説明

オクタヒドロピロロ[3,4−c]ピロール誘導体

本発明は、式(I)のオクタヒドロピロロ[3,4-c]ピロール誘導体:


並びにそれらの製造方法、それらを含有する組成物及びそれらの使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明はオクタヒドロピロロ[3,4-c]ピロール誘導体、並びにそれらの誘導体の製造方法、それらの誘導体を含有する組成物、及びそれらの誘導体の使用に関する。
本発明のオクタヒドロピロロ[3,4-c]ピロール誘導体はヒスタミンH4受容体リガンドであり、そのため、特に喘息及びアレルギー性鼻炎の処置において多数の療法用途をもつ。
【0002】
ヒスタミンH4受容体は、390個のアミノ酸から成る7回膜貫通Gタンパク質共役型受容体であり、ヒスタミンH3受容体に対しておよそ40%の相同性を有する。主として脳に存在するH3受容体とは対照的に、H4受容体は炎症細胞、とりわけ好酸球及びマスト細胞中でより多く発現される。したがってH4受容体リガンドは様々な炎症性障害の処置に適するはずである。H4リガンドによる処置が特に適当である疾患の例は、炎症性腸疾患、クローン病、潰瘍性大腸炎、皮膚炎、乾癬、結膜炎、リウマチ性関節炎、呼吸器疾患、例えば成人呼吸困難症候群、急性呼吸困難症候群、気管支炎、慢性気管支炎、慢性閉塞性肺疾患、嚢胞性線維症、喘息、肺気腫、鼻炎、慢性篩骨洞炎、アレルギー、アレルギー誘導性気道応答、アレルギー性鼻炎、ウィルス性鼻炎、非アレルギー性鼻炎、通年性及び季節性鼻炎、鼻充血及びアレルギー性充血である。
【0003】
最近、いくつかのヒスタミンH4受容体リガンドが開発された。H4リガンドの研究及び特許状況における最新の進歩の概説は、Expert Opin. Ther. Patents (2003) 13(6)中に与えられている。ヒスタミンH4受容体リガンドの例は、WO 02/07548、WO 04/022537及びTerziogluら, J. Bioorg. Med. Chem. Lett. 14(2004), 5251-5256中に見出すことができる。
【0004】
複数のH4リガンドが知られているものの、依然として、良い薬物候補である新しいH4リガンドをさらに提供する必要性がある。特に、好ましい化合物はヒスタミンH4受容体には強く結合する一方で他の受容体にはほとんど親和性を示さないべきである。それらは消化管からよく吸収され、代謝的に安定で、且つ好適な薬物動態学的特性を有するべきである。それらは非毒性で、且つほとんど副作用を示さないべきである。
【0005】
したがって本発明は、式(I)のオクタヒドロピロロ[3,4-c]ピロール誘導体:
【0006】
【化1】

【0007】
又は医薬的に許容し得るその塩及び溶媒和物に関し、このとき:
・R1 は、H又は所望によりヒドロキシで置換される(C1-C4)アルキルであり;
・Xは、N又はC-R9(このときR9はH又はメチルである)であり;
・Yは、O又はNHであり;
・R6は、H又はメチルであり;そして
・R2,R3,R4及びR5は、独立してH、ハロ、シアノ、(C1-C4)アルキル、(C1-C4)アルコキシ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ヒドロキシ、(CH2)n-C(O)O-R7、(CH2)n-O-(CH2)m-R8及び(CH2)n-R8から選択され、このときn及びmはそれぞれ独立して0又は1であり、R7はH又は(C1-C4)アルキルであり、そしてR8はフェニルである。
【0008】
これらの化合物はヒスタミンH4受容体のリガンドであることが証明されている。
上記の式中で、「ハロ」は、フルオロ、クロロ、ブロモ及びヨードより成る群から選択されるハロゲン原子、特にフルオロ又はクロロを意味する。
【0009】
(C1-C4)アルキルラジカルは、1、2、3又は4個の炭素原子を含有する直鎖又は分枝した基を意味する。これは、それらが例えばヒドロキシ置換基のような置換基を有するか、又は他のラジカル、例えば(C1-C4)アルコキシラジカル中の置換基として現れる場合にも当てはまる。 (C1-C4)アルキルラジカルの適切な例は、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、s-ブチル及びt-ブチルである。(C1-C4)アルコキシラジカルの適切な例は、メトキシ、エトキシ、n-プロピルオキシ、イソプロピルオキシ、n-ブチルオキシ、イソブチルオキシ、s-ブチルオキシ及びt-ブチルオキシである。ヒドロキシラジカルにより置換された(C1-C4)アルキルラジカルの適切な例は、ヒドロキシメチル、1-ヒドロキシエチル、2-ヒドロキシエチル、1-ヒドロキシプロピル、2-ヒドロキシプロピル、3-ヒドロキシプロピル等である。
【0010】
本発明による一般式(I)の化合物は、従来の手順を使用して、例えば以下に説明する方法(このとき、R1,R2,R3,R4,R5,R6,X及びYは他に述べない限り既に定義した通りである)により製造し得る。
【0011】
YがOである式(I)の化合物は、式(II)の酸:
【0012】
【化2】

【0013】
を、式(III)のアミン:
【0014】
【化3】

【0015】
(このとき、R1,R2,R3,R4,R5,R6及びXは既に定義した通りである)とカップリングすることにより製造し得る。
酸(II)のアミン(III)へのカップリングは、一般的には、前記アミン過剰で、従来のカップリング剤(例えば1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩、O-ベンゾトリアゾ-1-イル-N,N,N,N,-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート又はN,N,-ジシクロヘキシルカルボジイミド)と共に、所望により触媒(例えば1-ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物又は1-ヒドロキシ-7-アザベンゾトリアゾール)の存在下で、そして所望により第三級アミン塩基(例えばN-メチルモルホリン、トリエチルアミン又はN,N-ジイソプロピルエチルアミン)の存在下で実施される。反応は適切な溶媒(例えばピリジン、N,N-ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、ジクロロメタン又は酢酸エチル)中で、そして10℃〜40℃の間の温度(室温)で行い得る。好ましくは、カップリングは、過剰のアミン(1.2-1.5当量)を使用し、O-ベンゾトリアゾ-1-イル-N,N,N,N,-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェートをカップリング剤として用いて実施される。また好ましくは、この反応は、N,N-ジメチルホルムアミドを溶媒として使用して行われる。
【0016】
式(III)のアミンは、文献(J. Heterocyclic. Chem 1983, 20, 321)中に記載されるように製造し得る。
XがC-R9である式(II)の酸(このとき、R9は既に定義した通りである)は、商業的に入手可能であるか、又は文献中に記載される周知の方法によって製造し得る。
【0017】
XがNである式(II)の酸は、式(IV)のアルコール:
【0018】
【化4】

【0019】
(このとき、R2,R3,R4,R5及びR6は既に定義した通りである)の酸化により製造し得る。
酸化は、一般的には、従来の酸化剤(例えば過マンガン酸カリウム)を使用して、所望により塩基(例えばNaOH)の存在下で、適切な溶媒(例えば水)中で、40℃〜100℃の間の温度で実施される。好ましくは、この酸化は、過マンガン酸カリウムを使用して、水酸化ナトリウムの存在下で、水を溶媒として使用し、反応温度100℃で1時間30分実施される。
【0020】
式(IV)のアルコールは、式(V)のアニリン:
【0021】
【化5】

【0022】
(このとき、R2,R3,R4,R5及びR6は既に定義した通りである)をグリコール酸と縮合させることにより製造し得る。
縮合は、一般的には、酸触媒(例えばHCl)の存在下で、適切な溶媒(例えば水)中で、40℃〜100℃の間の温度で実施される。好ましくは、この縮合は、6N塩酸水溶液を溶媒として使用し、温度100℃で、反応時間16時間で実施される。
【0023】
式(V)のアニリンは、商業的に入手可能であるか、又は実験セクション中に詳述されるように当業者には周知の従来の方法(例えばニトロ化、還元、アルキル化、塩素化)によって、商業的に入手可能な材料から製造し得る。
【0024】
あるいは、XがNであり且つYがOである式(I)の化合物は、式(VI)のトリクロロメチルベンズイミダゾール:
【0025】
【化6】

【0026】
を、式(III)のアミン:
【0027】
【化7】

【0028】
(このとき、R1,R2,R3,R4,R5及びR6は既に定義した通りである)とカップリングさせることにより製造し得る。
カップリングは、一般的には、過剰のアミン(III)を用いて、所望により塩基(例えばトリエチルアミン、N,N-ジエチルイソプロピルアミン、炭酸カリウム)の存在下で、適切な水性溶媒又は溶媒(例えばアセトニトリル、テトラヒドロフラン、水)混合物中で、10℃〜40℃の間の温度(室温)で実施される。
【0029】
式(VI)の化合物は、式(V)のアニリン:
【0030】
【化8】

【0031】
を、式(VII)のトリクロロアセトイミド酸エステル:
【0032】
【化9】

【0033】
(このとき、Rはメチル又はエチルであり、そしてR2,R3,R4,R5及びR6は既に定義した通りである)と縮合させることにより、製造し得る。
カップリングは、一般的には、過剰のアセトイミデートを用いて、適切な溶媒(例えばAcOH)中で、10℃〜40℃の間の温度(室温)で実施される。
【0034】
式(V)のアニリンは既述のように製造され、そして式(VII)のトリクロロアセトイミデートは商業的に入手可能である。
YがNHであり且つXがNである式(I)の化合物は、式(VI)のトリクロロメチルベンズイミダゾール:
【0035】
【化10】

【0036】
を、アンモニア源及び式(III)のアミン:
【0037】
【化11】

【0038】
(このとき、R1,R2,R3,R4,R5及びR6は既に定義した通りである)と縮合させることにより、製造し得る。
縮合は、一般的には、等モル量のアミン(III)とアンモニア源(例えばアンモニア/ジオキサン、酢酸アンモニウム)を用いて、所望により塩基(例えばトリエチルアミン、N,N-ジイソプロピルエチルアミン、炭酸カリウム)の存在下で、適切な溶媒(例えばアセトニトリル、テトラヒドロフラン)中で、10℃〜40℃の間の温度(室温)で実施される。
【0039】
好ましくは、式(III)のアミンは、アンモニア等価物(ammonia equivalent)の添加に先立って、トリクロロメチルベンズイミダゾール(VI)と、0.5〜2時間反応させられる。
あるいは、XがNであり且つYがNHである式(I)の化合物は、式(III)のアミンを式(VIII)の二トリル:
【0040】
【化12】

【0041】
(このとき、R1,R2,R3,R4,R5及びR6は既に定義した通りである)と反応させることにより、製造し得る。
反応は、一般的には、過剰のアミン(III)を用いて、適切な溶媒(イソプロパノール、メタノール、テトラヒドロフラン)中で、そして60℃〜85℃の間の温度(溶媒の還流温度)で実施される。好ましくは、この反応は1.2当量のアミンを用いて、イソプロパノール中で、3時間還流して実施される。
【0042】
式(VIII)の二トリルは、式(VI)のトリクロロメチルベンズイミダゾールをアンモニア水溶液と反応させ、続いて酸水溶液と反応させることにより製造し得る。反応は、一般的には、過剰のアンモニア水溶液を用いて、適切な溶媒(例えばエタノール、テトラヒドロフラン)中で、−7℃〜0℃の間の温度で、0.5〜2時間実施される。結果として生じる中間体を、次に塩酸水溶液と、0℃〜5℃の間の温度で反応させる。好ましくは、この反応はテトラヒドロフランを溶媒として使用して実施される。
【0043】
XがCR9であり且つYがNHである式(I)の化合物は、式(IX)のチオアミド:
【0044】
【化13】

【0045】
(このとき、R1,R2,R3,R4,R5及びR6は既に定義した通りである)を、アンモニア又はアンモニア等価物と縮合させることにより、製造し得る。
縮合は、一般的には、活性化剤(例えばヨウ化メチル、酢酸水銀)の存在下で、過剰のアンモニアを用いて、適切な溶媒(アセトニトリル、テトラヒドロフラン)中で、−78℃〜50℃の間の温度で実施される。
【0046】
式(IX)のチオアミドは、XがCR9であり且つYがOである式(I)のアミドから製造し得る。
転換は、一般的には、過剰のラウェソン試薬(Lawesson's reagent)(2,4-ビス(4-メトキシフェニル)-1,3-ジチア-2,4-ジホスフェタン-2,4-ジスルフィド)を使用して、適切な溶媒(トルエン、テトラヒドロフラン)中で、50℃〜110℃の間の温度で実施される。
【0047】
以上の全ての反応及び前述の方法で使用される出発材料の製造法は、従来のものであり、目的の生成物を単離する手順はもちろん、反応の実施又は製造のために適当な試薬及び反応条件は、先行文献並びに後述の実施例及び製造例を参照すれば当業者には周知であろう。
【0048】
上述の式(I)の化合物の製造方法のいくつかのステップにおいて、潜在的に反応性であるが反応してほしくない官能基を保護し、そして結果的には前記保護基を切除することが必要となり得る。そのような場合、いずれかの相容性保護ラジカルを使用し得る。特に、T. W. GREENE (Protective Groups in Oraganic Synthesis, A. Wiley-Interscience Publication, 1981)又はP. J. Kocienski (Protecting groups, Georg Thieme Verlag, 1994)によって記載されるような保護及び脱保護の方法を使用し得る。
【0049】
本発明によれば、好ましい化合物は式(I)の化合物であり、このとき:
− R1はH又はメチル、好ましくはメチルであり;及び/又は
− R6はHであり;及び/又は
− XはN又はCHであり;及び/又は
− R2,R3,R4及びR5は独立して、H、ハロ、メチル、ヒドロキシ、フェニル及びCOOHから、好ましくは、H、フルオロ、クロロ、ブロモ、メチル、ヒドロキシ、フェニル及びCOOHから、そしてより好ましくは、H、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヒドロキシ及びメチルから選択される。
【0050】
さらなる態様によれば、R1はH又はメチルであり、そしてR2,R3,R4及びR5は独立して、H、ハロ、メチル、ヒドロキシ、フェニル及びCOOHから選択される、式(I)の化合物が好ましい。
【0051】
さらなる態様によれば、R1はメチルであり、R6はHであり、XはN又はCHであり、そしてR2,R3,R4及びR5は独立して、H、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヒドロキシ及びメチルから選択される、式(I)の化合物がより好ましい。
【0052】
さらなる態様によれば、YはNHであり、R1はメチルであり、R6はHであり、XはN又はCHであり、そしてR2,R3,R4及びR5は独立して、H、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヒドロキシ及びメチルから選択される、式(I)の化合物が最も好ましい。
【0053】
もう1つの態様に従えば、R2,R3,R4及びR5のうちの少なくとも2つがHである、上述の式(I)の化合物が好ましい。
もう1つの好ましい態様によれば、上述の式(I)の化合物は、シス型立体配置、即ち以下の(3aR,6aS)立体配置:
【0054】
【化14】

