Notice: Undefined variable: fterm_desc_sub in /mnt/www/biblio_conv.php on line 353
オキアミミールを製造するための方法
説明

オキアミミールを製造するための方法

【課題】優れた栄養的および技術的性質を有する新規のオキアミミール製品の調製。
【解決手段】以下の2段階の調理工程からなる。第1の段階では、タンパク質とリン脂質とをオキアミから取り出し、凝固物として沈殿させる。第2の段階では、リン脂質のないオキアミを調理する。この後、残留脂肪およびアスタキサンチンを、機械的分離方法を用いて、オキアミから取り除く。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、オイル製品およびミール製品を提供するためにオキアミ等の甲殻類を処理すること、特に、アスタキサンチンとω−3脂肪酸部分を含むリン脂質とを含むオイル類ならびにアスタキサンチンが豊富なミールの生産に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
オキアミは、世界中の主な海洋に生息している小さな甲殻類である。例えば、太平洋(ツノナシオキアミ(Euphausia pacifica))、北大西洋(メガニクチファネス・ノルベジカ(Meganyctiphanes norvegica))、および南極大陸沖合の南大西洋(ユーファシア・スペルバ(Euphausia superba))で見られる。オキアミは、魚、鳥、サメ、およびクジラ等の多くの動物の食料源であることから、海洋における主要種である。オキアミは海洋で大量に見られ、ナンキョクオキアミ(E・スペルバ(E. superba))の全生物量(全バイオマス)は3億ないし5億メートルトンの範囲内であると推測されている。ナンキョクオキアミは、南極地方の短い夏の間、植物性プランクトンを常食にしている。しかし、冬期では、ナンキョクオキアミの食糧供給は、海洋藻類、細菌、海洋堆積物、さらにはエネルギー用に体のタンパク質を消耗することに限定されている。Virtue et al., Mar. Biol. 126, 521-527(非特許文献1)。このため、オキアミの栄養的価値は、その季節中に変動するとともに、年によってもある程度変動する。Phleger et al., Comp. Biochem. Physiol. 131B (2002) 733(非特許文献2)。食糧供給の変動に順応するために、オキアミはタンパク質からアミノ酸への迅速分解をもたらす効率的な酵素系消化器官を発達させた。Ellingsen et al., Biochem. J. (1987) 246, 295-305(非特許文献3)。この自己タンパク質分解の効率性は高く、そのことは死後においても同様であることから、オキアミの栄養価を保つようにしてオキアミの捕獲および貯蔵することが課題となっている。したがって、オキアミの劣化を防ぐために、オキアミを低温保存することによって、またはオキアミをオキアミミールに加工することによって、酵素活性を低下させている。
【0003】
オキアミミール加工過程で、オキアミを調理することにより酵素を変性させることで、全ての酵素活性を不活化させる。オキアミは、乳化剤として働くリン脂質に富んでいる。したがって、通常のフィッシュミール生産ラインと比べて、機械的分離方法を用いた水、脂肪、およびタンパク質の分離がよりいっそう困難である。さらに、オキアミは固形物となって重量が増し、温水と混ぜることで容易にほぐれて液状になる。最終的に、このことは調理器(cooker)内でオキアミのタンパク質が徐々に凝固することになり、やっかいな目詰まりの問題によって作業がとぎれてしまう場合がある。これを緩和するために、調理器に対して直接熱蒸気を加えなければならない。この作業は、エネルギーを必要とするものであり、ω−3脂肪酸、リン脂質、およびアスタキサンチン等のオキアミ中の不安定な生物活性成分の劣化をもたらす可能性がある。これらの化合物の存在によって、オキアミオイルが動物およびヒトでの適用を目的とした栄養補助食品、機能性食品、および医薬としての魅力的な供給源となる。
【0004】
最近になって、ω−3脂肪酸は、心疾患、認知障害、関節病、および慢性関節リウマチ等の疾患に関連した炎症を予防する潜在的な効果を有することが明らかにされている。アスタキサンチンは強力な酸化防止剤であることから、健康状態を最適にする手助けとなると考えられる。したがって、これらの価値ある生物活性化合物の劣化を抑えるより温和な条件で、オキアミをオキアミミールに加工する方法が求められている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Virtue et al., Mar. Biol. 126, 521-527
【非特許文献2】Phleger et al., Comp. Biochem. Physiol. 131B (2002) 733
【非特許文献3】Ellingsen et al., Biochem. J. (1987) 246, 295-305
【発明の概要】
【0006】
本発明は、オイル製品およびミール製品を提供するためにオキアミ等の甲殻類を処理すること、特に、アスタキサンチンとω−3脂肪酸部分を含むリン脂質とを含むオイルおよび他の脂質抽出物ならびにアスタキサンチンが豊富なミールの生産に関する。
【0007】
いくつかの実施形態では、本発明は、約150、100、10、5、2または1mg/kg未満のアスタキサンチンまたは約0.1ないし約1、2、5、10または200mg/kgのアスタキサンチン、好ましくはw/wベースで約20%ないし約50%、15%ないし45%、または25%ないし35%のリン脂質、およびw/wベースで約15%ないし約60%、20%ないし50%、または25%ないし40%のタンパク質を含み、前記リン脂質がω−3脂肪酸残基を含む組成物を提供する。いくつかの実施形態では、上記組成物は、ω−3脂肪酸含有量がw/wベースで約5%ないし約30%、約10%ないし約30%、または約12%ないし約18%である脂質分画を含む。いくつかの実施形態では、上記リン脂質は、w/wベースで約60%、65%、80%、85%、または90%のホスファチジルコリンを含む。いくつかの実施形態では、上記リン脂質は、w/wベースで約15%、10%、8%、または5%のホスファチジルコリンを含む。いくつかの実施形態では、上記組成物は、約1%ないし10%、好ましくは2%ないし8%、最も好ましくは2%ないし6%のアルキルアシルホスファチジルコリンを含む。いくつかの実施形態では、上記組成物は、w/wベースで約40%ないし約70%のトリアシルグリセロールを含む。さらなる実施形態では、上記組成物は約1%未満のコレステロールを含む。いくつかの実施形態では、上記タンパク質は、w/wベースで約8%ないし約14%のロイシンと、w/wベースで約5%ないし11%のイソロイシンとを含む。
【0008】
いくつかの実施形態では、本発明は水相と固相とを含み、上記固相は、w/wベースで約20%ないし約40%のリン脂質と、w/wベースで約20ないし50%のタンパク質とを含む。ここで、上記リン脂質は約10%ないし約20%のω−3脂肪酸残基を含む。
【0009】
他の実施形態では、本発明は、アスタキサンチン、タンパク質分画、および脂質分画を含むオキアミ組成物を提供する。ここで、上記脂質分画は、w/wベースで約10%、5%、または3%未満のリン脂質を含む。いくつかの実施形態では、w/wベースで上記リン脂質は約15%、10%、または5%のホスファチジルコリンを含む。
【0010】
いくつかの実施形態では、本発明は、アスタキサンチンと、約8%ないし約31%の脂質、好ましくは約8%ないし約10または18%の脂質とを含むオキアミミールを提供する。ここで、上記脂質は、W/Wベースで約80%を上回る中性脂質を含む。いくつかの実施形態では、上記オキアミミールは約15%、10%、5%、3%、または1%のリン脂質を含む。いくつかの実施形態では、リン脂質は、w/wベースで約15%、10%、または5%未満のホスファチジルコリンを含む。
【0011】
いくつかの実施形態では、本発明は生物原料またはバイオマス由来のリン脂質組成物を調製する方法を提供する。この方法は、生物原料またはバイオマスと水とを適当な温度で混合することで、リン脂質とタンパク質とを含む水相と固相を形成するステップ、上記水相から固相を分離するステップ、リン脂質タンパク質沈殿物を形成するのに十分な温度で上記水相を加熱するステップ、ならびに上記水相から上記リン脂質タンパク質沈殿物を分離するステップを含む。いくつかの実施形態では、本発明は、先に述べた方法を用いて得られたリン脂質タンパク質沈殿物を提供する。いくつかの実施形態では、上記生物原料またはバイオマスはオキアミである。他の実施形態では、上記生物原料またはバイオマスは、シラミ、小エビ、カラヌス、プランクトン、ザリガニ、卵、または他のリン脂質含有生物原料もしくはバイオマスから選択される。いくつかの実施形態では、上記方法が上記固相からミールを形成するステップをさらに含む。いくつかの実施形態では、ミールを形成するステップは、水存在下で上記固相を加熱すること、上記固相中の脂肪およびタンパク質を分離すること、ならびに上記タンパク質を乾燥させることを含む。いくつかの実施形態では、上記方法は、凝固物ミールを形成するために凝固物を圧縮および乾燥するステップを、さらに含む。いくつかの実施形態では、上記乾燥を温風または蒸気によっておこなう。いくつかの実施形態では、本発明は、先に述べた方法を用いることにより得られたリン脂質タンパク質沈殿物を提供する。いくつかの実施形態では、本発明は、先に述べた方法によってオキアミ固相を含む組成物を提供する。いくつかの実施形態では、本発明は、先に述べた方法によって得られたオキアミミールを提供する。
【0012】
いくつかの実施形態では、本発明は、オキアミバイオマスから第1の脂質分画を抽出するステップ、オキアミバイオマスから第2の脂質分画を抽出するステップ、ならびに上記第1の脂質分画と上記第2の脂質分画とを混合して所望の組成を持つオキアミ脂質組成物を提供するステップを含む方法を提供する。いくつかの実施形態では、抽出するステップの1つ以上は相当な量の有機溶媒がない状態で行なわれる。いくつかの実施形態では、上記第1の脂質分画は次のものによって抽出される。すなわち、リン脂質およびタンパク質を含む固相および水相を形成するために適温でオキアミを水に混合すること、上記水相からの上記固相を分離すること、リン脂質タンパク質沈殿物を形成するのに十分な温度で上記水相を加熱すること、上記水相から上記リン脂質タンパク質を分離すること、ならびに上記タンパク質から上記リン脂質を分離することによる。いくつかの実施形態では、第2の脂質分画は、水の存在下で上記固相を加熱すること、ならびに上記固相中の脂肪とタンパク質とを分離することによって抽出される。いくつかの実施形態では、上記第1の脂質分画はw/wベースで約90%を上回るホスファチジルコリンを含有するリン脂質分画を含む。いくつかの実施形態では、第2の脂質分画は、w/wベースで約80%を越える中性脂質を含む。
【0013】
いくつかの実施形態では、本発明は、生物原料またはバイオマスからリン脂質組成物を生産する方法を提供する。この方法は、上記生体材料またはバイオマスを水と混合して上記生体材料の温度を約25ないし80℃、好ましくは約50ないし75℃、最も好ましくは約60ないし75℃に上昇させて、リン脂質およびタンパク質を含む第1の水相および第1の固相を形成するステップ、前記第1の水相から前記第1の固相を分離するステップ、ならびに前記第1の水相からタンパク質およびリン脂質の分画を分離するステップを含む。いくつかの実施形態では、バイオマスを、少なくとも3分間、好ましくは約3分間ないし60分間、より好ましくは3分間ないし20分間、最も好ましくは約3分間ないし10分間にわたって、上記第1の温度に加熱する。本発明は、任意の特定生物原料あるいはバイオマスの使用に制限されていない。いくつかの実施形態では、生物原料は海洋バイオマスである。いくつかの好ましい実施形態では、上記生物原料またはバイオマスは、シラミ、小エビ、カラヌス、プランクトン、ザリガニ、卵、または他のリン脂質含有生物原料もしくはバイオマスから選択される。本発明は、いかなる特定の種類のオキアミの使用に限定されるものではない。いくつかの実施形態では、上記オキアミは生のオキアミであり、他の実施形態では、上記オキアミは冷凍のオキアミである。いくつかの実施形態では、上記オキアミの種はユーファシア・スペルバである。いくつかの実施形態では、上記第1の水相からタンパク質およびリン脂質分画を分離するステップは、リン脂質タンパク質凝固物を形成するのに十分な温度で上記第1の水相を加熱すること、および上記水相から上記リン脂質タンパク質凝固物を分離することを含む。いくつかの実施形態では、上記方法は第2の加熱ステップを利用する。いくつかの実施形態では、上記第1の水相を、80℃を上回る温度、好ましくは約80ないし120℃、および最も好ましくは約90ないし100℃に加熱する。いくつかの実施形態では、上記オキアミミルクは、これらの温度で約1分間ないし約60分間、好ましくは約1分間ないし約10分間、最も好ましくは約2分間ないし8分間保たれる。いくつかの実施形態では、上記加熱は大気圧でおこなわれ、一方他の実施形態では圧力が大気圧よりも大きい。いくつかの実施形態では、上記方法は、上記リン脂質タンパク質凝固物を圧縮して、凝固物液相および凝固物プレスケーキを形成するステップを、さらに含む。いくつかの実施形態では、上記方法は、凝固物ミールを形成するために凝固物を圧縮および乾燥するステップを、さらに含む。いくつかの実施形態では、上記方法は前記凝固物ミールから凝固物オイルを抽出するステップをさらに含む。いくつかの実施形態では、上記方法は、凝固物ミールを形成するために凝固物を圧縮および乾燥するステップを、さらに含む。いくつかの実施形態では、上記乾燥を温風または蒸気によっておこなう。
【0014】
いくつかの実施形態では、タンパク質およびリン脂質の分画を上記第1の液相から分離する上記ステップは、タンパク質とリン脂質とを含有するリン脂質タンパク質保持物を提供するための上記液相の濾過を含む。いくつかの実施形態では、濾過はメンブランフィルタレーションによってなされる。いくつかの実施形態では、濾過は、約50ないし500nmの孔径を有するマイクロフィルターによって上記水相を濾過することを含む。いくつかの実施形態では、上記方法は、上記リン脂質タンパク質保持物を脱水して保持物液相および保持物濃縮物を形成するステップを、さらに含む。いくつかの実施形態では、上記方法は、上記保持物濃縮物が微生物学的に安定するように、上記保持物濃縮物から水分を取り除くステップを、さらに含む。いくつかの実施形態では、上記方法は、上記保持物濃縮物から保持物オイルを抽出するステップを、さらに含む。いくつかの実施形態では、上記方法は、上記第1の固相を加熱し、次に上記第1の固相を圧縮して、第1のプレスケーキと第2の液相とを形成するステップを、さらに含む。いくつかの実施形態では、上記方法は、上記第1のプレスケーキを乾燥させて第1のオキアミミールを得るステップを、さらに含む。いくつかの実施形態では、上記方法は、上記第2の液相を加熱し、次に上記第2の液相を分離することで第1のオキアミオイルおよび粘性液を得るステップを、さらに含む。いくつかの実施形態では、上記粘性液が蒸発して上記第1のプレスケーキに加えられ、またミールは上記蒸発した粘性液と蒸気第1のプレスケーキとから形成されることで、第2のオキアミミールが得られる。いくつかの実施形態では、上記分離に先立って、上記第2の液相を80℃を上回る温度、好ましくは約80ないし120℃、最も好ましくは約90ないし100℃に加熱する。いくつかの実施形態では、上記方法は、既に説明した上記凝固物オイルまたは上記保持物オイルと上記第1のオキアミオイルとを混合して混合オイルを得るステップを、さらに含む。他の実施形態では、凝固物オイル、保持物オイル、または上記第1の固相の圧縮オイルを、凝固物ミールまたは保持物と混合する。さらなる実施形態では、本発明の方法は、上記のようにして生産された上記ミールまたはオイルに対して、追加のタンパク質、リン脂質、トリグリセリド、脂肪酸、および/またはアスタキサンチンを補うことで、所望の規定された組成を持つオイルまたはミールを生産するさらなるステップを含む。そのため、当業者は、所望の組成物、例えばタンパク質、脂質、もしくはアスタキサンチンの濃度が上昇した組成物を生産するために、後に続く方法のステップでさらに補われる組成物を生産するための出発点として、上記の方法が機能することを容易に理解する。いくつかの実施形態では、本発明は、先に述べた方法によって生産された脂質タンパク質組成物を提供する。いくつかの実施形態では、本発明は、先に述べた方法によって生産された凝固物ミールを提供する。いくつかの実施形態では、本発明は、先に述べた方法によって生産された凝固物オイルを提供する。いくつかの実施形態では、本発明は、先に述べた方法によって生産された保持物ミールを提供する。いくつかの実施形態では、本発明は、先に述べた方法によって生産された保持物オイルを提供する。いくつかの実施形態では、本発明は、先に述べた方法によって生産されたオキアミミールを提供する。いくつかの実施形態では、本発明は、先に述べた方法によって生産されたオキアミオイルを提供する。いくつかの実施形態では、本発明は、先に述べた方法によって生産された混合オイルを提供する。いくつかの実施形態では、本発明の組成物に対して、追加のタンパク質、リン脂質、トリグリセリド、脂肪酸、および/またはアスタキサンチンが補われることで、所望の規定された組成を有するオイルまたはミールを生産する。そのため、当業者は、当業者は、上記した組成物が、所望の組成物(例えばタンパク質、脂質、もしくはアスタキサンチンの濃度が高められた組成物)を生産するために、後に続く方法のステップでさらに補われる組成物を生産するための出発点として、役立つことを容易に理解するであろう。
【0015】
いくつかの実施形態では、本発明は、次のものを含む方法を提供する。すなわち、オキアミバイオマスを、約25℃ないし80℃、好ましくは約50ないし75℃、および最も好ましくは約60ないし75℃に加熱するステップ、上記オキアミバイオマスを固相と液相とに分離するステップ、上記固相から第1の脂質分画を抽出するステップ、上記液相から第2の脂質分画を抽出するステップ、ならびに上記第1の脂質分画と上記第2の脂質分画とを混合して所望の組成を持つオキアミ脂質組成物を提供するステップを含む。いくつかの実施形態では、抽出するステップは相当な量の有機溶媒がない状態で行なわれる。いくつかの実施形態では、上記第1の脂質分画はw/wベースで約90%を上回るホスファチジルコリンを含有するリン脂質分画を含む。いくつかの実施形態では、第2の脂質分画は、w/wベースで約80%を越える中性脂質を含む。
【0016】
いくつかの実施形態では、本発明は、約0.01ないし約200mg/kgのアスタキサンチン、w/wベースで約45%ないし約65%の脂肪、およびw/wベースで20%ないし50%のタンパク質を含むオキアミ組成物であって、上記脂肪にはω−3脂肪酸残基が含まれるオキアミ組成物を提供する。いくつかの実施形態では、上記脂肪は、ω−3脂肪酸含有量がw/wベースで約10%ないし約30%、好ましくは約15%ないし約25%である。いくつかの実施形態では、脂肪は、w/wベースで約20%ないし約50%のリン脂質を含み、上記リン脂質はw/wベースで約65%を上回るホスファチジルコリンと約1%ないし約10%のアルキルアシルホスファチジルコリンとを含む。いくつかの実施形態では、上記リン脂質は、w/wベースで約10%未満のエタノールアミンを含む。いくつかの実施形態では、上記脂肪は、w/wベースで約40%ないし約70%のトリアシルグリセロールを含む。いくつかの実施形態では、上記組成物は約1%未満のコレステロールを、さらに含む。いくつかの実施形態では、上記タンパク質は、w/wベースで約8%ないし約14%のロイシンと、w/wベースで約5%ないし11%のイソロイシンとを含む。
【0017】
いくつかの実施形態では、本発明は、w/wベースで約10%ないし約20%のタンパク質、w/wベースで約15%ないし約30%の脂肪、および約.001ないし約200mg/kgのアスタキサンチンを含むオキアミ組成物を提供する。いくつかの実施形態では、上記脂肪は、ω−3脂肪酸含有量がw/wベースで約10%ないし約30%である。いくつかの実施形態では、上記脂肪は、w/wベースで約30%ないし約50%のリン脂質を含む。いくつかの実施形態では、上記リン脂質は、w/wベースで約65%を上回るホスファチジルコリンを含む。いくつかの実施形態では、上記リン脂質は、w/wベースで約10%未満のエタノールアミンを含む。いくつかの実施形態では、上記脂肪は、w/wベースで約40%ないし約70%のトリアシルグリセロールを含む。いくつかの実施形態では、上記組成物は約1%未満のコレステロールを含む。いくつかの実施形態では、上記タンパク質は、w/wベースで約7%ないし約13%のロイシンと、w/wベースで約4%ないし10%のイソロイシンとを含む。
【0018】
いくつかの実施形態では、本発明は、w/wベースで約65%ないし約75%のタンパク質(乾物)、w/wベースで約10%ないし約25%の脂肪(乾物)、および約1ないし約200mg/kgのアスタキサンチン(湿量基準)を含むオキアミミールプレスケーキを提供する。いくつかの実施形態では、脂肪は、w/wベースで、約30%を上回る中性脂質と約30%を上回るリン脂質とを含む。いくつかの実施形態では、脂肪は、w/wベースで約50ないし約60%の中性脂質とw/wベースで約40%ないし約55%の極性脂質とを含む。いくつかの実施形態では、上記タンパク質は、w/wベースで約5%ないし約11%のロイシンと、w/wベースで約3%ないし約7%のイソロイシンとを含む。
