説明

オキサゾロベンゾイミダゾール誘導体

本発明は、代謝調節型グルタミン酸受容体、特にmGluR2受容体の増強剤であり、グルタミン酸機能障害に伴う神経障害および精神障害、ならびに代謝調節型グルタミン酸受容体が関与する疾患の治療または予防において有用であるオキサゾロベンゾイミダゾール誘導体を対象とする。本発明はまた、この化合物を含む医薬組成物、ならびに代謝調節型グルタミン酸受容体が関与するこのような疾患の予防または治療におけるこの化合物および組成物の使用を対象とする。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
興奮性アミノ酸L−グルタミン酸(本明細書において単にグルタミン酸と称する場合もある。)は、この多くの受容体を介して、哺乳動物の中枢神経系(CNS)内での興奮性神経伝達の大部分を媒介する。グルタミン酸を含む興奮性アミノ酸は生理学的に非常に重要なものであり、種々の生理学的プロセス、例えば、長期増強(学習および記憶)、シナプス可塑性の発生、運動制御、呼吸、心血管調節および感覚認知において役割を果たしている。
【0002】
グルタミン酸は、受容体の少なくとも2種の異なるクラスを介して作用する。1種のクラスは、リガンド作動性イオンチャネルとして作用するイオンチャネル型グルタミン酸(iGlu)受容体から構成される。iGlu受容体の活性化を介して、グルタミン酸はCNSにおける結合する2個の神経細胞のシナプス内での高速神経伝達を調節するものと考えられている。受容体の第2の一般的なタイプは、Gタンパク質またはセカンドメッセンジャーが結合する「代謝調節型」グルタミン酸(mGluR)受容体である。これらの受容体の両タイプは、興奮経路に沿う正常なシナプス伝達を媒介するだけではなく、発生の間および一生を通じてのシナプス結合の改変に関与するものと思われる。Schoepp,Bockaert,and Sladeczek,Trends in Pharmacol.Sci.,11,508(1990);McDonald and Johnson,Brain Research Reviews,15,41(1990)。
【0003】
本発明は、mGlu受容体、特にmGluR2受容体の増強剤に関する。mGluR受容体は、III型Gタンパク質共役型受容体(GPCR)スーパーファミリーに属する。カルシウム感知受容体、GABAB受容体およびフェロモン受容体を含む、このGPCRのスーパーファミリーは、これらが受容体タンパク質のアミノ末端部分へのエフェクターの結合により活性化されるという点で独特である。mGlu受容体は、グルタミン酸が細胞内シグナル伝達経路を調節する実証能力を媒介すると考えられている。Ozawa,Kamiya and Tsuzuski,Prog.Neurobio.,54,581(1998)。mGlu受容体は前シナプスおよび後シナプスの両方に局在することが実証されており、そこで、それぞれがグルタミン酸もしくは他の神経伝達物質のいずれかの神経伝達物質の放出を調節し、または神経伝達物質の後シナプス応答を改変することができる。
【0004】
現在、明確に同定されており、クローン化されており、配列が報告されている8種の異なるmGlu受容体が存在する。これらの受容体は、これらのアミノ酸配列相同性、ある種のシグナル伝達機序に影響を及ぼすこれらの能力、およびこれらの公知の薬理学的特性に基づきさらに下位分類される。Ozawa,Kamiya and Tsuzuski,Prog.Neurobio.,54,581(1998)。例えば、mGlu1RおよびmGlu5Rを含むグループIのmGluR受容体は、Gαq−タンパク質を介してホスホリパーゼC(PLC)を活性化し、それにより、ホスホイノシチドの加水分解および細胞内カルシウム動員の増加をもたらすことが知られている。グループIのmGlu受容体を活性化することが報告されている数種の化合物が存在し、これらの化合物はDHPG、(R/S)−3,5−ジヒドロキシフェニルグリシンを含む。Schoepp,Goldworthy,Johnson,Salhoff and Baker,J.Neurochem.,63,769(1994);Ito et al.,keurorep.,3,1013(1992)。グループIIのmGlu受容体は、2種の異なる受容体のmGluR2およびmGluR3受容体からなる。この両者は、Gαi−タンパク質の活性化を介してアデニル酸シクラーゼに負に共役することが見出されている。これらの受容体は、選択的化合物、例えば、1S,2S,SR,6S−2アミノビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボキシラートにより活性化され得る。Monn,et al.,J.Med.Chem.,40,528(1997);Schoepp et al.,Neuropharmacol.,36,1(1997)。この活性化は、シナプス内でのグルタミン酸放出の阻害を招く(Cartmell et al,J Neurochem 75,889(2000))。同様に、mGluR4、mGluR6、mGluR7およびmGluR8を含むグループIIIのmGlu受容体は、Gαiを介してアデニル酸シクラーゼに負に共役し、L−AP4(L−(+)−2−アミノ−4−ホスホノ酪酸)により強力に活性化される。Schoepp,Neurochem.Int.,24,439(1994)。
【0005】
非選択的mGluR2/mGluR3受容体アゴニスト(Monn,et al.,J.Med.Chem.,43,4893,(2000))は、不安症および精神病の数多くの動物モデルならびに統合失調症患者におけるヒト臨床試験において効力を示している(Patil et al,Nature Medicine,13,1102(2007))。近年の報告は、mGluR3受容体ではなくmGluR2が、抗精神病活性が予測されるマウスモデルにおいてmGluR2/mGluR3のデュアルアゴニストLY379268の作用を媒介することを示している。(Woolley et al,Psycopharmacology,196,431,(2008))さらに、近年の動物研究は、mGluR2受容体の選択的な増強がこのような非選択的アゴニストに対して同様の影響を有することを実証しており(Galici et al,Journal of Pharmacology and Experimental Therapeutics,315,1181(2005)、このことは、mGluR2の選択的ポジティブアロステリックモジュレーター(PAMまたはアロステリック増強剤)の発見に関する代替的な方針を示唆している(Johnson et al,J.Med.Chem.46,3189,(2003);Pinkerton et al.,J.Med.Chem.,47,4595(2004)。これらの増強剤は、受容体に内因性グルタミン酸に対して高められた応答を産生させることを可能にすることにより作用する。このようなアロステリック増強剤は、「オルトステリック部位」としても知られているグルタミン酸結合部位には結合せず、高度に保存されているオルトステリック部位以外の部位に結合することにより利益を与え得る。このアプローチの潜在的な利点は、内因性リガンドの活性をこのオルトステリック部位への結合時に高めることにより異なる薬理学的プロファイルを有する見込みを含む。薬理学的区別は、同一の内因性リガンドを共有する関連受容体タイプ間の薬理学的特異性についての潜在性を含む。さらに、mGluR2のポジティブアロステリックモジュレーターは、mGluR2アゴニスト、例えばLY379268の応答を増強することが示されており(Johnson et.Al.Biochemical Soc.Trans.32,881(2004)、このことは、mGluR2選択的PAMを使用する治療のための代替的な方針を表している。
【0006】
グルタミン酸放出の変更または後シナプス受容体活性化の変化を介するグルタミン酸作動系を含む興奮性アミノ酸受容体のモジュレーションと、種々の神経障害および精神障害との間に関係性が存在することがますます明確になってきている、例えば、Monaghan,Bridges and Cotman,Ann.Rev.Pharmacol.Toxicol.,29,365−402(1989);Schoepp and Sacann,Neurobio.Aging,15,261−263(1994);Meldrum and Garthwaite,Tr.Pharmacol.Sci.,11,379−387(1990)。このようなグルタミン酸機能障害の医学的結果により、これらの神経プロセスの寛解が重要な治療目標になる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】Schoepp,Bockaert,and Sladeczek,Trends in Pharmacol.Sci.,11,508(1990)
【非特許文献2】McDonald and Johnson,Brain Research Reviews,15,41(1990)
【非特許文献3】Ozawa,Kamiya and Tsuzuski,Prog.Neurobio.,54,581(1998)
【非特許文献4】Schoepp,Goldworthy,Johnson,Salhoff and Baker,J.Neurochem.,63,769(1994)
【非特許文献5】Ito et al.,keurorep.,3,1013(1992)
【非特許文献6】Monn,et al.,J.Med.Chem.,40,528(1997)
【非特許文献7】Schoepp et al.,Neuropharmacol.,36,1(1997)
【非特許文献8】Cartmell et al,J Neurochem 75,889(2000)
【非特許文献9】Schoepp,Neurochem.Int.,24,439(1994)
【非特許文献10】Monn,et al.,J.Med.Chem.,43,4893,(2000)
【非特許文献11】Patil et al,Nature Medicine,13,1102(2007)
【非特許文献12】Woolley et al,Psycopharmacology,196,431,(2008)
【非特許文献13】Galici et al,Journal of Pharmacology and Experimental Therapeutics,315,1181(2005)
【非特許文献14】Johnson et al,J.Med.Chem.46,3189,(2003)
【非特許文献15】Pinkerton et al.,J.Med.Chem.,47,4595(2004)
【非特許文献16】Johnson et.Al.Biochemical Soc.Trans.32,881(2004)
【非特許文献17】Monaghan,Bridges and Cotman,Ann.Rev.Pharmacol.Toxicol.,29,365−402(1989)
【非特許文献18】Schoepp and Sacann,Neurobio.Aging,15,261−263(1994)
【非特許文献19】Meldrum and Garthwaite,Tr.Pharmacol.Sci.,11,379−387(1990)
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、代謝調節型グルタミン酸受容体、特にmGluR2受容体の増強剤であり、グルタミン酸機能障害に伴う神経障害および精神障害、ならびに代謝調節型グルタミン酸受容体が関与する疾患の治療または予防において有用であるオキサゾロベンゾイミダゾール誘導体を対象とする。本発明はまた、この化合物を含む医薬組成物、ならびに代謝調節型グルタミン酸受容体が関与するこのような疾患の予防または治療におけるこの化合物および組成物の使用を対象とする。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明は、式I
【0010】
【化1】

の化合物または医薬的に許容されるこの塩
(式中、
nは、0、1、2 3または4であり;
pは、1、2、3、4または5であり;
Yは、C(RまたはOであり;
各RおよびRは、
(1)ハロ、
(2)C1−8アルキル、
(3)C2−6アルケニル、
(4)C2−6アルキニル、
(5)C3−6シクロアルキル、
(6)C1−6アルコキシ、
(7)C3−6シクロアルコキシ、
(8)−CN、
(9)−OH、
(10)−C(O)−O−C1−4アルキル、
(11)−C(O)−C1−4アルキル、
(12)−N(R)
(13)−C(O)−N(R)
(14)−S(O)−C1−4アルキル(kは、0、1または2である。)、
(15)メチル、CN、CF、OCH、OCFおよびハロから独立して選択される1から3個の基により場合により置換されている−アリール、
(16)メチル、CN、CF、OCH、OCFおよびハロから独立して選択される1から3個の基により場合により置換されている−ヘテロアリール、
(17)−C(O)−アリール、
(18)−N(R)−アリール、
(19)ベンジル、
(20)ベンジルオキシ、
(21)−COH、
(22)−SH、
(23)−SON(R)R、
(24)−N(R)C(O)N(R)R、
(25)−N(R)C(O)C1−4アルキル、
(26)−N(R)SON(R)R、
(27)トリメチルシリルおよび
(28)1−メチルシレタン−1−イル
からなる群から独立して選択され、
上記の(2)から(7)の基は、OH、CN、オキソ、ハロ、C1−4アルコキシおよびC1−4アルキルアミノからなる群から独立して選択される1個以上の置換基により、置換可能な位置の1から最大数以下の箇所が場合により置換されており、
ならびに隣接原子上の2個のR置換基は、これらが結合している原子と一緒になって結合して、O、SおよびNから選択される1または2個のヘテロ原子を場合により含有する5または6員の飽和または部分不飽和の単環を形成していてよく、前記環は、オキソもしくは1から3個のハロ基により、またはこの両方により場合により置換されており、および前記環は、ベンゾ基と場合により縮合しており;
各R、R、RおよびRは、H、FおよびC1−4アルキルからなる群から独立して選択され、前記C1−4アルキルは、オキソにより、ならびにF、OHおよびN(R)からなる群から独立して選択される1から3個の置換基により場合により置換されており;ならびに
各Rは、HおよびC1−4アルキルからなる群から独立して選択される。)を包含する。
【0011】
一実施形態において、本発明は、式I
【0012】
【化2】

