説明

オキサゾリジノン化合物及び代謝型グルタミン酸レセプター増強剤としてのそれらの使用

本発明は式Iの化合物に関する:式中、R、R、Y、m及びnは明細書でさらに定義されている。本発明は該化合物の製造のための方法及び該製造に用いられる新規中間体、該化合物を含有する医薬組成物、及び療法における該化合物の使用にも関する。


【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
背景技術
本発明はグルタミン酸レセプターの増強剤である新規化合物、それらの製造法、それらを含有する医薬組成物及び療法におけるそれらの使用に関する。
【0002】
代謝型グルタミン酸レセプター(mGluR)は、グルタミン酸により活性化されるGTP結合タンパク質(Gプロテイン)共役レセプターのファミリーを構成し、神経可塑性、神経発生及び神経変性を含む、中枢神経系のシナプス活性において重要な役割を有する。
【0003】
無傷の哺乳動物ニューロンにおけるmGluRの活性化は、一つ又はそれより多くの以下の応答を惹起する:ホスホリパーゼCの活性化;ホスホイノシチド(PI)加水分解の増加;細胞内カルシウム放出;ホスホリパーゼDの活性化;アデニルシクラーゼの活性化又は抑制;サイクリックアデノシン一リン酸(cAMP)の形成の増加又は減少;グアニリルシクラーゼの活性化;サイクリックグアノシン一リン酸(cGMP)の形成の増加;ホスホリパーゼAの活性化;アラキドン酸放出の増加;及び電位及びリガンド開口型イオンチャネルの活性の増加又は減少(Schoepp et al., 1993, Trends Pharmacol. Sci., 14:13; Schoepp, 1994, Neurochem. Int., 24:439; Pin et al., 1995, Neuropharmacology 34:1; Bordi & Ugolini, 1999, Prog. Neurobiol. 59:55)。
【0004】
8つのmGluRサブタイプが同定されており、一次配列類似性、シグナル伝達連鎖及び薬理学的プロフィールに基づいて3つのグループに分割される。グループIはmGluR1及びmGluR5を含み、ホスホリパーゼC及び細胞内カルシウムシグナルの発生を活性化する。グループII(mGluR2及びmGluR3)及びグループIII(mGluR4、mGluR6、mGluR7及びmGluR8)mGluRは、アデニリルシクラーゼ活性の阻害及びサイクリックAMPレベルを仲介する。総説としてPin et al., 1999, Eur. J. Pharmacol., 375:277-294を参照されたい。
【0005】
レセプターのmGluRファミリーのメンバーは哺乳動物CNS中の多くの正常プロセスにおいて示唆されており、種々の神経学的及び精神医学的障害の治療のための化合物の重要な標的である。mGluRの活性化は海馬の長期増強及び小脳の長期抑圧の誘導に必要とされる(Bashir et al., 1993, Nature, 363:347; Bortolotto et al., 1994, Nature, 368:740; Aiba et al., 1994, Cell, 79:365; Aiba et al., 1994, Cell, 79:377)。痛覚及び痛覚消失におけるmGluR活性化の役割も示されている(Meller et al., 1993, Neuroreport, 4: 879; Bordi & Ugolini, 1999, Brain Res., 871:223)。加えて、mGluR活性化は、シナプス伝達、神経発生、アポトーシス性神経細胞死、シナプス可塑性、空間学習、嗅覚記憶、心臓活動の集中制御、覚醒、運動制御及び前庭動眼反射の制御を含む種々の他の正常プロセスにおいて調節性役割を果たすことが示唆されてきた(Nakanishi, 1994, Neuron, 13:1031; Pin et al., 1995, Neuropharmacology, 上記文献; Knopfel et al., 1995, J. Med. Chem., 38:1417)。
【0006】
mGluRの神経生理学的な役割の評価における最近の進歩は、急性及び慢性の神経疾患及び精神疾患、及び慢性及び急性の疼痛障害の治療の療法における有望な薬剤標的としてのこれらのレセプターを確立した。mGluRの生理学的及び病態生理学的重要性のため、mGluR機能を変調しうる新規薬剤及び化合物が必要とされている。
【0007】
発明の要旨
本発明は、一つの目的として、式I:
【0008】
【化1】

【0009】
[式中:
は、H、ヒドロキシ、F、Cl、Br、I、ニトロ、CN、アルキル、アルキルハロ、O−アルキル、O−アルキルハロ、アルケニル、O−アルケニル、アルキニル、O−アルキニル、シクロアルキル、アルキレン−シクロアルキル、O−シクロアルキル、O−アルキレン−シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アルキレン−ヘテロシクロアルキル、O−ヘテロシクロアルキル、O−アルキレン−ヘテロシクロアルキル、アリール、アルキレンアリール、O−アリール、O−アルキレンアリール、ヘテロアリール、アルキレンヘテロアリール、O−ヘテロアリール、O−アルキレンヘテロアリール、(CO)シクロアルキル、(CO)ヘテロシクロアルキル、(CO)アリール、(CO)ヘテロアリール、アルキレンOR、O−アルキレンOR、(CO)R、O(CO)R、アルキレンO(CO)R、アルキレン(CO)R、O−アルキレン(CO)R、CO、アルキレンCO、O−アルキレンCO、アルキレンシアノ、O−アルキレンシアノ、NR、アルキレンNR、O−アルキレンNR、(CO)NR、アルキレン(CO)NR、O−(CO)NR、O−アルキレン(CO)NR、NR(CO)R、アルキレンNR(CO)R、O−アルキレンNR(CO)R、NR(CO)NR、アルキレンNR(CO)NR、SR、アルキレンSR、O−アルキレンSR、(SO)R、アルキレン(SO)R、O−アルキレン(SO)R、SO、アルキレンSO、O−アルキレンSO、(SO)NR、アルキレン(SO)NR、O−アルキレン(SO)NR、NR(SO)R、アルキレンNR(SO)R、O−アルキレンNR(SO)R、NR(SO)NR、アルキレンNR(SO)NR、O−アルキレンNR(SO)NR、NROR、NR(CO)OR、アルキルNR(CO)OR、O−アルキルNR(CO)ORから成る群より選択され、及びいずれの環式部分も一つ又はそれより多くの独立して選択された置換基Rで置換されていてもよく;
は、H、ヒドロキシ、F、Cl、Br、I、CN、アルキル、アルキルハロ、O−アルキル、O−アルキルハロ、シクロアルキル、アルキレン−シクロアルキル、O−シクロアルキル、O−アルキレン−シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アルキレン−ヘテロシクロアルキル、O−ヘテロシクロアルキル、O−アルキレン−ヘテロシクロアルキル、アリール、アルキレンアリール、O−アリール、O−アルキレンアリール、ヘテロアリール、アルキレンヘテロアリール、O−ヘテロアリール、O−アルキレンヘテロアリール、アルキレンOR、O−アルキレンOR、(CO)R アルキレン(CO)R、アルキレンNR、O−アルキレンNR、(CO)NR、アルキレン(CO)NR、O−アルキレン(CO)NR、アルキレンNR(CO)Rから成る群より選択され、及びいずれの環式部分も一つ又はそれより多くの独立して選択された置換基Rで置換されていてもよく;
は、いずれの場合にも、H及びアルキルから成る群より選択され;
及びRは、H、アルキル、アルキルハロ、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アルキレンシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アルキレンヘテロシクロアルキル、アリール、アルキレンアリール、ヘテロアリール及びアルキレンヘテロアリール、NR、アルキレンNR、OR、アルキレンORから成る群より独立して選択され、及びいずれの環式部分もアルキル、ハロ、ハロアルキル、O−アルキル、O−ハロアルキル、アリール、アルキレンアリール、ヘテロアリール及びアルキレンヘテロアリールから成る群より選択される置換基で置換されていてもよく;
は、いずれの場合にも、H、ヒドロキシ、F、Cl、Br、I、ニトロ、CN、オキソ、アルキル、アルキルハロ、O−アルキル、O−アルキルハロ、アルケニル、O−アルケニル、アルキニル、O−アルキニル、シクロアルキル、アルキレン−シクロアルキル、O−シクロアルキル、O−アルキル−シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アルキレン−ヘテロシクロアルキル、O−ヘテロシクロアルキル、O−アルキレン−ヘテロシクロアルキル、アリール、アルキレンアリール、O−アリール、O−アルキレンアリール、ヘテロアリール、アルキレンヘテロアリール、O−ヘテロアリール、O−アルキレンヘテロアリール、(CO)シクロアルキル、(CO)ヘテロシクロアルキル、(CO)アリール、(CO)ヘテロアリール、アルキレンOR、O−アルキレンOR、(CO)R、O(CO)R、アルキレンO(CO)R、アルキレン(CO)R、O−アルキレン(CO)R、CO、アルキレンCO、O−アルキレンCO、アルキレンシアノ、O−アルキレンシアノ、NR、アルキレンNR、O−アルキレンNR、(CO)NR、アルキレン(CO)NR、O−(CO)NR、O−アルキレン(CO)NR、NR(CO)R、アルキレンNR(CO)R、O−アルキレンNR(CO)R、NR(CO)NR13、SR、アルキレンSR、O−アルキレンSR、(SO)R、アルキレン(SO)R、O−アルキレン(SO)R、SO、アルキレンSO、O−アルキレンSO、(SO)NR、アルキレン(SO)NR、O−アルキレン(SO)NR、NR(SO)R、アルキレンNR(SO)R、O−アルキレンNR(SO)R、NR(CO)OR、アルキルNR(CO)OR、O−アルキルNR(CO)OR、SOから成る群より選択され、及びいずれの環式部分もハロ、アルキル、O−アルキル、ハロアルキル、O−ハロアルキル及びNRから成る群より選択される置換基で置換されていてもよく;
及びRは、H及びアルキルから成る群より独立して選択され;
Yは、アルキレン、アルケニレン及びアルキニレンから成る群より選択され、Yのいずれの水素原子も、ヒドロキシ、F、Cl、Br、I、アルキル、アルキルハロ及びO−アルキルから成る群より選択される一つ又はそれより多くの置換基で独立して置き換えられていてもよく;及び
m及びnは、0、1、2、3及び4から成る群より独立して選択される]
の化合物
{但し、該化合物は:
3−ベンジル−5−フェニル−2−オキサゾリジノン、
3−(α−メチルベンジル)−5−フェニル−2−オキサゾリジノン、
3−(α−メチル(4−メチルベンジル))−5−フェニル−2−オキサゾリジノン、
3−((2−チエニル)メチル)−5−フェニル−2−オキサゾリジノン、
5−(3,4−ジメトキシフェニル)−3−ベンジル−2−オキサゾリジノン、
5−(3,4−ジメトキシフェニル)−3−(2−(3,4−ジメトキシフェニルエチル))−2−オキサゾリジノン、
メチル 4[2−[5−(3−クロロフェニル)−2−オキサゾリジン−3−イル]プロピル]フェノキシエタノエート、
4[2−[5−(3−クロロフェニル)−2−オキサゾリジン−3−イル]プロピル]フェノキシエタン酸、
3−[1−(4−メチルフェニル)エチル]−5−フェニル−2−オキサゾリジノン、
5−(3−クロロフェニル)−3−(2−(3,4−ジヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル)−2−オキサゾリジノン及び
5−(3−クロロフェニル)−3−[(3,4−ジメトキシフェニル)−ブタン−2−イル]−2−オキサゾリジノン;
から成る群よりは選択されない}
を提供することにより、この要求及びその他を満足させる。
【0010】
本発明の別の目的は、薬学的に許容できる担体又は賦形剤と一緒に式Iに従った化合物を含んでなる医薬組成物を提供することである。
本発明のさらに別の目的は、グルタミン酸機能障害に関連する神経学的及び精神医学的障害の治療又は防止を、こうした治療を必要としている動物において行うための方法である。該方法は、式Iの化合物又はそれらの医薬組成物の療法的有効量を該動物に投与することを含んでなる。好ましくは、該動物は哺乳動物であり;より好ましくはヒトである。
【0011】
本発明のさらに別の目的は、本明細書に議論したいずれかの状態の治療に対する医薬の製造のための、式Iに従った化合物又はそれらの薬学的に許容できる塩又は溶媒和物の使用である。
【0012】
本発明の別の目的は、療法での使用のために、式Iに従った化合物又はそれらの薬学的に許容できる塩又は溶媒和物を提供する。
本発明は、加えて、式Iの化合物の製造のための方法を提供する。一般的及び具体的な方法は以下により詳細に議論されている。
【0013】
好ましい態様の詳細な説明
本発明は、医薬として、特に代謝型グルタミン酸レセプターの変調剤としての活性を示す化合物の発見に基づいている。より特定的には、本発明の化合物は、mGluR2レセプターの増強剤としての活性を示し、及び療法、特にグルタミン酸機能障害に関連する神経学的及び精神医学的障害の治療に有用である。
【0014】
定義
本明細書内で特に明記しない限り、本明細書で使用される命名法は、その例示化学構造名及び化学構造命名についての規則により本明細書において援用される、Nomenclature of Organic Chemistry, Sections A, B, C, D, E, F, and H, Pergamon Press, Oxford, 1979、に述べられている例及び規則に一般に従う。随意に、化合物の名称は化学命名法プログラム:ACD/ChemSketch、バージョン5.09/2001年9月、Advanced Chemistry Development, Inc., Toronto, Canada、を使用して作成することができる。
【0015】
本明細書で使用される場合、用語「アルキル」は、1〜6の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖炭化水素基を意味し、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、t−ブチルなどを含む。
【0016】
本明細書で使用される場合、用語「アルケニル」は、2〜6の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖アルケニル基を意味し、エテニル、1−プロペニル、1−ブテニルなどを含む。
本明細書で使用される場合、用語「アルキニル」は、2〜6の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖アルキニル基を意味し、1−プロピニル(プロパルギル )、1−ブチニルなどを含む。
【0017】
本明細書で使用される場合、用語「シクロアルキル」は、3〜7の炭素原子を有する環式基(それは不飽和であってもよい)を意味し、シクロプロピル、シクロヘキシル、シクロヘキセニルなどを含む。
【0018】
本明細書で使用される場合、用語「ヘテロシクロアルキル」は、N、S及びOから成る群より選択される少なくとも一つのヘテロ原子を有する3〜7員の環式基(それは不飽和であってもよい)を意味し、ピペリジニル、ピペラジニル、ピロリジニル、テトラヒドロフラニルなどを含む。
【0019】
本明細書で使用される場合、用語「アルコキシ」は、1〜6の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖アルコキシ基を意味し、メトキシ、エトキシ、プロピルオキシ、イソプロピルオキシ、t−ブトキシなどを含む。
【0020】
本明細書で使用される場合、用語「ハロ」は、ハロゲンを意味し、放射活性び非放射活性形態両方のフルオロ、クロロ、ブロモ、ヨードなどを含む。
本明細書で使用される場合、用語「アルキレン」は、1〜6の炭素原子を有する二官能性分枝又は非分枝飽和炭化水素基を意味し、メチレン、エチレン、n−プロピレン、n−ブチレンなどを含む。
【0021】
本明細書で使用される場合、用語「アルケニレン」は、2〜6の炭素原子を有する及び少なくとも一つの二重結合を有する二官能性分枝又は非分枝炭化水素基を意味し、エテニレン、n−プロペニレン、n−ブテニレンなどを含む。
【0022】
本明細書で使用される場合、用語「アルキニレン」は、2〜6の炭素原子を有する及び少なくとも一つの三重結合を有する二官能性分枝又は非分枝炭化水素基を意味し、エチニレン 、n−プロピニレン、n−ブチニレンなどを含む。
【0023】
本明細書で使用される場合、用語「アリール」は、5〜12原子を有する芳香族基を意味し、フェニル、ナフチルなどを含む。
用語「ヘテロアリール」は、N、S及びOから成る群より選択される少なくとも一つのヘテロ原子を含む芳香族基を意味し、ピリジル、インドリル、フリル、ベンゾフリル 、チエニル、ベンゾチエニル 、キノリル、オキサゾリルなどを含む。
【0024】
用語「薬学的に許容できる塩」は、患者の治療に適合している酸付加塩か又は塩基付加塩を意味する。
「薬学的に許容できる酸付加塩」は、式Iにより表される塩基化合物又はそのいずれかの中間体の、いずれかの無毒の有機付加塩又は無機酸付加塩である。適した塩を形成する例示的無機酸には、塩酸、臭化水素酸、硫酸及びリン酸、及びオルトリン酸一水素ナトリウム及び硫酸水素カリウムのような酸金属塩が含まれる。適した塩を形成する例示的有機酸には、モノ、ジ及びトリカルボン酸が含まれる。こうした酸の実例には、例えば、酢酸、グリコール酸、乳酸、ピルビン酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、フマル酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、安息香酸、ヒドロキシ安息香酸、フェニル酢酸、桂皮酸、サリチル酸、2−フェノキシ安息香酸、p−トルエンスルホン酸及びメタンスルホン酸及び2−ヒドロキシエタンスルホン酸のような他のスルホン酸が含まれる。モノか又はジ酸塩を形成することが可能であり、及びこうした塩は水和、溶媒和又は実質的に無水の形態のいずれかで存在し得る。一般に、これらの化合物の酸付加塩は、それらの遊離塩基形と比較して水及び種々の親水性有機溶媒に、より可溶性であり、及びより高い融点を一般に示す。適切な塩についての選択基準は当業者には公知であろう。他の薬学的に許容できない塩、例えば、シュウ酸塩を、例えば、実験室使用のための式Iの化合物の単離に、又は薬学的に許容できる酸付加塩への引き続いての変換のために使用することができる。
【0025】
「薬学的に許容できる塩基付加塩」は、式Iにより表される酸化合物又はそのいずれかの中間体の、いずれかの無毒の有機塩基付加塩又は無機塩基付加塩である。適した塩を形成する例示的無機塩基には、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム又は水酸化バリウムが含まれる。適した塩を形成する例示的有機塩基には、メチルアミン、トリメチルアミン及びピコリンのような脂肪族、脂環式又は芳香族有機アミン又はアンモニアが含まれる。分子中の他の部分のエステル官能性(もしあれば)が加水分解されないように、適切な塩の選択は重要であろう。適切な塩についての選択基準は当業者には公知であろう。
【0026】
用語「溶媒和物」は、適切な溶媒の分子が結晶格子内に取り込まれている式Iの化合物又は式Iの化合物の薬学的に許容できる塩を意味する。適した溶媒は、溶媒和物として投与された用量で生理学的に許容できるものである。適した溶媒の例はエタノール、水などである。水が溶媒である場合、該分子は水和物と称される。
【0027】
用語「治療する」又は「治療すること」とは、症状を寛解する、一時的か又は永続的に症状の原因を除去すること、又は指定された障害又は状態の症状の出現を防止する又は遅延させることを意味する。
【0028】
用語「治療的に有効量」とは、指定された障害又は状態を治療することにおいて有効である化合物の量を意味する。
用語「薬学的に許容できる担体」とは、医薬組成物の形成を可能にするため(即ち、患者への投与が可能な剤形)、活性成分と混合される無毒の溶媒、分散剤、賦形剤、補助剤又は他の材料を意味する。こうした担体の一つの例は、非経口投与のために典型的に使用される薬学的に許容できる油である。
【0029】
化合物
本発明の化合物は一般に式Iに従う:
【0030】
【化2】

