説明

エンドレスベルト及び回転搬送体

【課題】Uターン時に曲げられることに対応できる可とう性と、Uターンする度に曲げと曲げからの戻しとが繰り返し働くことに対する耐久性とを有するエンドレスベルト及び回転搬送体を提供する。
【解決手段】情報表示部を有するエンドレスベルトであって、情報表示部は少なくとも一方が透明で対向する2枚のフレキシブル基板により形成された空間を備え、前記空間には表示媒体が封入されており、前記フレキシブル基板は少なくとも一方向に曲がる可とう性を備える。また、上述したエンドレスベルトを用いて回転搬送体を得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンドレスベルトの外部から観察可能な表面に情報表示部を設けたエンドレスベルト及び回転搬送体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、エンドレスベルトの外部から観察可能な表面に情報表示部を設けたエンドレスベルトを用いた回転搬送体の一例として、エスカレータのハンドレールに任意の表示内容を表示するために電子ペーパ装置を設け、電子ペーパ装置の表示内容を変更するために、電子ペーパ装置に表示内容を書き込む書込装置と、電子ペーパ装置に書き込んだ表示内容をリセットするリセット装置とを設けた乗客搬送装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2005−75574号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した特許文献1記載の技術では、エスカレータのハンドレールに任意の表示内容を表示するために電子ペーパ装置を設けている。エスカレータのハンドレールのようにエンドレスで回転し続けるものに電子ペーパ装置を搭載する場合、電子ペーパ装置には、回転に伴いUターン時に曲げられることに対応できる可とう性と、Uターンする度に曲げと曲げからの戻しとが繰り返し働くことに対する耐久性とが要求されるが、特許文献1記載の電子ペーパ装置は、これらの可とう性および耐久性を満足できるものではなかった。
【0005】
本発明の目的は上述した問題点を解消して、Uターン時に曲げられることに対応できる可とう性と、Uターンする度に曲げと曲げからの戻しとが繰り返し働くことに対する耐久性とを付与したエンドレスベルト及び回転搬送体を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のエンドレスベルトは、情報表示部を有するエンドレスベルトであって、情報表示部は少なくとも一方が透明で対向する2枚のフレキシブル基板により形成された空間を備え、前記空間には表示媒体が封入されており、前記フレキシブル基板は少なくとも一方向に曲がる可とう性を備えることを特徴とするものである。
【0007】
本発明のエンドレスベルトの好適例としては、表示媒体は電気的に駆動可能で光学反射率を有した粒子を含んだ粒子群であること、フレキシブル基板間は隔壁により複数の空間に区切られていること、隔壁とフレキシブル基板とを貼り合わせるための接着剤組成物として、室温で液状のエラストマーと、アクリル系および/またはメタクリル系化合物と、光ラジカル発生剤と、熱ラジカル発生剤とを含んでなり、アクリル系および/またはメタクリル系化合物及び光ラジカル発生剤による光硬化性と液状エラストマー及び熱ラジカル発生剤による熱硬化性を有し、アクリル系および/またはメタクリル系化合物の光照射によるラジカル重合により形成されるゲル状態の仮硬化状態を経た後、さらに加熱によってラジカルを発生させることでエラストマーの分子鎖の架橋反応により本硬化を行う接着剤組成物を用いること、がある。
【0008】
また、本発明の回転搬送体は、上述した構成を有するエンドレスベルトを用いたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、情報表示部は少なくとも一方が透明で対向する2枚のフレキシブル基板により形成された空間を備え、前記空間には表示媒体が封入されており、前記フレキシブル基板は少なくとも一方向に曲がる可とう性を備えることで、Uターン時に曲げられることに対応できる可とう性と、Uターンする度に曲げと曲げからの戻しとが繰り返し働くことに対する耐久性とを有するエンドレスベルトを用いる回転搬送体を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
まず、本発明のエンドレスベルトの情報表示部として使用する一例である帯電粒子移動方式の情報表示用パネルの基本的な構成について説明する。前記情報表示用パネルでは、対向する2枚の基板間に封入した帯電性粒子を含んだ粒子群として構成した表示媒体に電界が付与される。付与された電界方向にそって、表示媒体が電界による力やクーロン力などによって引き寄せられ、表示媒体が電界方向の変化によって移動することにより、画像等の情報表示がなされる。従って、表示媒体が、均一に移動し、かつ、繰り返し表示を書き換える時あるいは表示情報を継続して表示する時の安定性を維持できるように、情報表示用パネルを設計する必要がある。ここで、表示媒体を構成する粒子にかかる力は、粒子同士のクーロン力により引き付けあう力の他に、電極や基板との電気鏡像力、分子間力、液架橋力、重力などが考えられる。
【0011】
以下、本発明のエンドレスベルトの情報表示部として使用する一例である帯電粒子移動方式の情報表示用パネルの例を、図1(a)−(c)〜図7(a)−(c)に基づき説明する。なお、以下の例では表示媒体として電気的に駆動可能で光学反射率を有した粒子として帯電粒子を用いた情報表示用パネルの例を説明するが、情報表示部の表示媒体はこれに限定されるものではなく、他の方式、例えばマイクロカプセル内に絶縁液体と粒子とを充填する方式や、従来からある液晶方式をも用いることができる。
【0012】
図1(a)−(c)に示す例では、少なくとも光学的反射率と帯電性とを有する粒子を含む粒子群であって、互いに光学的反射率および帯電特性の異なる少なくとも2種類の表示媒体(ここでは負帯電性白色粒子3Waを含んだ粒子群として構成した白色表示媒体3Wと正帯電性黒色粒子3Baを含んだ粒子群として構成した黒色表示媒体3Bを示す)を、少なくとも一方向にフレキシブルな基板間の隔壁で格子状に仕切られたセル7内に配置し、フレキシブル基板1に設けた電極5(ライン電極)とフレキシブル基板2に設けた電極6(ライン電極)とが対向直交交差して形成する画素電極対の間に電圧を印加することにより発生する電界に応じて、フレキシブル基板1、2と垂直に移動させる。そして、図1(a)に示すように、白色表示媒体3Wを観察者に視認させて白色表示を、あるいは、図1(b)に示すように、黒色表示媒体3Bを観察者に視認させて黒色表示を、白黒のドットでマトリックス表示している。なお、図1(a)、(b)において、手前にある隔壁は省略している。
【0013】