の化合物の属または医薬的に許容されるこの塩
(式中、
nは、0、1、2 3または4であり;
pは、1、2、3、4または5であり;
Yは、C(RまたはOであり;
各RおよびR
(1)ハロ、
(2)C1−8アルキル、
(3)C2−6アルケニル、
(4)C2−6アルキニル、
(5)C3−6シクロアルキル、
(6)C1−6アルコキシ、
(7)C3−6シクロアルコキシ、
(8)−CN、
(9)−OH、
(10)−C(O)−O−C1−4アルキル、
(11)−C(O)−C1−4アルキル、
(12)−N(R)
(13)−C(O)−N(R)
(14)−S(O)−C1−4アルキル(kは、0、1または2である。)、
(15)−アリール、
(16)1から2個のメチル基により場合により置換されている−ヘテロアリール、
(17)−C(O)−アリール、
(18)−N(R)−アリール、
(19)ベンジル、
(20)ベンジルオキシ、
(21)−COH、
(22)−SH、
(23)−SON(R)R、
(24)−N(R)C(O)N(R)R、
(25)−N(R)C(O)C1−4アルキル、
(26)−N(R)SON(R)R、
(27)トリメチルシリルおよび
(28)1−メチルシレタン−1−イル
からなる群から独立して選択され、
上記の(2)から(7)の基は、OH、CN、オキソ、ハロ、C1−4アルコキシおよびC1−4アルキルアミノからなる群から独立して選択される1個以上の置換基により、置換可能な位置の1から最大数以下の箇所が場合により置換されており、
ならびに隣接原子上の2個のR置換基は、これらが結合している原子と一緒になって結合して、O、SおよびNから選択される1または2個のヘテロ原子を場合により含有する5または6員の飽和または部分不飽和の単環を形成していてよく、前記環は、オキソもしくは1から3個のハロ基により、またはこの両方により場合により置換されており、および前記環は、ベンゾ基と場合により縮合しており;
各R、R、RおよびRは、H、FおよびC1−4アルキルからなる群から独立して選択され、前記C1−4アルキルは、オキソにより、ならびにF、OHおよびN(R)からなる群から独立して選択される1から3個の置換基により場合により置換されており;ならびに
各Rは、HおよびC1−4アルキルからなる群から独立して選択される。)を包含する。
【0013】
この属の範囲内で、本発明は、各R、RおよびRがHであり、ならびにYがOである、式Iの化合物の下位属を包含する。
【0014】
この下位属の範囲内で、本発明は、式Ia
【0015】
【化3】

