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オキシントモジュリンペプチドアナログ
説明

オキシントモジュリンペプチドアナログ

本発明は糖尿病および/または肥満の治療において有用なオキシントモジュリンペプチドアナログを提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オキシントモジュリンペプチドアナログ、ならびに糖尿病および/または肥満の治療で使用されるそのPEG化誘導体に関する。
【背景技術】
【0002】
オキシントモジュリン(OXM)は、栄養摂取に応じて小腸のL細胞からグルカゴン様ペプチド1(GLP−1)と共に放出される37アミノ酸のペプチドホルモンである。オキシントモジュリンはプレプログルカゴンの組織特異的な代替のプロセッシングの結果としてC末端でのオクタペプチド伸長を持つグルカゴン(Gcg)の完全な29残基配列からなる。内在性OXMは、ジペプチジルペプチダーゼIVおよび他のペプチダーゼによって迅速にインビボで分解される。
【0003】
OXMについての個別受容体はまだ同定されていない。OXMは、GLP−1受容体(GLP−1R)およびグルカゴン受容体(GcgR)の両方に対して、2つの受容体で類似した力価で、インビトロで結合し完全に活性化する。
【0004】
OXMは、食物摂取量および体重の調節に関与する。正常体重ヒト被験体に対するOXMの急性投与は、飢餓感を低下させ、食事のかさを19%減少させた。過体重および肥満の被験体による4週間の研究において、プラセボ群の0.5kgと比較して、OXMを毎日3回の食事前に皮下投与することにより2.3kg体重が減少した。この治験において、GLP−1ベースの治療法(エクセナチドおよびリラグルチド等)と関連した最も一般的な副作用である悪心は、有意に低下した。効果の機序は明らかではないが、OXMは、過体重および肥満のヒトにおける身体活動度亢進の促進を介してエネルギー使用を増加させた。
【0005】
OXMは、商業的に実現可能な治療用薬剤への開発について複数の課題を提示する。上で言及されるように、OXMは、インビボで迅速に分解されるだけでなく、サイズの小ささに起因して迅速な腎臓クリアランスが行われる。それゆえ、改善された代謝的安定性および低下したクリアランス率を持つOXMペプチドアナログを同定することが所望される。さらに、OXMにおける固有のGcgRアゴニスト活性は、血糖コントロールにネガティブな影響を与えるリスクを示す。したがって、GLP−1RおよびGcgRでの活性の間で適切なバランスを維持しながら、治療用の使用のためにデザインされたOXMペプチドアナログの力価を最適化することも所望される。GLP−1Rの活性化はインスリン分泌促進効果の原因であるが、GLP−1RおよびGcgRの両方の活性化は体重減少効果における役割を果たし得る。それゆえ、インスリン非依存型糖尿病および/または肥満の治療のために使用することができるように、力価の高いインスリン分泌促進活性を有し、体重減少を促進するOXMペプチドアナログを産生することが所望される。
【0006】
安定性を改善するアミノ酸置換、およびPEG化または脂質化等のクリアランスを遅らせる追加の修飾を持つOXMペプチドは、特許文献1、特許文献2、特許文献3および非特許文献1中で開示される。OXM由来ペプチドは野生型ペプチドを上回る可能性のある改良を示し得るが、食餌誘導性肥満(DIO)マウスモデルにおける相当な重量低下を達成するのに必要とされる用量は、医薬用の商業化について実現可能であると判断されるよりも典型的に高い。例えば、非特許文献1は、1900nmol/kg(約8mg/kg)で13日間1日おきの(QOD)投薬後に平均11g(約25%)の重量減少を報告した。
【0007】
様々なOXMペプチドおよびそのアナログが利用可能であるにもかかわらず、ペプチドの力価およびインスリン分泌促進の活性が糖尿病、好ましくは2型糖尿病および関連疾患の効果的な治療を提供するように最適化されたGcgR/GLP−1R活性の比を有する、より力価の高い安定して長時間作用し良好な耐容性を示すOXMペプチドアナログがまだ必要である。体重を低下させる効果的な治療を提供するOXMペプチドのそのアナログを提供することも所望される。したがって、本発明は、糖尿病および/または肥満の効果的な治療の提供を探索する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】国際公開第2008101017号パンフレット
【特許文献2】国際公開第2006134340号パンフレット
【特許文献3】国際公開第2007100535号パンフレット
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】Pocaiら,Diabetes 58:2258−2266,2009
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、全体的な力価を最適化しながら代謝安定性を最適化し相対的GcgR/GLP−1R活性を修飾するように導入したアミノ酸置換を持つOXMペプチドアナログを含む。加えて、本発明のOXMペプチドアナログは時間作用の促進のために選択された位置でPEG化され、それにより頻繁でない投薬を可能にする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、以下のアミノ酸配列を含むオキシントモジュリンペプチドアナログを提供する。
【表1】

配列中、Xaa38は、Cys、Cys−PEG、または存在せず、Xaa39は、Cys、Cys−PEG、または存在せず、配列中、C末端アミノ酸は任意にアミド化される。
【0012】
本発明は、以下のアミノ酸配列を含むオキシントモジュリンペプチドアナログを提供する。
【表2】

【0013】
さらに、本発明は、以下のアミノ酸配列を含むオキシントモジュリンペプチドアナログを提供する。
【表3】

配列中、位置38のCysは任意にPEG化され、配列中、位置39に存在するCysは任意にPEG化され、位置39のCysのカルボキシル基は任意にアミド化される。
【0014】
好ましくは、配列番号:2のオキシントモジュリンペプチドアナログは、位置38のCysもしくは位置39のCysまたは両者のいずれかで、これらの位置のCys残基のチオール基に対して共有結合された40kDaのPEG分子により、PEG化される。より好ましくは、オキシントモジュリンペプチドアナログは、位置38および位置39の両方の各Cys残基で、これらの位置の各Cys残基の各チオール基に対して共有結合された20kDaのPEG分子により、PEG化される。任意に、位置39のCys残基は配列番号:2には存在せずに、PEG化のための単一部位を位置38に残すことができる。
【0015】
より好ましいオキシントモジュリンペプチドアナログは以下のアミノ酸配列を含む。
【表4】

