説明

オキソカーボン酸及び/又はその誘導体を含有する組成物並びにその用途

【課題】固体高分子型燃料電池の高分子電解質として有用な新規な組成物を提供する。
【解決手段】下記一般式で示すオキソカーボン酸及び/又はその誘導体と高分子電解質とを含有する。


(X1、X2は−O−、−S−又は−NR’、Zは−CO−、−C(S)−、−C(NR’’)−、アルキレン基又はアリーレン基。nは0〜10の整数。Rは、−OH、−SH、−NHR’’’、アルキル基、アリール基又はアラルキル基。R’、R’’、R’’’は、水素原子、アルキル基又はアリール基。Bは、水素原子又は1価の金属原子。)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オキソカーボン酸及び/又はその誘導体を含む組成物並びにその用途に関する。
【背景技術】
【0002】
スクアリン酸(四角酸)に代表されるオキソカーボン酸又はその誘導体は、オキソカーボン基における水素が解離した状態が共鳴により安定な構造となるため酸性度が高いことが知られている(非特許文献1)(非特許文献2)。
一方、スルホン酸基を有する高分子化合物は、高分子電解質型燃料電池等の高分子電解質として有用であることが知られている。例えばナフィオン(デュポン社の登録商標)をはじめとするフッ素系高分子、ポリエーテルケトン類にスルホン酸基を導入した高分子(特許文献1)、ポリエーテルスルホン類にスルホン酸基を導入した高分子(非特許文献3)、ポリイミド類にスルホン酸基を導入した高分子(特許文献2)、ポリフェニレン類にスルホン酸基を導入した高分子(特許文献3)、ポリホスファゼン類にスルホン酸基を導入した高分子(非特許文献4)等が高分子電解質型燃料電池等の高分子電解質として提案されている。
また、起動・停止を繰り返す燃料電池中において、高分子電解質膜は、稼動時には生成水によって膨潤し、停止時には乾燥して収縮するといった寸法変化を起こすことが知られている。
【0003】
【非特許文献1】Oxocarbons、45頁(Edited by Robert West)、Academic Press(1980),(ISBN:0−12−744580−3)
【非特許文献2】Journal of the American Chemical Society,95,8703(1973)
【非特許文献3】J.Membrane Science,83,211(1993)
【非特許文献4】Chemical Material,3,1120(1991)
【特許文献1】米国特許5438082号
【特許文献2】特開2003−277501号広報
【特許文献3】米国特許5403675号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、オキソカーボン酸及び/又はその誘導体と高分子電解質とを含有する組成物は、全く知られていない。
本発明の目的は、固体高分子型燃料電池のプロトン伝導膜用材料すなわち高分子電解質として有用な新規な組成物を提供することにあり、プロトン伝導膜としたときに、プロトン伝導度を低下させずに単独の高分子電解質よりも高い柔軟性を有する膜を与える組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者等は、高分子電解質にオキソカーボン酸及び/又はその誘導体を含有させた組成物を製造し種々検討を重ねた結果、オキソカーボン酸及び/又はその誘導体を含有する組成物が、水素ガスなどの気体燃料やメタノールやジメチルエーテルなどの液体燃料を用いる固体高分子型燃料電池のプロトン伝導膜用材料すなわち高分子電解質として有用であることを見出すとともに、オキソカーボン酸及び/又はその誘導体を加えることによって高分子電解質単独の膜に比し、プロトン伝導度を低下させることなく柔軟性が付与できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち本発明は、〔1〕オキソカーボン酸及び/又はその誘導体と高分子電解質とを含有することを特徴とする組成物、
〔2〕オキソカーボン酸又はその誘導体が、下記一般式(1)で示されることを特徴とする〔1〕記載の組成物、

(式中、X1、X2はそれぞれ独立に−O−、−S−又は−NR’−を表し、Zは−CO−、−C(S)−、−C(NR’’)−、置換基を有していても良い炭素数1〜6のアルキレン基又は置換基を有していても良い炭素数6〜10のアリーレン基を表す。nは、繰り返しの数を表わし、0〜10の整数を表わす。n個あるZは、互いに同じであっても良く、異なっていても良い。Rは、−OH、−SH、−NHR’’’、置換基を有していても良い炭素数1〜18のアルキル基、置換基を有していても良い炭素数6〜18のアリール基又は置換基を有していても良い炭素数7〜16のアラルキル基を表す。R’、R’’、R’’’は、それぞれ独立に水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基又は置換基を有していてもよい炭素数6〜10のアリール基を表す。Bは、水素原子又は1価の金属原子を表す。)
〔3〕Zが、−CO−、−C(S)−又は−C(NH)−であることを特徴とする〔2〕記載の組成物、
〔4〕X1とX2が−O−、Zが−CO−、nが0〜2であることを特徴とする〔2〕又は〔3〕記載の組成物、
〔5〕高分子電解質が、(A)主鎖が脂肪族炭化水素からなる高分子であり、イオン交換基が導入された形の高分子電解質;(B)主鎖の一部又は全部の水素原子がフッ素で置換された脂肪族炭化水素からなる高分子であり、イオン交換基が導入された形の高分子電解質;(C)主鎖が芳香環を有する高分子であり、イオン交換基が導入された形の高分子電解質;(D)主鎖に実質的に炭素原子を含まない無機物からなる高分子であり、イオン交換基が導入された形の高分子電解質;(E)主鎖あるいは側鎖に窒素原子を含み、酸性化合物がイオン結合により導入された形の高分子電解質;(F)(A)〜(E)の共重合体及び/又は混合物からなる高分子電解質からなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする〔1〕〜〔4〕いずれかに記載の組成物、
〔6〕[高分子電解質中のイオン交換基の物質量(mmol)]/[高分子電解質の重量(g)]が0.05〜5mmol/gであることを特徴とする〔1〕〜〔5〕いずれかに記載の組成物、
〔7〕高分子電解質が主鎖に芳香環を有する高分子であり、イオン交換基が導入された形の高分子電解質であることを特徴とする〔1〕〜〔6〕いずれかに記載の組成物、
〔8〕高分子電解質が主鎖に実質的に炭素原子を含まない無機物からなる高分子であり、イオン交換基が導入された形の高分子電解質であることを特徴とする〔1〕〜〔6〕いずれかに記載の組成物、
〔9〕高分子電解質が実質的にイオン交換基を有するセグメントと実質的にイオン交換基を有さないセグメントから成ることを特徴とする〔1〕〜〔8〕いずれかに記載の組成物、
〔10〕イオン交換基が陽イオン交換基であることを特徴とする〔1〕〜〔9〕いずれかに記載の組成物、
〔11〕陽イオン交換基がスルホン酸基及び/又はホスホン酸基であることを特徴とする〔1〕〜〔10〕いずれかに記載の組成物、
〔12〕[オキソカーボン酸及び/又はその誘導体の物質量(mmol)]/[高分子電解質の重量(g)+オキソカーボン酸及び/又はその誘導体の重量(g)]が0.05〜8mmol/gであることを特徴とする〔1〕〜〔11〕いずれかに記載の組成物、
〔13〕前記〔1〕〜〔12〕いずれかに記載の組成物を用いることを特徴とする高分子電解質膜、
〔14〕前記〔13〕記載の高分子電解質膜を用いることを特徴とする高分子電解質膜−電極接合体、
〔15〕前記〔13〕に記載の高分子電解質膜又は〔14〕に記載の高分子電解質膜−電極接合体の少なくとも一つを用いることを特徴とする電池、
〔16〕前記〔13〕に高分子電解質膜又は〔14〕に記載の高分子電解質膜−電極接合体の少なくとも一つを用いることを特徴とする燃料電池、
を提供するものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明の高分子電解質とオキソカーボン酸及び/又はその誘導体とを含有する組成物は、水素ガスなどの気体燃料やメタノールやジメチルエーテルなどの液体燃料を用いる固体高分子型燃料電池のプロトン伝導膜用材料すなわち高分子電解質として有用である。殊に本発明の組成物は単独の高分子電解質に匹敵するプロトン伝導性を有するのみならず、単独の高分子電解質に比し、応力を緩和するために有効な柔軟性を有する膜であるため、耐久性等の実用面でも有利となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の組成物は、オキソカーボン酸及び/又はその誘導体と高分子電解質とを含有することを特徴とする。組成物の形態としては、特に制限はないが分子レベルで相溶していても良く、非相溶の状態でも良く、高分子電解質が膜の状態にあるときに膜の表面にオキソカーボン酸及び/又はその誘導体が塗布された状態でも良い。分子レベルで相溶している形態が柔軟性付与の効果が高いために好ましい。
ここで、オキソカーボン酸又はその誘導体としては、その代表例として、下記一般式(1)で示される化合物が挙げられる。