の化合物のクラスまたは医薬的に許容されるこの塩を包含する。
【0016】
このクラスの範囲内で、本発明は、
が、
(1)ハロ、
(2)C1−6アルキル、
(3)C3−6シクロアルキル、
(4)C1−6アルコキシおよび
(5)−C(O)−C1−4アルキル
からなる群から独立して選択され、
上記の(2)から(4)の基は、OH、CN、オキソ、ハロ、C1−4アルコキシおよびC1−4アルキルアミノからなる群から独立して選択される1個以上の置換基により、置換可能な位置の1から最大数以下の箇所が場合により置換されている、
式Iaの化合物の下位クラスを包含する。
【0017】
この下位クラスの範囲内で、本発明は、Rが、ハロ、−CNおよびメトキシからなる群から選択される、式Iaの化合物のグループを包含する。
【0018】
さらにこの下位クラスの範囲内で、本発明は、Rがtert−ブチルである、式Iaの化合物のグループを包含する。
【0019】
本発明はまた、以下の群から選択される化合物を包含する:
(2S)−2−[(4−tert−ブチルフェノキシ)メチル]−2,3−ジヒドロ[1,3]オキサゾロ[3,2−a]ベンゾイミダゾール;
1−{3−[(2S)−2,3−ジヒドロ[1,3]オキサゾロ[3,2−a]ベンゾイミダゾール−2−イルメトキシ]フェニル}エタノン;
(2S)−2−[(4−tert−ブチルフェノキシ)メチル]−6−ヨード−2,3−ジヒドロ[1,3]オキサゾロ[3,2−a]ベンゾイミダゾール;
(2S)−2−[(4−tert−ブチルフェノキシ)メチル]−6−クロロ−7−フルオロ−2,3−ジヒドロ[1,3]オキサゾロ[3,2−a]ベンゾイミダゾール;
(2S)−2−[(4−tert−ブチルフェノキシ)メチル]−7−クロロ−6−フルオロ−2,3−ジヒドロ[1,3]オキサゾロ[3,2−a]ベンゾイミダゾール;
(2S)−2−[(4−tert−ブチルフェノキシ)メチル]−2,3−ジヒドロナフト[2’,3’:4,5]イミダゾ[2,1−b][1,3]オキサゾール;
(2S)−2−[(4−tert−ブチルフェノキシ)メチル]−6,7−ジクロロ−2,3−ジヒドロ[1,3]オキサゾロ[3,2−a]ベンゾイミダゾール;
(2S)−2−[(4−tert−ブチルフェノキシ)メチル]−6,7−ジフルオロ−2,3−ジヒドロ[1,3]オキサゾロ[3,2−a]ベンゾイミダゾール;
(2S)−2−[(4−tert−ブチルフェノキシ)メチル]−5,7−ジクロロ−2,3−ジヒドロ[1,3]オキサゾロ[3,2−a]ベンゾイミダゾール;
(2S)−2−[(4−tert−ブチルフェノキシ)メチル]−6,8−ジクロロ−2,3−ジヒドロ[1,3]オキサゾロ[3,2−a]ベンゾイミダゾール;
(2S)−2−[(4−tert−ブチルフェノキシ)メチル]−2,3−ジヒドロ[1,3]オキサゾロ[3,2−a]ベンゾイミダゾール−7−カルボニトリル;
(2S)−2−[(4−tert−ブチルフェノキシ)メチル]−2,3−ジヒドロ[1,3]オキサゾロ[3,2−a]ベンゾイミダゾール−6−カルボニトリル;
(2S)−2−[(4−ブロモフェノキシ)メチル]−2,3−ジヒドロ[1,3]オキサゾロ[3,2−a]ベンゾイミダゾール;
(2S)−2−[(ベンジルオキシ)メチル]−2,3−ジヒドロ[1,3]オキサゾロ[3,2−a]ベンゾイミダゾール;
(2S)−2−[(4−tert−ブチルフェノキシ)メチル]−7−フルオロ−2,3−ジヒドロ[1,3]オキサゾロ[3,2−a]ベンゾイミダゾール;
(2S)−2−[(4−tert−ブチルフェノキシ)メチル]−6−フルオロ−2,3−ジヒドロ[1,3]オキサゾロ[3,2−a]ベンゾイミダゾール;
(2S)−2−[(4−tert−ブチルフェノキシ)メチル]−7−クロロ−2,3−ジヒドロ[1,3]オキサゾロ[3,2−a]ベンゾイミダゾール;
(2S)−2−[(4−tert−ブチルフェノキシ)メチル]−6−クロロ−2,3−ジヒドロ[1,3]オキサゾロ[3,2−a]ベンゾイミダゾール;
(2S)−7−ブロモ−2−[(4−tert−ブチルフェノキシ)メチル]−2,3−ジヒドロ[1,3]オキサゾロ[3,2−a]ベンゾイミダゾール;
(2S)−6−ブロモ−2−[(4−tert−ブチルフェノキシ)メチル]−2,3−ジヒドロ[1,3]オキサゾロ[3,2−a]ベンゾイミダゾール;
(2S)−2−[(4−tert−ブチルフェノキシ)メチル]−7−メトキシ−2,3−ジヒドロ[1,3]オキサゾロ[3,2−a]ベンゾイミダゾール;
(2S)−2−[(4−tert−ブチルフェノキシ)メチル]−6−メトキシ−2,3−ジヒドロ[1,3]オキサゾロ[3,2−a]ベンゾイミダゾール;
2−[(4−tert−ブチルフェノキシ)メチル]−2−メチル−2,3−ジヒドロ[1,3]オキサゾロ[3,2−a]ベンゾイミダゾール;
(2S)−2−{[4−(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)フェノキシ]メチル}−2,3−ジヒドロ[1,3]オキサゾロ[3,2−a]ベンゾイミダゾール;
(2S)−2−{[4−(1−メチル−1H−ピロール−2−イル)フェノキシ]メチル}−2,3−ジヒドロ[1,3]オキサゾロ[3,2−a]ベンゾイミダゾール;
(2S)−2−{[4−(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)フェノキシ]メチル}−2,3−ジヒドロ[1,3]オキサゾロ[3,2−a]ベンゾイミダゾール;
(2S)−2−{[4−(2,2,2−トリフルオロ−1,1−ジメチルエチル)フェノキシ]メチル}−2,3−ジヒドロ[1,3]オキサゾロ[3,2−a]ベンゾイミダゾール;
(2S)−2−[(4−イソプロピルフェノキシ)メチル]−2,3−ジヒドロ[1,3]オキサゾロ[3,2−a]ベンゾイミダゾール;
(2S)−2−[(3,4−ジクロロフェノキシ)メチル]−2,3−ジヒドロ[1,3]オキサゾロ[3,2−a]ベンゾイミダゾール;
(2S)−2−[(4−クロロフェノキシ)メチル]−2,3−ジヒドロ[1,3]オキサゾロ[3,2−a]ベンゾイミダゾール;
(2S)−2−[(3−クロロフェノキシ)メチル]−2,3−ジヒドロ[1,3]オキサゾロ[3,2−a]ベンゾイミダゾール;
(2S)−2−[(3−クロロ−4−フルオロフェノキシ)メチル]−2,3−ジヒドロ[1,3]オキサゾロ[3,2−a]ベンゾイミダゾール;
(2S)−2−[(5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イルオキシ)メチル]−2,3−ジヒドロ[1,3]オキサゾロ[3,2−a]ベンゾイミダゾール;
(2S)−2−[(2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−イルオキシ)メチル]−2,3−ジヒドロ[1,3]オキサゾロ[3,2−a]ベンゾイミダゾール;
(2S)−2−[(3−tert−ブチルフェノキシ)メチル]−2,3−ジヒドロ[1,3]オキサゾロ[3,2−a]ベンゾイミダゾール;
(2S)−2−{[4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]メチル}−2,3−ジヒドロ[1,3]オキサゾロ[3,2−a]ベンゾイミダゾール;
2−{4−[(2S)−2,3−ジヒドロ[1,3]オキサゾロ[3,2−a]ベンゾイミダゾール−2−イルメトキシ]フェニル}−2−メチルプロパンニトリル;
1−{4−[(2S)−2,3−ジヒドロ[1,3]オキサゾロ[3,2−a]ベンゾイミダゾール−2−イルメトキシ]フェニル}シクロブタンカルボニトリル;
(2S)−2−[(4−シクロペンチルフェノキシ)メチル]−2,3−ジヒドロ[1,3]オキサゾロ[3,2−a]ベンゾイミダゾール;
(2S)−2−{[4−(トリメチルシリル)フェノキシ]メチル}−2,3−ジヒドロ[1,3]オキサゾロ[3,2−a]ベンゾイミダゾール;
(2S)−2−{[4−(1−メチルシレタン−1−イル)フェノキシ]メチル}−2,3−ジヒドロ[1,3]オキサゾロ[3,2−a]ベンゾイミダゾール;
2−{4−[(2S)−2,3−ジヒドロ[1,3]オキサゾロ[3,2−a]ベンゾイミダゾール−2−イルメトキシ]フェニル}プロパン−2−オール;
(2S)−2−({4−[6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]フェノキシ}メチル)−2,3−ジヒドロ[1,3]オキサゾロ[3,2−a]ベンゾイミダゾール−7−カルボニトリル;および
(2S)−2−({[2’−フルオロ−5’(トリフルオロメチル)ビフェニル−4−イル]オキシ}メチル)−2,3−ジヒドロ[1,3]オキサゾロ[3,2−a]ベンゾイミダゾール−7−カルボニトリル;
または上記化合物のいずれかの医薬的に許容される塩。
【0020】
本発明はまた、式Iの化合物を医薬的に許容される担体と組み合わせて含む医薬組成物を包含する。
【0021】
本発明はまた、グルタミン酸機能障害に伴う神経障害または精神障害の治療を必要とする患者においてグルタミン酸機能障害に伴う神経障害または精神障害を治療する方法であって、式Iの化合物の治療有効量を患者に投与することを含む方法を包含する。本発明はまた、グルタミン酸機能障害に伴う神経障害または精神障害が統合失調症である、本方法を包含する。
【0022】
「アルキル」および接頭語「alk」を有する他の基、例えば、アルコキシ、アルカノイルは、直鎖もしくは分枝鎖またはこの組合せであり得る炭素鎖を意味する。アルキル基の例は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−ブチルおよびtert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニルなどを含む。
【0023】
「アルキレン」は、両端が置換されている基を有する炭素原子の直鎖または分枝鎖、例えば、−CHCH−および−CHCHCH−を意味する。
【0024】
「アルケニル」は、少なくとも1個の炭素−炭素二重結合を含有し、直鎖もしくは分枝鎖またはこの組合せであり得る炭素鎖を意味する。アルケニルの例は、ビニル、アリル、イソプロペニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、1−プロペニル、2−ブテニル、2−メチル−2−ブテニルなどを含む。
【0025】
「アルキニル」は、少なくとも1個の炭素−炭素三重結合を含有し、直鎖もしくは分枝鎖またはこの組合せであり得る炭素鎖を意味する。アルキニルの例は、エチニル、プロパルギル、3−メチル−1−ペンチニル、2−ヘプチニルなどを含む。
【0026】
「シクロアルキル」は、指定の炭素原子数を有する、直鎖または分枝鎖の構造と場合により組み合わせられている単環、二環または三環の構造を意味する。シクロアルキル基の例は、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘプチル、アダマンチル、シクロドデシルメチル、2−エチル−1−ビシクロ[4.4.0]デシルなどを含む。
【0027】
「アルコキシ」は、指定の炭素原子数を有する直鎖または分枝鎖のアルコキシ基を意味する。C1−6アルコキシは、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシなどを含む。
【0028】
「シクロアルコキシ」は、酸素原子に結合している上記定義のシクロアルキル、例えばシクロプロピルオキシを意味する。
【0029】
「アリール」は、炭素原子のみを含有する単環または二環の芳香族環を意味する。アリールの例は、フェニル、ナフチル、インダニル、インデニル、テトラヒドロナフチル、2,3−ジヒドロベンゾフラニル、ジヒドロベンゾピラニル、1,4−ベンゾジオキサニルなどを含む。
【0030】
「ヘテロアリール」は、N、OおよびSから選択されるヘテロ原子を含有する少なくとも1個の環を有し、各環が5または6個の原子を含有する単環または二環の芳香族環を意味する。ヘテロアリールの例は、ピロリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、ピラゾリル、ピリジル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、フラニル、トリアジニル、チエニル、ピリミジル、ピリダジニル、ピラジニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、フロ(2,3−b)ピリジル、キノリル、インドリル、イソキノリルなどを含む。
【0031】