【0055】
(このとき、R1,R2,R3,R4,R5,R6,X及びYは既に定義した通りである)を持つ。
より好ましい化合物は、実施例1〜68並びに6-ブロモ-4-メチル-2-{[(3aR,6aS)-5-メチルヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2(1H)-イル]カルボニル}-1H-ベンズイミダゾール及び6-フルオロ-4-メチル-2-{[(3aR,6aS)-5-メチルヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2(1H)-イル]カルボニル}-1H-ベンズイミダゾールから選択される化合物である。
【0056】
最も好ましい化合物は、実施例1, 3, 7, 15, 16, 17, 21, 22, 25, 26, 27, 41, 48, 58, 59, 60, 61, 62, 63, 64, 65, 66, 67及び68の化合物から選択される化合物である。
式(I)の化合物の医薬的に許容し得る塩には、それらの酸付加塩及び塩基塩が含まれる。
【0057】
適切な酸付加塩は、非毒性塩を形成する酸から形成される。例には以下のものが含まれる:酢酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベシル酸塩、炭酸水素塩/炭酸塩、硫酸水素塩/硫酸塩、ホウ酸塩、カンシル酸塩、クエン酸塩、エジシル酸塩、エシル酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルセプト酸塩、グルコン酸塩、グルクロン酸塩、ヘキサフルオロリン酸塩、ヒベンズ酸塩、塩酸塩/クロリド、臭化水素酸塩/ブロミド、ヨウ化水素酸塩/ヨージド、イセチオン酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メシル酸塩、メチル硫酸塩、ナフチル酸塩、2-ナプシル酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オロト酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、リン酸/リン酸水素塩/リン酸二水素塩、サッカリン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、トシル酸塩、及びトリフルオロ酢酸塩。
【0058】
適切な塩基塩は、非毒性塩を形成する塩基から形成される。例には以下のものが含まれる:アルミニウム、アルギニン、ベンザチン、カルシウム、コリン、ジエチルアミン、ジオールアミン(diolamine)、グリシン、リジン、マグネシウム、メグルミン、オラミン(olamine)、カリウム、ナトリウム、トロメタミン、及び亜鉛の塩。
【0059】
酸及び塩基の半(ヘミ)塩、例えばヘミ硫酸塩及びヘミカルシウム塩も形成され得る。
適切な塩についての総説としては、Handbook of Pharmaceutical Salts: Properties, Selection, and Use Stahl とWermuth著(Wiley-VCH, ワインハイム、ドイツ、2002)を見よ。
【0060】
式(I)の化合物の医薬的に許容し得る塩は、3種類の方法のうち1又はそれを超える方法によって製造し得る:
(i)式(I)の化合物を望ましい酸又は塩基と反応させる;
(ii)望ましい酸又は塩基を使用して、式(I)の化合物の適切な前駆体から酸又は塩基反応活性な保護基を除去する、又は、適切な環状前駆体(例えばラクトン又はラクタム)を開環する;又は
(iii)適当な酸若しくは塩基を用いた反応、又は適切なイオン交換カラムによって、式(I)の化合物の或る塩を別の塩へと転換する。
【0061】
3種類の方法は全て、典型的には溶液中で実施される。結果として生じる塩は沈殿析出し濾過によって採集され得るか、又は溶媒の蒸発によって回収され得る。結果として生じる塩のイオン化の程度は、完全イオン化からほとんど非イオン化まで変動し得る。
【0062】
本発明の化合物は、非溶媒和型及び溶媒和型の両方で存在し得る。本明細書において、用語「溶媒和物」は、本発明の化合物及び化学量論的な量の1又はそれを超える医薬的に許容し得る溶媒分子(例えばエタノール)とから成る分子複合体を記述するために使用される。用語「水和物」は、前記溶媒が水である場合に採用される。
【0063】
本発明の範囲には、包接化合物、薬物−ホスト封入複合体のような複合体が含まれ、このとき前述の溶媒和物とは対照的に、薬物及びホストは化学量論的又は非化学量論的な量で存在する。化学量論的又は非化学量論的な量であり得る、2又はそれを超える有機及び/又は無機構成成分を含有する薬物の複合体も含まれる。結果として生じる複合体は、イオン化、部分的にイオン化、又は非イオン化されている可能性がある。そのような複合体の総説については、J Pharm Sci, 64(8), 1269-1288, Haleblian著(1975年8月)を見よ。
【0064】
以下において、式(I)の化合物に言及することは全て、その塩、溶媒和物及び複合体、並びにその塩の溶媒和物及び複合体への言及を含む。
本発明の化合物は以上に定義した式(I)の化合物を含み、これには、以下に定義される、その全ての多形及び晶癖、プロドラッグ及びその異性体(光学、幾何及び互変異性体を含む)、並びに式(I)の化合物の同位体標識化合物が含まれる。
【0065】
前述のように、式(I)の化合物のいわゆる「プロドラッグ」も本発明の範囲に含まれる。たとえば、それ自体ではほとんど又は全く薬理活性を持たないかもしれない式(I)の化合物の或る誘導体が、体内又は身体上に投与されると、例えば加水分解切断によって望ましい活性を有する式(I)の化合物へと転換され得る。そのような誘導体が「プロドラッグ」と呼ばれる。プロドラッグの使用に関するさらなる情報は、Pro-drugs as Novel Delivery Systems, Vol. 14, ACS Symposium Series (T. Higuchi と W. Stella)及びBioreversible Carriers in Drug Design, Pergamon Press, 1987 (E. B. Roche編, American Pharmaceutical Association)中に見出すことができる。
【0066】
本発明によるプロドラッグは、例えばDesign of Prodrugs H. Bundgaard著(Elsevier, 1985)中に記載されるように、例えば、式(I)の化合物中に存在する適当な官能基を、当業者に「プロ部分」として知られている特定部分で置き換えることにより製造できる。
【0067】
本発明によるプロドラッグの幾つかの例には、下記のものが含まれる:
(i)式(I)の化合物がカルボン酸官能基(-COOH)を含有する場合、そのエステル、例えば式(I)の化合物のカルボン酸官能基の水素が(C1-C8)アルキルで置き換えられた化合物;
(ii)式(I)の化合物がアルコール官能基(-OH)を含有する場合、そのエーテル、例えば式(I)の化合物のアルコール官能基の水素が(C1-C6)アルカノイルオキシメチルで置き換えられた化合物;及び
(iii)式(I)の化合物が第一級又は第二級アミノ官能基(-NH2又は-NHR、このときRはHではない)を含有する場合、そのアミド、例えば式(I)の化合物のアミノ官能基の水素が、場合により一方又は両方とも(C1-C10)アルカノイルで置き換えられた化合物。
【0068】
上記の例による置換基のさらなる例及び他のプロドラッグの型の例は、前述の参考文献中に見出せるであろう。
そのうえ、式(I)の化合物の或る物は、それ自体が他の式(I)の化合物のプロドラッグとして作用し得る。
【0069】
本発明の範囲には、式(I)の化合物の代謝産物、すなわち薬物を投与した際にインビボで形成される化合物も含まれる。本発明による代謝産物の幾つかの例には、下記のものが含まれる:
(i)式(I)の化合物がメチル基を含有する場合、そのヒドロキシメチル誘導体(-CH3 → -CH2OH);
(ii)式(I)の化合物がアルコキシ基を含有する場合、そのヒドロキシ誘導体(-OR → -OH);
(iii)式(I)の化合物が第三級アミノ基を含有する場合、その第二級アミノ誘導体(-NRaRb → -NHRa又は-NHRb);
(iv)式(I)の化合物が第二級アミノ基を含有する場合、その第一級アミノ誘導体(-NHRa → -NH2);
(v)式(I)の化合物がフェニル部分を含有する場合、そのフェノール誘導体(-Ph → -PhOH);及び
(vi)式(I)の化合物がアミド基を含有する場合、そのカルボン酸誘導体(-CONRcRd→ -COOH)。
【0070】
1又はそれを超える不斉炭素原子を含有する式(I)の化合物は、2又はそれを超える立体異性体として存在し得る。構造異性体が低いエネルギー障壁を介して相互転換可能な場合、互変異性(「tautomerism」)が起こり得る。これは、例えばイミノ、ケト又はオキシム基を含有する式(I)の化合物ではプロトン互変異性、又は芳香族部分を含有する化合物ではいわゆる原子価互変異性の形を取ることができる。そのため、単一の化合物が1種類以上の異性型を示すことがある。
【0071】
式(I)の化合物の、全ての立体異性体、幾何異性体及び互変異性形は本発明の範囲に含まれ、これには1種類以上の異性型を示す化合物、及び1又はそれを超えるそれらの混合物が含まれる。カウンターイオンが光学活性である酸付加塩又は塩基塩、例えばd-乳酸塩若しくはl-リジン、又はラセミ体、例えばdl-酒石酸塩若しくはdl-アルギニンも含まれる。
【0072】
個々のエナンチオマーの製造/単離のための従来技術には、光学的に純粋な適切な前駆体からのキラル合成、又は、例えばキラル高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を使用するラセミ化合物(又は、塩若しくは誘導体のラセミ化合物)の分割が含まれる。
【0073】
あるいは、ラセミ化合物(又はラセミ前駆体)を、適切な光学活性化合物(例えばアルコール)と反応させるか、又は式(I)の化合物が酸性若しくは塩基性部分を含有する場合は、塩基若しくは酸(例えば1-フェニルエチルアミン若しくは酒石酸)と反応させてもよい。結果として生じるジアステレオマー混合物は、クロマトグラフィー及び/又は分別結晶によって分離し、そして当業者には周知の手段により、ジアステレオ異性体の一方又は両方を対応する純粋なエナンチオマーへと転換することができる。
【0074】
本発明のキラル化合物(及びそのキラル前駆体)は、不斉樹脂上で、0〜50容量%のイソプロパノール(典型的には2〜20%)及び0〜5容量%のアルキルアミン(典型的には0.1%ジエチルアミン)を含有する炭化水素、典型的にはヘプタン又はヘキサンより成る移動相を用いて、クロマトグラフィー、典型的にはHPLCを使用して、エナンチオマーを富化した形で得ることができる。溶出液を濃縮すると、富化された混合物が得られる。
【0075】
立体異性体集塊は当業者に既知の従来技術により分離し得る。例えば、Stereochemistry of Organic Compounds E. L. Eliel と S. H. Wilen著(Wiley, ニューヨーク、1994)を見よ。
【0076】
本発明は、同位体標識された式(I)の化合物で医薬的に許容し得る全ての物を含み、このとき、1又はそれを超える原子が、同じ原子番号を持つが自然界で優勢な原子質量又は質量数と異なる原子質量又は質量数を持つ原子で置き換えられている。
【0077】
本発明の化合物中に含まれるのに適する同位体の例には、以下の同位体が含まれる:水素、例えば2H及び3H、炭素、例えば11C、13C及び14C、塩素、例えば36Cl、フッ素、例えば18F、ヨウ素、例えば123I及び125I、窒素、例えば13N及び15N、酸素、例えば15O、17O及び18O、リン、例えば32P及び硫黄、例えば35S。
【0078】
同位体標識された式(I)の化合物の或る物、例えば放射性同位体を取り込んだ物は、薬物及び/又は基質の組織分布試験に有用である。放射性同位体トリチウム、即ち3H、及び炭素-14、即ち14Cは、この目的において、それらの取り込ませ易さ及び検出手段の容易さの観点から、特に有用である。
【0079】
より重い同位体、例えばジュウテリウム、即ち2Hによる置換は、より大きな代謝安定性の結果として生じる療法上の或る利点、例えばインビボ半減期の延長又は投与必要量の減少をもたらす可能性があり、そのため状況によっては好ましいであろう。
【0080】
陽電子放射同位体、例えば11C、18F、15O及び13Nによる置換は、基質の受容体占有率を調べるための陽電子放射断層撮影法(PET)試験に使用できる。
同位体標識された式(I)の化合物は、一般的には当業者に既知の従来技術によって、又は付随する実施例及び製造例中に記載するものと類似の方法によって、従来用いられている同位体標識されていない試薬の代わりに適当な同位体標識試薬を使用して製造できる。
【0081】
本発明による医薬的に許容し得る溶媒和物には、結晶化溶媒が同位体置換されたもの、例えばD2O、d6-アセトン、d6-DMSOであるものが含まれる。
医薬使用を意図する本発明の化合物は、結晶性又は非晶性生成物として投与され得る。それらは、沈殿、結晶化、凍結乾燥、噴霧乾燥又は蒸発乾燥のような方法により、例えば固体プラグ、粉末又はフィルムとして得ることができる。マイクロ波又は高周波乾燥がこの目的に使用し得る。
【0082】
それらは単独で、又は1若しくはそれを超える他の本発明の化合物と組み合わせて、又は1若しくはそれを超える他の薬物(又はそれらのいずれかの組み合わせ)と組み合わせて、投与し得る。一般的には、それらは1又はそれを超える医薬的に許容し得る賦形剤と共に製剤として投与されるであろう。用語「賦形剤」は、本明細書中で、本発明の化合物(1種類以上)以外のいずれかの成分を記述するために使用される。賦形剤の選択は、具体的な投与様式、溶解性及び安定性に対する賦形剤の効果、並びに剤形の性質のような要素にかなり依存するであろう。
【0083】
本発明の化合物の送達に適する医薬組成物及びそれらの製造方法は、当業者には容易に明らかであろう。そのような組成物及びその製造方法は、例えば、Remington's Pharmaceutical Sciences, 第19版(Mack Publishing Company, 1995)中に見出すことができる。
【0084】
本発明の化合物は経口投与し得る。経口投与は嚥下を伴い、それにより化合物は消化管に進入する。又は、口腔若しくは舌下投与も採用でき、このとき化合物は口から直接血流に進入する。
【0085】
経口投与に適する製剤には、固体製剤、例えば錠剤、粒子、液体又は粉末を収容するカプセル剤、トローチ剤(液体充填を含む)、咀嚼剤、マルチ粒子及びナノ粒子、ゲル剤、固溶体、リポソーム、フィルム剤、卵形錠剤、スプレー剤、及び液体製剤が含まれる。
【0086】
液体製剤には、懸濁液剤、溶液剤、シロップ剤及びエリキシル剤が含まれる。そのような製剤は、柔又は硬カプセル剤の充填物として採用でき、そして典型的には、担体(例えば水、エタノール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、メチルセルロース又は適切な油)及び1又はそれを超える乳化剤、及び/又は懸濁化剤を包含する。液体製剤は固体の再構成により、例えばサッシェから製造することもできる。
【0087】
本発明の化合物は、例えばExpert Opinion in Therapeutic Patents, 11 (6), 981-986, Liang と Chen著(2001)中に記載されるような、即溶性、即時崩壊性剤形中にも使用され得る。
【0088】
錠剤の剤形については、用量に依存して、薬物は剤形の1〜80重量%、より典型的には剤形の5〜60重量%を構成することができる。薬物に加えて、錠剤は一般的に崩壊剤を含有する。崩壊剤の例には、グリコール酸デンプンナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、微結晶性セルロース、低級アルキル置換ヒドロキシプロピルセルロース、デンプン、プレゼラチン化デンプン及びアルギン酸ナトリウムが含まれる。一般的に、崩壊剤は剤形の1〜25重量%、好ましくは5〜20重量%を構成するであろう。
【0089】
結合剤は一般的に錠剤製剤に凝集性を与えるために使用される。適切な結合剤には、微結晶性セルロース、ゼラチン、糖類、ポリエチレングリコール、天然及び合成ゴム、ポリビニルピロリドン、プレゼラチン化デンプン、ヒドロキシプロピルセルロース及びヒドロキシプロピルメチルセルロースが含まれる。錠剤は、希釈剤、例えば乳糖(1水和物、噴霧乾燥した1水和物、無水物など)、マンニトール、キシリトール、デキストロース、ショ糖、ソルビトール、微結晶性セルロース、デンプン及び二塩基性リン酸カルシウム2水和物を含有することもできる。
【0090】
錠剤は、所望により界面活性剤、例えばラウリル硫酸ナトリウム及びポリソルベート80、並びに流動促進剤、例えば二酸化ケイ素及びタルクを包含することもできる。存在する場合、界面活性剤は錠剤の0.2〜5重量%を構成することができ、そして流動促進剤は錠剤の0.2〜1重量%を構成することができる。
【0091】
錠剤は、一般的に滑沢剤も含有することができ、それは例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリルフマル酸ナトリウム、及びステアリン酸マグネシウムとラウリル硫酸ナトリウムの混合物である。滑沢剤は一般的に錠剤の0.25〜10重量%、好ましくは0.5〜3重量%を構成する。
【0092】
他の可能性のある成分には、酸化防止剤、着色剤、風味剤、保存剤及び味覚隠蔽剤が含まれる。
錠剤は、例えば、最高で約80%の薬物、約10〜約90重量%の結合剤、約0〜約85重量%の希釈剤、約2〜約10重量%の崩壊剤、及び約0.25〜約10重量%の滑沢剤を含有する。
【0093】
錠剤用ブレンドを、直接圧縮、又はローラーにより圧縮して錠剤を成形する。あるいは、錠剤用ブレンド又はブレンドの一部を、錠剤製造前に湿式、乾式若しくは溶融造粒し、溶融凝固させ、又は押し出すことができる。最終製剤は1又はそれを超える層を包含してよく、そしてコーティングされてもコーティングされなくてもよく、カプセル封入されていてもよい。
【0094】
錠剤の製剤は、Pharmaceutical Dosage Forms: Tablets, Vol. 1, H.Lieberman と L. Lachman著(Marcel Dekker, ニューヨーク, 1980)中に考察されている。
ヒト又は動物が摂取可能な経口フィルムは、典型的には積層可能な水溶性又は水膨潤性の薄膜剤形であり、それは即溶性又は粘着性であってよく、そして典型的には式(I)の化合物、フィルム形成ポリマー、結合剤、溶剤、保湿剤、可塑剤、安定剤又は乳化剤、粘度調節剤及び溶剤を包含する。製剤のいくつかの構成成分が1以上の機能を果たしてもよい。
【0095】
式(I)の化合物は、水溶性又は不溶性であり得る。水溶性化合物は、典型的には溶質の1〜80重量%、より典型的には20〜50重量%を構成する。溶解性が低い化合物は、組成物のより大きな割合、典型的には最高で溶質の88重量%を構成してよい。あるいは、式(I)の化合物はマルチ粒子ビーズの形であってもよい。
【0096】
フィルム形成ポリマーは、天然の多糖類、タンパク質、又は合成ヒドロコロイドから選択することができ、そして典型的には0.01〜99重量%、より典型的には30〜80重量%の範囲で存在する。
【0097】
他の可能性のある成分には、酸化防止剤、着色剤、風味剤及び風味増強剤、保存剤、唾液分泌促進剤、清涼剤、補助溶剤(油を含む)、軟化剤、増量剤、消泡剤、界面活性剤及び味覚隠蔽剤が含まれる。
【0098】
本発明によるフィルムは、典型的には剥離性の裏層支持体又は紙の上にコーティングされた水性フィルムを蒸発乾燥させることによって製造される。これは乾燥オーブン又はトンネル、典型的には組み合わせたコータドライヤー内で、又は凍結乾燥若しくは真空乾燥によって行ってもよい。
【0099】
経口投与のための固体製剤は、即時放出及び/又は調節放出されるように製剤化できる。調節放出製剤には、遅延放出、持続放出、パルス放出、制御放出、標的放出及びプログラム放出が含まれる。
【0100】
本発明の目的のために適切な調節放出製剤は、米国特許番号6,106,864に記載されている。他の適切な放出技術、例えば高エネルギー分散並びに浸透性粒子及びコーティング粒子の詳細は、Pharmaceutical Technology On-line, 25(2), 1-14, Vermaら著(2001)中に見出せる。制御放出を達成するためのチューインガムの使用は、WO 00/35298に記載されている。
【0101】
本発明の化合物は血流、筋肉又は内臓中へ直接投与することもできる。非経口投与に適する手段には、静脈内、動脈内、腹腔内、クモ膜下、脳室内、尿道内、胸骨内、頭蓋内、筋肉内及び皮下投与が含まれる。非経口投与に適する用具には、針(顕微針を含む)、注射器、無針注射器及び注入法が含まれる。
【0102】
非経口製剤は、典型的には水性溶液であり、賦形剤、例えば塩類、炭水化物及び緩衝剤(好ましくはpHを3〜9へと緩衝する)を含有できるが、用途によっては、無菌の非水性溶液として、又は適切な媒体(例えば無菌の、発熱性物質を含まない水)と共に使用される乾燥型として、より適切に製剤化される。
【0103】
無菌条件下での非経口製剤の製造、例えば凍結乾燥による製造は、当業者には周知の標準的な医薬技術を使用して容易に達成され得る。
非経口溶液剤の製造に使用される式(I)の化合物の溶解性は、適当な製剤化技術、例えば溶解性促進剤の組み込みにより増大させ得る。
【0104】
非経口投与のための製剤は、即時及び/又は調節放出されるように製剤化できる。調節放出製剤には、遅延放出、持続放出、パルス放出、制御放出、標的放出及びプログラム放出が含まれる。したがって本発明の化合物は、活性な化合物の調節放出を提供する埋め込み貯蔵庫として投与されるための、固体、半固体又はチキソトロピー性液体として製剤化できる。そのような製剤の例には、薬物コーティングステント及びポリ(dl-乳酸-グリコール酸)(PGLA)マイクロスフェアが含まれる。
【0105】
本発明の化合物は、皮膚又は粘膜へ局所的に、つまり皮膚投与又は経皮投与することもできる。この目的のための典型的な製剤には、ゲル剤、ハイドロゲル剤、ローション剤、溶液剤、クリーム剤、軟膏、散布剤、包帯、泡剤、フィルム剤、皮膚貼布剤、オブラート、インプラント、スポンジ、繊維、絆創膏及びマイクロエマルションが含まれる。リポソームも使用できる。典型的な担体には、アルコール、水、鉱油、流動パラフィン、白色パラフィン、グリセリン、ポリエチレングリコール及びプロピレングリコールが含まれる。浸透促進剤を組み込むこともできる。例えば、J Pham Sci, 88(10), 955-958, Finnin と Morgan著(1999年10月)を見よ。
【0106】
局所投与の他の手段には、電気穿孔法、イオン導入法(iontophoresis)、音波導入法(phonophoresis)、超音波導入法(sonophoresis)、及び顕微針又は無針(例えばPowderjectTM、BiojectTMなど)注射による送達が含まれる。
【0107】
局所投与のための製剤は、即時放出及び/又は調節放出されるように製剤化できる。調節放出製剤には、遅延放出、持続放出、パルス放出、制御放出、標的放出及びプログラム放出が含まれる。
【0108】
本発明の化合物は、鼻腔内に、又は吸入により投与することもでき、典型的には、乾燥粉末の形で(単独で、又は混合物として例えば乳糖との乾燥ブレンド中で、又は混合成分粒子として例えばホスファチジルコリンのようなリン脂質と混合して)乾燥粉末吸入器から、又はエアロゾルスプレー剤として加圧容器、ポンプ、噴霧器、アトマイザー(好ましくは、微細ミストを生成するために電気流体力学を使用するアトマイザー)若しくはネブライザーから、適切な噴射剤、例えば1,1,1,2-テトラフルオロエタン若しくは1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパンを使用して/又は使用しないで投与し得る。鼻腔内の使用のために、粉末は生体接着剤、例えばキトサン又はシクロデキストリンを包含してよい。
【0109】
加圧容器、ポンプ、噴霧器、アトマイザー又はネブライザーは、本発明の化合物の溶液又は懸濁液を収容しており、これは、例えば、エタノール、水性エタノール、又は活性成分の分散、溶解若しくは放出延長に適する代替剤、溶剤としての噴射剤、及び所望により界面活性剤、例えばトリオレイン酸ソルビタン、オレイン酸若しくはオリゴ乳糖を包含する。
【0110】
乾燥粉末又は懸濁液製剤中での使用に先立って、薬物生成物は、吸入による送達に適するサイズ(典型的には5ミクロン未満)にまで微細化される。これはいずれかの適当な粉砕方法、例えばスパイラルジェットミリング、流動床ジェットミリング、ナノ粒子形成のための超臨界流体加工方法、高圧ホモジナイゼーション、又は噴霧乾燥によって達成され得る。
【0111】
吸入器又は吹入器に使用するためのカプセル(例えばゼラチン又はヒドロキシプロピルメチルセルロースから作成される)、ブリスター及びカートリッジは、本発明の化合物、乳糖又はデンプンのような適切な粉末基材、及びl-ロイシン、マンニトール又はステアリン酸マグネシウムのような性能調整剤の粉末混合物を含有するように製剤化され得る。乳糖は無水又は1水和物の形でよく、好ましくは後者である。他の適切な賦形剤には、デキストラン、グルコース、マルトース、ソルビトール、キシリトール、フルクトース、ショ糖及びトレハロースが含まれる。
【0112】
微細ミストを生成するための、電気流体力学を使用するアトマイザー中での使用に適する溶液製剤は、1回作動当たり1μg〜20mgの本発明の化合物を含有することができ、そして作動容量は1μl〜100μlの範囲で変動し得る。典型的な製剤は式(I)の化合物、プロピレングリコール、無菌水、エタノール及び塩化ナトリウムを包含し得る。プロピレングリコールの代わりに使用し得る代替溶剤には、グリセロール及びポリエチレングリコールが含まれる。
【0113】
適切な風味剤、例えばメントール及びレボメントール、又は甘味剤、例えばサッカリン又はサッカリンナトリウムを、吸入/鼻腔内投与を意図した本発明のこれらの製剤に添加してもよい。
【0114】
吸入/鼻腔内投与のための製剤は、例えばPGLAを使用して即時放出及び/又は調節放出されるように製剤化できる。調節放出製剤には、遅延放出、持続放出、パルス放出、制御放出、標的放出及びプログラム放出が含まれる。
【0115】
乾燥粉末吸入器及びエアロゾルの場合、投与単位は計量された量を送達するバルブによって決定される。本発明による単位は、典型的には、1μg〜4000μgの式(I)の化合物を含有する計量された1用量又は「1吹き」を投与するように調製される。全1日量は典型的には1μg〜20mgの範囲内であり、これを1回量、又はより通常的には1日にわたって分割量として投与してよい。
【0116】
本発明の化合物は、直腸又は膣内に、例えば坐剤、ペッサリー又は浣腸剤の形で投与し得る。ココアバターが伝統的な坐剤基材であるが、様々な代替物が適当な物として使用され得る。
【0117】
直腸/膣内投与のための製剤は、即時放出及び/又は調節放出されるように製剤化できる。調節放出製剤には、遅延放出、持続放出、パルス放出、制御放出、標的放出及びプログラム放出が含まれる。
【0118】