配列中、位置39のPEG化されたCysのカルボキシル基は任意にアミド化される。
【0016】
最も好ましいオキシントモジュリンペプチドアナログは、位置39のPEG化されたCysのカルボキシル基がアミド化された配列番号:3のアミノ酸配列を含む。
【0017】
本発明中で使用されるPEG分子は直鎖状または分枝状であり得、好ましくは直鎖状PEG分子である。
【0018】
本発明は、上で定義されるようなオキシントモジュリンペプチドアナログ、および薬学的に許容される担体、希釈剤または賦形剤を含む、医薬組成物を提供する。加えて、本発明は、上で定義されるようなオキシントモジュリンペプチドアナログを、薬学的に許容される担体、希釈剤または賦形剤、および任意に他の治療用成分と共に含む、医薬組成物を提供する。
【0019】
さらに、本発明は、効果的な量の上で定義されるようなオキシントモジュリンペプチドアナログを、それを必要とする被験体に対して投与することを含む、それを必要とする被験体においてインスリン非依存型(2型)糖尿病を治療する方法を提供する。
【0020】
加えて、本発明は、効果的な量の上で定義されるようなオキシントモジュリンペプチドアナログを、それを必要とする被験体に対して投与することを含む、それを必要とする被験体においてインスリン依存型(1型)糖尿病を治療する方法を提供する。
【0021】
本発明は、効果的な量の上で定義されるようなオキシントモジュリンペプチドアナログを、それを必要とする被験体に対して投与することを含む、それを必要とする被験体において肥満を治療する方法を含む。
【0022】
さらに、本発明は、効果的な量の上で定義されるようなオキシントモジュリンペプチドアナログを、それを必要とする被験体に対して投与することを含む、それを必要とする被験体においてインスリン非依存型糖尿病および肥満を治療する方法を含む。
【0023】
本発明は医薬品としての使用のための上で定義されるようなオキシントモジュリンペプチドアナログを提供する。
【0024】
加えて、本発明はインスリン非依存型糖尿病の治療における使用のための上で定義されるようなオキシントモジュリンペプチドアナログを提供する。
【0025】
さらに、本発明はインスリン依存型糖尿病の治療における使用のための上で定義されるようなオキシントモジュリンペプチドアナログを提供する。
【0026】
さらに、本発明は肥満の治療における使用のための上で定義されるようなオキシントモジュリンペプチドアナログを提供する。
【0027】
本発明はインスリン非依存型糖尿病および肥満の治療における使用のための上で定義されるようなオキシントモジュリンペプチドアナログを含む。
【0028】
本発明は、インスリン非依存型糖尿病の治療のための医薬品の製造における上で定義されるようなオキシントモジュリンペプチドアナログの使用を提供する。
【0029】
加えて、本発明はインスリン依存型糖尿病の治療のための医薬品の製造における上で定義されるようなオキシントモジュリンペプチドアナログの使用を含む。
【0030】
さらに、本発明は肥満の治療のための医薬品の製造における上で定義されるようなオキシントモジュリンペプチドアナログの使用を提供する。
【0031】
さらに、本発明はインスリン非依存型糖尿病および肥満の治療のための医薬品の製造における上で定義されるようなオキシントモジュリンペプチドアナログの使用を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本発明のOXMペプチドアナログは、GLP−1受容体(GLP−1R)およびグルカゴン受容体(GcgR)の両方に対して効果的に結合し活性化する。
【0033】
本発明のOXMペプチドアナログは、天然のヒトOXMよりもペプチダーゼ(特にジペプチジルペプチダーゼIV)による分解に対してより耐性があることも見出された。結果として、本発明のOXMペプチドアナログは、天然のヒトOXMに対して改善されたインビボの安定性を保持する。
【0034】
本発明に記載の様々な実施形態は、過体重および肥満の被験体における食物摂取量の低下を引き起こすことができる。
【0035】
本発明の特定の長所は、GLP−1ベースの治療法(エクセナチドおよびリラグルチド等)に一般に関連した悪心等の副作用の頻度が、低下またはなくなるということである。それゆえ、本発明は、GLP−1ベースの治療法と比較して、副作用を低下させた。
【0036】
本発明のOXMペプチドアナログは、野生型ヒトOXMに対して優れた重量減少効果も有する。
【0037】
オキシントモジュリン(OXM)は、hGLP−1RおよびhGcgRに対する完全な有効性およびバランスのとれた力価を持つ弱いコアゴニストであり、それぞれの受容体を安定的に過剰発現するHEK293細胞においてそれぞれ約6.7±2.7nMおよび4.1±1.7nMのEC50値を持つ。天然のヒトOXMの配列は以下に示される。
His−Ser−Gln−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Tyr−Ser−Lys−Tyr−Leu−Asp−Ser−Arg−Arg−Ala−Gln−Asp−Phe−Val−Gln−Trp−Leu−Met−Asn−Thr−Lys−Arg−Asn−Arg−Asn−Asn−Ile−Ala(配列番号:4)。
【0038】
位置39のCys(PEG20k)がアミド化された配列番号:3のOXMペプチドアナログは、hGcgRおよびhGLP−1Rに対してそれぞれ60.0±2.97nMおよび6.58±0.87nMのEC50を持つ完全に有効で力価の高いオキシントモジュリンペプチドアナログである。位置39のCys(PEG20k)がアミド化された配列番号:3のOXMペプチドアナログは、hGLP−1Rについて、hGcgRと比較して約9倍選択的である、インビトロの機能的活性のバランスを有する。同等の結果は結合親和性(Ki)について観察され、位置39のCys(PEG20k)がアミド化された配列番号:3のOXMペプチドアナログは、hGLP−1Rについて、hGcgRと比較して3.6倍選択的であり、それぞれ1540±158nMおよび5500±350nMのKi値である。
【0039】
OXMペプチドアナログの特定の残基に対する1つまたは複数のPEG分子の共有結合による付着は、非PEG化OXMペプチドアナログと比較した場合に延長された半減期および低下したクリアランス率を持ち、天然のヒトOXMに類似するGLP−1Rに対するインビトロの力価を持つPEG化OXMペプチドアナログをもたらす。OXMペプチドアナログが小さなサイズであることおよびPEG分子(複数可)が比較的大きなサイズであることを考慮すると、いったんPEG化されると、OXMペプチドアナログは立体障害の結果として活性を失うことが予想されるだろう。しかしながら、オキシントモジュリンペプチドアナログの中央においてではなく端部に配置されれば、ペプチドアナログの活性がより大きな程度に保たれることが見出された。配列中の複数の置換は力価を促進し、それによってGLP−1RおよびGcgRの活性の適切な比を維持しながらPEG化に起因する力価減少を補う。さらに、OXMペプチドアナログのC末端における2個のPEG分子の存在は、単一のPEGよりも望ましいことが見出された。
【0040】
本発明の配列は、20個の天然に存在するアミノ酸についての標準的な1文字コードまたは3文字コードを含む。他の使用されるコードは以下のように定義される。
dまたはD=それぞれのアミノ酸のDアイソフォーム(天然に存在しない)、
例えば、D−Ser=D−セリン、dS=D−セリン
Aib=αアミノイソ酪酸
1−Nal=1−ナフチルアラニン
PEG=ポリエチレングリコール
PEG20K=20,000Daの平均分子量を持つPEG分子。
【0041】
本明細書において使用される時「PEG」という用語は、ポリエチレングリコール分子を意味する。その典型的な形態において、PEGは末端水酸基を持つ直鎖状ポリマーであり、化学式HO−CHCH−(CHCHO)n−CHCH−OH(式中、nは約8〜約4000である)を有する。典型的には、nは離散値でないが、近似的に平均値の付近でガウス分布を持つ範囲を構成する。末端水素はアルキル基またはアルカノール基等のキャッピング基により置換され得る。好ましくは、PEGは少なくとも1つの水酸基を有し、より好ましくはそれは末端水酸基である。この水酸基は、好ましくは、ペプチドと反応して共有結合を形成するリンカーモイエティに付着されている。多数のPEGの誘導体が当該技術分野において存在する。(例えば、米国特許第5,445,090号;第5,900,461号;第5,932,462号;第6,436,386号;第6,448,369号;第6,437,025号;第6,448,369号;第6,495,659号;第6,515,100号および第6,514,491号ならびにZalipsky,S.Bioconjugate Chem.6:150−165,1995を参照されたい)。本発明のOXMペプチドに対して共有結合で添付されたPEG分子は、約10,000、20,000、30,000、または40,000ダルトンの平均分子量であり得る。PEG分子は好ましくは18,000〜22,000ダルトンである。より好ましくは、19,000〜21,000ダルトンである。最も好ましくは20,000〜21,000ダルトンである。さらにより好ましくは約20,000ダルトンである。PEG化試薬は直鎖状分子または分枝状分子であり得、単独またはタンデムで存在し得る。本発明のPEG化OXMペプチドアナログは、好ましくは、ペプチドのC末端に対して付着されたタンデムなPEG分子を有する。PEG分子は、好ましくは、mPEG−20kDaマレイミド(図1)またはmPEG−20kDaヨードアセトアミド(図2)によって、ペプチドのC末端の2つのシステイン残基に対して付着される。図1および図2において、nは10〜2500である。好ましくは、nは350〜600である。より好ましくは、nは425〜475である。
【化1】

【0042】
特に、PEG分子は、好ましくは、mPEG−20kDaマレイミド(CHO(CHCHO)n−(CHNHCO(CH−マレイミド)(NOF社、Sunbright ME−200MA)であり、ペプチドのC末端の2個のシステイン残基に対して付着される。最も好ましいオキシントモジュリンペプチドアナログは、配列番号:3のアミノ酸配列を含み、PEG分子がmPEG−20kDaマレイミド(CHO(CHCHO)n−(CHNHCO(CH−マレイミド)(NOF社、Sunbright ME−200MA)であり、位置39のPEG化されたCysのカルボキシル基がアミド化される(図3)。図3は標準的な1文字アミノ酸コードを含むが、これらのアミノ酸残基についての構造が拡大されているボックス領域は例外である。
【化2】