「ハロゲン」および「ハロ」は、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素を含む。
【0032】
本発明の化合物は、代謝調節型グルタミン酸(mGluR)受容体機能の増強剤であり、特にmGluR2受容体の増強剤である。即ち、本発明の化合物は、mGluR受容体上のグルタミン酸認識部位に結合しないようであるが、グルタミン酸またはグルタミン酸アゴニストの存在下で本発明の化合物はmGluR受容体の応答を増加させる。本発明の増強剤は、グルタミン酸またはグルタミン酸アゴニストに対するこのような受容体の応答を増加させ、受容体の機能を高めるこの能力によりmGluR受容体においてこの効果を有すると予測される。本発明の化合物は、mGluR2受容体のグルタミン酸およびグルタミン酸アゴニストの有効性を増加させると予測されることが認識される。従って、本発明の増強剤は、本明細書において治療されるべきと記載されているグルタミン酸機能障害に伴う種々の神経障害および精神障害、ならびに当業者により認識されている、このような増強剤により治療することができる他の疾患の治療において有用であると予測される。
【0033】
本発明の化合物は1個以上の不斉中心を含有することができ、従って、ラセミ体およびラセミ混合物、単一エナンチオマー、ジアステレオマー混合物および個々のジアステレオマーとして生じることができる。分子上の種々の置換基の性質に応じて追加の不斉中心が存在することができる。このような各不斉中心は2種の光学異性体を独立して生成し、混合物および純粋または部分的に純粋な化合物としての考えられる光学異性体およびジアステレオマーの全てが本発明の範囲内に含まれると意図される。特定の立体化学を規定していない本明細書に記載の化合物の任意の式、構造または名称は、上記の存在する任意の、および全ての異性体ならびに任意の割合のこの混合物を包含するものとする。立体化学が規定されている場合、本発明は、純粋形態の、または任意の割合の他の異性体との混合物の一部としての特定の異性体を包含するものとする。
【0034】
これらのジアステレオマーの独立合成またはこれらのクロマトグラフィー分離は、本明細書に記載の方法を適切に改変することにより当分野において公知の通り実施することができる。これらの絶対立体化学は、必要に応じて既知の絶対配置の不斉中心を含有する試薬により誘導体化した結晶性生成物または結晶性中間体のX線結晶解析により決定することができる。
【0035】
所望により、本化合物のラセミ混合物は、個々のエナンチオマーが単離されるように分離することができる。この分離は、当分野において周知の方法、例えば、化合物のラセミ混合物をエナンチオマー的に純粋な化合物に結合させてジアステレオマー混合物を形成させ、次いで標準的方法、例えば、分別結晶またはクロマトグラフィーにより個々のジアステレオマーを分離することにより実施することができる。このカップリング反応は、エナンチオマー的に純粋な酸または塩基を使用する塩の形成であることが多い。次いで、ジアステレオマー誘導体を付加キラル残基の開裂により純粋なエナンチオマーに変換することができる。本化合物のラセミ混合物は、当分野において周知である、キラル固定相を利用するクロマトグラフィー法により直接分離することもできる。
【0036】
または、化合物の任意のエナンチオマーは、当分野において周知の方法により既知の立体配置の光学的に純粋な出発材料または試薬を使用する立体選択的合成により得ることができる。
【0037】
「医薬的に許容される塩」という用語は、無機塩基または有機塩基および無機酸または有機酸を含む医薬的に許容される非毒性の塩基または酸から調製される塩を指す。無機塩基から誘導される塩は、アルミニウム塩、アンモニウム塩、カルシウム塩、銅塩、第二鉄塩、第一鉄塩、リチウム塩、マグネシウム塩、第二マンガン塩、第一マンガン塩、カリウム塩、ナトリウム塩、亜鉛塩などを含む。アンモニウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、カリウム塩およびナトリウム塩が特に好ましい。固体形態の塩は1種超の結晶構造で存在することができ、水和物の形態で存在することもできる。医薬的に許容される有機非毒性塩基から誘導される塩は、第一級、第二級および第三級アミン、天然に存在する置換アミンを含む置換アミン、環状アミン、ならびに塩基性イオン交換樹脂、例えば、アルギニン、ベタイン、カフェイン、コリン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、ジエチルアミン、2−ジエチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノエタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N−エチルモルホリン、N−エチルピペリジン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、ヒドラバミン、イソプロピルアミン、リジン、メチルグルカミン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂、プロカイン、プリン、テオブロミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トロメタミンなどの塩を含む。
【0038】
本発明の化合物が塩基性である場合、塩は、無機酸および有機酸を含む医薬的に許容される非毒性酸から調製することができる。このような酸は、酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、カンファースルホン酸、クエン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコン酸、グルタミン酸、臭化水素酸、塩酸、イセチオン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、粘液酸、硝酸、パモ酸、パントテン酸、リン酸、コハク酸、硫酸、酒石酸、p−トルエンスルホン酸などを含む。クエン酸、臭化水素酸、塩酸、マレイン酸、リン酸、硫酸、フマル酸および酒石酸が特に好ましい。本明細書において使用される式Iの化合物への言及は、医薬的に許容される塩も含むものと解される。
【0039】
本発明の例示は、本明細書に記載の実施例1−4から1−26、2−1から2−5、3−5から3−19、3−21および4−1から4−3である。これらの主題化合物は、代謝調節型グルタミン酸受容体活性の阻害を必要とする患者、例えば哺乳動物において代謝調節型グルタミン酸受容体活性を増強する方法であって、化合物の有効量を投与することを含む方法において有用である。本発明は、代謝調節型グルタミン酸受容体活性の増強剤としての、本明細書に開示の主題化合物の使用を対象とする。霊長類、特にヒトの他、種々の他の動物を本発明の方法により治療することができる。
【0040】
本発明はさらに、ヒトおよび動物において代謝調節型グルタミン酸受容体活性を増強する医薬品を製造する方法であって、本発明の化合物を医薬担体または希釈剤と組み合わせることを含む方法を対象とする。
【0041】
本発明の方法において治療される対象は、一般に、代謝調節型グルタミン酸受容体活性の増強が望まれる哺乳動物、好ましくはヒトの男性または女性である。「治療有効量」という用語は、研究者、獣医師、医師または他の臨床家により求められている、組織、系、動物またはヒトの生物学的または医学的応答を誘発する主題化合物の量を意味する。本発明の化合物の有効量により、障害を現在罹患している患者を治療することにより、または障害を罹患する患者を予防的に治療することにより、当業者が神経障害および精神障害に影響を及ぼすことができることが認識される。本明細書において使用される「治療」および「治療する」という用語は、本明細書に記載の神経障害および精神障害の進行の緩慢化、中断、阻止、制御または停止(必ずしも全ての障害の症状の完全な根絶を示すものではない。)であり得る全てのプロセス、ならびに特にこのような疾患または障害の素因がある患者における上記病態の予防的治療を指す。
【0042】
本明細書において使用される「組成物」という用語は、規定量の規定成分を含む製品、および規定量の規定成分の組合せから直接的または間接的に得られる任意の製品を包含するものとする。医薬組成物に関連するこのような用語は、活性成分および担体を構成する不活性成分を含む製品、ならびに成分の任意の2種以上の組合せ、錯化もしくは凝集から、または成分の1種以上の解離から、または成分の1種以上の他の反応もしくは相互作用のタイプから直接的または間接的に得られる任意の製品を包含するものとする。従って、本発明の医薬組成物は、本発明の化合物と医薬的に許容される担体とを混合することにより作製される任意の組成物を包含する。「医薬的に許容される」は、担体、希釈剤または賦形剤が配合物の他の成分と適合しなければならず、このレシピエントに対して有害であってはならないことを意味する。
【0043】
化合物「の投与」およびまたは化合物「を投与する」という用語は、治療を必要とする個体に本発明の化合物または本発明の化合物のプロドラッグを提供することを意味すると解されるべきである。
【0044】
代謝調節型グルタミン酸受容体活性、特にmGluR2活性の阻害剤としての本発明による化合物の有用性は、当分野において公知の方法により実証することができる。阻害定数は以下のように決定する。本発明の化合物は、蛍光レーザーイメージングプレートリーダー(fluorescence laser imaging plate reader)(FLIPR)ベースのアッセイにおいて試験することができる。このアッセイは、プロミスカスなGタンパク質と共役する組換え受容体を発現する全細胞においてCa2+動員を追跡する一般的な機能アッセイである。Fluo−4AM(Invitrogen,Carlsbad CA)を負荷した、組換えヒトmGluR2およびGα16を安定的に発現するCHOdhfr−細胞を化合物の用量応答により処理し、Ca2+応答をFLIPR384(Molecular Devices,Sunnydale CA)によりアゴニスト活性について追跡する。増強応答は、グルタミン酸をEC20濃度(900nM)で続いて添加した後に追跡する。アゴニストまたは増強に対する化合物の各濃度における最大カルシウム応答を用量応答として作図し、反復非線形曲線フィッティングソフトウェアプログラムを使用して、EC50およびHill係数を付与する4パラメーターロジスティック方程式により曲線を当てはめる。
【0045】
本発明の化合物は、[35S]−GTPγSアッセイにおいて試験することもできる。[35S]−GTPγS結合の刺激は、天然および組換え受容体膜調製物においてGαi共役型受容体を追跡する一般的な機能アッセイである。hmGlu2を安定的に発現する細胞CHO−K1に由来する膜(50μg)を96ウェルプレート中でGTPγS35(0.05nM)、GDP(5μM)および化合物の存在下で1時間インキュベートする。96ウェルセルハーベスター(Brandel Gaithersburg,MD)を使用してUnifilter GF/Bプレート(Packard,Bioscience,Meriden CT)上での急速濾過により反応を停止させる。Topcountカウンター(Packard,Bioscience,Meriden CT,USA)を使用してフィルタープレートを計数する。化合物が増強剤であると評価された場合、これらの化合物をグルタミン酸(1μM)の存在下で試験する。反復非線形曲線フィッティングソフトウェアGraphPad(San Diego CA,USA)を使用して、EC50およびHill係数を付与する4パラメーターロジスティック方程式によりグルタミン酸の活性化(アゴニスト)または増強(増強剤)曲線を当てはめる。
【0046】
特に、実施例1−4から1−26、2−1から2−5、3−5から3−19、3−21および4−1から4−3は、FLIPRアッセイにおいてmGluR2受容体の増強における活性を試験および実証し、一般にEC50は約10μM未満であった。本発明の範囲内の化合物は、FLIPRおよびGTPySアッセイにおいて、約1μM未満のEC50のmGluR2受容体の増強における活性を有した。実施例1−4から1−26、2−1から2−5、3−5から3−19、3−21および4−1から4−3は、グルタミン酸のEC20濃度(900nM)の存在下でグルタミン酸応答の最小1.8倍の増強をもたらした。このような結果は、mGluR2受容体活性の増強剤として使用される本化合物の固有の活性を示している。実施例3−20は参考例である。
【0047】
【表1】

