説明

オクトレオチド微粒子を含む医薬組成物

【課題】市販されているものよりも低価格で製造し易いオクトレオチドの徐放性処方物を提供すること。
【解決手段】本願発明の医薬組成物は、線状ポリ(ラクチド−コ−グリコリド)ポリマーの酢酸オクトレオチド微粒子を含み、上記ポリマーは1%未満の割合でシリコーン油またはヘプタンを含有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医薬組成物、特にデポ型微粒子に関するものである。
【背景技術】
【0002】
注射可能懸濁液用酢酸オクトレオチド微粒子は、サンドスタチンLARの商標名で医薬組成物として市販されている。これらの医薬組成物は、特に、先端肥大症患者における長期維持療法、および悪性カルチノイド腫瘍および血管作用性腸管性ペプチド腫瘍(ビポーマ腫瘍)に伴う重症の下痢および潮紅の処置に指示される。医薬組成物は、通常月1回投与される。オクトレオチドは、バイアル中の滅菌医薬組成物として提供され、懸濁液用賦形剤(vehicle)、例えば滅菌水と混合すると、臀部注射により投与される懸濁液になる。
【0003】
酢酸オクトレオチド微粒子は、生分解性ポリ(DL−ラクチド−コ−グリコリド)−グルコース・スターポリマーに内包され分散しているオクトレオチドの酢酸塩から製造される(例えば米国特許第5922682号に開示、出典明示により本明細書に援用する)。酢酸オクトレオチド微粒子は、シリコーン油およびヘプタンの使用を伴う米国特許第5538739号(出典明示により本明細書に援用する)の教示するところに従って製造される。これらの出発物質の痕跡は最終生成物で検出され得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
現在までのところ、非経口投与用持続放出形態の線状ポリ(ラクチド−コ−グリコリド)を基剤とするオクトレオチド組成物は販売に至っていない。本発明は、市販されているものよりも低価格で製造し易いオクトレオチドの徐放性処方物を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、以後PLGと称す、線状ポリ(ラクチド−コ−グリコリド)から製造される市販用として許容される酢酸オクトレオチド微粒子であって、許容される薬物含有量を有しながらも高い純度を有するサンドスタチンLARと類似した薬物動態特性を有し、シリコーン油およびヘプタン不含有であり得る微粒子を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0006】
従って、一局面において本発明は、
i)線状ポリ(ラクチド−コ−グリコリド)ポリマーの酢酸オクトレオチド微粒子を含む医薬組成物であって、前記ポリマーが1%重量/重量(w/w)未満の割合でシリコーン油またはヘプタンを含む医薬組成物、または
ii)線状ポリ(ラクチド−コ−グリコリド)ポリマーの酢酸オクトレオチド微粒子を含む医薬組成物であって、前記ポリマーがシリコーン油またはヘプタン不含有である医薬組成物
を提供する(両方とも、以後本発明微粒子と称す)。
【0007】
別の局面において、本発明は、酢酸オクトレオチド微粒子の製造方法であって、
a)溶解した線状ポリ(ラクチド−コ−グリコリド)を含む塩化メチレンに酢酸オクトレオチドを溶解または分散させて分散液または均一溶液を形成させ、
b)上記分散液を有効量の連続調製媒質(continuous process medium)と合わせて、上記調製媒質、および上記酢酸オクトレオチド、上記溶媒および上記線状ポリ(ラクチド−コ−グリコリド)を含む微小液滴を含むエマルションを形成させ、そして
c)上記エマルション形成直後、有効量の抽出媒質に上記エマルションを全部一度に加えて、上記微小液滴から上記溶媒を抽出することにより、上記微粒子を形成させる
工程を含む方法を提供する。
【0008】
A−別の局面において、本発明は、酢酸オクトレオチド微粒子の製造方法であって、以下の
a)溶解した線状ポリ(ラクチド−コ−グリコリド)を含む塩化メチレンに酢酸オクトレオチドを分散させて分散液を形成させ、
b)上記分散液を有効量の連続調製媒質と合わせて、上記調製媒質、例えば水または好ましくは、安定剤、例えばPVAとの水性緩衝液、および上記酢酸オクトレオチド、上記溶媒および上記線状ポリ(ラクチド−コ−グリコリド)を含む微小液滴を含むエマルションを形成させ、
c)上記エマルション形成直後、有効量の抽出媒質、例えば水相、例えば、安定剤、例えばポリビニルアルコールの水溶液に上記エマルションを全部一度に加えて、上記微小液滴から上記溶媒を抽出することにより、上記微粒子を形成させ、そして
d)微粒子を集めて乾燥、例えば凍結乾燥または真空乾燥する
工程を含む方法を提供する。
【0009】
B−本発明は、多段階乳化工程による酢酸オクトレオチド微粒子の製造方法であって、
a)水溶液、例えば水または緩衝水溶液に酢酸オクトレオチドを溶かし、溶解した線状ポリ(ラクチド−コ−グリコリド)を含む塩化メチレンにより酢酸オクトレオチド水溶液を乳化させて油中水型エマルションを形成させ、そして
