説明

エンボス文字列読取方法および装置

【課題】カードに形成されているエンボス文字列を暗視野照明法によって正確に読み取ることのできるエンボス文字列読取装置を提案すること。
【解決手段】エンボス文字列読取装置1は、第1照明光源12、13により、カード2の表面3をその長辺方向の両側から照射角度12度の平行光で照明し、第2照明光源14、15により、カード2の表面3をその短辺方向の両側から、エンボス文字列4の並び方向に直交する方向においては照射角度12度の平行光で照明し、エンボス文字列4の並び方向においては拡散光で照明する。カード長辺方向に延びるエンボス文字列4の各エンボス文字の輪郭が、欠落なく、カード背景から鮮明に浮き出た画像を撮影でき、これに基づき、カード2の表面3のエンボス文字列4を正確に読み取ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クレジットカードなどのカードの表面に形成されているエンボス文字列を暗視野照明法によって読み取る方法および装置に関し、特に、エンボス文字輪郭の鮮明な反射画像を撮影できるようにカード表面を照明するための改良技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
クレジットカード、銀行カードなどのカードには、エンボス加工によって数字、英文字などからなる識別番号列(以下、エンボス文字列と呼ぶ。)が形成されている。このようなエンボス文字列の読取機構としては、エンボス文字列を機械的に写し取る方法(インプリント)の代わりに、光学的に読み取る方法が知られている。光学的な読取方法としては、エンボス文字列が形成されているカードの表面を斜め方向から照明し、これによって浮かび上がるエンボス文字のエッジの反射画像をCCDカメラなどの撮像素子によって読み取る暗視野照明法が知られている。かかる読取方法は特許文献1、2に開示されている。
【特許文献1】特開平5−89276号公報
【特許文献2】実開平5−66762号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
暗視野照明法によって撮影したエンボス文字列の各エンボス文字の輪郭画像を、カード背景画像から画像処理によって切り出して正確に各エンボス文字を認識できるようにするためには、エンボス文字列を構成している各エンボス文字の輪郭がカード背景から鮮明に浮き出た反射画像を形成する必要がある。また、エンボス文字の輪郭の太さが各部分において均一となるようなエンボス文字の反射画像を取得する必要がある。
【0004】
ここで、クレジットカードなどのカードでは、標準規格によってエンボス文字列の形成領域が規定され、エンボス文字列がカード長辺方向に延びている。このため、例えば、エンボス文字列の両端に位置するエンボス文字と中央に位置するエンボス文字とでは照明条件が大きく相違する。すなわち、照明光の照射角度および光量が異なる。
【0005】
これに加えて、クレジットカードなどにおいては、エンボス文字列の背景(カード表面部分)が、カラー印刷面、ホログラム面などと多様である。カード背景の状態が相違している場合には、エンボス文字輪郭がカード背景から鮮明に浮き出た状態の画像を撮影できないことがある。
【0006】
従来においては、カードに形成されたエンボス文字列の各部分の照明条件の相違に起因する読取不良、ホログラムなどのカード背景の相違に基づく読取不良などについては考慮されていない。このため、カードに形成されているエンボス文字列を正確に読み取ることができないという問題点がある。
【0007】
本発明の課題は、このような点に鑑みて、カード表面においてその長辺方向に延びるエンボス文字列を暗視野照明法によって正確に読み取ることができるエンボス文字列読取方法および装置を提案することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、本発明は、カードの表面に形成されているエンボス文字列を暗視野照明法によって読み取るエンボス文字列読取方法において、前記エンボス文字列の並び方向の両側および当該エンボス文字列の並び方向に直交する方向の両側から、カード表面に対して所定の照射角度の照明光で、当該カード表面を照明し、前記エンボス文字列を含む前記カード表面を撮影し、撮影画像から前記エンボス文字列の各エンボス文字を識別し、
前記照明光の照射角度を、前記カード表面の状態と、前記エンボス文字の凸状部分の高さおよび間隔とに基づき設定することを特徴としている。
【0009】