【0031】
[式中:
は、H、ヒドロキシ、F、Cl、Br、I、ニトロ、CN、アルキル、アルキルハロ、O−アルキル、O−アルキルハロ、アルケニル、O−アルケニル、アルキニル、O−アルキニル、シクロアルキル、アルキレン−シクロアルキル、O−シクロアルキル、O−アルキレン−シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アルキレン−ヘテロシクロアルキル、O−ヘテロシクロアルキル、O−アルキレン−ヘテロシクロアルキル、アリール、アルキレンアリール、O−アリール、O−アルキレンアリール、ヘテロアリール、アルキレンヘテロアリール、O−ヘテロアリール、O−アルキレンヘテロアリール、(CO)シクロアルキル、(CO)ヘテロシクロアルキル、(CO)アリール、(CO)ヘテロアリール、アルキレンOR、O−アルキレンOR、(CO)R、O(CO)R、アルキレンO(CO)R、アルキレン(CO)R、O−アルキレン(CO)R、CO、アルキレンCO、O−アルキレンCO、アルキレンシアノ、O−アルキレンシアノ、NR、アルキレンNR、O−アルキレンNR、(CO)NR、アルキレン(CO)NR、O−(CO)NR、O−アルキレン(CO)NR、NR(CO)R、アルキレンNR(CO)R、O−アルキレンNR(CO)R、NR(CO)NR、アルキレンNR(CO)NR、SR、アルキレンSR、O−アルキレンSR、(SO)R、アルキレン(SO)R、O−アルキレン(SO)R、SO、アルキレンSO、O−アルキレンSO、(SO)NR、アルキレン(SO)NR、O−アルキレン(SO)NR、NR(SO)R、アルキレンNR(SO)R、O−アルキレンNR(SO)R、NR(SO)NR、アルキレンNR(SO)NR、O−アルキレンNR(SO)NR、NROR、NR(CO)OR、アルキルNR(CO)OR、O−アルキルNR(CO)ORから成る群より選択され、及びいずれの環式部分も一つ又はそれより多くの独立して選択された置換基Rで置換されていてもよく;
は、H、ヒドロキシ、F、Cl、Br、I、CN、アルキル、アルキルハロ、O−アルキル、O−アルキルハロ、シクロアルキル、アルキレン−シクロアルキル、O−シクロアルキル、O−アルキレン−シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アルキレン−ヘテロシクロアルキル、O−ヘテロシクロアルキル、O−アルキレン−ヘテロシクロアルキル、アリール、アルキレンアリール、O−アリール、O−アルキレンアリール、ヘテロアリール、アルキレンヘテロアリール、O−ヘテロアリール、O−アルキレンヘテロアリール、アルキレンOR、O−アルキレンOR、(CO)R アルキレン(CO)R、アルキレンNR、O−アルキレンNR、(CO)NR、アルキレン(CO)NR、O−アルキレン(CO)NR、アルキレンNR(CO)Rから成る群より選択され、及びいずれの環式部分も一つ又はそれより多くの独立して選択された置換基Rで置換されていてもよく;
は、いずれの場合にも、H及びアルキルから成る群より選択され;
及びRは、H、アルキル、アルキルハロ、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アルキレンシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アルキレンヘテロシクロアルキル、アリール、アルキレンアリール、ヘテロアリール及びアルキレンヘテロアリール、NR、アルキレンNR、OR、アルキレンORから成る群より独立して選択され、及びいずれの環式部分もアルキル、ハロ、ハロアルキル、O−アルキル、O−ハロアルキル、アリール、アルキレンアリール、ヘテロアリール及びアルキレンヘテロアリールから成る群より選択される置換基で置換されていてもよく;
は、いずれの場合にも、H、ヒドロキシ、F、Cl、Br、I、ニトロ、CN、オキソ、アルキル、アルキルハロ、O−アルキル、O−アルキルハロ、アルケニル、O−アルケニル、アルキニル、O−アルキニル、シクロアルキル、アルキレン−シクロアルキル、O−シクロアルキル、O−アルキル−シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アルキレン−ヘテロシクロアルキル、O−ヘテロシクロアルキル、O−アルキレン−ヘテロシクロアルキル、アリール、アルキレンアリール、O−アリール、O−アルキレンアリール、ヘテロアリール、アルキレンヘテロアリール、O−ヘテロアリール、O−アルキレンヘテロアリール、(CO)シクロアルキル、(CO)ヘテロシクロアルキル、(CO)アリール、(CO)ヘテロアリール、アルキレンOR、O−アルキレンOR、(CO)R、O(CO)R、アルキレンO(CO)R、アルキレン(CO)R、O−アルキレン(CO)R、CO、アルキレンCO、O−アルキレンCO、アルキレンシアノ、O−アルキレンシアノ、NR、アルキレンNR、O−アルキレンNR、(CO)NR、アルキレン(CO)NR、O−(CO)NR、O−アルキレン(CO)NR、NR(CO)R、アルキレンNR(CO)R、O−アルキレンNR(CO)R、NR(CO)NR13、SR、アルキレンSR、O−アルキレンSR、(SO)R、アルキレン(SO)R、O−アルキレン(SO)R、SO、アルキレンSO、O−アルキレンSO、(SO)NR、アルキレン(SO)NR、O−アルキレン(SO)NR、NR(SO)R、アルキレンNR(SO)R、O−アルキレンNR(SO)R、NR(CO)OR、アルキルNR(CO)OR、O−アルキルNR(CO)OR、SOから成る群より選択され、及びいずれの環式部分もハロ、アルキル、O−アルキル、ハロアルキル、O−ハロアルキル及びNRから成る群より選択される置換基で置換されていてもよく;
及びRは、H及びアルキルから成る群より独立して選択され;
Yは、アルキレン、アルケニレン及びアルキニレンから成る群より選択され、Yのいずれの水素原子も、ヒドロキシ、F、Cl、Br、I、アルキル、アルキルハロ及びO−アルキルから成る群より選択される一つ又はそれより多くの置換基で独立して置き換えられていてもよく;及び
m及びnは、0、1、2、3及び4から成る群より独立して選択される]、
但し、該化合物は:
3−ベンジル−5−フェニル−2−オキサゾリジノン、
3−(α−メチルベンジル)−5−フェニル−2−オキサゾリジノン、
3−(α−メチル(4−メチルベンジル))−5−フェニル−2−オキサゾリジノン、
3−((2−チエニル)メチル)−5−フェニル−2−オキサゾリジノン、
5−(3,4−ジメトキシフェニル)−3−ベンジル−2−オキサゾリジノン、
5−(3,4−ジメトキシフェニル)−3−(2−(3,4−ジメトキシフェニルエチル))−2−オキサゾリジノン、
メチル 4[2−[5−(3−クロロフェニル)−2−オキサゾリジン−3−イル]プロピル]フェノキシエタノエート、
4[2−[5−(3−クロロフェニル)−2−オキサゾリジン−3−イル]プロピル]フェノキシエタン酸、
3−[1−(4−メチルフェニル)エチル]−5−フェニル−2−オキサゾリジノン、
5−(3−クロロフェニル)−3−(2−(3,4−ジヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル)−2−オキサゾリジノン及び
5−(3−クロロフェニル)−3−[(3,4−ジメトキシフェニル)−ブタン−2−イル]−2−オキサゾリジノン;
から成る群よりは選択されない。
【0032】
一つの態様において、YはCH基である。
別の態様において、Rはアルキル、アルコキシ、トリフルオロメトキシ及びハロから成る群より選択される。他の態様において、Rは4−ハロ基であり;さらに別の態様において、それは4−クロロ基である。
【0033】
さらに他の態様において、Rは、置換されていてもよいアリール、O−アリール、ヘテロアリール及びO−ヘテロアリール基から成る群より選択される。別の態様において、Rは、置換されていてもよいフェニル基であり、別の態様において、それは置換されていてもよいO−ピリジル基である。
【0034】
他の態様において、Rは、アルキレンNR、(CO)NR及びO−アルキレンNRから成る群より選択される置換基でさらに置換されているアリール基である。
【0035】
本発明の化合物が一つ又はそれより多くのキラル中心を含有する場合、本発明の化合物は鏡像異性又はジアステレオ異性形態として、又はラセミ体混合物として存在する、又は単離することができることが当業者には理解されるであろう。本発明は式Iの化合物のいずれの可能な鏡像異性体、ジアステレオマー、ラセミ体又はそれらの混合物も包含する。本発明の化合物の光学活性形態は、例えば、ラセミ体のキラルクロマトグラフィー的分離により、光学活性出発物質からの合成により、又は本明細書の後に記載されている方法に基づいた不斉合成により製造することができる。
【0036】
本発明の特定の化合物は幾何異性体、例えば、アルケンのE及びZ異性体として存在できることも当業者は認識するであろう。本発明は式Iの化合物のいずれの幾何異性体も包含する。本発明は式Iの化合物の互変異性体を包含することがさらに理解されるであろう。
【0037】
本発明の特定の化合物が溶媒和、例えば、水和、ならびに非溶媒和形態で存在できることも当業者には理解されるであろう。本発明は式Iの化合物のすべてのこうした溶媒和形態を包含することがさらに理解されるであろう。
【0038】
式Iの化合物の塩も本発明の範囲内である。一般に、本発明の化合物の薬学的に許容できる塩は、当該技術分野で周知の標準法、例えば、十分に塩基性の化合物(例えば、アルキルアミン)と適した酸(例えば、HCl又は酢酸)を反応させて生理学的に許容できるアニオンを与えることにより得る。カルボン酸又はフェノールのような適切な酸性プロトンを有する本発明の化合物を、水性媒質中、1当量のアルカリ金属又はアルカリ土類金属水酸化物又はアルコキシド(エトキシド又はメトキシドのような)、又は適切な塩基性の有機アミン(例えば、コリン又はメグルミンなど)で処理し、続いての慣用的精製技術により、対応するアルカリ金属(例えばナトリウム、カリウム又はリチウムなど)又はアルカリ土類金属(例えば、カルシウムなど)塩を作製することも可能である。
【0039】
本発明の一つの態様において、式Iの化合物は、薬学的に許容可能な塩又はそれらの溶媒和物、特に、塩酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩、酢酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、メタンスルホン酸塩又はp−トルエンスルホン酸塩のような酸付加塩に変換することができる。
【0040】
本発明の具体的例には、以下の表に例示した化合物1〜125、それらの薬学的に許容できる塩、水和物、溶媒和物、光学異性体及びそれらの組み合わせが含まれる:
【0041】
【表1】

