説明

オキサゾリジノン系抗生物質及びその誘導体

本発明は、シクロプロピル部分を有する新規オキサゾリジノン誘導体であって、好気性及び嫌気性病原体、例えば多剤耐性ブドウ球菌、連鎖球菌、バクテロイデス種、クロストリジウム種、並びに抗酸性菌、例えば結核菌及びその他のマイコバクテリウム種に対して有効である新規オキサゾリジノン誘導体に関する。この化合物は、構造式(I)で表される化合物;その鏡像異性体、ジアステレオマー、又はこれらの医薬的に許容し得る塩もしくはエステルである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、オキサゾリジノン系抗生物質及びその誘導体という名称で2003年7月2日付け出願された米国仮出願第60/483,901号及びオキサゾリジノン系抗生物質及びその誘導体という名称で2004年2月24日付けで出願された米国仮出願第60/546,985号の優先権の利益を主張する。これらの出願は、その全体が参照として本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、シクロプロピル部分を有する新規オキサゾリジノン系化合物であって、好気性及び嫌気性病原体、例えば多剤耐性ブドウ球菌、連鎖球菌及び腸球菌、バクテロイデス(Bacteroides)種、クロストリジウム種、並びに抗酸性菌、例えば結核菌及びその他のマイコバクテリウム種に対して有効である新規オキサゾリジノン系化合物に関する。
【背景技術】
【0003】
オキサゾリジノン系化合物は、キノロン系化合物以降に開発された最初の新しい種類の抗菌物質に相当する。オキサゾリジノン系化合物は、問題のある多剤耐性グラム陽性菌に対して経口で又は静脈内で活性である合成抗菌性化合物であり、他の抗生物質と交差抵抗を示さない合成抗菌性化合物である。Riedl et al., Recent Developments with Oxazolidinone Antibiotics,Exp.Opin.Ther.Patents(1999)(5), Ford et al.,Oxazolidinones:New Antibacterial Agent, Trends in Microbiology 196 Vol.5,No.5,May 1997及び国際公開WO96/35691号公報参照。また、国際公開WO03/063862号、同WO01/81350号、同WO01/94342号、同WO03/072553号、欧州特許第0352781号及び米国特許第5,565,571号及び同第4,053,593号公報参照。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、式I:
【0005】
【化1】

【0006】
{式中:
及びRは、独立して水素、NR、CR、C(R)OR14
、CHNHR14、C(=O)R13、C(=NOH)H、C(=NOR13)H、C(=NOR13)R13、C(=NOH)R13、C(=O)N(R13、C(=NOH)N(R13、NHC(=X)N(R13、(C=NH)R、N(R13)C(=X)N(R13、COOR13、SO14、N(R13)SO14、N(R13)COR14、(C1−6アルキル)CN、CN、CH=C(R)、C(RSiR16、(CHOH、C(=O)CHR13、C(=NR13)R13、NR10C(=X)R13;又は場合により1〜3個の基Rで置換されていてもよいC5−10複素環(該複素環は、炭素原子又はヘテロ原子を介して結合されていてもよい)を表し;
Aは、C〔 −−− が存在する場合には、Z=(O)及びn=0であることを条件とする〕、C〔 −−− が存在しない場合には、ZがH、OH又はハロゲンであることを条件とする〕又はN〔 −−− が存在せず且つZ=(O)及びn=1である場合〕を表し;
−−− は結合を表し;
【0007】
【化2】

【0008】
は、アリール又はヘテロアリール、複素環、ヘテロシクリルもしくは複素環状を表し(但し、ヘテロアリール、複素環、ヘテロシクリル又は複素環状の場合には、シクロプロピルは環の窒素原子に結合されないものとする);
は水素又はC1−6アルキルを表し;

【0009】
【化3】

【0010】
を表し、これは環中に少なくとも1個の窒素原子を含有する場合によって置換されていてもよい芳香族複素環式基であり、Nに結合を介して結合され且つ非置換であるか又は1〜3個の置換基Rを含有し;
及びR4aは、独立して水素、ハロゲン、C1−6アルコキシ、又はC1−6アルキルを表し;
r及びsは独立して1〜3であり〔但し、(R4a及び(RがAr又はHAr環に結合される場合には、rとsの合計は4以下であることを条件とする〕;
及びRは、独立して水素、場合によりハロゲン、CN、OH、C1−6アルコキシ、アミノ、イミノ、ヒドロキシアミノ、アルコキシアミノ、C1−6アシルオキシ、C1−6アルキルスルフェニル、C1−6アルキルスルフィニル、C1−6アルキルスルホニル、アミノスルホニル、C1−6アルキルアミノスルホニル、C1−6ジアルキルアミノスルホニル、4−モルホリニルスルホニル、フェニル、ピリジン、5−イソオキサゾリル、エチレニルオキシ、又はエチニルの1〜3個の基で置換されていてもよいC1−6アルキル(但し、前述のフェニル及びピリジンは、場合により1〜3個のハロゲン、CN、OH、CF、C1−6アルキル又はC1−6アルコキシで置換されていてもよい);場合によりハロゲン、OH、SH、C1−6アルコキシ、ナフタレンオキシ、フェノキシ、
アミノ、C1−6アシルアミノ、ヒドロキシルアミノ、アルコキシルアミノ、C1−6アシルオキシ、アラルキルオキシ、フェニル、ピリジン、C1−6アルキルカルボニル、C1−6アルキルアミノ、C1−6ジアルキルアミノ、C1−6ヒドロキシアシルオキシ、C1−6アルキルスルフェニル、フタルイミド、マレイミド、スクシンイミドの1〜3個の基で置換されていてもよいC1−6アシル(但し、前述のフェノキシ、フェニル及びピリジンは、場合によりハロ、OH、CN、C1−6アルコキシ、アミノ、C1−6アシルアミノ、CF又はC1−6アルキルの1〜3個の基で置換されていてもよい);場合によりハロゲン、OH、C1−6アルコキシ、アミノ、ヒドロキシルアミノ、アルコキシルアミノ、C1−6アシルオキシ、又はフェニルの1〜3個の基で置換されていてもよいC1−6アルキルスルホニル(但し、前記フェニルは、場合によりハロ、OH、C1−6アルコキシ、アミノ、C1−6アシルアミノ、CF又はC1−6アルキルの1〜3個の基で置換されていてもよい);場合によりハロゲン、C1−6アルコキシ、OH又はC1−6アルキルの1〜3個の基で置換されていてもよいアリールスルホニル;場合によりハロゲン、OH、C1−6アルコキシ、C1−6アシルオキシ、又はフェニルの1〜3個の基で置換されていてもよいC1−6アルコキシカルボニル(但し、前記フェニルは、場合によりハロ、OH、C1−6アルコキシ、アミノ、C1−6アシルアミノ、CF又はC1−6アルキルの1〜3個の基で置換されていてもよい); アミノカルボニル、C1−6アルキルアミノカルボニル又はC1−6ジアルキルアミノカルボニル(但し、前述のアルキル基は、場合によりハロゲン、OH、C1−6アルコキシ又はフェニルで置換されていてもよい)、場合によりハロゲン、OH、CN、アミノ、C1−6アシルアミノ、C1−6アルキルスルホニルアミノ、C1−6アルコキシカルボニルアミノ、C1−6アルコキシ、C1−6アシルオキシ又はC1−6アルキルの1〜3個の基で置換されていてもよい5〜6員複素環(前記アルキルは、場合によりハロゲン又はC1−6アルコキシの1〜3個の基で置換されていてもよい);場合によりハロゲン、OH、C1−6アルコキシ又はCNの1〜3個の基で置換されていてもよいC3−6シクロアルキルカルボニル;場合によりハロゲン、OH、C1−6アルコキシ、C1−6アルキル、CF、C1−6アルカノール、アミノ又はC1−6アシルアミノの1〜3個の基で置換されていてもよいベンゾイル;場合により1〜3個のC1−6アルキルで置換されていてもよいピロリルカルボニル;C1−2アシルオキシアセチル〔但し、そのアシルは、場合によりアミノ、C1−6アルキルアミノ、C1−6ジアルキルアミノ、4−モルホリノ、4−アミノフェニル、4−(ジアルキルアミノ)フェニル、4−(グリシルアミノ)フェニルで置換されていてもよい〕を表すか;あるいはR及びRは介在する原子と一緒になって、炭素原子と、O、S、SO、SO、N、又はNRの中から独立して選択される1〜2個のヘテロ原子とを含有する3〜7員複素環を形成することができ;
は、水素、ハロゲン、CN、COR、CON(R)、CHO、CHNHAc、C(=NOR)、OH、C1−6アルコキシ、C1−6アルキル、アルケニル、(CHアミノ、(CH1−6アルキルアミノ、C1−6ジアルキルアミノ、ヒドロキシルアミノ又はC1−2アルコキシアミノを表し、これらは全て場合により窒素上でC1−6アシル、C1−6アルキルスルホニル又はC1−6アルコキシカルボニルで置換されていてもよい(前述のアシル及びアルキルスルホニルは、場合により1〜2個のハロゲン又はOHで置換されていてもよい);
及びRは、独立してH、CN、場合により1〜3個のハロゲン、CN、OH、C1−6アルコキシ、C1−6アシルオキシ又はアミノで置換されていてもよいC1−6アルキル、場合により1〜3個のハロゲン、OH、C1−6アルコキシで置換されていてもよいフェニルを表し;あるいは
及びRは一緒になって、場合によりO、S、SO、SO、NH及びNRの中から選択される1〜2個のヘテロ原子で中断されていてもよい3〜7員炭素環を形成することができ;
はO、S又はNR13、NCN、NCO16、もしくはNSO14を表し;
10は水素、C1−6アルキル又はCO15を表し;
それぞれのR13は、独立して水素、C1−6アルキル、C6−10アリール、NR、SR、S(O)R、S(O)、CN、OH、C1−6アルキルS(O)R、C1−6アルコキシカルボニル、ヒドロキシカルボニル、C1−6アシル、場合によりO、S、SO、SO、NH及びNRの中から選択される1〜4個のヘテロ原子で中断されていてもよいC3−7員炭素環を表し〔但し、前述のC1−6アルキル、アリール又はC1−6アシル基は、独立して0〜3個のハロゲン、ヒドロキシ、N(R)、COR、C6−10アリール、C5−10ヘテロアリール、又はC1−6アルコキシ基で置換されていてもよい〕;
2個の基R13は、同一の原子又は2個の隣り合った原子に結合される場合には、一緒になって場合によってO、S、SO、SO、NH、及びNRの中から選択される1〜2個のヘテロ原子で中断されていてもよい3〜7員炭素環を形成し;
Rは水素又はC1−6アルキルを表し;
14はアミノ、C1−6アルキル、C1−6ハロアルキル、5〜6員複素環又はフェニルを表し(但し、前述のフェニル及び複素環は、場合によりハロ、C1−6アルコキシ、C1−6アシルアミノ、又はC1−6アルキル、ヒドロキシ及び/又はアミノの1〜3個の基で置換されていてもよく、前述のアミノ及びヒドロキシは、場合によりアミノ保護基又はヒドロキシ保護基で保護されていてもよい);
15はC1−6アルキル又はベンジルであり(但し、前記ベンジルは、場合によりハロ、OH、C1−6アルコキシ、アミノ、C1−6アシルアミノ、又はC1−6アルキルの1〜3個の基で置換されていてもよい);
16は水素、C5−10ヘテロアリール、C6−10アリールであり(但し、前述のヘテロアリール及びアリールは、場合により1〜3個の基Rで置換されていてもよい);
m、n、p及びqは0〜1を表す}
で示される化合物、その鏡像異性体、ジアステレオマー、又は医薬的に許容し得る塩、水和物もしくはプロドラッグに関する。
【0011】
本発明の別の態様は、細菌感染症の治療における前述の新規抗生物質組成物の使用に関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明は、特に明記しない限りは、本明細書において以下に定義する用語を使用して詳細に説明される。
【0013】
本発明の化合物は、不斉中心、キラル軸及びキラル面を有し得、ラセミ化合物、ラセミ混合物として及び個々のジアステレオマーとして存在し得、この場合の全ての可能な異性体、例えば光学異性体が本発明に包含される。〔E.L.Eliel and S.H.Wilen Stereochemistry of Carbon Compounds(John Wiley and Sons,New York 1994,特に第1119−1190頁参照〕。
【0014】
任意の変数(例えば、アリール、複素環、R、Rなど)が一つ以上存在する場合には、そのそれぞれの存在についての定義はあらゆるその存在において独立している。また、種々の置換基/又は変数の組み合わせも、このような組み合わせが安定な化合物をもたらす場合にのみ許される。
【0015】
“アルキル”という用語は、特に明記しない限りは、1〜15個の炭素原子を有する一価のアルカン(炭化水素)由来の基を示す。アルキルは、直鎖状であってもよいし、分枝鎖状であってもよい。好ましいアルキルとしては、1〜6個の炭素原子を有する低級アル
キル、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル及びt−ブチルが挙げられる。アルキル基は、置換されている場合には、任意の利用できる結合位置で本明細書で定義するような複数の基の中から選択される最大3個の置換基で置換されていてもよい。アルキル基がアルキル基で置換されているという場合には、これは“分枝鎖状アルキル基”と同義的に使用される。
【0016】
シクロアルキルは、炭素原子同士の間に複数の二重結合を交互に繰り返すことなく又は共鳴することなく3〜15個の炭素原子を含有するアルキル種である。シクロアルキルは、縮合される1〜4個の環を含有していてもよい。好ましいシクロアルキル基は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル及びシクロヘキシルである。シクロアルキル基は、置換される場合には、本明細書においてアルキルの定義により定義される最大3個の置換基で置換されていてもよい。
【0017】
アルカノイルとは、2〜4個の炭素原子を有する脂肪族カルボン酸から誘導される基を示す。その例は、アセチル、プロピオニル、ブチリルなどである。
【0018】
“アルコキシ”という用語は、直鎖状又は分枝鎖状の指定された長さの基を示し、炭素原子2個以上の長さの場合には、アルコキシは二重結合又は三重結合を含有していてもよい。このようなアルコキシ基の例は、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、tert−ブトキシ、ペントキシ、イソペントキシ、ヘキソキシ、イソヘキソキシ、アリルオキシ、プロパルギルオキシなどである。
【0019】
【化4】