【0019】
いくつかの実施形態では、本発明は、w/wベースで約65%ないし約75%のタンパク質(乾物)、w/wベースで約10%ないし約25%の脂肪(乾物)、および約1ないし約200mg/kgのアスタキサンチンを含むオキアミミール(湿量基準)を提供する。いくつかの実施形態では、脂肪は、w/wベースで、約30%を上回る中性脂質と約30%を上回るリン脂質とを含む。いくつかの実施形態では、脂肪は、w/wベースで約50ないし約60%の中性脂質とw/wベースで約40%ないし約55%の極性脂質とを含む。いくつかの実施形態では、上記極性脂質は、w/wベースで約90%を上回るホスファチジルコリンを含む。いくつかの実施形態では、上記極性脂質は、w/wベースで約10%未満のホスファチジルエタノールアミンを含む。いくつかの実施形態では、上記タンパク質は、w/wベースで約5%ないし約11%のロイシンと、w/wベースで約3%ないし約7%のイソロイシンとを含む。
【0020】
いくつかの実施形態では、本発明は、全体で約1500mg/kgを上回るエステル化アスタキサンチンを含むオキアミオイル組成物を提供する。ここで、上記エステル化アスタキサンチンは、w/wベースで約25ないし35%のアスタキサンチンモノエステル、およびw/wベースで約50ないし70%のアスタキサンチンジエステル、ならびに約20mg/kgを上回る遊離アスタキサンチンを含む。
【0021】
いくつかの実施形態では、本発明は、w/wベースで約3%ないし約10%のタンパク質、w/wベースで約8%ないし約20%の乾物質量、およびw/wベースで約4%ないし約10%の脂肪を含むオキアミ組成物を提供する。いくつかの実施形態では、上記脂肪は、w/wベースで約50%ないし約70%のトリアシルグリセロールを含む。いくつかの実施形態では、上記脂肪は、w/wベースで約30%ないし約50%のリン脂質を含む。いくつかの実施形態では、上記リン脂質は、w/wベースで約90%を上回るホスファチジルコリンを含む。いくつかの実施形態では、上記脂肪は、約10%ないし約25%のn−3脂肪酸を含む。いくつかの実施形態では、脂肪は、約10%ないし約20%のEPAおよびDHAを含む。
【0022】
いくつかの実施形態では、本発明のオキアミ組成物に対して、追加のタンパク質、リン脂質、トリグリセリド、脂肪酸、および/またはアスタキサンチンが補われることで、所望の規定された組成を有するオイルまたはミールを生産する。そのため、当業者は、所望の組成物、例えばタンパク質、脂質、もしくはアスタキサンチンの濃度が上昇したオキアミ組成物を生産するために、後に続く方法のステップで組成物がさらに補われる組成物を生産するための出発点として、上記の方法が機能することを容易に理解する。
【0023】
上記した本発明のミール組成物およびオイル組成物は、海洋バイオマス由来の製品で一般に見出される多くの揮発性成分を低濃度で含むこと、または実質的に含んでいないことによって、特徴付けられる。いくつかの実施形態で、本発明のミールおよびオイルは、以下の揮発性化合物の一種類以上が実質的に存在しないことを特徴とする。該揮発性化合物として、アセトン、酢酸、メチルビニルケトン、1−ペンテン−3−オン、n−ヘプタン、2−エチルフラン、プロピオン酸エチル、2−メチル−2−ペンタナル、ピリジン、アセトアミド、トルエン、N,N−ジメチルプロパンアミド、酪酸エチル、酢酸ブチル、3−メチル−1,4−ヘプタジエン、イソ吉草酸、メチルピラジン、イソ吉草酸エチル、N,N−ジメチルアニリンアセトアミド、2−ヘプタノン、2−エチルピリジン、ブチロラクトン、2,5−ジメチルピラジン、エチルピラジン、N,N−ジメチルアニリンプロパンアミド、ベンズアルデヒド、2−オクタノン、β−ミルセン、ジメチル三硫化物、トリメチルピラジン、および1−メチル−2−ピロリドンが挙げられる。他の実施形態では、本発明のミールおよびオイルは、以下の揮発性化合物の一種類以上を1000、100、10、1、または0.1ppm未満(あるいは10mg/100g未満、好ましくは1mg/100g、および最も好ましくは0.1mg/100mg)含むことを特徴とする。該化合物として、アセトン、酢酸、メチルビニルケトン、1−ペンテン−3−オン、n−ヘプタン、2−エチルフラン、プロピオン酸エチル、2−メチル−2−ペンタナル、ピリジン、アセトアミド、トルエン、N,N−ジメチルプロパンアミド、酪酸エチル、酢酸ブチル、3−メチル−1,4−ヘプタジエン、イソ吉草酸、メチルピラジン、イソ吉草酸エチル、N,N−ジメチルアニリンアセトアミド、2−ヘプタノン、2−エチルピリジン、ブチロラクトン、2,5−ジメチルピラジン、エチルピラジン、N,N−ジメチルアニリンプロパンアミド、ベンズアルデヒド、2−オクタノン、β−ミルセン、ジメチル三硫化物、トリメチルピラジン、および1−メチル−2−ピロリドンが挙げられる。さらなる実施形態では、本発明の組成物は、トリメチルアミン(TMA)、トリメチルアミンオキシド(TMAO)および/またはリソホスファチジルコリンを、10mg/100g未満、および好ましくは1mg/100g(乾燥重量)未満含むことを特徴とする。
【0024】
いくつかの実施形態では、本発明は、海洋バイオマスと水とを混合して所定の温度を有する混合物を形成する混合装置を具備する海洋バイオマスを処理するためのシステムを提供する。ここで、上記混合物は第1の固相と第1の液相とを有する。いくつかの実施形態では、上記混合物の上記所定の温度は約25ないし80℃、好ましくは約50ないし75℃、および最も好ましくは約60ないし75℃である。いくつかの実施形態において、システムは、上記第1の固相と上記第1の液相とを分離するために、前記混合装置に流体連絡する分離装置を、さらに具備する。いくつかの実施形態では、第1の分離装置はフィルターである。いくつかの実施形態では、上記システムは、上記分離装置と流体連絡する第1の加熱部をさらに具備し、上記第1の加熱部は上記第1の液相を所定の温度に加熱する。いくつかの実施形態では、上記所定の温度は約80℃ないし約100℃、好ましくは90℃ないし約100℃、最も好ましくは約95℃ないし約100℃である。いくつかの実施形態では、上記システムは、上記混合装置と流体連絡するミクロフィルターをさらに具備し、上記液相は上記マイクロフィルターによって保持物相と透過物相とに分離される。いくつかの実施形態では、上記システムは上記マイクロフィルターに沿ったプレフィルターをさらに具備する。いくつかの実施形態では、上記プレフィルターはふるい(sieve)である。いくつかの実施形態では、上記水を加熱し、上記混合物の上記所定の温度を約25ないし80℃、好ましくは約50ないし75℃、および最も好ましくは約60ないし75℃とする。いくつかの実施形態では、上記システムは、上記第1の固相と上記第1の液相とを分離するための上記混合装置と流体連絡する第1の分離装置を、さらに具備する。いくつかの実施形態では、上記第1の分離装置はフィルターである。
【0025】
いくつかの実施形態では、本発明は、w/wベースで約10%ないし約20%のタンパク質、w/wベースで約15%ないし約30%の脂肪、および約0.01%ないし約200mg/kgのアスタキサンチン、ならびに約1mg/100g未満のトリメチルアミン、トリメチルアミン、揮発性窒素または1g/100g未満のリソホスファチジルコリンあるいはそれらの組み合わせを含むオキアミ組成物を提供する。いくつかの実施形態では、上記脂肪は、ω−3脂肪酸含有量がw/wベースで約10%ないし約25%である。いくつかの実施形態では、上記脂肪は、w/wベースで約35%ないし約50%のリン脂質を含む。いくつかの実施形態では、上記リン脂質は、w/wベースで約90%を上回るホスファチジルコリンを含む。いくつかの実施形態では、上記リン脂質は、w/wベースで約10%未満のエタノールアミンを含む。いくつかの実施形態では、上記脂肪は、w/wベースで約40%ないし約60%のトリアシルグリセロールを含む。いくつかの実施形態では、上記組成物は約1%未満のコレステロールを、さらに含む。いくつかの実施形態では、上記タンパク質は、w/wベースで約7%ないし約13%のロイシンと、w/wベースで約4%ないし10%のイソロイシンとを含む。
【0026】
いくつかの実施形態では、本発明は、海洋バイオマスを処理する方法を提供する。この方法は、海洋バイオマスと、海洋バイオマスを水と混合することで所定の温度の混合物を形成する混合装置とを提供するステップを含み、上記混合物は第1の固相と第1の液相とを含む。いくつかの実施形態では、上記混合物の上記所定の温度を約25ないし80℃、好ましくは約50ないし75℃、および最も好ましくは約60ないし75℃とする。いくつかの実施形態では、上記方法は、上記固相から上記液相を分離するステップ、ならびに上記液相を約80℃ないし約100℃、好ましくは約90℃ないし約100℃、最も好ましくは95℃ないし約100℃に加熱することで凝固物を生成するステップを含む。いくつかの実施形態では、凝固物はタンパク質と脂質とを含む。いくつかの実施形態では、濾過によって凝固物を残留液から分ける。
【0027】
いくつかの実施形態では、本発明は、海洋バイオマスを処理するためのシステムを提供する。このシステムは、船と、海洋バイオマスを捕獲するように構成された、上記船から牽引することができるトロール網と、上記海洋バイオマスを水と混合することで所定の温度を有する混合物を形成する混合装置とを具備し、前記混合物が第1の固相と第1の液相とを有する。いくつかの実施形態では、上記海洋バイオマスはオキアミである。いくつかの実施形態では、上記オキアミは新鮮なオキアミであり、上記トロール網および上記船が上記新鮮なオキアミを上記混合装置に搬送するように構成されている。いくつかの実施形態では、上記システムは上記バイオマスを上記オキアミから上記船へ移すポンプを具備する。いくつかの実施形態では、上記システムは上記混合装置と流体連絡するミクロフィルターを具備し、上記ミクロフィルターは上記第1の固相と上記第1の液相とを分離する。いくつかの実施形態では、上記海洋バイオマスはオキアミである。いくつかの実施形態では、上記オキアミは新鮮なオキアミである。
【0028】
いくつかの実施形態では、本発明は、薬学的に許容し得る担体と結合して上に記述された組成物の1つ以上を含む薬学的組成物を提供する。いくつかの実施形態では、本発明は、先に述べた組成物の1つ以上を含む食品を提供する。いくつかの実施形態では、本発明は、先に述べた組成物の1つ以上を含む栄養補助食品を提供する。いくつかの実施形態では、本発明は、先に述べた組成物の1つ以上を含む動物飼料を提供する。
[請求項1001]
リン脂質およびタンパク質を含む生物原料からリン脂質組成物を調製する方法であって、
前記生物原料を水と混合して前記生物原料の温度を約25ないし80℃に上昇させて、リン脂質およびタンパク質を含む第1の水相および第1の固相を形成するステップ、
前記第1の水層から前記第1の固相を分離するステップ、ならびに
前記第1の水相からタンパク質およびリン脂質の分画を分離するステップ
を含む、方法。
[請求項1002]
前記生物原料がオキアミである、請求項1001に記載の方法。
[請求項1003]
前記オキアミが新たに捕獲されたものである、請求項1002に記載の方法。
[請求項1004]
前記オキアミが冷凍されたものである、請求項1002に記載の方法。
[請求項1005]
前記第1の水相からタンパク質およびリン脂質の分画を分離する前記ステップが、
リン脂質タンパク質凝固物を形成するのに十分な温度で前記第1の水相を加熱するステップ、および
前記水相から前記リン脂質タンパク質凝固物を分離するステップ
を含む、請求項1001ないし1004のいずれか一項に記載の方法。
[請求項1006]
前記第1の水相を、80℃を上回る温度に加熱して前記リン脂質タンパク質凝固物を提供する、請求項1005に記載の方法。
[請求項1007]
前記リン脂質タンパク質凝固物を圧縮して、凝固物液相および凝固物プレスケーキを形成するステップをさらに含む、請求項1005または1006のいずれか一項に記載の方法。
[請求項1008]
前記リン脂質タンパク質凝固物を洗浄するステップをさらに含む、請求項1005ないし1007のいずれか一項に記載の方法。
[請求項1009]
前記凝固物プレスケーキを乾燥させて凝固物ミールを形成するステップをさらに含む、請求項1007または1008に記載方法。
[請求項1010]
前記凝固物ミールから凝固物オイルを抽出するステップをさらに含む、請求項1009に記載方法。
[請求項1011]
タンパク質およびリン脂質の分画を前記第1の水相から分離する前記ステップが、タンパク質とリン脂質とを含有するリン脂質タンパク質保持物を提供するための前記水相の濾過を含む、請求項1001ないし1004のいずれか一項に記載の方法。
[請求項1012]
前記濾過がメンブランフィルタレーションによる、請求項1011に記載の方法。
[請求項1013]
前記リン脂質タンパク質保持物を脱水して保持物液相および保持物濃縮物を形成するステップをさらに含む、請求項1011または1012に記載方法。
[請求項1014]
前記保持物濃縮物から保持物オイルを抽出するステップをさらに含む、請求項1013に記載方法。
[請求項1015]
前記タンパク質およびリン脂質分画に追加のタンパク質、脂質、アスタキサンチン、およびそれらの混合物を補うステップをさらに含む、請求項1001ないし1014のいずれか一項に記載の方法。
[請求項1016]
請求項1001記載の方法によって得ることが可能な水相組成物。
[請求項1017]
請求項1009の方法によって得ることが可能な凝固物ミール。
[請求項1018]
請求項1010の方法によって得ることが可能な凝固物オイル。
[請求項1019]
請求項1013の方法によって得ることが可能な保持物濃縮物。
[請求項1020]
請求項1014の方法によって入手可能な保持物オイル。
[請求項1021]
約0.01ないし約200mg/kgのアスタキサンチン、w/wベースで約45%ないし約65%の脂肪、およびw/wベースで約20%ないし50%のタンパク質を含む、オキアミ組成物であって、
前記脂肪にはω−3脂肪酸残基が含まれる、オキアミ組成物。
[請求項1022]
前記脂肪のω−3脂肪酸含有量がw/wベースで約10%ないし約30%である、請求項1021に記載の組成物。
[請求項1023]
前記脂肪がw/wベースで約20%ないし約50%のリン脂質を含み、前記リン脂質がw/wベースで約65%を上回るホスファチジルコリンとw/wベースで約2%ないし10%のアルキルアシルホスファチジルコリンとを含む、請求項1021または1022に記載の組成物。
[請求項1024]
前記リン脂質がw/wベースで約10%未満のエタノールアミンを含む、請求項1023に記載の組成物。
[請求項1025]
前記脂肪がw/wベースで約40%ないし約70%のトリアシルグリセロールを含む、請求項1021ないし1024のいずれか一項に記載の組成物。
[請求項1026]
約1%未満のコレステロールが含まれる、請求項1021ないし1025のいずれか一項に記載の組成物。
[請求項1027]
前記タンパク質は、w/wベースで約8%ないし約14%のロイシンと、w/wベースで約5%ないし11%のイソロイシンとを含む、請求項1021ないし1026のいずれか一項に記載の組成物。
[請求項1028]
w/wベースで約10%ないし約20%のタンパク質、w/wベースで約15%ないし約30%の脂肪、および約0.01mg/kgないし約200mg/kgのアスタキサンチンを含む、オキアミ組成物。
[請求項1029]
w/wベースで約65%ないし約75%のタンパク質(乾物)、w/wベースで約10%ないし約25%脂肪(乾物)、および約1ないし約200mg/kgのアスタキサンチン(湿量基準)を含む、オキアミミール。
[請求項1030]
ミールが、乾燥されかつ粘性液で補われるものである、請求項1029に記載のオキアミミール。
[請求項1031]
ミールが蒸気乾燥されている、請求項1030に記載のオキアミミール。
[請求項1032]
全体で約1500mg/kgを上回るエステル化アスタキサンチンを含み、前記エステル化アスタキサンチンが、w/wベースで約25ないし35%のアスタキサンチンモノエステル、およびw/wベースで約50ないし70%のアスタキサンチンジエステル、ならびに約20mg/kgを上回る遊離アスタキサンチンを含む、オキアミオイル組成物。
[請求項1033]
w/wベースで約3%ないし約10%のタンパク質、w/wベースで約8%ないし約20%の乾物、およびw/wベースで約4%ないし約10%の脂肪を含む、オキアミ組成物。
[請求項1034]
w/wベースで50ないし75%の脂肪、w/wベースで30ないし50%のタンパク質、および1ないし200mg/kgのアスタキサンチンを含む、オキアミ凝固物ミールであって、
前記脂肪が、脂肪100gあたり15ないし30gのω−3脂肪酸残基と、脂肪100gあたり35ないし60gのホスファチジルコリンとを含む、オキアミ凝固物ミール。
[請求項1035]
海洋バイオマスを水と混合することで、所定の温度を有する混合物を形成する混合装置
を具備する、海洋バイオマスを処理するシステムであって、
前記混合物が第1の固相と第1の液相とを有する、システム。
[請求項1036]
前記水が加熱されて、前記混合物の前記所定の温度が約50℃ないし約70℃である、請求項1035に記載のシステム。
[請求項1037]
前記第1の固相と前記第1の液相とを分離するために、前記混合装置に流体連絡する分離装置をさらに具備する、請求項1035または請求項1036に記載のシステム。
[請求項1038]
前記第1の分離装置に流体連絡する第1の加熱部をさらに具備し、
前記第1の加熱部が所定の温度に前記第1の液相を加熱する、
請求項1035ないし1037のいずれか一項に記載のシステム。
[請求項1039]
前記所定の温度が約95℃ないし約100℃である、請求項1038に記載のシステム。
[請求項1040]
前記混合装置に流体連絡するミクロフィルターをさらに具備し、
前記液相が前記ミクロフィルターによって保持物相および透過物相に分離される、請求項1035に記載のシステム。
[請求項1041]
w/wベースで50ないし70%の脂肪、w/wベースで30ないし50%のタンパク質、および1ないし200mg/kgのアスタキサンチン、ならびに100gあたり約1mg未満のトリメチルアミン、揮発性窒素または100gあたり1g未満のリソホスファチジルコリン、あるいはそれらの組み合わせを含む、オキアミ組成物であって、
前記脂肪が、脂肪100gあたり15gないし30gのω−3脂肪酸残基と、脂肪100gあたり35ないし60gのホスファチジルコリンとを含む、オキアミ組成物。
[請求項1042]
海洋バイオマスを処理する方法であって、
海洋バイオマスと、海洋バイオマスを水と混合することで所定の温度の混合物を形成する混合装置とを提供するステップを含み、
前記混合物が第1の固相と第1の液相とを含む、方法。
[請求項1043]
前記混合物の所定の温度が約70℃ないし約75℃である、請求項1042に記載の方法。
[請求項1044]
前記液相を前記固相から分離するステップ、ならびに
前記液相を約90℃ないし約100℃に加熱してタンパク質およびリン脂質を含む凝固物を生成するステップ
をさらに含む、請求項1043に記載の方法。
[請求項1045]
海洋バイオマスを処理するシステムであって、
船と、
海洋バイオマスを捕獲するように構成された、前記船から牽引することができるトロール網と、
前記海洋バイオマスを水と混合することで所定の温度を有する混合物を形成する混合装置とを具備し、
前記混合物が第1の固相と第1の液相とを有する、
システム。
[請求項1046]
前記混合装置に流体連絡するミクロフィルターを具備し、
前記ミクロフィルターが前記第1の固相と前記第1の液相とを分離する、請求項1045に記載のシステム。
[請求項1047]
船で新鮮なオキアミが前記混合装置に供給される、請求項1045または1046に記載のシステム。
[請求項1048]
請求項1017ないし1034のいずれか一項に記載の組成物と薬学的担体とを含む、薬学的組成物。
[請求項1049]
請求項1017ないし1034のいずれか一項に記載の組成物を含む栄養補助食品。
[請求項1050]
請求項1017ないし1034のいずれか一項に記載の組成物を含む動物飼料。
[請求項1051]
請求項1017ないし1034のいずれか一項に記載の組成物を含む食品。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】2段階の調理工程によるオキアミミールの製造方法を概略的に示す。
【図2】保持物の乾燥物質の関数としての透過物流量(°ブリックス(°Brix))(%)のグラフである。
【図3】保持物中の乾燥物質の関数としての平均流量のグラフである。
【図4】オキアミ凝固物から抽出された中性分画のGCである。
【図5】オキアミ凝固物から抽出された中性分画のGC分析である。
【図6】オキアミ凝固物から抽出された極性分画のGCである。
【図7】オキアミ凝固物から抽出された極性分画のGC分析である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
定義
本明細書中で用いられる「リン脂質」とは次の一般的構造を有する有機化合物のことをいう。