本発明の方法では、カードの四周からカード表面を照明しているので、カード表面に形成されているエンボス文字の各輪郭部分の反射画像を確実に取得できる。また、照明光の照射角度を、カード表面の状態および、エンボス文字の凸状部の高さ、間隔に応じて決定しているので、カード背景とエンボス文字輪郭とのコントラストが十分に高く、しかも、エンボス文字の輪郭に欠落のない反射画像を取得できる。この結果、正確にエンボス文字を読み取ることができる。
【0010】
ここで、クレジットカードのなどのカードに用いられるエンボス文字のフォントは一般にFarrington7Bである。この場合、エンボス文字における隣接する凸部の一方によって他方への照明光が遮られて、エンボス文字の輪郭の反射画像に部分的な欠落ができないようにするためには、前記照明光の照射角度を約12度とすることが望ましい。
【0011】
次に、エンボス文字列を暗視野照明法によって正確に読み取るためには、エンボス文字列の各エンボス文字の輪郭線が各部分において均一な太さの反射画像となるように照明することが望ましい。このためには、各エンボス文字を、同一の照射角度で同一光量の照明光で照明する必要がある。このためには、照明光として平行光を用いることが望ましい。
【0012】
しかしながら、エンボス文字列の並び方向、およびこれに直交する方向からそれぞれ平行光で照明した場合には、エンボス文字の角部分などのように、各平行光に対して直交しない方向に延びている輪郭部分からは十分な反射光が得られず、このような輪郭部分が不鮮明となっている反射画像が得られ、エンボス文字の読取精度が低下するおそれがある。したがって、各エンボス文字の角部分などの輪郭を鮮明化するためには照明光として拡散光を用いることが望ましい。
【0013】
ここで、エンボス文字例の並び方向の両側からの照明光として拡散光を用いると、照明光源からの距離に応じて、各エンボス文字に対する照明光の照射角度の変動および照明光量の変動が大きくなり、各部分のエンボス文字の輪郭が均一な太さの反射画像にならない。エンボス文字列の並び方向に直交する方向の両側からの照明の場合には、照明光源からの距離の差がエンボス文字一つ分だけであるので、拡散光で照明しても、エンボス文字の各輪郭部分の反射画像の太さが大きく変動することはない。
【0014】
そこで、本発明の方法では、前記エンボス文字列の並び方向の両側からの照明光として、平行光となるものを用いることを特徴としている。
【0015】
また、エンボス文字におけるエンボス文字列の並び方向および、これに直交する方向のいずれにも平行とはなっていない輪郭部分からの反射光量を確保するために、本発明の方法では、前記エンボス文字列の並び方向に直交する方向の両側からの照明光として、拡散光となるものを用いることを特徴としている。
【0016】
次に、本発明は、カードの表面に形成されているエンボス文字列を暗視野照明法によって読み取るエンボス文字列読み取り装置において、読取対象のカードを設置するためのカード設置部と、前記カード設置部に設置された前記カードの表面を、前記エンボス文字列の並び方向の両側から照明する第1照明光源と、前記カード設置部に設置された前記カードの表面を、前記エンボス文字列の並び方向に直交する方向の両側から照明する第2照明光源と、前記カード設置部に設置された前記カードの表面の上方に位置し、照明された前記カードを撮影する撮像手段とを有し、前記第1照明光源および前記第2照明光源による照明光の前記カードの表面に対する照射角度が、前記カードの表面状態と、前記エンボス文字列のエンボス文字の凸状部の高さ、および間隔とに基づき設定されていることを特徴としている。
【0017】
ここで、前記照明光の照射角度が約12度であることが望ましい。
【0018】
また、前記第1照明光源による照明光は平行光であり、前記第2照明光源による照明光は拡散光であることが望ましい。
【発明の効果】
【0019】
以上説明したように、本発明のエンボス文字列読取方法および装置では、カード表面に形成されているエンボス文字列を読み取るために、エンボス文字列の並び方向の両側、およびエンボス文字列の並び方向に直交する方向の両側から、カード表面を照明すると共に、各方向からの照明光の照射角度を適切な値、好ましくは12度としてある。このようにカード表面を照明すると、エンボス文字の各輪郭部分とカード表面とのコントラストが大きく、しかも、エンボス文字の輪郭に欠落のない鮮明な反射画像を取得でき、エンボス文字列の各エンボス文字を正確に読み取ることができる。
【0020】