本発明の化合物は、典型的には、等張のpH調節された無菌生理食塩水中に微細化された懸濁剤又は溶液剤の点滴の形で、眼又は耳に直接投与することもできる。眼及び耳内投与に適する他の製剤には、軟膏、生体分解性(例えば被吸収性ゲル、スポンジ、コラーゲン)及び非生体分解性(例えばシリコン)のインプラント、オブラート、レンズ及び粒子又は小胞システム、例えばニオソーム若しくはリポソームが含まれる。ポリマー、例えば架橋されたポリアクリル酸、ポリビニルアルコール、ヒアルロン酸、セルロースポリマー(例えばヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、又はメチルセルロース)、又はヘテロ多糖ポリマー(例えばゲランガム)を、保存剤、例えば塩化ベンザルコニウムと共に組み込むことができる。そのような製剤はイオン導入法により送達することもできる。
【0119】
眼/耳内投与のための製剤は、即時放出及び/又は調節放出されるように製剤化できる。調節放出製剤には、遅延放出、持続放出、パルス放出、制御放出、標的放出又はプログラム放出が含まれる。
【0120】
本発明の化合物は、前述のいずれかの投与様式における使用に際して、その溶解度、溶解速度、味覚隠蔽、生物学的利用能及び/又は安定性を改善するために、可溶性高分子単位(entities)、例えばシクロデキストリン及びその適切な誘導体、又はポリエチレングリコール含有ポリマーと組み合わせることができる。
【0121】
例えば薬物−シクロデキストリン複合体は、一般的に、大半の剤形及び投与経路に有用であることが見出されている。封入型及び非封入型複合体の両方が使用され得る。薬物との直接の複合体形成の代わりに、シクロデキストリンを補助添加剤、即ち担体、希釈剤又は可溶化剤として使用することができる。これらの目的のために最も普通に使用されるのは、アルファ、ベータ、及びガンマシクロデキストリンであり、それらの例は国際特許出願番号WO 91/11172、WO 94/02518、及びWO 98/55148中に見出すことができる。
【0122】
例えばある特定の疾患又は状態を処置する目的のために、活性な化合物の組み合わせを投与することが望ましいため、2又はそれを超える医薬組成物(少なくともそのうちの1つは本発明による化合物を含有する)を、組成物の共投与に適するキットの形の中に好適に組み合わせ得ることは、本発明の範囲内である。
【0123】
したがって、本発明のキットは、2又はそれを超える別個の医薬組成物(少なくともそのうちの1つは本発明による式(I)の化合物を含有する)、及び前記組成物を別個に保持するための手段、例えば容器、分割されたボトル、又は分割されたホイルパケットを包含する。そのようなキットの例は、錠剤、カプセル剤などの包装に使用されるお馴染みのブリスターパックである。
【0124】
本発明のキットは、異なる剤形(例えば経口及び非経口)を投与するため、別個の組成物を異なる投与間隔で投与するため、又は別個の組成物を互いに力価判定するために、特に適する。コンプライアンスを補助するために、キットは典型的には投与のための指示を包含し、そしていわゆるメモリーエイドを備えていてもよい。
【0125】
ヒト患者への投与のためには、本発明の化合物の全1日量は、典型的には0.001mg〜2000mgであり、もちろん投与様式に依存する。例えば、経口投与は0.1mg〜2000mgの全1日量を必要とするが、静脈投与量は0.01mg〜100mgを必要とするのみであり得る。全1日量は、1回量又は分割量で投与することができ、そして医師の判断によっては、本明細書中に与えられる典型的な範囲から外れてもよい。
【0126】
これらの投薬量は、体重約60kg〜70kgの平均的なヒト対象に基づく。体重がこの範囲外である対象、例えば乳児及び高齢者に対する用量は、医師が容易に決定できるであろう。
疑問を避けるため、本明細書における「処置」という言及には、治療、緩和及び予防処置についての言及が含まれる。
【0127】
本発明のもう1つの態様によれば、式(I)の化合物、又はその医薬的に許容し得る塩、その誘導体若しくはその組成物は、いくつかの特に望ましい療法結果を得るため、患者に共投与するために、1又はそれを超える追加の療法薬と組み合わせて使用することもできる。第2及びそれ以上の追加の療法薬も、式(I)の化合物、又はその医薬的に許容し得る塩、その誘導体若しくはその組成物でもよく、又は当業界で知られる1又はそれを超えるヒスタミンH4受容体リガンドでもよい。より典型的には、第2及びそれ以上の療法薬は、療法薬の異なるクラスから選択されるであろう。
【0128】
本明細書中で、式(I)の化合物及び1又はそれを超える他の療法薬に関する用語「共投与」、「共投与された」及び「〜と組み合わせて」は、下記を意味するよう意図されるものであり、そして実際に下記を指し、そして下記を含む:
・式(I)の化合物(1種類以上)及び療法薬(1種類以上)のそのような組み合わせを、処置を必要とする患者に対して同時に投与する:このとき、それらの成分は単一剤形中に一緒に製剤化されており、前記成分は前記患者に対して実質的に同時に放出される;
・式(I)の化合物(1種類以上)及び療法薬(1種類以上)のそのような組み合わせを、処置を必要とする患者に対して実質的に同時に投与する:このとき、それらの成分は別個の剤形中に互いに分離して製剤化されており、前記患者により実質的に同時に摂取され、その結果前記成分は前記患者に対して実質的に同時に放出される;
・式(I)の化合物(1種類以上)及び療法薬(1種類以上)のそのような組み合わせを、処置を必要とする患者に対して逐次投与する:このとき、それらの成分は別個の剤形中に互いに分離して製剤化されており、前記患者により各投与間に有意の時間間隔をおいて連続的に摂取され、その結果前記成分は前記患者に対して実質的に異なる時点で放出される;及び
・式(I)の化合物(1種類以上)及び療法薬(1種類以上)のそのような組み合わせを、処置を必要とする患者に対して逐次投与する:このとき、それらの成分は単一剤形中に一緒に製剤化されており、前記成分は制御された様式で放出され、その結果それらは、前記患者により、同時に、連続して、及び/又はオーバーラップして、同時及び/又は異なる時点で投与される;
以上において、各部分は、同一又は異なる経路のいずれで投与されてもよい。
【0129】
式(I)の化合物(1種類以上)、又はその医薬的に許容し得る塩、その誘導体若しくはその組成物と組み合わせて使用される他の療法薬の適切な例には、以下のものが含まれるが、これらに限定されない:
・ヒスタミンH1受容体アンタゴニスト、特にロラチジン(loratidine)、デスロラチジン(desloratidine)、フェキソフェナジン及びセチリジン、
・ヒスタミンH3受容体アンタゴニスト、
・ヒスタミンH2受容体アンタゴニスト、
・LTB4、LTC4、LTD4及びLTE4のアンタゴニストを含む、ロイコトリエンアンタゴニスト、特にモンテルカスト(Montelukast)、
・ホスホジエステラーゼ阻害剤、即ちPDE4阻害剤及びPDE5阻害剤、
・神経伝達物質再取り込み阻害剤、特にフルオキセチン、セトラリン(setraline)、パロキセチン、ジプラシドン、
・5-リポキシゲナーゼ(5-LO)阻害剤又は5-リポキシゲナーゼ活性化タンパク質(FLAP)アンタゴニスト、
・うっ血除去薬として使用するためのα1-及びα2-アドレナリン作動性受容体アゴニスト血管収縮性交感神経作用剤、
・ムスカリンM3受容体アンタゴニスト又は抗コリン作動剤、
・β2-アドレナリン作動性受容体アゴニスト、
・テオフィリン、
・クロモグリク酸ナトリウム、
・COX-1阻害剤(NSAID)及びCOX-2選択的阻害剤、
・経口又は吸入グルココルチコステロイド、
・内因性炎症性単位(entities)に対して活性なモノクローナル抗体、
・抗腫瘍壊死因子(抗TNF-α)剤、
・VLA-4アンタゴニストを含む接着分子阻害剤、
・キニン-B1-及びB2-受容体アンタゴニスト、
・免疫抑制剤、
・マトリクスメタロプロテアーゼ(MMP)の阻害剤、
・タキキニンNK1、NK2及びNK3受容体アンタゴニスト、
・エラスターゼ阻害剤、
・アデノシンA2a受容体アゴニスト、
・ウロキナーゼの阻害剤、
・ドーパミン受容体に作用する化合物、例えばD2アゴニスト、
・NFKb経路の調節剤、例えばIKK阻害剤、
・粘液溶解薬又は鎮咳薬として分類することができる薬剤、
・抗生物質、
・サイトカインシグナル伝達経路の調節剤、例えばp38MAPキナーゼ阻害剤、sykチロシンキナーゼ阻害剤又はJAKキナーゼ阻害剤、
・プロスタグランジンD2受容体アンタゴニスト(DP1及びCRTH2)、
・プロスタグランジンD合成酵素(PGDS)の阻害、
・ホスホイノシチド-3-キナーゼの阻害剤、及び
・HDAC阻害剤。
【0130】
本発明によれば、式(I)の化合物と下記のものとの組み合わせが好ましい:
・ヒスタミンH1受容体アンタゴニスト、特にロラチジン、デスロラチジン、フェキソフェナジン及びセチリジン、
・ヒスタミンH3受容体アンタゴニスト、
・ヒスタミンH2受容体アンタゴニスト、
・LTB4、LTC4、LTD4及びLTE4のアンタゴニストを含む、ロイコトリエンアンタゴニスト、特にモンテルカスト、及び
・ホスホジエステラーゼPDE4阻害剤。
【0131】
式(I)の化合物はH4受容体と相互作用する能力を持ち、そのため広範囲の療法用途を持つ。以下にさらに記載されるように、H4受容体は全ての哺乳類の生理学において必須の役割を担っているためである。本発明によれば、H4リガンドはH4受容体アンタゴニスト、アゴニスト及び逆アゴニストを含むことを意味する。本発明により処置される好ましい適応症のためには、H4アンタゴニストが最も適切と思われる。
【0132】
そのため、本発明のさらなる態様は、式(I)の化合物又はその医薬的に許容し得る塩、その誘導体若しくはその組成物の、医薬としての使用、より具体的にはH4受容体が関与している疾患、障害及び状態の処置における使用に関する。より特定的には、本発明は、式(I)の化合物又はその医薬的に許容し得る塩、その誘導体若しくはその組成物の、下記より成る群から選択される疾患、障害及び状態の処置における使用にも関する:
・炎症性疾患、
・呼吸器疾患(例えば成人呼吸困難症候群、急性呼吸困難症候群、気管支炎、慢性気管支炎、慢性閉塞性肺疾患、嚢胞性線維症、喘息、肺気腫、鼻炎、慢性篩骨洞炎)、アレルギー、アレルギー誘導性気道応答、アレルギー性鼻炎、ウィルス性鼻炎、非アレルギー性鼻炎、通年性及び季節性鼻炎、鼻充血及びアレルギー性充血、
・女性及び男性性機能不全、
・皮膚疾患、例えば皮膚炎、乾癬、
・心機能不全、例えば心筋虚血症及び不整脈、
・消化管の疾患、例えば炎症性腸疾患、クローン病、潰瘍性大腸炎、
・癌、
・リウマチ性関節炎、
・低血圧、
・疼痛、及び
・過活動膀胱状態。
【0133】
本発明による式(I)の化合物は、喘息、アレルギー、アレルギー誘導性気道応答、アレルギー性鼻炎、ウィルス性鼻炎、非アレルギー性鼻炎、通年性及び季節性鼻炎、鼻充血及びアレルギー性充血の処置に特に適する。
【0134】
本発明のさらにさらなる態様は、H4リガンドである薬物の製造のための、式(I)の化合物又はその医薬的に許容し得る塩、その誘導体若しくはその組成物の使用にも関する。特に、本発明はH4により媒介される疾患及び/又は状態、特に以上にリストされた疾患及び/又は状態を処置する薬物の製造のための、式(I)の化合物又はその医薬的に許容し得る塩、その誘導体若しくはその組成物の使用に関する。
【0135】
結果として、本発明は、有効量の式(I)の化合物又はその医薬的に許容し得る塩、その誘導体若しくはその組成物を用いて、ヒトを含む哺乳類を処置する特に興味深い方法を提供する。より正確には、本発明は、ヒトを含む哺乳類中のH4により媒介される疾患及び/又は状態、特に以上にリストされた疾患及び/又は状態を処置する特に興味深い方法であって、前記哺乳類に対し、有効量の式(I)の化合物、その医薬的に許容し得る塩及び/又はその誘導体を投与することを包含する方法を提供する。
【0136】
以下の実施例が、本発明による式(I)の化合物の製造を説明する。
全ての場合において、1H核磁気共鳴(NMR)スペクトルは提案された構造と一致していた。特徴的な化学シフト(δ)は、主なピークを明示するために従来の略語:例えばs(singlet、一重線)、d(doublet、二重線)、t(triplet、三重線)、q(quartet、四重線)、m(multiplet多重線)、及びbr(broad、ブロード)を使用して、テトラメチルシランから低磁場に百万分率(ppm)で与えられる。マススペクトル(m/z)は、エレクトロスプレーイオン化(ESI)又は大気圧化学イオン化(APCI)のいずれかを使用して記録された。SCXによる精製は、強いカチオン交換樹脂の使用を示す。
【0137】
実施例セクション
製造例1:(5-メトキシ-1H-ベンズイミダゾール-2-イル)メタノール
4-メトキシベンゼン-1,2-ジアミン(1.13g、8.18mmol)とヒドロキシ酢酸(1.85g、24.5mmol)の6N塩酸(25ml)溶液を16時間還流しながら加熱した。この反応混合物を室温まで冷却し、そして固体水酸化ナトリウムの添加により中和した。生成した沈殿を濾過回収し、そして減圧乾燥させて標題化合物を淡黄色固体(638mg)として得た。
【0138】
製造例2:(5-フルオロ-1H-ベンズイミダゾール-2-イル)メタノール
4-フルオロベンゼン-1,2-ジアミンから、製造例1の方法を用いて製造し、標題化合物を茶色結晶固体として得た。
【0139】
製造例3:(5-メチル-1H-ベンズイミダゾール-2-イル)メタノール
4-メチル-1,2-ジアミンから、製造例1の方法を用いて製造し、標題化合物を淡黄色固体として得た。
【0140】
製造例4:(5-クロロ-1H-ベンズイミダゾール-2-イル)メタノール
4-クロロ-1,2-ジアミンから、製造例1の方法を用いて製造し、標題化合物を淡黄色固体として得た。
【0141】
製造例5:5-メトキシ-1H-ベンズイミダゾール-2-カルボン酸
(5-メトキシ-1H-ベンズイミダゾール-2-イル)メタノール(製造例1)(638mg、3.58mmol)の1N水酸化ナトリウム水溶液(0.95ml)懸濁液と水(40ml)を加熱して還流し、そして過マンガン酸カリウム(848mg、5.36mmol)の水溶液を30分間かけて1滴ずつ添加した。この反応混合物をさらに1時間還流し、そして室温まで冷却した。この反応混合物を酢酸添加によりpH4まで酸性化し、そして生成した固体を濾過し、そして減圧乾燥させて、標題化合物を淡黄色固体(332mg)として得た。
【0142】
製造例6:5-フルオロ-1H-ベンズイミダゾール-2-カルボン酸
製造例2のアルコールから、製造例5の方法を用いて製造し、標題化合物を淡茶色固体として得た。
【0143】
製造例7:5-メチル-1H-ベンズイミダゾール-2-カルボン酸
製造例3のアルコールから、製造例5の方法を用いて製造し、標題化合物を淡黄色固体として得た。
【0144】
製造例8:5-クロロ-1H-ベンズイミダゾール-2-カルボン酸
製造例4のアルコールから、製造例5の方法を用いて製造し、標題化合物を淡黄色固体として得た。
【0145】
製造例9:6,7-ジメチル-2-(トリクロロメチル)-1H-ベンズイミダゾール
3,4-ジメチルベンゼン-1,2-ジアミン(1.0g、7.34mmol)の酢酸(10ml)溶液をメチル-2,2,2-トリクロロアセトイミデート(1.0ml、8.07mmol)と反応させ、そして生成した溶液を室温で16時間攪拌した。この反応混合物を氷(〜100g)上に注ぎ、そして次にジクロロメタン(100ml)で抽出した。有機相を分離し、乾燥させ(硫酸ナトリウム)、そして溶媒を減圧除去した。残留物をジエチルエーテルと共に摩砕し、そして標題化合物(360mg)を濾過により茶色固体として単離した。この材料を、さらに特性評価することなく、次のステップで粗生成物のまま使用した。
【0146】
製造例10:6,7-ジフルオロ-2-(トリクロロメチル)-1H-ベンズイミダゾール
3,4-ジフルオロベンゼン-1,2-ジアミン(274mg、1.90mmol)の酢酸(4ml)溶液をメチル-2,2,2-トリクロロアセトイミデート(0.25ml、2.09mmol)と反応させ、そして生成した溶液を室温で16時間攪拌した。この反応混合物を氷(〜50g)上に注ぎ、そして生成した沈殿を濾過し、そして減圧乾燥させて、標題化合物を茶色固体(496mg)として得た。この材料を、さらに特性評価することなく、次のステップで粗生成物のまま使用した。
【0147】
製造例11:7-メチル-2-(トリクロロメチル)-1H-ベンズイミダゾール
3-メチルベンゼン-1,2-ジアミンから、製造例10の方法を用いて製造し、標題化合物を茶色固体として得た。この材料を、さらに特性評価することなく、次のステップで粗生成物のまま使用した。
【0148】
製造例12:5,6-ジフルオロ-2-(トリクロロメチル)-1H-ベンズイミダゾール
5,6-ジフルオロベンゼン-1,2-ジアミンから、製造例10の方法を用いて製造し、標題化合物を茶色固体として得た。この材料を、さらに特性評価することなく、次のステップで粗生成物のまま使用した。
【0149】
製造例13:5,7-ジフルオロ-2-(トリクロロメチル)-1H-ベンズイミダゾール
3,5-ジフルオロベンゼン-1,2-ジアミンから、製造例10の方法を用いて製造し、標題化合物を茶色固体として得た。この材料を、さらに特性評価することなく、次のステップで粗生成物のまま使用した。
【0150】
製造例14:5-クロロ-7-メチル-2-(トリクロロメチル)-1H-ベンズイミダゾール
5-クロロ-3-メチルベンゼン-1,2-ジアミンから、製造例10の方法を用いて製造し、標題化合物を黄色固体として得た。この材料を、さらに特性評価することなく、次のステップで粗生成物のまま使用した。
【0151】
製造例15:7-クロロ-5-メチル-2-(トリクロロメチル)-1H-ベンズイミダゾール
3-クロロ-5-メチルベンゼン-1,2-ジアミンから、製造例10の方法を用いて製造し、標題化合物を茶色固体として得た。この材料を、さらに特性評価することなく、次のステップで粗生成物のまま使用した。
【0152】
製造例16:5-ヨード-2-(トリクロロメチル)-1H-ベンズイミダゾール
4-ヨードベンゼン-1,2-ジアミンから、製造例10の方法を用いて製造し、標題化合物を茶色固体として得た。この材料を、次のステップで粗生成物のまま使用した。
【0153】
製造例17:メチル-2-(トリクロロメチル)-1H-ベンズイミダゾール-5-カルボキシレート
メチル-3,4-ジアミノベンゾエートから、製造例10の方法を用いて製造し、標題化合物を茶色固体として得た。この材料を、次のステップで粗生成物のまま使用した。
【0154】
製造例18:5-クロロ-6-フルオロ-2-(トリクロロメチル)-1H-ベンズイミダゾール
4-クロロ-5-フルオロベンゼン-1,2-ジアミンから、製造例10の方法を用いて製造し、標題化合物を茶色固体として得た。この材料を、さらに特性評価することなく、次のステップで粗生成物のまま使用した。
【0155】
製造例19:5,6-ジメチル-2-(トリクロロメチル)-1H-ベンズイミダゾール
4,5-ジメチルベンゼン-1,2-ジアミンから、製造例10の方法を用いて製造し、標題化合物を茶色固体として得た。この材料を、さらに特性評価することなく、次のステップで粗生成物のまま使用した。
【0156】
製造例20:5,6-ジクロロ-2-(トリクロロメチル)-1H-ベンズイミダゾール
4,5-ジクロロベンゼン-1,2-ジアミンから、製造例10の方法を用いて製造し、標題化合物を茶色固体として得た。この材料を、さらに特性評価することなく、次のステップで粗生成物のまま使用した。
【0157】
製造例21:2-(トリクロロメチル)-5-(トリフルオロメチル)-1H-ベンズイミダゾール
4-(トリフルオロメチル)ベンゼン-1,2-ジアミンから、製造例10の方法を用いて製造し、標題化合物を淡黄色固体として得た。この材料を、次のステップで粗生成物のまま使用した。
【0158】
製造例22:4-クロロ-6-フルオロ-2-(トリクロロメチル)-1H-ベンズイミダゾール
3-クロロ-5-フルオロベンゼン-1,2-ジアミンから、製造例10の方法を用いて製造し、標題化合物を橙色固体として得た。この材料を、さらに特性評価することなく、次のステップで粗生成物のまま使用した。
【0159】
製造例23:4,6-ジクロロ-2-(トリクロロメチル)-1H-ベンズイミダゾール
3,5-ジクロロベンゼン-1,2-ジアミンから、製造例10の方法を用いて製造し、標題化合物を黄色固体として得た。この材料を、さらに特性評価することなく、次のステップで粗生成物のまま使用した。
【0160】
製造例24:5-フェニル-2-(トリクロロメチル)-1H-ベンズイミダゾール
ビフェニル-3,4-ジアミンから、製造例10の方法を用いて製造し、標題化合物を茶色油として得た。この材料を、さらに特性評価することなく、次のステップで粗生成物のまま使用した。
【0161】
製造例25:5-フルオロ-4-メチル-2-(トリクロロメチル)-1H-ベンズイミダゾール
4-フルオロ-3-メチルベンゼン-1,2-ジアミンから、製造例10の方法を用いて製造し、標題化合物を茶色油として得た。この材料を、さらに特性評価することなく、次のステップで粗生成物のまま使用した。
【0162】
製造例26:N-(2-フルオロ-4-メチルフェニル)アセトアミド
2-フルオロ-4-メチルアニリン(2.0g、15.9mmol)のジクロロメタン(25ml)溶液を0℃まで冷却し、そして無水酢酸(1.50ml、15.9mmol)のジクロロメタン(50ml)溶液と反応させた。生成した混合物を1時間かけてゆるやかに室温まで温まらせた。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(50ml)を添加し、そして有機相を分離し、追加の飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(50ml)で洗浄し、乾燥させ(硫酸ナトリウム)、そして減圧により溶媒を減らして、標題化合物を無色固体(2.26g)として得た。
【0163】
製造例27:2-フルオロ-4-メチル-6-ニトロアニリン
製造例26のアセトアミド(1.0g、5.9mmol)の硝酸(70%、10ml)溶液を0℃まで冷却し、そして反応温度<0℃を維持しながら発煙硝酸(90%、10ml)と反応させた。この反応物を0℃で1時間攪拌し、そして次に氷上に注ぎ、そして室温までゆるやかに温まることを許容した。生成した沈殿を濾過により回収し、そして減圧乾燥して無色固体(1g、異性体の混合物)を得た。この固体をメタノール(20ml)に溶解し、そして固体KOHを添加してpHを10に調節した。この溶液を室温で16時間攪拌し、そして次に溶媒を減圧除去した。水(50ml)及びジクロロメタン(50ml)を添加し、そして有機相を分離した。水相を追加のジクロロメタン(50ml)で抽出し、そして合わせた有機相を乾燥させ(硫酸ナトリウム)、そして減圧により減らした。シリカゲル上をペンタン:酢酸エチル(体積比80:20から20:80まで変化)で溶出するフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、標題化合物を黄色固体(124mg)として得た。
【0164】
製造例28:3-フルオロ-5-メチルベンゼン-1,2-ジアミン
製造例27のニトロアニリン(124mg、0.72mmol)のエタノール(5ml)溶液を10%Pd/Cと反応させ、そして50psiで4時間、室温で水素化した。この反応混合物を濾過し、そして溶媒を減圧除去して、無色固体(79mg)を得た。
【0165】
製造例29:4-クロロ-3-メチルベンゼン-1,2-ジアミン
3-クロロ-2-メチル-6-ニトロアニリン(500mg、2.67mmol)を酢酸(5ml)と水(1ml)の混合物に溶解した液を90℃まで加熱し、そして鉄粉(900mg、16.0mmol)と反応させた。この反応混合物を90℃でさらに2時間加熱し、そして次に室温まで冷却し、そして氷上に注いだ。pHを8に調節し、そして酢酸エチル(50ml)を添加した。生成した混合物を濾過し、そして有機相を分離し、乾燥させ(硫酸ナトリウム)、そして溶媒を減圧により減らした。シリカゲル上をペンタン:酢酸エチル(体積比70:30から30:70まで変化)で溶出するフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、標題化合物を茶色油(213mg)として得た。
【0166】
製造例30:メチル-5,6-ジフルオロ-1H-ベンズイミダゾール-2-カルボキシレート
5,6-ジフルオロベンゼン-1,2-ジアミン(1.76g、12.2mmol)の酢酸(70ml)溶液を、メチル-2,2,2-トリクロロアセトイミデート(1.5ml、12.2mmol)と反応させ、そして生成した溶液を室温で16時間攪拌した。溶媒を減圧除去し、そして残留物をメタノール(100ml)に溶解し、そして4時間加熱還流した。溶媒を減圧除去し、そして残留物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(100ml)と酢酸エチル(100ml)との間で分配した。有機相を分離し、乾燥させ(硫酸ナトリウム)、そして減圧により減らした。シリカゲル上をペンタン:酢酸エチル(体積比90:10から50:50まで変化)で溶出するフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、標題化合物を黄色固体(963mg)として得た。
【0167】
製造例31:5,6-ジフルオロ-1H-ベンズイミダゾール-2-カルボン酸
製造例30のエステル(963mg、4.53mmol)のテトラヒドロフラン(10ml)溶液を水酸化リチウム(9.0mlの1M水溶液、9.0mmol)と反応させ、そして室温で16時間攪拌した。塩酸(9.0mlの1M水溶液、9.0mmol)を添加し、そして生成した沈殿を濾過し、水(10ml)で洗浄し、そして減圧乾燥させて、標題化合物を淡黄色固体(700mg)として得た。
【0168】
製造例32:5,6-ジフルオロ-2-(トリクロロメチル)-1H-ベンズイミダゾール
4-フルオロベンゼン-1,2-ジアミンから、製造例10の方法を用いて製造し、標題化合物を茶色固体として得、これをさらに特性評価することなく粗生成物のまま次のステップに使用した。
【0169】
製造例33:5,6-ジフルオロ-1H-ベンズイミダゾール-2-カルボニトリル
製造例12のトリクロロメチルベンズイミダゾール(5g、18.4mmol)のテトラヒドロフラン(25ml)溶液を、冷却した880アンモニア(10ml)の水(30ml)溶液へ、内部温度<-5℃を維持しながら、1滴ずつ添加した。この反応混合物を0℃で2時間攪拌し、そして次に氷上に注ぎ、そして濃塩酸をゆっくり添加してpH5まで酸性化した。生成した固体を濾過し、そして水(50ml)で洗浄した。残留物をジエチルエーテル(50ml)と炭酸ナトリウム水溶液(2.5gを水50mlに溶解)との間で分配した。水相を分離し、氷上に注ぎ、そして濃塩酸をゆっくり添加してpH5まで酸性化した。生成した固体を濾過回収し、そして減圧乾燥させて、標題化合物を淡黄色固体(2.63g)として得た。
1H NMR (400MHz, CD3OD): δ7.62-7.58 (2H, m) ppm.
MS (APCI): m/z 180 [M+H]+, 178 [M-H]-
実施例1:2-{[(3aR,6aS)5-メチルヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2(1H)-イル]カルボニル}-1H-ベンズイミダゾール
【0170】
【化15】