【0042】
【表2】

【0043】
【表3】

【0044】
【表4】

【0045】
【表5】

【0046】
【表6】

【0047】
【表7】

【0048】
【表8】

【0049】
【表9】

【0050】
【表10】

【0051】
【表11】

【0052】
【表12】

【0053】
【表13】

【0054】
【表14】

【0055】
【表15】

【0056】
【表16】

【0057】
医薬組成物
本発明の化合物は、慣用的医薬組成物内に配合することができ、それは薬学的に許容できる担体又は賦形剤といっしょに、式Iの化合物又はそれらの薬学的に許容できる塩又は溶媒和物を含んでなる。薬学的に許容できる担体は固体か又は液体であり得る。固形製剤には、限定されるわけではないが、散剤、錠剤、分散可能顆粒剤、カプセル剤、カシェ剤及び坐剤が含まれる。
【0058】
固形担体は、希釈剤、フレーバー付与剤、可溶化剤、滑沢剤、懸濁剤、結合剤又は錠剤崩壊剤として作用することもできる一つ又はそれより多くの物質であり得る。固形担体はカプセル封入材料であってもよい。
【0059】
散剤において、担体は微粉化した固形物であり、それは微粉化した本発明の化合物又は該活性成分と混合されている。錠剤において、活性成分は適した比率で、必要な結合特性を有する担体と混合され、所望の形状及びサイズに圧縮される。
【0060】
坐剤組成物の製造のためには、脂肪酸グリセリド及びココアバターの混合物のような低融点ワックスを最初に融解させ、例えば、撹拌することによりその中に活性成分を分散させる。溶融均質混合物を次ぎに都合のよい大きさの鋳型内に注ぎ、冷却して固化させる。
【0061】
適した担体には、限定されるわけではないが、炭酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ラクトース、糖、ペクチン、デキストリン、デンプン、トラガカントゴム、メチルセルロース、カルボキシルメチルセルロースナトリウム、低融点ワックス、ココアバターなどが含まれる。
【0062】
用語「組成物」は、担体としてカプセル封入材料での活性成分の製剤も包含することも意図され、活性成分(他の担体の有無に関わらず)は、それと会合している担体により囲まれている。同様に、カシェ剤も含まれる。
【0063】
錠剤、散剤、カシェ剤及びカプセル剤は、経口投与に適した固体剤形として使用することができる。
液体形態組成物には、液剤、懸濁液及び乳濁液が含まれる。例えば、活性化合物の滅菌水又は水プロピレングリコール溶液は非経口投与に適した液体製剤であることができる。液体組成物は、水性ポリエチレングリコール溶液の溶液にも配合し得る。
【0064】
経口投与のための水性溶液は、活性成分を水に溶解すること、及び所望により、適した着色付与剤、フレーバー付与剤、安定化剤及び増粘剤を加えることにより調製することができる。経口使用のための水性懸濁剤は、微粉化した活性成分を、天然合成ゴム、樹脂、メチルセルロース、カルボキシルメチルセルロースナトリウム及び医薬製剤の分野で公知の他の懸濁剤のような粘稠性物質と一緒に水に分散することにより作製し得る。経口使用に意図される成分例は、一つ又はそれより多くの着色付与剤、甘味付与剤、フレーバー付与剤及び/又は保存剤を含有することができる。
【0065】
投与様式に依存し、該医薬組成物は、約0.05%w(重量パーセント)〜約99%w、より特定的には約0.10%w〜50%wの本発明の化合物を含んでいるであろう(すべての重量パーセントは該組成物の総重量に基づいている)。
【0066】
本発明の実施のための療法的に有効量は、個々の患者の年齢、体重及び応答、及び治療されている又は防止されている疾患に関して判断された公知の基準を使用して、当業者により決定し得る。
【0067】
医学使用
本発明の化合物は医薬としての、特に代謝型グルタミン酸レセプターの変調剤としての活性を示すことが発見された。より特定的には、本発明の化合物はmGluR2レセプターの増強剤としての活性を示し、及び療法、特に動物におけるグルタミン酸機能障害に関連する神経学的及び精神医学的障害の治療のために有用である。
【0068】
より具体的には、該神経学的及び精神医学的障害には、限定されるわけではないが、心臓バイパス手術及び移植後の脳欠損、脳卒中、脳虚血、脊髄外傷、頭部外傷、周生期低酸素症、心停止、低血糖神経細胞傷害、認知症(AIDS誘発認知症を含む)、アルツハイマー病、ハンチントン舞踏病、筋萎縮性側索硬化症、眼球傷害、網膜症、認知障害、特発性及び薬物誘発パーキンソン病、振戦を含む筋痙性に関連する筋痙縮及び障害、てんかん、痙攣、遷延性てんかん重積に二次的な脳欠損、片頭痛(migraine)(片頭痛(migraine headache)を含む)、尿失禁、物質耐性、物質離脱(オピエート、ニコチン、タバコ製品、アルコール、ベンゾジアゼピン、コカイン、鎮静剤、催眠薬その他を含む)、精神病、統合失調症、不安症(全般性不安障害、パニック障害、社会恐怖症、強迫性障害及び外傷後ストレス障害(PTSD)を含む)、気分障害(鬱病、躁病、双極性障害を含む)、概日リズム障害(時差ぼけ及び交代勤務を含む)、三叉神経痛、難聴、耳鳴、眼の黄斑変性症、嘔吐、脳浮腫、疼痛(急性疼痛及び慢性疼痛状態、激痛、難治性疼痛、神経因性疼痛、炎症性痛覚及び外傷後疼痛を含む)、遅発性ジスキネジア、睡眠障害(ナルコレプシーを含む)、注意欠陥/多動性障害及び行為障害のような障害が含まれる。
【0069】
本発明はそれ故、上に議論したいずれかの状態の治療のための医薬の製造における、式Iに従ったいずれかの化合物又はそれらの薬学的に許容可能な塩又は溶媒和物の使用を提供する。
【0070】
加えて、本発明は上に議論したいずれかの状態に苦しむ対象の治療のための方法を提供し、式Iに従った化合物又はそれらの薬学的に許容可能な塩又は溶媒和物の有効量が、こうした治療を必要とする患者に投与される。本発明は、療法に使用のため、前に定義した式Iに従った化合物又はそれらの薬学的に許容可能な塩又は溶媒和物も提供する。
【0071】
本明細書との関連で、反対する具体的指示がない限り、用語「治療」は「予防」も包含する。用語「治療の」及び「治療的」は、適宜に解釈されなければならない。本発明との関連内において用語「療法」はさらに、前から存在する疾患状態、急性又は慢性、を緩和するための、又は再発性状態を緩和するための、本発明の化合物の有効量の投与を包含する。この定義は、再発性状態の防止のための予防的療法、及び慢性障害のため継続的療法も包含する。
【0072】
ヒトのような温血動物における療法のための使用において、本発明の化合物は、経口、筋肉内、皮下、局所的、鼻腔内、腹腔内、胸腔内、静脈内、硬膜外、くも膜下腔内、脳室内及び関節内へ注射を含むいずれかの経路により、慣用的医薬組成物の形態で投与することができる。本発明の好ましい態様において、投与経路は経口、静脈内又は筋肉内である。
【0073】
用量は、投与経路、疾患の重症度、患者の年齢及び体重、及び特定の患者についての個々の投与計画及び用量レベルを決定する主治医により通常考慮される他の因子に依存するであろう。
【0074】
上に述べたように、本明細書に記載された化合物は、例えば、錠剤、ロゼンジ 、ハード及びソフトカプセル剤、水溶液、油性溶液、乳濁液及び懸濁液での経口使用に適した形態で提供する又は送達することができる。もしくは、本化合物は、例えば、クリーム、軟膏、ゲル、スプレー又は水性溶液、油性溶液、乳濁液又は懸濁液のような局所投与剤に配合することができる。本明細書に記載された化合物は、例えば、スプレー式点鼻薬、点鼻薬又は乾燥散剤のような鼻腔内投与に適している形態で提供することもできる。本化合物は、坐剤の形態で膣又は直腸に投与することが可能である。本明細書に記載された化合物は、例えば、静脈内、小胞内、皮下、又は筋肉内注射又は注入により、非経口的に投与することもできる。本化合物は、吸入により投与し得る(例えば、微粉化散剤)。本化合物は、経皮又は舌下でも投与することができる。
【0075】
療法的医薬でのそれらの使用に加え、式Iの化合物又はそれらの塩は、新規療法剤の探索の一部として、実験動物におけるmGluR関連活性の阻害剤の効果を評価するためのインビトロ及びインビボ試験システムの開発及び標準化における薬理学的ツールとして有用である。こうした動物には、例えば、ネコ、イヌ、ウサギ、サル、ラット及びマウスが含まれる。
【0076】
製造方法
本発明の化合物は多様な合成方法により製造し得る。所与の化合物を製造するための具体的な方法の選択は、当業者の範囲内である。特定の構造特性及び/又は置換基の選択は、それ故、別の方法に優先する一つの方法の選択に影響する。
【0077】
これらの一般的ガイドライン内で、以下の方法を本発明の化合物の例示のサブセットを製造するために使用し得る。特に指示しない限り、以下のスキーム及び方法に記載されている可変基は、上記式Iについて与えた定義と同一の定義を有する。
【0078】
一つの方法において、例えば、Rがフェニル基である式Iの化合物は、下記のスキーム1に示したごとく製造することができる。
【0079】
【化3】

