説明

オイルクーラ

【課題】冷却水流路8内の突起部31,32の総数を増やして熱交換効率の向上を図るとともに、プレス加工時の減肉による亀裂発生を回避する。
【解決手段】オイルクーラのコア部1は、基本的な形状が共通の多数の第1のコアプレート5と第2のコアプレート6とを交互に積層することで、各コアプレート5,6の間に、オイル流路7と冷却水流路8とが交互に構成される。オイル流路7には、それぞれフィンプレート11が挟み込まれている。冷却水流路8内に突出するように、第1のコアプレート5には円錐台形の第1の突起部31が上方へプレス加工され、第2のコアプレート6には円錐台形の第2の突起部32が下方へプレス加工される。各々の突起部31,32の配置は相補の関係となっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば内燃機関の潤滑油や自動変速機の作動油の冷却等に用いられる所謂多板積層型のオイルクーラに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば内燃機関の潤滑油や自動変速機の作動油のためのオイルクーラとして、特許文献1あるいは特許文献2に開示されているように、多数のコアプレートを積層してオイル流路と冷却水流路とを交互に構成するようにした所謂多板積層型の水冷式オイルクーラが知られている。
【0003】
そして、2枚のコアプレートの間に構成される冷却水流路に着目してみると、いずれか一方のコアプレートに冷却水流路内へ突出する複数の突起部が膨出形成されており、この突起部の頂部が他方のコアプレートの平坦な表面に接合されている。この突起部は、冷却水流路内を流れる冷却水との熱交換効率の向上ならびに積層されたコア部の剛性向上に寄与するものであり、特許文献1では、円錐台形をなす比較的小さい突起部(いわゆるディンプル)が多数配置されており、特許文献2では、半球状の突起部が中心の円筒部を囲むように配置されている。
【0004】
換言すれば、上記コアプレートとしては、複数の突起部を膨出形成したものと、突起部を具備しない平坦面のもの、とがあり、両者が交互に積層されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−183903号公報
【特許文献2】特開2007−278614号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のように、従来の多板積層型のオイルクーラにおいては、冷却水流路内へ突出する複数の突起部が、全て一方のコアプレートに設けられている。この突起部の形成は、一般に、アルミニウム合金等からなる母材からコアプレートをプレス加工する際に、同時に成形されることになるが、いわゆるプレスでの絞り加工となるため、突起部の周囲(根元部)や突起部の頂部に減肉が生じる。
【0007】
従って、熱交換効率の向上のためにより多くの突起部を配置しようとすると、プレス加工時に減肉による亀裂が生じやすくなる。また、これを回避するためには、それだけコアプレート(母材)の板厚を厚く設定する必要が生じ、オイルクーラの重量増加やコストの増加を招来する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
そこで、この発明は、冷却水流路を挟んで対向する2枚のコアプレートの双方に突起部を配置するようにした。すなわち、この発明は、周縁部が互いに接合される第1のコアプレートと第2のコアプレートとを交互に多数積層して、第1のコアプレートの第1の面と第2のコアプレートの第2の面との間のオイル流路と、第2のコアプレートの第1の面と第1のコアプレートの第2の面との間の冷却水流路とを、交互に構成してなるオイルクーラにおいて、上記第1のコアプレートに、上記冷却水流路側へ突出して頂部が上記第2のコアプレートの第1の面に当接する多数の第1の突起部を膨出形成するとともに、上記第2のコアプレートに、上記冷却水流路側へ突出して頂部が上記第1のコアプレートの第2の面に当接する多数の第2の突起部を膨出形成したことを特徴としている。
【0009】
そして、好ましくは、複数の第1の突起部で囲まれた領域内に第2の突起部が位置し、かつ同時に複数の第2の突起部で囲まれた領域内に第1の突起部が位置するように、第1のコアプレートにおける第1の突起部の配置と第2のコアプレートにおける第2の突起部の配置とが相補の配置となっている。
【0010】
上記のように第1のコアプレートと第2のコアプレートの双方に突起部を設けることにより、必要な突起部の総数の中の一部が第1のコアプレートに、残部が第2のコアプレートに、それぞれ加工されることになり、各々のコアプレートに加工すべき突起部の密度が低くなる。
【発明の効果】
【0011】
