説明

オピオイドレセプター傷害抑制剤

【課題】本発明は、オピオイドレセプター傷害抑制剤に関し、特にオピオイドレセプターの傷害により生じる皮膚機能の低下に対して有効な防止、改善効果を有するオピオイドレセプター傷害抑制剤を提供することを目的とする。
【解決手段】マンネンタケ属に属するキノコの抽出物を含有させることで、外部刺激によるオピオイドレセプターの損傷の防止に有効なオピオイドレセプター傷害抑制剤およびそれを含有する化粧品、医薬部外品及び医薬品に関する。
【効果】本発明のオピオイドレセプター傷害抑制剤及びそれを含む皮膚外用剤は、紫外線などの外部刺激を介して促進されるオピオイドレセプターの損傷に対して、抑制作用を有する。詳しくは、オピオイドレセプターの損傷により誘導される皮膚バリア機能の低下を改善し、皮膚の乾燥防止、肌荒れの改善、角質肥厚に伴うくすみなどの改善に有効なオピオイドレセプター傷害抑制剤に関するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オピオイドレセプター傷害抑制剤に関し、特にオピオイドレセプターの傷害により生じる皮膚機能の低下に対して有効な防止、改善効果を有するオピオイドレセプター傷害抑制剤を提供することを目的とする。詳しくは、マンネンタケ属に属するキノコの抽出物を含有することで、紫外線や炎症などの外部刺激により促進される皮膚細胞のオピオイドレセプターの損傷に対して優れた抑制効果を有し、オピオイドレセプターの損傷により誘導される皮膚バリア機能の低下、皮膚の乾燥、肌荒れ、角質肥厚に伴うくすみなどの改善効果が期待されるオピオイドレセプター傷害抑制剤に関する。
【背景技術】
【0002】
オピオイドレセプターは、β−エンドルフィンに代表される内因性のオピオイドペプチドと特異的に結合し、モルヒネ様鎮痛作用を示す受容体である。従来、神経細胞などの痛覚伝達経路に分布すると考えられてきたが、近年生体内に幅広く分布することが確認され、内因性オピオイドペプチドの広範な機能が示唆されている(非特許文献1)。皮膚においても、皮膚を構成する主要な細胞である表皮角化細胞および線維芽細胞にオピオイドレセプターの発現およびオピオイドペプチドの分泌が確認されており、その機能に関する研究が進められている。
【非特許文献1】今堀和友,生化学辞典 第3版,東京化学同人,253-254,1998.
【0003】
オピオイドレセプターが皮膚細胞に与える影響としては、アゴニストであるβ−エンドルフィンと結合することで、表皮角化細胞の分化マーカーであるCytokeratin16(サイトケラチン16)の産生が高まるという報告(非特許文献2)や、ケラチノサイトの遊走が刺激されるという報告(非特許文献3)がある。つまり、オピオイドレセプターは、β−エンドルフィンを介して、表皮の分化を促進する重要な作用を有すると考えられる。よって、オピオイドレセプターの障害を抑制または修復させることにより、皮膚バリア機能が正常化され、皮膚の乾燥防止、肌荒れの改善、角質肥厚に伴うくすみなどを特に効果的に改善させることが可能になった。
【非特許文献2】Bigliardi-Qi M.,J.Invest.Dermatol.,114: 527−532,2000.
【非特許文献3】Bigliardi PL,J.Receptors Signal Transduction,22:191−199,2002.