【0043】
本明細書において使用される時、「PEG化」という用語は、本発明のOXMペプチドアナログ等の分子に対する上記のような1つまたは複数のPEG分子の共有結合による付着を意味する。
【0044】
「インスリン分泌促進活性」とは、グルコースレベルの上昇に応答してインスリン分泌を刺激し、それによって細胞によるグルコース取込みを引き起こし、血漿グルコースレベルを減少させる能力を指す。インスリン分泌促進活性は、インスリノーマ細胞株または膵島によるインスリン分泌を測定するインビトロの実験、または静脈内グルコース耐性試験(IVGTT)、腹腔内グルコース耐性試験(IPGTT)および経口グルコース耐性試験(OGTT)等のインビボの実験を含む、当該技術分野において公知の方法により査定することができる。インスリン分泌促進活性は、血漿のインスリンまたはCペプチドのレベルの測定によってヒトにおいてルーチンに測定される。本発明のOXMペプチドアナログは着実なインスリン分泌促進活性を保持する。
【0045】
本明細書において使用される時「インビトロ力価」とは、OXMペプチドアナログが、細胞ベースのアッセイにおいてGLP−1RまたはGcgRを活性化する能力の測定値である。インビトロ力価は「EC50」として表わされ、それは用量応答実験において測定された応答(この場合はサイクリックAMP生産)における最大増加の2分の1をもたらす化合物の有効濃度である。
【0046】
「血漿半減期」という用語は、関連する分子の2分の1が血漿から取り除かれるのに必要とされる時間を指す。代わりに使用される用語は「排出半減期」である。血漿半減期または排出半減期の文脈中で使用される「延長された」または「より長い」という用語は、同等の条件下で決定される時、参照分子(例えばペプチドの非PEG化形態または天然のペプチド)の半減期と比較して、PEG化OXMペプチドアナログの半減期において有意な増加があることを示す。サルにおける天然のOXMの半減期は、例えば1時間未満であると予想される。本発明のPEG化OXMペプチドアナログは、サルにおいて少なくとも24時間および好ましくは少なくとも48時間の排出半減期を有する。本明細書において報告される半減期は排出半減期であり、それは排出の最終対数線形率に相当する。当業者は、半減期がクリアランスおよび分布容積の両方の関数として変化する導出パラメータであることを認識する。
【0047】
本明細書において使用される時「長時間作用性GLP−1Rアゴニスト」という用語は、ポリエチレングリコール(PEG)の1つまたは複数の分子に対して共有結合で添付されたGLP−1ペプチドアナログを指す。PEG化GLP−1化合物は米国特許第7,557,183号中で開示される。
【0048】
クリアランスとは、循環から薬物を排出する体の能力の測定値である。薬物に対する修飾に起因してクリアランスが減少するので、半減期は増加することが予想されるだろう。しかしながら、分布容積の変化がない時のみにこの相互関係は正確である。最終対数線形半減期(t1/2)、クリアランス(C)および分布容積(V)との間の有用な近似の相関関係は、以下の等式により与えられる。t1/2≒0.693(V/C)。クリアランスは、どれだけの薬物が除去されているかを示さず、むしろ、排出を説明するために薬物が完全に取り除かれなければならない血液または血漿等の生物学的液体の体積を示す。クリアランスは単位時間あたりの体積として表わされる。本発明のPEG化OXMペプチドアナログは、サルにおいて好ましくは200ml/時間/kgまたはそれ未満、より好ましくは180、150、120、100、80、60ml/時間/kgまたはそれ未満、および最も好ましくは50、40もしくは20ml/時間/kgまたはそれ未満のクリアランス値を有する。
【0049】
本発明のOXMペプチドアナログは典型的には非経口で投与されるだろう。非経口投与は、例えば、筋肉内、静脈内、皮下、皮内、腹腔内の注射等による全身投与を含む。ペプチドアナログは、インスリン非依存型(2型)糖尿病、NIDDMまたは以下で検討される関連した障害の治療のための医薬組成物の一部として許容可能な医薬用の担体、希釈剤または賦形剤と併用して被験体に対して投与される。医薬組成物はOXMペプチドアナログの溶液または懸濁物等であり得、その中でOXMペプチドアナログは亜鉛等の二価金属カチオンと共に錯体を形成する。ペプチドアナログは、凍結乾燥または噴霧乾燥等によって固体製剤(その後投与前に好適な希釈剤溶液中で再構成される)で製剤化することもできる。好適な医薬用担体は、ペプチドまたはペプチド誘導体と相互作用しない不活性成分を含み得る。非経口投与に好適な医薬用担体は、例えば、滅菌水、生理的食塩水、静菌性食塩水(約0.9%mg/mlのベンジルアルコールを含む食塩水)、リン酸緩衝食塩水、ハンクス液、乳酸リンゲル液および同種のものを含む。好適な賦形剤のいくつかの例は、ラクトース、デキストロース、スクロース、トレハロース、ソルビトールおよびマンニトール、ならびにフェノールおよびm−クレゾール等の防腐剤を含む。
【0050】
Remington’s Pharmaceutical Sciences(Mack Publishing社、Easton、PA)中に記載されるもの等の標準的な医薬用製剤技法を用いることができる。本発明のOXMペプチドアナログは、あるいは、頬腔、経口、経皮、鼻腔、肺の経路を介する投与のために製剤化することができる。本発明のOXMペプチドアナログは、血漿レベルが投与後に延長された期間の間で効果的な範囲で維持されるように、延長放出のために製剤化することができる。
【0051】
本発明のOXMペプチドアナログは、糖尿病、具体的には2型糖尿病(インスリン非依存性糖尿病、あるいはNIDDM)の治療に用いることができる。本発明のOXMペプチドアナログの治療から利益を得てもよいさらなる被験体は、グルコース耐性異常または絶食時グルコース異常のある被験体、体重が被験体の身長および体格に対する正常体重の約25%以上を超える被験体、NIDDMに罹患した1名または複数名の親を持つ被験体、妊娠性糖尿病を経験した被験体、および内因性インスリン分泌減少から生じたもの等の代謝異常のある被験体を含む。OXMペプチドアナログは、グルコース耐性異常のある被験体の2型糖尿病発症進行の予防、膵臓のβ細胞の劣化の予防、β細胞の増殖の誘導、β細胞の機能の改善、休止期のβ細胞の活性化、細胞のβ細胞への分化の促進、β細胞の分裂の刺激、β細胞のアポトーシスの阻害に使用することができる。本発明の方法において本発明の化合物を使用して、治療または予防することができる他の疾患および病態は、若年発症成人型糖尿病(MODY)(Hermanら,Diabetes43:40,1994);成人性潜伏型自己免疫性糖尿病(LADA)(Zimmetら,Diabetes Med.11:299,1994);グルコース耐性異常(IGT)(糖尿病の分類に関する専門委員会、Diabetes Care22(Supp.1):S5,1999);絶食時グルコース異常(IFG)(Charlesら,Diabetes40:796,1991);妊娠性糖尿病(Metzger,Diabetes,40:197,1991);代謝X症候群、異脂肪血症、高血糖、高インスリン血症、高トリグリセリド血症およびインスリン抵抗性を含む。
【0052】
本発明のOXMペプチドアナログは、糖尿病の二次的原因を治療するためにも本発明の方法において使用することができる(糖尿病の分類に関する専門委員会、Diabetes Care22(Supp.1):S5,1999)。かかる二次的原因はグルココルチコイド過剰、成長ホルモン過剰、クロム親和性細胞腫および薬物誘導性糖尿病を含む。糖尿病を誘導し得る薬物は、ピリミニル、ニコチン酸、グルココルチコイド、フェニトイン、甲状腺ホルモン、β−アドレナリン作動薬、α−インターフェロンおよびHIV感染の治療に使用される薬物を含むが、これらに限定されない。
【0053】
本発明のOXMペプチドアナログは、食物摂取量の抑制および肥満の治療において効果的であり得る。
【0054】
「効果的な量」のOXMペプチドアナログは、被験体に対して投与された場合、許容できない副作用を引き起こさずに、所望の治療的効果および/または予防効果をもたらす量である。「所望の治療的効果」は、1つまたは複数の以下のものを含む。1)疾患または病態と関連した症状(複数可)の改善;2)疾患または病態と関連した症状の発病の遅延;3)治療が欠如した場合と比較して寿命の増加;および4)治療の欠如した場合と比較してより高い生活の質。例えば、NIDDMの治療について「効果的な量」のOXMペプチドアナログは、治療の欠如よりも血糖濃度をよく制御でき、それによって網膜症、神経病または腎臓病等の糖尿病合併症の開始の遅延をもたらす量である。例えばグルコース耐性異常または空腹時グルコース異常のある被験体におけるNIDDMの予防について「効果的な量」のOXMペプチドアナログは、治療の欠如した場合と比較して、スルホニル尿素、チアゾリジンジオン、インスリン、および/またはビスグアニジン等の血糖降下薬による治療を必要とする血糖レベル上昇の開始を遅らせる量である。
【0055】
被験体に対して投与された「効果的な量」のOXMペプチドアナログは、疾患のタイプおよび重症度、ならびに全体的な健康、年齢、性別、体重および薬物への耐性等の被験体の特徴にも依存するだろう。被験体の血糖を正常化するのに効果的なOXMペプチドアナログの用量は、多数の因子に依存し、その中には、被験体の性別、体重および年齢、血糖調節能異常の重症度、投与経路および生体利用率、ペプチドの薬物動態プロファイル、力価、ならびに製剤が含まれるが、これらに限定されない。
【0056】
本発明のPEG化OXMペプチドアナログのための典型的な週一回の用量は、好ましくは約0.1mg〜約1000mg(コンジュゲートの全重量)にわたるだろう。より好ましくは、週一回の用量は約1mg〜約100mg、または約1mg〜約30mgにわたるだろう。最も好ましくは、週一回の用量は約5mg〜約30mg、または約1mg〜約5mgにわたるだろう。
【0057】
「被験体」は哺乳類、好ましくはヒトであるが、ペット用動物(例えばイヌ、ネコおよび同種のもの)、家畜(例えばウシ、ヒツジ、ブタ、ウマおよび同種のもの)および実験用の動物(例えばラット、マウス、モルモットおよび同種のもの)を含む動物でもあり得る。
【0058】
本発明の様々な好ましい特徴および実施形態はここで例示のためだけに記載されるだろう。
【実施例】
【0059】
実施例1:ペプチド合成
本発明の配列番号:1および配列番号:2に記載のペプチドアナログを、Protein Technologies社SymphonyまたはApplied Biosystems社433A自動化ペプチド合成機にて固相ペプチド合成により生成する。約0.7mmol/gの置換によりFmoc−Rinkアミドポリスチレン樹脂(Rapp Polymere社、Tubingen、ドイツ)で合成を行う。Fmoc主鎖保護基ストラテジーを使用して合成を行う。使用されるアミノ酸側鎖誘導体は、Arg(Pbf)、Asn(Trt)、Asp(OtBu)、Cys(Trt)、Gln(Trt)、Glu(OtBu)、His(Trt)、Lys(Boc)、Ser(OtBu)、Thr(OtBu)、Trp(Boc)、およびTyr(OtBu)である。ジメチルホルムアミド(DMF)またはN−メチルピロリジノン(NMP)中のジイソプロピルカルボジイミド(DIC)およびヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)(1:1:1モル比)により活性化されたアミノ酸の約10当量により、カップリングを行う。カップリングは室温で45〜90分間行った。