式中、R1は脂肪酸残基、R2は脂肪酸残基または−OH、及びR3は−Hまたは窒素含有化合物コリン(HOCHCH(CHOH)、エタノールアミン(HOCHCHNH)、イノシトール、またはセリンである。R1とR2は同時にOHでありえない。R3が−OHである場合、化合物はジアシルグリセロホスフェートであり、一方R3が窒素含有化合物である場合、化合物はレシチン、ケファリン、ホスファチジルセリン、またはプラスモロゲン等のホスファチドである。
【0031】
本明細書中で用いられる「エーテルリン脂質」とは、グリセロール主鎖の1位にエーテル結合を有するリン脂質のことをいう。エーテルリン脂質の例として、限定されるものではないが、アルキルアシルホスファチジルコリン(AAPC)、リソ−アルキルアシルホスファチジルコリン(LAAPC)、およびアルキルアシルホスファチジルエタノールアミン(AAPE)が挙げられる。「非エーテルリン脂質」は、グリセロール主鎖の1位にエーテル結合を持たないリン脂質である。
【0032】
本明細書中で用いられるように、用語ω−3脂肪酸とは、この分子のメチル末端から3番目の炭素原子と4番目の炭素原子との間の炭化水素鎖に最終の二重結合を有する多不飽和脂肪酸のことをいう。ω−3脂肪酸の非制限的例として、5、8、11、14、17−エイコサペンタエン酸(EPA)、4,7,10,13,16,19−ドコサヘキサン酸(DHA)、および7、10、13、16、19−ドコサテトラエン酸(DPA)が挙げられる。
【0033】
本明細書中に用いられるように、アスタキサンチンは次の化学構造のことをいう。