(式中、X1、X2はそれぞれ独立に−O−、−S−又は−NR’−を表し、Zは−CO−、−C(S)−、−C(NR’’)−、置換基を有していても良い炭素数1〜6のアルキレン基又は置換基を有していても良い炭素数6〜10のアリーレン基を表す。nは、繰り返しの数を表わし、0〜10の整数を表わす。n個あるZは、互いに同じであっても良く、異なっていても良い。Rは、−OH、−SH、−NHR’’’、置換基を有していても良い炭素数1〜18のアルキル基、置換基を有していても良い炭素数6〜18のアリール基又は置換基を有していても良い炭素数7〜16のアラルキル基を表す。R’、R’’、R’’’は、それぞれ独立に水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基又は置換基を有していてもよい炭素数6〜10のアリール基を表す。Bは、水素原子又は1価の金属原子を表す。)
【0008】
式(1)で表わされるオキソカーボン類において、Bが水素原子である場合、すなわち遊離酸の形である場合は、下記式

で表わされる平衡反応をとりうる。この平衡反応の極限構造は下記式

のように表わされ、プロトンが解離した時のカチオンが分子内に広く非局在化するために安定な構造である。そのために式(1)で表される化合物は酸性度が高い化合物になるものと考えられる。
【0009】
オキソカーボン酸又はその誘導体(1)において、X1、X2はそれぞれ独立に−O−、−S−又は−NR’−を表す。R’は、水素原子、メチル基、トリフルオロメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基等で代表される置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基又はフェニル基、ペンタフルオロフェニル基、ナフチル基等で代表される置換基を有していてもよい炭素数6〜10のアリール基を表す。R’として、好ましくは水素原子である。X1、X2として、好ましくは−O−、−S−であり、特に好ましくは−O−である。
また、Zは−CO−、−C(S)−、−C(NR’’)−、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキレン基又は置換基を有していてもよい炭素数6〜10のアリーレン基を表す。R’’は水素原子、メチル基、トリフルオロメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基等で代表される置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基又はフェニル基、ペンタフルオロフェニル基、ナフチル基等で代表される置換基を有していてもよい炭素数6〜10のアリール基を表す。R’’として、好ましくは水素原子である。
ここで、炭素数1〜6のアルキレン基としては、例えばメチレン、エチレン、プロピレン、i−プロピレン、ブチレン、ペンチレン等が挙げられる。また炭素数6〜10のアリーレン基としては、例えばフェニレン、ナフチレン等が挙げられる。置換基を有する場合の置換基としては、例えば、フッ素、塩素、臭素などのハロゲン原子が挙げられ、なかでもフッ素が好ましく用いられる。
Zは、好ましくは−CO−、−C(S)−、−C(NR’’)−、メチレン、ジフルオロメチレン、フェニレン、テトラフルオロフェニレン等であり、より好ましくは−CO−、−C(S)−等であり、特に好ましくは−CO−等である。
nはZの繰り返しの数を表わし、n=0〜10の数を表わす。nが0の場合は、単結合を意味する。n個あるZは互いに同じであっても良いし、異なっていても良い。nは、好ましくは0〜4であり、より好ましくは0〜2であり、特に好ましくは1である。
【0010】
Rは−OH、−SH、−NHR’’’、置換基を有していても良い炭素数1〜18のアルキル基、置換基を有していても良い炭素数6〜18のアリール基又は置換基を有していても良い炭素数7〜16のアラルキル基を表す。R’’’は、水素原子;メチル基、トリフルオロメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基等で代表される置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基又はフェニル基、ペンタフルオロフェニル基、ナフチル基等で代表される置換基を有していてもよい炭素数6〜10のアリール基を表す。R’’’として好ましくは水素原子である。
ここで、炭素数1〜18のアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基等が挙げられる。
炭素数1〜18のアルキル基が置換基を有する場合の置換基としては、例えばフルオロ基、クロロ基、ブロモ基等のハロゲノ基;ニトロ基;シアノ基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等の炭素数1〜5のアルコキシ基;トリフルオロメチル基、ペンタフルオロメチル基等の炭素数1〜5のフルオロアルキル基等が挙げられる。
【0011】
また炭素数6〜18のアリール基としては、例えばフェニル基、ナフチル基、アントラニル基、ビフェニル基、等が挙げられる。炭素数6〜18のアリール基が置換基を有する場合の置換基としては、例えばフルオロ基、クロロ基、ブロモ基等のハロゲノ基、ニトロ基、シアノ基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等の炭素数1〜5のアルコキシ基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロメチル基等の炭素数1〜5のフルオロアルキル基、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の炭素数1〜5のアルキルなどが挙げられる。
【0012】
より具体的には、ハロゲノ基を置換基として有している炭素数6〜18のアリール基の一例としては、例えば、下記一般式(2a)〜(2c)