【0060】
同時に起こる樹脂からの切断および側鎖保護基の除去を、室温で1.5〜2時間トリフルオロ酢酸(TFA):トリイソプロピルシラン:3,6−ジオキサ−1,8−オクタン−ジチオール:メタノール:アニソール90:4:2:2:2(v/v)を含む溶液中で行う。溶液を濾過し、2mL未満まで濃縮し、ペプチドを冷ジエチルエーテルにより沈殿させ、30〜40mLの10%アセトニトリル中に再溶解し、C18の逆相高速液体クロマトグラフィー(HPLC)カラム(典型的にはWaters社SymmetryPrep 7μm、19×300mm)上で12〜15mL/分の流速で精製した。サンプルを、0〜25%のBで20分間、続いて25〜75%のBで100分間の2相性直線状のAB勾配(ここでA=0.05%のTFA/水およびB=0.05%のTFA/アセトニトリル)により溶出する。産物は通常30〜35%のアセトニトリルで溶出される。ペプチド純度および分子量は、シングル四重極MS検出器を備えたAgilent社1100シリーズ液体クロマトグラフィー質量分析(LC−MS)システム上で確認する。分析的HPLC分離は、6〜60%のBで15分間の直線状AB勾配(ここでA=0.05%のTFA/HOおよびB=0.05%のTFA/アセトニトリル、ならびに流速は1ml/分)により、Zorbax Eclipse XDB−C8(5ミクロン、4.6mmの内径×15cmのカラム)上で行う。ペプチドアナログを95%を超える純度まで精製し、1原子質量単位(amu)内の計算値に対応する分子量を有することを確認する。
【0061】
実施例2:mPEG−MAL−20kDaによる2個のCys残基を含むペプチドのPEG化
実施例1に従って生成された凍結乾燥ペプチドアナログ(配列番号:2)を秤量する(典型的には30〜50mg)。2.1倍モル当量のmPEG−20kDaマレイミド(CHO(CHCHO)n−(CHNHCO(CH−マレイミド)(NOF社Sunbright ME−200MA)を秤量し、ペプチドと組み合わせる。反応物を50/50(v/v)水/アセトニトリル混合物中で溶解して、約20mg/mLのペプチド濃度にする。ペプチドアナログ溶液を、100mM酢酸アンモニウム、10mMエチレンジアミン四酢酸(EDTA)(pH7)により2倍に希釈する。次いで生ずる混合物を室温で撹拌する。反応混合物を分析的逆相HPLCによってモニタリングし(分析的HPLC分離は、Waters社SymmetryShield C18、3.5ミクロン、4.6mmの内径×10cmのカラム上で、50℃で、0〜30%のBで5分間および30〜90%のBで次の30分間の2相性直線状AB勾配(ここでA=0.05%のTFA/HOおよびB=0.05%のTFA/アセトニトリル、ならびに流速は1ml/分)により行う)、典型的には1〜2時間の反応時間後に、ペプチドピークがほとんど完全に消失することが示される。モノPEG化ペプチドおよびジPEG化ペプチドに起因する2つのピークは、典型的には全ピーク面積の90〜95%をジPEG化ペプチドが構成する。次いでサンプルを水により約20mLに希釈し、0〜30%のBで20分間、続いて30〜80%のBで100分間の2相性直線状AB勾配で実施例1のように精製した。産物は通常35〜40%のアセトニトリルで溶出される。精製されたペプチドは、ペプチド配列に基づいた計算されたモル吸光係数を使用して、280nmでの紫外線(UV)吸収によって定量される。精製後の収率は出発ペプチドの量に基づいて70〜80%の範囲である。
【0062】
実施例3:グルカゴン受容体(hGcgR)結合アッセイ
グルカゴン受容体結合アッセイは、293HEK膜から単離されたクローン化ヒトグルカゴン受容体(hGcgR)(Lok S,Kuijper JL,Jelinek LJ,Kramer JM,Whitmore TE,Sprecher CA,Mathewes S,Grant FJ,Biggs SH,Rosenberg GBら,Gene 140(2),203−209(1994))を利用する。hGlucR cDNAを、発現プラスミドphD(Trans−activated expression of fully gamma−carboxylated recombinant human protein C, an antithrombotic factor. Grinnell,B.W.,Berg,D.T.,Walls,J.and Yan,S.B.Bio/Technology 5:1189−1192(1987))の中にサブクローン化する。このプラスミドDNAを293HEK細胞の中にトランスフェクションし、200μg/mlのハイグロマイシンにより選択する。
【0063】
粗製原形質膜は懸濁培養からの細胞を使用して調製する。細胞は、25mMトリスHCl(pH7.5)、1mM MgCl、DNAse1、20μg/mlおよびEDTA不含有Roche社Complete Inhibitorsを含む低張緩衝液中で氷上にて溶解する。細胞懸濁物を、テフロン(登録商標)乳棒を使用するガラスのダウンス型ホモジナイザーにより、25ストロークで、ホモジナイズする。ホモジネートを4℃で15分間1800×gで遠心分離する。上清を回収し、ペレットを低張緩衝液中で再懸濁および再ホモジナイズする。混合物を15分間1800×gで遠心分離する。第2の上清を第1の上清と合わせる。合わせた上清を15分間1800×gで遠心分離して清澄化する。清澄化した上清を高速チューブへ移し、4℃で30分間25000×gで遠心分離する。膜ペレットをホモジナイズ用緩衝液中で再懸濁し、使用まで−80℃のフリーザーで凍結アリコートとして保存する。
【0064】
Perkin−Elmer/NEN社(NEX207)においては、グルカゴンは125I−ラクトペルオキシダーゼ手技によって放射性ヨウ素で標識され、逆相HPLCによって精製されている。比放射能は約2200Ci/mmolである。K決定は、125I−標識グルカゴン材料中での高プロパノール含量のために、飽和結合の代わりに相同競合によって行う。Kは2.62nMであると推測され、試験したすべての化合物についてのKi値の計算に使用する。
【0065】
1%脂肪酸不含有ウシ血清アルブミン(BSA)によりあらかじめブロッキングした小麦胚芽凝集素(WGA)ビーズによるシンチレーション近接アッセイ(SPA)を使用して、受容体結合アッセイを行う。結合緩衝液は、25mM 4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジンエタンスルホン酸(ヘペス)(pH7.4)、2.5mM CaCl、1mM MgCl、0.1%脂肪酸不含有BSA、0.003% Tween20およびEDTA不含有Roche社Complete Inhibitorsを含む。グルカゴンを1mg/mlで0.01N HCl中に溶解し、30μlのアリコートで−80℃で直ちに凍結する。グルカゴンのアリコートを希釈し、1時間以内に結合アッセイにおいて使用する。OXMペプチドアナログをリン酸緩衝食塩水(PBS)中に溶解し、結合緩衝液中で連続的に希釈する。次に、10μlの希釈化合物またはPBSを、40μlのアッセイ結合緩衝液または非放射性グルカゴン(最終的に1μMで非特異的結合(NSB))を含むCorning 3632クリアーボトムのアッセイプレートの中へ移す。次いで90μlの膜(3μg/ウェル)、50μlの125I−グルカゴン(反応中で0.15nMの最終濃度)、および50μlのWGAビーズ(150μg/ウェル)を添加する。プレートを密封し、転倒して混合し、室温で12時間の静置時間後にMicroBetaシンチレーションカウンターにより読み取る。
【0066】
結果は、化合物の存在下における125I−グルカゴンの特異的結合のパーセントとして計算される。化合物の絶対IC50濃度は、125I−グルカゴンのパーセント特異的結合vs添加した化合物の濃度の非線形回帰によって導出される。IC50用量はCheng−Prusoff方程式を使用してKiに変換する(Cheng Y.,Prusoff W.H.,Biochem.Pharmacol.22,3099−3108,1973)。位置39のCys(PEG20k)がアミド化された配列番号:3のOXMペプチドアナログのKiはhGcgR結合について5500±350nMであった。
【0067】
実施例4:グルカゴン様ペプチド1(hGLP−1−R)受容体結合アッセイ
GLP−1受容体結合アッセイは、293HEK膜から単離されたクローン化ヒトグルカゴン様ペプチド1受容体(hGLP−1R)(Graziano MP,Hey PJ,Borkowski D,Chicchi GG,Strader CD,Biochem Biophys Res Commun.1993 Oct 15;196(1):141−6)を使用する。hGLP−1R cDNAを、発現プラスミドphD(Trans−activated expression of fully gamma−carboxylated recombinant human protein C, an antithrombotic factor.Grinnell,B.W.,Berg,D.T.,Walls,J. and Yan,S.B.Bio/Technology 5:1189−1192(1987))の中にサブクローン化する。このプラスミドDNAを293HEK細胞の中にトランスフェクションし、200μg/mlのハイグロマイシンにより選択する。
【0068】
粗製原形質膜は懸濁培養からの細胞を使用して調製する。細胞は、25mMトリスHCl(pH7.5)、1mM MgCl、DNAse1、20μg/mlおよびEDTA不含有Roche社Complete Inhibitorsを含む低張緩衝液中で氷上にて溶解する。細胞懸濁物を、テフロン(登録商標)乳棒を使用するガラスのダウンス型ホモジナイザーにより、25ストロークで、ホモジナイズする。ホモジネートを4℃で15分間1800×gで遠心分離する。上清を回収し、ペレットを低張緩衝液中で再懸濁および再ホモジナイズする。混合物を15分間1800×gで遠心分離する。第2の上清を第1の上清と合わせる。合わせた上清を15分間1800×gで遠心分離して清澄化する。清澄化した上清を高速チューブへ移し、4℃で30分間25000×gで遠心分離する。膜ペレットをホモジナイズ用緩衝液中で再懸濁し、使用まで−80℃のフリーザーで凍結アリコートとして保存する。
【0069】
Perkin−Elmer社/NEN(NEX308)においては、グルカゴン様ペプチド1(GLP−1)は125I−ラクトペルオキシダーゼ手技によって放射性ヨウ素で標識され、逆相HPLCによって精製されている。比放射能は約2200Ci/mmolである。K決定は、125I−GLP−1材料中での高いプロパノール含量のために、飽和結合の代わりに相同競合によって行う。Kは0.96nMであると推測され、試験したすべての化合物についてのKi値の計算に使用する。
【0070】
