cアルコキシ、C−Cアルキルチオ、ハロC−Cアルキルチオ、ニトリル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、カルボシクリルオキシ、ヘテロシクリルオキシ、C−Cアルキルカルボニルオキシ、カルボシクリルカルボニルオキシ、ヘテロシクリルカルボニルオキシ、アルキルカルボニルアミノおよびアルキルアミノカルボニルで場合により置換されていてよいC−Cアルキル(ここにおいて、いずれのカルボシクリル基またはヘテロシクリル基も、C−Cアルキル、ハロ、ハロC−Cアルキル、C−Cアルコキシ、ハロC−Cアルコキシ、C−Cアルキルチオ、ハロC−Cアルキルチオまたはニトリルで場合により置換されていてよい);または
(ii)C−Cアルキル、ハロ、ハロC−Cアルキル、C−Cアルコキシ、ハロC−Cアルコキシ、C−Cアルキルチオ、ハロC−Cアルキルチオまたはニトリルで場合により置換されていてよいカルボシクリルまたはヘテロシクリル
である、請求項10に記載の化合物。
【請求項12】
いずれかの炭素環式基がフェニルであり、いずれかの複素環式基が芳香族である、請求項11に記載の化合物。
【請求項13】
生体不安定性エステル形成性基が、次のリスト:
エチル、プロピル、ブチル、イソブチル、シクロペンチル、ベンジル、1−(2,2−ジエチルブチリルオキシ)エチル、2−エチルプロピオニルオキシメチル、1−(2−エチルプロピオニルオキシ)エチル、1−(2,4−ジメチルベンゾイルオキシ)エチル、1−ベンゾイルオキシ)ベンジル、1−(ベンゾイルオキシ)エチル、2−メチル−1−プロピオニルオキシプロピル、2,4,6−トリメチルベンゾイルオキシメチル、1−(2,4,6−トリメチルベンジルオキシ)エチル、ピバロイルオキシメチル、フェネチル、フェンプロピル、2,2,2−トリフルオロエチル(trifluororethyl)、1−ナフチル、2−ナフチル、2,4−ジメチルフェニル、4−t−ブチルフェニル、5−(4−メチル−1,3−ジオキサリニル−2−オニル)メチル、N,N−ジエチルアミノカルボニルメチルおよび5−インダニル
より選択される、請求項11に記載の化合物。
【請求項14】
およびRが、両方とも水素である、請求項1〜13のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項15】
化合物が、式(Ia)
【化2】

を有する、請求項1〜14のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項16】
が、C−CアルキルまたはC−CアルコキシC−Cアルキルであり;
が水素であり;
Lが、−CH−O−CH−、−CH−CH−O−およびCH−CH−CH−より選択される三原子結合であり、当該結合の右側はRに結合しており;
が、C−Cアルキル、ハロ、ハロC−Cアルキル、C−Cアルコキシ、ハロC−Cアルコキシ、C−Cアルキルチオ、ハロC−Cアルキルチオおよびニトリルより選択される1個またはそれを超える基で独立して置換されていてよいフェニルであり;そして
およびRが、両方とも水素であるか、またはRおよびRの一方が水素であり、もう一方が、患者の体内において水素で置き換えられる生体不安定性エステル形成性基である、請求項15に記載の化合物。
【請求項17】
が、プロピルまたはメトキシエチルであり;
が水素であり;
Lが、−CH−CH−O−またはCH−CH−CH−であり、当該結合の右側はRに結合しており;
が、4−フルオロフェニル、4−クロロフェニル、4−メトキシフェニルまたは4−メチルフェニルであり;そして
およびRが両方とも水素である、請求項16に記載の化合物。
【請求項18】
(2S)−2−[(1−{[((1R)−2−カルボキシ−1−{[(4−クロロベンジル)オキシ]メチル}エチル)アミノ]カルボニル}シクロペンチル)メチル]−4−メトキシブタン酸(実施例16);
(3S)−3−[({1−[(2R)−2−カルボキシペンチル]シクロペンチル}カルボニル)アミノ]−5−(4−クロロフェノキシ)ペンタン酸(実施例41);
エチル (3S)−3−[({1−[(2S)−2−カルボキシ−4−メトキシブチル]シクロペンチル}カルボニル)アミノ]−5−(4−クロロフェノキシ)ペンタノエート(実施例47);
(3S)−3−[({1−[(2S)−2−カルボキシ−4−メトキシブチル]シクロペンチル}カルボニル)アミノ]−5−(4−クロロフェノキシ)ペンタン酸(実施例48);
(2S)−2−({1−[({(1S)−3−ブトキシ−1−[2−(4−クロロフェノキシ)エチル]−3−オキソプロピル}アミノ)カルボニル]シクロペンチル}メチル)−4−メトキシブタン酸(実施例49);
(3S)−3−[({1−[(2S)−2−カルボキシ−4−メトキシブチル]シクロペンチル}カルボニル)アミノ]−6−(4−クロロフェニル)ヘキサン酸(実施例53);
エチル (3S)−3−[({1−[(2S)−2−カルボキシ−4−メトキシブチル]シクロペンチル}カルボニル)アミノ]−6−(4−クロロフェニル)ヘキサノエート(実施例52);および
