説明

オピオイド受容体調節因子としてのフェノキシ置換ピリミジン

開示されたものは、疼痛を含む、様々な疾患、症候群、病的状態及び障害を処置するための化合物、組成物及び方法である。このような化合物は以下のように式(I)で表わされる:
【化1】


(式中、R1、Y、R2、R3、及びRaは、本明細書に記載の通りである)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、その全体が参考として本明細書に組み込まれる、2009年10月30日出願の米国仮出願第61/256,394号の利益を主張するものである。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、式(I)の新規オピオイド受容体調節因子を目的とする。本発明は、更に、かかる化合物を調製するための方法、それを含有する医薬組成物、及びオピオイドにより調節される障害の治療におけるその使用に関する。
【背景技術】
【0003】
用語「アヘン剤」は、アヘンに由来する薬理活性アルカロイド類、例えば、モルヒネ、コデイン、及びモルヒネの多くの半合成同族体を指定するために用いられている。モルヒネ様作用を有するペプチド化合物の単離後、モルヒネ様作用を有する全ての薬物を総称するためにオピオイドという用語が導入された。オピオイドの中には、エンドルフィン、エンケファリン、及びダイノルフィン等のモルヒネ様活性を呈する様々なペプチドが含まれる。しかし、幾つかの情報源は、「アヘン剤」という用語を一般的な意味で用いており、このような文脈では、アヘン剤及びオピオイドは互換可能である。更に、オピオイドという用語は、モルヒネ様薬物のアンタゴニストに言及するために、並びにかかる剤に結合する受容体又は結合部位を特徴付けるために用いられている。
【0004】
オピオイドは、一般的に、鎮痛剤として使用されているが、更に多くの他の薬理学的効果を有している場合もある。モルヒネ及び関連するオピオイドは、中枢神経及び消化器系に対して特定の主な効果をもたらす。その効果は多様であり、例えば、鎮痛、傾眠、気分変動、呼吸抑制、目眩、意識混濁、不快、掻痒、胆管の圧力上昇、胃腸運動の低下、悪心、嘔吐、並びに内分泌腺及び自律神経系の変化を含む。
【0005】
治療用量のモルヒネが疼痛を有する患者に投与されると、患者は、疼痛の強度が低下したり、不快感が減少したり、又は全体的に消滅したりすると報告する。苦痛の軽減を経験することに加えて、一部の患者は強い高揚感を覚える。しかし、選択された疼痛軽減用量のモルヒネを疼痛を有しない個体に投与した場合、常に快感が得られる訳ではなく、悪心は一般的であり、嘔吐が生じる場合もある。傾眠、集中力の低下、精神機能の困難、感情鈍麻、身体活動の減少、視力の低下、及び昏睡が結果として生じる場合もある。
【0006】
2つの特徴的な分類のオピオイド分子は、オピオイド受容体:オピオイドペプチド(例えば、エンケファリン、ダイノルフィン、及びエンドルフィン)及びアルカロイドアヘン剤(例えば、モルヒネ、エトルフィン、ジプレノルフィン、及びナロキソン)に結合することができる。アヘン剤結合部位の最初に実証(Pert,C.B.及びSnyder,S.H.、Science(1973)179:1011〜1014)に続いて、オピオイドペプチド類似体及びアルカロイドアヘン剤の両方の様々な薬理学的及び生理学的効果が、複数のオピオイド受容体を描写する役割を果たした。したがって、3つの分子的及び薬理学的に異なるオピオイド受容体の種類:デルタ、カッパ、及びミューが記載されている。更に、各種類は、サブタイプを有すると考えられる(Wollemann,M.、J Neurochem(1990)54:1095〜1101;Lord,J.A.ら、Nature(1977)267:495〜499)。
【0007】
これらオピオイド受容体の3つ全ての種類は、細胞レベルでは同じ機能機序を共有していると思われる。例えば、オピオイド受容体は、アデニル酸シクラーゼの阻害、並びにカリウムチャネルの活性化及びCa2+チャネルの阻害の両方を介した神経伝達物質の放出の阻害を引き起こす(Evans,C.J.、In:Biological Basis of Substance Abuse、S.G.Korenman & J.D.Barchas編、Oxford University Press(in press);North,A.R.ら、Proc Natl Acad Sci USA(1990)87:7025〜29;Gross,R.A.ら、Proc Natl Acad Sci USA(1990)87:7025〜29;Sharma,S.K.ら、Proc Natl Acad Sci USA(1975)72:3092〜96)。機能機序は同じであるが、受容体選択的薬物の行動的発現は大きく異なる(Gilbert,P.E.& Martin,W.R.、J Pharmacol Exp Ther(1976)198:66〜82)。かかる差は、異なる受容体の解剖学的部位に部分的に起因している可能性がある。
【0008】
デルタ受容体は、ミュー又はカッパ受容体のいずれかよりも哺乳類のCNS内により離散して分布しており、扁桃体、線条体、黒質、嗅球、嗅結節、海馬体、及び大脳皮質において高濃度である(Mansour,A.ら、Trends in Neurosci(1988)11:308〜14)。ラットの小脳は、デルタオピオイド受容体を含むオピオイド受容体を著しく欠いている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
鎮痛剤としての新規デルタオピオイド受容体調節因子が継続して必要とされている。更に、副作用の少ない鎮痛剤としてのデルタオピオイド受容体選択的アゴニストが必要とされている。また、副作用の少ない免疫抑制剤、抗炎症剤、神経学的及び精神医学的症状を治療するための剤、泌尿器及び生殖器の症状を治療するための剤、薬物及びアルコール依存症用の薬剤、胃炎及び下痢を治療するための剤、心臓血管系剤、及び呼吸器疾患を治療するための剤としてのデルタオピオイドアンタゴニストが必要とされている。
【0010】
鎮痛剤としての新規オピオイド受容体調節因子が継続して必要とされている。更に、副作用の少ない鎮痛剤としてのデルタ及びミューオピオイド受容体アゴニストが必要とされている。更に、疼痛、免疫機能、食道逆流、及び咳を治療するための、副作用の少ない鎮痛剤としてのミューオピオイド受容体アゴニストが必要とされている。また鎮痛剤、呼吸器疾患を治療するための剤、心臓血管系剤、泌尿器障害を治療するための剤、並びに神経学的及び精神医学的症状を治療するための剤としてのデルタオピオイド受容体アゴニストが必要とされている。更に、二重デルタオピオイド受容体/ミューオピオイド受容体アゴニストが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、式Iの化合物:
【0012】
【化1】

(式中、
1は、フェニル、ピリジニル、及びチアゾリルからなる群から選択され;R1は、所望によりC1〜4アルキル、C1〜4アルコキシ、C1〜4アルキルチオ、ヒドロキシ、フルオロ、クロロ、ブロモ、及びシアノからなる群から独立して選択される1〜2つの置換基で置換され;更にR1は、所望によりアミノ、C1〜4アルキルアミノ、ジ(C1〜4アルキル)アミノ、アミノカルボニル、C1〜4アルキルアミノカルボニル、又はジ(C1〜4アルキル)アミノカルボニルで置換され;
Yは、O、S、NH、ビニル、エチニル、又はS(O)であり;
2は、水素、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシ、C1〜4アルキルチオ、フルオロ、クロロ、ブロモ、及びヒドロキシからなる群から選択される置換基であり;
aは、水素又はメチルであり;
3は、ピロリジン−2−イルメチル、ピロリジン−3−イルメチル、ピペリジン−2−イルメチル、ピペリジン−3−イルメチル、ピペリジン−4−イルメチル、ピペリジン−2−イルエチル、ピペリジン−3−イルエチル、ピペリジン−4−イルエチル、ピリジン−4−イル−(C1〜2)アルキル、アゼチジン−3−イルメチル、モルホリン−2−イルメチル、モルホリン−3−イルメチル、イミダゾリルメチル、チアゾリルメチル、(アミノ)−C3〜6シクロアルキル、3−ヒドロキシ−2−アミノ−プロピル、8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタニル、1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタニル、グアニジニル−エチル、4−(イミダゾール−1−イル)−フェニルメチル、2−(メチルアミノ)−エチル、2−ジエチルアミノ−エチル、4−ジエチルアミノ−ブタ−2−イル、ピペリジン−3−イル、ピペリジン−4−イル、及びピロリジン−3−イルからなる群から選択され;
ピペリジン−3−イルは、所望により炭素原子がフェニルで置換され;ピロリジン−2−イルメチルのピロリジン−2−イル、ピロリジン−3−イル、ピペリジン−3−イル、及びピペリジン−4−イルは、所望により窒素原子がメチル、フェニルメチル、フェネチル、又はメチルカルボニルで置換される);
並びにそのエナンチオマー、ジアステレオマー、及び製薬上許容され得る塩を目的とする。
【0013】
また、本発明は、製薬上許容できる担体と、式(I)の化合物又はその製薬上許容され得る塩とを含む医薬組成物を目的とする。
【0014】
また、式(I)の化合物と製薬上許容できる担体とを混合することを含む医薬組成物を製造するプロセスを提供する。
【0015】
本発明は、更に、オピオイド受容体により調節される障害を治療するか又は寛解させる方法を目的とする。具体的には、本発明の方法は、炎症性疼痛、中枢を介する疼痛、末梢を介する疼痛、内臓痛、構造に関連する疼痛、癌/痛、軟組織損傷に関連する疼痛、進行性疾患に関連する疼痛、神経因性疼痛及び急性損傷に起因する急性疼痛、外傷に起因する急性疼痛、手術に起因する急性疼痛、頭痛に起因する慢性疼痛、神経学的症状に起因する慢性疼痛、卒中後の症状に起因する慢性疼痛及び偏頭痛に起因する慢性疼痛が挙げられるが、これらに限定されない、オピオイド受容体により調節される障害を治療するか又は寛解させる方法を目的とする。
【0016】
また、本発明は、本化合物、並びにその医薬組成物及び薬剤を生産する方法を提供する。
【0017】
本明細書で使用するとき、以下の用語は以下の意味を有することを意図する。
【0018】
「Ca〜b」(式中、a及びbは整数である)は、a〜b個の炭素原子を包括的に含むラジカルを指す。例えば、C1〜3は、1個、2個又は3個の炭素原子を含むラジカルを意味する。
【0019】
置換基に関して、用語「独立して」は、1つ超のこのような置換基が可能であるとき、このような置換基は、互いに同一でも、又は異なってもよいことを意味する。したがって、炭素原子の指定された数(例えばC1〜8)は、アルキル又はシクロアルキル部分における炭素原子の数、又はアルキルが接頭辞の語根(root)として現れる大きな置換基のアルキル部分を、独立して指すものとする。
【0020】
本明細書に使用するとき、特に注記がない限り、「アルキル」は、単独で使用されるか置換基の一部であるかを問わず、1〜8個の炭素原子、又はこの範囲の任意の数を有する、直鎖及び分枝炭素鎖を指す。用語「アルコキシ」は、−Oアルキル置換基を指し、ここで、アルキルは、上記に定義されている。同様に、用語「アルケニル」及び「アルキニル」は2〜8個の炭素原子、又はこの範囲の任意の数を有する、直鎖及び分枝炭素鎖を指し、ここで、アルケニル鎖は鎖中に少なくとも1つの二重結合を有し、アルキニル鎖は鎖中に少なくとも1つの三重結合を有する。アルキル及びアルコキシ鎖は、炭素原子上に置換され得る。例えば、(C1〜6アルキル)2アミノ−のような複数のアルキル基を有する置換基の場合、ジアルキルアミノのC1〜6アルキル基は、同一でも又は異なってもよい。
【0021】
「ハロゲン化アルキル」は、親アルカンから水素原子を1つ除去することによって誘導される分枝状又は直鎖の飽和アルキルラジカルを指し、その親アルキル鎖は、1つ以上の水素原子がハロゲン原子で置換された1〜8個の炭素原子を含有し、最大で全ての水素原子がハロゲンで置換されているものを含む。好ましいハロゲン化アルキル基としては、トリフルオロメチル置換アルキル、ジフルオロメチル置換アルキル、及びペルフルオロ化アルキルが挙げられ、より好ましいフッ素化アルキルとしては、トリフルオロメチル及びジフルオロメチルが挙げられる。
【0022】
「ハロゲン化アルコキシ」はハロゲン化アルキルから誘導されるラジカルを指し、ラジカルが酸素原子に結合しており、その酸素原子には親構造に結合するための空いた価数が1つある。
【0023】
用語「シクロアルキル」は、飽和又は部分的に不飽和の、3〜20個の炭素原子員の(好ましくは3〜14個の炭素原子員の)単環式又は多環式の炭化水素を指す。このような基の例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロへキシル、シクロヘプチル又はアダマンチルが挙げられるが、これらに限定されない。用語シクロアルキルとしては、ベンゼン環(ベンゾ縮合シクロアルキル)、又は5若しくは6員のヘテロアリール環(O、S又はNを1つ含み、所望により窒素を更に1つ含む)に縮合して、ヘテロアリール縮合シクロアルキルを形成するシクロアルキル環が挙げられる。
【0024】
用語「ヘテロシクリル」は、1〜4員が窒素である5〜10員の非芳香族単環、又は0、1若しくは2員が窒素であり、最大2員が酸素又は硫黄である5〜10員の非芳香族単環を指し、所望によりその環は0、1又は2つの不飽和結合を含有する。用語「ヘテロシクリル」としては、ベンゼン環(ベンゾ縮合ヘテロシクリル)、5又は6員のヘテロアリール環(O、S又はNを1つ含み、所望により窒素を更に1つ含む)、5〜7員のシクロアルキル又はシクロアルケニル環、5〜7員のヘテロシクリル環(上記と同じ定義であるが、更に縮合した環の選択肢が存在しないもの)に縮合するか、あるいはシクロアルキル、シクロアルケニル又はヘテロシクリル環が結合した炭素と縮合してスピロ部分を形成するヘテロシクリル環が挙げられる。本発明の本化合物については、ヘテロシクリル環を形成する炭素原子環員は完全に飽和している。本発明の他の化合物は、部分的に飽和したヘテロシクリル環を有してよい。更に、ヘテロシクリルには、架橋されて二環式環を形成するヘテロシクリル環が含まれる。部分的に飽和したヘテロシクリル環の好ましいものは、1〜2つの二重結合を有し得る。このような化合物は完全に芳香族であるとは見なされず、ヘテロアリール化合物を指すものではない。ヘテロシクリル基の例としては、ピロリニル(2H−ピロール、2−ピロリニル又は3−ピロリニル)、ピロリジニル、2−イミダゾリニル、イミダゾリジニル、2−ピラゾリニル、ピラゾリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル及びピペラジニルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0025】
用語「アリール」は、6炭素員の不飽和芳香族単環、又は10〜14炭素員の不飽和芳香族多環を指す。このようなアリール環の例としては、フェニル、ナフタレニル又はアントラセニルが挙げられるが、これらに限定されない。本発明の実施に好ましいアリール基は、フェニル及びナフタレニルである。
【0026】
用語「ヘテロアリール」は、5又は6員の芳香環であって、その環が炭素原子を含み、少なくとも1つのヘテロ原子員を有するものを指す。好適なヘテロ原子としては、窒素、酸素又は硫黄が挙げられる。5員環の場合、ヘテロアリール環は、窒素、酸素又は硫黄の1員を含み、加えて最高3つの追加の窒素を含んでよい。6員環の場合、ヘテロアリール環は、1〜3個の窒素原子を含有してもよい。6員環が3つの窒素を有する場合、最高2個の窒素原子が隣接する。用語「ヘテロアリール」には、ベンゼン環に縮合したヘテロアリール環(ベンゾ縮合ヘテロアリール)、5又は6員のヘテロアリール環(O、S又はNを1つ含み、所望により窒素を更に1つ含む)、5〜7員のシクロアルキル環、あるいは5〜7員のヘテロシクリル環(上記と同じ定義であるが、更に縮合した環の選択肢が存在しないもの)が挙げられる。ヘテロアリール基の例としては、フリル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、チアジアゾリル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル又はピラジニルが挙げられるがこれらに限定されず、縮合ヘテロアリール基としては、インドリル、イソインドリル、ベンゾフリル、ベンゾチエニル、インダゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンズイソオキサゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾトリアゾリル、キノキサリニル、キノリニル、イソキノリニル又はキナゾリニルが挙げられる。
【0027】
用語「アリールアルキル」は、アリール基で置換されたアルキル基を意味する(例えば、ベンジル、フェネチル)。同様に、用語「アリールアルコキシ」は、アリール基で置換されたアルコキシ基を指す(例えば、ベンジルオキシ)。
【0028】
用語「ハロゲン」は、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素を指す。複数のハロゲンで置換される置換基は、安定な化合物を提供する方法で置換される。
【0029】
用語「ビニル」は、2つの炭素の不飽和リンカーであって、この不飽和が前記2つの炭素原子間で二重結合である不飽和リンカーを指す。2つの置換基がビニルリンカーに存在する場合、この置換は、1,2−構成になるように隣接する炭素原子において結合するはずである。
【0030】
単独又は置換基の一部として使用される用語「オキソ」は、炭素又はイオウ原子のどちらかと結合するO=を指す。例えば、フタルイミド及びサッカリンは、オキソ置換基を有する化合物の例である。
【0031】
用語「アルキル」若しくは「アリール」又はその接頭辞の語根(root)のいずれかが、置換基(例えば、アリールアルキル、アルキルアミノ)の名称に現れる場合はいつでも、それは「アルキル」及び「アリール」について上述した限定を含むものとして解釈すべきである。炭素原子(例えば、C1〜C6)の指定した数は、独立して、アルキル部分、又はアルキルがその接頭辞の語根として現れる、より大きな置換基のアルキル部分の炭素原子の数を指すべきである。アルキル及びアルコキシ置換基については、指定した数の炭素原子は、個々に特定の範囲に含まれる独立した員の全て、及び特定の範囲内の組み合わせの全てを含む。例えば、C1〜6アルキルは、個別に、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル及びヘキシル、並びにこれらの下位の組み合わせ(sub-combinations)(例えば、C1〜2、C1〜3、C1〜4、C1〜5、C2〜6、C3〜6、C4〜6、C5〜6、C2〜5など)を含む。
【0032】
本明細書で使用するとき、用語「被験体」は、治療、観察又は実験の対象である動物、好ましくは哺乳動物、最も好ましくはヒトを指す。
【0033】
本明細書で使用するとき、用語「治療上有効な量」は、研究者、獣医、医師又は他の臨床医により求められている、処置される疾患又は障害の症状の緩和を含む組織系、動物又はヒト内で生体学的反応又は医薬反応を引き出す活性化合物又は医薬的薬剤の量を意味する。
【0034】
本明細書で使用するとき、用語「組成物」は、特定の成分を特定の量で含む製品、及び特定の量の特定の成分の組み合わせから直接的又は間接的に得られる任意の製品を包含することを意図する。
【0035】
本明細書で使用するとき、用語「アシル」はアルキルカルボニル置換基を指す。
【0036】
本開示全体にわたって、指定される側鎖の末端部が最初に記載され、結合点に向かって隣接する官能基が続く。したがって、例えば、「フェニル(C1〜6)アルキルアミノカルボニル(C1〜6)アルキル」置換基は、次の式の基を指す:
【0037】
【化2】

