説明

エンドユーザのプリファレンスに応じた自動無線デバイスメッセージ管理

【課題】ユーザのプリファレンスに基づく無線電話による自動メッセージ検索を開示する。
【解決手段】本発明の方法によれば、ユーザのためのメッセージがコンピューティングデバイスにあることを示す通知が無線デバイス上で受信される。ユーザに関連する1または2以上のルールは受信したメッセージに基づいて評価される。また、本方法によれば、評価されたルールの関数としてメッセージがコンピューティングデバイスに要求され、コンピューティングデバイスから受信される。さらに、本発明によれば、受信したメッセージは、ユーザに渡すために無線電話のメモリエリアにストアされる。別の方法として、ユーザに関連する1または2以上のルールは、無線電話とのユーザのやりとりをモニタすることによって動的に生成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、一般的には、モバイルデバイスのための音声メール検索の分野に関する。具体的には、本発明の実施形態は無線デバイス上でエンドユーザのプリファレンス(preference:好みの設定)とコンフィギュレーション(configuration)に従ってメッセージを動的に検索することに関する。
【背景技術】
【0002】
セルラ(cellular)またはモバイル(mobile)デバイスの人気は著しく増加している。従来の有線(coded)またはランドライン(land-line:陸上通信)電話とは異なり、セルラまたはモバイルデバイスでは、個人が他人と通信するときの携帯性(portability)、柔軟性(flexibility)および利便性(convenience)が改善されている。さらに、モバイル電話(携帯電話)テクノロジの継続的進歩、ビリングプランプライス(billing plan prices)の低下、およびモバイルサービスプロバイダ(以下、「サービスプロバイダ」と称す)によるサービスエリア(coverage area)が絶えず拡張していること、などの要因により、セルラまたは他のモバイル無線デバイスは、多くの人々の日常生活に浸透するようになった。
【0003】
現在では、無線電話を使用するために、ユーザは、1または2年のビリングプランやサービスプロバイダが提供する短期契約(例えば、月ごとまたはプリペイドビリングプラン)でもって無線電話を購入することが多い。ビリングプランは、割当て月間無線使用量(allotted monthly wireless usage)に対して月間サービス料をユーザに課しているのが通常である。例えば、月間サービス料は、毎月300分間の無線使用量に対して$29.99になることがある。割当て月間使用量が増加すると、分ごとのレート(例えば、毎分$0.40)でユーザに分単位で課され、ユーザは、サービスプロバイダのサービスエリアから出たときはローミング(roaming)料金を支払っている。ビリングプランは、音声メール、テキストメッセージング、発信者ID(caller identification)、コール待ち(call waiting)などの機能を提供しているのが通常である。さらに、無線電話のタイプに応じて、サービスプロバイダは、リングトーンダウンロード(ring-tone download)、インターネットアクセス、eメール送信、ピクチャ付きeメール送信(例えば、デジタルカメラ内蔵の無線電話による)などの追加サービスを提供している場合もある。
【0004】
また、多くの無線電話は、電話帳、スピードダイアリング(speed dialing)、カレンダ、オルガナイザ(organizer)などの機能を備えている。その結果、ユーザは、特定の個人または個人グループ(例えば、家族)がコールしたとき特定のリングトーンといった、個人的デバイスプリファレンス(device preferences)をセットするのが通常である。別の方法として、ユーザは電話番号を電話帳にインプットしたり、タイムゾーンに応じて時計をセットしたりすることがある。
【0005】
ユーザは、ユーザのプリファレンスを無線電話にセットしてデバイスの使い方を定義できるのに対し、ユーザは、ユーザのプリファレンスを無線電話でセットしてメッセージおよび/または電話コールをどのように受信するかを定義することはできなかった。例えば、ユーザが着信コールに応答するのに失敗したときは、サービスプロバイダは、サービスプロバイダが管理する音声メールメッセージングシステムにそのコールを転送するのが普通である。音声メールメッセージングシステムは、事前に録音された挨拶(例えば、ユーザによって録音またはシステムデフォルトによって割り当てられた)を演奏し、メッセージをユーザのために残しておくことをコーラに指示している。メッセージは受信され、将来のプレイバックに備えてサービスプロバイダのデータストレージにストアされる。
【0006】
音声メッセージを検索し、聞くために、従来の無線電話システムは、可視(visual)または可聴(audible)通知をユーザの無線電話に送信して、待ちの音声メールがあることを知らせているのが代表的である。そのとき、ユーザは音声メールメッセージングシステムをコールし、パスワードを入力し、メニューオプションセットをナビゲートしてメッセージを検索しなければならない。メッセージを検索するために使用された無線使用量は、ユーザの割当て月間使用量と突き合わせてカウントされるのが代表的である。メッセージの受信状況が悪いか、あるいはメッセージが長いためにユーザがメッセージを再生したい場合には、コールが延長されることもある。
【0007】
一部のシステムは、音声メールメッセージをユーザの無線電話に自動的にプッシュしてストアするようにしている。しかし、ユーザは長い音声メールメッセージを無線電話にストアすることを望まないこともあれば、無線電話のストレージがメッセージをストアするのに十分でないこともある。一部の他のシステムは、各メッセージをダウンロードするかどうかを決定するようにユーザに指示している。しかし、これらのシステムでは、ユーザは、音声メールメッセージ通知が受信されるたびにダウンロードするかどうかの決定を行なう必要がある。無線電話のストレージがメッセージをストアするのに十分である場合でも、この反復的やりとりはユーザ体験を悪化させている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
以上により、上記および他の問題点を解決するためにエンドユーザのプリファレンスに応じてメッセージを動的にかつ自動的に検索するためのクライアント起動システム(client-initiated system)が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の実施形態によれば、無線デバイス上でユーザのプリファレンスまたはルールに応じてユーザがメッセージを動的にかつ自動的に検索することを可能にしている。従って、ユーザはメッセージを効率的に、好都合にかつ自動的に検索することができる。ユーザのプリファレンスは、ユーザ固有(user-specific)にすることも、デバイス固有(device-specific)にすることも、特定のメッセージタイプ固有にすることもできる。さらに、本発明の実施形態によれば、これらのプリファレンスを動的に生成するために無線デバイスとのユーザのやりとり(interaction)がモニタされる。本発明の一実施形態では、音声メールメッセージをダウンロードするとき、または聞くときに発生するコストを最小限にするために、プリファレンスはサービスプロバイダのコンフィギュレーション(例えば、ビリングプラン)に適応されている。その結果、本発明によれば、無線デバイスでのユーザ体験は大幅に向上されている。
【0010】