【0004】
また、皮膚は、紫外線や熱、物理刺激、炎症などの刺激を常時受けている。これらの外部刺激により、オピオイドレセプターの損傷が起こり、β−エンドルフィンの皮膚細胞への作用が低下する恐れがある。つまり、β−エンドルフィンがあるにも関わらず、そのレセプターであるオピオイドレセプターの損傷により、β−エンドルフィンの皮膚細胞への作用が十分に現れず、表皮の分化が低下する等、皮膚機能の低下が起こる可能性が高いと考えられる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、外部刺激による皮膚細胞のオピオイドレセプター傷害を抑制し、その結果生じる皮膚機能の低下に対して有効な防止、改善効果を有するオピオイドレセプター傷害抑制剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この様な事情により、本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、マンネンタケ属に属するキノコの抽出物が、皮膚細胞のオピオイドレセプター傷害に対して、優れた抑制効果を持つことを見出し、本発明を完成するに至った。
【発明の効果】
【0007】
本発明のマンネンタケ属に属するキノコの抽出物及びそれを含有するオピオイドレセプター傷害抑制剤は、外部刺激により促進される皮膚細胞のオピオイドレセプターの損傷に対して抑制作用を有する。詳しくは、オピオイドレセプターの損傷により誘導される皮膚バリア機能の低下を改善し、皮膚の乾燥防止、肌荒れの改善、角質肥厚に伴うくすみなどの改善に有効なオピオイドレセプター傷害抑制剤に関するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明に用いるマンネンタケは、マンネンタケ科、マンネンタケ属に属し、霊芝(赤霊芝、学名:Ganoderma lucidum)、黒霊芝(学名:G.japonicum,G.sinense,G.atrum)、紫霊芝(学名:G.japonicum,G.sinense)、マゴジャクシ(学名:G.neo−japonicum)等が含まれる。本発明のマンネンタケの抽出物とは、例えば子実体や菌糸体等の抽出物が挙げられ、単独又は両者を混合して用いてもよい。また、マンネンタケの抽出物を併用してもよい。
【0009】
以上マンネンタケ属に属するキノコのなかでも、マンネンタケやマゴジャクシが好ましい。
【0010】
また、本発明で使用するマンネンタケ属に属するキノコの抽出物は、マンネンタケ属に属するキノコを抽出溶媒と共に浸漬または加熱した後、濾過し、必要ならば濃縮して得られる。抽出溶媒としては、例えば、水、低級1価アルコール類(メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール等)、液状多価アルコール(1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール等)、炭化水素(ヘキサン、ペンタン等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン等)、エーテル類(エチルエーテル、テトラヒドロフラン、プロピルエーテル等)、アセトニトリル等があげられる。これらの溶媒は単独で用いても2種以上を混合して用いてもよい。好ましくは、水あるいは水溶性溶媒(水と任意の割合で混合可能な溶媒。例えば、エタノール、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール等)のうち1種または2種以上の溶媒を用いるのがよい。抽出物はそのまま用いてもよいし、溶媒を一部、または全部留去して用いてもよい。
【0011】
本発明のオピオイドレセプター傷害抑制剤には、上記マンネンタケ属に属するキノコの抽出物をそのまま使用しても良く、効果を損なわない範囲内で、通常の外用剤に用いられる成分である油脂類、ロウ類、炭化水素類、脂肪酸類、アルコール類、エステル類、界面活性剤、金属石鹸、pH調整剤、防腐剤、香料、保湿剤、粉体、紫外線吸収剤、増粘剤、色素、酸化防止剤、美白剤、キレート剤等の成分を配合することもできる。
【0012】