【0034】
本明細書中に用いられるように、アスタキサンチンエステルはアスタキサンチン分子中のOH基にエステル化された脂肪酸のことをいう。
【0035】
本明細書中に用いられるように、用語w/w(重量/重量)は重量ベースの組成物中の所定の物質の量に言及するものである。例えば、50%w/wリン脂質を含む組成物とは、組成物の全質量の50%がリン脂質の質量であることを意味する(すなわち、オイル等の組成物100g中、リン脂質が50g)。
【0036】
本明細書中に用いられるように、用語「新鮮なオキアミ」とは、加工に先立って約12、6、4、2、または好ましくは1時間未満に捕獲されているオキアミのことをいう。「新鮮なオキアミ」は、凝固物等の新鮮なオキアミから作られた製品が1mg/100g未満のTMA、揮発性窒素またはトリメチルアミンオキシド−N、単独または組合わせで、1g/100g未満のリソ−ホスファチジルコリンとを含むという点で、特徴付けられる。
【0037】
発明の詳細な説明
本発明は、オキアミ等の甲殻類を処理してオイル製品およびミール製品を提供すること、特に、アスタキサンチンとω−3脂肪酸部分を含むリン脂質とを含むオイルおよびアスタキサンチンが豊富なミールの生産に関する。いくつかの実施形態では、本発明は、オキアミオイル、オキアミミール、およびオキアミタンパク質/リン脂質凝固物等の有用な製品に新鮮なオキアミまたは冷凍オキアミを連続加工するためのシステムおよび方法を提供する。
【0038】
オキアミ等の海洋バイオマスを処理するための以前の方法は、単一の高温処理を利用してタンパク質性の製品を提供するものであった。特許番号SU220741;『タンパク質ペースト「オキアン(Okean)」からの脂肪の除去(Removing fats from the protein paste "Okean")』、Gulyaev and Bugrova, Konservnaya i Ovoshchesushil'naya Promyshlennost (1976), (4), 37-8;オキアミのタンパク質凝固物のアミノ酸組成(Amino acid composition of protein-coagulate in krill)、Nikolaeva, VNIRO (1967), 63 161-4。しかし、これらの方法では比較的低い脂質含量の製品が結果として得られる。本発明は、オキアミ等の海洋バイオマスを最初に中温で加熱することで、続いて高温で加熱される水相を提供する方法について、説明する。この方法は、海洋バイオマスから生産された既に説明した組成物より高い脂質含有量がある新規のタンパク質脂質組成を提供する。本発明の組成物は、ヒトでの使用を目的として市販されている他のオキアミオイルサプリメントとは、さらに異なる。いくつかの実施形態で記述された組成物は、オキアミリン脂質およびオキアミトリグリセリド等のオキアミ脂質とオキアミ由来タンパク質との組み合わせを含む固体または粉体として提供される。これらの固体/粉体は、好ましくはカプセル、ゲルカプセル中に、または錠剤もしくはカプレットとして提供してもよい。
【0039】
いくつかの実施形態では、本発明は有機溶媒を用いずにオキアミ、シラミ、カラヌス、プランクトン、卵、ザリガニ、小エビ等のバイオマスからリン脂質含有組成物を生産するための溶媒フリーの方法を提供する。いくつかの実施形態では、オキアミから脂質およびタンパク質を水相(オキアミミルクと呼ぶ)に溶解/分散するために、バイオマス(好ましくは新鮮な捕獲されたオキアミまたは冷凍されたオキアミ)を、25ないし80℃、好ましくは40ないし75℃、及び最も好ましくは60ないし75℃の温度に加熱する。いくつかの実施形態では、バイオマスを、この最初の温度に加熱するとともに、少なくとも3分、好ましくは約3分ないし60分、より好ましくは約3分ないし20分、および最も好ましくは約3分ないし10分にわたってこの最初の温度に保つ。いくつかの実施形態では、この方法は次に第2の加熱ステップを利用する。オキアミミルク(オキアミ固形分の除去後)を約80℃を上回る温度、好ましくは80ないし120℃、最も好ましくは95℃ないし100℃の温度で加熱する第1の加熱ステップにより生成した水相から、タンパク質およびリン脂質を沈殿させる。いくつかの実施形態では、上記オキアミミルクは、そのような温度に、約1分ないし約60分、好ましくは約1分ないし約10分、最も好ましくは約2分ないし8分に保たれる。水相を大気圧で加熱してもよい。または、温度が約100℃を超えることができるように、高圧の閉じたシステム内で水相を加熱してもよい。したがって、いくつかの実施形態では、加熱を大気圧でおこなう。一方、他の実施形態では、圧力は大気圧よりも高い。形成された沈殿物(今後凝固物と呼ばれる)を単離し、特徴付けすることができる。いくつかの実施形態では、上記方法は、凝固物ミールを形成するために凝固物を圧縮および乾燥するステップを、さらに含む。いくつかの実施形態では、上記乾燥を温風または蒸気によっておこなう。
【0040】
新規組成物も含むオキアミミルクを作るために、好ましくは固相(例えば、オキアミ固形分)を用いる。他の実施形態では、オキアミミルクをマイクロフィルタレーションにかける。マイクロフィルタレーションによって生産された固相(保持物と呼ぶ)は、凝固物の固相に類似している。データは、凝固物および保持物が低コレステロールであることを示している。いくつかの実施形態では、保持物および凝固物は、コレステロールを実質的に含まない。いくつかの実施形態では、保持物および凝固物は、コレステロールを1%未満、好ましくは0.1%未満含む。これは、リン脂質等の脂質の少なくとも一部をオキアミから取り除く新規の方法である。オキアミから脂質を除去するためには、エタノールまたは他の極性溶媒等の液体を用いる溶媒抽出を、事前に必要としていた。溶媒抽出は時間がかかるものであり、また材料の損失ももたらすことから、求められない。凝固物を分離するために用いられるオキアミは、実験に先立って10ヶ月間、冷凍保存した。凍結/融解工程の過程でタンパク質分解酵素活性の放出により、新鮮なオキアミよりは凍結したオキアミの処理に基づいて、より多くのタンパク質が可溶化され得ると予想される。
【0041】
いくつかの実施形態では、本発明は海洋バイオマスを処理するためのシステムおよび方法を提供する。好ましい実施形態では、海洋バイオマスはオキアミ、好ましくはナンキョクオキアミ ユーファシア・スペルバである。他のオキアミ種もまた、本発明のシステムおよび方法を用いて処理することが可能である。いくつかの実施形態では、オキアミは本明細書中に定義されるような新鮮な状態で処理される。いくつかの実施形態では、以下に述べるように、捕獲してから12、10、8、6、4、または好ましくは2時間未満で船上でオキアミを処理する。いくつかの実施形態では、捕獲してから1時間以内または好ましくは0.5時間以内船上でオキアミを処理する。いくつかの実施形態では、船は、オキアミを捕獲するように構成されるトロール網を牽引する。その後、オキアミをトロール網から船へ移して処理する。いくつかの実施形態では、トロール網は、生鮮状態にオキアミを処理することができるようにトロール網から船まで新鮮な状態で捕獲されたオキアミを汲むためにポンプ・システムを含む。好ましい実施形態では、ポンプ・システムは、水面下でトロール網を広げるチューブを含み、水位線よりも下でチューブに空気を注入することによってポンプ作用が得られるもので、チューブを介して船上で、オキアミがトロール網から連続的に吸引または汲み出される。ポンプを備えた好ましいトロール網を引くシステムは、PCT出願WO 07/108702およびWO 05/004593(これらを参照により本明細書中に援用)に記述されている。
【0042】
本発明のシステムおよび方法のいくつかの実施形態を図1に示す。図1に示すように、新鮮または凍結されたオキアミを混合機内で、温水器から得た十分な量の温水と混合することにより、オキアミの塊の温度を約40ないし75℃、好ましくは50ないし75℃、より好ましくは60ないし75℃、および最も好ましくは約60ないし70℃に上げる。様々なタイプの温水器を本発明で用いることが可能である。いくつかの実施形態では、温水器は蒸気加熱型のケトル(steam heated kettle)であり、一方他の実施形態では、温水器は擦過表面熱交換器(scraped surface heat exchanger)である。次に、加熱された塊を液体(オキアミミルク)の分画とオキアミ固形分の分画とにフィルター内で分離する。いくつかの実施形態では、分離は、金属ふるいを介してふるいにかけることにより、行なわれる。分離の後、オキアミミルクを90℃ないし100℃、好ましくは約95℃ないし10℃に加熱器内で加熱する。任意の適当な水または液体加熱器を用いることが可能である。好ましい実施形態では、加熱器は擦過表面熱交換器である。この加熱ステップによって固形分画(上記凝固物)および液体分画が生じた。いくつかの好ましい実施形態では、既に説明したように、分離装置はフィルターを利用する。本発明は、いかなる特定のタイプのフィルターの使用に限定されるものではない。いくつかの実施形態では、フィルターは織物フィルターである。いくつかの実施形態では、フィルターは高分子繊維フィルターを含む。凝固物を脱水機へ導入する。いくつかの実施形態では、脱水機はスクリュープレス等のプレスである。圧縮することで、液体分画およびプレスケーキが生ずる。プレスケーキを乾燥機内で乾燥させて凝固物ミールを生産する。
【0043】
オキアミ固形分画を脱水用の脱水機に導入する。いくつかの実施形態では、脱水機はスクリュープレス等のプレスである。プレスすることで、プレスケーキおよび液体の分画が得られる。プレスケーキを空気乾燥機または蒸気乾燥機等の乾燥機で乾燥させ、オキアミミールを得る。液体分画を遠心分離することで、アスタキサンチンを高濃度で含む中性のオキアミオイルと粘性液とが生ずる。好ましい実施形態では、粘性液をオキアミプレスに加え戻し、十分な量のミールを作る。このミールには、可溶性タンパク質、アミノ酸等の粘性液の種々の成分が含まれる。
【0044】
別の実施形態では、加熱の代わりにオキアミミールをマイクロフィルタレーション処理することで、凝固物を形成する。オキアミミルクをマイクロフィルターに導入する。マイクロフィルタレーションによって、保持物および液状透過物が生ずる。保持物を真空下での蒸発により濃縮することで安定にする(水の活量<0.5Aw)。調理液体のメンブランフィルタレーションは、好ましくは約70℃で行う。この際、フィルターの孔径は、約10nmないし約1000nm、より好ましくは約50ないし約500nm、および最も好ましくは約100nmである。典型的なフィルターはP19−40 100nm ZrO膜である。いくつかの実施形態では、マイクロフィルタレーションに先立って液体分画をあらかじめ濾過する。好ましい実施形態では、プレフィルターはロートフルイドシーブ(Roto-fluid sieve)(空気孔100μm)である。
【0045】
さらに本発明の別の実施例は、オキアミミールを調製する新規かつより有効な方法である。凝固物を取り除くことで、オキアミミール工程は目詰まりの問題が生ずることが少なくなり、また調理器内での熱蒸気の使用を回避することができる。開示したデータによれば、凝固物はリン脂質を高い割合で含んでおり、このこと新規なオキアミミール工程における脂肪の分離を標準的魚粉工程において見られるような機械的方法を用いて得ることができる。実際、ミールからの脂肪の分離は重要である。理想的には、オキアミミールは、満足できる技術的な特性を持つために脂肪の値を低くしなければならない。ミールから脂肪を機械的に分離することは、アスタキサンチンが豊富な中性オイルをもたらす。もしアスタキサンチンが豊富な中性オイルがミールに留まる場合、アスタキサンチンは乾燥中に分解される可能性がある。
【0046】
いくつかの実施形態では、本発明はオキアミ凝固物および保持物組成物を提供する。組成物はタンパク質および脂質(特にリン脂質)の組み合わせを含むことを特徴とする。好ましい実施形態では、組成物は固体または粉体で、ミールとして提供される。いくつかの実施形態では、組成物は、w/wベースで約20%ないし約50%のタンパク質、好ましくは、W/Wベースで約30%ないし約40%のタンパク質、およびw/wベースで約40%ないし70%の脂質、好ましくはw/wベースで約50%ないし65%の脂質を含むことから、組成物中のタンパク質及び脂質を合計した量は90ないし100%となる。いくつかの実施形態では、脂肪分画は、100gの脂質あたり約10gないし30gのω−3脂肪酸残基、好ましくは100gの脂質あたり約15gないし25gのω−3脂肪酸残基(すなわち、組成物に含まれる全脂質の割合としてw/wで表したω−3残基が10ないし30%または好ましくは15ないし25%)を含む。いくつかの実施形態では、組成物の脂質分画は、脂質100gあたり25ないし50gの極性脂質(全脂質の割合として表した25ないし50%w/w)、好ましくは全脂質100gあたり約30ないし45gの極性脂質(全脂質の割合として表した30ないし45%w/w)、および脂質100gあたり約50ないし70gの非極性脂質(全脂質の割合として表した50ないし70%ww)を含み、極性脂質および非極性脂質の総量は脂質分画の90ないし100%である。いくつかの実施形態では、リン脂質はw/wベースで約60%を上回るホスファチジルコリンを含む。いくつかの実施形態では、リン脂質は、w/wベースで約10%未満のエタノールアミンを含む。いくつかの実施形態では、組成物はw/wベースで約20%ないし約50%のトリアシルグリセロールを含む。いくつかの実施形態では、組成物は約1%未満のコレステロールを含む。いくつかの実施形態では、タンパク質分画は、w/wベースで約8%ないし約14%のロイシン、およびw/wベースで約5%ないし11%のイソロイシンを含む。いくつかの実施形態では、組成物は約200、10、5、または1mg/kgの天然または内因性のアスタキサンチンを含む。いくつかの実施形態では、組成物は約0.01ないし約200mg/kgの天然アスタキサンチンを含む。組成物のアスタキサンチン含有量は、他(外因性)供給元由来のアスタキサンチン(天然および非天然)を添加することで、高められる。同様に、組成物に対して、外因性のタンパク質、トリグリセリド、リン脂質、および脂肪酸(例えば、ω−3脂肪酸)を補うことで、所望の組成物を生成することができる。
【0047】
本発明の別の実施例には、あらかじめ熱したオキアミ組成物である。あらかじめ熱したオキアミ組成物の非限定的な例は、10%または5%未満のリン脂質、特にホスファチジルコリンを有する脂質を含むオキアミ組成物である。
【0048】
さらに本発明の別の実施例では、最初の加熱ステップ(すなわち、80℃未満での加熱ステップ)後に残った固相から生産した新規のオキアミ組成物である。オキアミミールは、良好な栄養上かつ技術的な性質(例えば、高タンパク質含有量および低脂肪含有量)を有するとともに、高フロー数を有する。予想外に、極性脂質と中性脂質との比率およびEPAとDHAとの比率は、通常のオキアミミールと比べて、実質的に増大される。いくつかの実施形態では、オキアミミールは、w/wベースで約60%ないし約80%のタンパク質、好ましくはw/wベースで約70%ないし約80%のタンパク質と、w/wベースで約5%ないし約20%の脂肪と、約1ないし200mg/kgのアスタキサンチンと、好ましくは約50ないし約200mg/kgアスタキサンチンとを含む。いくつかの実施形態では、脂肪は、w/w(総脂質)ベースで約20ないし40%の全中性脂質と約50ないし70%の全極性脂質とを含有する。いくつかの実施形態では、ミール内の極性脂質と中性脂質との比率は、約1.5:1ないし3:1、好ましくは約1.8:1ないし2.5:1、および最も好ましくは約1.8:1ないし2.2:1である。いくつかの実施形態では、脂肪は約20%ないし40%のω−3脂肪酸、好ましくは約20%ないし30%のω−3脂肪酸を含む。いくつかの実施形態では、EPA:DHAの比率は、約1.81ないし1:0.9、好ましくは約1.4:1ないし1:1である。
【0049】
さらに別の実施形態では、本発明は上記した方法によって生産されるオイルを提供する。いくつかの実施形態では、オイルは、合計約1800mg/kgを上回るエステル化アスタキサンチンを含む。ここで、上記エステル化アスタキサンチンは、w/wベースで約25ないし35%のアスタキサンチンモノエステル、およびw/wベースで約50ないし70%のアスタキサンチンジエステル、ならびに約40mg/kg未満の遊離アスタキサンチンを含む。
【0050】
本発明の組成物は、ヒトおよび他の動物にとってたいへん口当たりがよい。特に、本発明のオイルおよびミール組成物は、望ましくない揮発性物質の量が低いこと、または海洋バイオマス由来の生成物に共通して見出される数多くの揮発性化合物が実質的に含まれていないことによって、特徴付けられる。いくつかの実施形態では、本発明のミールおよびオイルは、以下の揮発性化合物の1種類以上を実質的に含まないことによって、特徴付けられる。すなわち、該揮発性化合物は、アセトン、酢酸、メチルビニルケトン、1−ペンテン−3−オン、n−ヘプタン、2−エチルフラン、プロピオン酸エチル、2−メチル−2−ペンタナル、ピリジン、アセトアミド、トルエン、N,N−ジメチルアニリンホルムアミド、酪酸エチル、酢酸ブチル、3−メチル−1,4−ヘプタジエン、イソ吉草酸、メチルピラジン、イソ吉草酸エチル、N,N−ジメチルアセトアミド、2−ヘプタノン、2−エチルピリジン、ブチロラクトン、2,5−ジメチルピラジン、エチルピラジン、N,N−ジメチルプロパンアミド、ベンズアルデヒド、2−オクタノン、β−ミルセン、ジメチル三硫化物、トリメチルピラジン、および1−メチル−2−ピロリドンである。他の実施形態では、本発明のミールおよびオイルは、以下の揮発性化合物の一種類以上を1000、100、10、1、または0.1ppm未満(あるいは10mg/100g未満、好ましくは1mg/100g未満、および最も好ましくは0.1mg/100mg未満)含むことを特徴とする。該化合物は、アセトン、酢酸、メチルビニルケトン、1−ペンテン−3−オン、n−ヘプタン、2−エチルフラン、プロピオン酸エチル、2−メチル−2−ペンタナル、ピリジン、アセトアミド、トルエン、N,N−ジメチルホルムアミド、酪酸エチル、酢酸ブチル、3−メチル−1,4−ヘプタジエン、イソ吉草酸、メチルピラジン、イソ吉草酸エチル、N,N−ジメチルアセトアミド、2−ヘプタノン、2−エチルピリジン、ブチロラクトン、2,5−ジメチルピラジン、エチルピラジン、N,N−ジメチルアニリンプロパンアミド、ベンズアルデヒド、2−オクタノン、β−ミルセン、ジメチル三硫化物、トリメチルピラジン、および1−メチル−2−ピロリドンである。さらなる実施形態では、本発明の組成物は、トリメチルアミン(TMA)、トリメチルアミンオキシド(TMAO)および/またはリソホスファチジルコリンを、10mg/100g未満、および好ましくは1mg/100g(乾燥重量)未満含むことを特徴とする。
【0051】
いくつかの実施形態では、本発明の組成物(例えば、先の項で説明したもの)は、経口消費用の許容し得る賦形剤および/または担体に含有される。いくつかの実施形態では、本発明は、1種類以上の上記組成物が薬学的に許容し得る担体と組み合わさっている薬学的組成物を提供する。担体の実際の形態、そしてそれ自体の組成は決定的なものではない。担体は、液体、ゲル、ゲルキャップ、カプセル、粉体、固形の錠剤(コーティングされたカプレットまたはコーティングされていないカプレット)、茶、あるいはその他のものであってもよい。組成物は、好ましくはタブレットまたはカプセルの形態、および最も好ましくは柔らかいゲルカプセルの形態である。適当な賦形剤および/または担体として、マルトデキストリン、炭酸カルシウム、第二リン酸カルシウム、第三リン酸カルシウム、微結晶性セルロース、デキストロース、米粉、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、クロスカルメロースナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、クロスポビドン、スクロース、植物ガム、ラクトース、メチルセルロース、ポビドン、カルボキシメチルセルロース、トウモロコシデンプン、およびその他のもの(それらの混合物を含む)。好ましい担体として、炭酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、マルトデキストリンおよびそれらの混合物が挙げられる。種々の成分ならびに賦形剤および/または担体を、従来の技術を用いて混合し、所望の形態に加工する。本発明の錠剤またはカプセルを、約6.0ないし7.0のpHで溶解する腸溶性のコーティングによって被覆してもよい。胃の中でではなく小腸で溶ける適当な腸溶性コーティングは、酢酸フタル酸セルロースである。処方および投与に関する技術のさらなる詳細を、最新版のRemington's Pharmaceutical Sciences (Maack Publishing Co., Easton, PA)に見出すことが可能である。
【0052】
栄養補助食品は、特に栄養補助食品によって規定食に加えられたカロリー数を制限することが望ましい場合、1つ以上の不活性成分を含むものであってもよい。例えば、本発明の栄養補助食品は、任意の成分をさらに含むものであってもよく、該任意の成分として、例えば、薬草、ビタミン、無機質、エンハンサー、着色剤、甘味料、香味料、不活性成分、およびその他のものが挙げられる。例えば、本発明の栄養補助食品は、下記の1つ以上を含むものであってもよい。すなわち、アスコルビン酸塩(アスコルビン酸、ミネラルアスコルビン酸塩、ローズヒップ、アセロラ、およびその他のもの)、デヒドロエピアンドロステロン(DHEA)フォーティ(Fo−Ti)またはフーショウウー(Ho Shu Wu)(アジアの伝統的治療に共通の薬草)、猫つめ(古代の薬草成分)、緑茶(ポリフェノール)、イノシトール、ケルプ、ダルス、バイオフラボノイド、マルトデキストリン、イラクサ、ナイアシン、ナイアシンアミド、ローズマリー、セレン、シリカ(二酸化ケイ素、シリカゲル、杉菜、およびトクサ等)、スピルリナ、ならびに亜鉛等である。そのような任意の成分は、天然の形態または濃縮された形態であってもよい。
【0053】
いくつかの実施形態では、栄養補助食品はビタミンおよびミネラルをさらに含む。これらのビタミンおよびミネラルは、限定されるものではないが、リン酸カルシウムまたは酢酸カルシウム、三塩基性;リン酸カリウム、二塩基;硫酸マグネシウムまたは酸化マグネシウム;塩(塩化ナトリウム);塩化カリウムまたは酢酸カリウム;アスコルビン酸;オルトリン酸第二鉄;ナイアシンアミド;硫酸亜鉛または酸化亜鉛;パントテン酸カルシウム;グルコン酸銅;リボフラビン;βカロチン;塩酸ピリドキシン;硝酸チアミン;葉酸;ビオチン;塩化クロムまたはクロミウムピコリネート;ヨウ化カリウム;セレン酸ナトリウム;モリブデン酸ナトリウム;フィロキノン;ビタミンD3;シアノコバラミン;亜セレン酸ナトリウム;硫酸銅;ビタミンA;ビタミンC;イノシトール;ヨウ化カリウムを含む。ビタミン類およびミネラル類にとって適当な用量は、米国RDAガイドラインを調べることによって、得ることが可能である。
【0054】
さらなる実施形態では、組成物は少なくとも一種類の食物用香味料、例えばアセトアルデヒド(エタナール)、アセトイン(アセチルメチルカルビノール)、アネトール(パラプロペニルアニソール)、ベンズアルデヒド(ベンズアルデヒド)、N酪酸(ブタン酸)、dまたはlカルボン(カルボール)、シンナムアルデヒド(桂皮アルデヒド)、シトラール(2,6-ジメチルオクタジエン2, 6アール8ゲラノアール、ネラール)、デカナール(Nデシルアルデヒド、カプルアルデヒド、カプリックアルデヒド、カプリンアルデヒド、アルデヒドC10)、酢酸エチル、酪酸エチル、3メチル3フェニルグリシド酸エチルエステル(メチルフェニルグリシド酸エチル(ethyl methyl phenyl glycidate)、イチゴアルデヒド、C16アルデヒド)、エチルバニリン、ゲラニオール(3,7ジメチル2,6および3,6オクダジエン1オール)、酢酸ゲラニル(ゲラニオールアセテート)、リモネン(d, l, およびdl)、リナロール(リナロール、3,7ジエチル1,6オクタジエン3オール)、酢酸リナリル(ベルガモール)、アントラニル酸メチル(2アミノ安息香酸メチル)、ピペロナール(3,4メチレンジオキシベンズアルデヒド、ヘリオトロピン)、バニリン、アルファルファ(ムラサキウマゴヤシ(Medicago sativa L.))、オールスパイス(ピメンタ・オフィシナリス(Pimenta officinalis))、アンブレット種子(ハイビスカス・アベルモスカス(Hibiscus abelmoschus))、アンゼリカ(セイヨウトウキ(Angelica archangelica))、アンゴスツラ(ガリピー・オフィシナリス(Galipea officinalis))、アニス(ピムピネラ・アニサム(Pimpinella anisum))、トウシキミ(イリシウム・ベラム(Illicium verum))、セイヨウヤマハッカ(メリッサ・オフィシナリス(Melissa officinalis))、バジル(メボウキ(Ocimum basilicum))、ゲッケイジュ(ラウラス・ノビリス(Laurus nobilis))、キンセンカ(カレンデュラ(Calendula officinalis))、ローマカミツレ(Anthemis nobilis)、トウガラシ(カプシクム・フルテセンス(Capsicum frutescens))、ヒメウイキョウ(カルム・カルヴィ(Carum carvi))、ショウズク(エレタリア・カルダモマム(Elettaria cardamomum))、カシア(シナモマム・カシア(Cinnamomum cassia))、カイエンヌペッパー(カプシクム・フルテセンス(Capsicum frutescens))、セロリ種子(アピウム・ガラベオレンス(Apium graveolens))、チャービル(アントリカス・セレフォリウム(Anthriscus cerefolium))、エゾネギ(アリウム・スコエノプラスム(Allium schoenoprasum))、コリアンダー(コリアンドラム・サティバム(Coriandrum sativum))、クミン(ヒメウイキョウ(Cuminum cyminum))、ニワトコの花(サンブクス・カナデンシス(Sambucus canadensis))、ウイキョウ(フォエニカラム・バルガレ(Foeniculum vulgare))、コロハ(フェネグリーク(Trigonella foenum graecum))、ショウガ(ジンジバー・オフィシナーレ(Zingiber officinale))、ニガハッカ(マルビウム・バルガレ(Marrubium vulgare))、セイヨウワサビ(アルモラシア・ラファチフォリア(Armoracia lapathifolia))、ヒソップ(ヒソップス・オフィシナリス(Hyssopus officinalis))、ラベンダー(ラヴァンデュラ・オフィシナリス(Lavandula officinalis))、メース(ニクズク(Myristica fragrans))、マジョラム(majoram )(マジョラナ・ホルテンシス(Majorana hortensis))、カラシ(ブラシカ・ニグラ(Brassica nigra)、セイヨウカラシナ(Brassica juncea)、ブラシカ・ヒルタ(Brassica hirta)、ナツメグ(ニクヅク(Myristica fragrans))、パプリカ(トウガラシ(Capsicum annuum))、黒コショウ(ピッパー・ニグラム(Piper nigrum))、ペパーミント(メンタ・ピペリタ(Mentha piperita))、ケシの実(パパヤー・ソムニフェラム(Papaver somniferum))、ローズマリー(ローズマリナス・オフィシナリス(Rosmarinus officinalis))、サフラン(クロッカス・サティヴァス(Crocus sativus))、サルビア(セージ(Salvia officinalis))、サボリー(サマーセイボリー(Satureia hortensis)、ウィンターセイボリー(Satureia montana))、ごま(セサマム・イディカム(Sesamum indicum))、スペアミント(メンタ・スペカタ(Mentha spicata))、タラゴン(アルテミシア・ドラカンカラス(Artemisia dracunculus))、タイム(コモンタイム(Thymus vulgaris)、タイマス・セルピラム(Thymus serpyllum))、ウコン(クルクマ・ロンガ(Curcuma longa))、バニラ(バニラ・プラニフォリア(Vanilla planifolia))、ガジュツ(クルクマ・ゼドアリア(Curcuma zedoaria)、スクロース、グルコース、サッカリン、ソルビトール、マンニトール、アスパルテームを含む。他の適当な調味料は、例えばRemington's Pharmaceutical Sciences, 18th Edition, Mack Publishing, p. 1288-1300 (1990), およびFuria and Pellanca, Fenaroli's Handbook of Flavor Ingredients, The Chemical Rubber Company, Cleveland, Ohio, (1971)等の参照文献で開示されており、これらは当業者に知られている。
【0055】
他の実施形態では、組成物は、少なくとも一種類の合成または天然の着色剤を含む(例えばアナット抽出物、アスタキサンチン、ビートパウダー、群青、カンタキサンチン、カラメル、カロテナール、ベータカロチン、カーミン、あぶった綿実粉、グルコン酸第一鉄、乳酸第一鉄、ブドウ色抽出物、ブドウ皮抽出物、酸化鉄、果汁、野菜ジュース、乾燥藻類ミール、マンジュギクミール、ニンジン油、コーン内胚乳オイル、パプリカ、パプリカオレオレシン、リボフラビン、サフラン、ターメリック、ターメリックおよびオレオレジン)。
【0056】
また、さらなる実施形態では、組成物は少なくとも一種類の植物栄養素を含む。(例えば大豆イソフラボノイド類、プロアントシアニジンオリゴマー、インドール3カルビノール、スルフォラファン、線維性のリガンド、植物フィトステロール、フェルラ酸、アントシアノサイド類、トリテルペン、ω3/6脂肪酸、共役脂肪酸(例えば、共役リノール酸および共役リノレン酸)、ポリアセチレン、キノン、テルペン、カテチン、ガレート(gallate)およびケルシチン)。植物性栄養素の源として、限定されるものではないが、大豆レシチン、大豆イソフラボン、玄米胚芽、ローヤルゼリー、ハチ蜂膠、アセロラ液果搾汁粉末、日本の緑茶、ブドウ種子抽出物、ブドウ皮膚抽出物、ニンジンジュース、コケモモ、アマニミール、蜂花粉、イチョウ、サクラソウ(オオマツヨイグサ油)、アカツメクサ、ゴボウ根、タンポポ、パセリ、ローズヒップ、ノゲシ、ショウガ、シベリアのチョウセンニンジン、ローズマリー、クルクミン、ガーリック、リコピン、グレープフルーツ種子抽出物、ほうれん草、およびブロッコリが挙げられる。
【0057】
さらに別の実施形態では、組成物は少なくとも1種類のビタミン(例えばビタミンA、チアミン(B1)、リボフラビン(B2)、ピリドキシン(B6)、シアノコバラミン(B12)、ビオチン、アスコルビン酸(ビタミンC)、レチノイン酸(ビタミンD)、ビタミンE、葉酸および他のフォレート(folate)、ビタミンK、ナイアシン、およびパントテン酸)を含む。いくつかの実施形態では、粒子状物質は少なくとも1つの鉱物(例えばナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、リン、塩素、鉄、亜鉛、マンガン、フッ素、銅、モリブデン、クロム、セレン、およびヨウ素)を含む。いくつかの特に好ましい実施形態では、多くの粒子状物質の投与量は、アメリカ農務省によって指定されるような一日摂取許容量(RDA)の範囲内でビタミンまたは無機質を含んでいる。さらに別の実施形態では、粒子状物質は、少なくとも1種類のアミノ酸が含まれている(例えばl−カルニチンまたはトリプトファン)。
【0058】
さらなる実施形態では、本発明は、上記した組成物の一種類以上を含む動物飼料を提供する。動物飼料は好ましくは、所望の動物用の糧食を形成し、その動物の栄養学的要求を満たす。上記組成物を飼料の調合に用いることも可能であり、また魚(稚魚を含む)、鶏、牛、ブタ、羊、および小エビ等の動物の飼料に用いることも可能である。
【実施例】
【0059】
実施例1
オキアミの4つの部分を、乾燥物質、脂肪、およびタンパク質の分析に用いた。組成におけるほとんどのばらつきがサンプリングにおけるばらつきによると考えられる。融解後の貯蔵時間の変動の影響を盛り込むために、原料試料も就業日中の異なる時間に採取した。原料投入における観察されたばらつきは、報告された実施例に基づいた脂肪、乾燥物質、およびタンパク質分布のすべての計算値に固有のものである。
【0060】
(表1)オキアミ(g/100g)の組成物