【0080】
が(CO)ピペラジン基である式Iの化合物は、下記のスキーム2に示したごとく製造することができる。
【0081】
【化4】

【0082】
がアルキレンNR基である式Iの化合物は、下記のスキーム3に示したごとく製造することができる。
【0083】
【化5】

【0084】
がアルキレンOR基である式Iの化合物は、下記のスキーム4に示したごとく製造することができる。
【0085】
【化6】

【0086】
がO−アリール基である式Iの化合物は、下記のスキーム5に示したごとく製造することができる。
【0087】
【化7】

【0088】
がヘテロシクロアルキル基である式Iの化合物は、下記のスキーム6に示したごとく製造することができる。
【0089】
【化8】

【0090】
前述の方法の多くの変法及びそれらへの追加が以下の実施例を通して現れる。当業者は、本発明の化合物が本明細書に開示した一つ又はそれより多くのプロセスに従うことにより又は適応することにより製造できることを理解するであろう。
【0091】
本発明のいくつかの態様を詳細に説明することを意図する以下の実施例により、本発明がさらに例示される。これらの実施例は、本発明の範囲を制限することを意図しているわけでもなく、またそれらをそう解釈してはならない。本発明は、本明細書に特定的に記載されているものとは別のやり方で実施することができることは明白であろう。本発明の多数の修飾及び変法が本明細書の教示を考慮すると可能であり、それ故、それらは本発明の範囲内である。
【0092】
一般法
すべての出発物質は、商業的に入手可能であるか、又は以前に文献に記載されている。H及び13C NMRスペクトルは、特に示さない限り溶媒として重水素化クロロホルム中、基準としてTMS又は残余溶媒シグナルを使用し、それぞれH NMRについて300、400及び400MHzで作動するBruker 300、Bruker DPX400又はVarian +400分光計で記録した。すべての報告されている化学シフトはデルタスケール上のppmであり、そして、記録において表れているシグナルの微細分裂である(s:一重線、br s:幅広一重線、d:二重線、t:三重線、q:四重線、m:多重線)。
【0093】
分析インライン液体クロマトグラフィー分離、続いての質量スペクトル検出は、Alliance 2795(LC)及びZQ単四極子質量分析計から成るWaters LCMSで記録した。質量分析計はプラス及び/又はマイナスイオンモードで作動するエレクトロスプレーイオン源を備えていた。イオンスプレー電位は±3kVであり、質量分析計は0.8秒の走査時間でm/z100〜700をスキャンした。カラム(X-Terra MS、Waters, C8、2.1x50mm, 3.5mm)に、10mM酢酸アンモニウム(水溶液)中、又は0.1%TFA(水溶液)中、5%〜100%アセトニトリルの直線濃度勾配を適用した。
【0094】
分取逆相クロマトグラフィーは、Chiralpak(登録商標)AD0.46x25cmカラム(Daicel Chemical Industries、Ltd.)を使用したGilson分取HPLCで行い、254nmでUV検出した。
【0095】
生成物の精製は、Chem Elut Extraction Columns(Varian, カタログ番号1219-8002)、Mega BE-SI (Bond Elut Silica) SPE Columns (Varian, カタログ番号12256018; 12256026; 12256034)を使用し、又はシリカ充填ガラスカラムでのフラッシュクロマトグラフィーによっても行った。
【0096】
本発明の化合物の薬理学的特性は、機能活性のための標準アッセイを使用して分析し得る。グルタミン酸レセプターアッセイの例は、例えば、Aramori et al., 1992, Neuron, 8:757; Tanabe et al., 1992, Neuron, 8:169; Miller et al., 1995, J. Neuroscience, 15:6103; Balazs, et al., 1997, J. Neurochemistry, 1997,69:151、に記載されているように当該技術分野において周知である。これらの出版物に記載されている方法論は、本明細書において援用される。都合良くは、本発明の化合物は、mGluR2を発現している細胞において細胞内カルシウム、[Ca2+の動員を測定するアッセイにより研究することが可能である。
【0097】
35S]−GTPγS結合アッセイを、mGluR2レセプター活性化を機能的にアッセイするために使用した。ヒトmGluR2レセプターでの化合物のアロステリックアクチベーター活性は、ヒトmGluR2を安定的に発現するCHO細胞から調製された膜を用いる[35S]−GTPγS結合アッセイを使用して測定した。本アッセイは、アゴニストがGプロテイン共役レセプターに結合してGプロテインでのGDP−GTP交換を刺激するという原理に基づいている。[35S]−GTPγSは非加水分解性GTP類似体であるので、GDP−GTP交換、及びそれ故レセプター活性化の指標を提供する。それ故、GTPγS結合アッセイは、レセプター活性化の定量的測定を提供する。
【0098】
膜は、ヒトmGluR2を安定的にトランスフェクトしたCHO細胞から調製した。膜(30μgタンパク質)を、試験化合物(3nM〜300μM)と室温で15分インキュベートした後、1μMグルタミン酸を添加し、30μM GDP及び0.1nM[35S]−GTPγS(1250Ci/mmol)を含有する500μlのアッセイ緩衝液(20mM HEPES、100mM NaCl、10mM MgCl)中、30℃で30分インキュベートした。反応は2mlポリプロピレン96−ウエルプレートで三重に実施した。反応はPackard96ウェルハーベスター及びUnifilter-96、GF/Bフィルターマイクロプレートを使用し、吸引濾過によって終結させた。フィルタープレートを1.5mLの氷冷洗浄緩衝液(10mMリン酸ナトリウム緩衝液、pH7.4)で4回洗浄した。フィルタープレートを乾燥し、各ウェルに35μlのシンチレーション液(Microscint 20)を加えた。結合した放射活性の量は、Packard TopCountでプレートを計数することにより決定した。データはGraphPad Prismを使用して解析し、及びEC50及びEmax値(最大グルタミン酸効果に関して)を非直線回帰を使用して計算した。
【0099】
一般に、本発明の化合物は約10μM未満の濃度で(又はEC50値で)本明細書に記載されたアッセイにおいて活性であった。本発明の好ましい化合物は1μM未満;より好ましい化合物は約100nM未満のEC50値を有していた。例えば、実施例3.1、13.5、10.29、17.2及び17.3の化合物は、それぞれ1.96、0.39、0.12、0.91及び3.1μMのEC50値を有する。
【0100】
実施例
実施例1.1:5−(R)−フェニル−オキサゾリジン−2−オン
【0101】
【化9】

【0102】
一般的手順(1):(R)−2−アミノ−1−フェニルエタノール(0.675g、4.92mmol)及び炭酸ジ−2−ピリジル(1.06g、4.92mmol)の無水ジクロロメタン(50mL)溶液を室温で一夜撹拌した。生じた反応混合物を酢酸エチル(60mL)で希釈し、水(2x25mL)、食塩水(25mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、真空下で濃縮すると、生成物を白色固形物として得た。それを5〜15%酢酸エチル含有ヘキサンで溶出するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製すると、0.695g(87%)の所望の生成物を白色固形物として得た。1H NMR (300 MHz, CDCl3): δ 7.42(m, 5H), 6.19 (bs, 1H) 5.64 (t, 1H), 4.0 (t, 1H), 3.56 (dd, 1H)。
【0103】
同様の様式で、以下の化合物を合成した。トリエチルアミンを中和するための塩基として使用し、出発物質(アミノアルコール)は塩として入手可能であった。
【0104】
【表17】

【0105】
【表18】

【0106】
実施例2:5−(R)−(4−クロロフェニル)−オキサゾリジン−2−オン
【0107】
【化10】

【0108】
一般的手順(2):(2R)−(4−クロロフェニル)(ヒドロキシ)エタンニトリル(0.5g、2.98mmol)の無水THF(6mL)溶液にBH・THF錯体(6mL、1MTHF溶液、6mmol)を室温で滴下し、3時間還流した。反応混合物をメタノール(6mL)の滴下によりクエンチした。20分撹拌後、反応混合物を真空下で濃縮するとアミノアルコールを得た。これを無水ジクロロメタン(5mL)に溶解し、炭酸ジ−2−ピリジル(613mg、2.83mmol)と室温で一夜撹拌した。生じた反応混合物を酢酸エチル(25mL)で希釈し、水(2X10mL)、食塩水(10mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム(無水)で乾燥し、そして真空下で濃縮すると高純度の所望の生成物を白色固形物として得た(573mg、2工程で97%)。1H NMR (300 MHz, CDCl3): δ 7.4(m, 2H), 7.35(m, 2H), 5.8 (bs, 1H) 5.62 (t, 1H), 4.15 (t, 1H), 3.52 (t, 1H)。
【0109】
出発物質の入手可能性に基づいて、上記二つの方法の一つを使用することにより5−置換オキサゾリジン−2−オン化合物を製造した。そのように得られた生成物はさらに精製することなく続いての工程で使用した。
【0110】
実施例3.1:5−(R)−フェニル−3−(4−トリフルオロメトキシベンジル)−オキサゾリジン−2−オン
【0111】
【化11】

【0112】
一般的手順(3):5−(R)−フェニル−オキサゾリジン−2−オン(74mg、0.45mmol)、4−(トリフルオロメトキシ)ベンジルブロミド(173mg、0.68mmol)及び炭酸セシウム(443mg、1.36mmol)の無水アセトニトリル(3mL)懸濁液を70℃で4時間撹拌した。生じた懸濁液を酢酸エチル(6mL)で希釈し、水(3mL)、食塩水(3mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、真空下で濃縮すると生成物を淡褐色油状物として得た。溶出液として20〜25%酢酸エチル/ヘキサンを使用するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製すると、表題化合物を無色油状物として得た(128mg、84%)。1H NMR (300 MHz, CDCl3): δ 7.36(m, 7H), 7.22(d, 2H), 5.5 (t, 1H), 4.49 (dd, 3H), 3.8 (t, 1H), 3.34 (dd, 1H)。
【0113】
同様の様式で以下の化合物を製造した。
【0114】
【表19】

【0115】
【表20】

【0116】
【表21】

【0117】
【表22】

【0118】
【表23】

【0119】
【表24】

【0120】
【表25】

【0121】
実施例4:3−(4−ヒドロキシベンジル)−5−(R)−フェニル−オキサゾリジン−2−オン
【0122】
【化12】

【0123】
3−(4−メトキシ−ベンジル)−5−(R)−フェニル−オキサゾリジン−2−オン(60mg、0.21mmol、手順3に従って製造した)のジクロロメタン(2ml)溶液に、−78℃でBBr(1Mジクロロメタン溶液)を滴下し、反応混合物をゆっくりと室温まで温めた。1.5時間の撹拌後、反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液でクエンチし、ジクロロメタン(3x4mL)で抽出した。合わせた有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、真空下で濃縮すると生成物を得た。1〜2%メタノール含有ジクロロメタンで溶出するシリカゲルでのクロマトグラフィーにより精製すると、表題化合物を白色粉末として得た(32mg、56%)。 1H NMR (300 MHz, CDCl3): 7.34 (m, 5H), 7.18 (d, 2H), 6.83 (m, 2H), 5.48 (t, 1H), 5.12 (bs, 1H), 4.50 (d, 1H), 4.36 (d, 1H), 3.78 (t, 1H), 3.31 (dd, 1H)。
【0124】
実施例5.1:5−(4−フルオロ−フェニル−3−[4−(4−ピリジン−2−イル−ピペラジン−1−カルボニル)−ベンジル]−オキサゾリジン−2−オン
【0125】
【化13】

【0126】
4−[5−(4−フルオロ−フェニル)−2−オキソ−オキサゾリジン−3−イルメチル)]−安息香酸メチルエステルの加水分解により得られたカルボン酸(35mg、111mmol)を、DMF(1mL)中のEDCI(1.1当量)及びHOBT(1.1当量)を使用し、1−ピリジン−2−イル−ピペラジン(1.1当量)と室温で一夜、カップリングさせた。反応混合物をジクロロメタン(7mL)で希釈し、水(3mL)、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(3mL)、食塩水(3mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、真空下で濃縮すると生成物を得た。それを1〜3%2Mアンモニア性メタノール含有ジクロロメタンで溶出するシリカゲルでのクロマトグラフィーにより精製すると、所望の生成物を白色粉末として得た(47mg、93%)。1H NMR (300 MHz, CDCl3): δ 8.22 (d, 1H), 7.54(m, 1H), 7.46(d, 2H), 7.32 (m, 4H), 7.10 (t, 2H), 6.69 (m, 2H), 5.50 (t, 1H), 4.62 (d, 1H), 4.47 (d, 1H), 3.90 (bs, 2H), 3.80 (t, 1H), 3.58 (bs, 6H), 3.32 (dd, 1H)。
【0127】
同様の様式で以下の化合物を合成した。
【0128】
【表26】

【0129】
実施例6.1:3−(4−ブロモメチルベンジル)−5−(R)−フェニル−オキサゾリジン−2−オン
【0130】
【化14】

【0131】
一般的手順(4):5−(R)−フェニル−オキサゾリジン−2−オン(400mg、2.45mmol)、α,α’−ジブロモ−p−キシレン(5.1g、19.6mmol)及び炭酸セシウム(2.4g、7.35mmol)の無水アセトニトリル(200mL)懸濁液を70℃で4時間加熱した。固形物を濾過し、濾液を真空下で濃縮した。残渣をジクロロメタン(35mL)に溶解し、水(10mL)、食塩水(10mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、そして真空下で濃縮すると生成物を得た。生成物を5〜30%酢酸エチル/ヘキサンで溶出するシリカゲルでのクロマトグラフィーにより精製すると、表題化合物を得た(595mg、70%)。1H NMR (300 MHz, CDCl3): δ 7.38 (m, 9H), 5.51 (t, 1H), 4.58 (d, 1H), 4.51 (s, 2H), 4.41 (d, 1H), 3.80 (t, 1H), 3.3 (dd, 1H)。
【0132】
以下の化合物を同様の様式で作製した。
【0133】
【表27】