本実施例の特徴は、図1(a)、(b)で少なくとも一方向に曲げられる2枚の基板を貼り合わせて、少なくとも一方向に曲げられるパネル構造体とするときに用いる接着剤9とする接着剤組成物にある。また、図1(a)、(b)に基板間ギャップ確保用部材として配置する隔壁間に、セル形成用の隔壁(仕切り部材)を2本設けた例を示すように、隔壁4を、(1)複数のセル7(本例では、図1(c)にパネルを上から見た図を示すように、3×3=9個のセル7)に対応して形成され、所望の基板間ギャップに対応する高さを有し、情報表示用パネルの基板間ギャップを保持するための基板間ギャップ確保用部材4−1と、(2)基板間ギャップ確保用部材4−1以外の部分で形成され、基板1、2間で隙間8を有し、情報表示用パネルの各セル7を形成するための隔壁部分(セル形成用仕切り部材)4−2と、から構成した点にも本実施例の特徴がある。ここでは隙間8の位置を基板間の中央付近とした例を示している。また、本実施例では、基板間ギャップ確保用部材4−1を、基板1に所望の基板間ギャップに対応する高さで形成し、その他の基板間空間をセル7に仕切るための隙間8を有する仕切り部材4−2を、双方の基板1、2に互いに対向して重なる位置に、双方の仕切り部材4−2−1、4−2−2の高さを合わせた長さが基板間ギャップ確保用部材4−1の長さ以下になるよう形成し、基板間ギャップ確保用部材4−1の頂上と基板2との間にのみ接着剤9を配置してもう一方の基板2とを貼り合わせてパネル構造体としている。
【0014】
図2(a)−(c)に示す例では、少なくとも光学的反射率と帯電性とを有する粒子を含む粒子群であって、互いに光学的反射率および帯電特性が異なる少なくとも2種類の表示媒体(ここでは負帯電性白色粒子3Waを含んだ粒子群として構成した白色表示媒体3Wと正帯電性黒色粒子3Baを含んだ粒子群として構成した黒色表示媒体3Bを示す)を、少なくとも一方向にフレキシブルな2枚の基板間の隔壁で格子状に仕切られたセル内7に配置し、フレキシブル基板1に設けた電極5(TFT付き画素電極)とフレキシブル基板2に設けた電極6(共通電極)とが対向直交交差して形成する画素電極対の間に電圧を印加することにより発生する電界に応じて、フレキシブル基板1、2と垂直に移動させる。そして、図2(a)に示すように白色表示媒体3Wを観察者に視認させて白色表示を、あるいは、図2(b)に示すように黒色表示媒体3Bを観察者に視認させて黒色表示を、白黒のドットでマトリックス表示している。なお、図2(a)、(b)において、手前にある隔壁は省略している。
【0015】
本実施例の特徴は、図2(a)、(b)で少なくとも一方向に曲げられる2枚の基板を貼り合わせて、少なくとも一方向に曲げられるパネル構造体とするときに用いる接着剤9とする接着剤組成物にある。また、図2(a)、(b)に基板間ギャップ確保用部材として配置する隔壁間に、セル形成用の隔壁(仕切り部材)を2本設けた例を示すように、隔壁4を、(1)複数のセル7(本例では、図2(c)にパネルを上から見た図を示すように、3×3=9個のセル7)に対応して形成され、所望の基板間ギャップに対応する高さを有し、情報表示用パネルの基板間ギャップを保持するための基板間ギャップ確保用部材4−1と、(2)基板間ギャップ確保用部材4−1以外の部分で形成され、基板1、2間で隙間8を有し、情報表示用パネルの各セル7を形成するための隔壁部分(セル形成用仕切り部材)4−2と、から構成した点にも本実施例の特徴がある。ここでは隙間8の位置を基板間の中央付近とした例を示している。また、本実施例では、基板間ギャップ確保用部材4−1を、基板1に所望の基板間ギャップに対応する高さで形成し、その他の基板間空間をセル7に仕切るための隙間8を有する仕切り部材4−2を、双方の基板1、2に互いに対向して重なる位置に、双方の仕切り部材4−2−1、4−2−2の高さを合わせた長さが基板間ギャップ確保用部材4−1の長さ以下になるよう形成し、基板間ギャップ確保用部材4−1の頂上と基板2との間にのみ接着剤9を配置してもう一方の基板2とを貼り合わせてパネル構造体としている。
【0016】
図3(a)−(c)に示す例では、少なくとも光学的反射率と帯電性とを有する粒子を含む粒子群であって、互いに光学的反射率および帯電特性の異なる少なくとも2種類の表示媒体(ここでは負帯電性白色粒子3Waを含んだ粒子群として構成した白色表示媒体3Wと正帯電性黒色粒子3Baを含んだ粒子群として構成した黒色表示媒体3Bを示す)を、少なくとも一方向にフレキシブルな基板間の隔壁で格子状に仕切られたセル7内に配置し、フレキシブル基板1に設けた電極5(ライン電極)とフレキシブル基板2に設けた電極6(ライン電極)とが対向直交交差して形成する画素電極対の間に電圧を印加することにより発生する電界に応じて、フレキシブル基板1、2と垂直に移動させる。そして、図3(a)に示すように白色表示媒体3Wを観察者に視認させて白色表示を、あるいは、図3(b)に示すように黒色表示媒体3Bを観察者に視認させて黒色表示を、白黒のドットでマトリックス表示している。なお、図3(a)、(b)において、手前にある隔壁は省略している。対向画素電極対はライン電極でなく、個別電極で形成することもできる。
【0017】
本実施例の特徴は、図3(a)、(b)で少なくとも一方向に曲げられる2枚の基板を貼り合わせて、少なくとも一方向に曲げられるパネル構造体とするときに用いる接着剤9とする接着剤組成物にある。また、図3(a)、(b)に基板間ギャップ確保用部材として配置する隔壁間に、セル形成用の隔壁(仕切り部材)を2本設けた例を示すように、隔壁4を、(1)複数のセル7(本例では、図3(c)にパネルを上から見た図を示すように、3×3=9個のセル7)に対応して形成され、所望の基板間ギャップに対応する高さを有し、情報表示用パネルの基板間ギャップを保持するための基板間ギャップ確保用部材4−1と、(2)基板間ギャップ確保用部材4−1以外の部分で形成され、基板1、2間で隙間8を有し、情報表示用パネルの各セル7を形成するための隔壁部分(セル形成用仕切り部材)4−2と、から構成した点にも本実施例の特徴がある。ここでは隙間8の位置を基板間の中央よりやや下側とした例を示している。また、本実施例では、基板間ギャップ確保用部材4−1を、基板1に所望の基板間ギャップに対応する高さで形成し、その他の基板間空間をセル7に仕切るための隙間8を有する仕切り部材4−2を、双方の基板1、2に互いに対向して重なる位置に、双方の仕切り部材4−2−1、4−2−2の高さを合わせた長さが基板間ギャップ確保用部材4−1の長さ以下になるよう形成し、基板間ギャップ確保用部材4−1の頂上と基板1との間にのみ接着剤9を配置してもう一方の基板1とを貼り合わせてパネル構造体としている。
【0018】
図4(a)、(b)に示す例では、3個のセル(ピクセル)で表示単位(1ドット)を構成するカラー表示の例を示している。図4(a)、(b)に示す例では、表示媒体としてはセル21−1〜21−3の全てに白色表示媒体3Wと黒色表示媒体3Bとを充填し、第1のセル21−1の観察者側に赤色カラーフィルター22Rを設け、第2のセル21−2の観察者側に緑色カラーフィルター22Gを設け、第3のセル21−3の観察者側に青色カラーフィルター22BLを設け、第1のセル21−1、第2のセル21−2および第3のセル21−3の3個のセル(ピクセル)で表示単位(1ドット)を構成している。各ピクセルに対応する位置にカラーフィルター22R、22G、22BLを設けている。本例では、カラー表示を行う際に、図4(b)に示すように、観察者側に、第1セル21−1〜第3のセル21−3の全てにおいて白色表示媒体3Wを移動すると、観察者に対し白色ドット表示を行うことができ、図4(b)の状態から白色表示媒体3Wと黒色表示媒体3Bとを反転させることで、観察者側に、第1セル21−1〜第3のセル21−3の全てにおいて黒色表示媒体3Bを移動すると、観察者に対し黒色ドット表示を行うことができる。ピクセルごとに配置した表示媒体の移動のさせ方で、多色カラーのドットマトリックス表示を行うことができる。
【0019】