本発明の一側面によるコンピュータ化方法によれば、メッセージは、ユーザのプリファレンスに基づいて無線電話によって検索される。本コンピュータ化方法によれば、ユーザのためのメッセージがコンピューティングデバイスにあることを示す通知が無線電話上で受信される。ユーザに関連する1または2以上のルールは受信した通知に基づいて評価される。これらのルールは1または2以上のユーザのプリファレンスを指定している。また、本コンピュータ化方法によれば、評価されたルールの関数としてメッセージが自動的にコンピューティングデバイスに要求される。さらに、本コンピュータ化方法によれば、要求されたメッセージは、指定されたユーザのプリファレンスに従ってコンピューティングデバイスから受信される。受信されたメッセージは、ユーザに渡すために無線電話のメモリエリアにストアされる。
【0011】
本発明の別の側面によるシステムは、クライアント無線インタフェース、メモリエリア、およびプロセッサを備えている。クライアント無線インタフェースはサーバと通信し、クライアント無線インタフェースはクライアント無線デバイスと関連付けられている。メモリエリアは検索条件(retrieval conditions)をストアしている。プロセッサは、ユーザとクライアント無線デバイスとの間のやりとりをモニタするためのコンピュータ実行可能命令を実行するように構成されている。また、プロセッサは、クライアント無線インタフェースを通してサーバからメッセージ待ち通知(message waiting notification)を受信し、メモリエリアにストアされた検索条件を、モニタしたやりとりの関数として動的に生成するためのコンピュータ実行可能命令を実行する。さらに、プロセッサは、生成された検索条件を、受信したメッセージ待ち通知に基づいて評価し、評価した検索条件の関数としてメッセージをサーバに自動的に要求するためのコンピュータ実行可能命令を実行する。さらに、プロセッサは、要求したメッセージをサーバから受信し、受信したメッセージを、ユーザに渡すためにメモリエリアにストアしておくためのコンピュータ実行可能命令を実行する。ユーザインタフェースは受信したメッセージを、ユーザからの要求に応答してユーザに渡す。
【0012】
さらに本発明の別の側面によれば、1または2以上のコンピュータ可読媒体(computer-readable media)は、ユーザのプリファレンスに基づいて無線電話によってメッセージを自動検索するためのコンピュータ実行可能コンポーネントを収めている。インジケータコンポーネント(indicator component)は、ユーザのためのメッセージがコンピューティングデバイスにあることを示す通知を無線電話上で受信する。ルールコンポーネント(rule component)は、ユーザによって定義された1または2以上のプリファレンスを、インジケータコンポーネントが受信した通知に基づいて分析する。検索コンポーネント(retrieval component)は、分析されたプリファレンスの関数としてメッセージをコンピューティングデバイスに自動的に要求し、要求したメッセージをコンピューティングデバイスから受信する。メモリコンポーネント(memory component)は、受信したメッセージを、ユーザに渡すために無線電話のメモリエリアにストアしておく。
【0013】
別の実施形態によれば、本発明には種々の他の方法および装置を含めることが可能である。
【0014】
その他の特徴は、一部は自明であり、一部は以下に説明されている。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施形態によるユーザプリファレンスに基づいて無線電話によってメッセージを自動的に検索するシステムを例示する図である。
【図2】本発明の一実施形態による無線電話上のユーザに関連するルールを例示する図である。
【図3】本発明の一実施形態による無線電話のユーザインタフェースを例示する図である。
【図4】本発明の一実施形態による無線電話のユーザインタフェースを例示する図である。
【図5】本発明の一実施形態によるユーザプリファレンスに基づいて無線電話によってメッセージを自動的に検索する方法を示すフローチャートである。
【図6】本発明の一実施形態による無線電話のコンピューティング環境の例を示すブロック図である。
【図7】本発明を実現することができる適当なコンピューティングシステム環境の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
添付された全図を通して類似部品は類似符号で示されている。
最初に図1を参照して説明すると、図1は、本発明の一実施形態によるユーザのプリファレンスに基づいて無線電話(wireless telephone)108によってメッセージを自動的に検索するためのシステム100を例示する図である。図1には無線電話が示されているが、本発明は無線電話に限定されない。本発明は、メッセージへのアクセスを可能にし、メッセージ用のストレージエリアを備えた無線デバイスや他のデバイスならば、どのデバイスとも操作可能である。システム100は、コンピューティングデバイス102と無線電話108を具備している。一実施形態では、コンピューティングデバイス102は、通信ネットワーク(例えば、イントラネット、インターネットなど)によってリンクされたコンピュータ、コンピュータサーバ、またはサーバの集まりを含んでいる。別の実施形態では、コンピューティングデバイス102は、音声メールメッセージ、短メッセージサービス(short message service - SMS)メッセージなどのテキストメッセージ、インスタントメッセージ、モバイルメッセージ、グラフィカルメッセージ(例えば、ピクチャ、アイコン、または他の図形要素)、電子メール(つまり、eメール)などを、無線サービスユーザのために処理するように構成されたメッセージングコンピュータシステムにすることができる。また、コンピューティングシステム102は、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、または1または2以上の揮発性または不揮発性メモリの組み合わせのように、メッセージ104などのデータをストアするための記憶媒体を備えることもできる。
【0017】
無線電話108は、モバイル/セルラ電話(携帯電話)、モバイルデバイス、無線デバイス、パーソナルデジタルアシスタント(personal digital assistant - PDA)、またはメッセージ104のようなメッセージを送受信する機能を備えた他の無線デバイスにすることができる。無線電話108は、インジケータコンポーネント106、ルールコンポーネント110、検索コンポーネント112、メモリ114、およびディスプレイ116を装備している。無線電話108は、図6に示すようにプロセッサおよび他のコンポーネントを装備することも可能である。また、当然に理解されるように、本発明の範囲を逸脱しない限り、無線電話108の追加コンポーネントまたはデバイスを実装させることが可能である。
【0018】
最初に、ユーザ118は、コンピューティングデバイス102の側面を管理し、制御するサービスプロバイダとの無線電話サービスを確立する。無線電話サービスとしては、発信者(caller)ID、コール待ち(call waiting)、音声メール、テキストメッセージングなどのサービスがある。ユーザ118が無線電話108に行なわれた電話コールに応答するのに失敗したときは、コンピューティングデバイス102は、コンピューティングデバイス102によってアクセス可能なストレージエリアにそのコールを送り、メッセージをユーザ118のために残しておくように発信者に指示する。発信者がメッセージをユーザ118のために残しておくと、コンピューティングデバイス102は、ユーザ118のためのメッセージ104があることを示すデータを収めた信号形式の通知120を送信する。インジケータコンポーネント106は、例えば、無線電話108のアンテナ(図示せず)とトランシーバ(図示せず)を使用して信号を受信する。コンピューティングデバイス102からの信号を検出すると、インジケータコンポーネント106は、ユーザ118のためのメッセージ104がコンピューティングデバイス120にあることを示す通知120を受信する。