【0038】
特に注記がない限り、分子内の特定の位置におけるいずれの置換基又はその変形物の定義は、同一分子内の他の位置におけるその定義とは独立していることが意図されている。式(I)の化合物における置換基及び置換様式は、当業者により、化学的に安定であり、当該技術分野において周知の技術及び同時に本明細書において規定される方法によって容易に合成できる化合物を提供するために選択できることは理解されるべきである。
【0039】
本発明の目的のために、用語「オピオイド受容体により調節される」は、オピオイド受容体の調節により影響を受ける症状を指すために用いられ、オピオイド受容体により媒介される状態が挙げられるが、これらに限定されない。
【発明を実施するための形態】
【0040】
本発明の実施形態は、式(I)の化合物:(式中、
a)R1は、フェニル、ピリジニル、及びチアゾリルからなる群から選択され;R1は、所望によりC1〜4アルコキシ、フルオロ、クロロ、ブロモ、及びシアノからなる群から独立して選択される1〜2つの置換基で置換され;更にR1は、所望によりアミノカルボニル、C1〜4アルキルアミノカルボニル、又はジ(C1〜4アルキル)アミノカルボニルで置換される;
b)R1は、所望によりC1〜4アルコキシ、フルオロ、及びブロモからなる群から独立して選択される1〜2つの置換基で置換されるフェニルであり;更に、R1は、所望によりジ(C1〜4アルキル)アミノカルボニルで置換される;
c)R1は、所望によりC1〜4アルコキシ及びフルオロからなる群から独立して選択される1〜2つの置換基で置換されるフェニルであり;更に、R1は、所望によりジ(C1〜4アルキル)アミノカルボニルで置換される;
d)R1は、所望によりC1〜4アルコキシ及びジ(C1〜4アルキル)アミノカルボニルからなる群から選択される1つの置換基で置換されるフェニルである;
e)Yは、O、NH、ビニル、エチニル、又はS(O)である;
f)Yは、O又はエチニルである;
g)Yは、Oである;
h)R2は、C1〜2アルコキシ、フルオロ、及びブロモからなる群から選択される置換基である;
i)R2は、C1〜2アルコキシ又はフルオロである;
j)Raは、水素である;
k)R3は、ピロリジン−2−イルメチル、ピロリジン−3−イルメチル、ピペリジン−2−イルメチル、ピペリジン−3−イルメチル、ピペリジン−4−イルメチル、ピペリジン−3−イルエチル、ピペリジン−4−イルエチル、アゼチジン−3−イルメチル、モルホリン−2−イルメチル、ピペリジン−3−イル、ピペリジン−4−イル、ピロリジン−3−イル、3−アミノ−シクロヘキシル、4−アミノ−シクロヘキシル、3−ヒドロキシ−2−アミノ−プロピル、4−ジエチルアミノ−ブタ−2−イル、8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタニル、1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタニル、及び2−(メチルアミノ)−エチルからなる群から選択され;
ピペリジン−3−イルは、所望により炭素原子がフェニルで置換され;ピロリジン−2−イルメチルのピロリジン−2−イル、ピロリジン−3−イル、ピペリジン−3−イル、及びピペリジン−4−イルは、所望により窒素原子がメチル、フェニルメチル、フェネチル、又はメチルカルボニルで置換される;
l)R3は、ピロリジン−2−イルメチル、ピロリジン−3−イルメチル、ピペリジン−2−イルメチル、ピペリジン−3−イルメチル、ピペリジン−4−イルメチル、アゼチジン−3−イルメチル、ピペリジン−3−イル、ピペリジン−4−イル、3−アミノ−シクロヘキシル、4−アミノ−シクロヘキシル、3−ヒドロキシ−2−アミノ−プロピル、4−ジエチルアミノ−ブタ−2−イル、8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタニル、1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタニル、及び2−(メチルアミノ)−エチルからなる群から選択され;
ピロリジン−2−イルメチルのピロリジン−2−イルは、所望により窒素原子がメチルで置換される;
m)R3は、ピロリジン−2−イルメチル、ピペリジン−3−イル、及び3−アミノ−シクロヘキシルからなる群から選択され;
ピロリジン−2−イルメチルのピロリジン−2−イルは、所望により窒素原子がメチルで置換される);
並びに上記実施形態a)〜m)の任意の組み合わせであるが、ただし、同一置換基の異なる実施形態を組み合わせる組み合わせは除くと理解される;
並びにそのエナンチオマー、ジアステレオマー、及び製薬上許容され得る塩を含む。
【0041】
本発明の更なる実施形態は、式(I)の化合物:
【0042】
【化3】

(式中、
1は、フェニル、ピリジニル、及びチアゾリルからなる群から選択され;R1は、所望によりC1〜4アルコキシ、フルオロ、クロロ、ブロモ、及びシアノからなる群から独立して選択される1〜2つの置換基で置換され;更にR1は、所望によりアミノカルボニル、C1〜4アルキルアミノカルボニル、又はジ(C1〜4アルキル)アミノカルボニルで置換され;
Yは、O、NH、ビニル、エチニル、又はS(O)であり;
2は、C1〜2アルコキシ、フルオロ、及びブロモからなる群から選択される置換基であり;
aは、水素又はメチルであり;
3は、ピロリジン−2−イルメチル、ピロリジン−3−イルメチル、ピペリジン−2−イルメチル、ピペリジン−3−イルメチル、ピペリジン−4−イルメチル、ピペリジン−3−イルエチル、ピペリジン−4−イルエチル、アゼチジン−3−イルメチル、モルホリン−2−イルメチル、ピペリジン−3−イル、ピペリジン−4−イル、ピロリジン−3−イル、3−アミノ−シクロヘキシル、4−アミノ−シクロヘキシル、3−ヒドロキシ−2−アミノ−プロピル、4−ジエチルアミノ−ブタ−2−イル、8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタニル、1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタニル、及び2−(メチルアミノ)−エチルからなる群から選択され;
ピペリジン−3−イルは、所望により炭素原子がフェニルで置換され;ピロリジン−2−イルメチルのピロリジン−2−イル、ピロリジン−3−イル、ピペリジン−3−イル、及びピペリジン−4−イルは、所望により窒素原子がメチル、フェニルメチル、フェネチル、又はメチルカルボニルで置換される);
並びにそのエナンチオマー、ジアステレオマー、及び製薬上許容され得る塩を目的とする。
【0043】
本発明の別の実施形態は、式(I)の化合物:
【0044】
【化4】

(式中、
1は、所望によりC1〜4アルコキシ、フルオロ、及びブロモからなる群から独立して選択される1〜2つの置換基で置換され;更に、R1は、所望によりジ(C1〜4アルキル)アミノカルボニルで置換され;
Yは、O、NH、ビニル、エチニル、又はS(O)であり;
2は、C1〜2アルコキシ、フルオロ、及びブロモからなる群から選択され;
aは水素であり;
3は、ピロリジン−2−イルメチル、ピロリジン−3−イルメチル、ピペリジン−2−イルメチル、ピペリジン−3−イルメチル、ピペリジン−4−イルメチル、アゼチジン−3−イルメチル、ピペリジン−3−イル、ピペリジン−4−イル、3−アミノ−シクロヘキシル、4−アミノ−シクロヘキシル、3−ヒドロキシ−2−アミノ−プロピル、4−ジエチルアミノ−ブタ−2−イル、8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタニル、1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタニル、及び2−(メチルアミノ)−エチルからなる群から選択され;
ピロリジン−2−イルメチルのピロリジン−2−イルは、所望により窒素原子がメチルで置換される);
並びにそのエナンチオマー、ジアステレオマー、及び製薬上許容され得る塩を目的とする。
【0045】
本発明の別の態様は、式(I)の化合物:
【0046】
【化5】

(式中、
1は、所望によりC1〜4アルコキシ及びフルオロからなる群から独立して選択される1〜2つの置換基で置換されるフェニルであり;更に、R1は、所望によりジ(C1〜4アルキル)アミノカルボニルで置換され;
Yは、O又はエチニルであり;
2は、C1〜2アルコキシ、フルオロ、及びブロモからなる群から選択される置換基であり;
aは、水素であり;
3は、ピロリジン−2−イルメチル、ピペリジン−3−イル、及び3−アミノ−シクロヘキシルからなる群から選択され;
ピロリジン−2−イルメチルのピロリジン−2−イルは、所望により窒素原子がメチルで置換される);
並びにそのエナンチオマー、ジアステレオマー、及び製薬上許容され得る塩を目的とする。
【0047】
本発明の別の実施形態は、式(I)の化合物:
【0048】
【化6】

(式中、
1は、所望によりC1〜4アルコキシ及びジ(C1〜4アルキル)アミノカルボニルからなる群から独立して選択される1つの置換基で置換されるフェニルであり;
Yは、Oであり;
2は、C1〜2アルコキシ又はフルオロであり;
aは、水素であり;
3は、ピロリジン−2−イルメチル、ピペリジン−3−イル、及び3−アミノ−シクロヘキシルからなる群から選択され;
ピロリジン−2−イルメチルのピロリジン−2−イルは、所望により窒素原子がメチルで置換される);
並びにそのエナンチオマー、ジアステレオマー、及び製薬上許容され得る塩を目的とする。
【0049】
式(I)の化合物は、式(II)の化合物:
【0050】
【化7】

(式中、R1、R2、Ra、及びR3は、本明細書に定義される通りである);並びにそのエナンチオマー、ジアステレオマー、溶媒和物、及び製薬上許容され得る塩を含む。
【0051】
本発明の更なる実施形態は、式(I)の化合物であって、
【0052】
【化8】