本発明に用いるオピオイドレセプター傷害抑制剤は、化粧品、医薬部外品及び医薬品のいずれにも用いることができ、その剤型としては、例えば、化粧水、クリーム、乳液、ゲル剤、エアゾール剤、パップ剤、エッセンス、パック、洗浄剤、浴用剤、ファンデーション、打粉、口紅、軟膏、シャンプー、リンス、トリートメント、トニック等が挙げられる。
【0013】
本発明に用いるマンネンタケ属に属するキノコの抽出物の配合量は特に限定されないが、乾燥物として0.0001〜75重量%の範囲が好ましく、さらに好ましくは0.001〜30重量%である。0.0001重量%以下では効果が低く、また75重量%を超えても効果に大きな増強はみられにくく、効率的でない。また、添加の方法については、予め加えておいても製造途中で添加しても良く、作業性を考えて適宜選択すれば良い。
【実施例1】
【0014】
次に本発明を詳細に説明するため、実施例として本発明に用いる抽出物の製造例、処方例及び実験例を挙げるが、本発明はこれに限定されるものではない。実施例に示す配合量は重量%を示す。
【0015】
製造例1 マゴジャクシの熱水抽出物
マゴジャクシの乾燥物20gに400mLの精製水を加え、95〜100℃で2時間抽出した後、不溶物を濾過し、その濾液を濃縮し、凍結乾燥してマゴジャクシの熱水抽出物2.0gを得た。
【0016】
製造例2 黒霊芝の熱水抽出物
黒霊芝の乾燥物20gに400mLの精製水を加え、95〜100℃で2時間抽出した後、不溶物を濾過し、その濾液を濃縮し、凍結乾燥して黒霊芝の熱水抽出物1.3gを得た。
【0017】
製造例3 霊芝の熱水抽出物
霊芝の乾燥物20gに400mLの精製水を加え、95〜100℃で2時間抽出した後、不溶物を濾過し、その濾液を濃縮し、凍結乾燥して霊芝の熱水抽出物1.4gを得た。
【0018】
製造例4 マゴジャクシのエタノール抽出物
マゴジャクシの乾燥物100gに900mLのエタノールを加え、常温で7日間抽出した後、不溶物を濾過し、その濾液を濃縮乾固してマゴジャクシのエタノール抽出物1.5gを得た。
【0019】
製造例5 黒霊芝のエタノール抽出物
黒例芝の乾燥物100gに900mLのエタノールを加え、常温で7日間抽出した後、不溶物を濾過し、その濾液を濃縮乾固して黒霊芝のエタノール抽出物1.5gを得た。
【0020】
製造例6 霊芝のエタノール抽出物
霊芝の乾燥物100gに900mLのエタノールを加え、常温で7日間抽出した後、不溶物を濾過し、その濾液を濃縮乾固して霊芝のエタノール抽出物1.6gを得た。
【0021】
製造例7 マゴジャクシの1,3−ブチレングリコール水溶液抽出物
マゴジャクシの乾燥物100gに1kgの精製水及び1kgの1,3−ブチレングリコールを加え、常温で7日間抽出した後、不溶物を濾過し、マゴジャクシの1,3−ブチレングリコール水溶液抽出物1.9kgを得た。
【0022】
製造例8 黒霊芝の1,3−ブチレングリコール水溶液抽出物
黒霊芝の乾燥物100gに1kgの精製水及び1kgの1,3−ブチレングリコールを加え、常温で7日間抽出した後、不溶物を濾過し、黒霊芝の1,3−ブチレングリコール水溶液抽出物1.9kgを得た。
【0023】
製造例9 霊芝の1,3−ブチレングリコール水溶液抽出物
霊芝の乾燥物100gに1kgの精製水及び1kgの1,3−ブチレングリコールを加え、常温で7日間抽出した後、不溶物を濾過し、霊芝の1,3−ブチレングリコール水溶液抽出物1.9kgを得た。
【実施例2】
【0024】
次に、本発明に係る実施例の処方を示す。
【0025】
処方例1 クリーム
処方 配合量(重量%)
1.マゴジャクシの熱水抽出物(製造例1) 0.05
2.スクワラン 5.5
3.オリーブ油 3.0
4.ステアリン酸 2.0
5.ミツロウ 2.0
6.ミリスチン酸オクチルドデシル 3.5
7.ポリオキシエチレンセチルエーテル(20E.O.) 3.0
8.ベヘニルアルコール 1.5
9.モノステアリン酸グリセリン 2.5
10.香料 0.1
11.1,3−ブチレングリコール 8.5
12.パラオキシ安息香酸エチル 0.05
13.パラオキシ安息香酸メチル 0.2
14.精製水 68.1