【0048】
mGluR2受容体を含む代謝調節型グルタミン酸受容体は、広範な生物学的機能と関連している。このことは、ヒトまたは他の種における種々の疾患プロセスにおいてこれらの受容体についての潜在的な役割を示唆している。
【0049】
本発明の化合物は、以下の病態または疾患の1種以上を含むグルタミン酸機能障害に伴う種々の神経障害および精神障害の治療、予防、改善、制御またはリスク低減に有用である:急性の神経障害および精神障害、例えば、心臓のバイパス手術および移植後の脳欠損、脳卒中、脳虚血、脊髄外傷、頭部外傷、周産期低酸素症、心停止、低血糖性神経損傷、認知症(AIDS誘発性認知症を含む。)、アルツハイマー病、ハンチントン舞踏病、筋萎縮性側索硬化症、眼損傷、網膜症、認知障害、特発性および薬物誘発性パーキンソン病、筋痙縮、ならびに振戦を含む筋痙性に関連する障害、てんかん、痙攣、片頭痛(片頭痛型頭痛を含む。)、尿失禁、物質耐性(substance tolerance)、物質離脱(例えば、アヘン薬、ニコチン、タバコ製品、アルコール、ベンゾジアゼピン、コカイン、鎮痛薬、睡眠薬などの物質を含む。)、精神病、統合失調症、不安症(全般性不安障害、パニック障害および強迫性障害を含む。)、気分障害(うつ病、躁病、双極性障害を含む。)、三叉神経痛、難聴、耳鳴、眼の黄斑変性症、嘔吐、脳浮腫、疼痛(急性および慢性の疼痛状態、激痛、難治性疼痛、神経因性疼痛ならびに外傷後疼痛を含む。)、遅発性運動障害、睡眠障害(ナルコレプシーを含む。)、自閉症、自閉症スペクトラム障害、注意欠陥/多動性障害ならびに行動障害。
【0050】
上記疾患のうち、片頭痛、不安症、統合失調症およびてんかんの治療が特に重要である。好ましい実施形態において、本発明は、式Iの化合物の有効量を片頭痛の治療を必要とする患者に投与することを含む、片頭痛を治療する方法を提供する。別の好ましい実施形態において、本発明は、式Iの化合物の有効量を不安症の予防または治療を必要とする患者に投与することを含む、不安症を予防または治療する方法を提供する。特に好ましい不安障害は、全般性不安障害、パニック障害および強迫性障害である。別の好ましい実施形態において、本発明は、式Iの化合物の有効量を統合失調症の治療を必要とする患者に投与することを含む、統合失調症を治療する方法を提供する。さらに別の好ましい実施形態において、本発明は、式Iの化合物の有効量をてんかんの治療を必要とする患者に投与することを含む、てんかんを治療する方法を提供する。
【0051】
本発明により治療されるグルタミン酸機能障害に伴う神経障害および精神障害のうち、片頭痛、不安症、統合失調症およびてんかんの治療が特に好ましい。特に好ましい不安障害は、全般性不安障害、パニック障害および強迫性障害である。
【0052】
一実施形態において、本発明は、式Iの化合物またはこの医薬組成物の有効量を統合失調症の治療を必要とする患者に投与することを含む、統合失調症を治療する方法を提供する。診断手段の利用可能な情報源の1種The Merck Manual(2006−2007)において、統合失調症は、精神病(現実との接触の喪失)、幻覚(誤った知覚)、妄想(誤った確信)、会話と行動の解体、情動の平板化(感情の幅の限定)、認知障害(推論および問題解決の障害)ならびに仕事および社会的機能の障害により特徴付けられている。当業者は、片頭痛を含む神経障害および精神障害についての代替的な命名法、疾病分類および分類体系が存在すること、ならびにこれらの体系が医科学の進歩に伴って進化することを認識する。
【0053】
従って、一実施形態において、本発明は、式Iの化合物またはこの医薬組成物の有効量を片頭痛の治療を必要とする患者に投与することを含む、片頭痛を治療する方法を提供する。診断手段の利用可能な情報源の1種Dorland’s Medical Dictionary(23’d Ed.,1982,W.B.Saunders Company,Philidelphia,PA)において、片頭痛は、過敏症、悪心、嘔吐、便秘または下痢および羞明を伴うことが多い、通常は側頭部および一側性の周期的頭痛の症候群と定義されている。本明細書において使用される「片頭痛」という用語は、これらの側頭部および一側性の両方の周期的頭痛、頭痛に伴う過敏症、悪心、嘔吐、便秘または下痢、羞明ならびに他の付随症状を含む。当業者は、片頭痛を含む神経障害および精神障害についての代替的な命名法、疾病分類および分類体系が存在すること、ならびにこれらの体系が医科学の進歩に伴って進化することを認識する。
【0054】
別の実施形態において、本発明は、式Iの化合物またはこの医薬組成物の有効量を不安症の治療を必要とする患者に投与することを含む、不安症を治療する方法を提供する。現在、Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disordersの第4版(DSM−IV)(1994,American Psychiatric Association,Washington,D.C.)が不安症および関連障害を含む診断手段を提供する。不安症は、広場恐怖症を伴うまたは伴わないパニック障害、パニック障害の既往歴を伴わない広場恐怖症、特定恐怖症、対人恐怖症、強迫性障害、外傷後ストレス障害、急性ストレス障害、全般性不安障害、一般身体疾患に起因する不安障害、物質誘発性不安障害および特定不能の不安障害を含む。本明細書において使用される「不安症」という用語は、DSM−IVに記載の不安障害および関連障害の治療を含む。当業者は、神経障害および精神障害、特に不安症についての代替的な命名法、疾病分類および分類体系が存在すること、ならびにこれらの体系が医科学の進歩に伴って進化することを認識する。従って、「不安症」という用語は、他の診断源に記載の類似の障害を含むものとする。
【0055】
別の実施形態において、本発明は、式Iの化合物またはこの医薬組成物の有効量をうつ病の治療を必要とする患者に投与することを含む、うつ病を治療する方法を提供する。現在、Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disordersの第4版(DSM−IV)(1994,American Psychiatric Association,Washington,D.C.)が、うつ病および関連障害を含む診断手段を提供する。うつ病性障害は、例えば、単一エピソードまたは反復性大うつ病性障害および気分変調性障害、抑うつ神経症および神経症性うつ病;食欲不振、体重減少、不眠症および早朝覚醒を含むメランコリー性うつ病、ならびに精神運動発達遅滞;食欲増進、過眠症、精神運動性激越または過敏症、不安症および恐怖症を含む非定型うつ病(または反応性うつ病);季節的情動障害;または双極性障害もしくは躁うつ病、例えばI型双極性障害、II型双極性障害および気分循環性障害を含む。本明細書において使用される「うつ病」という用語は、DSM−IVに記載のうつ病性障害および関連障害の治療を含む。
【0056】
別の実施形態において、本発明は、式Iの化合物またはこの医薬組成物の有効量をてんかんの治療を必要とする患者に投与することを含む、てんかんを治療する方法を提供する。現在、特発性、症候性および潜因性のものを含むてんかんに関連する発作の数種のタイプおよびサブタイプが存在する。これらのてんかん発作は、限局的(部分的)または全身性であり得る。これらのてんかん発作はまた、単純発作または複雑発作であり得る。てんかんは、当分野において、例えば、Epilepsy:A comprehensive textbook.Ed.by Jerome Engel,Jr.and Timothy A.Pedley.(Lippincott−Raven,Philadelphia,1997)に記載されている。現在、International Classification of Diseases,Ninth Revision(ICD−9)が、てんかんおよび関連障害を含む診断手段を提供する。てんかんは、全身性非痙攣性てんかん、全身性痙攣性てんかん、小発作てんかん重積状態、大発作てんかん重積状態、意識障害を伴う部分てんかん、意識障害を伴わない部分てんかん、点頭てんかん、持続性部分てんかん、てんかんの他の形態、特定不能のてんかん、NOSを含む。本明細書において使用される「てんかん」という用語は、これらの全てのタイプおよびサブタイプを含む。当業者は、てんかんを含む神経障害および精神障害についての代替的な命名法、疾病分類および分類体系が存在すること、ならびにこれらの体系が医科学の進歩に伴って進化することを認識する。
【0057】
本主題化合物はさらに、本明細書に記載の疾患、障害および病態を予防し、治療し、制御し、改善し、または本明細書に記載の疾患、障害および病態のリスクを低減する方法において有用である。
【0058】
本主題化合物はさらに、mGluRアゴニストを含む他の薬剤と組み合わせて上記の疾患、障害および病態を予防し、治療し、制御し、改善し、または上記の疾患、障害および病態のリスクを低減する方法において有用である。
【0059】
「増強量」という用語は、本発明の化合物の有効量と組み合わせて投与された場合に本明細書に記載の神経障害および精神障害の治療において有効であるmGluRアゴニストの量、即ちアゴニストの投与量を指す。増強量は、本発明の化合物の有効量の不在下でmGluRアゴニストが投与された場合に同一の効果を提供するために要求される量よりも少ないと予想される。
【0060】
増強量は、当業者としての主治診断医が慣用技術を使用し、類似の状況下で得られた結果を観察することにより容易に決定することができる。式Iの化合物と組み合わせて投与されるべきmGluRアゴニストの用量である増強量を決定する際、限定されるものではないが、投与されるべき選択mGluRアゴニスト(この力価および選択性を含む。);共投与されるべき式Iの化合物;哺乳動物種;この寸法、年齢および全身健康状態;関与する具体的な障害;障害の関与の程度または重篤度;個々の患者の応答;投与様式;投与される製剤のバイオアベイラビリティー特性;選択される用量レジメン;他の併用薬の使用;ならびに他の関連状況を含む多数の要因が主治診断医により考慮される。
【0061】
式Iの化合物の有効量と組み合わせて投与されるべきmGluRアゴニストの増強量は、1日当たり体重1キログラム当たり約0.1ミリグラム(mg/kg/日)から約100mg/kg/日の間で変動すると予想され、式Iの化合物の有効量の不在下で投与された場合に同一の効果を提供するために要求される量よりも少ないと予想される。共投与されるmGluアゴニストの好ましい量は、当業者が決定することができる。
【0062】
本発明の化合物は、薬物の組合せが薬物単独よりも安全または有効である場合、式Iの化合物または他の薬物が有用であり得る疾患または病態の治療、予防、制御、改善またはリスク低減において他の1種以上の薬物と組み合わせて使用することができる。このような他の薬物は、薬物について一般に使用されている経路および量で式Iの化合物と同時または順次に投与することができる。式Iの化合物が他の1種以上の薬物と同時に使用される場合、このような他の薬物および式Iの化合物を含有する単位剤形の医薬組成物が好ましい。しかしながら、組合せ療法は、式Iの化合物および1種以上の他の薬物が重複する異なるスケジュールに基づき投与される治療も含むことができる。本発明の化合物が1種以上の他の活性成分と組み合わせて使用される場合、本発明の化合物および他の活性成分をそれぞれ単独使用する場合よりも低用量で使用することができることも企図される。従って、本発明の医薬組成物は、式Iの化合物の他に1種以上の他の活性成分を含有する医薬組成物を含む。
【0063】
上記組合せは、本発明の化合物と他の1種の活性化合物との組合せのみでなく、2種以上の他の活性化合物との組合せも含む。
【0064】
同様に、本発明の化合物は、本発明の化合物が有用である疾患または病態の予防、治療、制御、改善またはリスク低減において使用される他の薬物と組み合わせて使用することもできる。このような他の薬物は、薬物について一般に使用されている経路および量で本発明の化合物と同時または順次に投与することができる。本発明の化合物が他の1種以上の薬物と同時に使用される場合、本発明の化合物の他にこのような他の薬物を含有する医薬組成物が好ましい。従って、本発明の医薬組成物は、本発明の化合物の他に1種以上の他の活性成分も含有する医薬組成物を含む。
【0065】
本発明の化合物と第2の活性成分との重量比は変えることができ、各成分の有効用量に依存する。一般に、それぞれの有効用量が使用される。従って、例えば、本発明の化合物が別の薬剤と組み合わせられる場合、本発明の化合物と他の薬剤との重量比は、一般に約1000:1から約1:1000、好ましくは約200:1から約1:200の範囲である。本発明の化合物と他の活性成分との組合せも一般に上記範囲内であるが、各場合において各活性成分の有効用量が使用されるべきである。
【0066】
このような組合せにおいて、本発明の化合物および他の活性剤は別個に投与してもよいし、同時に投与してもよい。さらに、ある成分の投与は、他の薬剤の投与前であっても、薬剤の投与と同時であっても、該薬剤の投与後であってもよい。
【0067】
本発明の化合物は、経口、非経口(例えば、筋肉内、腹腔内、静脈内、ICV、槽内注射もしくは注入、皮下注射またはインプラント)、吸入スプレー、鼻腔、膣、直腸、舌下または局所の投与経路により投与することができ、各投与経路に適切な慣用の非毒性の医薬的に許容される担体、アジュバントおよびビヒクルを含有する好適な投与単位配合物に単独または複数で配合することができる。本発明の化合物は、温血動物、例えば、マウス、ラット、ウマ、ウシ、ヒツジ、イヌ、ネコ、サルなどの治療の他、ヒトにおける使用に有効である。
【0068】
本発明の化合物の投与用医薬組成物は、投与単位形で都合良く提供することができ、製薬分野において周知の方法のいずれかにより調製することができる。全ての方法は、1種以上の補助成分を構成する担体と活性成分を会合させる段階を含む。一般に、医薬組成物は、活性成分を液体担体もしくは微粉状固体担体またはこの両方と均一および緊密に会合させ、次いで必要に応じて生成物を所望の配合物に成形することにより調製される。医薬組成物には、疾患のプロセスまたは状態に対して所望の効果をもたらすために十分な量の目的活性化合物が含まれる。本明細書において使用される「組成物」という用語は、規定量の規定成分を含む製品、および規定量の規定成分の組合せから直接的または間接的に得られる任意の製品を包含するものとする。
【0069】
経口使用が意図される医薬組成物は、医薬組成物の製造分野において公知の任意の方法により調製することができ、このような組成物は、医薬的に洗練された口当たりの良い製剤を提供するために甘味剤、香味剤、着色剤および保存剤からなる群から選択される1種以上の薬剤を含有することができる。錠剤は、活性成分を錠剤の製造に好適な非毒性の医薬的に許容される賦形剤との混合物として含有する。これらの賦形剤は、例えば、不活性希釈剤、例えば、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウムまたはリン酸ナトリウム;造粒剤および崩壊剤、例えば、トウモロコシデンプンまたはアルギン酸;結合剤、例えば、デンプン、ゼラチンまたはアラビアガムおよび滑沢剤、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸またはタルクであり得る。錠剤は、未被覆であってもよいし、胃腸管内での崩壊および吸収を遅延させ、それにより長時間にわたり持続作用を提供するために公知技術により被覆されていてもよい。経口使用される組成物は、活性成分が不活性固体希釈剤、例えば、炭酸カルシウム、リン酸カルシウムまたはカオリンと混合されている硬ゼラチンカプセル剤として、または活性成分が水または油性媒体、例えばピーナッツ油、液体パラフィンまたはオリーブ油と混合されている軟ゼラチンカプセル剤として提供することもできる。
【0070】
水性懸濁液剤は、活性材料を水性懸濁液剤の製造に好適な賦形剤との混合物として含有する。油性懸濁液剤は、活性成分を好適な油中で懸濁することにより配合することができる。水中油型乳剤も使用することができる。水の添加による水性懸濁液剤の調製に好適な分散性の散剤および顆粒剤は、活性成分を分散剤または湿潤剤、懸濁化剤および1種以上の保存剤との混合物として提供する。
【0071】
本発明の医薬組成物は、水性または油性の注射用滅菌懸濁液剤の形態であり得る。本発明の化合物は、直腸投与用座剤の形態で投与することもできる。局所使用については、本発明の化合物を含有するクリーム剤、軟膏剤、ゼリー剤、液剤または懸濁液剤などを使用することができる。本発明の化合物は、吸入投与用に配合することもできる。本発明の化合物は、当分野において公知の方法により経皮貼付剤により投与することもできる。
【0072】
本発明の医薬組成物および方法はさらに、上記病理学的状態の治療において通常適用される本明細書に記載の他の治療活性化合物を含むことができる。
【0073】
代謝調節型グルタミン酸受容体活性の増強を要求する病態の治療、予防、制御、改善またはリスク低減において、適切な投与量レベルは、一般に、1日当たり患者体重1kg当たり約0.01から500mgであり、単回用量または多回用量で投与することができる。投与量レベルは、好ましくは1日当たり約0.1から約250mg/kgであり;より好ましくは1日当たり約0.5から約100mg/kgである。好適な投与量レベルは、1日当たり約0.01から250mg/kg、1日当たり約0.05から100mg/kgまたは1日当たり約0.1から50mg/kgであり得る。この範囲内で投与量は、1日当たり0.05から0.5、0.5から5、または5から50mg/kgであり得る。経口投与については、治療されるべき患者への投与量を症状によって調節するため、活性成分1.0から1000ミリグラム、特に活性成分1.0、5.0、10.0、15.0、20.0、25.0、50.0、75.0、100.0、150.0、200.0、250.0、300.0、400.0、500.0、600.0、750.0、800.0、900.0および1000.0ミリグラムを含有する錠剤の形態で組成物を提供することが好ましい。本化合物は、1日当たり1から4回、好ましくは1日当たり1回または2回のレジメンに基づき投与することができる。
【0074】
グルタミン酸機能障害に伴う神経障害および精神障害または本発明の化合物の適応症である他の疾患の治療、予防、制御、改善またはリスク低減に際し、本発明の化合物を動物体重1キログラム当たり約0.1ミリグラムから約100ミリグラムの1日投与量で投与し、好ましくは単回1日用量もしくは1日2から6回の分割用量で、または徐放形態で与えると一般に満足な結果が得られる。大半の大型哺乳動物について、総1日投与量は約1.0ミリグラムから約1000ミリグラムであり、好ましくは約1ミリグラムから約50ミリグラムである。70kgのヒト成人の場合、総1日用量は一般に約7ミリグラムから約350ミリグラムである。最適な治療応答を提供するようにこの投与レジメンを調節することができる。
【0075】
しかしながら、任意の特定患者についての具体的な用量レベルおよび投与頻度は変えることができ、使用される具体的な化合物の活性、この化合物の代謝安定性および作用時間、年齢、体重、全身健康状態、性別、食事、投与方式および投与時間、排泄速度、薬物の組合せ、特定病態の重篤度、ならびに宿主の受けている治療を含む種々の要因に依存すると解される。
【0076】
本発明の化合物の数種の調製方法を以下のスキームおよび実施例において説明する。出発材料は、当分野において公知の手順または本明細書に説明する手順により作製する。本発明の化合物は、種々の手法において調製することができる。
【0077】
I.一般スキーム
一般スキームAによれば、エピクロロヒドリン(A−1)を塩基性条件下で種々の置換フェノール(A−2)と反応させて置換エポキシド(A−3)を提供することができる。このようなエポキシドを炭酸セシウムの存在下で置換2−クロロまたは2−ブロモベンゾイミダゾール(A−4)と反応させて、ワンポットで、所望のオキサゾロベンゾイミダゾール(A−5)を提供することができる。エポキシド(A−3)をDMF中で触媒KCOの存在下でベンゾイミダゾール(A−4)と反応させる代替的な2段階手順も有効である。次いで、中間体アルコール(A−6)を、反応混合物へのNaHの添加により閉環させてオキサゾロベンゾイミダゾール(A−5)を提供する。
【0078】
【化4】