次のものからなる群から選択される化合物:
1が4−メトキシ−フェニルであり、YがOであり、R2が4−メトキシであり、RaがHであり、R3がピロリジン−2−イルメチルである式(I)の化合物;(2S)
1が4−メトキシ−フェニルであり、YがOであり、R2が4−メトキシであり、RaがHであり、R3がピペリジン−3−イルである式(I)の化合物;(RS)
1が4−メトキシ−フェニルであり、YがOであり、R2が4−メトキシであり、RaがHであり、R3が3−アミノ−シクロヘキシルである式(I)の化合物;(1RS,3RS)
1が2−フェニルであり、Yがエチニルであり、R2が4−メトキシであり、RaがHであり、R3がピロリジン−2−イルメチルである式(I)の化合物;(2S)
1が4−ジエチルアミノカルボニル−フェニルであり、YがOであり、R2が4−メトキシであり、RaがHであり、R3がピロリジン−2−イルメチルである式(I)の化合物;(2S)
1が4−メトキシ−フェニルであり、YがOであり、R2が4−メトキシであり、RaがHであり、R3がピロリジン−2−イルメチルである式(I)の化合物;(2RS)
1が4−メトキシ−フェニルであり、YがOであり、R2が4−メトキシであり、RaがHであり、R3がピロリジン−2−イルメチルである式(I)の化合物;(2R)
1が4−メトキシ−フェニルであり、YがOであり、R2が4−メトキシであり、Raがメチルであり、R3が1−メチル−ピロリジン−2−イルメチルである式(I)の化合物;(2S)
1が4−メトキシ−フェニルであり、YがOであり、R2が4−メトキシであり、RaがHであり、R3が1−メチル−ピロリジン−2−イルメチルである式(I)の化合物;(2S)
1が4−メトキシ−フェニルであり、YがOであり、R2が4−メトキシであり、RaがHであり、R3が3−ヒドロキシ−2−アミノ−プロピルである式(I)の化合物;(2R)
1が4−メトキシ−フェニルであり、YがOであり、R2が4−メトキシであり、RaがHであり、R3が8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イルである式(I)の化合物;(1R、5S)
1が4−メトキシ−フェニルであり、YがOであり、R2が4−メトキシであり、RaがHであり、R3がピペリジン−4−イルである式(I)の化合物;
1が4−メトキシ−フェニルであり、YがOであり、R2が4−メトキシであり、RaがHであり、R3がアゼチジン−3−イルメチルである式(I)の化合物;
1が4−メトキシ−フェニルであり、YがOであり、R2が4−メトキシであり、RaがHであり、R3が1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イルである式(I)の化合物;
1が4−メトキシ−フェニルであり、YがOであり、R2が4−メトキシであり、RaがHであり、R3がピペリジン−3−イルメチルである式(I)の化合物;(3RS)
1が4−メトキシ−フェニルであり、YがOであり、R2が4−メトキシであり、RaがHであり、R3が4−アミノ−シクロヘキシルである式(I)の化合物;
1が4−メトキシ−フェニルであり、YがOであり、R2が4−メトキシであり、RaがHであり、R3がピペリジン−4−イルメチルである式(I)の化合物;
1が4−メトキシ−フェニルであり、YがOであり、R2が4−メトキシであり、RaがHであり、R3が2−メチルアミノ−エチルである式(I)の化合物;
1が2−(4−メトキシ−フェニル)であり、Yがビニルであり、R2が4−メトキシであり、RaがHであり、R3がピロリジン−2−イルメチルである式(I)の化合物;(2S)
1が4−メトキシ−フェニルであり、YがS(O)であり、R2が4−メトキシであり、RaがHであり、R3がピロリジン−2−イルメチルである式(I)の化合物;(2S)
1が4−メトキシ−フェニルであり、YがOであり、R2が4−メトキシであり、RaがHであり、R3が3−ヒドロキシ−2−アミノ−プロピルである式(I)の化合物;(2S)
1が4−メトキシ−フェニルであり、YがOであり、R2が4−メトキシであり、RaがHであり、R3がピロリジン−3−イルメチルである式(I)の化合物;(3RS)
1が4−メトキシ−フェニルであり、YがNHであり、R2が4−メトキシであり、RaがHであり、R3がピロリジン−2−イルメチルである式(I)の化合物;(2S)
1が4−フルオロ−フェニルであり、YがOであり、R2が4−フルオロであり、RaがHであり、R3がピロリジン−2−イルメチルである式(I)の化合物;(2*S)
1が4−メトキシ−フェニルであり、YがOであり、R2が4−メトキシであり、RaがHであり、R3がピペリジン−2−イルメチルである式(I)の化合物;(2RS)
1が2−ブロモ−フェニルであり、YがOであり、R2が2−ブロモであり、RaがHであり、R3がピロリジン−2−イルメチルである式(I)の化合物;(2S)
1が4−メトキシ−フェニルであり、YがOであり、R2が4−メトキシであり、RaがHであり、R3が1−フェニルメチル−ピロリジン−3−イルである式(I)の化合物;(3RS)
1が4−メトキシ−フェニルであり、YがOであり、R2が4−メトキシであり、RaがHであり、R3が1−フェニルメチル−ピペリジン−4−イルである式(I)の化合物;
1が4−メトキシ−フェニルであり、YがOであり、R2が4−メトキシであり、RaがHであり、R3が1−フェネチル−ピペリジン−4−イルである式(I)の化合物;
1が4−メトキシ−フェニルであり、YがOであり、R2が4−メトキシであり、RaがHであり、R3が1−メチル−ピペリジン−4−イルである式(I)の化合物;
1が4−メトキシ−フェニルであり、YがOであり、R2が4−メトキシであり、RaがHであり、R3がモルホリン−2−イルメチルである式(I)の化合物;(2RS)
1が4−メトキシ−フェニルであり、YがOであり、R2が4−メトキシであり、RaがHであり、R3が1−フェニルメチル−ピペリジン−3−イルである式(I)の化合物;(3RS)
1が4−メトキシ−フェニルであり、YがOであり、R2が4−メトキシであり、RaがHであり、R3が2−(ピペリジン−4−イル)−エチルである式(I)の化合物;
1が4−メトキシ−フェニルであり、YがOであり、R2が4−メトキシであり、RaがHであり、R3が2−(ピペリジン−3−イル)−エチルである式(I)の化合物;(3RS)
1が4−メトキシ−フェニルであり、YがOであり、R2が4−メトキシであり、RaがHであり、R3が4−フェニル−ピペリジン−3−イルである式(I)の化合物;(3RS,4RS)
1が4−メトキシ−フェニルであり、YがOであり、R2が4−メトキシであり、RaがHであり、R3がピロリジン−3−イルである式(I)の化合物;(3RS)
1が4−メトキシ−フェニルであり、YがOであり、R2が4−メトキシであり、RaがHであり、R3が4−(イミダゾール−1−イル)−フェニルメチルである式(I)の化合物;
1が4−メトキシ−フェニルであり、YがOであり、R2が4−メトキシであり、RaがHであり、R3が4−ジエチルアミノ−ブタ−2−イルである式(I)の化合物;(2RS)
1が4−メトキシ−フェニルであり、YがOであり、R2が4−メトキシであり、RaがHであり、R3がピリジン−4−イルメチルである式(I)の化合物;
1が4−メトキシ−フェニルであり、YがOであり、R2が4−メトキシであり、RaがHであり、R3が1−(ピリジン−4−イル)−エチルである式(I)の化合物;(1RS)
1が4−メトキシ−フェニルであり、YがOであり、R2が4−メトキシであり、RaがHであり、R3が1−メチルカルボニル−ピペリジン−4−イルである式(I)の化合物;
1が4−メトキシ−フェニルであり、YがOであり、R2が4−メトキシであり、RaがHであり、R3が1H−イミダゾール−2−イルメチルである式(I)の化合物;
1が4−メトキシ−フェニルであり、YがOであり、R2が4−メトキシであり、RaがHであり、R3がチアゾール−2−イルメチルである式(I)の化合物;
1が4−メトキシ−フェニルであり、YがOであり、R2が4−メトキシであり、RaがHであり、R3が2−グアニジノ−エチルである式(I)の化合物;
1がピリジン−3−イルであり、YがOであり、R2が4−メトキシであり、RaがHであり、R3がピロリジン−2−イルメチルである式(I)の化合物;(2S)
1が3−フルオロ−フェニルであり、YがOであり、R2が4−メトキシであり、RaがHであり、R3がピロリジン−2−イルメチルである式(I)の化合物;(2S)
1が3−フルオロ−フェニルであり、YがSであり、R2が4−メトキシであり、RaがHであり、R3がピロリジン−2−イルメチルである式(I)の化合物;(2S)
1がピリジン−3−イルであり、YがNHであり、R2が4−メトキシであり、RaがHであり、R3がピロリジン−2−イルメチルである式(I)の化合物;(2S)
1が3−フルオロ−フェニルであり、YがNHであり、R2が4−メトキシであり、RaがHであり、R3がピロリジン−2−イルメチルである式(I)の化合物;(2S)
1がチアゾール−2−イル,YがNHであり、R2が4−メトキシであり、RaがHであり、R3がピロリジン−2−イルメチルである式(I)の化合物;(2S)
1が3−クロロ−フェニルであり、YがOであり、R2が4−メトキシであり、RaがHであり、R3がピロリジン−2−イルメチルである式(I)の化合物;(2S)
1が3−メトキシ−フェニルであり、YがOであり、R2が4−メトキシであり、RaがHであり、R3がピロリジン−2−イルメチルである式(I)の化合物;(2S)
1が3−シアノ−フェニルであり、YがOであり、R2が4−メトキシであり、RaがHであり、R3がピロリジン−2−イルメチルである式(I)の化合物;(2S)
並びに
1が3,5−ジフルオロ−フェニルであり、YがOであり、R2が4−メトキシであり、RaがHであり、R3がピロリジン−2−イルメチルである式(I)の化合物;(2S)
並びに、その製薬上許容され得る塩を目的とする。
【0053】
薬剤における使用に関して、式(I)の化合物の塩は、非毒性の「製薬上許容され得る塩」を指す。しかしながら他の塩も式(I)の化合物又はその製薬上許容され得る塩の調製に有用である場合がある。式(I)の化合物の適切な製薬上許容され得る塩としては、例えば、化合物の溶液を、塩酸、硫酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、酢酸、安息香酸、クエン酸、酒石酸、炭酸又はリン酸のような製薬上許容され得る酸の溶液と混合することにより形成される酸付加塩が挙げられる。
【0054】
更に式(I)の化合物が酸性部分を持つ場合、その適切な製薬上許容され得る塩には、アルカリ金属塩、例えばナトリウム若しくはカリウム塩;アルカリ土類金属塩、例えばカルシウム若しくはマグネシウム塩;及び適切な有機リガンドと形成される塩、例えば四級アンモニウム塩を含むことができる。このように代表的な製薬上許容され得る塩としては以下が挙げられる:酢酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重炭酸塩、重硫酸塩、重酒石酸塩、ホウ酸塩、臭化物、エデト酸カルシウム、カンシル酸塩、炭酸塩、塩化物、クラブラン酸塩、クエン酸塩、二塩酸塩、エデト酸塩、エジシル酸塩、エストレート(estolate)、エシレート(esylate)、フマル酸塩、グルセプテート、グルコン酸塩、グルタミン酸塩、グリコーリルアルサニレート、ヘキシルレゾルシネート、ヒドラバミン、臭化水素酸塩、塩酸塩、ヒドロキシナフタレン酸塩、ヨウ化物、イソチオン酸塩、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、ラウリン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マンデル酸塩、メシル酸塩、臭化メチル、硝酸メチル、硫酸メチル、ムコ酸塩、ナプシレート、硝酸塩、N−メチルグルカミンアンモニウム塩、オレイン酸塩、パモ酸塩(エンボネート)、パルミチン酸塩、パントテン酸塩、リン酸塩/二リン酸塩、ポリガラクツロ酸塩、サリチル酸塩、ステアリン酸塩、硫酸塩、塩基性酢酸塩、コハク酸塩、タンニン酸塩、酒石酸塩、テオクレート、トシル酸塩、トリエチオジド及び吉草酸塩。
【0055】
製薬上許容され得る塩の調製に使用され得る代表的な酸及び塩基としては以下が挙げられる:酢酸、2,2−ジクロロ酢酸、アシル化アミノ酸、アジピン酸、アルギン酸、アスコルビン酸、L−アスパラギン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、4−アセトアミド安息香酸、(+)−カンファー酸、カンファースルホン酸、(+)−(1S)−カンファー−10−スルホン酸、カプリン酸、カプロン酸、カプリル酸、ケイ皮酸、クエン酸、シクラミン酸、ドデシルスルホン酸、エタン−1,2−ジスルホン酸、エタンスルホン酸、2−ヒドロキシ−エタンスルホン酸、ギ酸、フマル酸、ガラクタル酸、ゲンチシン酸、グルコヘプトン酸、D−グルコン酸、D−グルクロン酸、L−グルタミン酸、α−オキソ−グルタル酸、グリコール酸、馬尿酸、臭化水素酸、塩酸、(+)−L−乳酸、(±)−DL−乳酸、ラクトビオン酸、マレイン酸、(−)−L−リンゴ酸、マロン酸、(±)−DL−マンデル酸、メタンスルホン酸、ナフタレン−2−スルホン酸、ナフタレン−1,5−ジスルホン酸、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、ニコチン酸、硝酸、オレイン酸、オロト酸、シュウ酸、パルミトリン酸、パモ酸、リン酸、L−ピログルタミン酸、サリチル酸、4−アミノ−サリチル酸、セバイン酸、ステアリン酸、コハク酸、硫酸、タンニン酸、(+)−L−酒石酸、チオシアン酸、p−トルエンスルホン酸及びウンデシレン酸を含む酸、
並びにアンモニア、L−アルギニン、ベネタミン、ベンザチン、水酸化カルシウム、コリン、デアノール、ジエタノールアミン、ジエチルアミン、2−(ジエチルアミノ)−エタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N−メチル−グルカミン、ヒドラバミン、1H−イミダゾール、L−リシン、水酸化マグネシウム、4−(2−ヒドロキシエチル)−モルホリン、ピペラジン、水酸化カリウム、1−(2−ヒドロキシエチル)−ピロリジン、水酸化ナトリウム、トリエタノールアミン、トロメタミン及び水酸化亜鉛を含む塩基。
【0056】
本発明の実施形態は、式(I)の化合物のプロドラッグを含む。一般に、かかるプロドラッグは、インビボで必要な化合物に容易に変換され得る化合物の機能的誘導体である。したがって、本発明の実施形態の治療の方法においては、用語「投与する」は、具体的に開示された化合物又は具体的には開示されていないが、患者に投与後にインビボにおいて特定の化合物に転化される化合物と共に記載される様々な障害の治療を包含する。好適なプロドラッグ誘導体の選択及び調製に関する従来の手順は、例えば、「Design of Prodrugs」、H.Bundgaard編、Elsevier,1985に述べられている。
【0057】
本発明の実施形態に従う化合物は少なくとも1個のキラル中心を有し、したがってそれらはエナンチオマーとして存在する。化合物が2つ以上のキラル中心を有する場合、それらは更にジアステレオマーとして存在することができる。全てのそのような異性体及びその混合物が本発明の範囲に包含されることが理解されるべきである。更に、その化合物に関する結晶形態の一部は、多形体として存在でき、したがってこのようなものも本発明に含まれるものとする。加えて、化合物の中には水(すなわち、水和物)又は一般的な有機溶媒との溶媒和物を形成できるものもあり、そのような溶媒和物も本発明の範囲に包含されるものとする。当業者は、本明細書で用いる用語「化合物」が、式Iの化合物の溶媒和物を含むことを理解するであろう。
【0058】
本発明の特定の実施形態に従う化合物の調製のプロセスが、立体異性体の混合物を生じさせる場合は、これらの異性体は、分取クロマトグラフィーなどの従来技術により分離することができる。化合物はラセミ体で調製してもよく、又は個々のエナンチオマーをエナンチオ特異的合成、又は分割のいずれかにより調製してもよい。化合物は、例えば(−)−ジ−p−トルオイル−d−酒石酸及び/又は(+)−ジ−p−トルオイル−l−酒石酸のような光学的に活性な酸と共に塩を形成することによりジアステレオマー対を形成した後、分別結晶化及び遊離塩基の再生を行うような、標準的な技術により、その成分であるエナンチオマーに分割することができる。化合物は、ジアステレオマーエステル又はアミドの形成と、その後のクロマトグラフ分離及びキラル補助基の除去により分割することもできる。あるいは、化合物は、キラルHPLCカラムを使用して分割してもよい。
【0059】
本発明の一実施形態は、式(I)の化合物の(+)−−エナンチオマーを含む組成物を目的とし、この組成物は、前記化合物の(−)−異性体を実質的に含まない。本明細書の文脈における「実質的に含まない」とは、下式により求められる(−)−異性体が25%未満、好ましくは10%未満、より好ましくは5%未満、更により好ましくは2%未満、及び更により好ましくは1%未満であることを意味する。
【0060】
【数1】

【0061】
本発明の別の実施形態は、式(I)の化合物の(−)−エナンチオマーを含む組成物であり、この組成物は前記化合物の(+)−異性体を実質的に含まない。本明細書の文脈における「実質的に含まない」とは、下式により求められる(+)−異性体が25%未満、好ましくは10%未満、より好ましくは5%未満、更により好ましくは2%未満、及び更により好ましくは1%未満であることを意味する。
【0062】
【数2】

【0063】
本発明の実施形態の化合物の調製のいずれのプロセスの間、関係するいずれかの分子の感受性又は反応性基を保護することが必要であり及び/又は望ましい。これは、Protective Groups in Organic Chemistry(J.F.W.McOmie編、Plenum Press,1973)、及びProtective Groups in Organic Synthesis(T.W.Greene & P.G.M.Wuts、John Wiley & Sons,1991)に記載されるような、従来の保護基による手法で実施することができる。保護基は、当該技術分野において既知の方法を用いて、都合のよいその後の段階で除去してよい。
【0064】
本発明の実施形態の化合物(その製薬上許容され得る塩及び製薬上許容され得る溶媒和物を含む)は、単独で投与することができるにもかかわらず、それらは、一般には、目的とする投与経路及び標準的な薬務に関連して選択される、医薬担体、賦形剤又は希釈剤との混合物で投与される。したがって、本発明の特定の実施形態は、式(I)の化合物と、1つ以上の製薬上許容できる担体、賦形剤、又は希釈剤とを含む医薬組成物を目的とする。
【0065】
一例として、本発明の実施形態の医薬組成物及び獣医学的組成物では、式(I)の化合物は、任意の適切な結合剤、潤滑剤、懸濁化剤、コーティング剤、及び/又は可溶化剤と混合することができる。
【0066】
化合物の錠剤又はカプセルを、必要に応じて、1つずつ、又は同時に2つ若しくはそれ以上投与してもよい。徐放性製剤として化合物を投与することも可能である。
【0067】
代替的に、式(I)の化合物は、吸入(気管内又は経鼻的に)により投与することができ、あるいは座薬若しくはペッサリーの形態で、又は局所的にローション、溶液、クリーム、軟膏若しくは散布剤の形態で塗布することができる。例えば、それらは、ポリエチレングリコールの水性エマルション又は液体パラフィンから構成されるクリームに組み込むことができる。それらはまた、1重量%〜10重量%の濃度で、白ろう又は白色ワセリンベースを含む軟膏に、必要とされているとき、このような安定剤及び防腐剤と共に組み込むことができる。経皮投与の代替手段は、皮膚貼付剤の使用によるものである。
【0068】
一部の用途では、好ましくは、組成物は、デンプン又はラクトースのような賦形剤を含有する錠剤の形態で、又は単独若しくは賦形剤との混合物のいずれかでカプセル若しくは卵形剤(ovule)で、又は着香剤若しくは着色剤を含有するエリキシル剤、溶液若しくは懸濁液の形態で、経口的に投与される。
【0069】
組成物(及び化合物単独)は、非経口的に、例えば空洞内、静脈内、筋肉内、皮下、皮内、又は髄腔内に注入することができる。この場合、組成物は、好適な担体又は希釈剤を含む。
【0070】
非経口投与では、組成物は、血液と等張な溶液を製造するために、例えば十分な塩又は単糖などの他の物質を含有してもよい、無菌水溶液の形態で用いられるのが最良である。
【0071】
口腔投与又は舌下投与では、組成物は、従来の方式で配合できる、錠剤又はロゼンジ剤の形態で投与されてもよい。
【0072】
更なる例として、活性成分として式(I)の1種以上の化合物を含有する医薬組成物及び獣医学的組成物は、従来の医薬品配合技術に従って、1種又は複数種の化合物を医薬担体と密に混合することにより調製できる。担体は、所望の投与経路(例えば、経口、非経口など)に応じ、広範な形態を取ることができる。したがって、縣濁剤、エリキシル剤及び溶液のような液体経口製剤では、好適な担体及び添加剤としては、水、グリコール、油、アルコール、香味剤、保存剤、安定剤、着色剤等が挙げられ、散剤、カプセル剤及び錠剤のような固体経口製剤では、好適な担体及び添加剤としては、デンプン、糖、希釈剤、造粒剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤等が挙げられる。主要な吸収部位を調節するために、固体の経口用製剤は、更に糖類などの物質で被覆することができ、又は経腸的に吸収されるように被覆することができる。非経口投与では、担体は通常、滅菌水からなり、そして他の成分は溶解性を上げ、又は防腐のために加えることができる。注入用の縣濁液又は溶液はまた、水性担体を適切な添加剤と共に用いて調製してもよい。
【0073】
治療上有効な量の式(I)の化合物又はその医薬組成物は、平均的なヒト(70kg)に対する1日当たり約1〜4回の投与レジメンにおいて、約0.1mg〜約3000mg、具体的には約1mg〜約1000mg、より具体的には約10mg〜約500mgの薬量範囲の活性成分を含み;当業者には自明であるが、本発明の活性化合物の治療上有効な量は、処置されるべき病的状態が変化することにより変化する。
【0074】
経口投与では、医薬組成物は、好ましくは、処置されるべき被験体への投与量の症状調節のために、0.01、10.0、50.0、100、150、200、250、及び500ミリグラムの活性成分を含有する錠剤の形態で提供される。
【0075】
有利なことに、式(I)の化合物は、1日に1回投与することができ、又は1日当たりの合計投与量を2回、3回、又は4回に分けて1日に投与することができる。更に、式(I)の化合物は、当業者に周知の好適な鼻孔内賦形剤の局所的使用を介して、又は経皮的な皮膚貼付剤を介して鼻孔投与形態で投与することができる。
【0076】
式(I)の活性化合物又はその医薬組成物の治療上有効な量が、所望の効果によって変化することは、当業者にも明らかである。それ故、最適な投与量を容易に決定することができ、これは使用する具体的な化合物、投与様式、製剤の強度、及び病状の進行度合によって変わるであろう。更に、処置される特定の被験体に付随する、被験体の年齢、体重、食事、及び投与時間を含む因子は、好適な処置水準を達成するために薬量を調節する必要性をもたらす。上記投与量は、したがって、平均的な場合の代表例である。もちろん、より高いか又はより低い薬量範囲が有効である個別の例が存在し、このようなものも本発明の範囲内に含まれる。
【0077】
式(I)の化合物は、それを必要としている被験体のために鎮痛剤として使用する場合には、上記のいずれかの組成物及び投与レジメンで、又は当該技術分野で確立されたそれらの組成物及び投与レジメンで投与され得る。
【0078】
本発明の範囲内であることが意図される疼痛の例としては、炎症性疼痛、中枢を介する疼痛、末梢を介する疼痛、内臓痛、構造又は軟組織損傷に関連する疼痛、進行性疾患に関連する疼痛、神経因性疼痛及び急性損傷、外傷、又は手術等によって引き起こされる急性疼痛、並びに頭痛、及び神経学的症状、卒中後の症状、癌、及び偏頭痛によって引き起こされる慢性疼痛が挙げられるが、これらに限定されない。
【0079】
また、本発明の化合物は、免疫抑制剤、抗炎症剤、神経学的及び精神医学的症状、例えば、抑鬱及びパーキンソン病を治療及び予防するための剤、泌尿器及び生殖器の症状、例えば、尿失禁及び早漏を治療するための剤、薬物及びアルコール依存症用の薬剤、胃炎及び下痢を治療するための剤、心臓血管系剤、心臓保護剤、及び呼吸器疾患を治療するための剤としても有用である。
【0080】
また、本発明の化合物は、変形性関節症、関節リウマチ、線維筋痛症、偏頭痛、頭痛、歯痛、火傷、日焼け、ヘビ咬傷(特に毒ヘビ咬傷)、クモ咬傷、虫刺症、神経障害性膀胱障害、良性前立腺肥大、間質性膀胱炎、鼻炎、接触性皮膚炎/過敏症、痒み、湿疹、咽頭炎、粘膜炎、腸炎、セルライト、カウザルギー、坐骨神経炎、舌咽神経痛、末梢神経炎、多発神経炎、断端痛、幻想肢痛、術後腸閉塞、胆嚢炎、乳房切除後疼痛症候群、口腔神経因性疼痛、シャルコー疼痛、反射性交感神経性ジストロフィー、ギラン・バレー症候群、知覚異常性大腿神経痛、口腔内灼熱症候群、群発性頭痛、偏頭痛、末梢神経障害、両側性末梢神経障害、糖尿病性神経障害、視神経炎、発熱後の神経炎、遊走性神経炎、分節性神経炎、ゴンボール神経炎、ニューロン炎、頚上腕神経痛、頭部神経痛、膝神経痛、舌咽神経痛、片頭痛神経痛、特発性神経痛、肋間神経痛、乳房神経痛、モートン神経痛、鼻毛様体神経痛、後頭神経痛、紅神経痛、スラダー神経痛、蝶口蓋神経痛、眼窩上神経痛、ヴィディアン神経痛、炎症性腸疾患、過敏性腸症候群、副鼻腔炎性頭痛、緊張性頭痛、陣痛、出産、月経性痙攣、及び癌によって引き起こされる疼痛の治療にも有用である。
【0081】
上記したもの等の疾患又は病的状態の治療における本発明の化合物の使用に関して、治療上有効な量は、確立された動物モデルの使用によって当業者が決定することができる。このような用量は、平均的な(70kg)ヒトに対して1日当たり1〜4回投与される、約0.01mg〜約15,000mgの活性成分の範囲に入る可能性が高い。
【0082】
一般的な合成方法
本発明の代表的な化合物は、以下に記載し、続くスキーム及び実施例で例示する、一般的な合成方法に従って合成することができる。スキームは説明図であるため、本発明は、スキームに記載された化学反応及び条件により限定されたものとして解釈されるべきではない。スキーム及び実施例で用いられる様々な出発物質は、市販品として入手可能であるか、又は当業者の技能の範囲内に十分に入る方法によって調製し得るものである。変形物は、本明細書に定義されている通りである。
【0083】
本明細書、特にスキーム及び実施例で用いられる略称は以下の通りである。
【0084】
【表1】