【0061】
実施例2
この実施例では、オキアミミールを調製する新しい方法を検討した。あらかじめ熱した800gの水(95ないし100℃)と200gの凍結オキアミ(0℃)とを調理器(調理器1)内で、温度75℃で6分間混合した。次に、加熱オキアミおよび温水を濾過により分離した。あらかじめ熱せられたオキアミをさらに、キッチン鍋の中で300gの温水(95℃)と混合して調理し(調理器2)、ふるい(1.0×1.5mm孔)により分離する前に約2分間にわたり90℃に保った。加熱オキアミを液体から分離してフードミキサーに移し、10秒間切り刻んだ。崩れた加熱オキアミを再び温水に加え、10分間にわたり8600×g(RCF平均)で遠心分離した。デカンタ液体(Dl)に対応する上清をデカントとして取り除いた調理ステップ1から得た液体をさらに95ないし100℃に加熱し、抽出されたタンパク質を凝固させた。凝固物をふるい(1,0×1,5mm孔)で分離し、40gの重量が得られた。図1は、2段階の調理工程によりオキアミミールを作る方法の概要を示す。
【0062】
実施例3
全揮発性窒素(TVN)、トリメチルアミン(TMA)、およびトリメチルアミンオキシド(TMAO)含有量を、実施例2(表2)での調理試験からの4通りの生成物で測定した。冷凍の際、オキアミは新鮮であった。したがって、生成物中にTMAが検出されなかった。結果は、オキアミを調理中にTMAOが水相に均一分布することを示している。
【0063】
(表2)調理手順から得られた生成物に含まれる全揮発性窒素(TVN)、トリメチルルアミン(TMA)、およびトリエチルアミンオキシド(TMAO)の分布