【0020】
は、すぐ下に記載するようなアリール又はヘテロアリール、複素環、Het、ヘテロシクリルもしくは複素環状を示す。
【0021】
アリールとは、それぞれの環中に最大7個の原子を有する安定な単環式又は二環式の炭素環を示し、この場合には少なくとも1個の環が芳香族である。このようなアリール要素としては、フェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチル、インダニル、インダノニル、ビフェニル、テトラリニル、テトラロニル、フルオレノニル、フェナントリル、アントリル、アセナフチル、及び同様の置換フェニルなどが挙げられる。アリール基は、同様に、定義されるように置換されていてもよい。好ましい置換アリールとしては、フェニル及びナフチルが挙げられる。
【0022】
複素環、ヘテロアリール、Het、ヘテロシクリル又は複素環状という用語は、注記する場合を除いて本明細書で使用されるように、安定な5〜7員単環式又は二環式複素環系か、あるいは安定な8〜11員二環式複素環系を示し、これらの任意の複素環は飽和であってもよいし又は不飽和であってもよく且つ炭素原子と、N、O及びSからなる群の中から選択される1〜4個のヘテロ原子とからなり、この場合に窒素及び硫黄ヘテロ原子は場合によって酸化されていてもよく、また窒素ヘテロ原子は場合によって四級化されていてもよく(その場合には、対イオンによって適切に釣り合わされる)、且つ前述の複数の複素環のいずれかがベンゼン環に縮合されている二環式基を包含する。
【0023】
複素環は、ヘテロ原子又は炭素原子で結合されていてもよく、安定な構造の構築をもたらす。複素環又は複素環状は、ヘテロアリール部分を含む。従って、“複素環”又は“ヘ
テロシクリル”は、前述のヘテロアリール、並びにそのジヒドロ及びテトラヒドロ類縁体を包含する。複素環、ヘテロアリール、Het又は複素環状は、1〜3個の基Rで置換されていてもよい。このような複素環状要素としては、次のピペリジニル、ピペラジニル、2−オキソピペラジニル、2−オキソピペリジニル、2−オキソピローリジニル、2−オキソアゼピニル、アゼピニル、ピロリル、4−ピペリドニル、ピロリジニル、ピラゾリル、ピラゾリジニル、イミダゾリル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリミドニル、ピリジノイル、ピリダジニル、オキサゾリル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリル、イソオキサゾリジニル、モルホリニル、チアゾリル、チアゾリジニル、イソチアゾリル、キヌクリジニル、イソチアゾリジニル、インドリル、キノリニル、イソキノリニル、ベンズイミダゾリル、チアジアゾイル、ベンゾピラニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、フリル、テトラヒドロフリル、テトラヒドロピラニル、チオフェニル、イミダゾピリジニル、トリアゾリル、テトラゾリル、トリアジニル、チエニル、ベンゾチエニル、チアモルホリニルスルホキシド、チアモルホリニルスルホン、ナフタピリジニル、ジヒドロピリミジニル、ジヒドロピロリル、ジヒドロキノリニル、ジヒドロテトラゾリル、ジヒドロトリアゾリル、ジヒドロチエニル、ジヒドロオキサゾリル、ジヒドロベンゾチオフェニル、ジヒドロフラニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチエニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾピラニル、ベンゾチオフラニル、カルボリニル、クロマニル、シンノリニル、ベンゾピラゾリル、ベンゾジオキオソリル及びオキサジアゾリルが挙げられるが、これらに限定されない。ヘテロアリールのさらなる例は、式a、b、c及びd:
【0024】
【化5】

【0025】
(式中、R16及びR17は独立して水素、ハロゲン、C1−6アルキル、C2−4アルカノイル、C1−6アルコキシの中から選択され、R18は水素、C1−6アルキル、C2−4アルカノイル、C1−6アルコキシカルボニル及びカルバモイルを表す)
で例示される。
【0026】
次の表記
【0027】
【化6】

【0028】
は、1〜4個の窒素原子と少なくとも1個の二重結合を含有し場合によって置換されていてもよい芳香族複素環状基を表し、これは窒素上で結合を介して連結され且つ場合により1〜3個の基Rで置換されていてもよい。
【0029】
代表的な基は、1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール,1,2,5−トリアゾール、テトラゾール、ピラゾール及びイミダゾールであり、これらはいずれも1
〜3個の基Rを含有していてもよい。
【0030】
“アルケニル”という用語は、2〜10個の炭素原子と少なくとも1個の炭素−炭素二重結合を含有する直鎖、分枝又は環状の炭化水素を示す。好ましいアルケニル基としては、エテニル、プロペニル、ブテニル及びシクロヘキセニルが挙げられる。
【0031】
“第四級窒素”及び“正電荷”という用語は、四価の正電荷を有する窒素原子(必要に応じて当該技術で公知の対イオンで釣り合わされる)を示し、例えばテトラアルキルアンモニウム基(例えば、テトラメチルアンモニウム)、ヘテロアリーリウム(例えば、N−メチル−ピリジニウム)、生理学的pHでプロトン化される塩基性窒素などにおける正電荷を有する窒素が挙げられる。従って、陽イオン性基としては、正電荷を有する窒素含有基、及び生理学的pHでプロトン化される塩基性窒素が挙げられる。
【0032】
“ヘテロ原子”という用語は、O、S又はNを意味し、独立した基準で選択される。
【0033】
“プロドラッグ”という用語は、投与及び吸収後に、ある種の代謝プロセスにより生体内で薬物を放出する薬物前駆体である化合物を示す。
【0034】
代表的なプロドラッグとしては、本発明のアミノ化合物のアシルアミド、例えばアルカノール(C1−6)酸のアミド、アリール酸(例えば、安息香酸)のアミド及びアルカン(C1−6)二酸が挙げられる。
【0035】
ハロゲン及び“ハロ”とは、臭素、塩素、弗素及びヨウ素を示す。
【0036】
基が“置換された”と呼ばれる場合には、特に指示されない限りは、これは、この基が基上に1〜3個の置換基を含有することを意味する。
【0037】
官能基が“保護される”と呼ばれる場合には、これは、この基が保護された位置での望ましくない副反応を排除するために修飾された形であることを意味する。本発明の化合物に適した保護基は、当該技術の水準を考慮に入れて及び標準的なテキスト、例えばGreene,T.W.et al.,Protective Groups in Organic Synthesis,Wiley,New York(1991)を参照して本出願明細書から分かるであろう。適当な保護基の例は、本明細書全体にわたって含まれる。
【0038】
適当なヒドロキシル保護基及びアミノ保護基は、トリメチルシリル、トリエチルシリル、o−ニトロベンジルオキシカルボニル、p−ニトロベンジルオキシカルボニル、t−ブチルジフェニルシリル、t−ブチルジメチルシリル、ベンジルオキシカルボニル、t−ブチルオキシカルボニル、2,2,2−トリクロロエチルオキシカルボニル、アリルオキシカルボニルなどである。適当なカルボキシル保護基の例は、ベンズヒドリル、o−ニトロベンジル、p−ニトロベンジル、2−ナフチルメチル、アリル、2−クロロアリル、ベンジル、2,2,2−トリクロロエチル、トリメチルシリル、t−ブチルジメチルシリル、t−ブチルジフェニルシリル、2−(トリメチルシリル)エチル、フェナシル、p−メトキシベンジル、アセトニル、p−メトキシフェニル、4−ピリジルメチル、t−ブチルなどである。
【0039】
本発明のシクロプロピル含有オキサゾリジノン化合物は、それ自体で及びその医薬的に許容し得る塩及びエステルの形で動物及びヒト患者において細菌感染症の治療に有用である。“医薬的に許容し得るエステル、塩又は水和物”という用語は、医薬化学者には明らかである本発明の化合物の塩、エステル及び水和物の形、すなわち実質的に毒性がなく、
前記化合物の薬物動態特性、例えば嗜好性、吸収、分布、代謝及び排出に都合のよい影響を及ぼし得る塩、エステル及び水和物の形を示す。事実上、より実用的で、選択に重要である他の因子は、原料のコスト、得られるバルク製剤の結晶化の容易さ、収量、安定性、溶解性、吸湿性及び流動性である。都合のよいことには、医薬組成物は、有効成分から製薬学的に許容し得る担体と組み合わせて精製し得る。従って、本発明はまた、有効成分として新規シクロプロピル含有オキサゾリジノン化合物を利用して細菌感染症を治療する医薬組成物及び方法に関する。
【0040】
前述の医薬的に許容し得る塩としては、酸付加塩も挙げられる。従って、式Iの化合物が塩基性である場合には、塩は製薬学的に許容し得る毒性のない酸、例えば無機酸又は有機酸から精製し得る。このような酸塩の中には、次の酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、重硫酸塩、酪酸塩、クエン酸塩、ショウノウ酸塩、ショウノウスルホン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、フマル酸塩、グルコヘプタン酸塩、グリセロリン酸、ヘミスルホン酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩、イセチオン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、マンデル酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、メタンスルホン酸塩、粘液酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、シュウ酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、ピクリン酸塩、ピバリン酸塩、プロピオン酸塩、リン酸塩、パントテン酸塩、パモ酸塩、硫酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、トシル酸塩及びウンデカン酸塩が挙げられる。
【0041】
本発明の化合物が酸性である場合には、適当な“医薬的に許容し得る塩”とは、医薬的に許容し得る毒性のない塩基、例えば無機塩基又は有機塩基から精製される塩を示す。無機塩基から誘導される塩としては、アルミニウム塩、アンモニウム塩、カルシウム塩、銅塩、第二鉄塩、第一鉄塩、リチウム塩、マグネシウム塩、第二マンガン塩、第一マンガン塩、カリウム塩、ナトリウム塩、亜鉛塩などが挙げられる。アンモニウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、カリウム塩及びナトリウム塩が、特に好ましい。医薬的に許容し得る毒性のない無機塩基から誘導される塩としては、一級アミン、二級アミン及び三級アミン、置換アミン、例えば天然産置換アミン、環状アミン並びに塩基性イオン交換樹脂、例えばアルギニン、ベタイン、カフェイン、コリン、N,N−ジベンジルエチレンジアミン、ジエチルアミン、2−ジエチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノエタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N−エチルモルホリン、N−エチルピペリジン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、ヒドラバミン、イソプロピルアミン、リシン、メチルグルカミン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂、プロカイン、プリン類、テオブロミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トロメタミンなどの塩が挙げられる。
【0042】
医薬的に許容し得るエステルは、製薬化学者には容易に分かるようなものであり、生理学的条件下で加水分解されるエステル類、例えば、“生体不安定性エステル”、ピバロイルオキシメチルエステル、アセトキシメチルエステル、フタリジニエステル、インダニルエステル及びメトキシメチルエステルなどが挙げられる。
【0043】
生体不安定性エステルは、生物学的に加水分解でき、胃又は腸の粘膜による良好な吸収、耐胃酸分解性及びその他の因子により経口投与に適したものであり得る。生物不安定エステルの例としては、化合物が挙げられる。
【0044】
本発明の実施形態は、R及びRが独立してH、NR、CN、OH、C(R)OR14、NHC(=X)N(R13、C(=NOH)N(R13、NR10C(=X)R13又はCRを表し且つその他の変数が本明細書に記載の通
りである場合に実現される。
【0045】
本発明の別の実施形態は、
【0046】
【化7】

