説明

エンドレス環状洗濯ネット

【課題】
従来の洗濯ネットは、ネット内で洗濯物が団子状にかたまって、洗いやすすぎが不十分であったり、絡み合ったり引っ張り合いして偏り傷や型くずれ等が発生していた。
そこで、本願は、長尺物でも折り畳まずネット内に簡単に収納でき、更に、洗濯物がネット内で団子状にならず、絡み合い、引っ張り偏り等が生ぜず、洗濯物に傷が付かず、洗いやすすぎが綺麗にでき、生地の風合をも損なうことがないエンドレス環状洗濯ネットを提供するものである。
【解決手段】
両端部を開口した筒状ネットを成形し、該両端部を接合して無閉塞な環状体に成形したことを特徴としたエンドレス環状洗濯ネットである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カバー、カーテン、シーツ等の幅の広い物やバスタオル、ズボン等のロ
ングタイプを洗濯するに適したエンドレス環状洗濯ネットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、洗濯機で衣類等を洗濯する際、衣類を傷めないように洗濯することを目的にして、様々な形状をした洗濯ネットが提案されている。これら提案されているなかで、ズボンのような長尺物を収納する長尺洗濯ネットが特開2005−211640号で提案されている。
又、洗濯物がネット内で捩れや引っ張りが生じ型くずれや傷が発生するので、洗濯物を収納したネットをロール状に巻き束縛する手法を実開平5−13380号で提案されている。
更に、ネット内で洗濯物が偏り団子状になったり、絡み合ったりするのでこれを解消する目的で、実用新案登録第3031339号で複数箇所を区分した袋体の洗濯ネット袋が提案されている。
又、実用新案登録番号第3040873号にてルーズソックスやストッキング等の如きロングタイプ類の洗濯物を折り畳まずに収納する長尺洗濯ネットを形成して、更に、両端を閉塞(止着)した閉塞環状洗濯ネットも提案されている。
しかし、該環状にした洗濯ネットでも、ロングタイプ類の洗濯物は収納部の中で遊動して互いに絡み合うことを問題視してネット本体中央部にフロートを設け、常時、上に浮遊させる対応も提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録番号第3040873号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のように従来の洗濯ネットは、ネット内で洗濯物が擦れあい、傷や、型くずれが発生しないように種々対応が採られている。
これら従来の洗濯ネットのなかでも、実用新案登録番号第3040873号公報の図6で開示するように、長尺物を長尺ネット内に折り畳まない状態で収納されるにしても、前述の如くネット内で遊動して洗濯物が絡み合うことを問題視している。
そこで、本願は、ネットを細長い筒状にすることで、長尺物でも折り畳まずネット内に簡単に挿入でき、更に、洗濯物がネット内で団子状に偏らずに、絡み合い、捩れ、引っ張り等が生ぜず、洗濯物に傷や、型くずれがなく綺麗に洗濯でき、更に、生地の風合をも損なうことがないエンドレス環状洗濯ネットを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願は上記の目的を達成するために、バスタオル、シーツ、カバー、セータやタイツ等のロングタイプ物を折り畳まずに収納できる両端部を開口した筒状ネットを構成し、更に、該筒状ネットの両端の開口部を接合したエンドレス環状洗濯ネットを提供するものである。
尚、筒状ネット両端の開口部をオープンファスナーや面ファスナー、ホック、ボタン、紐等で連結する手段を提案する。
更に、洗濯物の長さに適用できるように、筒状ネット本体部の長さを適宜に調整可能なようにファスナーやボタン、紐等を設けて、ネットの長さを調整する手段をも提案する。
又、筒状ネット内で洗濯物の動きを抑えるために、開口部や胴体部に弾力性のあるゴム輪や、紐等で径を絞る手段を提案する。紐で径を絞る方法には、紐で結ぶとか、紐に留め金具を通してスライドする方法等がある。
尚、ファスナーの取手部、ホック、ボタン等の固形物には他の洗濯物に傷を付けないように保護カバーを設けることも提案する。
【0006】
更に、含水すると重くなるバスタオル等のような洗濯物は洗濯槽の底に沈下して洗濯物に均一に水流が与えられない。そこで本願では、ネットにフロートを取付けて洗濯物を浮揚させて均一に水流を与えることにより綺麗に洗濯される手段を提案する。
フロートは環状体のフロートでもよいし、紐で結び付けてもよい。
尚、該フロートの機能と前記の径を絞るゴム輪の機能とを一体化したゴム輪付きフロートでもよい。
【0007】
本発明で使用するネットの素材は従来品のように、通水性の良いレース、メッシ
ュ等で良く、特別特定はしなしい。
尚、ファスナー等の材質も現有の洗濯ネットで使用されている材質でよい。
【発明の効果】
【0008】
本発明は無閉塞な筒状のネットを環状体に形成されているので、次の様な特有の効果が生じる。
1 本願のネットは無閉塞で環状に形成されている為、例えば、ネットの円周が1mのものであっても、タイツ等脚部やシャツ等の腕部を拡げて2.5m程度の長尺物でも図6に示すように折り畳まずに巻いた状態でネット内に容易に収納が可能であるので、如何なる長尺物でも一切折り畳まずに収納できる本願特有の効果がある。
2 折り畳まずに収納する従来ネットでは、洗濯物の長さに合った長尺のネットが必要になるが、 本願は1本のネットで全ての長尺物に対応出来る本願特有の効果がある。
3 本願の筒状ネットには長さを調整する手段を講じているので、1m以下の短い洗濯物でも、常に重ね巻きして収納できる。
