説明

オイル濾過装置

【課題】本発明は、コンパクトな構造でなされるだけでなく、オイル濾過効果を大幅に増大させることができる新しい構造のオイル濾過装置を提供する。
【解決手段】本発明によると、内部にチャンバ33が形成されて、前記チャンバ33の一側と他側にオイルが流出入されるように流入口34と排出口35が形成された本体32と、前記流入口34に連結されて前記チャンバ33の上部に位置されるように延長形成された複数の流入パイプ36と、前記各流入パイプ36上に据え置きされるが、前記流入パイプ36を内蔵するように具備されて、内部に流入される不純オイルをフィルタリングして、前記チャンバ33上に排出するようになされた複数のフィルターバック37と、前記チャンバ33の下部側に位置されて、前記フィルターバック37から排出されたオイル内の鉄成分を磁力によって分離するようになされた少なくとも一つのマグネチック棒38を含んでなされるオイル濾過装置が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オイル濾過装置に関するものであり、より詳細には、コンパクトな構造でなされるだけでなく、オイル濾過効果を大幅に増大させることができる新しい構造のオイル濾過装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、鍛造機や圧延機などでは鍛造や圧延時に冷却及び潤滑を目的でオイルを使用するようになるが、このようなオイルにはたいてい鍛造機や圧延機のようなメイン装置で鍛造や圧延工程中に発生された微細鉄分とスラッジなどが含まれて、これを再使用するためには濾過装置を通じて別途のフィルタリング過程を要するようになる。
【0003】
例えば、鍛造機は所定の直径を有するスチールワイヤのような加工材料を、鍛造工程を通じてボルトやナットなどを生産するようになるが、この時に使用されるスチールワイヤは、その表面に腐食液(リン酸塩)を化学的または電気的反応によって腐食生成物層を形成した通常的なリン酸塩被膜処理(または、ボンデライト)がなされたものであり、このような被膜処理は、引抜や冷間鍛造などのような塑性加工で加工材料が装置から容易に分離するように潤滑性を向上させるようになる。
【0004】
だから、鍛造工程中に使用されるオイル内には前述されたスチールワイヤの表面に形成された微細な粉末が含まれた状態で排出されているし、これを再使用するためには鍛造機に付属するようにオイル濾過装置を具備して、鍛造工程中に排出される不純オイルをフィルタリングした後に、フィルタリングされた精製オイルを再び鍛造機に供給するように連結されたことが通常的である。
【0005】
このような従来のオイル濾過装置中の一つは、遠心分離方式によって不純オイル内に含まれた鉄成分のような異物を分離するようになされた遠心分離機であり、この遠心分離機は高速回転されるセパレーターによって異物を回転体の内壁に沈澱または滞積されるようにして、遠心分離過程でフィルタリングされた精製オイルを前述されたところのようなメイン装置に供給するようになっている。
【0006】
しかし、従来の遠心分離機は、分離した異物をとり除くために遠心分離機を分解及び組立てる維持補修作業が非常に煩わしいだけでなく、使用時間が経つことによって濾過効率が著しく落ちる短所があるものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、前述したところのような問題点を解決するためのものであり、本発明は、コンパクトな構造でなされて、装置によって占める面積を減らすことだけではなく、製作及び維持補修上の便利さを提供して、スラリー及び鉄成分を効果的にフィルタリングして、オイル濾過効果を大幅に増大させることと同時にフィルタリング時間を大幅に増大させることができる構造で具備されて、維持補修に必要となる時間を大幅に減らすことができるオイル濾過装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の特徴によると、内部にチャンバ33が形成されて、このチャンバ33の一側と他側にオイルが流出入されるように流入口34と排出口35が形成された本体32と、
前記流入口34に連結されて前記チャンバ33の上部に位置されるように延長形成された複数の流入パイプ36と、
前記各流入パイプ36上に据え置きされるが、前記流入パイプ36を内蔵するように具備されて内部に流入される不純オイルをフィルタリングして前記チャンバ33上に排出するようになされた複数のフィルターバック37と、
前記チャンバ33の下部側に位置されて前記フィルターバック37から排出されたオイル内の鉄成分を磁力によって分離するようになされた少なくとも一つのマグネチック棒38を含んでなされることを特徴とするオイル濾過装置が提供される。