【0134】
実施例7.1:3−(モルホリン−4−イルメチル)ベンジル)−5−(R)−フェニル−オキサゾリジン−2−オン
【0135】
【化15】

【0136】
3−(4−ブロモメチルベンジル)−5−(R)−フェニル−オキサゾリジン−2−オン(30mg、0.086mmol)及びモルホリン(0.038mL、0.433mmol)のアセトニトリル(2ml)溶液を70℃で4時間加熱した。反応混合物を酢酸エチル(6mL)で希釈し、水(4mL)、食塩水(4mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮すると生成物を得た。それを30〜60%酢酸エチル含有ヘキサンで溶出するシリカゲルでのクロマトグラフィーにより精製すると表題化合物を白色固形物として得た(21mg、69%)。
注:N−Boc保護前駆体が製造された場合、最終遊離塩基はトリフルオロ酢酸のジクロロメタン溶液を使用してBoc保護を切断することにより得られた。1H NMR (300 MHz, CDCl3): δ 7.37 (m, 9H), 5.49 (t, 1H), 4.56 (d, 1H), 4.41 (d, 2H), 3.79 (t, 1H), 3.72 (m, 4H), 3.50 (s, 2H), 3.33 (dd, 1H), 2.45 (m, 4H)。
【0137】
以下の化合物を同様の様式で製造した。
【0138】
【表28】

【0139】
【表29】

【0140】
実施例8.1:5−(R)−フェニル−3−[4−(ピリジン−3−イルオキシメチル)−ベンジル]−オキサゾリジン−2−オン
【0141】
【化16】

【0142】
3−ヒドロキシピリジン(23mg、0.24mmol)のDMF(1mL)溶液を、3−(4−ブロモメチル−ベンジル)−5−(R)−フェニル−オキサゾリジン−2−オン(70mg、0.20mmol)(手順4に従って合成した)及び水素化ナトリウム(60%)(9mg、0.22mmol)のDMF(1.5mL)懸濁液に加え、反応混合物を室温で一夜撹拌した。ジクロロメタン(6mL)で希釈し、水(2x5mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、真空下で濃縮した。生成物を0.25〜1%のメチルアルコールを含有するジクロロメタンで溶出するシリカゲルでのクロマトグラフィーにより精製すると、表題化合物を白色固形物として得た(33mg、45%)。1H NMR (300 MHz, CDCl3): δ 8.40(s, 1H), 8.25 (s, 1H), 7.38 (m, 11H), 5.50 (dd, 1H), 5.11 (s, 2H), 4.59 (d, 1H), 4.43 (d, 1H), 3.80 (t, 1H), 3.34 (dd, 1H)。
【0143】
以下の化合物を同様の様式で製造した。
【0144】
【表30】

【0145】
実施例9:3−(4−フェノキシメチル−ベンジル)−5−(R)−フェニル−オキサゾリジン−2−オン
【0146】
【化17】

【0147】
3−(4−ブロモメチル−ベンジル)−5−(R)−フェニル−オキサゾリジン−2−オン(30mg、0.086mmol、手順4に従って製造した)、フェノール(10mg、0.1mmol)、炭酸カリウム(25mg、0.18mmol)、ヨウ化カリウム(3mg、0.008mmol)及び2−ブタノンの懸濁液を80℃で一夜加熱した。反応混合物を室温まで冷却させ、水(5mL)と混合し、有機相を分離し、水相を酢酸エチル(3x8mL)で抽出した。合わせた有機相を食塩水(5mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、真空下で濃縮すると生成物を得た。5〜20%酢酸エチル含有ヘキサンで溶出するシリカゲルでのクロマトグラフィーにより精製すると、表題化合物を白色固形物として得た(22mg、59%)。1H NMR (300MHz、CDCl3): δ 7.38 (m, 11H), 6.99 (m, 3H), 5.50 (t, 1H), 5.08 (s, 2H), 4.59 (d, 1H), 4.44 (d, 1H), 3.80 (m, 1H), 3.34 (m, 1H)。
【0148】
実施例10.1:5−(R)−フェニル−3−(4−ピリジン−4−イル−ベンジル)−オキサゾリジン−2−オン
【0149】
【化18】

【0150】
一般的手順(5):3−(4−ヨード−ベンジル)−5−(R)−フェニル)−オキサゾリジン−2−オン(30mg、79mmol)及び4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−ピリジン(24mg、118mmol)のジメトキシエタン(1mL)溶液に、2M炭酸ナトリウム水溶液(1mL)及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)を加えた。反応混合物を100〜110℃で1.5時間加熱した。次ぎに室温まで冷却し、ジクロロメタン(6mL)で希釈し、水(2x3mL)、食塩水(3mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、真空下で濃縮すると生成物を得、ヘキサン/酢酸エチル溶媒系又はジクロロメタン/アンモニア含有メタノール溶媒系で溶出するシリカゲルでのクロマトグラフィーにより精製すると、所望の生成物を灰色がかった白色固形物として得た(13.5mg、52%)。
注:N−Boc保護前駆体が製造された場合、最終遊離塩基はトリフルオロ酢酸のジクロロメタン溶液を使用してBoc保護を切断することにより得られた。1H NMR (300 MHz, CDCl3): δ 8.67(m, 2H), 7.66 (m, 2H), 7.45 (m, 9H), 5.53 (t, 1H), 4.63 (d, 1H), 4.50 (d, 1H), 3.84 (t, 1H), 3.38 (t, 1H)。
【0151】
同様の様式で以下の化合物を合成した。
【0152】
【表31】

【0153】
【表32】

【0154】
【表33】

【0155】
【表34】

【0156】
【表35】

【0157】
【表36】

【0158】
実施例11.1:3−[4’−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ビフェニル−4−イルメチル]−5−フェニル−オキサゾリジン−2−オン
【0159】
【化19】

【0160】
一般的手順(6):2−(4−ブロモメチル−フェニル)−4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン(60mg、212mmol)のN−メチルピペラジン(0.5mL)溶液を70〜75℃で3時間加熱した。反応混合物を室温まで冷却し、ジクロロメタン(6mL)で希釈し、水(2x2ml)、食塩水(2ml)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、そして真空下で濃縮すると、満足できる程度に良好な純度の1−メチル−4−[4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−ベンジル]−ピペラジンを得た。このボロン酸エステルは、一般的手順(5)に記載したようにいずれの精製も行わずに、3−(4−ヨード−ベンジル)−5−(R)−フェニル−オキサゾリジン−2−オン(40mg、105mmol)との鈴木カップリング反応に使用した。所望の生成物は、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより、白色固形物として単離された(28mg、60%)。1H NMR (300 MHz, CDCl3): δ 7.56 (m, 4H), 7.38 (m, 9H), 5.52 (t, 1H), 4.61 (d, 1H), 4.46 (d, 1H), 3.83 (t, 1H), 3.57 (s, 2H), 3.37 (dd, 1H), 2.53 (bs, 8H), 2.32 (s, 3H)。(注:N−Boc保護ピペラジンを塩基として使用した場合、最終生成物はトリフルオロ酢酸のジクロロメタン溶液を使用してBoc基を切断することにより得られた。)
同様の方法で以下の化合物を合成した。
【0161】
【表37】

【0162】
【表38】

【0163】
【表39】

【0164】
【表40】

【0165】
【表41】

【0166】
実施例12:5−(4−フルオロフェニル)−3−(3’−ヒドロキシメチルビフェニル−4−イルメチル)−オキサゾリジン−2−オン
【0167】
【化20】

【0168】
4’−[5−(4−フルオロフェニル)−2−オキソ−オキサゾリジン−3−イルメチル]−ビフェニル−3−カルボアルデヒド(40mg、0.1mmol、一般的手順(5)に記載されている鈴木カップリングプロトコルにより合成した)のメタノール溶液に0.13mL(0.13mmol)の水素化シアノホウ素ナトリウム(1M THF溶液)を加え、反応フラスコを室温で一夜撹拌した。反応混合物を濃縮し、残渣をジクロロメタン(4mL)に溶解し、飽和炭酸水素ナトリウム水性溶液(2ml)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、真空下で濃縮した。生成物を10〜40%酢酸エチルで溶出するシリカゲルでのクロマトグラフィーにより精製すると、表題化合物を白色固形物として得た(29mg、73%)。1H NMR (300 MHz, CDCl3): δ 7.61 (m, 3H), 7.50 (m, 2H), 7.38 (m, 5H), 7.08 (m, 2H), 5.48 (t, 1H), 4.78 (s, 2H), 4.59 (d, 1H), 4.46 (d, 1H), 3.81 (t, 1H), 3.33 (dd, 1H)。
【0169】
実施例13.1:5−(4−フルオロフェニル)−3−[4−(ピラジン−2−イルオキシ)−ベンジル]−オキサゾリジン−2−オン
【0170】
【化21】

【0171】
水素化シアノホウ素ナトリウム(0.62ml、1M THF溶液)を、2−アミノ−1−(4−フルオロフェニル)−エタノール(80mg、0.52mmol)、4−(ピラジン−2−イルオキシ)−ベンズアルデヒド(103mg、0.52mmol)及び氷酢酸(0.5mL)のメタノール(3mL)溶液に室温で加え、フラスコを一夜撹拌した。反応混合物を真空下で濃縮し、残渣を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液でクエンチし、次ぎにジクロロメタン(3x4mL)で抽出した。合わせた有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、再び真空下で濃縮すると、1−(4−フルオロ−フェニル)−2−[4(ピラジン−2−イルオキシ)−ベンジルアミノ]−エタノールを白色固形物として得た(62mg、35%)。
【0172】
上で得られた中間体の5℃のジクロロメタン(3mL)溶液に、ジイソプロピルエチルアミン(0.1mL、60mmol)続いてトリホスゲン(60mg、0.2mmol)を加え、フラスコを室温で一夜撹拌した。反応混合物を1N HClでクエンチし、次ぎに飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で中和し、ジクロロメタン(2x4mL)で抽出した。有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、真空下で濃縮した。残渣を30〜50%酢酸エチル含有ヘキサンで溶出するシリカゲルでのクロマトグラフィーにより精製すると、表題化合物を白色固形物として得た(31mg、46%)。1H NMR (300 MHz, CDCl3): δ 8.46 (s, 1H), 8.36(d, 1H), 8.11 (m, 1H), 7.37 (m, 4H), 7.2 (m, 4H), 5.49 (t, 1H), 4.60 (d, 1H), 4.43 (d, 1H), 3.84 (t, 1H), 3.35 (dd, 1H)。
【0173】
以下の化合物を同様の様式で製造した。
【0174】
【表42】

【0175】
実施例14:5−(R)−(4−クロロフェニル)−3−[4−(4−ピリジン−2−イルメチル−ピペラジン−1−イル)−ベンジル]−オキサゾリジン−2−オン
【0176】
【化22】

【0177】
5−(R)−(4−クロロ−フェニル)−3−(4−ヨード−ベンジル)−オキサゾリジン−2−オン(50mg、0.12mmol)、酢酸鉛(3mg、0.012mmol)、2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)ビフェニル(5mg、0.014mmol)及び炭酸セシウム(118mg、0.36mmol)のトルエン(2.5mL)懸濁液に、2−ピリジルメチルピペラジンを加え、反応フラスコを100℃で3時間加熱した。反応混合物をジクロロメタン(6mL)で希釈し、水(3mL)、食塩水(3mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、真空下で濃縮した。残渣を0.5〜2%アンモニア性(2M)メタノール含有ジクロロメタンで溶出するシリカゲルでのクロマトグラフィーにより精製した。表題化合物を灰色がかった白色固形物として単離した(30mg、54%)。 1H NMR (300 MHz, CDCl3): δ 8.6(m, 1H), 7.69 (m, 1H), 7.44 (d, 1H), 7.35 (m, 2H), 7.25 (m, 5H), 6.88 (m, 2H), 5.42 (t, 1H), 4.45 (d, 1H), 4.33 (d, 1H), 3.75 (m, 3H), 3.24 (m, 5H), 2.69 (m, 4H)。
【0178】
実施例15:3−(4−モルホリン−4−イル−ベンジル)−5−(R)−フェニル−オキサゾリジン−2−オン
【0179】
【化23】

【0180】
酢酸パラジウム(3mg、0.013mmol)及びBINAP(8mg、0.013mmol)をトルエン(2ml)に懸濁し、アルゴン下で10分撹拌した。懸濁液を次ぎに、3−(4−ヨード−ベンジル)−5−(R)−フェニル−オキサゾリジン−2−オン(50mg、0.132mmol)、モルホリン(14μL、0.158mmol)及び炭酸セシウム(43mg、0.396mmol)のトルエン(1mL)撹拌懸濁液に加えた。室温で5分撹拌を続け、混合物を次ぎに115℃で2時間加熱した。混合物を次ぎに室温まで冷却し、ジクロロメタンで希釈し、濾過し、真空下で濃縮した。残渣を30〜40%酢酸エチル含有ヘキサンで溶出するシリカゲルでのクロマトグラフィーにより精製した。表題化合物を黄色固形物として単離した(14mg、31%)。1H NMR (300 MHz、CDCl3): δ 7.40-7.31(m, 5H), 7.23 (d, 2H), 6.89 (d, 2H), 5.47 (t, 1H), 4.50-4.33 (q, 2H), 3.89-3.86 (m, 4H), 3.76 (t, 1H), 3.30 (t, 1H), 3.19-3.16 (m, 4H)。
【0181】
実施例16.1:3−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ベンジル]−5−(R)−フェニル−オキサゾリジン−2−オン
【0182】
【化24】