b)水溶液、例えば、安定剤、例えばポリビニルアルコールおよび所望による少なくとも1種の緩衝性塩を含む水溶液により上記エマルションを乳化させて、水中油中水型二重エマルションを形成させ、
c)上記二重エマルションの形成直後、有効量の抽出媒質、例えば水相、例えば、安定剤、例えばポリビニルアルコールの水溶液に上記二重エマルションを全部一度に加えて、上記微小液滴から上記溶媒を抽出することにより、上記微粒子を形成させ、そして
d)微粒子を集めて乾燥、例えば凍結乾燥または真空乾燥する
工程を含む改良が加えられた方法を提供する。
【0010】
酢酸オクトレオチドの水性溶液、好ましくは水溶液が使用され得、次いでこれをポリマー溶液で乳化することにより、エマルションを形成させる。
【0011】
C−乳化方法による酢酸オクトレオチド微粒子の製造方法において、
a)メタノール中の酢酸オクトレオチドを、溶解した線状ポリ(ラクチド−コ−グリコリド)を含む塩化メチレンと混合することにより、溶液を形成し、そして
b)上記溶液を抽出媒質、例えば水または好ましくは、安定剤、例えばPVAを含む水性緩衝液により乳化し、
c)上記エマルションの形成直後、有効量の抽出媒質、例えば水相、例えば、安定剤、例えばポリビニルアルコールの水溶液に上記エマルションを全部一度に加えて、上記微小液滴から上記溶媒を抽出することにより、上記微粒子を形成させ、そして
d)微粒子を集めて乾燥、例えば凍結乾燥または真空乾燥する
工程を含む改良が加えられた方法が提供される。
【0012】
この方法Cに従って、酢酸オクトレオチドを、好ましくは塩化メチレンと混和性の極性有機溶媒、好ましくはメタノールに溶かす。
この過程は上記要領で実施され得る。
【0013】
方法A、BおよびCの調製媒質は、例えば水相、例えばPVAの水溶液、例えばPVAおよび所望による少なくとも1種の緩衝性塩の水溶液であり得る。調製媒質を、ポリマーを溶かすのに使用されるのと同じ有機溶媒で飽和させることにより、エマルション小滴の形成を安定させ、エマルション小滴からのポリマー溶媒の速すぎる抽出を回避し得る。
【0014】
方法A、BおよびCの工程a)において、PLGは、PLG溶解に適切な溶媒、例えば酢酸エチル、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、塩化メチレン、ヘキサフルオロイソプロパノール、クロロホルム、アセトンのいずれかに溶解され得る。例えば、PLGは、約1%〜約40%w/v、典型的には約2〜2.5%w/vの濃度で塩化メチレンに溶解され得る。
【0015】
本発明方法A、BおよびCにおいて、PLGを溶かすのに使用される適切な溶媒が水と混和性であるとき、適切なポリマー溶媒は、水または上記水溶液による微粒子からの抽出により除去され得る。
【0016】
PLGを溶かすのに使用される適切な溶媒が水と非混和性または僅かな混和性しか示さないとき、ポリマー溶媒は蒸発により除去され得る。工程a)は、本発明方法A、BおよびCに記載されている通り同じである。しかしながら、工程b)については、工程a)で製造された分散液または溶液またはエマルションを、高い剪断応力で適量の調製媒質と、工程a)の上記分散液または溶液1体積に対し連続媒質10〜50体積の割合で混合する。次いで、工程c)では、1〜10時間、例えば5時間、溶媒蒸気を絶えず排気しながら室温で例えば200rpm攪拌下での溶媒蒸発により微粒子を硬化させるが、その際所望により40℃まで、好ましくは52℃までの加熱相を伴ってもよく、そして工程d)では、微粒子を例えば水中で洗浄し、微粒子を集めて乾燥、例えば凍結乾燥または真空乾燥する。
【0017】
これらの工程は慣用的方法で実施され得、例えば高速攪拌機がエマルションの製造に使用され得る。
【0018】
極性有機溶媒または水溶液中における酢酸オクトレオチドの濃度は、好ましくは約1%〜約20%w/v、好ましくは約4〜10%w/v、さらに好ましくは約4〜7%w/v、さらに好ましくは約5%w/vである。オクトレオチドを溶解した線状ポリ(ラクチド−コ−グリコリド)と混合した後に均一溶液を得るのが好ましい。約20%v/v以下の(i)メタノール含有溶液と(ii)溶解した線状ポリ(ラクチド−コ−グリコリド)を含む塩化メチレン(例えば有機溶媒中のポリ(ラクチド−コ−グリコリド)の濃度は20%w/vを越えない)との混合により、均一溶液が得られ、例えば(i)+(ii)の混合物中溶液(i)は約20%v/v以下である。成分(ii)に対する成分(i)の重量比は、典型的には約1:8である。
【0019】
工程b)では、エマルションは、酢酸オクトレオチド/PLG−塩化メチレン混合物を水性調製媒質中に分散させることにより製造され得る。好ましくは連続相をポリマー溶媒、例えば塩化メチレンで飽和させる。
【0020】