【0009】
本発明の他の特徴によると、前記本体32には下部一側に形成されて、前記マグネチック棒38を前記チャンバ33に挿入するか、または分離できるように結合孔39が形成されて、
前記結合孔39には前記マグネチック棒38の外周面上に付着した鉄成分をスクレイピングするようになされた単管体形状のスクレイパー40が具備されたことを特徴とするオイル濾過装置が提供される。
【0010】
本発明のまた他の特徴によると、前記本体32は底面が一側で傾いた傾斜底面41が形成されて、
前記傾斜底面41には前記排出口35とこの排出口35に比べて相対的に低い位置に形成されて、前記マグネチック棒38の下部にオイルのレベルが形成されるように前記チャンバ33内のオイル量を調節するレベル調節口42及びこのレベル調節口42に比べて相対的に低い位置に形成されて、スラリーと鉄成分を含んだ異物を排出させる異物排出口43が形成されたことを特徴とするオイル濾過装置が提供される。
【0011】
本発明のまた他の特徴によると、前記フィルターバック37は内部空間が複数に区画されるように裁縫線49が形成されて、
前記各裁縫線49は、前記フィルターバック37の上部が相互連通されるように上下方向に形成されるが、前記フィルターバック37の一側から他側に順次に長くなるように形成されたことを特徴とするオイル濾過装置が提供される。
【発明の効果】
【0012】
以上でのように本発明によると、一つの本体32内に複数のフィルターバック37を内蔵して、1次的に不純オイルをフィルタリングして、このフィルターバック37を通過した1次精製オイルに含まれた鉄成分をマグネチック棒38によって2次的に濾過するように具備されることで、一つの本体32に複数のフィルターバック37とマグネチック棒38が多段階にかけてフィルタリングがなされるように配置されて、コンパクトな装置を構成することだけではなく、濾過容量を十分に確保しながらも濾過効率を大幅に増大させることができる長所がある。
【0013】
また、前記マグネチック棒38は、本体32から着脱可能に具備されるだけでなく、前記マグネチック棒38を本体32から分離する時に外周面に付着した鉄成分をスクレイパー40によって掻き出すようにすることで、前記マグネチック棒38を本体32から分離する動作によって鉄成分が自動的に除去されて、作業上の便利さを提供できることだけではなく、維持補修上の便利さを提供することができる長所がある。
【0014】
また、本発明の本体32は、底面が一側で傾いた傾斜底面41が形成されて、その傾斜底面41に高さを異にする排出口35とレベル調節口42及び異物排出口43が形成されることで、スラリーと鉄成分を含んだ異物が自動的に本体32の底面一側に収集されて排出を容易にすることができる長所がある。
【0015】
また、本発明のフィルターバック37は、順次に長くなるようになされた裁縫線49によって内部空間が複数に区画されることで、不純オイル内に含まれたスラリーと鉄成分を含んだ異物がフィルターバック37の内部に順次に積もるようにして、フィルターバック37全体を使ってフィルタリングが可能なだけでなく、これによりフィルターバック37の使用時間を増大させることができる長所がある。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施例を示した正断面図である。
【図2】本発明の一実施例による側断面図である。
【図3】本発明の一実施例による構成の腰部を示した断面図である。
【図4】本発明の一実施例による他の構成の腰部を示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
前述した本発明の目的、特徴ら及び長所は、次の詳細な説明を通じてより明らかになるであろう。以下、添付された図面に基づいて説明すると次のようである。
【0018】
図1ないし図4は、本発明の一実施例を示した正断面図と側面図及び構成の主要部分を示した断面図である。図1と図2に示されたところのように、本発明は、フレーム31上に本体32が具備されるが、この本体32は内部にチャンバ33が形成されて、上部一側には鍛造機のようなメイン装置から排出されたスラリーと鉄成分のような異物が含まれた不純オイルが流入される流入口34が形成されて、この流入口34には前記チャンバ33の上部に水平方向に延長される多数個の流入パイプ36が結合されている。
【0019】