【0171】
1H-ベンズイミダゾール-2-カルボン酸(456mg、2.81mmol)のN,N-ジメチルアセトアミド(5ml)溶液を、(3aR,6aS)-2-メチルオクタヒドロピロロ[3,4-c]ピロール(322mg、2.55mmol)、トリエチルアミン(0.71ml、5.11mmol)及びO-ベンゾトリアゾ-1-イル-N,N,N’N’-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(1.16g、3.06mmol)と反応させ、そして生成した溶液を室温で16時間攪拌した。この反応混合物を直接SCX樹脂で精製した;非塩基性化合物をメタノールで、そして塩基性化合物を1Nアンモニア/メタノールで溶出した。塩基性洗液を減圧濃縮し、そしてシリカゲル上をジクロロメタン:メタノール:880アンモニア(体積比99:1:0.1から90:10:1まで変化)で溶出するフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、標題化合物を淡黄色固体(499mg)として得た。
1H NMR (400MHz, CD3OD): δ7.71-7.69 (2H, m), 7.39-7.34 (2H, m), 4.42-4.30 (2H, m), 3.95-3.77 (2H, m), 3.15-2.98 (2H, m), 2.84-2.77 (2H, m), 2.56-2.52 (2H, m), 2.37 (3H, s) ppm.
MS (エレクトロスプレー法): m/z 271 [M+H]+, 269 [M-H]-
実施例2:5-メトキシ-2-{[(3aR,6aS)-5-メチルヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2(1H)-イル]カルボニル}-1H-ベンズイミダゾール
【0172】
【化16】