が挙げられる。
式中、Y1〜Y5はそれぞれ独立にハロゲノ基を表す。pは1〜5の整数を表す。qは0〜3の整数、rは0〜4の整数を表し、かつ(q+r)の値が1〜7である。sは0〜4の整数、tは0〜5の整数を表し、かつ(s+t)の値が1〜9である。Y1〜Y5がそれぞれ複数あるときにはこれらは同じであっても良いし異なっていても良い。
ハロゲノ基として好ましくはフルオロ基、クロロ基であり、特に好ましくはフルオロ基である。(2a)〜(2c)の中で特に好ましくは(2a)である。
【0013】
炭素数7〜16のアラルキル基としては、例えばベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、ナフチルメチル基、ナフチルエチル基等が挙げられる。炭素数7〜16のアラルキル基が置換基を有する場合の置換基としては、例えばフルオロ基、クロロ基、ブロモ基等のハロゲノ基、ニトロ基、シアノ基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等の炭素数1〜5のアルコキシ基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロメチル基等の炭素数1〜5のフルオロアルキル基、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の炭素数1〜5のアルキル基などが挙げられる。
Rは、−OH、−SH、メチル基、エチル基、トリフルオロメチル基、フェニル基、ナフチル基、ペンタフルオロフェニル基、ベンジル基等であることが好ましく、より好ましくは−OH、フェニル基、ペンタフルオロフェニル基等である。
【0014】
Bは水素原子又は1価の金属原子を表す。1価の金属原子としては、リチウム原子、ナトリウム原子、カリウム原子、セシウム原子、銀原子等が挙げられる。Bとして、好ましくは水素原子、リチウム原子、ナトリウム原子、カリウム原子、セシウム原子であり、さらに好ましくはリチウム原子、ナトリウム原子、カリウム原子であり、さらにより好ましくは水素原子、リチウム原子であり、特に好ましくは水素原子である。
本発明の組成物をリチウム二次電池用電解質として用いる場合には、Bとしてリチウムが用いられる。
本発明の組成物を固体高分子型燃料電池に用いる場合は、実質的に全ての官能基が遊離酸の形である場合が好ましい。本発明の組成物は、固体高分子型燃料電池に、より好適に用いられる。
【0015】
本発明におけるオキソカーボン酸又はその誘導体(1)の具体例としては、例えば下記の化合物が挙げられる。ここでBが水素原子の場合を例示する。

【0016】

【0017】

【0018】

【0019】

【0020】

【0021】

【0022】

【0023】

【0024】
本発明においては、上記のようなオキソカーボン酸及び/又はその誘導体が用いられる。これらの中では、(a1)〜(a66)が好ましい。より好ましくは(a2)、(a5)(a8)、(a11)、(a14)、(a17)、(a20)、(a23)、(a26)、(a29)、(a32)、(a35)、(a38)、(a41)、(a44)、(a47)、(a50)、(a53)、(a56)、(a59)、(a62)、(a65)であり、より一層好ましくは(a2)、(a5)、(a17)、(a26)、(a29)、(a41)、(a44)、(a50)、(a53)、(a59)、(a62)、(a65)であり、特に好ましくは(a2)、(a41)、(a50)、(a53)である。
【0025】
オキソカーボン酸又はその誘導体は、例えば下記の方法に準拠して製造し得る。また試薬メーカーから入手しても良い。
(I)リチウム試薬を用いて、オキソカーボン酸又はその誘導体(1)におけるRがアルキル又はアリールである化合物を製造する方法(Journal of Organic Chemistry,53,2482、2477(1988))。
(II)グリニヤ試薬を用いて、オキソカーボン酸又はその誘導体(1)におけるRがアルキル又はアリールである化合物を製造する方法(Heterocycles,27(5),1191(1988))。
(III)スズ試薬を用いて、オキソカーボン酸又はその誘導体(1)におけるRがアルキル又はアリールである化合物を製造する方法(Journal of Organic Chemistry,55,5359(1990)、Tetrahydron Letters,31(30),4293(1990))。
(IV)Friedel Crafts反応を用いて合成する方法(Synthesis,46頁(1974))。
これらの方法に準拠することにより様々な誘導体を合成することができる。
【0026】
本発明における高分子電解質は電解質として使用できる高分子であれば特に制限はなく、イオン交換基を含む高分子電解質、無機強酸と高分子のブレンド体などが使用できるが、イオン交換基を含んでいることが好ましい。
イオン交換基として、例えば、−SO3H、−COOH、−PO(OH)2、−POH(OH)、−SO2NHSO2−、−Ph(OH)(Phはフェニレン基を表す)、下記一般式(2)