【0064】
さらに、脂肪、乾物、アスタキサンチンを製品中で測定した(表3)。オキアミ中のアスタキサンチンの大部分がプレスケーキ中に見出された(表3)。僅かな部分のみが、オキアミ原料に含まれる脂質が60%を上回る量である凝固物に、見出された。タンパク質脂質エマルジョンの浸出を伴う調理手順は、残留脂肪中のアスタキサンチンの濃度を増加させる。結果はまた、水を含まない凝固物は約40%の乾物と60%の脂肪とを含むことを示している。乾物は、主にタンパク質からなる。
【0065】
(表3)料理手順から得られた生成物中のアスタキサンチンの分布

【0066】
実施例2の料理試験から得た凝固物を、脂質クラスについて分析した。凝固物脂質は、小量のホスファチジルエタノールアミンとともにトリアシルグリセロールおよびホスファチジルコリンによって占められていた(表4)。
【0067】
(表4)調理実験から得た凝固物中の脂質クラスの分布

【0068】
ホスファチジルコリンの割合がオキアミ中の33%から凝固物中の42ないし46%に増加した。定量した他のリン脂質(ホスファチジルエタノールアミンおよびリソホスファチジルコリン)の濃度は、オキアミ中よりも凝固物中で低かった。遊離脂肪酸は、凝固物には殆ど含まれていなかった。
【0069】
試験F5での調理時間は6.75分であり、試験F6では4.00分であった。表4の結果は、脂質クラスの分配が調理時間に依存していないことを示している。
【0070】
凝固物のアミノ酸組成は、オキアミ中のアミノ酸組成とほとんどかわらない。オキアミと比較して、凝固物中の非極性アミノ酸にわずかな違いがあるように思われる(表5)。タンパク質が良好なエマルジョン特性を持つために、アミノ酸組成にとって重要なのはタンパク質内のアミノ酸の分布である。
【0071】
(表5)調理実施例2から得た凝固物のアミノ酸

【0072】
凝固物の脂肪酸プロファイルを表6に示す。EPA(20:5)の含有量は約12.4g/100g抽出脂肪酸であり、DHA(22:6)の含有量は約5.0g/100g抽出脂肪である。
【0073】
(表6)凝固物の脂肪酸の含有量