1%脂肪酸不含有BSA(ICN社)によりあらかじめブロッキングした小麦胚芽凝集素(WGA)ビーズによるシンチレーション近接アッセイ(SPA)を使用して、受容体結合アッセイを行う。結合緩衝液は、25mMヘペス(pH7.4)、2.5mM CaCl、1mM MgCl、0.1%脂肪酸不含有BSA、0.003% Tween20およびEDTA不含有Roche社Complete Inhibitorsを含む。GLP−1を1mg/mlでPBS中に溶解し、30μlのアリコートで−80℃で直ちに凍結する。GLP−1アリコートを希釈し、1時間以内に結合アッセイにおいて使用する。OXMペプチドアナログをPBS中に溶解し、結合緩衝液中で連続的に希釈する。次に、10μlの希釈化合物またはPBSを、40μlアッセイ結合緩衝液または非放射性GLP−1(最終的に1μMでNSB)を含むCorning 3632クリアーボトムのアッセイプレートの中へ移す。次いで90μlの膜(1μg/ウェル)、50μlの125I−GLP−1(反応中で0.15nMの最終濃度)、および50μlのWGAビーズ(150μg/ウェル)を添加する。プレートを密封し、転倒して混合し、室温で12時間の静置時間後にMicroBetaシンチレーションカウンターにより読み取る。
【0071】
結果は、化合物の存在下における125I−GLP−1の特異的結合のパーセントとして計算される。化合物の絶対IC50濃度は、125I−GLP−1のパーセント特異的結合vs添加した化合物の濃度の非線形回帰によって導出される。IC50濃度はCheng−Prusoff方程式を使用してKiに変換する(Cheng Y.,Prusoff W.H.,Biochem.Pharmacol.22,3099−3108,1973)。位置39のCys(PEG20k)がアミド化された配列番号:3のOXMペプチドアナログのKiはhGLP−1R結合について1540±158nMであった。
【0072】
実施例5:グルカゴン受容体刺激cAMP機能的アッセイ
グルカゴン刺激cAMP機能的アッセイは、実施例3において上述されたhGcR結合アッセイに使用されたものと同一のクローン化hGcgR発現細胞株を使用する。細胞をOXMペプチドアナログにより刺激し、細胞内で生成されたcAMPを、Perkin Elmer社からの増幅ルミネッセンス近接ホモジニアスアッセイ(Alpha Screen)(6760625R)を使用して定量する。簡潔には、細胞内で誘導されたcAMPは、キットからの抗cAMP抗体コートアクセプタービーズおよびストレプトアビジンコートドナービーズに対するビオチン化cAMPの結合を競合する。細胞内のcAMPレベルが増加するにつれて、アクセプタービーズ−ビオチン化cAMP−ドナービーズの複合体の破壊が生じ、観察される信号が減少する。
【0073】
hGcgR−HEK293細胞を、Enzyme−Free Cell Dissociation Solution(Specialty Media社5−004−B)によりサブコンフルエントになった組織培養ディッシュから採取する。細胞を低速でペレットにし、アッセイ緩衝液[0.1%脂肪酸不含有BSAを含有する、MgおよびCa含有ハンクス緩衝塩類溶液(HBSS)(GIBCO社、14025−092)中25mMヘペス]により3回洗浄し、次いで1mlあたり125,000細胞の最終濃度に希釈する。Alpha Screenキットからのビオチン化cAMPを、1単位/0.04mlの最終濃度で希釈細胞へ添加する。ホスホジエステラーゼ阻害薬(IBMX)(ジメチルスルホキシド(DMSO)中で250mM)も500μMの最終濃度になるように希釈細胞へ添加する。グルカゴンを最初に1mg/mlで0.01N HCl中に溶解し、−80℃で直ちに凍結する。融解に際しては、グルカゴンは1時間以内に使用するべきである。グルカゴン、cAMPスタンダードおよびOXMペプチドアナログを、6×の最終濃度までアッセイ緩衝液の中で連続的に希釈する。機能的アッセイは、96ウェルの低体積の白色のポリスチレンCostarプレート(3688)において行う。反応は、0.01mlの希釈したOXMペプチドアナログ、グルカゴンまたはcAMPを0.04mlの細胞混合物へ添加することによって開始する。室温で1時間後に、反応は、0.03mlの溶解緩衝液[Alpha Screenキットからの各々1単位/0.03mlのアクセプタービーズおよびドナービーズを含む、10mMヘペス(pH7.4)、1% NP40、および0.01%脂肪酸不含有BSA]の添加によって停止させる。溶解緩衝液の添加を暗所において行って検出ビーズの脱色を防止する。プレートをフォイル中に包み、穏やかに1分間振盪し、次いで室温で一晩放置して平衡化する。プレートはPerkin−Elmer社Envision装置で読み取る。Alpha screen単位を、cAMPスタンダードカーブに基づいて、1ウェル当たり生成されたピコモルcAMPに変換する。各ウェルにおいて生成されたピコモルcAMPを、グルカゴン対照により観察された最大反応のパーセントに変換する。EC50値は、パーセント最大反応vs添加したペプチドの濃度を使用して、非線形回帰分析によって導出される。位置39のCys(PEG20k)がアミド化された配列番号:3のOXMペプチドアナログは、野生型OXMのように、60.0±2.97nMのEC50を持ち、hGcgRに対して完全に効果的で力価が高かった。
【0074】
実施例6:グルカゴン様ペプチド1(hGLP−1)受容体刺激cAMP機能的アッセイ
GLP−1−刺激cAMP機能的アッセイは、実施例4において上述されたhGLP−1R結合アッセイに使用されたものと同一のクローン化hGLP−1R発現細胞株を使用する。細胞をOXMペプチドアナログにより刺激し、細胞内で生成されたcAMPを、Perkin Elmer社からの増幅ルミネッセンス近接ホモジニアスアッセイ(Alpha Screen)(6760625R)を使用して定量する。簡潔には、細胞内で誘導されたcAMPは、キットからの抗cAMP抗体コートアクセプタービーズおよびストレプトアビジンコートドナービーズに対するビオチン化cAMPの結合を競合する。細胞内のcAMPレベルが増加するにつれて、アクセプタービーズ−ビオチン化cAMP−ドナービーズの複合体の破壊が生じ、観察される信号が減少する。
【0075】
hGLP−1R−HEK293細胞を、Enzyme−Free Cell Dissociation Solution(Specialty Media社5−004−B)によりサブコンフルエントになった組織培養ディッシュから採取する。細胞を低速でペレットにし、アッセイ緩衝液[0.1%脂肪酸不含有BSAを含有する、MgおよびCa含有HBSS(GIBCO社、14025−092)中25mMヘペス]により3回洗浄し、次いで1mlあたり125,000細胞の最終濃度に希釈する。Alpha Screenキットからのビオチン化cAMPを、1単位/0.04mlの最終濃度で希釈細胞へ添加する。ホスホジエステラーゼ阻害薬(IBMX)(DMSO中で250mM)も500μMの最終濃度になるように希釈細胞へ添加する。GLP−1を−80℃で凍結アリコートとしてPBS中で1mg/mlで保存する。GLP−1、cAMPスタンダードおよびOXMペプチドアナログを、6×の最終濃度までアッセイ緩衝液の中で連続的に希釈する。機能的アッセイは、96ウェルの低体積の白色のポリスチレンCostarプレート(3688)において行う。反応は、0.01mlの希釈したOXMペプチドアナログ、GLP−1またはcAMPを0.04mlの細胞混合物へ添加することによって開始する。室温で1時間後に、反応は、0.03mlの溶解緩衝液[Alpha Screenキットからの各々1単位/0.03mlのアクセプタービーズおよびドナービーズを含む、10mMヘペス(pH7.4)、1% NP40、および0.01%脂肪酸不含有BSA]の添加によって停止させる。溶解緩衝液の添加は暗所において行って検出ビーズの脱色を防止する。プレートをフォイル中に包み、穏やかに1分間振盪し、次いで室温で一晩放置して平衡化する。プレートはPerkin−Elmer社Envision装置で読み取る。Alpha screen単位を、cAMPスタンダードカーブに基づいて、1ウェル当たり生成されたピコモルcAMPに変換する。各ウェルにおいて生成されたピコモルcAMPを、GLP−1対照により観察された最大反応のパーセントに変換する。EC50値は、パーセント最大反応vs添加したペプチドの濃度を使用して、非線形回帰分析によって導出される。位置39のCys(PEG20k)がアミド化された配列番号:3のOXMペプチドアナログは、野生型OXMのように、6.58±0.87nMのEC50を持ち、hGLP−1Rに対して完全に効果的で力価が高かった。
【0076】
実施例7:食餌誘導性肥満(DIO)マウスにおける、食物摂取量、体重および身体組成に対する効果
3〜4か月齢のオスの食餌誘導性肥満(DIO)マウスは、12時間の明/暗周期(22:00に明るくする)で温度制御された(24℃)施設中で個別に収容し、食物および水に自由に接近させる。2週間の施設への順化後に、マウスを処理群(n=8〜10/群)へ無作為化し、各群は類似した平均体重および脂肪重量である。媒質溶液をマウスに皮下(sc)注射し、2日間計量して、マウスを手技に慣れさせる。
【0077】
媒質、または媒質中で溶解したOXMペプチドアナログ(用量範囲7.5〜30nmole/kg)を、暗周期の開始の30〜90分前に不断給餌DIOマウスへsc注射によって、3日ごとに2週間の間投与する(2つの反復研究)。体重およびホッパー+食物の重量を同時に測定する。前の24時間において消費された食物は、前日のホッパー+食物の重量から現在のホッパー+食物の重量を引くことによって計算される。体重における絶対的変化は、第1の注射前の動物の体重を引くことによって計算される。1および14日目の総脂質量を、Echo Medical System社(Houston、TX)装置を使用して核磁気共鳴(NMR)によって、測定する。除脂肪量は全体重から脂肪量を引くことによって計算される。
【0078】
研究1
位置39のCys(PEG20k)がインビボでアミド化された配列番号:3のOXMペプチドアナログを、4か月齢のオスの食餌誘導性肥満(DIO)マウスへ皮下注射によって投与する。OXMペプチドアナログを7.5、15および30nmole/kgの用量で3日ごとに1度2週間の間注射し、媒質処理マウスおよび陽性対照(7.5nmole/kgの長時間作用性GLP−1Rアゴニストを3日ごとに注射した)処理動物と比較する。
【0079】
位置39のCys(PEG20k)がアミド化された配列番号:3のOXMペプチドアナログによる処理により、食物摂取量および体重で用量依存的低下が生じた。2週間の研究期間の終了時に、媒質群と比較した場合、15および30nmole/kg群における累積食物摂取量はそれぞれ21および27%低下した。7.5nmole/kg群の累積重量減少は陽性対照で観察されたものに類似しており、媒質群と比較した場合約6%の低下であった。15および30nmole/kg群の媒質対照と比較した累積重量減少はそれぞれ10および15%であった。身体組成分析から、重量減少が主として脂肪量の減少に起因することが示された(表1)。
【0080】
表1
14日間の処理期間にわたるDIOマウスにおける重量変化
(平均±標準誤差;n=8)
【表5】