【0019】
インジケータコンポーネント106からの受信通知120に応答して、無線電話108のルールコンポーネント110は、ユーザ118に関連する1または2以上のルール、プリファレンス(preferences)などを評価する。図2は、本発明の一実施形態による無線電話上のユーザ118に関連するルールまたはプリファレンスの例を示す図である。具体的には、図2には、無線電話108上のユーザ118に関連する例示ルールまたはプリファレンス202を設定するためのナビゲーションメニュー例が示されている。例えば、無線電話108のディスプレイ116は、無線電話108をカスタマイズする際の、いくつかのナビゲーションルールまたはプリファレンスをユーザ118に提示している。ユーザに関連するルールを設定するためのルールオプション(rule option)202には、ルールまたはプリファレンスの1つを含めることができる。さらに、ルールオプション202には、サービスルールオプション(service rule option)204とデバイスルールオプション(device rule option)210などの、より詳細なオプションが用意されている。サービスルールオプションの1つとして、ルールセット208をもつ音声メールルールオプション206がある。一実施形態では、ルールセット208の中には、アクセスとピン番号セッティング(pin number setting)のためのルール、ダウンロードルール、および/またはユーザ118がサービスプロバイダのサービスエリア(coverage area)の外にいるとき(例えば、ローミングしているとき)発信者をユーザの音声メールボックスに仕向けるようにコンピューティングデバイス102に自動的に指示するためのルールが含まれている。
【0020】
引き続き図2を参照して説明すると、具体的には、「ダウンロード」ルールには、遅延なしの自動ダウンロード(automatic download with no delay)または5分または10分待った後の自動ダウンロードといった、追加のプロビジョン(provisions)が含まれている。ユーザ118は、以下に列挙する「ダウンロード」ルールオプションのどれか、すなわち、すべてのメッセージをダウンロードする、ローミング中でないときメッセージをダウンロードする、ユーザの総無線費用と突き合わせて分単位でカウントされていない期間だけメッセージをダウンロードする、最近の5メッセージだけをダウンロードする、発信者の情報だけをダウンロードし、実際の音声メールメッセージをダウンロードしない、メッセージをダウンロードする前に無線電話108のメモリ容量をチェックする、テキストメッセージだけをダウンロードする、グラフィカルメッセージだけをダウンロードする、または最後の3分以内にメッセージをダウンロードする、を選択することもできる。一実施形態では、ユーザは、各メッセージ104の最初の部分とそのあとの追加部分だけをダウンロードすることを選択することもできる。例えば、ユーザ118は、メッセージ104の別部分をダウンロードすることを、無線電話108のGUIを通して要求することができる。このようにすると、ユーザは無線電話108上のストアされる各メッセージのサイズを最小限にし、放送時間(air time)使用量を選択的に最小限にすることができる。言い換えれば、ユーザ118はルールセット208の中の1または2以上のルールを選択することができる。
【0021】
一実施形態では、ユーザ118は、図2の「ユーザのやりとりをモニタしてルールを動的に生成する」オプションを選択すると、無線電話108にルールを動的に生成させることができる。例えば、ユーザ118が初めて無線電話108を使用することを開始したときユーザ118が動的ルール生成オプションを選択したと想定する。ルールコンポーネント110は、ユーザ118による無線電話108の使用量を分析する。
【0022】
引き続き図2を参照して説明すると、ユーザ118が無線電話108にルールを動的に生成させることを選択した代替実施形態では、ルールコンポーネント110は、ルールまたはプリファレンスを生成する際にデバイス関連メトリックス(device-related metrics)を評価する。例えば、メッセージをコンピューティングデバイス102からいつ検索できるかは、無線電話108の信号強度とバッテリ使用量で決めることができる。例えば、ルールコンポーネント110は、信号強度が20%以下であるか、あるいはバッテリ電力量が10%以下であるとき無線電話はどの音声メールメッセージもダウンロードしないとするルールを生成することができる。このルールによれば、検索コンポーネント112は、信号強度が約80%であるか、バッテリ電力量が約90%であるときコンピューティングデバイス102にメッセージを自動的に要求することになる。
【0023】
別の例において、ユーザ118が500分間の無線使用量を購入し、週末の無線使用量が無制限であることをユーザ118のビリングプランが規定しているときは、ルールコンポーネント110は、週日(つまり、月曜日から金曜日まで)に音声メールメッセージを最初にダウンロードするか、週末だけに音声メールメッセージをダウンロードするか、あるいは指定された別の時間に音声メールメッセージをダウンロードすることをユーザに要求するといったルールを動的に生成することになる。言い換えれば、無線電話とのユーザのやりとりや使用量に応じて、ルールコンポーネント100は、受信した通知120を評価するための適当なルールを動的に生成する。
【0024】
図1に戻って説明すると、一実施形態では、無線電話108は無線電話108とのユーザのやりとりをモニタし、ストアするためのヒストリコンポーネント(history component)122を備えている。例えば、ヒストリコンポーネント122は一定期間のユーザの使用量をモニタし、ストアして、ルールコンポーネント110がユーザのためにルールを動的に生成するのを援助する。別の実施形態では、ヒストリコンポーネント122は、ビリングプランのサイクルまたは契約期間に一致する一定期間のユーザの使用量をモニタし、ストアする。例えば、ユーザ118のビリングプランが一年契約であることがある。その場合には、ヒストリコンポーネント122は、半年または一年ごとにユーザのやりとりをモニタし、ストアすることになる。他方、ユーザ118のビリングプランが月極め契約であることがあり、その場合には、ヒストリコンポーネント122は2週間ごとにユーザのやりとりを自動的にモニタし、ストアする。さらに別の実施形態では、無線電話108は、ヒストリコンポーネント122によってモニタされ、ストアされたやりとりの関数として、またはグラフィカルユーザインタフェース(graphical user interface - GUI)(図示せず)を通してユーザから受信したインプットの関数としてプリファレンスを定義するためのプリファレンスコンポーネント(preference component)124も備えている。例えば、プリファレンスコンポーネント124はヒストリコンポーネント122とやりとりし、好ましいルールセットをディスプレイ116からユーザ118に提示する。この好ましいルールは、プリファレンスコンポーネント124による将来の使用に備えて、ヒストリコンポーネント122によってさらにモニタされ、ストアされることがある。
【0025】