【0183】
酢酸パラジウム(3mg、0.011mmol)、炭酸セシウム(103mg、0.318mmol)、3−(4−ヨード−ベンジル)−5−(R)−フェニル)−オキサゾリジン−2−オン(40mg、0.106mmol)及びビフェニル−2−イル−ジシクロヘキシルホスファン(4mg、0.011mmol)のトルエン撹拌懸濁液に1−メチル−ピペラジン(14μL、0.126mmol)を加えた。混合物を100℃で3時間撹拌し、次ぎに室温まで冷却し、水で希釈して酢酸エチルで抽出した。有機相を食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、真空下で濃縮した。残渣を30〜40%酢酸エチル含有ヘキサンで溶出するシリカゲルでのクロマトグラフィーにより精製した。表題化合物を褐色固形物として単離した(14mg、38%)。1H NMR (300 MHz, CDCl3): δ 7.40-7.30(m, 5H), 7.21 (d, 2H), 6.91 (d, 2H), 5.46 (t, 1H), 4.50-4.31 (q, 2H), 3.76 (t, 1H), 3.30 (t, 1H), 3.27-3.21 (m, 4H), 2.61-2.58 (m, 4H), 2.37 (s, 3H)。
【0184】
以下の化合物を同様の様式で製造した。
【0185】
【表43】

【0186】
【表44】

【0187】
実施例17.1:5−(R)−フェニル−3−[4−(4,4,5,5−テトラメチル[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−ベンジル]−オキサゾリジン−2−オン
【0188】
【化25】

【0189】
DMF中に、3−(4−ヨード−ベンジル)−5−(R)−フェニル)−オキサゾリジン−2−オン(390mg、1.03mmol)、4,4,5,5,4’,4’,5’,5’−オクタメチル−[2,2’]ビ[[1,3,2]ジオキサボロラニル](339mg、1.34mmol)、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノフェロセン−ジクロロパラジウム(II)(84mg、0.103mmol)及び酢酸カリウム(303mg、3.04mmol)を含有するフラスコを110℃で2時間加熱した。混合物を次ぎに室温まで冷却し、水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。有機相を水(2x)及び食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、真空下で濃縮した。残渣を30〜50%酢酸エチル含有ヘキサンで溶出するシリカゲルでのクロマトグラフィーにより精製した。表題化合物を無色固形物として単離した(205mg、53%)。1H NMR (300 MHz, CDCl3): δ 7.81 (d, 2H), 7.39-7.29 (m, 7H), 5.47 (t, 1H), 4.52-4.48 (dd, 2H), 3.76 (t, 1H), 3.29 (t, 1H), 1.35 (12H)。
【0190】
以下の化合物を同様の様式で製造した。
【0191】
【表45】

【0192】
実施例18:(3−S)−4−ヨード−N−(1−ベンジル−3−ピロリジニル)ベンズアミド
【0193】
【化26】

【0194】
4−ヨードベンゾイルクロリド(10g、37mmol)のエーテル(400mL)溶液に、0℃で、トリエチルアミン(4.7g、45mmol)を加えた。次ぎに(3−S)−1−ベンジル−3−アミノピロリジン(7.3g、41mmol)のエーテル(100mL)溶液を0℃で滴下ロートを通して徐々に加えた。添加完了後、混合物をさらに18時間撹拌した。水(200mL)を加え、混合物を塩化メチレン(3x200mL)で抽出し、乾燥し、濃縮するとベージュ色粉末として表題化合物を得た(9.7g、64%)。1H NMR (CDCl3) :δ 7.79 (m, 2H), 7.47 (m, 2H), 7.26-7.35 (m, 5H), 6.51(d, 1H, J = 8.8 Hz), 4.62-4.68 (m, 1H), 3.63 (s, 2H), 2.91-2.96 (m, 1H), 2.70-2.74 (m, 1H), 2.58-2.63 (m, 1H), 2.25-2.44 (m, 2H), 1.68-1.77 (m, 1H)。
【0195】
実施例19.1:2−アミノ−1−(4−ブロモ−フェニル)−エタノール
【0196】
【化27】

【0197】
水素化ホウ素ナトリウム(227mg、6.00mmol)をメタノール(10mL)に溶解し、5%水酸化カリウム含有メタノール溶液(4.49mL、4.00mmol)を注意深く加えた。この溶液に、メタノール(10mL)に溶解した2−アミノ−1−(4−ブロモ−フェニル)−エタノン塩酸塩(1.0g、4.00mmol)を加え、室温で0.2時間撹拌を続けた。混合物を濃縮し、飽和炭酸水素ナトリウム(10mL)でクエンチし、ジクロロメタンで数回抽出した。有機相を合わせて無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、真空下で濃縮した。表題化合物を黄色固形物として単離した(677mg、77%)。1H NMR (300 MHz、CDCl3): 7.51-7.47 (d, 2H), 7.27-7.23 (d, 2H), 4.63-4.59 (m, 1H), 3.03 (dd, 1H), 2.76 (dd, 1H)。
【0198】
以下の化合物を同様の様式で製造した。
【0199】
【表46】

【0200】
実施例20:[2−ブロモ−1−(3−ブロモ−フェニル)−エトキシ]−トリメチル−シラン
【0201】
【化28】

【0202】
2−ブロモ−1−(3−ブロモ−フェニル)−エタノール(4.72g、16.9mmol)、イミダゾール(5.75g、84.5mmol)及びジメチルアミノピリジン(1.03g、8.45mmol)のDMF溶液に0℃で、クロロトリメチルシラン(4.56mL、3.90mmol)を滴下した。0℃で2時間撹拌を続け、次ぎに室温まで温めた。混合物を飽和炭酸水素ナトリウムで希釈し、酢酸エチルで抽出した。有機相を水及び食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し真空下で濃縮した。表題化合物を黄色油状物として単離した(5.85g、定量的)。1H NMR (300 MHz、CDCl3): 7.52 (s, 1H), 7.44 (d, 1H), 7.28-7.23 (m, 2H), 4.83 (t, 1H), 3.43 (d, 2H) 0.109 (s, 9H)。
【0203】
実施例21:2−アジド−1−(3−ブロモ−フェニル)−エタノール
【0204】
【化29】

【0205】
[2−ブロモ−1−(3−ブロモ−フェニル)−エトキシ]−トリメチル−シラン(5.85g、16.6mmol)及びテトラブチルナトリウムヨージド(613mg、1.66mmol)をDMSOに溶解し、アジ化ナトリウム(2.16g、33.2mmol)を徐々に加えた。混合物を80℃で4時間、次ぎに室温で18時間撹拌した。混合物を飽和炭酸水素ナトリウムでクエンチし、酢酸エチルで抽出した。有機相を水、食塩水及び1M HCl、続いて再び水及び食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、真空下で濃縮した。残渣を5〜10%酢酸エチル含有ヘキサンで溶出するシリカゲルでのクロマトグラフィーにより精製した。表題化合物を黄色油状物として単離した(3.38g、83%)。1H NMR (300 MHz, CDCl3): 7.57 (s, 1H), 7.48 (d, 1H), 7.31-7.29 (m, 2H), 4.87 (m, 1H), 3.49 (d, 2H), 2.45 (d, 1H)。
【0206】
実施例22:2−アミノ−1−(3−ブロモ−フェニル)−エタノール
【0207】
【化30】

【0208】
2−アジド−1−(3−ブロモ−フェニル)−エタノール(3.38g、13.8mmol)のTHF(40mL)溶液に、水(2.48ml、138mmol)及びトリフェニルホスフィン(7.26g、27.7mmol)を加えた。混合物を50℃で2時間撹拌し、次ぎに室温まで冷却し、水で希釈して酢酸エチルで抽出した。有機相を1M HCl(2x)で洗浄し、水性洗浄液を合わせ、1N水酸化ナトリウムで中和した。水性混合物を酢酸エチルで抽出し、有機相を水、食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、真空下で濃縮した。表題化合物を黄色油状物として単離した(2.53g、85%)。1H NMR (300 MHz, CDCl3): 7.55 (s, 1H), 7.41 (d, 1H), 7.31-7.20 (m, 2H), 4.62 (m, 1H), 3.02 (d, 1H), 2.79 (m, 1H)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化1】