PLG/オクトレオチドを含む混合物を調製媒質に加える前に、調製媒質を、好ましくは、適切なポリマー溶媒、例えば塩化メチレンで飽和させることにより、エマルション形成中における微小液滴からの溶媒の抽出を低減化する。次いで、PLG/オクトレオチド混合物を調製媒質に加えるとき、調製媒質を、装置、例えばホモジナイザー、プロペラなどで機械的に攪拌する。この製造工程中、溶媒は一般的に微小液滴から蒸発または除去され得ない。エマルションが形成される温度は、特に厳密ではないが、ただし塩化メチレンが沸騰したり、調製媒質がゲル化または凍結したり、オクトレオチドまたはPLGが分解することのない範囲内であり得る。エマルション形成に要求される時間は全く短いものである。一般的に、エマルションは、使用される安定剤(あるとすれば)および調製媒質の攪拌方法によって異なるが、30秒から5分以内に形成され得る。好ましくは、安定剤は存在する。
【0021】
好ましくは、微粒子製造工程で製造されるエマルションについての安定剤を存在させることにより、凝集を阻止する。存在濃度は、微粒子の最終サイズに影響し得る。一般的に、調製媒質中におけるエマルション安定化賦形剤の濃度は、使用される界面活性剤、ポリマー溶媒および調製媒質により異なるが0.01%〜約20%w/vである。安定剤の量は、好ましくは約0.025〜約1%w/vである。
【0022】
適切な安定剤には以下のものがある:
A)ポリビニルピロリドン:適切には、分子量は、2000から20000ダルトンの間で変化し得る。適切な例には、ポビドンK12F(平均分子量約2500ダルトン)、ポビドンK15(平均分子量約8000ダルトン)またはポビドンK17(平均分子量約10000ダルトン)として一般的に知られているものがある。好ましくは、ポリビニルピロリドンは、約0.1〜約20%w/v、例えば約5%w/vの量で存在する。
【0023】
B)カルボキシメチルセルロースナトリウム(NaCMC):好ましくは、それは低分子量を有する。粘度は、例えば2%水溶液の場合20cPまたはmPa・s以下または8〜25mPa・sの粘度であり得る。好都合には、置換度は、約0.5〜約1.45、例えば1.15〜約1.45、例えば0.7である。典型的には、ナトリウム含有率は約5〜約12%、例えば10.5%〜約12%である。
【0024】
C)ポリビニルアルコール、以後PVAと称す:一実施態様では、ポリビニルアルコールは、約10000〜約150000、例えば約10000〜約90000ダルトン、例えば約30000ダルトンの分子量を有する。
【0025】
好都合には、ポリビニルアルコールは、20℃で4%水溶液としてまたはDIN53015により測定したとき、約3〜約9mPa・sの動的粘性係数を有する低粘度を有する。適切には、ポリビニルアルコールは、ポリ酢酸ビニルを加水分解することにより得られる。好ましくは、ポリ酢酸ビニルの含有率は、ポリビニルアルコールの約10〜約90%である。好都合には、加水分解度は約85〜約89%である。典型的には、残留アセチル含有率は、約10〜12%である。好ましい商標には、スイス国クラリアントAGから入手可能なモビオール4−88、モビオール8−88およびモビオール18−88がある。好ましくは、ポリビニルアルコールは、約0.1〜約5%w/v、例えば0.5%w/vの量で存在する。
【0026】
D)ゼラチン:好ましくは、ゼラチンはブタまたは魚類のゼラチンである。好都合には、ゼラチンは、20℃で10%溶液の場合約25〜約35cpsの粘度を有する。
典型的には、10%溶液のpHは、約6〜約7である。適切な商標は、高分子量を有し、例えば米国ニュージャージー、クランベリーのノーランド・プロダクツ・インコーポレイテッドから入手可能なノーランド高分子量ゼラチンがある。好ましくは、ゼラチンは、約0.01〜約5%、例えば0.5%または0.05%の量で存在する。
【0027】
好都合には、ポリビニルアルコールが使用され得る。
工程c)において、エマルションを全て大量の調製媒質または他の適切な抽出媒質へ即座に移して、エマルション中の微小液滴から溶媒を即座に抽出することにより、本発明微粒子が形成される。
【0028】
エマルションが形成されるとすぐに、有機微小液滴を含む調製媒質を全て、可能な限り迅速に、抽出媒質へ移すことにより、溶媒の20%より大〜30%は、即座に、例えば3分以内に微小液滴から除去され得る。通常、水を抽出媒質として使用するが、他の溶媒または油類でも使用され得る。さらに、塩を抽出媒質に加えることにより、そのイオン強度またはpHを調節し得る。使用される抽出媒質の量は、微小液滴から溶媒をほぼ即座に抽出させ得るだけの媒質が存在しなければならないという点で多少厳密であり得る。従って、抽出媒質の体積は、壁材を溶かすのに使用される溶媒および抽出媒質におけるその溶解度により異なる。一般的に、抽出媒質の体積は、少なくとも微小液滴からの溶媒全部を溶解させるのに必要とされる体積とすべきであり、好ましくは体積の10倍またはそれより大である。一実施態様において、加えられる水は約7またはそれより高い値である。上記pHを調節することにより、本発明微粒子におけるオクトレオチドの封入効率が高められ得る。
【0029】