【0079】
一般スキームBによれば、オキサゾロベンゾイミダゾール(B−1)を種々の金属媒介カップリング反応、例えば、パラジウムを触媒とする提示のSuzuki反応に供することができる。水性NaCOの存在下でDMA中で温度を高めて(例えば、100℃)Pd(PPhを使用して、オキサゾロベンゾイミダゾール(B−1)を種々の置換ボロン酸およびエステルに結合させて置換オキサゾロベンゾイミダゾール(B−2)を生じさせることができる。
【0080】
【化5】

【0081】
一般スキームCによれば、市販のベンジル保護エポキシド(C−1)を置換ベンゾイミダゾール(C−2)との反応に供してベンジル保護オキサゾロベンゾイミダゾール(C−3)を提供する。ベンジル基を水素添加により除去した後、ヒドロキシルオキサゾロベンゾイミダゾール(C−4)を種々のフェノール(C−5)とのMitsunobu反応に供して置換オキサゾロベンゾイミダゾール(C−6)を生じさせることができる。
【0082】
【化6】

【0083】
一般スキームDによれば、ブロモ置換オキサゾロベンゾイミダゾール(D−1)をnBuLiによるリチウム−ハロゲン交換に供することができ、リチウム化(lithiated)中間体を種々の求電子試薬と反応させて置換オキサゾロベンゾイミダゾール(D−2)を生成することができる。
【0084】
【化7】

【0085】
II.実験スキーム
以下のスキーム中のある種の試薬(フェノール、エポキシドおよびクロロベンゾイミダゾール)は、阻害剤合成スキームにおけるこれらの導入前に合成しなければならなかった。具体的な手順を以下に記載し、または参照する:
フェノールの合成(Pスキーム)
【0086】
【化8】

【0087】
1−メトキシ−4−(2,2,2−トリフルオロ−1,1−ジメチルエチル)ベンゼン(P1−1)は、Tanka,H.;Shishido,Y.Bioorg.Med.Chem.Lett.2007,17,6079−6085に報告されている文献化合物である。対応するフェノール(P1−2)をこのプロトコルにより調製した:1−メトキシ−4−(2,2,2−トリフルオロ−1,1−ジメチルエチル)ベンゼン(P1−1、1.03g、4.72mmol)を無水ジクロロメタン中で溶解させ、窒素ガス下で−78℃に冷却した。BBr(9.44mL、9.44mmol、ジクロロメタン中1M)を滴加し、反応物を0℃に2時間撹拌した。水(2mL)を添加して過剰の試薬を反応停止させ、次いで水性水酸化アンモニウム(5mL)を添加した。次いで、反応物を6NのHClにより最終pH=1に酸性化し、ジクロロメタン(3×10mL)により抽出した。合わせた有機層をMgSOで脱水させ、濾過し、濃縮して妥当な純度の4−(2,2,2−トリフルオロ−1,1−ジメチルエチル)フェノール(P1−2)を提供した、LRMS m/z(M+H)204.9実測値、205.2要求値。
【0088】
【化9】

【0089】
(4−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}フェニル)アセトニトリル(P2−2)
(4−ヒドロキシフェニル)アセトニトリル(5.00g、37.6mmol、1当量)、イミダゾール(3.83g、56.3mmol、1.50当量)およびtert−ブチルジメチルシリルクロリド(6.79g、45.1mmol、1.20当量のN,N−ジメチルホルムアミド(50mL)中混合物を、23℃において20時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、残留物を酢酸エチルおよびヘキサンの70:30混合物(200mL)と水(2×200mL)とに分配した。有機層を塩水により洗浄し、次いで硫酸ナトリウムで脱水させ、濃縮して(4−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}フェニル)アセトニトリル(P2−2)をオフホワイト色固体として生じさせた。H NMR(300MHz,CDCl)δ6.98(d,2H,J=8.7Hz),6.63(d,2H,J=8.7Hz),3.48(s,2H),0.80(s,9H),0.00(s,6H)。LRMS m/z(M+H)248.0実測値、248.1要求値。
【0090】
2−(4−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}フェニル)−2−メチルプロパンニトリル(P2−3)
ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド(1.0M、36.4mL、36.4mmol、3.00当量)の溶液を、0℃に予冷した(4−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}フェニル)アセトニトリル(P2−2、3.00g、12.1mmol、1当量)のTHF(100mL)中溶液に添加した。橙色混合物を20分間撹拌し、ヨードメタン(3.79mL、60.6mmol、5.00当量)を添加した。得られた混合物を0℃において1時間撹拌し、次いで飽和塩化アンモニウム水溶液(200mL)と酢酸エチルおよびヘキサンの70:30混合物(2×200mL)とに分配した。合わせた有機層を塩水により洗浄し、次いで硫酸ナトリウムで脱水させ、濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(最初はヘキサン、100%の酢酸エチルに勾配させる。)により精製して2−(4−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}フェニル)−2−メチルプロパンニトリル(P2−3)を無色油状物として生じさせた。H NMR(300MHz,CDCl)δ7.17(d,2H,J=8.6Hz),6.63(d,2H,J=8.6Hz),1.50(s,6H),0.78(s,9H),0.00(s,6H)。
【0091】
2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルプロパンニトリル(P2−4)
{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}フェニル)−2−メチルプロパンニトリル(P2−3、2.20g、7.99mmol、1当量)およびトリエチルアミン三フッ化水素酸塩(3.90mL、24.0mmol、3.00当量)のアセトニトリル(50mL)中溶液を、23℃において3時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、残留物を飽和重炭酸ナトリウム水溶液(200mL)と酢酸エチル(2×100mL)とに慎重に分配した。合わせた有機層を塩水により洗浄し、次いで硫酸ナトリウムで脱水させ、濃縮して2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルプロパンニトリル(P2−4)を白色固体として生じさせた。H NMR(300MHz,CDCl)δ7.33(d,2H,J=8.6Hz),6.84(d,2H,J=8.6Hz),4.90(s,1H),1.70(s,6H)。
【0092】
【表2】

【0093】
クロロベンゾイミダゾールの合成(Cスキーム)
数種のクロロベンゾイミダゾールは市販されておらず、Ognyanov,V.I.et ai J Med.Chem.2006,49,3719−3742に2−クロロ−5−シアノベンゾイミダゾールについて記載の通り、これらの対応するオルト−ジ−アニリンから合成しなければならなかった。
【0094】
エポキシドの合成(Eスキーム)
【0095】
【化10】

【0096】
1−tert−ブチル−4−[(2−メチルプロプ−2−エン−1−イル)オキシ]ベンゼン(E1−2)
4−tert−ブチルフェノール(E1−1、1.00g、6.66mmol)、1−ブロモ−2−メチル−2−プロペン(0.90g、6.66mmol)の無水ジメチルホルムアミド(20mL)中溶液に、無水炭酸カリウム(1.38g、9.99mmol)を添加した。反応物を周囲温度において2時間撹拌し、酢酸エチル(100mL)と水(100mL)とに分配した。有機層を水(3×50mL)および塩水(1×50mL)により洗浄し、MgSOで脱水させた。濾液を減圧下で濃縮し、フラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO、40gのISCOカラム、0から5%のEtOAc/ヘキサン)により直接精製して1−tert−ブチル−4−[(2−メチルプロプ−2−エン−1−イル)オキシ]ベンゼン(E1−2)を澄明液体としてもたらした。H NMR(400MHz,CDCl)δ7.29(d,2H,J=8.8Hz),6.85(d,2H,J=8.8Hz),5.09(s,1H),4.97(s,1H),4.41(s,2H),1.83(s,3H),1.30(s,9H)。
【0097】
2−[(4−tert−ブチルフェノキシ)メチル]−2−メチルオキシラン(E1−3)
1−tert−ブチル−4−[(2−メチルプロプ−2−エン−1−イル)オキシ]ベンゼン(E1−2、1.06、5.190mmol)の無水ジクロロメタン(20L)中溶液に、メタ−クロロペルオキシ安息香酸(1.40g、5.71mmol)を添加した。反応物を25℃において16時間撹拌し、減圧下で濃縮し、ジエチルエーテル(50mL)中で再溶解させた。有機層を5%のNaCOおよび塩水により洗浄し、MgSO4で脱水させた。有機層を濾過し、濃縮し、フラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO、40gのISCOカラム、0−10%のEtOAc/ヘキサン)により直接精製して2−[(4−tert−ブチルフェノキシ)メチル]−2−メチルオキシラン(E1−3)を澄明液体としてもたらした。
【0098】
mGluR2増強剤:オキサゾロベンゾイミダゾールの合成
【0099】
【化11】

【0100】
(2S)−2−[(4−tert−ブチルフェノキシ)メチル]オキシラン(1−3)
64℃の(R)−(−)−エピクロロヒドリン(1−1)(25mL、320mmol、2.0当量)に、4−tert−ブチルフェノール(1−2)(24グラム、160mmol、1.0当量)および水酸化ナトリウム(6.7g、170mmol、1.1当量)の水(50mL)中加温溶液を激しく撹拌しながら1時間にわたり添加した。混合物を64℃において7時間撹拌し、室温に冷却した。水溶液をジエチルエーテルにより抽出し、合わせた有機抽出物を飽和塩化ナトリウム水溶液により洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水させ、濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(0から100%の酢酸エチル/ヘキサン)により精製して(2S)−2−[(4−tert−ブチルフェノキシ)メチル]オキシラン(1−3)を澄明液体としてもたらした。H NMR(400MHz,CDCl)δ7.31(d,2H,J=8.8Hz),6.85(d,2H,J=8.8Hz),4.17(m,1H),3.98(m,1H),3.35(m,1H),2.88(m,1H),2.75(m,1H),1.29(s,9H)。
【0101】
(2S)−2−[(4−tert−ブチルフェノキシ)メチル]−2,3−ジヒドロ[1,3]オキサゾロ[3,2−a]ベンゾイミダゾール(1−4)
(2S)−2−[(4−tert−ブチルフェノキシ)メチル]オキシラン(1−3)(4.3g、21mmol、1.6当量)、2−クロロベンゾイミダゾール(2.0g、13mmol、1.0当量)および炭酸セシウム(7.3g、22mmol、1.7当量)のエタノール(50mL)中混合物を、23℃において72時間撹拌した。混合物を減圧下で濃縮し、得られた残留物を水(150mL)中で懸濁し、1時間激しく撹拌した。固体生成物を濾過し、イソプロパノールから再結晶させて(2S)−2−[(4−tert−ブチルフェノキシ)メチル]−2,3−ジヒドロ[1,3]オキサゾロ[3,2−a]ベンゾイミダゾール(1−4)を白色固体としてもたらした。H NMR(400MHz,CDCl)δ7.55(d,1H,J=7.7Hz),7.32−7.27(m,2H),7.21−7.12(m,3H),6.87−6.79(m,2H),5.66(m,1H),4.43−4.26(m,4H),1.29(s,9H)。LRMS m/z(M+H)323.1実測値、323.2要求値。
【0102】
【表3】