【0047】
がフェニル、ピリジン、ピリミジン又はピペリジンであり且つその他の変数が本明細書に記載の通りである場合に実現される。
【0048】
本発明の別の実施形態は、R及びRの一方がHであり、他方がNRであり且つその他の変数が本明細書に記載の通りである場合に実現される。
【0049】
本発明の別の実施形態は、R及びRの一方がHであり、他方がCNであり且つその他の変数が本明細書に記載の通りである場合に実現される。
【0050】
本発明の別の実施形態は、R及びRの一方がHであり、他方がNR10C(=X)R13であり且つその他の変数が本明細書に記載の通りである場合に実現される。
【0051】
本発明の別の下位実施形態は、AがNであり、−−− が存在せず、Z=(O)(式中、n=1である)であり且つその他の変数が本明細書に記載の通りである場合に実現される。
【0052】
本発明の別の下位実施形態は、AがCであり、−−− が存在し、Z=(O)(式中、n=0である)であり且つその他の変数が本明細書に記載の通りである場合に実現される。
【0053】
本発明の別の下位実施形態は、AがC原子であり、−−− が存在せず、Z=H、OH又はハロゲンであり且つその他の変数が本明細書に記載の通りである場合に実現される。
【0054】
本発明の別の実施形態は、Rが場合により1〜3個の置換基Rで置換されていてもよい1,2,3−トリアゾリル−1−イルであり且つその他の変数が本明細書に記載の通りである場合に実現される。
【0055】
本発明のさらに別の実施形態は、R及びRが、独立してH、場合によりハロゲン、CN、OH、C1−6アルコキシ、アミノ、ヒドロキシアミノ、アルコキシアミノ、C1−6アシルオキシ、C1−6アルキルスルフェニル、C1−6アルキルスルフィニル、C1−6アルキルスルホニル、アミノスルホニル、C1−6アルキルアミノスルホニル、C1−6ジアルキルアミノスルホニル、4−モルホリニルスルホニル、フェニル、ピリジン、5−イソオキサゾリル、エチレニルオキシ又はエチニルの1〜3個の基で置換されていてもよいC1−6アルキル(但し、前記のフェニル及びピリジンは、場合により1〜3個のハロゲン、CN、OH、CF、C1−6アルキル又はC1−6アルコキシで置換されていてもよい);場合によりハロゲン、OH、SH、C1−6アルコキシ、ナフタレンオキシ、フェノキシ、アミノ、C1−6アシルアミノ、ヒドロキシルアミノ、アルコキシルアミノ、C1−6アシルオキシ、フェニル、ピリジン、C1−6アルキルカルボニル、C1−6アルキルアミノ、C1−6ジアルキルアミノ、C1−6ヒドロキシアシルオキシ、C1−6アルキルスルフェニル、フタルイミド、マレイミド、スクシンイミドの1〜3個
の基で置換されていてもよいC1−6アシル(但し、前記のフェノキシ、フェニル及びピリジンは、場合によりハロ、OH、CN、C1−6アルコキシ、アミノ、C1−6アシルアミノ、CF又はC1−6アルキルの1〜3個の基で置換されていてもよい);あるいは場合によりハロゲン、OH、C1−6アルコキシ、C1−6アルキル、CF、C1−6アルカノイル、アミノ又はC1−6アシルアミノの1〜3個の基で置換されていてもよいベンゾイルであり;且つその他の変数が本明細書に記載の通りである場合に実現される。
【0056】
本発明のさらに別の実施形態は、XがOであり且つその他の変数が本明細書に記載の通りである場合に実現される。
【0057】
本発明の好ましい化合物は、
1−[5(R)−3−[4−[(1α,5α,6α)−6−アミノ−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−イル]−3−フルオロフェニル]−2−オキソオキサゾリジン−5−イルメチル]−1,2,3−トリアゾール、
1−[5(R)−3−[4−[(1α,5α,6α)−6−アミノ−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−イル]−3,5−ジフルオロフェニル]−2−オキソオキサゾリジン−5−イルメチル]−1,2,3−トリアゾール、
1−[5(R)−3−[4−[(1α,5α,6α)−6−[(t−ブチルジフェニルシリル)オキシ]メチルビシクロ[3.1.0]ヘキサ−2−エン−3−イル]フェニル]−2−オキソオキサゾリジン−5−イルメチル]−1,2,3−トリアゾール、
1−[5(R)−3−[4−[(1α,5α,6α)−6−[(t−ブチルジフェニルシリル)オキシ]メチルビシクロ[3.1.0]ヘキサ−2−エン−3−イル]−3−フルオロフェニル]−2−オキソオキサゾリジン−5−イルメチル]−1,2,3−トリアゾール、
1−[5(R)−3−[4−[(1α,5α,6α)−6−ヒドロキシオキシメチルビシクロ[3.1.0]ヘキサ−2−エン−3−イル]フェニル]−2−オキソオキサゾリジン−5−イルメチル]−1,2,3−トリアゾール、
1−[5(R)−3−[3−フルオロ−4−[(1α,5α,6α)−6−ヒドロキシオキシメチルビシクロ[3.1.0]ヘキサ−2−エン−3−イル]フェニル]−2−オキソオキサゾリジン−5−イルメチル]−1,2,3−トリアゾール、
1−[5(R)−3−[4−[(1α,5α,6α)−6−シアノビシクロ[3.1.0]ヘキサ−2−エン−3−イル]フェニル]−2−オキソオキサゾリジン−5−イルメチル]−1,2,3−トリアゾール、
1−[5(R)−3−[4−[(1α,5α,6α)−6−シアノビシクロ[3.1.0]ヘキサ−2−エン−3−イル]−3−フルオロフェニル]−2−オキソオキサゾリジン−5−イルメチル]−1,2,3−トリアゾール、
あるいはその鏡像異性体、ジアステレオマー、又は医薬的に許容し得る塩、水和物もしくはプロドラッグである。
【0058】
本発明の製剤の投与に適した対象としては、哺乳動物、霊長類、ヒト及びその他の動物が挙げられる。インビトロ抗菌活性は、組成物を、感受性細菌に感染した哺乳動物に投与した場合の生体内活性を予測する。
【0059】
標準的な感受性試験を使用して、本発明の組成物は、MRSA及び腸球菌感染症に対して活性であると決定される。
【0060】
本発明の化合物は、前記化合物を医薬的に許容し得る担体と組み合わせることによって医薬組成物に製剤される。このような担体の例を、以下に挙げる。
【0061】
前記化合物は、粉末又は結晶の形で、溶液で、又は懸濁液で使用し得る。これらは、種々の手段で投与し得る;主な重要な手段としては、局所投与、経口投与及び注射による非経口(静脈内又は筋肉内)投与が挙げられる。
【0062】
注射、すなわち送達の好ましい経路用の組成物は、アンプル又はマルチドース容器の単位剤形で調製し得る。注射可能な組成物は、懸濁液、溶液、あるいは油性又は水性ビヒクル中のエマルジョンとしてこのような形態を取り得るし、また種々の配合剤を含有し得る。また、有効成分は、送達時に適当なビヒクル、例えば滅菌水を用いて再構成するための粉末(凍結乾燥又は非凍結乾燥)の形態であり得る。注射可能な組成物において、担体は、典型的には滅菌水、食塩水又は別の注射可能液、例えば筋肉内注射剤用の落花生油からなる。また、種々の緩衝剤、防腐剤などを含有することができる。
【0063】
局所使用は、軟膏、クリーム、ローションを形成するために疎水性又は親水性基剤などの担体に配合し得、ペイントを形成するために水性、油性又はアルコール性溶液に配合し得、又は粉末を形成するために乾燥希釈剤に配合し得る。
【0064】
経口組成物は、錠剤、カプセル剤、経口懸濁剤及び経口液剤のような形態を取り得る。経口組成物は、慣用の配合剤などの担体を利用し得、徐放性特性及び迅速送達体を含有し得る。
【0065】
投与すべき量は、治療される患者の状態及び大きさ、投与の経路及び頻度、選択される具体的化合物に対する病原体の感受性、感染の毒性及びその他の因子に大きく依存する。
【0066】
しかし、このような事項は、抗菌技術で周知の治療の原則に従って医師の通常の裁量に委ねられる。感染症の性質及び治療される個体の固有の独自性の他に、正確な投与計画に影響を及ぼす別の因子は、化合物の分子量である。
【0067】
単位投与量当たりのヒトに送達させるための発明の新規抗生物質組成物は、液体であろうと又は固体であろうと、本明細書に記載のシクロプロピル含有オキサゾリジノン化合物を約0.01%から約99%の高さまで含有し、好ましい範囲は、約10〜60%であり及び1つ以上の他の抗生物質、例えば本明細書に記載の抗生物質については約1%〜99.99%、好ましくは約40%〜約90%である。前記組成物は、一般に本明細書に記載のシクロプロピル含有オキサゾリジノン化合物を約125mg〜約3.0g含有する;しかし、一般的に、250mg〜1000mgの範囲の用量と本明細書に記載の抗生物質約200mg〜約5g;好ましくは約250mg〜約1000mgの範囲の用量を用いることが好ましい。非経口投与においては、単位製剤は、典型的には純粋な化合物を滅菌水溶液で又は溶液を目的とした可溶性粉末の形で含有する(これは、中性pH又は等張圧に調節できる)。
【0068】
本明細書に記載の発明はまた、細菌感染症の治療を必要とする哺乳動物において細菌感染症を治療する方法であって、前記哺乳動物に本願組成物を前記感染を治療するのに有効な量で投与することからなる哺乳動物において細菌感染症を治療する方法を包含する。
【0069】
オキサゾリジノン類は、時折、鉄芽球性貧血、末梢感覚神経障害、視神経症、発作、血小板減少症、口角症、脂漏性皮膚炎、低再生性貧血、巨赤芽球性貧血又は正球性貧血のような副作用を引き起こすことが知られている。本発明の化合物は、患者においてオキサゾリジノン関連副作用の出現を防止又は軽減するために1つ以上のビタミンと組み合わせてもよい。組み合わせることができるビタミンは、ビタミン B2、ビタミン B6、ビタミンB12及び葉酸である。ビタミン類は別の組成物としてオキサゾリジノンと共に投与してもよいし、又はビタミン類とオキサゾリジノンを同じ組成物中に存在させてもよい。
【0070】
本発明の別の態様は、オキサゾリジノン関連副作用の治療又は予防を必要とする患者に、有効量の構造式Iの化合物と、有効量のビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12及び葉酸の一つ又はそれ以上とを投与することによってオキサゾリジノン関連副作用を治療又は予防する方法である。
【0071】
本発明のさらに別の態様は、オキサゾリジノンが関連した正球性貧血又は末梢感覚神経障害の治療又は予防を必要とする患者に有効量のビタミン12を投与することによってオキサゾリジノンに関連した正球性貧血又は末梢感覚神経障害を治療又は予防する方法に関する。
【0072】
本発明のさらに別の態様は、オキサゾリジノンが関連した正球性貧血、末梢感覚神経障害、視神経症、発作、血小板減少症、口角症及び脂漏性皮膚炎の治療又は予防を必要とする患者に有効量のビタミンB6を投与することによってオキサゾリジノンが関連した正球性貧血、末梢感覚神経障害、視神経症、発作、血小板減少症、口角症及び脂漏性皮膚炎を治療又は予防する方法に関する。
【0073】
本発明のさらに別の態様は、オキサゾリジノンが関連した低再生性貧血、巨赤芽球性貧血の治療又は予防を必要とする患者に有効量のビタミンB12を投与することによってオキサゾリジノンが関連した低再生性貧血、巨赤芽球性貧血を治療又は予防する方法に関する。
【0074】
さらに本発明の別の態様は、細菌感染症の治療又は予防を必要とする患者に有効量の構造式Iの化合物と、有効量のビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12及び葉酸からなる群の中から選択される一つ又はそれ以上とを投与することによって細菌感染症を治療又は予防する方法に関する。
【0075】
本願組成物の好ましい投与方法としては、経口法及び非経口法、例えば単位投薬が治療有効量のそれぞれの有効成分又はその幾つかの混合物を含有するように処方されたi.v輸液、i.v.ボーラス及びi.m.注射が挙げられる。
【0076】
成人については、ヒト当たりシクロプロピル含有抗菌性化合物を約5〜50mg/kg体重、好ましくは約250mg〜約1000mg及びヒト当たり他の抗生物質(1種又は複数)を約250mg〜約1000mgを毎日1〜4回提供することが好ましい。さらに詳しくは、軽い感染症については、シクロプロピル含有オキサゾリジノン抗菌性化合物約250mgを毎日2回又は3回及び他の抗生物質約250mgを毎日2回又は3回の用量が推奨される。中程度の感染症については、高感受性のグラム陽性菌に対して、シクロプロピル含有オキサゾリジノン抗菌性化合物及び他の抗生物質のそれぞれを約500mgの用量を毎日3〜4回が推奨される。重度の生命に関わる感染症については、生物に対して抗生物質に対する感受性の上限で、シクロプロピル含有オキサゾリジノン化合物及び他の抗生物質のそれぞれ約500〜2000mgの用量、毎日3〜4回が推奨される。
【0077】
子供については、1日当たり2回、3回又は4回で与えられる約5〜25mg/kg体重の用量が好ましい;典型的には10mg/kgの用量が推奨される。
【0078】
本発明を以下の限定されない実施例に関連してさらに説明する。
【実施例1】
【0079】
【化8】