【0074】
実施例4
上記した2段階調理工程を評価するために、実験室規模の実験を実施した。その試験を以下に説明する。
【0075】
材料および方法
原料
凍結したオキアミをエーカーバイオマリン(Aker Biomarine)社によって入手し、10トンをノルウェーのペラジック(Pelagic)、ベルゲン(Bergen)で貯蔵し、必要に応じて取り出した。オキアミをダンボール箱のビニール袋に2×12.5 kg詰めた。処理前日にプロセスプラントの床にオキアミの入った箱を重ねることなく一段に置いた。処理を行う時まで、+3℃から−3℃まで変化した。
【0076】
分析法
タンパク質、ケルダールの方法:
銅を触媒として含む濃硫酸に溶解することで、試料中の窒素をアンモニアに変換させた。アンモニアを基本的な蒸留法で遊離させ滴定した(ISO 5983:1997(E), 方法A 01)。不確実性:1%。
【0077】
タンパク質、燃焼:
純酸素中、高温下での試料燃焼による窒素の遊離。熱伝導性による検出。試料中のタンパク質含有率を、分析された窒素の率と所定のタンパク質係数との乗算をおこなうことで、計算した(AOAC公式方法 990.03, 16th ed. 1996, 方法A 25)。
【0078】
湿気:
4時間、103℃での乾燥による質量損失の測定(ISO 6496 (1999). 方法A 04)。不確実性:4%。
【0079】
灰分:
550℃での有機物の燃焼。燃焼後に残る残留物を試料の灰分として定義する(ISO 5984:2002. 方法A 02)。不確実性:3%。
【0080】
脂肪、酢酸エチル抽出:
硫酸ナトリウムによる生試料(ウェットサンプル)中の湿気の吸収とその後の酢酸エチルによる脂肪の抽出(NS 9402, 1994 (改変計算(modified calculation)). 方法A 29)。
【0081】
脂肪、ソックスレー:
石油エーテルによる脂肪の抽出。主として、トリグリセリドの含有量を測定する(AOCS公式方法Ba 3-38 再承認1993 方法A 03)、
【0082】
脂肪、ブライトおよびダイヤー(Blight and Dyer):
単層系を構築するクロロホルム、メタノール、および水の混合物(1:2:0.8)による脂肪の抽出。クロロホルムおよび水の添加によって脂質含有クロロホルム相及び水/メタノール相を得る。蒸発及び秤量後に、クロロホルムの一等分量で脂質の測定をおこなった。抽出には、トリグリセリドおよびリン脂質の両方が含まれている(E.G. Bligh & W.J. Dyer: A rapid method of total lipid extraction and purification. Can.J.Biochem.Physiol. Vol 37 (1959). 方法A 56)。
【0083】
アスタキサンチン:
エタノールおよびジ-クロロメタンによる抽出。極性生成物を、シリカゲル上で開放カラムクロマトグラフィー法により除去する。Si60カラム上で順相HPLCにより異性体を分離し、470nmで検出する(Schierle J. & Hardi W. 1994. Determination of stabilized astaxanthin in Carophyll(登録商標) Pink, premixes and fish feeds. Edition 3. Revised Supplement to: Hoffman P, Keller HE, Schierle J., Schuep W. Analytical methods for vitamins and carotenoids in feed. Basel: Department of Vitamin Research and Development, Roche. 方法A 23)。
【0084】
油中水分:
カールフィッシャー試薬(水と定量的に反応)による滴定による油脂の実水分量の測定 (AOCS公式方法CA 2e-84. 再承認1993. 方法A 13)。
【0085】
処理中の粘性水(stick water)中の乾物を、ブリックス値が得られる屈折メーターに相関させる。蛍光検出による逆相HPLCによって、アミノ酸を尿素誘導体として測定した(Cohen S. A. and Michaud D. P., Synthesis of a Fluorescent Derivatizing Reagent, (6-Aminoquinolyl-N-Hydroxysuccinimidyl) Carbamate, and Its Application for the Protein of Hydrolysate Amino Acids via High-Performance Liquid Chromatography. Analytical Biochemistry 211, 279-287, 1993. Method A42)。TVB-N、TMA-N、及びTMAO-Nを、微量核酸法及び滴定によって、6%トリクロロ酢酸抽出物中で、測定した(Conway, E. I., and A. Byrne. An absorption apparatus for the micro determination of certain volatile substances. Biochem. J. 27:419-429, 1933, and Larsen, T, SSF rapport nr. A-152, 1991)。脂肪酸をエステル化してメチルエステルを得、GLCによってエステルを分離し、さらにC23:0脂肪酸メチルエステルを用いて、内部標準として定量する(AOCS公式方法 Ce 1b-89, 方法A 68)。脂質をHPLCによって分離し、荷電化粒子検出器によって検出した。ビタミンA、D、およびEの分析は、アナライセン(AnalyCen)、カンボ(Kambo)で行った。
【0086】
結果及び考察
オキアミの原料
表7は、パイロット試験で用いたオキアミの原料を分析した結果を示す。最初の試験に加えて、同一出荷のオキアミを全ての試験で用いた。乾物は、約21ないし22%であり、脂肪は6%、タンパク質は13ないし14%、塩は1%pH、総揮発性窒素(TVN)は18mgN/100g、トリメチルアミン(TMA)は4mgN/100g、さらにトリメチルアミンオキシド(TMAO)は135mgN/100gであった。魚と比較して、オキアミのpH、TMAO、および塩(Cl)は高い。
【0087】
(表7)湿量基準(wb)での生オキアミの分析

【0088】
表8は、無水基準で生オキアミの分析を示す。これらの値に0.93を掛けると、水分量が7%のミール基準での数値が得られる。
【0089】
(表8)無水基準(db)での生オキアミの分析

【0090】
凝固物の分離およびオキアミオイル用の圧縮
オキアミ20kgのバッチを、蒸気過熱ケトル(200l)中で95℃の水80lに添加することで、99kgのオキアミを処理した。ケトルの蒸気を閉じて、オキアミおよび水を手で優しく3分間撹拌し、混合温度は75℃になった(加熱ステップ1)。熱したオキアミを、ふるいにかけることにより水から分離した。予め熱せられ、ふるいにかけられたオキアミ(75℃)に20kgの温水を加え、1分以内に85℃まで加熱した(加熱ステップ2)。オキアミを再びふるいにかけ、プレスに注いだ。ステップ1(オキアミミルク)で得た液体を95℃で凝固させた。オキアミをすべて調理し、圧縮液体をオイルとして分離した。99kgのオキアミからは、圧縮液体からオキアミの粗オイルを約0.5kg分離した。表9および10は、湿量基準および無水基準で、第1の調理ステップ後に調理したオキアミの分析結果である。
【0091】
(表9)湿量基準(wb)での調理されたオキアミの分析

【0092】
(表10)無水基準(db)での調理されたオキアミの分析

【0093】
生オキアミ(表8)と比較して、調理したオキアミでは乾物が減少している。調理されたオキアミから分離されるオキアミミルク中に脂肪が含まれるため、乾物の脂肪含有量が減少している。無水基準ではタンパク質の含有量は増加しているが、灰分は同一レベルに見える。オキアミ中のTMAOは減少し、煮汁中に見出される。
【0094】
マイクロフィルタレーション
ステップ1で得られたオキアミミルク(70℃)を、95℃を上回る温度(> 95 °C )で凝固させ、マイクロフィルタレーション(Soby Miljofilter)により液体から分離した。次に、プレス内で凝固物を圧縮して乾燥させた。表11および12は、湿量基準および無水基準での凝固物の分析結果を示す。凝固物の乾物は12.8ないし16.7%だった。無水基準で、脂肪含量は約60%およびTMAOは340mgN/100gであった。凝固物の乾燥物質は押すことにより34−38%まで増加した。脂肪含量は、無水基準でも増加した(表13)。しかし、TMAOは145mgN/100gにまで減少した。凝固物のプレスケーキ1部に対して水1部でプレスケーキを洗った後、再度圧縮しところ、TMAOが無水基準で45mgN/100gにまで減少した(表18)。
【0095】
(表11)湿量基準(wb)での凝固物の分析

【0096】
(表12)無水基準(db)での凝固物の分析

【0097】
(表13)湿量基準での凝固物由来のプレスケーキの分析

【0098】
メンブランフィルタレーション
オキアミミルクから脂質を集める別の方法はメンブランフィルタレーションによって分離することである。これを可能にするために、ミルクを凝固させてはならず、ふるいからメンブランフィルターにかけなければならない(加熱ステップ1)。
【0099】
オキアミミルクがメンブランフィルターに入り得る前に、ミルクをあらかじめ濾過する。この濾過はふるい(100μm)によって行った。マイクロフィルターの孔を100nmとした。上記したように80kgの水(95℃)と20kgのオキアミをケトルに入れることで、オキアミ80kgの処理を開始した。オキアミの最初の2バッチに関しては、上水を用いた(160kg)。しかし、最後の2バッチに関しては、メンブランフィルターから得た透過物を水のかわりに用いた。メンブランフィルタレーションに続いて、砂糖水(°ブリックス)で校正した屈折計を用いた。ブリックス値は、処理液中の乾物濃度に近い。約60℃でのフィルターの流量は、7.8°ブリックス(屈折計)の保持物では350l/m/hであり、ブリックス値が9.9°に増加した場合、290l/m/hまで減少した。透過物のブリックス値は、濾過すべき量が少ない場合の高希釈により、たったの1°であった。図2および図3を参照せよ。透過物は金色かつ透明であった。
【0100】
透過物全てをケトル内で蒸発させて、ブリックス値を65°ブリックスよりも高くした(>65°ブリックス)。保持物2リットルを70°Cおよび12mmHgで、実験室の蒸発器で蒸発させた。27.5°ブリックスでは、保持物はまだ十分流動した。濃縮が継続するにつれて、保持物の粘度がますます高くなり、最初はペーストとして、微妙に乾燥質量となった。濃縮保存液(27°ブリックス)、透過物(>65°ブリックス)、および乾燥保持物を分析し、結果を試料基準(%wb)で表14に示し、また乾物基準(%db)で表15に示した(試料No.1、2、および3)。保存液に関しては凝固物の試料を乾燥させた(試料No.4)。
【0101】
(表14)湿量基準(wb)での保持物、透過物、および凝固物から得た濃縮物の分析

【0102】
(表15)乾物基準(db)での保持物、透過物、および凝固物から得た濃縮物の分析

【0103】
これらの結果は、オキアミミルクのマイクロフィルタレーションが有望であり、オキアミミルクを凝固させる代わりになることを示している。タンパク質部分はタウリンが豊富であった。脂肪、タンパク質、灰分、およびTMAOの含有量は、保持物と凝固物の間でほとんど類似した。透過物を70%乾物に濃縮することができ、25℃で0.4未満の水活性を有する。このことは、周囲温度で貯蔵し得ることを意味している。
【0104】
プレスケーキおよび圧縮水
表16および表17は、異なる試験に由来する湿量基準および乾燥基準でのプレスケーキの分析結果を示す。生オキアミ1kgあたりのプレスケーキの平均量は、0.23kgであることがわかった。プレスケーキの乾物は、44ないし48%であった。乾物の脂肪含量は、圧縮前の21%から圧縮後の15ないし20%まで減少した。これによって、脂肪が14ないし18.5%、タンパク質が約67%、および水分が7%であるプレスケーキミールが得られる。TMAOは、調理したオキアミの乾物約500mgN/100gからプレスケーキの乾物95mgN/100gまで減少した。
【0105】
(表16)プレスケーキの湿量基準(wb)での分析および計算

【0106】
(表17)プレスケーキの無水基準(db)での分析

【0107】
遠心分離によって、オキアミ固形分からオイルを生成した。表18。オイルは水がほとんど無く、アスタキサンチンの含有量はかなり高かった(1.8g/kg)。
【0108】
(表18)オキアミオイルの分析

【0109】
(表19)無水基準での凝固物から得たプレスケーキの分析

【0110】
凝固物プレスケーキの収量は、生オキアミの約5%であった。マイクロフィルタレーションにより得た凝固物および保持物の組成を表20で比較する。2つの加工選択肢から得た製品間の差異は殆どなかった。凝固物のプレスケーキは乾燥し、表21は凝固物および最終凝固物ミールの分析結果を示す。乾物に基づく一般組成は乾燥中では変化がなく、アミノ酸組成及び脂肪酸組成はほぼ同一である。乾燥の間にリン脂質の損失が多少あった。これは、脂肪酸の酸化によるものである可能性が高いが、リン脂質の他の化学的修飾もまた原因かもしれない。
【0111】
(表20)マイクロフィルタレーションから得た保持物および凝固物の分析

【0112】
(表21)質量基準および乾物基準におけるロータディスク(Rotadisc)ドライヤーで乾燥させた凝固物プレスケーキおよびミールの分析

【0113】
オキアミミール
最終オキアミミールを生産した。プレスケーキおよび粘性水濃縮物のプレスケーキを熱風乾燥機または蒸気乾燥機で乾燥した。表22。
【0114】
(表22)オキアミミール形態の分析

【0115】
実施例5
実施例4に記述されるように生産された凝固物ミールの抽出を、実験室規模のSFEを用いて行った。2段階抽出を介した4,885gの凝固物(一晩凍結乾燥):(1)SFE:CO、500Bar、60℃、70分、COの媒体最大流速1,8ml/分、(2)SFE:CO+15%EtOH、500Bar、60℃、70分、CO+EtOHの媒体最大流速2,5ml/分。第1のステップでは、1,576gの中性分画(NF)を抽出した。図4および図5に示すように、HPLCの分析では、NF中のPLに対する検出可能な限界含量よりも低いことが示される。原料全体の約32.25%が抽出された。表29は、GCによって測定される中性分画の成分のピーク面積を示す。
【0116】
(表29)

【0117】
第2のステップは、1,023gの極性分画を抽出した。これは原料全体の20,95%に相当する。極性分画は、殆どがPLから構成され、TGは1%未満であった。図6および図7を参照せよ。表30は、GCによって測定される極性分画成分のピーク面積を示す。
【0118】
(表30)