【0103】
【化12】

【0104】
(2S)−2−{[4−(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)フェノキシ]メチル}−2,3−ジヒドロ[1,3]オキサゾロ[3,2−a]ベンゾイミダゾール(2−1)
(2S)−2−[(4−ブロモフェノキシ)メチル]−2,3−ジヒドロ[1,3]オキサゾロ[3,2−a]ベンゾイミダゾール(1−16)(100mg、0.29mmol、1.0当量)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(33mg、0.029mmol、0.10当量)、1−メチル−5−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピラゾール(120mg、0.58mmol、2.0当量)および炭酸ナトリウム水溶液(2.0M、0.22ml、0.44mmol、1.5当量)のDMA(3mL)中混合物を、窒素下で100℃において16時間加熱した。反応物を冷却し、濾過した。濾液を逆相液体クロマトグラフィー(Sunfire C18 OBD 5μm、20×150mmカラム;0から100%のCHCN/HO勾配(0.10%のTFAが存在))により精製した。CHCN/HO中の生成物を炭酸ナトリウム水溶液(2.0M、5mL)中に注ぎ、ジクロロメタンにより抽出した。有機層を分離し、硫酸ナトリウムで脱水させ、濃縮して(2S)−2−{[4−(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)フェノキシ]メチル}−2,3−ジヒドロ[1,3]オキサゾロ[3,2−a]ベンゾイミダゾール(1−5)を白色固体としてもたらした。H NMR(400MHz,CDCl)δ7.56(d,2H,J=7.6Hz),7.49(s,1H);7.34(d,2H,J=8.3Hz),7.23−7.14(m,2H),6.98(d,2H,J=8.4Hz),6.25(s,1H);5.74−5.68(m,1H);4.51−4.30(m,4H);3.85(s,3H)。LRMS m/z(M+H)347.0実測値、347.1要求値。
【0105】
【表4】


【0106】
【化13】

【0107】
(2S)−2−[(ベンジルオキシ)メチル]−2,3−ジヒドロ[1,3]オキサゾロ[3,2−a]ベンゾイミダゾール(3−2)
窒素下の火炎乾燥させたフラスコに、(S)−ベンジルグリシジルエーテル(3−1、5.25g、32.0mmol)および2−クロロベンゾイミダゾール(4.88g、32mmol)を添加した。固体を無水DMF(5.0mL)中で溶解させ、触媒炭酸カリウムを添加した(0.44g、3.2mmol)。反応物をLCMSにより完了が計測されるまで一晩撹拌した。次いで、追加の無水DMFを添加し(100mL)、反応物を氷浴中で0℃に冷却した。NaH(1.66g、60%の分散液、41.6mmol)を1回で添加し、反応物を周囲温度に一晩加温させた。LCMSにより完了が計測されたら、反応物をEtOAc(100mL)により希釈し、水(3×100mL)および飽和塩水(1×100mL)により洗浄した。合わせた有機分画をMgSOで脱水させ、濾過し、濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(ISCO Redisep 120g、0から80%のEtOAc/ヘキサン勾配)により、(2S)−2−[(ベンジルオキシ)メチル]−2,3−ジヒドロ[1,3]オキサゾロ[3,2−a]ベンゾイミダゾール(3−2)を純粋な白色固体として提供した。H NMR(400MHz,CDCl)δ7.53(d,1H,J=7.8Hz),7.36−7.33(m,2H),7.32−7.28(m,3H),7.16(m,1H),7.13(m,2H),5.49(m,1H),4.62(s,2H),4.30(dd,1H,J=8.8,8.5Hz),4.17(dd,1H,J=8.8,6.3Hz),3.85(m,2H)。LRMS m/z(M+H)281.0実測値、281.3要求値。
【0108】
(2S)−2,3−ジヒドロ[1,3]オキサゾロ[3,2−a]ベンゾイミダゾール−2−イルメタノール(3−3)
清浄な乾燥フラスコに、(2S)−2−[(ベンジルオキシ)メチル]−2,3−ジヒドロ[1,3]オキサゾロ[3,2−a]ベンゾイミダゾール(3−2、2.8g、9.99mmol)および無水メタノール100mLを添加した。溶液にPd(OH)(1.0g)を入れる前に溶液を脱気し、窒素によりパージを3回行った。懸濁液を脱気し、水素ガスによりパージを3回行い、水素のバルーン下で37℃において一晩撹拌しておいた。12時間後、反応物をLCMSにより完了判断し、クロロホルム(200mL)により希釈し、メタノール/クロロホルム混合物を使用して十分に洗浄しながらセライト(celite)に通して濾過した。濾液を減圧下で濃縮して(2S)−2,3−ジヒドロ[1,3]オキサゾロ[3,2−a]ベンゾイミダゾール−2−イルメタノール(3−3)を不溶性白色固体としてもたらした。H NMR(400MHz,DMSO)δ7.34(m,1H),7.28(m,1H),7.06(m,2H),5.48(m,1H),5.29(t,1H,J=5.6Hz),4.37(dd,1H,J=9.0,8.8Hz),4.11(dd,1H,J=9.0,6.6Hz),3.83(m,1H),3.71(m,1H)。LRMS m/z(M+H)191.0実測値、191.2要求値。
【0109】
(2S)−2−{[4−(2,2,2−トリフルオロ−1,1−ジメチルエチル)フェノキシ]メチル}−2,3−ジヒドロ[1,3]オキサゾロ[3,2−a]ベンゾイミダゾール(3−5)
1ドラムバイアルに、(2S)−2,3−ジヒドロ[1,3]オキサゾロ[3,2−a]ベンゾイミダゾール−2−イルメタノール(3−3、20mg、0.10mmol)、ジクロロメタン(2.0mL)、Biotage PS−PPh(137mg、2.3mmol/g、0.31mmol)およびジイソプロピルアゾジカルボキシラート(DIAD、0.029mL、0.15mmol)を添加した。得られた懸濁液を周囲温度において一晩回転させた。LCMSにより完了が判断されたら、懸濁液を濾過し、樹脂をジクロロメタン(5mL)およびメタノール(5mL)により洗浄して高回収率を確保した。有機濾液を減圧下で濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(ISCO Redisep 4gのカラム、0から60%のEtOAc/ヘキサン勾配)を介して濾過して(2S)−2−{[4−(2,2,2−トリフルオロ−1,1−ジメチルエチル)フェノキシ]メチル}−2,3−ジヒドロ[1,3]オキサゾロ[3,2−a]ベンゾイミダゾール(3−5)を白色固体として提供した。H NMR(400MHz,CDCl)δ7.56(d,1H,J=7.0Hz),7.41(d,2H,J=8.9Hz),7.20−7.10(m,3H),6.89(d,2H,J=8.9Hz),5.69(m,1H),4.50−430(m,4H),1.55(s,6H)。LRMS m/z(M+H)376.9実測値、377.3要求値。
【0110】
【表5】



【0111】
【化14】

【0112】
(2S)−2−{[4−(トリメチルシリル)フェノキシ]メチル}−2,3−ジヒドロ[1,3]オキサゾロ[3,2−a]ベンゾイミダゾール(4−1)
無水アルゴンを入れた火炎乾燥させたフラスコに、1−16(37.8mg、0.110mmol)を添加した。無水テトラヒドロフラン(2.0mL)を注射器を介して添加し、得られた溶液をアルゴン圧下で−78℃に冷却した。n−BuLi(0.075mL、THF中1.6M、0.120mmol)を滴加し、得られた淡黄色溶液を30分間撹拌してからクロロトリメチルシラン(無希釈、0.029mL、0.219mmol)を添加した。反応物を−78℃において10分間撹拌し、次いで0℃において30分間撹拌した。反応物を5%の水性NHCI(2mL)の添加により反応停止させ、EtOAc(2×5mL)により抽出した。合わせた有機分画を飽和塩水(20mL)により洗浄し、MgSOで脱水させ、濾過し、濃縮して粗製4−1を提供した。フラッシュクロマトグラフィー(ISCO Redisep 4gのカラム、0から60%のEtOAc/ヘキサン勾配)により、純粋4−1を白色固体として提供した。LRMS m/z(M+H)338.9実測値、339.5要求値。
【0113】
【表6】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I
【化1】

の化合物または医薬的に許容されるこの塩
(式中、
nは、0、1、2 3または4であり;
pは、1、2、3、4または5であり;
Yは、C(RまたはOであり;
各RおよびRは、
(1)ハロ、
(2)C1−8アルキル、
(3)C2−6アルケニル、
(4)C2−6アルキニル、
(5)C3−6シクロアルキル、
(6)C1−6アルコキシ、
(7)C3−6シクロアルコキシ、
(8)−CN、
(9)−OH、
(10)−C(O)−O−C1−4アルキル、
(11)−C(O)−C1−4アルキル、
(12)−N(R)
(13)−C(O)−N(R)
(14)−S(O)−C1−4アルキル(kは、0、1または2である。)、
(15)メチル、CN、CF、OCH、OCFおよびハロから独立して選択される1から3個の基により場合により置換されている−アリール、
(16)メチル、CN、CF、OCH、OCFおよびハロから独立して選択される1から3個の基により場合により置換されている−ヘテロアリール、
(17)−C(O)−アリール、
(18)−N(R)−アリール、
(19)ベンジル、
(20)ベンジルオキシ、
(21)−COH、
(22)−SH、
(23)−SON(R)R、
(24)−N(R)C(O)N(R)R、
(25)−N(R)C(O)C1−4アルキル、
(26)−N(R)SON(R)R、
(27)トリメチルシリルおよび
(28)1−メチルシレタン−1−イル
からなる群から独立して選択され、
上記の(2)から(7)の基は、OH、CN、オキソ、ハロ、C1−4アルコキシおよびC1−4アルキルアミノからなる群から独立して選択される1個以上の置換基により、置換可能な位置の1から最大数以下の箇所が場合により置換されており、
ならびに隣接原子上の2個のR置換基は、これらが結合している原子と一緒になって結合して、O、SおよびNから選択される1または2個のヘテロ原子を場合により含有する5または6員の飽和または部分不飽和の単環を形成していてよく、前記環は、オキソもしくは1から3個のハロ基により、またはこの両方により場合により置換されており、および前記環は、ベンゾ基と場合により縮合しており;
各R、R、RおよびRは、H、FおよびC1−4アルキルからなる群から独立して選択され、前記C1−4アルキルは、オキソにより、ならびにF、OHおよびN(R)からなる群から独立して選択される1から3個の置換基により場合により置換されており;ならびに
各Rは、HおよびC1−4アルキルからなる群から独立して選択される。)。
【請求項2】
各RおよびR
(1)ハロ、
(2)C1−8アルキル、
(3)C2−6アルケニル、
(4)C2−6アルキニル、
(5)C3−6シクロアルキル、
(6)C1−6アルコキシ、
(7)C3−6シクロアルコキシ、
(8)−CN、
(9)−OH、
(10)−C(O)−O−C1−4アルキル、
(11)−C(O)−C1−4アルキル、
(12)−N(R)
(13)−C(O)−N(R)
(14)−S(O)−C1−4アルキル(kは、0、1または2である。)、
(15)−アリール、
(16)1から2個のメチル基により場合により置換されている−ヘテロアリール、
(17)−C(O)−アリール、
(18)−N(R)−アリール、
(19)ベンジル、
(20)ベンジルオキシ、
(21)−COH、
(22)−SH、
(23)−SON(R)R、
(24)−N(R)C(O)N(R)R、
(25)−N(R)C(O)C1−4アルキル、
(26)−N(R)SON(R)R、
(27)トリメチルシリルおよび
(28)1−メチルシレタン−1−イル
からなる群から独立して選択され、
上記の(2)から(7)の基は、OH、CN、オキソ、ハロ、C1−4アルコキシおよびC1−4アルキルアミノからなる群から独立して選択される1個以上の置換基により、置換可能な位置の1から最大数以下の箇所が場合により置換されており、
ならびに隣接原子上の2個のR置換基は、これらが結合している原子と一緒になって結合して、O、SおよびNから選択される1または2個のヘテロ原子を場合により含有する5または6員の飽和または部分不飽和の単環を形成していてよく、前記環は、オキソもしくは1から3個のハロ基により、またはこの両方により場合により置換されており、および前記環は、ベンゾ基と場合により縮合している、
請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
各R、RおよびRがHであり、ならびにYがOである、請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
式Ia
【化2】