本実施例の特徴は、図4(a)、(b)で少なくとも一方向に曲げられる2枚の基板を貼り合わせて、少なくとも一方向に曲げられるパネル構造体とするときに用いる接着剤9とする接着剤組成物にある。また、図4(b)に基板間ギャップ確保用部材として配置する隔壁間に、セル形成用の隔壁(仕切り部材)を2本設けた例を示すように、隔壁4を、(1)複数のセル7(本例では、図4(a)にパネルを上から見た図を示すように、3×1=3個のセル7)に対応して形成され、所望の基板間ギャップに対応する高さを有し、情報表示用パネルの基板間ギャップを保持するための基板間ギャップ確保用部材4−1と、(2)基板間ギャップ確保用部材4−1以外の部分で形成され、基板1、2間で隙間8を有し、情報表示用パネルの各セル7を形成するための隔壁部分(セル形成用仕切り部材)4−2と、から構成した点にも本実施例の特徴がある。また、本実施例では、基板間ギャップ確保用部材4−1を、基板1に所望の基板間ギャップに対応する高さで形成し、その他の基板間空間をセル7に仕切るための隙間8を有する仕切り部材4−2を、基板間ギャップ確保用部材4−1の長さ以下になるよう形成し、基板間ギャップ確保用部材4−1の頂上と基板1との間にのみ接着剤9を配置してもう一方の基板2とを貼り合わせてパネル構造体としている。
【0020】
図5(a)、(b)に示す例では、3個のセル(ピクセル)で表示単位(1ドット)を構成するカラー表示の例を示している。図5(a)、(b)に示す例では、表示媒体としてはセル21−1〜21−3の全てに白色表示媒体3Wと黒色表示媒体3Bとを充填し、第1のセル21−1の観察者側に赤色カラーフィルター22Rを設け、第2のセル21−2の観察者側に緑色カラーフィルター22Gを設け、第3のセル21−3の観察者側に青色カラーフィルター22BLを設け、第1のセル21−1、第2のセル21−2および第3のセル21−3の3個のセル(ピクセル)で表示単位(1ドット)を構成している。各ピクセルに対応する位置にカラーフィルター22R、22G、22BLを設けている。本例では、カラー表示を行う際に、図5(b)に示すように、観察者側に、第1セル21−1〜第3のセル21−3の全てにおいて白色表示媒体3Wを移動すると、観察者に対し白色ドット表示を行うことができ、図5(b)の状態から白色表示媒体3Wと黒色表示媒体3Bとを反転させることで、観察者側に、第1セル21−1〜第3のセル21−3の全てにおいて黒色表示媒体3Bを移動すると、観察者に対し黒色ドット表示を行うことができる。ピクセルごとに配置した表示媒体の移動のさせ方で、多色カラーのドットマトリックス表示を行うことができる。
【0021】
本実施例の特徴は、図5(a)、(b)で少なくとも一方向に曲げられる2枚の基板を貼り合わせて、少なくとも一方向に曲げられるパネル構造体とするときに用いる接着剤9とする接着剤組成物にある。また、図5(b)に基板間ギャップ確保用部材として配置する隔壁間に、セル形成用の隔壁(仕切り部材)を2本設けた例を示すように、隔壁4を、(1)複数のセル7(本例では、図5(a)にパネルを上から見た図を示すように、3×1=3個のセル7)に対応して形成され、所望の基板間ギャップに対応する高さを有し、情報表示用パネルの基板間ギャップを保持するための基板間ギャップ確保用部材4−1と、(2)基板間ギャップ確保用部材4−1以外の部分で形成され、基板1、2間で隙間8を有し、情報表示用パネルの各セル7を形成するための隔壁部分(セル形成用仕切り部材)4−2(4−2−1と4−2−2)と、から構成した点にも本実施例の特徴がある。また、本実施例では、基板間ギャップ確保用部材4−1を、基板1に所望の基板間ギャップに対応する高さで形成し、その他の基板間空間をセル7に仕切るための隙間8を有する仕切り部材4−2を双方の基板1、2に互いに対向して重なる位置に、双方の仕切り部材4−2−1、4−2−2の高さを合わせた長さが、基板間ギャップ確保用部材4−1の長さ以下になるよう形成し、基板間ギャップ確保用部材4−1の頂上と基板1との間にのみ接着剤9を配置してもう一方の基板2とを貼り合わせてパネル構造体としている。
【0022】
図6(a)−(c)に示す例では、4個のセル(ピクセル)で表示単位(1ドット)を構成するカラー表示の例を示している。図6(a)−(c)に示す例では、表示媒体としてはセル21−1〜21−4の全てに白色表示媒体3Wと黒色表示媒体3Bとを充填し、第1のセル21−1の観察者側に赤色カラーフィルター22Rを設け、第2のセル21−2の観察者側に緑色カラーフィルター22Gを設け、第3のセル21−3の観察者側に青色カラーフィルター22BLを設け、第4のセル21−4の観察者側に無色透明カラーフィルター22Tを設け、第1のセル21−1、第2のセル21−2、第3のセル21−3および第4のセル21−4の4個のセル(ピクセル)で表示単位(1ドット)を構成している。各ピクセルに対応する位置にカラーフィルター22R、22G、22BLを設けている。本例では、カラー表示を行う際に、図6(b)、(c)に示すように、観察者側に、第1セル21−1〜第4のセル21−4の全てにおいて白色表示媒体3Wを移動すると、観察者に対し白色ドット表示を行うことができ、図6(b)、(c)の状態から白色表示媒体3Wと黒色表示媒体3Bとを反転させることで、観察者側に、第1セル21−1〜第4のセル21−4の全てにおいて黒色表示媒体3Bを移動すると、観察者に対し黒色ドット表示を行うことができる。ピクセルごとに配置した表示媒体の移動のさせ方で、多色カラーのドットマトリックス表示を行うことができる。
【0023】
本実施例の特徴は、図6(a)、(b)で少なくとも一方向に曲げられる2枚の基板を貼り合わせて、少なくとも一方向に曲げられるパネル構造体とするときに用いる接着剤9とする接着剤組成物にある。また、図6(a)−(c)に基板間ギャップ確保用部材として配置する隔壁間に、セル形成用の隔壁(仕切り部材)を1本設けた例を示すように、隔壁4を、(1)複数のセル7(本例では、図6(a)にパネルを上から見た図を示すように、2×2=4個のセル7)に対応して形成され、所望の基板間ギャップに対応する高さを有し、情報表示用パネルの基板間ギャップを保持するための基板間ギャップ確保用部材4−1と、(2)基板間ギャップ確保用部材4−1以外の部分で形成され、基板1、2間で隙間8を有し、情報表示用パネルの各セル7を形成するための隔壁部分(セル形成用仕切り部材)4−2と、から構成した点にも本実施例の特徴がある。また、本実施例では、基板間ギャップ確保用部材4−1を、基板1に所望の基板間ギャップに対応する高さで形成し、その他の基板間空間をセル7に仕切るための隙間8を有する仕切り部材4−2を、基板間ギャップ確保用部材4−1の長さ以下になるよう形成し、基板間ギャップ確保用部材4−1の頂上と基板1との間にのみ接着剤9を配置してもう一方の基板2とを貼り合わせてパネル構造体としている。
【0024】
図7(a)−(c)に示す例では、4個のセル(ピクセル)で表示単位(1ドット)を構成するカラー表示の例を示している。図7(a)−(c)に示す例では、表示媒体としてはセル21−1〜21−4の全てに白色表示媒体3Wと黒色表示媒体3Bとを充填し、第1のセル21−1の観察者側に赤色カラーフィルター22Rを設け、第2のセル21−2の観察者側に緑色カラーフィルター22Gを設け、第3のセル21−3の観察者側に青色カラーフィルター22BLを設け、第4のセル21−4の観察者側に透明カラーフィルター22Tを設け、第1のセル21−1、第2のセル21−2、第3のセル21−3および第4のセル21−4の4個のセル(ピクセル)で表示単位(1ドット)を構成している。各ピクセルに対応する位置にカラーフィルター22R、22G、22BLを設けている。本例では、カラー表示を行う際に、図7(a)、(b)に示すように、観察者側に、第1セル21−1〜第4のセル21−4の全てにおいて白色表示媒体3Wを移動すると、観察者に対し白色ドット表示を行うことができ、図7(a)、(b)の状態から白色表示媒体3Wと黒色表示媒体3Bとを反転させることで、観察者側に、第1セル21−1〜第4のセル21−4の全てにおいて黒色表示媒体3Bを移動すると、観察者に対し黒色ドット表示を行うことができる。ピクセルごとに配置した表示媒体の移動のさせ方で、多色カラーのドットマトリックス表示を行うことができる。