【0080】
1−[5(R)−3−[4−[(1a,5a,6a)−6−アミノ−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−イル]−3−フルオロフェニル]−2−オキソオキサゾリジン−5−イルメチル]−1,2,3−トリアゾール
工程1
1−[5(R)−3−[4−[(1α,5α,6α)−6−(N−t−ブトキシカルボニル)アミノ−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−イル]−3−フルオロフェニル]−2−オキソオキサゾリジン−5−イルメチル]−1,2,3−トリアゾール
1−[5(R)−アジドメチル−3−[4−[(1α,5α,6α)−6−(N−t−ブトキシカルボニル)アミノ−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−イル]−3−フルオロフェニル]オキサゾリジン−2−オン(370mg)と、2,5−ノルボルナジエン(891mg)との混合物を、ジオキサン(6.5mL)中で70℃で6時間加熱し、次いで真空中で濃縮した。残留物をジエチレングリコールジメチルエーテル(1.5mL)に懸濁した懸濁物を、140℃で10分間加熱し、次いで真空中で濃縮した。得られた残留物のフラッシュクロマトグラフィー(シリカ、ジクロロメタン:メタノール=20:1)により、1−[5(R)−3−[4−[[1α,5α,6α)−6−(N−t−ブトキシカルボニル)アミノ−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−イル]−3−フルオロフェニル]−2−オキソオキサゾリジン−5−イルメチル]−1,2,3−トリアゾール(261mg)を得た。
MS(EI)m/z:458(M
HRMS(EI)C2227FNとして(M):計算値 458.2078;実測値458.2072
工程2
1−[5(R)−3−[4−[(1α,5α,6α)−6−アミノ−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−イル]−3−フルオロフェニル]−2−オキソオキサゾリジン−5−イルメチル]−1,2,3−トリアゾール.
1−[5(R)−3−[4−[(1α,5α,6α)−6−(N−t−ブトキシカルボニル)アミノ−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−イル]−3−フルオロフェニル]−2−オキソオキサゾリジン−5−イルメチル]−1,2,3−トリアゾール(291mg)をメタノール(12mL)に溶解した溶液を、12N塩酸のメタノール溶液(0.79mL)に加え、混合物を室温で10.5時間攪拌し、次いで真空中で濃縮した。得られた混合物をジクロロメタンで希釈し、1N塩酸溶液で抽出した。水性抽出液を、炭酸水素ナトリウム及び炭酸ナトリウムを加えることによってアルカリ性にした。得られた混合物をジクロロメタンで抽出した。有機抽出液を、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、次いで真空中で濃縮した。残留物のフラッシュクロマトグラフィー(NHシリカ、ジクロロメタン:メタノール=20:1)により、1−[5(R)−3−[4−[(1α,5α,6α)−6−アミノ−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−イル]−3−フルオロフェニル]−2−オキソオキサゾリジン−5−イルメチル]−1,2,3−トリアゾール(224mg)を得た。
MS(FAB)m/z:359(MH
HRMS(FAB)C1720FN(MH)として:計算値359.1632;実測値359.1646.
【実施例2】
【0081】
【化9】

