説明

オットマン装置

【課題】使用位置では、シートクッション4先端から延ばされた支持部1が着座乗員の脚部を下方から支持し、使用を終えた格納位置では、支持部1がシートクッション下に格納されるオットマン装置において、支持部1の格納位置においては隙隠し部材31を予め決めた位置に収納することにより、隙隠し部材がオットマン装置の駆動機構等に挟まれてしまう可能性を抑制する。
【解決手段】使用位置においてシートクッション4先端と支持部1との間に生じる隙間を覆う隙隠し部材31を備え、隙隠し部材の端部は、所定位置に固定された収納部材13に結合されており、収納部材13は、支持部1が使用位置にあるとき、隙隠し部材31により前記隙間を覆い隠すように隙隠し部材31を展開させ、支持部1が格納位置にあるとき、前記隙間が縮小するのに合わせて隙隠し部材31を収納する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使用位置では、シートクッション先端から延ばされた支持部が着座乗員の脚部を下方から支持し、使用を終えた格納位置では、支持部がシートクッション下に格納されるオットマン装置に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、オットマン装置において、シートクッション先端とオットマン装置の支持部との間の隙間を隙隠し部材により覆うようにした発明が開示されている。特許文献1の隙隠し部材は柔軟に変形自在なシート材から成り、シートクッション先端とオットマン装置の支持部との間に張設され、支持部の格納時には、シート材は両端間で折り畳まれてシートクッション下に収納される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−201773号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のように隙隠し部材としてのシート材は、自由に変形するものであるため、支持部の格納時に必ず決まった位置に収納されるとは限らず、収納されるまでの間に、周辺に位置するオットマン装置の駆動機構等と干渉して、その駆動機構等に挟まれてしまう可能性がある。そのようにシート材がオットマン装置の駆動機構に挟まれると、その後のオットマン装置の駆動機構の正常な動作に悪影響を与える可能性がある。
本発明は、このような問題に鑑み、オットマン装置の格納位置においては隙隠し部材を予め決めた位置に収納することにより、隙隠し部材がオットマン装置の駆動機構等に挟まれてしまう可能性を抑制することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1発明は、使用位置では、シートクッション先端から延ばされた支持部が着座乗員の脚部を下方から支持し、使用を終えた格納位置では、支持部がシートクッション下に格納されるオットマン装置において、使用位置においてシートクッション先端と支持部との間に生じる隙間を覆う隙隠し部材を備え、隙隠し部材の端部は、所定位置に固定された収納部材に結合されており、収納部材は、支持部が使用位置にあるとき、隙隠し部材により前記隙間を覆い隠すように隙隠し部材を展開させ、支持部が格納位置にあるとき、前記隙間が縮小するのに合わせて隙隠し部材を収納することを特徴とする。
第1発明によれば、支持部の格納位置においては、隙隠し部材は所定位置に固定された収納部材内に収納されるため、隙隠し部材が変形自在に形成されていても、支持部が使用位置から格納位置へ移動する間に、隙隠し部材がオットマン装置の駆動機構等に挟まれる可能性を抑制することができる。
【0006】
本発明の第2発明は、上記第1発明において、隙隠し部材は、上方からの視線で前記隙間を通して下方が見えないように覆い隠すように設定され、収納部材は、支持部の脚支持面に沿って隙隠し部材を収納するスペースを持った収納体が支持部と一体に設けられて成り、収納体には、隙隠し部材の一端を前記スペース内へ引き込むように付勢する付勢手段が設けられていることを特徴とする。
第2発明によれば、収納体は隙隠し部材を支持部の脚支持面に沿って収納するので、薄型でコンパクトに構成することができ、しかも収納体が支持部と一体に設けられているため、支持部が少し大型化する程度で隙隠し部材を備えないオットマン装置の構造を変更することなく隙隠し部材を備えることができる。また、シートクッション下には隙隠し部材を収納するためのスペースを確保する必要がないため、シートクッションは汎用のものと共通化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す側面説明図であり、オットマン装置の支持部が使用位置にある状態を示す。
【図2】図1と同様の図であり、オットマン装置の支持部が格納位置にある状態を示す。
【図3】本発明の第2の実施形態を示す側面説明図であり、オットマン装置の支持部が使用位置にある状態を示す。
【図4】図3の実施形態における隙隠し部材の拡大斜視図である。
【図5】図4の隙隠し部材を構成する板状片の拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
<第1の実施形態>
ここでは、第1の実施形態として、車両用シートのオットマン装置に本発明を適用した場合について説明する。
オットマン装置は、図1に示すように、シートに着座した乗員Pの脚部の脹脛部を下方から支持部1によって支持するように構成されており、このような使用位置から図2に示すように、移動手段2によって支持部1をシートクッション4の下の格納位置に格納するように構成されている。なお、図1、2では乗員Pが図示されているが、シートクッション4及び支持部1は乗員Pがいない状態で示している。