【0119】
凝固物を約5,53%w/wの重量損失で一晩乾燥させた。抽出された合計は、乾燥材料の出発重量の約53,2%だった。
【0120】
実施例6
新たに捕獲されたオキアミを、ポストハーベストの10分または6時間後、船上で処理して凝固物にした。10分ポストハーベスト処理したオキアミと6時間ポストハーベスト処理したオキアミの両方から得られた凝固物は、1mg/100g未満の揮発性窒素、1mg/100g未満のトリメチルアミン(TMA)、および1g/100g未満のリソホスファチジルコリンを含んでいた。これは、上記の実施例4の凍結オキアミから生産された凝固物(高レベルの揮発性窒素およびリソホスファチジルコリンを含む)と比較することができる。新たに捕獲されたオキアミを利用する本発明の方法は、TMA、揮発性窒素およびリソホスファチジルコリンを本質的に含まないことで特徴づけられるオキアミ製品を提供する。
【0121】
実施例7
凝固物ミール(250g)およびオキアミオイルを調理用ミキサーで混合した。目標は、凝固物ミール1kgあたり300〜500mgのアスタキサンチンを添加することであった。もしオイルがオキアミオイル1kgあたり1500mgのアスタキサンチンを含むならば、凝固物ミール1kgに対して少なくとも200gのオイルを添加すべきである。ミールの流動は、10%オイルの添加によって著しく減少した。また、オイルの添加を14及び20%に増加させた場合、オイルがパッケージング上に出てきた。3.5kgの凝固物形態を解凍し、2mmふるいを有する超遠心粉砕機(Retsch ZM1)で挽いた。破砕粉体量は2.96kgであった。2.96kgの乾燥凝固物に対して、3回に分けて300gのオキアミオイルを添加した。混合装置(Stephan UM12)の刃部は底部から離れているため、良好な混合がなされた。そのため、混合物を手と混合装置とによって断続的に混合した。最終混合物中のアスタキサンチン含有量は、計算されたものよりも40%未満であった。オイルおよび強化ミールに対してアスタキサンチンに関する新たな分析を行った。オキアミオイルを3℃の冷凍室に4ヶ月間にわたって保存したところ、この貯蔵期間中でオイルに変化は見られなかった。4週間凍結貯蔵した強化ミールから新たな試料を取り出したところ、両方の試料でアスタキサンチン含量は同じであった(表31)。
【0122】
(表31)10%オキアミオイルで補強された蒸気乾燥凝固物の組成

【0123】
強化された凝固物ミール中のアスタキサンチン含有量は成分量の58%である。このアスタキサンチンの減少は乾燥凝固物とオキアミオイルとの混合中に起こり、また乾燥凝固物が容易に酸化することを示す。
【0124】
実施例8
超臨界流体抽出法によって乾燥凝固物ミールを抽出した。表32ないし34に示すように、抽出オイルの分析を行った。
【0125】
(表32)脂質組成

【0126】
(表33)脂肪酸プロファイル

【0127】
(表34)種々の特性

【0128】
実施例9
上に記述されるように調製された凝固物ミールを被験者二人に投与した。また、製品の吸収は、血漿中のリン脂質に含まれるω−3脂肪酸および全脂質中に含まれるω−3脂肪酸を測定することによって、判断した。被験者1はヨーグルトと一緒に8gの凝固物を摂取した。しかし、被験者2は、ヨーグルト無しで8gのオキアミオイルを摂取した。データを表35(被験者1)および表36(被験者2)に示す。
【0129】
(表35)

【0130】
(表36)

【0131】
これらのデータは、凝固物およびオキアミオイルの吸収パターンが2つの被験者で異なることを示す。被験者1(凝固物)のEPAパターンは、凝固物がオキアミオイルより少ない脂質を含んでいるという事実にもかかわらず、長時間にわたって高いEPAレベルが維持されることを示す。凝固物は、PL形態のオキアミオイル脂肪酸の吸収/とり込みを示す循環PLプールをさらに豊かにした。我々は、オキアミオイルが魚油より組織脂質脂肪酸プロファイルを豊かにする点でより効率的であると以前に言った。これらのデータは、凝固物がオキアミオイルよりさらに生物有効性であることを示す。
【0132】
実施例10
保持物のリン脂質含有量を、NMRによってさらに分析した。表37に結果を示す。
【0133】
(表37)

【0134】
実施例11
この実施例では、オキアミミールから抽出されたオイル、および凝固物ミールから抽出されたオイル中の揮発性化合物の分析をおこなう。表38。手短に言えば、通常のオキアミミールまたは上記したような凝固物から調製したミールからSFEによって、オイルを抽出した。凝固物ミールから調製されたオイルでは、通常のオキアミミールから調製されたオイルと比較して、実質的に揮発性化合物の量が減少した。特に、1-ペンテン-3-オンは、通常のオキアミミールから調製されたオイルで検出され、凝固物ミールから調製されたオイルでは存在していなかった。1-ペンテン-3-オンは、魚油および魚油強化食品の魚臭さおよび金属のような異臭の重要なマーカーを有していることが既に確認されている (Jacobsen et al., J. Agric Food Chem, 2004, 52, 1635-1641)。
【0135】
(表38)



【0136】
実施例12
従来の方法によって生産されたオキアミミール(表39ないし42)を、オキアミミルクを除去した後に残る固形分画から生産されたオキアミミール(表43ないし46)と比較した。
【0137】
(表39)

【0138】
(表40)

【0139】
(表41)

【0140】
(表42)

【0141】
(表43)

【0142】
(表44)

【0143】
(表45)

【0144】
(表46)


【特許請求の範囲】
【請求項1】
リン脂質およびタンパク質を含む生物原料からリン脂質組成物を調製する方法であって、
前記生物原料を水と混合して前記生物原料の温度を約25ないし80℃に上昇させて、リン脂質およびタンパク質を含む第1の水相および第1の固相を形成するステップ、
前記第1の水層から前記第1の固相を分離するステップ、ならびに
前記第1の水相からタンパク質およびリン脂質の分画を分離するステップ
を含む、方法。
【請求項2】
前記生物原料がオキアミである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記オキアミが新たに捕獲されたものである、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記オキアミが冷凍されたものである、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記第1の水相からタンパク質およびリン脂質の分画を分離する前記ステップが、
リン脂質タンパク質凝固物を形成するのに十分な温度で前記第1の水相を加熱するステップ、および
前記水相から前記リン脂質タンパク質凝固物を分離するステップ
を含む、請求項1ないし4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記第1の水相を、80℃を上回る温度に加熱して前記リン脂質タンパク質凝固物を提供する、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記リン脂質タンパク質凝固物を圧縮して、凝固物液相および凝固物プレスケーキを形成するステップをさらに含む、請求項5または6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記リン脂質タンパク質凝固物を洗浄するステップをさらに含む、請求項5ないし7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記凝固物プレスケーキを乾燥させて凝固物ミールを形成するステップをさらに含む、請求項7または8に記載方法。
【請求項10】
前記凝固物ミールから凝固物オイルを抽出するステップをさらに含む、請求項9に記載方法。
【請求項11】
タンパク質およびリン脂質の分画を前記第1の水相から分離する前記ステップが、タンパク質とリン脂質とを含有するリン脂質タンパク質保持物を提供するための前記水相の濾過を含む、請求項1ないし4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記濾過がメンブランフィルタレーションによる、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記リン脂質タンパク質保持物を脱水して保持物液相および保持物濃縮物を形成するステップをさらに含む、請求項11または12に記載方法。
【請求項14】
前記保持物濃縮物から保持物オイルを抽出するステップをさらに含む、請求項13に記載方法。
【請求項15】
前記タンパク質およびリン脂質分画に追加のタンパク質、脂質、アスタキサンチン、およびそれらの混合物を補うステップをさらに含む、請求項1ないし14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
請求項1記載の方法によって得ることが可能な水相組成物。
【請求項17】
請求項9の方法によって得ることが可能な凝固物ミール。
【請求項18】
請求項10の方法によって得ることが可能な凝固物オイル。
【請求項19】
請求項13の方法によって得ることが可能な保持物濃縮物。
【請求項20】
請求項14の方法によって入手可能な保持物オイル。
【請求項21】
約0.01ないし約200mg/kgのアスタキサンチン、w/wベースで約45%ないし約65%の脂肪、およびw/wベースで約20%ないし50%のタンパク質を含む、オキアミ組成物であって、
前記脂肪にはω−3脂肪酸残基が含まれる、オキアミ組成物。
【請求項22】
前記脂肪のω−3脂肪酸含有量がw/wベースで約10%ないし約30%である、請求項21に記載の組成物。
【請求項23】
前記脂肪がw/wベースで約20%ないし約50%のリン脂質を含み、前記リン脂質がw/wベースで約65%を上回るホスファチジルコリンとw/wベースで約2%ないし10%のアルキルアシルホスファチジルコリンとを含む、請求項21または22に記載の組成物。
【請求項24】
前記リン脂質がw/wベースで約10%未満のエタノールアミンを含む、請求項23に記載の組成物。
【請求項25】
前記脂肪がw/wベースで約40%ないし約70%のトリアシルグリセロールを含む、請求項21ないし24のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項26】
約1%未満のコレステロールが含まれる、請求項21ないし25のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項27】
前記タンパク質は、w/wベースで約8%ないし約14%のロイシンと、w/wベースで約5%ないし11%のイソロイシンとを含む、請求項21ないし26のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項28】
w/wベースで約10%ないし約20%のタンパク質、w/wベースで約15%ないし約30%の脂肪、および約0.01mg/kgないし約200mg/kgのアスタキサンチンを含む、オキアミ組成物。
【請求項29】
w/wベースで約65%ないし約75%のタンパク質(乾物)、w/wベースで約10%ないし約25%脂肪(乾物)、および約1ないし約200mg/kgのアスタキサンチン(湿量基準)を含む、オキアミミール。
【請求項30】
ミールが、乾燥されかつ粘性液で補われるものである、請求項29に記載のオキアミミール。
【請求項31】
ミールが蒸気乾燥されている、請求項30に記載のオキアミミール。
【請求項32】
全体で約1500mg/kgを上回るエステル化アスタキサンチンを含み、前記エステル化アスタキサンチンが、w/wベースで約25ないし35%のアスタキサンチンモノエステル、およびw/wベースで約50ないし70%のアスタキサンチンジエステル、ならびに約20mg/kgを上回る遊離アスタキサンチンを含む、オキアミオイル組成物。
【請求項33】
w/wベースで約3%ないし約10%のタンパク質、w/wベースで約8%ないし約20%の乾物、およびw/wベースで約4%ないし約10%の脂肪を含む、オキアミ組成物。
【請求項34】
w/wベースで50ないし75%の脂肪、w/wベースで30ないし50%のタンパク質、および1ないし200mg/kgのアスタキサンチンを含む、オキアミ凝固物ミールであって、
前記脂肪が、脂肪100gあたり15ないし30gのω−3脂肪酸残基と、脂肪100gあたり35ないし60gのホスファチジルコリンとを含む、オキアミ凝固物ミール。
【請求項35】
海洋バイオマスを水と混合することで、所定の温度を有する混合物を形成する混合装置
を具備する、海洋バイオマスを処理するシステムであって、
前記混合物が第1の固相と第1の液相とを有する、システム。
【請求項36】
前記水が加熱されて、前記混合物の前記所定の温度が約50℃ないし約70℃である、請求項35に記載のシステム。
【請求項37】
前記第1の固相と前記第1の液相とを分離するために、前記混合装置に流体連絡する分離装置をさらに具備する、請求項35または請求項36に記載のシステム。
【請求項38】
前記第1の分離装置に流体連絡する第1の加熱部をさらに具備し、
前記第1の加熱部が所定の温度に前記第1の液相を加熱する、
請求項35ないし37のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項39】
前記所定の温度が約95℃ないし約100℃である、請求項38に記載のシステム。
【請求項40】
前記混合装置に流体連絡するミクロフィルターをさらに具備し、
前記液相が前記ミクロフィルターによって保持物相および透過物相に分離される、請求項35に記載のシステム。
【請求項41】
w/wベースで50ないし70%の脂肪、w/wベースで30ないし50%のタンパク質、および1ないし200mg/kgのアスタキサンチン、ならびに100gあたり約1mg未満のトリメチルアミン、揮発性窒素または100gあたり1g未満のリソホスファチジルコリン、あるいはそれらの組み合わせを含む、オキアミ組成物であって、
前記脂肪が、脂肪100gあたり15gないし30gのω−3脂肪酸残基と、脂肪100gあたり35ないし60gのホスファチジルコリンとを含む、オキアミ組成物。
【請求項42】
海洋バイオマスを処理する方法であって、
海洋バイオマスと、海洋バイオマスを水と混合することで所定の温度の混合物を形成する混合装置とを提供するステップを含み、
前記混合物が第1の固相と第1の液相とを含む、方法。
【請求項43】
前記混合物の所定の温度が約70℃ないし約75℃である、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記液相を前記固相から分離するステップ、ならびに
前記液相を約90℃ないし約100℃に加熱してタンパク質およびリン脂質を含む凝固物を生成するステップ
をさらに含む、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
海洋バイオマスを処理するシステムであって、
船と、
海洋バイオマスを捕獲するように構成された、前記船から牽引することができるトロール網と、
前記海洋バイオマスを水と混合することで所定の温度を有する混合物を形成する混合装置とを具備し、
前記混合物が第1の固相と第1の液相とを有する、
システム。
【請求項46】
前記混合装置に流体連絡するミクロフィルターを具備し、
前記ミクロフィルターが前記第1の固相と前記第1の液相とを分離する、請求項45に記載のシステム。
【請求項47】
船で新鮮なオキアミが前記混合装置に供給される、請求項45または46に記載のシステム。
【請求項48】
請求項17ないし34のいずれか一項に記載の組成物と薬学的担体とを含む、薬学的組成物。
【請求項49】
請求項17ないし34のいずれか一項に記載の組成物を含む栄養補助食品。
【請求項50】
請求項17ないし34のいずれか一項に記載の組成物を含む動物飼料。
【請求項51】
請求項17ないし34のいずれか一項に記載の組成物を含む食品。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2012−87132(P2012−87132A)
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−253673(P2011−253673)
【出願日】平成23年11月21日(2011.11.21)
【分割の表示】特願2010−522444(P2010−522444)の分割
【原出願日】平成20年8月29日(2008.8.29)
【出願人】(505027834)エイカー バイオマリン エイエスエイ (6)
【Fターム(参考)】