(式中、X1、X2、Z、nは前記(1)と同じ意味を示す。)
で示されるオキソカーボン基等の陽イオン交換基、−NH2、−NHR、−NRR’、−NRR’R’’+、−NH3+など(Rはアルキル基、シクロアルキル基、アリール基等を表す)等の陰イオン交換基を有する高分子である。イオン交換基は、その一部又は全部が対イオンとの塩を形成していても良い。
イオン交換基として、好ましくは陽イオン交換基であり、さらに好ましくは−SO3H、−PO(OH)2、−POH(OH)、−SO2NHSO2−、オキソカーボン基であり、特に好ましくは−SO3H、−PO(OH)2、オキソカーボン基であり、最も好ましくは−SO3Hである。
【0027】
該高分子電解質の代表例としては、例えば(A)主鎖が脂肪族炭化水素からなる高分子であり、イオン交換基が導入された形の高分子電解質;(B)主鎖の一部又は全部の水素原子がフッ素で置換された脂肪族炭化水素からなる高分子であり、イオン交換基が導入された形の高分子電解質;(C)主鎖が芳香環を有する高分子であり、イオン交換基が導入された形の高分子電解質;(D)主鎖に実質的に炭素原子を含まない無機物からなる高分子であり、イオン交換基が導入された形の高分子電解質;(E)主鎖あるいは側鎖に窒素原子を含み、酸性化合物がイオン結合により導入された形の高分子電解質;(F)(A)〜(E)の共重合体及び/又は混合物からなる高分子電解質等が挙げられる。
【0028】
上記(A)の高分子電解質としては、例えば、ポリビニルスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸、ポリ(α−メチルスチレン)スルホン酸、等が挙げられる。
また、上記(B)の高分子電解質としては、Nafion(デュポン社の登録商標、以下同様)に代表される側鎖にパーフルオロアルキルスルホン酸を有し、主鎖がパーフルオロアルカンである高分子、炭化フッ素系ビニルモノマと炭化水素系ビニルモノマとの共重合によって作られた主鎖と、スルホン酸基を有する炭化水素系側鎖とから構成されるスルホン酸型ポリスチレン−グラフト−エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE、例えば特開平9−102322号公報)や、炭化フッ素系ビニルモノマと炭化水素系ビニルモノマとの共重合によって作られた膜に、α,β,β-トリフルオロスチレンをグラフト重合させ、これにスルホン酸基を導入して固体高分子電解質膜とした、スルホン酸型ポリ(トリフルオロスチレン)−グラフト−ETFE膜(例えば、米国特許第4,012,303号及び米国特許第4,605,685号)等が挙げられる。
【0029】
上記(C)の高分子電解質としては、主鎖が酸素原子等のヘテロ原子で中断されているものであってもよく、例えば、ポリエーテルエーテルケトン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリ(アリーレンエーテル)、ポリイミド、ポリ((4-フェノキシベンゾイル)-1,4-フェニレン)、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニルキノキサレン等の重合体のそれぞれにイオン交換基が導入されたもの、スルホアリール化ポリベンズイミダゾール、スルホアルキル化ポリベンズイミダゾール、ホスホアルキル化ポリベンズイミダゾール(例えば、特開平9−110982)、ホスホン化ポリ(フェニレンエーテル)(例えば、J. Appl. Polym. Sci.、 18、 1969 (1974) )等が挙げられる。
【0030】
また上記(D)の高分子電解質としては例えば、ポリホスファゼンにイオン交換基が導入されたもの、Polymer Prep.、 41、 no.1、 70 (2000) に記載のホスホン酸基を有するポリシロキサン等が挙げられる。
また上記(E)の高分子電解質としては例えば、特表平11−503262号公報に記載の、リン酸を含有させたポリベンズイミダゾール等が挙げられる。
上記(F)の高分子電解質としては、ランダム共重合体にイオン交換基が導入されたものでも、交互共重合体にイオン交換基が導入されたものでも、ブロック共重合体にイオン交換基が導入されたものでもよい。ランダム共重合体にスルホン酸基が導入されたものとしては、例えば、特開平10−021943号公報に記載されているもの等が挙げられる。ブロック共重合体において、スルホン酸基を持つブロックの具体例としては、例えば特開2001−250567号公報に記載のもの等が挙げられる。
高分子電解質に導入されたイオン交換基の分布には特に制限はないが、イオン交換基を有するセグメントと実質的にイオン交換基を有さないセグメントから成る高分子電解質が好ましい。
【0031】
本発明に使用される高分子電解質の重量平均分子量は、好ましくは1000〜1000000程度であり、さらに好ましくは5000〜200000程度である。
本発明において、[高分子電解質中のイオン交換基の物質量(mmol)]/[高分子電解質の重量(g)]、すなわち高分子電解質のイオン交換基当量は、好ましくは0.05〜5mmol/g程度であり、さらに好ましくは0.5〜4程度である。
上記(A)〜(F)の高分子電解質の中でも(C)の主鎖が芳香環を有する高分子であり、スルホン酸基及び/又はホスホン酸基が導入された形の高分子電解質が好ましく用いられる。
上記のような高分子化合物と前記のようなオキソカーボン酸及び/又はその誘導体とを含有する本発明の組成物は、[オキソカーボン酸及び/又はその誘導体の物質量(mmol)]/[高分子電解質の重量(g)+オキソカーボン酸及び/又はその誘導体の重量(g)]、すなわち組成物中のオキソカーボン酸及び/又はその誘導体の当量が好ましくは0.05〜8mmol/gであり、さらに好ましくは0.1〜7mmol/gであり、特に好ましくは0.3〜6mmol/gであり、最も好ましくは0.5〜5mmol/gである。
ここで、組成物中のオキソカーボン酸及び/又はその誘導体の当量が、0.05mmol/g以上であると柔軟性を付与する効果がより向上する傾向にあるため好ましく、8mmol/g以下であると耐水性の面でより好ましい傾向にある。
オキソカーボン酸及び/又はその誘導体は、通常、組成物中のこれらの総量の当量が上記の範囲となるように使用される。本発明の組成物中のオキソカーボン酸及び/又はその誘導体の当量は、NMR法を用いて求める。
【0032】
本発明の組成物は、高分子電解質とオキソカーボン酸及び/又はその誘導体とを含有することを特徴とするものであり、その製造方法は特に限定はないが、例えば(1)高分子電解質とオキソカーボン酸及び/又はその誘導体を溶媒に溶解、分散又は懸濁させて混合し、その後に溶媒を除去して得る方法、(2)高分子電解質を溶解しない溶媒にオキソカーボンを溶解、分散又は懸濁させておき、この液に高分子電解質を浸漬することでオキソカーボン酸及び/又はその誘導体を含浸、及び/又は付着させて得る方法等が挙げられる。
ここで、溶媒としては、例えば、水、アルコール系溶媒、ケトン系溶媒、エーテル系溶媒、ハロゲン系溶媒、スルホキシド系溶媒、スルホン系溶媒、アミド系溶媒、脂肪族炭化水素溶媒、芳香族炭化水素溶媒、及びこれらの混合溶媒などの中から適宜選択される。
アルコール系溶媒としてはメタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノールなどが、ケトン系溶媒としてはアセトン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、ベンゾフェノンなどが挙げられる。エーテル系溶媒としてはジエチルエーテル、ジブチルエーテル、ジフェニルエーテル、テトラヒドロフラン(以下THFと略記する)、ジオキサン、ジオキソラン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルなどが挙げられる。