[式中:
は、H、ヒドロキシ、F、Cl、Br、I、ニトロ、CN、アルキル、アルキルハロ、O−アルキル、O−アルキルハロ、アルケニル、O−アルケニル、アルキニル、O−アルキニル、シクロアルキル、アルキレン−シクロアルキル、O−シクロアルキル、O−アルキレン−シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アルキレン−ヘテロシクロアルキル、O−ヘテロシクロアルキル、O−アルキレン−ヘテロシクロアルキル、アリール、アルキレンアリール、O−アリール、O−アルキレンアリール、ヘテロアリール、アルキレンヘテロアリール、O−ヘテロアリール、O−アルキレンヘテロアリール、(CO)シクロアルキル、(CO)ヘテロシクロアルキル、(CO)アリール、(CO)ヘテロアリール、アルキレンOR、O−アルキレンOR、(CO)R、O(CO)R、アルキレンO(CO)R、アルキレン(CO)R、O−アルキレン(CO)R、CO、アルキレンCO、O−アルキレンCO、アルキレンシアノ、O−アルキレンシアノ、NR、アルキレンNR、O−アルキレンNR、(CO)NR、アルキレン(CO)NR、O−(CO)NR、O−アルキレン(CO)NR、NR(CO)R、アルキレンNR(CO)R、O−アルキレンNR(CO)R、NR(CO)NR、アルキレンNR(CO)NR、SR、アルキレンSR、O−アルキレンSR、(SO)R、アルキレン(SO)R、O−アルキレン(SO)R、SO、アルキレンSO、O−アルキレンSO、(SO)NR、アルキレン(SO)NR、O−アルキレン(SO)NR、NR(SO)R、アルキレンNR(SO)R、O−アルキレンNR(SO)R、NR(SO)NR、アルキレンNR(SO)NR、O−アルキレンNR(SO)NR、NROR、NR(CO)OR、アルキルNR(CO)OR、O−アルキルNR(CO)ORから成る群より選択され、及びいずれの環式部分も一つ又はそれより多くの独立して選択された置換基Rで置換されていてもよく;
は、H、ヒドロキシ、F、Cl、Br、I、CN、アルキル、アルキルハロ、O−アルキル、O−アルキルハロ、シクロアルキル、アルキレン−シクロアルキル、O−シクロアルキル、O−アルキレン−シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アルキレン−ヘテロシクロアルキル、O−ヘテロシクロアルキル、O−アルキレン−ヘテロシクロアルキル、アリール、アルキレンアリール、O−アリール、O−アルキレンアリール、ヘテロアリール、アルキレンヘテロアリール、O−ヘテロアリール、O−アルキレンヘテロアリール、アルキレンOR、O−アルキレンOR、(CO)R、アルキレン(CO)R、アルキレンNR、O−アルキレンNR、(CO)NR、アルキレン(CO)NR、O−アルキレン(CO)NR、アルキレンNR(CO)Rから成る群より選択され、及びいずれの環式部分も一つ又はそれより多くの独立して選択された置換基Rで置換されていてもよく;
は、いずれの場合にも、H及びアルキルから成る群より選択され;
及びRは、H、アルキル、アルキルハロ、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アルキレンシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アルキレンヘテロシクロアルキル、アリール、アルキレンアリール、ヘテロアリール及びアルキレンヘテロアリール、NR、アルキレンNR、OR、アルキレンORから成る群より独立して選択され、及びいずれの環式部分もアルキル、ハロ、ハロアルキル、O−アルキル、O−ハロアルキル、アリール、アルキレンアリール、ヘテロアリール及びアルキレンヘテロアリールから成る群より選択される置換基で置換されていてもよく;
は、いずれの場合にも、H、ヒドロキシ、F、Cl、Br、I、ニトロ、CN、オキソ、アルキル、アルキルハロ、O−アルキル、O−アルキルハロ、アルケニル、O−アルケニル、アルキニル、O−アルキニル、シクロアルキル、アルキレン−シクロアルキル、O−シクロアルキル、O−アルキル−シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アルキレン−ヘテロシクロアルキル、O−ヘテロシクロアルキル、O−アルキレン−ヘテロシクロアルキル、アリール、アルキレンアリール、O−アリール、O−アルキレンアリール、ヘテロアリール、アルキレンヘテロアリール、O−ヘテロアリール、O−アルキレンヘテロアリール、(CO)シクロアルキル、(CO)ヘテロシクロアルキル、(CO)アリール、(CO)ヘテロアリール、アルキレンOR、O−アルキレンOR、(CO)R、O(CO)R、アルキレンO(CO)R、アルキレン(CO)R、O−アルキレン(CO)R、CO、アルキレンCO、O−アルキレンCO、アルキレンシアノ、O−アルキレンシアノ、NR、アルキレンNR、O−アルキレンNR、(CO)NR、アルキレン(CO)NR、O−(CO)NR、O−アルキレン(CO)NR、NR(CO)R、アルキレンNR(CO)R、O−アルキレンNR(CO)R、NR(CO)NR13、SR、アルキレンSR、O−アルキレンSR、(SO)R、アルキレン(SO)R、O−アルキレン(SO)R、SO、アルキレンSO、O−アルキレンSO、(SO)NR、アルキレン(SO)NR、O−アルキレン(SO)NR、NR(SO)R、アルキレンNR(SO)R、O−アルキレンNR(SO)R、NR(CO)OR、アルキルNR(CO)OR、O−アルキルNR(CO)OR、SOから成る群より選択され、及びいずれの環式部分もハロ、アルキル、O−アルキル、ハロアルキル、O−ハロアルキル及びNRから成る群より選択される置換基で置換されていてもよく;
及びRは、H及びアルキルから成る群より独立して選択され;
Yは、アルキレン、アルケニレン及びアルキニレンから成る群より選択され、Yのいずれの水素原子も、ヒドロキシ、F、Cl、Br、I、アルキル、アルキルハロ及びO−アルキルから成る群より選択される一つ又はそれより多くの置換基で独立して置き換えられていてもよく;及び
m及びnは、0、1、2、3及び4から成る群より独立して選択される]
に従った化合物、
但し、該化合物は:
3−ベンジル−5−フェニル−2−オキサゾリジノン、
3−(α−メチルベンジル)−5−フェニル−2−オキサゾリジノン、
3−(α−メチル(4−メチルベンジル))−5−フェニル−2−オキサゾリジノン、
3−((2−チエニル)メチル)−5−フェニル−2−オキサゾリジノン、
5−(3,4−ジメトキシフェニル)−3−ベンジル−2−オキサゾリジノン、
5−(3,4−ジメトキシフェニル)−3−(2−(3,4−ジメトキシフェニルエチル))−2−オキサゾリジノン、
メチル 4[2−[5−(3−クロロフェニル)−2−オキサゾリジン−3−イル]プロピル]フェノキシエタノエート、
4[2−[5−(3−クロロフェニル)−2−オキサゾリジン−3−イル]プロピル]フェノキシエタン酸、
3−[1−(4−メチルフェニル)エチル]−5−フェニル−2−オキサゾリジノン、
5−(3−クロロフェニル)−3−(2−(3,4−ジヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル)−2−オキサゾリジノン及び
5−(3−クロロフェニル)−3−[(3,4−ジメトキシフェニル)−ブタン−2−イル]−2−オキサゾリジノン;
から成る群よりは選択されない。
【請求項2】
YがCH基である、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
がアルキル、アルコキシ、トリフルオロメトキシ及びハロから成る群より選択される、請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
がハロである、請求項3に記載の化合物。
【請求項5】
がクロロである、請求項4に記載の化合物。
【請求項6】
が、置換されていてもよいアリール、O−アリール、ヘテロアリール及びO−ヘテロアリールから成る群より選択される、請求項2に記載の化合物。
【請求項7】
が、置換されていてもよいフェニル基である、請求項6に記載の化合物。
【請求項8】
が、置換されていてもよいピリジル基である、請求項6に記載の化合物。
【請求項9】
化合物であって、
5−(R)−フェニル−3−(4−トリフルオロメトキシベンジル)−オキサゾリジン−2−オン、
3−(4−トリフルオロメトキシベンジル)−5−[3−(4−トリフルオロメトキシベンジルオキシ)フェニル]−オキサゾリジン−2−オン、
5−(4−メトキシフェニル)−3−(4−トリフルオロメトキシベンジル)−オキサゾリジン−2−オン、
5−(4−フルオロフェニル)−3−(4−トリフルオロメトキシベンジル)−オキサゾリジン−2−オン、
5−(4−メチルフェニル)−3−(4−トリフルオロメトキシベンジル)−オキサゾリジン−2−オン、
5−(4−クロロフェニル)−3−(4−トリフルオロメトキシベンジル)−オキサゾリジン−2−オン、
3−(4−トリフルオロメトキシベンジル)−5−(4−トリフルオロメトキシフェニル)−オキサゾリジン−2−オン、
5−(4−メトキシフェニル)−3−(4−トリフルオロメトキシベンジル)−オキサゾリジン−2−オン、
5−p−トリル−3−(4−トリフルオロメトキシベンジル)−オキサゾリジン−2−オン、
5−o−トリル−3−(4−トリフルオロメトキシベンジル)−オキサゾリジン−2−オン、
5−(3,5−ジクロロフェニル)−3−(4−トリフルオロメトキシベンジル)−オキサゾリジン−2−オン、
5−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(4−トリフルオロメトキシベンジル)−オキサゾリジン−2−オン、
5−(3,5−ジメトキシフェニル)−3−(4−トリフルオロメトキシベンジル)−オキサゾリジン−2−オン、
3−(4−トリフルオロメトキシベンジル)−5−(S)−フェニル−オキサゾリジン−2−オン、
3−(4−フェノキシベンジル)−5−(R)−フェニル−オキサゾリジン−2−オン,
3−(3,5−ジフルオロベンジル)−5−(R)−フェニル−オキサゾリジン−2−オン、
3−(3,4−ジクロロベンジル)−5−(R)−フェニル−オキサゾリジン−2−オン、
3−(4−ヨードベンジル)−5−(R)−フェニル−オキサゾリジン−2−オン、
3−(4−ジフルオロメトキシベンジル)−5−(R)−フェニル−オキサゾリジン−2−オン、
3−(4−クロロベンジル)−5−(R)−フェニル−オキサゾリジン−2−オン、
3−(4−エチルベンジル)−5−(R)−フェニル−オキサゾリジン−2−オン、
3−ビフェニル−4−イルメチル−5−(R)−フェニル−オキサゾリジン−2−オン、
3−(4−ベンジルオキシベンジル)−5−(R)−フェニル−オキサゾリジン−2−オン、
3−(4−メトキシベンジル)−5−(R)−フェニル−オキサゾリジン−2−オン、
5−(4−フルオロフェニル)−3−(4−ヨードベンジル)−オキサゾリジン−2−オン、
4−5[−(4−フルオロフェニル)−2−オキソ−オキサゾリジン−3−イルメチル]−安息香酸メチルエステル,
5−(4−フルオロフェニル)−3−(4−メトキシベンジル)−オキサゾリジン−2−オン、
5−(R)−(4−クロロフェニル)−3−(4−ヨードベンジル)−オキサゾリジン−2−オン、
3−(3−ヨード−ベンジル)−5−(R)−フェニル−オキサゾリジン−2−オン、
5−(4−ブロモ−フェニル)−3−(4−トリフルオロメトキシベンジル)−オキサゾリジン−2−オン、
5−(3−ブロモ−フェニル)−3−(4−トリフルオロメトキシベンジル)−オキサゾリジン−2−オン、
5−(4−ブロモ−フェニル)−3−(4−クロロ−ベンジル)−オキサゾリジン−2−オン、
3−(4−ヒドロキシベンジル)−5−(R)−フェニル−オキサゾリジン−2−オン、
5−(4−フルオロフェニル−3−[4−(4−ピリジン−2−イル−ピペラジン−1−カルボニル)−ベンジル]−オキサゾリジン−2−オン、
5−(4−フルオロフェニル)−3−[4−(4−ピリジン−3−イルメチル−ピペラジン−1−カルボニル)−ベンジル]−オキサゾリジン−2−オン、
3−[4−(4−ベンジル−ピペラジン−1−カルボニル)−ベンジル]−5−(4−フルオロフェニル)−オキサゾリジン−2−オン、
3−(4−ブロモメチルベンジル)−5−(R)−フェニル−オキサゾリジン−2−オン、
3−(4−ブロモメチルベンジル)−5−(R)−(4−クロロフェニル)−オキサゾリジン−2−オン、
3−(4−ブロモメチルベンジル)−5−(4−フルオロフェニル)−オキサゾリジン−2−オン、
4−(モルホリン−4−イルメチル)ベンジル)−5−(R)−フェニル−オキサゾリジン−2−オン、
4−[4−(2−オキソ−5−(R)−フェニル−オキサゾリジン−3−イルメチル)−ベンジル]−ピペラジン−1−カルボン酸 tert−ブチル−エステル、
3−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ベンジル]−5−(R)−フェニル−オキサゾリジン−2−オン、
5−(R)−フェニル−3−[4−(4−フェニル−ピペラジン−1−イルメチル)−ベンジル]−オキサゾリジン−2−オン、
5−(R)−フェニル−3−(4−ピペラジン−1−イルメチル−ベンジル)−オキサゾリジン−2−オン,
5−(R)−フェニル−3−(4−{[(ピリジン−2−イルメチル)−アミノ]−メチル}−ベンジル)−オキサゾリジン−2−オン、
3−{4−[(メチル−ピリジン−2−イルメチル−アミノ)−メチル]−ベンジル}−5−(R)−フェニル−オキサゾリジン−2−オン、
5−(R)−フェニル−3−[4−(ピリジン−3−イルオキシメチル)−ベンジル]−オキサゾリジン−2−オン、
5−(4−フルオロフェニル)−3−[4−(ピリジン−2−イルオキシメチル)−ベンジル]−オキサゾリジン−2−オン、
5−(4−フルオロフェニル)−3−[4−(ピリジン−3−イルオキシメチル)−ベンジル]−オキサゾリジン−2−オン、
5−(4−フルオロフェニル)−3−[4−(ピリジン−4−イルオキシメチル)−ベンジル]−オキサゾリジン−2−オン、
5−(R)−(4−クロロフェニル)−3−[4−(ピリジン−3−イルオキシメチル)−ベンジル]−オキサゾリジン−2−オン、
3−(4−フェノキシメチル−ベンジル)−5−(R)−フェニル−オキサゾリジン−2−オン、
5−(R)−フェニル−3−(4−ピリジン−4−イル−ベンジル)−オキサゾリジン−2−オン、
5−(R)−フェニル−3−(4−ピリジン−3−イル−ベンジル)−オキサゾリジン−2−オン、
3−{4−[6−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−イル]−ベンジル}−5−(R)−フェニル−オキサゾリジン−2−オン、
3−[4−(6−モルホリン−4−イル−ピリジン−3−イル)−ベンジル]−5−(R)−フェニル−オキサゾリジン−2−オン、
5−(R)−フェニル−3−[4−(1,2,3,6−テトラヒドロ−ピリジン−4−イル)−ベンジル]−オキサゾリジン−2−オン、
3−[4−(6−アミノ−ピリジン−3−イル)−ベンジル]−5−(R)−フェニル−オキサゾリジン−2−オン、