好ましくは、水性リン酸二水素ナトリウム/リン酸水素二ナトリウム緩衝液が存在する。例えば一般的には15〜30分以内で、微小液滴から溶媒を全てまたは大部分抽出した後、硬化微粒子は、遠心分離、濾過などにより集められ得る。
一実施態様では、ゼラチンは使用されず、本発明微粒子中に存在しない。
【0030】
ラクチドは、D、Lまたはその混合物、例えばラセミDLラクチドであり得る。
ホモポリマー、例えばポリ(DL−ラクチド)ホモポリマーが使用され得る。ホモポリマーの分子量は約7000〜25000ダルトン、例えば18000ダルトンである。好ましくは、使用ポリマーは、以後PLGと称される、ポリ(DL−ラクチド−グリコリド)である。PLGにおけるラクチド対グリコリド単位の比率は、広い範囲で変動し得る。しかしながら、90:10〜40:60ラクチド対グリコリド単位のモル比を有するのが好ましく、例えば(i)50:50ポリ(ラクチド−グリコリド)または(ii)75:25ポリ(ラクチド−グリコリド)または(iii)65:35ポリ(ラクチド−グリコリド)である。
【0031】
ポリマーは、純粋なポリ(ラクチド−グリコリド)ポリマーまたは他の単位とのコポリマーであり得る。好ましくは、それらは純粋なポリ(ラクチド−グリコリド)ポリマーである。
【0032】
典型的には、PLGの平均分子量は、約5000〜約70000ダルトン、例えば13000であり、好ましくは、それは約30000〜約70000ダルトン、特に約40000〜約60000ダルトン、さらに特定すれば約50000ダルトンである。
【0033】
PLG固有の粘度は広い範囲で変動し得る。しかしながら、標準条件下、例えば20℃で測定したとき、ヘキサフルオロイソプロパノールまたは好ましくはクロロホルム中において約0.1〜約0.8dL/g、例えば約0.2〜約0.8dL/gの範囲であるのが好ましい。好ましい例は、クロロホルム中で0.45〜0.55dL/gの粘度を有する。
【0034】
好ましくは、ポリマーは無定形である。本発明の線状ポリマーは、スターポリマーではなく、スターポリマー、例えば少なくとも3つのヒドロキシル基を含み、20000以下の分子量を有するポリオール、またはその反応性誘導体および乳酸、またはその反応性誘導体およびグリコール酸、またはその官能性誘導体の反応生成物を含むとしても5%未満、または好ましくは不含有である。これらのスターポリマー生成物は、例えば米国特許第5922682号に開示されている。
【0035】
本発明の線状ポリマーは、慣用的方法で、例えば慣用的技術、例えば二量体の重縮合および開環を用いて製造され得る。製法は、例えば米国特許第3773919号(この内容を出典明示により本明細書に援用する)の記載によるものであり得る。ポリマーは、乳酸またはその反応性誘導体、例えばD,L−ラクチド、およびグリコール酸またはその官能性誘導体、例えばグリコリドの反応生成物であり得る。線状ポリマーの製造に適切な触媒、例えば酸化亜鉛、炭酸亜鉛、塩基性炭酸亜鉛、ジエチル亜鉛、有機錫化合物、例えばオクチル酸錫(2−エチルへキサン酸錫)、トリブチルアルミニウム、チタン、マグネシウムまたはバリウム化合物またはリサージが存在し得る。オクチル酸錫(2−エチルへキサン酸錫)が好ましい。
【0036】
ポリマーは、好ましくは米国アラバマ、バーミングハム、バーミングハム・ポリマー・インコーポレイテッドから入手される。
【0037】
酢酸オクトレオチドは、慣用的方法、例えば米国特許第4395403号(この内容を出典明示により本明細書に援用する)に開示された要領で製造され得る。
【0038】
本発明微粒子のいずれかの製造局面が本明細書に開示されていない場合、上記製造局面は、慣用的方法または公知方法と類似した方法で実施され得る。
【0039】
表面上または付近のオクトレオチドの量、故に初回薬剤バーストは、例えば5分間pH4の1/15モル酢酸緩衝液を含む、水で本発明微粒子を簡単に洗浄することにより低減化され得る。
【0040】
本発明微粒子を乾燥することにより、例えば水分および他の揮発性物質、例えば塩化メチレンが除去され得る。
【0041】
乾燥工程において、本発明微粒子は、例えば
1)凍結乾燥工程または
2)10−2〜50ミリバール、例えば30ミリバールまたは0.1ミリバールの減圧
3)乾燥工程2)の場合と同じ減圧下、45℃〜55℃、好ましくは48〜54℃、最も好ましくは50〜52℃の加熱下、タンブラーにおける濾過微粒子へのマンニトール粉末の添加
にかけられ得る。
【0042】
別法として、揮発性溶媒、例えば塩化メチレンは、所望により乾燥工程2の減圧条件下、水溶液、好ましくは緩衝水溶液、例えばリン酸カリウム/ナトリウムに懸濁した微粒子から除去され得る。好ましくは、本発明微粒子は、窒素または別の不活性気体によりパージされ得る。所望ならば、本発明微粒子は、25〜55℃、好ましくは48〜54℃に加熱され得る。乾燥期間の持続時間は、例えば2時間〜5日間であり得る。
【0043】