【0025】
本実施例の特徴は、図7(a)、(b)で少なくとも一方向に曲げられる2枚の基板を貼り合わせて、少なくとも一方向に曲げられるパネル構造体とするときに用いる接着剤9とする接着剤組成物にある。また、図7(a)−(c)に基板間ギャップ確保用部材として配置する隔壁間に、セル形成用の隔壁(仕切り部材)を1本設けた例を示すように、隔壁4を、(1)複数のセル7(本例では、図7(c)にパネルを上から見た図を示すように、2×2=4個のセル7)に対応して形成され、所望の基板間ギャップに対応する高さを有し、情報表示用パネルの基板間ギャップを保持するための基板間ギャップ確保用部材4−1と、(2)基板間ギャップ確保用部材4−1以外の部分で形成され、基板1、2間で隙間8を有し、情報表示用パネルの各セル7を形成するための隔壁部分(セル形成用仕切り部材)4−2と、から構成した点にも本実施例の特徴がある。ここでは隙間8の位置を基板間の中央とした例を示している。また、本実施例では、基板間ギャップ確保用部材4−1を、基板1に所望の基板間ギャップに対応する高さで形成し、その他の基板間空間をセル7に仕切るための隙間8を有する仕切り部材4−2を、双方の基板1、2に互いに対向して重なる位置に、双方の仕切り部材4−2−1、4−2−2の高さを合わせた長さが基板間ギャップ確保用部材4−1の長さ以下になるよう形成し、基板間ギャップ確保用部材4−1の頂上と基板2との間にのみ接着剤9を配置してもう一方の基板2とを貼り合わせてパネル構造体としている。
【0026】
図1(a)−(c)〜図7(a)−(c)に示す情報表示用パネルの実施例では、基板間ギャップ確保用として設ける基板間ギャップ確保用部材4−1以外の、基板間空間をセル7に仕切るための仕切り部材4−2−1と4−2−2との間における隙間8、または、仕切り部材4−2と基板1または2との間の隙間8を形成することで、2枚の基板1、2同士の非接合部分を設け、好ましくはこの非接合部分の最小単位をセルの格子状配列において2×4以上または3×3以上としてパネル構造体のフレキシビリティを得やすくしている。図1(a)−(c)〜図7(a)−(c)に示す情報表示用パネルの実施例では、基板間ギャップ確保用部材の頂上に、本発明に係る接着剤組成物を配置して観察面側基板と背面側基板とを貼り合わせている。
【0027】
粒子群として構成された表示媒体を、対向する基板1、2間を垂直方向に反転移動させる方式の情報表示用パネルでは、基板間ギャップ確保用部材4−1以外の、基板間空間をセル7に仕切るための隔壁部分(セル形成用仕切り部材)4−2において形成される、2枚の基板同士の非接合部分(隙間8)は、例えば図1(a)−(c)に示すように仕切り部材4−2−1と4−2−2との間、特に基板間の中央付近において形成することが好ましい。これは、粒子の反転移動の起点に近い仕切り部材4−2と基板1または2との間に隙間8がある構造であると、粒子が移動する際に、粒子が隙間8から隣のセル7に移動して画面全体における表示媒体となる粒子群の配置分布にばらつきが生まれ、表示画像品質の低下に繋がりやすくなるためである。
【0028】
上述した仕切り部材4−2が有する隙間8は、表示媒体とする粒子群の平均粒子径以下とすることが好ましい。これによって、表示媒体を構成する粒子が隣のセル7に移動することを十分に抑制すると共に2枚の基板同士の非接合部(僅かながらでも隙間8を有する)を形成することで、情報表示用パネル(パネル構造体)のフレキシビリティが保たれる。
【0029】
基板間ギャップ確保用部材4−1とその他の基板間空間をセル7に仕切るための隔壁部分(セル形成用仕切り部材)4−2の配置は格子状とするが、セル7の横断面形状は、四角形、三角形、六角形等の多角形や、円形、楕円形、レーストラック形等いずれでも良いし、複数の形状を組み合わせても良い。領域の開口率を大きくできる点からは四角形が好ましく、表示媒体を構成する粒子を移動しやすくできる点からは曲線を有する形状が好ましい。以上の観点から角丸付きの四角形が好ましく用いられる。
【0030】
図8(a)−(c)および図9(a)−(c)はそれぞれ本発明で情報表示部として用いる情報表示用パネルの製造方法の一例を説明するための図である。まず、図8(a)−(c)および図9(a)−(c)に示す例において、観察面側基板2は透明で少なくとも一方向に曲げられる基板とし、観察面側電極6は透明で可とう性のある電極とするが、背面側基板1は透明基板でなくても少なくとも一方向に曲げられればよく、背面側電極5は透明でなくても可とう性があれば良い。また、観察面側基板と背面側基板とは、図8(a)−(c)および図9(a)−(c)に示す例と反対の構成でもよい。
【0031】
図8(a)−(c)に示す例では、まず、図8(a)に示すように、ライン電極6を設けた少なくとも一方向に曲げられる観察面側基板2とライン電極5を設けた少なくとも一方向に曲げられる背面側基板1との双方に、それぞれ、隙間8を有する仕切り部材4−2を形成するための仕切り部材4−2−1と仕切り部材4−2−2とを対向して設けるとともに、背面側基板1に基板間ギャップ確保用部材4−1を設けて、観察面側基板2と背面側基板1とを準備する。次に、図8(b)に示すように、黒色表示媒体3Bと白色表示媒体3Wとを、背面側基板1のセル対応部分に順次配置する。最後に、図8(c)に示すように、基板間ギャップ確保用部材4−1の頂上部に本発明の接着剤組成物である接着剤9を設け、2枚の基板1、2を曲げられる方向を合わせて接着剤9で貼り合わせることで、本発明で用いる少なくとも一方向に曲げられる情報表示部を得ることができる。本例では、セル形成用部材4−2−1と4−2−2との間に、1μm以上で表示媒体を構成する粒子群の平均粒子径以下の隙間8を設けた。
【0032】
図9(a)−(c)に示す例では、まず、図9(a)に示すように、ライン電極6を設けた少なくとも一方向に曲げられる観察面側基板2と、基板間ギャップ確保用部材4−1とその高さ以下の高さの仕切り部材4−2とを形成したライン電極5を設けた少なくとも一方向に曲げられる背面側基板1とを準備する。次に、図9(b)に示すように、黒色表示媒体3Bと白色表示媒体3Wとを、背面側基板1のセル対応部分に順次配置する。最後に、図9(c)に示すように、基板間ギャップ確保用部材4−1の頂上部に本発明の接着剤組成物である接着剤9を設け、2枚の基板1、2を接着剤9で貼り合わせることで、本発明で用いる情報表示用パネルを得ることができる。本例では、セル形成用部材4−2と基板2との間に、1μm以上で表示媒体を構成する粒子群の平均粒子径以下の隙間8を設けた。
【0033】
次に、本発明のエンドレスベルトの情報表示部として使用する情報表示用パネルおよび情報表示用パネルを駆動させるための電子部品を搭載した回路基板とを組み合わせた情報表示部ユニットとするための好適な手段を、図10(a)−(c)、図11、図12および図13を参考にして、説明する。いずれの手段も、図1(a)−(c)〜図7(a)−(c)に示した接着剤組成物の使用と隔壁構造による可とう性付与に加えて利用することで、本発明のエンドレスベルトの情報表示部として使用する情報表示用パネルと回路基板とを組み合わせた情報表示部ユニットに必要な可とう性や通信性を、より好適に実現することができる。