この発明によれば、各々のコアプレートに加工される突起部の個数が、必要な突起部の総数に比較して少なくなるため、加工時の減肉による亀裂発生を抑制でき、突起部の総数を多くする場合でも薄肉のコアプレートの使用が可能となる。また、それだけ冷却水流路内に多数の突起部を設けることが可能となり、乱流生成による熱交換効率の向上ならびに剛性向上が図れる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】この発明に係るオイルクーラの基本的構成を示す分解斜視図。
【図2】第1のコアプレートの平面図。
【図3】第2のコアプレートの平面図。
【図4】2種のコアプレートを重ねたときの突起部の配置を投影して示す平面図。
【図5】図4のA−A線に沿った断面図。
【図6】第2実施例における第1のコアプレートの平面図。
【図7】第2実施例における第2のコアプレートの平面図。
【図8】第2実施例における図4と同様の平面図。
【図9】図8のB−B線に沿った断面図。
【図10】第1の突起部と第2の突起部の円錐角が異なる第3実施例の断面図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、この発明の一実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の説明では、理解を容易にするために、図1の姿勢を基準として「上」「下」の用語を用いることとするが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0014】
始めにオイルクーラ全体の基本的な構成を説明すると、このオイルクーラは、図1の分解斜視図に示すように、オイルと冷却水との熱交換を行うコア部1と、このコア部1の上面に取り付けられる比較的厚肉の頂部プレート2と、コア部1の下面に取り付けられる底部プレート3,4とから大略構成されている。
【0015】
上記コア部1は、基本的な形状が共通の多数の第1のコアプレート5と第2のコアプレート6とを交互に積層し、各コアプレート5,6の間に、オイル流路7と冷却水流路8とを交互に構成(図5参照)したものである。図示例では、第1のコアプレート5の下面と第2のコアプレート6の上面との間にオイル流路7が構成され、第2のコアプレート6の下面と第1のコアプレート5の上面との間に冷却水流路8が構成される。各オイル流路6には、それぞれ略矩形のフィンプレート11が挟み込まれている。
【0016】
上記第1のコアプレート5および第2のコアプレート6は、アルミニウム合金の薄い母材をプレス成形したものであって、図2,図3にも示すように、全体として略矩形をなし、その対角線上の2箇所にオイル連通孔12が開口形成されているとともに、異なる対角線上の2箇所に、冷却水連通孔13が開口形成されている。そして、第1のコアプレート5では、オイル連通孔12の周囲がボス部14として冷却水流路8側へ突出するように一段高く形成されており、第2のコアプレート6では、冷却水連通孔13の周囲がボス部15としてオイル流路7側へ突出するように一段高く形成されている。従って、これらの2種類のコアプレート5,6が交互に組み合わされることで、各コアプレート5,6間に流路7,8となる一定の間隔が保持されている。
【0017】
ここで、第1のコアプレート5におけるオイル連通孔12周囲のボス部14は、隣接する第2のコアプレート6のオイル連通孔12の周囲に各々接合されており、これにより、上下2つのオイル流路7が互いに連通するとともに、両者間の冷却水流路8から隔絶される。このようにして、多数のコアプレート5,6が接合された状態では、多数のオイル連通孔12を介して、各オイル流路7同士が連通するとともに、全体としてコア部1内をオイルが上下方向に通流し得るようになっている。
【0018】
尚、図1では、各コアプレート5,6のオイル連通孔12が上下に整列した位置に描かれているが、実際には、コア部1軸方向の中間の適宜位置にある1つあるいは複数のコアプレート5,6において、一対のオイル連通孔12の中の一方が閉塞されており、オイルが全体として左右にUターンしつつ流れるようになっている。
【0019】
また、冷却水連通孔13についても、オイル連通孔12と同様の構成となっており、第2のコアプレート6における冷却水連通孔13周囲のボス部15が、隣接する第1のコアプレート5の冷却水連通孔13の周囲に各々接合されており、これにより、上下2つの冷却水流路8が互いに連通するとともに、両者間のオイル流路7から隔絶される。従って、多数のコアプレート5,6が接合された状態では、多数の冷却水連通孔13を介して、各冷却水流路8同士が連通するとともに、全体としてコア部1内を冷却水が上下方向に通流し得るようになっている。
【0020】