このため、本発明は、乳化工程による酢酸オクトレオチド微粒子の製造方法であって、揮発性溶媒、例えば塩化メチレン除去工程を含む方法を提供する。
【0044】
生成した微粒子は、球体粒子の自由流動性粉末であり得る。
本発明微粒子は、好ましくは1%未満の割合でシリコーン油、例えば0.5または0.1%未満、好ましくは0.05%未満、特に0.01%未満の割合でシリコーン油を含む。
【0045】
本発明微粒子は、例えば0.5%未満、例えば0.2%未満、好ましくは0.1%未満の割合で塩化メチレンを含む。
【0046】
本発明微粒子は、例えば0.05%未満、例えば0.03%未満、好ましくは0.01%未満、特に0.005%または0.001%未満の割合でメタノールを含む。
【0047】
本発明微粒子は、例えば3%未満、例えば1%未満、0.1%未満、好ましくは0.05または0.01%未満、特に0.005%未満の割合でポリビニルアルコールを含む。
【0048】
本発明微粒子は、例えば2%未満、例えば1または2%未満、好ましくは0.1%未満のヘプタン、特に0.01%または0.005%未満の割合でヘプタンを含む。
【0049】
本発明微粒子は、例えば直径約1〜250、好ましくは10〜200、特に10〜130ミクロンのサイズ範囲を有し得る。平均直径は、例えば30〜100ミクロン、例えば30〜90ミクロン、例えば80〜100ミクロンであり得る。
【0050】
本発明微粒子のサイズ分布は、好ましくは以下の平均直径特性の少なくとも一つを有する:
慣用的光散乱方法により測定された平均サイズ分布に基づき
99%以上が130ミクロンより小
90%以上が90ミクロンより小
80%以上が70ミクロンより小
95%以上が10ミクロン大。
本発明微粒子の広いサイズ分布を有するのが好ましい。
【0051】
本発明微粒子が呈する表面は、滑らかなものから粗いものまであり得る。
本発明微粒子では滑らかな表面を有するのが好ましい。滑らかさは、慣用的方法で、例えば電子顕微鏡による視覚的測定により測定され得る。
【0052】
本発明微粒子は通常球状粒子により構成されるが、微粒子は不規則な形状であり得る。
好ましくは、表面積は、球体の対応する表面積から約5%まで変化する。
【0053】
さらに、単位用量の内容均一性が優れている。理論的用量の約85〜約115%、例えば約90〜約110%、または約95〜約105%の範囲で変動する単位用量が製造され得る。
【0054】
好ましくは、本発明微粒子は、多孔性ではなく稠密である。多孔性は、慣用的方法で、例えばBET−窒素−収着/Hg−細孔分布測定装置または電子顕微鏡による視覚的測定により、例えば切断微粒子における溝の直径および範囲を観察することにより測定され得る。
【0055】
好ましくは、本発明微粒子は、4%未満、特に3%未満、および好ましくは2%未満の割合で全オクトレオチド分解産物を含む。
本発明はまた、本発明微粒子を含む医薬組成物を提供する。
【0056】
医薬組成物は、乾燥状態であり得る。好ましくは、医薬組成物は、再構成を容易にする賦形剤を含む。一実施態様において、賦形剤は、好ましくは医薬組成物の約1%〜40%を構成する。本発明の別の実施態様では、本発明微粒子は、医薬組成物の少なくとも約90%を構成し得る。
【0057】
再構成を容易にする賦形剤は、医薬組成物と一緒に提供され得る。再構成用賦形剤は、例えば別々のバイアルまたはアンプルで、または2チャンバーシリンジの個別チャンバーで提供され得、例えば、2チャンバーシリンジは微粒子および所望による等張化剤、および所望による界面活性剤および所望による増粘剤を、例えば微粒子上でコーティングされているかまたは微粒子含有区画における一層として存在する形で含む一区画および賦形剤または水相、例えば注射用水、緩衝液、例えば生理学的pHの低モル濃度リン酸緩衝液(賦形剤の成分が全て、微粒子を懸濁させるため、微粒子と一緒に既にチャンバー中に存在する場合)を含む一区画から成る。
【0058】
本発明微粒子は疎水性である。賦形剤として水を使用するとき、本発明微粒子は再懸濁せず、それらは水相上部で浮遊している。従って、問題は、本発明微粒子を懸濁するための、注射に適切な賦形剤を見つけることである。
【0059】
本発明微粒子の湿潤性を改良するため、湿潤剤を賦形剤中に含ませることにより、本発明微粒子の水性媒質に懸濁される能力が改良され得る。しかしながら、微粒子は、それらの湿潤性を高めることにより沈降するという欠点を有することになる。
【0060】
賦形剤は、賦形剤成分、例えば増粘剤および/または湿潤剤を含み得る。懸濁用賦形剤は、上記の増粘剤および/または湿潤剤およびさらに水を含み得る。
【0061】
適切な抗凝集剤には、マンニトールが含まれる。マンニトールはまた、適切な等張化剤としての機能を果たし得る。所望ならば、乾燥状態の医薬組成物は、抗凝集剤、例えばマンニトールを含み得る。好ましくは、これは、医薬組成物の乾燥状態の微粒子の約2〜10%重量/重量、例えば約2〜5%重量/重量、例えば4%重量/重量の割合で存在する。
【0062】