【0081】
研究2
位置39のCys(PEG20k)がアミド化された配列番号:3のOXMペプチドアナログ(7.5または22.5nmole/kg)および陽性対照(7.5または22.5nmole/kgの長時間作用性GLP−1Rアゴニスト)を、4か月齢のオスの食餌誘導性肥満(DIO)C57BL/6へ皮下注射によって3日間ごとに2週間の間投与する。
【0082】
すべての処理群は、媒質対照と比較して有意に低下した累積食物摂取量を示した。OXMペプチドアナログおよび陽性対照は、低用量および高用量について類似した程度でそれぞれ約5%および10%体重を減少させた。身体組成分析により、OXMペプチドアナログおよび陽性対照と関連した重量減少が主として脂肪量の減少に起因することが確認された(表2)。
【0083】
表2
14日間の処理期間にわたるDIOマウスにおける重量変化
(平均±標準誤差;n=10)
【表6】

【0084】
これらのデータは、位置39のCys(PEG20k)がアミド化された配列番号:3のOXMペプチドアナログが、媒質処理マウスと比較して、2つの反復された14日間のDIOマウス研究において、累積食物摂取量および体重を減少させたことを示す。低下した体重は主として脂肪量中の低下に起因していた。*p<0.05vs媒質(ダネット検定)
【0085】
実施例8:DIOマウスにおける2週間の処理後の腹腔内グルコース耐性試験または経口グルコース耐性試験の間の血糖エクスカーションに対する効果
DIOマウスにおける実施例7において記載されている5回目の注射の56時間後に、グルコース耐性試験の開始の16時間前にマウスを絶食させる。時刻0で、動物に経口強制投与(表3、研究1)または腹腔内(IP)注射(表4、研究2)によって2g/kgのデキストロースを与える。血液は、グルコースチャレンジ後の0、15、30、60および120分で尾静脈採血によって採取する。グルコース濃度はグルコメーターで測定する。すべての用量の位置39のCys(PEG20k)がアミド化された配列番号:3のOXMペプチドアナログは、陽性対照と同様に、媒質処理対照と比較した場合に、経口グルコースチャレンジの前および後に測定されたすべてのタイムポイントで血糖を有意に低くした。
【0086】
表3
位置39のCys(PEG20k)がアミド化された配列番号:3のOXMペプチドアナログの経口グルコース負荷の投与後の血糖エクスカーションに対する効果
グルコース曲線下の面積として与えられたデータ
(=t+0から120分までの積分値)(n=7)
【表7】