【0034】
図10(a)−(c)は、それぞれ、情報表示部となる情報表示用パネルにおいて、観察面側電極と回路基板との接続部および背面側電極と回路基板との接続部を、情報表示部のエンドレスベルト進行方向と直交する一辺に設け、長い形状の接続部材(例えば、駆動用IC付きのフレキシブルケーブルや、駆動用ICがTAB実装されたフレキシブルケーブル、駆動用IC実装部分の配置及び駆動用ICとの接続用フレキシブルケーブルなど)を、エンドレスベルト進行方向と直交する方向に配置することで、エンドレスベルト進行方向と直角な方向に対する可とう性を維持した例を示す図である。
【0035】
図10(a)−(c)に示す本発明で用いる情報表示用パネルは、透明な観察面側基板と透明であることを要しない背面側基板との間に表示媒体を封入し、各基板に設けた電極間に電圧を印加し、表示媒体に電界を与えることにより、表示媒体を移動させて画像等の情報を表示する情報表示用パネルにおいて、観察面側基板の少なくとも表示エリアに設けられた透明な導電膜からなる第1のストライプ電極と;背面側基板の少なくとも表示エリアに設けられた、金属膜などの導電膜からなるとともに第1のストライプ電極とほぼ直交して設けられた第2のストライプ電極と;観察面側基板の表示エリア外に設けられた、金属膜などの導電膜からなるとともに第2のストライプ電極に接続したる第2の引き出し線と;観察面側基板の表示エリア外に設けられた、金属膜などの導電膜からなるとともに第1のストライプ電極と接続した第1の引き出し線と;から構成されるものである。
【0036】
まず、図10(a)に示すように、フィルム基板等の少なくとも一方向に曲げられる基板からなる背面側基板31の少なくとも表示エリア32に対応する位置に、酸化インジウム錫(ITO)などの導電性膜からなる第1のストライプ電極33をパターニングして形成する。次に、図10(b)に示すように、観察面側基板34の表示エリア32に対応する位置に透明なITO膜からなる第2のストライプ電極35および表示エリア32外に金属膜からなる第2の引き出し線36および第1の引き出し線37を、パターニングして形成する。この際、第2のストライプ電極35は、観察面側基板34上の少なくとも表示エリア32に対応する位置に、観察面側基板34と背面側基板31とを重ね合わせたとき、第1のストライプ電極33とほぼ直交するよう形成されている。また、第2の引き出し線36は、観察面側基板34上の表示エリア32外の位置に、第2のストライプ電極35と接続して、パネルの一端面(駆動用ICがTAB構成されたフレキシブルケーブル実装部となる)まで引き回して形成されている。
【0037】
さらに、第1の引き出し線37は、観察面側基板34の表示エリア32外の位置に、背面側基板31と観察面側基板34とを重ね合わせたときに、第1のストライプ電極33の端部と第1の引き出し線37の端部とが上下に重なるように、パネルの一端面から形成されている。最後に、図10(c)に示すように、導電性粒子を含み異方導電性を有するシール剤38を、表示エリア32の外周であって表示エリア32を囲むよう、そして、第1のストライプ電極33の端部と第1の引き出し線37の端部とが重なり合う部分に配置されるよう、設けた状態で、観察面側基板34と背面側基板31とを貼り合わせることで、本発明で用いる情報表示用パネルを得ている。本実施例では、第2の引き出し線36と第1の引き出し線37とをパネルの一方向(図中下側の一辺)に引き回して回路基板との接続部とを接続することで、回路基板との接続部を形成しており、その際、TAB実装された駆動用ICを、エンドレスベルトの進行方向と直交する方向に長い形状が配置されるように接続することで、エンドレスベルト進行方向と直角な方向に対する可とう性を維持させることができる。画素用電極をストライプ電極で構成する場合、観察面側ストライプ電極は、図10に示すように、エンドレスベルト進行方向と直角な方向に並ぶようにするのが好ましい。
【0038】
図11〜図13に示す例は、それぞれ、本発明で用いる情報表示用パネルに表示すべき情報の通信を可能とする構成の一例を示している。本発明のエンドレスベルトを用いる回転搬送体では、情報表示部を構成する情報表示用パネルはエンドレスに回転するため、以下に示すような構成の通信手段を備えることで、情報表示部に表示する情報の通信を無線で行うことが好ましい。
【0039】
図11に示す例において、情報表示ユニット41は、表示メモリー性のある表示器42(少なくとも一方向にフレキシブルな情報表示用パネル)、ドライバー回路43、CPU44、通信回路45、バッテリー46を搭載した少なくとも一方向にフレキシブルな回路基板とから構成されている。上述した構成の本発明で用いる情報表示ユニット41は、離れた位置にある外部装置47から、無線LAN、赤外線などにより表示情報を送信および/または受信できるよう構成されている。図11に示す例において、表示メモリー性のある表示器42は表示書き換えの時だけ電力を必要とし、表示を維持する際には全くエネルギーを必要としない。表示パターンにあわせて形成された電極を有するいわゆるセグメント表示方式や、ドットマトリクス電極を有し任意のパターンを表示できるドットマトリクス表示方式などがある。また、図11に示す例において、ドライバー回路43は、表示器42の各々の電極に対して個別に電圧を印加するための回路である。印加電圧がバッテリー46などの電圧と異なる場合、必要な電圧に変換する回路も含んでいる。さらに、図11に示す例において、CPU44はドライバー回路43および通信回路45をコントロールする回路であり、通信回路45は外部装置47と画像などの情報を無線でやりとりする回路である。通信回路45は無線方式別のアンテナもしくは受発光素子を含んでいる。ここで、無線方式としては、無線LAN、赤外線通信、Bluetooth、RFなどが考えられる。表示器と回路基板とは重ねて配置してもよいし、並列に配置してもよい。いずれの配置においても曲げられる方向が揃うようにする。
【0040】
図12に示す例では、情報表示ユニット41を、図11に示す表示器42とドライバー回路43、CPU44、通信回路45、バッテリー46の構成に加えて、表示情報を保持する表示情報保持回路51を設けた回路基板とで構成している。表示情報保持回路51は、電気的に表示情報を記録・読み出しできる装置であり、いわゆるSRAMやEEPROMなどで構成することができる。そして、無線により受信した情報を書き込む。また、製造時に書き込まれ、使用時には書き換えないこともある(いわゆるROM)。表示器と回路基板とは重ねて配置してもよいし、並列に配置してもよい。いずれの配置においても曲げられる方向が揃うようにする。
【0041】
図13に示す例では、情報表示ユニット41を、図11に示す表示器42とドライバー回路43、CPU44、通信回路45の構成に加えて、バッテリー46の代わりにエネルギー源として2次電池52を設けた回路基板とで構成している。2次電池52は、充電可能な電池であり、無線としてRFを使用する場合は搬送波を整流して電池を充電することや、太陽電池を別途搭載し、この電力で充電することができる。なお、2次電池52のほかにコンデンサーをエネルギー源として使用することもできる。表示器と回路基板とは重ねて配置してもよいし、並列に配置してもよい。いずれの配置においても曲げられる方向が揃うようにする。
【0042】