【0085】
スキームAは、R1が所望により置換されるフェニルであり、YがO、S、又はNHであり、R3がピペリジニル、アミノ−C3〜6シクロアルキル、又はピロリジニルである式(I)−Aの化合物を合成するための経路を示す。
【0086】
【化9】

【0087】
A1の化合物は、市販されているか、又は科学文献に記載されている公知の方法によって作製することができる。式A1の化合物を塩基性条件下で式A2の化合物で処理して、式A3の化合物を得ることができる。酢酸中の亜鉛、スズ、又は鉄等の還元剤の作用によって、又は触媒水素化によって、式A3の化合物のニトロ基を式A4の対応する一級アミノ基に還元することができる。得られた式A4の化合物のアミノ基を、水素化トリアセトキシホウ素ナトリウム等のヒドリド源の存在下で式A5のケトン(式中、環R3はピペリジニル、アミノ置換−C3〜6シクロアルキル、又はピロリジニルである)を用いて還元的アミン化に供して、式A6の化合物を得ることができる。式A5のケトン(式中、環R3は複素環である)は、従来の通りアミノ保護基を除去した後、還元的アルキル化工程を必要とする場合がある。例えば、Boc−保護アミンは、HCl、TFA等の試薬を用いて、酸性条件下で脱保護することができる。同様に、Cpz保護アミンは、酸性条件下で脱保護することができる。
【0088】
式A6の化合物を、塩基性条件下で式A7(式中、YAは、O、S、又はNHである)のR1−置換求核剤で処理して、式(I)−Aの化合物を得ることができる。
【0089】
スキームBは、式(I)−Bの化合物(式中、R1は、所望により置換されるフェニルであり、Yは、O、S、又はNHであり、R3は、ピロリジニルメチル、ピペリジニルエチル、ピリジン−4−イル−C1〜2アルキル、アゼチジン−3−イルメチル、モルホリニルメチル、イミダゾリルメチル、チアゾリルメチル、4−(イミダゾール−1−イル)−フェニルメチル、2−(メチルアミノ)−エチル、及び2−ジエチルアミノ−エチルからなる群から選択される)の化合物を合成するための経路を示す。
【0090】
【化10】

【0091】
式A4の化合物を、水素化トリアセトキシホウ素ナトリウム等のヒドリド源の存在下で式B1のアルデヒドを用いる還元的アルキル化に供して、本発明の式B1の化合物を得ることができる。式B1の化合物の環Bは、ピロリジニル、ピペリジニル、ピリジニル、アゼチジニル、モルホリニル、イミダゾリル、チアゾリル、及び4−(イミダゾール−1−イル)−フェニル)からなる群から選択される。式B1のアルデヒド(式中、環Bは、窒素含有及び飽和である)は、従来の通りアミノ保護基を除去した後、還元的アルキル化工程を必要とする場合がある。式B1の化合物を、塩基性条件下で式A7のR1−置換求核剤で処理して、式(I)−Bの化合物を得ることができる。
【0092】
スキームCは、式(I)−C1、式(I)−C2(式中、Raはメチルである)及び式(I)−C3(式中、R3は、ピロリジニル又はピペリジニル−含有置換基であり、ピロリジニル及びピペリジニルは、所望により窒素原子がメチル、フェニル、又はフェネチルで置換される)の化合物を合成するための経路を示す。
【0093】
【化11】

【0094】
スキームBに一般的に記載の通り調製した式C1の化合物を、酸性条件下及びNaBH3CN等のヒドリド源の存在下でホルマリンを用いる還元的アルキル化に供して、本発明の式(I)−C1のモノ−メチル化化合物及び式(I)−C2のジメチル化化合物を得ることができる。同様に、式C1の化合物を、ヒドリド源の存在下で、適切に置換されたアルデヒド(C2)(式中、Rcは、フェニル又はベンジルである)を用いる還元的アルキル化に供して、それぞれ式(I)−C3の化合物(式中、Rcは、フェニルメチル又はフェネチルである)を形成することができる。
【0095】
スキームDは、式(I)−Dの化合物(式中、Yは、O、S、又はNHであり、R3は、3−ヒドロキシ−2−アミノ−プロピルである)の化合物を合成するための経路を示す。
【0096】
【化12】

【0097】
式D1の化合物を、水素化トリアセトキシホウ素ナトリウム等のヒドリド源の存在下で式D2(式中、Pは、適切なアミノ保護基である)のアルデヒドを用いる還元的アルキル化に供して、式D3の化合物を得ることができる。式D3の化合物をトリフルオロ酢酸等の強酸の作用によって脱保護して、式(I)−Dの化合物を得ることができる。
【0098】
スキームEは、式(I)−E(式中、R3は、グアニジニル−エチルである)の化合物を合成するための経路を示す。
【0099】
【化13】

【0100】
式D1の化合物を、水素化トリアセトキシホウ素ナトリウム等のヒドリド源の存在下で式E1(式中、Pは、適切なアミノ保護基である)のアルデヒドを用いる還元的アルキル化に供して、式2の化合物を得ることができる。式E2の化合物をトリフルオロ酢酸等の強酸の作用によって脱保護して、式E3の化合物を得ることができ、次いで、一級アミンを、三級アミンの存在下で1H−ピラゾール−1−カルボキサミジン塩酸塩で処理して、式(I)−Eのグアニジニル−置換化合物を得ることができる。
【0101】
スキームFは、式(I)−F1及び式(I)−F2(それぞれ、式中、Yは、S又はS(O)である)の化合物を合成するための経路を示す。
【0102】
【化14】

【0103】
式A4の化合物のアミノ基を、本明細書に定義される適切に置換されたケトン又はアルデヒドを用いる還元的アルキル化に供して、式F1のR3−置換化合物を得ることができる。式F1の化合物は、式F2の化合物による芳香族求核置換において参加して、式(I)−F1(式中、YはSである)の化合物を得ることができる。次いで、空気に曝露することにより、式(I)−F1の化合物を対応する式(I)−F2(式中、YはS(O)である)にゆっくり変換した。
【0104】
スキームGは、式(I)−G(式中、Yはビニルである)の化合物を合成するための経路を示す。
【0105】
【化15】

【0106】
式G1の化合物は、市販されているか、又は文献に記載されている公知の方法により調製され得る。式A6又はF1の塩化物を、パラジウム触媒、適切なリガンド、及び無機塩基の存在下で式G1の化合物とクロスカップリングさせて、式(I)−Gの化合物を得ることができる。
【0107】
スキームHは、式(I)−H(式中、YはNHである)の化合物を合成するための経路を示す。
【0108】
【化16】

【0109】
式H1の化合物は、市販されているか、又は文献に記載されている公知の方法により調製され得る。式F4の化合物を、パラジウム触媒、ホスフィンリガンド、及び無機塩基の存在下で式H1の化合物で処理して、式(I)−Hの化合物を得ることができる。
【0110】
スキームIは、式(I)−I(式中、Yはエチニルである)の化合物を合成するための経路を示す。
【0111】
【化17】

【0112】
式I1の化合物は、市販されているか、又は文献に見出される化学反応に従って容易に調製される。式A6又はF1の任意の塩化物を、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)等のパラジウム触媒の存在下で式I1のスズ試薬とクロスカップリングさせて、式(I)−Iの化合物を得ることができる。
【0113】
スキームJは、式(I)−J(式中、R3は、ピロリジニル又はピペリジニル−含有置換基であり、ピロリジニル及びピペリジニルは、所望により窒素原子がメチルカルボニルで置換される)の化合物を合成するための経路を示す。
【0114】
【化18】

【0115】
式C1の化合物は、式J1の化合物(式中、Wは、クロロ、アセトキシ、又は活性化アルコキシドである)でアシル化して、式(I)−Jの化合物を形成することができる。
【0116】
スキームKは、式(I)−K(式中、R1は所望により置換されるフェニルであり、R2とは異なる置換基を有し;YAは、O、S、又はNHであり、R3は、ピペリジニル、アミノ−C3〜6シクロアルキル、又はピロリジニルである)の化合物を合成するための経路を示す。
【0117】
【化19】

【0118】
式A3の化合物を、式K1の化合物(式中、YAは、O、S、又はNHであり、R1は本明細書に定義される通りである)の化合物を用いる芳香族求核置換に供してもよい。ニトロ基を還元し、次いで式A5の化合物で還元的アルキル化を行って、式(I)−Kの化合物を得る。
【0119】
具体的実施例
試薬は、商業的な供給源から購入した。水素原子の核磁気共鳴(NMR)スペクトルは、Bruker Avance又はVarian(300又は400MHz)分光計で、内部標準として(TMS)を用いて指定の溶媒中で測定した。測定値は、TMSから低磁場に向かう百万分率(ppm)により示される。質量スペクトル(MS)は、エレクトロスプレー技術を用いて、(ESI)m/z(M+H+)としてPlatform LC又はAgilent 1100 LCMS分光計において求めた。CEM Discover又はBiotageマイクロ波装置を使用してマイクロ波加速反応が実施され、特に注記がない限り、密閉された圧力容器内に収容された。立体異性化合物は、X線結晶解析、及び当業者に既知の他の方法を用いて、ラセミ混合物又は別個のジアステレオマー及びエナンチオマーとして特性付けることができる。特に注記がない限り、実施例に用いられている物質は、容易に入手可能な商業的な供給源から入手するか、あるいは当業者に周知の化学的合成の標準的な方法を用いて合成した。実施例間で変化する置換基は、特に注記がない限り水素である。
【実施例】
【0120】
(実施例1)
【0121】
【化20】

【0122】
A.2,4−ビス−(4−メトキシフェノキシ)−5−ニトロピリミジン(1b)。2,4−ジクロロ−5−ニトロピリミジン(化合物1a)(0.5g;2.6mmol)のアセトン(40mL)溶液に、1N NaOH水溶液(5.7mL;5.7mmol)及びH2O(20mL)中の4−メトキシフェノール(0.71g;5.7mmol)溶液を滴下した。添加が完了した後、反応混合物を室温にゆっくり加温し、室温で20時間攪拌した。蒸発によって溶媒を除去したら、残留物をEtOAcで抽出し、1NのNaOH(aq)及びブラインで順次洗浄し、MgSO4上で乾燥させた。混合物を濾過し、濃縮し、フラッシュカラムクロマトグラフィー(溶離剤、EtOAc/ヘキサン:1/4〜1/1)を用いて精製して、黄色の固体として化合物1b(1.0;100%)を得た。1H−NMR(300MHz,CDCl3):δ 9.16(s,1H),7.03〜7.07(d,2H),6.95〜6.98(d,2H),6.86〜6.89(d,2H),6.82〜6.85(d,2H),3.82(s,1H),3.80(s,1H);MS:m/z 370.2(M+H)+
【0123】
B.2,4−ビス−(4−メトキシ−フェノキシ)−ピリミジン−5−イルアミン(1c)。化合物1b(1.25g;3.38mmol)のTHF(30mL)溶液に、10% Pd−C(0.5g)を添加し、混合物を17時間Parr水素化装置内で344.7kPa(50psi)の水素雰囲気下にて振盪した。濾過及び蒸発乾固させて、茶色の固体として化合物1c(1.18g;100%)を得た。1H−NMR(300MHz,CDCl3):δ 7.82(s,1H),7.09〜7.12(d,2H),7.00〜7.03(d,2H),6.88〜6.91(d,2H),6.82〜6.85(d,2H),3.81(s,3H),3.78(3H,s),3.63(s,2H);MS:m/z 340.2(M+H)+
【0124】
C.4−[2,4−ビス−(4−メトキシフェノキシ)ピリミジン−5−イルアミノ]ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(1d)。化合物1c(1.12g;3.3mmol)及びtert−ブチル4−オキソ−1−ピペリジンカルボキシレート(0.67g;3.3mmol)のDCE(17mL)溶液に、NaBH(OAc)3(1.05g;4.95mmol)を添加した。得られた混合物を、室温で22時間窒素雰囲下で攪拌した。水性後処理及びフラッシュカラムクロマトグラフィーによる精製(溶離剤、EtOAc/ヘキサン:3/7)によって、化合物1d(1.06g;61%)を得た。1H−NMR(300MHz,CDCl3):δ 7.66(s,1H),7.08〜7.11(d,2H),7.00〜7.03(d,2H),6.89〜6.92(d,2H),6.83〜6.86(d,2H),4.04〜4.08(m,2H),3.81(s,3H),3.78(s,3H),3.36〜3.38(m,1H),2.90〜2.98(m,2H),2.04〜2.09(m,2H),1.46(s,9H),1.40〜1.47(m,2H);MS:m/z 523.3(M+H)+
【0125】
D.2,4−ビス−(4−メトキシフェノキシ)ピリミジン−5−イル]ピペリジン−4−イルアミン(化合物13)。化合物1d(0.08g;0.15mmol)のMeOH(1mL)溶液に、ジオキサン(2mL)中4NのHClを添加した。混合物を50℃で1時間攪拌し、蒸発乾固させた。残留物をEt2Oで2回洗浄し、乾燥させて、定量的収率でHCl塩として化合物13を得た。1H−NMR(300MHz,CD3OD):δ 7.94(s,1H),7.01〜7.04(d,2H),6.96〜6.99(d,2H),6.83〜6.86(d,2H),6.80〜6.83(d,2H),3.78(s,1H),3.77(s,1H),3.70〜3.73(m,1H),3.48〜3.52(m,2H),3.14〜3.23(m,2H),2.28〜2.32(m,2H),1.81〜1.85(m,2H);MS:m/z 423.3(M+H)+
【0126】
上記の実施例1の手順に従い、当業者に周知の適切な試薬、出発物質及び精製方法に置き換えることにより、以下の本発明の化合物を調製した。
【0127】
【表2】