【0087】
これらのデータは、位置39のCys(PEG20k)がアミド化された配列番号:3のOXMペプチドアナログが、経口グルコース負荷後の血糖エクスカーションを有意に低下させたことを示す。統計的有意性はダネット検定によって評価した。(*p<0.05vs媒質)
【0088】
表4
位置39のCys(PEG20k)がアミド化された配列番号:3のOXMペプチドアナログの腹腔内(ip)グルコース負荷後の血糖エクスカーションに対する効果
グルコース曲線下の面積として与えられたデータ
(=t+0から120分までの積分値)(n=6)
【表8】

【0089】
これらのデータは、位置39のCys(PEG20k)がアミド化された配列番号:3のOXMペプチドアナログが、腹腔内(ip)グルコース負荷後の血糖エクスカーションを有意に低下させたことを示す。統計的有意性はダネット検定によって評価した。(*p<0.05vs媒質)
【0090】
実施例9:痩せ型マウスにおける腹腔内グルコース耐性試験の間の血糖エクスカーションに対する効果
9週齢のオスのC57BL/6マウスを研究において使用する。動物を、与えられた体重に基づいた群へと無作為化する。試験の開始の16時間前に、媒質またはOXMペプチドアナログ(用量5.0〜15.0nmole/kg)を動物に注射する。ペプチドまたは賦形剤の注射の時に食物を除去する。時刻0で、動物にIP注射によって2g/kgのデキストロースを与える。血液は、グルコースチャレンジ後の0、3、6、12および30分で尾静脈出血採血によって採取する。グルコース濃度はグルコメーターによって測定する。インスリンはMesoscaleによって測定する。
【0091】
両方の用量の位置39のCys(PEG20k)がアミド化された配列番号:3のOXMペプチドアナログは、媒質処理対照と比較した場合、血糖エクスカーションを有意に低くし(表5)、血漿インスリン濃度を有意に増加させた(表6)。
【0092】
表5
位置39のCys(PEG20k)がアミド化された配列番号:3のOXMペプチドアナログの痩せ型マウスにおける腹腔内(ip)グルコース耐性試験後の血糖エクスカーションに対する効果
グルコース曲線下の面積として与えられたデータ
(=t+0から30分までの積分値)(n=6)
【表9】

【0093】
これらのデータは、位置39のCys(PEG20k)がアミド化された配列番号:3のOXMペプチドアナログが、痩せ型マウスにおける腹腔内(ip)グルコース耐性試験後の血糖エクスカーションを有意に低下させたことを示す。統計的有意性はダネット検定によって評価した。(*p<0.05vs媒質)
【0094】
表6
位置39のCys(PEG20k)がアミド化された配列番号:3のOXMペプチドアナログの痩せ型マウスにおける腹腔内(ip)グルコース耐性試験後の血漿インスリン濃度に対する効果
インスリン曲線下の面積として与えられたデータ
(=積分されたt+0から30分までの血漿インスリン値)(n=6)
【表10】

【0095】
これらのデータは、位置39のCys(PEG20k)がアミド化された配列番号:3のOXMペプチドアナログが、痩せ型マウスにおける腹腔内(ip)グルコース耐性試験後の血漿インスリンAUCを有意に増加させたことを示す。統計的有意性はダネット検定によって評価した。(*p<0.05vs媒質)
【0096】
実施例10:肥満(ob/ob)マウスにおける経口グルコース耐性試験(OGTT)または腹腔内(ip)グルコース耐性試験(IPGTT)の間の血糖エクスカーションに対する効果
2〜3か月齢のオスのob/obマウスは、12時間の明/暗周期(22:00時に明るくする)で温度制御された(24℃)施設中で個別に収容し、食物および水に自由に接近させる。少なくとも2週間の施設への順化後に、3時間の絶食時血糖を午前9時に尾静脈採血によって測定する。180mg/dL未満の血糖のマウスは使用しない。残りの動物を処理群(N=7/群)へ無作為化し、各群は類似した平均血糖値である。マウスは注射の時間まで食物へ接近させる。同じ日の午後4時に、媒質または7.5mole/kgまたは15mole/kgのOXMペプチドアナログを動物に注射する。注射の時に食物を除去する。OGTT(表7)またはIPGTT(表8)はペプチド注射の16時間後に行う。時刻0で、動物に経口強制投与(表7)または腹膜腔内注射(表8)によって2g/kgのデキストロースを与える。血液は、グルコースチャレンジ後の0、15、30、60および120分で尾静脈採血によって採取する。血糖濃度はグルコメーターによって測定する。位置39のCys(PEG20k)がアミド化された配列番号:3のOXMペプチドアナログの単回注入は、ob/obマウスにおける血糖を正常化した。グルコースチャレンジ後に測定されたすべてのタイムポイントでグルコースレベルは、媒質対照群におけるものよりも有意に低かった。
【0097】
表7
位置39のCys(PEG20k)がアミド化された配列番号:3のOXMペプチドアナログのob/obマウスにおける経口グルコース耐性試験後の血糖エクスカーションに対する効果
グルコース曲線下の面積として与えられたデータ
(=t+0から120分までの積分値)(n=7)
【表11】

【0098】
これらのデータは、位置39のCys(PEG20k)がアミド化された配列番号:3のOXMペプチドアナログが、ob/obマウスにおける経口グルコース耐性試験後の血糖エクスカーションを有意に低下させたことを示す。統計的有意性はダネット検定によって評価した。(*p<0.05vs媒質)
【0099】
表8
位置39のCys(PEG20k)がアミド化された配列番号:3のOXMペプチドアナログのob/obマウスにおける腹腔内(ip)グルコース耐性試験後の血糖エクスカーションに対する効果
グルコース曲線下の面積として与えられたデータ
(=t+0から120分までの積分値)(n=7)
【表12】