具体的には、オットマン装置の移動手段2は、図1に示すように2個の駆動部21、22を備えたリンク機構20から成る。図1及び図2はシートクッション4及びオットマン装置を側面から見た状態を示すが、図示のリンク機構20は、車両幅方向に一対設けられ、一つの支持部1を移動可能に支持している。以下の説明では、一対のリンク機構20のうち片側のみについて説明するが、他側のリンク機構20も同様に構成されている。
【0009】
シートクッション4の下には第1リンク23が、その上端でシートクッション4に固定され、第1リンク23の下端には駆動部21が設けられ、第1リンク23の前方に配置された第2リンク24の下端を駆動部21によって前後方向に揺動可能としている。
また、第2リンク24の上端には、駆動部22が設けられ、Xリンク25の第1入力端251が駆動部22に前後方向に揺動自在に結合されている。Xリンク25の第2入力端252は、第3リンク26を介して第2リンク24の中間部に揺動自在に結合されている。Xリンク25の第1出力端253は、支持部1のプレート11の後端部に揺動自在に結合され、Xリンク25の第2出力端254は、第4リンク27を介して支持部1のプレート11の下面中央部に揺動自在に結合されている。その結果、第2リンク24、第3リンク26及びXリンク25によって一つの四節リンクが構成され、Xリンク25、第4リンク27及びプレート11によってもう一つの四節リンクが構成されている。
【0010】
リンク機構20は、駆動部21を回転駆動して第2リンク24を前後方向に揺動することにより第2リンク24の初期位置からの揺動角度θを変化させて支持部1の支持位置を前後方向に移動させる。また、駆動部22を回転駆動してXリンク25の第1入力端251を前後方向に揺動することにより、Xリンク25を伸縮させてXリンク25の初期位置からの揺動角度φを変化させ、支持部1の支持位置を前後、且つ上下方向に移動させる。
従って、駆動部21、22を回転駆動して上記角度θ及びφを最小角度(初期位置)としたときは、図2に示すようにリンク機構20を折り畳んで支持部1をシートクッション4の下に格納する。また、上記角度θ及びφを最大角度としたときは、図1に示すようにリンク機構20を車両前方へ延ばして支持部1を前方、且つ上方へ移動する。
【0011】
シートクッション4の先端と支持部1との間の隙間には、一対のリンク機構20の上方に隙隠し部材31が設けられており、隙隠し部材31は図1の上方からの視線で上記隙間から下方のリンク機構20が見えないように覆い隠している。
この場合の隙隠し部材31は、布、樹脂シートなどで構成されて、柔軟性を備えており、このシートクッション4側の端部312がシートクッションフレーム41にビス42により固定され、支持部1側の端部311が支持部1に支持されている。
支持部1は、上述のプレート11の上面に乗員の脚部への当接をソフトにするようにクッション部12が固定されており、更にプレート11とクッション部12との間には、収納体131が介挿固定されている。
収納体131は、プレート11及びクッション部12と互いの重なり方向で同じ大きさに形成され、その内部に隙隠し部材31をプレート11の平面及びクッション部12の脚支持面121に沿って収納するようにスペースを備えている。
【0012】
隙隠し部材31の端部311は、収納体131におけるシートクッション4の先端に近い側から収納体131のスペース内に挿入され、その収納体131内で隙隠し部材13の挿入口とは反対側に付勢手段としての引張りばね132が固定されており、引張りばね132はその先端が隙隠し部材31の端部311に固定されて、隙隠し部材31を収納体131内に引き込むように付勢している。
収納体131の隙隠し部材31の挿入口には、隙隠し部材31の端部311が収納体131から抜け出さないようにするためのストッパ133が設けられている。このストッパ133は、収納体131の挿入口の内側寸法を小さくするように挿入口内側に突出して形成されており、隙隠し部材31の端部311がその厚さを拡大形成されている(拡大形成部という)ことにより、隙隠し部材31の端部311が挿入口から抜けようとしても、ストッパ133に係合して抜けないようにされている。
このような隙隠し部材31の抜け止め構造は、この他にも種々のものが採用可能であり、例えば、上述の隙隠し部材31の端部311と同様の拡大形成部が、収納体131の内壁に隙隠し部材31の入出方向に形成されたスリット内を摺動するように構成して、そのスリットが収納体131の挿入口部で閉鎖された構成とすることにより抜け止め構造としても良い。
【0013】
図1のように、オットマン装置の支持部1が使用位置にあり、支持部1が乗員の脚部を支持しているときは、隙隠し部材31は収納体131から引き出されて、シートクッション4の先端と支持部1との間の隙間を上方からの視線に対して覆い隠して、リンク機構20が露出しないようにしている。このとき、引張りばね132は収納体131内で大きく伸ばされた状態で隙隠し部材31に張力を与えている。従って、隙隠し部材31はシートクッション4の先端と支持部1との間で弛みなく張られた状態で、見栄え良く構成されている。
【0014】