【0128】
(実施例2)
【0129】
【化21】

【0130】
A.2−(S)−{[2,4−ビス−(4−メトキシフェノキシ)ピリミジン−5−イルアミノ]−メチル}ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(2a)。化合物1c(0.29g、0.85mmol)、N−t−Boc−L−プロリナル(prolinal)(0.17g;0.85mmol)のDCE(5mL)溶液に、酢酸(0.1mL)を添加し、反応混合物を窒素雰囲気下で室温にて1時間攪拌した。次いで、反応混合物にNaBH(OAc)3(0.27g;1.28mmol)を添加し、反応物を20時間連続して攪拌した。得られた混合物を、ジクロロメタンと飽和NaHCO3(aq)との間で分液した。有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、溶媒を真空下で蒸発させて粗油を得た。粗油をフラッシュカラムクロマトグラフィーを用いて精製して(溶離剤、EtOAc/ヘキサン勾配)、無色のゲル状物として化合物2a(0.5%;100%)を得た。1H−NMR(300MHz,CDCl3):δ 7.64(s,1H),7.05〜7.13(m,2H),6.98〜7.03(m,2H),6.82〜6.90(m,4H),4.09〜4.28(m,1H),3.81(s,3H),3.78(s,3H),3.27〜3.68(m,4H),1.74〜2.11(m,4H),1.46(s,9H);MS:m/z 523.3(M+H)+
【0131】
B.[2,4−ビス−(4−メトキシフェノキシ)ピリミジン−5−イル]ピロリジン−2−(S)−イルメチルアミン(化合物1)。化合物2a(0.16g;0.3mmol)のDCM(1mL)溶液に、TFA(1mL)を添加し、混合物を室温で2時間攪拌した。反応混合物を濃縮し、逆相HPLCによって精製して、TFA塩として化合物1を得た。MS:m/z 423.3(M+H)+
【0132】
上記の実施例の手順に従い、当業者に周知の適切な試薬、出発物質及び精製方法に置き換えることにより、以下の本発明の化合物を調製した。
【0133】
【表3】

【0134】
化合物25:手順Aにおける化合物1cを2,4−ビス−(4−フルオロ−フェノキシ)−ピリミジン−5−イルアミン(実施例1の化合物1cと同様の方法で調製、手順Aにおける4−メトキシフェノールを4−フルオロフェノールに置換)に置換した以外は、実施例2の上記の手順を適応させて、標題化合物を得た:1H NMR(300MHz,CDCl3):δ 10.02(br.s.,1H),9.27(br.s.,1H),7.74(s,1H),6.89〜7.04(m,8H),3.90(br.s.,1H),3.41〜3.60(m,2H),3.12〜3.40(m,2H),2.11〜2.26(m,1H),1.88〜2.11(m,2H),1.68〜1.87(m,1H)。
【0135】
化合物27:手順Aにおける化合物1cを2,4−ビス−(2−ブロモ−フェノキシ)−ピリミジン−5−イルアミン(実施例1の化合物1cと同様の方法で調製、手順Aにおける4−メトキシフェノールを2−ブロモフェノールに置換)に置換した以外は実施例2について上記した手順を適応させて、標題化合物を得た:1H NMR(300MHz,MeOH−d4):δ 7.95(s,1H),7.45〜7.6(m,2H),6.95〜7.35(m,6H),3.95(m,1H),3.5(m,2H),3.3(m,2H),2.3(m,1H),2.1(m,2H),1.85(m,1H);MS:m/z 521.1(M+H)+
【0136】
(実施例3)
【0137】
【化22】

【0138】
A.(1−ベンジル−ピロリジン−3−イル)−[2,4−ビス−(4−メトキシ−フェノキシ)−ピリミジン−5−イル]−アミン(化合物28)。N−t−Boc−L−プロリナルを1−ベンジル−ピロリジン−3−オン(化合物3a)に置換した以外は、実施例2の手順Aに記載の方法を適応させて、標題化合物28を得た。1H−NMR(300MHz,CDCl3):δ 10.05(br.s,2H),7.76(s,1H),7.41(s,5H),6.98(d,2H),6.91(d,2H),6.76(d,4H),4.00〜4.37(m,4H),3.76(s,6H),3.64〜3.68(m,1H),3.29〜3.35(m,1H),2.99〜3.09(m,1H),2.61〜2.69(m,1H),2.15〜2.25(m,1H);MS:m/z 499.2(M+H)+
【0139】
上記の実施例3の手順に従い、当業者に周知の適切な試薬、出発物質及び精製方法に置き換えることにより、以下の本発明の化合物を調製した。
【0140】
【表4】

【0141】
(実施例4)
【0142】
【化23】

【0143】
A.[2,4−ビス−(4−メトキシ−フェノキシ)−ピリミジン−5−イル]−(4−イミダゾール−1−イル−ベンジル)−アミン(化合物38)。N−t−Boc−L−プロリナルを4−イミダゾール−1−イル−ベンズアルデヒド(化合物4a)に置換した以外は、実施例2の手順Aに記載の方法を適応させて、標題化合物38を得た。1H−NMR(300MHz,CDCl3):δ 12.45(br.s.,2H),9.01(s,1H),7.58〜7.68(m,2H),7.44〜7.57(m,5H),6.96〜7.09(m,2H),6.85〜6.96(m,2H),6.78〜6.85(m,2H),6.70〜6.78(m,2H),4.51(s,2H),3.78(s,3H),3.75(s,3H);MS:m/z 496.2(M+H)+
【0144】
上記の実施例4の手順に従い、当業者に周知の適切な試薬、出発物質及び精製方法を置き換えることにより、以下の本発明の化合物を調製した。
【0145】
【表5】

【0146】
(実施例5)
【0147】
【化24】

【0148】
A.[2,4−ビス−(4−メトキシ−フェノキシ)−ピリミジン−5−イル]−(1−メチル−ピロリジン−2−(S)−イルメチル)−アミン(化合物10)。化合物2b(0.13g;0.3mmol)のCH3CN(5mL)及びHOAc(0.08mL)溶液に、ホルマリン(37%、0.03mL)及びNaBH3CN(0.08g;1.14mmol)を添加した。室温で30分間攪拌した後、混合物を濃縮し、残留物を1N NaOH(aq)とEtOAcとの間で分液した。単離した有機相を濃縮し、HPLCによって精製して化合物10を得た。1H−NMR(300MHz,CDCl3):δ 7.85(s,1H),7.00〜7.03(d,2H),6.93〜6.96(d,2H),6.78〜6.80(d,4H),3.80〜3.96(m,2H),3.79(s,3H),3.78(s,3H),3.56〜3.68(m,2H),2.96(s,3H),2.91〜3.05(m,1H),2.29〜2.42(m,1H),2.09〜2.23(m,2H),1.93〜2.04(m,1H);MS:m/z 437.2(M+H)+
【0149】
B.2,4−ビス−(4−メトキシフェノキシ)ピリミジン−5−イル]メチル−(1−メチルピロリジン−2−(S)−イルメチル)アミン(化合物9)。化合物2b(0.16g;0.38mmol)のCH3CN(5mL)及びHOAc(0.08mL)溶液に、ホルマリン(37%、0.15mL)及びNaBH3CN(0.08g;1.14mmol)を添加した。室温で30分間攪拌した後、混合物を濃縮し、残留物を1N NaOH(aq)とEtOAcとの間で分液した。単離した有機相を蒸発させ、HPLCによって精製して化合物9を得た。1H−NMR(300MHz,CDCl3):δ 7.93(s,1H),7.02〜7.05(d,2H),6.92〜6.97(d,2H),6.86〜6.89(d,2H),6.80〜6.83(d,2H),4.34〜4.44(m,1H),3.81(s,3H),3.78(s,3H),3.51〜3.93(m,4H),3.41(s,3H),2.95(s,3H),2.56〜2.65(m,1H),2.36−2.19(m,2H),1.96〜2.09(m,1H);MS:m/z 450.2(M)+
【0150】
(実施例6)
【0151】
【化25】

【0152】
A.2−(S)−{[4−(4−メトキシ−フェノキシ)−[2,5’]ビピリミジニル−5−イルアミノ]−メチル}−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(6b)。N−t−Boc−L−プロリナルを4−ホルミル−2,2−ジメチル−オキサゾリジン−3−カルボン酸tert−ブチルエステル(化合物6a)に置換した以外は、実施例2の手順Aに記載の方法を適応させて、標題化合物6bを得た。MS:m/z 553.3(M+H)+
【0153】
B.2−(S)−アミノ−3−[2,4−ビス−(4−メトキシ−フェノキシ)−ピリミジン−5−イルアミノ]−プロパン−1−オル(化合物22)。化合物2aを化合物6bに置換した以外は、実施例2の手順Bに記載の方法を適応させて、標題化合物22をTFA塩として得た。MS:m/z 413.2(M+H)+
【0154】
上記の実施例6の手順に従い、当業者に周知の適切な試薬、出発物質及び精製方法に置き換えることにより、以下の本発明の化合物を調製した。
【0155】
【表6】

【0156】
(実施例7)
【0157】
【化26】

【0158】
A.{2−[2,4−ビス−(4−メトキシ−フェノキシ)−ピリミジン−5−イルアミノ]−エチル}−カルバミン酸tert−ブチルエステル(7b)。N−t−Boc−L−プロリナルを(2−オキソ−エチル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル(化合物7a)に置換した以外は、実施例2の手順Aに記載の方法を適応させて、標題化合物7bを得た。MS:m/z 483.2(M+H)+
【0159】
B.N1−[2,4−ビス−(4−メトキシ−フェノキシ)−ピリミジン−5−イル]−エタン−1,2−ジアミン(7c)。化合物7b(74mg、0.15mmol)のCH2Cl2(3mL)溶液に、周囲温度でTFA(0.4mL)を添加した。混合物を室温で20時間撹拌した。得られた混合物を真空下で濃縮した。残留物を、CH2Cl2と飽和NaHCO3(aq)との間で分液した。水相をCH2Cl2で抽出した。合わせた有機抽出物をNa2SO4上で乾燥させ、濾過し、濾液を減圧下で濃縮して、化合物7c(42mg;収率73%)を得た。粗生成物は、更に精製することなく次の工程で直接用いた。MS:m/z 383.2(M+H)+
【0160】
C.N−{2−[2,4−ビス−(4−メトキシ−フェノキシ)−ピリミジン−5−イルアミノ]−エチル}−グアニジン(化合物45)。化合物7c(42mg;0.11mmol)のアセトニトリル(10mL)溶液に、1H−ピラゾール−1−カルボキサミジン塩酸塩(化合物7d)(16mg;0.11mmol)及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.22mmol)を添加した。反応混合物を室温で3日間撹拌した。得られた混合物を、EtOAcとH2Oとの間で分液した。有機相をH2Oで洗浄し、Na2SO4上で乾燥させた。混合物を濾過し、溶媒を減圧下で蒸発させて、残留物を得て、これを逆相HPLCによって精製して(0.5% TFAを含有するCH3CN−H2O勾配で溶出)、TFA塩として化合物45(11mg;収率15%)を得た。MS:m/z 425.2(M+H)+
【0161】
(実施例8)
【0162】
【化27】

【0163】
A.2−クロロ−4−(4−メトキシフェノキシ)−5−ニトロピリミジン(8a)。0℃の化合物1a(3g;15.5mmol)のアセトン(240mL)溶液に、4−メトキシフェノール(1.94g;15.5mmol)の1N NaOH3水溶液(15.5mL;15.5mmol)及びH2O(60mL)を滴下した。添加が完了したら、反応混合物を室温にゆっくり加温し、室温で20時間攪拌した。反応混合物を濃縮し、残留物をEtOAcに取り、1N NaOH(aq)及びブラインで順次洗浄し、MgSO4上で乾燥させた。混合物を濾過し、濃縮して、茶色の固体として化合物8aを得た。1H−NMR(300MHz,CDCl3):δ 9.15(s,1H),7.10〜7.13(d,2H),6.95〜6.99(d,2H),3.85(s,3H);MS:m/z 282.0(M+H)+
【0164】
B.2−クロロ−4−(4−メトキシフェノキシ)−ピリミジン−5−イルアミン(8b)。化合物8a(0.42g;1.5mmol)のHOAc(5.5mL)及びMeOH(6mL)溶液に、鉄粉(0.25g;4.5mmol)を少しずつ添加した。混合物を65℃で2.5時間加熱した。溶媒を蒸発により除去したら、残留物を1N NaOH(aq)とDCMとに分液し、珪藻土のパッドを通して濾過し、相を分離させた。有機相を水及びブラインで順次洗浄し、Na2SO4上で乾燥させた。混合物を濃縮して、化合物8b(0.49g;100%)を得た。1H−NMR(300MHz,CDCl3):δ 7.92(s,1H),7.09〜7.12(d,2H),6.92〜6.95(d,2H),3.92(s,2H),3.83(s,3H);MS:m/z 252.1(M+H)+
【0165】
C.2−(S)−{[2−クロロ−4−(4−メトキシフェノキシ)−ピリミジン−5−イルアミノ]−メチル}−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(8c)。化合物8b(1.65g;6.6mmol)及びN−tert−Boc−L−プロリナル(1.6g;7.8mmol)のDCE(40mL)溶液に、NaBH(OAc)3(1.12g;10mmol)を添加した。得られた混合物を、室温で16時間窒素雰囲下で攪拌した。溶媒を除去したら、残留物をNaHCO3(aq)とEtOAcとの間で分液し、EtOAc抽出物をブラインで洗浄し、MgSO4上で乾燥させた。溶媒を蒸発させ、分取TLCによって精製して(溶離剤、EtOAc/ヘキサン:3/7)、黄色の油状物として化合物8c(2.51g;87%)を得た。1H−NMR(300MHz,CDCl3):δ 7.64(s,1H),6.99〜7.02(d,2H),6.82〜6.85(d,2H),4.09〜4.22(m,1H),3.78(s,3H),3.27〜3.66(m,4H),1.73〜2.09(m,3H),1.44〜1.55(m,1H);MS:m/z 523.3(M+H)+
【0166】
D.2−(S)−{[2−(4−メトキシベンゼンスルフィニル)−4−(4−メトキシフェノキシ)−ピリミジン−5−イルアミノ]−メチル}ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(8d)。2−プロパノール(3.5mL)中の化合物8c(0.05g;0.11mmol)及び4−メトキシベンゼンチオール(0.073mL;0.57mmol)の混合物を、20時間加熱還流させた。室温に冷却した後、混合物に20時間空気を吹き込んだ。減圧下で反応混合物を濃縮させて化合物8dを得て、これを更に精製することなく次の工程で用いた。MS:m/z 555.2(M+H)+
【0167】
E.[2−(4−メトキシベンゼンスルフィニル)−4−(4−メトキシフェノキシ)−ピリミジン−5−イル]−ピロリジン−2−(S)−イルメチルアミン(化合物21)。化合物8d(0.13g;0.24mmol)のDCM(1mL)溶液に、TFA(1mL)を添加し、混合物を室温で1時間攪拌した。混合物を濃縮し、逆相HPLCによって精製して、TFA塩として化合物21を得た。1H−NMR(300MHz,CDCl3):δ 7.73(s,1H),7.13〜7.16(d,2H),7.06〜7.10(d,2H),6.67〜6.73(m,4H),4.04〜4.18(m,1H),3.84(s,3H),3.82(s,3H),3.53〜3.75(m,2H),3.27〜3.47(m,2H),1.99〜2.30(m,3H),1.70〜1.86(m,1H);MS:m/z 454.9(M+H)+
【0168】
(実施例9)
【0169】
【化28】

【0170】
A.[4−(4−メトキシ−フェノキシ)−5−ニトロ−ピリミジン−2−イル]−(4−メトキシ−フェニル)−アミン(9a)。化合物8a(0.14g;0.5mmol)及び4−メトキシ−フェニルアミン(0.31g;2.5mmol)のDMF(1mL)溶液を、60℃で25時間加熱した。反応物を飽和NH4Cl(aq)の添加によってクエンチし、EtOAcで抽出し、合わせた抽出物を、Na2SO4上で乾燥させた。混合物を濾過し、濃縮し、フラッシュカラムクロマトグラフィー(溶離剤、EtOAc/ヘキサン:1/1)を用いて精製して、化合物9aを得た。1H−NMR(300MHz,CDCl3):δ 9.12(s,1H),7.34〜7.52(m,2H),6.86〜6.96(m,2H),6.74〜6.83(m,4H),4.54(s,1H),3.85(s,3H),3.81(s,3H);MS:m/z 368.1(M)+
【0171】
B.4−(4−メトキシ−フェノキシ)−N2−(4−メトキシ−フェニル)−ピリミジン−2,5−ジアミン(9b)。化合物8aを化合物9aに置換した以外は、実施例8の手順Bに記載の方法を適応させて、標題化合物9bを得た。MS:m/z 338.1(M)+
【0172】
C.2−(S)−{[4−(4−メトキシフェノキシ)−2−(4−メトキシフェニルアミノ)−ピリミジン−5−イルアミノ]−メチル}−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(9c)。化合物8bを化合物9bに置換した以外は、実施例8の手順Cに記載の方法を適応させて、標題化合物9cを得た。MS:m/z 522.0(M+H)+
【0173】
D.4−(4−メトキシフェノキシ)−N2−(4−メトキシフェニル)−N6−ピロリジン−2−(S)−イルメチル−ピリミジン−2,5−ジアミン(化合物24)。化合物9c(0.1g;0.18mmol)のDCM(1mL)溶液に、TFA(1mL)を添加し、混合物を室温で1時間攪拌した。反応混合物を濃縮して残留物を得て、これを逆相HPLCによって精製して、TFA塩として化合物24を得た。1H−NMR(300MHz,CDCl3):δ 7.40(s,1H),6.97〜7.00(d,2H),6.76〜6.85(m,4H),6.49〜6.52(d,2H),3.86〜4.00(m,1H),3.78(s,3H),3.67(s,3H),3.25〜3.56(m,4H),2.03〜2.36(m,3H),1.72〜1.87(m,1H);MS:m/z 422.0(M+H)+
【0174】
(実施例10)
【0175】
【化29】