図1において、インジケータコンポーネント106によって受信された通知120に基づいてユーザによって定義された、またはユーザに関連する1または2以上のプリファレンスまたはルールをルールコンポーネント110が分析すると、検索コンポーネント112は、評価されたルールの関数としてメッセージ104をコンピューティングデバイス102に自動的に要求する。一実施形態では、検索コンポーネント112は、評価されたルールの関数としてメッセージ104を検索するためにコンピューティングデバイス102にコールを行なう。例えば、持続時間が3分以内である各メッセージを、毎日午後9時5分(9:05 P.M)にダウンロードすることを望んでいるとルールコンポーネント110が判断したときは、検索コンポーネント112は、3分未満のメッセージ104があれば、午後9時5分以前のいずれかの時刻に、即時にコンピューティングデバイス102にそのメッセージを自動的に要求する。言い換えれば、通知120が受信されるごとにメッセージをダウンロードするのかどうかの確認を求めたり、その判断をユーザ118に要求したりするのではなく、検索コンポーネント112は、メッセージ104が無線電話108からコンピューティングデバイス102にダウンロードされることを自動的に要求する。以上により、本発明の実施形態には、ユーザ118にとっては柔軟で好都合な無線電話108の使い方ができるという利点がある。
【0026】
ユーザ体験は、各メッセージ104がコンピューティングデバイス102によって受信されると、すべてのメッセージ104がコンピューティングデバイス102から無線電話108にプッシュされる従来システムにおけるような、プッシュシステムのそれとは異なっている。このような従来システムでは、ユーザ118は、メッセージ104をどのように、かついつ受信するかを制御することができない。これに対して、本発明の側面によれば、図2に示すようにプリファレンスとルールセットに基づくクライアント起動のプルにより、ユーザ118がユーザプリファレンスに従ってメッセージ104をダウンロードしてアクセスすることを可能にしている。このような利点があるため、無線電話108を使用するユーザのコストがさらに低減されている。
【0027】
メッセージ104をコンピューティングデバイス102に自動的に要求したあと、無線電話108はアンテナとトランシーバ(図示せず)を通してメッセージ104を受信する。無線電話108は受信したメッセージ104をメモリ114にストアし、ディスプレイ116を通して、あるいはユーザ118が要求したときはオーディオコンポーネント126(音声メールメッセージの場合)を通してそのメッセージをユーザ118に渡す。
【0028】
別の実施形態では、ユーザ118のためのルールセット208は、他のルール、オプション、選択項目(choices)、または設定値(setting)を含むこともできる。図2には、音声メールルール206に応答したルールセット208が記述されているが、無線電話108上のテキストメッセージ、グラフィカルメッセージまたはeメールメッセージなどの、他のタイプのメッセージに異なるルールセット208を適用することも可能である。そのために、この代替実施形態では、ユーザ118はユーザの電話帳からの認識可能な電話番号からのテキストメッセージだけを受信する、あるいはサービスプロバイダが送信したものを除き、どのようなテキストメッセージも受信しない、といったように、テキストメッセージに関係する1または2以上のルールをユーザ118が定義することも、ルールコンポーネント110が動的に生成することも可能になっている。このようなルールがあると、無線電話108が受信するおそれのあるテキストメッセージスパム(text message spam)の量を制限するのに役立つので、放送時間コストが節減されることになる。そのために、検索コンポーネント112は、ルールコンポーネント110によって分析または評価されたプリファレンスまたはルールの関数として、メッセージをコンピューティングデバイス102に自動的に要求するか、あるいはその要求を自動的に禁止する。
【実施例】
【0029】
次に図3と図4を参照して説明すると、これらの図は、本発明の実施形態による無線電話302のグラフィカルユーザインタフェースを例示する図である。無線電話302は、スピーカ304、マイクロホン328、ディスプレイ312、ナビゲーションボタンのセット314およびダイアルパッド316を装備している。当然に理解されるように、図3と図4には示されていないが、アンテナ、トランシーバ、電源、無線インタフェース(例えば、クライアント無線インタフェース)などの他のコンポーネントや、無線電話または無線デバイスの他の公知機能コンポーネントを無線電話302に装備させることも可能である。さらに当然に理解されるように、無線電話302は、本発明の範囲を逸脱しない限り、どのような物理的コンフィギュレーションにすることも可能である。
【0030】
図3に示すように、ディスプレイ312は、ユーザがプリファレンスを設定するための対話型ユーザプリファレンスまたはルールメニューを表示している。ヘッディング(見出し)306はサブヘッディング(副見出し)群が属しているヘッディングを示している。例えば、メッセージプリファレンスヘッディング306には、「アクセスとピン番号(access and pin numbers)」、「ネットワークセッティング(network settings)」、「メッセージ検索(message retrieval)」、および「サービスプランセッティング(service plan settings)」のように、ユーザ118が選択できるいくつかのサブヘッディングまたはプリファレンスが表示されている。当然に理解されるように、「メッセージプリファレンス(Message Preferences)」ヘッディング306または他のヘッディングの個所には、他のオプション、ヘッディングまたはプリファレンスを表示させることも可能である。
【0031】
引き続き図3を参照して説明すると、この分野の精通者に公知であるように、ユーザ118は、ナビゲーションボタン群314の中の1または2以上のボタンを使用して、ディスプレイ312に表示されたメニューまたはオプションをナビゲートすることができる。例えば、ユーザ118は、ナビゲーションボタン群314の中のボタン(“SELECT”というワードを囲んでいる破線ボックス318で示されている)を使用して、オプションまたはプリファレンスの「メッセージ検索(message retrieval)」(そのオプションの頭のボックスにチェックマークを入れた破線ボックス308で示されている)を選択している。また、ユーザ118は“BACK”ボタン310を選択すると、前のメニューまたはカテゴリに戻ることができる。
【0032】
ユーザが「メッセージ検索」を選択すると、図4に示すように、「メッセージ検索」ヘッディング402の個所に追加ルールまたはプリファレンスセットが表示される。「メッセージ検索」ヘッディング402の個所には、5分待った後ダウンロードする(download with five-minute delay)、サービスエリアをローミング中はダウンロードしない(do not download during roaming coverage area)、すべてのメッセージをダウンロードする(download all messages)、発信者および/またはコール情報だけを検索する(retrieve caller and/or call information only)、ルールを自動的かつ動的に生成する(automatically and dynamically generate rules)、最近の5メッセージだけをダウンロードする(download the most recent messages only)、テキストメッセージだけをダウンロードする(download text messages only)、または音声メッセージだけをダウンロードする(download voice messages only)といった、ルールまたはプリファレンスを表示させることもできる。当然に理解されるように、他のルールまたはプリファレンスをユーザ118が選択できるようにすることもできる。この場合も、ユーザ118はナビゲーションボタン3134の中のボタンを使用すると、1または2以上のルールまたはプリファレンスを選択することができる。例えば、ユーザ118は、そのルールの頭にチェックマークを入れた破線ボックス404で示すように、「すべてをダウンロードする(download all)」ルールを選択している。一実施形態では、無線電話302は、ユーザ118が1または2以上のルールまたはプリファレンスを選択すると、ディスプレイ312またはスピーカ304でユーザ118に可視または音響で確認を求めている。別の実施形態では、ユーザ118は、「選択解除(deselect)」ボタン320を選択すると、1または2以上のルールまたはプリファレンスからチェックマークを除くことができる。