各コアプレート5,6の周縁部5a,6aは、外側に拡がったテーパ状をなし、各コアプレート5,6を積層した状態では、各周縁部5a,6aが互いに密に接するようになっている。また、各コアプレート5,6の中央部には、略円錐形に突出したテーパ筒状部5b,6bが設けられており、多数のテーパ筒状部5b,6bが順次重なることで、コア部1を上下に貫通する中央オイル通路17が構成されている。この中央オイル通路17は、各コアプレート5,6間のオイル流路7とは直接には連通していない。
【0021】
上記オイル流路7に挟み込まれるフィンプレート11は、その対角線上の4箇所に、上記オイル連通孔12および上記冷却水連通孔13にそれぞれ対応する開口部18が開口形成されているととともに、中心部に上記中央オイル通路17(テーパ筒状部5b,6b)に対応する貫通孔19が形成されている。上記開口部18は、上記ボス部15に対し若干の余裕を有するように、各連通孔12,13よりも僅かに大きく開口している。尚、図1におけるフィンプレート11は、模式的に描かれたものであり、実際は全体がいわゆるフィン形状に形成されている。
【0022】
コア部1の最上部には、さらに上記の頂部プレート2が積層されている。この頂部プレート2は、コア部1最上部の一対の冷却水連通孔13の一方に連通する冷却水導入管21と他方に連通する冷却水排出管22とを備えている。また、頂部プレート2は、一方の対角線に沿った膨出部23を有し、この膨出部23によって、コア部1最上部の一方のオイル連通孔12と中央オイル通路17の上端とを互いに連通する連通路(図示せず)が構成されている。
【0023】
コア部1の下部には、上述したように、十分な剛性を有する比較的厚肉の底部プレート3,4が積層されている。これらの底部プレート3,4は、コア部1最下部のオイル連通孔12の一方に対応して開口したオイル入口25を備えるとともに、上記中央オイル通路17に対応して開口したオイル出口26を備えており、各々をシールするガスケット27,27を介して、図示せぬシリンダブロック等に取り付けられるようになっている。
【0024】
従って、オイルの流れとしては、内燃機関の各部を潤滑して高温となったオイルが、底部プレート3,4のオイル入口25からコア部1のそれぞれのオイル流路7へ導入され、隣接する冷却水流路8を流れる冷却水と熱交換して冷却された上で、頂部プレート2の膨出部23による連通路を経由して中央オイル通路17へと流れ、最終的に、底部プレート3,4のオイル出口26から内燃機関側へ戻される。尚、オイルの流れを逆にして、高温のオイルを中央オイル通路17に導入し、コア部1で熱交換した後に最下部のオイル連通孔12から内燃機関へ戻すように構成することも可能である。また、冷却水は、冷却水導入管21から上下に並んだ冷却水連通孔13を通して各冷却水流路8へ分配され、かつ各々の冷却水流路8内を一方の冷却水連通孔13から他方の冷却水連通孔13へ向かって流れ、最終的に冷却水排出管22へと流れ出る。
【0025】
上述した多数のコアプレート5,6、フィンプレート11、頂部プレート2、および底部プレート3,4は、ロー付けによって互いに接合され一体化されている。詳しくは、これらの各部品は、アルミニウム合金の基材の表面にロー材層を被覆したいわゆるクラッド材を用いて形成されており、各部を所定の位置に仮組付した状態で炉内で加熱することにより、一体にロー付けされる。
【0026】
なお、コア部1の最上部および最下部に位置するコアプレート5,6は、頂部プレート2や底部プレート3,4との関係から、コア部1の中間部に位置する一般的なコアプレート5,6とは多少異なる構成を有している。
【0027】
次に、本発明の要部である冷却水流路8内へ突出する突起部について説明する。
【0028】
上述したように、冷却水が流れる冷却水流路8は、コアプレート5,6の間、詳しくは第2のコアプレート6の下面と第1のコアプレート5の上面との間に構成されているが、相対的に下方に位置する第1のコアプレート5には、冷却水流路8側つまり上方へ突出する多数の第1の突起部31が膨出形成されている。この第1の突起部31の膨出方向は、第1のコアプレート5の周縁部5aおよびテーパ筒状部5bが上方へ立ち上がっているのに対し、同じ側となる。また第1の突起部31は、円錐台形をなし、その高さが上述したボス部14の高さと等しく、従って、組立状態では、図5に示すように、その頂部が第2のコアプレート6の下面(平坦面)にロー付けにより接合されている。
【0029】