【0033】
ハロゲン系溶媒としてはクロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼンなどが、スルホキシド系溶媒としてはジメチルスルホキシド(以下、DMSOと略記する)が挙げられる。スルホン系溶媒としてはジフェニルスルホン、スルホラン等が、アミド系溶媒としてはN,N−ジメチルアセトアミド(以下DMAcと略記する)、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド(以下DMFと略記する)、N−メチルホルムアミド、ホルムアミド、N−メチルピロリドン(以下NMPと略記する)などが挙げられる。脂肪族炭化水素溶媒としてはペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタンなどが、芳香族炭化水素溶媒としてはベンゼン、トルエン、キシレンなどが挙げられる。
なかでも水、アルコール系溶媒、エーテル系溶媒、ハロゲン系溶媒、アミド系溶媒及びこれらの混合溶媒等から選ぶことが好ましい。水、メタノール、THF、ジクロロメタン、DMAc及びこれらの混合溶媒等から選ぶことがさらに好ましい。
【0034】
溶媒を除去する方法としては、混合した溶液、分散液又は懸濁液の溶媒を蒸発させて留去する方法等が挙げられるが、(1)の製造方法の場合には後述の溶媒キャスト法を用いることにより膜状に成型することも可能である。
【0035】
次に、本発明の組成物を燃料電池等の電気化学デバイスの隔膜として使用する場合について説明する。
この場合、本発明の組成物は、通常フィルムの形態で使用されるが、フィルムへ転化する方法に特に制限はなく、例えば溶液状態より製膜する方法(溶媒キャスト法)が好ましく使用される。
具体的には、組成物を適当な溶媒に溶解し、その溶液をガラス板上に塗布し、溶媒を除去することにより製膜される。製膜に用いる溶媒は、組成物を溶解可能であり、その後に除去し得るものであるならば特に制限はなく、DMF、DMAc、NMP、DMSO等の非プロトン性極性溶媒、あるいはジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等の塩素系溶媒、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等のアルキレングリコールモノアルキルエーテル、THF、1,3−ジオキソラン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキサン、テトラヒドロピラン、ジブチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、ジフェニルエーテル、クラウンエーテル類等のエーテル系溶媒が好適に用いられる。これらは単独で用いることもできるが、必要に応じて2種以上の溶媒を混合して用いることもできる。
中でもDMSO、DMF、DMAc、NMP、THF、1,3−ジオキソラン等が高分子組成物の溶解性が高く好ましい。
【0036】
フィルムの厚みは、特に制限はないが10〜300μmが好ましく、20〜100μmが特に好ましい。10μm以上のフィルムであると、実用的な強度がより優れるので好ましく、300μm以下であると膜抵抗がより小さくなり電気化学デバイスの特性がより向上するので好ましい。膜厚は、溶液の濃度及び基板上への塗布厚により制御できる。
【0037】
また、フィルムの各種物性改良を目的として、通常の高分子化合物に使用される可塑剤、安定剤、離型剤等を本発明の組成物に含有させることができる。また、同一溶剤に混合共キャストするなどの方法により、他のポリマーを本発明の高分子組成物と複合アロイ化することも可能である。
燃料電池用途では他に水管理を容易にするために、無機あるいは有機の微粒子を保水剤として添加する事も知られている。これらの公知の方法はいずれも本発明の目的に反しない限り使用できる。
また、フィルムの機械的強度の向上などを目的として、電子線・放射線などを照射して架橋することもできる(例えば、特開平11−111310号公報)。さらには、多孔性のフィルムやシートに含浸複合化したり(特開平6−29032号公報)、ファイバーやパルプを混合してフィルムを補強する方法などが知られており、これらの公知の方法はいずれも本発明の目的に反しない限り使用できる。
【0038】
本発明の高分子電解質膜は、前記の高分子電解質を用いることを特徴とする。
本発明の高分子電解質膜−電極接合体は、前記の高分子電解質及び高分子電解質膜から選ばれる少なくとも一つを用いることを特徴とする。
本発明の電池は、前記の高分子電解質、高分子電解質膜、又は高分子電解質膜−電極接合体の少なくとも一つを用いることを特徴とする。
ここで、電池としては燃料電池、リチウムイオン二次電池等が挙げられ、特に好ましくは燃料電池であり、燃料電池の中でも固体高分子型燃料電池がもっとも好ましい。
本発明の燃料電池は、前記の高分子電解質、高分子電解質膜、又は高分子電解質膜−電極接合体の少なくとも一つを用いることを特徴とする。
次に本発明の燃料電池について説明する。
本発明の燃料電池は、フィルムの両面に、触媒及び集電体としての導電性物質を接合することにより製造することができる。
該触媒としては、水素又は酸素との酸化還元反応を活性化できるものであれば特に制限はなく、公知のものを用いることができるが、白金の微粒子を用いることが好ましい。白金の微粒子はしばしば活性炭や黒鉛などの粒子状又は繊維状のカーボンに担持されて用いられ、好ましく用いられる。
集電体としての導電性物質に関しても公知の材料を用いることができるが、多孔質性のカーボン織布、カーボン不織布又はカーボンペーパーが、原料ガスを触媒へ効率的に輸送するために好ましい。
多孔質性のカーボン不織布又はカーボンペーパーに白金微粒子又は白金微粒子を担持したカーボンを接合させる方法、及びそれを高分子電解質フィルムと接合させる方法については、例えば、J. Electrochem. Soc.: Electrochemical Science and Technology, 1988, 135(9),2209 に記載されている方法等の公知の方法を用いることができる。
また、本発明の組成物は、固体高分子形燃料電池の触媒層を構成する触媒組成物の一成分であるプロトン伝導材料としても使用可能である。
このようにして製造された本発明の燃料電池は、燃料として水素ガス、改質水素ガス、メタノール、ジメチルエーテル等を用いる各種の形式で使用可能である。
【0039】
上記において、本発明の実施の形態について説明を行なったが、上記に開示された本発明の実施の形態は、あくまで例示であって、本発明の範囲はこれらの実施の形態に限定されない。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味及び範囲内でのすべての変更を含むものである。
【実施例】
【0040】
以下に実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの例により何ら限定されるものではない。
イオン交換容量は滴定法にて、また、プロトン伝導度は交流インピーダンス法で測定した。引っ張り試験は日本工業規格(JIS K 7127)に準拠して、23℃、相対湿度50%下において試験速度10mm/minで測定した。
【0041】
(参考例1)
共沸蒸留装置を備えたフラスコに、Ar雰囲気下、2,5−ジヒドロキシベンゼンスルホン酸カリウム25.0g(110mmol)、4,4’−ジフルオロジフェニルスルホン−3,3’−ジスルホン酸ジカリウム60.2g(123mmol)、炭酸カリウム15.9g(115mmol)を加え、DMSO341mL及びトルエン68mLを添加した。その後バス温150℃でトルエンを加熱留去することで系内の水分を共沸脱水し、150℃にて6.5時間保温攪拌することで、親水性オリゴマー溶液(a1)を得た。