また、本発明では、カード表面のエンボス文字列を、その並び方向の両側から平行光で照明し、これに直交する方向の両側からは拡散光で照明している。このように照明すると、エンボス文字列の各エンボス文字の各輪郭部分を鮮明で均一な太さの反射画像として取得できる。よって、エンボス文字列の読取精度を高めることができる。
【0021】
したがって、本発明によれば、カードに形成されているエンボス文字列を暗視野証明法によって正確に読み取ることのできる方法および装置を実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下に、図面を参照して、本発明を適用したクレジットカードのエンボス文字列読取装置の例を説明する。
【0023】
図1(a)は本例のエンボス文字列読取装置の主要部分を示す概略構成図であり、図1(b)は照明光学系の配置を示す説明図である。本例のエンボス文字列読取装置1は、暗視野照明法によってクレジットカード2(以下、単に「カード2」と呼ぶ。)の表面3に形成されているエンボス文字列4を読み取るためのものである。
【0024】
エンボス文字列読取装置1は、読取対象のカード2を設置するためのカード設置部11と、このカード設置部11に設置されたカード2の表面3を、カード長辺方向(エンボス文字列4の並び方向)の両側から照明する第1照明光源12、13と、カード設置部11に設置されたカード2の表面3を、カード短辺方向(エンボス文字列4の並び方向に直交する方向)の両側から照明する第2照明光源14、15と、カード設置部11に設置されたカード2の表面3の上方に位置し、照明されたカード表面3の反射画像を撮影する撮像素子であるCCDカメラ16とを有している。
【0025】
CCDカメラ16の撮影画像は制御部17に供給され、制御部17の画像処理部18において撮影画像からエンボス文字列4の各エンボス文字の輪郭が切り出され、切り出された輪郭情報に基づき識別部19においてエンボス文字列4を構成している各エンボス文字が識別される。読み取られたエンボス文字情報は、制御部17から通信用インターフェース20を介して、ホストコンピュータなどの外部装置に出力される。
【0026】
図1(b)において、カード2の左右の第1照明光源12、13は、それぞれ、点光源であるLED31と、ここからの拡散光を平行光に変更するコリメートレンズ32とを備えている。コリメートレンズ32から射出される平行光が照明光として、カード表面3のエンボス文字列4をその並び方向の両側から照明する。第1照明光源12、13を、図に示すように、エンボス文字列4の並び位置に合わせて配置すると、効率良くエンボス文字列4を照明できる。本例では、この平行光がカード2の表面3を12度の照射角度θで照明するようになっている。
【0027】
また、図1(b)において、カード2の他方の上下の第2照明光源14、15は、それぞれ、一定間隔で配列された複数個のLED33と、これらLED33の射出側に配置された1本のシリンドリカルレンズ34を備えている。シリンドリカルレンズ34は、カード表面3に垂直な方向(エンボス文字列4の並びに対し垂直方向)においては正の屈折力を有し、これに直交する方向(エンボス文字列4の並んでいる方向)においては屈折力を有していない。本例では、各LED33からの拡散光がシリンドリカルレンズ34を通った後は、カード表面3に垂直な方向(エンボス文字列4の並びに対し垂直方向)においては平行光としてカード表面3のエンボス列4の部分に集光し照射するように設計されている。これにより第2照明光源14、15からの照射光は、エンボス文字列4部分にのみ集光され効率良く照射することができる。これに直交する方向(カード表面に平行な方向、エンボス文字列4の並んでいる方向)においては、拡散光のままカード表面3のエンボス列4全体に照射する。このように、第2照明光源14、15は、カード短辺方向(エンボス文字列4の並び方向に直交する方向)の両側から、エンボス文字列4に拡散光を照射する。また、カード表面3に垂直な方向における平行光は、カード表面3を12度の照射角度θで照明するようになっている。
【0028】
カード2の読取動作は、例えば、カード設置部11にカード2を設置した後に入力部21を介して読取指令を入力することにより起動する。制御部17はLEDドライバ22を介して各照明光源12〜15を点灯駆動し、次に、CCDカメラ16を駆動して、照明されているカード表面3の画像を撮影し、撮影画像を処理してエンボス文字列4の読取動作を行う。
【0029】