【0173】
5-メトキシ-1H-ベンズイミダゾール-2-カルボン酸(製造例5)から、実施例1の方法を用いて製造し、標題化合物を淡茶色固体として得た。
1H NMR (400MHz, CD3OD): δ7.55 (1H, d), 7.09 (1H, s), 6.95 (1H, d), 4.36-4.24 (2H, m), 3.89-3.71 (5H, m), 3.10-2.89 (2H, m), 2.79-2.72 (2H, m), 2.49-2.46 (2H, m), 2.32 (3H, s) ppm.
MS (APCI) m/z 301 [M+H]+, 299 [M-H]-
実施例3:5-フルオロ-2-{[(3aR,6aS)-5-メチルヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2(1H)-イル]カルボニル}-1H-ベンズイミダゾール
【0174】
【化17】

【0175】
5-フルオロ-1H-ベンズイミダゾール-2-カルボン酸(製造例6)から、実施例1の方法を用いて製造し、標題化合物を淡茶色固体として得た。
1H NMR (400MHz, CD3OD): δ7.65 (1H, dd), 7.33 (1H, dd), 7.13-7.07 (1H, m), 4.37-4.26 (2H, m), 3.90-3.74 (2H, m), 3.10-2.92 (2H, m), 2.79-2.71 (2H, m), 2.51-2.48 (2H, m), 2.32 (3H, s) ppm.
MS (APCI) m/z 289 [M+H]+, 287 [M-H]-
実施例4:5-メチル-2-{[(3aR,6aS)-5-メチルヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2(1H)-イル]カルボニル}-1H-ベンズイミダゾール
【0176】
【化18】

【0177】
5-メチル-1H-ベンズイミダゾール-2-カルボン酸(製造例7)から、実施例1の方法を用いて製造し、標題化合物を淡黄色固体として得た。
1H NMR (400MHz, CD3OD): δ7.54 (1H, d), 7.42 (1H, s), 7.15 (1H, d), 4.35-4.23 (2H, m), 3.89-3.72 (2H, m), 3.11-2.91 (2H, m), 2.79-2.71 (2H, m), 2.50-2.47 (2H, m), 2.32 (3H, s) ppm.
MS (APCI) m/z 285 [M+H]+, 283 [M-H]-
実施例5:5-クロロ-2-{[(3aR,6aS)-5-メチルヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2(1H)-イル]カルボニル}-1H-ベンズイミダゾール
【0178】
【化19】

【0179】
5-クロロ-1H-ベンズイミダゾール-2-カルボン酸(製造例8)から、実施例1の方法を用いて製造し、標題化合物を淡黄色固体として得た。
1H NMR (400MHz, CD3OD): δ7.64 (1H, d), 7.60 (1H, s), 7.29 (1H, d), 4.37-4.25 (2H, m), 3.88-3.71 (2H, m), 3.11-2.91 (2H, m), 2.78-2.70 (2H, m), 2.51-2.48 (2H, m), 2.32 (s, 3H) ppm.
MS (APCI) m/z 305/307 [M+H]+, 303/305 [M-H]-
実施例6:5-クロロ-2-[(3aR,6aS)-ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2(1H)-イルカルボニル]-1H-ベンズイミダゾール
【0180】
【化20】

【0181】
5-クロロ-1H-ベンズイミダゾール-2-カルボン酸(製造例8)(100mg、0.50mmol)のN,N-ジメチルアセトアミド(5ml)溶液を、tert-ブチル(3aR,6aS)-ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2(1H)-カルボキシレート(108mg、0.51mmol)及びO-ベンゾトリアゾ-1-イル-N,N,N’N’-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(256mg、0.67mmol)と反応させ、そして生成した溶液を室温で16時間攪拌した。この反応混合物を酢酸エチル(20ml)及び水(20ml)で希釈し、そして有機相を分離し、乾燥させ(硫酸ナトリウム)、そして減圧により溶媒を減らした。残留物を1MのHCl/メタノール溶液(15ml)と反応させ、そして室温で16時間攪拌した。溶媒を減圧除去し、そして残留物を、シリカゲル上をジクロロメタン:メタノール:880アンモニア(体積比99:1:0.1から90:10:1まで変化)で溶出するフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、標題化合物を無色固体(50mg)として得た。
1H NMR (400MHz, CD3OD): δ7.69-7.65 (2H, m), 7.34(1H, d), 4.45-4.40 (1H, m), 4.24-4.20 (1H, m), 3.99-3.94 (1H, m), 3.71-3.66 (1H, m), 3.19-3.11 (2H, m), 3.09-2.92 (2H, m), 2.83-2.79 (2H, m) ppm.
MS (APCI) m/z 291/293 [M+H]+, 289/291 [M-H]-
実施例7:5-クロロ-2-{[(3aR,6aS)-5-メチルヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2(1H)-イル]カルボニル}-1H-インドール
【0182】
【化21】

【0183】
5-クロロ-1H-インドール-2-カルボン酸から、実施例1の方法により製造し、標題化合物を無色固体として得た。
1H NMR (400MHz, CD3OD): δ7.67 (1H, s), 7.46 (1H, d), 7.24 (1H, dd), 6.97 (1H, s), 4.20-3.73 (4H, m), 3.17-2.96 (2H, m), 2.82-2.75 (2H, m), 2.61-2.54 (2H, m), 2.38 (3H, s) ppm.
MS (APCI) m/z 304/306 [M+H]+, 302/304 [M-H]-
実施例8:5-クロロ-2-{[(3aR,6aS)-ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2(1H)-イル]カルボニル}-1H-インドール
【0184】
【化22】

【0185】
5-クロロ-1H-インドール-2-カルボン酸(100mg、0.51mmol)のN,N-ジメチルアセトアミド(5ml)溶液を、tert-ブチル(3aR,6aS)-ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2(1H)-カルボキシレート(108mg、0.51mmol)及びO-ベンゾトリアゾ-1-イル-N,N,N’N’-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(256mg、0.67mmol)と反応させ、そして生成した溶液を室温で16時間攪拌した。この反応混合物を酢酸エチル(20ml)及び水(20ml)で希釈し、そして有機相を分離し、乾燥させ(硫酸ナトリウム)、そして減圧により溶媒を減らした。残留物を1MのHCl/メタノール溶液(15ml)と反応させ、そして室温で16時間攪拌した。溶媒を減圧除去し、そして残留物を、シリカゲル上をジクロロメタン:メタノール:880アンモニア(体積比99:1:0.1から90:10:1まで変化)で溶出するフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、標題化合物を淡黄色固体(42mg)として得た。
1H NMR (400MHz, DMSOd6): δ11.77 (1H, bs), 7.69 (1H, bs), 7.45 (1H, d), 7.20 (1H, d), 6.93 (1H, s), 4.13-3.45 (4H, m), 2.99-2.63 (6H, m), 2.52 (3H, s) ppm (解像度の低いスペクトル).
MS (APCI) m/z 290/292 [M+H]+, 288/290 [M-H]-
実施例9:5-メトキシ-3-メチル-2-{[(3aR,6aS)-5-メチルヘキサヒドロ-ピロロ[3,4-c]ピロール-2(1H)-イル]カルボニル}-1H-インドール
【0186】
【化23】

【0187】
5-メトキシ-3-メチル-1H-インドール-2-カルボン酸から、実施例1の方法により製造し、標題化合物を淡黄色固体として得た。
1H NMR (400MHz, CDCl3): δ9.42 (1H, bs), 7.28 (1H, d), 6.99 (1H, s), 6.92 (1H, d), 3.88-3.58 (7H, m), 2.91-2.78 (2H, m), 2.56-2.46 (4H, m), 2.37 (3H, s), 2.32 (3H, s) ppm.
MS (APCI) m/z 314 [M+H]+, 312 [M-H]-
実施例10:5-(ベンジルオキシ)-2-{[(3aR,6aS)-5-メチルヘキサヒドロ-ピロロ[3,4-c]ピロール-2(1H)-イル]カルボニル}-1H-インドール
【0188】
【化24】

【0189】
5-(ベンジルオキシ)-3-メチル-1H-インドール-2-カルボン酸から、実施例1の方法により製造し、標題化合物を無色固体として得た。
1H NMR (400MHz, CDCl3): δ9.39 (1H, bs), 7.47 (2H, d), 7.39 (2H, dd), 7.30 (2H, d), 7.13 (1H, s), 7.05 (1H, d), 6.76 (1H, s), 5.10 (2H, s), 4.15-4.03 (2H, m), 3.83-3.72 (2H, m), 3.11-2.91 (2H, m), 2.75-2.69 (2H, m), 2.59-2.54 (2H, m), 2.38 (s, 3H) ppm.
MS (APCI) m/z 376 [M+H]+
実施例11:6-メチル-2-{[(3aR,6aS)-5-メチルヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2(1H)-イル]カルボニル}-1H-インドール
【0190】
【化25】

【0191】
5-メチル-1H-インドール-2-カルボン酸から、実施例1の方法により製造し、標題化合物を淡黄色固体として得た。
1H NMR (400MHz, CDCl3): δ9.69 (1H, bs), 7.54 (1H, d), 7.23 (1H, s), 6.98 (1H, d), 6.81 (1H, s), 4.19-4.02 (2H, m), 3.86-3.72 (2H, m), 3.11-2.85 (2H, m), 2.68-2.64 (2H, m), 2.57-2.55 (2H, m), 2.47 (3H, s), 2.35 (3H, s) ppm.
MS (APCI) m/z 284 [M+H]+, 282 [M-H]-
実施例12:4-メトキシ-2-{[(3aR,6aS)-5-メチルヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2(1H)-イル]カルボニル}-1H-インドール
【0192】
【化26】

【0193】
4-メトキシ-1H-インドール-2-カルボン酸から、実施例1の方法により製造し、標題化合物を無色固体として得た。
1H NMR (400MHz, CDCl3): δ9.38 (1H, bs), 7.21 (1H, t), 7.05 (1H, d), 6.96 (1H, s), 6.51 (1H, s), 4.14-4.04 (2H, m), 3.97 (3H, s), 3.89-3.78 (2H, m), 3.12-3.00 (2H, m), 2.90-2.75 (2H, m), 2.60-2.57 (2H, m), 2.42 (3H, s) ppm.
MS (APCI) m/z 300 [M+H]+, 298 [M-H]-
実施例13:6-クロロ-2-{[(3aR,6aS)-5-メチルヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2(1H)-イル]カルボニル}-1H-インドール
【0194】
【化27】

【0195】
6-クロロ-1H-インドール-2-カルボン酸から、実施例1の方法により製造し、標題化合物を淡黄色固体として得た。
1H NMR (400MHz, CDCl3): δ10.24 (1H, bs), 7.55 (1H, d), 7.46 (1H, s), 7.06 (1H, d), 6.81 (1H, s), 4.16-4.08 (m, 2H), 3.83-3.76 (m, 2H), 3.14-2.91 (m, 2H), 2.68-2.59 (4H, m), 2.36 (s, 3H) ppm.
MS (APCI) m/z 304/306 [M+H]+, 302/304 [M-H]-
実施例14:5-メトキシ-2-{[(3aR,6aS)-5-メチルヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2(1H)-イル]カルボニル}-1H-インドール
【0196】
【化28】

【0197】
5-メトキシ-1H-インドール-2-カルボン酸から、実施例1の方法により製造し、標題化合物を無色固体として得た。
1H NMR (400MHz, CDCl3): δ9.68 (1H, bs), 7.34 (1H, d), 7.06 (1H, s), 6.96 (1H, dd), 6.77 (1H, s), 4.15-4.02 (2H, m), 3.85 (3H, s), 3.83-3.75 (2H, m), 3.11-2.91 (2H, m), 2.71-2.65 (2H, m), 2.59-2.53 (2H, m), 2.35 (3H, s) ppm.
MS (APCI) m/z 300 [M+H]+, 298 [M-H]-
実施例15:2-{[(3aR,6aS)-5-メチルヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2(1H)-イル]カルボニル}-1H-インドール-5-オール
【0198】
【化29】

【0199】
5-ヒドロキシ-1H-インドール-2-カルボン酸から、実施例1の方法により製造し、標題化合物を無色固体として得た。
1H NMR (400MHz, CD3OD): δ7.33 (1H, d), 7.02 (1H, d), 6.86 (1H, dd), 6.83 (1H, s), 4.20-3.72 (4H, m), 3.17-2.95 (2H, m), 2.83-2.79 (2H, m), 2.57-2.54 (2H, m), 2.39 (s, 3H) ppm.
MS (APCI) m/z 286 [M+H]+, 284 [M-H]-
実施例16:5-フルオロ-2-{[(3aR,6aS)-5-メチルヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2(1H)-イル]カルボニル}-1H-インドール
【0200】
【化30】

【0201】
5-フルオロ-1H-インドール-2-カルボン酸から、実施例1の方法により製造し、標題化合物を無色固体として得た。
1H NMR (400MHz, CDCl3): δ7.37 (1H, dd), 7.28 (1H, dd), 7.08-7.02 (1H, m), 6.81 (1H, s), 4.14-4.02 (2H, m), 3.84-3.74 (2H, m), 3.09-2.95 (2H, m), 2.74-2.70 (2H, m), 2.59-2.56 (2H, m), 2.37 (3H, s) ppm.
MS (APCI) m/z 288 [M+H]+, 286 [M-H]-
実施例17:5-メチル-2-{[(3aR,6aS)-5-メチルヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2(1H)-イル]カルボニル}-1H-インドール
【0202】
【化31】

【0203】
5-メチル-1H-インドール-2-カルボン酸から、実施例1の方法により製造し、標題化合物を無色固体として得た。
1H NMR (400MHz, CDCl3): δ7.43 (1H, s), 7.33 (1H, d), 7.12 (1H, d), 6.77 (1H, s), 4.15-4.03 (2H, m), 3.84-3.74 (2H, m), 3.09-2.94 (2H, m), 2.80-2.71 (2H, m), 2.60-2.55 (2H, m), 2.44 (3H, s), 2.38 (3H, s) ppm.
MS (APCI) m/z 284 [M+H]+, 282 [M-H]-
実施例18:3,5-ジメチル-2-{[(3aR,6aS)-5-メチルヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2(1H)-イル]カルボニル}-1H-インドール
【0204】
【化32】