同様に、相対的に上方に位置する第2のコアプレート6には、冷却水流路8側つまり下方へ突出する多数の第2の突起部32が膨出形成されている。この第2の突起部32の膨出方向は、第2のコアプレート6の周縁部6aおよびテーパ筒状部6bが上方へ立ち上がっているのに対し、反対側となる。この第2の突起部32も、第1の突起部31と同じ円錐台形をなし、その高さが上述したボス部14の高さと等しく、従って、組立状態では、図5に示すように、その頂部が第1のコアプレート5の上面(平坦面)にロー付けにより接合されている。なお、これらの突起部31,32は、いずれもコアプレート5,6のプレス加工の際に同時に成形されるが、実際に成形された状態では、頂部が多少丸まった形となるため、ドーム型に近似した円錐台形となる。
【0030】
図2および図3は、多数の突起部31,32の配置の一例を示しているが、この例では、コアプレート5,6の四角形に対し45°傾いた行・列方向に沿って多数の突起部31,32が規則的にかつ等間隔に配置されている。そして、第1のコアプレート5における第1の突起部31の位置(図2)と、第2のコアプレート6における第2の突起部32の位置(図3)と、は、互いに相補の関係となっており、両者を重ねたときの配置を投影して示す図4に明らかなように、4個の第1の突起部31で囲まれる四角形の領域の中心に1つの第2の突起部32が位置し、逆に、4個の第2の突起部32で囲まれる四角形の領域の中心に1つの第1の突起部31が位置する。換言すれば、図4のように両者を合わせた突起部31,32全体としては、コアプレート5,6の四角形の縦・横の行・列方向に沿って多数の突起部31,32が規則的にかつ等間隔に配置された形となり、かつ、この行・列方向に沿ってみると、第1の突起部31と第2の突起部32とが交互に配置されている。
【0031】
このように第1のコアプレート5および第2のコアプレート6のそれぞれに突起部31,32を均等に分配することにより、同じコアプレート5,6に加工される2つの隣接した突起部31,32の間の最小距離がより大きく確保され、それだけプレス加工時の減肉による亀裂の虞が少ない。また、減肉を考慮したコアプレート5,6の厚肉化が不要である。
【0032】
従って、プレス加工時の亀裂発生等に制約されずに、冷却水流路8内の突起部31,32の総数を十分に多く設定することが可能となり、突起部31,32での乱流生成による熱交換効率の向上が図れる。また、冷却水流路8内の冷却水の圧力に比してオイル流路7内の油圧がかなり高いことから、コアプレート5,6は冷却水流路8が狭くなる方向に押圧されるが、冷却水流路8内に多数の突起部31,32を配置することで、その剛性が高くなる。
【0033】
また、図示例では、第1のコアプレート5におけるオイル連通孔12(ボス部14)とこれに隣接した周縁部5a(つまり四角形のコーナ部分)との間の狭い領域には、第1の突起部31が存在せず、この位置に、図4に符号32Aとして示す第2の突起部32が配置されている。
【0034】
前述したように、第1のコアプレート5では、第1の突起部31が周縁部5aおよびボス部14と同じ方向(つまり上方)へ膨出成形されるので、仮に上記の突起部32Aの位置に第1の突起部31を形成しようとすると、ボス部14と突起部31と周縁部5aとの三者が近接し、プレスによる絞り加工が比較的困難となる。これに対し、この部分の突起部を第2の突起部32Aとして第2のコアプレート6に設けるようにすれば、この突起部32Aは、コアプレート6の周縁部6aとは逆方向に膨出成形され、しかもオイル連通孔12が単純な開口(つまりボス部14を具備していない)であるから、プレスによる絞り加工が容易となる。
【0035】
このように、本発明では、2種類のコアプレート5,6のいずれか一方に突起部を設けることが困難である場所について、他方のコアプレート5,6に代替となる突起部を配置することができ、これにより、全体的な加工のコストや歩留まりを改善することができる。
【0036】
なお、図2〜図4の例では、説明の単純化のために、突起部31,32が完全に規則的に配置されているが、種々の要求、例えば一方の冷却水連通孔13から他方の冷却水連通孔13への流れの特性の改善などのために、突起部31,32の配置が完全に規則的なものではなく多少歪んだ配置となっていてもよい。また、第1の突起部31と第2の突起部32とが完全に均等な配置でなくてもよい。
【0037】
次に、図6〜図9は、突起部31,32の配置の異なる第2実施例を示している。図6は第1のコアプレート5における第1の突起部31の配置を示し、図7は第2のコアプレート6における第2の突起部32の配置を示し、図8は、両者を重ねた状態を投影して示している。この実施例は、各突起部31,32の基本的な位置は前述した実施例と類似しているが、特にコアプレート5,6の外周部分において、図2〜図4に比較して突起部31,32の数が少なくなっている。換言すれば、図8に示す総和の突起部31,32の分布密度として、コアプレート5,6の中心部分は密であり、コアプレート5,6の外周部分は粗である。このような突起部31,32の分布によれば、一方の冷却水連通孔13から他方の冷却水連通孔13へ冷却水が流れる際に、両者間を直線的に流れずに、外周部分へも冷却水が案内されるようになり、コアプレート5,6の全面を広く利用して熱交換がなされる。特に、本発明では、突起部31,32を密に配置すべき部分に、コアプレート5,6の双方を利用して、減肉による亀裂発生等に制約されることなく、より多くの突起部31,32を集中的に配置することが可能であり、冷却水の流れを適切に調節することができる。