[製造方法]成分2〜9を加熱して混合し、70℃に保ち油相とする。成分1及び11〜14を加熱溶解して混合し、75℃に保ち水相とする。油相に水相を加えて乳化して、かき混ぜながら冷却し、45℃で成分10を加え、更に30℃まで冷却して製品とする。
【0026】
比較例1 従来のクリーム
実施例1において、マゴジャクシの熱水抽出物を精製水に置き換えたものを従来のクリームとした。
【0027】
処方例2 化粧水
処方 配合量(重量%)
1.黒霊芝の熱水抽出物(製造例2) 0.01
2.1,3−ブチレングリコール 8.0
3.グリセリン 2.0
4.キサンタンガム 0.02
5.クエン酸 0.01
6.クエン酸ナトリウム 0.1
7.エタノール 5.0
8.パラオキシ安息香酸メチル 0.1
9.ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(40E.O.) 0.1
10.香料 0.1
11.精製水 84.56
[製造方法]成分1〜6及び11と、成分7〜10をそれぞれ均一に溶解し、両者を混合し濾過して製品とする。
【0028】
処方例3 乳液
処方 配合量(重量%)
1.霊芝の熱水抽出物(製造例3) 0.05
2.スクワラン 5.0
3.オリーブ油 5.0
4.ホホバ油 5.0
5.セタノール 1.5
6.モノステアリン酸グリセリン 2.0
7.ポリオキシエチレンセチルエーテル(20E.O.) 3.0
8.ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート 2.0
9.香料 0.1
10.プロピレングリコール 1.0
11.グリセリン 2.0
12.パラオキシ安息香酸メチル 0.2
13.精製水 73.15
[製造方法]成分2〜8を加熱溶解して混合し、70℃に保ち油相とする。成分1及び10〜13を加熱溶解して混合し、75℃に保ち水相とする。油相に水相を加えて乳化して、かき混ぜながら冷却し、45℃で成分9を加え、更に30℃まで冷却して製品とする。
【0029】
処方例4 軟膏
処方 配合量(重量%)
1.マゴジャクシのエタノール抽出物(製造例4) 1.0
2.ポリオキシエチレンセチルエーテル(30E.O.) 2.0
3.モノステアリン酸グリセリン 10.0
4.流動パラフィン 5.0
5.セタノール 6.0
6.パラオキシ安息香酸メチル 0.1
7.プロピレングリコール 10.0
8.精製水 65.9
[製造方法]成分2〜5を加熱溶解して混合し、70℃に保ち油相とする。成分1及び6〜8を加熱溶解して混合し、75℃に保ち水相とする。油相に水相を加えて乳化して、かき混ぜながら30℃まで冷却して製品とする。
【0030】
処方例5 ファンデーション
処方 配合量(重量%)
1.黒霊芝のエタノール抽出物(製造例5) 1.0
2.ステアリン酸 2.4
3.ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート 1.0
(20E.O.)
4.ポリオキシエチレンセチルエーテル(20E.O.) 2.0
5.セタノール 1.0
6.液状ラノリン 2.0
7.流動パラフィン 3.0
8.ミリスチン酸イソプロピル 6.5
9.パラオキシ安息香酸ブチル 0.1
10.カルボキシメチルセルロースナトリウム 0.1
11.ベントナイト 0.5
12.プロピレングリコール 4.0
13.トリエタノールアミン 1.1
14.パラオキシ安息香酸メチル 0.2
15.二酸化チタン 8.0
16.タルク 4.0
17.ベンガラ 1.0
18.黄酸化鉄 2.0
19.香料 0.1
20.精製水 60.0
[製造方法]成分2〜9を加熱溶解し、80℃に保ち油相とする。成分20に成分10をよく膨潤させ、続いて、成分1及び11〜14を加えて均一に混合する。これに粉砕機で粉砕混合した成分15〜18を加え、ホモミキサーで撹拌し75℃に保ち水相とする。この水相に油相をかき混ぜながら加え、冷却し、45℃で成分19を加え、かき混ぜながら30℃まで冷却して製品とする。
【0031】
処方例6 浴用剤
処方 配合量(重量%)
1.マゴジャクシの1,3−ブチレングリコール 5.0
水溶液抽出物(製造例7)
2.炭酸水素ナトリウム 50.0
3.黄色202号(1) 0.05