【0033】
図5は、ユーザプリファレンスに基づいて無線電話でメッセージを自動的に検索する方法であって、本発明の側面を具現化している方法を示すフローチャートである。最初に、無線電話ユーザは、サービスプロバイダとの無線電話サービスに加入する。無線電話サービスとしては、音声メール、発信者ID、またはその他のサービスなどの機能がある。代表例として、ユーザが発信者からの着信電話コールに応答するのに失敗したときは、発信者はサービスプロバイダが管理するシステム(例えば、コンピューティングデバイス102)に仕向けられ、メッセージ(例えば、音声メールメッセージ)を残しておくように指示される。発信者がユーザのためにメッセージを残しておくと、コンピューティングデバイス102は通知を送信し、無線電話は、メッセージが待ちに置かれているとの通知を502で受信する。受信した通知に応答して、504で、無線電話のルールコンポーネント110はユーザに関連する1または2以上のルールを評価する。一実施形態では、ユーザはプリファレンスまたはルールを定義することができる。別の実施形態では、ヒストリコンポーネント122はユーザに関連する1または2以上のルールを評価することができ、プリファレンスコンポーネント124はヒストリコンポーネントによって評価され、ストアされたやりとりの関数としてプリファレンスを定義することができる。
【0034】
引き続き図5を参照して説明すると、506で検索コンポーネント112は、評価されたルールの関数としてメッセージを自動的に要求する。例えば、ユーザは、メッセージをオフピーク期間(例えば、9:00 P.M.以降翌日の6:00 A.M.まで)にダウンロードするのが好ましいとのルールまたはプリファレンスを定義していたと想定する。その場合、無線電話が通知を受信したときの時刻が5:32 P.M.であれば、検索コンポーネント112は5:33 P.M.にメッセージをダウンロードしないことになる。その代わりに、検索コンポーネント112は9:01 P.M.に、または無線電話サービスがアクティブであるとき(つまり、無線電話がサービスエリア内にいるか、あるいは無線電話がオンにされている)の、オフピーク期間のある時刻にメッセージをダウンロードすることになる。なお、検索コンポーネント112は、ユーザが手作業でメッセージにアクセスできるようにメッセージ受信通知をユーザに知らせることができる。次に、無線電話は508でメッセージを受信し、受信したメッセージは510で、ユーザのために無線電話のメモリエリアにストアされることになる。一実施形態では、無線電話108は、エレメント504、506、508および510を実行するために自動検索モードに置かれる。その実行後、無線電話108は自動検索モードから解除される。一実施形態では、1または2以上のコンピュータ可読媒体は、図5に図示の方法を実行するためのコンピュータ実行可能命令を収めている。
【0035】
図5に図示の方法の擬似コードは付録Aに記載されている。
【0036】
図6は、本発明の無線電話108などの無線電話20の機能コンポーネントを示しており、機能コンポーネントとしては、ハンドヘルドコンピューティングデバイス、パーソナルデジタルアシスタント(personal digital assistant - PDA)、無線メッセーイングデバイスなどがある。別の実施形態では、無線電話を一般のコンピューティングデバイス(例えば、図7のシステム130)などに組み込んで、音声、テキスト、またはグラフィカルメッセージを受信させることができる。無線電話はプロセッサ60、メモリ62、ディスプレイ28、およびキーボード32を装備している。メモリ62には、揮発性メモリ(例えば、RAM)と不揮発性メモリ(例えば、ROM、PCMCIAカードなど)の両方が含まれているのが一般である。オペレーティングシステム64はメモリ62に常駐しており、プロセッサ60上で実行される。無線電話20は、メモリ62、プロセッサ60、ディスクスペースおよび周辺デバイス(例えば、キーボード62)などの、ハードウェアリソースの割り振りと使い方を制御するためのオペレーティングシステムを含んでいる。
【0037】
1または2以上のアプリケーションプログラム66はメモリ62にロードされ、オペレーティングシステム64上で実行される。アプリケーションの例としては、eメールプログラム、スケジューリングプログラム、パーソナル情報管理(personal information management - PIM)プログラム、ワードプロセッシングプログラム、スプレッドシートプログラム、インターネットブラウザプログラム、などがある。無線電話20は、メモリ62にストアされた通知マネージャ(notification manager)68も備えており、これはプロセッサ60上で実行される。通知マネージャ68はアプリケーション66からの通知要求を処理する。
【0038】
無線電話20は電源70を備え、これは1または2以上のバッテリとして実装されている。電源70としては、さらにACアダプタやパワードドッキングクレードル(powered docking cradle)などの外部電源も可能であり、これは内蔵バッテリをオーバライドまたは再充電する。
【0039】
無線電話20は、図示のように、LED40、振動デバイス72およびオーディオジェネレータ74の3タイプの外部通知メカニズムも備えている。これらのデバイスは電源20に直結されているので、アクチベートされると、プロセッサ60と他のコンポーネントがバッテリ電源を節約するためにシャットダウンされたとしても、通知メカニズムによって指示された持続時間の間オンのままになっている。LED40は、好ましくは、ユーザがアクションをとるまで無期限にオンのままになっている。振動デバイス72とオーディオジェネレータ74の現行バージョンは今日のバッテリ以上の電力を消費するので、システムの残り部分がオフになったときや、アクチベートされたあと一定時間持続したときにオフになるように構成されている。
【0040】
図7は、コンピューティングデバイス102のように、コンピュータ130の形体をした汎用コンピューティングデバイスの一例を示す図である。本発明の一実施形態では、コンピュータ130などのコンピュータは、ここで図示し、説明している他の図で使用するのに適している。コンピュータ130は1または2以上のプロセッサまたは処理ユニット132およびシステムメモリ134を装備している。図示の実施形態において、システムバス136は、システムメモリ134を含む種々のシステムコンポーネントをプロセッサ132に結合している。バス136は、複数タイプのバス構造のいずれかの1または2以上を表しており、その中には、メモリバスまたはメモリコントローラ、周辺バス、高速グラフィックスポート、および種々のバスアーキテクチャのいずれかを使用したプロセッサバスまたはローカルバスが含まれている。例を挙げると、そのようなアーキテクチャとしては、ISA(Industry Standard Architecture)バス、MCA(Micro Channel Architecture)バス、EISA(Enhanced ISA)バス、VESA(Video Electronics Standards Association)ローカルバス、およびMezzanineバスとも呼ばれるPCI(Peripheral Component Interconnect)バスがあるが、これらに限定されない。
【0041】