【0082】
1−[5(R)−3−[4−[(1α,5α,6α)−6−アミノ−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−イル]−3,5−ジフルオロフェニル]−2−オキソオキサゾリジン−5−イルメチル]−1,2,3−トリアゾール
工程1
1−[5(R)−3−[4−[(1α,5α,6α)−6−(N−t−ブトキシカルボニル)アミノ−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−イル]−3,5−ジフルオロフェニル]−2−オキソオキサゾリジン−5−イルメチル]−1,2,3−トリアゾール
表題化合物1−[5(R)−3−[4−[(1α,5α,6α)−6−(N−t−ブトキシカルボニル)アミノ−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−イル]−3,5−ジフルオロフェニル]−2−オキソオキサゾリジン−5−イルメチル]−1,2,3−トリアゾール(399mg)を、5(R)−アジドメチル−3−[4−[(1α,5α,6α)−6−(N−t−ブトキシカルボニル)アミノ−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−イル]−3,5−ジフルオロフェニル]オキサゾリジン−2−オン(450mg)と2,5−ノルボルナジエン(1.04g)とから、実施例1に記載の方法と同じ方法で精製した。
MS(EI)m/z:476(M
MS(EI)C2226(M):計算値476.1984;実測値 476.2008
工程2
1−[5(R)−3−[4−[(1α,5α,6α)−6−アミノ−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−イル]−3,5−ジフルオロフェニル]−2−オキソオキサゾリジン−5−イルメチル]−1,2,3−トリアゾール
表題化合物1−[5(R)−3−[4−[(1α,5α,6α)−6−アミノ−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−イル]−3,5−ジフルオロフェニル]−2−オキソオキサゾリジン−5−イルメチル]−1,2,3−トリアゾール(251mg)を、1−[5(R)−3−[4−[(1α,5α,6α)−6−(N−t−ブトキシカルボニル)アミノ−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−イル]−3,5−ジフルオロフェニル]−2−オキソオキサゾリジン−5−イルメチル]−1,2,3−トリアゾール(339mg)から、実施例1に記載の方法と同じ方法で精製した。
MS(FAB)m/z:377(MH
HRMS(FAB)C1719(MH)として:計算値377.1538;実測値377.1526
【実施例3】
【0083】
1−[5(R)−3−[4−[(1α,5α,6α)−6−[(t−ブチルジフェニルシリル)オキシ]メチルビシクロ[3.1.0]ヘキサ−2−エン−3−イル]フェニル]−2−オキソオキサゾリジン−5−イルメチル]−1,2,3−トリアゾール
1−[5(R)−3−(4−ヨードフェニル)−2−オキソオキサゾリジン−5−イルメチル]−1,2,3−トリアゾール(1.56g)、(1α,5α,6α)−6−[(t−ブチルジフェニルシリル)オキシ]メチル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロリル)ビシクロ[3.1.0]ヘキサ−2−エン(1.90g)及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(477mg)をジオキサン(100mL)に懸濁した懸濁液を、1Mリン酸三カリウム溶液(20mL)に加え、混合物を80℃で2時間攪拌した。得られた混合物を水及び酢酸エチルで希釈した後に、不溶性物質を濾過し、濾液を酢酸エチルで抽出した。有機抽出液を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、次いで真空中で濃縮した。残留物のフラッシュクロマトグラフィー(シリカ、ヘキサン:酢酸エチル=1:10)により、1−[5(R)−3−[4−[(1α,5α,6α)−6−[(t−ブチルジフェニルシリル)オキシ]メチルビシクロ[3.1.0]ヘキサ−2−エン−3−イル]フェニル]−2−オキソオキサゾリジン−5−イルメチル]−1,2,3−トリアゾール(1.85g)を得た。
MS(FAB)m/z:591(MH
HRMS(FAB)C3539Siとして(MH):計算値591.2791;実測値591.2770
【実施例4】
【0084】
1−[5(R)−3−[4−[(1α,5α,6α)−6−[(t−ブチルジフェニルシリル)オキシ]メチルビシクロ[3.1.0]ヘキサ−2−エン−3−イル]−3−フルオロフェニル]−2−オキソオキサゾリジン−5−イルメチル]−1,2,3−トリアゾール
表題化合物1−[5(R)−3−[4−[(1α,5α,6α)−6−[(t−ブチルジフェニルシリル)オキシ]メチルビシクロ[3.1.0]ヘキサ−2−エン−3−イル]−3−フルオロフェニル]−2−オキソオキサゾリジン−5−イルメチル]−1,2,3−トリアゾール(2.32g)を、1−[5(R)−3−(3−フルオロ−4−ヨードフェニル)−2−オキソオキサゾリジン−5−イルメチル]−1,2,3−トリアゾール(1.63g)と、(1α,5α,6α)−6−[(t−ブチルジフェニルシリル)オキシ]メチル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロリル)ビシクロ[3.1.0]ヘキサ−2−エン(1.90g)とから、実施例3に記載の方法と同じ方法で精製した。
MS(FAB)m/z:609(MH
HRMS(FAB)C3538FNSiとして(MH):計算値609.2697;実測値609.2689
【実施例5】
【0085】
1−[5(R)−3−[4−[(1α,5α,6α)−6−ヒドロキシオキシメチルビシクロ[3.1.0]ヘキサ−2−エン−3−イル]フェニル]−2−オキソオキサゾリジン−5−イルメチル]−1,2,3−トリアゾール
1−[5(R)−3−[4−[(1α,5α,6α)−6−[(t−ブチルジフェニルシリル)オキシ]メチルビシクロ[3.1.0]ヘキサ−2−エン−3−イル]フェニル]−2−オキソオキサゾリジン−5−イルメチル]1,2,3−トリアゾール(1.85g)をテトラヒドロフラン(6.3mL)に溶解した溶液に、テトラブチルアンモニウムフルオリドのテトラヒドロフラン溶液(1M、6.3mL)を0℃で加え、混合物を室温で一夜攪拌した。残留物のフラッシュクロマトグラフィー(シリカ、酢酸エチル:メタノ
ール=10:1)により1−[5(R)−3−[4−[(1α,5α,6α)−6−ヒドロキシオキシメチルビシクロ[3.1.0]ヘキサ−2−エン−3−イル]フェニル]−2−オキソオキサゾリジン−5−イルメチル]−1,2,3−トリアゾール(914mg)を得た。
MS(EI)m/z:352(M
HRMS(EI)C1920として(M):計算値 352.1535;実測値352.1573
【実施例6】
【0086】
1−[5(R)−3−[3−フルオロ−4−[(1α,5α,6α)−6−ヒドロキシオキシメチルビシクロ[3.1.0]ヘキサ−2−エン−3−イル]フェニル]−2−オキソオキサゾリジン−5−イルメチル]−1,2,3−トリアゾール
表題化合物1−[5(R)−3−[3−フルオロ−4−[(1α,5α,6α)−6−ヒドロキシオキシメチルビシクロ[3.1.0]ヘキサ−2−エン−3−イル]フェニル]−2−オキソオキサゾリジン−5−イルメチル]−1,2,3−トリアゾール(997mg)を、1−[5(R)−3−[4−[(1α,5α,6α)−6−[(t−ブチルジフェニルシリル)オキシ]メチルビシクロ[3.1.0]ヘキサ−2−エン−3−イル]−3−フルオロフェニル]−2−オキソオキサゾリジン−5−イルメチル]−1,2,3−トリアゾール(2.32g)から、実施例5記載の方法と同じ方法で精製した。
MS(EI)m/z:370(M
HRMS(EI)C1919FNとして(M):計算値 370.1441;実測値 370.1443.
【実施例7】
【0087】
1−[5(R)−3−[4−[(1α,5α,6α)−6−シアノビシクロ[3.1.0]ヘキサ−2−エン−3−イル]フェニル]−2−オキソオキサゾリジン−5−イルメチル]−1,2,3−トリアゾール
1−[5(R)−3−[4−[(1α,5α,6α)−6−ヒドロキシメチルビシクロ[3.1.0]ヘキサ−2−エン−3−イル]フェニル]−2−オキソオキサゾリジン−5−イルメチル]−1,2,3−トリアゾール(599mg)、N−メチルモルホリン N−オキシド(308mg)及びモレキュラーシ−ブ4A(粉末状、850mg)をジクロロメタン(34mL)及びアセトニトリル(3.4mL)に懸濁した懸濁物に、過ルテニウム酸テトラプロピルアンモニウム(67.7mg)を室温で加え、得られた混合物を6時間攪拌した。不溶性物質を濾過し、濾液を真空中で濃縮して、1−[5(R)−3−[3−フルオロ−4−[(1α,5α,6α)−6−ホルミルビシクロ[3.1.0]ヘキサ−2−エン−3−イル]フェニル]−2−オキソオキサゾリジン−5−イルメチル]−1,2,3−トリアゾールを得た。これはさらに精製せずに次の工程で使用した。残留物をメタノール(17mL)に懸濁した懸濁物に、N,N−ジメチルヒドラジン(1.5mL)を室温で加え、混合物を40℃で6時間攪拌し、次いで真空中で濃縮した。得られた残留物をメタノール(17mL)に懸濁した懸濁物に、ペルオキシフタル酸マグネシウム6水和物(2.10g)を0℃で加え、混合物を上記の温度と同じ温度で20分間攪拌した。混合物を水で希釈した後に、生成した沈殿物を濾過することにより回収して、1−[5(R)−3−[4−[(1α,5α,6α)−6−シアノビシクロ[3.1.0]ヘキサ−2−エン−3−イル]フェニル]−2−オキソオキサゾリジン−5−イルメチル]−1,2,3−トリアゾール(334mg)を得た。
MS(FAB)m/z:348(M
HRMS(FAB)C1918として(MH):計算値348.1460;実測値348.1480
【実施例8】
【0088】
1−[5(R)−3−[4−[(1α,5α,6α)−6−シアノビシクロ[3.1.0]ヘキサ−2−エン−3−イル]−3−フルオロフェニル]−2−オキソオキサゾリジン−5−イルメチル]−1,2,3−トリアゾール
表題化合物1−[5(R)−3−[4−[(1α,5α,6α)−6−シアノビシクロ[3.1.0]ヘキサ−2−エン−3−イル]−3−フルオロフェニル]−2−オキソオキサゾリジン−5−イルメチル]−1,2,3−トリアゾール(230mg)を、1−[5(R)−3−[3−フルオロ−4−[(1α,5α,6α)−6−ヒドロキシメチルビシクロ[3.1.0]ヘキサ−2−エン−3−イル]フェニル]−2−オキソオキサゾリジン−5−イルメチル]−1,2,3−トリアゾール(630mg)から、実施例7に記載の方法と同じ方法で精製した。
MS(FAB)m/z:366(MH
HRMS(FAB)C1917FNとして(MH+):計算値 366.1366;実測値 366.1330
〈参考例1〉
5(R)−3−[4−[(1α,5α,6α)−6−(N−ベンジル−N−t−ブトキシカルボニル)アミノ−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−イル]−3−フルオロフェニル]−5−ヒドロキシメチルオキサゾリジン−2−オン
工程1
4−[(1α,5α,6α)−6−(N−t−ブトキシカルボニル)アミノ−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−イル]−3−フルオロニトロベンゼン
(1α,5α,6α)−6−(N−t−ブトキシカルボニル)アミノ−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン(2.97g)とエチルジイソプロピルアミン(2.87mL)とをアセトニトリル(17mL)に懸濁した懸濁液に、3,4−ジフルオロニトロベンゼン(1.66mL)を加え、混合物を50℃で4.5時間攪拌した。冷却した後に、生成した沈殿物を濾過することによって回収し、次いで真空中で乾燥して、4−[(1α,5α,6α)−6−(N−t−ブトキシカルボニル)アミノ−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−イル]−3−フルオロニトロベンゼン(2.81g)を得た。前記濾液を真空中で濃縮し、残留物を酢酸エチルに溶解し、1N塩酸、水、炭酸水素ナトリウム水溶液及び食塩水で連続的に洗浄した。有機抽出液を、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、次いで真空中で濃縮した。残留物をヘキサンと酢酸エチルで処理し、生成した沈殿物を濾過することによって回収し、次いで真空中で乾燥して、さらに生成物(1.38g)を得た。得られた濾液は真空中で濃縮した。残留物のフラッシュクロマトグラフィー(シリカ、ヘキサン:酢酸エチル=10:7)により、さらに生成物(228mg)を得た。
H NMR(CDCl)δ1.46(s,9H),1.90(s,2H),2.41(s,1H),3.63(d,J=9.5Hz,2H),3.92(d,J=9.5Hz,2H),6.52(t,J=9.0Hz,1H),7.85(dd,J=14.2, 2.4Hz,1H),7.91(dd,J=9.0, 2.4Hz,1H)
MS(FAB)m/z:338(MH
工程2
4−[(1α,5α,6α)−6−(N−ベンジル−N−t−ブトキシカルボニル)アミノ−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−イエル]−3−フルオロニトロベンゼン
4−[(1α,5α,6α)−6−(N−t−ブトキシカルボニル)アミノ−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−イル]−3−フルオロニトロベンゼンをN,N−ジメチルホルムアミド(89mL)に溶解した溶液に、水素化ナトリウム(689mg)を加え、混合物を室温で20分間攪拌し、次いで40℃で5分間攪拌した。得られた溶液に、塩化ベンジル(1.75mL)とテトラブチルアンモニウムブロミド(42.7mg)とを加え、混合物を50℃で1時間攪拌し、次いで真空中で濃縮した。残留物を酢酸エチルに溶解し、水及び食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、次いで真空中で濃縮した。得られた残留物のフラッシュクロマトグラフィー(シリカ、ヘキサン:酢酸エチ
ル=5:2)により、4−[(1α,5α,6α)−6−(N−ベンジル−N−t−ブトキシカルボニル)アミノ−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−イル]−3−フルオロニトロベンゼン(5.19g)を得た。
H NMR(CDCl)δ1.49(s,9H),2.01(s,2H),2.27(s,1H),3.62(d,J=9.3Hz,2H),3.80−3.90(m,2H),4.46(s,2H),6.46(t,J=9.0Hz,1H),7.20−7.40(m,5H),7.83(dd,J=14.4,2.7Hz,1H),7.89(dd,J=9.0,2.7Hz,1H)
MS(FAB)m/z:428(MH
工程3
4−[(1α,5α,6α)−6−(N−ベンジル−N−t−ブトキシカルボニル)アミノ−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−イル]−1−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−フルオロベンゼン
4−[(1α,5α,6α)−6−(N−ベンジル−N−t−ブトキシカルボニル)アミノ−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−イル]−3−フルオロニトロベンゼン(5.19g)及びパラジウム触媒(活性炭上に10%担持、519mg)を酢酸エチル(52mL)に懸濁した懸濁液を、1気圧で室温で2時間水素添加した。触媒を濾過した後に、濾液を真空中で濃縮して、1−アミノ−4−[(1α,5α,6α)−6−(N−ベンジル−N−t−ブトキシカルボニル)アミノ−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−イル]−3−フルオロベンゼンを得た。これを、さらに精製することなく、次の工程で使用した。このようにして得られた粗1−アミノ−4−[(1α,5α,6α)−6−(N−ベンジル−N−t−ブトキシカルボニル)アミノ−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−イル]−3−フルオロベンゼンをアセトン(48mL)に溶解した溶液に、0℃で炭酸水素ナトリウム(1.12g)、水(11mL)及びクロロギ酸ベンジル(2.01mL)を連続的に加え、この混合物を0℃で15分間攪拌した。得られた混合物を酢酸エチルで希釈し、食塩水で洗浄した。有機抽出液を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、次いで真空中で濃縮した。残留物のフラッシュクロマトグラフィー(シリカ、ヘキサン:酢酸エチル=5:2)により、4−[(1α,5α,6α)−6−(N−ベンジル−N−t−ブトキシカルボニル)アミノ−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−イル]−1−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−フルオロベンゼン(6.73g)を得た。
H NMR(CDCl)δ1.49(s,9H),1.80−1.90(m,2H),2.40−2.60(m,1H),3.24(d,J=8.5Hz,2H),3.50−3.80(m,2H),4.45(s,2H),5.17(s,2H),6.40−6.60(m,1H),6.80−6.90(m,1H),7.10−7.50(m,11H)
MS(EI)m/z:531(M
工程4
5(R)−3−[4−[(1a,5a,6a)−6−(N−ベンジル−N−t−ブトキシカルボニル)アミノ−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−イル]−3−フルオロフェニル]−5−ヒドロキシメチルオキサゾリジン−2−オン
4−[(1α,5α,6α)−6−(N−ベンジル−N−t−ブトキシカルボニル)アミノ−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−イル]−1−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−フルオロベンゼン(6.46g)を乾燥テトラヒドロフラン(65mL)に溶解した溶液に、n−ブチルリチウムのヘキサン溶液(1.6M、8.51mL)を−78℃で加え、混合物を同じ温度で30分間攪拌した。得られた混合物に酪酸(R)−グリシジル(2.11mL)を−78℃で加え、この混合物を室温で4時間放置した。塩化アンモニウム水溶液を加えることによって反応を停止させ、酢酸エチルで希釈した後に、得られた混合物を食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、次いで真空中で濃縮した。残留物のフラッシュクロマトグラフィー(シリカ、ヘキサン:酢酸エチ
ル=1:5)により、5(R)−3−[4−[(1α,5α,6α)−6−(N−ベンジル−N−t−ブトキシカルボニル)アミノ−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−イル]−3−フルオロフェニル]−5−ヒドロキシメチルオキサゾリジン−2−オン(3.95g)を得た。
H NMR(CDCl)δ1.49(s,9H),1.90(s,2H),2.47(s,1H),3.27(d,J=8.8Hz,2H),3.50−4.00(m,4H),3.88(dd,J=8.8,6.8Hz,1H),3.95(t,J=8.8Hz,1H),4.45(s,2H),4.60−4.80(m,1H),6.55(t,J=9.3Hz,1H),7.02(dd,J=8.8,2.4Hz,1H),7.20−7.40(m,6H)
MS(EI)m/z:497(M
〈参考例2〉
5(R)−アジドメチル−3−[4−[(1α,5α,6α)−6−(N−t−ブトキシカルボニル)アミノ−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−イル]−3−フルオロフェニル]オキサゾリジン−2−オン
工程1
5(R)−3−[4−[(1α,5α,6α)−6−(N−t−ブトキシカルボニル)アミノ−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−イル]−3−フルオロフェニル]−5−ヒドロキシメチルオキサゾリジン−2−オン
5(R)−3−[4−[(1α,5α,6α)−6−(N−ベンジル−N−t−ブトキシカルボニル)アミノ−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−イル]−3−フルオロフェニル]−5−ヒドロキシメチルオキサゾリジン−2−オン(4.41g)をジクロロメタン(40mL)及びメタノール(15mL)に溶解した溶液に、4N HClのジオキサン溶液(21mL)を加え、混合物を室温で9.5時間攪拌し、次いで真空中で濃縮した。残留物を水で希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム溶液を加えることによりpH8に調節し、酢酸エチルで抽出した。有機抽出液を食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、次いで真空中で濃縮して、5(R)−3−[4−[(1α,5α,6α)−6−(N−ベンジル)アミノ−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−イル]−3−フルオロフェニル]−5−ヒドロキシメチルオキサゾリジン−2−オンを得た。これを、さらに精製することなく次の工程で使用した。5(R)−3−[4−[(1α,5α,6α)−6−(N−ベンジル)アミノ−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−イル]−3−フルオロフェニル]−5−ヒドロキシメチルオキサゾリジン−2−オンとパラジウム触媒(活性炭上に10%担持、400mg)をジクロロメタン(10mL)及びメタノール(100mL)に懸濁した懸濁液を、1気圧で室温で20時間水素添加した。触媒を濾過した後に、濾液を真空中で濃縮した。残留物をテトラヒドロフラン(5mL)に溶解した溶液に、トリエチルアミン(2.0mL)とジカルボン酸ジ−t−ブチル(1.90g)を加え、混合物を室温で14時間攪拌し、次いで真空中で濃縮した。残留物を酢酸エチルとジクロロメタンで処理して、5(R)−3−[4−[(1α,5α,6α)−6−(N−t−ブトキシカルボニル)アミノ−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−イル]−3−フルオロフェニル]−5−ヒドロキシメチルオキサゾリジン−2−オン(3.05g)を得た。
MS(EI)m/z:407(M
HRMS(EI)C2026FNとして(M):計算値407.1856;実測値407.1834
工程2