(3S)−3−[({1−[(2S)−2−カルボキシ−4−メトキシブチル]シクロペンチル}カルボニル)アミノ]−6−(4−メトキシフェニル)ヘキサン酸(実施例54)
より選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項19】
中性エンドペプチダーゼの阻害によって有益な応答が得られる状態を処置または予防するための薬剤の製造における、請求項1〜18のいずれか1項において定義されている化合物、その薬学的に許容しうる塩、溶媒和化合物、多形またはプロドラッグの使用。
【請求項20】
前記状態が、心臓血管疾患または状態である、請求項19に記載の使用。
【請求項21】
前記状態が高血圧症である、請求項20に記載の使用。
【請求項22】
前記状態が、女性性機能不全または男性勃起機能不全である、請求項19に記載の使用。
【請求項23】
薬剤として用いるための、請求項1〜18のいずれか1項において定義されている化合物、その薬学的に許容しうる塩、溶媒和化合物、多形またはプロドラッグ。
【請求項24】
哺乳動物における中性エンドペプチダーゼの阻害によって有益な応答が得られる状態を処置または予防する方法であって、当該哺乳動物を、治療的に有効な量の請求項1〜18のいずれか1項において定義されている化合物、その薬学的に許容しうる塩、溶媒和化合物、多形またはプロドラッグで処置することを含む方法。
【請求項25】
前記状態が、請求項20、21または22に定義されているものである、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
請求項1〜18のいずれか1項において定義されている化合物、その薬学的に許容しうる塩、溶媒和化合物、多形またはプロドラッグを、薬学的に許容しうる賦形剤、希釈剤または担体と一緒に含む医薬組成物。
【請求項27】
請求項1〜18のいずれか1項において定義されている化合物と、次のリストより選択される一つまたはそれを超える活性成分との組合せ:
(a)ロサルタン(losartan)、ヴァルサルタン(valsartan)、テルミサルタン(telmisartan)、カンデサルタン(candesartan)、イルベサルタン(irbesartan)、エプロサルタン(eprosartan)およびオルメサルタン(olmesartan)のようなアンギオテンシン受容体遮断薬(ARB);
(b)アムロジピンのようなカルシウムチャンネル遮断薬(CCB);
(c)アトルバスタチンのようなスタチン;
(d)シルデナフィル、タダラフィル(tadalafil)、ヴァルデナフィル(vardenafil)、5−[2−エトキシ−5−(4−エチルピペラジン−1−イルスルホニル)ピリジン−3−イル]−3−エチル−2−[2−メトキシエチル]−2,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン;5−(5−アセチル−2−ブトキシ−3−ピリジニル)−3−エチル−2−(1−エチル−3−アゼチジニル)−2,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン;およびWO00/27848号に開示されたピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−4−オン類、特にN−[[3−(4,7−ジヒドロ−1−メチル−7−オキソ−3−プロピル−1H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−5−イル)−4−プロポキシフェニル]スルホニル]−1−メチル2−ピロリジンプロパンアミド[DA−8159(WO00/27848号の実施例68)]のようなPDE5阻害剤;
(e)アテノロールまたはカルベディロールのようなβ遮断薬;
(f)キナプリル(quinapril)、エナラプリルおよびリジノプリル(lisinopril)のようなACE阻害剤;
(g)ドキサゾシンのようなα遮断薬;
(h)エプレレノン(eplerenone)またはスピロノラクトンのような選択的アルドステロン受容体アンタゴニスト(SARA);
(i)リルメニジン(rilmenidine)のようなイミダゾリンIアゴニスト;および
(j)エンドセリン受容体アンタゴニストおよびエンドセリン変換酵素阻害剤。

【公表番号】特表2006−511575(P2006−511575A)
【公表日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−561829(P2004−561829)
【出願日】平成15年12月10日(2003.12.10)
【国際出願番号】PCT/IB2003/005888
【国際公開番号】WO2004/056750
【国際公開日】平成16年7月8日(2004.7.8)
【出願人】(593141953)ファイザー・インク (302)
【Fターム(参考)】