図2は、本例の装置1の読取対象であるカード2の仕様を示す説明図である。図2(a)に示すように、カード2はISO/IEC7810によって標準規格が定まっており、カード2の表面3の中ほどの位置が、図2(b)のような最大19文字からなるエンボス領域4aとして定められている。また図2(c)に示すように、エンボス領域4aに形成されるエンボス文字のフォントFも標準規格により定めらており、例えばFarrington7Bが用いられている。このフォントFは、各文字が基本的に縦方向および横方向に延びる縦セグメントおよび横セングメントと、これらの交差部分を繋ぐ傾斜セグメントによって基本的に構成されている。エンボス文字列4はカード長辺方向Xに延びており、各エンボス文字はカード短辺方向Yに上下となるように形成されている。
【0030】
また、当該フォントFにおいてセグメント間隔が最も狭いものが数字の「4」である。図3(a)、図3(b)に示すように、数字の「4」における縦セングメントa、bの間隔が最も狭く、0.88mmである。エンボス加工によって形成される縦セグメントa、bの凸状部分の高さは規格によって0.48+0/−0.18と定まっており、隣接セグメントのエッジに照射するワースト条件は、それぞれ0.48mmおよび0.3mmである。したがって、カード表面3の斜め上方から照明光Lを照射する場合において、隣接する双方のセグメントa、bのエッジに照明光を照射するためには、図3(a)に示すように、照明光の入射角度θを11.56度以上にすることが望ましい。
【0031】
本例のエンボス文字列読取装置1は、かかるカード2に形成されているエンボス文字列4の画像を鮮明に取得することが可能となっている。
【0032】
まず、図1(b)においてカード2における長辺方向の両側に配置されている左右の第1照明光源12、13からの平行な照明光により、エンボス文字列4の各エンボス文字の縦セグメントのエッジを、光源からの距離の差の影響を少なくして照明できる。また図1(b)において、カード2の短辺方向の両側に配置されている上下の第2照明光源14、15からの照明光によってエンボス文字列の各エンボス文字の横セグメントのエッジを照明できる。さらに、第2照明光源14、15は、カード2の表面3の方向に沿って見た場合には拡散光であるので、エンボス文字列の各エンボス文字の縦横のセグメントの交差部分の傾斜セグメントのエッジを照明できる。これに加えて、各照明光の照射角度θを12度としてあるので、数字の「4」のように、隣接する縦セグメントの間隔が狭いフォントにおいても、各セグメントのエッジを照明することができる。したがって、エンボス文字列の各エンボス文字の輪郭を確実にカメラによって撮影できる。
【0033】
また、照明光の照射角度θは、エンボス文字列4の輪郭のエッジを照射できる範囲で可能な限り小さくしてある。したがって、CCDカメラ16に入射するエンボス文字列4の背景(カード表面部分)からの反射光量を可能な限り抑制できる。よって、エンボス文字列の輪郭とカード4の背景とのコントラストが大きい画像を取得できる。また、カード4の背景の模様やホログラムの影響を少なくすることができる。
【0034】
さらに、カード長辺方向の両側からの照明光を平行光としてあるので、エンボス文字列4の各位置のエンボス文字を、同一の明るさ、および同一の太さの輪郭画像として取得することができる。すなわち、図4(a)に示すように、照明光が拡散光の場合には光源からの距離に応じて光束が広がり、光源からの距離が遠くなると、照明光の照射角度が小さくなり、また、照射光量が減少する。このため、カード長辺方向に延びるエンボス文字列4においては、その両端に位置する光源に近いエンボス文字の照明条件と、その中央に位置するエンボス文字の照明条件とが大幅に相違したものとなってしまう。これでは、一方の側の輪郭画像を鮮明化できたとしても、他方の側の輪郭画像が欠落するなどの弊害が発生する。これに対して、本例の図4(b)に示すように、平行光を用いる場合には、光源からの距離に影響されることなく、各部分における照射角度および照射光量が実質的に同一になる。
【0035】
以上説明したように、本例のエンボス文字列読取装置1を用いれば、カード背景からエンボス文字の輪郭が鮮明に浮き出た画像を撮影することができる。また、各エンボス文字の輪郭を、実質的に同一の明るさ、および太さの輪郭画像として撮影できる。よって、かかる撮影画像に基づき、正確にエンボス文字を読み取ることができる。
【0036】
(その他の実施の形態)
次に、図5には、エンボス文字列読取装置1の照明光源の小型化のための方法を示してある。図5(a)に示すように、照明光源11、12は、単一のLED31と単一のコリメートレンズ32から構成されており、コリメートレンズ32の屈折力に応じて、LED31とコリメートレンズ32の間に間隔W1を取ってある。この間隔を狭くできれば、照明光源11、12を小型化でき、エンボス文字列読取装置1の小型化に有効である。