このような各流入パイプ36には所定の面積を有するフィルターバック37が据え置きされるが、このフィルターバック37は前記流入パイプ36を内蔵するように具備されて、その内部に流入される不純オイルをフィルタリングして前記チャンバ33上に排出するようになされたものであり、前記チャンバ33の上部に位置された流入パイプ36に流入された不純オイルが自由落下方式によって前記フィルターバック37を通過してチャンバ33の下部側に排出されて、この過程で所定のメッシュを有する濾過布でなされたフィルターバック37によって1次的に異物をとり除くフィルタリングがなされるようになるが、このフィルターバック37は前記流入パイプ36上にぶら下げられた状態で前記チャンバ33の下部側に延長されたバック形態を取るようになる。
【0020】
また、前記チャンバ33内には前記フィルターバック37から排出された1次精製オイル内に残留された鉄成分を磁力によって分離するように複数のマグネチック棒38が具備されるが、このマグネチック棒38は前記チャンバ33の下部側に水平方向に延長されて、前記本体31から着脱可能に結合されたものであり、このために前記本体31には前記マグネチック棒38に対応された位置に結合孔39が形成されている。この結合孔39には前記マグネチック棒38の着脱過程でその外周面に付着した鉄成分を分離するように前記マグネチック棒38の外径に対応された直径が形成された単管体形状のスクレイパー40が具備されている。
【0021】
また、前記本体31は、その底面が一側に傾くように傾斜底面41が形成されたものであり、前記傾斜底面41は前記スクレイパー40が位置された一側が他側に比べて相対的に低いように形成されている。このような傾斜底面41には前記フィルターバック37とマグネチック棒38によって異物が除去された状態の精製オイルが排出されるように排出口35と前記マグネチック棒38に分離した鉄成分及び底面に沈澱されたスラリーを排出するようになされた異物排出口43が形成されるが、前記排出口35は前記傾斜底面41から突出形成された突出管44の上端に形成されて、前記突出管44は前記マグネチック棒38の上部に位置されるように延長形成されて、前記フィルターバック37から排出されて、チャンバ33内に充填されるオイルのレベルが一定水準で高くなる場合にチャンバ33内のオイルがオーバーフローされて、排出口35を通じて排出がなされるようになっている。
【0022】
ここで、前記排出口35は傾斜底面41で前記異物排出口43に比べて相対的に高い位置に形成されて、前記異物排出口43は傾斜底面41の底点近所に形成されて前記マグネチック棒38を本体31から分離する時に前記スクレイパー40によって除去される鉄成分及び比重によって沈澱されたスラリーが収集されて、排出が円滑になされるようにすることが望ましい。
【0023】
また、前記傾斜底面41には前記排出口35と異物排出口43との間に位置されて、前記排出口35に比べてその高さが相対的に低い位置にオイルのレベルを調節するようになされたレベル調節口42がさらに形成されるが、このレベル調節口42は前記マグネチック棒38の下部にオイルのレベルが形成されるようにチャンバ33内のオイル量を調節するようになって、これによって前記マグネチック棒38を本体31から分離する時に前記スクレイパー40のホールを通じてチャンバ33内のオイルの漏出されることを防止するようになされたものである。
【0024】
このような本発明の構成によると、チャンバ33の上部に形成された流入口34を通じて不純オイルが流入されて、フィルターバック37とマグネチック棒38を順次に経ってフィルタリングがなされた後に、チャンバ33の底面に形成された排出口35を通じて自動排出される自由落下流れ構造によってフィルタリングがなされるものであり、これは本発明の本体32内に不純オイルを強制的に循環するか、または進路を変更するようになされた別途の構成が不必要で、装置の全体的な構成をコンパクトにすることができるだけでなく、簡単な内部構成によって装置の故障や維持補修に必要となる作業上の煩わしさを大幅に減らすことができる効果を有するようになる。
【0025】
このような構成において、本発明の詳細的な構成を図3と図4を加えて説明すると次のようである。図3に示されたところのように、前記マグネチック棒38は、円形断面を有する棒形状に具備されて一端に畳み可能な取っ手45が具備されて、長さ方向に所定の幅を有するリング形状の磁性体46と非磁性体47が交互に配置されるが、両端部は所定の長さで形成された非磁性体47に具備されたものであり、このような構成によって鉄成分を容易に付着させながらも前記スクレイパー40によって鉄成分を分離する時に容易に脱落させることができるようになされている。
【0026】
また、図4に示されたところのように、前記フィルターバック37は四面が密封されたバック形態に具備されて、その上端の一側コーナーに前記流入パイプ36が挿入されるように開口部48が形成されて、内部には空間を複数で区切るように裁縫線49が形成されている。この裁縫線49は前記フィルターバック37の下端から上部に延長されるが、前記フィルターバック37の内側上部が相互連通されるように前記フィルターバック37の一部を上下方向に裁縫したものであり、望ましくは、前記フィルターバック37の一側から他側に順次に長くなるように形成される。