【0205】
3,5-ジメチル-1H-インドール-2-カルボン酸から、実施例1の方法により製造し、標題化合物を淡黄色固体として得た。
1H NMR (400MHz, CD3OD): δ7.32 (1H, s), 7.23 (1H, d), 7.03 (1H, d), 3.79-3.74 (2H, m), 3.65-3.50 (2H, m), 2.95-2.90 (2H, m), 2.79-2.67 (2H, m), 2.41-2.33 (11H, m) ppm.
MS (APCI) m/z 298 [M+H]+, 296 [M-H]-
実施例19:5-クロロ-3-メチル-2-{[(3aR,6aS)-5-メチルヘキサヒドロ-ピロロ[3,4-c]ピロール-2(1H)-イル]カルボニル}-1H-インドール
【0206】
【化33】

【0207】
5-クロロ-3-メチル-1H-インドール-2-カルボン酸から、実施例1の方法により製造し、標題化合物を無色固体として得た。
1H NMR (400MHz, CD3OD): δ7.53 (1H, s), 7.32 (1H, d), 7.15 (1H, d), 3.82-3.46 (4H, m), 2.98-2.89 (m, 2H), 2.76-2.66 (2H, m), 2.43-2.34 (2H, m), 2.33 (3H, s), 2.32 (3H, s) ppm.
MS (APCI) m/z 318/320 [M+H]+, 316/318 [M-H]-
実施例20:1-メチル-2-{[(3aR,6aS)-5-メチルヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2(1H)-イル]カルボニル}-1H-インドール
【0208】
【化34】

【0209】
1-メチル-1H-インドール-2-カルボン酸から、実施例1の方法により製造し、標題化合物を無色固体として得た。
1H NMR (400MHz, CD3OD): δ7.60 (1H, d), 7.42 (1H, d), 7.28 (1H, t), 7.10 (1H, t), 6.76 (1H, s), 3.89-3.83 (5H, m), 3.73-59 (2H, m), 2.96-2.89 (2H, m), 2.79-2.56 (2H, m), 2.55-2.33 (2H, m), 2.32 (3H, m) ppm.
MS (APCI) m/z 284 [M+H]+
実施例21:5-ブロモ-2-{[(3aR,6aS)-5-メチルヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2(1H)-イル]カルボニル}-1H-インドール
【0210】
【化35】

【0211】
5-ブロモ-1H-インドール-2-カルボン酸から、実施例1の方法により製造し、標題化合物を無色固体として得た。
1H NMR (400MHz, CD3OD): δ7.79 (1H, s), 7.37 (1H, d), 7.31 (1H, dd), 6.92 (1H, s), 4.18-3.72 (4H, m), 3.15-2.96 (2H, m), 2.86-2.78 (2H, m), 2.62-2.54 (2H, m), 2.39 (3H, s) ppm.
MS (APCI) m/z 348/350 [M+H]+, 346/348 [M-H]-
実施例22:7-フルオロ-2-{[(3aR,6aS)-5-メチルヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2(1H)-イル]カルボニル}-1H-インドール
【0212】
【化36】

【0213】
7-フルオロ-1H-インドール-2-カルボン酸から、実施例1の方法により製造し、標題化合物を無色固体として得た。
1H NMR (400MHz, CD3OD): δ7.47 (1H, d), 7.08-6.97 (3H, m), 4.18-3.68 (4H, m), 3.16-2.92 (2H, m), 2.79-2.75 (2H, m), 2.57-2.53 (2H, m), 2.38 (3H, s) ppm.
MS (APCI) m/z 288 [M+H]+, 286 [M-H]-
実施例23:5,6-ジメトキシ-2-{[(3aR,6aS)-5-メチルヘキサヒドロ-ピロロ[3,4-c]ピロール-2(1H)-イル]カルボニル}-1H-インドール
【0214】
【化37】

【0215】
5,6-ジメトキシ-1H-インドール-2-カルボン酸から、実施例1の方法により製造し、標題化合物を無色固体として得た。
1H NMR (400MHz, CD3OD): δ7.16 (1H, s), 7.04 (1H, s), 6.91 (1H, s), 4.20-3.93 (2H, m), 3.92 (3H, s), 3.89 (3H, s), 3.86-3.77 (2H, m), 3.15-2.98 (2H, m), 2.83-2.79 (2H, m), 2.57-2.53 (2H, m), 2.38 (s, 3H) ppm.
MS (APCI) m/z 330 [M+H]+, 328 [M-H]-
実施例24:6,7-ジメチル-2-{[(3aR,6aS)-5-メチルヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2(1H)-イル]カルボニル}-1H-ベンズイミダゾール
【0216】
【化38】

【0217】
トリクロロメチルベンズイミダゾール(製造例9)(100mg、0.37mmol)をアセトニトリル(3ml)と水(1ml)の混合物に溶解した液を、(3aR,6aS)-2-メチルオクタヒドロピロロ[3,4-c]ピロール(95mg、0.76mmol)をアセトニトリル(0.75ml)と水(0.25ml)の混合物に溶解した液と反応させた。生成した溶液を室温で2時間攪拌した。溶媒を減圧除去し、そして残留物をジクロロメタン(5ml)と飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(5ml)との間で分配した。有機相を分離し、乾燥させ(硫酸ナトリウム)、そして溶媒を減圧除去した。シリカゲル上をジクロロメタン:メタノール:880アンモニア(体積比100:0:0から93:7:0.7まで変化)で溶出するフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、標題化合物を淡黄色固体(48mg)として得た。
1H NMR (400MHz, CD3OD): δ7.43-7.35 (1H, m), 7.17 (1H, d), 4.43-4.27 (2H, m), 3.94-3.76 (2H, m), 3.15-2.98 (2H, m), 2.86-2.78 (2H, m), 2.56 (3H, s), 2.54-2.49 (2H, m), 2.43 (3H, s), 2.37 (3H, s) ppm.
MS (エレクトロスプレー): m/z 299 [M+H]+, 297 [M-H]-
実施例25:6,7-ジフルオロ-2-{[(3aR,6aS)-5-メチルヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2(1H)-イル]カルボニル}-1H-ベンズイミダゾール
【0218】
【化39】

【0219】
製造例10のトリクロロメチルベンズイミダゾールから、実施例24の方法により反応時間2時間で製造し、標題化合物を淡茶色固体として得た。
1H NMR (400MHz, CD3OD): δ7.43-7.39 (1H, m), 7.32-7.25 (1H, m), 4.45-4.33 (2H, m), 3.95-3.76 (2H, m), 3.15-2.98 (2H, m), 2.83-2.76 (2H, m), 2.58-2.53 (2H, m), 2.37 (3H, s) ppm.
MS (エレクトロスプレー): m/z 307 [M+H]+, 305 [M-H]-
実施例26:7-メチル-2-{[(3aR,6aS)-5-メチルヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2(1H)-イル]カルボニル}-1H-ベンズイミダゾール
【0220】
【化40】

【0221】
製造例11のトリクロロメチルベンズイミダゾールから、実施例24の方法により反応時間2時間で製造し、標題化合物を淡茶色固体として得た。
1H NMR (400MHz, CD3OD): δ7.45 (1H, d), 7.20 (1H, t), 7.09 (1H, d), 4.37-4.24 (2H, m), 3.90-3.71 (2H, m), 3.09-2.91 (2H, m), 2.79-2.71 (2H, m), 2.59 (3H, s), 2.49-2.44 (2H, m), 2.32 (3H, s) ppm.
MS (APCI): m/z 285 [M+H]+, 283 [M-H]-
実施例27:5,6-ジフルオロ-2-{[(3aR,6aS)-5-メチルヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2(1H)-イル]カルボニル}-1H-ベンズイミダゾール
【0222】
【化41】

【0223】
製造例31の酸(700mg、3.53mmol)と(3aR,6aS)-2-メチルオクタヒドロピロロ[3,4-c]ピロール(490mg、3.88mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(35ml)溶液を、O-ベンゾトリアゾ-1-イル-N,N,N’N’-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(1.60g、4.24mmol)と反応させ、そして生成した溶液を室温で16時間攪拌した。溶媒を減圧除去し、そして残留物を酢酸エチル(100ml)と飽和炭酸水素ナトリウム水溶液との間で分配した。減圧下
1H NMR (400MHz, DMSOd6): δ13.29 (1H, bs), 7.74-7.58 (2H, m), 4.34-4.29 (1H, m), 4.15-4.11 (1H, m), 3.83-3.78 (1H, m), 3.55-3.50 (1H, m), 2.95-2.87 (1H, m), 2.83-2.75 (1H, m), 2.49-2.38 (4H, m), 2.18 (3H, s) ppm.
MS (APCI): m/z 307 [M+H]+, 305 [M-H]-
実施例28:5,7-ジフルオロ-2-{[(3aR,6aS)-5-メチルヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2(1H)-イル]カルボニル}-1H-ベンズイミダゾール
【0224】
【化42】

【0225】
製造例13のトリクロロメチルベンズイミダゾールから、実施例24の方法により反応時間2時間で製造し、標題化合物を淡茶色固体として得た。
1H NMR (400MHz, CD3OD): δ7.15-7.12 (1H, m), 6.93-6.88 (1H, m), 4.40-4.29 (2H, m), 3.90-3.71 (2H, m), 3.12-2.94 (2H, m), 2.79-2.72 (2H, m), 2.53-2.49 (2H, m), 2.33 (3H, s) ppm.
MS (APCI): m/z 307 [M+H]+
実施例29:5-クロロ-7-メチル-2-{[(3aR,6aS)-5-メチルヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2(1H)-イル]カルボニル}-1H-ベンズイミダゾール
【0226】
【化43】

【0227】
製造例14のトリクロロメチルベンズイミダゾールから、実施例24の方法により反応時間2時間で製造し、標題化合物を淡茶色固体として得た。
1H NMR (400MHz, CD3OD): δ7.44 (1H, s), 7.10 (1H, s), 4.39-4.27 (2H, m), 3.90-3.71 (2H, m), 3.10-2.94 (2H, m), 2.80-2.73 (2H, m), 2.58 (3H, m), 2.51-2.47 (m, 2H), 2.33 (3H, s) ppm.
MS (APCI): m/z 319/321 [M+H]+, 317/319 [M-H]-
実施例30:7-クロロ-5-メチル-2-{[(3aR,6aS)-5-メチルヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2(1H)-イル]カルボニル}-1H-ベンズイミダゾール
【0228】
【化44】

【0229】
製造例15のトリクロロメチルベンズイミダゾールから、実施例24の方法により反応時間16時間で製造し、標題化合物を淡橙色固体として得た。
1H NMR (400MHz, CD3OD): δ7.31 (1H, s), 7.19 (s, 1H), 4.42-4.26 (2H, m), 3.92-3.71 (2H, m), 3.15-3.03 (2H, m), 2.82-2.72 (2H, m), 2.55-2.44 (2H, m), 2.35 (3H, s) ppm.
MS (APCI): m/z 319/321 [M+H]+, 317/319 [M-H]-
実施例31:5-ヨード-2-{[(3aR,6aS)-5-メチルヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2(1H)-イル]カルボニル}-1H-ベンズイミダゾール
【0230】
【化45】

【0231】
製造例16のトリクロロメチルベンズイミダゾールから、実施例24の方法により反応時間3時間で製造し、標題化合物を淡茶色固体として得た。
1H NMR (400MHz, CD3OD): δ8.07 (1H, s), 7.65 (1H, d), 7.51 (1H, d), 4.42-4.31 (2H, m), 3.95-3.76 (2H, m), 3.17-2.98 (2H, m), 2.84-2.77 (2H, m), 2.58-2.54 (2H, m), 2.38 (3H, s) ppm.
MS (APCI): m/z 397 [M+H]+, 395 [M-H]-
実施例32:メチル 2-{[(3aR,6aS)-5-メチルヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2(1H)-イル]カルボニル}-1H-ベンズイミダゾール-5-カルボキシレート
【0232】
【化46】

【0233】
製造例17のトリクロロメチルベンズイミダゾールから、実施例24の方法により反応時間3時間で製造し、標題化合物を淡茶色固体として得た。
1H NMR (400MHz, CD3OD): δ8.41 (1H, s), 8.03 (1H, d), 7.73 (1H, d), 4.44-4.34 (2H, m), 3.97 (3H, s), 3.96-3.77 (2H, m), 3.18-3.00 (2H, m), 2.87-2.80 (2H, m), 2.62-2.59 (2H, m), 2.37 (3H, s) ppm.
MS (APCI): m/z 329 [M+H]+, 327 [M-H]-
実施例33:5-クロロ-6-フルオロ-2-{[(3aR,6aS)-5-メチルヘキサヒドロピロロ [3,4-c]ピロール-2(1H)-イル]カルボニル}-1H-ベンズイミダゾール
【0234】
【化47】

【0235】
製造例18のトリクロロメチルベンズイミダゾールから、実施例24の方法により反応時間1.5時間で製造し、標題化合物を無色固体として得た。
1H NMR (400MHz, CD3OD): δ7.76 (1H, d), 7.48 (1H, d), 4.38-4.28 (2H, m), 3.90-3.71 (2H, m), 3.10-2.93 (2H, m), 2.78-2.71 (2H, m), 2.53-2.49 (2H, m), 2.33 (3H, s) ppm.
MS (APCI): m/z 323 [M+H]+, 321 [M-H]-
実施例34:5,6-ジメチル-2-{[(3aR,6aS)-5-メチルヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2(1H)-イル]カルボニル}-1H-ベンズイミダゾール
【0236】
【化48】

【0237】
製造例19のトリクロロメチルベンズイミダゾールから、実施例24の方法により反応時間1.5時間で製造し、標題化合物を淡黄色固体として得た。
1H NMR (400MHz, CD3OD): δ7.41 (2H, s), 4.34-4.21 (2H, m), 3.88-3.70 (2H, m), 3.08-2.92 (2H, m), 2.79-2.72 (2H, m), 2.49-2.45 (2H, m), 2.37 (6H, s), 2.32 (3H, s) ppm.
MS (APCI): m/z 297 [M+H]+, 299 [M-H]-
実施例35:5,6-ジクロロ-2-{[(3aR,6aS)-5-メチルヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2(1H)-イル]カルボニル}-1H-ベンズイミダゾール
【0238】
【化49】

【0239】
製造例20のトリクロロメチルベンズイミダゾールから、実施例24の方法により反応時間16時間で製造し、標題化合物を淡茶色固体として得た。
1H NMR (400MHz, CD3OD): δ7.81 (2H, s), 4.39-4.28 (2H, m), 3.92-3.72 (2H, m), 3.15-2.94 (2H, m), 2.79-2.70 (2H, m), 2.56-2.48 (2H, m), 2.35 (3H, s) ppm.
MS (APCI): m/z 339/341 [M+H]+, 337/339 [M-H]-
実施例36:2-{[(3aR,6aS)-5-メチルヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2(1H)-イル]カルボニル}-5-(トリフルオロメチル)-1H-ベンズイミダゾール
【0240】
【化50】

【0241】
2-(トリクロロメチル)-5-(トリフルオロメチル)-1H-ベンズイミダゾール(製造例21)(100mg、0.33mmol)をアセトニトリルと水の混合物(3.2ml、体積比3:1)に溶解した液を、(3aR,6aS)-2-メチルオクタヒドロピロロ[3,4-c]ピロール(83mg、0.66mmol)及び炭酸カリウム(0.24mlの4M溶液、0.96mmol)と反応させた。生成した混合物を室温で16時間攪拌した。ジクロロメタン(30ml)及び水(30ml)を添加し、そして有機相を分離し、乾燥させ(硫酸ナトリウム)、そして溶媒を減圧除去した。シリカゲル上をジクロロメタン:メタノール:880アンモニア(体積比95:5:0.5)で溶出するフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、標題化合物を無色固体(20mg)として得た。
1H NMR (400MHz, CD3OD): δ8.00 (1H, s), 7.80 (1H, d), 7.59 (1H, d), 4.42-4.30 (2H, m), 3.93-3.74 (2H, m), 3.14-2.95 (2H, m), 2.79-2.72 (2H, m), 2.55-2.51 (2H, m), 2.34 (3H, s) ppm.
MS (APCI): m/z 339 [M+H]+, 337 [M-H]-
実施例37:2-{[(3aR,6aS)-5-メチルヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2(1H)-イル]カルボニル}-1H-ベンズイミダゾール-5-カルボン酸
【0242】
【化51】