4.香料 0.25
5.無水硫酸ナトリウム 44.7
[製造方法]成分1〜5を均一に混合し製品とする。
【実施例3】
【0032】
次に、本発明の効果を詳細に説明するため、実験例をあげる。
【0033】
実験例1 紫外線によるオピオイドレセプターの減少抑制試験
オピオイドレセプターの減少抑制効果を下記の条件にて測定した。
【0034】
コンフルエントな状態のヒト表皮角化細胞に40mJ/cmのUVBを照射した。次に10μg/mLの試料を添加したDMEM培地にてさらに24時間培養した後、総タンパクの抽出を行った。このタンパク10μgをSDSポリアクリルアミドゲル電気泳動に供した後、トランスファーメンブレン(ミリポア)にブロッティングした。ブロッティング終了後、1次抗体としてMu Opioid Receptor Polyclonal antibody(Neuromics)、2次抗体としてAnti−Rabbit IgG HRP−Linked antibody(アマシャム)、検出試薬としてECLウエスタンブロッティング検出試薬(アマシャム)を用いてオピオイドレセプタータンパクをバンドとして検出した。これらのバンドをデンシトメーターにて定量化した。UVB未照射の細胞に対し、UVBを照射された細胞ではオピオイドレセプタータンパクの減少がみられる。このコントロールのオピオイドレセプタータンパク量の減少値(A)に対する試料添加時のオピオイドレセプタータンパク量の減少値(B)から以下の計算式でオピオイドレセプターの減少抑制率を求めた。

オピオイドレセプターの減少抑制率(%)=(1−B/A)×100

【0035】
これらの試験結果を表1に示した。その結果、マンネンタケ属に属するキノコの抽出物には優れたオピオイドレセプターの減少抑制効果が認められた。
【0036】
【表1】

【0037】
実験例2 使用試験
処方例1のクリーム及び比較例1の従来のクリームを用いて、肌荒れに悩む女性30人(20〜45才)を対象に1ヶ月間の使用試験を行った。使用後、肌荒れ、皮膚の乾燥及び透明感の改善についてのアンケート調査を行って、皮膚性状の改善効果を判定した。アンケートの評価基準は、有効なものを「優」、やや有効なものを「良」、わずかに有効なものを「可」、無効なものを「不可」として評価した。
【0038】
これらの結果を表2に示した。処方例1のオピオイドレセプター傷害抑制剤を含む皮膚外用剤は優れた皮膚性状の改善効果を示した。なお、試験期間中皮膚トラブルは一人もなく、安全性においても問題なかった。
【0039】
【表2】

【0040】
処方例2〜6の化粧水、乳液、軟膏、ファンデーションおよび浴用剤の使用試験を行ったところ、いずれも安全で優れた皮膚性状の改善効果を示した。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明の活用例として、化粧品、医薬部外品及び医薬品のいずれにも用いることができる。その剤型としては、例えば、化粧水、クリーム、乳液などがあげられ、外用することにより、皮膚バリア機能の低下に由来する肌荒れ、皮膚の乾燥、くすみの防止等の改善効果が期待される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マンネンタケ属に属するキノコの抽出物を含有することを特徴とするオピオイドレセプター傷害抑制剤。
【請求項2】
マンネンタケ属に属するキノコがマゴジャクシであるオピオイドレセプター傷害抑制剤。
【請求項3】
マンネンタケ属に属するキノコの抽出物を含有することを特徴とする表皮角化細胞の分化促進剤。
【請求項4】
マンネンタケ属に属するキノコの抽出物を含有することを特徴とする皮膚バリア機能回復促進剤。
【請求項5】
請求項1あるいは2のオピオイドレセプター傷害抑制剤を含有することを特徴とする皮膚外用剤。

【公開番号】特開2006−1837(P2006−1837A)
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−176313(P2004−176313)
【出願日】平成16年6月15日(2004.6.15)
【出願人】(000249908)有限会社野々川商事 (2)
【Fターム(参考)】