【0176】
A.2−(S)−({4−(4−メトキシフェノキシ)−2−[2−(4−メトキシフェニル)ビニル]−ピリミジン−5−イルアミノ}−メチル)ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(10a)。密閉管内で、DMF(1mL)中の1−メトキシ−4−ビニル−ベンゼン(0.16mL;1.17mmol)、化合物8c(0.11g;0.25mmol)、NaHCO3(0.15g;1.84mmol)、PPh3(0.12g;0.46mmol)、及びPd(OAc)2(0.01g;0.046mmol)の混合物を、130℃で16時間加熱した。反応混合物を水で希釈し、抽出し、フラッシュカラムクロマトグラフィーを用いて精製して(溶離剤、EtOAc/ヘキサン:1/1)、トランス立体異性体とシス立体異性体との混合物として化合物10a(0.03g;23%)を得た。MS:m/z 533.5(M+H)+
【0177】
B.{4−(4−メトキシフェノキシ)−2−[2−(4−メトキシフェニル)ビニル]−ピリミジン−5−イル}−ピロリジン−2−(S)−イルメチルアミン(10b)。化合物10a(0.048g;0.09mmol)のDCM(1mL)溶液に、TFA(1mL)を添加し、混合物を室温で1時間攪拌した。混合物を濃縮し、逆相HPLCによって精製して、トランス立体異性体とシス立体異性体との混合物として化合物10aを得た。MS:m/z 432.9(M+H)+
【0178】
(実施例11)
【0179】
【化30】

【0180】
A.2−(S)−{[4−(4−メトキシ−フェノキシ)−2−フェニルエチニル−ピリミジン−5−イルアミノ]−メチル}−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(11a)。テフロンで裏打ちされた隔膜で密閉されたシュレンク管に、ジオキサン(1.0mL)中の化合物8c(214mg;0.49mmol)、トリブチル−フェニルエチニル−スタンナン(289mg;0.739mmol)、及びテトラキス−(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(57mg;0.049mmol)の混合物を添加し、混合物を150℃で30分間マイクロ波反応器内で照射した。得られた混合物をEtOAcで希釈し、飽和NH4Cl(aq)及び水で洗浄した。有機相をH2Oで洗浄し、次いで、Na2SO4上で乾燥させた。混合物を濾過し、濾液を減圧下で蒸発させて、粗物質を得た。粗物質をフラッシュカラムクロマトグラフィーを用いて精製して(SiO2、ヘプタン−EtOAc勾配で溶出)、化合物11a(120mg;収率49%)を得た。1H−NMR(400MHz,CDCl3):δ 7.84〜7.98(m,1H),7.52〜7.60(m,2H),7.29〜7.34(m,3H),7.08〜7.19(m,2H),6.89〜6.99(m,2H),5.98(br.s.,0.6H),4.97(br.s.,0.4H),4.18〜4.38(m,1H),3.85(s,3H),3.13〜3.46(m,4H),2.07〜2.17(m,1H),1.90〜2.03(m,2H),1.76〜1.88(m,1H),1.44〜1.52(m,9H);MS:m/z 501.1(M+H)+
【0181】
B.[4−(4−メトキシ−フェノキシ)−2−フェニルエチニル−ピリミジン−5−イル]−ピロリジン−2−(S)−イルメチル−アミン(11b)。化合物11a(118mg、0.236mmol)のCH2Cl2(3mL)溶液に、周囲温度でトリフルオロ酢酸(0.3mL)を添加した。反応混合物を室温で20時間撹拌した。1N NaOH(aq)を用いて、反応混合物のpHを12に調整した。混合物をCH2Cl2とH2Oとに分液し、有機相をH2Oで洗浄し、Na2SO4で乾燥させた。次いで、混合物を濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。残留物をCH2Cl2(3mL)に溶解させ、周囲温度でEt2O(0.24mL;0.24mmol)中1.0M HClで処理した。反応混合物を室温で20時間撹拌した。得られた混合物を真空下で濃縮して、残留物を得て、それをEt2Oを用いて粉砕した。固体を濾過によって回収し、乾燥させて、HCl塩として化合物11b(97mg;収率94%)を得た。HCl塩1H−NMR(400MHz,DMSO−d6):δ 8.94(br.s.,1H),8.54(br.s.,1H),8.13(s,1H),7.48〜7.55(m,2H),7.37〜7.46(m,2H),7.14〜7.21(m,2H),6.99〜7.06(m,2H),6.45(t,1H),3.80〜3.88(m,1H),3.79(s,3H),3.49〜3.57(m,2H),3.16〜3.28(m,2H),2.07〜2.21(m,1H),1.84〜2.05(m,2H),1.63〜1.78(m,1H);MS:m/z 401.1(M+H)+
【0182】
(実施例12)
【0183】
【化31】

【0184】
A.2−(S)−{[2−(3−フルオロ−フェノキシ)−4−(4−メトキシ−フェノキシ)−ピリミジン−5−イルアミノ]−メチル}−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(12a)。テフロンで裏打ちされた隔膜で密閉したシュレンク管内で、化合物8c(150mg;0.345mmol)、3−フルオロ−フェノール(100mg;0.89mmol)及びK2CO3(95mg;0.69mmol)のDMSO(1mL)溶液を、180℃で10分間反応器内で照射した。希釈された得られた混合物をEt2Oで希釈し、飽和NH4Cl(aq)及びH2Oで洗浄した。有機相を単離し、H2O及びブラインで順次洗浄し、次いで、Na2SO4上で乾燥させた。混合物を濾過し、濾液を減圧下で蒸発させて粗物質を得た。粗物質をフラッシュカラムクロマトグラフィーを用いて精製して(SiO2、ヘプタン−EtOAc勾配で溶出)、化合物12a(35mg;収率20%)を得た。1H−NMR(400MHz,CDCl3):δ 7.67〜7.72(m,1H),7.21〜7.25(m,2H),7.04〜7.11(m,2H),6.80〜6.93(m,4H),5.71(br.s,0.2H),5.21(br.s,0.5H),4.45(br.s,0.3H),4.16〜4.29(m,1H),3.81(s,3H),3.09〜3.55(m,4H),1.77〜2.11(m,4H),1.45〜1.48(m,9H);MS:m/z 511.2(M+H)+
【0185】
B.[2−(3−フルオロ−フェノキシ)−4−(4−メトキシ−フェノキシ)−ピリミジン−5−イル]−ピロリジン−2−(S)−イルメチル−アミン(化合物48)。化合物12a(35mg;0.069mmol)のCH2Cl2(2mL)溶液に、トリフルオロ酢酸(0.25mL)を添加した。反応物を室温で3時間攪拌し、溶媒を真空下で蒸発させて、粗物質を得た。粗物質を逆相HPLCによって精製して(溶離剤、CH3CN−H2O勾配)、TFA塩として化合物48(23mg;収率53%)を得た。1H−NMR(400MHz,CDCl3):δ 9.56(br.s,1H),7.66(s,1H),7.20〜7.24(m,2H),7.00〜7.03(m,2H),6.79〜6.86(m,4H),4.87(br.s,1H),3.80〜3.84(m,1H),3.79(s,3H),3.46(br.s,2H),3.17〜3.26(m,2H),2.10〜2.19(m,1H),1.92〜2.08(m,2H),1.72〜1.82(m,1H);MS:m/z 411.2(M+H)+
【0186】
上記の実施例12の手順に従い、当業者に周知の適切な試薬、出発物質及び精製方法に置き換えることにより、以下の本発明の化合物を調製した。
【0187】
【表7】

【0188】
(実施例13)
【0189】
【化32】

【0190】
A.2−(S)−{[2−(3−フルオロ−フェニルアミノ)−4−(4−メトキシ−フェノキシ)−ピリミジン−5−イルアミノ]−メチル}−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(13a)。乾燥したシュレンク管に、化合物8c(100mg;0.23mmol)、3−フルオロ−フェニルアミン(31mg;0.28mmol)、K2CO3(44.5mg;0.32mmol)、9,9−ジメチル−4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)キサンテン(8mg;0.014mmol)、及びトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(4.2mg;0.0046mmol)の混合物を添加した。テフロンで裏打ちされた隔膜で管を密閉し、排気し、アルゴンで再充填した。トルエン(0.8mL)及び数敵の水を、シリンジを介して添加した。混合物を、180℃で30分間マイクロ波反応器内で照射した。得られた混合物をEtOAcで希釈し、飽和NH4Cl(aq)及びH2Oで順次洗浄した。有機相をH2Oで洗浄し、次いで、Na2SO4上で乾燥させた。混合物を濾過し、濾液を減圧下で蒸発させて、粗物質を得た。粗物質をフラッシュカラムクロマトグラフィーを用いて精製して(SiO2、溶離剤、ヘプタン−EtOAc勾配)、化合物13a(30mg;収率26%)を得た。1H−NMR(400MHz,CDCl3):δ 7.77(s,1H),7.34(dt,1H),7.10(d,2H),7.02〜7.08(m,1H),6.98(d,2H),6.79(d,1H),6.74(br.s,1H),6.52(td,1H),4.76〜4.80(m,0.5H),4.16〜4.26(m,1.5H),3.86(s,3H),3.11〜3.52(m,4H),1.87〜2.10(m,4H),1.23〜1.30(m,9H);MS:m/z 510.3(M+H)+
【0191】
B.N2−(3−フルオロ−フェニル)−4−(4−メトキシ−フェノキシ)−N5−ピロリジン−2−(S)−イルメチル−ピリミジン−2,5−ジアミン(化合物49)。化合物13a(30mg;0.059mmol)のCH2Cl2(2mL)溶液に、トリフルオロ酢酸(0.3mL)を添加した。反応物を室温で3時間攪拌し、溶媒を真空下で蒸発させて、粗物質を得た。粗物質を逆相HPLCによって精製して(溶離剤、CH3CN−H2O勾配)、TFA塩として化合物49(25mg;収率67%)を得た。1H−NMR(400MHz,DMSO−d6):δ 9.25(s,1H),8.91(br.s,1H),8.41(br,1H),7.95(s,1H),7.40(dt,1H),7.15〜7.19(m,2H),7.02〜7.13(m,4H),6.53(td,1H),5.34(br.s,1H),3.81〜3.86(m,1H),3.79(s,3H),3.20〜3.39(m,4H),2.10〜2.17(m,1H),1.87〜1.99(m,2H),1.66〜1.73(m,1H);MS:m/z 410.3(M+H)+
【0192】
(実施例14)
【0193】
【化33】

【0194】
A.N,N−ジエチル−4−ヒドロキシ−ベンズアミド(14a)。窒素雰囲下で、DMF(8mL)中の4−ヒドロキシ安息香酸(0.70g;5.0mmol)、Et2NH(1mL;10.0mmol)、(ベンゾトリアゾール−1−イル−オキシ)トリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(5.2g;10.0mmol)、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(1.0g;7.5mmol)、及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(1.74mL;10.0mmol)の混合物を、室温で20時間攪拌した。反応物を水でクエンチし、次いでEtOAcで抽出した。有機相を1N HCl(aq)、飽和NaHCO3(aq)、及びブラインで順次洗浄し、Na2SO4上で乾燥させた。混合物を濾過し、濾液を濃縮し、得られた残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィーを用いて精製して(溶離剤、EtOAc/ヘキサン:1/1)、白色の固体として化合物14a(0.45g;収率47%)を得た。1H−NMR(300MHz,CDCl3):δ 9.22(s,1H),7.17(d,2H),6.72(d,2H),3.33〜3.51(m,4H),1.10〜1.26(m,6H);MS:m/z 194.1(M+H)+
【0195】
B.N,N−ジエチル−4−[4−(4−メトキシ−フェノキシ)−5−ニトロピリミジン−2−イルオキシ]−ベンズアミド(14b)。化合物8a(0.14g;0.5mmol)のアセトン(4mL)溶液に、化合物14a(0.11g;0.55mmol)の1N NaOH水溶液(0.55mL;0.55mmol)及びH2O(2mL)溶液を滴下した。添加が完了した後、反応混合物を室温にゆっくり加温し、室温で20時間攪拌した。反応混合物を濃縮した後、残留物をEtOAcで抽出し、1N NaOH(aq)、ブライン洗浄し、MgSO4上で乾燥させた。溶媒を除去し、次いで、フラッシュカラムクロマトグラフィーを用いて精製して(溶離剤、EtOAc/ヘキサン:1/1)、化合物14b(0.09g;41%)を得た。MS:m/z 439.2(M+H)+
【0196】
C.4−[5−アミノ−4−(4−メトキシ−フェノキシ)−ピリミジン−2−イルオキシ]−N,N−ジエチル−ベンズアミド(14c)。化合物14b(0.09g;0.2mmol)のMeOH(10mL)溶液に、10% Pd−C(0.1g)を添加し、反応混合物を20時間220.6kPa(32psi)の水素雰囲気下にてParr水素化装置内で振盪した。濾過し、濾液を蒸発させて、化合物14c(0.08g;98%)を得た。MS:m/z 409.2(M+H)+
【0197】
D.2−(S)−{[2−(4−ジエチルカルバモイル−フェノキシ)−4−(4−メトキシ−フェノキシ)−ピリミジン−5−イルアミノ]−メチル}−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(14d)。化合物14c(0.08g;0.196mmol)及びN−tert−Boc−L−プロリナル(0.043g;0.215mmol)のMeOH(1mL)及びHOAc(0.1mL)溶液に、NaBH3(0.025g;0.392mmol)を添加した。室温で4時間攪拌した後、反応物をブラインの添加によってクエンチし、揮発成分を蒸発により除去し、残留物をEtOAcで抽出した。有機相を1N HCl(aq)、飽和NaHCO3(aq)、及びブラインで順次洗浄し、NaSO4上で乾燥させた。混合物を濃縮し、次いで分取TLCによって精製して(溶離剤、EtOAc/ヘキサン:1/1)、化合物14dを得た。MS:m/z 592.3(M+H)+
【0198】
E.N,N−ジエチル−4−{4−(4−メトキシ−フェノキシ)−5−[(ピロリジン−2−(S)−イルメチル)−アミノ]−ピリミジン−2−イルオキシ}−ベンズアミド(14e)。化合物14d(0.1g;0.19mmol)のDCM(1mL)溶液に、TFA(1mL)を添加し、混合物を室温で1時間攪拌した。反応混合物を濃縮し、次いで、逆相HPLCによって精製して、TFA塩として化合物5を得た。1H−NMR(300MHz,MeOH−d4):δ 7.86(d,1H),7.18〜7.41(m,3H),7.00〜7.14(m,2H),6.79〜6.97(m,3H),3.93(br.s,1H),3.77(d,3H),3.43〜3.63(m,4H),3.31〜3.43(m,4H),2.21〜2.39(m,1H),1.98〜2.21(m,2H),1.76〜1.93(m,1H),1.25(br.s 3H),1.14(br.s,3H);MS:m/z 492.3(M+H)+
【0199】
以下の表1における式(I)の化合物1〜54は、下記手順を用いて合成した。
【0200】
【表8−1】