4’−(2−オキソ−5−(R)−フェニル−オキサゾリジン−3−イルメチル)−ビフェニル−3−カルボン酸(2−ジメチルアミノ−エチル)−アミド、
5−(R)−フェニル−3−[4−(6−ピペラジン−1−イル−ピリジン−3−イル)−ベンジル]−オキサゾリジン−2−オン、
3−[4’−(4−メチル−ピペラジン−1−カルボニル)−ビフェニル−4−イルメチル)]−5−(R)−フェニル−オキサゾリジン−2−オン、
3−[3’−(4−メチル−ピペラジン−1−カルボニル)−ビフェニル−4−イルメチル)]−5−(R)−フェニル−オキサゾリジン−2−オン、
3−{4−[6−(2−モルホリン−4−イル−エチルアミノ)−ピリジン−3−イル]−ベンジル}−5−(R)−フェニル−オキサゾリジン−2−オン、
4’−(2−オキソ−5−(R)−フェニル−オキサゾリジン−3−イルメチル)−ビフェニル−4−カルボン酸(2−ジメチルアミノ−エチル)−アミド、
3−{4−[6−(3−ジメチルアミノ−プロポキシ)−ピリジン−3−イル]−ベンジル}−5−(4−フルオロフェニル−オキサゾリジン−2−オン、
4’−[5−(4−フルオロフェニル)−2−オキソ−オキサゾリジン−3−イルメチル)]−ビフェニル−3−カルボン酸(2−ジメチルアミノ−エチル)−アミド、
5−(4−フルオロフェニル)−3−(2’−モルホリン−4−イルメチル−ビフェニル−4−イルメチル)−オキサゾリジン−2−オン、
4’−[5−(4−フルオロフェニル)−2−オキソ−オキサゾリジン−3−イルメチル]−ビフェニル−3−カルボン酸、
5−(4−フルオロフェニル)−3−[3’−(4−メチル−ピペラジン−1−カルボニル)−ビフェニル−4−イルメチル]−オキサゾリジン−2−オン、
3−(4’−ジメチルアミノ−メチル−ビフェニル−4−イルメチル)−5−(4−フルオロフェニル)−オキサゾリジン−2−オン、
4’−[5−(4−フルオロフェニル)−2−オキソ−オキサゾリジン−3−イルメチル)]−ビフェニル−3−カルボン酸(2−ジメチルアミノ−エチル)−メチル−アミド、
4’−[5−(4−フルオロフェニル)−2−オキソ−オキサゾリジン−3−イルメチル]−ビフェニル−3−カルボン酸(2−ヒドロキシエチル)−アミド、
4’−[5−(4−フルオロフェニル)−2−オキソ−オキサゾリジン−3−イルメチル]−ビフェニル−3−カルボン酸エチルアミン、
4’−[5−(R)−(4−クロロフェニル)−2−オキソ−オキサゾリジン−3−イルメチル]−ビフェニル−3−カルボン酸(2−ジメチルアミノ−エチル)−アミド、
3−[3−(6−モルホリン−4−イル−ピリジン−3−イル)−ベンジル]−5−(R)−フェニル−オキサゾリジン−2−オン、
3’−(2−オキソ−5−(R)−フェニル−オキサゾリジン−3−イルメチル)−ビフェニル−3−カルボン酸(2−ジメチルアミノ−エチル)−アミド、
4’−(2−オキソ−5−(R)−フェニル−オキサゾリジン−3−イルメチル)−ビフェニル−4−カルボン酸(1−ベンジル−ピロリジン−3−(S)−イル)−アミド、
5−(4’−ジメチルアミノメチル−ビフェニル−3−イル)−3−(4−トリフルオロメトキシベンジル)−オキサゾリジン−2−オン、
4’−[5−(S)−(4−フルオロフェニル)−2−オキソ−オキサゾリジン−3−イルメチル]−ビフェニル−3−カルボン酸(2−ジメチルアミノ−エチル)−メチル−アミド、
4’−[5−(R)−(4−フルオロフェニル)−2−オキソ−オキサゾリジン−3−イルメチル]−ビフェニル−3−カルボン酸(2−ジメチルアミノ−エチル)−メチル−アミド、
5−(R)−(4−クロロフェニル)−3−(2’−モルホリン−4−イルメチル−ビフェニル−4−イルメチル)−オキサゾリジン−2−オン、
4’−[5−(R)−(4−クロロフェニル)−2−オキソ−オキサゾリジン−3−イルメチル]−ビフェニル−3−カルボン酸(2−ジメチルアミノ−エチル)−メチル−アミド、
3−[4’−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ビフェニル−4−イルメチル]−5−フェニル−オキサゾリジン−2−オン、
5−(4−フルオロフェニル)−3−[3’−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ビフェニル−4−イルメチル]−オキサゾリジン−2−オン、
5−(4−フルオロフェニル)−3−(3’−モルホリン−4−イルメチル−ビフェニル−4−イルメチル)−オキサゾリジン−2−オン、
5−(4−フルオロフェニル)−3−(3’−ピペラジン−1−イルメチル)−ビフェニル−4−イルメチル)−オキサゾリジン−2−オン、
5−(R)−(4−クロロフェニル)−3−(3’−ジエチルアミノメチル−ビフェニル−4−イルメチル)−オキサゾリジン−2−オン、
5−(R)−(4−クロロフェニル)−3−(3’−{[ジメチルアミノエチル)−メチルアミノ]−メチル}−ビフェニル−4−イルメチル)−オキサゾリジン−2−オン、
5−(R)−(4−クロロフェニル)−3−(3’−ピペリジン−1−イルメチル−ビフェニル−4−イルメチル)−オキサゾリジン−2−オン、
5−(R)−(4−クロロフェニル)−3−(3’−モルホリン−4−イルメチル−ビフェニル−4−イルメチル)−オキサゾリジン−2−オン、
5−(R)−(4−クロロフェニル)−3−[3’−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ビフェニル−4−イルメチル]−オキサゾリジン−2−オン、
5−(R)−(4−クロロフェニル)−3−(3’−ジメチルアミノメチル−ビフェニル−4−イルメチル)−オキサゾリジン−2−オン、
5−(R)−(4−クロロフェニル)−3−(3’−ピペラジン−1−イルメチル)−ビフェニル−4−イルメチル)−オキサゾリジン−2−オン、
5−(R)−(4−クロロフェニル)−3−(2’−ジメチルアミノメチル−ビフェニル−4−イルメチル)−オキサゾリジン−2−オン、
5−(R)−(4−クロロフェニル)−3−(2’−{[(2−ジメチルアミノエチル)−メチルアミノ]−メチル}−ビフェニル−4−イルメチル)−オキサゾリジン−2−オン、
5−(R)−(4−クロロフェニル)−3−[2’−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ビフェニル−4−イルメチル)−オキサゾリジン−2−オン、
5−(R)−(4−クロロフェニル)−3−[2’−(3−(S)−ジメチルアミノ−ピロリジン−1−イルメチル)−1−ビフェニル−4−イルメチル]−オキサゾリジン−2−オン、
5−(R)−(4−クロロフェニル)−3−(2’−ピペリジン−1−イルメチル−ビフェニル−4−イルメチル)−オキサゾリジン−2−オン、
5−(R)−(4−クロロフェニル)−3−[2’−(3−(R)−ジメチルアミノ−ピロリジン−1−イルメチル)−1−ビフェニル−4−イルメチル]−オキサゾリジン−2−オン、
5−(R)−(4−クロロフェニル)−3−(2’−ピペラジン−1−イルメチル−ビフェニル−4−イルメチル)−オキサゾリジン−2−オン、
5−(R)−(4−クロロフェニル)−3−(4’−ジメチルアミノメチル−ビフェニル−4−イルメチル)−オキサゾリジン−2−オン、
5−(R)−(4−クロロフェニル)−3−(4’−{[(2−ジメチルアミノエチル)−メチルアミノ]−メチル}−ビフェニル−4−イルメチル)−オキサゾリジン−2−オン、
5−(R)−(4−クロロフェニル)−3−(4’−モルホリン−4−イルメチル−ビフェニル−4−イルメチル)−オキサゾリジン−2−オン、
5−(R)−(4−クロロフェニル)−3−(4’−ピペリジン−1−イルメチル−ビフェニル−4−イルメチル)−オキサゾリジン−2−オン、
5−(R)−(4−クロロフェニル)−3−[4’−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ビフェニル−4−イルメチル)−オキサゾリジン−2−オン、
5−(R)−(4−クロロフェニル)−3−(4’−ピペラジン−1−イルメチル−ビフェニル−4−イルメチル)−オキサゾリジン−2−オン、
5−(4−フルオロフェニル)−3−(3’−ヒドロキシメチル−ビフェニル−4−イルメチル)−オキサゾリジン−2−オン、
5−(4−フルオロフェニル)−3−[4−(ピラジン−2−イルオキシ)−ベンジル]−オキサゾリジン−2−オン、
5−(4−フルオロフェニル)−3−[4−(ピリミジン−2−イルオキシ)−ベンジル]−オキサゾリジン−2−オン、
3−[4−(4−フルオロフェノキシ)−ベンジル]−5−(4−フルオロフェニル)−オキサゾリジン−2−オン、
5−(4−フルオロフェニル)−3−[4−(ピリジン−2−イルオキシ)−ベンジル]−オキサゾリジン−2−オン、
5−(4−フルオロフェニル)−3−(4−フェノキシ−ベンジル)−オキサゾリジン−2−オン、
5−(R)−(4−クロロフェニル)−3−[4−(4−ピリジン−2−イルメチル−ピペラジン−1−イル)−ベンジル]−オキサゾリジン−2−オン、
3−(4−モルホリン−4−イル−ベンジル)−5−(R)−フェニル−オキサゾリジン−2−オン、
3−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ベンジル]−5−(R)−フェニル−オキサゾリジン−2−オン、
5−(R)−フェニル−3−[4−(4−ピリジン−4−イルメチル−ピペラジン−1−イル)−ベンジル]−オキサゾリジン−2−オン、
5−(R)−フェニル−3−[4−(4−ピリジン−2−イルメチル−ピペラジン−1−イル)−ベンジル]−オキサゾリジン−2−オン、
5−(R)−フェニル−3−[4−(4−ピリジン−3−イルメチル−ピペラジン−1−イル)−ベンジル]−オキサゾリジン−2−オン、
3−[3−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ベンジル]−5−(R)−フェニル−オキサゾリジン−2−オン、
5−(R)−フェニル−3−[3−(4−ピリジン−4−イルメチル−ピペラジン−1−イル)−ベンジル]−オキサゾリジン−2−オン、
3−(3−モルホリン−4−イル−ベンジル)−5−(R)−フェニル−オキサゾリジン−2−オン、
5−(R)−フェニル−3−[4−(4−ピリジン−2−イルメチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ベンジル]−オキサゾリジン−2−オン、
5−(R)−フェニル−3−[4−(4−ピリジン−3−イルメチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ベンジル]−オキサゾリジン−2−オン、
5−[4−(5−メトキシ−ピリジン−3−イル)−フェニル]−3−(4−トリフルオロ−メトキシ−ベンジル)−オキサゾリジン−2−オン、及び
4’−[3−(4−クロロ−ベンジル)−2−オキソ−オキサゾリジン−5−イル]−
ビフェニル−3−カルボン酸(2−ジメチルアミノ−エチル)−アミド;
から成る群より選択される化合物。
【請求項10】
医薬組成物であって、請求項1〜9のいずれか一項に記載の化合物及び薬学的に許容できる担体又は賦形剤を含んでなる医薬組成物。
【請求項11】
医薬として使用のための、請求項1〜9のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項12】
グルタミン酸機能障害に関連する神経学的及び精神医学的障害の療法のための医薬の製造における、請求項1〜9のいずれか一項に記載の化合物の使用。
【請求項13】
前記神経学的及び精神医学的障害が、心臓バイパス手術及び移植後の脳欠損、脳卒中、脳虚血、脊髄外傷、頭部外傷、周生期低酸素症、心停止、低血糖神経細胞傷害、認知症、AIDS誘発認知症、アルツハイマー病、ハンチントン舞踏病、筋萎縮性側索硬化症、眼球傷害、網膜症、認知障害、特発性及び薬物誘発パーキンソン病、振戦を含む筋痙性に関連する筋痙縮及び障害、てんかん、痙攣、遷延性てんかん重積に二次的な脳欠損、片頭痛、片頭痛、尿失禁、物質耐性、物質離脱、精神病、統合失調症、不安症、全般性不安障害、パニック障害、社会恐怖症、強迫性障害、及び外傷後ストレス障害(PTSD)、気分障害、鬱病、躁病、双極性障害、概日リズム障害、時差ぼけ、交代勤務、三叉神経痛、難聴、耳鳴、眼の黄斑変性症、嘔吐、脳浮腫、疼痛、急性疼痛、慢性疼痛、激痛、難治性疼痛、神経因性疼痛、炎症性痛覚、及び外傷後疼痛、遅発性ジスキネジア、睡眠障害、ナルコレプシー、注意欠陥/多動性障害及び行為障害から選択される、請求項12の使用。
【請求項14】
グルタミン酸機能障害に関連する神経学的及び精神医学的障害の治療又は防止を、こうした治療を必要としている動物において行うための方法であって、前記動物へ、療法的に有効量の請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物を投与することを含んでなる方法。
【請求項15】
グルタミン酸機能障害に関連する神経学的及び精神医学的障害の治療又は防止を、こうした治療を必要としている動物において行うための方法であって、前記動物へ、療法的に有効量の請求項10に記載の医薬組成物を投与することを含んでなる方法。
【請求項16】
前記神経学的及び精神医学的障害が、心臓バイパス手術及び移植後の脳欠損、脳卒中、脳虚血、脊髄外傷、頭部外傷、周生期低酸素症、心停止、低血糖神経細胞傷害、認知症、AIDS誘発認知症、アルツハイマー病、ハンチントン舞踏病、筋萎縮性側索硬化症、眼球傷害、網膜症、認知障害、特発性及び薬物誘発パーキンソン病、振戦を含む筋痙性に関連する筋痙縮及び障害、てんかん、痙攣、遷延性てんかん重積に二次的な脳欠損、片頭痛、片頭痛、尿失禁、物質耐性、物質離脱、精神病、統合失調症、不安症、全般性不安障害、パニック障害、社会恐怖症、強迫性障害、及び外傷後ストレス障害(PTSD)、気分障害、鬱病、躁病、双極性障害、概日リズム障害、時差ぼけ、交代勤務、三叉神経痛、難聴、耳鳴、眼の黄斑変性症、嘔吐、脳浮腫、疼痛、急性疼痛、慢性疼痛、激痛、難治性疼痛、神経因性疼痛、炎症性痛覚、及び外傷後疼痛、遅発性ジスキネジア、睡眠障害、ナルコレプシー、注意欠陥/多動性障害及び行為障害から選択される、請求項14又は15に記載の方法。
【請求項17】
前記神経学的及び精神医学的障害が、アルツハイマー病、遷延性てんかん重積に二次的な脳欠損、物質耐性、物質離脱、精神病、統合失調症、不安症、全般性不安障害、パニック障害、社会恐怖症、強迫性障害、及び外傷後ストレス障害(PTSD)、気分障害、鬱病、躁病及び双極性障害から選択される、請求項16に記載の方法。

【公表番号】特表2009−519929(P2009−519929A)
【公表日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−545641(P2008−545641)
【出願日】平成18年12月6日(2006.12.6)
【国際出願番号】PCT/US2006/046344
【国際公開番号】WO2007/078523
【国際公開日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【出願人】(300022641)アストラゼネカ アクチボラグ (581)
【Fターム(参考)】