4 本願は環状洗濯ネットには、接合部や胴体部の径を絞る手段を講じているので、タイツ一枚でも収納物に合わせてネットの径に調整することが出来る特徴がある。
5 本願は洗濯物の重ね巻き、ネットの径を絞ったり、又は、ネットの長さ調整等によって如何なる洗濯物でもネット内での移動や引っ張り合い、捩れ、偏り、絡み合い等を拘束する作用が生じ、洗濯物を傷つけることなく、且つ、生地の風合いを損なうことなく綺麗な洗濯を可能にしている。
6 ファスナー等の取手やホック、ボタン等の固形物によって衣類を損傷しないに保護カバーを設けてあるので、ネット外の洗濯物を傷つける心配がない。
7 ネット胴体部にフロートを設けることによって、重い洗濯物の沈下を防ぎ常に浮揚させて均一に洗濯することを可能にした。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の第1実施例で両端部をオープンファスナーで接合状態を示すエン ドレス環状洗濯ネットの斜視図である。
【図2】本発明の第2実施例で両端部を紐で接合状態にしたエンドレス環状洗濯ネ ットの斜視図である。
【図3】本発明の第3実施例で両端部を面ファスナーで接合しネット胴体を紐で長さ調 整したエンドレス環状洗濯ネットの斜視図である。
【図4】本発明の第1実施例のエンドレス環状洗濯ネットで胴体や接合部にゴム輪を取 付け径を絞り、更に、フロートを取付けた状態を示す斜視図である
【図5】タイツの脚部を拡げてネット内に収納している状態を示す斜視図である。
【図6】本発明の第1実施例のエンドレス環状洗濯ネット内に図5に示すタイツが収納 された状態を示す斜視図である。
【図7】ファスナーの取手部に保護カバーを装着した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例】
【0010】
第1実施例を図1に示し、図に基づき説明する。
両端部(3)を開口した筒状ネット(2)を成形し、該両端部にオープンファスナー(4)を装着し、該オープンファスナーで両端部(3)を接合して環状体に成形したエンドレス環状洗濯ネット(1)である。
【0011】
第2実施例を図2に示し、図に基づき説明する。
両端部(3)を開口した筒状ネット(2)を成形し、該両端部に紐(41)を複数個取
付け、該紐で両端部(3)を結んで環状体に成形したエンドレス環状洗濯ネット(1)
である。
【0012】
第3実施例を図3に示し、図に基づき説明する。
両端部(3)を開口した筒状ネット(2)を成形し、該両端部に面ファスナー(42)を装着し、該面ファスナーで両端部(3)を接合して環状体に成形したエンドレス環状洗濯ネット(1)であって、前記筒状ネット(2)の中央部に紐(5)を複数個の2列に設け、該1列目と2列目とを結束して、ネットの長さを短く調整した状態を示す。
【0013】
第4実施例を図4に示し、図に基づき説明する。
両端部(3)を開口した筒状ネット(2)を成形し、該両端部にオープンファスナー(4)を装着し、両端部(3)を接合して環状体に成形したエンドレス環状洗濯ネット(1)であって、前記筒状ネット(2)の中央部と接合部近傍にゴム輪(10)を取付けネットの径を絞った。更に、発泡樹脂製の環状フロート(11)を装着した状態を示す。
【0014】
タイツ(7)の両脚部を拡げてオープンにした筒状ネット(2)内にタイツを両手で収納する状態を図5に示す。
【0015】
第1実施例の環状洗濯ネットに、前記タイツの脚部が拡げて脚部の先端部が重なった状態で収納し更に接合部近傍を紐(6)で径を絞った状態を図6に示す。
【0016】
ファスナーの取手部が保護カバーで保護された状態を図7に示す。
綿布でカバー(8)を成形し、該カバーを紐(9)結束する手段である。
【符号の説明】
【0017】
1 エンドレス環状洗濯ネット
2 筒状ネット
3 端部
4 オープンファスナー
41 接合用紐
42 面ファスナー
5 長さ調整用紐
6 径絞り用紐
7 タイツの脚部
8 保護カバー
9 保護カバー用紐
10 ゴム輪
11 環状フロート












【特許請求の範囲】
【請求項1】
両端部を開口して筒状ネットを成形し、該両端部を接合して無閉塞な環状体に成形したことを特徴としたエンドレス環状洗濯ネット。
【請求項2】
両端部を開口して筒状ネットを成形し、該両端部を接合して無閉塞な環状体に成形したエンドレス環状洗濯ネットであって、前記筒状ネットの胴体部にネットの長さを調整する手段を設けたことを特徴としたエンドレス環状洗濯ネット。
【請求項3】
両端部を開口して筒状ネットを成形し、該両端部を接合して無閉塞な環状体に成形したエンドレス環状洗濯ネットであって、前記筒状ネットの胴体部や前記端部の径を絞る手段を設けたことを特徴としたエンドレス環状洗濯ネット。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の筒状ネットに、洗濯物を浮揚さすフロートを設けたことを特徴としたエンドレス環状洗濯ネット。


























【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−217496(P2012−217496A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−83264(P2011−83264)
【出願日】平成23年4月5日(2011.4.5)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第3項適用申請有り 平成22年11月3日〜7日 社団法人全国発明婦人協会主催の「第50回 「暮らしの発明展」」に出品
【出願人】(303049245)
【Fターム(参考)】