【0201】
【表8−2】

【0202】
生物学的実施例
インビトロアッセイ
(実施例1)
NG108−15、24−ウェルデルタオピオイド受容体結合アッセイ
方法:NG108−15細胞膜は、Applied Cell Sciences(Rockville,MD)から購入した。5mg/mLの膜タンパク質を、10mM TRIS−HCl pH 7.2、2mM EDTA、10%スクロースに懸濁させた。Polytronホモジナイザーからの幾つかの短パルスを用いて、50mM Trisバッファ(pH 7.4)5mLにて各バイアル瓶をホモジナイズした。最終濃度を133ug/ウェルにするために、5mM MgCl2を含有する50mMのTrisバッファで、ホモジネートを標準希釈溶液中330μg/mLに希釈した。この粒子状調製物を、24ウェルデルタオピオイド受容体結合アッセイに用いた。
【0203】
デルタ選択的リガンド、〜.2nM[3H]ナルトリンドールとの、全容積1mLでの24ウェルプレート内での25℃で2.5時間のインキュベーション後、プレート内容物をUniFilter24,GF/Bを通して濾過した。このプレートを0.3%PEIに前浸漬し、24ウェルのハーベスターを通して濾過した。UniFilter24を10mM HEPES(pH 7.4)2mLで3回すすぎ、37℃のオーブンで1.5時間乾燥させた。各ウェルに、150μLのScint0(PerkinElmer、カタログ番号6013611)を添加した。次いで、プレートをTopCountで読み取った。
【0204】
分析:シンチレーションカウンターからのデータを用いて、対照結合(試験化合物の単一濃度のみを評価した場合)と比較した阻害%、又はKi値(濃度範囲を試験した場合)のいずれかを計算した。非特異的結合(N.S.−1mMナロキソン)をネガティブコントロールとして用い、一方、全結合(T.B.−膜及びリガンドのみ)をポジティブコントロールとして用いた。1つの濃度がスクリーニングされた場合、阻害率(%)は(全結合のcpm−化合物のcpm)/(T.B.のcpm−N.S.のcpm)として計算する。トリプリケートの阻害率(%)を平均し、報告する。複数の濃度が生じた場合、Prismにおける1部位結合非線形回帰プログラムを用いて値を分析して、Ki値を求める。最低値及び最高値を世界的に共有する。次いで、トリプリケートのKiを平均し、報告する。
【0205】
得られたデータを以下の表2に示す。
【0206】
(実施例2)
ラット脳デルタオピオイド受容体結合アッセイ
手順:オスのWistarラット(150〜250g、VAF、Charles River,Kingston,NY)をCO2を用いて安楽死させ、それらの脳を取り出し、直ちに氷冷Tris HClバッファ(50mM、pH 7.4)中に配置した。前脳を、背側の丘から開始して、中脳−橋接合部を介して腹側へ通過する冠状切断により残りの脳から分離した。切開の後、前脳をテフロン(登録商標)ガラスホモジナイザー内にてTrisバッファ中でホモジナイズした。80mLのTris当たり1gの前脳組織の濃度のホモジネートを希釈し、10分間39,000×gで遠心分離した。Polytonホモジナイザーからの幾つかの短パルスを用いて、ペレットを5mM MgCl2を含有する同体積のTrisバッファに再懸濁させた。この微粒子製剤をデルタオピオイド結合アッセイに使用した。デルタ選択的ペプチドリガンド、〜4nM[3H]DPDPE又は0.25nMの[3H]ナルトリンドールとの、全容積1mLでの96−ウェルプレート内での25℃で2.5時間のインキュベーション後、プレート内容物をTomtec96−ウェルハーベスター上で、WallacフィルターマットBシートを介して濾過した。フィルターを2mLの10mM HEPES(pH 7.4)で3回濯ぎ、650W電子レンジ内で1.75分間にわたって2回乾燥した。各サンプル領域に、2×50μLのベータプレートシントシンチレーション流体(LKB)を加え、放射能をLKB(Wallac)1205ベータプレート液体シンチレーションカウンターで計測した。
【0207】
分析:シンチレーションカウンターからのデータを用いて、対照結合(試験化合物の単一濃度のみを評価した場合)と比較した阻害%、又はKi値(濃度範囲を試験した場合)のいずれかを計算した。阻害率(%)は、以下のように計算した:[(全dpm−試験化合物のdpm)/(全dpm−非特異的なdpm)]×100。Kd及びKi値は、GraphPad PRISMデータ解析プログラムを使用して計算した。得られたデータを以下の表2に示す。
【0208】
(実施例3)
ラット脳ミューオピオイド受容体結合アッセイ
手順:オスのWistarラット(150〜250g、VAF、Charles River,Kingston,NY)をCO2を用いて安楽死させ、それらの脳を取り出し、直ちに氷冷Tris HClバッファ(50mM、pH 7.4)中に配置した。前脳を、背側の丘から開始して、中脳−橋接合部を介して腹側へ通過する冠状切断により残りの脳から分離した。切開の後、前脳をテフロン(登録商標)ガラスホモジナイザー内にてTrisバッファ中でホモジナイズした。80mLのTris当たり1gの前脳組織の濃度のホモジネートを希釈し、10分間39,000×gで遠心分離した。Polytonホモジナイザーからの幾つかの短パルスを用いて、ペレットを5mM MgCl2を含有する同体積のTrisバッファに再懸濁させた。この微粒子製剤をミューオピオイド結合アッセイに使用した。ミュー選択的ペプチドリガンド、〜0.8nM[3H]DAMGOとの、全アッセイ容積1mLでの96−ウェルプレート内での25℃で2.5時間のインキュベーション後、プレート内容物をトムテック96−ウェルハーベスター上で、WallacフィルターマットBシートを介して濾過した。フィルターを2mLの10mM HEPES(pH 7.4)で3回濯ぎ、650W電子レンジ内で1.75分間にわたって2回乾燥した。各サンプル領域に、2×40μLのベータプレートシントシンチレーション流体(LKB)を加え、放射能をLKB(Wallac)1205ベータプレート液体シンチレーションカウンターで計測した。
【0209】
分析:シンチレーションカウンターからのデータを用いて、対照結合(試験化合物の単一濃度のみを評価した場合)と比較した阻害%、又はKi値(濃度範囲を試験した場合)のいずれかを計算した。阻害率(%)は、以下のように計算した:[(全dpm−試験化合物のdpm)/(全dpm−非特異的なdpm)]×100。Kd及びKi値は、GraphPad PRISMデータ解析プログラムを使用して計算した。得られたデータを以下の表2に示す。
【0210】
【表9−1】

【0211】
【表9−2】

【0212】
(実施例4)
NG108−15細胞膜における[35S]GTPγS結合アッセイ(デルオピオイド機能アッセイ)−200nMのスクリーン
方法:NG108−15細胞膜は、Applied Cell Sciences(Rockville,MD)から購入した。5mg/mLの膜タンパク質を、10mM TRIS−HCl(pH 7.2)、2mM EDTA、10%スクロースに懸濁させた。膜を4〜8℃で維持した。1mLの体積の膜を10mLの冷結合アッセイバッファに添加した。アッセイバッファは、50mMのTris(pH 7.6)5mMのMgCl2、100mMのNaCl、1mMのDTT、及び1mMのEGTAを含有していた。膜懸濁液をPolytonで2回ホモジナイズし、3000rpmで10分間遠心分離した。次いで、上清を18,000rpmで20分間遠心分離した。ペレットを含有する管に10mLのアッセイバッファを添加した。ペレット及びバッファをPolytonと混合した。
【0213】
インキュベーション手順:ペレット膜(75μg/mL)をアッセイバッファ中にて、25℃で45分間SPA(10mg/mL)と共にプレインキュベートした。次いで、膜(37.5μg/mL)とカップリングしたSPA(5mg/mL)を、総体積が200μLである、100μMのGDPを含有する同じTrisバッファ中にて、0.1nM[35S]GTPγSと共にインキュベートした。200nMの受容体アゴニストを用いて、[35S]−GTPγS結合を刺激した。アゴニストの不在下で基本の結合を試験し、10μMの非標識GTPγSの存在下で非特異的結合を試験した。Packard Top Countでデータを解析し、以下の表3に示す。
【0214】
データ
基本(%)=(刺激−非特異的)×100/(基本−非特異的)
200nMにおける化合物の相対的有効性
=(200nMにおける試験化合物の基本(%))/(SNC80用量反応の計算最大値、prismにおける曲線)
【0215】
(実施例5)
CHO−hMOR細胞膜における[35S]GTPγS結合アッセイ(ミューオピオイド機能アッセイ)
方法:CHO−hMOR細胞膜は、Receptor Biology,Inc.(Baltimore,MD)から購入することができる。約10mg/mLの膜タンパク質は、10mMのTRIS−HCl(pH 7.2)、2mMのEDTA、10%スクロースに懸濁させることができ、その懸濁液を氷上で保持した。1mLの体積の膜を、50mMのHEPES(pH 7.6)、5mMのMgCl2、100mMのNaCl、1mMのDTT、及び1mMのEDTAを含有する冷結合アッセイバッファ15mLに添加することができる。膜懸濁液をPolytonでホモジナイズし、3,000rpmで10分間遠心分離することができる。次いで、上清を18,000rpmで20分間遠心分離することができる。Polytonを含むアッセイバッファ10mLにペレットを再懸濁させることができる。アッセイバッファ中にて25℃で45分間、小麦胚凝集素でコーティングされたSPAビーズ(Amersham)と共に膜をプレインキュベートすることができる。次いで、膜(10μg/mL)とカップリングしたSPAビーズ(5mg/mL)を、アッセイバッファ中にて0.5nM[35S]GTPγSと共にインキュベートすることができる添加される試験化合物の不在下で基本結合が生じ得;この未調節結合は100%であるとみなすことができ、アゴニストによって刺激される結合は、著しく上記値を超えるレベルに上昇する。様々な濃度の範囲の受容体アゴニストを用いて[35S]GTPγSの結合を刺激することができる。アゴニストの不在下で基本及び非特異的な結合の両方を試験することができ;非特異的な結合の測定は、10μMの非標識GTPγSを含んでいた。
【0216】
アゴニストによって刺激されるGTPγS結合を阻害する能力を評価することによって、アンタゴニストとしての機能について化合物を試験することができる。放射能は、Packard TopCountで定量することができる。以下のパラメータを計算することができる:
【0217】
【数3】

【0218】
EC50値は、GraphPad Prismを用いて計算することができ、以下の表3に示す。
【0219】
【表10】

【0220】
インビボアッセイ
(実施例6)
炎症性疼痛のラットCFA放射熱モデル
げっ歯類における完全フロイントアジュバント(CFA)の足底内注射は、熱及び機械刺激の両方に対する慢性かつ顕著な痛覚過敏を特徴とする、強く長時間持続する炎症反応を引き起こす。これらは、注射後24〜72時間の間にピークに達し、数日間から数週間持続する場合がある。熱痛覚過敏を逆行させる化合物の能力を評価するために、オスのSprague−Dawleyラット(200〜350g)の左後肢にCFA(1:1CFA:生理食塩水、100μL)を足底内注射してもよい。24時間のインキュベート時間後、放射熱肢刺激機(RH)における反応潜時を得て、ベースライン(CFA前)潜時と比較することができる。RH装置は、自動的にガラスの表面から肢を持ち上げるよう登録する。ベースラインから反応潜時(すなわち、痛覚過敏)の少なくとも25%の減少を示すラットのみを、以降の解析に含める。CFA後潜時の評価後、ラットに試験化合物又はビヒクル(ヒドロキシプロピルメチルセルロース、HPMC)を経口投与する(2.5mL/kg)。痛覚過敏の逆行率(%)を各動物について(治療反応−CFA後反応)/(CFA前反応−CFA後反応)×100として計算することができる。したがって、正常なCFA前閾値への逆行は100%有効であると定義することができ、一方、CFA後閾値から変化しない場合は有効性が0%であり得る。次いで、各処理群(n=6〜8ラット/群)について、痛覚過敏の平均逆行率(%)を計算することができる。
【0221】
例証する目的のために提供される実施例と共に、前述の説明は本発明の原理を教示するものであるが、本発明の実施は、以下の「特許請求の範囲」及びその等価物の範囲内にあるとき、使用可能な変形例、適応例、及び/又は変更例の全てを包含すると理解されたい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の化合物:
【化1】

(式中、
1は、フェニル、ピリジニル、及びチアゾリルからなる群から選択され;R1は、所望によりC1〜4アルキル、C1〜4アルコキシ、C1〜4アルキルチオ、ヒドロキシ、フルオロ、クロロ、ブロモ、及びシアノからなる群から独立して選択される1〜2つの置換基で置換され;更にR1は、所望によりアミノ、C1〜4アルキルアミノ、ジ(C1〜4アルキル)アミノ、アミノカルボニル、C1〜4アルキルアミノカルボニル、又はジ(C1〜4アルキル)アミノカルボニルで置換され;
Yは、O、S、NH、ビニル、エチニル、又はS(O)であり;
2は、水素、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシ、C1〜4アルキルチオ、フルオロ、クロロ、ブロモ、及びヒドロキシからなる群から選択される置換基であり;
aは、水素又はメチルであり;
3は、ピロリジン−2−イルメチル、ピロリジン−3−イルメチル、ピペリジン−2−イルメチル、ピペリジン−3−イルメチル、ピペリジン−4−イルメチル、ピペリジン−2−イルエチル、ピペリジン−3−イルエチル、ピペリジン−4−イルエチル、ピリジン−4−イル−(C1〜2)アルキル、アゼチジン−3−イルメチル、モルホリン−2−イルメチル、モルホリン−3−イルメチル、イミダゾリルメチル、チアゾリルメチル、(アミノ)−C3〜6シクロアルキル、3−ヒドロキシ−2−アミノ−プロピル、8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタニル、1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタニル、グアニジニル−エチル、4−(イミダゾール−1−イル)−フェニルメチル、2−(メチルアミノ)−エチル、2−ジエチルアミノ−エチル、4−ジエチルアミノ−ブタ−2−イル、ピペリジン−3−イル、ピペリジン−4−イル、及びピロリジン−3−イルからなる群から選択され;
ピペリジン−3−イルは、所望により炭素原子がフェニルで置換され;ピロリジン−2−イルメチルのピロリジン−2−イル、ピロリジン−3−イル、ピペリジン−3−イル、及びピペリジン−4−イルは、所望により窒素原子がメチル、フェニルメチル、フェネチル、又はメチルカルボニルで置換される);
並びにそのエナンチオマー、ジアステレオマー、及び製薬上許容され得る塩。
【請求項2】
1が、フェニル、ピリジニル、及びチアゾリルからなる群から選択され;R1が、所望によりC1〜4アルコキシ、フルオロ、クロロ、ブロモ、及びシアノからなる群から独立して選択される1〜2つの置換基で置換され;更にR1が、所望によりアミノカルボニル、C1〜4アルキルアミノカルボニル、又はジ(C1〜4アルキル)アミノカルボニルで置換される、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
1が、所望によりC1〜4アルコキシ、フルオロ、及びブロモからなる群から独立して選択される1〜2つの置換基で置換されるフェニルであり;更にR1が、所望によりジ(C1〜4アルキル)アミノカルボニルで置換される、請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
1が、所望によりC1〜4アルコキシ及びフルオロからなる群から独立して選択される1〜2つの置換基で置換されるフェニルであり;更にR1が、所望によりジ(C1〜4アルキル)アミノカルボニルで置換される、請求項3に記載の化合物。
【請求項5】
1が、所望によりC1〜4アルコキシ及びジ(C1〜4アルキル)アミノカルボニルからなる群から選択される1つの置換基で置換されるフェニルである、請求項4に記載の化合物。
【請求項6】
Yが、O、NH、ビニル、エチニル、又はS(O)である、請求項1に記載の化合物。
【請求項7】
Yが、O又はエチニルである、請求項6に記載の化合物。
【請求項8】
YがOである、請求項7に記載の化合物。
【請求項9】
2が、C1〜2アルコキシ、フルオロ、及びブロモからなる群から選択される置換基である、請求項1に記載の化合物。
【請求項10】
2が、C1〜2アルコキシ又はフルオロである、請求項9に記載の化合物。
【請求項11】
aが水素である、請求項1に記載の化合物。
【請求項12】
3が、ピロリジン−2−イルメチル、ピロリジン−3−イルメチル、ピペリジン−2−イルメチル、ピペリジン−3−イルメチル、ピペリジン−4−イルメチル、ピペリジン−3−イルエチル、ピペリジン−4−イルエチル、アゼチジン−3−イルメチル、モルホリン−2−イルメチル、ピペリジン−3−イル、ピペリジン−4−イル、ピロリジン−3−イル、3−アミノ−シクロヘキシル、4−アミノ−シクロヘキシル、3−ヒドロキシ−2−アミノ−プロピル、4−ジエチルアミノ−ブタ−2−イル、8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタニル、1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタニル、及び2−(メチルアミノ)−エチルからなる群から選択され;
ピペリジン−3−イルは、所望により炭素原子がフェニルで置換され;ピロリジン−2−イルメチルのピロリジン−2−イル、ピロリジン−3−イル、ピペリジン−3−イル、及びピペリジン−4−イルは、所望により窒素原子がメチル、フェニルメチル、フェネチル、又はメチルカルボニルで置換される、請求項1に記載の化合物。
【請求項13】
3が、ピロリジン−2−イルメチル、ピロリジン−3−イルメチル、ピペリジン−2−イルメチル、ピペリジン−3−イルメチル、ピペリジン−4−イルメチル、アゼチジン−3−イルメチル、ピペリジン−3−イル、ピペリジン−4−イル、3−アミノ−シクロヘキシル、4−アミノ−シクロヘキシル、3−ヒドロキシ−2−アミノ−プロピル、4−ジエチルアミノ−ブタ−2−イル、8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタニル、1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタニル、及び2−(メチルアミノ)−エチルからなる群から選択され;
ピロリジン−2−イルメチルのピロリジン−2−イルは、所望により窒素原子がメチルで置換される、請求項12に記載の化合物。
【請求項14】
3が、ピロリジン−2−イルメチル、ピペリジン−3−イル、及び3−アミノ−シクロヘキシルからなる群から選択され;
ピロリジン−2−イルメチルのピロリジン−2−イルは、所望により窒素原子がメチルで置換される、請求項13に記載の化合物。
【請求項15】
式(I)の化合物:
【化2】