の請求項3に記載の化合物または医薬的に許容されるこの塩。
【請求項5】
が、
(1)ハロ、
(2)C1−6アルキル、
(3)C3−6シクロアルキル、
(4)C1−6アルコキシおよび
(5)−C(O)−C1−4アルキル
からなる群から独立して選択され、
上記の(2)から(4)の基は、OH、CN、オキソ、ハロ、C1−4アルコキシおよびC1−4アルキルアミノからなる群から独立して選択される1個以上の置換基により、置換可能な位置の1から最大数以下の箇所が場合により置換されている、
請求項4に記載の化合物。
【請求項6】
が、ハロ、−CNおよびメトキシからなる群から選択される、請求項5に記載の化合物。
【請求項7】
がtert−ブチルである、請求項5に記載の化合物。
【請求項8】
(2S)−2−[(4−tert−ブチルフェノキシ)メチル]−2,3−ジヒドロ[1,3]オキサゾロ[3,2−a]ベンゾイミダゾール;
1−{3−[(2S)−2,3−ジヒドロ[1,3]オキサゾロ[3,2−a]ベンゾイミダゾール−2−イルメトキシ]フェニル}エタノン;
(2S)−2−[(4−tert−ブチルフェノキシ)メチル]−6−ヨード−2,3−ジヒドロ[1,3]オキサゾロ[3,2−a]ベンゾイミダゾール;
(2S)−2−[(4−tert−ブチルフェノキシ)メチル]−6−クロロ−7−フルオロ−2,3−ジヒドロ[1,3]オキサゾロ[3,2−a]ベンゾイミダゾール;
(2S)−2−[(4−tert−ブチルフェノキシ)メチル]−7−クロロ−6−フルオロ−2,3−ジヒドロ[1,3]オキサゾロ[3,2−a]ベンゾイミダゾール;
(2S)−2−[(4−tert−ブチルフェノキシ)メチル]−2,3−ジヒドロナフト[2’,3’:4,5]イミダゾ[2,1−b][1,3]オキサゾール;
(2S)−2−[(4−tert−ブチルフェノキシ)メチル]−6,7−ジクロロ−2,3−ジヒドロ[1,3]オキサゾロ[3,2−a]ベンゾイミダゾール;
(2S)−2−[(4−tert−ブチルフェノキシ)メチル]−6,7−ジフルオロ−2,3−ジヒドロ[1,3]オキサゾロ[3,2−a]ベンゾイミダゾール;
(2S)−2−[(4−tert−ブチルフェノキシ)メチル]−5,7−ジクロロ−2,3−ジヒドロ[1,3]オキサゾロ[3,2−a]ベンゾイミダゾール;
(2S)−2−[(4−tert−ブチルフェノキシ)メチル]−6,8−ジクロロ−2,3−ジヒドロ[1,3]オキサゾロ[3,2−a]ベンゾイミダゾール;
(2S)−2−[(4−tert−ブチルフェノキシ)メチル]−2,3−ジヒドロ[1,3]オキサゾロ[3,2−a]ベンゾイミダゾール−7−カルボニトリル;
(2S)−2−[(4−tert−ブチルフェノキシ)メチル]−2,3−ジヒドロ[1,3]オキサゾロ[3,2−a]ベンゾイミダゾール−6−カルボニトリル;
(2S)−2−[(4−ブロモフェノキシ)メチル]−2,3−ジヒドロ[1,3]オキサゾロ[3,2−a]ベンゾイミダゾール;
(2S)−2−[(ベンジルオキシ)メチル]−2,3−ジヒドロ[1,3]オキサゾロ[3,2−a]ベンゾイミダゾール;
(2S)−2−[(4−tert−ブチルフェノキシ)メチル]−7−フルオロ−2,3−ジヒドロ[1,3]オキサゾロ[3,2−a]ベンゾイミダゾール;
(2S)−2−[(4−tert−ブチルフェノキシ)メチル]−6−フルオロ−2,3−ジヒドロ[1,3]オキサゾロ[3,2−a]ベンゾイミダゾール;
(2S)−2−[(4−tert−ブチルフェノキシ)メチル]−7−クロロ−2,3−ジヒドロ[1,3]オキサゾロ[3,2−a]ベンゾイミダゾール;
(2S)−2−[(4−tert−ブチルフェノキシ)メチル]−6−クロロ−2,3−ジヒドロ[1,3]オキサゾロ[3,2−a]ベンゾイミダゾール;
(2S)−7−ブロモ−2−[(4−tert−ブチルフェノキシ)メチル]−2,3−ジヒドロ[1,3]オキサゾロ[3,2−a]ベンゾイミダゾール;
(2S)−6−ブロモ−2−[(4−tert−ブチルフェノキシ)メチル]−2,3−ジヒドロ[1,3]オキサゾロ[3,2−a]ベンゾイミダゾール;
(2S)−2−[(4−tert−ブチルフェノキシ)メチル]−7−メトキシ−2,3−ジヒドロ[1,3]オキサゾロ[3,2−a]ベンゾイミダゾール;
(2S)−2−[(4−tert−ブチルフェノキシ)メチル]−6−メトキシ−2,3−ジヒドロ[1,3]オキサゾロ[3,2−a]ベンゾイミダゾール;
2−[(4−tert−ブチルフェノキシ)メチル]−2−メチル−2,3−ジヒドロ[1,3]オキサゾロ[3,2−a]ベンゾイミダゾール;
(2S)−2−{[4−(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)フェノキシ]メチル}−2,3−ジヒドロ[1,3]オキサゾロ[3,2−a]ベンゾイミダゾール;
(2S)−2−{[4−(1−メチル−1H−ピロール−2−イル)フェノキシ]メチル}−2,3−ジヒドロ[1,3]オキサゾロ[3,2−a]ベンゾイミダゾール;
(2S)−2−{[4−(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)フェノキシ]メチル}−2,3−ジヒドロ[1,3]オキサゾロ[3,2−a]ベンゾイミダゾール;
(2S)−2−{[4−(2,2,2−トリフルオロ−1,1−ジメチルエチル)フェノキシ]メチル}−2,3−ジヒドロ[1,3]オキサゾロ[3,2−a]ベンゾイミダゾール;
(2S)−2−[(4−イソプロピルフェノキシ)メチル]−2,3−ジヒドロ[1,3]オキサゾロ[3,2−a]ベンゾイミダゾール;
(2S)−2−[(3,4−ジクロロフェノキシ)メチル]−2,3−ジヒドロ[1,3]オキサゾロ[3,2−a]ベンゾイミダゾール;
(2S)−2−[(4−クロロフェノキシ)メチル]−2,3−ジヒドロ[1,3]オキサゾロ[3,2−a]ベンゾイミダゾール;
(2S)−2−[(3−クロロフェノキシ)メチル]−2,3−ジヒドロ[1,3]オキサゾロ[3,2−a]ベンゾイミダゾール;
(2S)−2−[(3−クロロ−4−フルオロフェノキシ)メチル]−2,3−ジヒドロ[1,3]オキサゾロ[3,2−a]ベンゾイミダゾール;
(2S)−2−[(5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イルオキシ)メチル]−2,3−ジヒドロ[1,3]オキサゾロ[3,2−a]ベンゾイミダゾール;
(2S)−2−[(2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−イルオキシ)メチル]−2,3−ジヒドロ[1,3]オキサゾロ[3,2−a]ベンゾイミダゾール;
(2S)−2−[(3−tert−ブチルフェノキシ)メチル]−2,3−ジヒドロ[1,3]オキサゾロ[3,2−a]ベンゾイミダゾール;
(2S)−2−{[4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]メチル}−2,3−ジヒドロ[1,3]オキサゾロ[3,2−a]ベンゾイミダゾール;
2−{4−[(2S)−2,3−ジヒドロ[1,3]オキサゾロ[3,2−a]ベンゾイミダゾール−2−イルメトキシ]フェニル}−2−メチルプロパンニトリル;
1−{4−[(2S)−2,3−ジヒドロ[1,3]オキサゾロ[3,2−a]ベンゾイミダゾール−2−イルメトキシ]フェニル}シクロブタンカルボニトリル;
(2S)−2−[(4−シクロペンチルフェノキシ)メチル]−2,3−ジヒドロ[1,3]オキサゾロ[3,2−a]ベンゾイミダゾール;
(2S)−2−{[4−(トリメチルシリル)フェノキシ]メチル}−2,3−ジヒドロ[1,3]オキサゾロ[3,2−a]ベンゾイミダゾール;
(2S)−2−{[4−(1−メチルシレタン−1−イル)フェノキシ]メチル}−2,3−ジヒドロ[1,3]オキサゾロ[3,2−a]ベンゾイミダゾール;
2−{4−[(2S)−2,3−ジヒドロ[1,3]オキサゾロ[3,2−a]ベンゾイミダゾール−2−イルメトキシ]フェニル}プロパン−2−オール;
(2S)−2−({4−[6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]フェノキシ}メチル)−2,3−ジヒドロ[1,3]オキサゾロ[3,2−a]ベンゾイミダゾール−7−カルボニトリル;および
(2S)−2−({[2’−フルオロ−5’(トリフルオロメチル)ビフェニル−4−イル]オキシ}メチル)−2,3−ジヒドロ[1,3]オキサゾロ[3,2−a]ベンゾイミダゾール−7−カルボニトリル;
または上記化合物のいずれかの医薬的に許容される塩
からなる群から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項9】
請求項1に記載の化合物を医薬的に許容される担体と組み合わせて含む医薬組成物。
【請求項10】
グルタミン酸機能障害に伴う神経障害または精神障害の治療を必要とする患者においてグルタミン酸機能障害に伴う神経障害または精神障害を治療する方法であって、請求項1に記載の化合物の治療有効量を患者に投与することを含む方法。
【請求項11】
グルタミン酸機能障害に伴う神経障害または精神障害が統合失調症である、請求項10に記載の方法。

【公表番号】特表2011−520892(P2011−520892A)
【公表日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−509574(P2011−509574)
【出願日】平成21年5月8日(2009.5.8)
【国際出願番号】PCT/US2009/043324
【国際公開番号】WO2009/140166
【国際公開日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【出願人】(390023526)メルク・シャープ・エンド・ドーム・コーポレイション (924)
【Fターム(参考)】