さらに、本発明のエンドレスベルトを用いる回転搬送体の情報表示部として使用する情報表示用パネルにおいて、可とう性を付与するためにより好適な他の手段について説明する。本発明では、隔壁とフレキシブル基板とを、あるいは、基板間ギャップ確保用部材とフレキシブル基板とを、貼り合わせるための接着剤組成物として、室温で液状のエラストマーと、アクリル系および/またはメタクリル系化合物と、光ラジカル発生剤と、熱ラジカル発生剤とを含んでなり、アクリル系および/またはメタクリル系化合物及び光ラジカル発生剤による光硬化性と液状エラストマー及び熱ラジカル発生剤による熱硬化性を有し、アクリル系および/またはメタクリル系化合物の光照射によるラジカル重合により形成されるゲル状態の仮硬化状態を経た後、さらに加熱によってラジカルを発生させることでエラストマーの分子鎖の架橋反応により本硬化を行う接着剤組成物を用いる。これにより、接着後非常に硬くなる接着剤層の問題を解消することができ、可とう性が必要な情報表示用パネルに好適な接着剤組成物を提供することができる。
【0043】
上記接着剤組成物を構成するアクリル系および/又はメタクリル系化合物としては、脂肪族アクリレート、芳香族アクリレート、アミノ基、水酸基、カルボキシル基、オリゴオキシエチテン部位、ピリジル基、グリシジル基などをするアクレートおよび/またはそれらのメタクリレートが挙げられる。ゲル状態を形成させる、すなわちアクリル系化合物硬化物による3次元構造体を形成させるために、アクリル系化合物は単官能化合物と多官能化合物とを2種以上共用するのが適している。そのような単官能化合物と多官能化合物との具体的な組み合わせとしては、ドデシルメタクリレート/テトラエチレングリコールジアクリレート/トリメチロールプロパントリアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート/テトラエチレングリコールジアクリレート、フェニルアクリレート/トリメチロールプロパントリアクリレートなどが挙げられる。これらの中でも液状エラストマーとの相溶性の観点から、ドデシルメタクリレート/テトラエチレングリコールジアクリレート/トリメチロールプロパントリアクリレートが好ましい。なお、本発明に係る接着組成物におけるアクリル系化合物の混合量は特に制限はないが、適度なゲル状態とするためには、液状エラストマーに対しアクリル系化合物を10重量%から100重量%添加するのが好ましい。
【0044】
上記接着剤組成物を構成するアクリル系化合物の光硬化に用いる光ラジカル発生剤としては、4−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバ・ジャパン製Irgacure(登録商標)184)、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(チバ・ジャパン製Irgacure(登録商標)651)、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(チバ・ジャパン製Irgacure(登録商標)1173)などが挙げられる。なお、本発明の接着剤組成物における光ラジカル発生剤の混合量は、反応性や貯蔵安定性の観点から、液状エラストマーに対し、0.1重量%から3.0重量%が好ましい。
【0045】
上記液状エラストマーとしては、一般的な合成ゴムをベースとし、それらの分子量を低減させ、室温で液状であるものが好ましく、ベースの合成ゴムとしては、ポリブタジエン、ポリイソプレン、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、イソブチレン−イソプレン共重合体並びにそれらの誘導体及び水素添加型のものが挙げられる。分子量としては、重量平均分子量で20,000〜50,000程度が好ましい。
【0046】
液状エラストマーの硬化に用いる熱ラジカル発生剤としては、ジベンゾイルパーオキサイド、ジ(3−メチルベンゾイル)パーオキサイド、ジイソブチルパーオキサイドなどのアシルラジカル系ラジカル発生剤、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイドなどのアルキルラジカル系ラジカル発生剤、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、メチルエチルケトンパーオキサイドなどのケトンラジカル系のラジカル発生剤が挙げられる。本発明において、液状エラストマーをラジカルにより架橋させて固体とするために、ラジカル発生剤の性質としては、発生したラジカルの分子鎖中の水素引き抜き能力が強いことが必要である。したがって、上述したラジカル発生剤の中でもアルキルラジカル系やケトンラジカル系のラジカル発生剤が好ましく、中でも開裂温度が適度に低く、フレキシブルなパネル構造体へのプロセス(低温工程)適用性を満たし、かつ貯蔵安定性のバランスという観点から、ケトンラジカル系、特に1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサンが好ましい。なお、本発明の接着剤組成物における熱ラジカル発生剤の混合量は反応性や貯蔵安定性の観点から、液状エラストマーに対し、1.0重量%から10.0重量%が好ましい。
【0047】
本発明に係る接着剤組成物には、必要に応じて、上述したアクリル系化合物、液状エラストマー、光ラジカル発生剤、熱ラジカル発生剤の他にも、必要に応じてシランカップリング剤を添加してもよい。シランカップリング剤としては、3−メタクロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシランなどが挙げられる。
【0048】
また、本発明に係る接着剤組成物に、必要に応じて、シリカ、グラスファイバーなどのフィラーを添加して、粘度を調節することができる。
【0049】
また、本発明に係る接着剤組成物は、工程安定化、安全・環境面の観点から、低沸点成分、すなわち沸点が150℃以下の物質を含有しない形態で用いることが好ましい。
【0050】
また、本発明に係る接着剤組成物は、可とう性(=フレキシブル性)を要する部分、例えば2枚のフレキシブルフィルムを重ねた本発明の情報表示用パネルや本発明の回路基板の接着に好適に用いることができる。
【0051】
図14(a)−(d)は、それぞれ、本発明のエンドレスベルトを用いる回転搬送体の一例としてエスカレータの手摺りベルトおよびエスカレータの例を説明するための図である。図14(a)−(d)に示す例では、エスカレータのエンドレスに回転する手摺りベルト61の外部から観察可能な表面に、可とう性を有する情報表示ユニット41を複数個設けて、回転搬送体を構成している。利用者62は、エスカレータ乗車時に、手摺りベルト61に設けられた情報表示ユニット41の表示情報を見ることができる。図14(b)−(d)のそれぞれに示すように、情報表示ユニット41としては、バッテリー46、ドライバー43、CPU44、通信回路45、表示情報保持回路51、二次電池52などのリジッドな装置を点在配置した少なくとも一方向に曲げられるフレキシブルな回路基板71を、少なくとも一方向に曲げられるフレキシブル情報表示用パネル72の裏側に配置した構成とすることが好ましい。この回路基板71は情報表示用パネル72と並べて配置した構成としてもよい。なお、上述したリジッドな装置は、ベルト61の進行方向と直交する方向に長い形状とし、エンドレスベルト進行方向と直角な方向に対する可とう性を維持させることが好ましい。
【0052】