微小球が賦形剤中に懸濁しているとき、等張化剤の総濃度は等張化剤の濃度に相当する。等張化剤の総濃度は、1〜50mg/ml、例えば4〜10mg/ml、例えば5〜8mg/ml、例えば6mg/mlであり得る。抗凝集剤が医薬組成物中で使用され得、すなわち、抗凝集剤は、微小球と乾燥状態で存在し得るかまたは微小球の表面に存在し得る。凝集剤が等張化剤として使用され得る場合、賦形剤中における等張化剤の濃度は、賦形剤中に懸濁している微粒子による賦形剤中における等張化/抗凝集剤の総濃度が1〜50mg/ml、例えば4〜10mg/ml、例えば5〜8mg/mlの範囲、例えば6mg/mlであり得るように計算される。
【0063】
適切な増粘剤には、以後NaCMCと称される、カルボキシメチルセルロースナトリウムが含まれる。NaCMCは低い粘稠性を有する。具体例は上記の通りであり得る。典型的には、NaCMCは高分子量を有する。60rpmでスピンドル1を伴うブルックフィールドLVT粘度計において25℃で1%(w/v)水溶液として測定したとき、粘度は約1〜30mPa・s、例えば10〜約15mPa・sであり得る。好都合には、置換度は、NaCMCについて約0.7〜約1.45、例えば約1.15〜約1.45である。典型的には、NaCMCのナトリウム含有率は、約5〜約12%、例えば約10.5%〜約12%である。これに存在し得るNaCMCは、賦形剤組成物の約0.1〜1%、例えば0.5%w/vで存在する。上記の適切な増粘剤は、賦形剤中において1〜30mg/ml、例えば7mg/ml、10mg/mlの濃度で存在し得る。
【0064】
好ましくは、湿潤剤が存在する。上記湿潤剤は、好ましくは非イオン性界面活性剤を含有する。
【0065】
a)ポリオキシエチレン ポリオキシプロピレン ブロック コポリマーとしても知られているポロキサマー。好ましくは、本発明ポロキサマーは固体である。
【0066】
一実施態様において、分子量は約2000〜約8000ダルトンである。エチレン部分の重合度は、典型的には80〜約110単位である。プロピレン部分の重合度は、典型的には20〜約60単位である。本発明による使用に適切な上記化合物の例は、例えばBASFジャーマニーから入手され得る商標名プルロニックF68として知られ、市販されているものである。プルロニックF68は、0.1mg/ml〜5mg/mlの濃度で賦形剤組成物中に存在し得る。
【0067】
b)ポリオキシエチレン−ソルビタン−脂肪酸エステル、例えば商標名
トウィーン20[ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレート]、
トウィーン40[ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノパルミテート]、
トウィーン60[ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート]、
トウィーン80[ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレエート]、
トウィーン65[ポリオキシエチレン(20)ソルビタントリステアレート]、
トウィーン85[ポリオキシエチレン(20)ソルビタントリオレエート]、
トウィーン21[ポリオキシエチレン(4)ソルビタンモノラウレート]、
トウィーン61[ポリオキシエチレン(4)ソルビタンモノステアレート]、および
トウィーン81[ポリオキシエチレン(5)ソルビタンモノオレエート]。
として市販されている公知タイプの例えばモノ−およびトリラウリル、パルミチル、ステアリルおよびオレイルエステル。
【0068】
本発明の医薬組成物で使用されるこの種類に属する特に好ましい製品は、上記製品トウィーン20、トウィーン40およびトウィーン80である。
【0069】
上記湿潤剤は、好ましくは医薬組成物の約0.01〜約1%w/v、例えば0.1%w/vの割合で存在する。上記湿潤剤は、賦形剤の約0.01〜5mg/ml、例えば2mg/mlの割合で存在し得る。
【0070】
医薬組成物は、無菌条件下、例えばバイアル中で貯蔵され得る。全工程とも好都合には、滅菌材料を用いて滅菌条件下で実施され、例えば滅菌フィルターを用いて製造される。
【0071】
本発明微粒子は、粉末形態で貯蔵され得る。所望ならば、乾燥医薬組成物および再構成用水性媒質賦形剤は、二重チャンバーシリンジで別々に収容され得る。注射として投与される場合、微粒子を、例えば患者に投与する前に、適切な懸濁用賦形剤に懸濁させる。
【0072】
懸濁用液体賦形剤の量は、好ましくは約0.5〜5ml、例えば1〜5ml、例えば1用量につき1ml、1用量につき2mlである。液体は、投与直前に乾燥医薬組成物と混合され得る。
【0073】
本発明による賦形剤は、0.1mg/ml〜5mg/mlの濃度で湿潤剤および/または1〜30mg/mlの濃度で存在する増粘剤を含む。
【0074】
さらなる局面において、本発明は、非イオン性界面活性剤と混合または混在させた線状ポリ(ラクチド−コ−グリコリド)ポリマーの酢酸オクトレオチド微粒子を含む医薬組成物を提供する(本明細書においてこれらの組成物は本発明組成物とも称される)。