【0243】
メチル2-{[(3aR,6aS)-5-メチルヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2(1H)-イル]カルボニル}-1H-ベンズイミダゾール-5-カルボキシレート(1.6g、5.0mmol)を水(8ml)と1,4-ジオキサン(60ml)の混合物に加えた物を、水酸化ナトリウム(0.6g、15.0mmol)と反応させ、そして生成した懸濁液を16時間加熱還流した。この反応混合物を10℃まで冷却し、そして濃塩酸で中和した。溶媒を減圧除去し、そして残留物をメタノール中で可溶化し、濾過し、そして溶媒を減圧除去して標題化合物を無色固体(1.41g)として得た。
1H NMR (400MHz, CD3OD): δ8.33 (1H, bs), 7.98 (1H, d), 7.64-7.60 (1H, m), 3.50-3.41 (2H, m), 3.20-3.12 (4H, m), 2.90-2.88 (2H, m), 2.68-2.60 (2H, m), 2.48 (3H, s) ppm.
MS (APCI): m/z 315 [M+H]+, 313 [M-H]-
実施例38:4-クロロ-6-フルオロ-2-{[(3aR,6aS)-5-メチルヘキサヒドロピロロ [3,4-c]ピロール-2(1H)-イル]カルボニル}-1H-ベンズイミダゾール
【0244】
【化52】

【0245】
製造例22のトリクロロメチルベンズイミダゾールから、実施例24の方法により反応時間16時間で製造し、標題化合物を淡黄色泡として得た。
1H NMR (400MHz, CD3OD): δ7.32-7.29 (1H, dd), 7.24-7.22 (1H, dd), 4.45-4.33 (2H, m), 3.94-3.75 (2H, m), 3.16-2.99 (2H, m), 2.84-2.77 (2H, m), 2.57-2.54 (2H, m), 2.37 (3H, s) ppm.
MS (APCI): m/z 323/325 [M+H]+, 321/323 [M-H]-
実施例39:4,6-ジクロロ-2-{[(3aR,6aS)-5-メチルヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2(1H)-イル]カルボニル}-1H-ベンズイミダゾール
【0246】
【化53】

【0247】
製造例23のトリクロロメチルベンズイミダゾールから、実施例24の方法により反応時間16時間で製造し、標題化合物を淡黄色泡として得た。
1H NMR (400MHz, CD3OD): δ7.60 (1H, s), 7.38 (1H, s), 4.44-4.32 (2H, m), 3.95-3.75 (2H, m), 3.17-2.99 (2H, m), 2.84-2.77 (2H, m), 2.58-2.54 (2H, m), 2.37 (3H, s) ppm.
MS (APCI): m/z 339/341 [M+H]+, 337/339 [M-H]-
実施例40:2-{[(3aR,6aS)-5-メチルヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2(1H)-イル]カルボニル}-5-フェニル-1H-ベンズイミダゾール
【0248】
【化54】

【0249】
製造例24のトリクロロメチルベンズイミダゾールから、実施例24の方法により反応時間16時間で製造し、標題化合物を無色固体として得た。
1H NMR (400MHz, CD3OD): δ7.88 (1H, s), 7.75 (1H, d), 7.69-7.67 (2H, m), 7.63-7.61 (1H, m), 7.49-7.45 (2H, m), 7.38-7.34 (1H, m), 4.43-4.31 (2H, m), 3.94-3.76 (2H, m), 3.13-2.97 (2H, m), 2.82-2.75 (2H, m), 2.55-2.51 (2H, m), 2.36 (3H, s) ppm.
MS (APCI): m/z 347 [M+H]+, 345 [M-H]-
実施例41:5-フルオロ-4-メチル-2-{[(3aR,6aS)-5-メチルヘキサヒドロピロロ [3,4-c]ピロール-2(1H)-イル]カルボニル}-1H-ベンズイミダゾール
【0250】
【化55】

【0251】
製造例25のトリクロロメチルベンズイミダゾールから、実施例24の方法により反応時間16時間で製造し、標題化合物を黄色泡として得た。
1H NMR (400MHz, CD3OD): δ7.49-7.46 (1H, m), 7.13-7.08 (1H, m), 4.43-4.31 (2H, m), 3.95-3.76 (2H, m), 3.15-2.98 (2H, m), 2.85-2.77 (2H, m), 2.53 (3H, s), 2.37 (3H, s) ppm.
MS (APCI): m/z 303 [M+H]+, 301 [M-H]-
実施例42:5-クロロ-2-{[(3aR,6aS)-5-エチルヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2(1H)-イル]カルボニル}-1H-インドール
【0252】
【化56】

【0253】
実施例8の化合物(170mg、0.58mmol)のジクロロメタン(5ml)溶液を、アセトアルデヒド(66 l、1.18mmol)、酢酸(33 l、0.58mmol)及びトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(147mg、70mmol)と反応させ、そして生成した混合物を室温で16時間攪拌した。追加のジクロロメタン(20ml)及び飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(20ml)を添加し、そして有機相を分離した。水相を追加のジクロロメタン (20ml)で抽出し、そして合わせた有機相を乾燥させ(硫酸ナトリウム)、そして溶媒を減圧除去した。残留物を、シリカゲル上をジクロロメタン:メタノール:880アンモニア(体積比99:1:0.1から90:10:1まで変化)で溶出するフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、標題化合物を淡黄色固体(60mg)として得た。
1H NMR (400MHz, CD3OD): δ7.67 (1H, s), 7.46 (1H, d), 7.23 (1H, dd), 6.97 (1H, d), 4.19-3.74 (4H, bm), 3.19-2.97 (2H, m), 2.92-2.85 (2H, m), 2.58-2.51 (4H, m), 1.16 (3H, t) ppm.
MS (APCI): m/z 318/320 [M+H]+, 316/318 [M-H]-
実施例43:5-クロロ-2-{[(3aR,6aS)-5-イソプロピルヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2(1H)-イル]カルボニル}-1H-インドール
【0254】
【化57】

【0255】
実施例42の方法により、実施例8の化合物及びアセトンを用いて製造し、標題化合物を無色固体として得た。
1H NMR (400MHz, DMSOd6): δ11.75 (1H, s), 7.69 (1H, s), 7.46 (1H, dd), 7.21 (1H, dd), 6.93 (1H, dd), 4.16-4.01 (1H, m), 3.94-3.84 (1H, m), 3.73-3.64 (1H, m), 3.59-3.50 (1H, m), 2.98-2.77 (2H, m), 2.63-2.53 (4H, m), 2.34 (1H, m), 1.02 (6H, d) ppm.
MS (APCI): m/z 332/334 [M+H]+, 330/332 [M-H]-
実施例44:5-クロロ-2-{[(3aR,6aS)-5-エチルヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2(1H)-イル]カルボニル}-1H-ベンズイミダゾール
【0256】
【化58】

【0257】
実施例42の方法により、実施例6の化合物及びアセトアルデヒドを用いて製造し、標題化合物を無色固体として得た。
1H NMR (400MHz, CD3OD): δ7.70-7.68 (1H, m), 7.66 (1H, s), 7.30 (1H, d), 4.42-4.33 (2H, m), 3.93-3.79 (2H, m), 3.13-2.90 (4H, m), 2.61-2.53 (4H, m), 1.17 (3H, t) ppm.
MS (APCI): m/z 319/321 [M+H]+, 317/319 [M-H]-
実施例45:5-クロロ-2-{[(3aR,6aS)-5-イソプロピルヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2(1H)-イル]カルボニル}-1H-ベンズイミダゾール
【0258】
【化59】

【0259】
実施例42の方法により、実施例6の化合物及びアセトンを用いて製造し、標題化合物を無色固体として得た。
1H NMR (400MHz, CD3OD): δ7.70-7.67 (2H, m), 7.36-7.34 (1H, m), 4.43-4.31 (2H, m), 3.92-3.80 (2H, m), 3.13-2.98 (4H, m), 2.56-2.46 (3H, m), 1.17 (6H, d) ppm.
MS (APCI): m/z 333/335 [M+H]+, 331/333 [M-H]-
実施例46:2-[(3aR,6aS)-5-[(5-クロロ-1H-ベンズイミダゾール-2-イル)カルボニル] ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2(1H)-イル]エタノール
【0260】
【化60】

【0261】
実施例42の方法により、実施例6の化合物及び1,4-ジオキサン-2,5-ジオールを用いて製造し、標題化合物を無色固体として得た。
1H NMR (400MHz, CD3OD): δ7.70-7.65 (2H, m), 7.36-7.33 (1H, m), 4.38-4.36 (2H, m), 3.94-3.78 (2H, m), 3.70 (2H, t), 3.13-2.92 (4H, m), 2.73-2.65 (4H, m) ppm.
MS (APCI): m/z 335/337 [M+H]+, 333/335 [M-H]-
実施例47:7-フルオロ-5-メチル-2-{[(3aR,6aS)-5-メチルヘキサヒドロ ピロロ[3,4-c]ピロール-2(1H)-イル]カルボニル}-1H-ベンズイミダゾール
【0262】
【化61】

【0263】
製造例28のアニリン(79mg、0.56mmol)の酢酸(3ml)溶液を、メチル-2,2,2-トリクロロアセトイミデート(77 l、0.62mmol)と反応させ、そして生成した溶液を室温で16時間攪拌した。水(10ml)を添加し、そしてこの反応物をさらに1時間攪拌した。沈殿を濾過回収し、そして減圧乾燥させた。生成した固体をアセトニトリルと水の混合物(体積比3:1、4ml)に懸濁させ、そして(3aR,6aS)-2-メチルオクタヒドロピロロ[3,4-c]ピロール(148mg、1.17mmol)をアセトニトリル(0.75ml)と水(0.25ml)の混合物に溶解した液と反応させた。3時間後、溶媒を減圧除去し、そして残留物をジクロロメタン(15ml)に溶解させ、飽和炭酸水素ナトリウム(2×15ml)で洗浄し、乾燥させ(硫酸ナトリウム)、そして減圧濃縮した。シリカゲル上をジクロロメタン:メタノール:880アンモニア(体積比99:1:0.1から93:7:0.7まで変化)で溶出するフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、標題化合物を無色固体(133mg)として得た。
1H NMR (400MHz, CD3OD): δ7.19 (1H, s), 6.87-6.84 (1H, d), 4.39-4.27 (2H, m), 3.90-3.84 (1H, m), 3.75-3.71 (1H, m), 3.09-2.95 (2H, m), 2.79-2.72 (2H, m), 2.51-2.40 (2H, m), 2.46 (3H, s), 2.33 (3H, s) ppm.
MS (APCI): m/z 303 [M+H]+, 301 [M-H]-
実施例48:5-クロロ-4-メチル-2-{[(3aR,6aS)-5-メチルヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2(1H)-イル]カルボニル}-1H-ベンズイミダゾール
【0264】
【化62】

【0265】
製造例29のジアミンから、実施例47の方法を用いて製造し、標題化合物を無色固体として得た。
1H NMR (400MHz, CD3OD): δ7.43 (1H, d), 7.30 (1H, d), 4.40-4.29 (2H, m), 3.90-3.85 (1H, m), 3.76-3.72 (1H, m), 3.08-2.95 (2H, m), 2.80-2.73 (2H, m), 2.62 (3H, s), 2.51-2.47 (2H, m), 2.33 (3H, s) ppm.
MS (APCI): m/z 319 [M+H]+, 317 [M-H]-
実施例49:4-フルオロ-2-{[(3aR,6aS)-5-メチルヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2(1H)-イル]カルボニル}-1H-ベンズイミダゾール
【0266】
【化63】

【0267】
3-フルオロベンゼン-1,2-ジアミンから、実施例47の方法を用いて製造し、標題化合物を無色固体として得た。
1H NMR (400MHz, CD3OD): δ7.41 (1H, d), 7.31-7.26 (1H, m), 7.03-6.98 (1H, m), 4.40-4.28 (2H, m), 3.91-3.85 (1H, m), 3.77-3.73 (1H, m), 3.11-2.95 (2H, m), 2.80-2.73 (m, 2H), 2.52-2.49 (m, 2H), 2.33 (3H, s) ppm.
MS (APCI): m/z 289 [M+H]+, 287 [M-H]-
実施例50:4,6-ジメチル-2-{[(3aR,6aS)-5-メチルヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2(1H)-イル]カルボニル}-1H-ベンズイミダゾール
【0268】
【化64】

【0269】
3,5-ジメチルベンゼン-1,2-ジアミンから、実施例47の方法を用いて製造し、標題化合物を淡黄色固体として得た。
1H NMR (400MHz, CD3OD): δ7.22 (1H, s), 6.94 (1H, s), 4.37-4.24 (2H, m), 3.89-3.84 (1H, m), 3.76-3.71 (1H, m), 3.09-2.92 (2H, m), 2.81-2.73 (2H, m), 2.55 (3H, s), 2.49-2.44 (2H, m), 2.42 (3H, s), 2.33 (3H, s) ppm.
MS (APCI): m/z 299 [M+H]+, 297 [M-H]-
実施例51:4,5,6,7-テトラフルオロ-2-{[(3aR,6aS)-5-メチルヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2(1H)-イル]カルボニル}-1H-ベンズイミダゾール
【0270】
【化65】

【0271】
3,4,5,6-テトラフルオロベンゼン-1,2-ジアミンから、実施例47の方法を用いて製造し、標題化合物を無色固体として得た。
1H NMR (400MHz, DMSOd6): δ4.22-4.17 (1H, m), 4.05-4.01 (1H, m), 3.79-3.74 (1H, m), 3.58-3.54 (1H, m), 2.93-2.83 (2H, m), 2.64-2.53 (4H, m), 2.28 (3H, s) ppm.
MS (APCI): m/z 343 [M+H]+, 341 [M-H]-
実施例52:6-フルオロ-2-{[(3aR,6aS)-5-メチルヘキサヒドロピロロ[3,4-c] ピロール-2(1H)-イル]カルボニル}-4-(トリフルオロメチル)-1H-ベンズイミダゾール
【0272】
【化66】

【0273】
5-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)ベンゼン-1,2-ジアミンから、実施例47の方法を用いて製造し、標題化合物を無色固体として得た。
1H NMR (400MHz, CD3OD): δ7.57 (1H, d), 7.42 (1H, d), 4.39-4.33 (2H, m), 3.91-3.72 (2H, m), 3.10-2.97 (2H, m), 2.80-2.73 (2H, m), 2.54-2.50 (2H, m), 2.34 (3H, s) ppm.
MS (APCI): m/z 357 [M+H]+, 355 [M-H]-
実施例53:6-フルオロ-4-ヨード-2-{[(3aR,6aS)-5-メチルヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2(1H)-イル]カルボニル}-1H-ベンズイミダゾール
【0274】
【化67】

【0275】
5-フルオロ-3-ヨードベンゼン-1,2-ジアミンから、実施例47の方法を用いて製造し、標題化合物を黄色固体として得た。
1H NMR (400MHz, CD3OD): δ7.53 (1H, d), 7.31-7.28 (1H, m), 4.44-4.35 (2H, m), 3.90-3.85 (1H, m), 3.76-3.71 (1H, m), 3.12-2.96 (2H, m), 2.80-2.74 (2H, m), 2.54-2.50 (2H, m), 2.34 (3H, s) ppm.
MS (APCI): m/z 415 [M+H]+, 413 [M-H]-
実施例54:6-クロロ-4-フルオロ-2-{[(3aR,6aS)-5-メチルヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2(1H)-イル]カルボニル}-1H-ベンズイミダゾール
【0276】
【化68】

【0277】
5-クロロ-3-フルオロベンゼン-1,2-ジアミンから、実施例47の方法を用いて製造し、標題化合物を黄色固体として得た。
1H NMR (400MHz, CD3OD): δ7.76 (1H, d), 7.50-7.48 (1H, m), 4.38-4.28 (2H, m), 3.90-3.83 (1H, m), 3.75-3.71 (1H, m), 3.12-2.96 (2H, m), 2.78-2.71 (2H, m), 2.52-2.49 (2H, m), 2.33 (3H, s) ppm.
MS (APCI): m/z 323 [M+H]+, 321 [M-H]-
実施例55:6-クロロ-5-メチル-2-{[(3aR,6aS)-5-メチルヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2(1H)-イル]カルボニル}-1H-ベンズイミダゾール
【0278】
【化69】

【0279】
4-クロロ-5-メチルベンゼン-1,2-ジアミンから、実施例47の方法を用いて製造し、標題化合物を無色固体として得た。
1H NMR (400MHz, CD3OD): δ7.67 (1H, s), 7.55 (1H, s), 4.37-4.25 (2H, m), 3.90-3.84 (1H, m), 3.75-3.71 (1H, m), 3.09-2.95 (2H, m), 2.79-2.72 (2H, m), 2.51-2.49 (2H, m), 2.47 (3H, s), 2.33 (3H, s) ppm.
MS (APCI): m/z 319 [M+H]+, 317 [M-H]-
実施例56:2-{[(3aR,6aS)-5-メチルヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2(1H)-イル]カルボニル}-1H-ベンズイミダゾール-5-カルボニトリル
【0280】
【化70】