コンピュータ130は、少なくとも何らかの形体のコンピュータ可読媒体を備えているのが代表的である。コンピュータ可読媒体には、揮発性媒体と不揮発性媒体かつ取り外し可能媒体と取り外し不能媒体が含まれるが、コンピュータ130によってアクセス可能な媒体ならばどのような媒体でも利用可能である。例を挙げると、コンピュータ可読媒体はコンピュータ記憶媒体と通信媒体を含んできるが、これらに限定されない。コンピュータ記憶媒体としては、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュールまたはその他のデータなどの、情報の記憶に関する方法またはテクノロジによって実現された揮発性と不揮発性で、取り外し可能と取り外し不能の媒体がある。例えば、コンピュータ記憶媒体には、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリまたは他のメモリテクノロジ、CD−ROM、デジタルバーサタイルディスク(digital versatile disk - DVD)または他の光ディスクストレージ、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスクストレージまたは他の磁気ストレージデバイス、あるいは望みの情報をストアするために使用でき、コンピュータ130によってアクセス可能である他の媒体が含まれている。通信媒体は、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュールまたはその他のデータを、搬送波や他のトランスポートメカニズムなどの変調データ信号(modulated data signal)で具現化しているのが代表的であり、その中には情報配信媒体も含まれている。変調データ信号はこの分野の精通者には周知であり、その特性の1つまたは2つ以上は情報を信号に符号化するような形でセットまたは変更されている。ワイヤドネットワーク(wired network)や直接ワイヤドコネクション(direct-wired connection)などのワイヤド媒体、および音響、RF、赤外線および他の無線媒体などの無線媒体は通信媒体の一例である。上記に挙げたものを任意に組み合わせたものも、コンピュータ可読媒体の範囲に含まれている。
【0042】
システムメモリ134には、取り外し可能および/または取り外し不能、揮発性および/不揮発性メモリの形体をしたコンピュータ記憶媒体が含まれている。図示の実施形態では、システムメモリ134はリードオンリメモリ(read only memory - ROM)138およびランダムアクセスメモリ(random access memory - RAM)140を含んでいる。スタートアップ時のときのように、コンピュータ130内のエレメント間で情報を転送するのを支援する基本ルーチンで構成された基本入出力システム(basic input/output system - BIOS)142はROM138に格納されているのが代表的である。RAM140は、処理ユニット132に即時にアクセス可能でありおよび/または処理ユニット132によって現在操作の対象になっているデータおよび/またはプログラムモジュールを収めているのが代表的である。例を挙げると、図7には、オペレーティングシステム144、アプリケーションプログラム146、他のプログラムモジュール148およびプログラムデータ150が示されているが、これらに限定されない。
【0043】
コンピュータ130は、その他の取り外し可能/取り外し不能で揮発性/不揮発性のコンピュータ記憶媒体を装備することも可能である。例えば、図7は、取り外し不能で不揮発性の磁気媒体との間で読み書きされるハードディスクドライブ154を示している。また、図7は、取り外し可能で不揮発性の磁気ディスク158との間で読み書きされる磁気ディスクドライブ156、およびCD−ROMや他の光媒体などの、取り外し可能で不揮発性の光ディスク162との間で読み書きされる光ディスクドライブ160も示している。例示動作環境で使用できる、その他の取り外し可能/取り外し不能で揮発性/不揮発性のコンピュータ記憶媒体としては、磁気テープカセット、フラッシュメモリカード、デジタルバーサタイルディスク(DVD)、デジタルビデオテープ、ソリッドステートRAM、ソリッドステートROMなどがあるが、これらに限定されない。ハードディスクドライブ154、磁気ディスクドライブ156および光ディスクドライブ160は、インタフェース166のような、不揮発性メモリインタフェースを通してシステムバス136に接続されているのが代表的である。
【0044】
上述し、図7に示している、これらのドライブまたは他の大容量ストレージデバイスおよびそれぞれの関連コンピュータ記憶媒体は、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュールおよび他のデータをコンピュータ130のためにストアしておくものである。図7において、例えば、ハードディスクドライブ154は、オペレーティングシステム170、アプリケーションプログラム172、他のプログラムモジュール174およびプログラムデータ176をストアするものとして示されている。なお、これらのコンポーネントは、オペレーティングシステム144、アプリケーションプログラム146、他のプログラムモジュール148およびプログラムデータ150と同じである場合もあれば、異なっている場合もある。オペレーティングシステム170、アプリケーションプログラム172、他のプログラムモジュール174およびプログラムデータ176は、ここでは異なる符号が付けられているが、これは、最低限、これらが異なるコピーであることを示すためである。
【0045】
ユーザは、キーボード180やポインティングデバイス182(例えば、マウス、トラックボール、ペンまたはタッチパッド)などの、インプットデバイスまたはユーザインタフェース選択デバイスを通してコマンドと情報をコンピュータ130に入力することができる。その他のインプットデバイス(図示せず)としては、マイクロホン、ジョイスティック、ゲームパッド、サテライトディッシュ、スキャナなどがある。これらおよび他のインプットデバイスは、システムバス136に接続されたユーザインプットインタフェース184を処理ユニット132に接続されているが、パラレルポート、ゲームポートまたはユニバーサルシリアルバス(Universal Serial Bus - USB)などの、他のインタフェースおよびバス構造で接続することも可能である。モニタ188または他のタイプのディスプレイデバイスも、ビデオインタフェース190のようなインタフェースを介してシステムバス136に接続されている。モニタ188のほかに、コンピュータは、プリンタやスピーカなどの、他の周辺アウトプットデバイス(図示せず)を装備していることが多いが、これらはアウトプット周辺インタフェース(図示せず)を通して接続可能になっている。
【0046】
コンピュータ130は、リモートコンピュータ194のような、1または2以上のリモートコンピュータとの論理的コネクションを使用したネットワーキング環境で動作させることができる。リモートコンピュータ194としては、パーソナルコンピュータ、サーバ、ルータ、ネットワークPC、ピアデバイスまたは他の共通ネットワークノードがあり、コンピュータ130に関連して上述したエレメントの多くまたはすべてを備えているのが代表的である。図7に図示の論理的コネクションにはローカルエリアネットワーク(local area network - LAN)196とワイドエリアネットワーク(wide area network - WAN)198が含まれているが、他のネットワークを含めることもできる。LAN196および/またはWAN198はワイヤドネットワーク、ワイヤレスネットワーク、これらのネットワークを組み合わせたもの、などにすることができる。このようなネットワーキング環境はオフィス、企業内コンピュータネットワーク、イントラネット、およびグローバルコンピュータネットワーク(例えば、インターネット)で普及している。
【0047】