【0075】
例えば本発明組成物の成分における、文献に開示されている賦形剤は、Fiedler,H.P.「Lexikon der Hilfsstoffe fur Pharmazie,Kosmetik und angrenzende Gebiete」、エディチオ・カントール・フェルラーク・アウレンドルフ、アウレンドルフ、第4改訂および拡張版(1996)ドイツ国および「Handbook of Pharmaceutical Excipients」、A.H.Kibbe編、アメリカン・ファーマシューティカル・アソーシエーション、第3版(2000)、並びに製造業者のパンフレットに報告されており(これらの内容を出典明示により本明細書に援用する)、これらは本発明医薬組成物で使用され得る。
【0076】
本明細書で使用されているパーセンテージは全て、特記しない場合、重量/重量(w/w)である。
【0077】
本発明医薬組成物は、臀部、筋肉内または皮下注射により投与され得る。注射により投与される本発明医薬組成物により、長期間にわたる、例えば2週間〜6ヶ月間にわたる、例えば2週間〜8週間にわたる、例えば2〜6週間にわたる有効な治療法が提供される。微粒子は、拡散によるオクトレオチドの放出制御を可能にするため、薬剤の定常レベルが長期間にわたって達成される。
【0078】
本発明微粒子は、公知酢酸オクトレオチド微粒子と同じ適応症に使用され得る。
オクトレオチドの正確な用量は、処置される状態、処置される状態の重症度、対象の体重および治療の継続時間を含む、若干の因子により左右される。
【0079】
使用される本発明微粒子の正確な用量は、オクトレオチドの放出速度および所望の処置継続時間を含む、若干の因子により異なる。
【0080】
量は、標準動物と臨床試験、例えばウサギを用いた生物学的利用能試験を用い、標準物質としてサンドスタチンLARを用いて決定され得る。オクトレオチド濃度は、慣用的方法、例えばガスクロマトグラフィーまたは高速液体クロマトグラフィーを用いて測定され得る。典型的には、ヒトにおけるサンドスタチンLARの場合、初回薬剤バーストが見られ、数日間で最下点まで下降し、注射後2〜3週間プラトー相が続く。例えば、20mgのオクトレオチド用量では、約800ng/lの最大血清濃度には21日目に到達し、4週間続き得る。
【0081】
所望ならば、慣用的インビトロ試験が使用され得る。上記の酢酸緩衝液(pH4、0.1mM)中のサンドスタチンLARによる一試験では、連続放出プロフィールが観察される。好ましくは、純水を使用する。オクトレオチドの放出特性は、以下のいずれかであり得る:
1時間でオクトレオチド用量の1.5%以下、例えば少なくとも0.2%
4時間でオクトレオチド用量の4%以下、または
24時間でオクトレオチド用量の7%以下。
【0082】
30日間にわたって本発明微粒子の単一投与を使用するのが好ましい。本発明医薬組成物は、好ましくは10、20または30mgのオクトレオチドを含有する。
【0083】
好都合には、本発明微粒子中に含まれるオクトレオチドの割合は、約1〜約50%、例えば1〜約50%、例えば1〜7%、例えば約3〜約7%、典型的には4〜6%、例えば5%である。
【0084】
本発明医薬組成物は、オクトレオチドで処置され得る病気、例えば先端巨大症の処置に有用である。
【0085】
本発明はまた、以下のものを提供する:
a)オクトレオチドにより処置され得る病気、例えば先端巨大症の処置を目的として患者に投与される本発明微粒子または医薬組成物の製造におけるオクトレオチドの使用。
【0086】
b)例えば先端巨大症の処置を目的とするオクトレオチドの投与方法であって、本発明のオクトレオチド治療を必要とする患者に本発明微粒子または医薬組成物を投与することを含む方法。
【実施例】
【0087】
以下、単なる例示として、本発明のデポ型処方物について記載する。
【0088】
実施例1:微粒子
工程a)約2.5gのポリ(DL−ラクチド−コ−グリコリド)[ポリマー]を、25gの塩化メチレンに溶かすことにより、9重量%ポリマー溶液を製造する。ポリマーが完全に溶解した後、メタノール3.7g中の188mgの酢酸オクトレオチド[薬剤]を加え、溶解させる。
【0089】
工程b)次いで、このポリマー/薬剤溶液を、400gの5.0重量%ポリビニルアルコール(PVA)を含む1−L容器中に注ぐ。PVAを、2.5インチのインペラー(例、フィッシャー・ステディ−スピードモーター駆動式テフロン(TEFLON))により約750rpmで攪拌する。また、PVAを7mlの塩化メチレンで飽和させた後、ポリマー/薬剤溶液を加える。生成したエマルションを7分間攪拌させておく。
【0090】
工程c)容器内容物を、全部一度に12.0リットルの攪拌脱イオン水へ移す。微粒子を脱イオン水中で約30分間攪拌し、次いで連続配置させた45μmメッシュサイズ計量器および212μmメッシュサイズステンレス鋼メッシュ鋼ふるいにおいて集める。微粒子を追加の脱イオン水ですすぎ、風乾する。