(式中、
1は、フェニル、ピリジニル、及びチアゾリルからなる群から選択され;R1は、所望によりC1〜4アルコキシ、フルオロ、クロロ、ブロモ、及びシアノからなる群から独立して選択される1〜2つの置換基で置換され;更にR1は、所望によりアミノカルボニル、C1〜4アルキルアミノカルボニル、又はジ(C1〜4アルキル)アミノカルボニルで置換され;
Yは、O、NH、ビニル、エチニル、又はS(O)であり;
2は、C1〜2アルコキシ、フルオロ、及びブロモからなる群から選択される置換基であり;
aは、水素又はメチルであり;
3は、ピロリジン−2−イルメチル、ピロリジン−3−イルメチル、ピペリジン−2−イルメチル、ピペリジン−3−イルメチル、ピペリジン−4−イルメチル、ピペリジン−3−イルエチル、ピペリジン−4−イルエチル、アゼチジン−3−イルメチル、モルホリン−2−イルメチル、ピペリジン−3−イル、ピペリジン−4−イル、ピロリジン−3−イル、3−アミノ−シクロヘキシル、4−アミノ−シクロヘキシル、3−ヒドロキシ−2−アミノ−プロピル、4−ジエチルアミノ−ブタ−2−イル、8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタニル、1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタニル、及び2−(メチルアミノ)−エチルからなる群から選択され;
ピペリジン−3−イルは、所望により炭素原子がフェニルで置換され;ピロリジン−2−イルメチルのピロリジン−2−イル、ピロリジン−3−イル、ピペリジン−3−イル、及びピペリジン−4−イルは、所望により窒素原子がメチル、フェニルメチル、フェネチル、又はメチルカルボニルで置換される);
並びにそのエナンチオマー、ジアステレオマー、及び製薬上許容され得る塩。
【請求項16】
式(I)の化合物:
【化3】

(式中、
1は、所望によりC1〜4アルコキシ、フルオロ、及びブロモからなる群から独立して選択される1〜2つの置換基で置換されるフェニルであり;更にR1は、所望によりジ(C1〜4アルキル)アミノカルボニルで置換され;
Yは、O、NH、ビニル、エチニル、又はS(O)であり;
2は、C1〜2アルコキシ、フルオロ、及びブロモからなる群から選択され;
aは、水素であり;
3は、ピロリジン−2−イルメチル、ピロリジン−3−イルメチル、ピペリジン−2−イルメチル、ピペリジン−3−イルメチル、ピペリジン−4−イルメチル、アゼチジン−3−イルメチル、ピペリジン−3−イル、ピペリジン−4−イル、3−アミノ−シクロヘキシル、4−アミノ−シクロヘキシル、3−ヒドロキシ−2−アミノ−プロピル、4−ジエチルアミノ−ブタ−2−イル、8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタニル、1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタニル、及び2−(メチルアミノ)−エチルからなる群から選択され;
ピロリジン−2−イルメチルのピロリジン−2−イルは、所望により窒素原子がメチルで置換される);
並びにそのエナンチオマー、ジアステレオマー、及び製薬上許容され得る塩。
【請求項17】
式(I)の化合物:
【化4】

(式中、
1は、所望によりC1〜4アルコキシ及びフルオロからなる群から独立して選択される1〜2つの置換基で置換されるフェニルであり;更にR1は、所望によりジ(C1〜4アルキル)アミノカルボニルで置換され;
Yは、O又はエチニルであり;
2は、C1〜2アルコキシ、フルオロ、及びブロモからなる群から選択される置換基であり;
aは、水素であり;
3は、ピロリジン−2−イルメチル、ピペリジン−3−イル、及び3−アミノ−シクロヘキシルからなる群から選択され;
ピロリジン−2−イルメチルのピロリジン−2−イルは、所望により窒素原子がメチルで置換される);
並びにそのエナンチオマー、ジアステレオマー、及び製薬上許容され得る塩。
【請求項18】
式(I)の化合物:
【化5】

(式中、
1は、所望によりC1〜4アルコキシ及びジ(C1〜4アルキル)アミノカルボニルからなる群から独立して選択される1つの置換基で置換されるフェニルであり;
Yは、Oであり;
2は、C1〜2アルコキシ又はフルオロであり;
aは、水素であり;
3は、ピロリジン−2−イルメチル、ピペリジン−3−イル、及び3−アミノ−シクロヘキシルからなる群から選択され;
ピロリジン−2−イルメチルのピロリジン−2−イルは、所望により窒素原子がメチルで置換される);
並びにそのエナンチオマー、ジアステレオマー、及び製薬上許容され得る塩。
【請求項19】
式(I)の化合物であって、
【化6】

次のものからなる群から選択される化合物:
1が4−メトキシ−フェニルであり、YがOであり、R2が4−メトキシであり、RaがHであり、R3がピロリジン−2−イルメチルである式(I)の化合物;(2S)
1が4−メトキシ−フェニルであり、YがOであり、R2が4−メトキシであり、RaがHであり、R3がピペリジン−3−イルである式(I)の化合物;(RS)
1が4−メトキシ−フェニルであり、YがOであり、R2が4−メトキシであり、RaがHであり、R3が3−アミノ−シクロヘキシルである式(I)の化合物;(1RS,3RS)
1が2−フェニルであり、Yがエチニルであり、R2が4−メトキシであり、RaがHであり、R3がピロリジン−2−イルメチルである式(I)の化合物;(2S)
1が4−ジエチルアミノカルボニル−フェニルであり、YがOであり、R2が4−メトキシであり、RaがHであり、R3がピロリジン−2−イルメチルである式(I)の化合物;(2S)
1が4−メトキシ−フェニルであり、YがOであり、R2が4−メトキシであり、RaがHであり、R3がピロリジン−2−イルメチルである式(I)の化合物;(2RS)
1が4−メトキシ−フェニルであり、YがOであり、R2が4−メトキシであり、RaがHであり、R3がピロリジン−2−イルメチルである式(I)の化合物;(2R)
1が4−メトキシ−フェニルであり、YがOであり、R2が4−メトキシであり、Raがメチルであり、R3が1−メチル−ピロリジン−2−イルメチルである式(I)の化合物;(2S)
1が4−メトキシ−フェニルであり、YがOであり、R2が4−メトキシであり、RaがHであり、R3が1−メチル−ピロリジン−2−イルメチルである式(I)の化合物;(2S)
1が4−メトキシ−フェニルであり、YがOであり、R2が4−メトキシであり、RaがHであり、R3が3−ヒドロキシ−2−アミノ−プロピルである式(I)の化合物;(2R)
1が4−メトキシ−フェニルであり、YがOであり、R2が4−メトキシであり、RaがHであり、R3が8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イルである式(I)の化合物;(1R,5S)
1が4−メトキシ−フェニルであり、YがOであり、R2が4−メトキシであり、RaがHであり、R3がピペリジン−4−イルである式(I)の化合物;
1が4−メトキシ−フェニルであり、YがOであり、R2が4−メトキシであり、RaがHであり、R3がアゼチジン−3−イルメチルである式(I)の化合物;
1が4−メトキシ−フェニルであり、YがOであり、R2が4−メトキシであり、RaがHであり、R3が1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イルである式(I)の化合物;
1が4−メトキシ−フェニルであり、YがOであり、R2が4−メトキシであり、RaがHであり、R3がピペリジン−3−イルメチルである式(I)の化合物;(3RS)
1が4−メトキシ−フェニルであり、YがOであり、R2が4−メトキシであり、RaがHであり、R3が4−アミノ−シクロヘキシルである式(I)の化合物;
1が4−メトキシ−フェニルであり、YがOであり、R2が4−メトキシであり、RaがHであり、R3がピペリジン−4−イルメチルである式(I)の化合物;
1が4−メトキシ−フェニルであり、YがOであり、R2が4−メトキシであり、RaがHであり、R3が2−メチルアミノ−エチルである式(I)の化合物;
1が2−(4−メトキシ−フェニル)であり、Yがビニルであり、R2が4−メトキシであり、RaがHであり、R3がピロリジン−2−イルメチルである式(I)の化合物;(2S)
1が4−メトキシ−フェニルであり、YがS(O)であり、R2が4−メトキシであり、RaがHであり、R3がピロリジン−2−イルメチルである式(I)の化合物;(2S)
1が4−メトキシ−フェニルであり、YがOであり、R2が4−メトキシであり、RaがHであり、R3が3−ヒドロキシ−2−アミノ−プロピルである式(I)の化合物;(2S)
1が4−メトキシ−フェニルであり、YがOであり、R2が4−メトキシであり、RaがHであり、R3がピロリジン−3−イルメチルである式(I)の化合物;(3RS)
1が4−メトキシ−フェニルであり、YがNHであり、R2が4−メトキシであり、RaがHであり、R3がピロリジン−2−イルメチルである式(I)の化合物;(2S)
1が4−フルオロ−フェニルであり、YがOであり、R2が4−フルオロであり、RaがHであり、R3がピロリジン−2−イルメチルである式(I)の化合物;(2*S)
1が4−メトキシ−フェニルであり、YがOであり、R2が4−メトキシであり、RaがHであり、R3がピペリジン−2−イルメチルである式(I)の化合物;(2RS)
1が2−ブロモ−フェニルであり、YがOであり、R2が2−ブロモであり、RaがHであり、R3がピロリジン−2−イルメチルである式(I)の化合物;(2S)
1が4−メトキシ−フェニルであり、YがOであり、R2が4−メトキシであり、RaがHであり、R3が1−フェニルメチル−ピロリジン−3−イルである式(I)の化合物;(3RS)
1が4−メトキシ−フェニルであり、YがOであり、R2が4−メトキシであり、RaがHであり、R3が1−フェニルメチル−ピペリジン−4−イルである式(I)の化合物;
1が4−メトキシ−フェニルであり、YがOであり、R2が4−メトキシであり、RaがHであり、R3が1−フェネチル−ピペリジン−4−イルである式(I)の化合物;
1が4−メトキシ−フェニルであり、YがOであり、R2が4−メトキシであり、RaがHであり、R3が1−メチル−ピペリジン−4−イルである式(I)の化合物;
1が4−メトキシ−フェニルであり、YがOであり、R2が4−メトキシであり、RaがHであり、R3がモルホリン−2−イルメチルである式(I)の化合物;(2RS)
1が4−メトキシ−フェニルであり、YがOであり、R2が4−メトキシであり、RaがHであり、R3が1−フェニルメチル−ピペリジン−3−イルである式(I)の化合物;(3RS)
1が4−メトキシ−フェニルであり、YがOであり、R2が4−メトキシであり、RaがHであり、R3が2−(ピペリジン−4−イル)−エチルである式(I)の化合物;
1が4−メトキシ−フェニルであり、YがOであり、R2が4−メトキシであり、RaがHであり、R3が2−(ピペリジン−3−イル)−エチルである式(I)の化合物;(3RS)
1が4−メトキシ−フェニルであり、YがOであり、R2が4−メトキシであり、RaがHであり、R3が4−フェニル−ピペリジン−3−イルである式(I)の化合物;(3RS,4RS)
1が4−メトキシ−フェニルであり、YがOであり、R2が4−メトキシであり、RaがHであり、R3がピロリジン−3−イルである式(I)の化合物;(3RS)
1が4−メトキシ−フェニルであり、YがOであり、R2が4−メトキシであり、RaがHであり、R3が4−(イミダゾール−1−イル)−フェニルメチルである式(I)の化合物;
1が4−メトキシ−フェニルであり、YがOであり、R2が4−メトキシであり、RaがHであり、R3が4−ジエチルアミノ−ブタ−2−イルである式(I)の化合物;(2RS)
1が4−メトキシ−フェニルであり、YがOであり、R2が4−メトキシであり、RaがHであり、R3がピリジン−4−イルメチルである式(I)の化合物;
1が4−メトキシ−フェニルであり、YがOであり、R2が4−メトキシであり、RaがHであり、R3が1−(ピリジン−4−イル)−エチルである式(I)の化合物;(1RS)
1が4−メトキシ−フェニルであり、YがOであり、R2が4−メトキシであり、RaがHであり、R3が1−メチルカルボニル−ピペリジン−4−イルである式(I)の化合物;
1が4−メトキシ−フェニルであり、YがOであり、R2が4−メトキシであり、RaがHであり、R3が1H−イミダゾール−2−イルメチルである式(I)の化合物;
1が4−メトキシ−フェニルであり、YがOであり、R2が4−メトキシであり、RaがHであり、R3がチアゾール−2−イルメチルである式(I)の化合物;
1が4−メトキシ−フェニルであり、YがOであり、R2が4−メトキシであり、RaがHであり、R3が2−グアニジノ−エチルである式(I)の化合物;
1がピリジン−3−イルであり、YがOであり、R2が4−メトキシであり、RaがHであり、R3がピロリジン−2−イルメチルである式(I)の化合物;(2S)
1が3−フルオロ−フェニルであり、YがOであり、R2が4−メトキシであり、RaがHであり、R3がピロリジン−2−イルメチルである式(I)の化合物;(2S)
1が3−フルオロ−フェニルであり、YがSであり、R2が4−メトキシであり、RaがHであり、R3がピロリジン−2−イルメチルである式(I)の化合物;(2S)
1がピリジン−3−イルであり、YがNHであり、R2が4−メトキシであり、RaがHであり、R3がピロリジン−2−イルメチルである式(I)の化合物;(2S)
1が3−フルオロ−フェニルであり、YがNHであり、R2が4−メトキシであり、RaがHであり、R3がピロリジン−2−イルメチルである式(I)の化合物;(2S)
1がチアゾール−2−イルであり、YがNHであり、R2が4−メトキシであり、RaがHであり、R3がピロリジン−2−イルメチルである式(I)の化合物;(2S)
1が3−クロロ−フェニルであり、YがOであり、R2が4−メトキシであり、RaがHであり、R3がピロリジン−2−イルメチルである式(I)の化合物;(2S)
1が3−メトキシ−フェニルであり、YがOであり、R2が4−メトキシであり、RaがHであり、R3がピロリジン−2−イルメチルである式(I)の化合物;(2S)
1が3−シアノ−フェニルであり、YがOであり、R2が4−メトキシであり、RaがHであり、R3がピロリジン−2−イルメチルである式(I)の化合物;(2S)
並びに
1が3,5−ジフルオロ−フェニルであり、YがOであり、R2が4−メトキシであり、RaがHであり、R3がピロリジン−2−イルメチルである式(I)の化合物;(2S)
並びに、その製薬上許容され得る塩。
【請求項20】
請求項1に記載の化合物と、製薬上許容できる担体、製薬上許容できる賦形剤、及び製薬上許容できる希釈剤のうちの少なくとも1つと、を含む、医薬組成物。
【請求項21】
前記組成物が固体の経口投与形態である、請求項18に記載の医薬組成物。
【請求項22】
前記組成物が、シロップ剤、エリキシル剤、又は懸濁剤である、請求項18に記載の医薬組成物。
【請求項23】
治療上有効な量の請求項1に記載の化合物を、処置を必要とする被験体に投与することを含む、被験体の中程度〜重篤な疼痛の処置方法。
【請求項24】
前記中程度〜重篤な疼痛が、変形性関節症、関節リウマチ、線維筋痛症、偏頭痛、頭痛、歯痛、火傷、日焼け、ヘビ咬傷、クモ咬傷、虫刺症、神経障害性膀胱障害、良性前立腺肥大、間質性膀胱炎、鼻炎、接触性皮膚炎/過敏症、痒み、湿疹、咽頭炎、粘膜炎、腸炎、セルライト、カウザルギー、坐骨神経炎、舌咽神経痛、末梢神経炎、多発神経炎、断端痛、幻想肢痛、術後腸閉塞、胆嚢炎、乳房切除後疼痛症候群、口腔神経因性疼痛、シャルコー疼痛、反射性交感神経性ジストロフィー、ギラン・バレー症候群、知覚異常性大腿神経痛、口腔内灼熱症候群、群発性頭痛、偏頭痛、末梢神経障害、両側性末梢神経障害、糖尿病性神経障害、視神経炎、発熱後の神経炎、遊走性神経炎、分節性神経炎、ゴンボール神経炎、ニューロン炎、頚上腕神経痛、頭部神経痛、膝神経痛、舌咽神経痛、片頭痛神経痛、特発性神経痛、肋間神経痛、乳房神経痛、モートン神経痛、鼻毛様体神経痛、後頭神経痛、紅神経痛、スラダー神経痛、蝶口蓋神経痛、眼窩上神経痛、ヴィディアン神経痛、炎症性腸疾患、過敏性腸症候群、副鼻腔炎性頭痛、緊張性頭痛、陣痛、出産、月経性痙攣、及び癌からなる群から選択される疾患又は症状に起因するものである、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記疼痛が、炎症性疼痛、中枢を介する疼痛、末梢を介する疼痛、内臓痛、構造に関連する疼痛、癌性疼痛、軟組織損傷に関連する疼痛、進行性疾患に関連する疼痛、神経因性疼痛及び急性損傷に起因する急性疼痛、外傷に起因する急性疼痛、手術に起因する急性疼痛、頭痛に起因する慢性疼痛、神経学的症状に起因する慢性疼痛、卒中後の症状に起因する慢性疼痛及び偏頭痛に起因する慢性疼痛からなる群から選択される、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
抑鬱、パーキンソン病、薬物依存症、アルコール依存症、胃炎、尿失禁、早漏、下痢、心臓血管疾患及び呼吸器疾患からなる群から選択される疾患又は症状を治療又は予防する方法であって、前記方法が、このような治療を必要としている哺乳類に治療上有効な量の請求項1に記載の化合物又はその塩を投与する工程を含む、方法。

【公表番号】特表2013−509426(P2013−509426A)
【公表日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−537062(P2012−537062)
【出願日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際出願番号】PCT/US2010/054478
【国際公開番号】WO2011/053701
【国際公開日】平成23年5月5日(2011.5.5)
【出願人】(397060175)ヤンセン ファーマシューティカ エヌ.ベー. (28)
【Fターム(参考)】