【0037】
このためには、図5(b)に示すように、コリメートレンズ32を例えば一列状に配列された複数個のレンズ32aに分割し、各レンズ32aに対向させて複数個のLED31を配置すればよい。このようにすれば、LED31とレンズ32aの間隔W2を狭くでき、その分、エンボス文字列読取装置の小型化を達成できる。
【0038】
また、図5(c)に示すように、コリメートレンズ32を省略して、光源ランプとして、拡散光を射出する通常のLED31の代わりに、平行光を射出する平行光照射LED31aを用いるようにしてもよい。
【0039】
勿論、照明光源14、15についても図5(b)、(c)の方法を採用して、これらの小型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明を適用したエンボス文字列読取装置の概略構成図である。
【図2】読取対象のカードの仕様を示す説明図である。
【図3】エンボス文字の一例を示す説明図である。
【図4】拡散光と平行光の相違を示す説明図である。
【図5】照明部の小型化のための方法を示す説明図である。
【符号の説明】
【0041】
1 エンボス文字列読取装置、2 カード、3 表面、4 エンボス文字列、11 カード設置部、12,13 第1照明光源、14,15 第2照明光源、16 CCDカメラ、17 制御部、18 画像処理部、19 識別部、20 通信用インターフェース、21 入力部、22 LEDドライバ、31,33 LED、32 コリメートレンズ、34 シリンドリカルレンズ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カードの表面に形成されているエンボス文字列を暗視野照明法によって読み取るエンボス文字列読取方法において、
前記エンボス文字列の並び方向の両側および当該エンボス文字列の並び方向に直交する方向の両側から、カード表面に対して所定の照射角度の照明光で、当該カード表面を照明し、
前記エンボス文字列を含む前記カード表面を撮影し、
撮影画像から前記エンボス文字列の各エンボス文字を識別し、
前記照明光の照射角度を、前記カード表面の状態と、前記エンボス文字の凸状部分の高さおよび間隔とに基づき設定することを特徴とするエンボス文字列読取方法。
【請求項2】
請求項1において、
前記照明光の照射角度を約12度としたことを特徴とするエンボス文字列読取方法。
【請求項3】
請求項1または2において、
前記エンボス文字列の並び方向の両側からの照明光は平行光であることを特徴とするエンボス文字列読取方法。
【請求項4】
請求項3において、
前記エンボス文字列の並び方向に直交する方向の両側からの照明光は拡散光であることを特徴とするエンボス文字列読取方法。
【請求項5】
カードの表面に形成されているエンボス文字列を暗視野照明法によって読み取るエンボス文字列読み取り装置において、
読取対象のカードを設置するためのカード設置部と、
前記カード設置部に設置された前記カードの表面を、前記エンボス文字列の並び方向の両側から照明する第1照明光源と、
前記カード設置部に設置された前記カードの表面を、前記エンボス文字列の並び方向に直交する方向の両側から照明する第2照明光源と、
前記カード設置部に設置された前記カードの表面の上方に位置し、照明された前記カードの表面を撮影する撮像手段とを有し、
前記第1照明光源および前記第2照明光源による照明光の前記カードの表面に対する照射角度が、前記カードの表面状態と、前記エンボス文字列の各エンボス文字の凸状部の高さおよび間隔とに基づき設定されていることを特徴とするエンボス文字列読取装置。
【請求項6】
請求項5において、
前記照明光の照射角度が約12度であることを特徴とするエンボス文字列読取装置。
【請求項7】
請求項5または6において、
前記第1照明光源による照明光は平行光であり、
前記第2照明手段による照明光は拡散光であることを特徴とするエンボス文字列読取装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−11653(P2007−11653A)
【公開日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−191129(P2005−191129)
【出願日】平成17年6月30日(2005.6.30)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】