図15(a)−(c)は、それぞれ、図14(a)−(d)に示したエスカレータに設けた情報表示ユニット41の情報表示部に表示する情報の一例を説明するための図である。図15(a)に示す例において、エスカレータの手摺りベルト61に設けられた情報表示ユニット41のうち、太い点線81で囲んだ位置にある情報表示ユニット41には「イベント情報」の表示を行い、細い点線82で囲んだ位置にある情報表示ユニット41には「イベント情報」の表示を「注意情報」の表示に書き換えて表示している。
【0053】
なお、図14(a)−(d)および図15(a)−(c)に示す例では、本発明のエンドレスベルトを用いる回転搬送体の一例としてエスカレータの手摺りベルトおよびエスカレータの例を示したが、水平方向に移動させるマンコンベヤの手摺りベルトおよびマンコンベヤや、その他のエンドレスベルトおよび回転搬送体にも本発明を適用することができる。例えば、エンドレスに回転するコンベアベルトに可とう性のある情報表示ユニットを搭載して、その位置にある製品の表示を情報表示部で行うことで、製品の識別に本発明を用いることもできる。
【0054】
以下、本発明のエンドレスベルトに搭載する情報表示ユニットに使用する情報表示用パネルを構成する各部材の材料等について、さらに詳細に説明する。
【0055】
基板としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレン(PE)、ポリカーボネート(PC)、ポリイミド(PI)、ポリエーテルサルフォン(PES)、アクリル等の有機高分子系基板や、ガラスシート、石英シート、金属シート等を用い、観察面側には、このうち透明なものを用いる。また、少なくとも一方向に曲げられるように構成する必要がある。
【0056】
対向して配置する電極の材料に関して、観察側基板の表示エリアに設ける透明電極材料としては、酸化インジウム錫(ITO)、酸化インジウム、亜鉛ドープ酸化インジウム(IZO)、アルミニウムドープ酸化亜鉛(AZO)、アンチモン錫酸化物(ATO)、導電性酸化錫、導電性酸化亜鉛等の透明導電金属酸化物類、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン等の透明導電性高分子類が挙げられる。
【0057】
背面側基板や情報表示用パネル基板の表示エリア外に設ける電極材料としては、酸化インジウム錫(ITO)、酸化インジウム、亜鉛ドープ酸化インジウム(IZO)、アルミニウムドープ酸化亜鉛(AZO)、アンチモン錫酸化物(ATO)、導電性酸化錫、導電性酸化亜鉛等の導電金属酸化物類、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン等の導電性高分子類や、金、銀、銅、アルミニウム、ニッケル、クロム等の金属や、これらの金属を主成分とする合金が挙げられ、このうち可とう性に優れた金属が好ましく用いられる。基板の表示エリア外に設ける電極は透明であってもよいし、透明でなくても良い。
【0058】
電極の形成方法としては、上記例示の材料をスパッタリング法、真空蒸着法、CVD(化学蒸着)法、塗布法等で薄膜状に形成する方法や金属箔(例えば圧延銅箔)をラミネートする方法、導電剤を溶媒や合成樹脂バインダーに混合して塗布したりする方法が用いられる。パターン形成可能で導電性である上記材料を好適に用いることができる。なお、観察面側電極厚みは、導電性が確保でき光透過性に支障がなければ良く、0.01〜10μmが好ましく、0.05〜5μmがより好ましい。また、背面側電極厚みは、導電性が確保できれば良く、0.01〜10μmが好ましく、0.05〜5μmがより好ましい。
【0059】
表示エリアに設ける電極をライン状のストライプ電極とする場合には、ストライプ電極の幅、厚さが電気抵抗に係り、ストライプ電極長が長くなると電気抵抗による電圧降下の影響が顕著になるため、画素サイズに影響しない電極厚さは、光透過性に影響しない範囲でできるだけ厚くして電気抵抗を小さくすることが好ましい。
【0060】
基板間ギャップ確保用として設ける隔壁部分や、セル形成専用の隔壁部分の形成材料としては、ドライフィルムレジスト材が好適に用いられる。一例として、アルフォNIT2(ニチゴーモートン社製)やPDF300(新日鐵化学社製)を使用することができる。
【0061】
形成したい隔壁部分の高さに合せた厚みのドライフィルムレジスト材をパネル基板に積層し、所定形状のフォトマスクを用いてフォトリソ法によってパターニングしたり、金型を用いて隔壁を転写形成したりすることができる。
【0062】
本発明で用いることができる接着剤組成物の配合例を以下の表1に示す。液状エラストマーとしてはポリイソプレン([化1]の1、重量平均分子量30,000)、ポリスチレン−ポリブタジエン([化1]の2、重量平均分子量30,000)、およびポリイソプレンのアリル位を一部無水コハク酸で置換したエラストマー([化1]の3、重量平均分子量25,000、クラレ製LIR430)を用いた。単官能アクリル系化合物としてドデシルメタクリレート([化1]の4)およびヘキシルメタクリレート([化1]の5)を、多官能アクリル系化合物としてテトラエチレングリコールジアクリレート([化1]の6)を、多官能メタクリル系化合物としてテトラエチレングリコールジメタクリレート([化1]の7)を、多官能アクリル系化合物としてトリメチロールプロパントリアクリレート([化1]の8)を用いた。光ラジカル発生剤としては、チバ・ジャパン製のIrgacure(登録商標)184([化1]の9)、Irgacure 651([化1]の10)を、熱ラジカル発生剤としては、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン([化1]の11)およびアセチルアセトンパーオキサイド([化1]の12)を用いることができる。
【0063】
【化1】

【0064】
【表1】

【0065】
表1に示す配合例の接着剤組成物を接着剤9として用いて、図8に示した構造の情報表示用パネル(ITOライン電極付きの2枚のポリエチレンテレフタレートフィルム基板を貼り合わせた構成でパッシブ駆動する方式のもの)を作製し、図14(b)に示した構成の情報表示ユニットとして、エスカレーターの手摺りベルトの評価用エンドレスベルトに搭載して表示書き換え性能および機械的強度の耐久性を評価した。
【0066】
情報表示ユニットを評価用エンドレスベルトに搭載する方法および情報表示用パネルと回路基板とを重ねた構成とする場合に重ねて貼り合わせる方法としては、いずれも両面に粘着剤が配置されたフィルム(市販の両面粘着テープ)を用いて貼り合わせ、エンドレスベルト表面に情報表示部を固定する方法を用いた。
【0067】
いずれの場合も、情報表示ユニットが破壊したり、回路基板が破壊したりすることがなく、表示書き換えも良好に行える結果が得られ、情報表示ユニットがUターン時に曲げられることに対応できるフレキシビリティと、Uターンする度に曲げと曲げからの戻しとが繰り返し働くことに対する耐久性を満足できるものであることが分かった。
【0068】
これまでフレキシブルな情報表示用パネルとして、帯電粒子気体中移動方式の情報表示用パネルについて説明してきたが、フレキシブルな情報表示用パネルとしてはこの他に、帯電粒子電気泳動方式や液晶方式、エレクトロルミネッセンス(EL)方式を、2枚の、少なくとも一方向に曲げられるフレキシブル基板で構成した情報表示用パネルがある。
【0069】
いずれの表示方式の情報表示用パネルを用いた情報表示ユニットであっても、これまでに述べてきた構成とすることにより、本発明のエンドレスベルトの情報表示ユニットとして使用することができる。
【0070】