図2のように、オットマン装置の支持部1が格納位置にあり、支持部1がシートクッション4の下に格納されているときは、隙隠し部材31は、その端部311が引張りばね132で収納体131内に引き込まれることにより、シートクッション4の先端と支持部1とが接近するのに伴って生じる隙隠し部材31の余長部分は収納体131内に収納される。このとき、隙隠し部材31はプレート11の平面及びクッション部12の脚支持面に沿うように収納される。
【0015】
以上のように、オットマン装置の支持部1の格納位置においては、隙隠し部材31は所定位置に固定された収納体131内に収納されるため、隙隠し部材31が変形自在に形成されていても、支持部1が使用位置から格納位置へ移動する間に、隙隠し部材31がオットマン装置のリンク機構20に挟まれる可能性を抑制することができる。
また、収納体131は隙隠し部材31を支持部1のプレート11及びクッション部12の脚支持面121に沿って収納するので、薄型でコンパクトに構成することができ、しかも収納体131が支持部1と一体に設けられているため、支持部1が少し大型化する程度で隙隠し部材31を備えないオットマン装置の構造を変更することなく隙隠し部材31を備えることができる。更に、シートクッション4の下には隙隠し部材31を収納するためのスペースを確保する必要がないため、シートクッション4は汎用のものと共通化することができる。
【0016】
<第2の実施形態>
図3は第2の実施形態を示し、第2の実施形態が上述の第1の実施形態と相違する点は、隙隠し部材の素材を変更した点であり、その他の構成は両実施形態間で相違はなく、同一部分については同一符号を付して繰り返しとなる説明は省略する。
第2の実施形態における隙隠し部材32は、図4、5に良く示されているように、腕時計の金属バンドに多用されているものに類似したもので、複数の金属又は樹脂の板状片323を連結ピン3233によって互いに連結したものである。
即ち、一つの板状片323は、図5のように、一端側の中央部と他端側の両端部にそれぞれ耳部3231、3232が設けられ、それらの耳部3231、3232に連結ピン3233が挿入可能とされている。このように構成された板状片323を図4のように一端側の耳部3231が他端側の耳部3232間に嵌るように多数連結して、両耳部3231、3232間を貫通させて連結ピン3233を通すことにより板面の方向に変形自在なバンドが構成され、バンドの両端の板状体324、325は、連結ピン3233及び耳部3231、3232が片側のみにされている。
【0017】
このように構成された隙隠し部材32を第1の実施形態における隙隠し部材31と同様にシートクッション4の先端と支持部1との間に取り付けることにより、隙隠し部材32によってシートクッション4の先端と支持部1との間の隙間を覆って、オットマン装置のリンク機構20が上方から見えないようにしている。
隙隠し部材32の機能は基本的に第1の実施形態における隙隠し部材31と同様であり、作用効果も変わらない。従って、ここでは繰り返しとなる説明は省略する。
【0018】
本発明は、上記実施形態で説明した外観、構成に限定されず、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更、追加、削除が可能である。例えば、
1.隙隠し部材は、シートクッション先端とオットマン装置の支持部との間の隙間の側面を覆い隠すものでも良い。つまり、側面からオットマン装置の駆動機構が見えないようにするものでも良い。
2.収納部材は、シートクッション下に設けられても良い。
3.収納部材は、隙隠し部材を一つの軸上に巻き取る巻取器としても良い。
【符号の説明】
【0019】
1 支持部
11 プレート
12 クッション部
13 収納部材
131 収納体
132 引張りばね(付勢手段)
2 移動手段
20 リンク機構(駆動機構)
31、32 隙隠し部材
4 シートクッション


【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用位置では、シートクッション先端から延ばされた支持部が着座乗員の脚部を下方から支持し、使用を終えた格納位置では、前記支持部がシートクッション下に格納されるオットマン装置において、
使用位置においてシートクッション先端と前記支持部との間に生じる隙間を覆う隙隠し部材を備え、
該隙隠し部材の端部は、所定位置に固定された収納部材に結合されており、
該収納部材は、前記支持部が使用位置にあるとき、前記隙隠し部材により前記隙間を覆い隠すように隙隠し部材を展開させ、前記支持部が格納位置にあるとき、前記隙間が縮小するのに合わせて前記隙隠し部材を収納することを特徴とするオットマン装置。
【請求項2】
請求項1において、前記隙隠し部材は、上方からの視線で前記隙間を通して下方が見えないように覆い隠すように設定され、
前記収納部材は、前記支持部の脚支持面に沿って前記隙隠し部材を収納するスペースを持った収納体が支持部と一体に設けられて成り、
前記収納体には、前記隙隠し部材の一端を前記スペース内へ引き込むように付勢する付勢手段が設けられていることを特徴とするオットマン装置。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2013−94526(P2013−94526A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−242102(P2011−242102)
【出願日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【出願人】(000241500)トヨタ紡織株式会社 (2,945)
【Fターム(参考)】