共沸蒸留装置を備えた別のフラスコに、Ar雰囲気下、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン78.2g(312mmol)、4,4’−ジフルオロジフェニルスルホン76.1g(299mmol)、炭酸カリウム47.5g(344mmol)を加え、DMSO617mL及びトルエン123mLを添加した。その後バス温150℃でトルエンを加熱留去することで系内の水分を共沸脱水し、150℃にて6.5時間保温攪拌することで、疎水性オリゴマー溶液(a2)を得た。
続いて、反応液を室温まで十分に放冷した後、得られた親水性オリゴマー溶液(a1)を疎水性オリゴマー溶液(a2)に加え、150℃まで昇温させながら合計18時間保温攪拌した。反応液を放冷した後、大量の塩酸水に滴下し、生成した沈殿物を濾過回収した。さらに洗液が中性になるまで水で濾過洗浄を繰返した後、100℃の熱水で2h洗浄し、ろ過、乾燥して194gのポリマーAを得た。Aのイオン交換容量は1.36 meq/gであった。
【0042】
(参考例2)
3−Hydroxy−4−phenylcyclobut−3−ene−1,2−dione(化合物B)の合成
Journal of Organic Chemistry,1988,53(11),2482に記載されている方法に準拠し、3−(1−Methylethoxy)−4−Phenylcyclobut−3−ene−1,2−dioneを製造した。次いでこのものを0.63g、THF12ml、12N塩酸36mlを100mlフラスコに入れて100℃で5h攪拌した。その後、室温まで放冷し、クロロホルムで水層を洗浄した後、水層を濃縮し、3−Hydroxy−4−phenylcyclobut−3−ene−1,2−dione(化合物B)を0.24g得た。構造は1H NMR及び13C NMRで確認した。
【0043】
(実施例1)
フラスコに参考例1で合成したポリマーA0.265gと参考例2で合成した化合物B0.142g、塩化メチレン:メタノール=9:1(vol/vol)混合液10mlをいれて攪拌し均一溶液とした。この溶液をシャーレに展開し、常温常圧で溶媒を揮発させて乾燥し組成物の膜Cを得た。Cの[オキソカーボン酸及び/又はその誘導体の物質量(mmol)]/[高分子電解質の重量(g)+オキソカーボン酸及び/又はその誘導体の重量(g)]は2.00(mmol/g)であった。Cの引っ張り試験結果及びプロトン伝導度測定結果を表1に示す。
【0044】
(比較例1)
フラスコに参考例1で合成したポリマーA0.400gと塩化メチレン:メタノール=9:1(vol/vol)混合液10mlをいれて均一溶液とした。この溶液をシャーレに展開し、常温常圧で溶媒を揮発させて乾燥し高分子電解質膜Dを得た。Dの引っ張り試験結果及びプロトン伝導度測定結果を表1に示す。
【0045】
(実施例2)
共沸蒸留装置を備えたフラスコに、アルゴン雰囲気下、4,4’−ジフルオロジフェニルスルホン−3,3’−ジスルホン酸ジカリウム9.32重量部、2,5−ジヒドロキシベンゼンスルホン酸カリウム4.20重量部、DMSO59.6重量部、及び、トルエン9.00重量部を加え、これらを室温にて撹拌しながらアルゴンガスを1時間バブリングした。その後、得られた混合物に、炭酸カリウムを2.67重量部加え、140℃にて加熱撹拌して共沸脱水した。その後トルエンを留去しながら加熱を続け、親水性オリゴマー溶液(e1)を得た。総加熱時間は14時間であった。得られた溶液は室温にて放冷した。
共沸蒸留装置を備えた別のフラスコに、アルゴン雰囲気下、4,4’−ジフルオロジフェニルスルホン8.32重量部、2,6−ジヒドロキシナフタレン5.36重量部、DMSO30.2重量部、NMP30.2重量部、及び、トルエン9.81重量部を加え、室温にて撹拌しながらアルゴンガスを1時間バブリングした。その後、得られた混合物に、炭酸カリウムを5.09重量部加え、140℃にて加熱撹拌して共沸脱水した。その後トルエンを留去しながら加熱を続けた。総加熱時間は5時間であった。得られた溶液を室温にて放冷し、疎水性オリゴマー溶液(e2)を得た。
得られた疎水性オリゴマー溶液(e2)に、上記親水性オリゴマー溶液(e1)の全量とNMP80.4重量部、DMSO45.3重量部を加え、150℃にて40時間ブロック共重合反応を行った。
得られた反応液を大量の2N塩酸に滴下し、1時間浸漬した。その後、生成した沈殿物を濾別した後、再度2N塩酸に1時間浸漬した。得られた沈殿物を濾別、水洗した後、95℃の大量の熱水に1時間浸漬した。そして、この沈殿物を80℃で12時間乾燥させて、ポリ[オキシ(2-スルホ-1,4-フェニレン)オキシ(2-スルホ-1,4-フェニレン)スルホニル(3-スルホ-1,4-フェニレン)]-block-ポリ(オキシ-2,6-ナフチレンオキシ-1,4-フェニレンスルホニル-1,4-フェニレン)](ポリマーE)を合成した。ポリマーEのイオン交換容量は1.80meq/gであった。フラスコにポリマーE0.266gと3,4−ジヒドロキシ−3−シクロブテン−1,2−ジオン(化合物F、アルドリッチ社より購入)0.135g、NMP5gをいれて攪拌し均一溶液とした。この溶液をシャーレに展開し、80℃常圧で溶媒を揮発させて乾燥し組成物の膜Gを得た。Gの[オキソカーボン酸及び/又はその誘導体の物質量(mmol)]/[高分子電解質の重量(g)+オキソカーボン酸及び/又はその誘導体の重量(g)]は2.95(mmol/g)であった。Gの引っ張り試験結果及びプロトン伝導度測定結果を表1に示す。
【0046】
(比較例2)
フラスコにポリマーE0.400gとNMP5gをいれて均一溶液とした。この溶液をシャーレに展開し、80℃常圧で溶媒を揮発させて乾燥し高分子電解質膜Hを得た。Hの引っ張り試験結果及びプロトン伝導度測定結果を表1に示す。
【0047】
(実施例3)
アルゴン雰囲気下、共沸蒸留装置を備えたフラスコに、DMSO145重量部、トルエン56.6重量部、2,5−ジクロロベンゼンスルホン酸ナトリウム5.66重量部、末端クロロ型であるポリエーテルスルホン(住友化学工業製スミカエクセルPES5200P)2.13重量部、2,2’−ビピリジル9.35重量部を入れて攪拌した。その後バス温を150℃まで昇温し、トルエンを加熱留去することで系内の水分を共沸脱水した後、60℃に冷却した。次いで、これにビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(0)15.7重量部を加え、80℃に昇温し、同温度で5時間攪拌した。放冷後、反応液を大量の6mol/Lの塩酸に注ぐことによりポリマーを析出させ濾別。その後6mol/L塩酸による洗浄・ろ過操作を数回繰り返した後、濾液が中性になるまで水洗を行ない、95℃の熱水で洗浄した後減圧乾燥することによりポリ(スルホ−1,4−フェニレン)−block−ポリ(オキシ−1,4−フェニレンスルホニル−1,4−フェニレン)(ポリマーI)を合成した。ポリマーIのイオン交換容量は2.20meq/gであった。フラスコにポリマーI0.266gと化合物F0.141g、NMP5gをいれて攪拌し均一溶液とした。この溶液をシャーレに展開し、80℃常圧で溶媒を揮発させて乾燥し組成物の膜Jを得た。Jの[オキソカーボン酸及び/又はその誘導体の物質量(mmol)]/[高分子電解質の重量(g)+オキソカーボン酸及び/又はその誘導体の重量(g)]は3.04(mmol/g)であった。Jの引っ張り試験結果及びプロトン伝導度測定結果を表1に示す。
【0048】
(比較例3)
フラスコにポリマーK0.400gとNMP5gをいれて均一溶液とした。この溶液をシャーレに展開し、80℃常圧で溶媒を揮発させて乾燥し高分子電解質膜Kを得た。Kの引っ張り試験結果及びプロトン伝導度測定結果を表1に示す。
【0049】
(実施例4)