【0027】
このような構成によると、前記流入パイプ36の端部側に不純オイルの排出が容易であるように充分に大きい直径の排出孔50を形成して、この排出孔50の直下方に位置された区画空間から順次に異物が積もるようにしてフィルターバック37全体にかけて異物が均一に積もることだけではなく、これによってフィルターバック37の全体を使ってフィルタリングが可能なだけでなく、これによりフィルターバック37の使用時間を延ばすことができるようになる。
【0028】
以上で説明されない符号は、前記本体32の外部側面に具備された据え置き台51を示したものであり、この据え置き台51は前記チャンバ33から分離したマグネチック棒38を据え置きすることができるようになされたものである。
【0029】
以上で説明した本発明は、前述した実施例及び添付された図面によって限定されるものではなくて、本発明の技術的思想を脱しない範囲内でさまざまな置き換え、変形及び変更が可能であることは本発明が属する技術分野で通常の知識を有した者に明白であろう。
【符号の説明】
【0030】
31 フレーム
32 本体
33 チャンバ
34 流入口
35 排出口
36 流入パイプ
37 フィルターバック
38 マグネチック棒

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部にチャンバ33が形成されて、このチャンバ33の一側と他側にオイルが流出入されるように流入口34と排出口35が形成された本体32と、
前記流入口34に連結されて前記チャンバ33の上部に位置されるように延長形成された複数の流入パイプ36と、
前記各流入パイプ36上に据え置きされるが、前記流入パイプ36を内蔵するように具備されて、内部に流入される不純オイルをフィルタリングして前記チャンバ33上に排出するようになされた複数のフィルターバック37と、
前記チャンバ33の下部側に位置されて、前記フィルターバック37から排出されたオイル内の鉄成分を磁力によって分離するようになった少なくとも一つのマグネチック棒38を含んでなされることを特徴とするオイル濾過装置。
【請求項2】
前記本体32には下部一側に形成されて、前記マグネチック棒38を前記チャンバ33に挿入するか、または分離するように結合孔39が形成されて、
前記結合孔39には前記マグネチック棒38の外周面上に付着した鉄成分をスクレイピングするようになされた単管体形状のスクレイパー40が具備されたことを特徴とする請求項1に記載のオイル濾過装置。
【請求項3】
前記本体32は底面が一側で傾いた傾斜底面41が形成されて、
前記傾斜底面41には前記排出口35とこの排出口35に比べて相対的に低い位置に形成されて、前記マグネチック棒38の下部にオイルのレベルが形成されるように前記チャンバ33内のオイル量を調節するレベル調節口42及びこのレベル調節口42に比べて相対的に低い位置に形成されてスラリーと鉄成分を含んだ異物を排出させる異物排出口43が形成されたことを特徴とする請求項1または2に記載のオイル濾過装置。
【請求項4】
前記フィルターバック37は内部空間が複数に区画されるように裁縫線49が形成されて、
前記各裁縫線49は前記フィルターバック37の上部が相互連通されるように上下方向に形成されるが、前記フィルターバック37の一側で他側に順次に長くなるように形成されたことを特徴とする請求項1または2に記載のオイル濾過装置。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−192400(P2012−192400A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−243338(P2011−243338)
【出願日】平成23年11月7日(2011.11.7)
【出願人】(511269521)チヌ エフティ カンパニー リミテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】JINU FT CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】732−11 Gojan−dong,Namdong−gu,Incheon,Republic of Korea
【出願人】(511269532)
【氏名又は名称原語表記】Ho Sub,LEE
【住所又は居所原語表記】213−802 Yeonsu 2cha Woosung Apt.,634 Yeonsu−dong,Yeonsu−gu,Incheon,Republic of Korea
【Fターム(参考)】