5(R)−3−[4−[(1α,5α,6α)−6−(N−t−ブトキシカルボニル)アミノ−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−イル]−3−フルオロフェニル]−5−(3−ニトロベンゼンスルホニル)オキシメチルオキサゾリジン−2−オン
5(R)−3−[4−[(1α,5α,6α)−6−(N−t−ブトキシカルボニル)アミノ−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−イル]−3−フルオロフェニル
]−5−ヒドロキシメチルオキサゾリジン−2−オン(204mg)をテトラヒドロフラン(5mL)に溶解した溶液に、トリエチルアミン(0.13mL)と3−ニトロベンゼンスルホニルクロリド(166mg)を加え、混合物を室温で4時間攪拌した。得られた混合物を食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、次いで真空中で濃縮して、5(R)−3−[4−[(1α,5α,6α)−6−(N−t−ブトキシカルボニル)アミノ−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−イル]−3−フルオロフェニル]−5−(3−ニトロベンゼンスルホニル)オキシメチルオキサゾリジン−2−オン(293mg)を得た。
MS(FAB)m/z:592(MH
HRMS(FAB)C2629FNSとして(MH):計算値592.1639;実測値592.1656
工程3
5(R)−アジドメチル−3−[4−[(1α,5α,6α)−6−(N−t−ブトキシカルボニル)アミノ−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−イル]−3−フルオロフェニル]オキサゾリジン−2−オン
5(R)−3−[4−[(1α,5α,6α)−6−(N−t−ブトキシカルボニル)アミノ−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−イル]−3−フルオロフェニル]−5−(3−ニトロベンゼンスルホニル)オキシメチルオキサゾリジン−2−オン(290mg)とアジ化ナトリウム(112mg)との混合物を、N,N−ジメチルホルムアミド(3mL)中で、室温で1夜攪拌した。得られた混合物をジクロロメタンで希釈し、水洗した。有機抽出液を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、次いで真空中で濃縮して、5(R)−アジドメチル−3−[4−[(1α,5α,6α)−6−(N−t−ブトキシカルボニル)アミノ−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−イル]−3−フルオロフェニル]オキサゾリジン−2−オン(197mg)を得た。
MS(EI)m/z:432(M
HRMS(EI)C2025FNとして(M):計算値432.1921;実測値432.1943
〈参考例3〉
5(R)−3−[4−[(1α,5α,6α)−6−(N−ベンジル−N−t−ブトキシカルボニル)アミノ−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−イル]−3,5−ジフルオロフェニル]−5−ヒドロキシメチルオキサゾリジン−2−オン
工程1
4−[(1α,5α,6α)−6−(N−t−ブトキシカルボニル)アミノ−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−イル]−3,5−ジフルオロニトロベンゼン
表題化合物4−[(1α,5α,6α)−6−(N−t−ブトキシカルボニル)アミノ−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−イル]−3,5−ジフルオロニトロベンゼン(4.59g)を、(1α,5α,6α)−6−(N−t−ブトキシカルボニル)アミノ−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン(3.50g)と3,4,5−トリフルオロニトロベンゼン(3.20g)とから、参考例1に記載の方法と同じ方法で精製した。
MS(EI)m/z:355(M
HRMS(EI)C1619として(M):計算値355.1344;実測値355.1357
工程2
4−[(1α,5α,6α)−6−(N−ベンジル−N−t−ブトキシカルボニル)アミノ−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−イル]−3,5−ジフルオロニトロベンゼン
表題化合物4−[(1α,5α,6α)−6−(N−ベンジル−N−t−ブトキシカルボニル)アミノ−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−イル]−3,5−ジフルオロニトロベンゼン(4.40g)を、4−[(1α,5α,6α)−6−(N−t−
ブトキシカルボニル)アミノ−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−イル]−3,5−ジフルオロニトロベンゼン(4.11g)から、参考例1に記載の方法と同じ方法で精製した。
H NMR(CDCl)δ1.49(s,9H),1.92(s,2H),2.31(s,1H),3.73−3.90(m,4H),4.45(s,2H),7.23−7.68(m,7H)
工程3
4−[(1α,5α,6α)−6−(N−ベンジル−N−t−ブトキシカルボニル)アミノ−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−イル]−1−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3,5−ジフルオロベンゼン
表題化合物4−[(1α,5α,6α)−6−(N−ベンジル−N−t−ブトキシカルボニル)アミノ−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−イル]−1−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3,5−ジフルオロベンゼン(4.72g)を、4−[(1α,5α,6α)−6−(N−ベンジル−N−t−ブトキシカルボニル)アミノ−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−イル]−3,5−ジフルオロニトロベンゼン(4.40g)から、参考例1に記載の方法と同じ方法で精製した。
MS(FAB)m/z:550(MH
HRMS(FAB)C3134として(MH):計算値550.2517;実測値550.2507
工程4
5(R)−3−[4−[(1α,5α,6α)−6−(N−ベンジル)アミノ−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−イル]−3、5−ジフルオロフェニル]−5−ヒドロキシメチルオキサゾリジン−2−オン
表題化合物5(R)−3−[4−[(1α,5α,6α)−6−(N−ベンジル)アミノ−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−イル]−3、5−ジフルオロフェニル]−5−ヒドロキシメチルオキサゾリジン−2−オンを、5(R)−3−[4−[(1α,5α,6α)−6−(N−ベンジル−N−t−ブトキシカルボニル)アミノ−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−イル]−3、5−ジフルオロフェニル]−5−ヒドロキシメチルオキサゾリジン−2−オンから、参考例1に記載の方法と同じ方法で精製した。
HRMS(EI):416(MH
HRMS(FAB)C2224として(MH):計算値416.1786;実測値416.1820
〈参考例4〉
5(R)−3−[4−[(1α,5α,6α)−6−(N−t−ブトキシカルボニル)アミノ−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−yl]−3、5−ジフルオロフェニル]−5−ヒドロキシメチルオキサゾリジン−2−オン
表題化合物5(R)−3−[4−[(1α,5α,6α)−6−(N−t−ブトキシカルボニル)アミノ−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−イル]−3,5−ジフルオロフェニル]−5−ヒドロキシメチルオキサゾリジン−2−オン(2.44g)を、5(R)−3−[4−[(1α,5α,6α)−6−(N−ベンジル)アミノ−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−イル]−3,5−ジフルオロフェニル]−5−ヒドロキシメチルオキサゾリジン−2−オン(3.59g)から、参考例1に記載の方法と同じ方法で精製した。
MS(FAB)m/z:426(MH
HRMS(FAB)C2026として(MH):計算値426.1841;実測値426.1805
〈参考例5〉
5(R)−アジドメチル−3−[4−[(1α,5α,6α)−6−(N−t−ブトキシカルボニル)アミノ−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−イル]−3,5
−ジフルオロフェニル]オキサゾリジン−2−オン
5(R)−3−[4−[(1α,5α,6α)−6−(N−t−ブトキシカルボニル)アミノ−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−イル]−3,5−ジフルオロフェニル]−5−ヒドロキシメチルオキサゾリジン−2−オン(749mg)をテトラヒドロフラン(30mL)に溶解した溶液に、0℃でトリエチルアミン(0.32mL)とメタンスルホニルクロリド(0.18mL)を連続的に加え、混合物を同じ温度で2時間攪拌した。得られた混合物を酢酸エチルで希釈し、水及び食塩水で洗浄した。有機抽出液を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、次いで真空中で濃縮して、5(R)−3−[4−[(1α,5α,6α)−6−(N−t−ブトキシカルボニル)アミノ−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−イル]−3−フルオロフェニル]−5−メタンスルホニルオキシメチルオキサゾリジン−2−オンを得た。これを、さらに精製することなく、次の工程で使用した。このようにして得られた粗5(R)−3−[4−[(1α,5α,6α)−6−(N−t−ブトキシカルボニル)アミノ−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−イル]−3−フルオロフェニル]−5−メタンスルホニルオキシメチルオキサゾリジン−2−オンとアジ化ナトリウム(172mg)との混合物を、N,N−ジメチルホルムアミド(30mL)中で、70℃で5.5時間加熱し、次いで真空中で濃縮した。残留物を酢酸エチルで希釈し、水及び食塩水で洗浄した。有機抽出液を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、次いで真空中で濃縮して、5(R)−アジドメチル−3−[4−[(1α,5α,6α)−6−(N−t−ブトキシカルボニル)アミノ−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−イル]−3−フルオロフェニル]オキサゾリジン−2−オン(623mg)を得た。
MS(EI)m/z:450(M
HRMS(EI)C2024として(M):計算値450.1827;実測値450.1850
〈参考例6〉
(1α,5α,6α)−6−[(t−ブチルジフェニルシリル)オキシ]メチルビシクロ[3.1.0]ヘキサ−2−エン
(1α,5α,6α)−ビシクロ[3.1.0]ヘキサ−2−エン−6−メタノール(11.0mg)をジクロロメタン(0.4mL)に溶解した溶液に、t−ブチルジフェニルシリルクロリド(32L)、トリエチルアミン(35μL)及び4−(ジメチルアミノ)ピリジン(24.4mg)を加え、混合物を室温で3時間攪拌した。1N塩酸を加えることによって反応停止させた後に、混合物を酢酸エチルで抽出した。有機抽出液を水、炭酸水素ナトリウム溶液及び食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、次いで真空中で濃縮した。残留物のフラッシュクロマトグラフィー(シリカ、ヘキサン:酢酸エチル=50:1)により(1α,5α,6α)−6−[(t−ブチルジフェニルシリル)オキシ]メチルビシクロ[3.1.0]ヘキサ−2−エンe(28.3mg)を得た。
H NMR(CDCl)δ0.47−0.52(m,1H),1.05(s,9H),1.40−1.43(m,1H),1.67−1.69(m,1H),2.27−2.32(m,1H),2.50−2.60(m,1H),3.50−3.60(m,2H),5.37−5.39(m,1H),5.80−5.90(m,1H),7.36−7.44(m,6H),7.67−7.69(m,4H)
MS(EI)m/z:348(M
〈参考例7〉
(1α,5α,6α)−6−[(t−ブチルジフェニルシリル)オキシ]メチル−3−ヒドロキシビシクロ[3.1.0]ヘキサン異性体A及びB
(1α,5α,6α)−6−[(t−ブチルジフェニルシリル)オキシ]メチルビシクロ[3.1.0]ヘキサ−2−エン(2.79g)をテトラヒドロフラン(28mL)に溶解した溶液に、ボラン−硫化メチル錯体(927μL)を0℃で加え、混合物を室温で1.5時間攪拌した。得られた溶液に水(22mL)、2.5N水酸化ナトリウム溶液(4.8mL)、及び過酸化水素溶液(30%、1.36mL)を0℃で加え、混合物を室
温で1時間攪拌した。得られた混合物を水で希釈した後に、混合物を酢酸エチルで抽出した。有機抽出液を食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、次いで真空中で濃縮した。残留物のフラッシュクロマトグラフィー(シリカ、ヘキサン:酢酸エチル=2:1)により、(1α,5α,6α)−6−[(t−ブチルジフェニルシリル)オキシ]メチル−3−ヒドロキシビシクロ[3.1.0]ヘキサンの2種類の異性体(2.38g)を得た。
【0089】
異性体A
HNMR(CDCl)δ0.70−0.75(m,1H),1.03(s,9H),1.00−1.70(m,4H),2.11(dd,J=12.7,6.8Hz,2H),3.43(d,J=6.4Hz,2H),3.90−4.00(m,1H),7.36−7.44(m,6H),7.65−7.70(m,4H)
MS(CI)m/z:367(MH
異性体B
H NMR(CDCl)δ1.04(s,9H),1.00−1.10(m,2H),1.26−1.31(m,1H),1.68(d,J=14.2Hz,2H),2.00−2.10(m,2H),3.51(d,J=6.4Hz,2H),4.35(t,J=6.4Hz,1H),7.35−7.44(m,6H),7.66−7.70(m,4H)
MS(CI)m/z:367(MH
〈参考例8〉
(1α,5α,6α)−6−[(t−ブチルジフェニルシリル)オキシ]メチル−3−オキソビシクロ[3.1.0]ヘキサン
(1α,5α,6α)−6−[(t−ブチルジフェニルシリル)オキシ]メチル−3−ヒドロキシビシクロ[3.1.0]ヘキサン(2.38g)をジメチルスルホキシド(24mL)に溶解した溶液に、1−ヒドロキシ−1,2−ベンゾヨードオキソール−3(1H)−オン 1−オキシド(2.73g)を加え、混合物を室温で5.5時間攪拌した。酢酸エチル及び水を加えた後に、不溶性物質を濾過した。有機抽出液を水及び食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、次いで真空中で濃縮した。得られた混合物のフラッシュクロマトグラフィー(シリカ、ヘキサン:酢酸エチル=5:1)により、(1α,5α,6α)−6−[(t−ブチルジフェニルシリル)オキシ]メチル−3−オキソビシクロ[3.1.0]ヘキサン(1.82g)を得た。
H NMR(CDCl)δ0.60−0.65(m,1H),1.04(s,9H),1.38−1.40(m,2H),2.14(dd,J=18.6,2.0Hz,2H),2.50−2.60(m,2H),3.62(d,J=5.9Hz,2H),7.40−7.50(m,6H),7.65−7.68(m,4H)
MS(EI)m/z:364(M
〈参考例9〉
(1α,5α,6α)−6−[(t−ブチルジフェニルシリル)オキシ]メチル−3−[(トリフルオロメタンスルホニル)オキシ]ビシクロ[3.1.0]ヘキサ−2−エン
(1α,5α,6α)−6−[(t−ブチルジフェニルシリル)オキシ]メチル−3−オキソビシクロ[3.1.0]ヘキサン(365mg)をテトラヒドロフラン(2mL)に溶解した溶液に、リチウムイソプロピルアミド溶液(2M、650μL)を−78℃で加え、混合物を同じ温度で30分間攪拌した。得られた混合物に、溶液ofN−フェニルビス(トリフルオロメタンスルホンイミド)(393mg)をテトラヒドロフラン(2mL)に溶解した溶液を−78℃で加え、混合物を室温で17時間攪拌し、次いで真空中で濃縮した。残留物のフラッシュクロマトグラフィー(シリカ、ヘキサン:酢酸エチル=25:1)煮より、(1α,5α,6α)−6−[(t−ブチルジフェニルシリル)オキシ]メチル−3−[(トリフルオロメタンスルホニル)オキシ]ビシクロ[3.1.0]ヘキサ−2−エン(313mg)を得た。
H NMR(CDCl)δ0.77−0.82(m,1H),1.04(s,9H),1.30−1.50(m,1H),1.60−1.70(m,1H),2.48−2.53(m,1H),2.79−2.85(m,1H),3.50−3.60(m,2H),5.78−5.79(m,1H),7.40−7.50(m,6H),7.60−7.70(m,4H)
〈参考例10〉
(1α,5α,6α)−6−[(t−ブチルジフェニルシリル)オキシ]メチル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロリル)ビシクロ[3.1.0]ヘキサ−2−エン
(1α,5α,6α)−6−[(t−ブチルジフェニルシリル)オキシ]メチル−3−[(トリフルオロメタンスルホニル)オキシ]ビシクロ[3.1.0]ヘキサ−2−エン(100mg)、ビス(ピナコラト)ジボロン(56.3mg)、カリウムフェノキシド(39.9mg)、ビス(トリフェニルホスフィン)ジクロロパラジウム(7.1mg)及びトリフェニルホスフィン(5.3mg)の混合物をトルエン(2mL)中で50℃で2.5時間攪拌した。得られた混合物のフラッシュクロマトグラフィー(シリカ、ヘキサン:酢酸エチル=20:1)により、(1α,5α,6α)−6−[(t−ブチルジフェニルシリル)オキシ]メチル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロリル)ビシクロ[3.1.0]ヘキサ−2−エン(63.0mg)を得た。
MS(EI)m/z:474(M
HRMS(EI)C2939BOSiとして(M):計算値474.2762;実測値474.2737
〈参考例10〉
5(R)−アジドメチル−3−(4−ヨードフェニル)オキサゾリジン−2−オン
表題化合物5(R)−アジドメチル−3−(4−ヨードフェニル)オキサゾリジン−2−オン(95.4g)を、5(R)−3−(4−ヨードフェニル)−5−ヒドロキシメチルオキサゾリジン−2−オン(70.0g)から、参考例5に記載の方法と同じ方法で精製した。
MS(EI)m/z:344(M
HRMS(EI)C10INとして(M):計算値343.9770;実測値343.9740
〈参考例11〉
1−[5−(R)−3−(4−ヨードフェニル)−2−オキソオキサゾリジン−5−イルメチル]−1,2,3−トリアゾール
表題化合物1−[5(R)−3−(4−ヨードフェニル)−2−オキソオキサゾリジン−5−イルメチル]−1,2,3−トリアゾール(62.5mg)を、5(R)−アジドメチル−3−(4−ヨードフェニル)オキサゾリジン−2−オン(100mg)から、実施例1に記載の方法と同じ方法で精製した。
HRMS(EI):370(M
HRMS(EI)C1211INとして(M):計算値369.9927;実測値369.9919
〈参考例12〉
5(R)−アジドメチル−3−(3−フルオロ−4−ヨードフェニル)オキサゾリジン−2−オン
表題化合物5(R)−アジドメチル−3−(3−フルオロ−4−ヨードフェニル)オキサゾリジン−2−オン(2.18g)を、5(R)−3−(3−フルオロ−4−ヨードフェニル)−5−ヒドロキシメチルオキサゾリジン−2−オン(2.00g)から、参考例5に記載の方法と同じ方法で精製した。
MS(EI)m/z:344(M
HRMS(EI)C10INとして(M+):計算値343.9770;実測値343.9740
〈参考例13〉
1−[5(R)−3−(3−フルオロ−4−ヨードフェニル)−2−オキソオキサゾリジン−5−イルメチル]−1,2,3−トリアゾール
表題化合物1−[5(R)−3−(3−フルオロ−4−ヨードフェニル)−2−オキソオキサゾリジン−5−イルメチル]−1,2,3−トリアゾール(1.70g)を、5(R)−アジドメチル−3−(3−フルオロ−4−ヨードフェニル)オキサゾリジン−2−オン(2.18g)から実施例1に記載の方法と同じ方法で精製した。
MS(EI)m/z:388(M
HRMS(EI)C1210FINとして(M+):計算値387.9833;実測値387.9835
抗菌活性
本発明の医薬的に許容し得る化合物は、病原菌に対する活性の選別について使用される標準的な細菌株に対して、インビトロで良好な活性スペクトルを有する有用な抗菌剤である。特に、本発明の医薬的に許容し得る化合物は、バンコマイシン耐性腸球菌、連鎖球菌
例えばペニシリン耐性肺炎連鎖球菌(S. pneunoniae)、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(S. aureus)、モラクセラ・カタラーリス(M. catarrhalis)、及びクラミジア肺炎菌(C. pneumoniae)に対して活性を示す。個々の化合物の抗菌スペクトル及び効力は、標準試験系で測定し得る。
【0090】
下記のインビトロ結果が、クラミジア肺炎病原体以外は寒天希釈法に基づいて得られた。活性は最小発育阻止濃度(MIC)として提示される。
【0091】
黄色ブドウ球菌とモラクセラ・カタラーリス(C. pneumoniae)は、ミュラー−ヒントン寒天培地で、接種材料約1×10cfu/スポットを使用して35℃の培養温度で24時間試験した。MICは、目に見える細菌の増殖が認められない最も低い濃度として定義した。
【0092】
連鎖球菌及び腸球菌は、5%ウマ脱繊維素血を補足したミュラー−ヒントン寒天培地で、接種材料約1×10cfu/スポットを使用して、5%COの雰囲気中で35℃の培養温度で24時間試験した。MICは、目に見える細菌の増殖が認められない最も低い濃度として定義した。
【0093】
クラミジア肺炎菌(C. pneumoniae)は、10%加熱不活性化ウシ胎児血清、2mM L−グルタミン、1mg/mlシクロヘキシミド及び非必須アミノ酸を補足した最少必須培地を使用して試験した。HeLa229細胞に、1mL当たり10封入体形成単位のクラミジア肺炎菌を接種した。感染細胞を、試験化合物と共に完全培地中で5%COの雰囲気中で35℃の培養温度で72時間培養した。細胞単層を、メタノール中で固定し、クラミジア封入体についてフルオレセイン複合抗クラミジアモノクロナール抗体を用いて染色し、蛍光顕微鏡を用いて観察した。MICは、封入体が認められない最も低い濃度として定義した。
【0094】
【表1】