これら情報表示ユニットの情報表示用パネルにおいて、パネル基板間の空間に配置する接着剤や枠シール剤、さらに導電微粒子を含有した異方導電性シール剤、異方導電性接着剤などに本発明に係る接着剤組成物を用いることによって、回転搬送体に用いるエンドレスベルトに搭載可能な情報表示ユニットとすることができる。
【0071】
本発明のエンドレスベルトを搭載する回転搬送体は、情報表示用パネルと回路基板とを含む構成であり、回路を構成する電気部品は回路基板に搭載することが好ましいが、情報表示用パネルのフレキシビリティを損なわないようにして、情報表示用パネルに搭載することもできる。
【0072】
また、情報表示用パネルの駆動方式としては、セグメント駆動させる方式やドットマトリックスをパッシブ駆動する方式、ドットマトリックスをアクティブ駆動させる方式を用いることができる。
【産業上の利用可能性】
【0073】
本発明のエンドレスベルトは、エスカレータや動く歩道のようなマンコンベヤの手摺りベルトのほか、物品を搬送するコンベアベルトなど、Uターン時に曲げられ、人や物品を搬送している時には平坦になるといった、曲げと戻りとが繰り返される回転搬送機能を有する装置に用いる回転型エンドレスベルトの表面で、情報表示用パネルによって情報表示できるようにした構成の回転型エンドレスベルトとして好適に用いることができる。
【0074】
また、本発明の情報表示ユニットを搭載した回転型エンドレスベルトは、Uターン時に曲げられ、情報を表示している時には平坦になるといった、曲げと戻りとが繰り返されるベルト部に情報表示ユニットが搭載された回転型エンドレスベルトとしても好適に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】(a)−(c)はそれぞれ本発明のエンドレスベルトを用いる回転搬送体の情報表示部として使用する情報表示用パネルの一例を示す図である。
【図2】(a)−(c)はそれぞれ本発明のエンドレスベルトを用いる回転搬送体の情報表示部として使用する情報表示用パネルの他の例を示す図である。
【図3】(a)−(c)はそれぞれ本発明のエンドレスベルトを用いる回転搬送体の情報表示部として使用する情報表示用パネルのさらに他の例を示す図である。
【図4】(a)、(b)はそれぞれ本発明のエンドレスベルトを用いる回転搬送体の情報表示部として使用する情報表示用パネルのさらに他の例を示す図である。
【図5】(a)、(b)はそれぞれ本発明のエンドレスベルトを用いる回転搬送体の情報表示部として使用する情報表示用パネルのさらに他の例を示す図である。
【図6】(a)−(c)はそれぞれ本発明のエンドレスベルトを用いる回転搬送体の情報表示部として使用する情報表示用パネルのさらに他の例を示す図である。
【図7】(a)−(c)はそれぞれ本発明のエンドレスベルトを用いる回転搬送体の情報表示部として使用する情報表示用パネルのさらに他の例を示す図である。
【図8】(a)−(c)はそれぞれ本発明のエンドレスベルトを用いる回転搬送体の情報表示部として使用する情報表示用パネルの製造方法の一例を説明するための図である。
【図9】(a)−(c)はそれぞれ本発明のエンドレスベルトを用いる回転搬送体の情報表示部として使用する情報表示用パネルの製造方法の他の例を説明するための図である。
【図10】(a)−(c)はそれぞれ本発明のエンドレスベルトを用いる回転搬送体の情報表示部として使用する情報表示用パネルにおいて、可とう性を持たせるための一構成を説明するための図である。
【図11】本発明のエンドレスベルトを用いる回転搬送体の情報表示部として使用する情報表示用パネルにおいて、通信を可能とするための一構成を説明するための図である。
【図12】本発明のエンドレスベルトを用いる回転搬送体の情報表示部として使用する情報表示用パネルにおいて、通信を可能とするための他の構成を説明するための図である。
【図13】本発明のエンドレスベルトを用いる回転搬送体の情報表示部として使用する情報表示用パネルにおいて、通信を可能とするためのさらに他の構成を説明するための図である。
【図14】(a)−(d)はそれぞれ本発明のエンドレスベルトを用いる回転搬送体の一例としてエスカレータの例を説明するための図である。
【図15】(a)−(c)はそれぞれ図14(a)−(d)に示したエスカレータに設けた情報表示部に表示する情報の一例を説明するための図である。
【符号の説明】
【0076】
1、2 基板
3W 白色表示媒体
3Wa 負帯電性白色粒子
3B 黒色表示媒体
3Ba 正帯電性黒色粒子
4 隔壁
4−1 基板間ギャップ確保用部材
4−2、4−2−1、4−2−2 仕切り部材
5、6 電極
7 セル
8 隙間
9 接着剤
21−1〜21−4 セル
22R 赤色カラーフィルター
22G 緑色カラーフィルター
22BL 青色カラーフィルター
22T 透明カラーフィルター
31 背面側基板
32 表示エリア
33 第1のストライプ電極
34 観察面側基板
35 第2のストライプ電極
36 第2の引き出し電極
37 第1の引き出し電極
38 シール剤
41 情報表示部(情報表示ユニット)
42 表示器
43 ドライバー回路
44 CPU
45 通信回路
46 バッテリー
47 外部装置
51 表示情報保護回路
52 2次電池
61 ベルト
62 利用者
71 フレキシブルな回路基板
72 フレキシブルな情報表示用パネル
81 太い点線
82 細い点線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報表示部を有するエンドレスベルトであって、情報表示部は少なくとも一方が透明で対向する2枚のフレキシブル基板により形成された空間を備え、前記空間には表示媒体が封入されており、前記フレキシブル基板は少なくとも一方向に曲がる可とう性を備えることを特徴とするエンドレスベルト。
【請求項2】
前記表示媒体は電気的に駆動可能で光学反射率を有した粒子を含んだ粒子群であることを特徴とする請求項1に記載のエンドレスベルト。
【請求項3】
前記フレキシブル基板間は隔壁により複数の空間に区切られていることを特徴とする請求項1または2に記載のエンドレスベルト。
【請求項4】
前記隔壁とフレキシブル基板とを貼り合わせるための接着剤組成物として、室温で液状のエラストマーと、アクリル系および/またはメタクリル系化合物と、光ラジカル発生剤と、熱ラジカル発生剤とを含んでなり、アクリル系および/またはメタクリル系化合物及び光ラジカル発生剤による光硬化性と液状エラストマー及び熱ラジカル発生剤による熱硬化性を有し、アクリル系および/またはメタクリル系化合物の光照射によるラジカル重合により形成されるゲル状態の仮硬化状態を経た後、さらに加熱によってラジカルを発生させることでエラストマーの分子鎖の架橋反応により本硬化を行う接着剤組成物を用いることを特徴とする請求項3に記載のエンドレスベルト。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載のエンドレスベルトを用いたことを特徴とする回転搬送体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2010−100382(P2010−100382A)
【公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−272283(P2008−272283)
【出願日】平成20年10月22日(2008.10.22)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000005278)株式会社ブリヂストン (11,469)
【Fターム(参考)】