ローカルエリアネットワーキング環境で使用されるときは、コンピュータ130は、ネットワークインタフェースまたはアダプタ186を通してLAN196に接続されている。ワイドエリアネットワーキング環境で使用されるときは、コンピュータ130は、インターネットのようなWAN198上の通信を確立するためのモデム178または他の手段を備えているのが代表的である。モデム178は内蔵型と外付け型があり、ユーザインプットインタフェース184または他の該当メカニズムを介してシステムバス136に接続されている。ネットワーキング環境では、コンピュータ130に関連して説明したプログラムモジュールまたはその一部は、リモートメモリストレージデバイス(図示せず)にストアしておくことができる。例を挙げると、図7には、リモートアプリケーションプログラム192はメモリデバイスに置かれているものと示されているが、これに限定されない。図示のネットワークコネクションは例示であり、コンピュータ相互間の通信リンクを確立する他の手段を使用することもできる。
【0048】
一般的に、コンピュータ130のデータプロセッサは、いろいろな時点でコンピュータの種々のコンピュータ可読媒体にストアされた命令によってプログラムされている。プログラムおよびオペレーティングシステムは、例えば、フロッピディスクまたはCD−ROMに入れて配布されるのが代表的である。そこから、これらはコンピュータの二次メモリにインストールまたはロードされている。実行時に、これらは、少なくとも部分的にコンピュータの一次エレクトロニックメモリにロードされている。ここで説明している本発明は、マイクロプロセッサまたは他のデータプロセッサと関連付けて下述するステップを実現するための命令またはプログラムを記憶媒体が収めているときは、上記および他の種々タイプのコンピュータ可読記憶媒体を含んでいる。また、本発明は、コンピュータがここで説明している方法と手法に従ってプログラムされているときは、そのコンピュータ自体も含んでいる。
【0049】
説明の便宜上、オペレーティングシステムなどのプログラムおよび他の実行可能プログラムコンポーネントは、ここではディスクリートブロック(discrete block)として示されている。なお、当然に理解されるように、このようなプログラムとコンポーネントはいろいろな時点でコンピュータの異なるストレージコンポーネントに置かれ、コンピュータのデータプロセッサによって実行されている。
【0050】
本発明は、コンピュータ130を含む例示コンピュータ環境と関連付けて説明されているが、本発明は、多数の、他の汎用または特殊目的コンピューティングシステム環境または構成と共に操作可能である。コンピューティングシステム環境は、本発明の使用または機能の範囲についてなんらの制限を示唆するものではない。さらに、コンピューティングシステム環境は、例示動作環境に示されているコンポーネントの任意の1つまたは組み合わせに関してなんらの依存関係または要求条件があるものと解釈されるものでもない。本発明で使用するのに適している周知コンピューティングシステム、環境および/またはコンフィギュレーションの例としては、パーソナルコンピュータ、サーバコンピュータ、ハンドヘルドまたはラップトップデバイス、マルチプロセッサシステム、マイクロプロセッサベースシステム、セットトップボックス(set top box)、プログラマブルコンシューマエレクトロニクス、モバイル電話(携帯電話)、ネットワークPC、ミニコンピュータ、メインフレームコンピュータ、上記システムまたはデバイスをいずれかを含む分散コンピューティング環境などがあるが、これらに限定されない。
【0051】
本発明は、プログラムモジュールのように、1または2以上のコンピュータまたはデバイスによって実行されるコンピュータ実行可能命令の一般的コンテキストの中で説明することができる。一般的に、プログラムモジュールには、特定のタスクを実行し、あるいは特定の抽象データ型を実現しているルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネントおよびデータ構造が含まれるが、これらに限定されない。本発明は、通信ネットワークを通してリンクされたリモート処理デバイスによってタスクが実行されるような、分散コンピューティング環境で実施することも可能である。分散コンピューティング環境では、プログラムモジュールは、メモリストレージデバイスを含む、ローカルとリモートの両方のコンピュータ記憶媒体に置いておくことができる。
【0052】
ソフトウェアアーキテクチャのコンテキストの中のインタフェースには、コンピュータ実行可能命令のソフトウェアモジュール、コンポーネント、コード部分、または他のシーケンスが含まれている。インタフェースの例としては、第1モジュールが第2モジュールにアクセスして、第1モジュールに代わってコンピューティングタスクを実行させる場合がある。第1モジュールと第2モジュールの一例として、オペレーティングシステムによって提供されるようなアプリケーションプログラミングインタフェース(application programming interface - API)、コンポーネントオブジェクトモデル(component object model - COM)インタフェース(例えば、対等(peer-to-peer)アプリケーション通信)、およびXML(extensible markup language)のXMI(metadata interchange format)インタフェース(例えば、Webサービス間の通信用)がある。
【0053】
インタフェースは、J2EE(Java2 Platform Enterprise Edition)、COM、または分散COM(DCOM)の例におけるような、密結合同期式で実現することができる。これとは別に、あるいは付加的に、インタフェースは、Webサービス(例えば、簡易オブジェクトアクセスプロトコルを使用した)におけるような、疎結合非同期式で実現することもできる。一般的に、インタフェースは、以下に列挙する特性、すなわち、密結合、疎結合、同期式および非同期式を任意に結合したものを備えている。さらに、インタフェースは、標準プロトコル、企業所有プロトコル(proprietary standard)、または標準プロトコルと企業所有プロトコルを任意に組み合わせたものに準拠させることができる。
【0054】
ここで説明しているインタフェースは、シングルインタフェースの全部または一部にすることも、個別的インタフェースまたはこれらの任意に組み合わせたものとして実現することもできる。インタフェースは、その機能性を得るためにローカルまたはリモートで実行させることができる。さらに、インタフェースは、ここで図示し、説明しているもの以上の機能性を持たせることも、それ以下の機能性を持たせることも可能である。
【0055】
動作時には、コンピュータ130は、本発明を実現するために図5に示されているようなコンピュータ実行可能命令を実行する。
【0056】
本発明は、テキストメッセージに関係する検索条件を生成する手段、ユーザとクライアント無線デバイスとの間のやりとりをモニタする手段、検索条件を動的に生成する手段、および検索条件を評価する手段を含んでいる。テキストメッセージに関係する検索条件を生成する手段、ユーザとクライアント無線デバイスとの間のやりとりをモニタする手段、検索条件を動的に生成する手段、および検索条件を評価する手段は、データ構造、ユーザインタフェース、アプリケーションプログラム、アプリケーションプログラミングインタフェース(API)、コンピュータ実行可能命令、ファームウェアなど(図示されているものなど)のハードウェアとソフトウェアで構成されている。
【0057】
ここで図示され、説明されている方法の実行順序は、別段の指定がある場合を除き重要ではない。すなわち、これらの方法のエレメントは、別段の指定がある場合を除き、どの順序でも実行することができ、しかも、これらの方法を構成するエレメントはここで説明しているエレメントより多くすることも、少なくすることもできる。例えば、当然に予期されるように、特定のエレメントを別のエレメントよりも前に実行するか、同時に実行するか、その後で実行するかは本発明の範囲に属している。