【0095】
本明細書に記載の発明を、以下の限定されない実施例により例証する。化合物データは、General Guidelines for Manuscript Preparation、J.Org.Chem.Vol.66,pg.19A,Issue 1,2001に従って指定する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本発明は、式I:
【化1】

{式中:
及びRは、独立して水素、NR、CR、C(R)OR14、CHNHR14、C(=O)R13、C(=NOH)H、C(=NOR13)H、C(=NOR13)R13、C(=NOH)R13、C(=O)N(R13、C(=NOH)N(R13、NHC(=X)N(R13、(C=NH)R、N(R13)C(=X)N(R13、COOR13、SO14、N(R13)SO14、N(R13)COR14、(C1−6アルキル)CN、CN、CH=C(R)、C(RSiR16、(CHOH、C(=O)CHR13、C(=NR13)R13、NR10C(=X)R13;又は場合により1〜3個の基Rで置換されるC5−10複素環(前記複素環は、炭素原子又はヘテロ原子を介して結合されていてもよい)を表し;
AはC( −−− が存在する場合)、CH又はN( −−− が存在しない場合)を表し;
−−− は結合を表し;
【化2】

は、アリール又はヘテロアリール、複素環、ヘテロシクリルもしくは複素環状を表し(但し、ヘテロアリール、複素環、ヘテロシクリル又は複素環状の場合には、シクロプロピルは環の窒素原子に結合されていないものとする);
は水素又はC1−6アルキルを表し;