【0281】
3,4-ジアミノベンゾニトリルから、実施例47の方法を用いて製造し、標題化合物を淡茶色固体として得た。
1H NMR (400MHz, CD3OD): δ8.09 (1H, s), 7.78-7.76 (1H, d), 7.62-7.59 (1H, d), 4.40-4.29 (2H, m), 3.92-3.86 (1H, m), 3.77-3.73 (1H, m), 3.13-2.94 (2H, m), 2.79-2.72 (2H, m), 2.55-2.51 (2H, m), 2.34 (3H, s) ppm.
MS (APCI): m/z 296 [M+H]+, 294 [M-H]-
実施例57:6-フルオロ-2-{[(3aR,6aS)-5-メチルヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2(1H)-イル]カルボニル}-5-(トリフルオロメチル)-1H-ベンズイミダゾール
【0282】
【化71】

【0283】
4-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)ベンゼン-1,2-ジアミンから、実施例47の方法を用いて製造し、標題化合物を無色固体として得た。
1H NMR (400MHz, CD3OD): δ8.01-8.00 (1H, d), 7.54-7.51 (1H, d), 4.41-4.30 (2H, m), 3.92-3.86 (1H, m), 3.77-3.72 (1H, m), 3.10-2.96 (2H, m), 2.79-2.72 (2H, m), 2.55-2.51 (2H, m), 2.34 (3H, s) ppm.
MS (APCI): m/z 357 [M+H]+, 355 [M-H]-
実施例58:4,5,6-トリフルオロ-2-{[(3aR,6aS)-5-メチルヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2(1H)-イル]カルボニル}-1H-ベンズイミダゾール
【0284】
【化72】

【0285】
3,4,5-トリフルオロベンゼン-1,2-ジアミンから、実施例47の方法を用いて製造し、標題化合物を無色固体として得た。
1H NMR (400MHz, CD3OD): δ7.33-7.30 (1H, m), 4.40-4.30 (2H, m), 3.90-3.71 (2H, m), 3.11-2.95 (2H, m), 2.79-2.73 (2H, m), 2.55-2.50 (2H, m), 2.34 (3H, s) ppm.
MS (APCI): m/z 325 [M+H]+, 323 [M-H]-
実施例59:1-(5,6-ジフルオロ-1H-ベンズイミダゾール-2-イル)-1-[(3aR,6aS)-5-メチルヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2(1H)-イル]メタンイミン
【0286】
【化73】

【0287】
製造例12のトリクロロメチルベンズイミダゾール(1.17g、4.3mmol)と4Aモレキュラーシーブ(1g)のアセトニトリル(15ml)懸濁液を、(3aR,6aS)-2-メチルオクタヒドロピロロ[3,4-c]ピロール(598mg、4.74mmol)のアセトニトリル(2ml)溶液と反応させた。生成した混合物を室温で30分間攪拌した後、酢酸アンモニウム(397mg、5.16mmol)を添加した。この反応混合物を室温で16時間攪拌した。飽和炭酸水素ナトリウム(20ml)とこの混合物をジクロロメタン(3×20ml)で抽出した。合わせた有機相を乾燥させ(硫酸ナトリウム)、そして減圧により減らした。シリカゲル上をジクロロメタン:メタノール:880アンモニア(体積比98:2:0.2から90:10:1まで変化)で溶出するフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、標題化合物を淡茶色固体(155mg)として得た。
1H NMR (400MHz, CD3OD): δ7.37 (2H, t), 4.26-4.10 (2H, bm), 3.96-3.78 (2H, m), 3.13-3.06 (2H, m), 2.68-2.59 (4H, m), 2.34 (3H, s) ppm.
MS (APCI): m/z 306 [M+H]+, 304 [M-H]-
実施例59の別法:1-(5,6-ジフルオロ-1H-ベンズイミダゾール-2-イル)-1-[(3aR,6aS)-5-メチルヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2(1H)-イル]メタンイミン
製造例33のニトリル(8.66g、48.3mmol)と(3aR,6aS)-2-メチルオクタヒドロピロロ[3,4-c]ピロール(7.32g、58.0mmol)のイソプロパノール(100ml)溶液を、3時間加熱還流した。この反応混合物をゆるやかに室温まで冷却し、そして生成した沈殿を濾過回収し、追加のイソプロパノール(20ml)で洗浄し、そして減圧乾燥させて、標題化合物を無色結晶固体(13.57g)として得た。
【0288】
実施例60:1-(5-フルオロ-1H-ベンズイミダゾール-2-イル)-1-[(3aR,6aS)-5-メチルヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2(1H)-イル]メタンイミン
【0289】
【化74】

【0290】
製造例32のトリクロロメチルベンズイミダゾールから、実施例59の方法を用いて製造し、標題化合物を淡黄色固体として得た。
1H NMR (400MHz, CD3OD): δ7.58-7.54 (1H, dd), 7.25-7.22 (1H, dd), 6.93-6.88 (1H, m), 4.15 (2H, bs), 3.85 (2H, bs), 3.14-3.07 (2H, m), 2.70-2.59 (4H, m), 2.35 (3H, s) ppm.
MS (APCI): m/z 288 [M+H]+, 286 [M-H]-
6-ブロモ-4-メチル-2-{[(3aR,6aS)-5-メチルヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2(1H)-イル]カルボニル}-1H-ベンズイミダゾール及び6-フルオロ-4-メチル-2-{[(3aR,6aS)-5-メチルヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2(1H)-イル]カルボニル}-1H-ベンズイミダゾールも、同一又は同様の方法を用いて製造された。
【0291】
実施例61〜64は、下記の表に示されるトリクロロメチルベンズイミダゾール前駆体から、以下の手順によって製造された:トリクロロメチルベンズイミダゾール(0.75mmol)のエタノール(3ml)溶液を0℃まで冷却し、そして880アンモニア(3ml)の水(3ml)溶液と反応させた。次に、生成した混合物をゆるやかに室温まで温まらせた。2時間後、2N塩酸の添加により、pHをpH1に調節した。この反応混合物をジクロロメタン(2×20ml)で抽出し、そして合わせた抽出物を減圧により減らした。生成した固体をメタノール(3ml)に溶解させ、そしてN-アセチルシステイン(1mmol)及び(3aR,6aS)-2-メチルオクタヒドロピロロ[3,4-c]ピロール(0.8mmol)と反応させ、そして40℃で2.5時間加熱した。この反応物を室温まで冷却し、そして強力なカチオン交換樹脂上で、非塩基性不純物はメタノールで溶出し、そして塩基性生成物は2Mアンモニア/メタノールで溶出することにより、精製した。溶媒を減圧除去し、そして残留物をシリカゲル上をジクロロメタン:メタノール:880アンモニア(体積比95:5:0.5から90:10:1まで変化)で溶出するフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、目的の化合物を得た。
【0292】
【表1】

【0293】
実施例65〜68は、下記の表に示されるビスアニリン前駆体から、以下の手順によって製造された:アニリン前駆体(79mg、0.50mmol)の酢酸(3ml)溶液を、
メチル-2,2,2-トリクロロアセトイミデ−ト(0.55mmol)と反応させ、そして生成した溶液を室温で16時間攪拌した。水(10ml)を添加し、そして反応物をさらに1時間攪拌した。トリクロロメチルベンズイミダゾール中間体を濾過回収し、減圧乾燥させ、次に実施例61〜64について記載された工程により、目的の化合物を得た。
【0294】
【表2】

【0295】
生物学セクション
H4結合
ヒスタミンH4受容体を発現しているCHO細胞からの細胞ペレットを、氷冷した、プロテアーゼ阻害剤カクテル(Roche(登録商標)、英国)を含有する50mM Tris-HCl/0.5mM CaCl2 緩衝液中で、すりガラスホモジナイザーを用いてホモジナイズした。ホモジネートを48000gで30分間、4℃で遠心分離した。膜ペレットを新しい緩衝液中に再懸濁させ、上述の遠心分離ステップを繰り返した。膜ペレットを元々の細胞ペレットと同量の50mM Tris-HCl中に再懸濁した。膜調製物の一定分量を-80℃で保存し、[3H]-ヒスタミン結合実験に使用した。
【0296】
細胞膜(20-35μg/well)を、3nM [3H]-ヒスタミン(23Ci/mmol)と共に、50mM Tris-HCl(pH 7.4)中で、競合するH4リガンドの存在下又は非存在下で、振盪させながら室温で90分間インキュベートした。0.5%のポリエチレンイミンに浸漬したユニフィルター GF/Bプレート(Packard)を通す急速濾過により反応を停止させ、その後、氷冷した50mM Tris-HClで1ml×3回洗浄した。フィルターを45℃で45分間乾燥させ、そして結合した放射能標識をシンチレーションカウンティング技術を用いて決定した。非特異的結合は5μMのクロベンプロピット(clobenpropit)を用いて定義した。競合結合試験のため、Cheng-Prussoff式:Ki = (IC50)/(1+([L]/Kd)) に従い、実験的に決定したリガンドKd = 3.5nM及びリガンド濃度=3nMに基いて、IC50値からKi値を計算した。
【0297】
実施例の化合物は上述のH4結合アッセイで試験され、そしてH4細胞に基づいた結合アッセイにおいて13μMよりも小さいKi値を持つことが見出された。好ましい実施例はH4結合アッセイにおいて1μMよりも小さいKi値を持つ。以下の表に示すように、最も好ましい実施例はH4細胞に基づいた結合アッセイにおいて120nMよりも小さいKi値を持つ。
【0298】
【表3】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の化合物:
【化1】

(このとき:
・R1は、H又はヒドロキシで置換されていてもよい(C1-C4)アルキルであり;
・Xは、N又はC-R9(このときR9はH又はメチルである)であり;
・Yは、O又はNHであり;
・R6は、H又はメチルであり;そして
・R2、R3、R4及びR5は、独立してH、ハロ、シアノ、(C1-C4)アルキル、(C1-C4)アルコキシ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ヒドロキシ、(CH2)n-C(O)O-R7、(CH2)n-O-(CH2)m-R8及び(CH2)n-R8から選択され、このときn及びmはそれぞれ独立して0又は1であり、R7はH又は(C1-C4)アルキルであり、そしてR8はフェニルである)
又はその医薬的に許容し得る塩及び溶媒和物。
【請求項2】
R1がH又はメチルである、請求項1に記載の式(I)の化合物又はその塩及び溶媒和物。
【請求項3】
R6がHである、請求項1又は2に記載の式(I)の化合物又はその塩及び溶媒和物。
【請求項4】
XがN又はCHである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の式(I)の化合物又はその塩及び溶媒和物。
【請求項5】
R2、R3、R4及びR5が独立してH、ハロ、メチル、ヒドロキシ、フェニル及びCOOHから選択される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の式(I)の化合物又はその塩及び溶媒和物。
【請求項6】
R2、R3、R4及びR5が独立してH、フルオロ、クロロ、ブロモ、メチル、ヒドロキシ、フェニル及びCOOHから選択される、請求項5に記載の式(I)の化合物又はその塩及び溶媒和物。
【請求項7】
R2、R3、R4及びR5のうちの少なくとも2つがHである、請求項1〜6のいずれか1項に記載の式(I)の化合物又はその塩及び溶媒和物。
【請求項8】
シス型立体配置(3aR,6aS)を持つ、請求項1〜7のいずれか1項に記載の式(I)の化合物又はその塩及び溶媒和物。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1項に定義される式(I)の化合物又はその医薬的に許容し得る塩若しくは溶媒和物を、医薬的に許容し得る賦形剤と共に含む医薬組成物。
【請求項10】
医薬として使用するための、請求項1〜8のいずれか1項に定義される式(I)の化合物又はその医薬的に許容し得る塩若しくは溶媒和物。
【請求項11】
H4リガンドが必要とされる疾患を処置する医薬の製造のための、請求項1〜8のいずれか1項に定義される式(I)の化合物又はその医薬的に許容し得る塩若しくは溶媒和物の使用。
【請求項12】
炎症性疾患、呼吸器疾患(例えば成人呼吸困難症候群、急性呼吸困難症候群、気管支炎、慢性気管支炎、慢性閉塞性肺疾患、嚢胞性線維症、喘息、肺気腫、鼻炎、慢性篩骨洞炎)、アレルギー、アレルギー誘導性気道応答、アレルギー性鼻炎、ウィルス性鼻炎、非アレルギー性鼻炎、通年性及び季節性鼻炎、鼻充血、アレルギー性充血、女性及び男性性機能不全、皮膚疾患、例えば皮膚炎及び乾癬、心機能不全、例えば心筋虚血症及び不整脈、消化管の疾患、例えば炎症性腸疾患、クローン病及び潰瘍性大腸炎、癌、リウマチ性関節炎、低血圧、疼痛及び過活動膀胱状態から選択される疾患を処置する医薬の製造のための、請求項11に記載の式(I)の化合物の使用。
【請求項13】
H4リガンドが必要とされる疾患を患っている、ヒトを含む哺乳類を処置する方法であって、前記哺乳類に対し、請求項1〜8のいずれか1項に定義される式(I)の化合物、又はその医薬的に許容し得る塩、溶媒和物又は組成物を有効量投与することを含む方法。
【請求項14】
前記疾患が請求項12に記載の疾患から選択される、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
請求項1〜8のいずれか1項に定義される式(I)の化合物及びその塩又は溶媒和物を得るための方法であって、以下のステップを含む方法:
1)YがOである場合、
式(II)の酸:
【化2】

を式(III)のアミン:
【化3】

とカップリングさせる(このとき、R1、R2、R3、R4、R5、R6及びXは請求項1〜10のいずれか1項に定義される通りである);又は
2)YがNHであり、且つXがNである場合、
式(VI)のトリクロロメチルベンズイミダゾール:
【化4】

を、アンモニア源及び式(III)のアミンと縮合させる(このとき、R1、R2、R3、R4、R5及びR6は請求項1〜10のいずれか1項に定義される通りである);又は
3)YがNHであり、且つXがNである場合、
式(III)のアミンを、式(VIII)のニトリル:
【化5】

と反応させる(このとき、R1、R2、R3、R4、R5及びR6は請求項1〜10のいずれか1項に定義される通りである);
4)YがNHであり、且つXがCR9である場合、
式(IX)のチオアミド:
【化6】

を、アンモニア又はアンモニア等価物と縮合させる(このとき、R1、R2、R3、R4、R5及びR6は請求項1〜10のいずれか1項に定義される通りである)。
【請求項16】
請求項1〜10のいずれか1項に定義される式(I)の化合物と、以下から選択されるもう一つの薬理学的に活性な薬剤との組み合わせ:
・ヒスタミンH1受容体アンタゴニスト、特にロラチジン、デスロラチジン、フェキソフェナジン及びセチリジン、
・ヒスタミンH3受容体アンタゴニスト、
・ヒスタミンH2受容体アンタゴニスト、
・LTB4、LTC4、LTD4及びLTE4のアンタゴニストを含むロイコトリエンアンタゴニスト、特にモンテルカスト、
・ホスホジエステラーゼ阻害剤、即ちPDE4阻害剤及びPDE5阻害剤、
・神経伝達物質再取り込み阻害剤、特にフルオキセチン、セトラリン、パロキセチン、ジプラシドン、
・5-リポキシゲナーゼ(5-LO)阻害剤又は5-リポキシゲナーゼ活性化タンパク質(FLAP)アンタゴニスト、
・うっ血除去薬として使用するためのα1-及びα2-アドレナリン作動性受容体アゴニスト血管収縮性交感神経作用剤、
・ムスカリンM3受容体アンタゴニスト又は抗コリン作動剤、
・β2-アドレナリン作動性受容体アゴニスト、
・テオフィリン、
・クロモグリク酸ナトリウム、
・COX-1阻害剤(NSAID)及びCOX-2選択的阻害剤、
・経口又は吸入グルココルチコステロイド、
・内因性炎症性単位に対して活性なモノクローナル抗体、
・抗腫瘍壊死因子(抗TNF-α)剤、
・VLA-4アンタゴニストを含む接着分子阻害剤、
・キニン-B1-及びB2-受容体アンタゴニスト、
・免疫抑制剤、
・マトリクスメタロプロテアーゼ(MMP)の阻害剤、
・タキキニンNK1、NK2及びNK3受容体アンタゴニスト、
・エラスターゼ阻害剤、
・アデノシンA2a受容体アゴニスト、
・ウロキナーゼの阻害剤、
・ドーパミン受容体に作用する化合物、例えばD2アゴニスト、
・NFKb経路の調節薬、例えばIKK阻害剤、
・粘液溶解薬又は鎮咳薬として分類することができる薬剤、
・抗生物質、
・サイトカインシグナル伝達経路の調節剤、例えばp38MAPキナーゼ阻害剤、sykチロシンキナーゼ阻害剤又はJAKキナーゼ阻害剤、
・プロスタグランジンD2受容体アンタゴニスト(DP1及びCRTH2)、
・プロスタグランジンD合成酵素(PGDS)の阻害、
・ホスホイノシチド-3-キナーゼの阻害剤、及び
・HDAC阻害剤。

【公表番号】特表2008−520644(P2008−520644A)
【公表日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−542155(P2007−542155)
【出願日】平成17年11月10日(2005.11.10)
【国際出願番号】PCT/IB2005/003478
【国際公開番号】WO2006/056848
【国際公開日】平成18年6月1日(2006.6.1)
【出願人】(593141953)ファイザー・インク (302)
【Fターム(参考)】