Polymer Communications, 1984, Vol.25, 93-96、及びMacromolecules, 1980, 13, 1325-1332に記載の方法に準拠してポリ(ジフェノキシ)ホスファゼン(ポリマーL)を合成した。ポリマーL3.10gを濃硫酸30mlに溶解させ、50℃、8時間反応させた後、溶液を氷水中に滴下し、ポリ(ジフェノキシ)ホスファゼンのスルホ化物(ポリマーM)を合成した。Mのイオン交換容量は1.30meq/gであった。フラスコにポリマーM0.503gと化合物F0.146g、NMP10gをいれて攪拌し均一溶液とした。この溶液をシャーレに展開し、80℃常圧で溶媒を揮発させて乾燥し組成物の膜Nを得た。Nの[オキソカーボン酸及び/又はその誘導体の物質量(mmol)]/[高分子電解質の重量(g)+オキソカーボン酸及び/又はその誘導体の重量(g)]は1.97(mmol/g)であった。Nの引っ張り試験結果及びプロトン伝導度測定結果を表1に示す。
【0050】
(比較例4)
フラスコにポリマーM0.400gとNMP5gをいれて均一溶液とした。この溶液をシャーレに展開し、80℃常圧で溶媒を揮発させて乾燥し高分子電解質膜Oを得た。Oの引っ張り試験結果及びプロトン伝導度測定結果を表1に示す。
【0051】
(実施例5)
フラスコに5wt%Nafion溶液(アルドリッチ社製)10.36g(ポリマー量0.518g)に化合物B0.142gをいれて攪拌し均一溶液とした。この溶液をシャーレに展開し、80℃常圧で溶媒を揮発させて乾燥し組成物の膜Rを得た。Pの[オキソカーボン酸及び/又はその誘導体の物質量(mmol)]/[高分子電解質の重量(g)+オキソカーボン酸及び/又はその誘導体の重量(g)]は1.24(mmol/g)であった。Pの引っ張り試験結果及びプロトン伝導度測定結果を表1に示す。
【0052】
(比較例5)
5wt%Nafion溶液(アルドリッチ社製)をシャーレに展開し、80℃常圧で溶媒を揮発させて乾燥し高分子電解質膜Qを得た。Qの引っ張り試験結果及びプロトン伝導度測定結果を表1に示す。
【0053】
(実施例6)
式(1)におけるX1、X2、Z、n、Rが表2に示す化合物aとポリマーAとDMAcとを、フラスコにいれて攪拌し均一溶液とする。この溶液をシャーレに展開し、溶媒を揮発させて乾燥し組成物の膜Rを得る。この際に、化合物aとポリマーAとを、Rの[オキソカーボン酸及び/又はその誘導体の物質量(mmol)]/[高分子電解質の重量(g)+オキソカーボン酸及び/又はその誘導体の重量(g)]が0.05〜8mmol/gの範囲になるように選択すると、プロトン伝導度を大きく低下させることなく単独の高分子電解質よりも極めて高い柔軟性を有する膜が好ましく得られる。
【0054】
(実施例7)
式(1)におけるX1、X2、Z、n、Rが表2に示す化合物bとポリマーEとNMPとをフラスコにいれて攪拌し均一溶液とする。この溶液をシャーレに展開し、溶媒を揮発させて乾燥し組成物の膜Sを得る。この際に、化合物bとポリマーEとを、Sの[オキソカーボン酸及び/又はその誘導体の物質量(mmol)]/[高分子電解質の重量(g)+オキソカーボン酸及び/又はその誘導体の重量(g)]が0.05〜8mmol/gの範囲になるように選択すると、プロトン伝導度を大きく低下させることなく単独の高分子電解質よりも極めて高い柔軟性を有する膜が好ましく得られる。
【0055】
(実施例8)
式(1)におけるX1、X2、Z、n、Rが表2に示す化合物cとポリマーIとDMSOとをフラスコにいれて攪拌し均一溶液とする。この溶液をシャーレに展開し、溶媒を揮発させて乾燥し組成物の膜Tを得る。この際に、化合物cとポリマーIとを、Tの[オキソカーボン酸及び/又はその誘導体の物質量(mmol)]/[高分子電解質の重量(g)+オキソカーボン酸及び/又はその誘導体の重量(g)]が0.05〜8mmol/gの範囲になるように選択すると、プロトン伝導度を大きく低下させることなく単独の高分子電解質よりも極めて高い柔軟性を有する膜が好ましく得られる。
【0056】
(実施例9)
式(1)におけるX1、X2、Z、n、Rが表2に示す化合物dとポリマーAと、DMAcを、フラスコにいれて攪拌し均一溶液とする。この溶液をシャーレに展開し、溶媒を揮発させて乾燥し組成物の膜Uを得る。この際に、化合物dとポリマーAとを、Uの[オキソカーボン酸及び/又はその誘導体の物質量(mmol)]/[高分子電解質の重量(g)+オキソカーボン酸及び/又はその誘導体の重量(g)]が0.05〜8mmol/gの範囲になるように選択すると、プロトン伝導度を大きく低下させることなく単独の高分子電解質よりも極めて高い柔軟性を有する膜が好ましく得られる。
【0057】
(実施例10)
式(1)におけるX1、X2、Z、n、Rが表2に示す化合物eとポリマーEと、NMPを、フラスコにいれて攪拌し均一溶液とする。この溶液をシャーレに展開し、溶媒を揮発させて乾燥し組成物の膜Vを得る。この際に、化合物eとポリマーEとを、Vの[オキソカーボン酸及び/又はその誘導体の物質量(mmol)]/[高分子電解質の重量(g)+オキソカーボン酸及び/又はその誘導体の重量(g)]が0.05〜8mmol/gの範囲になるように選択すると、プロトン伝導度を大きく低下させることなく単独の高分子電解質よりも極めて高い柔軟性を有する膜が好ましく得られる。
【0058】
(実施例11)
式(1)におけるX1、X2、Z、n、Rが表2に示す化合物fとポリマーIと、DMSOを、フラスコにいれて攪拌し均一溶液とする。この溶液をシャーレに展開し、溶媒を揮発させて乾燥し組成物の膜Wを得る。この際に、化合物fとポリマーIとを、Wの[オキソカーボン酸及び/又はその誘導体の物質量(mmol)]/[高分子電解質の重量(g)+オキソカーボン酸及び/又はその誘導体の重量(g)]が0.05〜8mmol/gの範囲になるように選択すると、プロトン伝導度を大きく低下させることなく単独の高分子電解質よりも極めて高い柔軟性を有する膜が好ましく得られる。
【0059】
(実施例12)
式(1)におけるX1、X2、Z、n、Rが表2に示す化合物gとポリマーAと、DMAcを、フラスコにいれて攪拌し均一溶液とする。この溶液をシャーレに展開し、溶媒を揮発させて乾燥し組成物の膜Xを得る。この際に、化合物gとポリマーAとを、Xの[オキソカーボン酸及び/又はその誘導体の物質量(mmol)]/[高分子電解質の重量(g)+オキソカーボン酸及び/又はその誘導体の重量(g)]が0.05〜8mmol/gの範囲になるように選択すると、プロトン伝導度を大きく低下させることなく単独の高分子電解質よりも極めて高い柔軟性を有する膜が好ましく得られる。
【0060】
(実施例13)
式(1)におけるX1、X2、Z、n、Rが表2に示す化合物hとポリマーEと、NMPを、フラスコにいれて攪拌し均一溶液とする。この溶液をシャーレに展開し、溶媒を揮発させて乾燥し組成物の膜Yを得る。この際に、化合物hとポリマーEとを、Yの[オキソカーボン酸及び/又はその誘導体の物質量(mmol)]/[高分子電解質の重量(g)+オキソカーボン酸及び/又はその誘導体の重量(g)]が0.05〜8mmol/gの範囲になるように選択すると、プロトン伝導度を大きく低下させることなく単独の高分子電解質よりも極めて高い柔軟性を有する膜が好ましく得られる。
【0061】
(実施例14)
式(1)におけるX1、X2、Z、n、Rが表2に示す化合物iとポリマーIと、DMSOを、フラスコにいれて攪拌し均一溶液とする。この溶液をシャーレに展開し、溶媒を揮発させて乾燥し組成物の膜Zを得る。この際に、化合物iとポリマーIとを、Zの[オキソカーボン酸及び/又はその誘導体の物質量(mmol)]/[高分子電解質の重量(g)+オキソカーボン酸及び/又はその誘導体の重量(g)]が0.05〜8mmol/gの範囲になるように選択すると、プロトン伝導度を大きく低下させることなく単独の高分子電解質よりも極めて高い柔軟性を有する膜が好ましく得られる。
【0062】
引っ張り試験及びプロトン伝導度測定結果
【0063】
【表1】