【化3】

を表し、これは環中に少なくとも1個の窒素原子を含有する場合によって置換されていてもよい芳香族複素環状基であり、Nに結合を介して結合され且つ非置換であるか又は1〜3個の置換基Rを含有し;
及びR4aは、独立して、
水素、
ハロゲン、
1−6アルコキシ、又は
1−6アルキルを表し;
r及びsは独立して1〜3であり〔但し、(R4a及び(RがAr又はHAr環に結合される場合には、rとsの合計は4以下であることを条件とする〕;
及びRは、独立して水素、場合によりハロゲン、CN、OH、C1−6アルコキシ、アミノ、イミノ、ヒドロキシアミノ、アルコキシアミノ、C1−6アシルオキシ、C1−6アルキルスルフェニル、C1−6アルキルスルフィニル、C1−6アルキルスルホニル、アミノスルホニル、C1−6アルキルアミノスルホニル、C1−6ジアルキルアミノスルホニル、4−モルホリニルスルホニル、フェニル、ピリジン、5−イソオキサゾリル、エチレニルオキシ、又はエチニルの1〜3個の基で置換されていてもよいC1−6アルキル(但し、前記フェニル及びピリジンは、場合により1〜3個のハロゲン、CN、OH、CF、C1−6アルキル又はC1−6アルコキシで置換されていてもよい);場合によりハロゲン、OH、SH、C1−6アルコキシ、ナフタレンオキシ、フェノキシ、アミノ、C1−6アシルアミノ、ヒドロキシルアミノ、アルコキシルアミノ、C1−6アシルオキシ、アラルキルオキシ、フェニル、ピリジン、C1−6アルキルカルボニル、C1−6アルキルアミノ、C1−6ジアルキルアミノ、C1−6ヒドロキシアシルオキシ、C1−6アルキルスルフェニル、フタルイミド、マレイミド、スクシンイミドの1〜3個の基で置換されていてもよいC1−6アシル(但し、前記フェノキシ、フェニル及びピリジンは、場合によりハロ、OH、CN、C1−6アルコキシ、アミノ、C1−6アシルアミノ、CF又はC1−6アルキルの1〜3個の基で置換されていてもよい);場合によりハロゲン、OH、C1−6アルコキシ、アミノ、ヒドロキシルアミノ、アルコキシルアミノ、C1−6アシルオキシ、又はフェニルの1〜3個の基で置換されていてもよいC1−6アルキルスルホニル(但し、前記フェニルは、場合によりハロ、OH、C1−6アルコキシ、アミノ、C1−6アシルアミノ、CF又はC1−6アルキルの1〜3個の基で置換されていてもよい);場合によりハロゲン、C1−6アルコキシ、OH又はC1−6アルキルの1〜3個の基で置換されていてもよいアリールスルホニル;場合によりハロゲン、OH、C1−6アルコキシ、C1−6アシルオキシ、又はフェニルの1〜3個の基で置換されていてもよいC1−6アルコキシカルボニル(但し、前記フェニルは、場合によりハロ、OH、C1−6アルコキシ、アミノ、C1−6アシルアミノ、CF又はC1−6アルキルの1〜3個の基で置換されていてもよい);アミノカルボニル、C1−6アルキルアミノカルボニル又はC1−6ジアルキルアミノカルボニル(但し、これらのアルキル基は、場合によりハロゲン、OH、C1−6アルコキシ又はフェニルで置換されていてもよい)、場合によりハロゲン、OH、CN、アミノ、C1−6アシルアミノ、C1−6アルキルスルホニルアミノ、C1−6アルコキシカルボニルアミノ、C1−6アルコキシ、C1−6アシルオキシ又はC1−6アルキルの1〜3個の基で置換されていてもよい5〜6員複素環、(前記アルキルは、場合によりハロゲン又はC1−6アルコキシの1〜3個の基で置換されていてもよい);場合によりハロゲン、OH、C1−6アルコキシ又はCNの1〜3個の基で置換されていてもよいC3−6シクロアルキルカルボニル;場合によりハロゲン、OH、C1−6アルコキシ、C1−6アルキル、CF、C1−6アルカノール、アミノ又はC1−6アシルアミノの1〜3個の基で置換されていてもよいベンゾイル;場合により1〜3個のC1−6アルキルで置換されていてもよいピロリルカルボニル;C1−2アシルオキシアセチル〔但し、そのアシルは、場合によりアミノ、C1−6アルキルアミノ、C1−6ジアルキルアミノ、4−モルホリノ、4−アミノフェニル、4−(ジアルキルアミノ)フェニル、4−(グリシルアミノ)フェニルで置換されていてもよい〕を表すか;あるいはR及びRは介在する原子と一緒になって、炭素原子と、O、S、SO、SO、N、又はNRの中から独立して選択される1〜2個のヘテロ原子とを含有する3〜7員複素環を形成することができ;
は、水素、ハロゲン、CN、COR、CON(R)、CHO、CHNHAc、C(=NOR)、OH、C1−6アルコキシ、C1−6アルキル、アルケニル、(CH
アミノ、(CH1−6アルキルアミノ、C1−6ジアルキルアミノ、ヒドロキシルアミノ又はC1−2アルコキシアミノを表し、これらは全て場合により窒素上でC1−6アシル、C1−6アルキルスルホニル又はC1−6アルコキシカルボニルで置換されていてもよい(前記アシル及びアルキルスルホニルは、場合により1〜2個のハロゲン又はOHで置換されていてもよい);
及びRは、独立してH、CN、場合により1〜3個のハロゲン、CN、OH、C1−6アルコキシ、C1−6アシルオキシ又はアミノで置換されていてもよいC1−6アルキル、場合により1〜3個のハロゲン、OH、C1−6アルコキシで置換されていてもよいフェニルを表し;あるいは
及びRは一緒になって、場合によりO、S、SO、SO、NH及びNRの中から選択される1〜2個のヘテロ原子で中断されていてもよい3〜7員炭素環を形成することができ;
はO、S又はNR13、NCN、NCO16もしくは又はNSO14を表し;
10は水素、C1−6アルキル又はCO15を表し;
それぞれのR13は、独立して水素、C1−6アルキル、C6−10アリール、NR、SR、S(O)R、S(O)、CN、OH、C1−6アルキルS(O)R、C1−6アルコキシカルボニル、ヒドロキシカルボニル、C1−6アシル、場合によりO、S、SO、SO、NH及びNRの中から選択される1〜4個のヘテロ原子で中断されていてもよいC3−7員炭素環を表し〔但し、前記C1−6アルキル、アリール又はC1−6アシル基は、独立して0〜3個のハロゲン、ヒドロキシ、N(R)、COR、C6−10アリール、C5−10ヘテロアリール、又はC1−6アルコキシ基で置換されていてもよい〕;
2個の基R13は、同一の原子又は2個の隣り合った原子に結合される場合には、一緒になって場合によってO、S、SO、SO、NH、及びNRの中から選択される1〜2個のヘテロ原子で中断されていてもよい3〜7員炭素環を形成し;
Rは水素又はC1−6アルキルを表し;
14はアミノ、C1−6アルキル、C1−6ハロアルキル、5〜6員複素環又はフェニルを表し(但し、前記フェニル及び複素環は、場合によりハロ、C1−6アルコキシ、C1−6アシルアミノ、又はC1−6アルキル、ヒドロキシ及び/又はアミノの1〜3個の基で置換されていてもよく、前記アミノ及びヒドロキシは、場合によりアミノ保護基又はヒドロキシ保護基で保護されていてもよい);
15はC1−6アルキル又はベンジルであり(但し、前記ベンジルは、場合によりハロ、OH、C1−6アルコキシ、アミノ、C1−6アシルアミノ、又はC1−6アルキルの1〜3個の基で置換されていてもよい);
16は水素、C5−10ヘテロアリール、C6−10アリールであり(但し、前記ヘテロアリール及びアリールは、場合により1〜3個の基Rで置換されていてもよい);
m、n、p及びqは0〜1を表す}
で示される化合物、その鏡像異性体、ジアステレオマー、又は医薬的に許容し得る塩、水和物又はプロドラッグ。
【請求項2】
及びRが独立してH、NR、CN、OH、C(R)OR14、NHC(=X)N(R13、C(=NOH)N(R13、NR10C(=X)R13又はCRを表す請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
【化4】

がフェニル、ピリジン、ピリミジン又はピペリジンである請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
及びRの一方がHであり、他方がNRであるか;一方がHであり、他方がCNであるか;又は一方がHであり、他方がNR10C(=X)R13ある請求項3に記載の化合物。
【請求項5】
AがCであり、−−− が存在し且つZ=(O)(式中、n=0である)であるか;AがCであり、−−− が存在せず且つZ=H、OH又はハロゲンであるか、又はAがNであり、−−− が存在せず且つZ=(O)(式中、n=1である)である請求項4に記載の化合物。
【請求項6】
が1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、1,2,5−トリアゾール、テトラゾール、ピラゾール又はイミダゾールであり、これらのいずれも1〜3個の置換基Rを含有していてもよい請求項5に記載の化合物。
【請求項7】
1−[5(R)−3−[4−[(1α,5α,6α)−6−アミノ−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−イル]−3−フルオロフェニル]−2−オキソオキサゾリジン−5−イルメチル]−1,2,3−トリアゾール、
1−[5(R)−3−[4−[(1α,5α,6α)−6−アミノ−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−イル]−3,5−ジフルオロフェニル]−2−オキソオキサゾリジン−5−イルメチル]−1,2,3−トリアゾール、
1−[5(R)−3−[4−[(1α,5α,6α)−6−[(t−ブチルジフェニルシリル)オキシ]メチルビシクロ[3.1.0]ヘキサ−2−エン−3−イル]フェニル]−2−オキソオキサゾリジン−5−イルメチル]−1,2,3−トリアゾール、
1−[5(R)−3−[4−[(1α,5α,6α)−6−[(t−ブチルジフェニルシリル)オキシ]メチルビシクロ[3.1.0]ヘキサ−2−エン−3−イル]−3−フルオロフェニル]−2−オキソオキサゾリジン−5−イルメチル]−1,2,3−トリアゾール、
1−[5(R)−3−[4−[(1α,5α,6α)−6−ヒドロキシオキシメチルビシクロ[3.1.0]ヘキサ−2−エン−3−イル]フェニル]−2−オキソオキサゾリジン−5−イルメチル]−1,2,3−トリアゾール、
1−[5(R)−3−[3−フルオロ−4−[(1α,5α,6α)−6−ヒドロキシオキシメチルビシクロ[3.1.0]ヘキサ−2−エン−3−イル]フェニル]−2−オキソオキサゾリジン−5−イルメチル]−1,2,3−トリアゾール、
1−[5(R)−3−[4−[(1α,5α,6α)−6−シアノビシクロ[3.1.0]ヘキサ−2−エン−3−イル]フェニル]−2−オキソオキサゾリジン−5−イルメチル]−1,2,3−トリアゾール、
1−[5(R)−3−[4−[(1α,5α,6α)−6−シアノビシクロ[3.1.0]ヘキサ−2−エン−3−イル]−3−フルオロフェニル]−2−オキソオキサゾリジン−5−イルメチル]−1,2,3−トリアゾール、
である化合物、あるいはその鏡像異性体、ジアステレオマー、又は医薬的に許容し得る塩、水和物もしくはプロドラッグ。
【請求項8】
請求項1に記載の化合物を、医薬的に許容し得る担体と組み合わせ、及び場合によって
はビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12及び葉酸からなる群の中から選択されるビタミンと組み合わせてなる医薬組成物。
【請求項9】
細菌感染症の治療又は予防を必要とする哺乳動物患者において細菌感染症を治療又は予防する方法であって、前記患者に有効量の請求項1に記載の化合物を投与することからなる細菌感染症の治療又は予防を必要とする哺乳動物患者において細菌感染症を治療又は予防する方法。
【請求項10】
細菌感染症又はオキサゾリジノン関連副作用の治療又は予防を必要とする患者に、有効量の請求項1に記載の化合物と、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12及び葉酸からなる群の中から選択される有効量の1つ以上のビタミンとを投与することによって細菌感染症又はオキサゾリジノン関連副作用を治療又は予防する方法。
【請求項11】
オキサゾリジノンが関連した正球性貧血、末梢感覚神経障害、鉄芽球性貧血、末梢感覚神経障害、視神経症、発作、血小板減少症、口角症、低再生性貧血、巨赤芽球性貧血及び脂漏性皮膚炎の治療又は予防を必要とする患者に有効量のビタミンB2を投与することからなる、オキサゾリジノンが関連した正球性貧血、末梢感覚神経障害、鉄芽球性貧血、末梢感覚神経障害、視神経症、発作、血小板減少症、口角症、低再生性貧血、巨赤芽球性貧血及び脂漏性皮膚炎の治療又は予防するための請求項10に記載の方法。

【公表番号】特表2007−521284(P2007−521284A)
【公表日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−517740(P2006−517740)
【出願日】平成16年6月29日(2004.6.29)
【国際出願番号】PCT/US2004/020738
【国際公開番号】WO2005/005422
【国際公開日】平成17年1月20日(2005.1.20)
【出願人】(503377445)メルク アンド カンパニー インコーポレーテッド (4)
【出願人】(000001395)杏林製薬株式会社 (120)
【Fターム(参考)】