得られた本発明微粒子は、上記特性を有する。
【0091】
実施例2
賦形剤組成物
実施例1の微粒子を、マンニトールと混合し、微粒子およびマンニトールを含む一区画および微粒子懸濁用賦形剤を含む一区画から成る2チャンバーシリンジ(TCS)中へ無菌充填する。
【0092】
賦形剤組成:
mg/ml mg/ml
プルロニックF68 2.0 2.0
カルボキシメチルセルロースナトリウム 10.0 10.0
(ブラノース7LFD)
マンニトール 6.0 12.0
注射用水 適量加えて2.0ml 2.0ml
【0093】
賦形剤成分を不活性雰囲気下、例えば窒素雰囲気下で一緒に混合する。乾燥医薬組成物用の本発明微粒子における10mg用量のオクトレオチドの賦形剤として、2mlの賦形剤が提供される。
【0094】
実施例3:アンプル中の賦形剤およびバイアル中の微粒子:
実施例1の5%含有量で酢酸オクトレオチドの20mg用量に対応する480mg微粒子を、6Rバイアルにおける2.0mlの下記組成Aの賦形剤に懸濁する。約30秒間振とうすることにより、懸濁液を均一にする。再構成懸濁液は、20ゲージ針を用いて問題なく注射され得る。
賦形剤組成物A:
mg
プルロニックF68 2.0
カルボキシメチルセルロースナトリウム 7.0
(ブラノース7LFD)
マンニトール 45.0
注射用水 適量加えて1.0ml
【0095】
実施例4:DCS中における微粒子および賦形剤
実施例1の微粒子240mgを、1mlの賦形剤組成物B中で再構成させ、1〜12時間400rpmにてプロペラミキサーでホモジネートし、ダブルチャンバーシリンジに無菌充填し、次いで凍結乾燥する。
【0096】
微粒子凍結乾燥物を1mlの純水(WBU)で再構成することにより、20ゲージ針を用いて全く問題なく注射され得る微粒子の迅速かつ良好な湿潤が達成される。
賦形剤組成物B:
mg
プルロニックF68 2.0
カルボキシメチルセルロースナトリウム 17.5
(ブラノース7LFD)
マンニトール 36.0
注射用水 適量加えて1.0ml

【特許請求の範囲】
【請求項1】
線状ポリ(ラクチド−コ−グリコリド)ポリマーの酢酸オクトレオチド微粒子を含む医薬組成物であって、ポリマーが1%未満の割合でシリコーン油またはヘプタンを含み、好ましくはシリコーン油またはヘプタン不含有である医薬組成物。
【請求項2】
非イオン性界面活性剤を含む賦形剤と混合または混在させた状態で線状ポリ(ラクチド−コ−グリコリド)ポリマーの酢酸オクトレオチド微粒子を含む医薬組成物。
【請求項3】
さらに抗凝集剤を含む、請求項1または2記載の医薬組成物。
【請求項4】
酢酸オクトレオチド微粒子の製造方法であって、
a)溶解した線状ポリ(ラクチド−コ−グリコリド)を含む塩化メチレンに酢酸オクトレオチドを溶解または分散させて分散液を形成させ、
b)上記分散液を有効量の連続調製媒質と合わせて、上記調製媒質、および上記酢酸オクトレオチド、上記溶媒および上記線状ポリ(ラクチド−コ−グリコリド)を含む微小液滴を含むエマルションを形成させ、そして
c)上記エマルション形成直後、有効量の抽出媒質に上記エマルションを全部一度に加えて、上記微小液滴から上記溶媒を抽出することにより、上記微粒子を形成させる
工程を含む方法。
【請求項5】
多段階乳化工程による酢酸オクトレオチド微粒子の製造方法であって、
a)酢酸オクトレオチドを水に溶かし、溶解した線状ポリ(ラクチド−コ−グリコリド)を含む塩化メチレンにより酢酸オクトレオチド水溶液を乳化させることにより、油中水型エマルションを形成させ、そして
b)エマルションを水により乳化させる
工程を含む改良が加えられた方法。
【請求項6】
請求項4または5記載の方法により得られる線状ポリ(ラクチド−コ−グリコリド)ポリマーの酢酸オクトレオチド微粒子。
【請求項7】
湿潤剤および増粘剤を含む賦形剤と一緒に請求項6記載の微粒子を含む、請求項1、2または3記載の医薬組成物。
【請求項8】
前記賦形剤の湿潤剤がプルロニックF68である、請求項7記載の医薬組成物。
【請求項9】
前記賦形剤がさらに等張化剤を含む、請求項7記載の医薬組成物。
【請求項10】
請求項1、2または7記載の医薬組成物を含む市販パッケージ。

【公開番号】特開2011−256185(P2011−256185A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−165812(P2011−165812)
【出願日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【分割の表示】特願2004−552645(P2004−552645)の分割
【原出願日】平成15年11月18日(2003.11.18)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
2.TEFLON
【出願人】(504389991)ノバルティス アーゲー (806)
【Fターム(参考)】