【0064】
【表2】

【産業上の利用可能性】
【0065】
本発明の高分子電解質とオキソカーボン酸及び/又はその誘導体を含有する組成物は、水素ガスなどの気体燃料やメタノールやジメチルエーテルなどの液体燃料を用いる固体高分子型燃料電池のプロトン伝導膜用材料すなわち高分子電解質として有用である。殊に本発明の組成物は単独の高分子電解質に匹敵するプロトン伝導性を有するのみならず、単独の高分子電解質に比し、応力を緩和するために有効な柔軟性を有する膜であるため、耐久性等の実用面でも有利となる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
オキソカーボン酸及び/又はその誘導体と高分子電解質とを含有することを特徴とする組成物。
【請求項2】
オキソカーボン酸又はその誘導体が、下記一般式(1)で示されることを特徴とする請求項1記載の組成物。

(式中、X1、X2はそれぞれ独立に−O−、−S−又は−NR’−を表し、Zは−CO−、−C(S)−、−C(NR’’)−、置換基を有していても良い炭素数1〜6のアルキレン基又は置換基を有していても良い炭素数6〜10のアリーレン基を表す。nは、繰り返しの数を表わし、0〜10の整数を表わす。n個あるZは、互いに同じであっても良く、異なっていても良い。Rは、−OH、−SH、−NHR’’’、置換基を有していても良い炭素数1〜18のアルキル基、置換基を有していても良い炭素数6〜18のアリール基又は置換基を有していても良い炭素数7〜16のアラルキル基を表す。R’、R’’、R’’’は、それぞれ独立に水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基又は置換基を有していてもよい炭素数6〜10のアリール基を表す。Bは、水素原子又は1価の金属原子を表す。)
【請求項3】
Zが、−CO−、−C(S)−又は−C(NH)−であることを特徴とする請求項2記載の組成物。
【請求項4】
1とX2が−O−、Zが−CO−、nが0〜2であることを特徴とする請求項2又は3記載の組成物。
【請求項5】
高分子電解質が、(A)主鎖が脂肪族炭化水素からなる高分子であり、イオン交換基が導入された形の高分子電解質;(B)主鎖の一部又は全部の水素原子がフッ素で置換された脂肪族炭化水素からなる高分子であり、イオン交換基が導入された形の高分子電解質;(C)主鎖が芳香環を有する高分子であり、イオン交換基が導入された形の高分子電解質;(D)主鎖に実質的に炭素原子を含まない無機物からなる高分子であり、イオン交換基が導入された形の高分子電解質;(E)主鎖あるいは側鎖に窒素原子を含み、酸性化合物がイオン結合により導入された形の高分子電解質;(F)(A)〜(E)の共重合体及び/又は混合物からなる高分子電解質からなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜4いずれかに記載の組成物。
【請求項6】
[高分子電解質中のイオン交換基の物質量(mmol)]/[高分子電解質の重量(g)]が0.05〜5mmol/gであることを特徴とする請求項1〜5いずれかに記載の組成物。
【請求項7】
高分子電解質が主鎖に芳香環を有する高分子であり、イオン交換基が導入された形の高分子電解質であることを特徴とする請求項1〜6いずれかに記載の組成物。
【請求項8】
高分子電解質が主鎖に実質的に炭素原子を含まない無機物からなる高分子であり、イオン交換基が導入された形の高分子電解質であることを特徴とする請求項1〜6いずれかに記載の組成物。
【請求項9】
高分子電解質が実質的にイオン交換基を有するセグメントと実質的にイオン交換基を有さないセグメントから成ることを特徴とする請求項1〜8いずれかに記載の組成物。
【請求項10】
イオン交換基が陽イオン交換基であることを特徴とする請求項1〜9いずれかに記載の組成物。
【請求項11】
陽イオン交換基がスルホン酸基及び/又はホスホン酸基であることを特徴とする請求項1〜10いずれかに記載の組成物。
【請求項12】
[オキソカーボン酸及び/又はその誘導体の物質量(mmol)]/[高分子電解質の重量(g)+オキソカーボン酸及び/又はその誘導体の重量(g)]が0.05〜8mmol/gであることを特徴とする請求項1〜11いずれかに記載の組成物。
【請求項13】
請求項1〜12いずれかに記載の組成物を用いることを特徴とする高分子電解質膜。
【請求項14】
請求項13記載の高分子電解質膜を用いることを特徴とする高分子電解質膜−電極接合体。
【請求項15】
請求項13に記載の高分子電解質膜又は請求項14に記載の高分子電解質膜−電極接合体の少なくとも一つを用いることを特徴とする電池。
【請求項16】
請求項13に記載の高分子電解質膜又は請求項14に記載の高分子電解質膜−電極接合体の少なくとも一つを用いることを特徴とする燃料電池。

【公開番号】特開2006−261110(P2006−261110A)
【公開日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−43461(P2006−43461)
【出願日】平成18年2月21日(2006.2.21)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【Fターム(参考)】