【0058】
本発明または本発明の実施形態のエレメントを説明するとき、「ある」、「その」「前記」という修飾語はそのエレメントが1または2つ以上であることを意味している。また、「備えた(comprising)」、「含む(including)」および「有する(having)」という用語は、内包的であることを意味し、列挙されたエレメントとは別の付加的エレメントも存在し得ることを意味している。
【0059】
以上から明らかであるように、本発明の複数の目的が達成され、その他の有利な結果が得られている。
【0060】
上述した方法およびシステムは、本発明の範囲を逸脱しない限り種々の変更が可能であるので、上述の説明に記載され、添付図面に図示されている事項のすべては例示であり、限定的でないものと解釈されるべきである。
【0061】
付録Aは、ユーザプリファレンスと環境要因に基づいて音声メールメッセージを自動的に検索するための擬似コードの例を示している。
【0062】
付録Aに示す擬似コードは、ユーザのプリファレンスに基づいて音声メールメッセージを自動的に検索する例示ルーチンを定義している。このルーチンは、音声メール通知がセルラネットワークから受信されるとトリガされる。

音声メール待ち通知をセラらネットワークから受信する際
{
ShowVoicemailIcon();
//上記ルーチンはメッセージ待ちアイコンをモバイル電話のディスプレイから表示させる
if(ユーザは音声コールセンタ番号をプロビジョンニングしていない)
return;
if(ユーザは音声メールPINをプロビジョニングしていない)
return;
if(ユーザはローミングしている)
AND
(ユーザはローミング時に検索を行なうことを望んでいない)
return;
if(信号強度はx%以下である)
return;
if(バッテリ残量はy%以下である)
return;
//上記の信号強度とバッテリ寿命チェックは環境要因をどのように検索システムに
//図式化できるかを示している。これらの要因はソフトウェアによって感知可能デフォルトに事前構成
//することも、ユーザに見せて調整させることもできる。目標はバッテリを完全に消耗させるようなコー//ルまたは低信号のために検索システムを最適以下で稼動させるようなコールを防止することである。
AllowConfiguredDelayToElapse()
//上記ルーチンは音声メール通知がセルラネットワークから受信されると一定時間だけ
//「待って」いる。この時間が経過したあとのみ検索が実行される。この機会を利用して、ユーザはそれ//を望むならば音声メールメッセージを手作業でフェッチすることができる。

if(ユーザは現在コール中である)
return;
DisplayRetrieveMessage();
FetchMessage();
if(ユーザは検索したメッセージをコールセンタから削除することを望んでいる)
delete retrieved messages from call center;
HideRetrievalMessage();
//"DisplayRetrievalMessage()"および"HideRetrievalMessage()"ルーチンは検索が実行中
//であること(これはコール中であることを意味する)をユーザに知らせる。
//ユーザが発信コールを行なうことを試みると、検索は中止される。
return;
5
}

【特許請求の範囲】
【請求項1】
メッセージを検索するためのシステムであって、
少なくとも1つのプロセッサと、
前記少なくとも1つのプロセッサに、
コンピューティングデバイスにユーザに配達するためのメッセージがあることを示す通知を受信するステップと、
前記メッセージを受信して処理するための1または複数のプリファレンスを分析するステップと、
前記1または複数のプリファレンスに応じて、前記コンピューティングデバイスから前記メッセージを要求するステップであって、前記メッセージは前記メッセージの開始部分を含み、残りの部分は後の時間に要求されるものである、ステップと、
前記受信したメッセージを格納するステップと
を含む、ユーザのプリファレンスに基づいてメッセージを検索するための方法を実行させるためのプログラムを記録したメモリと
を備えたことを特徴とするシステム。
【請求項2】
前記1または複数のプリファレンスの少なくとも1つにより、バッテリ電源に基づいて前記メッセージの検索を遅らせることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記1または複数のプリファレンスの少なくとも1つにより、信号強度に基づいて前記メッセージの検索を遅らせることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
無線電話のゼロ以外の無線信号強度が閾値に満たない場合、検索は延期されることを特徴とする請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記方法は、前記ユーザから受信した入力に応じて、前記プリファレンスを定義するステップをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記メッセージは、音声メールメッセージ、テキストメッセージ、電子メールメッセージ、ビデオクリップ、およびイメージのうちの1または複数を含むことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記方法は、前記ユーザおよびクライアント無線デバイスの間のやりとりをモニタするステップをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記方法は、前記ユーザおよびクライアント無線デバイスの間のやりとりに基づいて、前記1または複数のプリファレンスの少なくとも1つを生成するステップをさらに含むことを特徴とする請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
少なくとも1つのプロセッサに、ユーザのプリファレンスに基づいてメッセージを検索するための方法を実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ可読記録媒体であって、前記方法は、
コンピューティングデバイスにユーザに配達するためのメッセージがあることを示す通知を受信するステップであって、前記通知は前記メッセージを含まず、前記メッセージは開始部分および残りの部分を含む、ステップと、
前記受信した通知に基づいて、1または複数のルールを評価するステップと、
前記ルールの評価に応答して、前記メッセージの前記開始部分を要求し、後で、前記メッセージの前記残りの部分を要求するステップを含む、ステップと、
前記受信したメッセージを格納するステップと
を含むことを特徴とするコンピュータ可読記録媒体。
【請求項10】
前記メッセージは、音声メールメッセージ、テキストメッセージ、電子メールメッセージ、ビデオクリップ、およびイメージのうちの1または複数を含むことを特徴とする請求項9に記載のコンピュータ可読記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−81236(P2013−81236A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−272684(P2012−272684)
【出願日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【分割の表示】特願2008−508842(P2008−508842)の分割
【原出願日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【出願人】(500046438)マイクロソフト コーポレーション (3,165)
【Fターム(参考)】