【0100】
これらのデータは、位置39のCys(PEG20k)がアミド化された配列番号:3のOXMペプチドアナログが、ob/obマウスにおける腹腔内(ip)グルコース耐性試験後の血糖エクスカーションを有意に低下させたことを示す。統計的有意性はダネット検定によって評価した。(*p<0.05vs媒質)
【0101】
実施例11:オスの食餌誘導性肥満C57BL/6マウスにおける、血漿グルコース、トリグリセリドレベルおよび肝臓の遺伝子発現に対する急性効果
重量減少関連変化とは独立して、位置39のCys(PEG20k)がアミド化された配列番号:3のOXMペプチドアナログによる処理によって修飾される代謝経路を調べるために、OXMペプチドアナログおよび陽性対照(長時間作用性GLP−1Rアゴニスト)を、3か月齢のオスの食餌誘導性肥満(DIO)マウスへ皮下注射によって投与する。研究の前日、マウスを処理群(N=7/群)へ無作為化し、各群は類似した平均体重である。その同じ日の夜(およそ午後10時)に動物を清浄なケージの中へ入れ、皮下注射によって媒質、22.5nmole/kgのOXMペプチドアナログまたは22.5nmole/kgの陽性対照を投薬する。ペプチドまたは賦形剤の注射の時に食物を除去する。翌朝(およそ午前10時)に動物を屠殺し、血漿および肝臓組織を採取する。血漿グルコースおよびトリグリセリドの濃度をHitachi社血液化学解析器を使用して測定する。遺伝子発現はRT−PCRによって決定する。マロニルCoAレベルをHPLCによって測定する。
【0102】
単回注射後に、血漿グルコースは、すべての処理群において媒質対照と比較して有意に減少した。血漿トリグリセリドレベルは、位置39のCys(PEG20k)がアミド化された配列番号:3のOXMペプチドアナログにより処理されたマウスでのみ、媒質対照と比較して減少したが、長時間作用性GLP−1Rアゴニストにより処理されたマウスでは減少しなかった。加えて、位置39のCys(PEG20k)がアミド化された配列番号:3のOXMペプチドアナログにより処理されたマウスにおいて、媒質対照と比較して、肝臓のpgc−1α遺伝子発現は有意に45%増加し、肝臓マロニルCoA濃度は有意に30%低下した。位置39のCys(PEG20k)がアミド化された配列番号:3のOXMペプチドアナログは、媒質対照と比較して、肝臓のPCSK9遺伝子発現を有意に減少させた。
【0103】
配列表

His−(D−Ser)−Gln−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−(1−Nal)−Ser−Lys−Tyr−Leu−Asp−Glu−Lys−Ala−Ala−Gln−Glu−Phe−Val−Gln−Trp−Leu−Leu−Asn−(Aib)−Ala−Arg−Asn−Arg−Asn−Asn−Ile−Ala(配列番号:1)

His−(D−Ser)−Gln−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−(1−Nal)−Ser−Lys−Tyr−Leu−Asp−Glu−Lys−Ala−Ala−Gln−Glu−Phe−Val−Gln−Trp−Leu−Leu−Asn−(Aib)−Ala−Arg−Asn−Arg−Asn−Asn−Ile−Ala−Cys−Cys(配列番号:2)

His−(D−Ser)−Gln−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−(1−Nal)−Ser−Lys−Tyr−Leu−Asp−Glu−Lys−Ala−Ala−Gln−Glu−Phe−Val−Gln−Trp−Leu−Leu−Asn−(Aib)−Ala−Arg−Asn−Arg−Asn−Asn−Ile−Ala−Cys(PEG20k)−Cys(PEG20k)(配列番号:3)
配列中、位置39のCys(PEG20K)は任意にアミド化される。

His−Ser−Gln−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Tyr−Ser−Lys−Tyr−Leu−Asp−Ser−Arg−Arg−Ala−Gln−Asp−Phe−Val−Gln−Trp−Leu−Met−Asn−Thr−Lys−Arg−Asn−Arg−Asn−Asn−Ile−Ala(配列番号:4)

His−(D−Ser)−Gln−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−(1−Nal)−Ser−Lys−Tyr−Leu−Asp−Glu−Lys−Ala−Ala−Gln−Glu−Phe−Val−Gln−Trp−Leu−Leu−Asn−(Aib)−Ala−Arg−Asn−Arg−Asn−Asn−Ile−Ala− Xaa38−Xaa39(配列番号:5)
配列中、Xaa38はCys、Cys−PEG、または存在せず;
Xaa39はCys、Cys−PEG、または存在しない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アミノ酸配列:
His−(D−Ser)−Gln−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−(1−Nal)−Ser−Lys−Tyr−Leu−Asp−Glu−Lys−Ala−Ala−Gln−Glu−Phe−Val−Gln−Trp−Leu−Leu−Asn−(Aib)−Ala−Arg−Asn−Arg−Asn−Asn−Ile−Ala− Xaa38−Xaa39(配列番号:5)
(配列中、Xaa38はCys、Cys−PEG、または存在せず;Xaa39はCys、Cys−PEG、または存在せず、配列中、C末端アミノ酸は任意にアミド化される)
を含む、オキシントモジュリンペプチドアナログ。
【請求項2】
アミノ酸配列:
His−(D−Ser)−Gln−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−(1−Nal)−Ser−Lys−Tyr−Leu−Asp−Glu−Lys−Ala−Ala−Gln−Glu−Phe−Val−Gln−Trp−Leu−Leu−Asn−(Aib)−Ala−Arg−Asn−Arg−Asn−Asn−Ile−Ala−Cys−Cys(配列番号:2)
(配列中、位置38のCys残基は任意にPEG化され、配列中、位置39のCys残基は任意にPEG化され、位置39のCysのカルボキシル基は任意にアミド化される)を含む、請求項1に記載のオキシントモジュリンペプチドアナログ。
【請求項3】
前記アナログが、位置38または位置39のいずれかのCys残基のチオールで約40kDaのPEG分子によりPEG化される、請求項2に記載のオキシントモジュリンペプチドアナログ。
【請求項4】
前記アナログが、位置38および39の両方のCys残基のチオールで各々の場合において約20kDaのPEG分子によりPEG化され、アミノ酸配列:
His−(D−Ser)−Gln−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−(1−Nal)−Ser−Lys−Tyr−Leu−Asp−Glu−Lys−Ala−Ala−Gln−Glu−Phe−Val−Gln−Trp−Leu−Leu−Asn−(Aib)−Ala−Arg−Asn−Arg−Asn−Asn−Ile−Ala−Cys(PEG20k)−Cys(PEG20k)(配列番号:3)
(配列中、位置39のCys残基のカルボキシル基は任意にアミド化される)
を含む、請求項1または2のいずれか一項に記載のオキシントモジュリンペプチドアナログ。
【請求項5】
前記PEG分子が直鎖状である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のオキシントモジュリンペプチドアナログ。
【請求項6】
前記位置39のCys残基のカルボキシル基がアミド化される、請求項1〜5のいずれか一項に記載のオキシントモジュリンペプチドアナログ。
【請求項7】
前記位置39のCys残基が存在せず、前記位置38のCys残基が約40kDaのPEG分子によりPEG化され、任意にアミド化される、請求項1に記載のオキシントモジュリンペプチドアナログ。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか一項に記載のオキシントモジュリンペプチドアナログ、および薬学的に許容される担体、希釈剤または賦形剤を含む、医薬組成物。
【請求項9】
請求項1〜7のいずれか一項に記載のオキシントモジュリンペプチドアナログを、薬学的に許容される担体、希釈剤または賦形剤、および任意に他の治療的成分と共に含む、医薬組成物。
【請求項10】
効果的な量の請求項1〜7のいずれか一項に記載のオキシントモジュリンペプチドアナログを、それを必要とする被験体に対して投与することを含む、それを必要とする被験体においてインスリン非依存型糖尿病を治療する方法。
【請求項11】
効果的な量の請求項1〜7のいずれか一項に記載のオキシントモジュリンペプチドアナログを、それを必要とする被験体に対して投与することを含む、それを必要とする被験体において肥満を治療する方法。
【請求項12】
効果的な量の請求項1〜7のいずれか一項に記載のオキシントモジュリンペプチドアナログを、それを必要とする被験体に対して投与することを含む、それを必要とする被験体においてインスリン非依存型糖尿病または肥満を治療する方法。
【請求項13】
医薬品としての使用のための、請求項1〜7のいずれか一項に記載のオキシントモジュリンペプチドアナログ。
【請求項14】
インスリン非依存型糖尿病の治療における使用のための、請求項1〜7のいずれか一項に記載のオキシントモジュリンペプチドアナログ。
【請求項15】
肥満の治療における使用のための、請求項1〜7のいずれか一項に記載のオキシントモジュリンペプチドアナログ。
【請求項16】
インスリン非依存型糖尿病または肥満の治療における使用のための、請求項1〜7のいずれか一項に記載のオキシントモジュリンペプチドアナログ。

【公表番号】特表2013−515055(P2013−515055A)
【公表日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−546033(P2012−546033)
【出願日】平成22年12月15日(2010.12.15)
【国際出願番号】PCT/US2010/060380
【国際公開番号】WO2011/087671
【国際公開日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【出願人】(594197872)イーライ リリー アンド カンパニー (301)
【Fターム(参考)】