【0038】
次に、図10は、この発明の第3実施例を示しており、この実施例では、円錐台形をなす第1の突起部31と同じく円錐台形をなす第2の突起部32とで、それぞれの円錐角が異なる角度となっている。例えば、第1の突起部31の円錐角は、第2の突起部32の円錐角よりも大きい。このように円錐台形をなす突起部31,32の円錐角が異なると、両者が非常に密に配置されている領域においても、第1の突起部31と第2の突起部32とを組み合わせた状態において、両者間に確実に流路つまり隙間が残存し、冷却水の通流が確保される。なお、図10では、説明のために、第1の突起部31と第2の突起部32とが比較的離れた位置に描かれている。
【0039】
以上、この発明の一実施例を説明したが、本発明は上記実施例に限られず、種々の変更が可能である。例えば、上記実施例では、第1のコアプレート5と第2のコアプレート6とに、各々ほぼ等しい個数の突起部31,32が設けられているが、例えば、突起部の間の間隔が比較的大きい領域ではいずれか一方のコアプレートにのみ突起部を配置し、突起部が密に配置される領域では双方のコアプレートに突起部を配置するようにして、各々の突起部の個数が比較的大きく異なるようにしてもよい。また突起部の形状として、上記の円錐台形以外の形状、例えば円筒形等とすることもでき、かつ第1の突起部と第2の突起部の形状が異なるものであってもよい。さらに、上記実施例では、第1の突起部の頂部と第2のコアプレートの下面(平坦面)および第2の突起部の頂部と第1のコアプレートの上面(平坦面)がそれぞれロー付けされているが、オイル流路内の油圧が低い場合などには、ロー付けせずに互いに接触させるだけでもよい。
【符号の説明】
【0040】
1…コア部
5…第1のコアプレート
6…第2のコアプレート
7…オイル流路
8…冷却水流路
11…フィンプレート
12…オイル連通孔
13…冷却水連通孔
31…第1の突起部
32…第2の突起部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
周縁部が互いに接合される第1のコアプレートと第2のコアプレートとを交互に多数積層して、第1のコアプレートの第1の面と第2のコアプレートの第2の面との間のオイル流路と、第2のコアプレートの第1の面と第1のコアプレートの第2の面との間の冷却水流路とを、交互に構成してなるオイルクーラにおいて、
上記第1のコアプレートに、上記冷却水流路側へ突出して頂部が上記第2のコアプレートの第1の面に当接する多数の第1の突起部を膨出形成するとともに、
上記第2のコアプレートに、上記冷却水流路側へ突出して頂部が上記第1のコアプレートの第2の面に当接する多数の第2の突起部を膨出形成したことを特徴とするオイルクーラ。
【請求項2】
複数の第1の突起部で囲まれた領域内に第2の突起部が位置し、かつ同時に複数の第2の突起部で囲まれた領域内に第1の突起部が位置するように、第1のコアプレートにおける第1の突起部の配置と第2のコアプレートにおける第2の突起部の配置とが相補の配置となっていることを特徴とする請求項1に記載のオイルクーラ。
【請求項3】
上記第1の突起部および上記第2の突起部は、各々円錐台形をなし、その分布の粗密によって上記冷却水流路における冷却水の流れを調節していることを特徴とする請求項1または2に記載のオイルクーラ。
【請求項4】
上記第1の突起部および上記第2の突起部は、各々円錐台形をなし、かつ互いに異なる円錐角を有していることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のオイルクーラ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−7412(P2011−7412A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−150660(P2009−150660)
【出願日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【出願人】(000151209)株式会社マーレ フィルターシステムズ (159)
【Fターム(参考)】